以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。
図1および図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持したガラス枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。ガラス枠13の上部の左右の角にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、LCDである表示装置28が設けられている。表示装置28の表示領域では、大当たり判定の結果を遊技者に報知するための報知演出、大当たり遊技中の演出等、様々な演出の映像が表示される。特に、報知演出では複数のデモ図柄の変動および停止が行われ、同一のデモ図柄が所定ライン上に確定表示されることで、大当たり判定の結果が当たりであることが遊技者に報知される。
表示装置28の外縁を取り囲むように、各種演出を行う演出装置30(図3等参照)が設けられている。演出装置30は、表示装置28およびスピーカ48等と連動して、報知演出等の様々な演出を実行する。表示装置28の下方には、第一特別図柄始動電動役物14が配設されている。第一特別図柄始動電動役物14に遊技球が入賞することを契機として、第一特別図柄の大当たり判定が行われる。
表示装置28の右方には、普通図柄始動ゲート12および第二特別図柄始動電動役物15が上下に並んで配設されている。普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると、普通当たり判定が行われる。第二特別図柄始動電動役物15は、普通当たり判定によって当たりと判定された場合にのみ、遊技球が入賞可能となる。第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞することを契機として、第二特別図柄の大当たり判定が行われる。
第一特別図柄始動電動役物14の右方、且つ第二特別図柄始動電動役物15の下方には、第一大入賞口16および第二大入賞口17が上下に並んで配設されている。第一大入賞口16および第二大入賞口17には、それぞれ開閉部材が設けられており、この開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球が入賞可能となる。各開閉部材は、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかの大当たり判定によって当たりと判定されると、ソレノイドによって電気的に開放される。第一特別図柄始動電動役物14、第二特別図柄始動電動役物15、第一大入賞口16および第二大入賞口17のいずれかに遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。さらに、遊技盤2には、上記以外に各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技釘が設けられている。
図示しないが、パチンコ機1の背面側には、各種基板を備えた制御部が設けられている。制御部の各基板はCPU、RAM、ROM等を備えており、パチンコ機1の各種動作を制御する。例えば、主基板は、普通当たり判定、大当たり判定等を行い、パチンコ機1の主制御を司る。サブ制御基板は、主基板で行われた各種判定の結果等に基づいて、各種演出動作を実行する。サブ制御基板は、表示装置28の表示制御を行う演出制御基板や、演出装置30の動作制御を行うランプドライバ基板に接続されている。サブ制御基板は、ランプドライバ基板を介して、主基板で行われた制御結果に基づいて、後述する上側駆動モータ190および下側駆動モータ290を制御したり、図示しないLEDの発光態様を制御したりする。
以下、演出装置30について説明する。まず、図3および図4を参照して、演出装置30の概要について説明する。図3の紙面左斜め手前側および図4の紙面手前側を、演出装置30の前側とする。図3の紙面右斜め奥側および図4の紙面奥側を、演出装置30の後側とする。図3および図4の左側を演出装置30の左側とし、図3および図4の右側を演出装置30の右側とする。
本実施形態では、演出装置30の前側がパチンコ機1の正面側と一致するように、演出装置30が遊技盤2の略中央部に設定されている。なお、図3および図4に示す演出装置30では、上側役物10(第一役物100および第二役物120)が後述の上昇位置にあり、且つ、下側役物20(第三役物200および第四役物220)が後述の下降位置にある。この状態を、上側役物10および下側役物20の定常状態という。
演出装置30は、表示装置28(図1および図2参照)の表示領域を、パチンコ機1の正面側に露出させる開口部29が形成された枠状の遊技部材である。演出装置30の前面側には、開口部29の上側に配置された可動体である上側役物10と、開口部29の下側に配置された可動体である下側役物20とが設けられている。遊技者は、パチンコ機1を正面視した状態で、開口部29を介して表示装置28の演出画面を目視すると同時に、後述する上側役物10および下側役物20の各演出動作を目視することができる。
図3〜図9を参照して、上側役物10について説明する。図3および図4に示すように、上側役物10は、開口部29の左上側を中心に回動可能な第一役物100、開口部29の右上側を中心に回動可能な第二役物120、およびこれらを回動させるための各種部材を備える。
第一役物100は、細長板状の第一可動体101と、第一可動体101に設けられた第一装飾部102とを備える。第一可動体101の一端側(図4では、左端側)は、開口部29の左上側に設けられた軸部110によって回転自在に支持されている。第一可動体101は、軸部110の軸線方向に対して直交するように、軸部110から正面視で開口部29の右縁近傍まで右側に延びている。図示しないが、第一可動体101の前面には、LEDが配置された発光基板が配設されている。この発光基板を覆うように、第一装飾部102が第一可動体101の前面に設けられている。第一装飾部102は、手の形を模した透光性を有する装飾物である。
