JP5953827B2 - 二次電池用電極合剤、その製造方法、二次電池用電極の製造方法、および二次電池の製造方法 - Google Patents

二次電池用電極合剤、その製造方法、二次電池用電極の製造方法、および二次電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5953827B2
JP5953827B2 JP2012046949A JP2012046949A JP5953827B2 JP 5953827 B2 JP5953827 B2 JP 5953827B2 JP 2012046949 A JP2012046949 A JP 2012046949A JP 2012046949 A JP2012046949 A JP 2012046949A JP 5953827 B2 JP5953827 B2 JP 5953827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary battery
electrode mixture
powder
kneading
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012046949A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013182822A (ja
Inventor
百瀬 扶実乃
扶実乃 百瀬
綾子 下中
綾子 下中
光史 野殿
光史 野殿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2012046949A priority Critical patent/JP5953827B2/ja
Publication of JP2013182822A publication Critical patent/JP2013182822A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5953827B2 publication Critical patent/JP5953827B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、二次電池用電極合剤、二次電池用電極合剤の製造方法、該二次電池用電極合剤を用いた二次電池用電極、および該二次電池用電極を備える二次電池に関する。
二次電池は、ノート型パソコンや携帯電話等、弱電の民生機器用途、ハイブリッド車や電気自動車等の蓄電池として用いられている。
一般に、二次電池の電極としては、金属箔等の集電体と、集電体上に設けられた合剤層とを備えるものが用いられており、合剤層には電極活物質および導電助剤がバインダーによって保持されている。かかる電極は一般に、電極活物質、導電助剤、バインダー、および溶剤を混練して電極合剤を調製し、これを転写ロール等で集電体の片面又は両面に塗工し、溶剤を乾燥除去して合剤層を形成し、その後必要に応じてロールプレス機等で圧縮成形することによって作製されている。
特許文献1には、バインダーとしてフッ化ビニリデン系重合体を用いて電極合剤を調製する際に、粉末導電助剤を含む粉末材料と、バインダー溶液とを混合した後に、溶剤を加えて混合する方法では、導電助剤の粒子を核としたフッ化ビニリデン系重合体の局所ゲル状物(ダマ)ができてしまうことが記載されている。該ゲル状物は塗工性の悪化、電極密着性不良、合剤層の平滑性低下等の原因となる。そして、該ゲル状物の生成を防止する方法として、粉末材料を溶剤と混合した後にバインダー溶液を加えて混合する方法が記載されている。
特許文献2には、同様のゲル状物(ダマ)の生成を防止する方法として、粉末導電助剤を含む粉末材料に液状体(溶剤またはバインダー溶液)を添加し、せん断発熱により電極合剤の温度上昇が認められる固形分濃度で混練した後、残りの液状体を加えて再混練する方法が記載されている。
特開2002−75374号公報 特開2004−247180号公報
特許文献1,2には、バインダーを溶液状で用いた実施例しか記載されておらず、粉末状のバインダーを用いて電極合剤を調製する方法についての具体的な記載はない。
バインダーを粉末状で添加できれば、バインダー溶液を調製する必要がないため、コストや作業性の点で望ましい。
しかしながら本発明者等の知見によれば、粉末状のバインダーを用いて電極合剤を調製したときに、バインダー樹脂のゲル状物が無く均一に混合されているように見えても、該電極合剤を用いて二次電池を構成したときに、二次電池の良好な電池特性が充分に得られない場合がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、粉末状のバインダー樹脂を用いて製造された電極合剤であって、二次電池の電池特性を向上できる二次電池用電極合剤およびその製造方法を提供する。
また本発明は、該二次電池用電極合剤を用いた二次電池用電極、および該二次電池用電極を備える二次電池を提供する。
本発明者等は、粉末状のバインダー樹脂を用いて製造した二次電池用電極合剤の、粘度のせん断速度依存性に着目して鋭意研究を行った結果、二次電池用電極合剤の調製方法によって該粘度のせん断速度依存性が変化し得ること、該粘度のせん断速度依存性を測定したときの、下記粘度比Xの値を特定の範囲内とすることにより、該二次電池用電極合剤を用いて構成した二次電池の電池特性を向上できることを見出して、本発明に至った。
本発明は、粉末活物質、粉末導電助剤、シアン化ビニル単量体単位を有する重合体を含有する粉末バインダー樹脂および溶剤を含む原料組成物を混練して得られる二次電池用電極合剤であって、下記式(1)で求められる粘度比Xの値が0.75〜1.50である、二次電池用電極合剤を提供する。
粘度比X=A/B ・・・(1)
式(1)において、
Aは、測定温度20℃において、せん断速度を0.01[sec−1]から100[sec−1]まで変化させながら、粘度のせん断速度依存性を測定したときの、せん断速度0.1[sec−1]での粘度の値であり、
Bは、測定温度20℃において、せん断速度を100[sec−1]から0.01[sec−1]まで変化させながら、粘度のせん断速度依存性を測定したときの、せん断速度0.1[sec−1]での粘度の値である。
本発明は、本発明の二次電池用電極合剤を製造する方法であって、粉末活物質、粉末導電助剤、および粉末バインダー樹脂を含む粉末原料に、溶剤を加えた被混練物を、混練して混練物を得る混練工程を有し、前記混練工程において、混練後の混練物の温度が、混練開始前の粉末原料の温度より5℃以上高くなるように、被混練物の固形分濃度を設定する、二次電池用電極合剤の製造方法を提供する。
前記混練工程の後、さらに溶剤を加えて混練する希釈工程を有することができる。
本発明、本発明の二次電池用電極合剤を、集電体上に塗工し、乾燥して得られる二次電池用電極を提供する。
本発明は、本発明の二次電池用電極を備える二次電池を提供する。
本発明の二次電池用電極合剤(以下、電極合剤ということもある。)は、粉末状のバインダー樹脂を用いて製造された電極合剤であり、これを用いて二次電池を構成することにより電池特性を向上させることができる。
