1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から遠のく方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、および、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ(音声出力手段に相当)67が設けられている。
スピーカ67は、遊技に伴って実行される音声演出に用いるための音声、楽曲、効果音等を出力可能なものである。本形態のスピーカ67は、2つのスピーカで構成されている。即ち図1に示すように、前面枠51の左上部に位置する左スピーカ67L、および、右上部に位置する右スピーカ67Rで構成されている。よって音声、楽曲、効果音等を、左スピーカ67Lおよび右スピーカ67Rの両方から同じ音量で出力したり、異なる音量で出力したり、どちらか一方のスピーカのみから出力したりすることが可能である。このため、パチンコ遊技機1の左右方向に関する音声、楽曲、効果音等の出力のバランスを変化させることが可能である。具体的に例えば、所定の演出の音声については、遊技者の左前方(パチンコ遊技機1の左側)から出ているように遊技者に認識させたり、所定の演出の効果音については、右前方(パチンコ遊技機1の右側)から出ているように遊技者に認識させたりすることが可能である。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図4参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字を表した複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41a(図2参照)にて表示される第1特別図柄、および、第2特別図柄表示器41b(図2参照)にて表示される第2特別図柄の各可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、ハズレであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留画像の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図2参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(入球口の一例)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1の入球口、固定始動口、第1始動入賞口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、即ち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
第1始動口20の下方には、第2始動口(入球口の一例)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる「電チュー」)22が設けられている。第2始動口21を、第2の入球口、可変始動口、第2始動入賞口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図3参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。即ち、可動部材23が閉じているときには遊技球が入球不可能となっている。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口(特別入賞口に相当、特定入賞口ともいう)30を備えた大入賞装置(特別可変入賞装置)31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図3参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(即ち、普通図柄に関する当たり乱数(普通図柄乱数)の取得およびその当否判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、複数の普通入賞口27が設けられているとともに、遊技領域3に打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口9が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙う。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21および大入賞口30への入賞を狙う。
また図1および図2に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、および、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(特図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄、即ち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口30の開放パターンについては後述する。
本形態の特別図柄表示器41は、具体的には横並びに配された8個のLEDから構成されており(図2参照)、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間(後述、図10参照)にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、このときの変動表示の態様としては、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様など、停止表示時の態様以外の態様が挙げられる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値は、特図保留記憶部85(図3参照)に一旦記憶される。特図保留記憶部85は記憶手段に相当する。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図3参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図3参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限数はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、即ち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄、即ち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
本形態の普通図柄表示器42は、具体的には2個のLEDから構成されており(図2参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、このときの変動表示の態様としては、例えば両LEDが交互に点灯する態様や一斉に点滅する態様など、停止表示時の態様以外の態様が挙げられる。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図3参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限数は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、即ち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を識別可能に表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図3および図4に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図3および図4に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なおサブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、装飾可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、および、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。このうち第1特図保留記憶部85aは、図5(A)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。また第2特図保留記憶部85bは、図5(B)に示すように、第1特図保留記憶部85aと同じく、記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。各記憶領域は図5(C)に示すように、さらに4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、大当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、および、変動パターン乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、図3に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ(入球検知手段の一例)20a、第2始動口センサ(入球検知手段の一例)21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30aおよび普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、上記第1始動口20内に設けられて、第1始動口20に入球(入賞)した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、上記第2始動口21内に設けられて、第2始動口21に入球(入賞)した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、上記ゲート28内に設けられてこのゲート28を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入球(入賞)した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24および大入賞口ソレノイド33が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43bおよび普図保留表示器44が接続されている。即ちこれらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。即ち主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図4に示すようにサブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、および、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
RAM94には、図6(A)に示すように、第1始動口20への入賞に基づいて特定された第1始動入賞コマンド等を記憶可能な第1特図保留演出記憶部95aと、第2始動口21への入賞に基づいて特定された第2始動入賞コマンド等を記憶可能な第2特図保留演出記憶部95bと、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95cとが設けられている。第1特図保留演出記憶部95aは、図6(B)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。また第2特図保留演出記憶部95bは、図6(C)に示すように、記憶可能な第2特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。なお第1始動入賞コマンドおよび第2始動入賞コマンドについては、後ほど説明する。
各記憶領域は、図6(D)に示すように、始動入賞コマンド記憶領域を含む複数の記憶領域に分かれている。始動入賞コマンド記憶領域は、始動入賞コマンドを記憶する記憶領域である。なお当該変動用演出記憶部95cも、同様の記憶領域を含んでいる。
サブ制御基板90には、図4に示すように、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像、ストーリーの映像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆる「ギミック」のことである。装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)は、後述のステップS4203にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。なお動作パターンデータの作成には、サブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。またランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出スイッチ63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」および「ハズレ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄として特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄として特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、大入賞装置31を作動させ開放させる「特別遊技(大当たり遊技ともいう)」が実行される。よって「大当たり」に当選した場合には、「特別遊技(大当たり遊技)」の実行により、遊技者に所定の利益が付与される。即ち、特別遊技中に開放する大入賞装置31(大入賞口30)に入球した遊技球の数に応じた賞球が払い出されることとなる。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(ラウンド間インターバル)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。図7に示すように大当たりの種別としては、「16R(ラウンド)確変大当たり」および「16R通常大当たり」がある。「16R確変大当たり」は、大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が16回である大当たりである。「16R通常大当たり」は、16R確変大当たりと同様、大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が16回である大当たりである。そして、上記16R確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態にする。これに対し16R通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技後の遊技状態を通常確率状態にする。なお、大当たりにおいては1ラウンド中に複数回大入賞口30を開放させるラウンドがあってもよい。