図5および図6に示すように、軸部110のやや右側には、第一可動体101の後面から後方に若干突出する円柱状をなし、後述のカム183によって下方から支持されるカム受部104が設けられている。カム受部104の上側には、第一可動体101の後面から後方に延びる細長円柱状のガイド体105が設けられている。ガイド体105の突出端には、演出装置30の前面に形成されたガイド溝115に沿って摺動可能な頭部が設けられている。ガイド溝115は、軸部110のやや右側に形成された、正面視で軸部110を中心として円弧状に延びる溝部である。さらに、第一装飾部102の前面における長手方向(図4では左右方向)の略中間部には、後述の当接体129が載置される面を有する当接受部109が設けられている(図3参照)。
第二役物120は、細長板状の第二可動体121と、第二可動体121に設けられた第二装飾部122とを備える。第二可動体121の一端側(図4では、右端側)は、開口部29の右上側に設けられた軸部130によって、第一可動体101と略同一の高さ位置(上下方向位置)で回転自在に支持されている。第二可動体121は、軸部130の軸線方向に対して直交するように、軸部130から正面視で開口部29の左右方向中央部のやや左側まで左側に延びている。つまり、第二役物120は、第一役物100と略同一の高さ位置で対向するように延びている。ただし、第二役物120は、第一役物100と干渉しないように、第一役物100よりも前側に配置されている。
図示しないが、第二可動体121の前面には、LEDが配置された発光基板が配設されている。この発光基板を覆うように、第二装飾部122が第二可動体121の前面に設けられている。第二装飾部122は、パチンコ機1のロゴマークを模した透光性を有する装飾物である。さらに、第二可動体121の他端側(図4では、左端側)の近傍には、第二可動体121の後面から後方に突出する細長円柱状の当接体129が設けられている(図3参照)。
図4〜図9を参照して、上側役物10の動作態様について説明する。本実施形態では、第一役物100は、第一役物100が軸部110から略水平に延びる上昇位置(図4〜図6参照)と、第一役物100が軸部110から右下向きに傾斜する下降位置(図7〜図9参照)との間で回動可能である。一方、第二役物120は、第二役物120が軸部130から略水平に延びる上昇位置(図4参照)と、第二役物120が軸部130から左下向きに傾斜する下降位置(図7参照)との間で回動可能である。
図4〜図9に示すように、第一役物100の回動時には、ガイド体105がガイド溝115に沿って案内される。第一役物100は、ガイド体105の頭部がガイド溝115の上端部に移動するまで上方(図4では、反時計回り方向)に回動可能である。ガイド体105がガイド溝115の上端部に接触する位置が、第一役物100の上昇位置である。一方、第一役物100は、ガイド体105の頭部がガイド溝115の下端部に移動するまで下方(図4では、時計回り方向)に回動可能である。ガイド体105がガイド溝115の下端部に接触する位置が、第一役物100の下降位置である。なお、演出装置30の前面における軸部110のやや下方には、ゴム製の落下受部111が設けられている。落下受部111は、第一役物100が下降位置にある場合、第一可動体101に下方から当接する。
第一役物100が上昇位置にある場合、当接受部109が当接体129を下方から支持することで、第二役物120も上昇位置に保持される。第一役物100が上昇位置から下方に回動する場合、当接受部109に支持される当接体129も下方に移動するため、第二役物120も下方に回動する。軸部130のやや下方には、演出装置30の前面から前方に突出する保持部131が設けられている。第二役物120が所定位置まで下方に回動すると、保持部131が第二可動体121に当接して、第二役物120が下降位置で支持される。
一方、第一役物100を下降位置から所定位置まで上方に回動させると、保持部131によって支持されている第二役物120の当接体129に当接受部109が下方から当接して、当接体129が当接受部109に載置された状態となる。この位置を、第一役物100の接触位置という。第一役物100が接触位置よりも上側で回動すると、当接受部109に載置されている当接体129が上下するのに伴って、第二役物120も上下動する。第一役物100が接触位置よりも下側で回動すると、当接受部109が当接体129から離間しているため、第二役物120が下降位置に保持されたまま、第一役物100のみが上下動する。
図4〜図6に示すように、第一役物100および第二役物120がいずれも上昇位置にある場合(上側役物10の定常位置)、第一装飾部102および第二装飾部122が開口部29の上側に退避されるため、表示装置28の演出画面のほぼ全体が開口部29を介して前方側に露出する。このとき、第一装飾部102の大部分は、その前方に配置されている第二装飾部122によって正面視で被覆されている。
図7〜図9に示すように、第一役物100および第二役物120がいずれも下降位置にある場合(上側役物10の変位位置)、第二装飾部122が開口部29の上側から正面視で開口部29の内部に若干進入する。同時に、第一装飾部102が、第二装飾部122よりもさらに下方まで開口部29の内部(具体的には、開口部29の略中心部)に進入して、第二装飾部122の下側から前方に露出する。そして、表示装置28の演出画面の大部分が、正面視で第一装飾部102および第二装飾部122によって被覆される。
図4〜図9を参照して、上側役物10の駆動機構について説明する。図4〜図9に示すように、演出装置30における開口部29の左側には、ステップモータである上側駆動モータ190と、上側駆動モータ190によって回転されるギア160,170,180とが設けられている。ギア160は、上側駆動モータ190の出力軸に連結された平歯車である。ギア180は、第一役物100のカム受部104の下側に設けられたカムギアである。ギア170は、ギア160およびギア180と噛み合う平歯車である。上側駆動モータ190が出力軸を回転駆動すると、ギア160,170,180が連動して回転する。
