(第1の実施形態)
折り畳みヘルメットが具体化された第1の実施形態について、図1〜図20に従って説明する。なお、この折り畳みヘルメットは、中空半球状のヘルメットに組み立てられた状態において、主に人の頭部に着用される頭部保護用のヘルメットである。こうしたヘルメットは、産業用ヘルメット、スポーツ用ヘルメット、及び緊急時の避難用ヘルメットなどとして利用することができる。
図1〜図4に示すように、折り畳みヘルメットは、その外郭として中空半球状の帽体10を備える。帽体10は、中空の半球形状が形成する環状の開口を囲う開口縁部であって帽体10の入口である開放部11と、その中空半球の頂部である頂部12とを備える。また、帽体10は、開放部11の周囲に帽体10に一体となって外側に張り出す段部13と、開放部11の前部から帽体10に一体となって外側に張り出すひさし14とを備える。ひさし14は、日よけをするとともに、雨や落下物等から着用者の顔面を保護するためのものであって、開放部11から外周方向へ突出する。なお、このヘルメットは、ひさし14の延びる方向に着用者の顔面が向くように着用者の頭部に着用されるものであるため、ひさし14の設けられている側が前部であり、この状態で着用者の後頭部側となる側が後部である。また、このヘルメットは、帽体10において、開放部11の開口している側が下部であり、開放部11からみて中空半球の奧側、つまり頂部12が上部である。
図1〜図4に示すように、帽体10は、開放部11と頂部12との間が複数に分割された態様、例えば、上下方向に交差する方向(略水平方向)に分割された態様をしている。そして帽体10は、分割された複数の分割体、例えば4つの分割体より構成される。つまり帽体10は、帽体10の下部から順に、開放部11を含む環状の第1の分割体100と、第1の分割体100の頂部側に配置される環状の第2の分割体200と、第2の分割体200の頂部側に配置される環状の第3の分割体300と、第3の分割体300の頂部側に配置される略椀状の第4の分割体400とを備える。
第1〜第4の分割体100,200,300,400は、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体等のABS樹脂等の樹脂によって形成されている。
第1の分割体100は、帽体10の前部の部分に前部110と、帽体10の側部に前部110から後方へ延出される各側部130と、帽体10の後部に各側部130から延出される後部150とを備える。第1の分割体100は、開放部11、段部13及びひさし14を含むとともに、環状の開口を囲う開口縁部のうちの頂部側の開口縁部である頂部側開口縁部102を備える。また、頂部側開口縁部102が囲う開口は、開放部11の囲う開口よりも狭い。
第2の分割体200は、帽体10の前部の部分に前部210と、帽体10の側部に前部210から後方へ延出される各側部230と、帽体10の後部に各側部230から延出される後部250とを備える。第2の分割体200は、環状の開口を囲う開口縁部のうちの開放部側の開口縁部である開放部側開口縁部201と、環状の開口を囲う開口縁部のうちの頂部側の開口縁部である頂部側開口縁部202とを備える。また、頂部側開口縁部202が囲う開口は、開放部側開口縁部201の囲う開口よりも狭い。
第3の分割体300は、帽体10の前部の部分に前部310と、帽体10の側部に前部310から後方へ延出される各側部330と、帽体10の後部に各側部330から延出される後部350とを備える。第3の分割体300は、環状の開口を囲う開口縁部のうちの開放部側の開口縁部である開放部側開口縁部301と、環状の開口を囲う開口縁部のうちの頂部側の開口縁部である頂部側開口縁部302とを備える。また、頂部側開口縁部302が囲う開口は、開放部側開口縁部301の囲う開口よりも狭い。
第4の分割体400は、帽体10の前部の部分に前部410と、帽体10の側部に前部410から後方へ延出される各側部430と、帽体10の後部に各側部430から延出される後部450と、前部410、両側部430及び後部450との上部を覆う頂上部440とを備える。第4の分割体400は、開放部側に環状の開口を囲う開口縁部である開放部側開口縁部401を備える。
図1及び図3に示すように、帽体10が組み立てられた状態のとき、第1の分割体100は、その頂部側開口縁部102の内側に第2の分割体200の開放部側開口縁部201が当接され、第2の分割体200は、その頂部側開口縁部202の内側に第3の分割体300の開放部側開口縁部301が当接される。また、第3の分割体300は、その頂部側開口縁部302の内側に第4の分割体400の開放部側開口縁部401が当接される。逆に言えば、第4の分割体400は、その開放部側開口縁部401の外側に第3の分割体300の頂部側開口縁部302が当接され、第3の分割体300は、その開放部側開口縁部301の外側に第2の分割体200の頂部側開口縁部202が当接される。また、第2の分割体200は、その開放部側開口縁部201の外側に第1の分割体100の頂部側開口縁部102が当接される。つまり、第1の分割体100と第2の分割体200とが隣接配置され、第2の分割体200と第3の分割体300とが隣接配置され、第3の分割体300と第4の分割体400とが隣接配置されている。
また、帽体10に必要とされる衝撃吸収性能を維持するため、当接する第1の分割体100の頂部側開口縁部102と第2の分割体200の開放部側開口縁部201との間には大きな隙間が生じないようになっている。同様に、帽体10に必要とされる衝撃吸収性能を維持するため、当接する第2の分割体200の頂部側開口縁部202と第3の分割体300の開放部側開口縁部301との間、及び、当接する第3の分割体300の頂部側開口縁部302と第4の分割体400の開放部側開口縁部401との間にもそれぞれ大きな隙間が生じないようになっている。なお、帽体10に必要とされる衝撃吸収性能が維持される範囲内であれば、当接する2つの開口縁部の間に、多少の隙間が生じてもよいし、隙間が形成されるようにしてもよい。
