JP5950655B2 - フライバックトランス - Google Patents
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Description
また、コアにエアギャップが設けられている場合、1次巻線をコアに最も近い位置に配置した場合、上記1次巻線は大電流を流すために導体断面積が大きく、導体に鎖交するエアギャップ近傍からの漏れ磁束により大きな渦電流損失が発生する。この渦電流損失は、熱設計上も問題となる。
コアと1次巻線と2次巻線と3次巻線とを有し、開閉素子を開閉駆動することにより電力の変換を行う電力変換器の前記開閉素子の駆動用電力を供給する直流電源装置に用いられるフライバックトランスであって、
前記コアは、脚部を有し、前記脚部はエアギャップを形成するエアギャップ形成部を有するものであり、
前記1次巻線は、内側から外側に向かって同心に互いに隣接する複数層をなすように配置された筒状の複数の筒状コイルを有し、これら複数の筒状コイルが直列に接続されたものであり、
前記2次巻線は、筒状ないし環状に形成されたものであり、
前記3次巻線は、筒状に形成されたものであり、
前記脚部を囲んで前記3次巻線、前記1次巻線、前記2次巻線の順に多層に配設されたものであり、
前記1次巻線の前記筒状コイルのうちの最内層の筒状コイルがスイッチを介して直流電源の一方の極に接続され、前記1次巻線の前記筒状コイルのうちの最外層の筒状コイルが前記直流電源の他方の極に接続され、
前記スイッチを開閉することにより前記2次巻線に発生する電力が前記電力変換器の開閉素子の駆動用電力として供給され、前記3次巻線に発生する電力が前記開閉素子とは別の第2の負荷に供給されるものである。
前記コアは、脚部を有し、前記脚部はエアギャップを形成するエアギャップ形成部を有するものであり、
前記1次巻線は、内側から外側に向かって同心に互いに隣接する複数層をなすように配置された筒状の複数の筒状コイルを有し、これら複数の筒状コイルが直列に接続されたものであり、
前記2次巻線は、筒状ないし環状に形成されたものであり、
前記3次巻線は、筒状に形成されたものであり、
前記脚部を囲んで前記3次巻線、前記1次巻線、前記2次巻線の順に多層に配設されたものであり、
前記1次巻線の前記筒状コイルのうちの最内層の筒状コイルがスイッチを介して直流電源の一方の極に接続され、前記1次巻線の前記筒状コイルのうちの最外層の筒状コイルが前記直流電源の他方の極に接続され、
前記スイッチを開閉することにより前記2次巻線に発生する電力が前記電力変換器の開閉素子の駆動用電力として供給され、前記3次巻線に発生する電力が前記開閉素子とは別の第2の負荷に供給されるものであるので、
低ノイズと低損失とを同時に実現できるフライバックトランスを得ることができる。
図1〜図8は、この発明を実施するための実施の形態1を示すものであり、図1はフライバックトランスの構成を示す断面図、図2は図1のフライバックトランスの巻線図である。図3は汎用インバータ装置の構成図、図4は図3のインバータ回路を駆動する絶縁ゲートドライブ回路の回路図、図5は図4のフライバックコンバータの回路図である。図6は図5のフライバックトランスの巻線の電圧変動の模式図、図7はフライバックトランスからインバータ回路へ流れる高周波ノイズ電流の経路の一例を示す説明図である。図8は、別の高周波ノイズの発生機構を示す説明図である。図1において、左端の矢印Dはフライバックトランスの中心軸を示しており、フライバックトランスの右半分の断面図である。図1において、フライバックトランス10はコア20、1次巻線100、2次巻線200、3次巻線300を有する。
一方、1次巻線100を形成する第1コイル101とインバータ回路4の電力変換用半導体素子と直接電気的に接続しない3次巻線300との間は、距離が近くなるため、浮遊容量が大きくなり、高周波ノイズ電流が大きくなるおそれがある。しかし、この実施の形態においては3次巻線300はインバータ回路4の電力変換用半導体素子4a〜4fと直接電気的に接続されないため、コモンモードの高周波漏れ電流の伝播を誘発するに至らない。従ってインバータ回路4を含む電力変換装置の電磁環境性の悪化を防止することができる。
J1=(C12)×(dV/dt) ・・・(1)
