JP5953511B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
遊技機の中には、いわゆる1種2種混合機と呼ばれるパチンコ遊技機がある。この種の遊技機の例として、下記特許文献1に記載の遊技機が知られている。この文献に記載の遊技機では、遊技球の入球し易さが変化しない始動口への入賞に基づいて大当たりの当否判定がなされる。当否判定の結果は、変動表示を経て停止表示される特別図柄によって示される。当否判定の結果が大当たり当選であれば、特定の停止態様で特別図柄が停止表示されたあと、1種大当たりとして第1大入賞口を開放する大当たり遊技が実行される。一方、電チュー(普通可変入賞装置)に係る始動口(第1入球口)への入賞がなされると、第2大入賞口(第2入球口)が開放され、その第2大入賞口内に設けられた特定領域(Vゾーン)へ遊技球が通過すると、2種大当たりとして第1大入賞口を開放する大当たり遊技が実行される。このように1種2種混合機では、1種遊技と2種遊技の2種類の遊技を楽しむことができるようになっていた。
特開2013−135893号公報
ところで、上記文献の遊技機は、大当たり遊技後に所定の確率で高ベース状態(第2入球率状態)に移行するものである。高ベース状態では、低ベース状態(第1入球率状態)に比べて電チューの開放頻度が高く、電チューに係る始動口への入賞が容易となる。よってこの状態にあるときには、2種大当たりを比較的簡単に獲得できる。つまり、大当たりに当選し易い状態にある。但し高ベース状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されると終了する。したがって、所定回数の特別図柄の変動表示の実行が終了する前に、特定領域へ遊技球を通過させられるか否かが、高ベース状態における遊技者の最大の関心事となっていた。
しかしながら上記文献の遊技機では、高ベース状態における特別図柄の変動表示の変動時間は、予め定められた変動時間に固定されており、高ベース状態中に変化することはなかった。つまり、高ベース状態の継続時間は固定されていた。これは、高ベース状態中に大当たりの当選し易さが変化することはないということである。そのため、高ベース状態(第2入球率状態)中の遊技が単調となり、遊技者を飽きさせる可能性があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、第2入球率状態において入球容易となる第1入球口への入球により第2入球口が開放され、その第2入球口内の特定領域への通過に基づいて遊技者に特典が付与される遊技機において、第2入球率状態中の遊技興趣を向上させることにある。
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段をとる。なお、以下に記す手段の説明では、後述の[発明を実施するための形態]における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、本発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(3)に配された第1入球口(第3始動口21)と、
前記第1入球口への入球が容易な第1状態と前記第1状態よりも前記第1入球口への入球が困難若しくは不可能な第2状態とに変位する第1変位部材(可動部材23)と、
前記遊技領域に配された第2入球口(第2大入賞口35)と、前記第2入球口への入球が容易な第1状態と前記第1状態よりも第2入球口への入球が困難若しくは不可能な第2状態とに変位する第2変位部材(開閉部材37)と、前記第2入球口に入球した遊技球が通過可能な特定領域(39)と、を有する特定入球手段(第2大入賞装置36)と、
所定の状態制御条件の成立に基づいて、第1入球率状態(低ベース状態)よりも前記第1変位部材が第1状態をとり易い第2入球率状態(高ベース状態)に制御可能な入球率状態制御手段(ステップS2103等を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記第1入球口への入球に基づいて前記第2変位部材を前記第2状態から前記第1状態に制御する第2変位部材制御手段(ステップS904を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記特定領域への遊技球の通過に基づいて遊技者に有利な第1特別遊技(大当たり遊技)を実行する第1特別遊技実行手段(ステップS907を行う遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記入球率状態制御手段は、前記第1特別遊技の終了時に前記状態制御条件が成立していれば、その第1特別遊技の終了後の遊技状態を前記第2入球率状態に制御するものである遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記第1入球口へ向かう遊技球の流路(第2流路R2)上に配置された第3入球口(第2始動口26)と、
前記第3入球口への入球に基づいて数値情報(大当たり乱数等の乱数値)を取得する数値情報取得手段(ステップS214を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限数まで記憶可能な記憶手段(特図保留記憶部85)と、
所定の判定条件の成立時に、前記記憶手段に記憶された数値情報が予め定めた特定数値情報(例えば小当たり当選と判定される判定値)であるか否かを判定する数値情報判定手段(ステップS1002を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記数値情報判定手段による判定の結果を示す図柄(第2特別図柄)を変動表示を経て停止表示する手段であって、前記判定の結果が特定数値情報である場合には所定の特殊態様(小当たり図柄)で前記図柄を停止表示する図柄表示手段(ステップS805を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄の変動表示の変動時間を決定する変動時間決定手段(ステップS1003を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記記憶手段に記憶された前記数値情報に基づいて、その数値情報が前記数値情報判定手段により前記特定数値情報であると判定されるか否かの情報を含む入賞情報(始動入賞コマンド)を、その数値情報の記憶の際に生成する入賞情報生成手段(ステップS215を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記入賞情報生成手段により生成された前記入賞情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている数値情報の中に前記特定数値情報があるか否かを、前記第1特別遊技の終了後の遊技状態が前記第2入球率状態に制御される第1特別遊技の実行中に判定する第1特別遊技時判定手段(ステップS5303を実行する演出制御用マイコン91)と、
予め定められた複数の演出モードのうちのいずれかの演出モードにて、所定の演出手段(画像表示装置7)を用いて演出を行う演出実行手段(ステップS4408を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記入球率状態制御手段は、前記第2入球率状態において前記図柄の変動表示の実行に起因する所定の終了条件が成立したときには、前記第2入球率状態への制御を終了する(ステップS1703でYESならS1704を行う)ものであり、
前記変動時間決定手段は、少なくとも前記第2入球率状態においては、
前記数値情報判定手段により前記特定数値情報であると判定されたことを示す特殊態様(例えば小当たり図柄)で前記図柄が停止表示されるまでは、予め定めた基準変動時間(例えば30000ms)に選択され得る基準テーブル(基準変動パターン判定テーブル)に基づいて変動時間を決定する一方、
前記特殊態様で前記図柄が停止表示されてから所定の復帰条件が成立するまでは、前記基準変動時間とは異なる特殊変動時間(例えば60000ms)に選択され得る特殊テーブル(特殊変動パターン判定テーブル)に基づいて変動時間を決定するものであり、
前記演出実行手段は、
前記第1特別遊技の実行中に前記第1特別遊技時判定手段により前記特定数値情報がないと判定されると、その第1特別遊技の終了後の第2入球率状態において、所定の第1演出モード(夕方背景モード)にて演出を開始する一方(ステップS5102でNOならS5105を行うことがあり)、
前記第1特別遊技の実行中に前記第1特別遊技時判定手段により前記特定数値情報があると判定されると、その第1特別遊技の終了後の第2入球率状態において、前記第1演出モードの実行中よりも遊技者に有利な状態にあることを示唆する第2演出モード(夜背景モード)にて演出を開始する(ステップS5102でYESならS5106を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
手段1に係る発明によれば、第2入球率状態では第2入球口の開放契機となる第1入球口への入球が容易である。そのため、第2入球口内の特定領域への通過に基づき遊技者に有利な第1特別遊技が実行され易い。この第2入球率状態は、図柄の変動表示の実行に起因する所定の終了条件が成立するまで続く。そのため、遊技者にとっては図柄の変動表示はあまり実行されない方が有利となる。つまり図柄の変動表示の変動時間は長い方が有利となる。本発明では、少なくとも第2入球率状態においては、図柄の変動表示の開始契機となる第3入球口への入球に基づき取得された数値情報が特定数値情報と判定されると、その判定結果を示す図柄の停止表示以降はそれ以前の基準変動時間よりも長い特殊変動時間にて図柄の変動表示が実行され得る。つまり、第2入球率状態の継続時間が、遊技者の引き次第で変化することとなる。従って、特定領域への通過に基づく第1特別遊技の実行がなされ易い第2入球率状態における遊技興趣を、高めることが可能となる。
また、第1特別遊技の実行中の数値情報の記憶(保留記憶)に、第2特別遊技を行う判定結果となる特定数値情報がある場合には、第1特別遊技の終了後の第2入球率状態では、第1演出モードの実行中よりも遊技者に有利な状態にあることを示唆する第2演出モードにて演出が行われる。よって、このような第2演出モードの実行によって、遊技者に対して再び第1特別遊技を獲得し易い状態であることを示唆することが可能となり、これにより遊技興趣を高めるとともに、遊技者の遊技意欲をかき立てることが可能となる。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第1特別遊技の実行中に前記第1特別遊技時判定手段により前記特定数値情報があると判定されると、その第1特別遊技の実行中に、前記第2演出モードの実行を示唆する実行モード示唆演出を行う(例えばステップS5303でYESならS5304を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
手段2に係る発明によれば、実行モード示唆演出の実行により、第2演出モードに制御されることを遊技者に対してわかりやすく示すことが可能となるとともに、第1特別遊技中の遊技興趣を高めることが可能となる。
手段3に係る発明は、
手段1又は手段2に記載の遊技機であって、
前記特殊態様(小当たり図柄)で前記図柄が停止表示されたあと、遊技球の入球が困難な開放態様で前記第2入球口(第2大入賞口35)又は前記第1〜第3入球口のいずれとも異なる他の入球口(第1大入賞口30)を開放する第2特別遊技(小当たり遊技)を実行する第2特別遊技実行手段(ステップS808を行う遊技制御用マイコン81)を備え、
前記入球率状態制御手段は、前記第2特別遊技の実行後の遊技状態を前記第2特別遊技の実行前と同じ遊技状態に制御するものであり、
前記変動時間決定手段は、前記第2特別遊技の実行後において前記特殊テーブルに基づく変動時間の決定を行うものであることを特徴とする遊技機である。
手段3に係る発明によれば、賞球等の特典を得難い第2特別遊技の実行後に、図柄の変動表示の変動時間が特殊変動時間に変更される。つまり、第2特別遊技の実行に変動時間の変更という役割をもたせることが可能となる。よって、第2入球率状態では第2特別遊技を行う判定結果となることに注意を向けて遊技させることが可能となる。つまり、第2特別遊技を効果的に用いた遊技性によって、第2入球率状態における遊技興趣を一層高めることが可能となる。
手段4に係る発明は、
手段1から手段3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記所定の終了条件は、前記第2入球率状態における前記図柄の変動表示の実行回数が所定の上限回数(例えば10回)に至ることであることを特徴とする遊技機である。
手段4に係る発明によれば、第2入球率状態における図柄の変動表示の実行回数が所定の上限回数に至ると第2入球率状態への制御が終了する。そのため、図柄の変動表示の実行の度に遊技者に対して第2入球率状態の終了が迫ってくる緊迫感を与えることが可能となり、第2入球率状態におけるゲーム性を向上させることが可能となる。
手段5に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(3)に配された第1入球口(第3始動口21)と、
前記第1入球口への入球が容易な第1状態と前記第1状態よりも前記第1入球口への入球が困難若しくは不可能な第2状態とに変位する第1変位部材(可動部材23)と、
前記遊技領域に配された第2入球口(第2大入賞口35)と、前記第2入球口への入球が容易な第1状態と前記第1状態よりも第2入球口への入球が困難若しくは不可能な第2状態とに変位する第2変位部材(開閉部材37)と、前記第2入球口に入球した遊技球が通過可能な特定領域(39)と、を有する特定入球手段(第2大入賞装置36)と、
所定の状態制御条件の成立に基づいて、第1入球率状態(低ベース状態)よりも前記第1変位部材が第1状態をとり易い第2入球率状態(高ベース状態)に制御可能な入球率状態制御手段(ステップS2103等を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記第1入球口への入球に基づいて前記第2変位部材を前記第2状態から前記第1状態に制御する第2変位部材制御手段(ステップS904を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記特定領域への遊技球の通過に基づいて遊技者に有利な第1特別遊技(大当たり遊技)を実行する第1特別遊技実行手段(ステップS907を行う遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記入球率状態制御手段は、前記第1特別遊技の終了時に前記状態制御条件が成立していれば、その第1特別遊技の終了後の遊技状態を前記第2入球率状態に制御するものである遊技機であって、
前記第1入球口へ向かう遊技球の流路(第2流路R2)上に配置された第3入球口(第2始動口26)と、
前記第3入球口への入球に基づいて数値情報(大当たり乱数等の乱数値)を取得する数値情報取得手段(ステップS214を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限数まで記憶可能な記憶手段(特図保留記憶部85)と、
所定の判定条件の成立時に、前記記憶手段に記憶された数値情報が予め定めた特定数値情報(例えば小当たり当選と判定される判定値)であるか否かを判定する数値情報判定手段(ステップS1002を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記数値情報判定手段による判定の結果を示す図柄(第2特別図柄)を変動表示を経て停止表示する手段であって、前記判定の結果が特定数値情報である場合には所定の特殊態様(小当たり図柄)で前記図柄を停止表示する図柄表示手段(ステップS805を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄の変動表示の変動時間を決定する変動時間決定手段(ステップS1003を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記記憶手段に記憶された前記数値情報に基づいて、その数値情報が前記数値情報判定手段により前記特定数値情報であると判定されるか否かの情報を含む入賞情報(始動入賞コマンド)を、その数値情報の記憶の際に生成する入賞情報生成手段(ステップS215を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記入賞情報生成手段により生成された前記入賞情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている数値情報の中に前記特定数値情報があるか否かを、前記第1特別遊技の終了後の遊技状態が前記第2入球率状態に制御される第1特別遊技の実行中に判定する第1特別遊技時判定手段(ステップS5303を実行する演出制御用マイコン91)と、
予め定められた複数の演出モードのうちのいずれかの演出モードにて、所定の演出手段(画像表示装置7)を用いて演出を行う演出実行手段(ステップS4408を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記入球率状態制御手段は、前記第2入球率状態において前記図柄の変動表示の実行に起因する所定の終了条件が成立したときには、前記第2入球率状態への制御を終了する(ステップS1703でYESならS1704を行う)ものであり、
前記変動時間決定手段は、少なくとも前記第2入球率状態においては、
前記数値情報判定手段により前記特定数値情報であると判定されたことを示す特殊態様(例えば小当たり図柄)で前記図柄が停止表示されるときには、その図柄の変動表示の変動時間を、予め定めた基準変動時間(例えば30000ms)とは異なる特殊変動時間(例えば60000ms)に決定する一方、