図7に示すように、本形態のパチンコ遊技機1における各大当たり当選時の大入賞口30の開放パターンは、16R確変大当たりに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに特図1_確変図柄が停止表示された場合、又は、第2特別図柄表示器41bに特図2_確変図柄が停止表示された場合)でも、16R通常大当たりに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに特図1_通常図柄が停止表示された場合、又は、第2特別図柄表示器41bに特図2_通常図柄が停止表示された場合)でも、1R目〜16R目の各ラウンドにおいて大入賞口30を最大28秒開放させる。このため16R確変大当たり、および、16R通常大当たりの当選時には、大入賞口30の賞球獲得が期待できる。なお本形態では、第1特別図柄(特図1)および第2特別図柄(特図2)の抽選における各大当たりへの振分確率は、16R確変大当たりも16R通常大当たりも50%となっている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図8(A)に示すように、大当たり乱数は「0」〜「65535」までの範囲で値をとる。また大当たり種別乱数は「0」〜「9」までの範囲で値をとる(図8(A)参照)。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある(図8(A)参照)。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、「0」〜「127」までの範囲で値をとる(図8(A)参照)。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、「0」〜「99」までの範囲で値をとる(図8(A)参照)。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図8(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、「0」〜「239」までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。即ち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図9(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(即ち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。即ち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図10参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能である。
また、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。即ち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し非時短状態において作動しない。このため時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。
また時短状態では、図9(E)に示すように、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。さらに時短状態では、図11に示すように、補助遊技における電チュー22の開放時間が非時短状態よりも長くなっている。即ち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図11参照)。即ち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、電チュー22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお高ベース状態とは、いわゆる「電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)」が実行されている状態である。これに対して、低ベース状態を「非電サポ制御状態」や「非入球サポート状態」ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。即ち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22の第2始動口21が開放され易くなっていればよい。また高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、16R確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である(図7(B)参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。本形態で高確高ベース状態は、次の大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお高確高ベース状態を、所定回数(例えば160回)の特別図柄の可変表示が実行されるまでとしてもよい。
また、16R通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態、即ち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である(図7(B)参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。本形態では低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(第2始動口21への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低確低ベース状態等の低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
また、上記した各種の遊技状態の他に、本パチンコ遊技機1における遊技状態としては、特別遊技(大当たり遊技)を実行している状態である特別遊技状態(大当たり遊技状態)がある。
5.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、後述するようにいわゆる「先読み演出」を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された数値情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づいて特定された始動入賞コマンド(入賞情報に相当)を利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する大当たり期待度を示唆する演出である。
図12に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりか否かの当否情報(当たり情報であるか否かの情報に相当)が含まれている。当否情報は、高確率状態であっても通常確率状態(非高確率状態)であっても大当たりと判定されるのか、それとも高確率状態下でのみ大当たりと判定されるのかの区別がなされた形で始動入賞コマンドに含まれている。また本形態の始動入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報が含まれている。なお、始動入賞コマンドには、通常確率状態にて当否判定がなされた場合の判定結果と、高確率状態にて当否判定がなされた場合の判定結果とがわかるように当否情報が含まれていればよく、当否情報の他に、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
6.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図13〜図32に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図13に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8に示した種々の乱数カウンタ値に「1」を加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるいわゆるハードウェア乱数であってもよい。この場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4ms(4ミリ秒)周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。即ち、例えば4ms周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図14に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず入力処理(S101)を実行する。入力処理(S101)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図3参照))が検知した検出信号を読み込む。また、入力処理(S101)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次にタイマ更新処理(S102)を実行する。タイマ更新処理(S102)では、作動中の各種タイマの値の更新(減算)を行う。次いで賞球制御処理(S103)を行う。賞球制御処理(S103)では、入力処理(S101)で読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板110に対して出力されるコマンドである。
次に普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S104)を行う。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S104)は、図13の主制御メイン処理で行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S104)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S105)、普通動作処理(S106)および特別動作処理(S107)を実行する。その後、出力処理(S108)を実行する。出力処理(S108)では、各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
次に、大入賞口ソレノイド33の駆動データを出力する処理(S109)を行う。つまり大入賞口30を開放したり閉塞したりする。そしてその他の処理(S110)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S110)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。また、後述の普図保留球数に基づいて普図保留表示器44をその数を示す表示態様に制御したりする。
そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図13参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。
