JP2016114816A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート幅の小さいシートを用いて画像形成を行う場合であっても、コストをあまりかけずに安定した転写性を得つつ、トナーの大量消費を抑えることができる画像形成装置を提供する。【解決手段】感光体ドラム1に形成されたトナー像を転写ローラ5によりシートに転写して画像を形成する画像形成装置において、転写ローラ5に対し、シートと接触する領域以外の領域にトナーを付着させるトナー付着モードの実行を制御する制御手段を有し、前記制御手段は、搬送されるシートのシート搬送方向と直交する方向のシート幅とシートの電気抵抗値に応じて前記トナー付着モードを実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成する電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関する。
画像形成装置は、感光体ドラムに形成されたトナー像を転写ローラによってシートに転写して画像形成を行う。ここで、シートにトナー像を転写する際に転写ローラに印加する転写バイアスの制御方法として定電流制御を用いた場合、画像形成に用いるシートのサイズによって転写性が変化することがある。
例えば図8(a)に示す様に、画像形成に用いるシートのサイズが大きい場合、転写ローラ上ではシート搬送方向に直交するシート幅方向にシートが通紙されない領域(以下、非通紙領域という)が小さい。この場合に転写電流が例えば11μA流されると、転写電流はシート幅方向に例えば5等分した各領域に2.2μAずつ均等に流れ、トナー像を転写するために必要な電荷がシートに対して均等に供与される。なお、シートの各領域に2μAの電流が流れれば、トナー像を転写するために必要な電荷がシートに供与されたものとする。
一方、図8(b)に示す様に、画像形成に用いるシートのサイズが小さい場合、シートのシート搬送方向に直交する方向の幅(以下、シート幅という)と転写ローラのシート搬送方向に直交する方向の幅との間に大きな差があるため、転写ローラ上で非通紙領域が大きい。このように非通紙領域が大きい場合、転写バイアスを印加すると電流は転写ローラ上の非通紙領域であって転写ローラと感光体ドラムが直接接触する部分に選択的に流れ込む。これは、感光体ドラムの電気抵抗値(以下、単に抵抗値という)よりもシートの抵抗値の方が高いため、抵抗値の低い感光体ドラム方向に電流が流れ易いためである。このような場合に、例えば転写電流として11μAを流すと、感光体ドラムと転写ローラとが直接接触した接触部には多くの電流(例えば4μA)が流れ、抵抗値の高いシートの各領域に流れる電流は少なくなる(例えば1μA)。この場合、トナー像を転写するために必要な電荷がシートに十分に供与されず、トナー像を静電的にシートに保持する力が低下し、トナー像が乱れて転写不良を起こすおそれがある。
これに対して図8(c)に示す様に、転写ローラ上の非通紙領域が大きい場合であっても、転写電流を多く流すことで(例えば22μA)、転写ローラと感光体ドラムとの接触部に多くの電流が流れても(例えば8μA)、シートの各領域には2μAの電流が流れる。従って、トナー像を転写するために必要な電荷をシートに供与することができる。しかし、この場合には感光体ドラムの一部の領域に対して過剰な電荷付与を行うこととなる。このため、感光体ドラムの過剰電荷を付与された領域とその他の領域との間で電位差が生じてしまい、その電位差はすぐには解消されず、次の画像形成に用いるシートのサイズが大きい場合は画像形成の際にこれらの領域間で画像濃度差が発生するおそれがある。
さらに、高温低湿環境下で画像形成する場合や、シートの両面に画像形成する際にシートが定着器を通過して乾燥した後に裏面が画像形成される場合には、シートの抵抗値がさらに高くなる。従って、転写電流がシートではなく感光体ドラムに選択的に流れ込む傾向がより強まり、転写不良がより発生し易くなる。
そこで、このような転写不良を防ぐ方法が従来から提案されている。例えば特許文献1では、画像形成に用いられるシートのシート幅を検知し、このシート幅が所定より大きいときは転写バイアスを定電流制御し、シート幅が所定未満のときは定電圧制御する。このようにシート幅が所定未満の場合に定電圧制御することで、転写電流が過剰に感光体ドラムへ流れ込むことを防止することができる。また特許文献2では、転写ローラ上のシート非通紙領域に抵抗体としてのトナーを付着させ、トナーを付着させたままの状態で画像形成を実施する。これにより、転写ローラ上の通紙領域と非通紙領域との間で抵抗値の差が小さくなるため、転写電流が感光体ドラムへの流れ込むことを防止することができる。なお、この場合には画像形成処理後にクリーニング手段により転写ローラ上の抵抗体としてのトナーをクリーニングする。
