以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示す画像形成装置100は、電子写真プロセスにより記録用紙に画像を形成する。図1に示すように、画像形成装置100は、原稿読取部110、操作表示部120、画像処理部130、画像書込部135、画像形成部140、搬送部150、定着部160、電圧印加部180、温湿度センサー190および制御部200を備えている。なお、バックアップローラー63および電流計192については後述する。
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、計時部204等を備えている。CPU201は、ROM202から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM203に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置100の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部172に格納されている各種データが参照される。記憶部172は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。計時部204は、画像形成装置100の電源194がオンまたはオフされた日時を計測する。
制御部200は、通信部171を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部200は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙に画像を形成させる。通信部171は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
原稿読取部110は、コンタクトガラス上に搬送された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサーの受光面上に結像させ、原稿を読み取る。なお、コンタクトガラス上への原稿の搬送は、自動原稿給紙装置(ADF)により行われるが、手作業で原稿をコンタクトガラス上に載置する場合もある。
操作表示部120は、タッチパネル式の画面を有する。ユーザーが行う各種の指示および設定のための入力操作は、タッチパネル式の画面を介して行うことができる。これら指示・設定の情報は、ジョブ情報として制御部200により扱われる。ジョブ情報としては、用紙サイズ、プリント枚数等がある。制御部200は、操作表示部120を介してプリントジョブが指示された場合、当該プリントジョブに対応するジョブ情報に含まれるプリント枚数を記憶部172に記録する。
画像処理部130は、アナログディジタル(A/D)変換処理を行う回路およびディジタル画像処理を行う回路を含む。画像処理部130は、原稿読取部110のCCDセンサにより取得されたアナログ画像信号から、A/D変換処理によりディジタル画像データを生成して画像書込部135に出力する。
画像書込部135は、画像処理部130により生成されたディジタル画像データに基づいてレーザー光を発光し、当該発光したレーザー光を、画像形成部140の感光体ドラムに照射することにより、感光体ドラム上に静電潜像を形成する(露光工程)。
画像形成部140は、上記の露光工程に加え、露光工程前に行われる帯電工程、露光工程後に行われる現像工程、現像工程後の転写工程および転写工程後のクリーニング工程をそれぞれ実行するための構成を備えている。帯電工程では、画像形成部140は、帯電装置からのコロナ放電により、感光体ドラム表面を一様に帯電させる。現像工程では、画像形成部140は、現像装置内の現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム上の静電潜像に付着させることにより、感光体ドラム上にトナー像を形成する。
転写工程では、画像形成部140は、電圧印加部180から転写電圧が印加されることにより、感光体ドラム上のトナー像を、搬送部150により搬送された記録用紙に転写する。クリーニング工程では、画像形成部140は、ブラシ等のクリーニング装置を感光体ドラムに接触させることにより、転写工程後の感光体ドラムに残留しているトナーを除去する。
定着部160は、加熱ローラー、定着ローラー、定着ベルトおよび加圧ローラーを備える。加熱ローラーおよび定着ローラーは、所定の距離だけ離間して配置されている。加熱ローラーおよび定着ローラーの間には、定着ベルトが掛け渡されている。加圧ローラーは、定着ベルトと定着ローラーとが接触している領域において定着ベルトと圧接した状態で配置されている。定着ベルトと加圧ローラーとの圧接部には定着ニップが形成されている。定着部160は、定着ニップに導入された記録用紙上のトナー像に熱および圧力を加えること(加熱定着)により、トナー像を記録用紙に定着させる(定着工程)。この結果、記録用紙上には定着トナー像が形成される。定着部160により加熱定着された記録用紙は、画像形成装置100の外部に排出される。