[始動口センサ検出処理]次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)で実行される始動口センサ検出処理(S105)について説明する。図15に示すように、始動口センサ検出処理(S105)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ちゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、後述のステップS203に進むが、ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、ゲート通過処理(S202)を行う。ゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留の数(普通図柄保留球数)が「4」未満であれば、普通図柄に関する普通図柄乱数のカウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値)を取得し、所定の記憶領域に格納する。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合には(S203でNO)ステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合には(S204でYES)、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)および変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図12に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンドを特定する。具体的には、大当たり乱数が「1」であれば、図12の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H11H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば11H))からなっている。
図12に示すテーブルにおける大当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(図9(A)参照)における区分けと対応している。詳細には、大当たり乱数値が「0」〜「189」であれば、高確率状態でも通常確率状態でも大当たりと判定されるため、そのことを示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が11H)が特定される。また、大当たり乱数値が「190」〜「1899」であれば、高確率状態でのみ大当たりと判定されるため、そのことを示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が12H)が特定される。また、大当たり乱数値が「1900」〜「65535」であれば、高確率状態でも低確率状態でもハズレと判定されるため、そのことを示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が20H)が特定される。
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドは、当否情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
続いて遊技制御用マイコン81は、上記ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S208)、ステップS209に進む。
ステップS209では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合には(S209でNO)本処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S210でYES)本処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、上述した特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)および変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図12に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンドを特定する。具体的には、大当たり乱数が「1」であれば、図12の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H11H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、通常確率状態と高確率状態との両遊技状態における大当たりか否かの当否情報が含まれている。
続いて遊技制御用マイコン81は、上記ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、本処理を終える。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S105)に次いで普通動作処理(S106)を行う。図16に示すように、普通動作処理(S106)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チュー22の作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図9(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理(S406)を行う。即ち図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば普図停止図柄のうち「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば普図停止図柄のうち「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図9(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ(S411でNO)本処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ(S415でNO)本処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(S416でNO)、つまり当たりでなければ本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(S416でYES)、つまり当たりであれば、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図11の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図11の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ(S419でNO)本処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S106)に次いで特別動作処理(S107)を行う。特別動作処理(S107)は、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理である。特別動作処理(S107)ではまず、図17に示すように、特別動作ステータスの値を読み出して(S1001)、この値に応じたいずれかの処理(S1002〜S1008のうちのいずれかの処理)を実行する。
具体的には、特別動作ステータスの値が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1002)を行う。また、特別動作ステータスの値が「2」である場合には、特別図柄変動中処理(S1003)を行う。また、特別動作ステータスの値が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1004)を行う。また、特別動作ステータスの値が「4」である場合には、大当たり開始処理(S1005)を行う。また、特別動作ステータスの値が「5」である場合には、大当たり開放処理(S1006)を行う。また、特別動作ステータスの値が「6」である場合には、大当たり閉鎖処理(S1007)を行う。また、特別動作ステータスの値が「7」である場合には、大当たり終了処理(S1008)を行う。これらの各処理(S1002〜S1008)については後述する。なお、特別動作ステータスの初期値は「1」である。
[特別図柄待機処理]図18に示すように、特別図柄待機処理(S1002)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)本処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1414)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)および特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)および特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。即ち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。なお、第2特図保留の消化を優先させることなく、両特図保留を入賞順序に従って消化する構成としてもよい。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図19に基づいてまとめて説明する。図19に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図9(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、即ち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、即ち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図9(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「189」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図9(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「1899」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図9(B)に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄の種別を判定する(S1506)。大当たり図柄の種別を判定した後は、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、大当たり図柄の種別に応じた特図停止図柄データ(図7(A)参照)を、RAM84に設けた特図バッファにセットして(S1508)、本処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)を特図バッファにセットして(S1508)、本処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図20および図21に基づいてまとめて説明する。図20に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、即ち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。図10に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
ステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図9(C)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「0」〜「5」である。即ち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ちリーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ちリーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。即ち特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図21に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602〜S1606と同様の流れで処理(S1607〜S1611)を行う。
即ち大当たりであれば(S1607でYES)、図10の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば(S1607でNO且つS1609でYES)、図10の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば(S1607およびS1609でNO)、図10の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。即ち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。つまり時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図20に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1002)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S108)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図22に示すように、特別図柄変動中処理(S1003)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図10参照)が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちに本処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理(S1704)を行って、本処理を終える。