特開平11−95579号公報 特開平9−325624号公報
しかしながら上記特許文献1の発明にあっては、定電圧制御用の電源と定電流制御用の電源の双方を備える必要があるため、装置のコストが高くなる。また、上記特許文献2の発明にあっては、シート幅が所定以下のシートを用いて画像形成を実施する度に転写ローラ上の非通紙領域にトナーを付着させるため、トナーを大量に消費してコストが高くなる。
そこで本発明の目的は、シート幅の小さいシートを用いて画像形成を行う場合であっても、安定した転写性を確保し、トナーの大量消費を抑え、かつ低コストの画像形成装置を提供することである。
この目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、像担持体に形成されたトナー像を転写部材によりシートに転写して画像を形成する画像形成装置において、前記転写部材に対し、シートと接触する領域以外の領域にトナーを付着させるトナー付着モードの実行を制御する制御手段を有し、前記制御手段は、搬送されるシートのシート搬送方向と直交する方向のシート幅とシートの電気抵抗値に応じて前記トナー付着モードを実行すること、を特徴とする。
本発明によれば、画像形成に用いられるシートのシート幅が小さい場合であって、転写電流が感光体ドラムに直接大量に流れ込むおそれがあるとき、転写部材のシートと接触する領域以外の領域に抵抗体としてのトナーを付着させてこれを防止する。これにより、転写電流が感光体ドラムに過剰に流れ込むことを防止することができ、安定した転写性を得ることができる。
また、画像形成に用いられるシートのシート幅が小さい場合であっても、シートの抵抗値が小さいために転写電流が感光体ドラムに過剰に流れ込まないときは、転写ローラ上の非通紙領域にトナーを付着させない。従って、必要なときにのみ抵抗体としてのトナーを転写部材のシートと接触する領域以外の領域に付着させるため、トナーの無駄遣いをなくしてトナーの大量消費を防止することができる。
また、これらを定電流制御のみで実施できるため、定電流制御用の電源と定電圧制御用の電源の双方を備える必要がなく、装置の製造コストを抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の断面概略図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御の概略を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の画像形成時の制御を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御時の閾値を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御時の閾値を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における画像形成時の制御を説明するフローチャートである。 本発明に係る従来技術を説明する図である。
(第1実施形態)
<画像形成装置>
以下、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置Aの全体構成を画像形成動作とともに図面を参照しながら説明する。
図1に示す様に、画像形成装置Aは画像被形成媒体であるシートにトナー像を転写する画像形成部と、画像形成部へシートを供給するシート給送部と、シートにトナー像を定着する定着部と、を備えている。
画像形成部は、感光体ドラム1(像担持体)、帯電ローラ2、レーザスキャナユニット3、現像装置4、転写ローラ5(転写部材)、クリーニングブレード7などを備えている。
画像形成に際しては、図2に示すCPU201(制御手段)がプリント信号を発すると、給送ローラ9及び搬送ローラ8によってシート積載部10に積載収納されたシートが画像形成部に送り出される。
