JP5953056B2 - 検電器及び検電方法 - Google Patents

検電器及び検電方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5953056B2
JP5953056B2 JP2012020201A JP2012020201A JP5953056B2 JP 5953056 B2 JP5953056 B2 JP 5953056B2 JP 2012020201 A JP2012020201 A JP 2012020201A JP 2012020201 A JP2012020201 A JP 2012020201A JP 5953056 B2 JP5953056 B2 JP 5953056B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
frequency component
voltage
signal
harmonic frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012020201A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013160533A (ja
Inventor
等 中島
等 中島
西村 一実
一実 西村
卓 福原
卓 福原
博男 今村
博男 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
East Japan Railway Co
Original Assignee
East Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by East Japan Railway Co filed Critical East Japan Railway Co
Priority to JP2012020201A priority Critical patent/JP5953056B2/ja
Publication of JP2013160533A publication Critical patent/JP2013160533A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5953056B2 publication Critical patent/JP5953056B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)

Description

本発明は、直流送電システムにおいて用いられる非接触型の検電器及び検電方法に関する。
検電器は、充電される充電部の充電状態を検出する際に用いられる。直流送電システムは、例えば電気鉄道への送電に利用され、直流式電気鉄道の「き電回路」などに適用されている。直流式電気鉄道の「き電回路」には、発電機から供給される電力によって、1500V程度の直流電圧が印加されている。その直流式電気鉄道の「き電回路」の充電状態を検出する場合、検電器の基準電位線をレールに接続しておき、検出端子を架線に接触させて、充電状態を検知する携帯可能な検電器が知られている。
また、高圧の送電システムに適用する場合、上記の接触型検電器であっても、充電部から電力を得ることができず、バッテリーなどの電力により動作させるため、低消費電力であることが必要とされる。
例えば、直流送電システムに適用可能な電力消費の少ない検出方式の検電器としては、(1)静電式検電器をはじめ、(2)静電電圧計、(3)液晶、(4)ピエゾ効果、(5)電気光学効果などを用いる方式が知られている。
これらの方式のうち、「静電式検電器及び電気光学効果」を用いた方式のものは、必ずしも充電部に接触させて用いることを必要としないが、他の方式のものはいずれも接触させて用いることが必要とされる(例えば、特許文献1参照)。また、静電式検電器であっても、検出感度を向上させるには接地することが必要であり、直流1500V程度の電圧を検出する場合においても同様である。
また、「液晶」を用いた方式のものは、液晶の電界応答性に温度依存性があることから、屋外で利用する場合には、環境温度変化、日射による温度上昇などの影響を受けることにより検出性能を維持しにくい。
「ピエゾ効果」を用いた方式のものは、機械的な変位を利用して検出することから、温度依存性があり、屋外で利用する場合には、環境温度変化、日射による温度上昇などの影響を受けることにより検出性能を維持しにくい。また、外部に仕事をする構成とする場合には、その分のエネルギーを消費する。
「電気光学効果」を用いた方式のものは、電界の変化により生じる屈折率の変化を検出する。このような方式の検出部では、光路における微小な屈折率の変化を検出するために、光ファイバーをコイル状に多数回巻いたものを用いて長い光路長を確保する。検出部の検出感度高めるには、光ファイバーの量が多くなり、設備が大掛かりなものになり検出部の重量が増大することから、検電器としての操作性が低下することになる。
特開2007−198759号公報
ところで、電車線は、単線であるとは限られず、複線、或いは、複数のプラットホームを持つ駅又は拠点駅における渡り線や留置線などがある輻輳区間が多く存在する。このような輻輳区間においては、誤認による感電事故が防ぎきれていない。
また、検電器では、検出する電圧が高圧の場合、安全性を高めるために充電部に非接触で検出することが望まれる。
しかしながら、直流の検電器を充電部に接触させない非接触型とする場合には、検出感度を高めることが困難であるというという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、小型でかつ検出感度を高めることができる非接触型の検電器及び検電方法を提供することにある。
(1)上記問題を解決するために、本発明は、交流から変換された直流電圧によって充電される充電部の充電状態を検出する検電器であって、前記交流の基本波の周波数に基づいて生じる高調波周波数成分を含む磁界から、前記高調波周波数成分を含む信号を受信する受信部と、前記受信した信号に含まれる前記高調波周波数成分の信号強度に応じて、前記充電部の充電状態を検出する検出部と、を備え、前記受信部は、前記高調波周波数成分を含むように通過帯域特性が定められることを特徴とする検電器である。
(2)また、本発明は、上記発明において、前記受信部は、前記充電部と大地間に流れる変位電流が発生させる磁界を検出する電磁アンテナと、前記電磁アンテナと組み合わせて共振回路を形成し、前記高調波周波数成分を含むように前記共振回路の共振周波数を定めるコンデンサとを備え、前記通過帯域特性は、前記交流の基本波の周波数成分を減衰するように設定されることを特徴とする。
(3)また、本発明は、交流から変換された直流電圧によって充電される充電部の充電状態を検出する検電方法であって、前記交流の基本波の周波数に基づいて生じる高調波周波数成分を含む磁界から、前記高調波周波数成分を含む信号を受信する受信過程と、前記受信した信号に含まれる前記高調波周波数成分の信号強度に応じて、前記充電部の充電状態を検出する検出過程と、を含むことを特徴とする検電方法である。
この発明によれば、検電器は、交流から変換された直流電圧によって充電される充電部の充電状態を検出する。受信部は、交流の基本波の周波数に基づいて生じる高調波周波数成分を含む磁界から、高調波周波数成分を含む信号を受信する。検出部は、受信した信号に含まれる高調波周波数成分の信号強度に応じて、充電部の充電状態を検出する。
これにより、小型でかつ検出感度を高めることができる非接触型の検電器を提供することができる。