ギア180は、演出装置30の前面から前方に突出する軸部189によって回転自在に支持されており、歯部181、検出板182、カム183を有する。歯部181は、軸部189から径外側に延びる円板体の周面に形成され、ギア170の歯部に噛み合って、ギア170の回転に伴ってギア180を回転させる。検出板182は、歯部181から径外側に突出する板状部である。なお、ギア180の近傍には、検出板182を検出するためのセンサ195が設けられている。
カム183は、歯部181および検出板182の前側に設けられて、カム受部104に下方から接触可能な筒状部である。カム183の周面は、軸部189の径外側に設けられて、軸部189の周方向に沿って径が漸増または漸減するように形成されている。詳細には、カム183の周面は、軸部189と略直交する方向に並んで、径が最も大きくなる最大径部184と、径が最も小さくなる最小径部185とを有する。最大径部184から最小径部185まで、正面視で時計周り方向に径が漸減している。最大径部184と最小径部185とを結ぶ段差部186が、軸部189と略直交する方向に延びている。
カム183の周面のうちでカム受部104を下方から支持する部位を、カム受部104の支持部位という。カム受部104が最大径部184で支持されているときのカム183の回転位置を、第一カム位置という。カム183が第一カム位置にある場合に、カム受部104の支持部位が最大径部184となる。このとき、第一役物100は上昇位置で保持されるとともに、センサ195によってギア180の検出板182が検出される(図5参照)。言い換えると、カム183が第一カム位置にある場合に、センサ195によって上側駆動モータ190の動作起点となる原点位置が検出される。
カム183が第一カム位置から正面視で反時計回り方向に回転(正転)すると、それに伴ってカム受部104の支持部位の径が徐々に小さくなる。このとき、カム受部104が徐々に下降するため、第一役物100が緩やかに下方に回動する。カム183が第一カム位置から所定量正転すると、第一役物100は落下受部111によって支持される下降位置に移動する。この状態で、さらにカム183が正転すると、第一役物100が下降位置に保持されたまま、カム183がカム受部104から離間する。
一方、カム183が第一カム位置から正面視で時計回り方向に若干回転(反転)した場合に、カム183が最大径部184から離間する。このときのカム183の回転位置を、第二カム位置という。カム183が第一カム位置から第二カム位置に変位した場合、カム受部104が最大径部184から段差部186を自由落下して、第一役物100は落下受部111によって支持される下降位置まで瞬時に回動する。このとき、カム183はカム受部104から離間している。
カム183が第二カム位置から反転すると、下降位置に保持されている第一役物100のカム受部104にカム183が接触する。この状態でカム183がさらに反転すると、カム受部104の支持部位の径が徐々に大きくなる。これに伴ってカム受部104が徐々に上昇して、第一役物100が緩やかに上方に回動する。カム183が第一カム位置まで回転すると、先述のように第一役物100は上昇位置で保持される。
したがって、第一役物100を緩やかに上下動させる場合には、上側駆動モータ190によってギア180を回転駆動して、第一カム位置よりも正転側、且つ第二カム位置よりも反転側の範囲内で、カム183を正転又は反転させればよい。このとき、カム183の回転速度を調整することで、第一役物100を上下動させるスピードを容易に調整することができる。さらに、第一役物100を瞬時に下方へ回動させる場合には、上側駆動モータ190によってギア180を回転駆動して、カム183を第一カム位置から段差部186を経由して第二カム位置に変位させればよい。
先述したように、第一役物100の上下動に伴って、第二役物120が上下動する。カム183が第一カム位置にある場合、第二役物120も上昇位置に移動するため、上側役物10は定常状態となる。カム183が第二カム位置にある場合、第二役物120も下降位置に移動するため、上側役物10は変位状態となる。そして、第一役物100を緩やかに上下動させると、それに伴って第二役物120も緩やかに上下動させることができる。第一役物100を瞬時に下方へ回動させると、それに伴って第二役物120も保持部131によって下方から支持される下降位置まで瞬時に回動させることができる。
以上のように、本実施形態の上側役物10では、第一役物100の長手方向の一端側が、軸部110によって回動可能に軸支される。上側駆動モータ190によって正逆回転可能なギア180のカム183が、第一役物100に設けられたカム受部104に対して下方から接触可能である。カム183は、カム受部104が最大径部184で支持される第一カム位置と、カム受部104が最大径部184から段差部186を落下する第二カム位置とで変位可能である。第一役物100は、カム183が第一カム位置にある場合に上昇位置に保持され、カム183が第二カム位置にある場合に下降位置に保持され、カム183が第一カム位置と第二カム位置との間で変位するのに伴って上昇位置と下降位置との間を回動する。
これにより、カム183のカム受部104を支持する位置を、カム183の回転制御によって径が漸減する周面を経由して変位させることで、第一役物100を上昇位置と下降位置との間で緩やかに回動させることができる。このとき、カム183に接触するカム受部104の高さ位置を調整することで、第一役物100の高さ位置を正確に調整することができる。さらに、カム183のカム受部104を支持する位置を、カム183の回転制御によって第一カム位置から段差部186を経由して第二カム位置に変位させることで、第一役物100が上昇位置から下降位置へ自由落下によって瞬時に移動するため、第一役物100の瞬時変位を実現できる。また、上記のような簡易な機構を有するため、上側役物10を狭いスペースに設置することができる。
