1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、および、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時や後述する第1特殊演出モードS1の実行選択時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(操作部に相当)63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図4参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字を表した複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41a(図2参照)にて表示される第1特別図柄、および、第2特別図柄表示器41b(図2参照)にて表示される第2特別図柄の各可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、ハズレであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出(「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技(特別遊技に相当)に並行して行われる遊技演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、演出図柄に用いられる数字等の文字画像のほか、オブジェクト画像や背景画像なども表示され得る。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図2参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(入球口,固定入球口,第1始動入賞口,第1入球口ともいう)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、即ち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
第1始動口20の下方には、第2始動口(可変入球口,第2始動入賞口,第2入球口)21を備える普通可変入賞装置(所謂「電チュー」)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図3参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。即ち、可動部材23が閉じているときには遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口(特別入賞口に相当、特定入賞口ともいう)30を備えた大入賞装置(特別可変入賞装置)31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図3参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(即ち、普通図柄に関する当たり乱数(普通図柄乱数)の取得およびその当否判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、複数の普通入賞口27が設けられているとともに、遊技領域3に打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口9が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙う。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21および大入賞口30への入賞を狙う。
また図1および図2に示すように、遊技盤2の左下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、および、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄、即ち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口30の開放パターンについては後述する。
本形態の特別図柄表示器41は、具体的には横並びに配された8個のLEDから構成されており(図2参照)、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間(後述、図9参照)にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、このときの変動表示の態様としては、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様など、停止表示時の態様以外の態様が挙げられる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値は、特図保留記憶部85(図3参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(保留記憶手段に相当)85a(図3参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図3参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限数はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、即ち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利(特別図柄の可変表示の実行の権利)を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を識別可能に表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
本形態の普通図柄表示器42は、具体的には2個のLEDから構成されており(図2参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、このときの変動表示の態様としては、例えば両LEDが交互に点灯する態様や一斉に点滅する態様など、停止表示時の態様以外の態様が挙げられる。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数の値は、普図保留記憶部86(図3参照)に普図保留(普図保留情報)として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限数は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、即ち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利(普通図柄の可変表示の実行の権利)を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を識別可能に表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図3および図4に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図3および図4に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、および、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。このうち第1特図保留記憶部85aは、図5(A)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。また第2特図保留記憶部85bは、図5(B)に示すように、第1特図保留記憶部85aと同じように、記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。
図3に示すように、主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ(入球検知手段)20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30aおよび普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、上記第1始動口20に設けられており、この第1始動口20に入球した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、上記第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、上記ゲート28内に設けられてこのゲート28を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24および大入賞口ソレノイド33が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43bおよび普図保留表示器44が接続されている。即ちこれらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。即ち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図4に示すようにサブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(単に演出制御用マイコンともいう)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、および、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7の表示画面7aに表示するための画像データおよび動画データが格納されている。具体的には、キャラクタ、キャラクタ以外の物体ならびに図形などの画像であるオブジェクト画像や、文字、数字ならびに記号などの画像である文字画像や、背景画像といった画像データ、および、一連のストーリーを有する動画(映像)といった動画データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出して、この画像データに基づいて表示制御を実行する。即ち、ROM103から読み出した各種画像データをRAM104に展開して、画像表示装置7の表示画面7aに表示し得るフレーム画像データの生成を行う。そして生成したフレーム画像データを画像信号(ビデオ信号)で画像表示装置7に出力する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)は、後述のステップS4307にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式の所謂「ギミック」のことである。装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)は、後述のステップS4203にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。なお動作パターンデータの作成には、サブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。またランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出スイッチ63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」および「ハズレ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄として特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄として特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、大入賞装置31を作動させ開放させる「特別遊技(大当たり遊技ともいう)」が実行される。よって「大当たり」に当選した場合には、「特別遊技(大当たり遊技)」の実行により、遊技者に所定の利益が付与される(具体的には、特別遊技中に開放する大入賞装置31(大入賞口30)に入球した遊技球の数に応じた賞球が払い出される)こととなる。
大当たりには複数の種別がある。図6に示すように大当たりの種別としては、「16R(ラウンド)特定大当たり」および「16R通常大当たり」がある。「16R特定大当たり」は、大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が16回である大当たりである。「16R通常大当たり」は、16R特定大当たりと同様、大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が16回である大当たりである。そして、上記16R特定大当たりに当選した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態にする。これに対し16R通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技後の遊技状態を通常確率状態にする。なお、大当たりにおいては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
