JP5949132B2 - ワイヤーハーネス用被覆部材及び被覆部材付きワイヤーハーネス並びにワイヤーハーネス用被覆部材の取付方法及びワイヤーハーネス用被覆部材の使用方法 - Google Patents

ワイヤーハーネス用被覆部材及び被覆部材付きワイヤーハーネス並びにワイヤーハーネス用被覆部材の取付方法及びワイヤーハーネス用被覆部材の使用方法 Download PDF

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本発明は、ワイヤーハーネスを覆う被覆部材に関する。
従来からワイヤーハーネスを覆う被覆部材に関して様々な技術が提案されている。例えば特許文献1及び2には、ワイヤーハーネス用のネット状保護部材が記載されている。
特開2011−234509号公報 特開2012−33293号公報
さて、ワイヤーハーネスに対する被覆部材の取付方法はできるだけ簡単であることが望ましい。
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、ワイヤーハーネスに被覆部材を簡単に取り付けることが可能な技術を提供することを目的とする。
第1の態様に係るワイヤーハーネス用被覆部材は、ワイヤーハーネスに巻き付けられるワイヤーハーネス用被覆部材であって、ワイヤーハーネスに巻き付けられ、繰り返し曲げ塑性変形可能なシート状樹脂部材を備え、前記シート状樹脂部材は、その厚み方向である第1方向に垂直な第2方向に沿った軸の周りに繰り返し曲げ塑性変形可能であり、前記第2方向と前記ワイヤーハーネスの延在方向とが平行となるように前記ワイヤーハーネス用被覆部材が前記ワイヤーハーネスに巻き付けられる。
第2の態様に係るワイヤーハーネス用被覆部材は、第1の態様に係るワイヤーハーネス用被覆部材であって、前記シート状樹脂部材に積層されて取り付けられたシート状異音抑制部材をさらに備え、前記シート状樹脂部材及び前記シート状異音抑制部材は、互いに取り付けられた状態において、前記ワイヤーハーネスに対して当該シート状異音抑制部材が外側に位置するように巻き付けられる。
第3の態様に係るワイヤーハーネス用被覆部材は、第2の態様に係るワイヤーハーネス用被覆部材であって、前記シート状異音抑制部材は前記シート状樹脂部材に溶着されている。
第4の態様に係る被覆部材付きワイヤーハーネスは、第1乃至第3の態様のいずれか一つに係るワイヤーハーネス用被覆部材と、前記ワイヤーハーネス用被覆部材が巻き付けられたワイヤーハーネスとを備え、前記ワイヤーハーネス用被覆材は、前記第2方向と前記ワイヤーハーネスの延在方向とが平行となるように、前記ワイヤーハーネスに巻き付けられている。
第5の態様に係るワイヤーハーネス用被覆部材の取付方法は、ワイヤーハーネスに対する、第1乃至第3の態様のいずれか一つに係るワイヤーハーネス用被覆部材の取付方法であって、(a)前記第2方向に沿った軸の周りに予め曲げられて筒状に閉じた前記シート状樹脂部材を準備する工程と、(b)前記工程(a)の後に、筒状に閉じた前記シート状樹脂部材を湾曲させた状態で開く工程と、(c)前記工程(b)の後に、湾曲した状態で開いた前記シート状樹脂部材の内側にワイヤーハーネスを、前記第2方向と前記ワイヤーハーネスの延在方向とが平行となるように配置する工程と、(d)前記工程(c)の後に、湾曲した状態で開いた前記シート状樹脂部材を筒状に閉じて当該シート状樹脂部材を前記ワイヤーハーネスに巻き付ける工程とを備える。
第6の態様に係るワイヤーハーネス用被覆部材の使用方法は、第1乃至第3の態様のいずれか一つに係るワイヤーハーネス用被覆部材の使用方法であって、車両における細長い曲がった空間に対して、端から入れられるワイヤーハーネスに対して、前記第2方向と前記ワイヤーハーネスの延在方向とが平行となるように前記ワイヤーハーネス用被覆部材を巻き付ける。
第1乃至第6の態様によれば、ワイヤーハーネス用被覆部材には、繰り返し曲げ塑性変形可能なシート状樹脂部材が設けられているため、ワイヤーハーネス用被覆部材をワイヤーハーネスに簡単に取り付けることができる。