このように、帽体10は、第1の分割体100の上部に第2の分割体200が配置され、第2の分割体200の上部に第3の分割体300が配置され、第3の分割体300の上部に第4の分割体400が配置されることにより構成される。さらに換言すると、帽体10は、開放部11を含む環状の第1の分割体100と、頂部12を含む略椀状の第4の分割体400とを備える。また、帽体10は、第1の分割体100と第4の分割体400との間には、第1の分割体100に隣接する第2の分割体200と、第2の分割体200と第4の分割体400とに隣接する第3の分割体300とを備える。
そして、隣接する各分割体は連結部によって回動可能に連結されている。つまり、隣接する第1及び第2の分割体100,200の間には、第1及び第2の分割体100,200を回動可能に連結させる第1の連結部20が設けられている。また、隣接する第2及び第3の分割体200,300の間には、第2及び第3の分割体200,300を回動可能に連結させる第2の連結部30が設けられている。また、隣接する第3及び第4の分割体300,400の間には、第3及び第4の分割体300,400を回動可能に連結させる第3の連結部40が設けられている。そして、第1の連結部20には回動軸としての回転軸C20(図1など)、第2の連結部30には回動軸としての回転軸C30(図1など)、第3の連結部40には回動軸としての回転軸C40(図1など)が設けられている。第1〜3の連結部20,30,40は、帽体10の前面に設けられる、帽体10の頂部12から帽体10の開放部11までの弧状の経路に沿って配置されている。そして、各回転軸C20,C30,C40も平行に配置されている。また、第1〜3の連結部20,30,40はそれぞれの位置が近接配置されている。これにより、各回動位置が近接するため、組み立て時や折り畳み時の動きが統一化されるなどヘルメットの組み立てや収納が容易になるとともに、そうした操作に要する時間の短縮も図られる。また、第1〜3の連結部20,30,40を異なる位置に設けることができるため、各連結部を必要最小限の大きさに維持させることができるようになっている。
一方、図2及び図4に示すように、帽体10が折り畳まれたとき、第4の分割体400は、その開放部側開口縁部401と第3の分割体300の頂部側開口縁部302との当接が解除され、その開放部側開口縁部401を含む一部分が第3の分割体300の環状の内部へ収納される。また、第3の分割体300は、その開放部側開口縁部301と第2の分割体200の頂部側開口縁部202との当接が解除され、その開放部側開口縁部301を含む一部分が第2の分割体200の環状の内部へ収納される。また、第2の分割体200は、その開放部側開口縁部201と第1の分割体100の頂部側開口縁部102との当接が解除され、その開放部側開口縁部201を含む一部分が第1の分割体100の環状の内部へ収納される。これにより、折り畳まれた帽体10は、その頂部12の高さが低くなり、ヘルメットの嵩が減るようになる。
なお、本実施形態では、第4の分割体400は、その頂上部440に、頂部12を含む直径100mm以上の大きさの円状の剛性部が確保できる大きさになっている。これにより、外部から強い力を受けやすいヘルメットの頂部12に、外部からの力に好適に対抗することのできる略椀状である第4の分割体400を配置させ、複数の分割体より構成される帽体10に必要な衝撃吸収性能が確保されるようになっている。また、第4の分割体400を大きくすることができるため、形状にかかる制約も少なく、頂上部440と側部430との間に段差を形成させりすることができるようになり、第4の分割体400の強度や意匠性を高めることもできる。
図5及び図6に示すように、帽体10は、その内部空間に、頭部に対する位置を固定するヘッドバンド500と、外部から帽体10に加わる頭部への衝撃を吸収する第1〜第3のライナー510,530,540及びハンモック520とを備えている。
ヘッドバンド500は、着用者の頭部に対して帽体10の位置を固定する周状の部材である。ヘッドバンド500は、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレンから形成されている。ヘッドバンド500は、バンド係止部501を介して第1の分割体100の環状の内面に設けられているヘッドバンド取付部103に取付けられている。これにより、ヘッドバンド500は、その外周が略均等な間隔でヘッドバンド取付部103に取り付けられる。ヘッドバンド500は、帽体10の後部側に図示しない調整部が設けられ、この調整部によりヘッドバンド500の周長を拡大・縮小させることでその周長が着用者の頭部の大きさに適合するように調整される。この周長の調整によりヘッドバンド500が着用者の頭部に固定される。
第1〜第3のライナー510,530,540は、帽体10と頭部との間に介在することにより外部から帽体10に加わる衝撃を吸収し、頭部に与えられる衝撃を弱くするための衝撃吸収用の部材である。第1〜第3のライナー510,530,540はそれぞれ、それが配置される分割体の内部形状に適合し、かつ、所定の厚みを有する形状に形成されている。第1〜第3のライナー510,530,540の材質としては発泡ポリプロピレンや発泡ポリスチレン(いわゆる発泡スチロール)が好ましく、特に発泡ポリスチレンが好適である。また、発泡倍率が10倍から30倍までの間にある発泡ポリスチレンが好ましい。そして所定の厚みは、例えば労働安全衛生法の規定(昭和50年9月8日労働省告示第66号 平成12年12月改正)に基づく保護帽(いわゆるヘルメット)の規格に定める耐貫通性試験や衝撃吸収性試験、もしくはJIS規格(JIS T8131)の産業用安全帽に定める耐貫通性試験や衝撃吸収性試験に基づいて定められる。
