JP5954578B2 - 車両のピラー構造 - Google Patents
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Description
車体側部に設けられたピラーパネルがピラートリムに覆われ、
シートのリクライニング機構を車室外側から覆うリクライニングカバーが、前記ピラートリムの車両前方側の下部側面に車室内側から対向している車両のピラー構造に関する。
上記従来の構造によれば、ピラートリムの裏側(内部)に衝撃吸収部材を設けてあるだけであり、ピラートリムは補強されていないために、前記せん断力により前記ピラートリム部分に割れが生じる虞があった。
この割れが進展すると、ピラートリムが上下に分断し、分断面に鋭いエッジが形成される。従って、たとえピラートリムに割れが生じた場合であっても、ピラートリムの分断は回避できるようにしなければならない。
ピラートリムの分断を回避する手段として、ピラートリムの板厚を厚く設定することで、ピラートリムの面剛性を上げる手段が考えられる。しかしながら、この手段では、ピラートリムに使用する材料が増え、材料コストが高くなり、重量が増大するという問題がある。
本発明の目的は、側面衝突時のピラートリムの分断を防止でき、材料コストを低減でき、重量の増大を抑制できる車両のピラー構造を提供する点にある。
車体側部に設けられたピラーパネルがピラートリムに覆われ、
シートのリクライニング機構を車室外側から覆うリクライニングカバーが、前記ピラートリムの車両前方側の下部側面に車室内側から対向している車両のピラー構造であって、
前記リクライニングカバーよりも車両後方側の前記ピラートリムの裏面に、前記ピラートリムの立ち上がり方向に延びる第1リブが設けられ、
前記第1リブの上端は前記リクライニングカバーの上端よりも上方に位置している点にある。(請求項1)
(1) 側面衝突により車体が変形し、図3に示すように、ピラートリム1がリクライニングカバー2に当接する。
(2) ピラーパネルが変形してピラーパネルから車室内側W1に向かう力がピラートリム1に加わるとともに、リクライニングカバー2から車室外側W2に向かう力がピラートリム1に加わる。その結果、リクライニングカバー2の上端24J1付近のピラートリム1にせん断力が発生する。そして、図6(a)に示すように、前記せん断力により、ピラートリム1の車両前方側Frの部分に割れが発生して割れの起点Kとなる。図6(a)は比較例を示す図である。
(3) 図6(a)に示すように、前記割れは車体の変形に伴い、前記起点Kから車両後方側Rrに進展する。矢印Z1は割れの進展する方向と割れの長さとを示す。これにより、従来の構造のピラートリム1が上下に分断される。
これに対して、本発明の上記の構成によれば、図6(b)に示すように、前記リクライニングカバー2よりも車両後方側Rrのピラートリム1の裏面に、ピラートリム1の立ち上がり方向に延びる第1リブ17が設けられている。また、前記第1リブ17の上端17Tはリクライニングカバー2の上端24J1よりも上方に位置している。従って、前記割れが進展する経路上に、前記経路と交差する方向に沿う第1リブ17が位置することになる。
これにより、前記割れの進展を第1リブ17で止めてピラートリム1の分断を防止することができる。図6(b)の矢印Z2は割れの進展する方向と割れの長さとを示す。図6(b)に示すように、割れは第1リブ17で止められて、第1リブ17よりも車両後方側Rrに進展しない。その結果、ピラートリム1の分断を回避できて、ピラートリム1に鋭いエッジが露出することを防止することができる。
このように、ピラートリムの裏面に第1リブを設けるだけで、ピラートリムに割れが生じた場合のピラートリムの分断を止めることができ、ピラートリムに鋭いエッジが形成されることを防止することができる。
従って、例えば、ピラートリムの板厚を厚く設定することにより、面剛性を上げてピラートリムの分断を防止する手段に比べると、ピラートリムを薄肉に設定することができてピラートリムを軽量化でき、材料コストを抑えることができる。(請求項1)
前記第1リブは前記ピラートリムの下部の車両前後方向中央、又は、車両前後方向中央よりも車両前方側に位置していると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
前記第1リブは複数設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
前記第1リブの下端部は、前記ピラートリムの下端部の裏側に配置されたシートベルトリトラクタに車室内側から対向していると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