特に第2の態様によれば、シート状樹脂部材とシート状異音抑制部材とを同時にワイヤーハーネスに巻き付けることができることから、作業性が向上する。
特に第3の態様によれば、シート状異音抑制部材がシート状樹脂部材に溶着されていることから、シート状異音抑制部材がシート状樹脂部材から剥がれにくくなる。
特に第6の態様によれば、車両における細長い曲がった空間にワイヤーハーネスを配策し易くなる。さらに、ワイヤーハーネスを細長い曲がった空間に配策したとしても、異音が発生することを抑制することができる。
被覆部材付きワイヤーハーネスを示す斜視図である。 被覆部材付きワイヤーハーネスを示す側面図である。 ワイヤーハーネス用被覆部材(シート状樹脂部材)を示す斜視図である。 ワイヤーハーネスに対するワイヤーハーネス用被覆部材の取付方法を説明するための図である。 ワイヤーハーネスに対するワイヤーハーネス用被覆部材の取付方法を説明するための図である。 ワイヤーハーネスに対するワイヤーハーネス用被覆部材の取付方法を説明するための図である。 被覆部材付きワイヤーハーネスの変形例を示す斜視図である。 被覆部材付きワイヤーハーネスの変形例を示す側面図である。 ワイヤーハーネス用被覆部材の変形例を示す斜視図である。 ワイヤーハーネスが車両の細長い曲がった空間に入れられる様子を示す図である。
図1はワイヤーハーネス用被覆部材1が巻き付けられたワイヤーハーネス100(以後、「被覆部材付きワイヤーハーネス100」と呼ぶ)を示す斜視図である。図2は、被覆部材付きワイヤーハーネス100をその延在方向から見た際の当該被覆部材付きワイヤーハーネス100を示す側面図である。本実施の形態に係る被覆部材付きワイヤーハーネス100は、例えば、自動車等の車両内に配策される。
ワイヤーハーネス100は、複数の電線から成る電線束101を備えている。電線束101の両端部のそれぞれにはコネクタ(図示せず)が取り付けられている。電線束101の長手方向の一部には、ワイヤーハーネス用被覆部材1が巻き付けられており、これにより、当該一部の外周面はワイヤーハーネス用被覆部材1によって覆われている。以後、ワイヤーハーネス用被覆部材1を単に「被覆部材1」と呼ぶ。
被覆部材1は、ワイヤーハーネス100の電線束101を保護する機能とワイヤーハーネス100の経路を規制する機能とを有している。被覆部材1は、シート状樹脂部材2で構成されている。シート状樹脂部材2は、ワイヤーハーネス100に巻き付けられる。具体的には、ワイヤーハーネス100の電線束101の長手方向の一部に巻き付けられる。シート状樹脂部材2は、繰り返し曲げ塑性変形可能である。つまり、シート状樹脂部材2は、繰り返し曲げ変形可能であり、かつ変形後の形状を維持することが可能である。
図3は、ワイヤーハーネス100に巻き付けられる前の被覆部材1を示す斜視図である。図3に示されるように、被覆部材1を構成するシート状樹脂部材2は、例えば長方形のシート状部材である。シート状樹脂部材2は、その厚み方向に垂直な第1方向DR1に沿って延在する第1端部20a及び第2端部20bと、当該厚み方向及び当該第1方向DR1に垂直な第2方向DR2に沿って延在する第3端部20c及び第4端部20dとを備えている。つまり、シート状の被覆部材1は、その厚み方向に垂直な第1方向DR1に沿って延在する第1端部10a及び第2端部10bと、当該厚み方向及び当該第1方向DR1に垂直な第2方向DR2に沿って延在する第3端部10c及び第4端部10dとを備えている。
シート状樹脂部材2は、図1,2に示されるように、第3端部20c及び第4端部20dが電線束101の周方向に沿うように、かつ第1端部20aと第2端部20bとが互いに重なるように電線束101に巻き付けられる。言い換えれば、被覆部材1は、第3端部10c及び第4端部10dが電線束101の周方向に沿うように、かつ第1端部10aと第2端部10bとが互いに重なるように電線束101に巻き付けられる。シート状樹脂部材2は、繰り返し曲げ塑性変形可能であることから、電線束101に巻き付けられて筒状に曲げられると、その形状を維持する。したがって、重ね合わされた第1端部20a(第1端部10a)及び第2端部20b(第2端部10b)を粘着テープ等で貼り合わす必要はない。
