JP5949625B2 - 物品収納設備 - Google Patents
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Description
しかしながら、収納棚に収納している物品に火災が発生することは頻繁に起こるようなものではなく、物品に火災が発生するまでの間に消火用容器に貯留している消火用液体は蒸発により減少する。そのため、消火用容器の貯留空間に適宜、消火用液体を補充する必要があり、メンテナンスに手間がかかるという問題がある。
また、例えば、収納棚に収納される物品がエイジング対象の充電済みの二次電池である場合、収納棚が設置される空間は少なくとも温度管理がされた空調対象空間となるが、従来の構成において消火用液体を水とすると、消火用容器から発生する水蒸気により消火用容器の周辺の湿度が上昇してしまい、収納棚における収納位置によって湿度に斑が生じ易い。そのため、収納棚の全域に亘る均一なエイジング環境が維持し難くなり、二次電池の品質管理上の不都合が生じる。
前記消火用容器は、物品を前記消火用容器内に搬送するための開口部を備え、前記消火装置が、前記収納棚に収納された物品に火災が発生した後で、且つ、前記搬送装置にて前記開口部を通して前記消火用容器内に物品が搬送される前に、前記消火用容器内に消火用流体を流し込むことで、前記消火用容器内を、酸素濃度が当該物品に火災が発生する前よりも低い低酸素状態とするように構成されている点にある。
このように、物品に火災が発生したときは物品に発生した火災を迅速に消火できながら、メンテナンスの手間を軽減することができる。
そして、消火用流体が水であるため、物品に発生した火災を窒息作用と冷却作用との双方により効率よく消火することができる。
そして、消火用流体が二酸化炭素ガスであるため、物品に発生した火災が消火された後は、二酸化炭素ガスを周囲に分散させることで消火用容器内から容易に取り除くことができるため、消火作業後の消火用流体を取り除く作業を簡単に行える。
図1に示すように、物品収納設備には、複数の物品を収納する収納棚1と、物品を支持する荷受部2と、収納棚1と荷受部2との間で物品を搬送するスタッカークレーン3と、が設けられている。
図2に示すように、収納棚1は、物品を収納自在な収納部8を棚横幅方向及び棚上下方向に複数並べて構成されており、各収納部8は、棚横幅方向に並ぶ一対の腕木9にて物品の棚横幅方向の両側部を載置支持する状態で、物品を収納するように構成されている。
また、各収納部8は、その棚横幅方向の側面、上面及び下面、並びに背面をロックウール等の難燃性素材からなる防火パネル10により囲われており、夫々の収納部8上面の防火パネル10には、収納部8に収納されている物品に火災が発生した場合に、その火災による熱又は煙を検知することで、当該収納部8に火災が発生したことを検知する火災検知装置6の火災センサ6aが設けられている。
図1に示すように、荷受部2として、収納棚1に入庫する物品や収納棚1から出庫された物品を支持する入出庫用荷受部2aと、火災が発生した物品を支持する消火用荷受部2bと、が設定されている。図4に示すように、入出庫用荷受部2aは、外部との間で物品を搬送する入出庫コンベヤ11における搬送端部に設定されており、消火用荷受部2bは、固定用消火装置E2に設定されており、火災物品Wfを鎮火するための消火用容器23の上方に設定されている。
図3に示すように、スタッカークレーン3は、走行経路に沿って走行自在な走行台車12と、走行台車12に立設された前後一対の昇降マスト13の間に形成された昇降経路を昇降自在な昇降台14と、物品を載置支持するスライドフォークを備えた物品移載装置15と、を備えている。そして、スタッカークレーン3は、走行経路に沿って走行台車12が走行移動する走行作動と、昇降経路に沿って昇降台14が昇降移動する昇降作動と、物品移載装置15の移載作動と、により、収納部8と荷受部2との間で物品を搬送するように構成されている。
移動用消火装置E1は、スタッカークレーン3に設けられており、スタッカークレーン3にて搬送されている火災物品Wfに対して消火を行うように構成されている。
図3に示すように、移動用消火装置E1は、二酸化炭素を散布するように構成されている。