一方、画像形成部においては、高圧電源(不図示)から帯電ローラ2に対して帯電バイアスが印加されることにより、帯電ローラ2と接触する感光体ドラム1の表面が帯電させられる。そして、レーザスキャナユニット3が、内部に備える光源(不図示)からレーザ光を出射し、レーザ光を感光体ドラム1上に照射する。これにより、感光体ドラム1の電位が部分的に低下して画像情報に応じた静電潜像が感光体ドラム1の表面上に形成される。
現像領域においては、現像スリーブに現像バイアスが印加されることにより、感光体ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像が形成される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、感光体ドラム1と、感光体ドラム1に接触する転写ローラ5との間に形成された転写ニップ部に送り込まれる。トナー像が転写ニップ部に到着すると、転写ローラ5にトナーと逆極性の転写バイアスが印加されてトナー像がシートに転写される。なお、本実施形態において転写ローラ5はアスカーC硬度が20度〜40度のウレタンローラとして説明するが、イオン導電性ローラや電子導電タイプのローラでもよい。
その後、トナー像が転写されたシートは定着装置11に送られ、加熱・加圧されてトナー像がシートに定着される。その後、シートは排出ローラ12によって搬送されて排出部に排出される。
<制御部>
次に、本実施形態に係る画像形成装置Aの制御部の構成について図を用いて説明する。
図2に示す様に、制御部はCPU201を備えている。また、CPU201には温湿度センサ202、シート幅検知センサ206(シート幅検知手段)、シート坪量検知センサ207(シート厚検知手段)、メモリ203などが接続されている。シート幅検知センサ206はユーザーが指定するシートのサイズ情報、例えばレターサイズ、A4、B5などの定型サイズ情報をメモリ203に格納する。また、シート坪量検知センサ207はユーザーが指定するシートの坪量情報、例えば薄紙、普通紙、厚紙などの定型坪量情報をメモリ203に格納する。これらのサイズ情報や定型坪量情報は画像形成前に操作パネル(不図示)上からユーザーが設定する。
また、転写ローラ5は転写高圧電源204と接続されており、CPU201の指示に応じて転写バイアスが印加される。この転写バイアスは、温湿度センサ202で検知された温湿度に基づいて定電流制御されており、感光体ドラム1の方向に流れる電流が一定になるように制御されている。また、印加した転写バイアス値は、転写電圧検知回路205が転写バイアス印加時の電圧を検知することにより検知される。
<トナー付着モード>
次に、本実施形態に係る画像形成装置Aの画像形成時の制御について、図を用いて詳しく説明する。
本実施形態に係る画像形成装置Aは、画像形成に用いるシートのシート幅が小さい場合であって、かつ後述する所定の場合に転写ローラ5の非通紙領域にトナーを付着する。この理由は、転写ローラ5上の通紙領域と非通紙領域との抵抗値の差を小さくして転写に必要な電荷をシートに供給するためである。
ここで、例えばシートの各領域に1.5μAの電流を流せば転写に必要な電荷をシートに供給することができる前提とする。そうすると、図3(a)に示す様に、抵抗値の低いシートを用いるときは、通紙領域と非通紙領域との抵抗値の差が小さいため、転写ローラ5上の非通紙領域にトナーを付着させなくても1.67μAの電流がシートの各領域に流れるため、転写に必要な電荷が供給される。一方、図3(b)に示す様に、抵抗値の高いシートを用いるときは、通紙領域と非通紙領域との抵抗値の差が大きい。従って、転写ローラ5上の非通紙領域に抵抗体としてのトナーを付着させなければ、抵抗値の低い転写ローラ5と感光体ドラム1とが直接接触した接触部に電流が多く流れ(例えば4μA)、シートの各領域には少ない電流(例えば1μA)しか流れない。従って、図3(c)に示す様に、抵抗値の高いシートを用いるときは抵抗体としてのトナーを非通紙領域に付着させる。これにより、通紙領域と非通紙領域との抵抗値の差が小さくなり、これらの各領域に均等に電流が流れるため(例えば2.2μA)、初めて転写に必要な電流である1.5μA以上の電流がシートに流れる。
そこで本実施形態に係る画像形成装置Aは、画像形成に用いるシートのシート幅が小さいとき、シートの抵抗値を検知する(シート抵抗値検知手段)。そして、シートの抵抗値が所定以上で転写ローラ5上のシートと接触する領域以外の領域である非通紙領域にトナーを付着させる必要がある場合にのみ、トナーを付着させるトナー付着モードを実行する。以下、具体的な制御方法について説明する。
