JP5949625B2 - 物品収納設備 - Google Patents

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Description

本発明は、物品を収納する収納棚と、物品を前記収納棚から消火用容器内に搬送する搬送装置と、前記消火用容器内の物品に発生している火災を消火する消火装置と、が設けられ、前記搬送装置が、前記収納棚に収納された物品に火災が発生した後に当該物品を前記収納棚から前記消火装置の前記消火用容器内に搬送自在に構成されている物品収納設備に関する。
かかる物品収納設備の従来例として、消火用容器の貯留空間に予め消火用液体を貯留しておき、収納棚に収納している物品に火災が発生したときに、当該物品を収納棚から消火用容器の貯留空間に搬送して、物品を消火用液体に没することで物品に発生した火災を消火するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−025549号公報
上述のように消火用容器の貯留空間に予め消火用液体を貯留しておくことで、物品に火災が発生したときは、消火用容器の貯留空間にすでに水が貯留されている状態であるため、火災が発生した物品を貯留空間に搬送して水に没することで物品に発生した火災を迅速に消火することができる。
しかしながら、収納棚に収納している物品に火災が発生することは頻繁に起こるようなものではなく、物品に火災が発生するまでの間に消火用容器に貯留している消火用液体は蒸発により減少する。そのため、消火用容器の貯留空間に適宜、消火用液体を補充する必要があり、メンテナンスに手間がかかるという問題がある。
また、例えば、収納棚に収納される物品がエイジング対象の充電済みの二次電池である場合、収納棚が設置される空間は少なくとも温度管理がされた空調対象空間となるが、従来の構成において消火用液体を水とすると、消火用容器から発生する水蒸気により消火用容器の周辺の湿度が上昇してしまい、収納棚における収納位置によって湿度に斑が生じ易い。そのため、収納棚の全域に亘る均一なエイジング環境が維持し難くなり、二次電池の品質管理上の不都合が生じる。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、物品に火災が発生したときは物品に発生した火災を迅速に消火できながら、メンテナンスの手間を軽減させることができる物品収納設備を提供する点にある。
本発明にかかる物品収納設備は、物品を収納する収納棚と、物品を前記収納棚から消火用容器内に搬送する搬送装置と、前記消火用容器内の物品に発生している火災を消火する消火装置と、が設けられ、前記搬送装置が、前記収納棚に収納された物品に火災が発生した後に当該物品を前記収納棚から前記消火装置の前記消火用容器内に搬送自在に構成されているものであって、その第1特徴構成は、
前記消火用容器は、物品を前記消火用容器内に搬送するための開口部を備え、前記消火装置が、前記収納棚に収納された物品に火災が発生した後で、且つ、前記搬送装置にて前記開口部を通して前記消火用容器内に物品が搬送される前に、前記消火用容器内に消火用流体を流し込むことで、前記消火用容器内を、酸素濃度が当該物品に火災が発生する前よりも低い低酸素状態とするように構成されている点にある。
すなわち、収納棚に収納された物品に火災が発生すると、その後、消火装置により、消火用容器内に水や二酸化炭素ガス又は砂を供給する、或いは、消火用容器内の空気を排気する等により、消火用容器内の酸素濃度は物品の火災が発生する前よりも低い低酸素濃度となる。そして、このように消火用容器内の酸素濃度を低酸素濃度とするとともに、搬送装置にて物品を消火用容器内に搬送することで、物品に発生した火災を窒息作用により迅速に消火することができる。また、前記収納棚に収納された物品に火災が発生した後に消火装置により消火用容器内を低酸素濃度とするため、消火用容器内に予め水を貯留しておく必要がない。そのため、消火用容器内に消火用液体を補充する作業も必要がなくなり、メンテナンスの手間が軽減される。