本発明の二次電池用電極合剤の製造方法によれば、粉末状のバインダー樹脂を用いる方法で、電池特性を向上できる二次電池用電極合剤を、再現性良く製造できる。
本発明によれば、電池特性を向上できる二次電池用電極、および二次電池が得られる。
本発明の電極合剤は、粉末活物質、粉末導電助剤、粉末バインダー樹脂および溶剤を含む原料組成物を混練して得られるものである。本発明の電極合剤において、粉末活物質および粉末導電助剤は溶剤に分散されている。粉末バインダー樹脂は溶剤に溶解または分散されている。
本発明の電極合剤は、必要に応じて、バインダー樹脂、活物質、導電助剤および溶剤以外の成分(任意成分)を含有してもよい。したがって、前記原料組成物に粉末状の任意成分が含まれていてもよく、前記溶剤中に任意成分が含まれていてもよい。任意成分は二次電池において公知の成分を適宜用いることができる。電極合剤において、該任意成分は溶剤に溶解または分散されている。
以下、粉末バインダー樹脂,活物質、導電助剤および溶剤について説明する。
<粉末バインダー樹脂>
本発明では粉末状のバインダー樹脂を用いる。バインダー樹脂は、シアン化ビニル単量体単位を有する重合体(以下、重合体(C1)という。)を含む。重合体(C1)のほかに、二次電池用電極合剤において公知のバインダー樹脂を含んでもよい。
重合体(C1)は、シアン化ビニル単量体単位を有することで、電気化学的安定性、結着性、蜜着性、耐電解液膨潤性等に優れる。
バインダー樹脂中における重合体(C1)の含有量は、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましい。
<重合体(C1)>
重合体(C1)は、シアン化ビニル単量体単位を有する単独重合体または共重合体である。重合体(C1)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シアン化ビニル単量体単位は、シアン化ビニル単量体(以下、単量体(m1)という。)に由来する構成単位を意味する。単量体(m1)としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−シアノアクリレート、ジシアノビニリデン、フマロニトリルが挙げられる。これらの中でも、重合のし易さ、安価に入手できる点で、アクリロニトリルが好ましい。単量体(m1)は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
重合体(C1)における単量体(m1)単位の含有率は、重合体(C1)を構成する全ての構成単位の合計(100モル%)に対し、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がより好ましい。重合体(C1)が、単量体(m1)単位を50モル%以上の含有率で含有するもの(単独重合体または共重合体)であると、電気化学的安定性に優れる。また、電極合剤の調製に用いられる溶剤に溶解しやすく、本発明において粘度比Xの好ましい値が得られやすい。さらに、この範囲の重合体(C1)を用いて作製した電極は、密着性、結着性に優れる。
単量体(m1)単位の含有率の上限は特に限定されず、100モル%であってもよい。任意に単量体(m1)単位以外の構成単位(任意構成単位)を含有させる場合は、任意構成単位とのバランスを考慮して適宜設定できる。
重合体(C1)は、必要に応じて、単量体(m1)単位以外の構成単位(任意構成単位)を有してもよい。任意構成単位によって、合剤層の集電体に対する密着性や、剛性、曲げ強度等の機械的特性等を調節できる。
任意構成単位の由来源となる単量体(任意単量体)としては、単量体(m1)と共重合可能なものであればよく、電極合剤のバインダー樹脂に用いられる単量体として公知の単量体のなかから適宜選択して用いることができる。
任意単量体の具体例として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートやラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体;
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸等のカルボキシ基含有単量体及びその塩;
スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;
マレイミド、フェニルマレイミド等のマレイミド類;
(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有ビニル単量体及びその塩;
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート・モノエタノールアミン塩、ジフェニル((メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、3−クロロ−2−アシッド・ホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のリン酸基含有(メタ)アクリレート及びその塩;
アリルアルコールアシッドホスフェート等のリン酸基含有アリル化合物及びその塩;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの三級塩若しくは四級アンモニウム塩;
(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド化合物;
酢酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
なお、「ビニル単量体」は、ビニル基、またはビニル基のα位の炭素原子に結合した水素原子がメチル基で置換されたα−メチルビニル基を少なくとも1つ有する化合物である。
「アシッドホスフェート」は、リン酸のリン原子に結合した3つの水酸基のうち、1つまたは2つがエステル化された化合物(リン酸のモノエステルまたはジエステル)である。
任意単量体は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
任意単量体としては、上記のなかでも、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート・モノエタノールアミン塩、から選ばれる少なくとも1種(以下、単量体(m2)という。)が好ましい。単量体(m2)単位は、シアン化ビニル単量体単位よりも極性が高いため、集電体に対する密着性の向上に寄与する。
単量体(m2)単位としては、上記のなかでも、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートが特に好ましい。
重合体(C1)中の単量体(m2)単位の含有率は、重合体(C1)を構成する全ての構成単位の合計(100モル%)に対し、0〜30モル%が好ましく、1〜15モル%がより好ましい。30モル%以下であれば、重合体(C1)が電極合剤の調製に用いる溶剤に充分に溶解しやすく、本発明において粘度比Xの好ましい値が得られやすい。1モル%以上であれば、集電体に対する密着性等の向上効果が充分に得られやすい。