ただし、上式においてC12は第3コイル103と2次巻線200との間の浮遊容量、Vは第3コイル103と2次巻線200との間に印加される電圧変動である。
電圧変動が最大である第1コイル101を最内層に配置し2次巻線200から遠ざけることにより、式(1)に示す(dV/dt)項が小さくなるため、高周波ノイズ電流J1の発生が軽減される。
本実施の形態1によれば、低ノイズ化と低損失を同時に実現するフライバックトランス10を得ることができる。
図10、図11は本発明の実施の形態2を示すものであり、図10はフライバックトランスの構成を示す断面図、図11はフライバックトランスの巻線図である。これらの図において、フライバックトランス60は、1次巻線100の外側に設けられた複数の電力供給用2次巻線としての3個の2次巻線220,230,240を有する。2次巻線220,230,240は、図4に示したインバータ回路4の第1、第2、第3ハーフブリッジ回路41,42,43をそれぞれ駆動するためのドライブ回路7に与える電源用として使用される。2次巻線220,230,240は、3個とも角形筒状の同じ形状のものであり、図10において1次巻線100の外側にあってかつ軸方向である上下方向に重なるようにして配置されている。2次巻線220は、同じ巻数の角形環状の第1コイル221、第2コイル222、第3コイル223を有し、これら3個の第1コイル221、第2コイル222、第3コイル223は、内側から外側に向かってこの順に同心に3層をなすように配設されている。第1コイル221と第2コイル222と第3コイル223とは、直列に接続されて2次巻線220を構成しており、1次巻線100と2次巻線220との巻数比は3:1である。
本実施の形態により、低損失と低ノイズを同時に実現するフライバックトランスを得ることができる。
図12、図13は本発明の実施の形態3を示すものであり、図12はフライバックトランスの構成を示す断面図、図13のフライバックトランスの変形例の構成を示す断面図である。図12において、フライバックトランス70は、1次巻線100の外側に設けられた複数の一括巻回2次巻線としての三相分3個の2次巻線251,252,253を有する。2次巻線251,252,253は、図4に示したインバータ回路4の第1、第2、第3ハーフブリッジ回路41,42,43をそれぞれ駆動するためのドライブ回路7に与える電源用として使用される。1次巻線100と各2次巻線251,252,253との巻数比は3:1である。2次巻線251,252,253は、三相分として互いに絶縁された導体を3本一括して軸方向(図12の上下方向)に並べて、巻き始め端251a,252a,253a(●)から径方向に外側に向かって3ターン巻き、続いて導体3本分上へずらし再び内側から外側に向かって3ターン巻き、このような作業を繰り返して各2次巻線が所定巻数(巻数比 1次巻線:2次巻線=3:1)になるまで巻回して巻終わり端251b,252b,253b(○)にて終了する。これにより、3個の2次巻線251,252,253が一括して巻回されたコイルが形成される。なお、巻線図は図11に示す巻線図と同様である。
本実施の形態により、低損失と低ノイズを同時に実現するフライバックトランスを得ることができる。
図14は本発明の実施の形態4であるフライバックトランスの構成を示す断面図である。図14において、フライバックトランス90は、1次巻線110を有する。1次巻線110は、筒状コイルとしての同じ巻数の角形筒状の第1コイル111、第2コイル112、第3コイル113、第4コイル114を有し、これら4個の第1コイル111、第2コイル112、第3コイル113、第4コイル114は、内側から外側に向かってこの順に同心に4層をなすように配設されている。第1コイル111と第2コイル112と第3コイル113と第4コイル114とは、直列に接続されて1次巻線110を構成しており、1次巻線110と2次巻線200との巻数比は4:1である。1次巻線110の巻き始め端110aを黒丸●、入力直流電源の陽極側の端子8aとの接続部としての巻き終わり端110bを白丸(○)で示しており、図示しないボビンの下方側の鍔の内側に巻き始め端110a、巻き終わり端110bが位置するようにされている。半導体素子8hとの接続部としての1次巻線110の巻き始め端110aには半導体素子8h(図5)が接続される。図示しない鍔付のボビンに巻回された角形筒状の3次巻線300、1次巻線110、2次巻線200は、脚部20aを中心にして同心状に配置されている。なお、フライバックトランス90の巻線図は図2と同様である。