具体的には、移動用消火装置E1は、液化二酸化炭素が充填された2本の炭酸ガスボンベ17、炭酸ガスボンベ17にボンベ開閉弁18を介して接続された耐圧ホース19、耐圧ホース19の先端に接続された噴出ノズル20を備えて構成されている。炭酸ガスボンベ17は、昇降マスト13に取り付けられており、噴出ノズル20は、昇降台14に取り付けられている。
そして、ボンベ開閉弁18は、クレーンコントローラ46(図5参照)が実行する移動消火制御により開閉制御されるようになっており、移動用消火装置E1は、ボンベ開閉弁18が開くことで、炭酸ガスボンベ17からの二酸化炭素を噴出ノズル20から物品移載装置15上の物品に向けて噴出するようになっている。
固定用消火装置E2は、床面上に設けられており、収納棚1に収納された物品に火災が発生した後で且つ搬送装置Aにて消火用容器23内に火災物品Wfが搬送される前に消火用容器23内に水wを流し込み、搬送装置Aにて火災物品Wfを消火用容器23内に搬送して水没させることで、火災物品Wfに発生している火災を消火するように構成されている。
そして、スタッカークレーン3が、収納棚1から消火用容器23の真上に設定された中継箇所に火災物品Wfを搬送する本発明の第1搬送装置に相当し、下降用装置25が、中継箇所から消火用容器23の貯留空間23aに火災物品Wfを移動させる第2搬送装置に相当する。
また、スタッカークレーン3と下降用装置25とで、火災物品Wfを収納棚1から消火用容器23内の貯留空間23aに搬送する本発明の搬送装置Aが構成されており、搬送装置Aが、収納棚1に収納された物品に火災が発生した後に当該物品を収納棚1から固定用消火装置E2の消火用容器23の貯留空間23aに搬送自在に構成されている。
消火用容器23は、SS材(一般構造用圧延鋼)にて構成されており、表面には錆止め塗装が施されている。また、消火用容器23には、貯留空間23aに供給される水wと消火用容器23とが接触しないようにビニール製のシート29が設置されている。
また、荷受台24は、収納部8と同様に、棚横幅方向に並ぶ一対の支持部にて物品の棚横幅方向の両側部を載置支持する状態で、物品を支持するように構成されている。そのため、スタッカークレーン3は、収納部8との間で物品を授受するときと同じ動きで荷受台24との間で物品を授受できるようになっており、火災が発生していない通常時におけるスタッカークレーン3の物品搬送機能をそのまま利用して、荷受台24へ火災物品Wfを搬送することができる。
そして、固定用消火装置E2は、収納棚1に収納された物品に火災が発生した後で且つ搬送装置Aにて消火用容器23内に火災物品Wfが搬送される前に消火用容器23内に水wを流し込むことで、消火用容器23内の酸素濃度を低酸素状態とするように構成されている。また、火災が発生してから火災物品Wfを貯留空間23aに搬送するまでの間に貯留空間23aに設定量の水wを貯留できない場合は、搬送装置Aにて消火用容器23内に物品が搬送される後にも消火用容器内に水wを流し込むことで、消火用容器内の酸素濃度を低酸素状態とするように構成されている。
スタッカークレーン3の作動は、床面上に設置される地上側コントローラ45(図1参照)及びスタッカークレーン3に設けられたクレーンコントローラ46(図5参照)により制御される。
図1及び図5に示すように、地上側コントローラ45及びクレーンコントローラ46は、走行経路に沿う通信用光を送受信する光式通信装置47により無線通信自在に接続されている。光式通信装置47は、スタッカークレーン3の走行台車12に配設されたクレーン側送受信部47aと、走行経路の端部に配設された地上側送受信部47bと、を備えて構成されている。
そして、火災検知装置6により物品の火災が検知されていない状態では、地上側コントローラ45は、光式通信装置47を介してクレーンコントローラ46に通常物品搬送情報が送信される。
クレーンコントローラ46の搬送制御部H1は、通常物品搬送指令に基づいて、入出庫用荷受部2aから入庫対象の収納部8に通常物品Wnを搬送するべく、スタッカークレーン3の作動を制御する入庫搬送制御や、出庫対象の収納部8から入出庫用荷受部2aに通常物品Wnを搬送するべく、スタッカークレーン3の作動を制御する出庫搬送制御を実行するように構成されている。
クレーンコントローラ46の搬送制御部H1は、火災物品搬送情報に基づいて、火災物品Wfが収納されている収納部8から消火用荷受部2bに火災物品Wfを搬送するべく、スタッカークレーン3の作動を制御する火災物品搬送制御を実行するように構成され、火災物品Wfの消火用荷受部2bへの搬送が完了するに伴って、光式通信装置47を介して地上側コントローラ45に搬送完了情報を送信するように構成されている。
