JP5954943B2 - 積層フィルム - Google Patents

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本発明は、帯電防止性に優れ、かつ、透明性に優れる積層フィルムに関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、「OPPフィルム」と呼ぶことがある。)は、その優れた透明性、機械的強度、防湿性、剛性等を活かして包装材料をはじめ広い分野で使用されている。
一方、OPPフィルムは無極性であり、帯電防止性に劣ることから、帯電防止性を必要とする用途用には、種々の帯電防止剤が添加されている。しかしながら、一般に添加されている帯電防止剤は、比較的低分子量の界面活性剤を添加し、当該界面活性剤がOPPフィルムの表面に滲み出ることにより、帯電防止性を発現させていることから、用途によっては、OPPフィルムの表面に滲み出した界面活性剤により汚れや、帯電防止性の持続性などが劣るという欠点を有している。
このような欠点を改良する方法として、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーからなる高分子帯電防止剤を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献1:特開2002‐321314号公報)。
また、特許文献2(特開2005−314647号公報)には、前記ブロックポリマーとして、当該ブロックポリマーを添加するポリオレフィン樹脂(B)との融点差が±20℃以内にあるブロックポリマーを用いることが提案されている。
しかしながら、上記高分子帯電防止剤とポリプロピレンとをドライブレンドして用いた場合は、帯電防止性は優れているが得られるOPPフィルムの表面が肌荒れして透明性に劣り、OPPフィルム本来の特徴である透明性が低下するおそれがある。
特開2002−321314号公報 特開2005−314647号公報
本発明は、二軸延伸積層フィルムに高分子帯電防止剤を添加して、表面の肌荒れのおそれがなく、透明性に優れかつ帯電防止性能も優れた積層フィルムを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は高分子帯電防止剤(A)とプロピレン系重合体(B)を含む帯電防止樹脂組成物からなる二軸延伸フィルム層(I)及びプロピレン系重合体(C)からなるフィルム層(II)を有する積層フィルムであって、
前記高分子帯電防止剤(A)がポリオレフィン(a1)およびポリウレタン(a4)の群から選ばれた少なくとも1種のポリマーブロック(a)と親水性ポリマーブロック(b)とを有するブロックポリマー(A1)であり、
プロピレン系重合体(B)がプロピレン単独重合体の場合には前記高分子帯電防止剤(A)の配合比が15〜35質量%(高分子帯電防止剤(A)とプロピレン系重合体(B)の合計で100質量%とする)、
プロピレン系重合体(B)がランダム共重合体の場合には前記高分子帯電防止剤(A)の配合比が7〜35質量%(高分子帯電防止剤(A)とプロピレン系重合体(B)の合計で100質量%とする)であり、
二軸延伸フィルム層(I)が、当該積層フィルムの最表面に位置していないことを特徴とする積層フィルムに関する。
本発明の第一の態様として、フィルム層(I)及びフィルム層(II)を有する積層フィルムであって、高分子帯電防止剤(A)を含む二軸延伸フィルム層(I)の両面側にプロピレン系重合体(C)からなる層が設けられた少なくとも3層の積層フィルムであり、フィルム層(II)には好ましくは成形時には高分子帯電防止剤が配合されてないフィルムを用いた積層フィルムが好ましい。
また本発明の第二の態様として、フィルム層(I)及びフィルム層(II)を有する積層フィルムであって少なくとも4層の二軸延伸積層フィルムであり、最外層に内側から接するフィルム層(I)が高分子帯電防止剤(A)を含み、それより外層となるフィルム層(II)には好ましくは帯電防止剤が配合されてない積層フィルムが好ましい。
また、本発明のより好適な態様によれば、プロピレン系重合体(C)が、プロピレン系共重合体(C−1)及びプロピレン単独重合体(C−2)から選ばれる少なくとも1種以上のプロピレン系重合体(C)であることを特徴とする積層フィルムに関する。
また、本発明の好適な態様においては、高分子帯電防止剤(A)が、ポリオレフィン(a1)、ポリアミド(a2)、ポリエステル(a3)及びポリウレタン(a4)の群から選ばれた少なくとも1種のポリマーブロック(a)と親水性ポリマーブロック(b)とを有するブロックポリマー(A1)であることが望ましい。
さらに本発明の好適な態様においては、ポリマーブロック(a)がポリオレフィン(a1)であるブロックポリマー(A1)であることを特徴とする上記の積層フィルムに関する。
これらの中でも、ブロックポリマー(A1)の体積固有抵抗値は1×105〜1×1011Ω・cmの範囲にあることが望ましい。
また、本発明の積層ポリプロピレンフィルムにおいては、フィルム層(II)が、少なくとも一方向に延伸されていることが好適であり、中でも二軸延伸されていることがさらに好適である。
このように、本発明では高分子帯電防止剤(A)、その中でも特定のブロックポリマー(A1)を積層フィルムの直接表面に出ることのない中間層となるフィルム層(I)に配合するものであり、それと同時に、それより外側に設けられるフィルム層(II)には高分子帯電防止剤を配合しないことが好ましい。
これらを可能とするためのさらに好適な態様によれば、フィルム層(I)の片面側、あるいは両面側に設けられるフィルム層(II)の厚さは、0.5〜20μmであることが望ましく、さらには1〜10μmの範囲であることがより望ましい。