前記特殊態様ではない態様で前記図柄が停止表示されるときには、その図柄の変動表示の変動時間を、少なくとも前記基準変動時間を含む変動時間の中から選択した変動時間に決定するものであり、
前記演出実行手段は、
前記第1特別遊技の実行中に前記第1特別遊技時判定手段により前記特定数値情報がないと判定されると、その第1特別遊技の終了後の第2入球率状態において、所定の第1演出モード(夕方背景モード)にて演出を開始する一方(ステップS5102でNOならS5105を行うことがあり)、
前記第1特別遊技の実行中に前記第1特別遊技時判定手段により前記特定数値情報があると判定されると、その第1特別遊技の終了後の第2入球率状態において、前記第1演出モードの実行中よりも遊技者に有利な状態にあることを示唆する第2演出モード(夜背景モード)にて演出を開始する(ステップS5102でYESならS5106を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
手段5に係る発明によれば、第2入球率状態は図柄の変動表示の実行に起因する所定の終了条件が成立するまで続くところ、少なくとも第2入球率状態においては、図柄の変動表示の開始契機となる第3入球口への入球に基づき取得された数値情報が特定数値情報と判定されると、その判定結果を示すための図柄の変動表示の変動時間は、基準変動時間よりも長い特殊変動時間に決定される。つまり、第2入球率状態における図柄の変動表示の実行頻度が、遊技者の引き次第で変化することとなる。これは、第2入球率状態の継続時間が遊技者の引き次第で変化することを意味する。従って、特定領域への通過に基づく第1特別遊技の実行がなされ易い第2入球率状態における遊技興趣を、高めることが可能となる。
本発明によれば、第2入球率状態中の遊技興趣を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図である。 図1に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 当たりの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は当たり種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルであり、(D)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(E)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 センサ検出処理のフローチャートである。 センサ検出処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 第1特別動作処理のフローチャートである。 第2特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 大当たり判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 遊技状態リセット処理のフローチャートである。 特別電動役物処理1(第1又は第2特別遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 遊技状態フラグ設定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理2(第3特別遊技)のフローチャートである。 特別電動役物処理2(第3特別遊技)のフローチャートである。 特図強制停止処理のフローチャートである。 特定領域センサ検出処理のフローチャートである。 保留球数処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 遊技状態ステータス設定処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 演出モード設定処理のフローチャートである。 特別遊技演出選択処理のフローチャートである。 エンディング演出選択処理のフローチャートである。 (a)は通常遊技状態を示唆する演出モードにおける背景画像を示す図であり、(b)は時短状態Aを示唆する演出モードにおける背景画像を示す図であり、(c)は時短状態Bを示唆する演出モードにおける背景画像を示す図である。 始動入賞コマンド特定テーブルである。 第2形態に係る変動パターン判定テーブルである。
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図4参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図2参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技(第1特別遊技)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図2参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
第1始動口20の右方にも、遊技球の入球し易さが常に変わらない第2始動口(第2始動入賞口)26を備える第2固定入賞装置25が設けられている。第2始動口26への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の下方には、第3始動口(第3始動入賞口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第3始動口21への遊技球の入賞は、後述する第2大入賞口35の開放契機となっている。つまり本形態では、第3始動口21へ遊技球が入賞すると、大当たり乱数等の乱数を用いた抽選を経ることなく、所定の開放パターンで第2大入賞口35が開放される。この第2大入賞口35を開放させる遊技を第3特別遊技と称することとする。なお、第3始動口21は「第1入球口」に相当し、第2始動口26は、「第3入球口」に相当する。
電チュー22は、可動部材(第1変位部材に相当)23を備え、可動部材23の作動によって第3始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図3参照)により駆動される。第3始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態(第1状態に相当)をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態(第2状態に相当)をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第3始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態(第1状態に相当)と閉状態(第2状態に相当)とをとる開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図3参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態(第1状態に相当)と閉状態(第2状態に相当)とをとる開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図3参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。なお、第2大入賞口35は「第2入球口」に相当し、開閉部材37は「第2変位部材」に相当し、第2大入賞装置36は「特定入球手段」に相当する。また、第1大入賞口30は「他の入球口」に相当する。
第2大入賞装置36の内部には、複数(本形態では6つ)の穴部71を有するクルーン72が設けられている。クルーン72は、これらの6つの穴部71のいずれかに遊技球を振り分ける振分装置である。6つの穴部71のうちの1つは、特定領域(Vゾーン)39を構成している。他の穴部71は、非特定領域70を構成している。本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技(第1特別遊技)の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。なお本形態では、第2大入賞口35に入賞した遊技球が特定領域39を通過する確率は1/6程度である。この確率は適宜変更可能である。
この第2大入賞装置36において、特定領域39の下流には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39a(図3参照)が配されている。また、非特定領域70の下流には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70a(図3参照)が配されている。また、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35a(図3参照)が配されている。
なお第2大入賞装置36は、クルーン72によって特定領域39への遊技球の振り分けがなされるものでなくてもよい。例えば、特定領域への遊技球の通過を許容する(つまり特定領域へ遊技球を振り分ける)通過許容状態と、特定領域への遊技球の通過を阻止する(つまり非特定領域へ遊技球を振り分ける)通過阻止状態とをとる振分部材(シャッター部材)と、振分部材を駆動する駆動源(ソレノイドやモータ)とを備える構成であってもよい。
また、遊技領域3におけるセンター装飾体10の右方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、複数の普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口9が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、電チュー22と、アウト口9とが設けられている。但し第1流路R1上には、電チュー22の開放抽選の契機となるゲートが設けられていないため、第1流路R1を転動するように遊技球を打ち込んでいるときには、電チュー22が開放することはない。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、第2大入賞装置36と、第2始動口26と、第1大入賞装置31と、電チュー22と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第3始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。また、第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むと、第2始動口26への入賞も生じる。
また図1および図2に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口26への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口26への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄又は小当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる第1特別遊技(大当たり遊技)又は第2特別遊技(小当たり遊技)が行われる。なお、第1特別遊技又は第2特別遊技における第1大入賞口30の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口26への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値は、特図保留記憶部85(図3参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図3参照)に記憶され、第2始動口26への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図3参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口26への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や第1特別遊技又は第2特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第3始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第3始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図2参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図3参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図3及び図4に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図3及び図4に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ26a、第3始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ26aは、第2始動口26内に設けられて第2始動口26に入賞した遊技球を検出するものである。第3始動口センサ21aは、第3始動口21内に設けられて第3始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39の下流に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70の下流に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図4に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」(特殊態様の停止図柄)が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「第1特別遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる第2特別遊技が実行される。第1特別遊技を大当たり遊技ともいい、第2特別遊技を小当たり遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第1大入賞口30を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニングと、小当たり開放遊技が終了した後のエンディングとを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。これを第1の利益ともいう。より詳細には本形態では、図5に示すように、大当たりの種別として「15R(ラウンド)通常大当たり」と「15R時短大当たり」とがある。「15R通常大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する大当たりである。一方、「15R時短大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。なお、両大当たりとも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
また、「15R通常大当たり」は第1特別図柄(特図1)の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「15R時短大当たり」は第1特別図柄の抽選と第2特別図柄(特図2)の抽選で当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「15R通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄1」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「15R時短大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短図柄2」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「15R時短大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄2」が停止表示される。
一方特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第1大入賞口30を1秒にわたって1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技の前後で遊技状態は変化されない。なお、小当たりは第2特別図柄(特図2)の抽選でのみ当選する可能性がある。本形態では小当たりの種別として、「小当たりA」と「小当たりB」とがある。後述するように本パチンコ遊技機1は、小当たり遊技後に変動パターン判定テーブルを基準変動パターン判定テーブルから特殊変動パターン判定テーブルに変更するものであるが、小当たりAの後は、3回(第1実行回数の例)の特別図柄の変動表示にわたって特殊変動パターン判定テーブルが用いられ、小当たりBの後は、5回(第2実行回数の例)の特別図柄の変動表示にわたって特殊変動パターン判定テーブルが用いられる。
なお、特図2の抽選によって「小当たりA」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_小当たり図柄1」(第1特殊態様の例)が停止表示される。また、特図2の抽選によって「小当たりB」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_小当たり図柄2」(第2特殊態様の例)が停止表示される。