任意単量体として、重合性の官能基(ビニル基、α−メチルビニル基等)を2以上有する多官能の単量体(以下、単量体(m3)という。)を用いてもよい。単量体(m3)を用いると、重合体(C1)が架橋構造を有するものとなる。架橋構造を有すると、機械的特性、電解液への耐膨潤性等が向上する。
単量体(m3)としては、たとえばN,N−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合体(C1)中の多官能単量体(m3)単位の含有率は、重合体(C1)を構成する全ての構成単位の合計(100モル%)に対し、0〜10モル%が好ましく、0.001〜5モル%がより好ましい。
重合体(C1)は、公知の重合方法で製造できる。例えば、単量体(m1)、及び必要に応じて任意単量体を溶媒に投入し、重合温度0〜90℃、好ましくは50〜60℃で、重合時間1〜10時間、好ましくは2〜4時間保持することによって製造できる。本発明では、重合反応により得られた重合体(C1)を、必要に応じて洗浄した後、乾燥したものを用いる。
重合方法としては、例えば、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等が挙げられる。これらの中でも懸濁重合が好ましい。
懸濁重合は、単量体(m1)、重合開始剤及び必要に応じて任意単量体を水に分散し、任意の温度に保持する方法である。
懸濁重合に用いられる重合開始剤としては、重合開始効率等に優れることから、水溶性重合開始剤が好ましい。
水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過酸化水素等の水溶性過酸化物;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド等の水溶性アゾ化合物等が挙げられる。中でも、重合が容易であることから、過硫酸塩が好ましい。
過硫酸塩等の酸化剤は、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイト等の還元剤、及び硫酸、硫酸鉄、硫酸銅等の重合促進剤と組み合わせて、レドックス系開始剤として用いることができる。
懸濁重合には、分子量調節等の目的で、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、メルカプタン化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマー、次亜燐酸塩が挙げられ、中でも、メルカプタン化合物が好ましい。
懸濁重合には、バインダー樹脂の粒子径を調節するため、水以外の溶媒を加えることができる。水以外の溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン(以下、NMPという。)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメチルウレア等のウレア類;γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン等のラクトン類;プロピレンカーボネート等のカーボネート類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート等のエステル類;ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム類;トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン等のスルホン類;メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
重合体(C1)の重量平均分子量(Mw)は、10,000〜3,000,000が好ましく、50,000〜1,000,000がより好ましい。Mwが10,000以上であると結着力に優れ、合剤層と集電体との密着性等が向上する。3,000,000以下であると、電極合剤の調製に用いられる溶剤への溶解性が良好である。また、得られる電極合剤の粘度が高くなりすぎず、良好な塗工性等が得られやすい。
重合体(C1)の分子量分布(Mw/数平均分子量(Mn))は、1.0〜10.0が好ましく、1.0〜8.0がより好ましい。
Mw、Mnはそれぞれ、溶剤としてN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFということもある。)、標準ポリマーとしてポリスチレンを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定できる。
本発明の電極合剤中のバインダー樹脂の含有量は、特に限定されないが、使用する活物質100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。0.2質量部以上であれば、当該電極合剤を用いて形成される合剤層と集電体との密着性がより高まる。10質量部以下であれば、活物質や任意の導電助剤を充分に含有できるため、電池特性が向上する。
<活物質>
本発明の電極合剤に用いる活物質は、特に限定されず、当該電極合剤を用いて製造する電極がどのような二次電池用であるかに応じて公知のものが使用できる。活物質は通常粉末状である。
例えばリチウムイオン二次電池の場合、正極の電極活物質(正極活物質)としては、負極の活物質(負極活物質)より高電位(金属リチウムに対し)であり、充放電時にリチウムイオンを吸脱できる物質が用いられる。
正極活物質の具体例としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン及びバナジウムから選ばれる少なくとも1種類以上の金属と、リチウムとを含有するリチウム含有金属複合酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリパラフェニレン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチエニレン及びその誘導体、ポリピリジンジイル及びその誘導体、ポリイソチアナフテニレン及びその誘導体等のポリアリーレンビニレン及びそれらの誘導体等の導電性高分子が挙げられる。導電性高分子としては、有機溶媒に可溶なアニリン誘導体の重合体が好ましい。正極活物質は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、非晶質炭素、炭素繊維、コークス、活性炭等の炭素材料;前記炭素材料とシリコン、錫、銀等の金属又はこれらの酸化物との複合物等が挙げられる。負極活物質は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
リチウムイオン二次電池においては、正極活物質としてリチウム含有金属複合酸化物を用い、負極活物質として黒鉛を用いることが好ましい。このような組み合わせとすることで、リチウムイオン二次電池の電圧を例えば4V以上に高められる。
<導電助剤>
導電助剤は、活物質同士の電気的接触を向上させ、二次電池の放電レート特性等の向上に寄与する。二次電池において公知の導電助剤を用いることができる。導電助剤は通常粉末状である。
具体例としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、導電性高分子等が挙げられる。これらの導電助剤は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