[特別図柄確定処理]図23に示すように、特別図柄確定処理(S1004)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図10参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちに本処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1801でYES)、後述の遊技状態管理処理(S1802)を行う。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1803)。大当たりフラグがONであれば(S1803でYES)、後述の遊技状態リセット処理(S1804)を行う。その後、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1805)。そして大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニング設定を行うとともに(S1806)、大当たりのオープニングコマンドをセットする(S1807)。オープニング設定では大当たり遊技のオープニングの時間が所定のタイマにセットされる。
続いて、特別電役作動有効カウンタの値を、当選した大当たりの種別に応じたラウンド数(図7参照)にセットして(S1808)、本処理を終える。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド遊技の残回数を示すカウンタである。このカウンタを残ラウンド数カウンタともいう。
また、ステップS1803において大当たりフラグがONでなければ(S1803でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1809)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図24に示すように、遊技状態管理処理(S1802)ではまず、確変フラグがONか否かを判定する(S2001)。確変フラグがONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動表示の実行回数を減算方式でカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントして(S2002)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2003)。確変カウンタの値が「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFして(S2004)ステップS2005に進む。なおステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、そのままステップS2005に進む。
ステップS2005では、時短フラグがONか否か判定する。時短フラグがONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示の実行回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントして(S2006)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2007)。時短カウンタの値が「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFして(S2008)ステップS2009に進む。なおステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、そのままステップS2009に進む。
ステップS2009では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(高確率状態か否かの情報、時短状態か否かの情報等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図25に示すように、遊技状態リセット処理(S1804)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、時短フラグがONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。なお本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
[大当たり開始処理]図26に示すように、大当たり開始処理(S1005)ではまず、大当たりのオープニングの時間が経過したか否かを判定する(S2301)。経過していなければ(S2301でNO)、直ちに本処理を終える。経過していれば(S2301でYES)、大入賞口動作設定処理(S2302)を行う。
[大入賞口動作設定処理]図27に示すように、大入賞口動作設定処理(S2302又はS2805)ではまず、特別動作ステータスの値を「5」にセットする(S2401)。次いで、1R分の大入賞口の動作設定を行う(S2402)。つまり、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(図7参照)で大入賞口30が開放されるように、これから実行するラウンドに応じた大入賞口30の動作設定を行う。具体的には例えば、特図1_確変図柄(16R確変大当たり)に当選しており、これから1ラウンド目を開始する場合には、図7に示すように大入賞口30を最大28秒にわたって1回開放させるための駆動データを設定する。上記ステップS2402の実行後に、図14のステップS109の処理(大入賞口ソレノイドの駆動データ出力処理)が実行されると、大入賞口30が開放される。
続いて、特別電役作動有効カウンタ(残ラウンド数カウンタ)の値を1減算する(S2403)。そして、これから実行するラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技かを示す情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットして(S2404)本処理を終える。
[大当たり開放処理]図28に示すように、大当たり開放処理(S1006)ではまず、後述する大入賞口センサ検出処理(S2501)を行う。その後、大入賞口入賞カウンタの値が入賞閾値(本形態では「9」)以上であるか否かを判定する(S2502)。大入賞口入賞カウンタは、1回のラウンド遊技における大入賞口への総入賞球数を加算方式(カウントアップ)にてカウントするカウンタである。このカウンタのカウントアップは、大入賞口センサ検出処理(S2501)で行われる。また入賞閾値は、大入賞口入賞カウンタの値に対して設けられた閾値であり、実行中のラウンド遊技を終了させるためのものである。よって大入賞口入賞カウンタの値が入賞閾値に達した場合には、後述の大入賞口動作タイマの値によらず、大入賞口30が閉塞されてラウンド遊技が終了となる。なお本形態の入賞閾値は、大入賞口入賞カウンタの値に加え、演出制御用マイコン91がカウントする賞球数カウント値に対する閾値でもある。賞球数カウント値については後ほど説明する。
ステップS2502の判定結果がNOであれば、続いて大入賞口動作タイマの値が「0」でないか否かを判定する(S2503)。大入賞口動作タイマは、大入賞口の動作時間(開放時間や閉鎖時間)を計測するためのタイマである。ステップS2503において大入賞口動作タイマの値が「0」でなければ(S2503でYES)、直ちに本処理を終える。
なお、大入賞口入賞カウンタの値が入賞閾値以上の場合(S2502でYES)、又は、大入賞口動作タイマの値が「0」の場合には(S2503でNO)、大入賞口30の閉鎖設定を行う(S2504)。この処理により大入賞口30は閉鎖される。次いでステップS2505では、特別動作ステータスの値を「6」にセットする。そして、大入賞口30の球ハケ時間(つまりラウンド間インターバルの時間、本形態では2000ms)を、大入賞口動作タイマにセットして(S2506)、本処理を終える。
[大入賞口センサ検出処理]図29に示すように、大入賞口センサ検出処理(S2501又はS2801)ではまず、大入賞口30への通過があったか否か(つまり大入賞口センサ30aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する(S2601)。通過検知がなければ(S2601でNO)、直ちに本処理を終える。一方、通過検知があれば(S2601でYES)、大入賞口30への入賞があったことをサブ制御基板90に通知するための大入賞口入賞コマンドを出力バッファにセットする(S2602)。その後、上述した大入賞口入賞カウンタの値に「1」を加算して(S2603)、本処理を終える。
[大当たり閉鎖処理]図30に示すように、大当たり閉鎖処理(S1007)ではまず、図29に示した大入賞口センサ検出処理(S2801)を行って、ステップS2802に進む。この大入賞口センサ検出処理(S2801)は、球ハケ期間中に、大入賞口センサ30aが遊技球を検知した場合のための処理である。
続いてステップS2802では、大入賞口30の球ハケ時間が経過したか否かを判定する。経過していなければ(S2802でNO)、直ちに本処理を終える。一方、経過していれば(S2802でYES)、大入賞口入賞カウンタの値を「0」にクリアする(S2803)。そして遊技制御用マイコン81は、特別電役作動有効カウンタ(残ラウンド数カウンタ)の値が「0」であるか否かを判定する(S2804)。「0」でなければ(S2804でNO)、まだ未実行のラウンド遊技が残っているため、既に図27に基づいて説明した大入賞口動作設定処理(S2805)を行って、本処理を終える。
一方、ステップS2804で「0」であると判定した場合には(S2804でYES)、実行中の大当たり遊技における全てのラウンド遊技が終わっているため、特別動作ステータスを「7」にセットする(S2806)。そして、大当たりのエンディング設定を行うとともに(S2807)、エンディングコマンドを出力バッファにセットして(S2808)、本処理を終える。なおエンディング設定では、大当たり遊技のエンディングの時間が所定のタイマにセットされる。
[大当たり終了処理]図31に示すように、大当たり終了処理(S1008)ではまず、大当たり遊技のエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S3001)、エンディング時間が経過していなければ(S3001でNO)、直ちに本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S3001でYES)、大当たりフラグをOFFし(S3002)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S3003)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図17)として再び特別図柄待機処理(S1002)が実行されることになる。その後、遊技状態設定処理(S3004)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図32に示すように、遊技状態設定処理(S3004)ではまず、今回実行した大当たり遊技が確変大当たり(16R確変大当たり)か否か判定する(S3101)。なお、大当たり種別に関する情報は、大当たり種別乱数の判定処理(図19のステップS1506)の後に、RAM84に設けた大当たり種別バッファ(図示しない)に格納してある。ステップS3101の判定結果がNOであれば、時短フラグをONするとともに(S3102)、時短カウンタに「100」をセットして(S3103)、ステップS3108に進む。上記ステップS3102の処理により、今回の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態、時短状態且つ高ベース状態(つまり低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
これに対して、ステップS3101の判定結果がYESであれば、確変フラグをONするとともに(S3104)、確変カウンタに「10000」をセットする(S3105)。次いで、時短フラグをONするとともに(S3106)、時短カウンタに「10000」をセットして(S3107)、ステップS3108に進む。上記ステップS3104の処理とステップS3106の処理とを行うことにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態、時短状態且つ高ベース状態(つまり高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、実質的に次回の大当たり当選まで制御されることとなる。
