JP5954472B2 - 空隙形成方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、空隙形成用回転ツールを用いてアルミニウム合金部材の内部に断面視略矩形を呈する空隙を形成する空隙形成方法であって、前記空隙形成用回転ツールは、 ショルダー部とこのショルダー部から垂下する攪拌ピンとを有し、前記攪拌ピンの外周面に螺旋溝を刻設し、当該螺旋溝が上方から下方に向かうにしたがって左回りとなるように形成し、前記ショルダー部の外径を前記攪拌ピンの先端の外径で除した値が1.4以上3.1以下となるように設定し、且つ前記攪拌ピンの軸方向を法線とする基準面に対する前記螺旋溝の角度を20度以上40度以下に設定し、前記螺旋溝が形成された螺旋溝部と前記螺旋溝が形成されていない平坦面部とを前記攪拌ピンに形成し、前記攪拌ピンの先端から前記螺旋溝部を刻設し、前記空隙形成用回転ツールを前記アルミニウム合金部材に対して相対的に移動させる際に、前記空隙形成用回転ツールを上方からみて左回転させることを特徴とする。
なお、螺旋溝3aは、本実施形態では、前記したように構成したが、上方から下方にたどったときに左回りに形成してもよい(左ネジ)。
しかし、空隙形成用回転ツール1によれば、金属を好適に掻き出すとともに、掻き出された金属をショルダー部2の底面2aで押さえることができるため、空隙Mが潰れにくく、かつ、金属部材Zに表面欠陥ができにくい。また、摩擦攪拌装置に与える負荷を軽減することができる。ショルダー部2の外径X1と攪拌ピン2の先端の外径Y2との比率や螺旋溝の角度αの数値等の条件については実施例で述べる。
次に、本発明の第一変形例について説明する。第一変形例に係る空隙形成用回転ツール1Aでは、攪拌ピン3に平坦面部11と螺旋溝部12とを備えている点で前記した実施形態と相違する。
しかし、第一変形例に係る空隙形成用回転ツール1Aによれば、螺旋溝部12によって金属が掻き出されて空隙Mが形成されるが、平坦面部11で摩擦攪拌される金属はショルダー部2から外部に掻き出されにくい。したがって、塑性化領域Z2の厚みが大きくなるため、空隙深さDを大きく(深く)することができる。これにより、金属部材Zの深い位置に大きな空隙Mを形成することができるとともに、塑性化領域Z2の内部や、本体部Z1と塑性化領域Z2との境界部分に表面欠陥がより形成されにくい。
次に、本発明の第二変形例について説明する。図3の(b)に示すように、第二変形例に係る空隙形成用回転ツール1Bでは、ショルダー部2の底面2aに形成された突条2bが断続的に形成されている点で前記した実施形態と相違する。
次に、本発明の第三変形例について説明する。図4に示すように、第三変形例に係る空隙形成用回転ツール1Cでは、攪拌ピン3の外径が一定である点で前記した実施形態と相違する。
次に、本発明の実施例について説明する。実施例では、空隙形成用回転ツールを構成する各要素の形状、大きさ、比率等を変化させて空隙形成方法を行い、形成された空隙を観察した。なお、説明の便宜上、空隙形成用回転ツールを以下単に「ツール」ともいう。
螺旋溝角度試験では、攪拌ピン3の螺旋溝3aの角度の影響を調査した。図5に示すように、この試験では三種類のツールNO.S1〜S3を使用した。螺旋溝3aの水平面との角度を、ツールNO.S1では40度、ツールNO.S2では30度、ツールNO.S3では20度に設定した。また、各ツールの螺旋溝の攪拌ピン3の軸方向に対する巻回数は、ツールNO.S1では約0.8周、ツールNO.S2では約1.3周、ツールNO.S3では約2.3周になっている。
図7の(a)は、図6の(a)のII−II断面図、(b)は図6の(b)のII−II断面図、(c)は図6の(c)のII−II断面図である。
一方、ツールNO.S2及びツールNO.S3において、隙間1.0〜3.0の条件では、略同一形状の空隙Mが形成されており、空隙Mの側壁には塑性流動化された金属が残存せずに、外部に排出されている。
図10は、螺旋溝角度試験における空隙面積と移動速度との関係を隙間別に示したグラフである。図10では、ツールNO.S3で得られた空隙面積と移動速度との関係を示している。
図9及び図10から明らかなように、空隙面積は、移動速度の変化によってはさほど影響を受けないことがわかった。
ショルダー部外径試験では、ショルダー部2の外径の影響を調査した。図11に示すように、この試験では三種類のツールNO.T1〜T3を使用した。ショルダー部2の外径を、ツールNO.T1では20mm、ツールNO.T2では18mm、ツールNO.T3では16mmに設定した。ショルダー部2の外径以外の構成は、三種類とも同等であって、攪拌ピン3の基端の外径は10mm、先端の外径は7mm、攪拌ピン3の長さは11mmに設定した。また、いずれのツールもショルダー部2の底面2aに、渦巻き状の突条2bを備えている。突条2bの高さは1mmとした。
一方、図17に示すように、移動速度が300mm/minの条件で隙間3.0mmの条件では、ショルダー部2の外径が16mm、18mmで塑性化領域に表面欠陥が発生したので空隙面積が減少した。