電極合剤中の導電助剤の含有量は、特に限定されないが、使用する活物質100質量部に対して、1〜15質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。1質量部以上であれば、電池性能がより高められる。15質量部以下であれば、合剤層と集電体との密着性が良好である。
<溶剤>
本発明の電極合剤に用いられる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解し、活物質を均一に分散し得るものであればよく、通常、二次電池電極用電極合剤に用いられている有機溶剤が利用できる。このような有機溶剤としては、例えば、NMP、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等)、グライム系溶剤(ジグライム、トリグライム、テトラグライム等)等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いても2種以上を混合して混合溶剤として用いてもよい。混合溶剤の例として、NMPとエステル系溶媒との混合溶液、NMPとグライム系溶媒との混合溶液等が挙げられる。
本発明の電極合剤は、粉末状のバインダーを用いて製造されるため、電極合剤中の固形分濃度(溶剤を除く全成分の濃度)を高くすることができる。電極合剤としての最終固形分濃度は70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましい。上限は該電極合剤を用いて合剤層を形成する際に、集電体に塗工しやすい粘度を勘案して決定される。例えば85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
<電極合剤の粘度比X>
本発明の電極合剤は、下記の方法で求められる粘度比Xの値が0.75〜1.50である。
まず、電極合剤の粘度のせん断速度依存性(せん断速度−粘度曲線)を測定する。せん断速度−粘度曲線は流体のチキソ性の評価においても用いられるものである。
測定装置は、例えばTA Instruments Waters LC社製の応力制御レオメーターAR550など、公知の装置を用いることができる。測定温度は20℃とする。
測定は、せん断速度0.01[sec−1]から開始し、高せん断速度へと移行し、100[sec−1]まで測定した後、低せん断速度へ移行し、再度0.01[sec−1]に達するまで測定する方法で行う。
せん断速度を0.01[sec−1]から100[sec−1]まで変化させながら測定したときの、せん断速度0.1[sec−1]での粘度の値をAとし、その後、せん断速度を100[sec−1]から0.01[sec−1]まで変化させながら測定したときの、せん断速度0.1[sec−1]での粘度の値をBとする。
下記式(1)により粘度比Xを求める。
粘度比X=A/B ・・・(1)
粘度比Xが1に近いほど、低せん断速度から高せん断速度へと移行する場合のせん断速度−粘度曲線と、高せん断速度から低せん断速度へと移行する場合のせん断速度−粘度曲線との差が小さいことを意味する。
本発明では、該粘度比Xを0.75〜1.50であると、後述の実施例に示されるように、初期充填容量およびサイクル特性が向上し、優れた電池特性が得られる。
該粘度比Xは、0.80〜1.40がより好ましく、0.85〜1.35がさらに好ましい。
粘度比Xは、電極合剤の構成成分の分散状態によって変わり、分散状態のばらつきが小さいほど粘度比Xが1に近くなると考えられる。
分散状態のばらつきは、電極合剤の粘度や塗工性に影響を与え、該分散状態のばらつきが小さくなると電極の密着性や合剤層の平滑性が向上し、電池性能が向上すると考えられる。
また、電極合剤を調製する際に、粘度比Xが上記の範囲となるように調製することにより、分散状態が良好な電極合剤を再現性よく調製できる。この範囲となるように調整するためには、粉末活物質、粉末導電助剤、および粉末バインダー樹脂の種類、添加量、剪断速度を適宜調整する。特に、以下に述べる方法で製造することが好ましい。
<二次電池用電極合剤の製造方法>
本発明の電極合剤は、下記の混練工程を有する方法で製造することが好ましい。
[混練工程]
粉末活物質、粉末導電助剤、および粉末バインダー樹脂を含む粉末原料に溶剤を加えた被混練物を混練して混練物を得る。混練は、公知の混練撹拌機を用いて行うことができる。例えば自公転式撹拌機、プラネタリーミキサー等を用いることができる。
粉末活物質、粉末導電助剤、および粉末バインダー樹脂を含む粉末原料は、溶剤を加える前に混合しておくことが好ましい。
混練工程では、混練後の混練物の温度が、混練開始前の粉末原料の温度より5℃以上高くなるように、被混練物の固形分濃度を設定する。被混練物とは混練される全成分を意味し、具体的には混練攪拌機の内容物である。混練が終了した状態の被混練物を、混練後の混練物という。
粉末原料に溶剤を添加して混練するとき、被混練物が高いせん断応力を受けると、せん断発熱が生じて温度が上昇する。本発明における混練工程では、該せん断発熱が生じるような高いせん断応力を与えて混練する。これにより、後述の実施例に示されるように、本発明における粘度比Xを好ましい範囲内とすることができ、電池特性を向上させることができる。せん断発熱が生じる条件で混練することにより、混練物における分散状態のばらつきが効果的に低減されると考えられる。
混練工程において、混練後の混練物の温度と、混練開始前の粉末原料の温度との差は、5℃以上であればよく、10℃以上であることがより好ましい。該温度差の上限は特に限定されないが、溶剤の揮発の点では25℃以下が好ましい。他の条件が一定であれば、該温度の差の値が高いほど、粘度比Xが1に近づく傾向がある。
被混練物が受けるせん断応力は、被混練物の固形分濃度によって調節することができる。被混練物の固形分濃度が低すぎるとせん断発熱は生じない。固形分濃度を高くするとせん断応力は上昇するが、高すぎると、せん断により、活物質粒子が微細化する可能性がある。
混練工程における被混練物の固形分濃度は、好ましくは70〜90質量%の範囲内、より好ましくは75〜85質量%の範囲内で、前記温度差が5℃以上となる固形分濃度(以下、温度上昇時固形分濃度という。)に設定することが好ましい。
温度上昇時固形分濃度は、粉末原料の種類や、添加量、混練装置の構造や大きさ、剪断速度等によっても変化するが、予め、下記の予備工程を行って温度上昇時固形分濃度を見つけておき、混練工程では、該温度上昇時固形分濃度に設定された状態で、所望の混練状態が得られるまで混練を行うことが好ましい。
(予備工程)
まず、外部からの加熱および冷却のいずれもない状態で、混練工程と同じ条件下で、粉末原料(Y℃)に少量の所定量の溶剤を加えて60秒間混練した直後に、被混練物の温度(Z℃)を測定する。Z−Y<5℃であれば、さらに少量の所定量の溶剤を添加することによって固形分濃度を低下させ、60秒間混練した直後に、被混練物の温度(Z℃)を測定する。Z−Y≧5℃となるまで、この操作を繰り返し、Z−Y≧5℃となったときの、被混練物の固形分濃度を、温度上昇時固形分濃度とする。