図4のフローチャートに示す様に、まず画像形成指示がCPU201から出されると画像形成に用いられるシートのサイズ情報を検知する(S1)。その後、このサイズ情報が予め設定された所定サイズよりも大きいか、それとも所定以下かを判断する(S2)。ここで、本実施形態において所定サイズとはB5サイズをいうものとする。従って、本工程においては、画像形成に用いられるシートのサイズがB5サイズより大きいか、或いはB5サイズ以下かを判断する。
次に、画像形成に用いられるシートのサイズがB5サイズより大きい場合、通常通りの画像形成処理が行われる(S50)。この場合には、転写ローラ5上で非通紙領域が小さく、転写バイアスが感光体ドラム1に過剰に流れ込まない。従って、トナー像を転写するために必要な電荷がシートに対して均等に供与されるため、転写ローラ5上の非通紙領域にトナーを付着させる必要がないからである。
一方、サイズ情報としてシートのサイズがB5サイズ以下と判断したときは、次のステップとしてシートの抵抗値を検知する。
検知方法としては、本実施形態では画像形成処理前であってシートが転写ローラ5上にない時に、転写ローラ5に転写バイアスを印加し、転写電圧検知回路205で電圧値V0を検知して記憶する(S3)。次に、画像形成処理を開始し(S4)、シートが搬送されて転写ローラ5上にきた時に、転写ローラ5に転写バイアスを印加して転写電圧検知回路205で電圧値V1を検知して記憶する(S5)。その後、メモリ203に記憶された電圧値V1と電圧値V0との差分の電圧値ΔV(以下、差分電圧値ΔVという)を算出する(S6)。ここで、本実施形態に係る画像形成装置Aは、上記通り転写バイアスを定電流制御している。従って、この差分電圧値ΔVとシートの抵抗値とは比例関係にある。従って、シートの抵抗値はこの差分電圧値ΔVに基づいて判断され、この差分電圧値ΔVを参照して後の処理を行う。
次に、ユーザーが要求した枚数の画像形成処理が完了しているか否かを判断する(S7)。ここで、既に要求された枚数の画像形成処理が完了している場合、画像形成処理を終了する。一方、未だ要求された枚数の画像形成処理が完了していない場合、次のステップとして算出された差分電圧値ΔVが予め設定されている閾値以上か、或いはその閾値未満かを判断する(S8)。
ここで、算出された差分電圧値ΔVが予め設定されている閾値未満の場合には、残りの画像形成処理は特別な処理を行わず通常の画像形成処理を行う(S50)。これは、算出された差分電圧値ΔVの値が低いということは、シートの抵抗値が低いことを意味する。従って、転写バイアスを印加しても感光体ドラム1に電流が過剰に流れ込まず、トナー像を転写するために必要な電荷がシートに対して均等に供与される。このため、転写ローラ5上の非通紙領域に抵抗体としてのトナーを付着させる必要がないからである。
一方、算出された差分抵抗値ΔVが予め設定されている閾値以上の場合には、シートの抵抗値が高いことを意味する。この場合、転写バイアスを印加すると電流が感光体ドラムに過剰に流れこむおそれがある。従って、この場合には転写ローラ5に対し、転写ローラ5のシート搬送方向に直交する方向の幅と、画像形成に用いられるシートのシート搬送方向に直交する方向の幅の差分領域に、抵抗体としてのトナーを付着させるトナー付着モードを実行する(S9)。
この方法としては、感光体ドラム1上の当該差分領域に対応する領域に、レーザスキャナユニット3からレーザ光を照射する。これにより、感光体ドラム1上で当該差分領域に対応する領域の電位が部分的に低下して静電潜像が感光体ドラム1の表面上に形成される。次に、現像スリーブに現像バイアスが印加されることでこの静電潜像にトナーを付着させてトナー像が形成される。その後、転写ローラ5にトナーと逆極性の転写バイアスを印加し、トナー像を転写ローラ5に付着させる。
その後、転写ローラ5にトナーと逆極性の転写バイアスを印加し続けた状態で、残りの画像形成処理を行う(S50)。
これにより、転写ローラ5上の通紙領域と非通紙領域との抵抗値の差が小さくなるため、転写バイアスの印加時に電流が感光体ドラム1に過剰に流れ込むことを防止することができる。このため、トナー像を転写するために必要な電荷がシートに十分に供与され、安定した転写性を確保できる。また、画像形成に用いられるシートのシート幅が小さい場合に一律に抵抗体としてのトナーを付着させるのではなく、安定した転写性を確保するために必要な場合にのみトナーを付着させる。このため、トナーの消費量を削減することができ、コストを低減することができる。