本発明の検電器の基本概念について説明するための図である。 充電状態にある架線の電圧を示す図である。 本発明の実施形態における直流送電システムをモデル化したブロック図である。 12相整流された直流の電圧変化を示す図である。 本発明の第1実施形態に係わる検電器の構成を示すブロック図である。 直流バイアス部の構成例を示す図である。 アンテナの構成例を示す図である。 受信部におけるフィルタの伝達特性と位相特性を示す図である。 本発明の第2実施形態に係わる検電器の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係わる検電器の構成を示すブロック図である。
[非接地型検電器の基本概念]
最初に、本発明の実施形態に示す非接地型の検電器の基本概念について説明する。
図1は、検電器の基本概念について説明するための図である。図1(A)は、電磁方式の非接地型検電器と電界方式の非接地型検電器とについて示す。また、図1(B)は、電磁方式の非接地型検電器の構成の一例を示す。また、図1(C)は、電界方式の非接地型検電器の構成の一例を示す。
図1(A)に示すように、大地(レール)920の電位を基準電位として、大地(レール)920の電位に対して充電される架線910(充電部)がある。架線910(充電部)の電位、すなわち架線910(充電部)の充電状態を検出する非接地型検電器には、方式の異なる検電器100と検電器200がある。検電器100は、電磁方式によるものであり、検電器200は、電界方式によるものである。図1(A)において、符号Eを附した矢印は、充電状態により生じる電界を示し、符号Hを附した矢印は、充電状態により生じる磁界を示す。図1(A)に示すように、検出対象である架線910とレール920(大地)との間の静電結合により電界Eが発生するとともに、この電界Eに起因する変位電流(図1(B))が流れる。
次に、図2を参照して、本実施形態に示す非接触型検電器が検出する直流の充電状態について説明する。
図2は、充電状態にある架線の電圧を示す図である。
この図2に示されるように、大地(レール)920に対して架線910に所定の電圧が印加されている。検電器100は、架線910が充電されている状態を検出する。
ところで、図2に示すように、架線910に充電される充電電圧VDC(例えば、DC1500V)には脈流電圧Vrpl(t)(例えば、30V、周期1/720[s(秒)]或いは1/360[s])が含まれる。
図1に戻り、各検電器について説明する。
この脈流電圧Vrpl(t)により、電界Eは変動し、電界Eに起因する変位電流(図1(B))も同様に変動する。また、変位電流(図1(B))の変動に伴い、交番磁界Hが誘導される。
検電器100は、上記変位電流(図1(B))により誘導される交番磁界Hを、電磁アンテナANTにより検出する方式の非接地型検電器である。すなわち、検電器100の検出方式は、脈流電圧の電界Eにより流れる変位電流が発生させる磁界Hを検出する方式であり、受信部とする電磁アンテナANTを用いた電磁結合により、磁界Hを検出する方式である。
一方、検電器200(図1(C))は、架線と対地間に発生する電界Eを検出する電界方式の非接地型検電器である。検電器200は、直流的に接地することを必要としないものの、交流的には浮遊容量等を介して接地することが必要とされる。
この検電器200は、図1(A)に示すように、例えば、c点とd点間のように架線と概ね直線になるような方向における電界E(c点とd点間電位差)を検出する方式である。
このように検電器100と検電器200とでは、検出方式が異なるものである。
本実施形態に示す検電器100は、電界Eを検出する方式の検電器200と比較すると、幾つかの相違点がある。
磁界Hと電界Eの成分は直交することから、検電器100の最大感度を示す方向と、検電器200の最大感度を示す方向が異なる。例えば、検電器200では検出が困難な方向の成分が、検電器100では良好に検出できる成分となる。
また、検電器200では、隔離された2点間(c−d間(図1(A))の電界強度の差を検出する。検電器200では、検出感度を確保する上で、図1(A)におけるc−d間の距離を最小で約10cm程度は確保することが必要とされる。そのため、検電器200においては、この寸法(c−d間の距離)を狭めるためには、回路上のさらなる性能向上が必要とされる。よって、一体化された検電器200では、この寸法(c−d間の距離)より小型化することが困難である。
一方、検電器100では、受信部110を小型化することができる。例えば、検電器100の受信部110(電磁アンテナANT)では、脈流磁界に比例した脈流入力電流(あるいは電圧)を検出する。この受信部110の感度を高めることにより、受信部110を小型化することができる。これにより、受信部110を検電器100の本体に内蔵し、一体化することも可能となる。
受信部110に含まれる電磁アンテナANTは、次のように構成することにより小型化できる。例えば、この電磁アンテナANTのコアの材料に、高透磁率材料を用いることで小型化できる。透磁率μには真空の透磁率μ0を1とみなした比透磁率「μr=μ/μ0」がある。高透磁率材料について例示すると、Fe-Mn系フェライトでは比透磁率が「μr=5000」、パーマロイという合金では比透磁率が「μr=45000」というものがある。例えば、比透磁率が「μr=45000」のパーマロイを、直径2rの円形断面を有し、長さlの棒状(線状)コアに用いる場合に、直径2rと長さlとの比がl/2r=300以上であるならば、磁束が通る面積を空芯の場合に比較して1/16000に縮小できる。この面積の比較を円として行った場合、面積比を円の直径の比に変換すると、式(1)により換算できる。
(1/16000)1/2=1/126 ・・・(1)
この式(1)による換算結果によれば、例えば、空芯で構成したコイルの直径が12.6cmであったものが、比透磁率が「μr=45000」のパーマロイをコアの材料に用いた有芯コイルにおいては、その有芯コイルの直径を1mmとすることができる。
ただし、上記の有芯コイルの場合に、コイルの直径を1mmとすることができるが、コアの長さlが300mmと長くなる。そこで、この直線状コアの長手方向に、直線状コアの両端と中間の3つの領域を定義する。この直線状コアの両端を、それぞれ適度な長さのダイポールとなる突き出しとする。また、上記の中間の部分を「コイル状」に形成する。このようにして、コイル(電磁アンテナANT)を小型化する(2重コイル形状)。
このような電磁アンテナANTは回路理論でいえば、単なるインダクタンスLであるので、キャパシタンス(コンデンサC1)と組み合わせることにより、次数が2次のLCフィルタ(LC共振回路)を構成できる。このLC共振回路の周波数特性を、脈流(商用交流基本波の高調波による変動成分)の周波数成分を透過するように定め、脈流以外の周波数成分を低減させることにより、検出に必要とされる脈流成分が抽出しやすくなり、検出性能を高めることができる。要するに、LC共振回路における共振周波数(中心周波数)を、脈流の周波数成分の帯域(脈流の周波数)に合わせたLC共振回路を形成して、LC共振回路における感度を高めることができる。また、さらにLC共振回路の品質係数Qを高めることで脈流に比較して極めて大きな電力として検出される基本波の周波数成分(商用交流基本波の周波数成分)の減衰量を大きくする。これにより、LC共振回路からの信号をA/D変換するにあたり、A/D変換部132に入力されるまでの回路の構成を簡素化することができる。