溶剤を少量ずつ添加する際の、1回の添加量は特に限定されないが、例えば活物質の100質量部に対して、0.5〜5質量部が好ましく、0.5〜3質量部がより好ましい。
このような予備工程を行って温度上昇時固形分濃度を見つけた後、引き続いて、該温度上昇時固形分濃度のままで混練工程を行うことができる。
また、同条件で電極合剤の製造を繰り返す場合、2回以降は予備工程を行わずに、予備工程で得た温度上昇時固形分濃度に設定して混練工程を行うことができる。
混練工程における溶剤の添加は、温度上昇時固形分濃度となる溶剤の添加量を、一括的に添加する方法でもよく、少量ずつ複数回に分けて添加および混練を繰り返す方法でもよい。
混練工程において、温度上昇時固形分濃度での混練時間は、5分以上が好ましく、10分以上がより好ましい。該混練時間の上限は特に限定されないが、活物質の微細化防止の点では120分以下が好ましく、60分以下がより好ましい。他の条件が一定であれば、該混練時間が長いほど、粘度比Xが1に近づく傾向がある。
[希釈工程]
混練工程で得られた混練物の固形分濃度が高すぎて良好な塗工性が得られない場合は、該混練物に、さらに溶剤を加えて混練する希釈工程を行って電極合剤を得る。混練工程で得られた混練物が塗工に適している場合には、該希釈工程は行わなくてもよい。この場合、混練工程で得られた混練物が電極合剤であり、該混練物の固形分濃度が最終固形分濃度となる。
希釈工程において、溶剤を一括的に添加してもよく、少量ずつ複数回に分けて添加および混練を繰り返してもよい。希釈工程における混練時間は、均一な希釈物が得られるように適宜設定することができる。
本発明の電極合剤の製造方法は、粉末のバインダー樹脂を添加する方法であるため、バインダー樹脂溶液を添加する方法に比べて、工程が簡便であり、作業性が良い。また、温度上昇時固形分濃度に設定して混練を行うことにより、分散性に優れる電極合剤を、再現性良く調製することができる。
粉末のバインダー樹脂を用いる方法でありながら、良好な分散性が得られるため、電極合剤を高固形分化することができ、コストの点でも有利である。
<二次電池用電極>
本発明の二次電池用電極(以下、単に電極という。)は、本発明の電極合剤を、集電体上に塗工し、乾燥して得られるものである。
集電体は、導電性を有する物質であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属が挙げられる。
集電体の形状は、目的とする電池の形態に応じて決定でき、例えば、薄膜状、網状、繊維状が挙げられ、中でも、薄膜状が好ましい。
集電体の厚みは、特に限定されないが、5〜30μmが好ましく、8〜25μmがより好ましい。
本発明の電極合剤を集電体に塗工し、乾燥させることにより、集電体上に形成される層を合剤層という。
集電体が薄膜状または網状である場合、合剤層は、集電体の片面に設けられても両面に設けられてもよい。
電極合剤の塗工方法は、集電体に電極合剤を任意の厚みで塗布できるものであればよく、特に限定されないが、例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、刷毛塗り法等の方法が挙げられる。
塗工量は、形成しようとする合剤層の厚みに応じて適宜設定できる。
塗工した電極合剤を乾燥する方法は、溶剤を除去できればよく、特に制限されない。例えば、溶剤の沸点以上に加熱する方法、減圧条件下で溶剤を蒸発させる方法等が挙げられる。
乾燥後、必要に応じて、形成された合剤層を圧延してもよい。圧延を行うことで、合剤層の面積を広げ、かつ任意の厚みに調節できる。
合剤層の厚みは、活物質の種類に応じて適宜決定できる。例えば活物質が金属酸リチウムの場合、合剤層の厚みは、50〜110μmが好ましく、70〜110μmがより好ましい。例えば活物質が黒鉛の場合、合剤層の厚みは、30〜70μmが好ましく、50〜70μmがより好ましい。
本発明の電極は、二次電池の正極、負極のいずれにも使用できる。本発明の電極は、特に、正極用として有用である。
<二次電池>
本発明の二次電池は、本発明の二次電池用電極を備えるものである。二次電池の構造は特に限定されず、公知の構造を用いることができる。二次電池は、通常、電極(正極および負極)と、電解質と、セパレータとを備える。例えば、正極と負極とを多孔膜等からなるセパレータを介して重ね合わせ捲回した捲回物が、電解質と共に電池容器に収容されたもの、等が挙げられる。
二次電池として、エネルギー密度の点で非水電解質二次電池が好適である。「非水電解質二次電池」は、電解質として、水を含まない非水電解質を用いたものであり、リチウムイオン二次電池が好ましい。
非水電解質としては、有機溶剤に固体の電解質を溶解した電解液が挙げられる。
電解液の有機溶剤としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等のオキソラン類;アセトニトリル、ニトロメタン、NMP等の含窒素類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル等のエステル類;ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム類;アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;スルホラン等のスルホン類;3−メチル−2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン類;1,3−プロパンスルトン、4−ブタンスルトン、ナフタスルトン等のスルトン類等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
前記固体の電解質は、非水電解質二次電池や活物質の種類に応じて公知のものが利用できる。例えばリチウムイオン二次電池の場合、公知のリチウム塩がいずれも使用でき、LiClO、LiBF、LiI、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、LiCHSO、LiCSO、Li(CFSON、Li[(COB等が挙げられる。
前記リチウムイオン二次電池の電解液としては、カーボネート類にLiPFを溶解したものが好ましい。
本発明の電池は、正極および負極のいずれか一方または両方に、本発明の電極が用いられている。本発明の電池は、少なくとも正極が本発明の電極であることが好ましい。
正極および負極のいずれか一方が本発明の電極である場合、他方の電極としては、公知のものが利用できる。
セパレータとしては、公知のものを使用することができる。例えば多孔性高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、及びエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子から製造した多孔性高分子フィルムを単独でまたはこれらを積層して使用することができる。この他、通常の多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アクリル繊維などからなる不織布を使用できるが、これらに限定されることはない。