シート状樹脂部材2は、例えば、ポリオレフィン樹脂、具体的にはポリエチレン樹脂が5〜40倍に一軸延伸されて形成されたものであって、その厚みは例えば0.3mmとなっている。上述の第1方向DR1がシート状樹脂部材2の延伸方向となっている。シート状樹脂部材2では、第1方向DR1(延伸方向)に沿って分子が配向された一軸分子配向となっている。シート状樹脂部材2は、第2方向DR2では曲がり易くなっており、第1方向DR1では曲がりにくくなっている。シート状樹脂部材2は、曲がり易い第2方向DR2で曲がるように電線束101に巻き付けられる。言い換えれば、シート状樹脂部材2は、第1方向DR1に沿った軸の周りに曲がるように電線束101に巻き付けられる。さらに言い換えれば、シート状樹脂部材2は、その延伸方向が電線束101の延在方向に沿うよう電線束101に巻き付けられる。
シート状樹脂部材2では、第2方向DR2での引張弾性率は10GPa以上(例えば15.4GPa)である。シート状樹脂部材2では、第2方向DR2での引張強度は15MPa以上(例えば20MPa)である。そして、シート状樹脂部材2では、第2方向DR2での引張伸びは0.7%以上(例えば1%)である。
また、シート状樹脂部材2では、第1方向DR1(延伸方向)での引張弾性率は10GPa以上(例えば15.4GPa)である。シート状樹脂部材2では、第1方向DR1での引張強度は300MPa以上(例えば440MPa)である。そして、シート状樹脂部材2では、第1方向DR1での引張伸びは5%以上(例えば7%)である。
このように、シート状樹脂部材2では、第1方向DR1での引っ張りに対して比較的強くなっており、第2方向DR2の引っ張りに対して比較的弱くなっている。
以上のような特性を有するシート状樹脂部材2は、例えば、積水成型工業株式会社の商品である「フォルテ(登録商標)」で形成することができる。具体的には、フォルテの単層シートでシート状樹脂部材2を形成することができる。
シート状樹脂部材2は、第1方向DR1(延伸方向、分子の配向方向)に沿った軸の周りに数十回以上繰り返して筒状に曲げることができる。つまり、シート状樹脂部材2については、第1方向DR1に沿った軸の周りに筒状に曲げた後、平面状に戻し、その後、再度、第1方向DR1に沿った軸の周りに筒状に曲げる処理を繰り返して行うことが可能である。したがって、シート状樹脂部材2は、電線束101に対して、数十回以上繰り返して巻き付けることができる。言い換えれば、被覆部材1は、電線束101に対して、数十回以上繰り返して巻き付けることができる。例えば、被覆部材1は、電線束101に対して30回以上繰り返して巻き付けることができる。
次にワイヤーハーネス100に対する被覆部材1の取付方法について説明する。まず図4に示されるように、シート状樹脂部材2が巻き付けられるワイヤーハーネス100の電線束101の径に応じて、第1端部20aと第2端部20bとが重なるように予め筒状に閉じた状態のシート状樹脂部材2を準備する。言い換えれば、ワイヤーハーネス100に対して巻き付けられたときの形状と同様の形状に予め曲げ変形されたシート状樹脂部材2を準備する。シート状樹脂部材2は、例えば、電線束101の径と同じ径の棒状部材に巻き付けられることよって、当該電線束101の径に応じて筒状に曲げられる。ワイヤーハーネス100に対する被覆部材1の取り付けが行われる製造工場(被覆部材付きワイヤーハーネス100の製造工場)には、被覆部材1は図4のように予め筒状に閉じた状態(筒状に癖付けされた状態)で納品される。
次に図5に示されるように、作業者は、自身の手あるいは治具などによって、筒状に閉じたシート状樹脂部材2を湾曲させた状態で開く。つまり、作業者は、シート状樹脂部材2の筒状ができるだけ維持されるように、ワイヤーハーネス100をその内側に入れることができるだけシート状樹脂部材2を開いて変形させる。そして、図6に示されるように、湾曲した状態で開いたシート状樹脂部材2の内側にワイヤーハーネス100の電線束101を配置する。その後、第1端部20aと第2端部10bとが重なるようにシート状樹脂部材2を筒状に閉じて、電線束101にシート状樹脂部材2を巻き付ける。これにより、上述の図1,2に示されるような被覆部材付きワイヤーハーネス100が完成する。