上記条件に加え、LC共振回路の共振周波数fo=720Hz、C=22nF(ナノファラッド)とした場合のインダクタンスLの値を求めると、「L=2.221H(ヘンリー)」となる。LC共振回路として図示しない抵抗R=1MΩを並列に付加して品質係数Q=100の並列共振回路を構成した場合に、地上からの高さ5.0m(メートル)に敷設されている架線の直下の、地上高1.5mの高さにおいて、0.127Vrms(ボルト)の電圧(実効値)が得られる。この値は、非開示の実験結果から計算によって得た値であって、変位電流(図1(B))により誘導される交番磁界Hの大きさ及びコイルの直径2rに比例し、コイルのコア材料の比透磁率μrに概ね反比例する。図示しない並列抵抗Rは図6のR1とR2及びA/D変換部132の等価入力抵抗の3個を並列抵抗値に換算した値で代替されるので、A/D変換部132の等価入力抵抗が、例えば無視できるほど大きければ、R1とR2の値をうまく選定することで、実際に抵抗Rを付加する必要はない。抵抗Rは後述の段落[0059]に示す内部損失抵抗Rと意味は同じである。
なお、算出されるコイルの直径が、自己減磁力の影響により比透磁率μrに単純に反比例しない。自己減磁力を考慮した実効的な比透磁率をμeとする。
このように、自己減磁力を考慮した実効的な比透磁率μe=16000、直径2r=1.0mm、長さ300mmの電磁アンテナANT(インダクタンスL)に必要な巻き数Nは、以下の式(2)に従って算出できる。
Figure 0005953056
・・・(2)
この式(2)において、直径2r、長さl の比l/2r=20 以上(本例では300)となるような形状のコイル(インダクター)であるならば、長岡係数Kを1とみなすことができる。これにより、電磁アンテナANT(インダクタンスL)に必要な巻き数Nは、624ターンになる。
このように、検電器100は、脈流電圧により架線と大地の間に流れる変位電流が発生させる磁界を検出する。この検電器100では、図1(B)に示すように、検出には開放磁気回路をもつ電磁アンテナANT(コイル、インダクター、バーアンテナ)を用いる。インダクタンスLの電磁アンテナANTに静電容量Cのコンデンサを並列接続するだけで次数2のBPF(帯域フィルタ)となる。なお、過大入力に対する保護・電圧制限のための保護回路を入力端子に設けてもよい。例えば、保護回路として、極性を逆方向に向けて並列に接続した2個の半導体ダイオードを組み合わせて形成することができる。
また、コンデンサC1は電磁アンテナANTに直列に接続させてもよい。この場合、低入力インピーダンスの検出回路で、共振回路からの信号を受けることが可能となる。また、並列共振回路の場合も、直列共振回路の場合も、ともに脈流周波数が共振回路の共振周波数となるようにコンデンサC1の静電容量Cを、式(3)に基づいて算出する。
C=1/{(2π×frpl)×L} ・・・(3)
この式(3)において、Lは電磁アンテナANTのインダクタンス成分、frplは脈流周波数である。
このように、本発明による検電器100では、図1(B)に示すように、電磁アンテナANTとコンデンサC1とにより、共振周波数を脈流の周波数に合わせたLC共振回路を構成し、受信部110は、このLC共振回路から出力される信号(電圧信号)を検出部120に向けて出力する。この検出部120は、A/D変換部132等を内蔵するマイクロコントローラ等で構成され、LC共振回路から入力された信号を基に、脈流成分の検出処理を行う。このため、図1(C)に示す静電方式の非接地型検電器200で必要とされる高入力インピーダンス回路210(例えば、電源周波数除去フィルタとインピーダンス変換用の演算増幅器)を省くことができる。
なお、上記の説明においてLC共振回路の共振周波数を脈流の周波数に合わせるものとして説明したが、LC共振回路の中心周波数を脈流の周波数に合わせることとしてもよい。LC共振回路の中心周波数は、通過帯域の下限周波数f1(図8)と上限周波数f2(図8)とに基づいて算出することが知られている。LC共振回路の中心周波数は、LC共振回路の共振周波数と厳密には異なるが、同様の効果を得ることができる。
この検出部120における脈流成分の検出処理方法には、例えば、フーリエ変換処理による方法を用いることができる。フーリエ変換処理の演算式の一例を式(4)に示す。
Figure 0005953056
・・・(4)
この式(4)において、F(f12)が、12相整流フーリエ変換結果であり、f12が、12相整流脈流周波数であり、D(n)が取込データである。
また、トーンデコーダによる方法を用いることもできる。トーンデコーダはPLL(Phase Locked Loop)発振器内の位相検波器出力を用いてPLLに入力されている交流電圧の周波数にロックオンしているかをコンパレータで判定するものである。12相整流、6相整流、電源周波数のそれぞれに対してトーンデコーダを用意することにより、12相整流、6相整流、及び電源周波数の成分を同時に判定できる。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態に係わる非接地型の検電器の構成と動作について、図面を参照して説明する。
最初に、本実施形態の検電器の検出対象(充電の有無を検出する検出対象)となる直流送電システムの例について説明する。
図3は、本実施形態における直流送電システムの例を示す図であり、直流送電システムをモデル化して示したブロック図である。この図3に示される直流送電システムのモデルは、発電機700、直流変換装置800、及び負荷900を備えている。
発電機700は、所定の周波数fgを基本波とする三相交流電力を発電する。この図では、各相に接続されている電圧源として示す。直流変換装置800は、発電機700から出力される電力を直流に変換する。
直流変換装置800は、変圧器810及び整流器820を備える。変圧器810は、三相Y型結線の一次巻線811、三相Δ型結線の第1の二次巻線812、三相Y型結線の第2の二次巻線813を備える。
変圧器810は、一次巻線811の各相に発電機700の各相がそれぞれ接続されており、発電機700から供給される電力を変換して、Δ型結線の第1の二次巻線812とY型結線の第2の二次巻線813から出力する。Δ型結線の第1の二次巻線812には、整流器822が接続され、Y型結線の第2の二次巻線813には、整流器823が接続される。
整流器820は、整流器822と整流器823を備える。
整流器822は、3相ごとに直列接続されたダイオードがそれぞれ設けられ、Δ型結線の第1の二次巻線812から供給される電力を整流する。整流器822は、Δ型結線の第1の二次巻線812と併せてΔ型整流回路を形成する。
整流器823は、3相ごとに直列接続されたダイオードがそれぞれ設けられ、Y型結線の第2の二次巻線813から供給される電力を整流する。整流器823は、Y型結線の第2の二次巻線813と併せてY型整流回路を形成する。
整流器822と整流器823は、直列に接続されており、整流器822のダイオードのアノードが接地され、整流器823のダイオードのカソードが負荷900に接続されている。
負荷900は、例えば、直流電化された電車線の場合では、架線910及びレール920、並びに、架線910及びレール920から電力の供給を受ける電車が含まれる。負荷900は、整流器820によって整流された直流が供給される。また、一例として示したこのような接続による整流方式は、12相整流方式と呼ばれている。12相整流方式では、6相整流方式に比べ、脈動周波数が2倍に、脈動振幅が4半分以下になることから、電圧変動を少なくできる。
図4は、12相整流された直流の電圧変化を示す図である。
以下の記載では、発電機700が発電した電力(交流)の基本波の周波数fgを60Hzとした場合を例に説明する。
図4(a)に示されるグラフでは、縦軸が電圧(kV(キロボルト))であり、横軸が時間(ミリ秒)であり、波形g4aが12相整流された直流の電圧変動を示す。
波形g4aに示されるように、整流された直流の電圧は、1.5kVをピーク電圧とし、1.45kVから1.5kV間で変動する成分が重畳する脈流になる。