図6に示すように、本形態のパチンコ遊技機1における各大当たり当選時の大入賞口30の開放パターンは、16R特定大当たりに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに特図1_16R特定図柄1が停止表示された場合、又は、第2特別図柄表示器41bに特図2_16R特定図柄1が停止表示された場合)でも、16R通常大当たりに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに特図1_16R通常図柄2が停止表示された場合、又は、第2特別図柄表示器41bに特図2_16R通常図柄2が停止表示された場合)でも、1R目〜16R目の各ラウンドにおいて大入賞口30を最大28秒開放させる。このため、16R特定大当たり、および、16R通常大当たりの当選時には、大入賞口30の賞球獲得が期待できる。なお本形態では、第1特別図柄(特図1)および第2特別図柄(特図2)の抽選における各大当たりへの振分確率は、16R特定大当たりも16R通常大当たりも50%となっている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図7に示すように、大当たり乱数は0〜629までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜198までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。即ち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(即ち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。即ち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能である。
また、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。即ち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し非時短状態において作動しない。このため時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。即ち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。即ち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、電チュー22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態(進入サポート状態に相当)」といい、作動していない状態を「低ベース状態(非進入サポート状態に相当)」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、所謂「電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)」が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。即ち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22の第2始動口21が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、16R特定大当たりへの当選による特別遊技(大当たり遊技)後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(電サポ制御状態)である(図6参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。本形態で高確高ベース状態は、次の大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、高確高ベース状態を、所定回数(例えば160回)の特別図柄の可変表示が実行されるまでとしてもよい。
また、16R通常大当たりへの当選による特別遊技(大当たり遊技)後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態、即ち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である(図6参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」(あるいは「通常遊技状態」)という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(第2始動口21への入賞)を得ることができる。
これに対して、低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
また、上記した各種の遊技状態の他に、本パチンコ遊技機1における遊技状態としては、特別遊技(大当たり遊技)を実行している状態である特別遊技状態(大当たり遊技状態)がある。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図10〜図25に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図7に示した種々の乱数カウンタ値(普通図柄に関する乱数のカウンタ値も含む)を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。即ち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図11に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、大当たり判定の結果としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。なおコマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図3参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄に関する乱数のカウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)および普通動作処理(S105)を実行する。普通動作処理(S105)では、始動口センサ処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示および停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通図柄当たりに当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターンに従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
続いて、後述する特別動作処理(S106)およびその他の処理(S107)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、後述の特図2保留球数に基づいて、その数を示す表示態様に第2特図保留表示器43bを制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて、その数を示す表示態様に第1特図保留表示器43aを制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図12に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ちゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)ステップS203に進むが、ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、ゲート通過処理(S202)を行う。ゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」(上限数)未満である場合には、普通図柄保留球数に1加算する。そして乱数値を取得し、その乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS208に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数の値(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS208に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)および変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図7に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域(図5(B)参照)に格納する。具体的には、特図2保留球数の値が「1」の場合には取得した乱数値群を第1記憶領域に格納し、特図2保留球数が「2」の場合には取得した乱数値群を第2記憶領域に格納し、特図2保留球数が「3」の場合には取得した乱数値群を第3記憶領域に格納し、特図2保留球数が「4」の場合には取得した乱数値群を第4記憶領域に格納する。
続いて特図2保留球数コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S207)。特図2保留球数コマンドは、上記ステップS205で加算した後の特図2保留球数の値(即ちRAM84に設けた、第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)に関する情報(コマンド)である。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入球(入賞)したか否か、即ち第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S208)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S208でNO)には処理を終えるが、入球した場合には(S208でYES)、特図1保留球数の値(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限数)に達しているか否か判定する(S209)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S209でYES)処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S209でNO)、特図1保留球数に1加算する(S210)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S211)を行う。特図1関係乱数取得処理(S211)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)および変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図7に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域(図5(A)参照)に格納する。具体的には、特図1保留球数の値が「1」の場合には取得した乱数値群を第1記憶領域に格納し、特図1保留球数が「2」の場合には取得した乱数値群を第2記憶領域に格納し、特図1保留球数が「3」の場合には取得した乱数値群を第3記憶領域に格納し、特図1保留球数が「4」の場合には取得した乱数値群を第4記憶領域に格納する。
続いて特図1保留球数コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S212) 、本処理を終える。特図1保留球数コマンドは、上記ステップS210で加算した後の特図1保留球数の値(即ちRAM84に設けた、第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)に関する情報(コマンド)である。