そして、高分子帯電防止剤(A)としては、上記の特定のブロックポリマー(A1)が好適であり、その中でも、それを構成するポリマーブロック(a)が、ポリオレフィン(a1)であり、その中でも低分子量ポリプロピレン(a1-1)であることが望ましい。この低分子量ポリプロピレン(a1-1)は、さらに末端をα、β不飽和カルボン酸及び/又はその無水物で変性した低分子量ポリプロピレン(a1−1)であることが望ましい。
このようなブロックポリマー(A1)を構成する親水性ポリマー(b)としては、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)、カチオン性ポリマー(b3)及びアニオン性ポリマー(b4)の何れかが好適であり、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)としては、ポリエーテルジオール(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステルアミド(b2−1)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルアミドイミド(b2−2)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステル(b2−3)、ポリエーテルジアミン(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルアミド(b2−4)及び(b1−1)又は(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルウレタン(b2−5)の何れかであることが好適である。
本発明の積層ポリプロピレンフィルムは、透明性に優れており、湿度による帯電防止性の変化が小さく、低湿度でも優れた帯電防止性を有し、かつ帯電防止効果の持続性に優れている。
<高分子帯電防止剤(A)>
本発明に用いられる高分子帯電防止剤(A)としては、帯電防止性を有するポリマーを広く利用することができる。例えば、ポリエーテルエステルアミドなどのポリアミド系コポリマー、カリウムアイオノマーなどのカルボン酸塩基含有ポリマー、ポリアクリル酸エステル系4級アンモニウム塩、ポリスチレン系4級アンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩基含有コポリマーなどが挙げられる。
ポリエーテル−エステル−アミドは、エーテル基含有成分、エステル基含有成分及びアミド基含有成分の3成分からなるポリマーが例示され、ポリエチレンオキサイド成分及びナイロン12成分を含有するポリエーテルエステルアミドが挙げられる。
これらの具体例としては、ポリエチレンオキサイドからなる部分−H−[O−CH2CH2n−O−、アジピン酸からなる部分−OC(CH24CO−及びナイロン12からなる部分−[NH(CH2)11CO]n−O−から構成される共重合体があり、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社の「IRGASTAT P 18」、「IRGASTAT P 22」が例示される。
これらの高分子帯電防止剤(A)は、積層フィルムに均一配合することができるように、その融点が110〜180℃であることが好ましい。
本発明においては、高分子帯電防止剤(A)として、ポリオレフィン(a1)、ポリアミド(a2)、ポリエステル(a3)及びポリウレタン(a4)の群から選ばれた少なくとも1種のポリマーブロック(a)と親水性ポリマーブロック(b)とを有するブロックポリマー(A1)が好適である。また、これらの中でもポリマーブロック(a)がポリオレフィン(a1)であることが好適である。
このようなブロックポリマー(A1)は、ポリオレフィン等のポリマーブロック(a)と、親水性ポリマーブロック(b)とが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合等を介して繰り返し交互に結合してなるブロック共重合体を、好適に用いることができる。そして、ジブロックでもよいし、トリブロック以上のマルチブロックでもよい。
これらのポリマーブロック(a)を構成するポリオレフィン(a1)としては、ポリマーの両末端にカルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を有するポリオレフィンが挙げられる。
ここでポリオレフィン(a1)に使用されるオレフィン類としては、エチレン、プロピレン、ブテン− 1 、ヘキセン− 1 、3 − メチルブテン− 1 、4 − メチルペンテン− 1 、3 − メチルヘキセン− 1 等の炭素数2から8のα ― オレフィン、更にノルボルネン等の環状オレフィン等があり、これらの中では、エチレンあるいはプロピレンが好適であり、ポリエチレン、ポリプロピレンが好適である。ポリオレフィン等のポリマーブロック(a ) の分子量は一般に800〜20000、中でも1000〜10000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー( G P C ) によるポリスチレン換算の数平均分子量)が通常である。