7.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図33〜図41に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図33に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理(S4001)を行う。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定などを行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。具体的には、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94の内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス、カウンタ等の値はリセットされる。なお、このステップS4001〜S4003は電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数更新処理(S4005)を実行する。乱数更新処理(S4005)では、種々の演出の演出パターンを決定するための演出決定用乱数や演出の実行を抽選するための実行抽選用乱数の乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には例えば、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数や種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数がある。また実行抽選用乱数には例えば、後述する当選示唆演出の実行抽選に用いるための実行抽選用乱数がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理(S4005)が終了すると、演出制御用マイコン91は続いて、コマンド送信処理(S4006)を行い、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図34に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、即ち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ(S4101でNO)本処理を終え、ONであれば(S4101でYES)主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009,S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1ms周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図35に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検出スイッチ63a(図4参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する入力処理(S4201)を行う。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)を行う。次いで、装飾可動体15を駆動するための駆動データの作成および出力を行う駆動制御処理(S4203)を行う。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行う。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10ms周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図36に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)を行う。その後、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理(S4302)を行う。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4303)を行う。
その後、ランプ処理(S4304)を行う。ランプ処理(S4304)では、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の発光を制御するデータ)の作成や各種ランプを用いた演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4305)を行う。音声制御処理(S4305)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成および音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。
そして、演出決定用乱数を更新するなどのその他の処理(S4306)を実行して、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図37に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、第1始動入賞コマンド(S214でセット)又は第2始動入賞コマンド(S208でセット)を主制御基板80から受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば(S4401でYES)後述する先読み演出判定処理(S4402)を行う。
続いて、主制御基板80から変動開始コマンド(S1406又はS1412でセット)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば(S4403でYES)後述する変動演出開始処理(S4404)を行う。
続いて、主制御基板80からオープニングコマンド(S1807でセット)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば(S4405でYES)オープニングコマンド受信処理(S4406)を行う。オープニングコマンド受信処理(S4406)では、大当たり遊技のオープニングにあわせて、画像表示装置7を用いた画像演出を実行させるための処理を行う。
続いて、主制御基板80からラウンド指定コマンド(S2404でセット)を受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば(S4407でYES)、賞球数カウンタの値(賞球数カウント値)をゼロクリアする処理(S4408)を行う。賞球数カウンタは、演出制御用マイコン91が1回のラウンド遊技における大入賞口30への総入賞球数をカウントするためのものである。賞球数カウンタは、上述した大入賞口入賞カウンタと同じく、加算方式(カウントアップ)である。
本形態では、各ラウンド遊技における大入賞口30の開放前に受信するラウンド指定コマンドによって、賞球数カウント値をゼロクリアする。即ちラウンド指定コマンドは、大入賞口動作設定処理(図27)のステップS2404でセットされた後、メイン側タイマ割り込み処理(図14)の出力処理(S108)でサブ制御基板90に出力される。一方、大入賞口30は、大入賞口動作設定処理(図27)のステップS2402で大入賞口30の動作設定がなされると、メイン側タイマ割り込み処理(図14)のステップS109の処理にて、大入賞口30が開放される。なおステップS109の処理は、メイン側タイマ割り込み処理(図14)において、上記出力処理(S108)よりも後の処理である。よってラウンド遊技の開始までに、賞球数カウント値を確実にクリアすることが可能である。
上記ステップS4408に次いで、ラウンド演出選択処理(S4409)を行う。ラウンド演出選択処理(S4409)では、受信したラウンド指定コマンドに含まれるラウンド遊技に関する情報に基づき、実行されるラウンド遊技に伴う画像演出を選択する。
続いて、主制御基板80から大入賞口入賞コマンド(S2602でセット)を受信したか否か判定し(S4410)、受信していれば(S4410でYES)後述する大入賞口入賞コマンド受信処理(S4411)を行う。
続いて、主制御基板80からエンディングコマンド(S2808でセット)を受信したか否か判定し(S4412)、受信していれば(S4412でYES)、超過入賞カウンタの値(超過入賞カウント値)をゼロクリアする処理(S4413)を行う。超過入賞カウンタは、演出制御用マイコン91が超過入賞の累積値をカウントするためのものである。超過入賞カウンタは、上記大入賞口入賞カウンタや賞球数カウンタと同じく、加算方式(カウントアップ)である。
本形態では、全16Rのラウンド遊技が終了した後に実行されるエンディングの開始時に、今回の大当たり遊技中にカウントした超過入賞カウント値をクリアする。よって今回の大当たり遊技における大入賞口30の開放が全て終わった後に、超過入賞の累積値を確実にリセットすることが可能となっている。また今回の大当たり遊技中に、次回の大当たり遊技のために超過入賞カウント値を確実にクリアすることが可能となっている。
上記ステップS4413に次いで、エンディング演出選択処理(S4414)を行う。エンディング演出選択処理(S4414)では、例えば実行中の大当たり遊技後の遊技状態に応じて、実行されるエンディングに伴う画像演出を選択する。
その後ステップS4415では、その他の処理として上記コマンド以外のコマンド(例えば、普通図柄の変動開始時又は変動停止時に生成される各コマンド)の受信に基づく処理を行う。
[先読み演出判定処理]図38に示すように、先読み演出判定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドをRAM94の特図保留演出記憶部(図6に示す第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶する(S5001)。詳細には、受信した始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドであれば、第1特図保留演出記憶部95a(図6(B)参照)に記憶し、第2始動入賞コマンドであれば、第2特図保留演出記憶部95b(図6(C)参照)に記憶する。なお始動入賞コマンドは、各特図保留演出記憶部において4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)のうち当該コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。
続くステップS5002では、ステップS5001で記憶した始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドであれば、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値に「1」を加算し、第2始動入賞コマンドであれば、RAM94に設けられた第2特図保留演出カウンタの値に「1」を加算する。なお第1特図保留演出カウンタは、第1特図保留の数を計数するサブ側(サブ制御基板90側)のカウンタである。同様に、第2特図保留演出カウンタは、第2特図保留の数を計数するサブ側のカウンタである。
続いて演出制御用マイコン91は、先読み演出の実行抽選処理(S5003)を行う。先読み演出の実行抽選処理(S5003)では、ステップS5001で格納した始動入賞コマンドに基づいて、いわゆる「連続予告」や「保留変化予告」などの先読み演出を行うか否かを抽選にて決定し、先読み演出を行う場合には、先読み演出に関する各種の設定を行う。なお、ここでの実行抽選の対象となる先読み演出に、後述する当選示唆演出は含まれない。また連続予告とは、複数回の特図変動にわたって実行され得る相互に関連した予告演出のことである。また保留変化予告とは、通常表示態様の演出保留画像に代えて、通常表示態様よりも大当たり当選の期待度が高い特別表示態様の演出保留画像を表示する予告演出のことである。
[変動演出開始処理]図39に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5101)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報、又は、特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。また、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報が含まれている。
続くステップS5102では、ステップS5101で解析した変動開始コマンドが特図1変動開始コマンドであれば、上記第1特図保留演出カウンタの値から「1」を減算し、特図2変動開始コマンドであれば、上記第2特図保留演出カウンタの値から「1」を減算する。そして、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶されているデータのシフト処理(S5103)を行う。
シフト処理(S5103)では、第1記憶領域〜第4記憶領域に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを1つ前の記憶領域にシフトさせるとともに、第4記憶領域をクリアする。例えば、第1特図保留演出記憶部95aの第4記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95aの第3記憶領域にシフトされ、第4記憶領域はクリアされる。また、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95aおよび第2特図保留演出記憶部95bに共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95c(図6(A)参照)にシフトされ、当該変動用演出記憶部95cに記憶されていたデータは消去される。
次に、変動演出において最終的に停止表示させる演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせを選択して(S5104)、上述した予告演出の選択を行う(S5105)。次いで、変動演出パターン選択処理(S5106)を行う。変動演出パターン選択処理(S5106)では、変動開始コマンドが示す変動パターンに応じて分類されている複数のテーブルの中から、取得した変動パターンの情報に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、変動演出パターン決定用乱数を取得し、その取得した乱数値を、選択したテーブルを用いて判定することにより、変動演出パターンを選択する。