本発明の電池の製造方法については特に制約はない。製造方法として、例えば、正極と負極とをセパレータを介して対向させ、電池形状に応じて渦巻き状に捲回する、折るなどして電池容器に入れ、電解質を注入して封口するなどの、公知の方法が挙げられる。
電池の形状は、コイン型、円筒型、角形、扁平型など何れであってもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。なお以下の記載において、含有割合を示す「%」は「質量%」を表し、「部」は「質量部」を表す。
<重合体の重量平均分子量および分子量分布>
製造例で得られた重合体10mgを10mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過して試料溶液を調製した。この試料溶液を東ソー社製ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)HLC−8020を用いて測定した。この測定には、分離カラムとして東ソー社製 TSKgel SuperHZM−H(商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)を2本直列にしたものを用い、溶媒として0.01モル/Lの塩化リチウムを含有したDMF、流量0.6mL/min、検出器として示差屈折計、測定温度40℃、注入量0.1mL、標準ポリマーとしてポリスチレンを使用して測定した。
<製造例1:アクリロニトリル系樹脂(C1−1)の製造>
本例では、粉末バインダー樹脂として、アクリロニトリルと酢酸ビニルの共重合体を調製した。
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備した2リットルのセパラブルフラスコに、蒸留水870gを仕込み、窒素ガスを通気量100mL/分で15分間バブリングした。その後窒素ガスの通気をフローに切り替え、攪拌しながらフラスコ内を60℃まで昇温した。
次いで、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.72g、50%亜硫酸水素アンモニウム水溶液2.16g、0.1%硫酸鉄水溶液0.15gを、蒸留水30gを用いて投入した。
アクリロニトリル93gと酢酸ビニル7gを均一に混合し、該混合物に対して通気量100mL/分で窒素ガスを15分間バブリングした後、該混合物を前記セパラブルフラスコに一括的に投入した。その後攪拌しながら60℃で3時間保持して重合を完了させた後、攪拌を止めて冷却し、反応液を吸引濾過した。得られた固形物を60℃の温水で洗浄後、80℃で24時間乾燥させ、粉末状のアクリロニトリル−酢酸ビニル共重合体(アクリロニトリル単位/酢酸ビニル単位=93/7(モル比))を得た。該共重合体の重量平均分子量は300,000であり、分子量分布は4であった。
本例で得られたアクリロニトリル−酢酸ビニル共重合体を、以下、樹脂(C1−1)という。
<実施例1>
粉末活物質としてコバルト酸リチウム(日本化学工業(株)、商品名:セルシードC−5H、以下、LCOという。)100部、粉末導電助剤としてアセチレンブラック(電気化学工業(株)製、商品名:デンカブラック、以下、ABという。)5部、および製造例1で得られた粉末状の樹脂(C1−1)2部を容器に計量した。攪拌開始前の容器内の粉体(粉末原料)の温度は32℃であり、室温は20℃であった。
容器内にNMP(20℃)を1.6部加え、自公転式攪拌機(自転1000rpm、公転2000rpm、Thinky社製、商品名:あわとり練太郎、以下同様。)で60秒間攪拌する方法で混練し、攪拌直後の容器の内容物(被混練物)の温度を非接触型温度計で計測した。なお、混練の際に外部からの加熱、冷却は行わなかった。
被混練物の温度と撹拌開始前の粉体の温度(32℃)との差が5℃未満であれば、さらにNMPを1.6部加え、60秒間攪拌した直後の被混練物の温度を計測した。この操作を繰り返し、15回目のNMPの添加を行って60秒間攪拌した直後の被混練物の温度が40℃となり、撹拌開始前の粉体の温度(32℃)との差が5℃以上になった。このときのまでのNMPの添加量の合計は24部であり、このときの被混練物の固形分濃度(約82%)を温度上昇時固形分濃度と設定した。
続いて、この温度上昇時固形分濃度のまま、さらに5分間攪拌を続けて混練することにより混練物を得、続いて固形分濃度が80%となるようにNMPを加えて混練することに希釈し、最終固形分濃度が80%の電極合剤を得た。
<実施例2>
実施例1において、温度上昇時固形分濃度となる溶剤の添加量を、一括的に投入する方法で電極合剤を製造した。
LCOの100部、ABの5部、製造例1で得られた樹脂(C1−1)の2部、およびNMPの24部を軟膏容器に計量した(固形分濃度約82%に相当)。自公転式攪拌機で10分攪拌して、共重合体を充分に溶解、混練することにより混練物を得、続いて固形分濃度が80%となるようにNMPを加えて混練することに希釈し、最終固形分濃度が80%の電極合剤を得た。
<実施例3>
実施例1において、樹脂(C1−1)の添加量を1部に変更した以外は、実施例1と同様にして合剤を調製した。
実施例1と同様に、容器内にNMPを1.6部ずつ加えながら、攪拌直後の被混練物の温度を計測し、15回目のNMPの添加を行って60秒間攪拌した直後の被混練物の温度が42℃となり、撹拌開始前の粉体の温度(32℃)との差が5℃以上になった。このときのまでのNMPの添加量の合計は24部であり、このときの被混練物の固形分濃度(約82%)を温度上昇時固形分濃度と設定した。
続いて、この温度上昇時固形分濃度のまま、さらに5分間攪拌を続けて混練することにより混練物を得、続いて固形分濃度が79%となるようにNMPを加えて混練することに希釈し、最終固形分濃度が79%の電極合剤を得た。
<実施例4>
実施例3において、温度上昇時固形分濃度となる溶剤の添加量を、一括的に投入する方法で電極合剤を製造した。
LCOの100部、ABの5部、樹脂(C1−1)の1部、およびNMPの24部を軟膏容器に計量した(固形分濃度約82%に相当)。自公転式攪拌機で10分攪拌して、共重合体を充分に溶解、混練することにより混練物を得、続いて固形分濃度が79%となるようにNMPを加えて混練することに希釈し、最終固形分濃度が79%の電極合剤を得た。
<比較例1>
実施例2において、溶剤の添加量を36部に変更した(固形分濃度約75%に相当)。本例において最終固形分濃度は75%とし、粉体原料とNMPとを混練した後の希釈は行わなかった。
すなわち、LCOの100部、ABの5部、樹脂(C1−1)の2部、およびNMPの36部を軟膏容器に計量し、自公転式攪拌機で10分間攪拌して、共重合体を充分に溶解、混練することにより、最終固形分濃度が75%の電極合剤を製造した。10分間の攪拌を終えた直後の被混練物(電極合剤)の温度を計測したところ35℃であり、撹拌開始前の粉体の温度(32℃)との差は5℃未満であった。
<比較例2>
本例では、実施例1において、粉末バインダー樹脂を粉末状のポリフッ化ビニリデン(キシダ化学(株)製、商品名:PVDF#1100、以下、F1−1という。)に変更した以外は、実施例1と同様にして合剤を調製した。