また、第3始動口21への入賞がなされると、所定の開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「第3特別遊技」が実行される。本形態の第3特別遊技では、1.2秒の開放が1回なされる。第3特別遊技中に第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞口35内の特定領域39を通過すると、大当たり当選となり(つまり2種大当たり当選となり)、第3特別遊技に続いて、所定の開放パターンで第1大入賞口30を開放させる「第1特別遊技(大当たり遊技)」が実行される。特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。2種大当たり遊技の実行を、第2の利益ともいう。
本形態の2種大当たり遊技は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態かつ高ベース状態」に制御する「15R時短大当たり」である。なお、この15R時短大当たりにおける1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。なお、第3特別遊技としての第2大入賞口35の開放を1R目の単位開放遊技とみれば、2種大当たり遊技の総ラウンド数を16Rとみることもできる。
なお、第1特別図柄(特図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、15R通常大当たりが50%、15R時短大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全て15R時短大当たりとなっている。また、第2特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、小当たりAが50%、小当たりBが50%となっている。また、特定領域39への通過により当選した大当たりは、全て15R時短大当たりとなっている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たり又は小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図6(A)に示すように、大当たり乱数は0〜629までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口26への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜198までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図6(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜240までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41には、変動時間短縮機能がある。また、普通図柄表示器42には、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、第1特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図8参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、第1特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。
但し時短状態では、後述の電サポ制御により電チュー22が頻繁に開放される。そのため、時短状態中は右打ちによって遊技され、特別図柄の変動としては、特図1の変動(第1始動口20への入球に基づく変動)ではなく、特図2の変動(第2始動口26への入球に基づく変動)が主になされる。そして本形態では、第2特別図柄に関しては、非時短状態であっても時短状態であっても、30秒を超える長い変動時間が選択されるようになっている。しかも、上述の小当たり遊技後の所定回数の変動に関しては、さらに長い60秒の変動時間が選択されるようになっている。従って本形態では、時短状態といっても、特別図柄変動が非時短状態よりもスピーディに実行されるわけではなく、むしろ非時短状態よりも長い時間をかけて実行されることとなる。
普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図7(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄(特定普通図柄)となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図7(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図9参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図9参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第3始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第3始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。低ベース状態は、「第1入球率状態」に相当し、高ベース状態は、「第2入球率状態」に相当する。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄抽選による15R時短大当たりへの当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態、及び、特定領域39への遊技球の通過に基づく大当たり遊技後の遊技状態は、時短状態かつ高ベース状態(電サポ制御状態)である(図5参照)。この遊技状態を特に、「特定遊技状態」という。特定遊技状態は、所定回数(本形態では10回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、特別図柄抽選による15R通常大当たりへの当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態は、非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である(図5参照)。この遊技状態を特に、「通常遊技状態」という。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第3始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第3始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第3始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図10〜図35に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図6に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図11に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ26a、第3始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等(図3参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図6に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)、特定領域センサ処理(S108)、および保留球数処理(S109)を実行する。その後、その他の処理(S110)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S110)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図12に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定する(S202)。そして、普通図柄保留球数が4以上であれば(S202でYES)、ステップS205に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S202でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S203)、普通図柄乱数取得処理(S204)を行う。普通図柄乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、図6(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S205)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S205でNO)にはステップS211に進むが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S206)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S206でYES)には、ステップS211に進むが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に1を加算する(S207)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S208)を行う。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S209)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S209)では、ステップS208で格納した乱数値群に基づき、図47の始動入賞コマンド特定テーブルに示す数値範囲指定に従って第1始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定(生成)する。具体的には、大当たり乱数が「629」、当たり種別乱数が「4」であれば、図47の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口の箇所の数値範囲指定に従って、第1始動入賞コマンドとして「E1H01H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE1H)と1バイトの下位コマンド(例えば01H))からなっている。
図47に示すテーブルにおける各乱数の区分けは、それぞれの乱数の判定テーブル(図7(A)の大当たり判定テーブル、図7(B)の当たり種別判定テーブル)における区分けと対応している。従って、特定された第1始動入賞コマンドには、大当たり及び小当たりの当否、並びに、当たりの種類(15R通常大当たり、15R時短大当たり、小当たりA、又は小当たりBの別)の情報が含まれている。
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、始動入賞コマンドであることを指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口26への入賞か)を指定する情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドは、大当たり及び小当たりの当否、並びに当たりの種類を指定する情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。また、始動入賞コマンドに、リーチの有無や変動パターンの内容、さらには、遊技状態(時短状態か非時短状態か)や保留個数を指定する情報が含まれるようにしてもよい。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS209で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S210)。
続いてセンサ検出処理(S104)では、図13に示すように、第2始動口26に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ26aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S211)。第2始動口26に遊技球が入賞していない場合(S211でNO)には図13のステップS217に進むが、第2始動口26に遊技球が入賞した場合には(S211でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S212)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S212でYES)には、図13のステップS217に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S212でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S213)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S214)を行う。特図2関係乱数取得処理(S214)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S215)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S215)では、ステップS214で格納した乱数値群に基づき、図47の始動入賞コマンド特定テーブルに示す数値範囲指定に従って第2始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定(生成)する。具体的には、大当たり乱数が「1」、当たり種別乱数が「1」であれば、図47の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口の箇所の数値範囲指定に従って、第2始動入賞コマンドとして「E2H03H」というコマンドを特定する。特定された第2始動入賞コマンドには、大当たり及び小当たりの当否、並びに当たりの種類を指定する情報が含まれている。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS215で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S216)。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第3始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第3始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S217)。第3始動口21に遊技球が入賞していない場合(S217でNO)には処理を終えるが、第3始動口21に遊技球が入賞した場合には(S217でYES)、続いて第1特別動作ステータスの値が「4」か否かを判定する(S218)。第1特別動作ステータスについての詳細は後述するが、第1特別動作ステータスが「4」であるということは1種大当たり遊技(第1特別遊技の一つ)又は小当たり遊技(第2特別遊技)の実行中ということである。
ステップS218の判定結果がYESであれば処理を終えるが、ステップS218の判定結果がNOであれば、続いて第2特別動作ステータスが「1」か否かを判定する(S219)。第2特別動作ステータスについての詳細は後述するが、第2特別動作ステータスが「1」であるということは第2大入賞口35を開放させる第3特別遊技も、特定領域39の通過に基づく2種大当たり遊技(第1特別遊技の一つ)も実行されていない状態ということである。
ステップS219の判定結果がNOであれば処理を終えるが、ステップS219の判定結果がYESであれば、第2大入賞口35を開放させる第3特別遊技を実行するべく、第2特別動作ステータスを「2」にセットする(S220)。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図14に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S304)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S304でYES)、本処理を終える。
ステップS304において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S304でNO)、当たり判定処理(S305)を行う。当たり判定処理(S305)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、時短状態中であれば、図7(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当たり判定値が「1」〜「240」)に基づいて当たりか否か判定する。これに対して、非時短状態中であれば、図7(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当たり判定値が「0」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S307)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、図7(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S308)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S309)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普通図柄の停止時間をセットして(S314)本処理を終える。