[特別動作処理]図11に示すように遊技制御用マイコン81は、上述した普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、図13に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図14に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1406)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1406でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)とする処理中であるか否かを判定し(S1411)、そうであれば(S1411でYES)処理を終え、そうでなければ(S1411でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1412)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)、特図2変動パターン選択処理(S1403)、特図2乱数シフト処理(S1404)および特図2変動開始処理(S1405)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1406でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1407)、特図1変動パターン選択処理(S1408)、特図1乱数シフト処理(S1409)および特図1変動開始処理(S1410)をこの順に行う。このように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。即ち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。なお第2特図保留を第1特図保留に優先して消化せず、第2特図保留および第1特図保留のなかから入賞順序に従って消化するようにしてもよい。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1407)とは、処理の流れが同じであるため図15に基づいてまとめて説明する。図15に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1407)ではまず、大当たりかどうかを判定するための値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(具体的には第2特図保留の1個目に対応する記憶領域、図5(B)参照)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。特図1大当たり判定処理(S1407)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(具体的には第1特図保留の1個目に対応する記憶領域、図5(A)参照)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図8(A)参照)のアドレスをセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、つまり高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、つまり通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図8(A)参照)のうち通常確率状態用のテーブル(即ち大当たり乱数値が「3」又は「397」の場合に「大当たり」と判定するテーブル)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用のテーブル(即ち大当たり乱数値が「3」,「53」,「113」,「173」,「227」,「281」,「337」,「397」,「449」又は「503」の場合に「大当たり」と判定するテーブル)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば(S1504でYES又はS1505でYES)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8(B)に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定した後は、「大当たりフラグ」をONして(S1507)、ステップS1508に進み、大当たり種別に応じた特図停止図柄データをセットして処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば(S1504でNO又はS1505でNO)、ステップS1508に進み、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データをセットして処理を終える。なお特図停止図柄データとは、特図2大当たり判定処理(S1402)では、第2特別図柄表示器41bに停止表示する第2特別図柄に関する図柄データを指し、特図1大当たり判定処理(S1407)では、第1特別図柄表示器41aに停止表示する第1特別図柄に関する図柄データを指す。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図16および図17に基づいてまとめて説明する。図16および図17に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1408)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。そして、時短状態でなければ(S1601でNO)、即ち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。このステップS1603では具体的に、上記ステップS1506で判別した大当たり種別が「16R特定大当たり」の場合には、変動パターン乱数値に基づいて変動パターン「P1」又は「P2」を選択する(図9参照)。一方、大当たり種別が「16R通常大当たり」の場合には、変動パターン乱数値に基づいて変動パターン「P3」又は「P4」を選択する。
なお図9に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチともいう)となるのかも決まる。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値(判定結果が「リーチ有り」となるリーチ乱数値)か否かを判定する(S1604)。なお図8(C)に示すように、リーチ成立乱数値は、非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「0」〜「5」である。即ち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ちリーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。即ち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図17に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1602〜S1606と同様の流れで処理(S1607〜S1611)を行う。即ち、大当たりであれば図9の時短状態中の大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。このステップS1608では具体的に、上記ステップS1506で判別した大当たり種別が「16R特定大当たり」の場合には、変動パターン乱数値に基づいて変動パターン「P11」又は「P12」を選択する(図9参照)。一方、大当たり種別が「16R通常大当たり」の場合には、変動パターン乱数値に基づいて変動パターン「P13」又は「P14」を選択する。またリーチ有りハズレであれば、図9の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図9の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。つまり非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。よって、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図16に示すように、選択した変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S1612)、本処理を終える。セットした変動パターン指定コマンドは、上記出力処理(S101)においてサブ制御基板90に出力される。なお本形態では、変動パターン指定コマンドには、上記変動パターンとともに、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まる。また、変動パターン指定コマンドを用いて、後述する変動演出開始処理(S4404)の保留球数減算処理(S4702)をサブ制御基板90が実行する。詳細については後述する。
[特図2乱数シフト処理]図18に示すように、特図2乱数シフト処理(S1404)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1451)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1452)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
特図2乱数シフト処理(S1404)を実行した後は、図14に示す特図2変動開始処理(S1405)を実行する。特図2変動開始処理(S1405)では、特別動作ステータスを「2」にセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図14の特別図柄待機処理(S1302)では、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1406でNO)には、特図1大当たり判定処理(S1407)、特図1変動パターン選択処理(S1408)、特図1乱数シフト処理(S1409)および特図1変動開始設定(S1410)をこの順に行う。特図1大当たり判定処理(S1407)および特図1変動パターン選択処理(S1408)については上述した通りである。
[特図1乱数シフト処理]図19に示すように、特図1乱数シフト処理(S1409)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1461)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1462)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
特図1乱数シフト処理(S1409)を実行した後は、図14に示す特図1変動開始処理(S1410)を実行する。特図1変動開始処理(S1410)では、特別動作ステータスを「2」にセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]図20に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(S1701)。この変動時間は、上記特別図柄待機処理(図14)のステップS1402における大当たりの判定結果に基づき、ステップS1403で選択された変動パターンで決まる時間、或いは、ステップS1407における大当たりの判定結果に基づき、ステップS1408で選択された変動パターンで決まる時間である(図9参照)。変動時間が経過していなければ (S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、変動停止コマンドをセットして(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。そして、特別図柄の変動表示を、大当たり乱数および大当たり種別乱数の判定結果に応じた表示結果(具体的には、上記ステップS1508でセットした特図停止図柄データに基づく大当たり図柄、又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行い(S1704)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図21に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、後述の遊技状態管理処理(S1801)を行う。次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1802)。大当たりフラグがONであれば(S1802でYES)、大入賞装置31の開放パターンをセットする(S1803)。なお本形態では、図6に示すように、16R特定大当たりと16R通常大当たりとは開放パターンが同じである。従って、大入賞装置31の開放パターンに、1R目から16R目までの各ラウンドにおいて大入賞口30を最大28秒間開放する開放パターンをセットする。またこのときに、大当たり遊技中に実行した開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「16」にセットする。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1803に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1804)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1805)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S1806)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1807)。
また、ステップS1802において大当たりフラグがONでなければ(S1802でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1808)処理を終える。
[遊技状態管理処理]図22に示すように、遊技状態管理処理(S1801)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントする(S2002)。そして、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2005)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントする(S2006)。そして、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2007)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図23に示すように、遊技状態リセット処理(S1804)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり大当たり遊技の実行中は、通常確率状態(非高確率状態)且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理]図24に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。大当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、大入賞口30の開放中か否か(即ち大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、即ち大当たりのオープニングの時間が経過して1R目を開始する時間に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンドを開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