車幅方向から見て、シートベルトリトラクタ本体部の幅方向の中心線が前記ピラートリムの立ち上がり方向に沿うように前記シートベルトリトラクタが配置され、
車幅方向から見て、前記中心線に沿って前記中心線の近傍に位置するか、あるいは、前記中心線に重なる第2リブが、前記リクライニングカバーよりも車両後方側の前記ピラートリムの裏面に設けられ、
前記第2リブが前記シートベルトリトラクタ本体部に対向していると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
側面衝突時のピラートリムの分断を防止でき、材料コストを低減でき、重量の増大を抑制できる車両のピラー構造を提供することができた。
図1,図2に、いずれも樹脂製のセンターロアトリム1(ピラートリムに相当)とリクライニングカバー2とを示してある。センターロアトリム1はセンターピラーパネル50(図4参照、ピラーパネルに相当)の下半部を覆い、リクライニングカバー2はフロントシートのリクライニング機構を車室外側W2から覆う。
図4に示すように、センターピラーパネル50は、センターピラーインナパネル51とセンターピラーアウターパネル52とセンターピラーリンフォース53とから成る。センターピラーインナパネル51は車室外側W2が開放した断面ハット形状に形成され、センターピラーアウターパネル52とセンターピラーリンフォース53は車室内側W1が開放した断面ハット形状に形成されている。そして、センターピラーインナパネル51とセンターピラーアウターパネル52とセンターピラーリンフォース53との前後の接合フランジ51F,52F,53F同士が互いに溶接接合されて前記センターピラーパネル50が構成されている。これにより、センターピラーパネル50の水平断面が略矩形状の閉じ断面に設定されている。
図5(a)に示すように、前記シートベルトリトラクタ本体部3Hには、シートベルトリトラクタ本体部3Hをセンターピラーパネル50に取り付けるための上下一対の取り付け部32,31が設けられている。上側の取り付け部32は、シートベルトリトラクタ本体部3Hの上端部から上方に突出する突出片57に設けられ、下側の取り付け部31はシートベルトリトラクタ本体部3Hの下端部に設けられている。
図示はしないが、前記センターロアトリム1の室内側の室内空間にはフロントシートが配置される。フロントシートは、乗員の背凭れとなるシートバックと、乗員の臀部を支えるシートクッションとから成る。シートバックとシートクッションはリクライニング装置で角度調整可能に連結されている。また、シートクッションの下部は、シート前後方向に沿った位置の調整が可能なスライドレールを介してフロア面に固定されている。
前記リクライニングカバー2はフロントシートのシートフレームに取り付けられている。このリクライニングカバー2は、シート前後方向に長い第1カバー部21と、第1カバー部21の車両後方側Rrの端部から立ち上がる第2カバー部22とから成る。第1カバー部21はシートフレームの側面を覆い、第2カバー部22はリクライニング機構の側面を覆う。
図1,図4に示すように、前記センターロアトリム1は、壁面が車幅方向を向くトリム側壁1Sと、トリム側壁1Sの車両前方側Frの端部から車室外側W2に延びるトリム前壁1Mと、トリム側壁1Sの車両後方側Rrの端部から車室外側W2に延びるトリム後壁1Kとを備えている。トリム側壁1Sは上端部側ほど車両後方側Rrに位置するように傾斜(少し傾斜)している。すなわち、センターロアトリム1は斜め後ろ上方に立ち上がっている。図1〜図3に示すように、トリム側壁1Sの車両前方側Frの下部には凹部1Bが形成されている。
また、第1リブ17の下端17Kは、前記シートベルトリトラクタ3の下端付近(シートベルトリトラクタ3の下端よりも少し上方)に位置している。そして、第1リブ17の下端部が、センターロアトリム1の下端部の裏側に配置されたシートベルトリトラクタ3に車室内側W1から対向している。
自動車が側面衝突すると車室内側W1に向かう荷重がセンターピラーパネル50に加わる。この場合、センターロアトリム1に働くせん断力により、従来の構造のセンターロアトリム1が上下に分断する順序及び分断する理由は次の(1)〜(3)の通りである。
(1) 側面衝突により車体が変形し、図3に示すように、センターロアトリム1がリクライニングカバー2の第2カバー部22のカバー側壁23に当接する。
(2) センターピラーパネル50が変形して、センターピラーパネル50から車室内側W1に向かう力がセンターロアトリム1に加わるとともに、リクライニングカバー2の第2カバー部22から車室外側W2に向かう力がセンターロアトリム1に加わる。その結果、リクライニングカバー2の第2カバー部22の上端24J1付近のセンターロアトリム1にせん断力が発生する。そして、図6(a)に示すように、前記せん断力により、ピラートリム1の車両前方側Frの部分に割れが発生して割れの起点Kとなる。図6(a)は比較例を示す図である。