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S316でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S316でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図9の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図9の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS317でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S318)。
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S319)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S319でYES)、電チューの作動を終了させる(S320)。
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図15に示す第1特別動作処理(S106)を行う。第1特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および第1大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。第1特別動作処理(S106)は、1種大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン81は、「第2特別動作ステータス」が「3」であるか否かを判定する(S801)。そして「3」であれば処理を終える。「第2特別動作ステータス」が「3」であれば、後述するように大当たり遊技(2種大当たり遊技)の実行中だからである。
一方、「第2特別動作ステータス」が「3」でなければステップS802以降の処理を行う。ステップS802以降の処理では、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S802でYES)、後述する特別図柄待機処理(S803)を行い、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S802でNO、S804でYES)、後述する特別図柄変動中処理(S805))を行い、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S802,S804で共にNO、S806でYES)、後述する特別図柄確定処理(S807)を行い、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S802,S804,S806の全てがNO)、後述する特別電動役物処理1(S808)を行う。
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、第1特別動作処理(S106)に次いで、図16に示す第2特別動作処理(S107)を行う(図11参照)。第2特別動作処理(S107)では、第1大入賞装置31および第2大入賞装置36に関する処理を3つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3」を割り当てている。第2特別動作処理(S107)は、2種大当たり遊技の発生に関する処理である。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン81は、「第2特別動作ステータス」が「1」であるか否かを判定する(S901)。そして「1」であれば処理を終える。「第2特別動作ステータス」が「1」であれば、第3始動口21への有効な入賞が生じていないからである。
一方、「第2特別動作ステータス」が「1」でなければ(S901でNO)、続いて「第2特別動作ステータス」が「2」であるか否かを判定する(S902)。判定結果がYESであれば、第3始動口21への有効な入賞が生じているため、続いて「第1特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S903)。「第1特別動作ステータス」が「4」でなければ(S903でNO)、1種大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング開始後ではないので、第2大入賞口35を開放する第3特別遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2(S904)を行う。
一方、ステップS903において「第1特別動作ステータス」が「4」であれば(S903でYES)、つまり、1種大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング開始後であれば、第2特別動作ステータスを「1」にセットするとともに(S905)、第3特別遊技の強制終了処理(S906)を行う。第3特別遊技の強制終了処理(S906)では、第3特別遊技を強制的に終了させる。具体的には例えば、第2大入賞口35が開放されていれば、第2大入賞口35を強制的に閉鎖させる。これにより、1種大当たり遊技や小当たり遊技と、第3特別遊技とが同時に実行されることのないようにしている。
また、ステップS902において「第2特別動作ステータス」が「2」でない場合には(S902でNO)、「第2特別動作ステータス」が「3」であり、第2大入賞口35内の特定領域39への遊技球の通過がなされているため(図34及び図32参照)、2種大当たり遊技を実行するべく、特別電動役物処理1(S907)を行う。
[特別図柄待機処理]図17に示すように、特別図柄待機処理(S803)ではまず、第2始動口26の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口26への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口26への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1005)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)及び特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選でのみ、小当たりに当選し得るようになっている。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図18に基づいてまとめて説明する。図18に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図7(A))のアドレスをセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、大当たり判定値である「628」又は「629」の何れかと一致するか否か判定する(図7(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1105)。大当たり種別を判定(S1105)した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図5参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、小当たり判定値(特定数値情報)である「0」〜「62」の何れかと一致するか否か判定する(図7(A)参照)。なお小当たりは、特図2の抽選のみ当選の可能性がある。小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、小当たり種別(小当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図5参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1111)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理]次に図19〜図21に基づいて特図2変動パターン選択処理(S1003)について説明する。図19に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1301)。
〈非時短状態における特図2の変動パターン〉
時短状態でなければ(S1301でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図8に示す変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図8に示す変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図8に示す変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図8に示す変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。なお、非時短状態における特図2の変動時間は、大当たりの場合も、小当たりの場合も、リーチ有りハズレの場合も、リーチ無しハズレの場合も全て40000msに決定される。
またステップS1301において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1301でYES)には、図20に示すように、続いて遊技状態フラグが「2」か否かを判定する(S1309)。遊技状態フラグは、遊技制御用マイコン81が現在の遊技状態を把握するためのフラグであり、図30中の表に示すように各遊技状態に対応した「1」〜「3」までの値をとる。つまり、遊技状態フラグが「1」であれば「非時短状態」中であることを示し、遊技状態フラグが「2」であれば「時短状態A」中であることを示し、遊技状態フラグが「3」であれば「時短状態B」中であること示す。時短状態Bは、時短状態において小当たりに当選し、その小当たり遊技後の所定の上限回数(本形態では小当たりAの後は3回、小当たりBの後は5回)の変動がまだ済んでいない状態である。これに対して時短状態Aは、時短状態のうち時短状態Bではない状態である。
〈時短状態Aにおける特図2の変動パターン〉
ステップS1309において遊技状態フラグが「2」であれば(S1309でYES)、小当たり遊技後の所定の上限回数内の変動ではない。この場合には、図8の変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ時短状態Aに該当する部分(基準変動パターン判定テーブルという)を参照して、変動パターンを選択する。基準変動パターン判定テーブルは、基準テーブルに相当する。
詳細には、大当たりフラグがONであれば(S1310でYES)、時短状態A中大当たりテーブル(図8の特図2且つ時短状態A且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1311)。また小当たりフラグがONであれば(S1312でYES)、時短状態A中小当たりテーブル(図8の特図2且つ時短状態A且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1313)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1314でYES)、時短状態A中リーチ有りハズレテーブル(図8の特図2且つ時短状態A且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1315)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1314でNO)、時短状態A中リーチ無しハズレテーブル(図8の特図2且つ時短状態A且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1316)。なお、時短状態Aにおける特図2の変動時間(基準変動パターン判定テーブルに基づいて決定される変動時間)は、大当たりの場合も、小当たりの場合も、リーチ有りハズレの場合も、リーチ無しハズレの場合も全て30000msに決定される。この30000msの変動時間は、基準変動時間に相当する。
〈時短状態Bにおける特図2の変動パターン〉
ステップS1309において遊技状態フラグが「2」でなければ(S1309でNO)、小当たり遊技後の所定の上限回数内の変動である。この場合には、図8の変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ時短状態Bに該当する部分(特殊変動パターン判定テーブルという)を参照して、変動パターンを選択する。特殊変動パターン判定テーブルは、特殊テーブルに相当する。
詳細には、図21に示すように、大当たりフラグがONであれば(S1317でYES)、時短状態B中大当たりテーブル(図8の特図2且つ時短状態B且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1318)。また小当たりフラグがONであれば(S1319でYES)、時短状態B中小当たりテーブル(図8の特図2且つ時短状態B且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1320)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1321でYES)、時短状態B中リーチ有りハズレテーブル(図8の特図2且つ時短状態B且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1322)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1321でNO)、時短状態B中リーチ無しハズレテーブル(図8の特図2且つ時短状態B且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1323)。なお、時短状態Bにおける特図2の変動時間(特殊変動パターン判定テーブルに基づいて決定される変動時間)は、大当たりの場合も、小当たりの場合も、リーチ有りハズレの場合も、リーチ無しハズレの場合も全て60000msに決定される。この60000msの変動時間は、特殊変動時間に相当する。本形態では特殊変動時間は、基準変動時間の2倍の長さになっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図19に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1324)、本処理を終える。ステップS1324でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S803)におけるステップS1006でセットされる特図2変動開始コマンドに含められる。
[特図1変動パターン選択処理]次に図22および図23に基づいて特図1変動パターン選択処理(S1009)について説明する。図22に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。
〈非時短状態における特図1の変動パターン〉
時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図8に示す変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。
またステップS1402において、大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1404)。図7(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1404でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図8に示す変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1404でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図8に示す変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
〈時短状態における特図1の変動パターン〉
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図23に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図8に示す変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1402〜S1406と同様の流れで処理(S1407〜S1411)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1407でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図8の特図1且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1409でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図8の特図1且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1410)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1409でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図8の特図1且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。
