JP5947794B2 - 顕微鏡用標本作製のための方法及び装置 - Google Patents

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Description

(関連する出願の相互参照)
この出願は、2010年8月2日に出願された米国仮出願第61/36913号からの優先権を求め、これに開示された事項は、全ての目的において、参照することにより全体としてここに組み込まれる。
この発明は、概して、光学及び電子顕微鏡による分析のための試料を取り扱い調製するために用いられる器具及び方法を対象とするものであり、前記光学及び電子顕微鏡には、特に、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、及び光学顕微鏡(LM)が含まれる。
光学顕微鏡(LM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、及びその他の機器は、非常に多くの科学技術分野において、多種多様の合成物質及び生物由来物質の超微細構造を理解するために広く用いられている。例えば、光学顕微鏡検査の試料は、動物及び植物の異なる器官の発達を特定するための研究に用いられる。さらに、光学顕微鏡検査の試料の一つの主な使用方法として、病気が疑われる組織の生体検査試料の病理組織学的検査に使用することがある。TEMは、生体試料、冶金試料、及びその他の多くの種類の物質を観察するのに用いられる。TEM画像は、物体の原子構造を調べるのに用いることができ、例えば、金属疲労の領域を特定することができ、そして細胞の分子構造及び超微細構造を視覚化することができる。このような画像は解像度を0.1nmまで下げることができる。SEMは、標的/試料の画像を創出するために電子を用いる点において、TEMと同様である。しかしながら、SEMの解像度は分子レベルである(例えば、100nm〜5μm)。SEMはバルク材を画像化することができるため、より大きな試料を画像化するのに用いることができる。また、SEMを用いれば、薄片にしたり切片にしたりできない試料であっても画像化することができる。
顕微鏡検査に用いられる試験物体は、試験される物質の種類や使用される顕微鏡法の種類に応じて、多様な方法により調製される。生物由来物質の場合、電子顕微鏡で試験を行い、そして副次的に解像度を向上させ又は画像化を可能とするには、当該物質の構造を保存するために特別の取り扱いをする必要がある。
SEM及びTEMの器具は、いずれも、真空中で(空気又はその他の気体がない状態で、又は部分的にない状態で)画像化を行う。生物由来物質は典型的には50から95%が水分であるため、これらの物質を真空中に直接的に置くと、水分が蒸発して、試料が壊れてしまう。それ故に、SEM及びTEMの試料は、いずれも、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、及び四酸化オスミウムのような化学物質により構造を強化した後、水分を除去する。
画像化に用いられる電子が試料に"伝搬され"又は通り抜けるようにするために、TEM試料はとても薄くなくてはならない(典型的には約40から100nm)。試料をそのような薄い切片に切り出すために、水分はプラスチック樹脂により置換され、当該プラスチック樹脂はそこで硬化する。このプラスチックにより、ウルトラミクロトームという装置を用いてとても薄くスライスされる試料がを支持されている。
光学顕微鏡の試料(とりわけ生物由来のもの)もまた、多くの場合、薄片にされる。これは、断面を観察するためや、光子(光)が試料を透過するようにするためである。TEMの場合と同様に、LMの切片もまた、薄片にするときに試料を支持するために埋め込みが行われる。しかしながら、LMの場合は、一般的により柔らかいプラスチックが埋め込み材料として用いられる点が、異なる。埋め込み材料としては、パラフィンワックスや、氷をより柔らかくすることを可能とするための追加材料により凍結する単なる水が用いられる。これらは薄片をよりよく支持し、凍結時における氷晶の破損を減らす。