温湿度センサー190は、画像形成装置100の内部、好ましくは後述の転写ベルト6近傍に配置されている。温湿度センサー190は、画像形成装置100内の温度および相対湿度を検出し、その検出信号を制御部200に出力する。
次に、画像形成部140付近の具体的な構成について図2を参照しながら説明する。図2において、1は像担持体として機能する感光体ドラムであり、この感光体ドラム1の回転方向(矢印方向)に沿って、帯電装置2、画像書込部135、現像装置4、記録用紙を転写領域に導く転写搬送路5、感光体ドラム1上に形成されたトナー像を記録用紙に転写する転写ベルト6、感光体ドラム1に残留しているトナーを除去するクリーニング装置7が設けられている。また、転写ベルト6の記録用紙搬送方向の下流には、定着部160が設けられ、記録用紙のトナー像を定着する。なお、転写ベルト6は、転写部材として機能する。
転写ベルト6には、厚さ0.5[mm]のクロロプレーンゴム等により構成される基材の表面に、コート層として厚さ3[μm]のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を施したものが用いられる。転写ベルト6は、所定の環境(温度:20[℃]、相対湿度:50[%]、電圧印加:500[V])下において、体積抵抗率が9.5[log(=109.5)Ω・cm]で、表面抵抗率が10.5[log(=1010.5)Ω/□]である。
転写ベルト6は、従動ローラー61、駆動ローラー62および他のローラーの間に張架され、感光体ドラム1の下方で、転写ベルト6の表面が感光体ドラム1の外周面の一部と接触するように配置されている。すなわち、転写ベルト6と感光体ドラム1との間において、転写領域としての転写ニップNPが形成される。記録用紙は、転写ニップNPにおいて転写ベルト6により感光体ドラム1に押圧されながら搬送される。
感光体ドラム1の外周面の一部と接触する転写ベルト6の内側には、転写ベルト6に対して転写電圧を印加可能なバックアップローラー63が配置されている。バックアップローラー63には、転写ベルト6に転写電圧を印加する電源としての電圧印可部180が接続される。制御部200は、所定の電流がバックアップローラー63から電圧印加部180に流れるように、電圧印可部180が印加すべき電圧を制御する。より詳細には、制御部200は、電圧印可部180とバックアップローラー63との間を流れる電流を電流計192にて検知し、この検知電流に基づいて電圧印可部180を制御する。転写ベルト6に転写電圧が印加されることによって、感光体ドラム1に接触中の記録用紙に、感光体ドラム1上の負極性のトナー像が転写される。制御部200は、電圧印可部180を制御することによって、電圧印可部180に流れる電流の値、および当該電流が流れるタイミングを切り換える。
記録用紙は、給紙カセット9に収納されており、給紙搬送路90を通って転写搬送路5に供給される。定着部160の下流には、ゲート91が設けられ、外部に記録用紙を排出する場合と両面複写のための両面搬送路92に用紙を給送する場合とで切り替えを行っている。両面搬送路92に入った記録用紙は、一旦、反転搬送路93に進み、ここで反転されて再給紙搬送路94から転写搬送路5に合流する。
次に、電圧印可部180に流れる電流の値、および当該電流が流れるタイミングを切り換える動作について図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、制御部200は、通常プリント時に、記録用紙の先端部近傍(A〜B)が転写ニップNPを通過する間、転写極性と逆極性(負極性)の電流I1(以下、先端電流という)が電圧印可部180に流れるように制御する。先端電流は、本発明の第1の電流に相当する。通常プリント時とは、転写ベルト6が所定の絶対湿度(例えば、1500[g/m3]、以下同じ)以上の環境に所定時間(例えば、5時間、以下同じ)以上放置されたことが制御部200によって検出されていないときを指す。図4(a)に示すように、通常プリント時における先端電流の値は−20[μA]である。
また、制御部200は、転写ベルト6が所定の絶対湿度以上の環境に所定時間以上放置されたことを検出した場合、その放置された時間(以下、放置時間という)および転写ベルト6の使用履歴に応じて、電圧印可部180に流れる先端電流の値を、通常プリント時における先端電流の値から補正する。
具体的には、図4(b)に示すように、転写ベルト6の使用履歴として画像形成装置100により過去までさかのぼって、その転写ベルト6でプリント処理された累計枚数(以下、プリント履歴という)が50万枚未満である場合、放置時間が5時間以上かつ20時間未満であるとき、制御部200は、電圧印可部180に流れる先端電流の値を(通常電流−10)[μA]に補正する。通常電流は、通常プリント時における先端電流の値、すなわち−20[μA]を指す。つまり、制御部200は、先端電流の値を−30[μA]に補正する。