上記ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、ステップS2304に進み、開放パターン(図6参照)に従って大入賞口30を開放させる。
ステップS2302において大入賞口30の開放中であれば(S2302でYES)、そのラウンドにおける大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり9個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定の最大入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(即ち大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)処理を終える。
これに対して、規定の最大入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、即ち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2308)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2309)。「0」でなければ(S2309でNO)、次のラウンドを開始するためにそのまま処理を終える。
一方、ラウンドカウンタの値が「0」であれば(S2309でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たり終了処理として大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2310)、大当たりのエンディングを開始する(S2311)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2312)。なお本形態では、ラウンドカウンタは、大入賞口30の開放が16回なされると「0」になる。
またステップS2301において大当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2313)、エンディング時間が経過していなければ(S2313でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2313でYES)、大当たり終了フラグをOFFした後(S2314)、後述の遊技状態設定処理(S2315)を行う。そして、大当たりフラグをOFFし(S2316)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2317)処理を終える。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。
[遊技状態設定処理]図25に示すように、遊技状態設定処理(S2315)ではまず、今回実行した大当たり遊技が16R通常大当たりか否か判定する(S2401)。なお、大当たり種別に関する情報は、大当たり種別判定(図15のステップS1506)の後に、RAM84に設けた大当たり種別バッファ(図示しない)に格納してある。ステップS2401の判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2402)、時短カウンタに「100」をセットして(S2403)処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態、時短状態且つ高ベース状態(即ち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
これに対して、ステップS2401の判定結果がNOであれば、確変フラグをONするとともに(S2404)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2405)。次いで、時短フラグをONするとともに(S2406)、時短カウンタに「10000」をセットして(S2407)処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態、時短状態且つ高ベース状態(即ち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、実質的に次回の大当たり当選まで制御されることとなる。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図26〜図47に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図26に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定などを行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。具体的には、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94の内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス、カウンタ等の値はリセットされる。なお、このステップS4001〜S4003は電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数などがある。また乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4006)。以降、ステップS4004〜S4006をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4007)、2msタイマ割り込み処理(S4008)および10msタイマ割り込み処理(S4009)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4007)では、図27に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、即ち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4008,S4009)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]2msタイマ割り込み処理(S4008)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図28に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4008)ではまず、演出ボタン検出スイッチ63a(図4参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、装飾可動体15を駆動するための駆動データの作成および出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図29に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。その後、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定する演出ボタン検出スイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、後述するタイマ更新処理(S4304)、および、後述する特殊演出モード処理をそれぞれ行って(S4305)コマンド送信処理を行う(S4306)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。各種のコマンドを受信した画像制御基板100は、それぞれのコマンドに従い、画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や、特別遊技に伴う遊技演出や、後述する第1特殊演出モードS1における特別演出MVや、第2特殊演出モードS2における一発告知演出NV等)を実行したり、待機画面や後述する第1特殊演出モードS1の実行選択を行うための選択画面PS(図44参照)の表示を行ったりする。なお画像制御基板100による演出の実行や画面の表示に伴って、サブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声や楽曲や効果音等の音を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。このようなコマンド送信処理に続いて、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声等の音の出力を制御するデータ)の作成および音声制御基板106への出力を行ったり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4307)。
[受信コマンド解析処理]図30に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図1保留球数コマンド(S212でセット)又は特図2保留球数コマンド(S207でセット)を受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば(S4401でYES)後述する保留球数加算処理(S4402)を行う。
続いて、主制御基板80から変動パターン指定コマンド(S1612でセット)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば(S4403でYES)後述する変動演出開始処理(S4404)を行う。次に、主制御基板80から変動停止コマンド(S1702でセット)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば(S4405でYES)後述する変動演出終了処理を行う(S4406)。
その後ステップS4407では、その他の処理として上記コマンド以外のコマンド(例えば、大当たり遊技のOP開始時、ラウンド遊技開始時又はED開始時に生成される各コマンドや普通図柄の変動開始時又は変動停止時に生成される各コマンド)の受信に基づく処理を行う。
[保留球数加算処理]図31に示すように、保留球数加算処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、受信した特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンドを解析する(S4501)。特図1保留球数コマンドには、上述したように第1始動口20への入球に伴って増加した特図1保留球数の値(第1特図保留の記憶数)の情報が含まれている。また、特図2保留球数コマンドには、上述したように第2始動口21への入球に伴って増加した特図2保留球数の値(第2特図保留の記憶数)の情報が含まれている。従って演出制御用マイコン91は、保留球数コマンドを解析することによって特図1保留球数の値、又は、特図2保留球数の値を取得することとなる。
続いてステップS4502では、受信した保留球数コマンドが特図1保留球数コマンドか否かを判定する。特図1保留球数コマンドである場合には(S4502でYES)、第1保留球数カウンタの値に1加算する(S4503)。第1保留球数カウンタは、RAM94に設けられており、演出制御用マイコン91が特図1保留球数の値をカウントするためのカウンタである。このため、この第1保留球数カウンタの値は現状の特図1保留球数の値に対応している。
続いて、後述するタイマ始動処理を行い(S4504)、第1演出保留コマンドを出力バッファにセットする(S4505)。この第1演出保留コマンドは、画像制御基板100に、特図1保留球数の値に応じた数の演出保留9A(図1参照)を表示画面7aの上記第1演出保留表示エリアに表示させるためのコマンドである。
一方、受信した保留球数コマンドが特図1保留球数コマンドではなく特図2保留球数コマンドである場合には(S4502でNO)、第2保留球数カウンタの値に1加算し(S4506)、第2演出保留コマンドを出力バッファにセットして(S4507)本処理を終える。第2保留球数カウンタは、RAM94に設けられており、演出制御用マイコン91が特図2保留球数の値をカウントするためのカウンタである。また第2演出保留コマンドは、画像制御基板100に、特図2保留球数の値に応じた数の演出保留9B(図1参照)を表示画面7aの上記第2演出保留表示エリアに表示させるためのコマンドである。
[タイマ始動処理]次いで、図32に示すタイマ始動処理(S4504)について説明する。このタイマ始動処理では、特図1保留球数の値が「4」であるときの時間を累計して計時するべく、演出制御用マイコン91に設けたカウントアップタイマを始動させる。但し本形態では、後述するモードステータスの値によって、カウントアップタイマによる計時を行う場合と行わない場合とがある。