実施例1と同様に、容器内にNMPを1.6部ずつ加えながら、攪拌直後の被混練物の温度を計測した。19回目のNMPの添加を行って60秒間攪拌した直後の被混練物の温度が40℃となり、撹拌開始前の粉体の温度(32℃)との差が5℃以上になった。このときのまでのNMPの添加量の合計は30.4部であり、このときの被混練物の固形分濃度(約78%)を温度上昇時固形分濃度と設定した。
続いて、この温度上昇時固形分濃度のまま、さらに5分間攪拌を続けて混練することにより混練物を得、続いて固形分濃度が68%となるようにNMPを加えて混練することに希釈し、最終固形分濃度が68%の電極合剤を得た。
<粘度のせん断速度依存性および粘度比Xの測定方法>
上記実施例および比較例で得られた電極合剤について、粘度のせん断速度依存性を以下の(1)〜(5)の条件で測定し、測定結果から粘度Xを求めた。その結果を表1に示す。
表1には各例の主な製造条件も示す。
(1)装置:応力制御レオメーターAR550(TA Instruments Waters LC)。
(2)ジオメトリー:コーンプレート(φ40mm、角度2°)。
(3)ギャップ:69μm。
(4)測定温度:20℃。
(5)せん断速度範囲および測定時間:5分間で0.01sec−1から100sec−1、まで移行させた後、5分間で100sec−1から0.01sec−1まで移行させた。
(6)粘度Xの算出:0.01〜100sec−1での測定における、0.1sec−1での粘度値A及び、100〜0.01sec−1での測定における、0.1sec−1での粘度値Bから、粘度比X=A/Bを求めた。

Figure 0005953827
表1の結果に示されるように、混練工程において、温度上昇固形分濃度で混練を行った実施例1〜4は、粘度比Xの値が1.1〜1.3と良好であった。
これに対して、混練工程において、混練後の混練物の温度が、混練開始前の粉末原料の温度より5℃以上高くならない固形分濃度で混練を行った比較例1は、粘度比Xの値が0.5と低かった。
また粉末バインダー樹脂としてシアン化ビニル単量体単位を有する重合体を含有しなかった比較例2は、粘度比Xの値が0.05と格段に低かった。
<二次電池用電極の作成>
実施例1及び比較例1で得られた電極合剤を、アルミ箔(19cm×25cm、厚み20μm)上にドクターブレードを用いて塗布し、循環式熱風乾燥機中80℃で1時間乾燥させ、更に、真空乾燥機にて100℃で12時間減圧乾燥することにより膜厚80μmの正極電極を得た。
(2016型コイン電池の作製)
前記正極電極及び金属リチウム負極電極を、セパレータ(ポリポア社製、商品名:セルガード♯2400)を介して対向させた。電解液として、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2(体積比)の混合物を溶媒とした1Mの六フッ化リン酸リチウム溶液を用いて、2016型コイン電池を製造した。
(初期放電容量と電池容量の維持性の評価)
製造した2016型コイン電池について、初期放電容量とサイクル特性を測定した。
すなわち、60℃で充放電レートを0.5Cとし、定電流法(電流密度:0.6mA/g−活物質)で4.2Vに充電し、3Vまで放電する充放電を50回繰り返した。初期充電容量は、1サイクル目の充電容量から求めた。また、サイクル特性は、50サイクル目の電池容量から算出した。結果を表2に示す。
Figure 0005953827
表2の結果に示されるように、粘度比Xの値が本発明の範囲内である実施例1は、該粘度比Xの値が0.5と低い比較例1に比べて初期放電容量およびサイクル特性が向上した。

Claims (5)

  1. 粉末活物質、粉末導電助剤、シアン化ビニル単量体単位を有する重合体を含有する粉末バインダー樹脂および溶剤を含み、下記式(1)で求められる粘度比Xの値が0.75〜1.50である、二次電池用電極合剤。
    粘度比X=A/B ・・・(1)
    式(1)において、
    Aは、測定温度20℃において、せん断速度を0.01[sec−1]から100[sec−1]まで変化させながら、粘度のせん断速度依存性を測定したときの、せん断速度0.1[sec−1]での粘度の値であり、
    Bは、測定温度20℃において、せん断速度を100[sec−1]から0.01[sec−1]まで変化させながら、粘度のせん断速度依存性を測定したときの、せん断速度0.1[sec−1]での粘度の値である。
  2. 請求項1に記載の二次電池用電極合剤を製造する方法であって、
    粉末活物質、粉末導電助剤、および粉末バインダー樹脂を含む粉末原料に、溶剤を加えた被混練物を、混練して混練物を得る混練工程を有し、
    前記混練工程において、混練後の混練物の温度が、混練開始前の粉末原料の温度より5℃以上高くなるように、被混練物の固形分濃度を設定する、二次電池用電極合剤の製造方法。
  3. 前記混練工程の後、さらに溶剤を加えて混練する希釈工程を有する、請求項2に記載の二次電池用電極合剤の製造方法。
  4. 請求項1に記載の二次電池用電極合剤を、集電体上に塗工し、乾燥する、二次電池用電極の製造方法
  5. 請求項4に記載の製造方法により二次電池用電極を製造し、得られた二次電池用電極を用いて二次電池を製造する、二次電池の製造方法
JP2012046949A 2012-03-02 2012-03-02 二次電池用電極合剤、その製造方法、二次電池用電極の製造方法、および二次電池の製造方法 Expired - Fee Related JP5953827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012046949A JP5953827B2 (ja) 2012-03-02 2012-03-02 二次電池用電極合剤、その製造方法、二次電池用電極の製造方法、および二次電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012046949A JP5953827B2 (ja) 2012-03-02 2012-03-02 二次電池用電極合剤、その製造方法、二次電池用電極の製造方法、および二次電池の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013182822A JP2013182822A (ja) 2013-09-12
JP5953827B2 true JP5953827B2 (ja) 2016-07-20

Family

ID=49273334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012046949A Expired - Fee Related JP5953827B2 (ja) 2012-03-02 2012-03-02 二次電池用電極合剤、その製造方法、二次電池用電極の製造方法、および二次電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5953827B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190036976A (ko) * 2017-09-28 2019-04-05 주식회사 엘지화학 전극 슬러리의 공정성 예측 및 선정 방법