また、親水性ポリマーブロック(b)としては、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)、カチオン性ポリマー(b3)及びアニオン性ポリマー(b4)の何れかが好適であり、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)としては、ポリエーテルジオール(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステルアミド(b2−1)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルアミドイミド(b2−2)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステル(b2−3)、ポリエーテルジアミン(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルアミド(b2−4)及び(b1−1)又は(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルウレタン(b2−5)の何れかであることが好適である。
また、本発明の好ましいブロックポリマー(A1)は、前記のポリマーブロック(a)と親水性ポリマーブロック(b)を公知の方法で反応させることによって得ることがでる。反応に際しては公知の触媒、例えばモノブチルスズオキサイド等のスズ系触媒、三酸化アンチモン、二酸化アンチモン等のアンチモン系触媒、テトラブチルチタネート等のチタン系触媒、ジルコニウム水酸化物、酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニル等のジルコニウム系触媒から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。
ブロックポリマー(A1)におけるポリマーブロック(a)/親水性ポリマーブロック(b)の比率は、通常10〜90/10〜90質量%、好ましくは20〜80/20〜80質量%、更に好ましくは30〜70/30〜70質量%の範囲である。
このポリマーブロック(a)の成分にポリオレフィン(a1)を使用したブロックポリマー(A1)は、例えば、特開2001−278985号公報、特開2003−48990号公報などに記載の方法で製造することができる。これらのブロックポリマー(A1)として、ペレスタット230,300,303(三洋化成(株)製)、サンコノールTBX−310(三光化学工業(株)製)がある。
また、これら高分子帯電防止剤、ブロックポリマー(A1)を用いる場合には、基材となるフィルム層(I)のポリマーとの相溶性を高めるために、相溶化剤を添加してもよく、これらの高分子帯電防止剤は、一種類でもよく、また二種類以上を併用してもよい。
また、このポリマーブロック(a)の成分にポリアミド(a2)を使用したブロックポリマー(A1)はそのポリアミドの数平均分子量は、通常500〜20,000、好ましくは500〜10,000、その中でも500〜5,000が好ましい。この場合のブロックポリマー(A1)の分子量は、特に限定されないが、還元粘度(ηsp/C)として、通常1.0〜3.0、好ましくは1.2〜2.5である。還元粘度は、ギ酸溶液中、濃度0.5g/100ml、温度25℃の条件で測定した値である。ブロックポリマー(A1)の特に好ましい例は、ポリアミドとポリ(アルキレンオキシド)グリコールブロックとがエステル結合で結合されたポリエーテルエステルアミドであり、三洋化成工業社製の「ペレスタットNC6321」、「M−140」、「6500」(商品名)がある。
また、ポリマーブロック(a)の成分にポリエステル(a3)を使用したブロックポリマー(A1)の分子量は、特に限定されないが、還元粘度(ηsp/C)として、通常0.3〜2.5、好ましくは0.5〜2.5である。この還元粘度は、フェノール/テトラクロロエタン=40/60質量比の混合溶媒を使用し、濃度1.0g/100ml、温度35℃の条件で測定した値である。このようなブロックポリマー(A1)の具体例としては、竹本油脂社製「TEP004」、「TEP010」、「TEP008」(商品名)がある。
さらに、ポリマーブロック(a)の成分にポリウレタン(a4)を使用したブロックポリマー(A1)としては、例えば、ディーアイシーバイエルポリマー社製の「パンデックスT−8000シリーズ」の「T−8175」、「デスモント500シリーズ」の「KU2−8659」などがある。
ブロックポリマー(A1)には,必要に応じて各種の電解質、酸化防止剤、熱安定剤の各種安定剤、添加剤を配合することも行われる。これらは、ブロックポリマー(A1)を得るための重合の前や重合時に配合したり、重合後にブロックポリマー(A1)に配合することも行われる。また、基材となるフィルム層(I)用の組成物を製造する際に配合することも行われる。
電解質には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の無機化合物や有機化合物があり、その配合量は、ブロックポリマー(A1)中のアルカリ金属量として、通常10,000ppm以下、好ましくは100ppm以下であり、その用途によっては、その配合量を制限することも行われる。
これらのブロックポリマー(A1)は、その体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの範囲にあることが望ましい。表面固有抵抗値が、1 × 1 0 11 Ωcm を超えると、十分な帯電防止性を付与できないので好ましくない。
このように、高分子帯電防止剤(A)としては、上記の特定のブロックポリマー(A1)が好適であり、その中でも、それを構成するポリマーブロック(a)が、ポリオレフィン(a1)であり、その中でも低分子量ポリプロピレン(a1-1)であることが望ましい。この低分子量ポリプロピレン(a1-1)は、さらに末端をα、β不飽和カルボン酸及び/又はその無水物で変性した低分子量ポリプロピレン(a1−1)であることが望ましい。