なお、時短状態中の特図1の変動パターン判定テーブル(図8に示す変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の特図1の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図1の変動パターン判定テーブルよりも特図1の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図22に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1412)、本処理を終える。ステップS1412でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S803)におけるステップS1012でセットされる特図1変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図24に示すように、特別図柄変動中処理(S805)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図8参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図25に示すように、特別図柄確定処理(S807)ではまず、特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
次に、大当たりフラグ又は小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグ又は小当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1605)。その後、大当たり遊技又は小当たり遊技を開始するべく、大当たり又は小当たりのオープニングコマンドをセットして(S1606)、大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニングを開始する(S1607)。
ステップS1607に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図5を参照)をセットする(S1608)。なおこのときに、大当たり遊技又は小当たり遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS1603において大当たりフラグも小当たりフラグもONでなければ(S1603でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1609)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図26に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1703)。そして「0」であれば、時短フラグをOFFする(S1704)とともに、遊技状態フラグに「1」をセットして(S1705)、ステップS1710に進む。遊技状態フラグが「1」であることは、非時短状態にあることを示す。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「10」にセットされるようになっている。この点については後述する。
ステップS1703の判定結果がNOであれば、続いて、遊技状態フラグが「3」か否かを判定する(S1706)。遊技状態フラグが「3」であることは、時短状態Bにあることを示す。遊技状態フラグが「3」であれば(S1706でYES)、時短状態Bにおいて実行した特別図柄変動の回数をカウントする特殊変動カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1707)、特殊変動カウンタの値が「0」か否か判定する(S1708)。そして「0」であれば(S1708でYES)、遊技状態フラグの値を「2」にセットして(S1709)、ステップS1710に進む。遊技状態フラグが「2」であることは、時短状態Aにあることを示す。
また、上記のステップS1701,S1706又はS1708の判定結果がNOであれば、そのままステップS1710に進む。ステップS1710では、現在の遊技状態の情報、すなわち遊技状態フラグの値の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。
[遊技状態リセット処理]図27に示すように、遊技状態リセット処理(S1605)ではまず、大当たりフラグがONか否かを判定し(S1801)、ONであれば(つまり大当たり遊技を開始するのであれば)、続いて時短フラグがONか否かを判定する(S1802)。そして時短フラグがONであれば、時短フラグをOFFする(S1803)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。これに対して、ステップS1801で大当たりフラグがONでなければ(つまり小当たり遊技を開始するのであれば)、そのまま処理を終える。
[特別電動役物処理1(第1特別遊技又は第2特別遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技(第1特別遊技)、又は小当たり遊技(第2特別遊技)の実行のための処理である。図28に示すように、特別電動役物処理1(S808又はS907)ではまず、特別遊技終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。特別遊技終了フラグは、当選した大当たり遊技(第1特別遊技)又は小当たり遊技(第2特別遊技)において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
特別遊技終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たり又は小当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その開放遊技(単位開放遊技又は小当たり開放遊技)における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(大当たり遊技では1ラウンド当たり8個、小当たり遊技では小当たり開放遊技において8個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図5参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技又は小当たり遊技を終了させるべく、大当たり又は小当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2010)、大当たり又は小当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、特別遊技終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
またステップS2001において特別遊技終了フラグがONであれば(S2001でYES)、特別遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たり又は小当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、特別遊技終了フラグをOFFした後(S2014)、後述の遊技状態設定処理(S2015)を行って、大当たりフラグ又は小当たりフラグをOFFする(S2016)。
そして、第1特別動作ステータス又は第2特別動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S2017)。より詳細にはステップS2017では、現在の第1特別動作ステータスが「4」であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、現在の第2特別動作ステータスが「3」であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットする。すなわち、現在実行している特別電動役物処理1が、1種大当たり遊技又は小当たり遊技としての処理であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、2種大当たり遊技としての処理であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットする。
[遊技状態設定処理]図29に示すように、遊技状態設定処理(S2015)ではまず、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2101)。大当たりフラグがONでなければ(S2101でNO)、小当たり遊技の終了時であるため、時短状態の設定に関する処理を行うことなく、ステップS2105に進む。一方、ステップS2101において大当たりフラグがONであれば(S2101でYES)、続いて、今回実行した特別遊技が時短当たり(すなわち15R時短大当たり)であるか否か判定する(S2102)。ステップS2102の判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2103)、時短カウンタに「10」をセットして(S2104)、ステップS2105に進む。これにより、今回の特別遊技後の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(つまり特定遊技状態)になる。この特定遊技状態は、特別図柄の変動表示が10回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。これに対して、ステップS2102の判定結果がNOであれば、ステップS2103及びS2104を行うことなく、ステップS2105に進む。
ステップS2105では、後述の遊技状態フラグ設定処理を行う。その後、今設定した遊技状態の情報(すなわち遊技状態フラグの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2106)、本処理を終える。
[遊技状態フラグ設定処理]図30に示すように、遊技状態フラグ設定処理(S2105)では、遊技制御用マイコン81はまず、時短フラグがOFFか否かを判定する(S2201)。時短フラグがOFFであれば(S2201でYES)、非時短状態であるため、遊技状態フラグに非時短状態であることを示す値「1」をセットする(S2202)。
一方、時短フラグがONであれば(S2201でNO)、時短状態であるため、続いて小当たりフラグがOFFであるか否かを判定する(S2203)。小当たりフラグがOFFであれば(S2203でYES)、大当たり遊技の終了時であるため、遊技状態フラグに時短状態Aであることを示す値「2」をセットする(S2204)。時短状態A(基準状態の例)は、上述の基準変動パターン判定テーブル(図8参照)を用いて特別図柄の変動時間が決定される通常の時短状態である。
一方、小当たりフラグがONであれば(S2203でNO)、小当たり遊技の終了時であるため、遊技状態フラグに時短状態Bであることを示す値「3」をセットする(S2205)。時短状態B(特殊状態の例)は、上述の特殊変動パターンテーブル(図8参照)を用いて特別図柄の変動時間が決定される特殊な時短状態であり、小当たり遊技後から所定の上限回数の特図変動がなされるまで続く。
次いで遊技制御用マイコン81は、当たり種別バッファに記憶されている特図停止図柄データが小当たりAに対応するデータか否かを判定する(S2206)。小当たりAに対応するデータであれば(S2206でYES)、時短状態Bとしての特図変動の上限回数を3回に設定するべく、特殊変動カウンタに「3」をセットする(S2207)。これに対して、小当たりAに対応するデータでなければ(S2206でNO)、すなわち小当たりBに対応するデータであれば、時短状態Bとしての特図変動の上限回数を5回に設定するべく、特殊変動カウンタに「5」をセットする(S2208)。
特殊変動カウンタに「3」がセットされれば、その後の3回にわたる特図2の変動表示の変動時間は60秒に決定される(図21及び図8参照)。また、特殊変動カウンタに「5」がセットされれば、その後の5回にわたる特図2の変動表示の変動時間は60秒に決定される(図21及び図8参照)。特殊変動カウンタが「0」のとき(つまり遊技状態フラグが時短状態Aを示す「2」のとき)に選択される特図2の変動時間は30秒である(図20及び図8参照)。よって小当たりAに当選すれば、最大で90秒(1回当たり30秒の延長が3回)の時短状態の継続期間の延長が可能である。また小当たりBに当選すれば、最大で150秒(1回当たり30秒の延長が5回)の時短状態の継続期間の延長が可能である。
本形態では、時短状態中は電チュー22が頻繁に開放されるため、第3始動口21への入賞に基づく第2大入賞口35の開放が頻繁に生じる。そのため、第2大入賞口35内の特定領域39への通過に基づく2種大当たり遊技が実行され易い。従って、小当たり当選によって上記のように時短状態の継続期間が延長されると、遊技者にとっては2種大当たり遊技を獲得し易いという特典が与えられることとなる。
[特別電動役物処理2(第3特別遊技)]特別電動役物処理2(図16のステップS904の処理)は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる第3特別遊技の実行のための処理である。図31及び図32に示すように、特別電動役物処理2(S904)ではまず、閉鎖フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。閉鎖フラグは、第3特別遊技において第2大入賞装置36の開放が全て終了したことを示すフラグである。
閉鎖フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、V有効期間を設定するとともに(S2304)、所定の開放パターンに従って第2大入賞口35を開放させる(S2305)。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONする期間である。V有効期間は、第2大入賞口35の開放開始から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、第2大入賞口35の開放時間よりも長い時間に設定されている。詳しくは、第2大入賞口35が閉塞したあとであっても、第2大入賞装置36内に入球した遊技球が装置外に排出されるまではV有効期間が続くように設定されている。
なお小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、V有効期間が経過した時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときにV有効期間を終了させるようにしてもよい。
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入賞個数に達していなければ(S2306でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(本形態では1.2秒)が経過したか否か)を判定する(S2307)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2307でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2306でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2307でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2308)。そして、閉鎖フラグをセットして(S2309)処理を終える。
またステップS2301において閉鎖フラグがONであれば(S2301でYES)、図32に示すように、第3特別遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、第3特別遊技の閉鎖後インターバル時間は、V有効期間の終了とともに終了するような時間となっている。一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2310でYES)、閉鎖フラグをOFFして(S2311)、ステップS2312に進む。
ステップS2312では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは後述するステップS2603(図34参照)でONするフラグである。このVフラグがONでなければ(S2312でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2313)処理を終える。
一方、VフラグがONであれば(S2312でYES)、後述する特図強制停止処理を実行する(S2314)。特図強制停止処理(S2314)は、第3特別遊技中の特定領域39への遊技球の通過に起因して2種大当たり遊技を実行する場合に、2種大当たり遊技の開始に伴って、変動表示中の特別図柄を強制的に停止表示するための処理である。特図強制停止処理(S2314)を実行したあと遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2315)、大当たりフラグをONして(S2316)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S2317)。続いて、時短フラグがONであれば(S2318でYES)時短フラグをOFFする(S2319)。そして、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2320)、大当たりのオープニングを開始する(S2321)。その後、15R大当たりに応じた開放パターン(詳しくは図5を参照)をセットして(S2322)、本処理を終える。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する第3特別遊技から2種大当たり遊技に移行する。なおステップS2322では、大入賞口開放カウンタの値を「15」にセットする。