図4(b)に示されるグラフでは、縦軸が電圧(kV(キロボルト))であり、横軸が時間(ミリ秒)であり、波形g4bが12相整流方式により生成される脈流の電圧変動を示す。
図4(c)に示されるグラフでは、縦軸が周波数成分の電圧(0dB(デシベル)=1V(ボルト))であり、横軸が周波数(Hz(ヘルツ))であり、波形g4cが12相整流方式により生成される脈流の周波数スペクトルを示す。
脈流には、発電機700が発電した電力の基本波の周波数fgに対応する成分が含まれる。周波数f1の周波数は、360Hzであり、基本波の周波数fg(60Hz)の6倍の周波数である。また、周波数f2の周波数は、720Hzであり、基本波の周波数fgの12倍の周波数である。
Δ型整流回路とY型整流回路の特性がそろっていれば、波高値の約3%の振幅の720Hzを基本波とする脈流成分が発生する。実際には、それらの特性が完全には一致しないので、360Hzを基本波とする脈流成分も含まれる。図4(b)に示したグラフの場合では、360Hzを基本波とする脈流成分は、720Hzを基本波とする脈流成分の振幅の1/4程度の大きさが含まれている。
このように、負荷900に供給される直流電圧には、発電機700が発電した電力の基本波の周波数fgに依存する周波数成分が含まれている。
なお、発電機700が発電する電力の基本波の周波数fgが50Hzの場合では、周波数f1の周波数は、300Hzであり、基本波の周波数fg(50Hz)の6倍の周波数である。また、周波数f2の周波数は、600Hzであり、基本波の周波数fgの12倍の周波数である。発電機700が発電する電力の基本波の周波数fgが50Hzの場合においても、60Hzの場合と同様に、本実施形態を適用することができる。
図5は、本実施形態における検電器の構成を示すブロック図である。
この図5に示される検電器100は、図1に示した負荷900の一部である架線910に、直流電圧が給電されている状態を検出する。
図5に示す検電器100は、受信部110と、この受信部110に接続される検出部120とを備える。また、検出部120は、信号入力部130、充電状態検出部140、表示部150、及び、電源部160を備える。
受信部110は、コイル状の電磁アンテナANTとコンデンサ(キャパシタ)C1とが並列に接続されて構成されている。この電磁アンテナANTは、架線910から大地に向かって流れる変位電流により発生する磁界Hを検出する。前述したとおり、上記架線910を充電している直流には、重畳されている脈流がある。この脈流があることにより、上述した磁界H(変位電流により発生する磁界)が変動する。電磁アンテナANTを用いることにより、上記の高調波周波数成分を含む信号を検出する。すなわち、電磁アンテナANTは、発電機700によって発電される交流の基本波の周波数fgに基づいて生じる高調波周波数成分を含む磁界から、上記の高調波周波数成分を含む信号を受信する。このようにして、電磁アンテナANTは、上述した磁界(変位電流により発生する磁界)の変動を検出する。
この受信部110は、架線910(充電部)に対しては、空間を介して絶縁されており、架線910に充電されている直流電圧が直接印加されない状態(直流電圧に非接触の状態)に保持される。
この受信部110は、電磁アンテナANTとコンデンサC1とを備える。受信部110は、電磁アンテナANTとコンデンサC1の並列接続により形成されているため、電磁アンテナANTのインダクタンス成分LとコンデンサC1とによりLC共振回路(LC並列共振回路、共振回路部)が形成される。このLC共振回路は、次数が2次のLCフィルタを形成し、共振周波数を脈流の周波数に合わせた共振回路とすることにより、脈流の周波数成分の透過特性を高めることもでき、他の周波数領域の検出感度と比べると相対的に検出感度が高くなる。さらに共振回路の品質係数Qを高めることで脈流の周波数成分に比較して、交流の基本波の周波数fgの成分を大きく減衰させることができる。交流の基本波の周波数fgの成分は、脈流の周波数成分に比べて大きな信号強度を有していることから、交流の基本波の周波数fgの成分を大きく減衰させるように、LC共振回路における周波数特性を設定することにより、脈流の周波数成分の検出が可能となる。
例えば、このLC共振回路の共振周波数を、架線910を充電している直流に重畳されている脈流(変動成分)の周波数(例えば、交流の基本波の周波数fgの12倍の720Hz)に一致すように設定すれば、架線910を充電している直流に重畳されている脈流(720Hzの周波数成分を含む変動成分)を、感度を高めて検出することができる。また、その共振特性により、発電機700が発電した電力の基本波の周波数fgを含む周波数領域の成分(交流の基本波の周波数成分)を大きく減衰させることができる。
すなわち、電磁アンテナANTによって検出された信号には、周波数fgを基本波とする周波数領域の成分が多く含まれている。また、この周波数領域は、他の商用電源の電源系統に重畳される周波数成分(50又は60Hz)も含まれている。この周波数領域の信号を低減することにより、受信磁界強度の大きな雑音成分を抑圧することができ、誤検出を低減することができる。
信号入力部130は、直流バイアス部131とA/D変換部132とを備える。直流バイアス部131は、受信部(LC共振回路)110から入力される交流信号(電磁アンテナANTとコンデンサC1により検出される検出信号で検電器100の基準電位Gを中心に変化する)Vfを、正電位側にバイアスする。この直流バイアス部131では、直流バイアス電圧Vbiasに、入力される交流信号Vfを重畳することにより、信号Vfを直流バイアス電圧Vbiasだけ正電位側にレベルシフトした直流バイアス電圧Vbiasを中心として変化する信号Vsを得る。
これにより、A/D変換部132では、正電位側の信号Vsのみに対してA/D変換処理を行うことができるため処理が簡略化される。そして、信号入力部130では、信号Vsをデジタル信号に変換した後に、この信号Vsのデジタル信号を、充電状態検出部140に送信する。なお、信号Vsをデジタル信号に変換したデジタル値から直流バイアス電圧Vbiasによるオフセット分のデジタル値を減算し、このオフセット分を減算したデジタル値の信号を充電状態検出部140に送信するようにしてもよい。
充電状態検出部140は、信号入力部130から受信した信号に含まれる高調波周波数成分の信号強度に応じて、架線910(充電部)の充電状態を検出する。この充電状態検出部140は、周波数抽出部141、判定部142、電圧検出部143、及び、設定部144を備える。
周波数抽出部141(抽出部)は、受信した信号に含まれる発電機700によって発電された交流を、直流変換装置800における整流器820が整流した際に発生する高調波周波数成分を抽出する。周波数抽出部141(抽出部)は、信号入力部130から入力された信号から、複数の高調波周波数成分を抽出する。これを行うために、周波数抽出部141(抽出部)は、A/D変換部132で時間領域の信号Vsを、例えば1/(720×2)秒間隔未満で数百個程度サンプリングしてデジタル値化した結果を保存しておくメモリ(記憶領域)を備えている。サンプリング時間間隔が例えば1/2000秒間隔でかつサンプル数500個の場合は、最小1/2000秒×500=0.25秒間隔で、これらのメモリは更新される。
例えば、周波数抽出部141は、予め定められる所定の周波数を抽出する「Goertzelフィルタ」を適用することができる。Goertzelフィルタは、電話器のダイヤル情報を送信するトーン信号(DTMFシグナル)を検出する際に用いることが知られており、複数の周波数成分が重畳されていてもそれぞれ分離することができる。