その後、ステップS5106で選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットして(S5107)、ステップS5108に進む。なお、ステップS5107でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、受信した変動演出開始コマンドに基づいて画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
ステップS5108では、ステップS5106で選択した変動演出パターンが装飾可動体15の駆動演出を伴う演出パターンであるか否かを判定する。装飾可動体15の駆動演出を伴うものでなければ(S5108でNO)、直ちに本処理を終えるが、装飾可動体15の駆動演出を伴うものであれば(S5108でYES)、装飾可動体15を駆動させるための可動体駆動データを、RAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S5109)、本処理を終える。ここでセットされた可動体駆動データは、変動演出の実行期間内の所定の駆動タイミングとなったときに、図35に示した駆動制御処理(S4203)においてランプ制御基板107を介して、中継基板108に出力される。これにより、装飾可動体15は駆動する。
[大入賞口入賞コマンド受信処理]図40に示すように、大入賞口入賞コマンド受信処理(S4411)ではまず、演出制御用マイコン91は、受信した大入賞口入賞コマンドを解析する(S5301)。そして、上述の賞球数カウンタの賞球数カウント値に「1」を加算する(S5302)。その後、賞球数カウント値が上記入賞閾値(「9」)を超えているかどうかを判定する(S5303)。即ちサブ制御基板90側で、現在実行中のラウンド遊技にて入賞閾値を超える超過入賞(「オーバー入賞」)が発生したかどうかを判定する。
賞球数カウント値が入賞閾値(「9」)を超えていない場合(S5303でNO)、つまり賞球数カウント値が入賞閾値以下の場合には、後述のステップS5310に進む。一方、賞球数カウント値が入賞閾値を超えている場合(S5303でYES)、つまり超過入賞が発生した場合には、ステップS5304に進み、上述した超過入賞カウント値に「1」を加算する。
なお本形態では、同じラウンド遊技中に複数の超過入賞があった場合には、超過入賞毎に超過入賞カウント値に「1」を加算する。具体的に例えば、同じラウンド遊技中に「10個目」および「11個目」の2つの超過入賞があった場合には、「10個目」の入賞で超過入賞カウント値にまず「1」を加算する。そして、その後の別の大入賞口入賞コマンド受信処理(S4411)にて、超過入賞カウント値にさらに「1」を加算することになる(「11個目」の入賞分)。よって本パチンコ遊技機1は、超過入賞カウンタを用いて、1回の大当たり遊技中に生じた超過入賞をもれなく累積することが可能な構成になっている。よって例えば、超過入賞が生じたラウンド遊技の回数を累積し、その累積値に応じて後述の当選示唆演出や超過入賞演出を実行するような構成よりも、当選示唆演出や超過入賞演出の実行機会をより多く設けることが可能となっている。特に本形態では、超過入賞演出として、態様の異なる複数種類の演出を設けているため、1回の大当たり遊技中の複数回の超過入賞演出を異なる態様で実行することが可能となっている。従って、遊技者を飽きさせないパチンコ遊技機1となっている。
上記ステップS5304の処理に続いて、RAM94の第2特図保留演出記憶部95bに大当たり当選に関する情報があるか否かを判定する(S5305)。即ち、第2特図保留演出記憶部95bに記憶している始動入賞コマンドに基づいて、特図保留の中に大当たり当選と判定される予定の特図保留があるかどうかを判定する。なお大当たり当選と判定される予定の特図保留を特に「当たり保留」という。
具体的には、第2特図保留演出記憶部95bの各記憶領域に記憶している始動入賞コマンドを読み出して、その読み出した始動入賞コマンドの中に、下位コマンドが大当たり当選に関する情報である始動入賞コマンドがあるかどうかを判定する。
即ち図12に示すように、読み出した始動入賞コマンドの中に、下位コマンドが「11H」である始動入賞コマンドがある場合には、第2特図保留演出記憶部95bに大当たり当選に関する情報がある、つまり特図保留の中に当たり保留があると判定する。また読み出した始動入賞コマンドの中に、下位コマンドが「11H」の始動入賞コマンドはないけれども、下位コマンドが「12H」である始動入賞コマンドがあり、且つ、実行中の大当たり遊技の当たりの種別が「16R確変大当たり」の場合には、第2特図保留演出記憶部95bに大当たり当選に関する情報がある、つまり当たり保留があると判定する。
なお読み出した始動入賞コマンドの中に、下位コマンドが「11H」の始動入賞コマンドはないが、下位コマンドが「12H」である始動入賞コマンドがあり、且つ、実行中の大当たり遊技の当たりの種別が「16R通常大当たり」の場合には、第2特図保留演出記憶部95bに大当たり当選に関する情報がない、つまり特図保留の中に当たり保留がないと判定する。また、読み出した始動入賞コマンドの中に、下位コマンドが「11H」の始動入賞コマンドも「12H」の始動入賞コマンドもない場合、つまり読み出した始動入賞コマンドの下位コマンドがいずれも「20H」の場合には、第2特図保留演出記憶部95bに大当たり当選に関する情報がない、つまり当たり保留がないと判定する。
以上のようにして演出制御用マイコン91は、第2特図保留演出記憶部95bに大当たり当選に関する情報があると判定した場合には(S5305でYES)、ステップS5306に進む。一方、第2特図保留演出記憶部95bに大当たり当選に関する情報がないと判定した場合には(S5305でNO)、ステップS5309に進む。なお本形態では、第2特図保留演出記憶部95bに大当たり当選に関する情報があるか否かを判定する構成としたが、第2特図保留演出記憶部95bに大当たり当選に関する情報があるか否かを判定して、大当たり当選に関する情報がなければ、続いて第1特図保留演出記憶部95aに大当たり当選に関する情報があるか否かを判定する構成としてもよい。即ち第2特図保留演出記憶部95bに大当たり当選に関する情報がなければ、第1特図保留演出記憶部95aに記憶している始動入賞コマンドに基づいて、当たり保留があるかどうかを判定する構成としてもよい。また、第2特図保留演出記憶部95bに代えて、第1特図保留演出記憶部95aに大当たり当選に関する情報があるか否かを判定する構成でもよい。
ステップS5306では、後述の当選示唆演出を実行するための抽選を行う。具体的には、上述した実行抽選用乱数の値に基づいて、当選示唆演出の実行抽選を行う。本形態では、50%の確率で当選示唆演出を実行することに当選する。なお当選示唆演出を実行する確率を50%としたが、100%未満で且つ0%を超えた値のうち50%を除いた値でもよい。
次いでステップS5307では、上記実行抽選に当選したか否かを判定する。実行抽選に当選した場合には(S5307でYES)、当選示唆演出を設定して(S5308)、ステップS5310に進む。ステップS5308の実行後に、演出制御用マイコン91は、10msタイマ割り込み処理(図36)の音声制御処理(S4305)にて、当選示唆演出(図42(A)および図43参照)を実行する。
本形態の当選示唆演出は、スピーカ67(左スピーカ67L,右スピーカ67R)を用いた音声演出である。この当選示唆演出は、「激熱じゃ」といったセリフを用いた音声演出である(図42(A)および図43参照)。なおこのときの「声の出演者(音声の主体である声優)」は、本パチンコ遊技機1の遊技中の演出に度々登場するキャラクタC(男性のキャラクタ)である(図42(A)および図43参照)。またその音声は、左スピーカ67Lおよび右スピーカ67Rの両方から出力される(図42(A)および図43参照)。
本形態では、当選示唆演出に「激熱じゃ」のセリフを用いているため、このセリフを聞いた遊技者に、現在記憶している特図保留の中に上記当たり保留があるのを示唆可能となっている。よって実行中の大当たり遊技の終了後に新たな大当たり遊技が「連チャン」することへの喜びを遊技者に実感させることが可能となっている。
しかも当選示唆演出は、上記ステップS5303でYESの判定の場合、つまり「オーバー入賞」が発生した場合に実行され得る演出である。従って当選示唆演出が実行された場合には、オーバー入賞も発生していることになる。このため当選示唆演出の実行によって、上述した「連チャン」への喜びに、超過入賞の発生による喜び(満足感)を加えた二重の喜びを遊技者に実感させることが可能となっている。
また当選示唆演出の「声の出演者」であるキャラクタCは、後述するキャラクタAやキャラクタBに比べると、本パチンコ遊技機1の演出にて登場する頻度が少ないキャラクタに設定されている。このため当選示唆演出を聞いた遊技者に、当選示唆演出が他の演出よりも希少価値の高い稀な演出であることを認識させることが可能となっている。
また当選示唆演出では、左右両方のスピーカ67L,67Rを用いているので、2つのスピーカ67L,67Rの一方を用いる場合よりも、当選示唆演出を遊技者に認識させ易い。また仮に、2つのスピーカ67L,67Rの一方について、音声を出力できないような事態(不具合)が発生した場合でも、音声を出力可能な他方のスピーカを用いて当選示唆演出を実行可能であり、当選示唆演出を遊技者に認識させることが可能となっている。
図40に戻り、上記ステップS5307で上記実行抽選に当選しなかった場合には(S5307でNO)、ステップS5309に進む。ステップS5309では後述の超過入賞演出実行処理を行う。次いでステップS5310では、大入賞口入賞コマンドに基づいて画像表示装置7の表示画面7a上に払出賞球数の累積値を表示させるなど、その他の処理を行う。そして本処理を終える。
[超過入賞演出実行処理]図41に示すように、超過入賞演出実行処理(S5309)ではまず、演出制御用マイコン91は、上記ステップS5304で加算した超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値(本形態では「5」)以上かどうかを判定する(S5401)。超過入賞累積閾値は、超過入賞カウント値に対して設けられた閾値であり、超過入賞演出のうちの特別態様演出(図42(B)および図44(C)参照)の実行契機となる閾値である。よって、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値に達している場合には、超過入賞演出として特別態様演出を実行することになる。
即ち、ステップS5401で超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値(「5」)以上の場合には(S5401でYES)、ステップS5402に進み、超過入賞演出として特別態様演出を設定する。このステップS5402の実行後に、演出制御用マイコン91は、10msタイマ割り込み処理(図36)の音声制御処理(S4305)にて、特別態様演出(図42(B)および図44(C)参照)を実行する。なお特別態様演出については後ほど説明する。
一方、ステップS5401で超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値(「5」)未満の場合には(S5401でNO)、超過入賞カウント値が「1」かどうかを判定する(S5403)。超過入賞カウント値が「1」の場合には(S5403でYES)、ステップS5404に進み、超過入賞演出として第1態様演出を設定する。このステップS5404の実行後に演出制御用マイコン91は、上記音声制御処理(S4305)にて、第1態様演出(図42(B)および図44(A)参照)を実行する。第1態様演出については後ほど説明する。
一方、ステップS5403で超過入賞カウント値が「1」でない場合には(S5403でNO)、続いて超過入賞カウント値が「2」かどうかを判定する(S5405)。超過入賞カウント値が「2」の場合には(S5405でYES)、ステップS5406に進み、第2態様演出を設定する。このステップS5406の実行後に演出制御用マイコン91は、上記音声制御処理(S4305)で第2態様演出(図42(B)および図44(B)参照)を実行する。第2態様演出については後ほど説明する。
また、ステップS5405で超過入賞カウント値が「2」でない場合には(S5405でNO)、続いて超過入賞カウント値が「3」かどうかを判定する(S5407)。超過入賞カウント値が「3」の場合には(S5407でYES)、ステップS5408に進み、第3態様演出を設定する。このステップS5408の実行後に演出制御用マイコン91は、上記音声制御処理(S4305)で第3態様演出(図42(B)参照)を実行する。第3態様演出については後ほど説明する。
また、ステップS5407で超過入賞カウント値が「3」でない場合には(S5407でNO)、超過入賞カウント値が「4」であるため、ステップS5409に進み、第4態様演出を設定する。このステップS5409の実行後に演出制御用マイコン91は、上記音声制御処理(S4305)にて第4態様演出(図42(B)参照)を実行する。第4態様演出については後ほど説明する。
本形態の超過入賞演出は、スピーカ67(左スピーカ67L,右スピーカ67R)を用いた音声演出である。即ち、左スピーカ67Lおよび右スピーカ67Rの少なくとも一方から出力される音声を利用した演出である。この超過入賞演出には、図42(B)に示すように、上述した第1態様演出、第2態様演出、第3態様演出、第4態様演出および特別態様演出がある。具体的に第1態様演出は、「やったわね」といったセリフを用いた演出である(図42(B)および図44(A)参照)。なおこのときの「声の出演者」は、本パチンコ遊技機1の遊技中の演出に度々登場するキャラクタA(女性のキャラクタ)である(図42(B)および図44(A)参照)。またその音声は、左スピーカ67Lからしか出力されない(図42(B)および図44(A)参照)。