即ちこの累計計時処理ではまず、現時点でのモードステータスの値が「1」,「4」又は「5」のいずれかであるかどうかを判定する(S4601)。このモードステータスは、遊技中の演出モード(画像表示装置7に示す演出の態様)を決めるためのものである。具体的に例えば、モードステータスの値によって決まる演出モードによって、画像表示装置7に表示するオブジェクト画像(主にキャラクタ画像)や背景画像が異なったり、演出図柄可変表示演出(変動演出)の態様が異なったりする。
本形態では、図42に示すようにモードステータスは「1」から「5」までの5つの値をとり、各値は演出モードA〜Cおよび特殊演出モードS1,S2にそれぞれ割り当てられている。演出モードAは遊技状態が「低確低ベース状態」に制御されているときに実行され、演出モードBは「低確高ベース状態」に制御されているときに実行され、演出モードCは「高確高ベース状態」に制御されているときに実行されるようになっている。なお本形態では、電源投入後の「低確低ベース状態」に対応するべく、電源投入後のモードステータスの値(初期値)は「1」である。また、第1特殊演出モードS1および第2特殊演出モードS2は、後述するタイムアップカウンタの値(累計時間TC)が所定の条件を満たす場合に実行可能な特殊な演出モードである。即ち、第1特殊演出モードS1は、遊技状態が演出モードAと同じ「低確低ベース状態」のときに、特別演出MV(後述)を画像表示装置7に表示するための演出モードである。一方、第2特殊演出モードS2は、遊技状態が「低確低ベース状態」のときに、一発告知演出NV(後述)が実行可能な演出モードである。第1特殊演出モードS1および第2特殊演出モードS2については、後ほど詳述する。
なお本形態では、「1」〜「5」の5つの値のモードステータスのうち、「2」又は「3」の場合(即ち遊技モードが、後述する演出モードB又は演出モードCの場合)には、特図1保留球数の数が「4」でもカウントアップタイマによる計時を行わない。つまり遊技状態が低確高ベース状態又は高確高ベース状態に制御されているときには、カウントアップタイマによる計時を行わない。さらに、大当たり遊技中においても時間を累計しない。なお後述するように、大当たり遊技中のモードステータスは、大当たり遊技の前に、当該大当たり遊技の終了後の遊技状態に応じたモードステータスに変わっている。
大当たり遊技中も計時を行わない理由は次のとおりである。本パチンコ遊技機1の大当たり遊技中は、大当たり遊技が終了するまで保留球数の値が減らない。例えば大当たり遊技の開始時に特図1保留球数の値が「4」であれば、大当たり遊技中もまた「4」である。このため仮に、大当たり遊技中において特図1保留球数の値が「4」の時間をカウントアップタイマで計時する構成としてしまうと、その時間(特図1保留球数の値が「4」である時間)を稼ぐべく、大当たり遊技の実行時間ができるだけ長くなるような遊技を遊技者が行うと考えられる。即ち、例えばラウンド毎に、大入賞口30への入賞個数を上限数(本形態では9個)未満としたままラウンド時間が最長時間(28秒)経過するまで「止め打ち」を遊技者が行う遊技が挙げられる。また例えば、大当たり遊技の開始時に特図1保留球数の値が「4」に満たない場合でも、大当たり遊技中に第1始動口20へ遊技球を入球させることで、大当たり遊技中の特図1保留球数の値を「4」とすることが可能である。このため、それ以降(大当たり遊技中の特図1保留球数の値を「4」とした以降)については、上述した遊技を遊技者が行うことが挙げられる。かくして、大当たり遊技中にカウントアップタイマによる計時を行うと、遊技者によって大当たり遊技の実行時間が必要以上に長引いてしまい、却って本パチンコ遊技機1の稼働率が低下してしまう。
そこで、大当たり遊技中のカウントアップタイマによる計時を行わないよう、図32に示すステップS4601において、モードステータスの値が「1」,「4」又は「5」ではなく「2」又は「3」であれば(S4601でNO)本処理を終える。一方、モードステータスの値が「1」,「4」又は「5」の場合には(S4601でYES)、ステップS4602に進み、特図1保留球数の値に対応した第1保留球数カウンタが「4」であるか否かを判定する。即ち、上記ステップS4503で1加算した第1保留球数カウンタの値を用いて判定する。第1保留球数カウンタの値が「4」未満の場合には(S4602でNO)本処理を終えるけれども、第1保留球数カウンタの値が「4」の場合には(S4602でYES)、ステップS4603に進み、計時フラグがONか否かを判定する。計時フラグは、カウントアップタイマが作動していることを示すフラグである。計時フラグがONの場合には(S4603でYES)本処理を終えるが、計時フラグがOFFの場合には(S4603でNO)、カウントアップタイマを始動し(S4604)、計時フラグをONにして(S4605)本処理を終える。即ち、第1保留球数カウンタの値が「3」から「4」になったときにカウントアップタイマが作動していない場合には、カウントアップタイマを始動する。なお本形態では、後述するタイマ停止処理(S4803)のステップS4904でRAM94に記憶したカウントアップタイマの値からカウントアップタイマを始動させる。これによって先回までのカウントアップタイマの値に今回計時する分を累計(上乗せ)することが可能となっている。
[変動演出開始処理]図33に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動パターン指定コマンド(S1612でセット)を解析する(S4701)。変動パターン指定コマンドには上述したように、図9に示す変動パターンに関する情報や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている。ここで演出制御用マイコン91が取得した変動パターンに関する情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
次に演出制御用マイコン91は、後述する保留球数減算処理を行い(S4702)、現在のモードステータスを参照して(S4703)、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S4704)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動パターン指定コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出パターンの選択を行う(S4705)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、演出モードの種類(上述した演出モードA〜Cおよび特殊演出モードS1,S2)や変動パターンの種類(図9の「P1」等)に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動パターン指定コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そしてその選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより変動演出パターンが決まれば、変動演出の変動時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
なお本形態では、演出モードが第1特殊演出モードS1の場合には演出図柄の変動表示態様を、図45(B)に示すように表示画面7aの上部右側に演出図柄を通常よりも小さく変動表示する態様とする。後述するように、第1特殊演出モードS1では所定の期間、画像表示装置7の表示画面7aのほぼ全面を使って、後述する特別演出MVを表示する(図45(B)参照)。このため当該第1特殊演出モードS1中に、演出図柄を表示画面7aの右上に小さく変動表示させることで、特別演出MVを遊技者に集中して視聴させることが可能となっている。なお演出モードが第2特殊演出モードS2の場合には、上記第1特殊演出モードS1以外の演出モードと同じく、複数のテーブルの中から選択したテーブルに基づいて、演出図柄の変動表示態様等の変動演出パターンを選択する。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の選択を行う(S4706)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動パターン指定コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そしてその選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、所謂「ステップアップ予告演出」や「チャンスアップ予告演出」や後述する一発告知演出NVなどの予告演出の内容が決定される。
一方、演出モードが第2特殊演出モードS2の場合、予告演出として、大当たりの当選時には当該大当たりの当選を示唆する演出、所謂「一発告知演出NV」を選択する構成としている。具体的には図47に示すように、一発告知演出NVは、キャラクタ人形の頭部のオブジェクト画像N1、および、このオブジェクト画像N1の左方に表示した「当確」の文字画像N2を用いた表示(出現)演出である。つまり第2特殊演出モードS2は、大当たり当選時には演出図柄が最終的に停止表示されるよりも前に、その当選が報知される演出モードである。なお本パチンコ遊技機1では、オブジェクト画像N1に示すキャラクタの表示画面7aへの出現は極めて稀な構成としているため、演出モードが第2特殊演出モードS2の間、当該一発告知演出NVの発生への期待感や緊張感を遊技者に与えることが可能となっている。
上記ステップS4704〜S4706でそれぞれ選択した演出図柄、変動演出パターンおよび予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4707)、本処理を終了する。このステップS4707でセットした変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4306)によって画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、変動演出用の所定の画像データをROM103から読み出して、所定の処理を行った上で画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出やその他の演出の表示を行う。なお変動演出における最終的な停止図柄の組み合わせとしては、16R確変大当たりへの当選時は「777」等の奇数図柄のゾロ目、16R通常大当たりへの当選時は「666」等の偶数図柄のゾロ目、リーチ有りハズレの場合は「787」等のバラケ目、リーチ無しハズレの場合は「635」等のバラケ目が選択されるようになっている。なお、上述の演出図柄の停止表示の態様は一例であり、大当たり抽選の結果に対して演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
[保留球数減算処理]図34に示すように、保留球数減算処理(S4702)ではまず、演出制御用マイコン91は、上記ステップS4701で受信した変動パターン指定コマンドが特図1の変動パターン指定コマンドか否かを判定する(S4801)。遊技制御用マイコン81は、上記ステップS1612の処理で第2特図保留に関する変動パターン指定コマンドをセットした直後に、上記ステップS1404で特図2保留球数の値を1減じている。また、上記ステップS1612の処理で第1特図保留に関する変動パターン指定コマンドをセットした直後に、上記ステップS1409で特図1保留球数の値を1減じている。そこで、受信した変動パターン指定コマンドが特図1の変動パターン指定コマンドである場合には(S4801でYES)、第1保留球数カウンタの値を現状の特図1保留球数の値に対応させるべく、第1保留球数カウンタの値から1を減算し(S4802)、後述するタイマ停止処理を行って(S4803)処理を終える。一方、特図2の変動パターン指定コマンドである場合には(S4801でNO)、第2保留球数カウンタの値を現状の特図2保留球数の値に対応させるべく、第2保留球数カウンタの値から1を減算して(S4804)本処理を終える。
[タイマ停止処理]次に、図35に示すタイマ停止処理(S4803)について説明する。まず第1保留球数カウンタの値が「3」であるか否かを判定する(S4901)。具体的には、上記ステップS4802で1減算した第1保留球数カウンタの値を用いて判定する。第1保留球数カウンタの値が「3」以外の場合には(S4901でNO)本処理を終えるが、第1保留球数カウンタの値が「3」の場合には(S4901でYES)、ステップS4902に進み、計時フラグがONか否かを判定する。計時フラグがOFFの場合には(S4902でNO)本処理を終えるが、計時フラグがONの場合には(S4902でYES)、カウントアップタイマを停止し(S4903)、カウントアップタイマの値をRAM94に記憶し(S4904)、計時フラグをOFFにして(S4905)本処理を終える。即ち、特図1保留球数の値が「4」から「3」になった場合には、カウントアップタイマの作動を停止して、計時するのを止める。そして、このときのカウントアップタイマの値(後述する累計時間TC)をRAM94の所定の記憶領域に更新して記憶して、計時フラグをONからOFFに変更する。