SEMの試料はバルクの状態でも画像化できるが、つまり薄い切片になるようにスライスしなくてもよいが、多くの試料においては、内部構造を観察する等のために、いくつかの薄片又は断面があることが望ましい。これらの試料が生物由来のものである場合には、大抵、SEMの真空下で画像化するときに構造を強化しておくために、そして望まれるときに断面を得るために、TEM試料のときと同様の化学的処理の多くを行うことが必要となる。
試料がLMにより観察されようと、TEMにより観察されようと、そしてSEMにより観察されようと、いずれにしても、多くの試料についての断面の空間的定位は、所望の構造情報を取得するに際してとても重要となる。とりわけ、なるべく多くの薄い切片の試料を画像化するTEM及びLMにおいては、顕微鏡使用者は、断面の切片が所望の位置で得られるように、プラスチック樹脂又はその他の包埋媒質の中に試料を正しい位置に置くように努める。その後、これらの切片は、(LMの)顕微鏡スライド又は(TEMの)TEMグリッドの上に置かれて、これらの薄い断面により画像化が促進される。
多くの顕微鏡試料においては、薄い断面切片の取得を必要とすることなく画像化される。とはいえ、特定の位置においては断面を取得することが望まれる。このことはSEMの画像化において最も一般的であるが、しばしば他の種類の顕微分析においても望まれる。このような画像化においては、SEMの場合と同様に、試料は一般的にプラスチック樹脂の中に埋め込まれるわけではないが、とはいえ、構造を保存する固着力のある化学物質、脱水するための溶媒を用いた流体処理により調製される。そしてそれから一般的には溶媒から空気乾燥され、又は臨界点乾燥される。もう一つの方法として凍結乾燥させる方法があるが、この方法をとった場合においても一般的には試料はまず固定剤により保存される。
試料が薄片にされるTEMにおいては、適切な方向性を取得するための標準処理は、以下のようなものである。始めに、固定化し、脱水し、樹脂を染み込ませた試料が載置し又は横たえれ、樹脂で満たされた平らな埋め込み型の中に入れられる。そしてその後、硬化させるために前記型がオーブンの中に入れられる。これらの平らな埋め込み型は、一般的にはシリコーンゴムで作られた浅いウェルであり、当該ウェルは試料を適切な位置に固定又は保持しておくための手段を持たない。それ故に、樹脂の固化を行っている間に、試料が動いてしまうことがよくある。そのため、所望の位置とするために、硬化樹脂に埋め込まれた試料を切り出し、その後、他の樹脂の断片に接着することが一般的に必要となる。もちろん、これは時間を浪費する余分な過程である。さらに、固定化し、脱水し、樹脂を染み込ませた試料の場合、望ましい向きを決めるのが困難である。これは、固定化の過程により、典型的には裸眼で観察した場合、又は準備施設で用いられる解剖顕微鏡を通じて観察した場合でさえも、組織サンプルの全ての領域の見え方が同じとなるからである。例えば、TEMにおいて一般的に用いられる四酸化オスミウム又は過マンガン酸カリウム固定剤は、一般的に、全ての試料を同じ統一された黒色にする。これは、新鮮組織、部分的に固定化した組織、又は染色した組織の場合とは異なる。したがって、適切な向きを得ることは通常は不可能であり、そのような訳で、試料の薄片をTEMで観察するまでは、通常は決定されないのである。
試料が薄切されるLMにおいては、適切な向きを得るための一般的な処理は、固定化し、脱水し、及び/又はパラフィンを染み込ませた試料を、溶解パラフィンで満たされた平らな埋め込み型の中に配置し又は横たえるという処理である。単にパラフィンが溶解するまで当該パラフィンを温めることにより、パラフィンの中に埋め込まれた試料を再度位置決めすることが容易にできるが、これは未だに時間を費やすステップである。さらに、固定化し、脱水し、パラフィンを染み込ませた試料の場合、一般的に、望ましい向きを決めるのが困難である。これは、固定化の過程により、裸眼で観察した場合又は解剖顕微鏡で観察した場合の、組織サンプルの全ての領域の見え方が同じとなるからである。したがって、適切な向きを得ることは通常は不可能であり、そのような訳で、試料の薄片をLMで観察するまでは、通常は決定されないのである。