このように、物品に火災が発生したときは物品に発生した火災を迅速に消火できながら、メンテナンスの手間を軽減することができる。
また、搬送装置にて消火用容器内に物品が搬送される前に消火用容器内に水や二酸化炭素ガス等の消火用流体を流し込むことで、消火用容器内を低酸素状態とすることができる。そして、搬送装置にて物品を消火用容器内に搬送したときには既に消火用容器内の酸素濃度が低くなって消火用容器内は低酸素濃度となっているため、物品を消火用容器内に搬送することで物品に発生した火災をより迅速に消火することができる。
本発明にかかる物品収納設備の第特徴構成は、第特徴構成において、前記消火装置が、水道又は水を密閉状態で貯留する水貯留槽に接続された水供給部を備え、前記消火用流体としての水を前記水供給部から前記消火用容器内に供給するように構成されている点にある。
すなわち、搬送装置にて消火用容器内に物品が搬送される前に消火用容器内に水を流し込み、搬送装置にて消火用容器内に貯留された水に没するように物品を搬送することで、物品に発生している火災を消火することができる。また、搬送装置にて消火用容器内に物品が搬送した後に消火用容器内に水を流し込み、消火用容器内に水を貯留させながら物品に水を浴びせることにより、物品に発生している火災を消火することができる。
そして、消火用流体が水であるため、物品に発生した火災を窒息作用と冷却作用との双方により効率よく消火することができる。
本発明にかかる物品収納設備の第特徴構成は、第特徴構成において、前記消火用流体が、二酸化炭素ガスである点にある。
すなわち、搬送装置にて消火用容器内に物品が搬送される前に消火用容器内に二酸化炭素ガスを流し込み、搬送装置にて消火用容器内に貯留された二酸化炭素ガスに没するように物品を搬送することで、物品に発生している火災を消火することができる。また、搬送装置にて消火用容器内に物品を搬送した後に、消火用容器内に二酸化炭素ガスを流し込み、消火用容器内に二酸化炭素ガスを貯留させながら物品に二酸化炭素ガスを浴びせることにより、物品に発生している火災を消火することができる。
そして、消火用流体が二酸化炭素ガスであるため、物品に発生した火災が消火された後は、二酸化炭素ガスを周囲に分散させることで消火用容器内から容易に取り除くことができるため、消火作業後の消火用流体を取り除く作業を簡単に行える。
物品収納設備の平面図 収納棚の一部拡大斜視図 スタッカークレーンの側面図 スタッカークレーンの正面図 制御ブロック図 固定用消火装置の正面図 固定用消火装置の正面図 固定用消火装置の正面図 別実施形態(1)の固定用消火装置の正面図 別実施形態(3)の固定用消火装置の正面図
以下、本発明に係る物品収納設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品収納設備には、複数の物品を収納する収納棚1と、物品を支持する荷受部2と、収納棚1と荷受部2との間で物品を搬送するスタッカークレーン3と、が設けられている。
スタッカークレーン3は、床面に敷設された直線状の有端状の走行レール4に案内されることで直線状の走行経路に沿って走行自在となっている。収納棚1は、物品を出し入れする方向が互いに対向する状態で且つスタッカークレーン3の走行経路の両側に位置する状態で一対設けられている。また、荷受部2は、スタッカークレーン3の走行経路の両側に位置する状態で且つ一対の収納棚1の夫々と棚横幅方向に並ぶ状態で一対設けられている。
本実施形態の物品は、充電済みの二次電池であり、エイジングのために収納棚1に入庫され、収納棚1において、少なくとも温度が管理された空調環境の下で一定期間保管された後、収納棚1から出庫される。収納棚1に保管中の物品が発熱して物品に火災が発生した場合に備えて、本物品収納設備には、火災検知装置6や移動用消火装置E1や固定用消火装置E2等が設けられており、火災の消火と延焼の防止のための適切な処置を自動的に行う火災対策システムを備えている。