本実施形態では、第1のライナー510は、第4の分割体400の内面に取り付けられている。つまり、第1のライナー510は、略椀状の第4の分割体400の内面に適合する略椀状であり、帽体10の頂部12を含む帽体内の広い範囲に配置される。これにより、着用者の頭の頂部などへの衝撃が吸収されるようになる。第1のライナー510は、頂部12周辺では所定の厚みを有している一方、第4の分割体400の後部450付近では、後端部に向かって厚みが徐々に薄くなるようになっている。つまり第1のライナー510は、第4の分割体400の後部450付近の端部から、前部410に向けて徐々に厚くなり所定の厚みになると、その厚みが維持させるようになっている。ところで、本実施形態では、第1のライナー510を後部450付近で徐々に薄くすることによって、帽体10が折り畳まれたとき、第1のライナー510が第1の分割体100の開放部11よりも下方へ突出しないとともに、第1のライナー510を内装する第4の分割体400の高さを極力低くさせるような形状になる。一方、第1のライナー510の前部は、ヘッドバンド500に重なる位置まで延出されているとともに、帽体10が折り畳まれるときであれ他の分割体やヘッドバンド500に干渉しない形状、例えば、帽体10の前部との間に隙間を設けたり、ヘッドバンド500が入り込む凹みを設けたりしている。
第2のライナー530は、第3の分割体300の後部350の内面に取り付けられている。ところで、第3の分割体300の後部350は、連結部40からの距離が離れているため、第4の分割体400が回動によって第3の分割体300の環状の内部に収容されたとしても、第4の分割体400の後部450との間に相対的に広い距離が確保される。このため、第2のライナー530の厚みは、第3の分割体300の後部350の内面において第4の分割体400の後部450の移動経路L4(図20参照)に干渉しない範囲で厚くすることができる。これにより、第3の分割体300に設けられる第2のライナー530によっても着用者の頭の頂部などへの衝撃が吸収されるようになる。
第3のライナー540は、第2の分割体200の後部250の内面に取り付けられている。ところで、第2の分割体200の後部250は、連結部30からの距離が離れているため、第3の分割体300が回動によって第2の分割体200の環状の内部に収容されたとしても、第3の分割体300の後部350との間に相対的に広い距離が確保される。このため、第3のライナー540の厚みは、第2の分割体200の後部250の内面において第3の分割体300の後部350の移動経路L3(図20参照)に干渉しない範囲で厚くすることができる。これにより、第2の分割体200に設けられる第3のライナー540によっても着用者の頭の頂部などへの衝撃が吸収されるようになる。
ハンモック520は、第4の分割体400の内面に設けられた第1のライナー510の前部から後部へ架け渡されている。つまり、ハンモック520は、第4の分割体400に設けられている。ハンモック520は、ヘルメット着用者の頭部に当接することでヘルメットの帽体10と着用者の頭部との隙間を所定の間隔に維持させるとともに、その間隔を維持させようとする構造によって帽体10への衝撃を吸収し、頭部への衝撃を弱くさせるようにする。ハンモック520は、樹脂などから形成されており、前部の接続部が第1のライナー510の前部に接続され、後部の接続部が第1のライナー510の後部に沿って第4の分割体400の後部450の内面に接続されている。これにより、ハンモック520は、帽体10の頂部12に近い内部空間を横断する態様で帽体内に架け渡される。
これにより、帽体10を組み立てられたヘルメットには必要な衝撃吸収性能が確保されるとともに、折り畳まれたヘルメットの嵩が、組み立てられたヘルメットの嵩に比べて減る。よって、ヘルメットの保管や運搬などに係る利便性が向上する。
続いて、分割体を回動させることのできる構造について、図5〜図14を併せ参照して説明する。
図1,2,5,6に示すように、第1の連結部20は、第1の分割体100の前部110と第2の分割体200の前部210とが連結されることによって第1の分割体100と第2の分割体200との間に設けられる。そして第1の分割体100を基準に見ると、連結部20は、第2の分割体200を第1の分割体100に回動可能に支持する。このとき回動可能な角度範囲は、少なくとも、第2の分割体200の位置が、帽体10が組み立てられた状態の位置(図5)から帽体10が折り畳まれた状態の位置(図6)まで移動できる範囲(例えば、10°〜20°程度)とされる。なお、第1の分割体100は、その環状の内部における第2の分割体200の移動経路L2(図20参照)が、他の分割体の状態にかかわらず、相対的に一定に保たれるため、その環状内部への内装の配置などに関する制約も必要最小限になる。
第2の連結部30は、第2の分割体200の前部210と第3の分割体300の前部310とが連結されることによって第2の分割体200と第3の分割体300との間に設けられる。そして第2の分割体200を基準に見ると、連結部30は、第3の分割体300を第2の分割体200に回動可能に支持する。このとき回動可能な角度範囲は、少なくとも、第3の分割体300の位置が、帽体10が組み立てられた状態の位置(図5)から帽体10が折り畳まれた状態の位置(図6)まで移動できる範囲(例えば、10°〜20°程度)とされる。なお、第2の分割体200は、その環状の内部における第3の分割体300の移動経路L3(図20参照)が、他の分割体の状態にかかわらず、相対的に一定に保たれるため、その環状内部への内装の配置などに関する制約も必要最小限になる。
第3の連結部40は、第3の分割体300の前部310と第4の分割体400の前部410とが連結されることによって第3の分割体300と第4の分割体400との間に設けられる。そして第3の分割体300を基準に見ると、連結部40は、第4の分割体400を第3の分割体300に回動可能に支持する。このとき回動可能な角度範囲は、少なくとも、第4の分割体400の位置が、帽体10が組み立てられた状態の位置(図5)から帽体10が折り畳まれた状態の位置(図6)まで移動できる範囲(例えば、10°〜20°程度)とされる。なお、第3の分割体300は、その環状の内部における第3の分割体300の移動経路L4(図20参照)が、他の分割体の状態にかかわらず、相対的に一定に保たれるため、その環状内部への内装の配置などに関する制約も必要最小限になる。