このようなブロックポリマー(A1)を構成する親水性ポリマー(b)としては、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)、カチオン性ポリマー(b3)及びアニオン性ポリマー(b4)の何れかが好適であり、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)としては、ポリエーテルジオール(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステルアミド(b2−1)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルアミドイミド(b2−2)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステル(b2−3)、ポリエーテルジアミン(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルアミド(b2−4)及び(b1−1)又は(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルウレタン(b2−5)の何れかであることが好適である。
さらに、本発明のブロックポリマー(A1)の融点は通常130℃〜165℃、中でも155℃〜165℃の範囲が好適である。融点が比較的低いブロックポリマー(A1)を用いた場合は、基材となるフィルム層(I)の樹脂への分散が不十分となる傾向がある。一方、融点が165℃を超えるブロックポリマーを用いた場合は、基材となるフィルム層(I)の樹脂との均一な延伸が困難となり、均一な帯電防止性能を得ることが難しくなる傾向がある。
<プロピレン系重合体(B)>
本発明に用いるプロピレン系重合体(B)には、プロピレンの単独重合体の他にプロピレンを主成分とし、これとプロピレン以外の炭素数2〜20のα―オレフィンとの共重合体がある。中でも、プロピレンとエチレンの共重合体、プロピレンとエチレン、炭素数4から8のα−オレフィンとの共重合体等のプロピレンの含有量が80質量%以上、より好ましくは85質量%以上の重合体であり、これらはランダム共重合体でも、ブロック共重合体であってもよく、本発明ではこれらから選ばれる少なくとも1種類以上の重合体であり、そのメルトフローレート(MFR、ASTM D−1238 荷重2.160g、温度230℃)は0.5から20g/10分、特に1〜10g/10分の範囲であるものが好適である。
<プロピレン系重合体(C)>
本発明に用いるプロピレン系重合体(C)には、プロピレン系共重合体(C−1)及びプロピレン単独重合体(C−2)から選ばれる少なくとも1種以上のプロピレン系重合体(C)がある。そのメルトフローレート(MFR、ASTM D−1238 荷重2.160g、温度230℃)は0.5から20g/10分、特に1〜10g/10分の範囲が好適である。
<プロピレン系共重合体(C−1)>
本発明に用いるプロピレン系共重合体(C−1)には、上記のプロピレン系重合体(B)として用いることができるポリマーのうち、プロピレンを主成分とし、これとプロピレン以外の炭素数2〜20のα―オレフィンとの共重合体がある。このようなプロピレン系共重合体(C−1)の中でも共重合成分としてエチレン、1−ブテン、1−ヘキセンから選ばれる1種以上の共重合成分が好適であり、ランダム共重合体、ブロック共重合体等があり、これらの1種あるいは、2種以上の重合体が用いられる。これらプロピレン系共重合体(C−1)の融点は、一般に125〜145℃、中でも130〜143℃であるものが好適である。このような融点範囲にあるプロピレン系共重合体を用いることにより、ヒートシール可能な二軸延伸フィルムを得ることができる。
<プロピレン単独重合体(C−2)>
本発明に用いるプロピレン単独重合体(C−2)は、その融点(示差走査型熱量計(DSC)を用い、昇温速度10(℃/分)での条件で測定した吸熱曲線から求めた融点)が159℃以上である重合体であり、ここでプロピレン単独重合体(C)とは、プロピレンのみの重合体、あるいはプロピレンと共にプロピレン以外のエチレン、1−ブテン等のα−オレフィンの割合が5質量%以下、中でも1質量%以下である重合体である。
これらプロピレン単独重合体(C−2)は、一般にアイソタクテシティ(トリアド)が94%以上と高い重合体であり、そのメルトフローレート(MFR、ASTMD−1238 荷重2.160g、温度230℃)は0.5から20g/10分、特に1〜10g/10分の範囲であるものが好適である。
<帯電防止樹脂組成物>
本発明に係る帯電防止樹脂組成物は、ブロックポリマー(A1)などの高分子帯電防止剤(A)とプロピレン系重合体(B)からなり、これらを混合したもので、好ましくは押出機で溶融混合したのちに、フィルムに成形されて、基材となるフィルム層(I)となる。高分子帯電防止剤(A)とプロピレン系重合体(B)との好ましい配合比の範囲は後述するようにプロピレン系重合体(B)の種類によって異なる。
本発明おいて、得られる積層フィルムの防湿性を改良する為に、帯電防止樹脂組成物及び/またはプロピレン系重合体(B)からなるフィルム(I)に粘着付与剤(D)を配合することが望ましい。その配合量は、上記(A)及び(B)の合計100質量%に対して、あるはプロピレン系重合体(B)100質量%としてこれに対して、3〜25質量%、好ましくは4〜15質量%の割合が好適である。粘着付与剤(C)の量が3質量%未満では、防湿性の改良効果が十分ではなく、一方、25質量%を超えると防湿性の改良効果は飽和するとともに、押出し成形がし難い傾向にある。
<粘着付与剤(D)>
