JP5950900B2 - 超電導線材用基板、超電導線材用基板の製造方法及び超電導線材 - Google Patents

超電導線材用基板、超電導線材用基板の製造方法及び超電導線材 Download PDF

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Description

本発明は、超電導線材用基板、超電導線材用基板の製造方法及び超電導線材に関する。
従来、ハステロイからなるテープ状の基板上にIBAD(Ion Beam Assisted Deposition)法により中間層が形成され、この中間層上に酸化物超電導層が配向形成されて構成される超電導線材が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、2軸配向した基板上に、エピタキシャル成長させた中間層が形成され、この中間層上に酸化物超電導層が配向形成されて構成される超電導線材が知られている(例えば、特許文献2参照)。
なお、超電導線材として用いられる金属基板をここでは「超電導線材用基板」と呼ぶ。また、超電導線材用基板上にIBAD法による中間層が形成された基板は、一般に「IBAD基板」と呼ばれる。
超電導線材用基板の表面は、冷間圧延工程や高精密研磨工程等の各工程を経て、数nm級の表面粗度Raに仕上げられる(例えば、特許文献3〜9参照)。
「表面粗度Ra」とは、JISB−0601−2001(ISO4287:1997に準拠)にて規定される算術平均粗さである。
特開平4−329867号公報 特開2007−311234号公報 特開2008−200773号公報 特開2008−200775号公報 特開2007−200870号公報 特開2008−254044号公報 特開平4−110454号公報 特開2008−49451号公報 特開2008−36724号公報
ここで、IBAD基板を用いた超電導特性の高い超電導線を製造するには、IBAD基板の結晶配向度が高く、IBAD基板の中間層としてCeO等の酸化物層のエピタキシャル成長が要求される。このとき、基板表層に点在する欠陥、表面粗度の分布変動等が点在すると超電導層までの結晶成長が阻害され局部的な欠陥点が存在し、臨界電流値特性が低下する問題が生じる。これは、2軸配向した基板上に、エピタキシャル成長させた中間層を用いた超電導線でも同様の問題が生じる。そこで、超電導線が高い超電導特性を得るためには、機械研磨及び化学研磨等により、基板の圧延肌を表面粗度Raで数nm〜1nm以下の高性能に改めて改質する必要がある。しかし、基板の裏側の表面粗度Raが表面粗度Raと同じ程度の数nmである場合、基板表面に中間層を成膜する際に、基板裏面とサセプタの接触の際に傷がつきやすくなり、長尺製造には好ましくない。
上述した特許文献3〜9については、基板の表側の表面粗度Raについては制御を行っているが、裏側の表面粗度Raの制御は行われておらず、かつ、その後の中間層成膜の際に用いられる基板の裏側の表面粗度Raについては何ら記載がなされていない。
本発明の課題は、高性能な長尺超電導線材用基板、高性能な長尺超電導線材用基板の製造方法及び高性能な超電導線材用基板を用いた超電導線材を提供することである。
本発明によれば、超電導線材用基板の両面のうち、一方の表面粗度Raが10nm以下であって、他方の表面粗度Raが前記一方の表面粗度Raよりも大きく、かつ、8nm以上15nm未満であることを特徴とする超電導線材用基板が提供される。
このとき、一方の表面粗度が10nmを超えると、基板表面に形成する中間層の配向性が低下してしまうため、好ましくない。また、他方の表面粗度Raが8nm未満の場合には、その後基板表面に中間層を成膜する際に、基板の裏面とサセプタの接触の際に、傷がつきやすくなるため、好ましくない。また、他方の表面粗度Raが15nm以上の場合には、基板をリールに巻き取る際に基板の表層が粗い裏側が表側の表層を傷つけるために好ましくない。
また、本発明によれば、
金属体を冷間圧延する工程と、
前記冷間圧延された金属体を熱処理する工程と、
を含む超電導線材用基板の製造方法であって、
前記冷間圧延する工程では、表面粗度Raが異なる上下一対の圧延ロールを用いると共に、前記上下一対の圧延ロールのうち表面粗度Raが小さい方の圧延ロールは、表面粗度Raが3nm以上、70nmより小さいことを特徴とする超電導線材用基板の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、超電導線材用基板の両面のうち、一方の表面粗度Raが10nm以下であって、他方の表面粗度Raが前記一方の表面粗度Raよりも大きく、かつ、8nm以上15nm未満である超電導線材用基板の前記一方の面上に中間層が形成され、該中間層上に超電導層が形成されて構成されることを特徴とする超電導線材が提供される。
本発明によれば、高性能な長尺超電導線材用基板、高性能な長尺超電導線材用基板の製造方法及び高性能な超電導線材用基板を用いた超電導線材を提供することができる。
超電導線材用基板の概略断面図である。 超電導線材用基板の製造工程を示すフロー図である。
本実施形態における超電導線材用基板、超電導線材用基板の製造方法及び超電導線材について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
図1に、超電導線材10の概略断面図を示す。
超電導線材10は、超電導線材用基板1、中間層2、超電導層3を備えて構成される。また、超電導線材10は、超電導線材用基板1上に中間層2、超電導層3が順次積層される。
超電導線材用基板1の素材として、ハステロイ(登録商標)、インコネル(登録商標)等のNi基合金又は、ステンレス鋼等のFe基合金を用いることができ、光輝焼鈍処理されたBA(ブライトアニール)材が好ましい。
図2を参照して、超電導線材用基板1の製造工程について説明する。
まず、超電導線材用基板1となる金属体を研磨する(ステップS1)。
研磨方法としては、機械研磨、化学研磨若しくは電解研磨又はこれらの組み合わせによる研磨を採用する。なお、必ずしも各種研磨を行う必要はなく、各種研磨を行わずにステップS2に移行してもよい。
機械研磨では、研磨粒としてダイヤモンド粒、酸化物粒等を用いる。また、研磨液として水、界面活性剤、油類、有機溶剤、これらの混合物、水と蟻酸、酢酸、硝酸等の酸を混合した溶液、水と水酸化ナトリウム等のアルカリを混合した溶液、の何れかを用いる。なお、研磨粒としては特に酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄等が望ましく、研磨液としては特に石鹸水が望ましい。