また、上昇位置から下方に回動する第一役物100は、弾性体である落下受部111によって下降位置で受け止められる。これにより、第一役物100に付与される物理的衝撃を抑制しつつ、第一役物100を回動させることができる。また、カム183が第一役物100の回動中心に近い位置に設けられるので、カム183を第一役物100の回動中心から離間した位置に設けた場合と比較して、カム183の回転量に対する第一役物100の移動量を大きくすることができる。
また、第一役物100と略同一の高さ位置で、第一役物100と対向するように延びる第二役物120の長手方向の一端側が、軸部130によって回動可能に軸支される。第二役物120に設けられた当接体129は、第一役物100によって下方から支持可能である。第一役物100が上昇位置に保持される場合に、第二役物120の長手方向の他端側が最も高くなる一方、第一役物100が下降位置に保持される場合に、第二役物120の長手方向の他端側が最も低くなる。これにより、第一役物100の回動に伴って第二役物120が回動するため、一のモータで複数の装飾体を動作することができる。特に、第一役物100の瞬時変位に伴って第二役物120も瞬時変位するため、一のモータで複数の装飾体を瞬時変位させることができる。
図3、図4、図10〜図18を参照して、下側役物20について説明する。図3および図4に示すように、下側役物20は、前後方向に延びる周壁を有する略箱状の保持ケース500を備える。保持ケース500には、開口部29の下縁中央部を上下方向に移動可能な第三役物200、開口部29の下縁中央部のやや下側を回動中心として正面視で円弧状に移動可能な第四役物220、およびこれらを移動させるための各種部材が設けられている。
保持ケース500は、前ケース501(図12参照)と、前ケース501にネジ止めで固定される後ケース502(図11参照)とを有する。保持ケース500は、後ケース502が演出装置30の前面に対向するように、演出装置30の前面における開口部29の下縁中央部の直下に固定される。さらに、保持ケース500(詳細には、前ケース501)の前側は、第三装飾部202のみが前方に露出するように、正面視で開口部29の下縁に沿って延びる装飾カバー40によって被覆されている。
図10〜図12に示すように、第三役物200は、細長板状の第三可動体201と、第三可動体201の前面上端に設けられた第三装飾部202とを備える。第三装飾部202は、正面視で略ハート型の形状を有し、内部にLEDが配置された装飾物である。第三装飾部202の前部には、内部に配置されたLEDの発光態様から目視可能とするための透明窓が設けられている。第三可動体201の後面下端には、後方に突出する円柱状のガイド体203が左右一対で設けられている。
後ケース502の上端中央には、上下方向に延びるガイド溝401(図16参照)が左右一対で形成された板部400が設けられており、板部400は開口部29の下縁中央部のやや下側に位置している。一対のガイド体203の突出端には、それぞれ対応するガイド溝401に係合されて、各ガイド溝401に沿って摺動可能な頭部が設けられている。第三可動体201は、ガイド体203およびガイド溝401によって前後左右方向の移動が規制されて、上下方向にのみ移動可能である。さらに、第三可動体201の前面下端には、前方に突出する円柱状をなし、後述のガイド溝303に係合されるガイド体204が設けられている。
第四役物220は、第三役物200の左右両側に配置された左羽根部220Lおよび右羽根部220Rを有する。各羽根部220L,220Rは、第三役物200を挟んで左右対称をなし、それぞれ後述する3つの羽根体を有する。板部400の左右両側には、各羽根部220L,220Rをそれぞれ回転させるための軸部230L,230Rが、保持ケース500内で前後方向に延びている。
左羽根部220Lは、3つの羽根体(第一羽根体221L、第二羽根体222L、補助羽根体223L)を有し、これらが補助羽根体223L、第二羽根体222L、第一羽根体221Lの順に前後方向に並ぶように配置されている。第一羽根体221Lおよび第二羽根体222Lの一端側(図11では、右端側)は、軸部230Lによって回動自在に支持されている。第一羽根体221Lおよび第二羽根体222Lは、軸部230Lの軸線方向に対して直交するように、軸部230Lから正面視で開口部29の左縁近傍まで左側に延びている。補助羽根体223Lは、第二羽根体222Lの前方で、第一羽根体221Lおよび第二羽根体222Lと略並行に延びている。ただし、補助羽根体223Lは、正面視で、第一羽根体221Lの長手方向の略中央部から他端側(図11では、左端側)まで延びている。
第一羽根体221Lおよび補助羽根体223Lは、各々の間を前後方向に延びる2箇所の連結部228L,229Lによって一体に連結されている。連結部228L,229Lは、それぞれ補助羽根体223Lの後面から後方に延びる、ネジ孔が形成された柱状部であり、各々に対して第一羽根体221Lを介してボルトが固定されている。一方、第二羽根体222Lは、第一羽根体221Lおよび補助羽根体223Lの間隙における連結部228L,229Lの下側に配置されて、第一羽根体221Lおよび補助羽根体223Lとは独立して軸部230Lに支持されている。
ただし、軸部230Lには、第二羽根体222Lを上方(図11では時計回り方向)に付勢する巻きバネ231Lが設けられている。また、第一羽根体221Lの一端部(図11では、右端部)には、軸部230Lを中心に形成された歯部224Lと、歯部224Lと隣接した位置で後方に延びる突起部225Lが形成されている。さらに、第二羽根体222Lの前面には、軸部230Lから径外側に延びるように前方に突出した板状の突起部226Lが設けられている。