[変動演出終了処理]図36に示すように、変動演出終了処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンド(S1702でセット)を解析するとともに(S5001)、モードステータスの値を参照する(S5002)。次いで、変動中である特別図柄の変動表示の結果が大当たりか否かを判定、つまり特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を確認し(S5003)、大当たりであれば(S5003でYES)ステップS5004に進み、モードステータス変更処理を行う。モードステータス変更処理では、変動中である特別図柄の変動表示の結果が16R通常大当たりであれば、先回のモードステータス(演出モード)によらずモードステータスの値を「2」(演出モードBに対応するモードステータス、図42参照)にセットし、16R確変大当たりであれば、先回のモードステータスによらずモードステータスの値を「3」(演出モードCに対応するモードステータス、図42参照)にセットする。このような処理により、次回の特別図柄の変動表示に並行して実行される変動演出における演出モードが、処理後のモードステータスの値に対応した演出モードとなる。なお本形態では、この処理の前後でモードステータスの値が変更されない場合(例えば、モードステータスの値が「3」であるときに本ステップS5004の処理でモードステータスの値を同じ「3」にセットする場合)についてもモードステータスの変更処理として扱う。また、本ステップS5004の処理は、演出モードB又は演出モードCへの変更に関する処理であり、第1特殊演出モードS1又は第2特殊演出モードS2への変更に関する処理とは別である。これら第1特殊演出モードS1又は第2特殊演出モードS2への変更に関する処理については、後述する特殊演出モード処理(図38)で詳しく説明する。
上記モードステータス変更処理の後、モードステータス変更処理で変更された演出モードでの特別図柄の変動表示の回数に上限を設けるべく、変更後の演出モードに対応した上限数をモードカウンタの値にセットする(S5005)。具体的には、上記モードステータス変更処理で演出モードBに変更した場合にはモードカウンタの値に「100」を上限数としてセットし、演出モードCに変更した場合にはモードカウンタの値に「10000」を上限数としてセットする(図42参照)。なお本形態では、演出モードが演出モードA(および特殊演出モードS1,S2)の場合には特別図柄の変動表示の回数に上限を設けていない。
続いてステップS5006に進み、計時フラグがONか否かを判定する。計時フラグがOFFの場合には(S5006でNO)後述するステップS5014に進むが、計時フラグがONの場合には(S5006でYES)、カウントアップタイマを停止し(S5007)、カウントアップタイマの値をRAM94に記憶し(S5008)、計時フラグをOFFにして(S5009)本処理を終える。即ち、カウントアップタイマが作動中の場合には、続いて実行される大当たり遊技中に計時しないよう、カウントアップタイマの作動を停止する。
一方、ステップS5003にて大当たりでなければ(S5003でNO)、続いて演出制御用マイコン91は、モードステータスの値が「2」又は「3」かどうか、即ち演出モードB又は演出モードCかそれ以外の演出モード(演出モードA,第1特殊演出モードS1又は第2特殊演出モードS2)かを判定する(S5010)。モードステータスの値が「2」又は「3」でなければ、即ちモードステータスの値が「1」,「4」又は「5」のいずれかであれば(S5010でNO)、後述するステップS5014に進む。一方、モードステータスが「2」又は「3」であれば(S5010でYES)、モードカウンタの値を1だけ減算する(S5011)。そしてそのモードカウンタの値が「0」でなければ(S5012でNO)そのままステップS5014に進むが、「0」になれば(S5012でYES)、以降の演出モードを演出モードAに変更するべく、モードステータスの値に「1」をセットして(S5013)ステップS5014に進む。ステップS5014では、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
[タイマ更新処理]図37に示すように、タイマ更新処理(S4304)ではまず、計時フラグがONか否かを判定する(S5101)。計時フラグがOFFの場合には(S5101でNO)本処理を終えるが、計時フラグがONの場合には(S5101でYES)、カウントアップタイマの値に所定の値(「10msタイマ割り込み処理」の周期時間と同じ10ms)を加算する(S5102)。なお計時フラグがON、つまりカウントアップタイマの作動中の間は、このタイマ更新処理(S4304)の本ステップS5102の処理が繰り返されるので、その間、カウントアップタイマの値に上記所定の値が繰り返し加算される。かくしてカウントアップタイマは、第1保留球数カウンタの値が「4」であるときの時間を累計して計時することが可能となっており、カウントアップタイマの値は、第1保留球数カウンタの値が「4」のときの時間について累計して計時した総時間を示している。そこで本形態では、カウントアップタイマの値を累計時間TCという。
続いてステップS5103では、カウントアップタイマの値(つまり累計時間TC)を「秒(s)」単位で示した場合に、その「一の位」の値が直前の上記ステップS5102の処理で変化したか否かを判定する。変化していない場合には(S5103でNO)本処理を終えるが、変化した場合には(S5103でYES)、画像表示装置7の表示画面7aに累計時間TCに基づく値を表示するための表示コマンドを出力バッファにセットする(S5104)。この表示コマンドは、上記コマンド送信処理(S4306)において画像制御基板100に送信(出力)される。この表示コマンドを受信した画像制御基板100は、図43に示すように、画像表示装置7の表示画面7aの上部右側に「○○秒」(1秒未満は非表示)の文字列TLを表示する。これにより本パチンコ遊技機1では、表示画面7aに表示する文字列TLを通じて、上記累計時間TCを遊技者に示すことが可能となっている。
[特殊演出モード処理]図38に示すように特殊演出モード処理(S4305)ではまず、モードステータスの値が「1」,「4」又は「5」のいずれかであるかどうかを判定する(S5201)。本形態では、上述したように、モードステータスの値が「2」又は「3」の場合、即ち遊技モードが演出モードB又は演出モードCの場合には、特図1保留球数の数(第1保留球数カウンタの値)が「4」でもカウントアップタイマによる計時を行わない。そこで、モードステータスの値が「1」,「4」又は「5」ではなく「2」又は「3」の場合には(S5201でNO)本処理を終えるが、モードステータスが「1」,「4」又は「5」の場合には(S5201でYES)、第2モードフラグがONかどうかを判定する(S5202)。第2モードフラグは、モードステータスが「5」、つまり演出モードが第2特殊演出モードS2であることを示すフラグである。第2モードフラグがOFFの場合には(S5202でNO)カウントアップタイマの値(累計時間TC)が200s以上かどうかを判定し、カウントアップタイマの値が200sに満たない場合には(S5203でNO)、キャンセルフラグがONかどうかを判定する(S5204)。キャンセルフラグは、後述する選択画面PS(図44参照)の表示中に演出ボタン63の操作が行われなかった結果、後述する特別演出MVの実行(第1特殊演出モードS1への変更)がキャンセルされたことを示すフラグである。このキャンセルフラグがONの場合には(S5204でYES)本処理を終えるが、OFFの場合には(S5204でNO)ステップS5205に進み、第1モードフラグがONかどうかを判定する。第1モードフラグは、モードステータスが「4」、つまり演出モードが第1特殊演出モードS1であることを示すフラグである。第1モードフラグがONであれば(S5205でYES)、後述する第1特殊演出モード選択処理を行う(S5207)。但し第1モードフラグがOFFの場合でも(S5205でNO)、ステップS5206に進んで、カウントアップタイマの値が100s以上の場合には(S5206でYES)、ステップS4907の第1特殊演出モード選択処理に進む。なお第1モードフラグがOFFで、カウントアップタイマの値が100sに満たない場合には(S5205,S5206がともにNO)、本処理を終える。
一方、ステップS5202で第2モードフラグがONであれば(S5202でYES)、後述する第2特殊演出モード選択処理を行い(S5209)本処理を終える。但し第2モードフラグがOFFの場合でも(S5202でNO)、カウントアップタイマの値が200s以上の場合には(S5203でYES)、キャンセルフラグをOFFにして(S5208)、ステップS5209に進み第2特殊演出モード実行処理を行う。即ち本形態では、上記第1特殊演出モード選択処理を行うためのカウントアップタイマの値(100s)よりも大きな値(200s)にカウントアップタイマの値が到達したら第2特殊演出モード実行処理を行う。つまり、後述する特別演出MVは、カウントアップタイマの値が100sに達したときに実行可能な特殊演出であり、後述する一発告知演出NVは、それよりも長い200sに達したときに実行され得る特殊演出である。
[第1特殊演出モード選択処理]図39に示すように、第1特殊演出モード選択処理(S5207)ではまず、第1モードフラグがONかどうか、即ち演出モードが第1特殊演出モードS1であるかどうかを判定する(S5301)。第1モードフラグがONの場合には(S5301でYES)、ステップS5312に進み、後述する第1特殊演出モード実行処理を行う。一方、第1モードフラグがOFFの場合には(S5301でNO)、続いて表示開始フラグがONかどうかを判定する(S5302)。表示開始フラグは、画像表示装置7の表示画面7aに、図44に示すような選択画面PS(後述)を表示中の場合には「ON」であり、選択画面PSを表示していない場合には「OFF」である。この表示開始フラグがOFFであれば(S5302でNO)、画像表示装置7の表示画面7aに上記選択画面PSの表示を開始するため、選択画面PSの表示開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5303)。この表示開始コマンドは、上記コマンド送信処理(S4306)において画像制御基板100に送信(出力)される。この表示開始コマンドを受信した画像制御基板100では、CPU102がROM103から読み出した選択画面PS用の画像データをRAM104に展開してフレーム画像データを生成し、これを画像表示装置7に出力する。これにより表示画面7aに選択画面PSの表示が開始される。
表示画面7aに表示される選択画面PSは、図44に示すように、画面中央に位置する、「モードS1(即ち第1特殊演出モードS1)に突入させるならば演出ボタンをPUSH!」という文字画像と、この文字画像の下方に位置する、演出ボタン63を模したオブジェクト画像とを組み合わせたものである。なお表示画面7aの上部右側には、通常より小さな変動表示態様の演出図柄が表示される。本形態では、このような選択画面PSを表示画面7a上に表示することで、後述する特別演出MVの実行選択を遊技者に促している。即ちこの選択画面PSは、特別演出MVを実行したい場合には演出ボタン63を押下するよう遊技者に示すための画面である。後に詳述するが、選択画面PSの表示中に遊技者が演出ボタン63を押下した場合には演出モードが第1特殊演出モードS1に変更されて、特別演出MVを実行することになる。一方、選択画面PSの表示中に遊技者が演出ボタン63を押下しなかった場合には、第1特殊演出モードS1への変更、つまり上記特別演出MVの実行がキャンセルされることになる。このため、一発告知演出NVの実行を狙うべく上記特別演出MVの実行をキャンセルしたい場合には、選択画面PSの表示中に演出ボタン63を押下しないことで、特別演出MVではなく一発告知演出NVの実行を遊技者が選択可能となっている。なお選択画面PSは、後述する表示終了コマンドを画像制御基板100が受信するまで表示画面7aに連続して表示される。
上記ステップS5303の後には、表示開始フラグをONにし(S5304)、表示タイマをセットして(S5305)本処理を終える。表示タイマは、表示画面7aに連続して表示する選択画面PSの表示時間を所定の期間(例えば10秒間)からカウントダウンするためのタイマである。ステップS5305では、具体的には表示タイマの値として「10s」をセットする。
一方、上記ステップS5302において表示開始フラグがONであれば(S5302でYES)、表示タイマの値を所定の値(0.010s)だけ減算して(S5306)、その減算後の表示タイマの値が「0」を超えているか否かを判定する(S5307)。表示タイマの値が「0」を超えている場合には(S5307でYES)、次いで演出ボタン63が操作(押下)されたか否かを判定する(S5308)。上述したように、第1特殊演出モードS1の特別演出MVを実行するのか、或いは、第2特殊演出モードS2の一発告知演出NVの実行を狙うべく、特別演出MVの実行(第1特殊演出モードS1への変更)をキャンセルするのか、上記選択画面PS(図44参照)の表示中における演出ボタン63の操作(押下)によって遊技者が選択可能となっている。演出ボタン63の操作(押下)がない場合には(S5308でNO)本処理を終えるが、演出ボタン63の操作があった場合には(S5308でYES)、表示開始フラグをOFFし(S5309)、表示タイマの値をクリアし(S5310)、選択画面PSの表示終了コマンドを出力バッファにセットして(S5311)、後述する第1特殊演出モード実行処理に進む(S5312)。なお表示終了コマンドは、表示開始コマンドと同様、コマンド送信処理(S4306)において画像制御基板100に送信される。この表示終了コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7による選択画面PSの表示を終了する。