〔収納棚〕
図2に示すように、収納棚1は、物品を収納自在な収納部8を棚横幅方向及び棚上下方向に複数並べて構成されており、各収納部8は、棚横幅方向に並ぶ一対の腕木9にて物品の棚横幅方向の両側部を載置支持する状態で、物品を収納するように構成されている。
また、各収納部8は、その棚横幅方向の側面、上面及び下面、並びに背面をロックウール等の難燃性素材からなる防火パネル10により囲われており、夫々の収納部8上面の防火パネル10には、収納部8に収納されている物品に火災が発生した場合に、その火災による熱又は煙を検知することで、当該収納部8に火災が発生したことを検知する火災検知装置6の火災センサ6aが設けられている。
〔荷受部〕
図1に示すように、荷受部2として、収納棚1に入庫する物品や収納棚1から出庫された物品を支持する入出庫用荷受部2aと、火災が発生した物品を支持する消火用荷受部2bと、が設定されている。図4に示すように、入出庫用荷受部2aは、外部との間で物品を搬送する入出庫コンベヤ11における搬送端部に設定されており、消火用荷受部2bは、固定用消火装置E2に設定されており、火災物品Wfを鎮火するための消火用容器23の上方に設定されている。
そして、火災が発生した物品を火災物品Wfとし、火災が発生していない物品を通常物品Wnとして、入出庫用荷受部2aの通常物品Wnは、スタッカークレーン3にて収納棚1の収納部8に搬送され、収納棚1の収納部8に収納されている通常物品Wnは、スタッカークレーン3にて入出庫用荷受部2aに搬送される。また、収納棚1の収納部8に収納されている火災物品Wfは、スタッカークレーン3にて消火用荷受部2bに搬送される。
〔スタッカークレーン〕
図3に示すように、スタッカークレーン3は、走行経路に沿って走行自在な走行台車12と、走行台車12に立設された前後一対の昇降マスト13の間に形成された昇降経路を昇降自在な昇降台14と、物品を載置支持するスライドフォークを備えた物品移載装置15と、を備えている。そして、スタッカークレーン3は、走行経路に沿って走行台車12が走行移動する走行作動と、昇降経路に沿って昇降台14が昇降移動する昇降作動と、物品移載装置15の移載作動と、により、収納部8と荷受部2との間で物品を搬送するように構成されている。
走行台車12には、走行台車12を走行駆動する走行用電動モータM1、及び、昇降台14を昇降駆動する昇降用電動モータM2が設けられている。また、昇降台14には、物品移載装置15を出退駆動する移載用電動モータM3が設けられている。尚、走行用電動モータM1、昇降用電動モータM2及び移載用電動モータM3の夫々は、サーボモータにて構成されている。
〔移動用消火装置〕
移動用消火装置E1は、スタッカークレーン3に設けられており、スタッカークレーン3にて搬送されている火災物品Wfに対して消火を行うように構成されている。
図3に示すように、移動用消火装置E1は、二酸化炭素を散布するように構成されている。
具体的には、移動用消火装置E1は、液化二酸化炭素が充填された2本の炭酸ガスボンベ17、炭酸ガスボンベ17にボンベ開閉弁18を介して接続された耐圧ホース19、耐圧ホース19の先端に接続された噴出ノズル20を備えて構成されている。炭酸ガスボンベ17は、昇降マスト13に取り付けられており、噴出ノズル20は、昇降台14に取り付けられている。
そして、ボンベ開閉弁18は、クレーンコントローラ46(図5参照)が実行する移動消火制御により開閉制御されるようになっており、移動用消火装置E1は、ボンベ開閉弁18が開くことで、炭酸ガスボンベ17からの二酸化炭素を噴出ノズル20から物品移載装置15上の物品に向けて噴出するようになっている。
〔固定用消火装置〕
