JP5955541B2 - 屋根構造 - Google Patents
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Description
従来技術においては、例えば瓦屋根やスレート屋根の上に太陽電池パネルが設置されている(例えば、特許文献1)。即ち、粘土瓦やスレートが敷設された屋根の上に、太陽電池パネルが並べられている。この様に従来技術においては、太陽電池パネルの下に、瓦やスレート等の屋根部材が存在する。
例えば切妻屋根の様に、棟を境として2面の傾斜面を持つ屋根構造であれば、南側の傾斜面にだけ太陽電池パネルを設置している場合がある。
この様な構造の屋根では、二つの傾斜面に例えば粘土瓦が設置され、南側の傾斜面においては、粘土瓦の上に太陽電池パネルが設置されることとなる。
ところで、木の柱は、上部からの荷重を受け続けると、経年的に縮むことが知られている。通常の日本家屋では、屋根の重さは均等であって場所によるばらつきが小さいから、どの位置の柱も均等に荷重を受け、均等に縮む。
ところが、太陽電池を例えば南側の傾斜面にだけ設置すると、屋根の南側を支える柱が、北側を支える柱に比べてより大きく縮む可能性がある。そのため、太陽電池を例えば南側の傾斜面にだけ設置すると、長期間の間に家に狂いが生じ、壁と柱の間に隙間ができたり、障子や襖が開きにくくなってしまったりすることが懸念される。
また、屋根の重さが場所によってばらつきが生じると、耐震強度が低下し、地震による倒壊のリスクが高くなる。
太陽電池は、最近になってから普及しだしたものであり、データは少ないもの、数十年先には、この様な偏荷重による問題が顕著になると予想される。
この関連発明の屋根構造では、単位面積当たりの発電領域における太陽電池パネルとその付属品と前記屋根部材との合計重量と、非発電領域における屋根部材の重量との差を単位面積あたりの重量差を20パーセント以下に抑えている。
そのため屋根に掛かる偏荷重が小さく、長期に渡って使用しても、家に狂いが生じない。また、場所によってばらつきが生じにくいので、耐震性が高い。
そのため屋根に掛かる偏荷重が小さく、長期に渡って使用しても、家に狂いが生じない。また、場所によってばらつきが生じにくいので、耐震性が高い。
請求項3に記載の発明は、屋根は、直線状の棟を有し、棟と隣接する少なくとも1つの傾斜面に太陽電池パネルが設置された発電領域があり、屋根の他の領域は防水機能を備えた屋根部材が設けられている非発電領域であり、単位面積当たりの発電領域における太陽電池パネルとその付属品の合計重量と、非発電領域における屋根部材の重量との差は、太陽電池パネルが設置されない領域における単位面積あたりの屋根部材の重量の20パーセント以下であり、発電領域のある傾斜面と、棟と隣接する他の傾斜面に同一の屋根部材が敷設されていることを特徴とする屋根構造である。
上記の関連発明とは異なる本発明の関連発明は、屋根の一部の領域に瓦の機能を有した建材一体型の太陽電池パネルが設置された発電領域があり、屋根の他の領域は防水機能を備えた屋根部材が設けられている非発電領域であり、前記屋根は、直線状の棟を有し、棟を挟んで隣接する2つの傾斜面を備え、前記2つの傾斜面のうち、一方の傾斜面は、前記発電領域と、前記非発電領域が混在し、他方の傾斜面は、前記非発電領域のみが存在しており、単位面積当たりの発電領域における太陽電池パネルとその付属品の合計重量と、非発電領域における屋根部材の重量との差は、太陽電池パネルが設置されない領域における単位面積あたりの屋根部材の重量の20パーセント以下であり、前記一方の傾斜面は、傾斜方向において前記発電領域よりも軒先側又は棟側に屋根部材が設けられていることを特徴とする屋根構造である。
本実施形態の家屋1は、切妻形状の屋根2を有するものである。即ち、本実施形態で採用する屋根構造は、その形態が切妻屋根であり、直線状の棟3を稜線とし、これを境に二つの傾斜面5,6を持つ。そして、南向きの傾斜面5に太陽電池パネル7が複数枚設置されている。