化学研磨では、研磨液として超電導線材用基板1表面と化学反応する化学溶液を用いる。化学溶液には、例えば硝酸、硫酸、蟻酸、酢酸、塩素、フッ素、クロム過酸化水素、シュウ酸、テトラリン酸、氷酢酸等の液体、又はこれらの混合液がある。研磨液としては特にこれらの混合液に飽和アルコールやスルホン酸類などの促進剤を混合した溶液が望ましい。
化学機械研磨では、研磨粒として上記機械研磨で用いられる研磨粒と同様の研磨粒を用いる。また、研磨液として上記化学研磨で用いられる研磨液を用いる。
電解研磨では、超電導線材用基板1を電解液に浸し、超電導線材用基板1を陽極として通電して電解反応により基板表面を研磨する。電解液は、酸やアルカリで良く、特に硝酸、リン酸、クロム酸、過酸化水素、水酸化カリウム、シアン化カリウム等が望ましい。
次に、研磨された金属体を冷間圧延する(ステップS2〜4)。
圧延工程では、素圧延工程(ステップS2)、中間圧延(ステップS3)、仕上げ圧延(ステップS4)の各圧延工程を行う。圧延工程では、圧延加工率40%〜99%の範囲で冷間圧延する。また、表面粗度Raが同一の圧延ロールによる圧延及び表面粗度Raが異なる圧延ロールによる圧延をそれぞれ少なくとも1回以上行う。各圧延工程の詳細については後述する(サンプル1−1〜1−4参照)。
次に、冷間圧延された金属体を熱処理する(ステップS5)。
平坦性回復のためのTA(テンションアニール)熱処理は、超電導線材用基板をアルゴンガスと0.5〜5Vol.%の水素との混合ガス雰囲気下、850℃以下で10秒以上保持し、張力印加状態で行う。
次に、熱処理された金属体を仕上げ加工する(ステップS6)。
仕上げ加工では、所望のサイズにスリット加工する。
最後に、仕上げ加工された金属体を仕上げ研磨する(ステップS7)。
仕上げ研磨では、ステップS1で述べた機械研磨、化学研磨若しくは電解研磨又はこれらを組合せた研磨方法により研磨する。
なお、ステップS7は必ずしも必要ではなく、ステップS5の時点で基板1の表面粗度Raが所望の値とすることができれば、ステップS6で終了してもよい。
〔サンプル1−1〕
〔超電導線材用基板の製造工程〕
サンプル1−1では、仕上げ圧延工程(ステップS4参照)で表面粗度Raの異なる圧延ロールを用いることを特徴とする超電導線材用基板1の製造工程について説明する。
超電導線材用基板1を製造するために、表面粗度Ra50nm、厚さ0.3mm、幅75mm、奥行350mのBA材(ハステロイC−276)を用いた。なお、材質については、ハステロイに限らず、インコネル、ステンレス鋼を用いてもよい。
研磨工程において(ステップS1参照)、BA材を研磨し、表面粗度Raを50nmから30nm程度にした。
素圧延工程及び中間圧延工程において(ステップS2及びS3参照)、表面粗度Raが上下同一であって、ロール径Φ20mmの12段圧延ロールを用いて、BA材を圧延し、厚さ0.15mm、幅75mm、奥行690mの中間圧延材を製造した。素圧延時に用いた圧延ロールの表面粗度Raは66nmであり、中間圧延時に用いた圧延ロールの表面粗度Raは40nmであった。
更に、厚さ0.15mmの中間圧延材を上下の表面粗度Raが7nmの圧延ロールを用いて、厚さを0.107mmまで圧延した。このときの中間圧延材の表面粗度Raは7nm〜9nmであった。
仕上げ圧延工程において(ステップS4参照)、表面粗度Raが3nmの圧延ロール及び表面粗度Raが10nmの圧延ロールを用いて、表面粗度Raが7nm〜9nmの中間圧延材を圧延し、長尺圧延材を製造した。上側(表側)の圧延ロールには表面粗度Raが3nmの圧延ロールを用い、下側(裏側)の圧延ロールには表面粗度Raが10nmの圧延ロールを用いた。
圧延に使用されるロール表面粗度はJIS B 0651―2001 触針式表面粗さ測定で求めた。
なお、下側の圧延ロールの表面粗度Raは最大10nm程度が望ましい。表面粗度Raが10nmより大きいと、長尺圧延材の長手方向の表面粗度Raが15nmを超える場合がある。また、コイル状に巻き込まれた長尺圧延材の表裏の擦り合わせ傷が高光沢側(表面)の表層に生じ、表面欠陥を残すことになる。
また、上側の圧延ロールの表面粗度Raが3nmで、下側の圧延ロールの表面粗度Raとの差が3nm未満の場合、圧延時材料滑りの影響が大きくなり、形状制御が困難となる。
また、上側の圧延ロールは、全幅にわたって表面粗度Raが3nmであっても、中間圧延材の幅よりもわずかに狭い幅範囲に限定して表面粗度Raが3nmであってもよい。後者の場合、上側及び下側の圧延ロール端部の表面粗度Raは10nm程度であってもよい。
TA熱処理工程において(ステップS5参照)、長尺圧延材の平坦性改善のため、790℃×20秒保持条件下で5kgf/mmの張力を長尺圧延材に印加し、長尺圧延材をアルゴンガスと水素との混合気体の雰囲気で熱処理した。
仕上げ加工工程において(ステップS6参照)、長尺圧延材を所望の仕上がりサイズにてスリット加工し、厚さ0.10mm、幅10mm、奥行1030mの超電導線材用基板1を6つ製造した。圧延工程の加工率は60%以上を確保した。
超電導線材用基板1の両端部からサンプルを採取し、原子間力顕微鏡(AFM)により10μm角の表面粗度Raを測定した。測定した結果、表側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは3.2nm及び3.8nmであり、全ての測定点の表面粗度RaはRa<4nmであった。また、裏側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは10.2nm及び10.6nmであった。
仕上げ加工工程後の超電導線材用基板1について、室温にて引っ張り試験を行ったところ、0.2%耐力は1.6GPaであった。
以上より、サンプル1−1による製造方法によれば、高強度、高性能な超電導線材用基板1を製造することができる。
〔サンプル2−1〕
サンプル1−1で得られた仕上げ加工工程後の超電導線材用基板1に対して、仕上げ研磨工程において(ステップS7参照)、超電導線材用基板1の表側面を機械研磨し、表面粗度Raを0.9nmとした。なお、研磨方法は機械研磨、化学研磨又は電解研磨のいずれであってもよい。また、仕上げ研磨工程直前の超電導線材用基板1の表層は一様な品質のため、仕上げ研磨工程にかかる研磨コストを低減することができる。