なお、ワイヤーハーネス100に対する被覆部材1の取付位置がずれないように、ワイヤーハーネス100の延在方向における被覆部材1の一方の端部とワイヤーハーネス100との境界部分において、被覆部材1とワイヤーハーネス100の両方にわたって粘着テープを巻き付けても良い。このとき、ワイヤーハーネス100の延在方向における被覆部材1の他方の端部とワイヤーハーネス100との境界部分においても、被覆部材1とワイヤーハーネス100の両方にわたって粘着テープを巻き付けても良い。
以上のように、本実施の形態に係る被覆部材1には、繰り返し曲げ塑性変形可能なシート状樹脂部材2が設けられているため、図4に示されるように、予め筒状に閉じたシート状樹脂部材2を準備することによって、言い換えれば、ワイヤーハーネス100に巻き付けられた際の形状と同様の形状に予め曲げ変形されたシート状樹脂部材2を準備することによって、上述のように、シート状樹脂部材2を開けて閉めるだけでワイヤーハーネス100にシート状樹脂部材2を巻き付けることができる。よって、ワイヤーハーネス100に被覆部材1を簡単に取り付けることができる。
これに対して、繰り返して曲げ塑性変形することができない軟らかいシート状部材から成る被覆部材(以後、「軟質シート状被覆部材」と呼ぶ)でワイヤーハーネスを覆う場合や、軟らかいチューブ状部材から成る被覆部材(以後、「チューブ状被覆部材」と呼ぶ)でワイヤーハーネス100を覆う場合には、当該被覆部材をワイヤーハーネス100に簡単に取り付けることが困難となる。
軟質シート状被覆部材でワイヤーハーネス100を覆う場合には、例えば、軟質シート状被覆部材が、その両端部が合わせられるように、その間にワイヤーハーネス100を挟んで二つ折りにされた後に、当該両端部が両面粘着テープによって貼り合わされる。このとき、ずれないように両端部を慎重に貼り合わせる必要がある。そして、貼り合わされた軟質シート状被覆部材の端部が折り曲げられた後、軟質シート状被覆部材とワイヤーハーネス100の境界部分に粘着テープが巻き付けられる。
また、チューブ状被覆部材を使用する場合には、ワイヤーハーネス100の電線束101を構成する複数の電線のそれぞれをチューブ状被覆部材に通す必要がある。このとき、各電線の端部に対してコネクタに挿入される端子を取り付けた状態で各電線をチューブ状被覆部材に通す場合には、端子によってチューブ状被覆部材が損傷しないように慎重に各電線をチューブ状被覆部材に通す必要がある。
このように、軟質シート状被覆部材やチューブ状被覆部材などの被覆部材を使用する場合には、被覆部材を簡単にワイヤーハーネス100に取り付けることが困難となる。本実施の形態では、繰り返し曲げ塑性変形可能なシート状樹脂部材2を備える被覆部材1を使用していることから、上述のようにして被覆部材1を簡単にワイヤーハーネス100に取り付けることができる。
また、シート状樹脂部材2は筒状に閉じた状態を維持することが可能であることから、本実施の形態のように、ワイヤーハーネス100に対してシート状樹脂部材2を、その所定方向の両端部が重なるように巻き付けることによって、シート状樹脂部材2が開いてワイヤーハーネス100が露出することを抑制するために当該シート状樹脂部材2に粘着テープを巻き付けるといった処理を不要にすることが可能となる。よって、この場合には、ワイヤーハーネス100に被覆部材1を取り付ける際の作業性が向上する。
なお、被覆部材付きワイヤーハーネス100が車両内の振動が大きい場所に配策される等して、ワイヤーハーネス100に巻き付けられたシート状樹脂部材2が開き易くなる場合には、それを抑制するためにシート状樹脂部材2に対して粘着テープを巻き付けても良い。
また、上述のチューブ状被覆部材を使用する場合には、電線束の各電線をチューブ状被覆部材に通した後に、当該電線束の端部にコネクタを取り付けることになるが、本実施の形態では、端部にコネクタが取り付けられた状態で電線束101を被覆部材1で覆うことが可能となる。