また、表示タイマの値が「0」以下の場合には(S5307でNO)、キャンセルフラグをONし(S5313)、選択画面PSの表示終了コマンドを出力バッファにセットして(S5314)本処理を終了する。なお本形態では、このキャンセルフラグがONのときには、カウントアップタイマの値が100s以上であっても特別演出MVは実行されない。即ち上記特殊演出モード処理(図38)に示すように、キャンセルフラグがONであれば(S5204でYES)、第1特殊演出モード選択処理(S5207)に進むことはない。
[第1特殊演出モード実行処理]図40に示すように、第1特殊演出モード実行処理(S5312)ではまず、第1モードフラグがONかどうかを判定する(S5401)。第1モードフラグがONではなくOFFであれば(S5401でNO)、モードステータスの値を「4」に変更して、演出モードを第1特殊演出モードS1に設定する(S5402)。具体的にはモードステータスの値を「1」から「4」に変更する。続いてステップS5403では、特別演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。特別演出開始コマンドは、画像制御基板100に画像表示装置7を用いて、図45(A)に示す文字画像MLの表示を開始させ、この文字画像MLの表示後に続く図45(B)に示す特別演出MVの表示を実行させるためのコマンドである。
文字画像MLの表示では、具体的には図45(A)に示すような、画面中央に位置する「モードS1に突入!」の文字画像MLを所定の時間(例えば5秒間)表示する。そしてこの文字画像MLの表示に続いて、図45(B)に示すように、例えば本パチンコ遊技機1に関連するキャラクタの特別な映像を集めた一連の動画演出である特別演出MVを所定の時間(例えば235秒間)表示する。なお図中は、特別演出MVに登場する当該キャラクタの画像を省略している。また、特別演出MV中の映像は、本パチンコ遊技機1ではこの特別演出MVでしか視聴できないものである。また、特別演出MVの表示中、表示画面7aの上部左側には枠で囲まれた「モードS1中」といった文字画像MCが表示されている。これにより遊技者は、遊技モードが第1特殊演出モードS1であることを認識することが可能となっている。また表示画面7aの上部右側には、通常より小さな変動表示態様の演出図柄が表示されている。これにより遊技者は、特別演出MVの実行中でも、特別演出MVを視聴しながら演出図柄を確認することが可能となっている。
続いて第1モードフラグをONにし(S5404)、カウントアップタイマの値(累計時間TC)をクリアして(S5405)、第1モードタイマをセットする(S5406)。ステップS5405では、特別演出MVの実行と引き替えに今まで累計してきたカウントアップタイマの値、つまり累計時間TCを「0」にクリアする。これにより当該第1特殊演出モードS1の設定以降、累計時間TCが「0」から計時されることになる。また、第1モードタイマには、第1特定時間(即ち第1特殊演出モードS1の設定期間、具体的には文字画像MLの表示時間および特別演出MVの実行時間に相当する時間、例えば240秒間(240s))をセットする。
一方、ステップS5401において第1モードフラグがONであれば(S5401でYES)、第1モードタイマの値を所定の値(0.010s)だけ減算して(S5407)、その減算後の第1モードタイマの値が「0」を超えているか否かを判定する(S5408)。第1モードタイマの値が「0」を超えている場合には(S5408でYES)本処理を終える。一方、第1モードタイマが「0」以下の場合には(S5408でNO)、表示画面7aでは特別演出MVの表示が終了していることを意味しているため、モードステータスを「1」に変更して演出モードを演出モードAに設定し(S5409)、第1モードフラグをOFFにして(S5410)本処理を終える。
[第2特殊演出モード実行処理]図41に示すように、第2特殊演出モード実行処理(S5209)ではまず、第2モードフラグがONかどうかを判定する(S5501)。第2モードフラグがONではなくOFFであれば(S5501でNO)、モードステータスの値を「1」から「5」に変更して、演出モードを第2特殊演出モードS2に設定する(S5502)。続いてステップS5503では、S2演出モード開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。S2演出モード開始コマンドは、図46(A)に示す文字画像NLの表示を開始させ、この文字画像NLの表示後に続く図46(B)に示す文字画像NCの表示を実行させるためのコマンドである。
文字画像NLの表示では、具体的には図46(A)に示すような、画面中央に位置する「モードS2に突入!」の文字画像NLを所定の時間(例えば5秒間)表示する。また文字画像NCの表示では、上記文字画像NLの表示に続いて、図46(B)に示すような、表示画面7aの上部左側に位置する、枠で囲まれた「モードS2中」の文字画像NCを所定の時間(例えば295秒間)表示する。この文字画像NCの表示により遊技者は、遊技モードが第2特殊演出モードS2であることを認識することが可能となっている。特に一発告知演出NV(図47)は、大当たりに当選した場合に出現する演出であるため、上記文字画像NCの表示からしか第2特殊演出モードS2であることを遊技者が認識することができない。
続いてステップS5504では第2モードフラグをONにし、カウントアップタイマの値をクリアして(S5505)、第2モードタイマをセットする(S5506)。ステップS5505でカウントアップタイマの値、つまり累計時間TCを「0」にクリアするので、当該第2特殊演出モードS2の設定以降、累計時間TCが「0」から累計して計時することになる。また、第2モードタイマには、第2特定時間(即ち第2特殊演出モードS2の設定期間、具体的には文字画像NLの表示時間および文字画像NCの表示時間に相当する時間、例えば300秒間(300s))をセットする。
一方、ステップS5501において第2モードフラグがONであれば(S5501でYES)、第2モードタイマの値を所定の値(0.010s)だけ減算して(S5507)、その減算後の第2モードタイマの値が「0」を超えているか否かを判定する(S5508)。第2モードタイマの値が「0」を超えている場合には(S5508でYES)本処理を終える。一方、第2モードタイマが「0」以下の場合には(S5508でNO)、第2特殊演出モードS2の実行を終了するべく、モードステータスを「5」から「1」に変更して演出モードを演出モードAに設定し(S5509)、第2モードフラグをOFFにして(S5510)本処理を終える。
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本第1形態のパチンコ遊技機1は、特図1保留球数の値(これに対応した第1保留球数カウンタの値)が上限数と同じ「4」のときの時間を累計した累計時間TCに応じて、通常では表示されない特殊演出、即ち図45(B)に示す第1特殊演出モードS1における特別演出MV、および、図47に示す第2特殊演出モードS2中における一発告知演出NVを遊技者に示すことが可能である。このため遊技者は、上記特別演出MVや一発告知演出NVを遊技中に実行(出現)させるべく、特図1保留球数の値が「4」の状態を維持させようと、第1特別図柄表示器41aにおける第1特別図柄の変動中(およびこれに伴う演出図柄8L,8C,8Rの変動中)でも「止め打ち」をしなくなる。つまり、特図1保留球数の値が「4」に満たない時点で遊技者が「止め打ち」するのを防止可能である。従って、単位時間当たりの遊技球の使用数量が少なくなるのを抑えることが可能となり、稼働率の低下を防ぐことが可能である。
また本形態では、特図1保留球数の値(第1保留球数カウンタの値)が上限数と同じ値「4」のときの時間を累計しているため、少なくとも特図1保留球数の値が上限数の「4」に到達するまでは、遊技者の「止め打ち」を防止することが可能である。このため特図1保留球数の値が「4」より小さな値、例えば「3」以上のときの時間を累計する構成よりも、稼働率の低下を防ぐことが可能である。また本形態では、上記特別演出MVや一発告知演出NVは、特図1保留球数の値(第1保留球数カウンタの値)を上限値と同じ「4」にすることに対するメリットとして遊技者に容易に認識させ得る。即ち、特別な映像を集めた一連の動画演出である特別演出MV、および、極めて稀なキャラクタの登場を伴う演出である一発告知演出NVはいずれも本パチンコ遊技機1では希少価値の高い演出であり、特図1保留球数の値を「4」に維持させるべく、「止め打ち」をしないで遊技を行うメリットを遊技者に容易に認識させることが可能となっている。つまり本形態では、遊技者の「止め打ち」を防止可能なだけではなく、特図1保留球数の値を「4」に維持させようと、演出モードが演出モードAのときには第1始動口20への入球を狙うといった、遊技者から遊技に対する積極性を引き出すことが可能となっている。
また本パチンコ遊技機1では、画像表示装置7の表示画面7aに、累計時間TCを秒単位で表示する文字列TLを設けているので、この文字列TLを通じて累計時間TCを遊技者に認識させることが可能となっている。
また演出制御用マイコン91は、図38に示す特殊演出モード処理において、ステップS5203でYESの場合、即ちカウントアップタイマの値(累計時間TC)が「200s」以上の場合には、第2特殊演出モードS2の一発告知演出NVを実行するべく、ステップS5209の第2特殊演出モード実行処理を行う。また、ステップS5206でYESの場合、即ちカウントアップタイマの値(累計時間TC)が「100s」以上(且つ「200s」未満)の場合には、第1特殊演出モードS1の特別演出MVの実行選択をするべく、ステップS5207の第1特殊演出モード選択処理を行う。このように、累計時間TCの長さに応じて、実行可能な演出を特別演出MV又は一発告知演出NVに変化させることが可能となっている。従って、累計時間TCとしてより長い時間を貯めようという遊技者の意欲をかき立てることが可能となっている。
また、第1特殊演出モードS1は、図45(B)に示す上記特別演出MVを行うための演出モードであり、通常の演出モードである演出モードAとは異なる。また、第2特殊演出モードS2は、図47に示す上記一発告知演出NVを行うための演出モードであり、演出モードAとは異なる。これら第1特殊演出モードS1および第2特殊演出モードS2は、累計時間TCに応じて設定され得るため、演出モードの変化、即ち演出モードAと第1特殊演出モードS1との間での変化、又は、演出モードAと第2特殊演出モードS2との間での変化によって、遊技者を飽きさせないパチンコ遊技機1とすることが可能である。
また演出制御用マイコン91は、図39に示す第1特殊演出モード選択処理において、ステップS5308でYESの場合、即ち演出ボタン63が押下された場合には、第1特殊演出モードS1に設定するべく、ステップS5312の第1特殊演出モード実行処理を行う。一方、ステップS5308でNOの場合、即ち演出ボタン63が押下されない場合には、上記ステップS5312の第1特殊演出モード実行処理には進まない。このため、第1特殊演出モードS1の設定の可否を遊技者により決めることが可能である。従って、遊技者の好みに合わせた演出を実行することが可能となっている。特に本形態では、特別演出MVは、カウントアップタイマの値が100sに達したときに実行可能な特殊演出であり、一発告知演出NVは、それよりも長い200sに達したときに実行され得る特殊演出である。このため、特別演出MVの実行をキャンセルして、特別
演出MVとは異なる一発告知演出NVが実行され得るように、遊技者が選択可能となっている。
また、大当たり遊技の実行中のときには特図1保留球数の値(第1保留球数カウンタの値)が上限数の「4」であっても、カウントアップタイマによってそのときの時間を累計しない。このため累計時間TCを稼ぐべく、特図1保留球数の値を「4」とした上で大当たり遊技の実行を必要以上に長引かせるような遊技(即ち上述したような、大当たりのラウンド毎に、大入賞口30への入賞個数を9個未満としたままラウンド時間が28秒経過するまで「止め打ち」を行う遊技)を防ぐことが可能である。
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記第1形態では、第1特図保留記憶部85aを保留記憶手段とし、この第1特図保留記憶部85aに記憶している特図1保留球数の値(保留情報の数)に基づいて、カウントアップタイマを作動させた。しかし例えば、第2特図保留記憶部85bを保留記憶手段とし、この第2特図保留記憶部85bに記憶している特図2保留球数の値に基づいて、カウントアップタイマを作動させてもよい。この場合、保留球数加算処理(上記第1形態の図31)におけるステップS4504の処理をステップS4506とステップS4507との間に移動させる。またタイマ始動処理(図32)におけるステップS4602の処理を「第2保留球数カウンタ=『4』?」に変更する。また保留球数減算処理(図34)におけるステップS4803の処理をステップS4804の処理の後に移動させる。さらにタイマ停止処理(図35)におけるステップS4901の処理を「第2保留球数カウンタ=『3』?」に変更する。
また例えば、普通図柄乱数の取得の契機となり得るゲートの通過を通常時から狙って遊技する構成では、普図保留記憶部86を保留記憶手段とし、この普図保留記憶部86に記憶している普図保留の数を保留情報の数とし、この普図保留の数が所定数以上のときの時間をカウントアップタイマ(計時手段)で累計可能としてもよい。
また上記第1形態では、特図1保留球数の値(第1保留球数カウンタの値,保留情報の数)が上限数と同じ「4」のときの時間を累計して累計時間TCとした。しかしながら、例えば保留情報の数が「3」以上のときの時間を累計して累計時間としてもよい。つまり、保留情報の数に関する所定数を「3」としてもよい。この場合、タイマ始動処理(上記第1形態の図32)のステップS4602を「特図1保留球数≧3?」に変更する。さらにタイマ停止処理(図35)のステップS4901を「特図1保留球数=2?」に変更する。また例えば、上限数が「4」の保留情報の数に関する所定数を「2」としてもよい。