〔超電導線材の製造工程〕
サンプル2−1にて製造した超電導線材用基板1の表側面上に、IBAD法を用いて中間層2を形成した。中間層2は、超電導線材用基板1上にGd−Zr酸化中間層(GZO)が約1μm成膜され、更にその上にPLDにて厚さ約450nmのCeO酸化物中間層が形成されて構成される。
中間層2上に、パルスレーザーデポジション法を用いて超電導層3を形成した。超電導層3は、中間層2上にYBCO超電導体が約1μm堆積して構成される。
更に、超電導層3上に高周波スパッター装置を用いて厚さ約10μmの銀を蒸着して保護層を形成した。更に、酸素流気中、550℃で酸素アニールを行い、超電導線材10を製造した。なお、超電導線材10の表層には銅を有する安定化層が形成されている。
製造された超電導線材10について、200m分を液体窒素に浸漬した状態で四端子法を用いて臨界電流を測定した。測定は1mピッチとし、電圧端子は1.2mとした。超電導線材10の通電特性は1μV/cm定義で、臨界電流値の全測定位置で307A以上を確認し、最小−最大差が8Aとなった。
〔サンプル1−2〕
〔超電導線材用基板の製造工程〕
サンプル1−2では、中間圧延工程及び仕上げ圧延工程(ステップS3及びS4参照)で表面粗度Raの異なる圧延ロールを用いることを特徴とする超電導線材用基板1の製造工程について説明する。
超電導線材用基板1を製造するために、表面粗度Ra50nm、厚さ0.3mm、幅75mm、奥行350mのBA材(ハステロイC−276)を用いた。なお、ハステロイに限らず、インコネル、ステンレス鋼を用いてもよい。
研磨工程において(ステップS1参照)、BA材を研磨し、表面粗度Raを50nmから30nm程度にした。
素圧延工程において(ステップS2参照)、表面粗度Ra(45nm)が上下同一であって、ロール径Φ20mmの12段圧延ロールを用いて、BA材を圧延し、厚さ0.15mm、幅75mm、奥行690mの素圧延材を製造した。このときの素圧延材の表面粗度Raを15nm〜25nm程度にした。
中間圧延工程において(ステップS3参照)、表面粗度Raが6nmの圧延ロール及び表面粗度Raが10nmの圧延ロールを用いて、素圧延材を圧延し、厚さ0.107mm、幅75mm、奥行960mの中間圧延材を製造した。上側の圧延ロールには表面粗度Raが6nmの圧延ロールを用い、下側の圧延ロールには表面粗度Raが10nmの圧延ロールを用いた。
仕上げ圧延工程において(ステップS4参照)、表面粗度Raが3nmの圧延ロール及び表面粗度Raが9nmの圧延ロールを用いて、中間圧延材を圧延し、長尺圧延材を製造した。上側の圧延ロールには表面粗度Raが3nmの圧延ロールを用い、下側の圧延ロールには表面粗度Raが9nmの圧延ロールを用いた。
なお、下側の圧延ロールの表面粗度Raは最大10nm程度が望ましい。表面粗度Raが10nmより大きいと、長尺圧延材の長手方向の表面粗度Raが15nmを超える場合がある。また、長尺圧延材の裏面(表面粗度Raが大きい面)の表面粗度Raが30nmを超えた場合には、コイル状に巻き込まれた長尺圧延材の表裏の擦り合わせ傷が高光沢側(表面)の表層に生じ、表面欠陥を残すことになる。
また、上側の圧延ロールの表面粗度Raが3nmで、下側の圧延ロールの表面粗度Raとの差が3nm未満の場合、圧延時材料滑りの影響が大きくなり、形状制御が困難となる。
TA熱処理工程において(ステップS5参照)、長尺圧延材の平坦性改善のため、790℃×20秒保持条件下で5kgf/mmの張力を長尺圧延材に印加し、長尺圧延材をアルゴンガスと水素との混合気体の雰囲気で熱処理した。
仕上げ加工工程において(ステップS6参照)、長尺圧延材を所望の仕上がりサイズにてスリット加工し、厚さ0.10mm、幅10mm、奥行1020mの超電導線材用基板1を6つ製造した。圧延工程の加工率は60%以上を確保した。
超電導線材用基板1の両端部からサンプルを採取し、原子間力顕微鏡(AFM)により10μm角の表面粗度Raを測定した。測定した結果、表側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは3.0nm及び3.5nmであり、全ての測定点の表面粗度RaはRa<4nmであった。また、裏側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは8.8nm及び9.5nmであった。
仕上げ加工工程後の超電導線材用基板1について、室温にて引っ張り試験を行ったところ、0.2%耐力は1.5GPaであった。
以上より、サンプル1−2による製造方法によれば、高強度、高性能な超電導線材用基板1を製造することができる。
〔サンプル2−2〕
サンプル1−2で得られた仕上げ加工工程後の超電導線材用基板1に対して、仕上げ研磨工程において(ステップS7参照)、超電導線材用基板1の表側面を機械研磨し、表面粗度Raを0.8nmとした。なお、研磨方法は機械研磨、化学研磨又は電解研磨のいずれであってもよい。また、仕上げ研磨工程直前の超電導線材用基板1の表層は一様のため、研磨コストを低減することができる。
〔超電導線材の製造工程〕
サンプル2−2にて製造した超電導線材用基板1の表側面上に、IBAD法を用いて中間層2を形成した。中間層2は、超電導線材用基板1上にGd−Zr酸化中間層(GZO)が約1μm成膜され、更にその上にPLDにて厚さ約500nmのCeO酸化物中間層が形成されて構成される。
中間層2上に、パルスレーザーデポジション法を用いて超電導層3を形成した。超電導層3は、中間層2上にYBCO超電導体が約1μm堆積して構成される。
更に、超電導層3上に高周波スパッター装置を用いて厚さ約10μmの銀を蒸着して保護層を形成した。更に、酸素流気中、550℃で酸素アニールを行い、超電導線材10を製造した。なお、超電導線材10の表層には銅を有する安定化層が形成されている。
製造された超電導線材10について、200m分を液体窒素に浸漬した状態で四端子法を用いて臨界電流を測定した。測定は1mピッチとし、電圧端子は1.2mとした。超電導線材10の通電特性は1μV/cm定義で、臨界電流値の全測定位置で326A以上を確認し、最小−最大差が9Aとなった。
〔サンプル1−3〕
〔超電導線材用基板の製造工程〕