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6929186B2 (ja) * 2017-10-10 2021-09-01 日産自動車株式会社 電池用電極の製造方法
CN113661591A (zh) * 2019-04-18 2021-11-16 日本瑞翁株式会社 非水系二次电池电极用粘结剂组合物、非水系二次电池正极用浆料组合物、非水系二次电池用正极和非水系二次电池
WO2020213721A1 (ja) * 2019-04-18 2020-10-22 日本ゼオン株式会社 非水系二次電池電極用バインダー組成物、非水系二次電池正極用スラリー組成物、非水系二次電池用正極、および非水系二次電池

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6251158A (ja) * 1985-08-29 1987-03-05 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd ニツケルカドミウムアルカリ蓄電池陰極板用ペ−ストの製造方法
JP2004095198A (ja) * 2002-08-29 2004-03-25 Sony Corp 電極ペーストおよび電池
JP4311002B2 (ja) * 2002-11-29 2009-08-12 日本ゼオン株式会社 電極用スラリー組成物、電極および二次電池
KR100508570B1 (ko) * 2003-04-07 2005-08-17 주식회사 엘지화학 전극 활물질 슬러리 제조시의 분산제 조성 및 그 이용
JP4748948B2 (ja) * 2004-03-31 2011-08-17 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池
JP2007194202A (ja) * 2005-12-20 2007-08-02 Sony Corp リチウムイオン二次電池
JP5188795B2 (ja) * 2007-12-14 2013-04-24 パナソニック株式会社 リチウム二次電池用正極形成用塗工液、リチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190036976A (ko) * 2017-09-28 2019-04-05 주식회사 엘지화학 전극 슬러리의 공정성 예측 및 선정 방법
KR102454481B1 (ko) * 2017-09-28 2022-10-12 주식회사 엘지에너지솔루션 전극 슬러리의 공정성 예측 및 선정 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013182822A (ja) 2013-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10361434B2 (en) Binder resin for nonaqueous secondary battery electrode, binder resin composition for nonaqueous secondary battery electrode slurry composition for nonaqueous secondary battery electrode, electrode for nonaqueous secondary battery, and nonaqueous secondary battery
US10446850B2 (en) Binder resin composition for secondary battery electrodes, slurry for secondary battery electrodes, electrode for secondary batteries, and lithium ion secondary battery
US9419284B2 (en) Binder resin for electrode of nonaqueous electrolyte secondary battery, slurry composition, electrode for nonaqueous electrolyte secondary battery, and nonaqueous electrolyte secondary battery
JP5381974B2 (ja) 非水電解質二次電池電極用バインダー組成物および非水電解質二次電池
JP6145693B2 (ja) 電気化学素子の電極用バインダ、電気化学素子の電極用組成物、電気化学素子の電極及び電気化学素子
CN111566858B (zh) 电极用粘合剂、电极以及蓄电器件
WO2018021552A1 (ja) 蓄電デバイス電極用樹脂組成物
JP5953827B2 (ja) 二次電池用電極合剤、その製造方法、二次電池用電極の製造方法、および二次電池の製造方法
JP6094794B2 (ja) 非水電解質二次電池電極用バインダ樹脂およびスラリー組成物、非水電解質二次電池用電極、非水電解質二次電池
JP2016009647A (ja) 二次電池電極用バインダ樹脂、スラリー、二次電池用電極、及び非水二次電池
JP2014229400A (ja) 二次電池用負極スラリーの製造方法、二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP6145638B2 (ja) 二次電池用水溶性結着性組成物、二次電池電極用合剤、二次電池用電極、リチウムイオン二次電池
JP6487369B2 (ja) リチウムイオン二次電池の正極作製用導電ペースト
JP6244798B2 (ja) 二次電池電極用バインダ樹脂組成物、二次電池電極用スラリー、二次電池用電極、リチウムイオン二次電池
JP2013020752A (ja) 電池電極用バインダ、電池電極用組成物、電池用電極及び二次電池
JP6024256B2 (ja) 非水電解質二次電池用電極、非水電解質二次電池、およびそれらの製造方法
JP2016009557A (ja) 非水二次電池電極用バインダ樹脂、スラリー組成物、電極、電池
WO2017064811A1 (ja) 二次電池電極用バインダ樹脂、これを用いた二次電池電極用バインダ樹脂組成物、二次電池電極用スラリー、二次電池用電極、及び二次電池
JP2024052418A (ja) 蓄電デバイス負極用バインダ組成物、蓄電デバイス負極用スラリ組成物、蓄電デバイス負極用スラリ組成物の製造方法、蓄電デバイス負極および蓄電デバイス
WO2018181772A1 (ja) 電極用バインダー、電極材料、電極、及び蓄電デバイス
JP2015056287A (ja) 二次電池用電極、二次電池、およびそれらの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160530

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5953827

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees