JP5953080B2 - 評価装置、評価方法およびプログラム - Google Patents

評価装置、評価方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、評価装置、評価方法およびプログラムに関する。
近日、銀行、駅構内、およびコンビニエンスストアなど、多様な場所に自動取引装置(ATM:automated−teller machine)が設置されている。顧客は、この自動取引装置に表示される表示画面において各種操作を行うことにより、入金、出金および残高照会などの取引を行うことができる。
このような自動取引装置の需要は、給料日や年金支給日などの特定の日付に変動する。このため、過去の実績に基づいて自動取引装置の需要予測を行う際には、給料日や年金支給日などの特定の日付に生じる事象を考慮することが重要である。例えば特許文献1には、自動取引装置の資金需要予測において、給料日付近のデータなど、需要予測に影響を及ぼす特異なデータを事前に排除する技術が開示されている。
ここで、給料日などの特定の日付は、企業や地域によって異なるので、固定的に設定することは困難である。このため、給料日などの特定の日付は自動的に抽出できることが望まれる。
特開平8−123884号公報
過去の実績から特定の日付を抽出する方法として、日ごとの需要が他の同一曜日の平均と比較して一定以上剥離している日を抽出する方法や、需要の標準偏差を求めて分布から需要が剥離している日を抽出する方法などが考えられる。そして、特定の日付の需要予測を行う場合、特定の日付の需要は曜日ごとの需要と一致しないことは明白であるので、曜日ごとの需要予測とは異なる方法を用いる必要がある。
しかし、自動取引装置の需要予測に影響を与える事象は、特定の日付が土日祝日などと重なった場合、繰り上げ(金曜日へ移動)になったり、繰り下げ(月曜日に移動)になったりすることがある。このように事象の発生日が移動すると、事象の発生日がぶれて検出されるので、当該事象が特定の日付に起因する事象であるか否かを判定することが困難になるという問題がある。
例えば、給料を毎月14日(特定の日付)に支給し、14日が土日祝日である場合に給料日を繰り上げする企業があったとする。この場合、2011年5月、6月、7月、および8月の4ヶ月の実績に基づき、5月13日、6月14日、7月14日および8月12日が特異な事象の発生日として抽出される。ここで、14日に着目すると、4ヶ月中2カ月だけで通常と需要が異なるので、6月14日および7月14日に発生した事象が必然的あるいは偶然的な事象であるのか判断することが困難である。このため、14日を特定の日付として検出することが難しい。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、特異な事象の発生基準日を適切に評価することが可能な、新規かつ改良された評価装置、評価方法およびプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、対象日を1日から31日までとし、参照日を実績データに含まれる全ての実績年月の前記対象日の各々と同一日及び、対象日前または対象日後の最も近い平日とし、属性共通日を前記参照日と同一月内であり前記参照日と同一の曜日の日とし、前記参照日の各々について、前記参照日の取引集計量、および前記参照日と前記属性共通日の取引集計量を比較する比較部と、前記比較部による比較結果に基づき、前記対象日が取引に関する特異な事象の発生基準日であるか否かを評価する評価部と、を備える評価装置が提供される。
前記比較部は、前記参照日と前記属性共通日の取引集計量との差分が閾値以上であるか否かを判定し、
前記評価部は、前記比較部により前記属性共通日の取引集計量との差分が閾値以上であると判定された参照日の有無に基づいて前記評価を行う、請求項1に記載の評価装置。
前記比較部は、前記参照日の取引集計量と、前記属性共通日の取引集計量の平均値との差分が前記閾値以上であるか否かを判定する、請求項2に記載の評価装置。
前記比較部は、前記比較を1または2以上の月の対象日について行い、
前記評価部は、前記対象日と同一の関係にある参照日のうちで、前記属性共通日の取引集計量との差分が閾値以上であると判定された参照日の数に応じた評価値が設定値を上回る場合、前記対象日が前記特異な事象の発生基準日であると判断する、請求項2に記載の評価装置。
前記評価部は、前記対象日と同一の関係にある参照日のうちで、前記属性共通日の取引集計量との差分が閾値以上であると判定された参照日の数と、前記比較部による比較が行われた月の数を用いた演算により前記評価値を算出してもよい。
前記評価部は、さらに、前記評価値が前記設定値を上回ると判断された参照日と前記対象日との関係に基づき、前記対象日と前記特異な事象が発生する日との関係性を評価してもよい。
記参照日は、前記対象日が平日でない場合、前記対象日前の直近の平日を含んでもよい。
記参照日は、前記対象日が平日でない場合、前記対象日後の直近の平日を含んでもよい。
記参照日は、前記対象日と同一日を含んでもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、対象日を1日から31日までとし、参照日を実績データに含まれる全ての実績年月の前記対象日の各々と同一日及び、対象日前または対象日後の最も近い平日とし、属性共通日を前記参照日と同一月内であり前記参照日と同一の曜日の日として行われる、評価装置が行う評価方法であって、前記参照日の各々について、前記参照日の取引集計量、および前記参照日と前記属性共通日の取引集計量を比較するステップと、比較結果に基づき、前記対象日が取引に関する特異な事象の発生基準日であるか否かを評価するステップと、を含む、評価方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、コンピュータを、対象日を1日から31日までとし、参照日を実績データに含まれる全ての実績年月の前記対象日の各々と同一日及び、対象日前または対象日後の最も近い平日とし、属性共通日を前記参照日と同一月内であり前記参照日と同一の曜日の日とし、前記参照日の各々について、前記参照日の取引集計量、および前記参照日と前記属性共通日の取引集計量を比較する比較部と、前記比較部による比較結果に基づき、前記対象日が取引に関する特異な事象の発生基準日であるか否かを評価する評価部と、として機能させるための、プログラムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、特異な事象の発生基準日を適切に評価することが可能である。
本発明の実施形態による需要予測システムの構成を示した説明図である。 本実施形態による需要予測装置の構成を示した機能ブロック図である。 過去の実績データの具体例を示した説明図である。 評価結果テーブルの具体例を示した説明図である。 本実施形態による需要予測装置の動作を示したフローチャートである。 本実施形態による需要予測装置の動作を示したフローチャートである。 実績データの具体例を示した説明図である。 需要予測装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて自動取引装置30Aおよび30Nのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、自動取引装置30Aおよび30Nを特に区別する必要が無い場合には、単に自動取引装置30と称する。
<1.需要予測システムの構成>
本発明は、一例として以下に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、評価装置の一例である本発明の実施形態による需要予測装置20は、
A.対象日と所定の関係にある1または2以上の参照日の各々について、前記参照日の取引集計量、および前記参照日と属性が共通する1または2以上の属性共通日の取引集計量を比較する比較部(212)と、
B.前記比較部による比較結果に基づき、前記対象日が取引に関する特異な事象の発生基準日であるか否かを評価する評価部(214)と、
を備える。
以下では、まず、このような需要予測装置20を含む需要予測システムの構成について図1を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態による需要予測システムの構成を示した説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態による需要予測システムは、金融機関ホスト10と、専用網12と、自動取引装置中央管理部14と、需要予測装置20と、自動取引装置30と、端末管理部32と、を備える。
自動取引装置30は、金融機関の顧客による操作に基づいて金銭の取引を実行する顧客操作型端末である。この自動取引装置30は、金融機関の支店、コンビニエンスストア、駅構内、ホテル、病院、アミューズメントパーク、飲食店、オフィスビルディングなどの多様な施設に設置される。図1に示した例では、金融機関のA支店に自動取引装置30A・・・30Nが設置されている。また、金融機関の各支店には、自動取引装置30の管理や金融機関ホスト10や自動取引装置中央管理部14との通信を行う端末管理部32が設けられる。
専用網12は、金融機関のネットワークであり、例えばIP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)により構成される。金融機関ホスト10や自動取引装置中央管理部14は、この専用網12を介して自動取引装置30と通信することができる。
金融機関ホスト10は、専用網12を介して自動取引装置30と通信することにより、各種取引を制御する。例えば、金融機関ホスト10は、自動取引装置30を操作する顧客の認証を行ったり、自動取引装置30において顧客により指示された入金や振込などの金銭取引(勘定の取引処理)を実行したりする。また、金融機関ホスト10は、口座番号、暗証番号、氏名、住所、年齢、生年月日、電話番号、職業、家族構成、年収、預金残高などの顧客情報(口座の元帳)を管理する。
自動取引装置中央管理部14は、専用網12を介して自動取引装置30と通信することにより、各自動取引装置30の稼働状況を監視する。例えば、自動取引装置中央管理部14は、自動取引装置30内に残っている紙幣の量、取引の状況、問題(現金切れや紙幣つまりなど)の有り無しなどを監視している。また、需要予測装置20によって予測された紙幣の流出量と、自動取引装置30内に残っている紙幣の量などから、自動取引装置30内の現金が無くなる日を予測し、事前に補充を行えるような「資金装填の計画」を立てて指示をする。
需要予測装置20は、将来発生する需要を予測する予測装置である。自動取引装置30では例えば出金取引により紙幣が流出するので、適切なタイミングで自動取引装置30に紙幣を装填する必要がある。このため、需要予測装置20が過去の取引実績に基づいて将来のある期間内の紙幣の流出量を予測する。
なお、紙幣の流出量は支店ごとに異なるので、需要予測装置20は、支店ごとに紙幣の流出量を予測してもよい。また、同一支店内の自動取引装置30であっても紙幣の流出量は異なる。例えば、支店の入り口に近い自動取引装置30の流出量は、入口から遠い自動取引装置30の流出量より多くなる傾向にある。このため、需要予測装置20は、自動取引装置30ごとに紙幣の流出量を予測してもよい。
また、本実施形態による需要予測装置20は、需要予測のために、特異な事象の発生基準日を抽出する。例えば、給料日や年金支給日などには、紙幣の流出量が特異的に増加する。一方、給料日や年金支給日などは、土日祝日などと重なった場合、繰り上げ(金曜日へ移動)になったり、繰り下げ(月曜日に移動)になったりすることがある。このため、給料日や年金支給日などの特異日の発生基準日を抽出することは重要である。
しかし、これまで、特異日の発生基準日を適切に検出することは困難であった。例えば、給料を毎月14日(特異な事象の発生基準日)に支給し、14日が土日祝日である場合に給料日を繰り上げする企業があったとする。この場合、2011年5月、6月、7月、および8月の4ヶ月の実績に基づき、5月13日、6月14日、7月14日および8月12日が特異な事象の発生日として抽出される。ここで、14日に着目すると、4ヶ月中2カ月だけで通常と需要が異なるので、6月14日および7月14日に発生した事象が必然的あるいは偶然的な事象であるのか判断することが困難である。このため、14日を特異な事象の発生基準日として検出することが難しい。
そこで、上記事情を一着眼点にして本実施形態による需要予測装置20を創作するに至った。本実施形態による需要予測装置20は、特異な事象の発生基準日を適切に評価することが可能である。以下、このような本実施形態による需要予測装置20について詳細に説明する。
<2.需要予測装置の構成>
図2は、本実施形態による需要予測装置20の構成を示した機能ブロック図である。図2に示したように、本実施形態による需要予測装置20は、基準日抽出部210と、テーブル保持部220と、基準日情報記憶部230と、需要予測部240と、需要予測パラメータ記憶部250と、を備える。
(基準日抽出部)
基準日抽出部210は、過去の実績データに基づいて特異な事象の発生基準日を抽出する。基準日抽出部210の詳細な説明に先立ち、図3を参照して過去の実績データの具体例を説明する。
図3は、過去の実績データの具体例を示した説明図である。図3に示したように、紙幣流出量の実績データは、自動取引装置30を識別する装置IDと、年月日と、紙幣の流出量(すなわち、流出枚数)を含む。
また、図3において、装置IDは「100000101」であるので、図3に示した実績データは装置IDが「100000101」である自動取引装置30の実績データである。例えば、図3に示した実績データによれば、装置IDが「100000101」である自動取引装置30の2011年12月1日の万券流出枚数は「425枚」である。一方、装置IDが「100000101」である自動取引装置30の2011年12月3日の万券流出枚数は「−188枚」である。これは、2011年12月3日に顧客から入金された万券枚数が、2011年12月3日に顧客に出金された万券枚数を「188枚」上回ることを示す。
基準日抽出部210は、図2に示したように比較部212および評価部214を有し、上述したような過去の実績データに基づき、特異な事象の発生基準日を抽出する。
(比較部)
比較部212は、1または2以上の過去の月において、対象日を1日から31日の間で変化させ、各対象日と所定の関係にある1または2以上の参照日を特定する。例えば、比較部212は、対象日が平日である場合には参照日が対象日であると特定する。
一方、比較部212は、対象日が平日以外の土日祝日である場合、変動特性が繰り上げであると仮定し、対象日前の直近の平日を参照日として特定してもよい。また、比較部212は、対象日が平日以外の土日祝日である場合、変動特性が繰り下げであると仮定し、対象日後の直近の平日を参照日として特定してもよい。また、比較部212は、対象日が平日以外の土日祝日である場合、変動特性が同一日(移動しない)であると仮定し、参照日として対象日を特定してもよい。
なお、比較部212は、対象日が平日以外の土日祝日である場合、対象日に最も近い平日を参照日として特定してもよい。この場合、対象日が土曜日である場合には前日の金曜日が参照日として特定され、対象日が日曜日である場合には月曜日が対象日として特定される。
また、比較部212は、参照日の各々について、参照日と属性が共通する1または2以上の属性共通日を特定する。例えば、比較部212は、参照日と同一月内の、参照日と同一曜日の日を属性共通日として特定する。
なお、比較部212は、参照日と同一月内の、上旬、中旬または下旬のうちの参照日が属する区分において、参照日と同一曜日の日を属性共通日として特定してもよい。また、比較部212は、参照日が平日である場合には同一月内の他の平日を属性共通日として特定し、参照日が土日祝日である場合には同一月内の他の土日祝日を属性共通日として特定してもよい。
また、比較部212は、各変動特性(繰り上げ、繰り下げなど)により特定された参照日の各々について、参照日の紙幣流出量と、属性共通日の紙幣流出量とを比較する。例えば、比較部212は、属性共通日の紙幣流出量の平均値を算出し、属性共通日の紙幣流出量の平均値と参照日の紙幣流出量との差分が設定値以上であるか否かを判定する。そして、比較部212は、判定結果をテーブル保持部220が保持する評価結果テーブルに記録する。
図4は、評価結果テーブルの具体例を示した説明図である。評価結果テーブルは、図4に示したように、各月(図4に示した例では、5月〜8月)の、各変動特性(図4に示した例では、(a)同一日、(b)繰り上げ、(c)繰り下げ)により特定された参照日についての判定結果が記録される。例えば、比較部212は、ある変動特性により特定された参照日の紙幣流出量と属性共通日の紙幣流出量の平均値との差分が設定値未満である場合、図4に示したように、対象月の当該変動特性に「0」を記録する。一方、比較部212は、ある変動特性により特定された参照日の紙幣流出量が属性共通日の紙幣流出量の平均値より設定値以上多い場合、対象月の当該変動特性に「1」を記録する。また、比較部212は、ある変動特性により特定された参照日の紙幣流出量が属性共通日の紙幣流出量の平均値より設定値以上少ない場合、対象月の当該変動特性に「−1」を記録する。
なお、比較部212は、属性共通日の紙幣流出量の平均値(u)および標準偏差(σ)を算出し、参照日の紙幣流出量が「u−nσ」〜「u+nσ」の範囲内に含まれるか否かを判定してもよい。
(評価部)
評価部214は、比較部212による比較判定結果に基づき、各対象日が取引に関する特異な事象の発生基準日であるか否かを評価する。例えば、評価部214は、テーブル保持部220が保持する評価結果テーブルを参照し、各変動特性について記録された値を、変動特性ごとに比較が行われた全ての月で合計し、合計値を月数で除することにより、評価値を算出する。そして、評価部214は、この評価値に従って特異な事象の発生基準日を抽出する。
図4に示した例では、変動特性「(a)同一日」について5月〜8月に記録された値の合計が「1」であるので、「1」を月数「4」で除することにより、評価値「0.25」が得られる。また、変動特性「(b)繰り上げ」について5月〜8月に記録された値の合計が「3」であるので、「1」を月数「4」で除することにより、評価値「0.75」が得られる。また、変動特性「(c)繰り下げ」について5月〜8月に記録された値の合計が「2」であるので、「2」を月数「4」で除することにより、評価値「0.5」が得られる。
評価部214は、各変動特性の評価値から最も大きな評価値を選択し、選択した評価値が閾値より大きいか否かを判定する。そして、評価部214は、選択した評価値が閾値より大きい場合、対象日を特異な事象の発生基準日として抽出する。さらに、評価部214は、発生基準日と、選択した評価値に対応する変動特性を示す情報を、基準日情報として基準日情報記憶部230に登録する。
図4に示した例では、評価部214は変動特性「(b)繰り上げ」の評価値を選択する。そして、閾値が「0.5」である場合、変動特性「(b)繰り上げ」の評価値が0.5を上回るので、評価部214は、対象日を特異な事象の発生基準日として抽出し、かつ、変動特性は「(b)繰り上げ」であると評価する。
なお、評価部214は、各月の各変動特性について記録されたプラスの数とマイナスの数を算出し、多い方を評価値として採用してもよいし、プラスとマイナス(すなわち、閾値との剥離の方向)を考慮しなくてもよい。
(基準日情報記憶部)
基準日情報記憶部230は、基準日抽出部210により抽出された基準日情報を記憶する。基準日情報は、上述したように、特異な事象の発生基準日を示す情報と、変動特性を示す情報を含む。
(需要予測部、需要予測パラメータ記憶部)
需要予測部240は、過去の実績データ、基準日情報記憶部230に記憶されている基準日情報、および需要予測パラメータ記憶部250に記憶されている需要予測パラメータに基づき、対象日に発生する取引を予測する。例えば、需要予測部240は、予測対象日が特異な事象の発生日であるか否かを基準日情報記憶部230に記憶されている基準日情報に基づいて判定し、判定結果に応じて予測対象日の紙幣流出量を予測してもよい。
<3.需要予測装置の動作>
以上、本実施形態による需要予測装置20の構成を説明した。続いて、本実施形態による需要予測装置20の動作の具体例を説明する。
図5および図6は、本実施形態による需要予測装置20の動作を示したフローチャートである。図5に示したように、需要予測装置20は、対象の自動取引装置30の実績データを取得すると(S310)、S320〜SS370の処理を、金種ごとに、1日〜31日の全ての対象日について実行する。
具体的には、基準日抽出部210は、対象日の変動特性が「(a)同一日(移動しない)」であると仮定した場合の評価値を算出する(S320)。また、基準日抽出部210は、対象日の変動特性が「(b)繰り上げ」であると仮定した場合の評価値を算出する(S330)。また、基準日抽出部210は、対象日の変動特性が「(c)繰り下げ」であると仮定した場合の評価値を算出する(S340)。以下、図6を参照し、図7に示す2011年5月、6月、7月、および8月の実績データに基づいて、14日(対象日)の各変動特性の評価値を算出する例を説明する。
図6に示したように、基準日抽出部210は、S404〜S452の処理を、実績データに含まれる全ての実績年月について実行する。
具体的には、まず、比較部212が実績年月における対象日の曜日に関する属性を特定する(S404)。そして、比較部212は、実績年月における対象日が平日である場合(S408/no)、参照日として対象日を特定する(S412)。
一方、対象日が土日祝日である場合(S408/yes)、比較部212は、仮定している変動特性に応じて参照日を特定する。具体的には、変動特性が「(a)同一日」である場合(S416)、比較部212は参照日として対象日を特定する(S412)。また、変動特性が「(b)繰り上げ」である場合(S416)、比較部212は参照日として対象日前の直近の平日を特定する(S420)。また、変動特性が「(c)繰り下げ」である場合(S416)、比較部212は参照日として対象日後の直近の平日を特定する(S424)。
そして、比較部212は、参照日の曜日を特定し(S428)、実績年月で参照日と同一曜日(参照日を除く)の流出枚数の平均を算出する(S432)。続いて、比較部212は、参照日の流出枚数と、S432で算出した平均値が設定値未満である場合(S436/no)、評価結果テーブルの変動特性に「0」を記録する。一方、比較部212は、参照日の流出枚数と、S432で算出した平均値が設定値以上である場合(S436/yes)、剥離方向に応じて評価結果テーブルに「1」または「−1」を記録する。具体的には、参照日の流出枚数の剥離方向がプラス方向である場合(S444)、比較部212は、評価結果テーブルの変動特性に「1」を記録する(S448)。一方、参照日の流出枚数の剥離方向がマイナス方向である場合(S444)、比較部212は、評価結果テーブルの変動特性に「−1」を記録する(S452)。
S404〜S452のループの後、評価部214は、評価結果テーブルを参照し、各変動特性について記録された値を、変動特性ごとに比較が行われた全ての月で合計し、合計値を月数で除することにより、評価値を算出する(S456)。
上記のようにして評価値が算出されると、評価部214は、図5に示したように、最も大きな評価値を選択し(S350)、選択した評価値が閾値より大きいか否かを判定する(S360)。そして、評価部214は、選択した評価値が閾値より大きい場合、対象日を特異な事象の発生基準日として抽出し、対象日に発生基準日を示す情報として基準日フラグを設定し、選択した評価値に対応する変動特性を登録する(S370)。
<4.動作の具体例>
以上、本実施形態による需要予測装置20の動作を説明した。続いて、図7に示す2011年5月、6月、7月、および8月の実績データに基づいて、14日(対象日)の基準日評価の具体例を説明する。
(変動特性が「(a)同一日」である場合の評価)
変動特性が「(a)同一日」である場合、参照日は対象日と等しい14日と特定される。このため、基準日抽出部210は、図7において(a)を付した2011年5月14日(土)の万券の流出枚数660枚が、2011年5月の14日を除く土曜日の平均と比べて設定値以上剥離しているか否かを判断する。そして、基準日抽出部210は、剥離が設定値より小さければ「0」、剥離が設定値以上で剥離方向がプラスであれば「1」、剥離が設定値以上で剥離方向がマイナスであれば「−1」を評価結果テーブルの2011年5月の変動特性「(a)同一日」に記録する。図7に示した例では、剥離が設定値未満であるので、図4に示したように2011年5月の変動特性「(a)同一日」には「0」が記録される。
同様に、基準日抽出部210は、図7において(a)を付した2011年6月14日(火)の万券の流出枚数990枚が、2011年6月の14日を除く火曜日の平均と比べて設定値以上剥離しているか否かを判断する。図7に示した例では、剥離が設定値以上で剥離方向がプラスであるので、図4に示したように2011年6月の変動特性「(a)同一日」には「1」が記録される。
同様に、基準日抽出部210は、図4に示したように2011年7月の変動特性「(a)同一日」に「1」を記録し、2011年8月の変動特性「(a)同一日」に「−1」を記録する。
そして、基準日抽出部210(評価部214)は、変動特性「(a)同一日」の各月の値を合計し、合計値を全月数で除算することにより、図4に示したように評価値「0.25」を算出する。
(変動特性が「(b)繰り上げ」である場合の評価)
変動特性が「(b)繰り上げ」である場合、参照日は対象日前の直近の平日と特定される。2011年5月14日は土曜日であるため、2011年5月13日(金)が参照日に特定される。このため、基準日抽出部210は、図7において(b)を付した2011年5月13日(金)の万券の流出枚数880枚が、2011年5月の13日を除く金曜日の平均と比べて設定値以上剥離しているか否かを判断する。図7に示した例では、剥離が設定値以上で剥離方向がプラスであるので、図4に示したように2011年5月の変動特性「(b)繰り上げ」には「1」が記録される。
また、2011年6月14日(火)は平日であるので、2011年6月14日(火)が参照日に特定される。このため、基準日抽出部210は、図7において(b)を付した2011年6月14日(火)の万券の流出枚数990枚が、2011年6月の14日を除く火曜日の平均と比べて設定値以上剥離しているか否かを判断する。図7に示した例では、剥離が設定値以上で剥離方向がプラスであるので、図4に示したように2011年6月の変動特性「(b)繰り上げ」には「1」が記録される。
同様に、基準日抽出部210は、図4に示したように2011年7月の変動特性「(b)繰り上げ」に「1」を記録し、2011年8月の変動特性「(b)繰り上げ」に「0」を記録する。
そして、基準日抽出部210(評価部214)は、変動特性「(b)繰り上げ」の各月の値を合計し、合計値を全月数で除算することにより、図4に示したように評価値「0.75」を算出する。
(変動特性が「繰り下げ(c)」である場合の評価)
変動特性が「繰り下げ(c)」である場合、参照日は対象日後の直近の平日と特定される。2011年5月14日は土曜日であるため、2011年5月16日(月)が参照日に特定される。このため、基準日抽出部210は、図7において(c)を付した2011年5月16日(月)の万券の流出枚数660枚が、2011年5月の16日を除く月曜日の平均と比べて設定値以上剥離しているか否かを判断する。図7に示した例では、剥離が設定値未満であるので、図4に示したように2011年5月の変動特性「(c)繰り下げ」には「0」が記録される。
また、2011年6月14日(火)は平日であるので、2011年6月14日(火)が参照日に特定される。このため、基準日抽出部210は、図7において(c)を付した2011年6月14日(火)の万券の流出枚数990枚が、2011年6月の14日を除く火曜日の平均と比べて設定値以上剥離しているか否かを判断する。図7に示した例では、剥離が設定値以上で剥離方向がプラスであるので、図4に示したように2011年6月の変動特性「(c)繰り下げ」には「1」が記録される。
同様に、基準日抽出部210は、図4に示したように2011年7月の変動特性「(c)繰り下げ」に「1」を記録し、2011年8月の変動特性「(c)繰り下げ」に「0」を記録する。
そして、基準日抽出部210(評価部214)は、変動特性「(c)繰り下げ」の各月の値を合計し、合計値を全月数で除算することにより、図4に示したように評価値「0.50」を算出する。
(基準日の抽出)
基準日抽出部210は、上記により算出された評価値のうちで、最も大きな「(b)繰り上げ」の評価値「0.75」が設定値より大きいか否かを判定し、評価値「0.75」が設定値より大きい場合、14日を特異な事象の発生基準日として抽出する。ここで、設定値が「0.5」である場合、評価値「0.75」は設定値を超えているので、基準日抽出部210は、14日を特異な事象の発生基準日として抽出し、かつ、変動特性が「(b)繰り上げ」であると判断する。以上の処理を1日〜31日まで順次に行うことにより、特異な事象の発生基準日および変動特性を抽出することが可能である。
(需要予測)
なお、需要予測部240は、抽出された発生基準日および変動特性に従って需要予測を行う。例えば、発生基準日「14日」、変動特性「(b)繰り上げ」に従って2012年1月の予測を行う場合、2012年1月14日は土曜日であるので、1月14日から繰り上がった1月13日(金)を特異な事象の発生日と認識して需要予測を行う。
<5.ハードウェア構成>
以上、本発明の実施形態を説明した。上述した特異な事象の発生基準日の抽出のような情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明する需要予測装置20のハードウェアとの協働により実現される。
図8は、需要予測装置20のハードウェア構成を示したブロック図である。需要予測装置20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、ホストバス204と、を備える。また、需要予測装置20は、ブリッジ205と、外部バス206と、インタフェース207と、入力装置208と、表示装置209と、音声出力装置216と、ストレージ装置(HDD)217と、ドライブ218と、ネットワークインタフェース215とを備える。
CPU201は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って需要予測装置20内の動作全般を制御する。また、CPU201は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM202は、CPU201が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM203は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス204により相互に接続されている。
ホストバス204は、ブリッジ205を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス206に接続されている。なお、必ずしもホストバス204、ブリッジ205および外部バス206を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
入力装置208は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU201に出力する入力制御回路などから構成されている。需要予測装置20のユーザは、該入力装置208を操作することにより、需要予測装置20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
表示装置209は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。また、音声出力装置216は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。
ストレージ装置217は、本実施形態にかかる需要予測装置20の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置217は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置217は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置217は、ハードディスクを駆動し、CPU201が実行するプログラムや各種データを格納する。
ドライブ218は、記憶媒体用リーダライタであり、需要予測装置20に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ218は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体24に記録されている情報を読み出して、RAM203に出力する。また、ドライブ218は、リムーバブル記憶媒体24に情報を書き込むこともできる。
ネットワークインタフェース215は、例えば、専用網12に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、ネットワークインタフェース215は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
<6.むすび>
給料日などが土日祝日に重なった場合の移動を考慮せずに特異な事象の発生基準日の抽出を行うと、他の日と剥離のある特異な事象の発生日が分散してしまうことから、当該事象が特定の日付に起因する事象であるか否かを判定することが困難であった。これに対し、本実施形態によれば、特異な事象の発生基準日を適切に評価することが可能である。また、本実施形態によれば、特異な事象の発生基準日の変動特性も抽出されるので、需要予測の精度を向上することが可能である。
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、複数の実績年月で同一日を対象日として扱ったが、本実施形態はかかる例に限定されない。変形例として、30日や31日のような月末日を評価する場合、各実績年月の月末日を対象日として扱ってもよい。かかる構成により、月末に発生する事象の抽出精度を向上することが可能である。
また、本明細書の需要予測装置20の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、需要予測装置20の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、需要予測装置20に内蔵されるCPU201、ROM202およびRAM203などのハードウェアを、上述した需要予測装置20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
10 金融機関ホスト
12 専用網
20 需要予測装置
30 自動取引装置
32 端末管理部
210 基準日抽出部
212 比較部
214 評価部
220 テーブル保持部
230 基準日情報記憶部
240 需要予測部
250 需要予測パラメータ記憶部

Claims (11)

  1. 対象日を1日から31日までとし、
    参照日を実績データに含まれる全ての実績年月の前記対象日の各々と同一日及び、対象日前または対象日後の最も近い平日とし、
    属性共通日を前記参照日と同一月内であり前記参照日と同一の曜日の日とし、
    前記参照日の各々について、前記参照日の取引集計量、および前記参照日と前記属性共通日の取引集計量を比較する比較部と、
    前記比較部による比較結果に基づき、前記対象日が取引に関する特異な事象の発生基準日であるか否かを評価する評価部と、
    を備える、評価装置。
  2. 前記比較部は、前記参照日と前記属性共通日の取引集計量との差分が閾値以上であるか否かを判定し、
    前記評価部は、前記比較部により前記属性共通日の取引集計量との差分が閾値以上であると判定された参照日の有無に基づいて前記評価を行う、請求項1に記載の評価装置。
  3. 前記比較部は、前記参照日の取引集計量と、前記属性共通日の取引集計量の平均値との差分が前記閾値以上であるか否かを判定する、請求項2に記載の評価装置。
  4. 前記比較部は、前記比較を1または2以上の月の対象日について行い、
    前記評価部は、前記対象日と同一の関係にある参照日のうちで、前記属性共通日の取引集計量との差分が閾値以上であると判定された参照日の数に応じた評価値が設定値を上回る場合、前記対象日が前記特異な事象の発生基準日であると判断する、請求項2に記載の評価装置。
  5. 前記評価部は、前記対象日と同一の関係にある参照日のうちで、前記属性共通日の取引集計量との差分が閾値以上であると判定された参照日の数と、前記比較部による比較が行われた月の数を用いた演算により前記評価値を算出する、請求項4に記載の評価装置。
  6. 前記評価部は、さらに、前記評価値が前記設定値を上回ると判断された参照日と前記対象日との関係に基づき、前記対象日と前記特異な事象が発生する日との関係性を評価する、請求項4に記載の評価装置。
  7. 記参照日は、前記対象日が平日でない場合、前記対象日前の直近の平日を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の評価装置。
  8. 記参照日は、前記対象日が平日でない場合、前記対象日後の直近の平日を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の評価装置。
  9. 記参照日は、前記対象日と同一日を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の評価装置。
  10. 対象日を1日から31日までとし、
    参照日を実績データに含まれる全ての実績年月の前記対象日の各々と同一日及び、対象日前または対象日後の最も近い平日とし、
    属性共通日を前記参照日と同一月内であり前記参照日と同一の曜日の日として行われる、評価装置が行う評価方法であって、
    前記参照日の各々について、前記参照日の取引集計量、および前記参照日と前記属性共通日の取引集計量を比較するステップと、
    比較結果に基づき、前記対象日が取引に関する特異な事象の発生基準日であるか否かを評価するステップと、
    を含む、評価方法。
  11. コンピュータを、
    対象日を1日から31日までとし、
    参照日を実績データに含まれる全ての実績年月の前記対象日の各々と同一日及び、対象日前または対象日後の最も近い平日とし、
    属性共通日を前記参照日と同一月内であり前記参照日と同一の曜日の日とし、
    前記参照日の各々について、前記参照日の取引集計量、および前記参照日と前記属性共通日の取引集計量を比較する比較部と、
    前記比較部による比較結果に基づき、前記対象日が取引に関する特異な事象の発生基準日であるか否かを評価する評価部と、
    として機能させるための、プログラム。
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