サンプル1−3では、中間圧延工程及び仕上げ圧延工程(ステップS3及びS4参照)で表面粗度Raの異なる圧延ロールを用いることを特徴とする超電導線材用基板1の製造工程について説明する。
超電導線材用基板1を製造するために、表面粗度Ra50nm、厚さ0.3mm、幅75mm、奥行350mのBA材(ハステロイC−276)を用いた。なお、ハステロイに限らず、インコネル、ステンレス鋼を用いてもよい。
研磨工程において(ステップS1参照)、BA材を研磨し、表面粗度Raを50nmから30nm程度にした。
素圧延工程において(ステップS2参照)、表面粗度Ra(45nm)が上下同一であって、ロール径Φ20mmの12段圧延ロールを用いて、BA材を圧延し、厚さ0.15mm、幅75mm、奥行690mの素圧延材を製造した。このときの素圧延材の表面粗度Raを15nm〜25nm程度にした。
中間圧延工程において(ステップS3参照)、表面粗度Raが6nmの圧延ロール及び表面粗度Raが12nmの圧延ロールを用いて、素圧延材を圧延し、厚さ0.107mm、幅75mm、奥行960mの中間圧延材を製造した。上側の圧延ロールには表面粗度Raが6nmの圧延ロールを用い、下側の圧延ロールには表面粗度Raが12nmの圧延ロールを用いた。
仕上げ圧延工程において(ステップS4参照)、表面粗度Raが4nmの圧延ロール及び表面粗度Raが9nmの圧延ロールを用いて、中間圧延材を圧延し、長尺圧延材を製造した。上側の圧延ロールには表面粗度Raが4nmの圧延ロールを用い、下側の圧延ロールには表面粗度Raが9nmの圧延ロールを用いた。
TA熱処理工程において(ステップS5参照)、長尺圧延材の平坦性改善のため、790℃×20秒保持条件下で5kgf/mmの張力を長尺圧延材に印加し、長尺圧延材をアルゴンガスと水素との混合気体の雰囲気で熱処理した。
仕上げ加工工程において(ステップS6参照)、長尺圧延材を所望の仕上がりサイズにてスリット加工し、厚さ0.10mm、幅10mm、奥行1020mの超電導線材用基板1を6つ製造した。圧延工程の加工率は60%以上を確保した。
超電導線材用基板1の両端部からサンプルを採取し、原子間力顕微鏡(AFM)により10μm角の表面粗度Raを測定した。測定した結果、表側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは4.1nm及び4.3nmであり、全ての測定点の表面粗度RaはRa<5nmであった。また、裏側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは9.7nm及び8.9nmであった。
仕上げ加工工程後の超電導線材用基板1について、室温にて引っ張り試験を行ったところ、0.2%耐力は1.6GPaであった。
以上より、サンプル1−3による製造方法によれば、高強度、高性能な超電導線材用基板1を製造することができる。
〔サンプル2−3〕
サンプル1−3で得られた仕上げ加工工程後の超電導線材用基板1に対して、仕上げ研磨工程において(ステップS7参照)、超電導線材用基板1の表側面を機械研磨し、表面粗度Raを1.2nmとした。なお、研磨方法は機械研磨、化学研磨又は電解研磨のいずれであってもよい。また、仕上げ研磨工程直前の超電導線材用基板1の表層は品質が一様のため、仕上げ研磨工程における研磨コストを低減することができる。
〔超電導線材の製造工程〕
サンプル2−3にて製造した超電導線材用基板1上に、IBAD法を用いて中間層2を形成した。中間層2は、超電導線材用基板1上にGd−Zr酸化中間層(GZO)が約1μm成膜され、更にその上にPLDにて厚さ約500nmのCeO酸化物中間層が形成されて構成される。
中間層2上に、パルスレーザーデポジション法を用いて超電導層3を形成した。超電導層3は、中間層2上にYBCO超電導体が約1μm堆積して構成される。
更に、超電導層3上に高周波スパッター装置を用いて厚さ約10μmの銀を蒸着して保護層を形成した。更に、酸素流気中、550℃で酸素アニールを行い、超電導線材10を製造した。なお、超電導線材10の表層には銅を有する安定化層が形成されている。
製造された超電導線材10について、200m分を液体窒素に浸漬した状態で四端子法を用いて臨界電流を測定した。測定は1mピッチとし、電圧端子は1.2mとした。超電導線材10の通電特性は1μV/cm定義で、臨界電流値の全測定位置で295A以上を確認し、最小−最大差が8Aとなった。
〔サンプル1−4(2−4)〕
〔超電導線材用基板の製造工程〕
サンプル1−4(2−4)では、仕上げ圧延工程(ステップS4参照)で表面粗度Raの異なる圧延ロールを用いることを特徴とし、仕上げ研磨工程を行わないことを特徴とする超電導線材用基板1の製造工程について説明する。
超電導線材用基板1を製造するために、表面粗度Ra50nm、厚さ0.3mm、幅75mm、奥行350mのハステロイBA材(ハステロイC−276)を用いた。なお、ハステロイに限らず、インコネル、ステンレス鋼を用いてもよい。
研磨工程において(ステップS1参照)、BA材を研磨し、表面粗度Raを50nmから30nm程度にした。
素圧延工程及び中間圧延工程において(ステップS2及びS3参照)、表面粗度Raが上下同一であって、ロール径Φ20mmの12段圧延ロールを用いて、BA材を圧延し、厚さ0.15mm、幅75mm、奥行690mの中間圧延材を製造した。素圧延時に用いた圧延ロールの表面粗度Raは66nmであり、中間圧延時に用いた圧延ロールの表面粗度Raは40nmであった。
更に、厚さ0.15mmの中間圧延材を上下の表面粗度Raが7nmの圧延ロールを用いて、厚さを0.107mmまで圧延した。このときの中間圧延材の表面粗度Raは7nm〜9nmであった。
仕上げ圧延工程において(ステップS4参照)、表面粗度Raが2nmの圧延ロール及び表面粗度Raが10nmの圧延ロールを用いて、表面粗度Raが7nm〜9nmの中間圧延材を圧延し、長尺圧延材を製造した。上側の圧延ロールには表面粗度Raが2nmの圧延ロールを用い、下側の圧延ロールには表面粗度Raが10nmの圧延ロールを用いた。
なお、下側の圧延ロールの表面粗度Raは最大10nm程度が望ましい。表面粗度Raが10nmより大きいと、長尺圧延材の長手方向の表面粗度Raが15nmを超える場合がある。また、コイル状に巻き込まれた長尺圧延材表裏の擦り合わせ傷が高光沢側(表面)の表層に生じ、表面欠陥を残すことになる。
また、上側の圧延ロールの表面粗度Raが3nmで、下側の圧延ロールの表面粗度Raとの差が3nm未満の場合、圧延時材料滑りの影響が大きくなり、形状制御が困難となる。