本発明に用いる粘着付与剤(D)は、一般に粘着付与剤として製造・販売されている樹脂状物質で、具体的には、クマロン・インデン樹脂等のクマロン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、テルペン・フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂及びキシレン・ホルムアルデヒド樹脂等のフェノール,テルペン樹脂、合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・脂環族系石油樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂、不飽和炭化水素重合体、水素添加炭化水素樹脂及び炭化水素系粘着化樹脂等の石油系炭化水素樹脂、ロジンのペンタエリスリトール・エステル、ロジンのグリセロール・エステル、水素添加ロジン、水素添加ロジン・エステル、特殊ロジン・エステル及びロジン系粘着付与剤等のロジン誘導体及びテルペン系粘着付与剤等を例示できる。
これらの中では、軟化点が110℃以上、好ましくは125〜145℃の範囲にある水素添加率が95%以上、更には99%以上の水素添加炭化水素樹脂、水素添加脂肪族系環状炭化水素樹脂、水素添加脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加テルペン樹脂、水素添加合成ポリテルペン樹脂等の水素添加樹脂が、ポリプロピレンとの相溶性に優れるので好ましい。軟化点が110℃未満のものは成形時に発煙の問題が発生し、成形機を汚すおそれが生ずる場合があり、一方、145℃を超えるものはポリプロピレンと相溶しづらくなるため得られる積層フィルムの外観が悪くなるおそれがある。
さらに、本発明に用いる帯電防止組成物、プロピレン系重合体(C)、並びに後述するプロピレン系重合体(D)には、必要に応じて耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、防曇剤、顔料、染料、無機又は有機の充填剤等の通常ポリプロピレンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。
本発明に用いる帯電防止樹脂組成物は、高分子帯電防止剤(A)とプロピレン系重合体(B)の所定量、あるいは更に上記の他の成分を、リボンブレンダー、V‐ブレンダー、ヘンシェルミキサーなどにより、ドライブレンドする方法、あるいは、二軸延伸フィルム製造装置に、重量式フィーダーなどを用いて、高分子帯電防止剤(A)、プロピレン系重合体(B)等を各々所定の量を計量して供給する方法などを用いて混合することにより得られる。
<積層フィルム>
本発明の積層フィルム、中でも二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムは、上記の帯電防止樹脂組成物からなる基材となるフィルム層(I)及びプロピレン系重合体(C)からなるフィルム層(II)を有する二軸延伸積層フィルムであって、フィルム層(I)が、当該積層フィルムの最表面に位置していないことを特徴とするものである。
本発明において、フィルム(II)は、フィルム(I)の片面あるいは両面側に設けられるものであり、フィルム(II)は、フィルム(I)にアンダーコート層等を介して積層させて設けてもよく、なかでもフィルム(I)の面に接して設けることが望ましい。
本発明の積層フィルム、中でも二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムは、このフィルム層(I)とフィルム層(II)を有する限りにおいて、全体の積層構造が、3層、4層だけでなく、最終製品の用途に応じて追加でラミネートされて製造され得る5層以上からなる積層フィルムも含まれる。
なお、高分子帯電防止剤(A)の必要な配合比の範囲は混合されるプロピレン系重合体(B)の種類によって異なる。プロピレン系重合体(B)が単独重合体の場合は高分子帯電防止剤(A)の配合比の必要範囲は15〜35質量%であり、プロピレン系重合体がランダム共重合体の場合高分子帯電防止剤(B)の配合比の必要範囲は7〜35質量%である。この範囲にあることで十分な帯電防止効果が得られる。
本発明の積層フィルムの各層の厚さは、用途により種々決められるものであり、特に限定はされないが一般に帯電防止樹脂組成物からなるフィルム層(I)が1〜100μm、好ましくは10〜100μm、特に好ましくは15〜50μm、フィルム層(II)が0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmの範囲にある。
本発明の積層フィルムには、用途に応じて、必要であるフィルム層に、プロピレン系重合体エラストマー、エチレン系重合体エラストマー、スチレン系エラストマーを配合することも行われる。また、本発明のフィルム層(I)以外の層には、高分子帯電防止剤を配合しないことが望ましい。
なお、本発明の積層フィルムは、その最外層となるフィルム層には、積極的に高分子帯電防止剤(A)を実質的に配合しない場合であっても、優れた帯電防止性を有している。なお、ここで積極的に高分子帯電防止剤を実質的に配合しないとは、以下に説明するように、高分子帯電防止剤(A)が配合されたフィルム層から、最外層となるフィルム層に、その高分子帯電防止剤(A)が拡散、ブリードアウト等により移行する場合を含み、二軸延伸積層フィルムの透明性、帯電防止効果の持続性を損なうまでには至っていない場合が含まれるものとする。
すなわち、実際の積層フィルム使用時において、高分子帯電防止剤(A)が他のフィルム層に拡散したり、ブリードアウトすることも予想されるが、仮にそのような現象により、他のフィルム層に移行する高分子帯電防止剤(A)が存在しても、それが微少量であれば、本発明で得られる透明性に優れ、かつ帯電防止効果の持続性に優れてた性能を実質的に損なうものではない。