また、ワイヤーハーネス100に対する被覆部材1の取付位置がずれないようにする際には、ワイヤーハーネス100に対して被覆部材1が巻き付けられている状態でワイヤーハーネス100と被覆部材1の境界部分に粘着テープを巻き付けることができることから、作業が容易である。
上記の例では、被覆部材1を1枚のシート状樹脂部材2で構成していたが、上述のような特性を有する複数のシート状樹脂部材2を積層して得られるシート状樹脂部材をワイヤーハーネス100に巻き付けても良い。この場合には、互いに積層される下層及び上層の二つのシート状樹脂部材2の延伸方向(分子の配向方向)が互いに直交するように複数のシート状樹脂部材2を積層することが望ましい。例えば、3つのシート状樹脂部材2を積層する場合には、1層目と2層目のシート状樹脂部材2の延伸方向が直交し、2層目と3層目のシート状樹脂部材2の延伸方向が直交するようにする。また、4つのシート状樹脂部材2を積層する場合には、1層目と2層目のシート状樹脂部材2の延伸方向が直交し、2層目と3層目のシート状樹脂部材2の延伸方向が直交し、3層目と4層目のシート状樹脂部材2の延伸方向が直交するようにする。これにより、第1方向DR1及び第2方向DR2の両方での引っ張りに強く、第1方向DR1及び第2方向DR2の両方において曲げ易いシート状樹脂部材を得ることができる。
また、被覆部材1においては、シート状樹脂部材2に対してシート状異音抑制部材を積層して取り付けても良い。図7は、互いに積層されたシート状樹脂部材2及びシート状異音抑制部材3を備える被覆部材1が巻き付けられた被覆部材付きワイヤーハーネス100を示す斜視図である。図8は、図7に示される被覆部材付きワイヤーハーネス100をその延在方向から見た際の当該被覆部材付きワイヤーハーネス100を示す側面図である。以後、図7,8の示される被覆部材1を「被覆部材1A」と呼ぶ。また被覆部材1Aが巻き付けられるワイヤーハーネス100を「ワイヤーハーネス100A」と呼び、被覆部材1Aが巻き付けられた被覆部材付きワイヤーハーネス100を「被覆部材付きワイヤーハーネス100A」と呼ぶ。図9はワイヤーハーネス100Aに巻き付けられる前の被覆部材1Aを示す斜視図である。
図9に示されるように、被覆部材1Aは全体としてシート状となっており、被覆部材1Aでは、シート状樹脂部材2に対してシート状異音抑制部材3が積層されて取り付けられている。シート状異音抑制部材3は、被覆部材付きワイヤーハーネス100Aが周囲の干渉物に当たった際に異音が発生することを抑制するための部材である。シート状異音抑制部材3は、シート状樹脂部材2よりも柔らかく、かつ弾力性を有している。シート状樹脂部材2は、例えば、架橋発泡樹脂で形成されている。この架橋発泡樹脂としては、例えば架橋発泡ポリエチレンを採用することができる。このようなシート状異音抑制部材3は、例えば、積水化学工業株式会社の商品である「ソフトロン(登録商標)S」で形成することが可能である。
シート状異音抑制部材3は、シート状樹脂部材2と同様に、長方形のシート状部材である。シート状異音抑制部材3の外形寸法は、厚み寸法以外は、シート状樹脂部材2の外形寸法と同一となっている。シート状異音抑制部材3の厚みは、シート状樹脂部材2の厚みよりも大きくなっている。
シート状異音抑制部材3とシート状樹脂部材2とは、縦方向及び横方向がそれぞれ一致するように互いに積層されている。シート状異音抑制部材3とシート状樹脂部材2とは、例えば溶着によって互いに貼り合わされている。本例では、シート状異音抑制部材3及びシート状樹脂部材2のそれぞれは、ポリエチレンを材料としていることから、それらを簡単に溶着することが可能となる。シート状異音抑制部材3とシート状樹脂部材2とを貼り合わせる際の溶着としては、熱溶着あるいは超音波溶着を採用することができる。なお、シート状異音抑制部材3とシート状樹脂部材2とを溶着ではなく接着材によって互いに貼り合わせても良い。