右羽根部220Rは、3つの羽根体(第一羽根体221R、第二羽根体222R、補助羽根体223R)を有し、これらが補助羽根体223R、第二羽根体222R、第一羽根体221Rの順に前後方向に並ぶように配置されている。第一羽根体221Rおよび第二羽根体222Rの一端側(図11では、左端側)は、軸部230Rによって回動自在に支持されている。第一羽根体221Rおよび第二羽根体222Rは、軸部230Rの軸線方向に対して直交するように、軸部230Rから正面視で開口部29の右縁近傍まで右側に延びている。補助羽根体223Rは、第二羽根体222Rの前方で、第一羽根体221Rおよび第二羽根体222Rと略並行に延びている。ただし、補助羽根体223Rは、正面視で、第一羽根体221Rの長手方向の略中央部から他端側(図11では、右端側)まで延びている。
第一羽根体221Rおよび補助羽根体223Rは、各々の間を前後方向に延びる2箇所の連結部228R,229Rによって一体に連結されている。連結部228R,229Rは、それぞれ補助羽根体223Rの後面から後方に延びる、ネジ孔が形成された柱状部であり、各々に対して第一羽根体221Rを介してボルトが固定されている。一方、第二羽根体222Rは、第一羽根体221Rおよび補助羽根体223Rの間隙における連結部228R,229Rの下側に配置されて、第一羽根体221Rおよび補助羽根体223Rとは独立して軸部230Rに支持されている。
ただし、軸部230Rには、第二羽根体222Rを上方(図11では反時計回り方向)に付勢する巻きバネ231Rが設けられている。また、第一羽根体221Rの一端部(図11では、左端部)には、軸部230Rを中心に形成された歯部224Rと、歯部224Rと隣接した位置で後方に延びる突起部225Rが形成されている。さらに、第二羽根体222Rの前面には、軸部230Rから径外側に延びるように前方に突出した板状の突起部226Rが設けられている。
図4、図10〜図16を参照して、下側役物20の動作態様について説明する。本実施形態では、第三役物200は、開口部29の下縁中央部で下降位置(図4、図10〜14参照)と上昇位置(図15および図16参照)との間で移動可能である。一方、第四役物220は、各羽根部220L,220Rが略水平に延びる下降位置(図4、図10〜図12参照)と、左羽根部220Lが軸部230Lから左上向きに傾斜し、且つ右羽根部220Rが軸部230Rから右上向きに傾斜する傾斜位置(図13および図14参照)と、さらに第一羽根体221L,221Rおよび補助羽根体223L,223Rが軸部230Lから上向きに傾斜する上昇位置(図15および図16参照)との間で回動可能である。
図4、図10〜図14に示すように、第三役物200の移動時には、ガイド体203がガイド溝401に沿って案内される。このとき、第三役物200は、ガイド体203の頭部がガイド溝401の上端部に移動するまで上方に移動可能である。ガイド体203がガイド溝401の上端部に接触する位置が、第三役物200の上昇位置である。一方、第三役物200は、ガイド体203の頭部がガイド溝401の下端部に移動するまで下方に移動可能である。つまり、ガイド体203がガイド溝401の下端部に接触する位置が、第三役物200の下降位置である。
第四役物220に外力が加えられていない状態では、左羽根部220Lは自重によって軸部230Lを中心に下方(図11では反時計回り方向)に回動する。左羽根部220Lが略水平に延びる状態まで下方に回動すると、第一羽根体221Lが保持ケース500の横周壁501Lに当接して下方から支持される。横周壁501Lは、保持ケース500の周壁のうち、後ケース502から第一羽根体221Lの下方まで前方に延びる壁部である。これにより、第一羽根体221Lの下方への回動が規制されるとともに、第一羽根体221Lと連結されている補助羽根体223Lと、巻きバネ231Lによって第一羽根体221Lに付勢されている第二羽根体222Lの回動も規制される。
同様に、右羽根部220Rは自重によって軸部230Rを中心に下方(図11では時計回り方向)に回動する。右羽根部220Rが略水平に延びる状態まで下方に回動すると、第一羽根体221Rが保持ケース500の横周壁501Rに当接して下方から支持される。横周壁501Rは、保持ケース500の周壁のうち、後ケース502から第一羽根体221Rの下方まで前方に延びる壁部である。これにより、第一羽根体221Rの下方への回動が規制されるとともに、第一羽根体221Rと連結されている補助羽根体223Rと、巻きバネ231Rによって第一羽根体221Rに付勢されている第二羽根体222Rの回動も規制される。そして、各羽根部220L,220Rの下方への回動が規制される位置が、第四役物220の下降位置である。
第四役物220の回動時には、各羽根部220L,220Rが左右対称に連動する。詳細には、第一羽根体221Lが軸部230Lを中心に上方(図11では時計回り方向)に回動すると、第一羽根体221Lと連結されている補助羽根体223Lも回動する。また、第二羽根体222Lは、巻きバネ231Lによって第一羽根体221Lに付勢されているため、第一羽根体221Lとともに上方に回動する。同様に、第一羽根体221Rが軸部230Rを中心に上方(図11では反時計回り方向)に回動すると、第二羽根体222Rおよび補助羽根体223Rも共に回動する。
第四役物220が下降位置から所定量上方に回動すると、第二羽根体222L,222Rに設けられた各突起部226L,226Rが、装飾カバー40の背面側に設けられた係止板(図示外)に下方から当接する。つまり、各突起部226L,226Rに当接する係止板(図示外)によって、第二羽根体222L,222Rの上方への回動が規制される。そして、正面視で3つの羽根体が重なり合った状態で、第二羽根体222L,222Rの上方への回動が規制される位置が、第四役物220の傾斜位置である。