本実施形態では、周波数抽出部141は、6相整流に起因する周波数(交流の基本波の周波数fgの6倍の360Hz)と12相整流に起因する周波数(交流の基本波の周波数fgの12倍の720Hz)の両方の周波数成分を抽出する。抽出結果は、高調波周波数成分の大きさを表すデジタル値として6相整流用のメモリ(記憶領域)、12相整流用のメモリ(記憶領域)にそれぞれ保持され、判定部142に引き渡される。また、周波数抽出部141は時間領域の信号Vsを周波数領域の信号に変換した結果として得るためのフーリエ変換器と見ることもできる。
判定部142は、抽出された高調波周波数成分のそれぞれの信号強度を予め定められる閾値に基づいて判定する。予め定められる閾値は、検出精度に応じて複数個が設けられており、信号強度に応じて複数の段階に分別することができる。
電圧検出部143は、抽出された高調波周波数成分の信号強度を、予め定められる閾値に基づいて判定された結果に従って架線910(充電部)の充電電圧を検出し、検出結果を表示部150に表示させる。
設定部144は、ユーザの操作を検出する操作入力検出部、検出した情報を記憶する記憶部を備え、検出したユーザの操作に基づいて、ユーザの意向に応じた動作モードを選択する。設定部144は、ユーザが選択した動作モードに応じた情報を記憶部に記憶させるとともに、その情報に基づいて検電器100の各部の動作を制御する。
表示部150は、検出結果に応じて、交流の基本波の周波数fgの6倍及び12倍の周波数の信号の検出状況を表示する。
電源部160は、バッテリーから給電される電力により、各部を機能させる際に必要とされる基準電位とバイアス電位(直流バイアス電圧Vbias)を生成する。
また、図6は、上述した直流バイアス部131の構成例を示す図である。この図に示すように、直流バイアス部131は、抵抗R1と抵抗R2が直列に接続された抵抗分圧回路を備え、抵抗R1の一端は正電位側の回路電源(Vcc+)に接続され、抵抗R1の他端は抵抗R2の一端に接続され、抵抗R2の他端はグランド線(基準電位線)Gに接続されている。これにより、抵抗R1と抵抗R2の接続点であるノードN3には、回路電源(Vcc+)の電圧と、抵抗R1及びR2の抵抗値の比とにより決まる直流バイアス電圧Vbiasが発生する。
また、受信部110と直流バイアス部131とは、カップリングコンデンサCsにより接続されている。このカップリングコンデンサCsは、一端が受信部110のノードN1(電磁アンテナANTとコンデンサC1の接続点)に接続され、他端がノードN3(抵抗R1と抵抗R2の接続点)に接続されている。
この構成により受信部110で検出された交流信号Vfは、カップリングコンデンサCsを介して抵抗分圧回路のノードN3に印加される。これにより、このノードN3には、直流バイアス電圧Vbiasに交流信号Vfが重畳された信号が得られる。なお、カップリングコンデンサCsの静電容量値を大きくし、抵抗値R1とR2の抵抗値を十分大きな値に設定することにより、カップリングコンデンサCsのインピーダンスによる交流信号Vfの減衰量(信号電圧Vfの電圧降下量)を少なくして、ノードN3にレベルシフトされた信号Vsを生成することができる。
このように、1つのカップリングコンデンサCsと、2つの抵抗R1及びR2とを用いた簡易な構成により、交流信号Vfを容易にレベルシフトすることができる。これにより、A/D変換部132では、正電位の信号Vsに対してA/D変換処理を行うことができる。
また、図7は、電磁アンテナANTの具体的な構成例を示す図である。図7(A)は、空芯コイルにより電磁アンテナANTを構成した例である。図7(B)は、透磁率の高い棒状のコアに、表面が絶縁された電線を巻き付けて電磁アンテナANTを構成した例である。また、図7(C)は、電磁アンテナANTのコイルを方形状に構成した例を示している。このように、電磁アンテナANTの形状は、用途に応じて所望の形状で構成することができる。
既述のように、この図7(B)に示す電磁アンテナANTは、コアに高透磁率材料を用いることで大幅に小型化できる。例えば、比透磁率が「μr=45000」のパーマロイを用いれば、空芯で構成したコイルの直径が12.6cmであったものが、比透磁率が「μr=45000」のパーマロイをコアの材料にした有芯コイルにおいては、その有芯コイルの直径を1mmとすることができる。
次に、図8を参照し、本実施形態における受信部110の検出特性について説明する。図8は、本実施形態における受信部の周波数特性と位相特性を模式的に示す図であり、図8(A)が周波数特性(共振特性)を示し、図8(B)が位相特性を示す。
この図8(A)に示されるグラフでは、縦軸が交流信号Vfの電圧であり、横軸が周波数(Hz(ヘルツ))であり、波形g8aが受信部110における周波数特性を示している。また、この図8(b)に示されるグラフでは、縦軸が位相(°)であり、横軸が周波数(Hz(ヘルツ))であり、波形g8aが受信部110の位相特性を示している。
図8(A)の波形g8aにより示されるように、LC共振回路は、共振周波数foを共振周波数とする帯域フィルタとして機能させることができる。この帯域フィルタでは、Q(品質係数)を適宜に設定(内部損失抵抗Rを設定)することにより、カットオフ周波数f1及びf2を所望の周波数範囲に設定することができる。従って、LC共振回路の周波数特性を、6相整流の場合に発生する360Hz及び12相整流の場合に発生する720Hzのそれぞれの周波数成分に対して十分な透過特性を有し、基本波成分(60Hz)に対して十分な遮断特性を有するように設定することができる。また、図8(b)に示すように、カットオフ周波数を越える透過領域の位相特性は、90°以内で単調に変化し安定性を確保できる。
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、受信部110をLC並列共振回路で構成する例について説明したが、本発明の第2実施形態として、受信部110AをLC直列共振回路で構成する例について説明する。
このように、受信部は、LC並列共振回路だけでなくLC直列共振回路で構成することもできる。LC並列共振回路を使用する場合は、電磁アンテナANTの両端にコンデンサC1を接続するだけで簡単に受信部110を構成できる。また、LC直列共振回路を使用する場合は、LC直列共振回路の出力信号を低入力インピーダンスの検出回路で受信することが可能となる。このように、用途と必要性に応じて、LC並列共振回路とLC直列共振回路とを使い分けることができる。
図9は、本発明の第2実施形態の係わる検電器の構成を示す図である。この図9に示す検電器100Aは、図5に示す検電器100と比較して、図5に示すLC並列共振回路で構成される受信部110を、図9に示すLC並列直列共振回路で構成される受信部110Aに変更した点が異なる。また、図5に示す検出部120内の直流バイアス部131を、図9に示すレベル変換部131Aに変更した点が異なる。他の構成は、図5に示す検電器100と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この図9に示す受信部110Aでは、電磁アンテナANTとコンデンサC1とを直列に接続し、電磁アンテナANTのインダクタンス成分LとコンデンサC1とにより直列共振回路を構成する。この直列共振回路では、電磁アンテナANTの一端とコンデンサC1の一端とがノードN1において接続され、コンデンサC1の他端(ノードN3)が検出部120A内の信号入力部130Aに接続される。このノードN3は、レベル変換部131A内のアンプAM1の一方の入力端子(−)に接続される。このアンプAM1の出力端子は抵抗R11を介してアンプAM1の入力端子(−)に接続され、アンプAM1の他方の入力端子(+)には、直流バイアス電圧Vbiasが入力される。
これにより、アンプAM1は増幅回路を構成し、このアンプAM1の出力端子には、コンデンサC1からレベル変換部131Aに流れる電流Isに比例(R11×Is)する信号が、直流バイアス電圧Vbiasにより正電位側にバイアスされて出力される。要するに、出力される信号Vsは、式(5)に示す関係式により定まる。