また、プリント履歴が50万枚未満である場合、放置時間が20時間以上であるとき、制御部200は、電圧印可部180に流れる先端電流の値を(通常電流−20)[μA]、つまり−40[μA]に補正する。
また、プリント履歴が50万枚以上である場合、放置時間が5時間以上かつ20時間未満であるとき、制御部200は、電圧印可部180に流れる先端電流の値を(通常電流−15)[μA]、つまり−35[μA]に補正する。
また、プリント履歴が50万枚以上である場合、放置時間が20時間以上であるとき、制御部200は、電圧印可部180に流れる先端電流の値を(通常電流−30)[μA]、つまり−50[μA]に補正する。
放置時間が5時間未満である場合には、プリント履歴に関係なく、制御部200は、電圧印可部180に流れる先端電流の値を、通常電流の値である−20[μA]に設定する。
以上は、転写ベルト6のプリント履歴に応じて先端電流値を補正する制御例であるが、転写ベルト6のプリント履歴に応じて、転写極性(正極性)の電流(後述の転写電流)を印加するタイミングを変更する補正を行うことも可能である。具体的には、転写ベルト6のプリント履歴が多いほど、転写極性の電流を印加するタイミングを遅くすると良い。
以上のように、転写ベルト6が所定の湿度以上の環境に所定時間以上放置された場合、記録用紙の先端部近傍が転写ニップNPを通過する間、転写極性と逆極性の先端電流が流れるように制御される。これにより、記録用紙の先端部は、負極性に帯電され、負極性に帯電されている感光体ドラム1との間で反発する。よって、記録用紙の先端部における感光体ドラム1からの分離性能を向上させることができる。
また、電圧印可部180に流れる先端電流の値が、所定の湿度以上の環境における通常プリント時に流れる先端電流の絶対値より大きくなるように補正される。図3には、補正後の先端電流I1(−40[μA])が流れる様子を示している。これにより、転写ベルト6が高湿環境下に長時間放置されることによって、通常プリント時よりも転写ベルト6の抵抗が低下し、先端電流によって記録用紙の先端部に帯電される負電荷が拡散しやすい場合でも、記録用紙の先端部が多量の負電荷で帯電される。よって、記録用紙の先端部と感光体ドラム1との間で通常プリント時と同様の反発力が発生し、記録用紙の先端部における感光体ドラム1からの分離性能を向上させることができる。
また、プリント履歴が多くなるほど、先端電流の絶対値は大きく補正される。このように補正しているのは、プリント履歴が多くなると、転写ベルト6表面に汚れ(添加物)が付き、その添加物で吸湿が発生して、転写ベルト6の抵抗が小さくなってしまうからである。
なお、制御部200は、温湿度センサー190から出力された検出信号を参照し、転写ベルト6周囲の温度および相対湿度に基づいて絶対湿度を算出する。相対湿度ではなく絶対湿度を使用している理由は、同じ相対湿度でも温度が異なれば転写ベルト6の吸湿条件が変わり、すなわち転写ベルト6の抵抗変化量が異なり、先端電流の補正制御を行うべき環境であるか否かをより正しく判断するためである。
また、制御部200は、計時部204により計測された前回の画像形成装置100の電源オフ日時と、今回の画像形成装置100の電源オン日時との差分を算出することによって、転写ベルト6の放置時間を求める。なお、画像形成装置100が起動している場合にプリント処理が行われていない時間を転写ベルト6の放置時間として算出しても良い。
また、制御部200は、記憶部172に記憶されている各プリントジョブに対応するジョブ情報に含まれるプリント枚数を足し算することによって、今回の画像形成装置100の電源オン時からのプリント枚数を算出する。図4(b)に示す情報は、第1の補正情報として記憶部172に予め記憶されている。
本実施の形態では、電圧印可部180に流れる先端電流の値を、通常プリント時における先端電流の値から補正した後、所定枚数(例えば、200枚、以下同じ)のプリント処理が実施される度に、当該補正量を減らして通常プリント時における先端電流の値に戻す。例えば、プリント履歴が50万枚以上である場合、放置時間が20時間以上であるとき、制御部200は、電圧印可部180に流れる先端電流の値を−50[μA]に補正する。その後、所定枚数のプリントが実施される度に、先端電流の値を−35[μA]、通常電流の値である−20[μA]に順次戻す。
これは、図6に示すように、プリント処理が実施されるに従い、転写ベルト6周囲の温度が高くなり、すなわち転写ベルト6が除湿されて転写ベルト6の表面抵抗が高くなり、記録用紙の感光体ドラム1からの分離性能が回復するからである。図6は、高湿環境(温度:30[℃]、相対湿度:80[%])下において、放置時間が40時間である場合、プリント枚数に対する転写ベルト6の表面抵抗の変化を示す。