第四役物220が傾斜位置から上方に回動する場合、第二羽根体222Lの回転位置が保持された状態で、第一羽根体221Lおよび補助羽根体223Lのみが、巻きバネ231Lの付勢に抗って上方に回動する。第四役物220が傾斜位置から所定量上方に回動すると、第一羽根体221Lに設けられた突起部225Lが、保持ケース500の上周壁502Lに当接して下方から支持される。上周壁502Lは、保持ケース500の周壁のうち、軸部230Lの右下近傍で後ケース502から前方に延びる壁部である。これにより、第一羽根体221Lの上方への回動が規制されるとともに、補助羽根体223Lの回動も規制される。
同様に、第二羽根体222Rの回転位置が保持された状態で、第一羽根体221Rおよび補助羽根体223Rのみが、巻きバネ231Rの付勢に抗って上方に回動する。第四役物220が傾斜位置から所定量上方に回動すると、第一羽根体221Rに設けられた突起部225Rが、保持ケース500の上周壁502Rに当接して下方から支持される。上周壁502Rは、保持ケース500の周壁のうち、軸部230Rの左下近傍で後ケース502から前方に延びる壁部である。これにより、第一羽根体221Rの上方への回動が規制されるとともに、補助羽根体223Rの回動も規制される。そして、各羽根部220L,220Rの上方への回動が規制される位置(つまり、全ての羽根体の上方への回動が規制される位置)が、第四役物220の上昇位置である。
図4、図10〜図12に示すように、第三役物200および第四役物220がいずれも下降位置にある状態(下側役物20の定常状態)では、第三装飾部202の大部分が開口部29の下側に配置されるとともに、第四役物220が装飾カバー40の背後に退避される。このとき、表示装置28の演出画面のほぼ全体が開口部29を介して前方側に露出する一方、各羽根部220L,220Rは装飾カバー40によって正面視で被覆されている。
図13および図14に示すように、第三役物200が下降位置にあり、第四役物220が傾斜位置にある状態(下側役物20の第一変位状態)では、第四役物220が装飾カバー40の背後から正面視で開口部29の内部に進入する。詳細には、3つの羽根体が正面視で重なり合った状態で、左羽根部220Lが開口部29の下端中央から左上方向に延び、且つ、右羽根部220Rが開口部29の下端中央から右上方向に延びている。ただし、第三役物200は、定常状態と同様の位置に保持されている。そして、表示装置28の演出画面の一部が、正面視で3つの羽根体が重なり合った各羽根部220L,220Rによって被覆される。
図15および図16に示すように、第三役物200および第四役物220がいずれも上昇位置にある状態(下側役物20の第二変位状態)では、正面視で開口部29の下端中央から上方に向けて、第三装飾部202が開口部29の内部に進入する。また、第一羽根体221L,221Rおよび補助羽根体223L,223Rが、正面視で、第一変位状態よりも開口部29の中心位置に向けて移動して、開口部29の下端中央から上方向に延びている。ただし、第二羽根体222L,222Rは、第一変位状態と同様の位置に保持されている。そして、正面視で、開口部29に進入した第三装飾部202と、円弧状に広がった羽根体をなす各羽根部220L,220Rによって、表示装置28の演出画面が第一変位状態よりも広い範囲で被覆される。
図4、図10〜図16を参照して、下側役物20の駆動機構について説明する。図4、図10〜図16に示すように、保持ケース500の内部には、第三役物200および第四役物220の下側に設けられた、ステップモータである下側駆動モータ290、下側駆動モータ290によって回転されるギア250,260,270,280、ギア280の回転に伴って回動可能な連動シャフト300などが設けられている。
ギア250は、下側駆動モータ290の出力軸に連結された平歯車である。ギア260は、軸部261を中心に回転自在な平歯車であり、ギア250および歯部224Lと噛み合っている。ギア270は、軸部271を中心に回転自在な平歯車であり、ギア260および歯部224Rと噛み合っている。ギア270は、その歯部から径外側に突出する板状部である検出板272を有する。なお、保持ケース500の内部におけるギア270の近傍は、検出板272を検出するためのセンサ295が設けられている。ギア280は、軸部281を中心に回転自在な平歯車であり、ギア270と噛み合っている。ギア280における軸部281の近傍には、前方に突出する突起部282が設けられている。
連動シャフト300は、ギア280の下方に設置された軸部309を中心に回動自在な棒状体であり、軸部309から第三役物200に向けて延びる本体部301を有する。本体部301は、ギア270,280の前方で回動可能に配置され、軸部271,281の上側を第三役物200に向けて延びている。連動シャフト300の軸部281に対向する部位は、軸部281の周形状に沿って湾曲する逃がし部302が形成されている。連動シャフト300の先端側には、第三役物200のガイド体204が係合されるガイド溝303が略水平に延びるように形成されている。
図4、図10〜図12に示すように、センサ295によってギア270の検出板272が検出されている状態では、第三役物200および第四役物220がそれぞれ下降位置に保持される。言い換えると、下側役物20が定常状態にあるときに、センサ295によって下側駆動モータ290の動作起点となる原点位置が検出される。このとき、ギア280の突起部282は、連動シャフト300から離間している。また、連動シャフト300は、軸部271,281によって下方から支持される回動位置で保持されている。詳細には、軸部271が本体部301の長手方向の略中間位置を支持し、軸部281が本体部301の逃がし部302を支持する。この状態では、第三役物200のガイド体204は、ガイド溝303の右縁部近傍に位置している。なお、下側駆動モータ290によって回転駆動されるギア250の回転位置のうち、第三役物200が定常状態に保持される位置を「反転限界位置」という。