このような構造を有する被覆部材1Aは、電線束101に対して、数十回以上繰り返して巻き付けることができる。被覆部材1Aは、電線束101に対して、例えば30回以上繰り返して巻き付けることができる。被覆部材1Aは、図7,8に示されるように、第3端部10c及び第4端部10dが電線束101の周方向に沿うように、かつ第1端部10aと第2端部10bとが互いに重なるように、シート状異音抑制部材3を外側にして電線束101に巻き付けられる。これにより、内側の硬いシート状樹脂部材2によって電線束101を保護し、外側の軟らかいシート状異音抑制部材3によって異音の発生を抑制することができる。なお、シート状異音抑制部材3は、シート状樹脂部材2とは異なり、それ単体では繰り返し曲げ塑性変形することはできない。
被覆部材1Aは、上述の図3に示される被覆部材1と同様にして、ワイヤーハーネス100Aに巻き付けることができる。まず、被覆部材1Aが巻き付けられるワイヤーハーネス100Aの電線束101の径に応じて、第1端部10aと第2端部10bとが重なるように予め筒状に閉じた状態の被覆部材1Aを準備する(図4参照)。言い換えれば、ワイヤーハーネス100Aに対して巻き付けられたときの形状と同様の形状に予め曲げ変形された被覆部材1Aを準備する。ワイヤーハーネス100Aに対する被覆部材1Aの取り付けが行われる製造工場には、被覆部材1Aは予め筒状に閉じた状態(筒状に癖付けされた状態)で納品される。
次に、作業者は、自身の手あるいは治具などによって、筒状に閉じた被覆部材1Aを湾曲させた状態で開く(図5参照)。そして、湾曲した状態で開いた被覆部材1Aの内側に電線束101を配置する(図6参照)。その後、第1端部10aと第2端部10bとが重なるように被覆部材1Aを筒状に閉じて、電線束101に被覆部材1Aを巻き付ける。これにより、図7,8に示されるような被覆部材付きワイヤーハーネス100Aが完成する。
このように、被覆部材1Aには、繰り返し曲げ塑性変形が可能なシート状樹脂部材2が設けられているため、予め筒状に閉じた被覆部材1Aを準備することによって、被覆部材1Aを開けて閉じるだけでワイヤーハーネス100Aに被覆部材1Aを巻き付けることができる。よって、ワイヤーハーネス100Aに被覆部材1Aを簡単に取り付けることができる。
また、被覆部材1Aは筒状に閉じた状態を維持することが可能であることから、ワイヤーハーネス100Aに対して被覆部材1Aを、その所定方向の両端部が重なるように巻き付けることによって、被覆部材1Aが開いてワイヤーハーネス100Aが露出することを抑制するために当該被覆部材1Aに粘着テープを巻き付けるといった処理を不要にすることが可能となる。よって、この場合には、ワイヤーハーネス100Aに被覆部材1Aを取り付ける際の作業性が向上する。
また、本例のように、シート状樹脂部材2に対して予めシート状異音抑制部材3を取り付けて一つの部品としておくことによって、シート状樹脂部材2とシート状異音抑制部材3とを同時にワイヤーハーネス100Aに巻き付けることができる。よって、作業性が向上する。
また、被覆部材付きワイヤーハーネス100Aを製造する製造工場に対して、シート状樹脂部材2及びシート状異音抑制部材3が、互いに取り付けられて一つの部品として納品されることによって、当該製造工場においては部品管理が容易となる。
また、本例のように、シート状異音抑制部材3をシート状樹脂部材2に溶着することによって、シート状異音抑制部材3がシート状樹脂部材2から剥がれにくくなる。
なお、被覆部材1Aは、ワイヤーハーネス100が配策される場所にかかわらず、ワイヤーハーネス100に対して巻き付けることが可能であるが、車両における細長い曲がった空間に対して、端から入れられるワイヤーハーネス100に対して巻き付けることが特に有効である。