また第2態様演出は、上記第1態様演出とは異なる、「さすがだわ」といったセリフを用いた演出である(図42(B)および図44(B)参照)。なお「声の出演者」は、上記キャラクタAとは異なるキャラクタB(但し、キャラクタAと同じく女性のキャラクタ)である(図42(B)および図44(B)参照)。またその音声は、右スピーカ67Rからしか出力されない(図42(B)および図44(B)参照)。
また第3態様演出は、上記第1態様演出および第2態様演出とは異なる、「やったね」といったセリフを用いた演出である(図42(B)参照)。なお「声の出演者」は、第1態様演出と同じくキャラクタAである(図42(B)参照)。またその音声は、第1態様演出と同じく左スピーカ67Lからしか出力されない(図42(B)参照)。
また第4態様演出は、上記第1態様演出、第2態様演出および第3態様演出とは異なる、「やったわ」といったセリフを用いた演出である(図42(B)参照)。なお「声の出演者」は、第2態様演出と同じくキャラクタBである(図42(B)参照)。またその音声は、第2態様演出と同じく右スピーカ67Rからしか出力されない(図42(B)参照)。
また特別態様演出は、上記第1態様演出、第2態様演出、第3態様演出および第4態様演出とは異なる、「やりおった」といったセリフを用いた演出である(図42(B)および図44(C)参照)。なお「声の出演者」は、上記第1〜第4態様演出とは異なる、上述したキャラクタCである(図42(B)および図44(C)参照)。またその音声は、左スピーカ67Lおよび右スピーカ67Rの両方から出力される(図42(B)および図44(C)参照)。
本形態の超過入賞演出では、各種類(第1態様演出,第2態様演出,第3態様演出,第4態様演出,特別態様演出)で音声の内容(セリフ、声の出演者、出力スピーカの別からなる音声演出の内容)がいずれも異なっている。よって5回目までの超過入賞については、超過入賞が発生する度に先回とは異なる態様で超過入賞演出を実行することが可能となっている。従って、1回の大当たり遊技において超過入賞が複数回生じた場合でも、遊技者を飽きさせない超過入賞演出となっている。また超過入賞演出の音声の内容から、発生した超過入賞が、現在の大当たり遊技において何回目のものであるのかを遊技者に把握させることが可能となっている。
また超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値(「5」)以上の場合には上述の特別態様演出を実行する。よってこの特別態様演出の実行により、超過入賞累積閾値以上の多くの超過入賞が生じたことを遊技者に認識させることが可能となっている。また、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値以上の場合には特別態様演出を実行するので、特別態様演出を実行させることを遊技者が目指すようになり、遊技者の遊技意欲を向上させることが可能となっている。
また第1態様演出および第3態様演出における「声の出演者」と、第2態様演出および第4態様演出における「声の出演者」と、特別態様演出における「声の出演者」とが、いずれも異なっている。このため「声の出演者」の違いによって超過入賞演出がどの態様演出であるのかを遊技者に認識させ易くなっている。
しかも第1態様演出〜第4態様演出における「声の出演者」が女性(キャラクタA,キャラクタB)であるのに対し、特別態様演出における「声の出演者」が男性(キャラクタC)となっている。このため特別態様演出がその他の態様演出(第1態様演出〜第4態様演出)とは異なる特別な態様であることを遊技者に認識させ易くなっている。
また第1態様演出〜第4態様演出では、左右のスピーカ67L,67Rの一方を用いているのに対し、特別態様演出では左右両方のスピーカ67L,67Rを用いて超過入賞演出を実行している。よって2つのスピーカ67L,67Rの一方を用いる場合よりも、特別態様演出を遊技者に認識させ易い。また、特別態様演出がその他の態様演出とは異なる特別な態様であることを遊技者に認識させ易くなっている。
また、「声の出演者」がキャラクタAの第1態様演出および第3態様演出は、左スピーカ67Lのみから出力され、「声の出演者」がキャラクタBの第2態様演出および第4態様演出は、逆に右スピーカ67Rのみから出力される。このためキャラクタAとキャラクタBとは同じ女性キャラクタであるけれども、実行した超過入賞演出が第1態様演出又は第3態様演出なのか、それとも、第2態様演出又は第4態様演出なのかを遊技者により認識させ易くなっている。即ち発生した超過入賞が現在の大当たり遊技において「1回目」又は「3回目」のものなのか、それとも、「2回目」又は「4回目」のものなのかを遊技者に認識させ易い。
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1は、大当たり遊技の実行中に大入賞口30への超過入賞(オーバー入賞)があった場合には、サブ制御基板90側の第1特図保留演出記憶部95aの各記憶領域および第2特図保留演出記憶部95bの各記憶領域に記憶されている始動入賞コマンドに基づいて、当たり保留があるかどうかを判定し得る。そしてその判定にて、当たり保留があると判定された場合には、記憶している特図保留の中に当たり保留があることを示唆する当選示唆演出(図42(A)および図43参照)を実行し得る。このため超過入賞の発生に加えて、実行中の大当たり遊技の終了後に新たな大当たり遊技が「連チャン」することへの二重の喜びを遊技者に実感させることが可能となっている。即ち、当選示唆演出を超過入賞の報知に「連チャン」の報知を付加させた演出とすることで、超過入賞を報知する演出についての興趣を向上させることが可能となっている。
また本パチンコ遊技機1では、当選示唆演出はスピーカ67(左スピーカ67L,右スピーカ67R)を用いた音声演出である。このため大当たり遊技の実行中に遊技領域3内の遊技球の行方を視認している遊技者に、聴覚を通じて、当選示唆演出を認識させることが可能となっている。即ち、大入賞口30への超過入賞があったことと「連チャン」があることを、遊技中の遊技者に確実に認識させることが可能となっている。
また本パチンコ遊技機1では、第2特図保留演出記憶部95bの各記憶領域に記憶されている始動入賞コマンドに基づいて当たり保留があると判定された場合には、抽選によって当選示唆演出の実行を決定する。このため、大当たり遊技の実行中に超過入賞して当選示唆演出がなかったとしても、その超過入賞の発生時に記憶していた特図保留の中に当たり保留があるかもしれないことを遊技者に期待させ得る。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上述した実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、上記形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、大当たり遊技中の全てのラウンド遊技について、超過入賞が生じた場合には当選示唆演出を実行し得る構成とした。しかしながら超過入賞の発生時に、大当たり遊技の一部のラウンド遊技については当選示唆演出を実行可能とし、それ以外のラウンド遊技については、特図保留演出記憶部の各記憶領域に記憶されている始動入賞コマンドに基づいて当たり保留があると判定されても当選示唆演出を実行しない構成としてもよい。
このような構成として例えば、9R目未満、即ち1R目〜8R目の各ラウンド遊技については、超過入賞が生じた場合に当選示唆演出を実行し得る一方、9R目以降、即ち9R目〜16R目の各ラウンド遊技については、超過入賞が生じても当選示唆演出を実行しない構成としてもよい。
この構成の場合、上記形態の受信コマンド解析処理(図37)を図45に示す処理に変更する。即ち図45に示すように、上記ステップS4407の処理でYESと判定された場合に行われる処理に、実行ラウンド選択処理(S6001)を新たに加えたものに変更する。
図46を用いて実行ラウンド選択処理(S6001)について説明する。実行ラウンド選択処理(S6001)ではまず、演出制御用マイコン91は、ラウンド遊技の実行回数をカウントするラウンドカウンタの値であるラウンドカウント値(ラウンドカウント手段によるカウント値に相当)に「1」を加算する(S6101)。なおラウンドカウンタは加算方式(カウントアップ)である。
上記ステップS6101の後、抽選実行フラグがONかどうかを判定する(S6102)。抽選実行フラグは、後述のステップS6105でON(セット)されるフラグであり、当選示唆演出の実行抽選を行うことを示すフラグである。
抽選実行フラグがONでない場合(S6102でNO)、つまりOFFの場合には、ステップS6104に進むが、抽選実行フラグがONの場合には(S6102でYES)、抽選実行フラグをOFFして(S6103)、ステップS6104に進む。これによりラウンド指定コマンドを受信する度に、抽選実行フラグを一旦リセットすることが可能となっている。
ステップS6104では、ラウンドカウント値がラウンド閾値(本構成では「9」)未満かどうかを判定する。ラウンド閾値は、ラウンドカウント値に対して設けられた閾値である。ラウンドカウント値がラウンド閾値未満ではない場合(S6104でNO)、つまりラウンドカウント値がラウンド閾値以上の場合、即ちラウンド遊技が9R目〜16R目の場合には、抽選実行フラグをONすることなくステップS6106に進む。一方、ラウンドカウント値がラウンド閾値未満の場合(S6104でYES)、即ちラウンド遊技が1R目〜8R目の場合には、抽選実行フラグをONして(S6105)、ステップS6106に進む。これによりラウンド遊技が1R目〜8R目の実行中に超過入賞が生じたときには、後述の大入賞口入賞コマンド受信処理(図47)にて、当選示唆演出の実行抽選を行う(S5306)。
ステップS6106では、受信したラウンド指定コマンドを解析して、ラウンド遊技が最終ラウンド(即ち16R目)であるかどうかを判定する。最終ラウンドでない場合には(S6106でNO)そのまま本処理を終えるが、最終ラウンドであれば(S6106でYES)、ラウンドカウント値を「0」にクリアして(S6107)、本処理を終える。これにより、次回の大当たり遊技の開始時には、ラウンドカウント値を「0」から加算することが可能である。
また、上記形態の大入賞口入賞コマンド受信処理(図40)を図47に示す処理に変更する。即ち図47に示すように、上記ステップS5305の処理と上記ステップS5306の処理との間に、ステップS6201の処理を加えたものに変更する。
図47に示すステップS6201では、抽選実行フラグがONかどうかを判定する。抽選実行フラグがONでない場合(S6201でNO)、つまりOFFの場合には、上記ステップS5310に進むが、抽選実行フラグがONの場合には(S6201でYES)、上記ステップS5306に進む。即ち抽選実行フラグがONの場合には、続いて当選示唆演出の実行抽選を行う(S5306)。
なお本構成では図47に示すように、抽選実行フラグがOFFの場合には(S6201でNO)、当選示唆演出の実行抽選を行わない。このため9R目〜16R目のラウンド遊技では、超過入賞が生じて、特図保留の中に当たり保留があると判定した場合(S5303でYES且つS5305でYES)でも、当選示唆演出を実行しない。
よって、大当たり遊技の実行期間のうちラウンド閾値(「9」)以上のラウンドに相当するラウンド遊技(即ち9R目〜16R目のラウンド遊技)を実行する期間に、大当たり遊技中に実行している、当選示唆演出以外の演出(例えば、ラウンド遊技の実行に伴う演出等)を遊技者に堪能させることが可能となっている。従ってこのような構成では、9R目以降の演出として、遊技者に確実に見せたい「キメ」となる演出(例えば、8R目までの演出よりも内容として重要な演出)を実行するとよい。
また例えば、当選示唆演出の実行時間が上記形態とは異なり比較的長い演出(例えば数十秒程度の演出)の場合には、ラウンド閾値(「9」)以上のラウンドに相当するラウンド遊技の実行期間を、そのような当選示唆演出の演出期間の一部に充てることが可能となっている。従って、大当たり遊技の終盤のラウンド遊技にて当選示唆演出の実行を開始させた場合に発生し得る、当選示唆演出が大当たり遊技の実行期間内に終了しないような事象を防止できる。つまり、当選示唆演出を大当たり遊技の実行期間内に終了させることが可能となっている。
なお、ラウンドカウンタを減算方式(カウントダウン)としてもよい。この場合、大当たり遊技の開始に伴いラウンドカウンタに全ラウンド遊技数にあたる「16」をセットする。そして、ステップS6101ではラウンドカウント値から「1」を減算する。またステップS6104の処理を、ラウンドカウント値がラウンド閾値以上かどうかを判定するものに変更する。さらにステップS6106およびS6107を行わない構成に変更する。
また例えば、ステップS5304の処理と超過入賞演出実行処理(S5309)とを行わないとした上で、ステップS6201の処理を、ステップS5305の処理とステップS5306の処理との間ではなく、ステップS5303の処理とステップS5305の処理との間に設けた構成でもよい。このような構成の場合、抽選実行フラグがOFFであれば、実行抽選の処理に、特図保留の中に当たり保留があるかの判定処理などを加えたステップS5305〜S5308の各処理を行わないことになるため、演出制御用マイコン91の処理負担を低減可能である。また、ステップS5304の処理と超過入賞演出実行処理(S5309)とを行わないとした上で、ステップS6201の処理を、ステップS5302の処理とステップS5303の処理との間に設けた構成でもよい。このような構成の場合、抽選実行フラグがOFFであれば、実行抽選の処理に、特図保留の中に当たり保留があるかの判定処理や賞球数カウント値が入賞閾値を超えているかの判定処理などを加えたステップS5303〜S5308の各処理を行わないことになるため、演出制御用マイコン91の処理負担を低減可能である。
またラウンド閾値を「9」としたが、「9」に限らず、1回の大当たり遊技(特別遊技)に含まれるラウンド遊技の回数の1つにあたる値であればよい。