図9〜図14を参照して詳述すると、第1の連結部20は、第1の分割体100に形成された連結板112と、連結板112の平面に突出する軸芯113と、軸芯113の回転軸C20と、第2の分割体200に形成された狭持板215,216と、狭持板215に貫通形成された軸穴217とを備えている。つまり、第1の連結部20は、第1の分割体100に一体成形された連結板112及び軸芯113と、第2の分割体200に一体成形された狭持板215,216及び軸穴217とを含み構成されている。
図11に示すように、連結板112は、第1の分割体100の前部110から外方に向けて突出する板状の部材として第1の分割体100に一体形成されている。軸芯113は、連結板112の表面のうちの環状の内部に突出する円柱状のものであり、連結板112の表面に接続される基端と、基端の反対端である自由端と、その円の略中心に回転軸C20とを備える。なお本実施形態では、軸芯113の自由端の円形端面は、その端面を上下に区切る直線部分を備え、その直線部分よりも上部は、直線部分から上部に移動するにつれて、自由端と基端との間の距離が徐々に短くなるように傾斜している。換言すると、軸芯113の自由端は、その上部が基端に対して傾斜する形状になっている。これにより、軸芯113は、上部の側面の長さが、下部の側面の長さよりも短くなるようになっている。
また、第2の連結部30は、第2の分割体200に形成された連結板212と、連結板212の平面に突出する軸芯213と、軸芯213の回転軸C30と、第3の分割体300に形成された狭持板315,316と、狭持板315に貫通形成された軸穴317とを備えている。なお、第2の連結部30の連結板212、軸芯213、回転軸C30、狭持板315,316及び軸穴317は、上述した第1の連結部20の連結板112、軸芯113、回転軸C20、狭持板215,216及び軸穴217と同様の構成を有していることから詳細な説明は割愛する。
また、第3の連結部40は、第3の分割体300に形成された連結板312と、連結板312の平面に突出する軸芯313と、軸芯313の回転軸C40と、第4の分割体400に形成された狭持板415,416と、狭持板415に貫通形成された軸穴417とを備えている。なお、第3の連結部40の連結板312、軸芯313、回転軸C40、狭持板415,416及び軸穴417は、上述した第1の連結部20の連結板112、軸芯113、回転軸C20、狭持板215,216及び軸穴217と同様の構成を有していることから詳細な説明は割愛する。
図11及び図12を参照して、第1の分割体100と第2の分割体200との連結について説明する。まず、連結される前の第1の分割体100の上方に第2の分割体200を、第2の分割体200の狭持板215,216の間に第1の分割体100の連結板112が挟まれるように配置させる。続いて、第2の分割体200を下方に移動させると、狭持板215が軸芯113の上部側面に当接する。そこで、第1の分割体100方向への力を第2の分割体200に加えることで、狭持板215が押し曲げられて軸芯113の上部側面を乗り越えるとともに、軸芯113が軸穴217に嵌合される。これにより、第1の分割体100に第2の分割体200が回動可能に連結される。なお、軸芯113は、上部側面の長さが短くされているため狭持板215が乗り越えやすい。一方、一旦、軸穴217に嵌合された軸芯113は、狭持板215及び216に挟み込まれるため、軸芯113の突出方向への前後移動が規制されるため抜けるスペースが形成されない。また、軸穴217に嵌合された軸芯113は、上部側面の長さよりも下部側面の長さが長いことから、第1の分割体100の上方へ引き抜くような力が第2の分割体200に加わっても軸穴217から外れることが防止される。
図9〜図11に示すように、第1の連結部20と第2の連結部30との間、つまり、第1の連結部20の狭持板215の上部と第2の連結部30の狭持板315の下部との間には隙間が設けられている。
詳述すると、図13及び図14に示すように、帽体10が折り畳まれるとき、第3の分割体300は、後部350を第2の分割体200に対して下部方向に回転移動させる。すると、第3の分割体300は、その狭持板315を回転軸C30を中心に回動させる。このとき、第3の分割体300の狭持板315と第2の分割体200の狭持板215との間に隙間がないと、第3の分割体300の狭持板315の回動が第2の分割体200の狭持板215の干渉により阻止され、第3の分割体300を好適に折り畳むことができなくなってしまう。そこで、第1の連結部20の狭持板215の上部と第2の連結部30の狭持板315の下部との間には隙間が設けられている。
同様に、第2の連結部30と第3の連結部40との間、つまり、第2の連結部30の狭持板315の上部と第3の連結部40の狭持板415の下部との間にも隙間が設けられている。
また、帽体10を折り畳むときに干渉が生じることを防ぐための隙間が、第1の分割体100の連結板112の前部と該連結板112を挟む第2の分割体200の狭持板215,216の前部との間にも設けられている。また、同様の隙間は、第2の分割体200の連結板212の前部と該連結板212を挟む第3の分割体300の狭持板315,316の前部との間や、第3の分割体300の連結板312の前部と該連結板312を挟む第4の分割体400の狭持板415,416の前部との間にも設けられている。
なお、第1の分割体100の前部110は、第2の分割体200の前部210の裏に重なる様に延出する延出部111を備え、外部から見て第1の分割体100の前部110と第2の分割体200の前部210との間に隙間が生じないようにしている。同様に、第2の分割体200の前部210は、第3の分割体300の前部310の裏に重なる様に延出する延出部211を備え、第3の分割体300の前部310は、第4の分割体400の前部410の裏に重なる様に延出する延出部311を備えている。
図15及び図16を参照して、帽体10が組み立てられたときの各分割体の当接の態様や、帽体10が折り畳まれたときの各分割体の分離の態様について説明する。
第1の分割体100は、頂部側開口縁部102には内側に折り返される態様の嵌合部132を備える。また、第2の分割体200は、開放部側開口縁部201には外側に折り返される態様の嵌合部231と、頂部側開口縁部202には内側に折り返される態様の嵌合部232とを備える。また、第3の分割体300は、開放部側開口縁部301には外側に折り返される態様の嵌合部331と、頂部側開口縁部302には内側に折り返される態様の嵌合部332とを備える。また、第4の分割体400は、開放部側開口縁部401に外側に折り返される態様の嵌合部431を備える。