また、制御部200は、図3に示すように、記録用紙におけるB〜Cの範囲が転写ニップNPを通過する間、感光体ドラム1上のトナー像を記録用紙に転写する動作を開始するため、転写極性(正極性)の電流I2(以下、立ち上げ電流という)が、電圧印可部180に流れるように制御する。本実施の形態では、立ち上げ電流は+200[μA]である。立ち上げ電流は、本発明の第2の電流に相当する。
制御部200は、転写ベルト6周囲の絶対湿度に応じて立ち上げ電流が流れるタイミングを変更するように制御する。具体的には、制御部200は、図4(a)に示すように、絶対湿度が500未満である場合(低湿環境)、記録用紙の先端から2[mm]の位置が転写ニップNPを通過するタイミングで立ち上げ電流が流れるように制御する。また、制御部200は、絶対湿度が500以上かつ1000未満である場合(常湿環境)、記録用紙の先端から2[mm]の位置が転写ニップNPを通過するタイミングで立ち上げ電流が流れるように制御する。
また、制御部200は、絶対湿度が1000以上かつ1500未満である場合(高湿環境)、記録用紙の先端から3[mm]の位置が転写ニップNPを通過するタイミングで立ち上げ電流が流れるように制御する。また、制御部200は、絶対湿度が1500以上である場合、記録用紙の先端から5[mm]の位置が転写ニップNPを通過するタイミングで立ち上げ電流が流れるように制御する。なお、図4(a)に示す情報は、第1の立ち上げタイミング規定情報として記憶部172に予め記憶されている。
以上のように、転写ベルト6周囲の絶対湿度が所定値以上である場合、立ち上がり電流が流れるタイミングが、常湿環境下または低湿環境下におけるタイミングより遅くなるように制御される。先端電流から立ち上がり電流への移行が早いと、高湿環境下では転写ベルト6の抵抗が低下していることもあり、立ち上がり電流により記録用紙の画像領域近傍に帯電された正電荷が記録用紙の先端部側に拡散して先端部に帯電している負電荷と打ち消し合ってしまう。これは、記録用紙の先端部における感光体ドラム1からの分離性能が低下することにつながる。しかし、立ち上がり電流が流れるタイミングを遅くすることによって、正電荷の拡散を抑制し、記録用紙の先端部に帯電している負電荷の量が減らないようにして、記録用紙の先端部における分離性能の低下を防止することができる。図3には、立ち上がり電流が流れるタイミングが遅くなり、記録用紙におけるB′〜C′の範囲が転写ニップNPを通過する間に立ち上がり電流I2(+200[μA])が流れる様子を示している。ここで、立ち上げ電流I2を印加せず、先端電流I1の印加終了後すぐに、転写電流I3を印加することも可能である。この場合は、転写電流I3の印加タイミングを上記と同様に制御することで、同様の分離性向上効果が得られる。
また、制御部200は、図3に示すように、記録用紙におけるC′〜記録用紙の後端部近傍Dの範囲が転写ニップNPを通過する間、感光体ドラム1上のトナー像を記録用紙の画像領域に転写するため、正極性の電流I3(以下、転写電流という)が電圧印可部180に流れるように制御する。本実施の形態では、転写電流は+100[μA]である。
また、制御部200は、図3に示すように、通常プリント時に、記録用紙が転写ニップNPを通過していない間(D〜次の記録用紙のA)、転写極性と逆極性(負極性)の電流I4(以下、紙間電流という)が電圧印可部180に流れるように制御する。本実施の形態では、通常プリント時における紙間電流は−20[μA]である。なお、紙間電流は、各プリントジョブについて、転写ニップNPに1枚目の記録用紙が達していない場合にも、電圧印可部180に流れるように制御される。
また、制御部200は、転写ベルト6が所定の絶対湿度以上の環境に所定時間以上放置されたことを検出した場合、放置時間およびプリント履歴に応じて、電圧印可部180に流れる紙間電流の値を、通常プリント時における紙間電流の値から補正する。
具体的には、図4(b)に示すように、プリント履歴が50万枚未満である場合、放置時間が5時間以上かつ20時間未満であるとき、制御部200は、電圧印可部180に流れる紙間電流の値を(通常電流−5)[μA]に補正する。通常電流は、通常プリント時における紙間電流の値、すなわち−20[μA]を指す。つまり、制御部200は、紙間電流の値を−25[μA]に補正する。
また、プリント履歴が50万枚未満である場合、放置時間が20時間以上であるとき、制御部200は、電圧印加部180に流れる紙間電流の値を(通常電流−10)[μA]、つまり−30[μA]に補正する。
また、プリント履歴が50万枚以上である場合、放置時間が5時間以上かつ20時間未満であるとき、制御部200は、電圧印加部180に流れる紙間電流の値を(通常電流−10)[μA]、つまり−30[μA]に補正する。
また、プリント履歴が50万枚以上である場合、放置時間が20時間以上であるとき、制御部200は、電圧印加部180に流れる紙間電流の値を(通常電流−20)[μA]、つまり−40[μA]に補正する。