また上記形態では、超過入賞が生じたときには当選示唆演出の実行抽選を行い、その実行抽選に当選した場合には当選示唆演出を実行する構成とした。しかしながら、そのような抽選を行わずに当選示唆演出を実行し得る構成でもよい(例えば図48に示す大入賞口入賞コマンド受信処理を参照)。
また上記形態では、超過入賞が生じた場合に、超過入賞カウンタの値(超過入賞カウント値)によらず、特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報があるか否か、つまり特図保留の中に当たり保留があるか否かを判定する構成とした。しかしながら超過入賞が生じて、超過入賞カウント値が超過入賞累積値となった場合に、特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報があるか否かを判定する構成でもよい。
この構成の場合、上記形態の大入賞口入賞コマンド受信処理(図40)を図48に示す処理に変更する。即ち図48に示すように、上記ステップS5304の処理と上記ステップS5305の処理との間にステップS6301の処理を加え、ステップS5306およびステップS5307の各処理を行わないものに変更する。
図48に示すステップS6301では、演出制御用マイコン91は、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値(本形態では「5」)かどうかを判定する。超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値でない場合には(S6301でNO)、上述したステップS5309の処理に進む。一方、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値の場合には(S6301でYES)、上述したステップS5305の処理に進んで、特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報があるか否か、つまり特図保留の中に当たり保留があるか否かを判定する。なおステップS5305の処理でYESの判定であれば、当選示唆演出を実行する(S5308)。即ちこの構成では、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値のときに特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報があれば、つまり特図保留の中に当たり保留があれば、当選示唆演出を必ず実行する。
よって、超過入賞カウント値(超過入賞の累積値)が超過入賞累積閾値となる超過入賞が発生したタイミングのみで当選示唆演出が実行され得るため、1回の大当たり遊技の実行中に当選示唆演出が複数回実行されるのを防止可能となっている。また1回の大当たり遊技にて超過入賞累積閾値まで超過入賞を発生させようと遊技者が目指すようになり、遊技者の遊技意欲を向上させることが可能となっている。
また、例えば超過入賞の発生毎に当たり保留があるか否かの判定を行う構成と比べて、その判定を行う演出制御用マイコン91(CPU92)の処理の負担を低減可能となっている。
また、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値のときに特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報があれば、つまり特図保留の中に当たり保留があれば、当選示唆演出を実行して超過入賞演出の特別態様演出を実行しない。一方、特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報がなければ、つまり当たり保留がなければ、特別態様演出を実行して当選示唆演出を実行しない。また超過入賞カウント値が超過入賞閾値を超えたときには、特別態様演出を実行して、当選示唆演出を実行しない。従って、当選示唆演出および特別態様演出が同じタイミングに実行されることがないため、当選示唆演出および特別態様演出のどちらの演出が実行されているのかを遊技者に認識させ易い。
なお例えば、ステップS6301の処理の前にステップS5305の処理を行う構成でもよい。即ち、特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報があるか否か、つまり特図保留の中に当たり保留があるか否かを判定した後に、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値であるかどうかを判定する構成でもよい。また例えば、超過入賞カウント値が超過入賞累積閾値以上であるかどうかを判定する構成でもよい。
また例えば、複数のラウンド遊技のうちの偶数回数(又は奇数回数)にあたるラウンド遊技に当選示唆演出を実行可能としてもよい。即ち超過入賞が生じて、超過入賞カウント値が偶数(又は奇数)の場合に、特図保留演出記憶部に大当たり当選に関する情報があるか否か、つまり特図保留の中に当たり保留があるか否かを判定する構成でもよい。
また上記形態では、賞球数カウント値が入賞閾値を超える度に、当選示唆演出を実行し得る構成とした。しかしながら例えば、超過入賞が生じたラウンド遊技毎に、当選示唆演出を実行し得る構成としてもよい。
このような構成の場合、上記形態の大入賞口入賞コマンド受信処理(図40)を図49に示す処理に変更する。即ち、上記大入賞口入賞コマンド受信処理のステップS5303の処理に代えて、賞球数カウント値が入賞閾値に「1」を加算した値であるかどうかを判定する処理(S6401)を行う。また、上記大入賞口入賞コマンド受信処理のステップS5304の処理に代えて、超過入賞ラウンドカウンタの値に「1」を加算する処理(S6402)を行う。超過入賞ラウンドカウンタは、超過入賞が生じたラウンド遊技の回数の累積値をカウントするためのカウンタである。
なお上記ステップS6401の処理は、賞球数カウント値が入賞閾値に「1」を加算した値のときだけ、ステップS6402に進むことが可能である。具体的に例えば、同一のラウンド遊技にてさらに超過入賞(2個目の超過入賞)が生じた場合には、上記ステップS5302の処理後の賞球数カウント値は入賞閾値に「1」を加算した値よりも大きな値となり、入賞閾値に「1」を加算した値と同値ではなくなる。よってこの場合には、上記ステップS6401での判定結果がNOとなる。
また、上述した超過入賞演出実行処理(図41)の各処理の「超過入賞カウント値」、および、図42の表中の「超過入賞カウント値」をそれぞれ「超過入賞ラウンドカウンタの値」に変更する。これにより、超過入賞ラウンドカウンタの値に応じた態様で超過入賞演出を実行することが可能となる。
また上記形態では当選示唆演出を、スピーカ67を用いた音声演出とした。しかしながら例えば、画像表示装置7を用いた画像演出としてもよい。この場合に、例えば画像表示装置7の表示画面7a上に通常とは異なる特別な画像を用いた画像演出が挙げられる。また例えば、ランプ類(盤ランプ5,枠ランプ66)を用いた演出としてもよい。この場合に、例えばランプ類(盤ランプ5,枠ランプ66)の点灯態様が通常とは異なる演出が挙げられる。また例えば、装飾可動体15を用いた演出としてもよい。この場合に、例えば装飾可動体15の動作態様が通常とは異なる演出が挙げられる。
また上記形態では、遊技制御用マイコン81が、大入賞口30への入賞があったことを通知するための大入賞口入賞コマンドを演出制御用マイコン91に出力する構成とした。しかしながら、実行中のラウンド遊技での入賞球の個数に関する情報を含んだ大入賞口入賞コマンドを出力する構成としてもよい。この場合、演出制御用マイコン91は、大入賞口入賞コマンド受信処理(図40)のステップS5301にて、受信した大入賞口入賞コマンド内の入賞球の個数に関する情報を読み出して、その情報に基づいて賞球数カウント値を変更する。
また、主制御基板80に接続された大入賞口センサ30aに加えて、大入賞口30に入賞した遊技球を検出する、サブ制御基板90に接続されたサブ側大入賞口センサを大入賞装置31内に設けた形態でもよい。この形態の場合に例えば、上記1msタイマ割り込み処理(図35)の入力処理(S4201)で、サブ側大入賞口センサが検知した検出信号を読み込む。なおサブ側大入賞口センサは、大入賞装置31内の大入賞口センサ30aよりも下流の位置に設けるとよい。
また、上記形態の10msタイマ割り込み処理(図36)を図50に示す処理に変更する。即ち、図50に示すように上記ステップS4301とステップS4302との間に、大入賞口入賞処理(S6501)を新たに加えたものに変更する。
図51を用いて大入賞口入賞処理(S6501)について説明する。大入賞口入賞処理(S6501)ではまず、演出制御用マイコン91は、サブ側大入賞口センサによる遊技球の通過検知があったか否かを判定する(S6601)。サブ側大入賞口センサによる遊技球の通過検知がない場合には(S6601でNO)、そのまま本処理を終えるが、サブ側大入賞口センサによる遊技球の通過検知があった場合には(S6601でYES)、上記形態の大入賞口入賞コマンド受信処理(図40)のステップS5302を行う。なお大入賞口入賞処理(S6501)のステップS5302〜ステップS5309の各処理は、上記形態の大入賞口入賞コマンド受信処理(図40)と同じ処理であるため、説明を省略する。また、上記形態の大入賞口入賞コマンド受信処理(図40)を、ステップS5302〜ステップS5309の各処理を行わない、ステップS5301およびステップS5310の処理に変更する。
かくしてサブ制御基板90(演出制御用マイコン91)が、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)から出力されるコマンドによらないで、大入賞口30への入賞球に関する情報を記憶することが可能となっている。
また上記形態では入賞閾値を「9」としたが、「9」以外の値でもよい。但しその場合には、「10」を超えないことがより好ましい。
また上記形態では、超過入賞累積閾値を「5」としたが、「2」以上の「5」以外の値でもよい。また、当選示唆演出の実行および超過入賞演出の特別態様演出の実行について、共通の超過入賞累積閾値を用いたが、当選示唆演出の実行についての第1超過入賞累積閾値と、第1超過入賞累積値とは値が異なる特別態様演出の実行についての第2超過入賞累積閾値とを設けてもよい。この構成の場合、第1超過入賞累積閾値が超過入賞累積値に相当する。
また上記形態では、大当たり遊技中の全てのラウンド遊技について、超過入賞が生じた場合には超過入賞演出を実行する構成とした。しかしながら大当たり遊技の一部のラウンド遊技について、超過入賞演出を実行する構成としてもよい。具体的に例えば、9R目未満、即ち1R目〜8R目の各ラウンド遊技については、超過入賞が生じた場合に超過入賞演出を実行する一方、9R目以降、即ち9R目〜16R目の各ラウンド遊技については、超過入賞が生じても超過入賞演出を実行しない構成としてもよい。
また例えば、超過入賞が生じても超過入賞演出を実行しないラウンド遊技を、大当たり遊技をなす複数のラウンド遊技の1つにだけ設けてもよい。また例えば、複数のラウンド遊技のうちの偶数回数(又は奇数回数)にあたるラウンド遊技に設けてもよい。
また例えば、超過入賞が生じたときには、超過入賞演出の実行に関する抽選を行い、その抽選に当選した場合には超過入賞を実行し、その抽選に当選しなかった場合には超過入賞を実行しない構成でもよい。
また上記形態では、超過入賞演出に特別態様の演出(特別態様演出)を設けた構成としたが、特別態様の超過入賞演出がない構成としてもよい。
また上記形態では、超過入賞の累積値が超過入賞累積閾値(「5」)以上の場合には、その累積値にかかわらず同じ態様の演出(特別態様演出)を実行する構成とした。しかしながら例えば、超過入賞累積閾値以上の場合についても、累積値に応じて、態様がそれぞれ異なる演出を実行する構成としてもよい。
また上記形態では、累積値が超過入賞累積閾値未満の場合、つまり「1」〜「4」の場合には、その累積値に応じて、態様がそれぞれ異なる演出(第1態様演出〜第4態様演出)を実行する構成とした。しかしながら例えば、累積値が超過入賞累積閾値未満の場合には、その累積値にかかわらず同じ態様の演出を実行する構成としてもよい。但しそのような構成の場合、特別態様とは異なる態様とする。
また上記形態では超過入賞演出を、スピーカ67を用いた音声演出とした。しかしながら例えば、画像表示装置7を用いた画像演出としてもよい。この場合に、異なる態様の超過入賞演出としては、例えば画像表示装置7の表示画面7a上に示す画像の態様を異ならせた画像演出が挙げられる。また例えば、ランプ類(盤ランプ5,枠ランプ66)を用いた演出としてもよい。この場合に、異なる態様の超過入賞演出としては、例えばランプ類(盤ランプ5,枠ランプ66)の点灯態様を異ならせた演出が挙げられる。また例えば、装飾可動体15を用いた演出としてもよい。この場合に、異なる態様の超過入賞演出としては、例えば装飾可動体15の動作態様を異ならせた演出が挙げられる。
また上記形態では、1回の実行中に大入賞口30を1回開放させるラウンド遊技としたが、大入賞口30を2回以上開放させるラウンド遊技でもよい。但しその場合には、1回のラウンド遊技における、大入賞口30を開放可能な開放時間の合計が30秒を超えないことがより好ましい。
また上記形態では、1回の大当たり遊技におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数)を「16」とした。しかしながら、「16」に代えて「2」〜「15」のいずれの回数としてもよい。
また上記形態では、いわゆる「第1種」,「デジパチ」といわれるパチンコ遊技機1とした。しかしながら、「第1種」のパチンコ遊技機の特徴と「第2種」のパチンコ遊技機の特徴とを併せ持ついわゆる「1種2種混合」といわれるパチンコ遊技機としてもよい。