また、上側の圧延ロールは、全幅にわたって表面粗度Raが3nmであっても、中間圧延材の幅よりもわずかに狭い幅範囲に限定して表面粗度Raが3nmであってもよい。後者の場合、上側及び下側の圧延ロール端部の表面粗度Raは10nm程度であってもよい。
TA熱処理工程において(ステップS5参照)、長尺圧延材の平坦性改善のため、790℃×20秒保持条件下で5kgf/mmの張力を長尺圧延材に印加し、長尺圧延材をアルゴンガスと水素との混合気体の雰囲気で熱処理した。
仕上げ加工工程において(ステップS6参照)、長尺圧延材を所望の仕上がりサイズにてスリット加工し、厚さ0.10mm、幅10mm、奥行1030mの超電導線材用基板1を6つ製造した。圧延工程の加工率は60%以上を確保した。
超電導線材用基板1の両端部からサンプルを採取し、原子間力顕微鏡(AFM)により10μm角の表面粗度Raを測定した。測定した結果、表側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは2.4nm及び2.8nmであり、全ての測定点の表面粗度RaはRa<3nmであった。また、裏側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは9.8nm及び10.8nmであった。
仕上げ研磨工程(ステップS7参照)は省略した。仕上げ研磨工程を省略することにより、コストを大幅に低減することができる。
仕上げ加工工程後の超電導線材用基板1について、室温にて引っ張り試験を行ったところ、0.2%耐力は1.5GPaであった。
以上より、サンプル1−4による製造方法によれば、高強度、高性能、安価な超電導線材用基板1を製造することができる。
〔超電導線材の製造工程〕
サンプル1−4(2−4)にて製造した超電導線材用基板1の表側面上に、IBAD法を用いて中間層2を形成した。中間層2は、超電導線材用基板1上にGd−Zr酸化中間層(GZO)が約1μm成膜され、更にその上にPLDにて厚さ約480nmのCeO酸化物中間層が形成されて構成される。
中間層2上に、パルスレーザーデポジション法を用いて超電導層3を形成した。超電導層3は、中間層2上にYBCO超電導体が約1μm堆積して構成される。
更に、超電導層3上に高周波スパッター装置を用いて厚さ約10μmの銀を蒸着して保護層を形成した。更に、酸素流気中、550℃で酸素アニールを行い、超電導線材10を製造した。なお、超電導線材10の表層には銅を有する安定化層が形成されている。
製造された超電導線材10について、200m分を液体窒素に浸漬した状態で四端子法を用いて臨界電流を測定した。測定は1mピッチとし、電圧端子は1.2mとした。超電導線材10の通電特性は1μV/cm定義で、臨界電流値の全測定位置で261A以上を確認し、最小−最大差が12Aとなった。
〔サンプル1−5〕
〔超電導線材用基板の製造工程〕
サンプル1−5では、仕上げ圧延工程(ステップS4参照)で表面粗度Raの異なる圧延ロールを用いることを特徴とする超電導線材用基板1の製造工程について説明する。
超電導線材用基板を製造するために、表面粗度Ra50nm、厚さ0.3mm、幅75mm、奥行350mのBA材(ハステロイC−276)を用いた。
研磨工程において(ステップS1参照)、BA材を研磨し、表面粗度Raを50nmから30nm程度にした。
素圧延工程及び中間圧延工程において(ステップS2及びS3参照)、表面粗度Raが上下同一であって、ロール径Φ20mmの12段圧延ロールを用いて、BA材を圧延し、厚さ0.107mm、幅75mm、奥行970mの中間圧延材を製造した。素圧延時に用いた圧延ロールの表面粗度Raは40nmであり、中間圧延時に用いた圧延ロールの表面粗度Raは13nmであった。
仕上げ圧延工程において(ステップS4参照)、表面粗度Raが3nmの圧延ロール及び表面粗度Raが13nmの圧延ロールを用いて、中間圧延材を圧延し、長尺圧延材を製造した。上側の圧延ロールには表面粗度Raが3nmの圧延ロールを用い、下側の圧延ロールには表面粗度Raが13nmの圧延ロールを用いた。
TA熱処理工程において(ステップS5参照)、長尺圧延材の平坦性改善のため、790℃×20秒保持条件下で5kgf/mmの張力をハステロイに印加し、ハステロイをアルゴンガスと水素との混合気体の雰囲気で熱処理した。
仕上げ加工工程において(ステップS6参照)、長尺圧延材を所望の仕上がりサイズにてスリット加工し、厚さ0.10mm、幅10mm、奥行1030mの超電導線材用基板を6つ製造した。圧延工程の加工率は60%以上を確保した。
超電導線材用基板の両端部からサンプルを採取し、原子間力顕微鏡(AFM)により10μm角の表面粗度Raを測定した。測定した結果、表側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは3.7nm及び3.9nmであり、また、裏側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは13.3nm及び13.6nmであった。
仕上げ加工工程後の超電導線材用基板について、室温にて引っ張り試験を行ったところ、0.2%耐力は1.6GPaであった。
〔サンプル2−5〕
サンプル1−5で得られた仕上げ加工工程後の超電導線材用基板1に対して、仕上げ研磨工程において(ステップS7参照)、超電導線材用基板の表側面を機械研磨し、表面粗度Raを2.4nmとした。なお、研磨方法は機械研磨、化学研磨又は電解研磨のいずれであってもよい。
〔超電導線材の製造工程〕
サンプル2−5にて製造した超電導線材用基板上に、IBAD法を用いて中間層を形成した。中間層は、超電導線材用基板上にGd−Zr酸化中間層(GZO)が約1μm成膜され、更にその上にPLDにて厚さ約480nmのCeO酸化物中間層が形成されて構成される。
中間層上に、パルスレーザーデポジション法を用いて超電導層を形成した。超電導層は、中間層上にYBCO超電導体が約1μm堆積して構成される。
更に、超電導層上に高周波スパッター装置を用いて厚さ約10μmの銀を蒸着して保護層を形成した。更に、酸素流気中、550℃で酸素アニールを行い、超電導線材を製造した。なお、超電導線材10の表層には銅を有する安定化層が形成されている。