Vs=Vbias+Is×R11 ・・・(5)
このような構成の受信部110Aとレベル変換部131Aにより、LC直列共振回路のコンデンサC1を介してレベル変換部131Aに流れる電流Isに比例する信号電圧(R11×Is)が、直流バイアス電圧Vbiasに重畳された信号Vsとして出力される。この信号Vsの出力電圧(Vs)は、A/D変換部132によりデジタル信号に変換されて、充電状態検出部140に送信される。
[第3実施形態]
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、受信部(LC並列共振回路)110及び受信部(LC直列共振回路)110Aで受信した信号を基に、充電状態検出部140により高調波成分を直接検出していた。これに対して、本発明の第3実施形態として、受信部110で受信した信号に対して周波数変換を行う例について説明する。
図10は、本発明の第3実施形態に係わる検電器の構成を示す図である。
この図10に示す検電器100Bは、図5に示す検電器100と比較して、検出部120B内において周波数変換部180を信号入力部130の前段に新たに追加した点が異なり、他の構成は、図5に示す検電器100と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
最初に、この検電器100Bにおける周波数変換の有用性について説明する。周波数抽出部141にGoertzelフィルタを適用した場合、12相整流方式によって発生する周波数成分が720Hzであれば、周波数変換部180による周波数変換を行わずに、受信部110からの信号を周波数抽出部141によって検出することも可能である。また、Goertzelフィルタでは、目的の周波数を検出するには、何サイクルかの信号を加え続ける必要があり、高速に警告を発するためには検知周波数が高いことが望まれる。
一方で、より高い周波数成分は、遠方まで伝わりやすくなり、不要な電磁波の到来の影響を受けやすくなる。そこで、必要とされる磁界成分の信号を、乗算器182により、不要な電磁波の磁界成分の影響を受けにくい周波数に変換することにより、雑音として検出される磁界成分の影響を回避することができる。このように、乗算器182による周波数変換部180を備えることにより、より確実に検出できるGoertzelフィルタを構成することができる。
そして、図10に示す周波数変換部180は、受信部110によって制限された周波数領域に含まれる、発電機700が発電した電力の基本波の周波数fgの6倍及び12倍の周波数領域の成分(高調波周波数成分)を所望の周波数成分に変換する周波数変換を行う。
周波数変換部180は、ローカル(Lo)発振器181、乗算器182、ローパスフィルタ(LPF)183を備える。
ローカル(Lo)発振器181は、周波数変換を行う際の基本周波数foの正弦波を生成する。Lo発振器181は、無線機の局部発振器に相当する。乗算器182は、2つの入力信号によって示される値を乗算する。乗算器182の一方の入力には、受信部110から出力される信号が入力され、他方の入力には、Lo発振器181によって生成される基本周波数foの正弦波が入力される。例えば、基本周波数foを500Hzとする場合、乗算器182は、周波数f1(360Hz)を、周波数f1C’(140Hz(=500−360))に変換し、周波数f2(720Hz)を、周波数f2C’(220Hz(=720−500))に変換する。
なお、基本周波数foは、直流成分に変換されるので回路構成をAC結合とすることにより除去することができる。
ローパスフィルタ(LPF)183は、周波数f1C’と周波数f2C’の両方の周波数成分を透過させる周波数帯域を確保できるカットオフ周波数を有している。また、LPF183は、周波数領域をさらに制限することにより、ノイズ成分をさらに低減することができる。本実施形態では、カットオフ周波数fcを1kHzとするローパスフィルタを例に示すが、上記周波数成分を透過するバンドパスフィルタとしてもよい。或は、乗算器182が、周波数f1(360Hz)を、周波数f1C”(860Hz(=500+360))に変換し、周波数f2(720Hz)を、周波数f2C”(1220Hz(=720+500))に変換し、周波数f1C”と周波数f2C”との周波数成分を通過させるバンドパスフィルタとしてもよい。
なお、設定部144は、局部発振器(Lo発振器)181、周波数抽出部141におけるGoertzelフィルタの周波数を設定により変更することができるので、環境条件などに応じて、雑音の影響を受けにくい周波数に設定することができる。その設定では、個々に値を定めるだけでなく、周波数配置のパターンを予め定めておき、そのパターンのいずれかを選択するようにしてもよい。設定部144は、周波数配置のパターンを設定部144内の記憶部に識別子に対応付けて予め記憶する。設定部144は、検出感度の高い周波数配置のパターンとして選択された識別子に従って、記憶された周波数配置のパターンに従って、Lo発振器(局部発振器)181、周波数抽出部141におけるGoertzelフィルタの周波数を設定することとしてもよい。
このように、周波数変換部180は、受信部110によって不要周波数が低減され、透過された、発電機700が発電した電力の基本波の周波数fgの6倍と12倍の周波数成分に対する周波数変換を行う。
そして、この周波数変換部180により周波数変換された信号は、信号入力部130に送信される。信号入力部130では、周波数変換部180により周波数変換された信号を、直流バイアス部131により正電位の信号にバイアスし、この正電位の信号をA/D変換部132によりデジタル信号に変換して、充電状態検出部140に出力する。
充電状態検出部140は、周波数変換された、交流の基本波の周波数fgの6倍と12倍の周波数成分を周波数抽出部141によりそれぞれ抽出する。判定部142は、抽出された周波数成分の信号強度を判定する。電圧検出部143は、判定部142による判定結果により、予め定められた大きさより大きな信号が検出され場合、架線910(充電部)が充電状態にあると判定し、表示部150に判定結果を表示する。
以上の実施形態に示したように、検電器100(100A、100B)は、発電機700から出力される電力を整流することにより生成される脈流成分を、磁界(変位電流により誘導される磁界)を介して検出することにより、脈流成分による磁界を検出する。要するに、検電器100(100A、100B)は、この脈流成分を検出する場合には、脈流成分を重畳している直流が充電部に印加されている状態にあることを間接的に検出する。
検電器100(100A、100B)は、充電部(架線910)に直接接触させることなく、非接触の状態で充電状態(発電機700からの電力が印加されている状態)を検出することができる。検電器100(100A、100B)は、充電部に直接接触することなく充電状態の検出を行うことができる。測定対象電圧(例えば、高圧)により絶縁対策を施して作業することが必要とされるが、この検電器100(100A、100B)によれば、非接触で充電状態の検出を行うことができる。よって作業者は、ゴム手袋や長靴のような防護対策無しに充電状態を検出する作業を行うことができ、作業効率を高めることができる。
また、検電器100(100A、100B)では、接地しない状態で用いることができる。これにより、作業効率を高めるだけでなく、接触型の検出方法で防ぐことができなかった、例えば接触不良による誤判定を防ぐことが可能となる。