放置時間が5時間未満である場合には、プリント履歴に関係なく、制御部200は、電圧印加部180に流れる紙間電流の値を、通常電流の値である−20[μA]に設定する。
以上のように、記録用紙が転写ニップNPを通過していない間、転写極性と逆極性の紙間電流が電圧印加部180に流れるように制御される。これにより、感光体ドラム1上において、例えば記録用紙に転写されない画像安定化制御用のパッチが形成された場合、そのパッチが間違って転写ベルト6に転写されることを防止することができる。図3には、紙間電流I4(−20[μA])が流れる様子を示している。さらに、転写ベルト6が所定の湿度以上の環境に所定時間以上放置された場合、すなわち転写ベルト6の表面抵抗が小さくなり、転写極性と逆極性に帯電された電荷が拡散しやすい場合、プリント履歴、放置時間が大きいほど、紙間電流の絶対値が大きく補正される。これにより、転写ベルト6と感光体ドラム1との間で通常プリント時と同様の反発力が発生し、感光体ドラム1上に形成されたパッチが転写ベルト6に転写されることを防止することができる。
本実施の形態では、電圧印加部180に流れる紙間電流の値を、通常プリント時における紙間電流の値から補正した後、所定枚数のプリント処理が実施される度に、当該補正量を減らし、通常プリント時における紙間電流の値に戻す。例えば、プリント履歴が50万枚以上である場合、放置時間が20時間以上であるとき、制御部200は、電圧印加部180に流れる紙間電流の値を−40[μA]に補正する。その後、所定枚数のプリント処理が実施される度に、紙間電流の値を−30[μA]、通常電流の値である−20[μA]に順次戻す。
本実施の形態では、ユーザーが画像を記録用紙の先端から出力することを希望する場合、先端電流の極性を、転写電流と同じ正極性に切り換えることが可能である。以下の説明では、上記したように、先端電流が負極性である場合のモードを標準モード(本発明の第1のモードに相当)と称し、先端電流が正極性である場合のモードを先端画像出力優先モード(本発明の第2のモードに相当)と称する。ユーザーは、操作表示部120を介して、標準モードまたは先端画像出力優先モードを任意に選択することができる。先端画像出力優先モードでは、先端電流が負極性である標準モードと比べて記録用紙の分離性能が若干劣るものの、画像を記録用紙の先端から出力したいユーザーにとっては有効な設定となる。以下、先端画像出力優先モードが選択された場合に行われる具体的な処理について説明する。
図3に示すように、制御部200は、通常プリント時に、記録用紙の先端部近傍(A〜B)が転写ニップNPを通過する間、転写極性と同極性(正極性)の先端電流が電圧印加部180に流れるように制御する。この先端電流は、本発明の第5の電流に相当する。本実施の形態では、図5(a)に示すように、通常プリント時における先端電流の値は+20[μA]である。
また、制御部200は、転写ベルト6が所定の絶対湿度以上の環境に所定時間以上放置されたことを検出した場合、その放置時間およびプリント履歴に応じて、電圧印加部180に流れる先端電流の値を、通常プリント時における先端電流の値から補正する。
具体的には、図5(b)に示すように、プリント履歴が50万枚未満である場合、放置時間が5時間以上かつ20時間未満であるとき、制御部200は、電圧印加部180に流れる先端電流の値を(通常電流+10)[μA]に補正する。通常電流は、通常プリント時における先端電流の値、すなわち+20[μA]を指す。つまり、制御部200は、先端電流の値を+30[μA]に補正する。
また、プリント枚数が50万枚未満である場合、放置時間が20時間以上であるとき、制御部200は、電圧印加部180に流れる先端電流の値を(通常電流+20)[μA]、つまり+40[μA]に補正する。
また、プリント履歴が50万枚以上である場合、放置時間が5時間以上かつ20時間未満であるとき、制御部200は、電圧印加部180に流れる先端電流の値を(通常電流+15)[μA]、つまり+35[μA]に補正する。
また、プリント履歴が50万枚以上である場合、放置時間が20時間以上であるとき、制御部200は、電圧印加部180に流れる先端電流の値を(通常電流+30)[μA]、つまり+50[μA]に補正する。
放置時間が5時間未満である場合には、プリント履歴に関係なく、制御部200は、電圧印加部180に流れる先端電流の値を、通常電流の値である+20[μA]に設定する。なお、図5(b)に示す情報は、第2の補正情報として記憶部172に予め記憶されている。
以上のように、転写ベルト6が所定の湿度以上の環境に所定時間以上放置された場合、記録用紙の先端部近傍が転写ニップNPを通過する間、電圧印加部180に流れる先端電流の値が、所定の湿度以上の環境における通常プリント時に流れる先端電流の絶対値より大きくなるように補正される。これにより、転写ベルト6が高湿環境下に長時間放置されることによって、通常プリント時よりも転写ベルト6の抵抗が低下し、先端電流によって記録用紙の先端部に帯電される正電荷が拡散しやすい場合でも、記録用紙の先端部が多量の正電荷で帯電される。よって、記録用紙の先端部と感光体ドラム1上のトナーとの間で通常プリント時と同様の転写電界が発生し、記録用紙の先端部における転写性能を確保することができる。