また、アクリル樹脂やアクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂等のバインダーに各種顔料や染料を分散・溶解した水性インキや油性インキの印刷層を積層し、更には、ポリエチレン系やポリプロピレン系シーラントフィルムを積層しても良い。また。無機物やポリビニルアルコール等の酸素ガスバリア層やアクリル樹脂等の熱接着層、オレフィンやスチレンエラストマー等の感圧接着材層、更にはシリコーン樹脂等の離形材層を積層しても良い。
特に、本発明の他の好適な態様によれば、本発明は上記のフィルム層(II)として、融点が150℃以上、特に155℃以上のプロピレン系重合体(C)、中でもプロピレン系単独重合体(C−2)を用いる場合は、その表裏層の少なくとも一方の層に、さらにプロピレン系重合体(D)からなるフィルム層(III)を接して、あるいは必要に応じて更に他の層を介したり、アンダーコート層等を介して、プロピレン系重合体(D)からなるフィルム層(III)を設けることが望ましい。この場合、フィルム層(II)とフィルム層(III)の厚さの合計は一般に0.5〜20μmであり、その中でも1〜10μmが好適である。
プロピレン系重合体(D)には、上記のプロピレン系重合体(C)として用いることができるプロピレン系重合体から適宜を選択して用いることができる。中でもプロピレン系重合体(D)として、上記のプロピレン系共重合体(C−1)から選ばれる少なくとも1種以上のプロピレン系重合体(D)を用いることが望ましい。そして、プロピレンン系重合体(D)のメルトフローレート(MFR、ASTM D−1238 荷重2.160g、温度230℃)は0.5から20g/10分、特に1〜10g/10分の範囲であるものが好適である。これらプロピレン系重合体(D)からなるフィルム層(D)には、さらに必要に応じて、プロピレン系重合体エラストマー、エチレン系重合体エラストマーを配合することも行われる。
この場合、フィルム層(III)は、ヒートシール層としての機能を発揮することができる。
<積層フィルムの製造方法>
本発明の積層フィルムは、例えば以下の方法によって製造することができる。
すなわち、上記の帯電防止樹脂組成物から二軸延伸フィルムを成形した後、それを基材となるフィルム層(I)とし、さらにその一方の面にプロピレン系重合体(C)からなる層(II)を積層し、もう一方の面に必要に応じて他のフィルム、紙、金属箔層、蒸着層等を積層して本発明の積層フィルムを製造する方法がある。
また、上記のフィルム層(I)の両面にプロピレン系重合体(C)からなる層をラミネートして二軸延伸積層フィルムを製造する方法がある。この場合、基材となるフィルム層(I)は二軸延伸されているが、プロピレン系重合体(C)からなるフィルム層(II)は延伸されていない。
なお、フィルム層(II)をフィルム層(I)の両側に設ける場合は、両側のフィルム層(II)が、表層、裏層となるが、その表層、裏層の面に更に他の層を積層することも行われる。
また、少なくとも二台の押出機を備えた二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム製造装置を用い、基材となるフィルム層(I)の原料として前記の帯電防止樹脂組成物を一台の押出機に供給し、他の押出機に表層及び裏層の原料となるプロピレン系重合体(C)を供給して、夫々200〜250℃の温度で溶融した後、多層ダイから共押出し成形して得た多層シートを、公知の同時二軸延伸あるいは逐次二軸延伸法する方法、例えば、逐次二軸延伸法では、縦延伸温度を110℃〜145℃、延伸倍率を4.5〜6倍の範囲、横延伸温度を140〜180℃、延伸倍率を8〜11倍の範囲で延伸することにより製造する方法がある。
なお、本発明の積層フィルム、中でも二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムは、フィルム層(I)、フィルム層(II)、及び必要に応じてフィルム層(III)を予め成形し、それらをラミネート成形することにより製造することができる。また、これらフィルム層(I)、フィルム層(II)、及び必要に応じてフィルム層(III)を、予めそれぞれの原料として準備しておき、共押し出しにより3層、あるはさらに4層以上に成形した後、延伸等を行い発明の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを製造することもできる。さらに、共押出成形とラミネート成形を組み合わせて、本発明の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを製造することもできる。
実施例
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
実施例及び比較例における物性値等は、以下の評価方法により求めた。
(イ)融点
示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツルメンツ DSC220)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定した吸熱曲線で各樹脂の融点を測定した。
(ロ)摩擦帯電圧(帯電防止性)
得られたサンプルから45mm×45mmの試験片を切り出し、温度23℃、湿度20%RHに24時間保管後、摩擦帯電圧測定器(大栄化学精器製作所製 RS−101D)を用いて摩擦帯電圧を測定した。摩擦布には綿布を用い、指示値が1kV以下となるものを帯電防止性が「良好」とした。
(ハ)表面固有抵抗値(帯電防止性)