本実施の形態によれば、低損失と低ノイズを同時に実現するとともに生産性を向上できる。
また、本発明は、その発明の範囲内において、上述した各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変更、省略することが可能である。
6 フォトカプラ、7 ドライブ回路、8 フライバックコンバータ、
8h 半導体素子、8k 制御回路、10 フライバックトランス、20 コア、
20a 脚部、21 第1コア、22 第2コア、21a,22a 腕部、
30 絶縁ゲートドライブ回路、41〜43 第1〜第3ハーフブリッジ回路、
50,60,70,80、90 フライバックトランス、100 1次巻線、
100a 巻き始め端、100b 巻き終わり端、101〜103 第1〜第3コイル、
110 1次巻線、110a 巻き始め端、110b 巻き終わり端、
111〜114 第1コイル〜第4コイル、200 2次巻線、220 2次巻線、
221〜223 第1コイル〜第3コイル、230 2次巻線、
231〜233 第1コイル〜第3コイル、240 2次巻線、
241〜243 第1コイル〜第3コイル、251,252,253 2次巻線、
261,262,263 2次巻線、300 3次巻線、400 4次巻線。
Claims (5)
- コアと1次巻線と2次巻線と3次巻線とを有し、開閉素子を開閉駆動することにより電力の変換を行う電力変換器の前記開閉素子の駆動用電力を供給する直流電源装置に用いられるフライバックトランスであって、
前記コアは、脚部を有し、前記脚部はエアギャップを形成するエアギャップ形成部を有するものであり、
前記1次巻線は、内側から外側に向かって同心に互いに隣接する複数層をなすように配置された筒状の複数の筒状コイルを有し、これら複数の筒状コイルが直列に接続されたものであり、
前記2次巻線は、筒状ないし環状に形成されたものであり、
前記3次巻線は、筒状に形成されたものであり、
前記脚部を囲んで前記3次巻線、前記1次巻線、前記2次巻線の順に多層に配設されたものであり、
前記1次巻線の前記筒状コイルのうちの最内層の筒状コイルがスイッチを介して直流電源の一方の極に接続され、前記1次巻線の前記筒状コイルのうちの最外層の筒状コイルが前記直流電源の他方の極に接続され、
前記スイッチを開閉することにより前記2次巻線に発生する電力が前記電力変換器の開閉素子に駆動用電力として供給され、前記3次巻線に発生する電力が前記開閉素子とは別の第2の負荷に供給されるものである
フライバックトランス。 - 前記2次巻線は、複数の電力供給用2次巻線を有するものであって、
前記各電力供給用2次巻線は、複数層をなすように配置された複数の筒状ないし環状のコイルを有し、これら複数の筒状ないし環状のコイルが直列に接続されたものであり、
前記複数の電力供給用2次巻線が前記1次巻線に対向するようにしてかつ前記1次巻線の軸方向に互いに重なるようにして配置されたものである
請求項1に記載のフライバックトランス。 - 前記2次巻線は、互いに絶縁された複数の導体を一括して筒状に巻回されたものである
請求項1に記載のフライバックトランス。 - 筒状の4次巻線が設けられたものであって、
前記4次巻線は、前記1次巻線と前記2次巻線との間に設けられ、前記開閉素子及び前記第2の負荷とは別の第3の負荷が接続されるものである
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフライバックトランス。 - 前記1次巻線は、偶数の筒状コイルを有するものであって、
前記偶数の筒状コイルは、鍔付のボビンに多層に巻回されるとともに前記1次巻線の巻き始め及び巻き終わりがともに前記ボビンの前記鍔の一方側に位置するようにされたものである
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のフライバックトランス。
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