固定用消火装置E2は、床面上に設けられており、収納棚1に収納された物品に火災が発生した後で且つ搬送装置Aにて消火用容器23内に火災物品Wfが搬送される前に消火用容器23内に水wを流し込み、搬送装置Aにて火災物品Wfを消火用容器23内に搬送して水没させることで、火災物品Wfに発生している火災を消火するように構成されている。
つまり、固定用消火装置E2は、火災検知装置6により物品の火災が検知されていない状態では、消火用容器23には水wが貯留されておらず、火災検知装置6により物品の火災を検知した後に水wを消火用容器23内に流し込むことで、消火用容器23内の酸素濃度を物品に火災が発生する前よりも低酸素状態とするように構成されている。そして、搬送装置Aにて火災物品Wfを消火用容器23内に搬送して水没させることで、水wよる冷却作用と水没させることによる窒息作用とにより、火災物品Wfに発生している火災を消火するように構成されている。
固定用消火装置E2は、水wを貯留する貯留空間23aを形成する消火用容器23、荷受台24上の火災物品Wfを荷受台24とともに消火用容器23の貯留空間23aに落下させる下降用装置25、荷受台24を貯留空間23aから引き上げる手動式引き揚げ装置26、及び、消火用容器23に水wを供給する水供給装置27、を備えて構成されている。
固定用消火装置E2が、消火用容器23内の火災物品Wfに発生する火災を消火する本発明の消火装置に相当する。また、水wが、本発明の消火用液体に相当し、荷受台24が消火用荷受部2bを構成して、荷受台24を上昇位置に上昇させた状態(図6参照)で当該荷受台24にて火災物品Wfを支持する箇所が、本発明の中継箇所に相当する。
そして、スタッカークレーン3が、収納棚1から消火用容器23の真上に設定された中継箇所に火災物品Wfを搬送する本発明の第1搬送装置に相当し、下降用装置25が、中継箇所から消火用容器23の貯留空間23aに火災物品Wfを移動させる第2搬送装置に相当する。
また、スタッカークレーン3と下降用装置25とで、火災物品Wfを収納棚1から消火用容器23内の貯留空間23aに搬送する本発明の搬送装置Aが構成されており、搬送装置Aが、収納棚1に収納された物品に火災が発生した後に当該物品を収納棚1から固定用消火装置E2の消火用容器23の貯留空間23aに搬送自在に構成されている。
消火用容器23は、その消火用容器23の内部空間における水供給装置27にて設定量だけ水wが貯留されたときに水wが存在する空間を貯留空間23aとしている。また、消火用容器23は、火災物品Wfを貯留空間23aに搬送するための開口部23bを貯留空間23aより上方に備えており、この開口部23bは、貯留空間23aより上方に位置する消火用容器23の上端部にて形成されている。ちなみに、上述した水wの設定量は、火災物品Wfの全体が水没する量に設定されており、貯留空間23aは、消火用容器23内における図7及び図8にて符号Fで示す高さより下方の空間であり、設定量の水wに加えて水没した火災物品Wfが存在する空間としている。
消火用容器23は、SS材(一般構造用圧延鋼)にて構成されており、表面には錆止め塗装が施されている。また、消火用容器23には、貯留空間23aに供給される水wと消火用容器23とが接触しないようにビニール製のシート29が設置されている。
荷受台24は、火災物品Wfの棚横幅方向の両側部を載置支持する台本体31と、下降用装置25の伸縮ロッド25aが係脱自在に係合される被係合部32と、手動式引き揚げ装置26の吊り下げフック36が引っ掛けられる引っ掛け部33と、を備えて構成されている。そして、荷受台24は、通常は、被係合部32が下降用装置25のロッド部34aに係合することで上昇位置に位置する状態で下降用装置25にて支持されている。このように荷受台24が上昇位置に位置する状態では、荷受台24は消火用容器23の開口部23bより上方に位置しており、スタッカークレーン3が荷受台24に搬送できるようになっている。