図10に示されるように、ワイヤーハーネス100をその端から車両における細長い曲がった空間500に入れてワイヤーハーネス100を配策する場合、ワイヤーハーネス100が軟らかいと、ワイヤーハーネス100をその空間500の奥まで挿入しにくくなる。被覆部材1Aには、繰り返し曲げ塑性変形可能な比較的硬いシート状樹脂部材2が設けられているため、被覆部材1Aをワイヤーハーネス100に巻き付けることによって、ワイヤーハーネス100を硬くすることができる。よって、車両における細長い曲がった空間に対して、端から入れられるワイヤーハーネス100に対して巻き付けるようにして被覆部材1Aを使用することによって、当該空間にワイヤーハーネス100を配策し易くなる。さらに、比較的硬いシート状樹脂部材2にはシート状異音抑制部材3が積層されているため、被覆部材1Aが巻き付けられたワイヤーハーネス100を細長い曲がった空間に配策したとしても、異音が発生することを抑制することができる。なお、車両における細長い曲がった空間としては、例えば、バックドアにおける、外板とインナーパネルとの間の空間が挙げられる。
1,1A 被覆部材
2 シート状樹脂部材
3 シート状異音抑制部材
100,100A ワイヤーハーネス
500 空間

Claims (6)

  1. ワイヤーハーネスに巻き付けられるワイヤーハーネス用被覆部材であって、
    ワイヤーハーネスに巻き付けられ、繰り返し曲げ塑性変形可能なシート状樹脂部材を備え
    前記シート状樹脂部材は、その厚み方向である第1方向に垂直な第2方向に沿った軸の周りに繰り返し曲げ塑性変形可能であり、
    前記第2方向と前記ワイヤーハーネスの延在方向とが平行となるように前記ワイヤーハーネス用被覆部材が前記ワイヤーハーネスに巻き付けられる、ワイヤーハーネス用被覆部材。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネス用被覆部材であって、
    前記シート状樹脂部材に積層されて取り付けられたシート状異音抑制部材をさらに備え、
    前記シート状樹脂部材及び前記シート状異音抑制部材は、互いに取り付けられた状態において、前記ワイヤーハーネスに対して当該シート状異音抑制部材が外側に位置するように巻き付けられる、ワイヤーハーネス用被覆部材。
  3. 請求項2に記載のワイヤーハーネス用被覆部材であって、
    前記シート状異音抑制部材は前記シート状樹脂部材に溶着されている、ワイヤーハーネス用被覆部材。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のワイヤーハーネス用被覆部材と、
    前記ワイヤーハーネス用被覆部材が巻き付けられたワイヤーハーネスと
    を備え
    前記ワイヤーハーネス用被覆材は、前記第2方向と前記ワイヤーハーネスの延在方向とが平行となるように、前記ワイヤーハーネスに巻き付けられている、被覆部材付きワイヤーハーネス。
  5. ワイヤーハーネスに対する、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のワイヤーハーネス用被覆部材の取付方法であって、
    (a)前記第2方向に沿った軸の周りに予め曲げられて筒状に閉じた前記シート状樹脂部材を準備する工程と、
    (b)前記工程(a)の後に、筒状に閉じた前記シート状樹脂部材を湾曲させた状態で開く工程と、
    (c)前記工程(b)の後に、湾曲した状態で開いた前記シート状樹脂部材の内側にワイヤーハーネスを、前記第2方向と前記ワイヤーハーネスの延在方向とが平行となるように配置する工程と、
    (d)前記工程(c)の後に、湾曲した状態で開いた前記シート状樹脂部材を筒状に閉じて当該シート状樹脂部材を前記ワイヤーハーネスに巻き付ける工程と
    を備える、ワイヤーハーネス用被覆部材の取付方法。
  6. 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のワイヤーハーネス用被覆部材の使用方法であって、
    車両における細長い曲がった空間に対して、端から入れられるワイヤーハーネスに対して、前記第2方向と前記ワイヤーハーネスの延在方向とが平行となるように前記ワイヤーハーネス用被覆部材を巻き付ける、ワイヤーハーネス用被覆部材の使用方法。
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