即ち、南側の傾斜面5では、屋根部材10としてスレートが採用されているのに対し、北側の傾斜面6では、屋根部材11として粘土瓦が採用されている。
そのため南側の傾斜面5では、スレート13によって防水され、北側の傾斜面6では、粘土瓦15によって防水されている。
即ち、南側の傾斜面5を構成する、屋根部材10たるスレート13と、太陽電池パネル7および付属品たるレール(図示せず)、金具(図示せず)の単位面積あたりの合計重量と、北側の傾斜面6を構成する、粘土瓦15の重量とが略等しい。より具体的には、両者の差は、粘土瓦15の単位面積あたりの重量の20パーセント以内であり、より望ましくは、粘土瓦15の単位面積あたりの重量の10パーセント以内である。
なお、以下、理解を容易にするために、本実施形態では、屋根部材10及び太陽電池パネル7の付属品たるレール(図示せず)、金具(図示せず)をまとめて、下部部材とも称する。即ち、下部部材は、太陽電池パネル7と屋根下地材8との間に介在する部材を表し、屋根部材の有無は問わない。
例えば、傾斜面6上に屋根部材11として45kg/m2 程度の粘度瓦を用いている場合、傾斜面5において、20kg/m2 程度の太陽電池パネルを用いて、屋根部材10たるスレート13を選定し、太陽電池パネル7および付属品たるレール(図示せず)、金具(図示せず)の単位面積あたりの合計重量を40kg/m2 程度に構成することが好ましい。
また、太陽電池パネル7及び下部部材の単位面積あたりの合計重量に合わせて、粘度瓦を選定してもよい。
要は、太陽電池パネル7の下に設けられる屋根部材を太陽電池パネル7が存在しない領域の屋根部材よりも軽くし、太陽電池パネル7とその下の屋根部材との重量を太陽電池パネル7が無い領域の屋根部材の重量に合わせればよい。
この場合、例えば、屋根部材10として傾斜面20上に21kg/m2 程度のスレート瓦を用いて、傾斜面20の単位面積当たりの重量が21kg/m2 程度となっている場合、傾斜面21において、16kg/m2 程度の太陽電池パネルを用い、トタン23を選定し、太陽電池パネル7および付属品たるレール(図示せず)、金具(図示せず)の重さを調節して、単位面積あたりの合計重量を21kg/m2 程度に構成することが好ましい。
また、太陽電池パネル7及び下部部材の単位面積あたりの合計重量に合わせて、スレート瓦を選定してもよい。
このとき、傾斜面40上と傾斜面41上で単位面積あたりの重量が異なる太陽電池パネルが混在することとなり、単位面積当たりの太陽電池パネル及びその下部部材の合計重量の差が軽量側の合計重量の20パーセント以下とすることが好ましい。具体的には、建材一体型の太陽電池パネル50の合計重量と、金属板と太陽電池パネル7との合計重量との差が、太陽電池パネル50の合計重量の20パーセント以内となることが好ましく、より望ましくは、太陽電池パネル50の合計重量の10パーセント以内である。
この場合、例えば、傾斜面40上に屋根部材として20kg/m2 程度の建材一体型の太陽電池パネル50を用いた場合、傾斜面41上において、16kg/m2 程度の太陽電池パネルを用い、金属板を選定し、太陽電池パネル7および付属品たるレール(図示せず)、金具(図示せず)の重さを調節して、単位面積あたりの合計重量を20〜25kg/m2 程度に構成することが好ましい。
また、太陽電池パネル7及び下部部材の単位面積あたりの合計重量に合わせて、建材一体型の太陽電池パネルを選定してもよい。
この場合、例えば、図10のように傾斜面51,52の双方に屋根部材10,11として20kg/m2 程度のスレート瓦を敷設する場合、一方の傾斜面51のスレート瓦の一部を20kg/m2 程度の建材一体型の太陽電池パネル50を選定して置換し、傾斜面51,52上の重さが均等になるように調節することが好ましい。
また、例えば、図11のように傾斜面55,56の双方に屋根部材10,11として40kg/m2 程度の粘度瓦を敷設する場合、一方の傾斜面55の粘度瓦の一部を40kg/m2 程度の建材一体型の太陽電池パネル50を選定して置換し、傾斜面55,56上の重さが均等になるように調節することが好ましい。