製造された超電導線材について、200m分を液体窒素に浸漬した状態で四端子法を用いて臨界電流を測定した。測定は1mピッチとし、電圧端子は1.2mとした。超電導線材の通電特性は1μV/cm定義で、臨界電流値の全測定位置で268A以上を確認し、最小−最大差が37Aとなった。
〔サンプル1−6〕
〔超電導線材用基板の製造工程〕
サンプル1−6では、圧延工程(ステップS2〜4参照)の全てで表面粗度Raが上下同一の圧延ロールを用いる超電導線材用基板の製造工程について説明する。
超電導線材用基板を製造するために、表面粗度Ra50nm、厚さ0.3mm、幅75mm、奥行350mのBA材(ハステロイC−276)を用いた。
研磨工程において(ステップS1参照)、BA材を研磨し、表面粗度Raを50nmから30nm程度にした。
素圧延工程及び中間圧延工程において(ステップS2及びS3参照)、表面粗度Raが上下同一であって、ロール径Φ20mmの12段圧延ロールを用いて、BA材を圧延し、厚さ0.107mm、幅75mm、奥行970mの中間圧延材を製造した。素圧延時に用いた圧延ロールの表面粗度Raは40nmであり、中間圧延時に用いた圧延ロールの表面粗度Raは13nmであった。
仕上げ圧延工程において(ステップS4参照)、表面粗度Raが7nmの上下同一の圧延ロールを用いて中間圧延材を圧延し、長尺圧延材を製造した。
このとき、圧延時材料滑りの影響が大きくなり、長尺圧延材は平坦性に劣る端延び形状となった。
TA熱処理工程において(ステップS5参照)、長尺圧延材の平坦性改善のため、790℃×20秒保持条件下で5kgf/mmの張力をハステロイに印加し、ハステロイをアルゴンガスと水素との混合気体の雰囲気で熱処理した。
仕上げ加工工程において(ステップS6参照)、長尺圧延材を所望の仕上がりサイズにてスリット加工し、厚さ100μm、幅10mm、奥行1030mの超電導線材用基板を6つ製造した。圧延工程の加工率は60%以上を確保した。なお、製造された6つの超電導線材用基板のうち、2つは平坦性の変動が不連続的にあり、中間層の成膜に適さない形状品質であった。
超電導線材用基板の両端部からサンプルを採取し、原子間力顕微鏡(AFM)により10μm角の表面粗度Raを測定した。測定した結果、表側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは7.2nm及び7.8nmであり、また、裏側面の両端部それぞれ10箇所平均の表面粗度Raは7.9nm及び8.2nmであった。
仕上げ加工工程後の超電導線材用基板について、室温にて引っ張り試験を行ったところ、0.2%耐力は1.6GPaであった。
〔サンプル2−6〕
サンプル1−6で得られた仕上げ加工工程後の超電導線材用基板1に対して、仕上げ研磨工程において(ステップS7参照)、超電導線材用基板の表側面を機械研磨し、表面粗度Raを2.9nmとした。なお、研磨方法は機械研磨、化学研磨又は電解研磨のいずれであってもよい。
〔超電導線材の製造工程〕
サンプル2−6にて製造した超電導線材用基板の表側面上に、IBAD法を用いて中間層を形成した。中間層は、超電導線材用基板上にGd−Zr酸化中間層(GZO)が約1μm成膜され、更にその上にPLDにて厚さ約480nmのCeO酸化物中間層が形成されて構成される。
中間層上に、パルスレーザーデポジション法を用いて超電導層を形成した。超電導層は、中間層上にYBCO超電導体が約1μm堆積して構成される。
更に、超電導層上に高周波スパッター装置を用いて厚さ約10μmの銀を蒸着して保護層を形成した。更に、酸素流気中、550℃で酸素アニールを行い、超電導線材を製造した。なお、超電導線材10の表層には銅を有する安定化層が形成されている。
製造された超電導線材について、200m分を液体窒素に浸漬した状態で四端子法を用いて臨界電流を測定した。測定は1mピッチとし、電圧端子は1.2mとした。超電導線材の通電特性は1μV/cm定義で、臨界電流値の全測定位置で240A以上を確認し、最小−最大差が28Aとなった。
[サンプル1−7〜1−13]
サンプル1−7〜1−13では、サンプル1−1と同様に、仕上げ圧延工程(ステップS4参照)で表面粗度Raの異なる圧延ロールを用いることを特徴とする超電導線材用基板1の製造工程を行った。各サンプルで用いた仕上げ圧延工程(ステップS4)の上側(表側)と下側(裏側)の圧延ロールの表面粗度Raは表1に示す通りである。
表1に、上記述べてきたサンプル1−1〜1−13の超電導線材用基板の特性と仕上げ圧延工程の上側(表側)と下側(裏側)の圧延ロールの表面粗度Raと仕上げ圧延工程後の基板表裏の表面粗度Raをまとめたものを示す。
なお、表1における形状不良率とは、製造された超電導線材用基板のうち、中間層の成膜に適した形状(厚さ0.1mm、幅10mm、奥行き200m単位)に適合しない品質の基板の割合を示す。この形状不良率が小さいほど、長尺な超電導線材用基板の製造が可能となる。
Figure 0005950900
サンプル1〜5、1−7〜1−13では、仕上げ圧延工程における上側(表側)と下側(裏側)の圧延ロールの表面粗度Raが異なる場合であり、サンプル1−6は上側と下側の圧延ロールの表面粗度Raが同じ場合である。
サンプル1−6では、得られた超電導線材用基板の形状不良率が高かった。これは、サンプル1−6においては上側と下側の圧延ロールの表面粗度Raが同じために、圧延の際に超電導線材用基板が滑ってしまい、不連続に形状の平坦性が変動してしまったと考えられる。このことから、上側(表側)と下側(裏側)の圧延ロールの表面粗度Raは異なることが必要であることが判る。
サンプル1−7では、上側(表側)の圧延ロールの表面粗度Raを3nm未満としたが、サンプル1−6と同様に得られた超電導線材用基板の形状不良率が高かった。これは、上側の表面粗度Raが小さすぎ、さらに、下側(裏側)の圧延ロールの表面粗度Raが7nmと低いために、圧延の際に超電導線材用基板が滑ってしまい、サンプル1−6と同じ現象が生じてしまったと考えられる。
一方、サンプル1−13では、上側(表側)の圧延ロールの表面粗度Raを70nm以上としたが、得られた超電導線材用基板の形状不良率が高かった。これは、表面粗度Raが大きい、粗い面で圧延を行ったために、超電導線材用基板に不均一な内部応力が分布したため、その後の熱処理工程(ステップS5)によって、得られた超電導線材用基板に歪みが生じてしまったためと考えられる。
以上のことより、圧延ロールのうち表面粗度Raが小さい方の圧延ロールは、表面粗度Raが3nm以上、70nmより小さいことが求められる。