図15に示すように、帽体10が組み立てられたとき、第1の分割体100の頂部側開口縁部102の嵌合部132と第2の分割体200の開放部側開口縁部201の嵌合部231とが相互に噛み合う態様で嵌合する。つまり、第1の分割体100の頂部側開口縁部102の内側に、第2の分割体200の開放部側開口縁部201の外側が嵌合当接する。この第1の分割体100と第2の分割体200との嵌合により、第2の分割体200に横からの力が加わったとしても第1の分割体100と第2の分割体200との間に隙間が生じることが防止される。
また、第2の分割体200の頂部側開口縁部202の嵌合部232と第3の分割体300の開放部側開口縁部301の嵌合部331とが相互に噛み合う態様で嵌合する。つまり、第2の分割体200の頂部側開口縁部202の内側に、第3の分割体300の開放部側開口縁部301が嵌合当接する。この第2の分割体200と第3の分割体300との嵌合により、第3の分割体300に横からの力が加わったとしても第2の分割体200と第3の分割体300との間に隙間が生じることが防止される。
また、第3の分割体300の頂部側開口縁部302の嵌合部332と第4の分割体400の開放部側開口縁部401の嵌合部431とが相互に噛み合う態様で嵌合する。つまり、第3の分割体300の頂部側開口縁部302の内側に、第4の分割体400の開放部側開口縁部401が嵌合当接する。この第3の分割体300と第4の分割体400との嵌合により、第4の分割体400に横からの力が加わったとしても第3の分割体300と第4の分割体400との間に隙間が生じることが防止される。
一方、図16に示すように、帽体10が折り畳まれるとき、第1の分割体100の頂部側開口縁部102の嵌合部132から外れた第2の分割体200の開放部側開口縁部201の嵌合部231は第1の分割体100の側部130のヘッドバンド取付部103に当接して停止する。つまり、第2の分割体200は、第1の分割体100の内部に収容されるとともに、ヘッドバンド取付部103に当接して第1の分割体100の内部における位置が保持される。
また、図17に示すように、第2の分割体200の頂部側開口縁部202の嵌合部232から外れた第3の分割体300の開放部側開口縁部301の嵌合部331はヘッドバンド500に形成された停止部502に当接して停止する。つまり、第3の分割体300は、第2の分割体200の内部に収容されるとともに、停止部502に当接して第2の分割体200の内部における位置が保持される。
また、第3の分割体300の頂部側開口縁部302の嵌合部332から外れた第4の分割体400の開放部側開口縁部401の嵌合部431はヘッドバンド500の上辺に当接して停止する。つまり、第4の分割体400は、第3の分割体300の内部に収容されるとともに、ヘッドバンド500の上辺に当接して第3の分割体300の内部における位置が保持される。
図18〜図20を参照して、帽体10が組み立てられたときの各分割体の位置固定や、帽体10が折り畳まれるときの固定解除について説明する。
図3及び図5を併せて参照すると、第1の分割体100は、後部150に第2の分割体200の位置を固定する係止部151を備え、第2の分割体200は、後部250に第3の分割体300の位置を固定する係止部251を備え、第3の分割体300は、後部350に第4の分割体400の位置を固定する係止部351を備えている。各係止部151,251,351は、対応する各連結部20,30,40から最も離れた位置に配置されている。これによって、各係止部151,251,351や、各連結部20,30,40にかかる応力が弱められるようになっている。
図18〜図20に示すように、第1の分割体100の係止部151は、操作用凹部152と、操作端153と、爪部154とを備えている。爪部154は、その先端が第1の分割体100の後部150から内部に突出しており、その突出した部分が第2の分割体200の開放部側開口縁部201の下方に当接する位置である第2の分割体200の移動経路L2を越える位置まで飛び出している。一方、爪部154は、操作用凹部152を介して操作端153が外方(後方)に引っ張られる、いわゆる解除操作が行われると、第1の分割体100の後部150から内部に突出していた爪部154の先端が、少なくとも第2の分割体200の移動経路L2に干渉しない位置まで後退する。
つまり、帽体10が組み立てられるとき、第2の分割体200の開放部側開口縁部201が移動経路L2に沿って頂部12方向へ移動することにより係止部151の爪部154が外方へ押し出される。そして、開放部側開口縁部201が爪部154よりも頂部側に移動して爪部154に外方へ押し出す力が加わらなくなると、爪部154の位置が移動経路L2を越える位置まで戻る。これにより、爪部154を押し込むように越えて頂部12方向に移動された第2の分割体200は、その開放部側開口縁部201が、移動経路L2まで突出した爪部154の先端に係止され、開放部方向に移動することができないようになる。よって係止部151により、第1の分割体100と第2の分割体200との相対位置が固定される。
一方、帽体10が折り畳まれるとき、爪部154は、解除操作により第2の分割体200の移動経路L2に干渉しない位置まで後退し、第2の分割体200はその開放部側開口縁部201への係止が解除されて開放部方向への移動が自由になる。つまり第2の分割体200は、第1の分割体100の内部に収容される位置への回転移動が可能になる。
また、第2の分割体200の係止部251は、操作用凹部252と、操作端253と、爪部254とを備え、爪部254は、第3の分割体300の移動経路L3を越える位置まで突出されている。第3の分割体300の係止部351は、操作用凹部352と、操作端353と、爪部354とを備え、爪部354は、第4の分割体400の移動経路L4を越える位置まで突出されている。なお、第2の分割体200の係止部251、及び第3の分割体300の係止部351の機能や動作は、第1の分割体100の係止部151の機能や動作と同様であることから、その詳細な説明を割愛する。