さらに、例えば、図12のように傾斜面60,61の双方に屋根部材10,11として30kg/m2 程度のセメント瓦を敷設する場合、一方の傾斜面60のセメント瓦の一部を30kg/m2 程度の建材一体型の太陽電池パネル50を選定して置換し、傾斜面60,61上の重さが均等になるように調節することが好ましい。
具体的には、図13の屋根の傾斜面を南側から反時計回りに傾斜面A(南側),傾斜面B(東側),傾斜面C(北側),傾斜面D(西側)の4つに分別すると、太陽電池パネル7の敷設する組み合わせとしては、図14のハッチングのように傾斜面A上のみに太陽電池パネル7及び下部部材を敷設し、残りの傾斜面B〜D上には、太陽電池パネルを敷設せず屋根部材を敷設する構造としてもよい。
この場合、単位面積当たりの傾斜面A上の太陽電池パネル及び下部部材の合計重量を他の傾斜面B〜Dのそれぞれの単位面積当たりの傾斜面上の屋根部材の重量と等しくすることが好ましい。
この場合、単位面積当たりの傾斜面A,B上の太陽電池パネル及び下部部材の合計重量を他の傾斜面C,Dの単位面積当たりの傾斜面上の屋根部材の重量と等しくすることが好ましい。
また、他の組み合わせとしては、図16のハッチングのように傾斜面A及びDに太陽電池パネル7及び下部部材を敷設し、残りの傾斜面B,C上には、屋根部材のみを敷設する構造としてもよい。
この場合、単位面積当たりの傾斜面A,D上の太陽電池パネル及び下部部材の合計重量を他の傾斜面B,Cの単位面積当たりの傾斜面上の屋根部材の重量と等しくすることが好ましい。
また、他の組み合わせとしては、図17のハッチングのように傾斜面A,B,Dに太陽電池パネル7を敷設し、残りの傾斜面C上には、太陽電池パネル7を敷設せず屋根部材のみを敷設する構造としてもよい。
この場合、単位面積当たりの傾斜面A,B,D上の太陽電池パネル及び下部部材の合計重量を他の傾斜面Cの単位面積当たりの傾斜面上の屋根部材の重量と等しくすることが好ましい。
また、上記と同様、屋根部材間の組み合わせは、特に限定されない。
2 屋根
3 棟
5,20,26,40,51,55,60,A〜D 傾斜面
6,21,30,41,52,56,61,A〜D 傾斜面
7,50 太陽電池パネル
8 屋根下地材
10 屋根部材
11 屋根部材
13,22,27 スレート
15 粘土瓦
23 トタン
31 金属板
Claims (3)
- 屋根に単位面積あたりの重量が異なる太陽電池パネルが混在し、前記太陽電池パネルの下に下部部材が存在し、単位面積当たりの太陽電池パネル及びその下部部材の合計重量の差が軽量側の合計重量の20パーセント以下であることを特徴とする屋根構造。
- 屋根の一部の領域に瓦の機能を有した建材一体型の太陽電池パネルが設置された発電領域があり、当該発電領域においては屋根部材が無く太陽電池パネルがレール及び金具を介して設置されており、屋根の他の領域は防水機能を備えた屋根部材が設けられている非発電領域であり、
単位面積当たりの発電領域における太陽電池パネルと前記金具及びレールを含む付属品と前記屋根部材の合計重量と、非発電領域における屋根部材の重量との差は、太陽電池パネルが設置されない領域における単位面積あたりの屋根部材の重量の20パーセント以下であることを特徴とする屋根構造。 - 屋根は、直線状の棟を有し、棟と隣接する少なくとも1つの傾斜面に太陽電池パネルが設置された発電領域があり、屋根の他の領域は防水機能を備えた屋根部材が設けられている非発電領域であり、
単位面積当たりの発電領域における太陽電池パネルとその付属品の合計重量と、非発電領域における屋根部材の重量との差は、太陽電池パネルが設置されない領域における単位面積あたりの屋根部材の重量の20パーセント以下であり、
発電領域のある傾斜面と、棟と隣接する他の傾斜面に同一の屋根部材が敷設されていることを特徴とする屋根構造。
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