(1)そして、上記実施形態において、検電器100は、交流から変換された直流電圧によって充電される充電部(架線910)の充電状態を検出する検電器100であって、充電部と大地間に流れる変位電流が発生させる磁界Hを検出する電磁アンテナANTと、電磁アンテナANTとコンデンサC1とを備えるLC共振回路により交流の基本波の周波数fgに基づいて生じる高調波周波数成分を含む信号を、上記磁界Hを介して受信する受信部110と、受信部110により受信した信号に含まれる高調波周波数成分の信号強度に応じて、充電部(架線910)の充電状態を検出する検出部120と、を備える。
このような検電器100は、交流から変換された直流電圧によって充電される充電部(架線910)の充電状態を検出する。受信部110は、交流の基本波の周波数fgに基づいて生じる高調波周波数成分を含む磁界から、高調波周波数成分を含む信号を受信する。検出部120は、受信した信号に含まれる高調波周波数成分の信号強度に応じて、充電部(架線910)の充電状態を検出する。その受信部110は、高調波周波数成分を含むように通過帯域特性が定められる。
これにより、小型でかつ検出感度を高めることができる非接触型の電磁式の検電器100を提供することができる。
(2)また、上記実施形態において、受信部110は、交流の基本波の周波数fgの高調波周波数成分を含むように共振周波数と通過帯域特性とが定められた共振回路部を備える。
このような構成の検電器100では、受信部110(共振回路部)が充電部(架線910)と地表面(大地)との間に流れる変位電流が発生させる磁界Hを検出することから、小型の共振回路部により受信部110を形成することができる。これにより、小型でかつ検出感度を高めることができる非接触型の電磁式の検電器100を提供することができる。
(3)また、上記実施形態において、受信部110(共振回路部)は、充電部(架線910)と大地間に流れる変位電流が発生させる磁界を検出する電磁アンテナANTと、電磁アンテナANTと組み合わせて共振回路を形成し、共振周波数を定めるコンデンサC1とを備える。その共振回路部の通過帯域特性は、交流の基本波の周波数fgの成分を減衰するように設定される。
これにより、さらに、交流の基本波の周波数fgの成分が減衰するように、共振回路部の通過帯域特性を定めることが、共振回路部を電磁アンテナANTとコンデンサC1とを組み合わせて形成することにより実現できる。さらに共振回路の品質係数Qを高めることで脈流に比較して極めて大きな基本波の周波数fgの成分を大きく減衰させることができる。
例えば、受信部110は、電磁アンテナANTと、この電磁アンテナANTに接続されるコンデンサC1とによりLC共振回路を構成する。この受信部(LC共振回路)110は、充電部(架線910)に充電されている電力の基本波の周波数fgに基づいて生じる高調波周波数成分を含む信号を、上記磁界Hを介して受信する。そして、検出部120は、受信部110により受信した信号に含まれる高調波周波数成分の信号強度に応じて、充電部(架線910)の充電状態を検出する。
これにより、小型でかつ検出感度を高めることができる非接触型の電磁式の検電器100を提供することができる。
(4)また、上記実施形態において、電磁アンテナANTは、比透磁率が比較的高い材料により形成されるコアを備えるコイルとして形成される。
これにより、電磁アンテナANTとして高透磁率材料のコアにコイルを巻き付けて電磁アンテナANTを構成することにより、電磁アンテナANTを大幅に小型化できる。このため、電磁アンテナANTを内蔵した検電器を製作することも可能になる。
なお、上述の検電器100、100A、100Bは内部に、コンピュータシステムを有している。そして、検電器100、100A、100Bにおける処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の検電器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
100、100A、100B…検電器、110、110A…受信部、
120、120A、120B…検出部、130、130A…信号入力部、
140…充電状態検出部、150…表示部、160…電源部、
180…周波数変換部、700…発電機、
800…直流変換装置、810…変圧器、820…整流器、900…負荷、
910…架線、920…レール

Claims (4)

  1. 交流を整流することにより交流から変換された直流電圧によって充電される充電部の充電状態を検出する検電器であって、
    前記整流により前記交流の基本波の周波数に基づいて生じる高調波周波数成分を含む磁界を共振回路で受信し、前記共振回路により前記交流の基本波の周波数を減衰させるとともに、前記整流の方式に対応する特定の次数の前記高調波周波数成分を検出して出力する受信部と、
    前記出力された信号に対するフーリエ変換処理の結果から、前記出力された信号に含まれる前記特定の次数の高調波周波数成分の信号強度を算出し、前記算出した前記高調波周波数成分の信号強度に応じて、前記充電部の充電状態を検出する検出部と、
    を備え、
    前記受信部は、
    前記特定の次数の前記高調波周波数成分以外を減衰させるように通過帯域特性が定められている
    ことを特徴とする検電器。
  2. 交流を整流することにより交流から変換された直流電圧によって充電される充電部の充電状態を検出する検電器であって、
    前記整流により前記交流の基本波の周波数に基づいて生じる高調波周波数成分を含む磁界を共振回路で受信し、前記共振回路により前記交流の基本波の周波数を減衰させるとともに、前記整流の方式に対応する特定の次数の前記高調波周波数成分を検出して出力する受信部と、
    前記出力された信号に含まれる前記高調波周波数成分の信号強度に応じて、前記充電部の充電状態を検出する検出部と、
    を備え、
    前記受信部は、
    前記磁界を検出する電磁アンテナと、
    前記電磁アンテナに直列に接続され、前記共振回路としての直列共振回路を形成するコンデンサと、
    前記直列共振回路から信号を受ける入力端子の入力インピーダンスが低くなるように構成され、前記直列共振回路に生じた信号を増幅して出力する増幅器と
    を備えることを特徴とする検電器。
  3. 前記特定の次数を、6次又は12次とし、
    前記検出部は、
    前記出力された信号のフーリエ変換処理により、前記特定の次数に対応する係数から当該次数の前記高調波周波数成分の信号強度を算出し、前記算出した前記高調波周波数成分の信号強度に応じて、前記充電部の充電状態を検出し、
    前記受信部は、
    前記磁界を検出する電磁アンテナと、
    前記電磁アンテナに直列に接続され、前記共振回路としての直列共振回路を形成するコンデンサと、
    前記直列共振回路から信号を受ける入力端子の入力インピーダンスが低くなるように構成され、前記直列共振回路に生じた信号を増幅して出力する増幅器と
    を含み、
    前記電磁アンテナは、
    高透磁率材料で形成されたコア部と、
    前記コア部を芯にするコイル部と
    を備え、
    前記コア部は、長手方向に複数の領域に分割されており、前記複数の領域のうち一部の領域が棒状に形成され、他の領域がコイル状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検電器。
  4. 交流を整流することにより交流から変換された直流電圧によって充電される充電部の充電状態を検出する検電方法であって、
    前記整流により前記交流の基本波の周波数に基づいて生じる高調波周波数成分を含む磁界から、共振回路により前記整流の方式に対応する特定の次数の前記高調波周波数成分以外減衰させて、前記共振回路により前記特定の次数の高調波周波数成分を検出して出力する受信過程と、