先述したように、下側役物20が定常状態にある場合、第一羽根体221L,221Rは横周壁501L,501Rによって下方への回動が規制される。よって、下側駆動モータ290は、歯部224L,224Rに連結されているギア250,260,270を、第一羽根体221L,221Rが下方に回動する方向に回転させることはできない。つまり、ギア250の反転限界位置は、下側駆動モータ290が正面視で反時計回り方向に回転(反転)した場合の可動範囲の限界である。
下側駆動モータ290がギア250を正面視で時計回り方向に回動(正転)させると、ギア260および歯部224Lを介して、左羽根部220Lの第一羽根体221Lが上方(図11では、時計回り方向)に回動する。これに伴って、第二羽根体222Lおよび補助羽根体223Lも上方に回動する。同時に、ギア260,270および歯部224Rを介して、右羽根部220Rの第一羽根体221Rが上方(図11では、反時計回り方向)に回動する。これに伴って、第二羽根体222Rおよび補助羽根体223Rも上方に回動する。つまり、各羽根部220L,220Rが、それぞれ全体的に左右対称に上方に回動する。このとき、ギア280が反時計回りに回動して、突起部282が連動シャフト300に近づく。
図13および図14に示すように、ギア250が反転限界位置から所定量正転すると、第四役物220の突起部226L,226Rが係止板(図示外)に当接する。つまり、下側役物20は、定常状態から第一変位状態に変位する。ギア250の回転位置のうち、下側役物20が第一変位状態に保持される位置を「第一連係位置」という。なお、「第一連係位置」では、突起部282は連動シャフト300に接触していない。
先述したように、ギア250が第一連係位置からさらに正転すると、第二羽根体222L,222Rが傾斜位置に保持された状態で、第一羽根体221L,221R(および、補助羽根体223L,223R)が傾斜位置よりも上方に回動する。これに伴って、ギア280がさらに反時計回りに回動して、突起部282が連動シャフト300に接触する。ギア250の回転位置のうち、突起部282が連動シャフト300に左側から接触する位置を「第二連係位置」という。
ギア250が第二連係位置からさらに正転すると、突起部282が連動シャフト300を右方向に押圧する。これにより、連動シャフト300が軸部309を中心に正面視で時計回り方向に回動することで、ガイド体204がガイド溝303に沿って上方に案内される。このガイド体204の移動に伴って、第三役物200が下降位置から上方向に移動する。
図15および図16に示すように、ギア250が第二連係位置から所定量正転すると、突起部225L,225Rが上周壁502L,502Rに当接する。同時に、上方向に移動する第三役物200が上昇位置に到達する。つまり、下側役物20は、第一変位状態から第二変位状態に変位する。ギア250の回転位置のうち、第三役物200が第二変位状態に保持される位置を「正転限界位置」という。
先述したように、下側役物20が第二変位状態にある場合、第一羽根体221L,221Rは上周壁502L,502Rによって上方への回動が規制される。よって、下側駆動モータ290は、歯部224L,224Rに連結されているギア250,260,270を、第一羽根体221L,221Rが上方に回動する方向に回転させることはできない。つまり、ギア250の正転限界位置は、下側駆動モータ290が正転した場合の可動範囲の限界である。
下側役物20が第二変位状態にあるときに、下側駆動モータ290がギア250を反転させると、上記と逆手順の動作態様となる。すなわち、ギア250が正転限界位置から第二連係位置まで反転すると、第二羽根体222L,222Rが傾斜位置に保持された状態で、第一羽根体221L,221R(および、補助羽根体223L,223R)が上昇位置から下方に回動するとともに、第三役物200が上昇位置から下降位置まで移動する。ギア250が第二連係位置から第一連係位置まで反転すると、第一羽根体221L,221R(および、補助羽根体223L,223R)が傾斜位置まで回動して、下側役物20が第一変位状態に変位する。ギア250が第二連係位置から反転限界位置まで反転すると、各羽根部220L,220Rが傾斜位置から下降位置まで回動して、下側役物20が定常状態に変位する。
なお、本実施形態では、ギア250の第一連係位置および第二連係位置は、わずかな回転角度差で設けられている。よって、ギア250が第一連係位置からさらに正転すると、第一羽根体221L,221R(および、補助羽根体223L,223R)が傾斜位置よりも上昇するのと略同時に、第三役物200が下降位置から上昇する。また、ギア250が第一連係位置に向けて反転すると、第一羽根体221L,221R(および、補助羽根体223L,223R)が傾斜位置まで下降するのと略同時に、第三役物200が下降位置まで下降する。
ただし、第一連係位置および第二連係位置の回転角度差を大きくすることで、第一羽根体221L,221R(および、補助羽根体223L,223R)が傾斜位置よりも上昇するタイミングと、第三役物200が下降位置から上昇するタイミングとの時間差を大きくすることができる。言い換えると、第一羽根体221L,221R(および、補助羽根体223L,223R)が傾斜位置まで下降するタイミングと、第三役物200が下降位置まで下降するタイミングとの時間差を大きくすることができる。
また、ギア250が可動範囲を正転する場合、反転限界位置、第一連係位置、第二連係位置、正転限界位置の順に変位するが、反転限界位置、第二連係位置、第一連係位置、正転限界位置の順に変位してもよい。例えば、第二羽根体222の突起部226の係止板に当接するまでの距離を調整したり、ギア280の突起部282が連動シャフト300に接触するまでの間隔を調整したりすることで、これらの変位順を変更可能である。