また、プリント履歴が多くなるほど、先端電流の絶対値は大きく補正される。このように補正しているのは、プリント履歴が多くなると、転写ベルト6表面に汚れ(添加物)が付き、その添加物で吸湿が発生して、転写ベルト6の抵抗が小さくなってしまうからである。
本実施の形態では、電圧印加部180に流れる先端電流の値を、通常プリント時における先端電流の値から補正した後、所定枚数のプリント処理が実施される度に、当該補正量を減らし、通常プリント時における先端電流の値に戻す。例えば、プリント履歴が50万枚以上である場合、放置時間が20時間以上であるとき、制御部200は、電圧印加部180に流れる先端電流の値を+50[μA]に補正する。その後、所定枚数のプリントが実施される度に、先端電流の値を+35[μA]、通常電流の値である+20[μA]に順次戻す。
また、制御部200は、図3に示すように、記録用紙におけるB〜Cの範囲が転写ニップNPを通過する間、感光体ドラム1上のトナー像を記録用紙に転写する動作を開始するため、正極性の立ち上げ電流が、電圧印加部180に流れるように制御する。本実施の形態では、立ち上げ電流は+200[μA]である。
制御部200は、図5(a)に示すように、転写ベルト6周囲の絶対湿度に関係なく、記録用紙の先端から2[mm]の位置が転写ニップNPを通過するタイミングで立ち上げ電流が流れ始めるように制御する。つまり、転写ベルト6周囲の絶対湿度が所定値(例えば、1000)以上である場合(高湿環境)、先端画像出力優先モードにおける立ち上げ電流の流れるタイミングは、標準モードにおける立ち上げ電流の流れるタイミングより早く、これにより、先端画像出力優先モードにおける転写電流I3の流れるタイミングも、標準モードにおける転写電流I3の流れるタイミングよりも早くなる。これは、先端電流から立ち上がり電流への移行の際、極性の変化がないため、立ち上がり電流により記録用紙の画像領域近傍に帯電された正電荷が記録用紙の先端部側に拡散して先端部に帯電している正電荷と打ち消し合うことがないからである。なお、図5(a)に示す情報は、第2の立ち上げタイミング規定情報として記憶部172に予め記憶されている。
また、制御部200は、図3に示すように、記録用紙におけるC〜記録用紙の後端部近傍Dの範囲が転写ニップNPを通過する間、感光体ドラム1上のトナー像を記録用紙の画像領域に転写するため、転写電流が電圧印加部180に流れるように制御する。本実施の形態では、転写電流は+100[μA]である。
また、制御部200は、図3に示すように、通常プリント時に、記録用紙が転写ニップNPを通過していない間(D〜次の記録用紙のA)、転写極性と逆極性(負極性)の紙間電流が電圧印加部180に流れるように制御する。本実施の形態では、通常プリント時における紙間電流は−20[μA]である。なお、紙間電流は、各プリントジョブについて、転写ニップNPに1枚目の記録用紙が達していない場合にも、電圧印加部180に流れるように制御される。
また、制御部200は、転写ベルト6が所定の絶対湿度以上の環境に所定時間以上放置されたことを検出した場合、放置時間およびプリント履歴に応じて、電圧印加部180に流れる紙間電流の値を、通常プリント時における紙間電流の値から補正する。補正の方法は、標準モードにおける補正方法と同様であるため、説明を省略する。
図7は、本実施の形態における先端電流の補正動作例を示すフローチャートである。ステップS100の処理は、画像形成装置100が電源オンにされて起動することにより開始する。
まず、制御部200は、温湿度センサー190から出力された検出信号を参照し、転写ベルト6周囲の温度および相対湿度に基づいて絶対湿度を算出する(ステップS100)。次に、制御部200は、計時部204により計測された前回の画像形成装置100の電源オフ日時と、今回の画像形成装置100の電源オン日時との差分を算出することによって、転写ベルト6の放置時間を算出する(ステップS120)。
次に、制御部200は、ステップS120にて算出した放置時間が5時間以上であるか否かについて判定する(ステップS140)。もし、放置時間が5時間以上でないと制御部200にて判定された場合(ステップS140、NO)、画像形成装置100は図7における処理を終了する。
一方、放置時間が5時間以上であると判定された場合(ステップS140、YES)、制御部200は、ステップS100にて算出した絶対湿度が1500以上であるか否かについて判定する(ステップS160)。もし、絶対湿度が1500以上でないと制御部200にて判定された場合(ステップS160、NO)、画像形成装置100は図7における処理を終了する。