    前記出力された信号に対するフーリエ変換処理の結果から、前記出力された信号に含まれる前記特定の次数の高調波周波数成分の信号強度を算出し、前記算出した前記高調波周波数成分の信号強度に応じて、前記充電部の充電状態を検出する検出過程と
    を含むことを特徴とする検電方法。
JP2012020201A 2012-02-01 2012-02-01 検電器及び検電方法 Active JP5953056B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012020201A JP5953056B2 (ja) 2012-02-01 2012-02-01 検電器及び検電方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012020201A JP5953056B2 (ja) 2012-02-01 2012-02-01 検電器及び検電方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013160533A JP2013160533A (ja) 2013-08-19
JP5953056B2 true JP5953056B2 (ja) 2016-07-13

Family

ID=49172913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012020201A Active JP5953056B2 (ja) 2012-02-01 2012-02-01 検電器及び検電方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5953056B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5801019B1 (ja) 2013-12-13 2015-10-28 オリンパス株式会社 磁界検出装置
CN104931905B (zh) * 2014-03-21 2017-12-19 国家电网公司 高压验电器启动电压试验装置及试验方法
CN104062535A (zh) * 2014-06-13 2014-09-24 苏州华徕光电仪器有限公司 一种感应式交流验电笔电路
CN108333417B (zh) * 2018-03-29 2019-12-27 国家电网公司 500kV高压交直流验电器
CN110865230B (zh) * 2019-10-18 2021-09-07 南京信息工程大学滨江学院 一种非接触式测电笔及其测量算法与校准方法
CN111652421A (zh) * 2020-05-26 2020-09-11 广东电网有限责任公司东莞供电局 基于主成分分析和模糊分类的验电评估方法和装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5924391B2 (ja) * 1975-05-12 1984-06-08 サンヨウデンキコウジ カブシキガイシヤ 活死線判別器
JPS57146075U (ja) * 1981-03-11 1982-09-13
JP3282897B2 (ja) * 1993-10-05 2002-05-20 東日本旅客鉄道株式会社 直流電車線の活線検知器
JP3404606B2 (ja) * 1994-07-11 2003-05-12 エヌイーシートーキン株式会社 電界センサ
JP2000258482A (ja) * 1999-03-08 2000-09-22 Toshiba Corp 周波数検査装置
JP5151032B2 (ja) * 2006-01-13 2013-02-27 株式会社日立製作所 磁界プローブ装置及び磁界プローブ素子
JP4754508B2 (ja) * 2007-01-31 2011-08-24 株式会社カイザーテクノロジー 交流信号検出装置、受信装置及び基板間伝送システム
JP2012015985A (ja) * 2010-05-31 2012-01-19 Tokai Rika Co Ltd 通信エリア設定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013160533A (ja) 2013-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5953056B2 (ja) 検電器及び検電方法
US9612353B2 (en) Detection device, energy receiver, energy transmitter, power transmission system, and detection method
JP6261978B2 (ja) 検知装置、送電装置、給電システムおよび検知方法
JP6331521B2 (ja) 部分放電監視装置および部分放電監視システム
JP6168254B2 (ja) 電圧検出回路、送電装置および電力伝送システム
JP2013115981A (ja) 検知装置、受電装置、非接触電力伝送システム及び検知方法
JP6119840B2 (ja) 電流センサ、電流測定装置、および漏電検出装置
US20200091776A1 (en) Metallic foreign object detector, wireless power transmitting device, wireless power receiving device, and wireless power transmission system
JP2016027332A (ja) 非接触型検電器及び検電方法
CN104515931B (zh) 一种基于磁调制的直流漏电流传感器
WO2016136566A1 (ja) 送電装置および電力伝送システム
Ding et al. Investigation of vibration impacts on HVAC transformer from HVDC system under monopole operation
CN111044769A (zh) 一种积分式剩余电流测量的方法和集成系统
CN204347174U (zh) 一种基于磁调制的直流漏电流传感器
CN105334426B (zh) 输电线路故障行波的处理方法和处理装置
CN108519508B (zh) 一种测量交流与直流电流的比较仪
JP2018031672A (ja) 電力計測システム、電力計測用サブシステム、及び判定方法
CN203798967U (zh) 一种长距离高压电缆局部放电和故障定位的检测阻抗
CN204008823U (zh) 非接触式带电识别验电器
Hlavacek et al. Influence of Rogowski coil shielding to measurement results
JP2012112659A (ja) 検電器及び検電方法
CN109100577A (zh) 一种远距离雷电探测系统及方法
CN108415087A (zh) 防止电磁干扰的方法
KR200465727Y1 (ko) 지중 급전케이블의 전기절연 감시 시스템
RU128951U1 (ru) Устройство защиты радиоприема от мощных электромагнитных импульсов грозовой активности

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151008

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5953056

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250