試料をいくつかの方向から観察する必要のあるSEMでは、適切な方向を得るための標準的な方法というものは実際にはない。唯一の方法は、試料を解剖顕微鏡で観察して所望の方向に搭載する、という方法である。これは通常、試料が固定化され、脱水され、そして臨界点乾燥法により乾燥され、又は固定化され、脱水されそして溶媒から空気乾燥され、又は固定化されて凍結乾燥され、又、そうでなければ、SEMの真空下で構造を維持するように処理された後の生物組織において、行われる。これらのいずれかの固定化及び調製法方により調製された多くの試料においては、裸眼で観察したとき、又は準備施設で使用される解剖顕微鏡で観察したとき、全ての又はほとんどの組織領域は、同じに見える。したがって、適切な方向性を得ることは通常は不可能であり、そのような訳で、試料をSEMで観察するまでは、通常は向きは決定されないのである。
ウィリアムソンらは、米国特許第7,179,424号において、組織サンプルを取り扱い保持するためのカセットを開示している。当該カセットは、特に組織学の研究所において、LMのための処理時に用いられる。この組織カセットは、隙間を創るのに用いられる可動のペグを有し、前記隙間は薄切のために組織を所望の位置で保持することができる。これらにより、化学的処理に先立って位置決めしておくことが可能となる。しかしながら、他の同様の組織カセットと同じく、ウィリアムソンによって開示されたカセットは、大きな体積のデッドスペースを含み、またサンプルを視覚的に検査することが困難であった。これらのカセットは、約1mm又はそれよりも小さいサイズの試料に用いるのには適切ではなかった。この大きさは、TEMにおいて、また時にはLMにおいても典型的に必要となるサイズである。さらに、これらのカセットはTEM用の試料を調製するのには大きすぎ、また、TEM又はSEM用の多くの試料を処理するのには細すぎかつ大きすぎる。これは、これらは臨界点乾燥機及び凍結乾燥機のようなものには適合しないからである。
したがって、適切に位置決めした試料を調製することができ、処理を通じてこのような位置決めを可視化することができ、新鮮組織又は調節を可能とするために組織構造が識別されるときには着色した組織を用いて位置決めを行うことができ、調製処理時に試料の位置を変更することができ、そして少しの追加のステップにより或いは追加のステップなしで、TEM、LM及びSEMに適した形態の試料を完全に調製することができる、低コストの装置及び方法が望まれていた。
顕微分析の試料を調製するための従来型の装置及び方法を改善することが望まれている。
顕微分析の試料を調製するための装置及び方法及びシステムについて、開示している。前記装置は、低コストのカプセルを備える。当該カプセルは、置換ピペットに取り付けることができ、そうすることにより前記カプセルを所望の試薬で満たして、顕微分析のための試料を調製することができる。このカプセルの中には、試料を適切な位置に迅速にそして容易に搭載することを可能とする機構が設けられている。その機構においては、処理の過程を通じて位置が可視化され、調製処理時に試料の位置を変更することができる。そして、少しの追加のステップにより、或いは追加のステップなしで、TEM、LM及びSEMに適した形態の試料を完全に調製することができる。
明細書に組み込まれ、当該明細書の一部を構成する添付の図面は、発明のいくつかの態様を示すものである。そして、明細書と共に、発明の原理を説明する役目を果たす。図面の簡単な説明を、以下に示す。
図1から4は、発明の一つの実施形態の概要図であり、主たる構成要素を示している。一つは、試料を保持するカプセルであり(断面図で示してある)、スペシマンホルダーマイクロ‐ピペット(Specimen Holder Micro−pipette;SHMP)と呼ばれる。もう一つは、SHMPインサートであり、これは試料を保持するためにSHMPカプセルの中に配置される(上面図及び側面断面図で示してある)。そしてもう一つは、SHMP挿入用具であり、これは、前記カプセルの中に前記インサートの位置決めに用いられる。
図1は、本開示に係るカプセルの側面断面図である。
図2は、本開示に係るインサートの上面図であり、これは図1の前記カプセルと共に用いられる。
図3は、図2の前記インサートの側面図である。
図4は、本開示に係る用具の側面図である。これは、図1の前記カプセルの中に、図2の前記メッシュインサートを挿入するためのものである。
図5は、本開示に係る一連のステップの線図である。すなわち、図1の前記カプセルの中に分析のための試料を配置し、そして図4の前記用具を用いて、前記カプセルの中に図2の前記インサートを位置決めし、そして前記カプセルの中に試料を固定する、という一連のステップである。