また、荷受台24は、収納部8と同様に、棚横幅方向に並ぶ一対の支持部にて物品の棚横幅方向の両側部を載置支持する状態で、物品を支持するように構成されている。そのため、スタッカークレーン3は、収納部8との間で物品を授受するときと同じ動きで荷受台24との間で物品を授受できるようになっており、火災が発生していない通常時におけるスタッカークレーン3の物品搬送機能をそのまま利用して、荷受台24へ火災物品Wfを搬送することができる。
下降用装置25は、荷受台24と、荷受台24を上昇位置で支持する電動シリンダ34と、を備えて構成されている。電動シリンダ34は、伸縮自在なロッド部34aと、そのロッド部34aを伸縮させるチューブ部34bとを備えて構成されており、ロッド部34aを伸長させた伸長状態では、ロッド部34aの先端が荷受台24の被係合部32に係合しており、下降用装置25にて荷受台24を上昇位置で支持している。そして、ロッド部34aを短縮させることで、被係合部32に対する係合を解除して、火災物品Wfとともに荷受台24を自重により落下させることで、荷受台24及び火災物品Wfを消火用容器23内に移動させるように構成されている。そして、電動シリンダ34は、地上側コントローラ45(図5参照)が実行する固定消火制御によりロッド部34aが伸縮制御されるようになっている。
手動式引き揚げ装置26は、ワイヤー35の先端部に接続された吊り下げフック36と、ワイヤー35の基端部側を巻き取り自在な巻取ドラム37と、を備えて構成されている。そして、手動式引き揚げ装置26は、消火用容器23内に位置する荷受台24における引っ掛け部33に吊り下げフック36を引っ掛けた状態で、巻取ドラム37を回転操作してワイヤー35を巻き取ることで、消火用容器23内に落下している荷受台24を引き上げるように構成されている。
水供給装置27は、水道に水道用開閉弁39を介して接続された水用ホース40と、水用ホース40の先端に接続された散水ノズル41と、を備えて構成されている。散水ノズル41は、消火用容器23より上方で且つ上昇位置の荷受台24より下方に位置するように、固定用消火装置E2の枠体42に取り付けられている。水道用開閉弁39は、地上側コントローラ45(図5参照)が実行する固定消火制御により開閉制御されるようになっており、水供給装置27は、水道用開閉弁39が開くことで、水道からの水wを散水ノズル41から散水するようになっている。
また、水供給装置27は、散水ノズル41から消火用容器23の貯留空間23aに向けてシャワー状に散水して、消火用容器23の貯留空間23aに水wを貯留するように構成されている。そのため、火災物品Wfが収納されている収納部8が固定用消火装置E2に近い等のために、火災が発生してから火災物品Wfを貯留空間23aに搬送するまでの間に貯留空間23aに設定量の水wを貯留できず、火災物品Wfが貯留空間23aに搬送されたときに火災物品Wfが貯留空間23aに貯留されている水wから上部が出ている場合でも、その水wから出ている火災物品Wfの上部に対して広範囲に水wをかけるようになっている。
このように、固定用消火装置E2は、水道に接続された散水ノズル41を備え、消火用流体としての水wを散水ノズル41から消火用容器23内に供給するように構成されている。尚、散水ノズル41が本発明の水供給部に相当する。
そして、固定用消火装置E2は、収納棚1に収納された物品に火災が発生した後で且つ搬送装置Aにて消火用容器23内に火災物品Wfが搬送される前に消火用容器23内に水wを流し込むことで、消火用容器23内の酸素濃度を低酸素状態とするように構成されている。また、火災が発生してから火災物品Wfを貯留空間23aに搬送するまでの間に貯留空間23aに設定量の水wを貯留できない場合は、搬送装置Aにて消火用容器23内に物品が搬送される後にも消火用容器内に水wを流し込むことで、消火用容器内の酸素濃度を低酸素状態とするように構成されている。
〔制御構成〕
スタッカークレーン3の作動は、床面上に設置される地上側コントローラ45(図1参照)及びスタッカークレーン3に設けられたクレーンコントローラ46(図5参照)により制御される。