[特図強制停止処理]図33に示すように、特図強制停止処理(S2314)ではまず、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(S2401)。そして、特別図柄の変動表示中でなければ本処理を終える。一方、特別図柄の変動表示中であれば、続いて大当たりフラグ又は小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2402)。なお、この判定対象の大当たりフラグ及び小当たりフラグは、大当たり判定処理(図18)におけるステップS1104又はS1108でONされるフラグである。
ステップS2402において大当たりフラグ又は小当たりフラグがONでなければ(S2402でNO)、ステップS2406に進む。一方、大当たりフラグ又は小当たりフラグがONであれば(S2402でYES)、そのフラグをOFFする(S2403)。そして、特別図柄の停止図柄をハズレ図柄にセットし直すとともに(S2404)、特図差し替えコマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2405)、ステップS2406に進む。このような処理を行うのは、第3特別遊技中の特定領域39への通過に起因する2種大当たり遊技と、特別図柄の抽選に起因する1種大当たり遊技又は小当たり遊技とが同時に生じるのを防ぐためである。
ステップS2406では、変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。続いて遊技制御用マイコン81は、変動表示中の特別図柄を強制的に停止表示する(S2407)。これにより、特別図柄表示器41にはハズレ図柄が停止表示される。そして、遊技状態管理処理(S2408)を行うとともに、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2409)、本処理を終える。遊技状態管理処理(S2408)は、図26に基づいて既に説明した通りである。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、第2特別動作処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図34参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図34に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理2(図31)におけるV有効期間設定処理(S2304)にて設定される期間である。V有効期間は、第3特別遊技の実行中の期間として設定される。
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域センサ39aの通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
[保留球数処理]遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検出処理(S108)に次いで保留球数処理(S109)を行う(図11参照)。保留球数処理(S109)では図35に示すように、まず、RAM84に記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2801)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数をサブ制御基板90に通知するための保留球数コマンド)を、RAM84の出力バッファにセットする(S2802)。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図36〜図45に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図36に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、特別遊技に伴う特別遊技演出(オープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出)等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図37に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図38に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図4参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図39に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図40に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する遊技状態ステータス設定処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば、RAM94の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドを、RAM94の入賞情報記憶部に格納する(S4404)。入賞情報記憶部は、第1入賞情報記憶部と第2入賞情報記憶部とを含んでいる。
詳細にはステップS4404では、始動入賞コマンドに係る始動口の種類を確認して、第1始動口20への入賞に基づいて生成された第1始動入賞コマンドであれば、その第1始動入賞コマンドをRAM94の第1入賞情報記憶部に格納する。また、第2始動口26への入賞に基づいて生成された第2始動入賞コマンドであれば、その第2始動入賞コマンドをRAM94の第2入賞情報記憶部に格納する。なお、始動入賞コマンドは、各入賞情報記憶部において第1〜第4まである記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に格納される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが格納されていくこととなる。また、特図保留の消化時には、始動入賞コマンドは記憶順の古い側の記憶領域にシフトされる。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図差し替えコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば演出図柄差し替え処理を行う(S4406)。演出図柄差し替え処理(S4406)は、後述の変動演出開始処理(S4408)にて実行される変動演出における演出図柄8L,8C,8Rの停止図柄を差し替える処理である。この処理では、演出図柄8L,8C,8Rの停止図柄を、特別図柄の抽選結果がハズレであることを示す図柄の組み合わせとなるように差し替える。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4410)。変動演出終了処理(S4410)では、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述する特別遊技演出選択処理を行う(S4412)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理を行う(S4414)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4416)を行う。V通過報知演出開始処理(S4416)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて大当たり遊技を実行する本パチンコ遊技機1では、大当たり当選報知としての意味をもつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4417)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[遊技状態ステータス設定処理]図41に示すように、遊技状態ステータス設定処理(S4402)では、演出制御用マイコン91は、受信した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報(遊技状態フラグの情報)に基づいて、遊技状態ステータスを設定する。遊技状態ステータスは、演出制御用マイコン91が現在の遊技状態を把握するための変数であり、図41中の表に示すように各遊技状態に対応した「1」〜「3」までの値をとる。
具体的には、遊技状態指定コマンドの解析結果が非時短状態であれば(S4501でYES)、すなわち遊技状態指定コマンドに遊技状態フラグが「1」(図30参照)にセットされている情報が含まれていれば、遊技状態ステータスを「1」にセットして(S4502)、本処理を終える。また、遊技状態指定コマンドの解析結果が時短状態Aであれば(S4503でYES)、すなわち遊技状態指定コマンドに遊技状態フラグが「2」(図30参照)にセットされている情報が含まれていれば、遊技状態ステータスを「2」にセットして(S4504)、本処理を終える。また、遊技状態指定コマンドの解析結果が時短状態Bであれば(S4505でYES)、すなわち遊技状態指定コマンドに遊技状態フラグが「3」(図30参照)にセットされている情報が含まれていれば、遊技状態ステータスを「3」にセットして(S4506)、本処理を終える。
[変動演出開始処理]図42に示すように、変動演出開始処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5001)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(図19〜図21)又は特図1変動パターン選択処理(図22及び図23)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図8参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。次に演出制御用マイコン91は、演出モード設定処理(S5002)を行う。
[演出モード設定処理]図43に示すように、演出モード設定処理(S5002)ではまず、遊技状態ステータスが「1」又は「2」のいずれかであるか否かを判定する(S5101)。いずれかであれば(S5101でYES)、現在の遊技状態は非時短状態又は時短状態Aであるため、続いて先読み演出フラグがONであるか否かを判定する(S5102)。先読み演出フラグは、後述するように、時短大当たりのエンディング時において特図2の保留(第2特図保留)として小当たり当選予定の保留があったことを示すフラグである(図45参照)。
先読み演出フラグがONでなければ(S5102でNO)、特図2の保留として小当たり当選予定の保留がなかったということであるため、続いて遊技状態ステータスが「2」であるか否かを判定する(S5103)。遊技状態ステータスが「2」でなければ(S5103でNO)、遊技状態ステータスは「1」であり現在の遊技状態は非時短状態であるため、演出モードを「昼背景モード」に設定する(S5104)。つまり、「昼背景モード」のモードデータ(01H)をRAM94の所定の記憶領域にセットする。
なお、演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
ステップS5103において遊技状態ステータスが「2」であれば(S5103でYES)、現在の遊技状態は時短状態Aであるため、演出モードを「夕方背景モード」に設定する(S5105)。つまり、「夕方背景モード」のモードデータ(02H)をRAM94の所定の記憶領域にセットする。
またステップS5102において先読み演出フラグがONであれば、現在の遊技状態は時短状態Bではない(時短状態Aである)が特図2の保留として小当たり当選予定の保留があるため、演出モードを「夜背景モード」に設定する(S5106)。つまり、「夜背景モード」のモードデータ(03H)をRAM94の所定の記憶領域にセットする。
またステップS5101において遊技状態ステータスが「1」又は「2」でなければ、遊技状態ステータスは「3」であり現在の遊技状態は時短状態Bである。よって、先読み演出フラグがONか否かを判定し(S5107)、ONでなければ(S5107でNO)、ステップS5106に進み、ONであれば(S5107でYES)、先読み演出フラグをOFFしてから(S5108)、ステップS5106に進む。ステップS5106では、既に述べたように、演出モードを「夜背景モード」に設定する。つまり、「夜背景モード」のモードデータ(03H)をRAM94の所定の記憶領域にセットする。
このように本形態では、現在の遊技状態が非時短状態であれば(つまり遊技状態ステータスが「1」であれば)、演出モードを「昼背景モード」に設定する。また、現在の遊技状態が時短状態Aであれば(つまり遊技状態ステータスが「2」であれば)、原則として、演出モードを「夕方背景モード」に設定する。また、現在の遊技状態が時短状態Bであれば(つまり遊技状態ステータスが「3」であれば)、演出モードを「夜背景モード」に設定する。但し例外として、現在の遊技状態が時短状態Aであっても、その時短状態Aへの移行契機となった時短大当たりのエンディング時に、特図2の保留として小当たり当選予定の保留があれば、演出モードを「夜背景モード」に設定する。
図42に戻り変動演出開始処理(S4408)では演出モード設定処理(S5002)に続いて、演出制御用マイコン91はモードデータを参照する(S5003)。そして、モードデータ及び変動パターンに応じて設けられている複数の変動演出パターンテーブルの中から、ステップS5003で参照したモードデータ及びステップS5001で解析した変動開始コマンドが示す変動パターンに対応する変動演出パターンテーブルを選択してセットする(S5004)。そして、このテーブルに基づいて変動演出パターンを選択する(S5005)。
このとき演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S5006)、変動演出開始処理を終了する。
ステップS5006でセットされた変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
本形態では、モードデータに応じた演出モードで変動演出が実行される。具体的には、モードデータが「01H」であれば、図46(a)に示すように、背景画像として昼の画像を表示画面7aに表示する昼背景モードにて変動演出を実行する。また、モードデータが「02H」であれば、図46(b)に示すように、背景画像として夕方の画像を表示画面7aに表示する夕方背景モード(第1演出モードに相当)にて変動演出を実行する。なお、背景画像として夕方の画像を表示画面7aに表示する演出(つまり夕方背景モードの実行)を、第1演出とも称する。また、モードデータが「03H」であれば、図46(c)に示すように、背景画像として夜の画像を表示画面7aに表示する夜背景モード(第2演出モードに相当)にて変動演出を実行する。なお、背景画像として夜の画像を表示画面7aに表示する演出(つまり夜背景モードの実行)を、第2演出とも称する。
昼背景モードは、遊技者に対して、現在の遊技状態が通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)であることを報知する演出モードである。また、夕方背景モードは、遊技者に対して、現在の遊技状態が時短状態Aであることを報知する演出モードである。また、夜背景モードは、遊技者に対して、現在の遊技状態が時短状態B又は小当たり当選が確定している時短状態Aのいずれかの状態であることを報知する演出モードである。本形態では上述したように、時短状態Aにおいて小当たりに当選すると時短状態Bに移行し、時短状態Bでは基準変動パターン判定テーブルよりも長い変動時間が選択される特殊変動パターン判定テーブルを用いて変動時間が決定される(図8参照)。そのため、より長い時間にわたって大当たりを得やすい時短状態が継続されることとなる。つまり夜背景モードは、夕方背景モードの実行中よりも遊技者に有利な状態にあることを示唆する演出モードである。
[特別遊技演出選択処理]図44に示す特別遊技演出選択処理(S4412)は、第1特別遊技(大当たり遊技)又は第2特別遊技(小当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択する処理である。ここで選択される特別遊技演出には、大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口の開放中および開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出が含まれている。
図44に示すように、特別遊技演出選択処理(S4412)ではまず、オープニングコマンドを解析する(S5201)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データに関する情報が含まれている。