一方、絶対湿度が1500以上であると判定された場合(ステップS160、YES)、制御部200は、記憶部172に記憶されている、過去までさかのぼって各プリントジョブのプリント枚数を足し算することによって、プリント履歴を算出する(ステップS180)。次に、制御部200は、操作表示部120を介して、先端画像出力優先モードが選択されているか否かについて判定する(ステップS200)。
もし、先端画像出力優先モードが選択されていない(すなわち、標準モードが選択されている)と制御部200にて判定された場合(ステップS200、NO)、制御部200は、プリント履歴、放置時間および第1の補正情報に基づいて、先端電流の値および紙間電流の値をそれぞれ補正する(ステップS240)。ステップS240の処理が完了することによって、画像形成装置100は図7における処理を終了する。
一方、先端画像出力優先モードが選択されていると制御部200にて判定された場合(ステップS200、YES)、制御部200は、プリント履歴、放置時間および第2の補正情報に基づいて、先端電流の値および紙間電流の値をそれぞれ補正する(ステップS220)。ステップS220の処理が完了することによって、画像形成装置100は図7における処理を終了する。
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、トナー像を担持する回転可能な感光体ドラム1と、感光体ドラム1との間で転写ニップを形成する転写ベルト6と、転写ベルト6に電圧を印加する電圧印加部180と、電圧印加部180に所定の電流が流れるように制御する制御部200とを備える。制御部200は、転写ベルト6が所定の湿度以上の環境に所定時間以上放置されたことを検出した場合、記録用紙の搬送方向先端部が転写ニップを通過する間に転写極性と逆極性の先端電流が流れ、その後、電流の絶対値が感光体ドラム1上のトナー像を記録用紙に転写する際に電圧印加部180に流れる転写電流の絶対値より大きい転写極性の立ち上がり電流が流れ、その後、転写電流が流れ、立ち上がり電流が流れるタイミングが、所定の湿度未満の環境におけるタイミングより遅く、先端電流の絶対値が、所定の湿度以上の環境に所定時間以上放置されたことを検出しなかったときの絶対値より大きくなるように制御する。
このように構成した本実施の形態によれば、転写ベルト6が所定の湿度以上の環境に所定時間以上放置された場合、記録用紙の先端部近傍が転写ニップNPを通過する間、転写極性と逆極性の先端電流が流れるように制御される。これにより、記録用紙の先端部は、負極性に帯電され、負極性に帯電されている感光体ドラム1との間で反発する。よって、記録用紙の先端部における感光体ドラム1からの分離性能を向上させることができる。
また、電圧印加部180に流れる先端電流の値が、所定の湿度以上の環境における通常プリント時に流れる先端電流の絶対値より大きくなるように補正される。これにより、転写ベルト6が高湿環境下に長時間放置されることによって、通常プリント時よりも転写ベルト6の抵抗が低下し、先端電流によって記録用紙の先端部に帯電される負電荷が拡散しやすい場合でも、記録用紙の先端部が多量の負電荷で帯電される。よって、記録用紙の先端部と感光体ドラム1との間で通常プリント時と同様の反発力が発生し、記録用紙の先端部における感光体ドラム1からの分離性能を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、電圧印加部180に流れる各電流が所定値となるように制御する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各環境下における電圧印加部180の抵抗を示す情報を記憶部172に記憶しておき、当該情報と電圧印加部180に流す各電流の値とに基づいて印加すべき電圧を算出し、その算出した電圧をバックアップローラー63に印加するように制御しても良い。
また、上記実施の形態では、電圧印加部180に流れる先端電流の値を、通常プリント時における先端電流の値から補正した後、所定枚数のプリント処理が実施される度に、当該補正量を減らす例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、今回の画像形成装置100の電源オン時からの転写ベルト6のトータル走行時間が長くなるにしたがい、先端電流の補正量を減らしても良い。また、電圧印加部180に流れる紙間電流についても同様に、転写ベルト6のトータル走行時間が長くなるにしたがい、紙間電流の補正量を減らしても良い。
また、上記実施の形態では、プリント履歴に応じて、先端電流および紙間電流の補正量を変更する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、転写ベルト6の過去までさかのぼった使用履歴としてのトータル走行時間が長くなるにしたがい、先端電流および紙間電流の補正量を大きくしても良い。