図1及び図5に示すように、地上側コントローラ45及びクレーンコントローラ46は、走行経路に沿う通信用光を送受信する光式通信装置47により無線通信自在に接続されている。光式通信装置47は、スタッカークレーン3の走行台車12に配設されたクレーン側送受信部47aと、走行経路の端部に配設された地上側送受信部47bと、を備えて構成されている。
クレーンコントローラ46は、図5に示すように、搬送制御部H1及び消火制御部H2をプログラム形式で備えており、光式通信装置47をはじめ、各種の入出力機器が接続されている。
そして、火災検知装置6により物品の火災が検知されていない状態では、地上側コントローラ45は、光式通信装置47を介してクレーンコントローラ46に通常物品搬送情報が送信される。
クレーンコントローラ46の搬送制御部H1は、通常物品搬送指令に基づいて、入出庫用荷受部2aから入庫対象の収納部8に通常物品Wnを搬送するべく、スタッカークレーン3の作動を制御する入庫搬送制御や、出庫対象の収納部8から入出庫用荷受部2aに通常物品Wnを搬送するべく、スタッカークレーン3の作動を制御する出庫搬送制御を実行するように構成されている。
火災検知装置6により通常物品Wnの火災が検知されると、地上側コントローラ45は、光式通信装置47を介してクレーンコントローラ46に火災物品搬送情報が送信されるとともに、固定消火制御を実行するように構成されている。
クレーンコントローラ46の搬送制御部H1は、火災物品搬送情報に基づいて、火災物品Wfが収納されている収納部8から消火用荷受部2bに火災物品Wfを搬送するべく、スタッカークレーン3の作動を制御する火災物品搬送制御を実行するように構成され、火災物品Wfの消火用荷受部2bへの搬送が完了するに伴って、光式通信装置47を介して地上側コントローラ45に搬送完了情報を送信するように構成されている。
クレーンコントローラ46の消火制御部H2は、火災物品搬送情報に基づいて、噴出ノズル20を開き操作して搬送する火災物品Wfに向けて二酸化炭素を散布するべく、移動用消火装置E1の作動を制御する移動消火制御を実行するように構成されている。
また、地上側コントローラ45の固定消火制御では、火災検知装置6により通常物品Wnの火災が検知されると、水道用開閉弁39を開き操作するべく水供給装置27の作動を制御し、消火用容器23に設けられた水位センサ48にて貯留空間23aに設定量の水wが貯留されたことが検出されると、水道用開閉弁39を閉じ操作するべく水供給装置27の作動を制御するように構成されている。また、地上側コントローラ45の固定消火制御では、クレーンコントローラ46からの搬送完了情報に基づいて伸縮ロッド25aを短縮させるべく下降用装置25の作動を制御するように構成されている。
このように、物品に火災が発生すると、火災が発生した物品である火災物品Wfは、火災を移動用消火装置E1にて消火させながら消火用荷受部2bに搬送される。そして、火災検知装置6により物品の火災が検知されるに伴って、消火用容器23への水wの流し込みを開始するため、火災検知装置6により物品の火災が検知されていない状態では、消火用容器23に水を貯留させておかなくてもよく、火災検知装置6により物品の火災が検知されるに伴って消火用容器23に水wを貯留して火災物品Wfに発生している火災を消火するようになっている。
〔別実施形態〕
(1) 上記実施形態では、消火装置を、水wの供給源を水道として、水道からの水wを水供給部から貯留容器内に供給するようにしたが、水wの供給源を水貯留槽51として、水貯留槽51からの水wを水供給部から貯留容器内に供給するように構成してもよい。