また、上記制御は定電流制御のみで実施できるため、定電流制御用の電源と定電圧制御用の電源の双方を備える必要がなく、装置の製造コストを抑制できる。
なお図5に示す様に、このシートの差分電圧値ΔVの閾値を画像形成に用いられるシートのシート幅が大きくなるにつれて当該閾値を高くすることで、転写ローラ5上に抵抗体としてのトナーを付着する必要があるか否かをより正確に判断することができる。これは、画像形成に用いられるシートのシート幅が大きくなるにつれて、転写ローラ5上の非通紙領域が小さくなる。従って、シートの抵抗値が同じ前提とすると、シートのシート幅が大きくなるにつれて電流が感光体ドラム1に流れ込む量は相対的に少なくなる。このため、シート幅が大きくなるにつれて、シートの抵抗値が高くてもトナー像を転写するために必要な電価がシートに供給されるようになるからである。
従って、本実施形態に係る画像形成装置Aは、シートがB5サイズの場合にはシート幅は148.5mmであり、このときの閾値を345Vとする。他方、シート幅が220mmのときは、当該閾値をB5サイズのシートに対して画像形成する時よりも高い値である500Vとする。このように画像形成に用いられるシートのシート幅が大きくなるにつれて当該閾値を高くすることで、転写ローラ5上に抵抗体としてのトナーを付着する必要があるか否かをより正確に判断することが可能となる。このため、無駄なトナー消費を抑えてコストの削減することができる。
また、差分電圧値ΔVの閾値を複数設定し、差分電圧値ΔVが大きくなるにつれて転写ローラ5上に付着させる抵抗体としてのトナーの量を段階的に多くする制御とすることも可能である。例えば図6に示す様に、当該閾値を閾値Aと閾値Bとで2つ設定する。そして、1つ目の閾値Aを超えるとシートが中抵抗紙であると判断して所定量のトナーを付着する。また、差分電圧値ΔVが2つ目の閾値Bを超えると、シートが高抵抗紙である判断して中抵抗紙と判断したときよりも多いトナーを付着させる。このように制御することで、転写ローラ5上に抵抗体として付着させるトナーの量を、安定した転写性を確保するために必要最低限の量とすることができる。従って、トナーの消費量をより削減することができ、コストを低減することができる。
(第2実施形態)
次に本発明に係る画像形成装置Aの第2実施形態について図を用いて説明する。上記第1実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る画像形成装置Aは、画像形成に用いられるシートのサイズ情報とシートの紙種、例えばシートの厚みに応じて転写ローラ5上の非通紙領域にトナーを付着させるか否かを判断する。画像形成に用いられるシートの電気抵抗率が同じ前提とすると、シートの厚みと電気抵抗値は比例関係にある。従って、本実施形態に係る画像形成装置Aは、シートの厚み情報からシートの電気抵抗値を予測し、非通紙領域にトナーを付着させる必要があるか否かを判断する。
図7のフローチャートに示す様に、まずはCPU201から画像形成指示がなされると、ユーザーが設定したシートのサイズ情報、例えばレターサイズ、A5、B4などの情報を検知してメモリ203に記憶する(S101)。その後、CPU201はメモリ203に記憶されたシートのサイズ情報が、予め設定された所定サイズよりも大きいか、それとも所定以下かを判断する(S102)。ここで、本実施形態において所定サイズとはA5サイズをいうものとする。従って、本工程においては、画像形成に用いられるシートのサイズがA5サイズより大きいか、或いはA5サイズ以下かを判断する。
次に、画像形成に用いられるシートのサイズがA5サイズより大きい場合、通常通りの画像形成処理が行われる(S150)。この場合には、転写ローラ5上で非通紙領域が小さく、転写バイアスが感光体ドラム1に過剰に流れ込まない。従って、トナー像を転写するために必要な電荷がシートに対して均等に供与されるため、転写ローラ5上の非通紙領域にトナーを付着させる必要がないからである。