また、上記実施の形態では、感光体ドラム1が本発明の像担持体として機能する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間転写ベルトが像担持体として機能するようにしても良い。また、本発明は、単色画像を形成するモノクロ画像形成装置、カラー画像を形成するカラー画像形成装置の何れに適用することができる。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
最後に、本発明者が行った、本発明の有効性を確認する実験の結果について説明する。実験では、画像形成装置100の電源オン直後、使用環境(温度および相対湿度)、放置時間、先端電流の値および立ち上げ電流が流れるタイミングを異ならせた各条件において、100枚のプリント処理を行い、記録用紙の感光体ドラム1からの分離性能を確認した。図8は、記録用紙の分離性能を下記評価基準により評価した結果を示す。なお、プリント処理では、坪量40[g/m2]の分離性能の悪い記録用紙を用いた。
(記録用紙の分離性能)
○:分離不良発生率が0[%]で分離性能は良好である
△:分離不良発生率が3[%]未満で分離性能は実用上問題とならないレベルである
×:分離不良発生率が3[%]以上で分離性能は実用上問題となるレベルである
図8に示すように、実施例1では、高湿環境下での長時間放置により、転写ベルト6の表面抵抗が低下し、感光体ドラム1からの記録用紙の分離性能確保が困難な状態である。そこで、先端電流を転写極性と逆極性とし、高湿環境下の通常プリント時における先端電流の値(−20[μA])よりも絶対値を大きく補正し、立ち上げ電流が流れるタイミングを所定の湿度未満の環境(常湿環境または低湿環境)におけるタイミング(2[mm])より遅い5[mm]とした。その結果、記録用紙の分離性能が良好となった。
ここで、立ち上げ電流が流れるタイミングは、高湿環境下であれば、放置時間に関係なく一定のタイミング(5[mm])であるが、所定時間以上放置された場合には、所定時間以上放置されていないときより遅いタイミング(例えば7[mm])に設定しても良い。この場合、記録用紙の分離性能が更に向上させることができる。また、立ち上げ電流は、高湿環境下において放置時間に関係なく一定の値(200[μA])であるが、所定時間以上放置された場合には、所定時間以上放置されていないときより大きい値(例えば250[μA])に設定しても良い。この場合、先端電流から転写電流への立ち上がりが遅くなることを確実に防止することができる。
比較例1では、実施例1よりも先端電流の絶対値が小さいため、分離性能は実用上問題となるレベルであった。また、比較例2では、実施例1よりも立ち上げ電流が流れるタイミングが遅いため、分離性能は実用上問題となるレベルであった。また、比較例3では、実施例1と比べて、先端電流が正極性でその絶対値が小さいため、分離性能は実用上問題となるレベルであった。
実施例2では、先端電流が正極性であるが、先端電流の絶対値を大きくしたため、分離不良の発生はあったが頻度は低い。なお、分離性能の良好な記録用紙を使用して記録用紙の先端から画像出力を希望するユーザー、または、分離性能がわずかに不良なレベルであれば記録用紙の先端から画像出力を優先するユーザーにとっては、実施例2の条件(先端電流、立ち上がり電流のタイミング)を選択することが可能である。
比較例4では、先端電流が0[μA]であるため、分離性能は実用上問題となるレベルであった。
実施例3では、高湿環境下での放置時間が3時間と短く、転写ベルト6の表面抵抗の低下量は小さいため、通常プリント時における先端電流の値(−20[μA])で記録用紙の分離性能は良好となった。
実施例4では、高湿環境下での放置時間が7時間で、転写ベルト6の抵抗の低下量も大きいが、通常プリント時よりも先端電流の絶対値を−20[μA]から−30[μA]へと大きく補正したため、記録用紙の分離性は良好となった。
実施例5では、高湿環境下での放置時間が25時間で、転写ベルト6の抵抗の低下量は非常に大きいが、通常プリント時よりも先端電流の絶対値を−20[μA]から−40[μA]へとさらに大きく補正したため、記録用紙の分離性能は良好となった。
比較例5では、高湿環境下での放置時間が7時間で、転写ベルト6の抵抗の低下量も大きいため、通常プリント時と同様に先端電流の値が−20[μA]では、分離性能は実用上問題となるレベルであった。また、比較例6では、高湿環境下での放置時間放置が25時間で、転写ベルト6の抵抗の低下量も非常に大きいため、通常プリント時の先端電流値に対する補正量が−10[μA]では不足し、分離性能は実用上問題となるレベルであった。
実施例6では、放置時間は長いが、相対湿度が比較的低めで絶対湿度が所定値(1500[g/m3])未満であるため、転写ベルト6の抵抗の低下量も小さく、記録用紙の分離性能は良好となった。
実施例7では、放置時間は長いが、温度が比較的低めで絶対湿度が所定値(1500[g/m3])未満であるため、転写ベルト6の表面抵抗の低下量も小さく、記録用紙の分離性能は良好となった。