図6から9は、発明の一つの実施形態の概要図であり、前記SHMPの断面図を示してあり、また当該SHMPの上面図及び底面図の両方を示してある。
図6は、図1の前記カプセルの上面図である。
図7は、図1の前記カプセルの底面図である。
図8は、図1の前記カプセルの側面断面図である。
図9は、図8の前記カプセルの側面斜視図であり、その中には図2の前記インサートが位置決めされている。
図10から16は、本開示に係る一つの実施形態の概要図であり、図2の前記インサートをより詳細に示している。
図10は、図2の前記インサートの第一の斜視図である。
図11は、図2の前記インサートの第二の斜視図である。
図12は、図2の前記インサートの断面斜視図である。
図13は、図2の前記インサートの上面図である。
図14は、図2の前記インサートの底面図である。
図15は、図2の前記インサートの側面断面図である。
図16は、図2の前記インサートの側面断面図であり、当該インサートの中央部に全体にわたって形成されているスリットは、曲げられて開くことができることを示している。
図17及び18は、本開示に係る挿入用具の第二の実施形態の要素を示す概要図である。当該挿入用具は、インサートを位置づけ、前記カプセルの中に配置された前記インサートを曲げるためのものである。
図17は、本開示に係る第二の実施形態の挿入用具の外側部を示す側面斜視図である。
図18は、本開示に係る第二の実施形態の挿入用具の内側拡散部を示す側面斜視図である。当該内側部は、前記外側部の中に嵌まり込むように構成されている。
図19から21は、本開示に係る一つの実施形態の概要図であり、図17及び18の前記用具に保持された図2のインサートをいくつかの方向から見た様子を示している。
図19は、図1の前記カプセルの中に図2のインサートを位置決めするのに備えて、当該インサートを保持している状態の図17及び18の前記用具を示す側面斜視図である。
図20は、図19に示すように前記用具に保持された前記インサートの、より近づいた状態の斜視図である。
図21は、図19に示すように前記用具に保持された前記インサートの、断面斜視図である。
図22から24は、本開示に係る前記カプセル及びインサートの一つの実施形態の概要図であり、前記インサートは、様々な試料に適合するように、異なる位置及び方向に配置することができることを示している。各図には、一側に沿って指標が示してある。これは、分析のための試料を調製するときに試料を浸す必要がある、前記カプセルの中における液面レベルを示している。
図22は、前記カプセル及びインサートの側面断面図であり、前記カプセルの中には、前記インサートと共に第一の試料が配置されている。
図23は、前記カプセル及びインサートの側面断面図であり、前記カプセルの中には、前記インサートと共に第二の試料が配置されている。
図24は、前記カプセル及びインサートの側面断面図であり、前記カプセルの中には、前記インサートと共に第三の試料が配置されている。
図25は、本開示に係る一連のステップの線図である。すなわち、図1の前記カプセルの中に分析のための第一の試料を配置し、そして図17及び18の前記用具を用いて、前記カプセルの中に図2の前記インサートを位置決めし、前記カプセルの中に試料を固定する、という一連のステップである。
図26は、本開示に係る一連のステップの線図である。すなわち、図1の前記カプセルの中に分析のための異なる形の試料を配置し、そして図17及び18の前記用具を用いて、前記カプセルの中に図2の前記インサートを位置決めし、前記拡散用具を用いて前記インサートの前記スリットを開き試料を受け入れ保持させて、前記カプセルの中に試料を固定する、という一連のステップである。
図27は、図25に示すように前記インサートにより保持された、異なる形の試料を示している。前記インサート及び試料は、図1の前記カプセルの中に配置されている。
図28は、本開示に係る一連のステップの線図であり、器具を示してある。当該器具は、試料を前記インサートの前記スリットの中に配置するための、図17及び18の前記用具の拡散機能の利用の助けとなる。
図29は、発明の一つの実施形態の概要図であり、レバーを用いて拡散機能を可能とする器具を示している。
図30は、発明の一つの実施形態の斜視図であり、これには図29に示すレバー作動拡散機能が組み込まれている。