続いて演出制御用マイコン91は、解析したオープニングコマンドが示す当たり種別が15R時短大当たりか否かを判定する(S5202)。15R時短大当たりであれば(S5202でYES)、続いて、第2特図保留の中に「小当たり」に当選する予定の特図保留があるか否かを判定する(S5203)。つまり、大当たり遊技が終了して時短状態Aに制御されたあと時短状態Bに移行することが確定しているか否かを判定する。この判定は、RAM94の第2入賞情報記憶部に記憶されている第2始動入賞コマンドに基づいて行う。
既に述べたように、始動入賞コマンドには、図47のテーブルのコマンド解析内容の欄に示した情報などが含まれている。従って、始動入賞コマンドを解析すれば、演出制御用マイコン91は、その始動入賞コマンドに係る数値情報が小当たり当選と判定される特定数値情報であるか否かがわかる。具体的には図47に示すように、始動入賞コマンドは、その下位コマンドの値が「03H」であれば小当たりAと判定されることを示し、「04H」であれば小当たりBと判定されることを示している。そのため、ここでは始動入賞コマンドの下位コマンドの値に基づいて、「小当たり」に当選する予定の特図保留があるか否かを判定する。
ステップS5203において第2特図保留の中に「小当たり」に当選する予定の特図保留があると判定した場合には(S5203でYES)、通常の特別遊技演出とは異なる特殊特別遊技演出に対応する演出パターンを選択する(S5204)。これに対してステップS5202又はステップS5203でNOと判定した場合には、当選した当たりの種類に応じて予め定められている通常の特別遊技演出の演出パターンを選択する(S5205)。そして演出制御用マイコン91は、選択した演出パターンにて特別遊技演出を開始するための特別遊技演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5206)。
ステップS5206でセットされた特別遊技演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の特別遊技演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
具体的には本形態では、特殊特別遊技演出として、レインボー(虹色)の背景画像を表示画面7aに表示する演出を行う。なお、通常の特別遊技演出における背景画像は虹色ではない。これにより、時短状態Bへの移行確定を遊技者に対して報知するとともに、時短大当たりの大当たり遊技における遊技興趣を高めるようにしている。なお、特殊特別遊技演出は、第2演出モード(夜背景モード)の実行(第2演出モードが実行されること)を示唆する実行モード示唆演出の一例である。
[エンディング演出選択処理]図45に示すエンディング演出選択処理(S4414)は、第1特別遊技(大当たり遊技)又は第2特別遊技(小当たり遊技)のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する処理である。図45に示すように、エンディング演出選択処理(S4414)ではまず、エンディングコマンドを解析する(S5301)。なお本形態では、エンディングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データに関する情報が含まれている。
続いて演出制御用マイコン91は、解析したエンディングコマンドが示す当たり種別が15R時短大当たりか否かを判定する(S5302)。15R時短大当たりであれば(S5302でYES)、続いて、第2特図保留の中に「小当たり」に当選する予定の特図保留があるか否かを判定する(S5303)。つまり、大当たり遊技が終了して時短状態Aに制御されたあと時短状態Bに移行することが確定しているか否かを判定する。この判定は、RAM94の第2入賞情報記憶部に記憶されている第2始動入賞コマンドに基づいて行う。上述したように、始動入賞コマンドを解析すれば、その始動入賞コマンドに係る数値情報が小当たり当選と判定される特定数値情報であるか否かがわかる(図47参照)。
ステップS5303において第2特図保留の中に「小当たり」に当選する予定の特図保留があると判定した場合には(S5303でYES)、通常のエンディング演出とは異なる特殊エンディング演出に対応する演出パターンを選択するとともに(S5304)、先読み演出フラグをONする(S5305)。なお、先読み演出フラグは、第2特図保留の中に「小当たり」に当選する予定の特図保留があることを示すフラグであり、大当たり遊技の終了後に夜背景モードにて変動演出を開始するためのフラグである。
これに対してステップS5302又はステップS5303でNOと判定した場合には、当選した当たりの種類に応じて定められている通常のエンディング演出の演出パターンを選択する(S5306)。そして演出制御用マイコン91は、選択した演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5307)。
ステップS5307でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
ここで本形態では、15R時短大当たり時の通常のエンディング演出として、「夕方背景モード突入」の文字画像を含む演出画像を表示画面7aに表示する。これにより、大当たり遊技後に時短状態Aに制御される旨を遊技者に対して報知するようにしている。また、夕方背景モードにおいて当選した小当たり時のエンディング演出として、「夜背景モード突入」の文字画像を含む演出画像を表示画面7aに表示する。これにより、小当たり遊技後に、時短状態Aよりも大当たりを獲得し易い(V通過がなされやすい)時短状態Bに制御される旨を遊技者に対して報知するようにしている。
また本形態では、特殊エンディング演出として、「夜背景モード突入」の文字画像を含む演出画像を表示画面7aに表示する。これにより、時短状態Bへの移行確定を遊技者に対して報知するとともに、時短大当たりの大当たり遊技におけるエンディングの遊技興趣を高めるようにしている。つまり、時短大当たりの大当たり遊技のエンディング中に「夜背景モード突入」の文字画像が表示されるか否かに期待をもたせることで、そのエンディングの遊技興趣を高めるようにしている。つまり本形態では既に述べたように、時短大当たりの大当たり遊技のオープニング時に、第2特図保留の中に「小当たり」に当選する予定の特図保留があれば、特殊特別遊技演出によって時短状態Bへの移行確定が遊技者に対して報知されるが、そのような第2特図保留がオープニング中になくてもエンディングの開始までにあれば、特殊エンディング演出によって時短状態Bへの移行確定が報知されるため、エンディングの遊技興趣を高めることが可能となっている。なお、「夕方背景モード突入」や「夜背景モード突入」の文字画像の表示は、実行される演出モードを示唆する実行モード示唆演出に相当する。
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1では、高ベース状態では第2大入賞口35の開放契機となる第3始動口21への入球が容易である。そのため、第2大入賞口35内の特定領域39への通過に基づき2種大当たり遊技(第1特別遊技の1つ)が実行され易い。この高ベース状態は、特別図柄の変動表示の実行に起因する所定の終了条件が成立するまで(つまり特別図柄の変動表示の実行回数が所定の上限回数である10回に至るまで)続く。そのため、遊技者にとっては高ベース状態中は特別図柄の変動表示はあまり実行されない方が有利となる。つまり特別図柄の変動表示の変動時間は長い方が有利となる。本形態では、高ベース状態においては、特別図柄の変動表示の開始契機となる第2始動口26への入球に基づき取得された数値情報(大当たり乱数等の乱数値)が特定数値情報(小当たり当選となる判定値)であると判定されると、小当たり遊技の実行後には実行前の基準変動時間(30000ms)とは異なる特殊変動時間(60000ms)にて特別図柄の変動表示が実行される。つまり、高ベース状態の継続時間が、遊技者の引き次第で変化することとなる。従って、2種大当たり遊技を獲得し易い高ベース状態における遊技興趣を高めることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動表示の実行の度に高ベース状態の終了に近づくところ、特殊変動時間(60000ms)は基準変動時間(30000ms)よりも長いため、遊技者の引き次第で特別図柄の変動表示の変動時間を長くすることが可能である。つまり、高ベース状態を終了し難くすることが可能である。よって、遊技者にとっては好ましくない特別図柄の変動表示の実行に対して変動時間の長時間化という期待を持てるようにすることが可能となっており、高ベース状態が単調な遊技となるのを抑制することが可能となっている。
しかも本形態のパチンコ遊技機1では、賞球の獲得も望めず遊技状態の移行もない小当たり遊技(第2特別遊技)の実行後に、特別図柄の変動表示の変動時間が特殊変動時間に変更される。つまり、小当たり遊技の実行に変動時間の変更という役割をもたせることが可能となっている。よって、高ベース状態では小当たり当選に注意を向けて遊技させることが可能となっている。つまり、小当たり遊技を効果的に用いた遊技性によって、高ベース状態における遊技興趣を一層高めることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、高ベース状態における特別図柄の変動表示の実行回数が所定の上限回数(10回)に至ると高ベース状態への制御が終了する。そのため、特別図柄の変動表示の実行の度に遊技者に対して高ベース状態の終了が迫ってくる緊迫感を与えることが可能となっており、高ベース状態におけるゲーム性を向上させることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、小当たりと判定される特定数値情報には、第1特定数値情報(小当たりAと判定される判定値)と第2特定数値情報(小当たりBと判定される判定値)とがある。遊技制御用マイコン81は、取得した数値情報(大当たり乱数等の乱数値)が第1特定数値情報である場合には第1特殊態様(小当たり図柄1)で特別図柄を停止表示し、第2特定数値情報である場合には第2特殊態様(小当たり図柄2)で特別図柄を停止表示する。そして遊技制御用マイコン81は、第1特殊態様で特別図柄が停止表示された場合には予め定めた第1実行回数(本形態では3回)の変動表示が実行されることを限度とし、第2特殊態様で特別図柄が停止表示された場合には第1実行回数とは異なる第2実行回数(本形態では5回)の変動表示が実行されることを限度として、特殊変動パターン判定テーブルに基づく変動時間の決定を行う。
従って、特殊変動時間が選択される変動表示の実行回数は、小当たりAに当選した場合(つまり始動入賞の際に取得した乱数が小当たりAへの当選と判定される第1特定数値情報である場合)には3回となり、小当たりBに当選した場合(つまり始動入賞の際に取得した乱数が小当たりBへの当選と判定される第2特定数値情報である場合)には5回となる。すなわち、特別図柄の抽選結果次第で特殊変動時間が選択される変動表示の実行回数は異なったものとなる。そのため、特別図柄の抽選結果に対する遊技者の関心を高めることが可能となっており、これにより遊技興趣を高めることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、原則として、基準変動時間(30000ms)が選択され得る時短状態A(基準状態)では図46(b)に示すように夕方の背景画像が表示画面7aに表示される(つまり第1演出が実行される)。一方、特殊変動時間(60000ms)が選択され得る時短状態B(特殊状態)では図46(c)に示すように夜の背景画像が表示画面7aに表示される(つまり第2演出が実行される)。よって、いずれの状態にあるのかを遊技者に対して分かりやすく示すことが可能となっている。また、これらの演出による興趣向上効果が期待できる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、時短大当たりの大当たり遊技(第1特別遊技)の実行中の第2特図保留に、小当たり当選と判定される予定の特図保留がある場合には、その大当たり遊技の終了後の高ベース状態では、夕方背景モードの実行中よりも遊技者に有利な状態にあることを示唆する夜背景モードにて演出が開始される。よって、このような夜背景モードの実行によって、時短状態Bに移行する前から遊技者に対して再び大当たりに当選し易い状態であることを示唆することが可能となっており、これにより遊技興趣を高めるとともに、遊技者の遊技意欲をかき立てることが可能となっている。
さらに本形態のパチンコ遊技機1では、時短大当たりの大当たり遊技におけるオープニングの開始時の第2特図保留に、小当たり当選と判定される予定の特図保留がある場合には、虹色の背景画像を表示画面7aに表示する特殊特別遊技演出(実行モード示唆演出の一つ)を実行する。また、時短大当たりの大当たり遊技におけるエンディングの開始時の第2特図保留に、小当たり当選と判定される予定の特図保留がある場合には、「夜背景モード突入」の文字画像を表示画面7aに表示する特殊エンディング演出(実行モード示唆演出の一つ)を実行する。従って、このような実行モード示唆演出の実行により、大当たり遊技の終了直後から夜背景モードに制御されることを遊技者に対してわかりやすく示すことが可能となるとともに、大当たり遊技中の遊技興趣を高めることが可能となっている。
なお、従来では所謂1種2種混合機においては、遊技者による打ち分けを招くおそれがあることから、大当たりの内容(ラウンド数や時短状態の付与の有無)を示唆する先読み演出(始動入賞した後その始動入賞に基づく変動表示の開始時よりも前になされる事前判定に基づく演出)を行うことができなかった。しかしながら、本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技の終了直後に夜背景モードを実行しても遊技者による打ち分けを招くことがないため、上記のような先読み演出を行うことは可能である。つまり本パチンコ遊技機1によれば、所謂1種2種混合機において先読み演出を効果的に用いた遊技機を提供することが可能となっている。
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈第2形態〉
本発明に係る第2形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では図8に示すように、小当たり遊技の実行後に行われる特別図柄の変動表示において、特殊変動時間が選択されるように構成した。これに対して第2形態では図48に示すように、小当たり当選の判定結果を示す特別図柄の変動表示の変動時間を、特殊変動時間に選択されるように構成している。つまり、小当たり当選時の変動時間を特殊変動時間(60000ms)とし、それ以外の判定結果を示す特別図柄の変動表示の変動時間を基準変動時間(30000ms)としている。なお、小当たり当選以外の判定結果を示す特別図柄の変動表示の変動時間を、基準変動時間を含む複数の変動時間の中から選択するようにしてもよい。具体的には、ハズレ時には基準変動時間が選択されるが、大当たり当選時には基準変動時間以外の変動時間(例えば45000ms)が選択されるようにしてもよい。
このように構成した場合、小当たり当選時の変動時間だけが特殊変動時間となる。つまり、高ベース状態において小当たりに当選した回数だけ、基準変動時間よりも長い特殊変動時間が選択されることとなり、2種大当たり遊技を獲得し易い高ベース状態の継続時間を長くすることが可能となる。
なお、このように構成した場合、小当たり当選時の変動演出を、遊技者に有利な状態であることを示唆するように夜の背景画像を表示画面7aに表示して行う(つまり夜背景モードで行う)ようにするとよい。そのように構成した上で、時短大当たりの大当たり遊技(第1特別遊技)の実行中の第2特図保留に、小当たり当選と判定される予定の特図保留がある場合には、その大当たり遊技の終了直後から小当たり当選の特図変動が終了するまでの間、夜背景モードにて演出を行うように構成するとよい。また、高ベース状態において複数回の小当たり当選が見込めるように小当たり当選確率を設定してもよい。
以上説明した第2形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン81は、高ベース状態においては、小当たり当選を示す特殊態様(例えば小当たり図柄)で特別図柄を停止表示するときには、その特別図柄の変動表示の変動時間を特殊変動時間(60000ms)に決定する一方、小当たり当選以外を示す態様で特別図柄を停止表示するときには、その特別図柄の変動表示の変動時間を基準変動時間(30000ms)に決定する(図48参照)。よって、高ベース状態における特別図柄の変動表示の実行頻度が、遊技者の引き次第で変化することとなる。これは、高ベース状態の継続時間が遊技者の引き次第で変化することを意味する。従って、2種大当たり遊技の実行がなされ易い高ベース状態における遊技興趣を高めることが可能となる。
〈その他の変更例〉
上記形態では、大当たり遊技(第1特別遊技)や小当たり遊技(第2特別遊技)においては第1大入賞口30を開放するように構成した。これに対して、大当たり遊技(第1特別遊技)において第2大入賞口35を開放することがあってもよい。また、小当たり遊技(第2特別遊技)において第2大入賞口35を開放することがあってもよい。
また上記形態では、高ベース状態中のみ特殊変動時間が選択されるように構成したが、低ベース状態中であっても小当たり遊技後は特殊変動時間が選択されるように構成してもよい。
また上記形態では、時短状態Aであるときには特図2の変動時間が必ず基準変動時間(30000ms)に決定され、時短状態Bであるときには特図2の変動時間が必ず特殊変動時間(60000ms)に決定されるように構成したが、大当たり当選時等の特別な場合には他の変動時間が選択され得るように構成してもよい。