得られた二軸延伸フィルムから10×10cmの試験片を切り出し、温度23℃、湿度50%RH及び20%RHに24時間保管後、アドバンテスト社製デジタル超高抵抗/微量電流計(8340A)とレジスチビティチェンバ(R12704)を用いて表面固有抵抗率を測定した。表面固有抵抗率が1×1013Ω/□以下で帯電防止性を良好とした。
(ニ)ヘイズ(透明性)
ヘイズはJIS K−7136に準拠し、デジタル濁度計日本電色社製「HAZE METER NDH2000」にてフィルム1枚の全ヘイズの測定を行った。全ヘイズが3%/枚以下を透明性が良好とした。
また、本実施例で使用した樹脂は次の通りである。
(1)ブロックポリマー(A−1)
無水マレイン酸変性ポリプロピレンブロック・ポリ(エチレングリコール)ブロック共重合体樹脂:
〔三洋化成工業(株)製、商品名 ペレスタットVH230〕:密度1.0g/cm3、融点163℃、体積固有抵抗値:3×107Ω・cm。MFR:7(190℃)。
(2)プロピレン系重合体(B−1):
プロピレンの単独重合体
〔(株)プライムポリマー製、商品名 F113G〕:密度0.91g/cm3、融点159℃、表面固有抵抗値:3×1016Ω/□。MFR:3(230℃)。
(3)プロピレン系重合体(B−2):
プロピレンの単独重合体
〔(株)プライムポリマー製、商品名 F113BG〕:密度0.91g/cm3、融点159℃、表面固有抵抗値:3×1016Ω/□。MFR:3(230℃)。
(4)プロピレン系重合体(B−3):
プロピレンの単独重合体
〔(株)プライムポリマー製、商品名 F109V〕:密度0.91g/cm3、融点162℃、表面固有抵抗値:3×1016Ω/□。MFR:30(230℃)。
(5)プロピレン・エチレンランダム共重合体(1)
〔プライムポリマー製、商品名 F327〕:密度0.91g/cm3、融点139℃、表面固有抵抗値:3×1016Ω/□。MFR: 7(230℃)。
〔実施例1〕
二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる基材となるフィルム層(I)の原料に前記ブロックポリマー(A−1)とプロピレン系重合体(B−1)を20:80の質量比でドライブレンドした帯電防止性樹脂組成物層を用い、その表層及び裏層の原料にプロピレン系重合体(B−2)にAB剤としてポリメチルメタクリリレートを800ppm添加した樹脂を用い、それぞれ別の押出機に供給し、Tダイ法により多層シートを押出した。次いで、多層シートを縦延伸機で5倍に延伸し、テンター横延伸機で更に10倍延伸後、表層面にコロナ放電処理を施して20μmの二軸延伸積層多層フィルムを得た。各層の厚みは表層/フィルム層(I)/裏層=1.5/17/1.5ミクロンメータ(μm)であった。
得られた二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムをサンプルとして、上記の方法で物性評価した。評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1で用いた各層の厚みを、表層/フィルム層(I)/裏層=4.0/17/4.0(μm)に変更する以外は、実施例1と同様に行い、二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを得た。
評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1で用いた帯電防止樹脂組成物に替えて、ブロックポリマー(A−1)とプロピレン系重合体(B−1)との質量比を10:90にした帯電防止樹脂組成物を用いる以外は実施例1と同様に行い、二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを得た。
評価結果を表1に示す。
Figure 0005954943
表1から明らかなように、ブロックポリマー(A−1)とプロピレン単独重合体(B-1)の組成が 本発明の範囲内の比率の組成物、及び層厚から得られる帯電防止樹脂層を有する二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムの場合(実施例1、2)は、表面の肌荒れもなく、表面抵抗値及び摩擦帯電圧の値が小さく、帯電防止性に優れており、かつ透明性も良好である。
一方、ブロックポリマー(A−1)とプロピレン単独重合体(B-1)の組成が本発明の範囲外の場合(比較例1)では、表面抵抗値、摩擦帯電圧の値が高く、帯電防止性が不十分である。
[実施例3]
二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムの基材層にMFRが3.0g/10分のプロピレン系重合体(B−1)を用い、その表層の原料に前記ブロックポリマー(A−1)とMFRが3.0g/10分のプロピレン・エチレンランダム共重合体(1)を10:90にドライブレンドし、AB剤としてポリメチルメタクリリレートを800ppm添加した帯電防止性樹脂組成物層を、裏層の原料にプロピレン系重合体(B−2)にAB剤としてポリメチルメタクリレートを800ppm添加した樹脂を用い、それぞれ別の押出機に供給し、Tダイ法により多層シートを押出した。次いで、多層シートを縦延伸機で5倍に延伸した後、縦延伸フィルムの表層に、プロピレン・エチレンランダム共重合体(1)を単層ダイスで押出しラミネートした。次いで、テンター横延伸機で更に10倍延伸後、表層面にコロナ放電処理を施して二軸延伸積層多層フィルムを得た。各層の厚みはラミネート層/表層/基材層/裏層=1.5/1.5/17/1.5ミクロンメータ(μm)であった。
[実施例4]
実施例3で用いたラミネート層樹脂に替えて、プロピレン系重合体(B−2)を用いる以外は実施例3と同様に行い、二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを得た。