本実施形態のヘルメットによれば、折り畳みができる構造でありながら必要とされる衝撃吸収性能を確保することができる。
以上説明したように、本実施形態の折り畳みヘルメットによれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)隣接する分割体が回動可能に連結されているため、回動位置を中心にして頂部側の分割体(例えば第2の分割体200)が、開放部側の分割体(例えば第1の分割体100)の環状の内部に入り込むことにより、ヘルメットが折り畳まれて嵩が減るようになる。また、頂部12を含む第4の分割体400は外部からの力に好適に対抗することのできる椀状であるため、頂部12を含む第4の分割体400の衝撃吸収性能なども確保できるようになる。これにより、折り畳みができる構造でありながら必要とされる衝撃吸収性能を確保することのできる折り畳みヘルメットを提供することができる。
なおこのように、隣接する分割体同士を回動可能に連結することにより、回動する軌跡がそれら2つの分割体の間では一定になり、かつ、その他の分割体との位置関係による影響はより少なくなる。このため、分割体の形状や、分割体の内部空間の形状、内装部材の配置などの設計自由度が高い。また、折り畳まれたヘルメットを組み立てたとき、隣接する分割体間の配置位置精度も維持されやすい。
(2)開放部11を含む環状の第1の分割体100と頂部12を含む椀状の第4の分割体400との間に配置される環状の分割体が複数の環状の第2及び第3の分割体200,300から構成されることで、帽体をより多くの分割体に分割することができる。これにより、折り畳まれたヘルメットの嵩をより減らすことができる。
(3)隣接する分割体のうちの一方の分割体(例えば第1の分割体100)の頂部側にある頂部側開口縁部(例えば頂部側開口縁部102)に他方の分割体(例えば第2の分割体200)の開放部側開口縁部(例えば開放部側開口縁部201)が当接するため、組み立てられた帽体10に生じる隙間を少なくすることができる。
(4)頂部側開口縁部(例えば頂部側開口縁部102)の内側に開放部側開口縁部(例えば開放部側開口縁部201)が嵌合されることで、隣接する2つの分割体は、嵌合されるそれらの開口縁部の強度が高められる。また、一方の分割体(例えば第1の分割体100)の頂部側開口縁部の内側に他方の分割体(例えば第2の分割体200)の開放部側開口縁部が配置されていることから、他方の分割体を一方の分割体の内部に回動収納させる構造にもなりやすい。
(5)連結部20,30,40の回転軸C20,C30,C40は平行に配置されることで、第2〜第4の分割体200,300,400の回転方向が一定方向になるため、ヘルメットの組み立てや収納が容易になる。
(6)回転軸C20,C30,C40を帽体10上の1つの弧状の経路に沿って配置させることで各回動位置が近くなることから、ヘルメットの組み立てや収納が容易になる。
(7)係止部151,251,351と連結部20,30,40との距離が離れることにより、係止部151,251,351や連結部20,30,40にかかる応力を弱めることができる。これにより、可動部である係止部151,251,351や連結部20,30,40の好適な動作が容易に維持されるようになる。
(8)ヘルメットを折り畳むための第2〜第4の分割体200,300,400の回動収納が停止部としてのヘッドバンド取付部103、停止部502、ヘッドバンド500で停止されるため、ヘルメットの折り畳み操作が容易になるとともに、ヘルメットを折り畳んだ状態に維持することも容易になる。
(9)ヘルメットで最も重要な頂部12に第4の分割体400のみによって広い面積を確保することでヘルメットとしての強度の確保が容易になる。
(10)ヘルメットで最も重要な頂部12に衝撃吸収用のライナー510を設けることができることにより、好適な衝撃吸収性能を一層良好に確保することができるようになる。
(11)通常、帽体10の内部には、ハンモック520、ヘッドバンド500、及び衝撃吸収用のライナー510,530,540等の内装が適切に配置される。そしてヘルメットは、帽体10、及び上述の帽体内の内装との協働により所定の衝撃吸収性能が確保される。よって、本実施形態によるように、各内装をそれぞれ一つの分割体に設けさせることで、ヘルメットの構造が容易になる。また、ヘルメットの組み立て操作や折り畳み操作の際、分割体とその内装が、他の分割体や内装などと干渉する度合いも減らすことができるため、組み立て操作や折り畳み操作が簡単になる。また、各内装は、それぞれ一つの分割体に設けられているため、こうしたヘルメットの設計を容易にする。
(第2の実施形態)
折り畳みヘルメットが具体化された第2の実施形態について、図21〜図23に従って説明する。本実施形態の帽体700は、分割体を回動可能に接続する連結部714,724の設けられる位置が、第1の実施形態の帽体10の連結部20,30,40とは相違する。そこで以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、説明の便宜上、同様の構成についてはその詳細な説明を割愛する。
図22及び図23に示すように、折り畳みヘルメットは、その外郭として中空半球状の帽体700を備える。帽体700は、帽体700の入口である開放部712と、その中空半球の頂部である頂部701とを備える。また、帽体700は、開放部712の周囲に外側に張り出す段部と、開放部712の前部から外側に張り出すひさし711とを備える。
帽体700は、下部から順に、開放部712を含む環状の下部分割体710と、下部分割体710の頂部側に配置される環状の中部分割体720と、中部分割体720の頂部側に配置される椀状の上部分割体730とを備える。