また、サンプル1−12のように、圧延ロールのうち表面粗度Raが小さい方の圧延ロールは、表面粗度Raが60nm以上であり、サンプル1−13の表面粗度Raが70nmと比べると、形状不良率が低減されてはいるが、形状不良率が0%とはならないことから、60nm未満であることが好ましい。
サンプル1−9では、圧延ロールの上側(表側)と下側(裏側)の表面粗度Raの差が10nm以上とした。得られた超電導線材用基板の表面を確認したところ、表面粗度Raが小さい上側の表層に擦り合わせ傷と思われる表面欠陥が形成されていた。これは、サンプル1−9では、圧延ロールの上側(表側)に比べて下側(裏側)の表面粗度Raが粗いため、テープ状の超電導線材用基板をリールに巻き取る際に基板の表層が粗い裏側が表側の表層を傷つけたためと考えられる。
以上のことから、上下一対の圧延ロールには、表面粗度Raの差が2nmよりも大きく、10nmよりも小さい圧延ロールを用いることが好ましい。
ここで、基板の上側(表側)の表面粗度Raは出来るだけ小さいことが望ましく、更に、下側(裏側)の表面粗度Raも極端に粗くないものが望ましいため、サンプル1−1〜1−5、1−8のように、仕上げ圧延工程における下側(裏側)の圧延ロールの表面粗度Raは、15nm未満とすることが好ましく、10nm以下とすることがより好ましい。
なお、基板の圧延仕上がりの表面粗度Raと精密研磨後の表面粗度Raとが大きく乖離している場合、研磨後の基板表面の最大高さを意味するRzが大きく、深さ方向の地肌傷の被りや圧延傷を低減することが困難となる。そのため、基板の圧延仕上がりの表面粗度Raは数nmであることが好ましい。
[サンプル2−7〜2−13]
サンプル2−7〜2−13では、仕上げ加工工程後、又は仕上げ研磨工程後に得られた超電導線材用基板1を用いて、超電導線材用基板1の表側面上に、IBAD法を用いて中間層2を形成した。中間層2は、超電導線材用基板1上にGd−Zr酸化中間層(GZO)が約1μm成膜され、更にその上にPLDにて厚さ約450nmのCeO酸化物中間層が形成されて構成される。
中間層2上に、パルスレーザーデポジション法を用いて超電導層3を形成した。超電導層3は、中間層2上にYBCO超電導体が約1μm堆積して構成される。
更に、超電導層3上に高周波スパッター装置を用いて厚さ約10μmの銀を蒸着して保護層を形成した。更に、酸素流気中、550℃で酸素アニールを行い、超電導線材10を製造した。なお、超電導線材10の表層には銅を有する安定化層が形成されている。
製造された超電導線材10について、200m分を液体窒素に浸漬した状態で四端子法を用いて臨界電流を測定した。測定は1mピッチとし、電圧端子は1.2mとした。このとき用いた超電導線材用基板1の表裏の表面粗度Raは表2に示す通りである。
表2に、上記述べてきたサンプル2−1〜2−13の超電導線材用基板の表裏の表面粗度Raと、得られた超電導線材の特性をまとめたものを示す。
ここで、表面状態は中間層が積まれた基板表面をCCDカメラ検査装置と目視で観察し、色むらや線状傷等の欠陥が存在するかどうかを確認した。なお、表2において、Aは欠陥が存在しないことを、Bは色むら又は点状欠陥が存在することを、Cは線状欠陥が存在することを意味する。
また、臨界電流特性は、200m分を液体窒素に浸漬した状態で四端子法を用いて臨界電流を測定した結果である。測定は1mピッチとし、電圧端子は1.2mとした。超電導線材10の通電特性は1μV/cm定義で行った。
密着状態は、基板の裏側表層と安定化層(保護層を含む)との密着状態を評価した。このときの密着状態は、曲げ試験法で確認した。この曲げ試験では、安定化層まで形成された超電導線材(厚みt=0.2mm)に対し、円柱状物(直径φ=10mm)を用いて、超電導線材の長手方向を円柱状物の外周面の湾曲に沿うように、超電導線材の表裏の両方向に対して1回ずつ曲げひずみε=2%(ε=t/φ)を与えて、基板の裏側表層における剥離状態を評価した。この時の曲げ試験は、超電導線材に対して張力を印加しない無張力条件下で行った。なお、表2において、Aは基板の裏側表層において剥離部分が検出されなかった密着性良好状態を示し、Bは基板の裏側表層において剥離部分が僅かでも検出された状態を示し、Cは基板の裏側表層において剥離部分が超電導線材の幅方向に半分以上存在していることが検出された状態を示している。
Figure 0005950900
サンプル2−1〜2−8は、表側の表面粗度Raが10nm以下であって、裏側の表面粗度Raが8nm以上15nm未満である。
一方、サンプル2−11〜2−13は、裏側の表面粗度Raが8nm未満であり、サンプル2−9とサンプル2−10は裏側の表面粗度Raが15nm以上である。
ここで、サンプル2−11〜2−13の超電導線材用基板の裏側表面には、中間層等の成膜の際に形成されたと考えられる深さ0.1μm〜0.5μm程度の凸凹状の線状欠陥が生じていた。これは、裏側面の表面粗度Raを小さくしたために、基板上に中間層を積むために走行させた際に、サセプタと基板の裏側表面が接した際に線状欠陥が生じてしまったためと考えられる。また、表側表面にも微細な線状欠陥が生じていた。これは、表側の表面粗度Raが小さく、滑らかな状態のために、基材をリールに巻いた際に表側表面に裏側表面が擦り合わせられてしまったために、裏側の表面に形成された線状欠陥が表側の表面に転写されてしまったと考えられる。
サンプル2−11〜2−13は、基板の表側表面に線状欠陥が形成されていることで、臨界電流が低下してしまった。
また、サンプル2−11〜2−13は、裏面に形成された安定化層と基板との密着性が悪かった。これは、基板の裏側表面に付着したサセプタと基板の接触で生じた凸凹状の線状欠陥と、微小な金属粉のためと考えられる。
以上のことから、サンプル2−1〜2−10のように、裏側の表面粗度Raは8nm以上であることが好ましい。
一方、サンプル2−9、2−10の超電導線材用基板では、裏側の表面粗度Raを15nm以上とした。サンプル2−11〜2−13と比して、基板の裏側表面状態は改善されているが、基板の表側表面状態にはわずかに点状欠陥が生じてしまった。これは、表側の表面粗度Raが高配向性を狙った低いRa値(3nm以下)を有しているために、裏側の高いRa値によって裏側の表面に形成された凹凸が表側の表面に転写されてしまったためと考えられる。
このことから、サンプル2−1〜2−8のように、裏側の表面粗度Raは、8nm以上15nm未満が好ましい。