一方、画像形成に用いられるシートのサイズがA5サイズ以下と判断した場合、本実施形態に係る画像形成装置Aは次のステップとして、薄紙や厚紙などのシートの坪量情報をシート坪量検知センサ207により検知してメモリ203に記憶する(S103)。その後、シートの坪量が予め設定された所定の坪量以上か、それとも所定坪量未満かを判断する(S104)。ここで、本実施形態においてはユーザーが設定可能な定型坪量情報として、薄紙、普通紙、及び厚紙があるものとし、所定の坪量とは普通紙をいうものとする。従って本工程においては、画像形成に用いられるシートの坪量が薄紙か、或いは普通紙以上かを判断する。
ここで、シートが薄紙であると判断した場合には、特別な処理を行わずに通常通りの画像形成処理を行う(S150)。これは、上記通りシートの厚みと電気抵抗値が比例関係にあるため、シートが厚紙のときに比べて薄紙のときはシートの抵抗値が低いと予測される。従って、転写バイアスを印加しても感光体ドラム1に電流が過剰に流れ込まず、トナー像を転写するために必要な電荷がシートに対して均等に供与されると考えられる。このため、転写ローラ5上の非通紙領域に抵抗体としてのトナーを付着させる必要がないからである。
一方、シートの坪量が普通紙以上と判断した場合、シートの抵抗値が高いと予測されるため、転写バイアスを印加すると電流が感光体ドラムに過剰に流れこむおそれがある。従って、転写ローラ5に対し、転写ローラ5のシート搬送方向に直交する方向の幅と画像形成に用いられるシートのシート幅との差分領域に、抵抗体としてのトナーを付着させるトナー付着モードを実行する(S105)。
その後、転写ローラ5上の当該差分領域に抵抗体としてのトナーが付着された状態で画像形成処理を実行する。これにより、転写ローラ5上の通紙領域と非通紙領域との電気抵抗値の差が小さくなるため、転写バイアスの印加時に電流が感光体ドラム1に過剰に流れ込むことを防止することができる。このため、トナー像を転写するために必要な電荷がシートに十分に供与され、安定した転写性を得ることができる。
また、画像形成に用いられるシートのシート幅が小さい場合に一律に抵抗体としてのトナーを付着させるのではなく、安定した転写性を確保するために必要な場合にのみトナーを付着させる。トナーの消費量を削減することができ、コストを低減することができる。
また、上記制御は定電流制御のみで実施できるため、定電流制御用の電源と定電圧制御用の電源の双方を備える必要がなく、装置の製造コストを抑制できる。
なお、上記制御においてはシートの厚みの情報を基にトナー付着モードを実行するか否かを判断した。しかしこれに限らず、シートの紙種情報のうち、厚み情報以外の情報からトナー付着モードを実行するか否かを判断することも可能である。例えば、ユーザーが操作パネルからシートの材質情報を指定し、電気抵抗値が高いプラスチックシートの場合にはトナー付着モードを実行し、普通紙の場合にはトナー付着モードを実行しない制御とすることもできる。
また、環境に応じてシートの電気抵抗値も変化する。例えば、画像形成装置Aの湿度が上昇すると、装置内のシートに含まれる水分量は増加し、シートの電気抵抗値は小さくなる。従って、上記のステップ103・104において、シートの厚み情報ではなく、画像形成装置Aの環境情報を温湿度センサ202により検知し、この検知結果からシートの電気抵抗値を予測して、トナー付着モードを実行するか否かを決定する制御とすることも可能である。具体的には、温湿度センサ202による検知の結果、湿度が所定以上のときはトナー付着モードを実行せずに画像形成処理を行う。他方、湿度が所定より低いときは、トナー付着モードを実行した上で画像形成処理を行う。
このような制御を行うことにより、厚み情報を基にトナー付着モードを実行するか否かを決定した上記の制御と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においても第1実施形態と同様に、シート幅に応じて閾値を変更することや、紙種或いは環境を検知し、これらの情報から予測されるシートの抵抗値の値に応じてトナーの付着量を調整する制御とすることも可能である。これにより、トナー消費をより抑え、コストの削減をすることができる。