突条試験では、ショルダー部2の底面2aに形成された突条2bの影響を調査した。図18に示すように、この試験では三種類の空隙形成用回転ツールツールNO.S3−1〜S3−3を使用した。突条2bの切欠き部2cの幅を、ツールNO.S3−1では2mm、ツールNO.S3−2では6mmに設定した。ツールNO.S3−3では突条を設けていない。突条2b以外の構成は、三種類とも同等であって、ショルダー部2の外径は22mm、攪拌ピン3の基端の外径は10mm、先端の外径は7mm、攪拌ピンの長さは11mmに設定した。
攪拌ピン外径試験では、攪拌ピン3の外径を一定にしつつ、外径の大きさを可変させて攪拌ピン3の外径の影響を調査した。図21に示すように、この試験では4種類の空隙形成用回転ツールツールNO.U1〜U4を使用した。攪拌ピン3の外径を、ツールNO.U1では10mm、ツールNO.U2では12mm、ツールNO.U3では14mm、ツールNO.U4では16mmに設定した。攪拌ピン3の外径以外の構成は、四種類とも同等であって、ショルダー部2の外径は22mm、攪拌ピン3の長さは11mmに設定した。また、いずれのツールもショルダー部2の底面2aに、渦巻き状の突条2bを備えている。突条2bの高さは1mmとした。
空隙深さ試験では、図3の(a)に示すように、螺旋溝3aが形成されていない平坦面部11を備えた空隙形成用回転ツールを用いて、形成される空隙Mの深さ位置を調査した。図26に示すように、この試験では3種類の空隙形成用回転ツールを使用した。ツールNO.T2は、比較例であって図11の(b)で示すツールと同等である。
以上より、空隙試験によると、平坦面部11の高さを大きくすると、空隙Mを深い位置に形成することができることがわかった。一方、平坦面部11の高さを大きくしすぎると、空隙Mの空隙面積が小さくなってしまうことがわかった。
図33及び図34は、実施例における各ツールと形成された空隙の状況とを現した表である。「状況」の項目の「○」は空隙Mの状態が良好を示し、「×」は表面欠陥Eが発生している状態を示す。
2 ショルダー部
2a 底面
2b 突条
2c 切欠き部
3 攪拌ピン
3a 螺旋溝
D 空隙深さ
K 隙間
M 空隙
V バリ
Z 金属部材
Z1 本体部
Z2 塑性化領域
Za 表面
Claims (5)
- 空隙形成用回転ツールを用いてアルミニウム合金部材の内部に断面視略矩形を呈する空隙を形成する空隙形成方法であって、
前記空隙形成用回転ツールは、
ショルダー部とこのショルダー部から垂下する攪拌ピンとを有し、
前記攪拌ピンの外周面に螺旋溝を刻設し、当該螺旋溝が上方から下方に向かうにしたがって右回りとなるように形成し、
前記ショルダー部の外径を前記攪拌ピンの先端の外径で除した値が1.4以上3.1以下となるように設定し、且つ前記攪拌ピンの軸方向を法線とする基準面に対する前記螺旋溝の角度を20度以上40度以下に設定し、前記螺旋溝が形成された螺旋溝部と前記螺旋溝が形成されていない平坦面部とを前記攪拌ピンに形成し、前記攪拌ピンの先端から前記螺旋溝部を刻設し、
前記空隙形成用回転ツールを前記アルミニウム合金部材に対して相対的に移動させる際に、前記空隙形成用回転ツールを上方からみて右回転させることを特徴とする空隙形成方法。 - 空隙形成用回転ツールを用いてアルミニウム合金部材の内部に断面視略矩形を呈する空隙を形成する空隙形成方法であって、
前記空隙形成用回転ツールは、
ショルダー部とこのショルダー部から垂下する攪拌ピンとを有し、
前記攪拌ピンの外周面に螺旋溝を刻設し、当該螺旋溝が上方から下方に向かうにしたがって左回りとなるように形成し、
前記ショルダー部の外径を前記攪拌ピンの先端の外径で除した値が1.4以上3.1以下となるように設定し、且つ前記攪拌ピンの軸方向を法線とする基準面に対する前記螺旋溝の角度を20度以上40度以下に設定し、前記螺旋溝が形成された螺旋溝部と前記螺旋溝が形成されていない平坦面部とを前記攪拌ピンに形成し、前記攪拌ピンの先端から前記螺旋溝部を刻設し、
前記空隙形成用回転ツールを前記アルミニウム合金部材に対して相対的に移動させる際に、前記空隙形成用回転ツールを上方からみて左回転させることを特徴とする空隙形成方法。 - 前記攪拌ピンの外周面に前記螺旋溝を一周以上巻き回すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空隙形成方法。
- 前記ショルダー部の底面に突条を突設し、
前記突条を、前記攪拌ピンの周囲に渦巻き状に形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の空隙形成方法。 - 前記攪拌ピンを、先端から基端まで一定の外径で形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の空隙形成方法。
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