なお、基板表側の表面粗度Raは小さければ小さいほど、基板表側上に形成される中間層の配向性が向上し、臨界電流も向上するが、基板表側の表面粗度Raは好ましくは6nm以下である。特に、サンプル2−1〜2−5のように、表側の表面粗度Raが3nm以下である場合には、中間層の配向性が向上し、臨界電流値も260A以上の高い値となった。一方、サンプル2−7は、表側の表面粗度が3nmを超えているため、サンプル2−5等と比べても臨界電流値が少し低い値となっている。
また、サンプル2−6とサンプル2−8では裏面での安定化層の密着性がよくないために、局部的に熱的不安定さの影響を受け、臨界電流値も他のサンプルに比べて少し低い値となっていると考えられる。これは、表面粗度Raが同等のサンプル2−1,2−4と比べるとよく判る。
なお、サンプル2−4では仕上げ研磨工程を行わず、サンプル2−1〜2−3、2−5、2−6では仕上げ研磨工程を行った。この仕上げ研磨工程は、表側の表面粗度Raを制御する目的だけではなく、圧延工程で押し込まれた微細な金属粒の除去、表層に固着、焼着した油分の除去、表層における不均一層の除去など、表層の清浄度改善を行う目的もある。このため、仕上げ研磨工程を実施することが好ましい。また、超電導線材用基板製造工程のフロー図に示す、研磨工程では(ステップS1参照)、鋳造工程から粗圧延工程の素材の上工程で生じる表層欠陥、例えば、基板の素材片や異材片が押し込まれて生じた欠陥や局部的に成分が変動して生じた欠陥、を軽減する効果がある。このため、超電導線材用基板の製造工程中においては、研磨工程を実施することが好ましく、更に複数回の研磨工程を実施することが、より好ましい。
以上のサンプルでは、非配向基板を用いたが、少なくとも基板表面が配向した状態の配向基板にも本実施形態は適用することができる。
なお、従来、超電導線材用基板の表面粗度Raを小さくすることで超電導線材の特性が向上することは知られているが、表側面に合わせて裏側面の表面粗度Raを小さくした場合には、サンプル2−11〜2−13のように超電導線材用基板の裏側面に欠陥が形成されやすくなってしまい、好ましくない。
例えば特許文献4に記載のあるように、鏡面ロールで仕上げ圧延を行った際に、裏側の表面粗度Raを制御せず、その後の研磨で研磨対象となる表側と同様に圧延を行うことで、kmオーダーを超える長尺な超電導線材用基板の均一な形状制御が困難という問題が生じてしまう。
また、特許文献8に記載のあるように、裏側が鏡面ロールなどの仕上げ圧延前の状態の場合には、鏡面ロールでの仕上げ圧延後の表面状態と比べて、裏側の表面状態が急峻な凹凸となっている。このため、表側を研磨によって表面粗度Raを向上させた後、基板をリールに巻き取る際に基板の表面状態が粗い裏側が表側の表層を傷つけることとなる。
以上のように、本実施形態によれば、高強度、高配向で超電導特性に優れた量産的に安価で長尺な超電導線材用基板を製造することができる。また、この超電導線材用基板を用いた超電導線材を製造することができる。
本発明は、以上のように構成されていることから、超電導線材用基板および超電導線材用基板の製造方法、超電導線材に利用できる。
1 超電導線材用基板
2 中間層
3 超電導体層
10 超電層線材

Claims (11)

  1. 超電導線材用基板の両面のうち、一方の表面粗度Raが10nm以下であって、他方の表面粗度Raが前記一方の表面粗度Raよりも大きく、前記他方の表面粗度Raが8nm以上15nm未満であることを特徴とする超電導線材用基板。
  2. 前記他方の表面粗度Raが9nm以上15nm未満であることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材用基板。
  3. 前記一方の表面粗度Raが6nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導線材用基板。
  4. 前記一方の表面粗度Raが3nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導線材用基板。
  5. 前記超電導線材用基板は、Ni基合金又はFe基合金を素材とした基板であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の超電導線材用基板。
  6. 金属体を冷間圧延する工程と、
    前記冷間圧延された金属体を熱処理する工程と、
    を含む超電導線材用基板の製造方法であって、
    前記冷間圧延する工程では、表面粗度Raが異なる上下一対の圧延ロールを用いると共に、
    前記上下一対の圧延ロールのうち表面粗度Raが小さい方の圧延ロールは、表面粗度Raが3nm以上、70nmより小さいことを特徴とする超電導線材用基板の製造方法。
  7. 前記冷間圧延する工程では、表面粗度Raの差が2nmよりも大きく、10nmよりも小さい条件を満たす上下一対の圧延ロールを用いることを特徴とする請求項6に記載の超電導線材用基板の製造方法。
  8. 前記表面粗度Raが小さい方の圧延ロールにおける表面粗度Raが3nm以上、70nmより小さい部分が、材料幅の0.8倍以上の幅範囲であることを特徴とする請求項6に記載の超電導線材用基板の製造方法。
  9. 前記冷間圧延する工程では、圧延ロールの外径差が1.5μm以内である上下一対の圧延ロールを用いることを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載の超電導線材用基板の製造方法。
  10. 前記冷間圧延する工程において、
    前記表面粗度Raが異なる上下一対の圧延ロールを用いて圧延する工程及び表面粗度Raが同一の上下一対の圧延ロールを用いて圧延する工程が各々少なくとも1回以上含まれることを特徴とする請求項6〜9の何れか一項に記載の超電導線材用基板の製造方法。
  11. 超電導線材用基板の両面のうち、一方の表面粗度Raが10nm以下であって、他方の表面粗度Raが前記一方の表面粗度Raよりも大きく、前記他方の表面粗度Raが8nm以上15nm未満である超電導線材用基板と、
    前記超電導線材用基板の前記一方の面上に形成された中間層と、
    前記中間層上に形成された超電導層とを有する超電導線材。
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