この場合、ギア250を正転させたときに、第一羽根体221L,221R(および、補助羽根体223L,223R)が傾斜位置よりも上昇するタイミングと、第三役物200が下降位置から上昇するタイミングとを逆にすることができる。また、ギア250を反転させたときに、第一羽根体221L,221R(および、補助羽根体223L,223R)が傾斜位置よりも上昇するタイミングと、第三役物200が下降位置から上昇するタイミングとを逆にすることができる。
以上のように、本実施形態の下側役物20では、下側駆動モータ290によってギア250が可動範囲の限界である正転限界位置および反転限界位置との間を回転されるのに伴って、第四役物220の第一羽根体221L,221R(および、補助羽根体223L,223R)が正面視で円弧状に回動する。このとき、ギア250が第二連係位置と正転限界位置との間を回転していれば、第三役物200が上下方向に移動する。したがって、一の下側駆動モータ290および共通のギア250によって、第三役物200および第四役物220を、それぞれ異なるタイミングおよび方向に移動させることができる。ひいては、部品点数および駆動源の数量を抑制しつつ、第三役物200および第四役物220について動作態様や動作タイミングを異ならせることができる。
また、ギア250が正転限界位置および反転限界位置との間を回転するときは、ギア260,270によって第四役物220(詳細には、第一羽根体221L,221R)に動力が伝達される。動力が伝達された第一羽根体221L,221R(および、補助羽根体223L,223R)は、軸部230L,230Rを中心に回動する。一方、ギア250が第二連係位置と正転限界位置との間を回転するときは、連動シャフト300によって第三役物200(詳細には、第三可動体201)に動力が伝達される。動力が伝達された第三可動体201は、ガイド溝401に沿って上下方向に移動する。つまり、ギア250の回転に応じて、第四役物220が回転運動する一方、第三役物200が線形状に運動する。よって、簡易な機械的構造で、第三役物200および第四役物220を異なる方向および態様で移動させることができる。
また、第一羽根体221L,221Rと同軸で支持される第二羽根体222L,222Rは、ギア250が正転限界位置と第一連係位置との間を回転していれば、第一羽根体221L,221Rに追従して回転する一方、ギア250が反転限界位置と第一連係位置との間を回転していれば、所定の回転位置で保持される。したがって、一の下側駆動モータ290および共通のギア250によって、第一羽根体221L,221Rと同軸で回転可能な第二羽根体222L,222Rの動作態様を、ギア250の回転位置に応じて変化させることができる。
また、ギア250が第二連係位置と正転限界位置との間を回転するのに伴って、連動シャフト300が連動して回転する。連動シャフト300の回転に連動してガイド体204がガイド溝303に沿って移動することで、第三役物200が上下方向に移動する。したがって、簡易な機械的構造で、ギア250の回転運動を、第三役物200を上下方向へ移動させる動力に変換することができる。
なお、先述したように、上側役物10および下側役物20の動作制御は、サブ制御基板(図示外)による上側駆動モータ190および下側駆動モータ290の駆動制御によって実現される。すなわち、上側役物10は、センサ195によって検出される原点位置を基準として、その動作が制御される。下側役物20は、センサ295によって検出される原点位置を基準として、その動作が制御される。
上側役物10および下側役物20は、開口部29を挟んで上下に対向して動作する。例えば、第一役物100の下降位置への回動と、第四役物220の上昇位置への回動とが同時に実行されると、第一役物100および第四役物220が接触して破損するおそれがある。そのため、サブ制御基板(図示外)は、上側役物10および下側役物20のいずれか一方の動作中は他方の動作を行わないように、上側駆動モータ190および下側駆動モータ290を制御する。
具体的には、上側役物10の動作を開始する場合は、センサ195によって原点位置が検出されているか否かを判断する。センサ195によって原点位置が検出されていなければ、上側駆動モータ190を駆動して上側役物10を定常状態(図4参照)に戻す。センサ195によって原点位置が検出されたら、センサ295によって原点位置が検出されているか否かを判断する。センサ295によって原点位置が検出されていれば、上側駆動モータ190を駆動して上側役物10を上下動させる。
一方、下側役物20の動作を開始する場合は、センサ295によって原点位置が検出されているか否かを判断する。センサ295によって原点位置が検出されていなければ、下側駆動モータ290を駆動して下側役物20を定常状態(図4参照)に戻す。センサ295によって原点位置が検出されたら、センサ195によって原点位置が検出されているか否かを判断する。センサ195によって原点位置が検出されていれば、下側駆動モータ290を駆動して下側役物20を上下動させる。
このように、サブ制御基板(図示外)が、上側駆動モータ190および下側駆動モータ290を回転制御することで、カム183やギア250の回転位置が調整される。したがって、上側役物10および下側役物20が接触することを抑制しつつ、上側役物10および下側役物20を正確に動作させることができる。
なお、本実施形態において、第一役物100が、本発明の「第一装飾体」に相当する。軸部110が、本発明の「第一支持部」に相当する。カム受部104が、本発明の「第一突出部」に相当する。カム183が、本発明の「カム部」に相当する。上側駆動モータ190が、本発明の「駆動源」に相当する。第二役物120が、本発明の「第二装飾体」に相当する。軸部130が、本発明の「第二支持部」に相当する。当接体129が、本発明の「第二突出部」に相当する。サブ制御基板が、本発明の「制御手段」に相当する。
本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上記実施の形態では、上側駆動モータ190および下側駆動モータ290として、ステップモータが用いられているが、他のモータを用いてもよい。