具体的には、固定用消火装置E2の水供給装置27を次のように構成してもよい。つまり、図9に示すように、水供給装置27を、水wを密閉状態で貯留する水貯留槽51と、水貯留槽51に水貯留槽用開閉弁52を介して接続された水用ホース40と、水用ホース40の先端に接続された散水ノズル41と、を備えて構成する。そして、水道用開閉弁39を、地上側コントローラ45(図5参照)が実行する固定消火制御により開閉制御されるように構成し、水供給装置27を、水貯留槽用開閉弁52が開くことで、水貯留槽51からの水wを散水ノズル41から散水する。
(2) 上記実施形態では、搬送装置Aにて消火用容器内に物品が搬送される前と、搬送装置Aにて消火用容器内に物品が搬送された後と、の両方で水wを消火用容器23内に流し込んだが、単位時間当たりの水wの供給量を多くする等によって、搬送装置Aにて消火用容器23内に物品が搬送される前にのみ水wを消火用容器23内に流し込むようにしてもよい
(3) 上記実施形態では、消火用流体を水wとしたが、消火用流体を二酸化炭素cとしてもよい。
具体的には、固定用消火装置E2の水供給装置27に代えて二酸化炭素供給装置54を設けて、二酸化炭素供給装置54を次のように構成してもよい。図10に示すように、二酸化炭素供給装置54を、液化二酸化炭素が充填された二酸化炭素ボンベ55、二酸化炭素ボンベ55にボンベ用開閉弁56を介して接続された耐圧用ホース57、耐圧用ホース57の先端に接続された噴出用ノズル58を備えて構成する。二酸化炭素ボンベ55及び噴出用ノズル58は、固定用消火装置E2の枠体42に取り付ける。
そして、ボンベ用開閉弁56を、地上側コントローラ45(図8参照)が実行する固定消火制御により開閉制御されるようにし、ボンベ用開閉弁56が開くことで、二酸化炭素ボンベ55からの二酸化炭素cを噴出ノズル20から消火用容器23に向けて噴出する。
ちなみに、搬送装置Aにて消火用容器23内に火災物品Wfが搬送される前にボンベ開閉弁18を開いて消火用容器23内に二酸化炭素cを流し込むことで、消火用容器23内の酸素濃度を低酸素状態としてもよく、搬送装置Aにて消火用容器23内に火災物品Wfが搬送された後にボンベ開閉弁18を開いて消火用容器23内に二酸化炭素cを流し込むことで、消火用容器23内の酸素濃度を低酸素状態としてもよい。
例えば、搬送装置Aにて中継箇所に火災物品Wfが搬送された時点でボンベ用開閉弁56を開いてもよく、この場合では、消火用容器23に二酸化炭素cを貯留させた状態で火災物品Wfを消火用容器23に搬送することができる。また、この場合において、二酸化炭素cの消火用容器23内への流し込みを、搬送装置Aにて消火用容器23内に火災物品Wfが供給された後も継続して行ってもよい。
1 収納棚
23 消火用容器
51 貯留槽
A 搬送装置
E2 消火装置

Claims (3)

  1. 物品を収納する収納棚と、
    物品を前記収納棚から消火用容器内に搬送する搬送装置と、
    前記消火用容器内の物品に発生している火災を消火する消火装置と、が設けられ、
    前記搬送装置が、前記収納棚に収納された物品に火災が発生した後に当該物品を前記収納棚から前記消火装置の前記消火用容器内に搬送自在に構成されている物品収納設備であって、
    前記消火用容器は、物品を前記消火用容器内に搬送するための開口部を備え、
    前記消火装置が、前記収納棚に収納された物品に火災が発生した後で、且つ、前記搬送装置にて前記開口部を通して前記消火用容器内に物品が搬送される前に、前記消火用容器内に消火用流体を流し込むことで、前記消火用容器内を、酸素濃度が当該物品に火災が発生する前よりも低い低酸素状態とするように構成されている物品収納設備。
  2. 前記消火装置が、水道又は水を密閉状態で貯留する水貯留槽に接続された水供給部を備え、前記消火用流体としての水を前記水供給部から前記消火用容器内に供給するように構成されている請求項1記載の物品収納設備。
  3. 前記消火用流体が、二酸化炭素ガスである請求項1記載の物品収納設備。
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