[実施例5]
実施例3で用いた帯電防止樹脂組成物に替えて、ブロックポリマー(A−1)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(1)との質量比を20:80にした帯電防止樹脂組成物を用いる以外は実施例3と同様に行い、二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを得た。
[実施例6]
実施例3で用いたラミネート層樹脂に替えて、プロピレン系重合体(B−3)を用い、さらに各層の厚みをラミネート層/表層/基材層/裏層=3.0/1.5/17/1.5ミクロンメータ(μm)に変更する以外は実施例3と同様に行い、二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを得た。
[実施例7]
実施例6で用いた各層の厚みをラミネート層/表層/基材層/裏層=5.0/1.5/17/1.5ミクロンメータ(μm)に変更する以外は実施例3と同様に行い、二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを得た。
[実施例8]
実施例6で用いた各層の厚みをラミネート層/表層/基材層/裏層=8.0/1.5/17/1.5ミクロンメータ(μm)に変更する以外は実施例3と同様に行い、二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを得た。
[比較例2]
実施例3で用いた帯電防止樹脂組成物に替えて、表層をプロピレン・エチレンランダム共重合体(1)にした帯電防止樹脂組成物を用いる以外は実施例3と同様に行い、二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを得た。
[比較例3]
実施例3で用いた帯電防止樹脂組成物に替えて、ブロックポリマー(A−1)とプロピレン系重合体(B−2)との質量比を10:90にした帯電防止樹脂組成物を用いる以外は実施例3と同様に行い、二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを得た。
Figure 0005954943
表2から明らかなように、ブロックポリマー(A−1)とプロピレン重合体の組成が本発明の範囲内の比率の組成物、及び層厚から得られる帯電防止樹脂層を有する二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムの場合(実施例3〜8)は、表面の肌荒れもなく、表面抵抗値及び摩擦帯電圧の値が小さく、帯電防止性に優れており、かつ透明性も良好である。
本発明の積層フィルム、中でも二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムは、低湿度でも優れた帯電防止性を有し、かつ帯電防止効果の持続性に優れているのでお菓子、加工食品、野菜、青果物、特に帯電防止性が要求されるカツオ節や粉体等内容物の付着防止用包装袋として好ましく用いることができる。更には少ない家電、OA機器、事務機器、ICトレイ、事務機器、ICトレイ、自動車部品の産業機器や食品用各種プラスティック容器、トレイ、コンテナ等の表面被服フィルムとして使用することにより、帯電防止効果を簡便に付与でき、外部の埃、塵等の付着防止、又は部品等への機能破壊防止が可能となる。
加工面では従来主に帯電防止剤が引き起していた溶融押し出し、製膜工程、特に延伸工程での延伸ロールや延伸炉内の汚れが少なくなり成形作業性を向上することができ、あるいは帯電防止剤の表面への浮き出し(ブリード)が少なく、二軸延伸フィルムに熱接着フィルムを押出しあるいはドライラミネートしてもラミネート強度が安定したフィルムを得ることができる。

Claims (3)

  1. 高分子帯電防止剤(A)とプロピレン系重合体(B)を含む帯電防止樹脂組成物からなる二軸延伸フィルム層(I)及びプロピレン系重合体(C)からなるフィルム層(II)を有する積層フィルムであって、
    前記高分子帯電防止剤(A)がポリオレフィン(a1)およびポリウレタン(a4)の群から選ばれた少なくとも1種のポリマーブロック(a)と親水性ポリマーブロック(b)とを有するブロックポリマー(A1)であり、
    プロピレン系重合体(B)がプロピレン単独重合体の場合には前記高分子帯電防止剤(A)の配合比が15〜35質量%(高分子帯電防止剤(A)とプロピレン系重合体(B)の合計で100質量%とする)、
    プロピレン系重合体(B)がランダム共重合体の場合には前記高分子帯電防止剤(A)の配合比が7〜35質量%(高分子帯電防止剤(A)とプロピレン系重合体(B)の合計で100質量%とする)であり、
    二軸延伸フィルム層(I)が、当該積層フィルムの最表面に位置していないことを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記高分子帯電防止剤(A)を含む二軸延伸フィルム層(I)の両面側にプロピレン系重合体(C)からなるフィルム層(II)が設けられた少なくとも3層の積層フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. フィルム層(I)及びフィルム層(II)を含む少なくとも4層の二軸延伸積層フィルムであり、最外層に内側から接するフィルム層(I)が前記高分子帯電防止剤(A)を含むことを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
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