隣接する下部及び中部分割体710,720の間には、下部及び中部分割体710,720を回転軸C71を回動中心として回動可能に連結させる連結部714が設けられている。連結部714は、下部分割体710の側面中央713の上部と、中部分割体720の側面中央723の下部とを連結させている。詳述すると、連結部714は、下部分割体710に形成された軸穴717に、中部分割体720の軸芯728が嵌合されて構成される。同様の構成が、帽体700の反対側の側面にも設けられており、回転軸C71は、両側面の軸芯728を結ぶかたちに帽体700に設けられている。そして、中部分割体720は、連結部714より前部の開放部側の開口縁部が下部分割体710の頂部側に上から当接して嵌合する形状になっているとともに、連結部714より後部の開放部側の開口縁部が下部分割体710の頂部側の内面に当接するようになっている。
また、隣接する中部及び上部分割体720,730の間には、中部及び上部分割体720,730を回転軸C72を回動中心として回動可能に連結させる連結部724が設けられている。連結部724は、中部分割体720の側面中央723の上部と、上部分割体730の側面中央733の下部とを連結させている。詳述すると、連結部724は、中部分割体720に形成された軸穴727に、上部分割体730の軸芯738が嵌合されて構成される。同様の構成が、帽体700の反対側の側面にも設けられており、回転軸C72は、長側面の軸芯738を結ぶかたちに帽体700に設けられている。そして、上部分割体730は、連結部724より前部の開放部側の開口縁部が中部分割体720の頂部側に上から当接して嵌合する形状になっているとともに、連結部724より後部の開放部側の開口縁部が中部分割体720の頂部側の内面に当接するようになっている。
下部分割体710の後部715には、下部分割体710に対する中部分割体720の位置を固定させる係止部716が設けられている。また、中部分割体720の後部725には、中部分割体720に対する上部分割体730の位置を固定させる係止部726が設けられている。つまり、中部分割体720は、係止部716にて下部分割体710に対する位置が固定され、上部分割体730は、係止部726にて中部分割体720に対する位置が固定されることで、組み立てられた帽体700を構成する。
一方、係止部726による上部分割体730の中部分割体720に対する位置固定が解除されると、上部分割体730が回転軸C72を回動中心にして図22の矢印の方向に回転することで、後部735から順に中部分割体720の内部に移動する。そして、上部分割体730が略180°回転することで、中部分割体720に対してひっくり返ったかたちで収容されるようになる。これにより、帽体700は、上部分割体730の高さの分だけ嵩が減る。なお、このとき、上部分割体730が中部分割体720の内部で回転が停止するように、上部分割体730の後部735は中部分割体720の前部の内側に当接する。
また、係止部716による中部分割体720の下部分割体710に対する位置固定が解除されると、中部分割体720が回転軸C71を回動中心にして図22の矢印の方向に回転することで、後部725から順に下部分割体710の内部に移動する。そして、中部分割体720が略180°回転することで、下部分割体710に対してひっくり返ったかたちで収容されるようになる。これにより、帽体700は、さらに中部分割体720の高さの分だけ嵩が減る。なお、このとき、中部分割体720が下部分割体710の内部で回転が停止するように、中部分割体720の後部725は下部分割体710の前部の内側に当接する。
以上説明したように、本実施形態の折り畳みヘルメットによれば、先の第1の実施形態で記載した効果(1)〜(11)に加え、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(12)中部分割体720の内部に上部分割体730を略収納させることができ、下部分割体710の内部に中部分割体720を略収納させることができるため、帽体700の嵩を減らすことができるようになる。これにより、折り畳まれたとき、ヘルメットとしての嵩が減るようになる。
(その他の実施形態)
なお上記各実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・上記第1の実施形態では、第2〜4の分割体200,300,400はそれぞれ、ヘッドバンド取付部103、停止部502、ヘッドバンド500により回動が停止される場合について例示した。しかしこれに限らず、各分割体の回動を停止する構成が備わっていなくてもよいし、各分割体の回動を停止させる構成がその他の構造であってもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度や、構成自由度が高められるようになる。
・上記第各実施形態では、帽体10が組み立てられたとき、隣接する第1〜4の分割体100,200,300,400の間がそれぞれ嵌合される場合について例示した。しかしこれに限らず、必要とする衝撃吸収性能が確保されるのであれば、帽体が組み立てられたとき、隣接する分割体の間が、嵌合せず、重なるだけでもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度や、構成自由度が高められるようになる。
・上記第1の実施形態では、帽体10は4つの第1〜第4の分割体100,200,300,400から構成される場合について例示した。しかしこれに限らず、必要とする衝撃吸収性能を発揮することができるのであれば、帽体を構成する分割体の数は3つ以上であればいくつでもよい。例えば、第2及び第3の分割体を一体とさせることにより3つの分割体としてもよいし、第2又は第3の分割体をさらに分割して5つの分割体としてもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度や、構成自由度が高められるようになる。
・上記第2の実施形態では、帽体700は3つの分割体710,720,730から構成されている場合について例示した。しかしこれに限らず、必要とする衝撃吸収性能を発揮することができるのであれば、帽体を構成する分割体の数は3つ以上であればいくつでもよい。例えば、中部分割体720をさらに分割して4つの分割体としてもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度や、構成自由度が高められるようになる。