また上限数を「4」以外の値、例えば入球した遊技球を始動口内で均等に振り分けて第1特図保留と第2特図保留とが交互に溜まり、第1特図保留と第2特図保留とを入賞順に消化する構成において「8」としてもよい。このような構成の場合、例えば、保留情報の数に関する所定数を「8」として、保留球数の値が「8」のときの時間を累計するようにしてもよい。この場合の具体例として、タイマ始動処理(図32)のステップS4602を「第1保留球数カウンタと第2保留球数カウンタとの総計が『8』?」に変更し、タイマ停止処理(図35)のステップS4901を「第1保留球数カウンタと保留球数カウンタとの総計が『7』?」に変更する。また例えば、保留情報の数に関する所定数を「7」として、保留球数の値が「7」以上のときの時間を累計するようにしてもよい。この場合の具体例として、上記タイマ始動処理のステップS4602を「第1保留球数カウンタと第2保留球数カウンタとの総計が『7』以上?」に変更し、タイマ停止処理(図35)のステップS4901を「第1保留球数カウンタと保留球数カウンタとの総計が『6』?」に変更する。また、単に第1特図保留と第2特図保留とを入賞順に消化する構成において上限数を例えば「8」としてもよい。
また上記第1形態では、特別演出MVおよび一発告知演出NVの2つを特殊演出として示したが、1つの特殊演出のみを設けた形態でも、3つ以上の特殊演出を設けた形態でもよい。また、一発告知演出NVを実行可能とするための第2特殊演出モードS2への変更に関しては遊技者が選択できない構成とした。しかしながら、第2特殊演出モードへの変更に関して、上記第1形態の第1特殊演出モードS1と同じように、遊技者が選択できる構成としてもよい。また第1特殊演出モードへの変更に関して、上記第1形態の第2特殊演出モードS2と同じように、遊技者が選択できない構成としてもよい。この場合、具体的には、特殊演出モード処理(上記第1形態の図38)のステップS5207で、図40に示す第1特殊演出モード実行処理を行わせる一方、ステップS5204,S5208の各処理を行わせないようにする。また上記第1特殊演出モード実行処理のステップS5404についても実行させない。かくして、第1特殊演出モードへの変更を遊技者が選択できない構成とすることが可能となる。
また上記第1形態では、特別演出MVを実行する第1特殊演出モードS1の期間、および、一発告知演出NVを実行可能な第2特殊演出モードS2の期間を、所定の時間で区切った。しかしながら例えば、変動演出終了処理(上記第1形態の図36)に示すモードカウンタと同様に、特別図柄の変動表示の回数に上限を設けて、その変動表示の回数で各特殊モードS1,S2の期間を管理してもよい。
具体的に例えば、図48に示すように、第1特殊演出モード実行処理において、上記第1形態と同様にしてステップS5401〜S5405の各処理を実行後、第1モードカウンタの値に上限数(例えば「30」等)をセットして(S5416)本処理を終える。但し、ステップS5401でYESの場合にそのまま処理を終える点で上記第1形態とは異なる。また図49に示すように、第2特殊演出モード実行処理において、上記第1形態と同様にしてステップS5501〜S5505の各処理を実行後、第2モードカウンタの値に上限数(例えば「30」等)をセットして(S5516)本処理を終える。但し、ステップS5501でYESの場合にそのまま処理を終える点で上記第1形態とは異なる。
さらに図50に示すように、変動演出終了処理において、ステップS5003でNOの場合には、モードステータスの値が「1」か否かを判定する(S5020)。本変形形態では、モードステータスの値が「2」のとき、および、「3」のときに加えて、「4」のとき、および、「5」のときでも上述したモードカウンタ(第1モードカウンタ,第2モードカウンタ)に上限数をセットする。つまり、モードステータスが「1」以外の場合にはいずれかのモードカウンタに上限数がセットされていることになる。そこで、ステップS5020においてモードステータスの値が「1」の場合には(S5020でYES)、上述したステップS5014に進むが、モードステータスが「1」以外の場合には(S5020でNO)、上限数がセットされたモードカウンタ(モードステータスが「4」の場合は「第1モードカウンタ」、モードステータスが「5」の場合は「第2モードカウンタ」にそれぞれ該当)の値を1減算する(S5021)。そしてそのモードカウンタの値が「0」でなければ(S5022でNO)そのままステップS5014に進むが、「0」になれば(S5022でYES)モードステータスの値に「1」をセットする(S5023)。
なおこの時点で、モードステータスが「4」のときには第1モードフラグが、モードステータスが「5」のときには第2モードフラグがそれぞれONになっている。そこでステップS5024では、モードフラグ(第1モードフラグ又は第2モードフラグ)がONかどうかを判定し、いずれかのモードフラグがONであれば(S5024でYES)、そのモードフラグをOFFして(S5025)ステップS5014に進むようにする。かくして、特別図柄の変動表示の回数で各特殊モードS1,S2の期間を管理することが可能となる。
また上記第1形態では、図43に示すように、累計時間TCに基づく文字列TLを遊技盤2内の画像表示装置7の表示画面7aに表示した。しかしながら、遊技機の遊技盤2以外の部位、例えば遊技機1の打球供給皿61の上側に位置する上面部や遊技機枠50上に上記画像表示装置7とは異なる画像表示装置を設け、この画像表示装置を通じて文字列TLを表示してもよい。また「○○秒」といった態様の文字列TL(図43参照)を示したが、この態様に限らず、例えば累計時間の10秒分を「1ポイント」として、「○○ポイント」といった態様の文字列TMとしてもよい(図51参照)。また例えば、累計時間の15秒分を1個のセグメントとして、累計時間に応じた数のセグメント群TSで表示してもよい(図52参照)。
また上記第1形態では、特殊演出として画像表示装置7を用いた画像演出(特別演出MVおよび一発告知演出NV)を示した。しかしながら特殊演出を、例えばランプ類を用いた演出としてもよい。この場合、演出制御用マイコン91が、ランプ制御基板107を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプ類を点灯(又は点滅)させる。このときの点灯の態様(又は点滅の態様)を、例えば、通常時には点灯しないランプを点灯させたり、ランプ類の全点灯をさせたり、通常時とは異なる色で点灯させたりするなど、通常の態様とは異なる態様とすればよい。具体的には、第1特殊演出モード実行処理(上記第1形態の図40)のステップS5403において、演出制御用マイコン91がランプ類を用いた特殊演出を実行するようにすればよい。さらに、第2特殊演出モード実行処理(図41)のステップS5503においても、演出制御用マイコン91がランプ類を用いた特殊演出を実行するようにすればよい。なお特殊演出が複数ある場合には、少なくとも1つの特殊演出にランプ類を用いた演出を採用してもよい。
また特殊演出を、例えば音声等の音を用いた演出としてもよい。この場合、演出制御用マイコン91が、音声制御基板106を介して、スピーカ67から音を出力する。このときにスピーカ67から出力する音として、例えば、通常時とは異なる特別な楽曲を流したり、特殊な効果音や音声を発したりするなど、通常とは異なる内容(態様)の音が挙げられる。具体的には、第1特殊演出モード実行処理(上記第1形態の図40)のステップS5403において、演出制御用マイコン91がスピーカ67を用いた音による特殊演出を実行するようにすればよい。さらに、第2特殊演出モード実行処理(図41)のステップS5503においても、演出制御用マイコン91がスピーカ67を用いた音による特殊演出を実行するようにすればよい。なお特殊演出が複数ある場合には、少なくとも1つの特殊演出に音を用いた演出を採用してもよい。
また上記第1形態では、複数の演出モードを設けたパチンコ遊技機1を示したが、演出モードを備えていない遊技機でもよい。この場合、第1特殊演出モード実行処理(上記第1形態の図40)におけるステップS5402の処理を実行させないことで、第1特殊演出モードの変更を伴わないで(即ち、画像表示装置7には第1特殊演出モードを示唆する表示が無い状態で)、画像表示装置7の表示画面7aに特別演出MVを単独で表示することが可能となる。また、第2特殊演出モード実行処理(図41)におけるステップS5502の処理を実行させないことで、第2特殊演出モードの変更を伴わないで(即ち、画像表示装置7には第2特殊演出モードを示唆する表示が無い状態で)、大当たり抽選に当選した場合には画像表示装置7の表示画面7aに一発告知演出NVを単独で表示することが可能となる。
また上記第1形態では一発告知演出NVを、演出図柄の変動演出中における予告演出とした。しかしながら、始動口への入賞(入球)時に遊技者に所定の利益を付与するか否かの当否判定の結果(情報)を含む始動入賞コマンドを生成し、その始動入賞コマンドに基づいて演出制御用マイコン91が当該演出図柄の変動演出前に大当たりの当選を示唆する所謂「先読み演出」としてもよい。
また上記第1形態では、モードステータスの値が「4」であるときに第1モードフラグをONとし、この第1モードフラグの状態に基づいて演出制御用マイコン91に各種処理を行わせた。しかし第1モードフラグを用いずに、モードステータスの値が「4」であるか否かの判定に基づいて演出制御用マイコン91に当該各種処理を行わせてもよい。またモードステータスの値が「5」であるときに第2モードフラグをONとし、この第2モードフラグの状態に基づいて演出制御用マイコン91に各種処理を行わせた。しかし第2モードフラグを用いずに、モードステータスの値が「5」であるか否かの判定に基づいて演出制御用マイコン91に当該各種処理を行わせてもよい。
また上記第1形態では、第1特殊演出モードS1の態様を、画像表示装置7の表示画面7aのほぼ全面にわたって特別演出MVを表示する態様とした。しかしながら、第1特殊演出モードS1の態様として、例えば他の演出モード(演出モードA等)とは異なる背景画像を表示画面7aに表示する態様や、他の演出モードでは登場しない特殊なオブジェクト画像を表示する態様や、他の演出モードとは異なる意匠の文字画像を用いて演出図柄を表示する態様などが挙げられる。また、第2特殊演出モードS2の態様に関しても、第1特殊演出モードS1と同じように、例えば他の演出モード(演出モードA等)とは異なる背景画像を表示画面7aに表示する態様や、他の演出モードとは異なる意匠の文字画像を用いて演出図柄を表示する態様などが挙げられる。
また上記第1形態では、所謂「第1種」,「デジパチ」といわれるパチンコ遊技機1を遊技機として示した。しかしながら遊技機を、所謂「第2種」,「羽根物」といわれるパチンコ遊技機や、所謂「第3種」,「権利物」といわれるパチンコ遊技機や、「第1種」のパチンコ遊技機の特徴と「第2種」のパチンコ遊技機の特徴とを併せ持つ所謂「1種2種混合」といわれるパチンコ遊技機としてもよい。また、遊技機を回胴式遊技機(パチスロ遊技機)としてもよい。
以下、本発明の構成要素と、実施形態の構成との対応をまとめて記載する。なお本発明は、この記載に限定されるものではない。
本発明の「数値情報取得手段」とは、第1形態では、図12に示すステップS211の処理を行う遊技制御用マイコン81である。
また、本発明の「所定の取得条件」とは、第1形態では、遊技領域3に設けた第1始動口20(入球口)への遊技球の入球を第1始動口センサ20a(入球検知手段)が検知することである。
また、本発明の「所定の利益を付与する」とは、第1形態では、「16R特定大当たり」又は「16R通常大当たり」の大当たり遊技を行うことをさす。
また、本発明の「当否判定手段」とは、第1形態では、図15に示すステップS1504又はステップS1505の処理を行う遊技制御用マイコン81である。
また、本発明の「所定の図柄」とは、第1形態では、「第1特別図柄」である。
また、本発明の「計時手段」とは、第1形態では、図37に示すステップS5102等の処理を行う演出制御用マイコン91である。
また、本発明の「特殊演出」とは、第1形態では、図45(B)に示す第1特殊演出モードS1における特別演出MV、および、図47に示す第2特殊演出モードS2における一発告知演出NVである。
また、本発明の「特殊演出実行手段」とは、第1形態では、図38で示すステップS4305の処理を行う演出制御用マイコン91である。
また、本発明の「累計時間報知手段」とは、第1形態では、図43に示す文字列TLを表示する演出制御用マイコン91である。
また、本発明の「複数の時間別特殊演出」とは、第1形態では、図45(B)に示す特別演出MV、および、図47に示す一発告知演出NVである。
また、本発明の「特殊な演出態様」とは、第1形態では、第1特殊演出モードS1および第2特殊演出モードS2である。
また、本発明の「演出態様設定手段」とは、第1形態では、図40に示すステップS5402、又は、図41に示すステップS5502の各処理を行う演出制御用マイコン91である。
また、本発明の「設定選択手段」とは、第1形態では、図39に示すステップS5308等の処理を行う演出制御用マイコン91である。
また、本発明の「特別遊技実行手段」とは、第1形態では、図13に示すステップS1307の処理を行う遊技制御用マイコン81である。
また、本発明の「特別遊技」とは、第1形態では、「16R特定大当たり」又は「16R通常大当たり」の大当たり遊技である。