(3) 図6(a)に示すように、前記割れは車体の変形に伴い、前記起点Kから車両後方側Rrに進展する。矢印Z1は割れの進展する方向と割れの長さとを示す。これにより、従来の構造のセンターロアトリム1が上下に分断される。
これにより、前記割れの進展を第1リブ17で止めてセンターロアトリム1の分断を防止することができる。図6(b)の矢印Z2は割れの進展する方向と割れの長さとを示す。図6(b)に示すように、割れは第1リブ17で止められて、第1リブ17よりも車両後方側Rrに進展しない。その結果、センターロアトリム1の分断を回避できて、センターロアトリム1に鋭いエッジが露出することを防止することができる。
このように、センターロアトリム1の裏面に第1リブ17を設けるだけで、センターロアトリム1に割れが生じた場合のセンターロアトリム1の分断を止めることができ、センターロアトリム1に鋭いエッジが形成されることを防止することができる。
従って、例えば、センターロアトリム1の板厚を厚く設定することにより、面剛性を上げてセンターロアトリム1の分断を防止する手段に比べると、センターロアトリム1を薄肉に設定することができてセンターロアトリム1を軽量化でき、材料コストを抑えることができる。
前記第1リブ17が1本だけ設けられた構造、あるいは3本以上設けられた構造であってもよい。
1S1 ピラートリムの裏面(センターロアトリムのトリム側壁の裏面)
2 リクライニングカバー
3 シートベルトリトラクタ
3H シートベルトリトラクタ本体部
17 第1リブ
17T 第1リブの上端
19 第2リブ
24J1 リクライニングカバーの上端(カバー上壁の上端)
50 ピラーパネル(センターピラーパネル)
C 中心線
Fr 車両前方側
Rr 車両後方側
W1 車室内側
W2 車室外側
Claims (5)
- 車体側部に設けられたピラーパネルがピラートリムに覆われ、
シートのリクライニング機構を車室外側から覆うリクライニングカバーが、前記ピラートリムの車両前方側の下部側面に車室内側から対向している車両のピラー構造であって、
前記リクライニングカバーよりも車両後方側の前記ピラートリムの裏面に、前記ピラートリムの立ち上がり方向に延びる第1リブが設けられ、
前記第1リブの上端は前記リクライニングカバーの上端よりも上方に位置している車両のピラー構造。 - 前記第1リブは前記ピラートリムの下部の車両前後方向中央、又は、車両前後方向中央よりも車両前方側に位置している請求項1記載の車両のピラー構造。
- 前記第1リブは複数設けられている請求項1又は2記載の車両のピラー構造。
- 前記第1リブの下端部は、前記ピラートリムの下端部の裏側に配置されたシートベルトリトラクタに車室内側から対向している請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両のピラー構造。
- 車幅方向から見て、シートベルトリトラクタ本体部の幅方向の中心線が前記ピラートリムの立ち上がり方向に沿うように前記シートベルトリトラクタが配置され、
車幅方向から見て、前記中心線に沿って前記中心線の近傍に位置するか、あるいは、前記中心線に重なる第2リブが、前記リクライニングカバーよりも車両後方側の前記ピラートリムの裏面に設けられ、
前記第2リブが前記シートベルトリトラクタ本体部に対向している請求項4記載の車両のピラー構造。
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JP2012166176A JP5954578B2 (ja) | 2012-07-26 | 2012-07-26 | 車両のピラー構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012166176A JP5954578B2 (ja) | 2012-07-26 | 2012-07-26 | 車両のピラー構造 |
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Family Applications (1)
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JP2012166176A Active JP5954578B2 (ja) | 2012-07-26 | 2012-07-26 | 車両のピラー構造 |
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2012
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