・上記各実施形態では、係止部151の操作端153が引き上げられることで、爪部154による係止が解除される場合について例示した。しかしこれに限らず、係止部は操作端がその他の操作、例えば、スライドさせる操作や、押す操作や、回転させる操作などで、爪部による係止が解除されてもよい。
例えば、図24に示すように、係止部155の操作端157が操作用凹部156の内部を後部150の外面に沿うように横移動されることで後部150の内部に突出されていた爪部158が引き上げられるようにしてもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度が高められるようになる。
・上記各実施形態では、係止部151,251,351,716,726が帽体10,700の後部150,250,350,715,725に設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、係止部は、その分割体に対して上部に配置される分割体の回転移動を規制できるのであれば、後部以外の部分に設けられていてもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度が高められるようになる。
・上記各実施形態では、係止部151,251,351,716,726が帽体10,700の連結部20,30,40,714,724から離れた位置に設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、係止部は、その分割体に対して上部に配置される分割体の回転移動を規制することができるのであれば、離れた位置以外の位置、例えば連結部に近い位置に設けられていてもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度が高められるようになる。
・上記各実施形態では、係止部151,251,351,716,726が帽体10,700にそれぞれ1つ設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、係止部は、その分割体に対して上部に配置される分割体の回転移動を規制できるのであれば、2つ以上設けられていてもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度が高められるようになる。
・上記各実施形態では、係止部151,251,351,716,726は、それが設置される分割体に別部材として設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、係止部は分割体に一体成形されていてもよい。これにより、部品点数が少なくなったり、製造にかかる手間が軽減されたりするようになる。
・上記各実施形態では、各分割体100,200,300,710,720はそれぞれが備える係止部151,251,351,716,726によって頂部側の分割体を係止する場合について例示した。しかしこれに限らず、隣接する分割体同士の相対位置を固定することができるのであれば、係止部は隣接する分割体のうちのいずれか一方に設けられていてもよいし、両方に設けられていてもよいし、分割体とは別に設けられていてもよい。例えば、頂部側の分割体に設けられた係止部が頂部側の分割体を開放部側の分割体に係止させてもよい。また、例えば、分割体に固定されていない係止用のピンなどによって頂部側の分割体と開放部側の分割体との相対位置が固定されてもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度が高められるようになる。
・上記第1の実施形態では、頂部12から開放部11までの経路のうちの1つの弧状の経路に各連結部20,30,40が配置される場合について例示した。しかしこれに限らず、各連結部を頂部から開放部へ順に並べることができるのであれば、各連結部が配置される頂部から開放部までの経路は、弧と直線とからなる経路や、直線の組み合わせからなる経路など、どのような形状の経路であってもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度が高められるようになる。
・上記第1の実施形態では、各連結部20,30,40が頂部12から開放部11までの1つの弧状の経路に沿って配置されている場合について例示した。しかしこれに限らず、各連結部が前部と後部や、両側部に分散配置されていてもよい。例えば、下から順に、前部と後部とに1つもしくは複数毎に交互配置されてもよいし、不規則に配置されてもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度が高められるようになる。
・上記第1の実施形態では、第1の連結部20は、第1の分割体100に一体成形された連結板112及び軸芯113と、第2の分割体200に一体成形された狭持板215,216及び軸穴217とを含み構成されている場合について例示した。しかしこれに限らず、第1の連結部は、第1の分割体と第2の分割体とを回動可能に連結できるのであれば、第1の分割体及び第2の分割体とは別に形成された部材であったり、第1の分割体及び第2の分割体のいずれか一方に一体成形された部材であったりしてもよい。また、第2の連結部30の構成や、第3の連結部40の構成についても、上述のように変形させてもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度が高められるようになる。
・上記第1の実施形態では、第1の連結部20は、軸芯113が軸穴217に嵌め込まれて回動する場合について例示した。しかしこれに限らず、組み立てと折り畳みとに要する角度を回動させることができるのであれば、薄い板材による連結構造や、繊維材料による連結構造など、軸芯が軸穴に嵌め込まれる構造以外の構造であってもよい。また、第2の連結部30の構成や、第3の連結部40の構成についても、上述のように変形させてもよい。これにより、折り畳みヘルメットの設計自由度が高められるようになる。