さらに、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせることも可能である。すなわち、差分電圧値ΔVの検知前にはシートの紙種又は環境、つまりシートの厚み、シートの材質、或いは画像形成装置Aの湿度に応じて転写ローラ5上の非通紙領域にトナーを付着させ、差分電圧値ΔVの検知後は差分電圧値ΔVが閾値を超えたときにトナーを付着させる制御とすることもできる。これにより、シートの抵抗値を検知する前であっても感光体ドラムへ電流が過剰に流れ込むことを防止することができる。また、差分電圧値ΔVの検知後は、転写ローラ5上にトナーを付着させる必要がある場合をより正確に判断することができるため、トナー消費量を削減してコストを低減することができる。この場合にもシート幅に応じて閾値を変更することや、シートの抵抗値の値に応じてトナーの付着量を調整することができ、それによって上記同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては感光体ドラム1と転写ローラ5とが接触する転写ローラ方式の画像形成装置Aについて説明した。しかしこれに限らず、中間転写ベルト(中間転写体)方式の画像形成装置Aであっても、転写ローラ5上の非通紙領域にトナー付着させる同様の制御をすることにより上記同様の効果を得ることが可能である。
1…感光体ドラム
2…帯電ローラ
3…レーザスキャナユニット
4…現像装置
5…転写ローラ
7…クリーニングブレード
8…搬送ローラ
9…給送ローラ
10…シート積載部
11…定着装置
12…排出ローラ
201…CPU
202…温湿度センサ
203…メモリ
204…転写高圧電源
205…転写電圧検知回路
206…シート幅検知センサ
207…シート坪量検知センサ
A…画像形成装置

Claims (8)

  1. 像担持体に形成されたトナー像を転写部材によりシートに転写して画像を形成する画像形成装置において、
    前記転写部材に対し、シートと接触する領域以外の領域にトナーを付着させるトナー付着モードの実行を制御する制御手段を有し、
    前記制御手段は、搬送されるシートのシート搬送方向と直交する方向のシート幅とシートの電気抵抗値に応じて前記トナー付着モードを実行すること、を特徴とする画像形成装置。
  2. 前記シートの電気抵抗値は、シートの紙種又は環境により判断すること、を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 画像形成に際して搬送されるシートの前記シート幅が所定以下であって、前記シートの電気抵抗値が閾値以上のときは前記トナー付着モードを実行すること、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記閾値は、搬送されるシートの前記シート幅が大きくなるにつれて高い値になること、を特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記シートの電気抵抗値を検知するシート抵抗値検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記シート抵抗値検知手段により検知されたシートの電気抵抗値が大きくなるにつれて、前記トナー付着モードの実行により付着させるトナーの付着量を多くすること、を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記シートの紙種としてシートの厚みを検知するシート厚検知手段と、
    シートの前記シート幅を検知するシート幅検知手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    画像形成に際して搬送されるシートの前記シート幅が所定以下であって、シートの厚みが所定以上のときは前記トナー付着モードを実行すること、を特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  7. 前記シート厚検知手段を有し、
    前記制御手段は、搬送されるシートの前記シート幅が所定以下の場合に、
    搬送されるシートの電気抵抗値をシート抵抗値検知手段により検知する前は、搬送されるシートの厚みが所定以上のときに前記トナー付着モードを実行し、
    搬送されるシートの電気抵抗値をシート抵抗値検知手段により検知した後は、シートの電気抵抗値が閾値以上のときに前記トナー付着モードを実行すること、を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記転写部材は、前記像担持体に接触するか、又は中間転写体に接触する転写ローラであること、を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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