また上記形態では、小当たり当選を契機に特図変動(特別図柄の変動表示)の変動パターンの判定テーブルを基準変動パターン判定テーブルから特殊変動パターン判定テーブルに変える構成としたが、大当たり当選を契機に特図変動の変動パターンの判定テーブルを変える構成としてもよい。すなわち、特定数値情報は、大当たり当選と判定される判定値であってもよい。この場合、大当たり図柄が特殊態様の停止図柄となる。なお、このような変動パターン判定テーブルの変更契機となる大当たりとしては、多数の賞球の獲得が見込めない大当たり(4R時短大当たりや所謂突時大当たり)を採用するとよい。
また上記形態では、高ベース状態の終了条件を、所定の上限回数の特別図柄の変動表示が実行されることとしたが、特別図柄の変動表示の実行契機となる始動口への入賞時に転落抽選に当選することとしてもよい。具体的には、ソフトウェア的に転落抽選を行う構成であれば、始動口への入賞時に取得した転落抽選用乱数が所定の転落判定値であることが挙げられる。また、構造的に転落抽選を行う構成(例えば転落穴と非転落穴とを有する始動入賞装置を設けた構成)であれば、始動口への入賞時に転落穴に通過することが挙げられる。すなわち、これらのことも、本発明における「図柄の変動表示の実行に起因する所定の終了条件」に含まれるものとする。
また上記形態では、10回の特別図柄の変動表示が実行されると高ベース状態を終了するように構成したが、高ベース状態の終了条件としての特別図柄の変動表示の実行回数(所定の上限回数)は、任意に変更可能である。
また上記形態では、第2入球口は、大入賞口(第2大入賞口35)としたが、始動入賞口でもよい。この場合、第2変位部材は、第2状態において第1状態よりも第2入球口への入球を困難とするものであれば、完全に入球不可能とするものでなくてもよい。
また上記形態では、小当たりの種別として小当たりAと小当たりBの2種類の種別を設けたが、1種類でもよいし、3種類以上でもよい。具体的には例えば、小当たりの種類として、特殊変動パターン判定テーブルを用いる特図変動の上限回数が3回に設定される小当たりAと、5回に設定される小当たりBと、7回に設定される小当たりCとがある構成が挙げられる。また、小当たり遊技後に特殊変動パターン判定テーブルが用いられる特図変動の回数を所定回数とせず、時短状態が終了するまでとしてもよい。
また上記形態では、小当たりAに当選した場合であっても、小当たりBに当選した場合であっても、同じ夜背景モードに移行するように構成した。これに対して、小当たりAに当選した場合には、第1の夜背景画像を表示する第1夜背景モードに移行し、小当たりBに当選した場合には、第2の夜背景画像を表示する第2夜背景モードに移行するように構成してもよい。このように構成した場合には、時短大当たりの大当たり遊技中における先読み演出としての特殊エンディング演出についても、小当たりAに当選した場合には「第1夜背景モード突入」の文字画像を表示する第1特殊エンディング演出を実行し、小当たりBに当選した場合には「第2夜背景モード突入」の文字画像を表示する第2特殊エンディング演出を実行するように構成するとよい。また、時短大当たりの大当たり遊技中における先読み演出としての特殊特別遊技演出についても、小当たりAに当選した場合には第1の虹色背景画像を表示する第1特殊特別遊技演出を実行し、小当たりBに当選した場合には第2の虹色背景画像を表示する第2特殊特別遊技演出を実行するように構成してもよい。
また上記形態では、時短大当たりの大当たり遊技においては、オープニングの開始時もエンディングの開始時も、第2特図保留に小当たり当選と判定される予定の特図保留があるか否かを判定し、肯定の判定結果であれば、特殊な演出(特殊特別遊技演出や特殊エンディング演出)を行うよう構成した。これに対して、オープニングの開始時又はエンディングの開始時のいずれか一方のみ、つまり、オープニングコマンドの受信時又はエンディングコマンドの受信時のいずれか一方のみ、第2特図保留に小当たり当選と判定される予定の特図保留があるか否かを判定するように構成してもよい。オープニングコマンドの受信時のみとする場合には、特別遊技演出選択処理(図44)におけるステップS5204のあとで先読み演出フラグをONにするように構成すればよい。また、時短大当たりの大当たり遊技においてラウンド数を指定するラウンド指定コマンドを遊技制御用マイコン81から演出制御用マイコン91に送信する構成としてもよく、その場合には、ラウンド指定コマンドの受信時に、第2特図保留に小当たり当選と判定される予定の特図保留があるか否かを判定するように構成してもよい。この場合、その判定結果に基づいて、時短状態Bへの移行確定を報知する特殊な演出を行うとともに、先読み演出フラグをONするように構成すればよい。
また上記形態では、特殊変動時間を60000ms(60秒すなわち1分)に設定したが、任意に変更可能である。例えば、360000ms(360秒すなわち6分)に設定してもよい。この場合、小当たり当選後の特殊変動パターン判定テーブルを用いる特図変動の上限回数が5回に設定されるようにすると、小当たり遊技の実行後の30分間(6分×5変動)は、高ベース状態が継続することとなる。高ベース状態における電チュー22の開放確率(普通図柄抽選の当選確率)や第2大入賞口35に入賞した遊技球の特定領域39の通過確率を考えれば、30分間あればほぼ必ず2種大当たり遊技を獲得することが可能である。従って、このように構成した場合には、小当たり遊技に伴う特別遊技演出や小当たり遊技後のモード演出(遊技状態に応じた演出モードに制御する演出)として、大当たり当選濃厚演出を行うようにしてもよい。大当たり当選濃厚演出は、所謂大当たり確定報知と同等の演出的価値を遊技者に対して発揮する演出である。大当たり当選濃厚演出としては、例えば、レインボー背景の画像(虹色の背景画像)を表示画面7aに表示する演出等が挙げられる。勿論、所謂先読み演出として実行するモード演出も、上記形態のような夜の背景画像を表示するものではなく、虹色の背景画像を表示するものとする。またこのように構成した場合には、先読み演出としての特殊特別遊技演出や特殊エンディング演出も、大当たり当選濃厚演出ということとなる。
また、特殊変動時間を1800000ms(1800秒すなわち30分)に設定してもよい。このように構成すれば、特殊変動時間が選択される特別図柄の変動表示の実行回数を1回に設定しても、上述の大当たり当選濃厚演出を行うことが可能となる。
また上記形態では、15R時短大当たりに当選すると、大当たり遊技後に10回の特図変動の実行を終了条件とする時短状態に制御されるよう構成した。これに対して、時短大当たりの種類を複数設け、当選した時短大当たりの種類に応じて、遊技者に付与する時短回数を変える構成としてもよい。時短回数とは、時短状態の終了条件としての特図変動の実行回数である。具体的には例えば、15R時短大当たりAに当選した場合には時短回数5回の時短状態に制御され、15R時短大当たりBに当選した場合には時短回数20回の時短状態に制御されるように構成してもよい。このように構成すれば、当選した大当たりの種類に応じて再度大当たりに当選する容易さを変えることが可能となるため、当選した大当たりの種類に一喜一憂する興趣性を提供することが可能となる。
また上記形態では、時短状態における大当たり当選が何度連続しても、当選した大当たりが15R時短大当たりであれば、再度時短状態に制御する構成とした。これに対して、大当たり遊技後に時短状態に制御される連続回数に上限を設けてもよい。具体的には例えば、上限値を6回に設定し、7連チャン目の大当たりとして15R時短大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行後に非時短状態に制御されるように構成してもよい。このように構成すれば、遊技者に対して過剰な賞球を付与することを抑制することが可能となる。
また上記形態では、非時短状態中に右打ちがなされると、2種大当たりに当選してしまう(特定領域39への通過が発生してしまう)おそれがある。そこで、時短状態中又は特別遊技中ではないのに右打ちされた場合には、左打ちで遊技するべき旨を報知する警告画像を表示画面7aに表示するようにしてもよい。この場合には、例えばゲートセンサ28aを右打ち検知センサとして機能させてもよいし(つまりゲートセンサ28aによる検知に基づいて警告画像を表示するようにしてもよいし)、別途、右打ち検知センサを設けてもよい。また、非時短状態において右打ちされても電チュー22に係る第3始動口21への入賞が発生することのないように、非時短状態中の普通図柄抽選の当選確率を零に設定してもよい。
また上記形態では、第1始動口20への入賞に基づいて特図1の変動表示を実行し、第2始動口26への入賞に基づいて特図2の変動表示を実行するように構成した。つまり、特別図柄として、特図1と特図2を有する構成とした。これに対して、第1始動口20への入賞時も第2始動口26への入賞時も同じ特別図柄の変動表示を実行するように構成してもよい。つまり、特別図柄を1種類しか設けない構成としてもよい。この場合、非時短状態中の特別図柄の抽選にて小当たりに当選して、その小当たり遊技の実行後に特別図柄の変動時間が長くなると、スムーズな遊技の進行が妨げられる。そのため、時短状態中の小当たり当選時のみ、小当たり遊技の実行後に特別図柄の変動時間を長くするように構成するとよい。
また、上述のように特別図柄を1種類しか設けない構成とした場合には、常に左打ちにて遊技を進行する遊技機として構成してもよい。具体的には、第1流路R1(図1参照)上に、第1始動口20と、電チュー22に係る第3始動口21と、ゲート28と、第1大入賞口30と、第2大入賞口35とを設けるようにする。この場合、第2始動口26を設ける必要はない。また、非時短状態中の普通図柄抽選の当選確率は零にすることが望ましい。なお、常に右打ちにて遊技を進行する遊技機として構成してもよい。この場合、上記の常に左打ちにて遊技を進行する遊技機における遊技盤2に対する各装置の配置を、左右対称にすればよい。
また上記形態では、特図2の非時短状態における変動パターン判定テーブルと、特図2の時短状態Aにおける変動パターン判定テーブルとを異なるテーブルとしたが、共通のテーブルとしてもよい。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口26への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり又は小当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、始動入賞コマンドに基づいて演出制御用マイコン91が小当たりの種別まで判定できるように構成したが、始動入賞コマンドに基づいて小当たり当選か否かさえ判定できれば、小当たりの種別まで判定できない構成でもよい。つまり、始動入賞コマンドには、少なくとも小当たりの当否に関する情報(つまり特定数値情報か否かの情報)が含まれていればよい。
また、時短状態Aであっても夜背景モードで演出を行ったり、特殊特別遊技演出や特殊エンディング演出を行ったりといった所謂先読み演出の実行手法としては、図40におけるステップS4404とS4405との間で、時短大当たりの大当たり遊技中か否かを判定し、肯定の判定であれば、S4404で格納した始動入賞コマンドに基づいて小当たりの当否を判定して、その判定結果に基づいて先読み演出を行う手法を採用してもよい。
なお、本発明における「所定の状態制御条件」とは、上記形態では、実行された大当たり遊技が時短大当たりの大当たり遊技であることである。
また、本発明における「所定の判定条件」とは、上記形態では、特別図柄の変動表示及び所定の特別遊技(第1特別遊技である大当たり遊技又は第2特別遊技である小当たり遊技)の実行中でなく、特図保留記憶部85に大当たり乱数等の乱数値の記憶があることである。
また、本発明における「図柄の変動表示の実行に起因する所定の終了条件」とは、上記形態では、10回の特別図柄の変動表示が実行されることである。また、このような時短状態の終了条件に加えて、他の終了条件があってもよい。上記形態では、時短状態中の大当たり当選も時短状態の終了条件の一つとなっている。
また、本発明における「所定の復帰条件」とは、上記形態では、小当たり遊技の実行後に所定回数(小当たりA当選時は3回、小当たりB当選時は5回)の特別図柄の変動表示が実行されることである。
1…パチンコ遊技機
3…遊技領域
7…画像表示装置(演出手段)
21…第3始動口(第1入球口)
23…可動部材(第1変位部材)
26…第2始動口(第3入球口)
30…第1大入賞口(他の入球口)
35…第2大入賞口(第2入球口)
36…第2大入賞装置(特定入球手段)
37…開閉部材(第2変位部材)
39…特定領域
81…遊技制御用マイコン
85…特図保留記憶部
91…演出制御用マイコン

Claims (3)

  1. 遊技球が流下可能な遊技領域に配された第1入球口と、
    前記第1入球口への入球が容易な第1状態と前記第1状態よりも前記第1入球口への入球が困難若しくは不可能な第2状態とに変位する第1変位部材と、
    前記遊技領域に配された第2入球口と、前記第2入球口への入球が容易な第1状態と前記第1状態よりも第2入球口への入球が困難若しくは不可能な第2状態とに変位する第2変位部材と、前記第2入球口に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、を有する特定入球手段と、
    所定の状態制御条件の成立に基づいて、第1入球率状態よりも前記第1変位部材が第1状態をとり易い第2入球率状態に制御可能な入球率状態制御手段と、
    前記第1入球口への入球に基づいて前記第2変位部材を前記第2状態から前記第1状態に制御する第2変位部材制御手段と、
    前記特定領域への遊技球の通過に基づいて遊技者に有利な第1特別遊技を実行する第1特別遊技実行手段と、を備え、
    前記入球率状態制御手段は、前記第1特別遊技の終了時に前記状態制御条件が成立していれば、その第1特別遊技の終了後の遊技状態を前記第2入球率状態に制御するものである遊技機であって、
    前記第1入球口へ向かう遊技球の流路上に配置された第3入球口と、
    前記第3入球口への入球に基づいて数値情報を取得する数値情報取得手段と、
    前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限数まで記憶可能な記憶手段と、
    所定の判定条件の成立時に、前記記憶手段に記憶された数値情報が予め定めた特定数値情報であるか否かを判定する数値情報判定手段と、
    前記数値情報判定手段による判定の結果を示す図柄を変動表示を経て停止表示する手段であって、前記判定の結果が特定数値情報である場合には所定の特殊態様で前記図柄を停止表示する図柄表示手段と、
    前記図柄の変動表示の変動時間を決定する変動時間決定手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記数値情報に基づいて、その数値情報が前記数値情報判定手段により前記特定数値情報であると判定されるか否かの情報を含む入賞情報を、その数値情報の記憶の際に生成する入賞情報生成手段と、
    前記入賞情報生成手段により生成された前記入賞情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている数値情報の中に前記特定数値情報があるか否かを、前記第1特別遊技の終了後の遊技状態が前記第2入球率状態に制御される第1特別遊技の実行中に判定する第1特別遊技時判定手段と、
    予め定められた複数の演出モードのうちのいずれかの演出モードにて、所定の演出手段を用いて演出を行う演出実行手段と、を備え、
    前記入球率状態制御手段は、前記第2入球率状態において前記図柄の変動表示の実行に起因する所定の終了条件が成立したときには、前記第2入球率状態への制御を終了するものであり、
    前記変動時間決定手段は、少なくとも前記第2入球率状態においては、
    前記数値情報判定手段により前記特定数値情報であると判定されたことを示す特殊態様で前記図柄が停止表示されるまでは、予め定めた基準変動時間に選択され得る基準テーブルに基づいて変動時間を決定する一方、
    前記特殊態様で前記図柄が停止表示されてから所定の復帰条件が成立するまでは、前記基準変動時間よりも長い特殊変動時間に選択され得る特殊テーブルに基づいて変動時間を決定するものであり、
    前記特殊態様で前記図柄が停止表示されたあと、遊技球の入球が困難な開放態様で前記第2入球口又は前記第1〜第3入球口のいずれとも異なる他の入球口を開放する第2特別遊技を実行する第2特別遊技実行手段を、さらに備え、
    前記入球率状態制御手段は、前記第2特別遊技の実行後の遊技状態を前記第2特別遊技の実行前と同じ遊技状態に制御するものであり、
    前記変動時間決定手段は、前記第2特別遊技の実行後において前記特殊テーブルに基づく変動時間の決定を行うものであり、
    前記演出実行手段は、
    前記第1特別遊技の実行中に前記第1特別遊技時判定手段により前記特定数値情報がないと判定されると、その第1特別遊技の終了後の第2入球率状態において、所定の第1演出モードにて演出を開始する一方、
    前記第1特別遊技の実行中に前記第1特別遊技時判定手段により前記特定数値情報があると判定されると、その第1特別遊技の終了後の第2入球率状態において、前記第1演出モードの実行中よりも遊技者に有利な状態にあることを示唆する第2演出モードにて演出を開始するものであることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    前記演出実行手段は、前記第1特別遊技の実行中に前記第1特別遊技時判定手段により前記特定数値情報があると判定されると、その第1特別遊技の実行中に、前記第2演出モードの実行を示唆する実行モード示唆演出を行うものであることを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の遊技機であって、
    前記所定の終了条件は、前記第2入球率状態における前記図柄の変動表示の実行回数が所定の上限回数に至ることであることを特徴とする遊技機。
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