また、地上側コントローラ45の固定消火制御では、火災検知装置6により通常物品Wnの火災が検知されると、水道用開閉弁39を開き操作するべく水供給装置27の作動を制御し、消火用容器23に設けられた水位センサ48にて貯留空間23aに設定量の水wが貯留されたことが検出されると、水道用開閉弁39を閉じ操作するべく水供給装置27の作動を制御するように構成されている。また、地上側コントローラ45の固定消火制御では、クレーンコントローラ46からの搬送完了情報に基づいて伸縮ロッド25aを短縮させるべく下降用装置25の作動を制御するように構成されている。
(1) 上記実施形態では、消火装置を、水wの供給源を水道として、水道からの水wを水供給部から貯留容器内に供給するようにしたが、水wの供給源を水貯留槽51として、水貯留槽51からの水wを水供給部から貯留容器内に供給するように構成してもよい。
具体的には、固定用消火装置E2の水供給装置27を次のように構成してもよい。つまり、図9に示すように、水供給装置27を、水wを密閉状態で貯留する水貯留槽51と、水貯留槽51に水貯留槽用開閉弁52を介して接続された水用ホース40と、水用ホース40の先端に接続された散水ノズル41と、を備えて構成する。そして、水道用開閉弁39を、地上側コントローラ45(図5参照)が実行する固定消火制御により開閉制御されるように構成し、水供給装置27を、水貯留槽用開閉弁52が開くことで、水貯留槽51からの水wを散水ノズル41から散水する。
具体的には、固定用消火装置E2の水供給装置27に代えて二酸化炭素供給装置54を設けて、二酸化炭素供給装置54を次のように構成してもよい。図10に示すように、二酸化炭素供給装置54を、液化二酸化炭素が充填された二酸化炭素ボンベ55、二酸化炭素ボンベ55にボンベ用開閉弁56を介して接続された耐圧用ホース57、耐圧用ホース57の先端に接続された噴出用ノズル58を備えて構成する。二酸化炭素ボンベ55及び噴出用ノズル58は、固定用消火装置E2の枠体42に取り付ける。
ちなみに、搬送装置Aにて消火用容器23内に火災物品Wfが搬送される前にボンベ開閉弁18を開いて消火用容器23内に二酸化炭素cを流し込むことで、消火用容器23内の酸素濃度を低酸素状態としてもよく、搬送装置Aにて消火用容器23内に火災物品Wfが搬送された後にボンベ開閉弁18を開いて消火用容器23内に二酸化炭素cを流し込むことで、消火用容器23内の酸素濃度を低酸素状態としてもよい。
例えば、搬送装置Aにて中継箇所に火災物品Wfが搬送された時点でボンベ用開閉弁56を開いてもよく、この場合では、消火用容器23に二酸化炭素cを貯留させた状態で火災物品Wfを消火用容器23に搬送することができる。また、この場合において、二酸化炭素cの消火用容器23内への流し込みを、搬送装置Aにて消火用容器23内に火災物品Wfが供給された後も継続して行ってもよい。
23 消火用容器
51 貯留槽
A 搬送装置
E2 消火装置
Claims (3)
- 物品を収納する収納棚と、
物品を前記収納棚から消火用容器内に搬送する搬送装置と、
前記消火用容器内の物品に発生している火災を消火する消火装置と、が設けられ、
前記搬送装置が、前記収納棚に収納された物品に火災が発生した後に当該物品を前記収納棚から前記消火装置の前記消火用容器内に搬送自在に構成されている物品収納設備であって、
前記消火用容器は、物品を前記消火用容器内に搬送するための開口部を備え、
前記消火装置が、前記収納棚に収納された物品に火災が発生した後で、且つ、前記搬送装置にて前記開口部を通して前記消火用容器内に物品が搬送される前に、前記消火用容器内に消火用流体を流し込むことで、前記消火用容器内を、酸素濃度が当該物品に火災が発生する前よりも低い低酸素状態とするように構成されている物品収納設備。 - 前記消火装置が、水道又は水を密閉状態で貯留する水貯留槽に接続された水供給部を備え、前記消火用流体としての水を前記水供給部から前記消火用容器内に供給するように構成されている請求項1記載の物品収納設備。
- 前記消火用流体が、二酸化炭素ガスである請求項1記載の物品収納設備。
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