図31から33は、本開示に係る実施形態の略図であり、複数のカプセルを互いに積み重ねて、一つのピペッターに結合させることができることを示している。
図31は、ピペッターの側面断面図であり、当該ピペッターには、当該ピペッターの先端と直接的に隣り合う空のカプセルが取り付けられる。そして、当該空のカプセルには、試料を搭載した追加のカプセルが取り付けられる。
図32は、前記ピペッターの側面断面図であり、当該ピペッターには、当該ピペッターと隣り合うフィルターが搭載されたカプセルが取り付けられる。そして、当該フィルターカプセルには、試料を搭載した追加のカプセルが取り付けられる。
図33は、異なる基準に対応した第二のピペッターの側面断面図であり、当該第二のピペッターには、当該第二のピペッターと隣り合うフィルターが搭載されたアダプターカプセルが取り付けられる。そして、当該アダプターフィルターカプセルには、試料を搭載した追加のカプセルが取り付けられる。
図34から36は、棒状の試料に用いるための、本開示に係る図2の前記インサートの改造について示している。
図34は、図2の前記インサートの上面図であり、当該インサートの隣りには、斜視図で示した棒状の試料が配置されている。
図35は、図2の前記インサートの上面図であり、その前記スリットには、棒状の試料を受け止めるための切り取り部分が形成される。
図36は、図35の前記インサートの側面図であり、その前記切り取り部分及びスリットの中には棒状の試料が配置され、そして本開示に従ったカプセルの中への配置のために準備される。
図37は、図2の前記インサートの側面断面図であり、その隙間には試料が配置されている。そして、前記インサートは、画像化及び/又は分析のために、カプセルの外において土台の上に載せられている。
図38は、ラックの一部のイメージである。当該ラックは、本開示に係る複数のカプセルを保持するためのものであり、また、複数のカプセルが同時に処理されるようにするために、前記カプセルの第二の開口端をシールするためのものである。
図39は、本開示に係るカプセルのイメージであり、当該カプセルは埋め込みプラスチックにより満たされ、図38に示す前記ブロックに保持された前記カプセルと共に保存される。このため、前記カプセル内に含まれている可能性のある試料と、当該カプセルを追跡するための指標が当該カプセルの一部として含まれる。
図40は、本開示に係るカプセルの側面線図であり、当該カプセルは、薄切のためにミクロトームの中に配置されている。
図41は、本開示に係る複数のカプセルのイメージである。当該複数のカプセルは、当該カプセルの中の試料を同時処理するために、マルチプルチップピペッターに取り付けられる。
本開示は、TEM試料、LM試料、SEM試料、及びいくつかの他のタイプの試料の処理及び取り扱いを促進するための、装置及びシステムを示すものである。また、これは組織培養を含む顕微鏡検査に対しても適用し得る。
本発明が説明されるのに先立って、この開示は、ここで示された特定の手順、プロトコル、及び試薬に限定されるものではなく、これらは変更し得ると理解される。また、ここで使用されている専門用語は、特定の実施形態を説明することを目的として使用しているに過ぎず、本開示の範囲を制限することを意図したものではないと理解されるべきである。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって制限される。
ここで及び添付の特許請求の範囲において、単数形の"一つの"や、"その"及び"前記"が使用されている場合、文脈において明らかに別なふうに指示されている場合を除き、複数への言及を含むことに留意するべきである。したがって、例えば、"一つの細胞"と言った場合、複数のこのような細胞や、当業者に知られているこれとの同等物や、その他のものも含まれる。同様に、"一つの"、"一つ又はそれ以上の"、及び"少なくとも一つの"という用語は、ここではほとんど同じ意味で使用することができる。また、"備える"、"含む"、及び"有する"という用語は、ほとんど同じ意味で使用することができることに、留意すべきである。
別なふうに定義されている場合を除き、ここで使用されている全ての技術的及び科学的な用語は、この開示が属する分野における通常の知識を有するものが一般的に理解するのと同じ意味を有する。本開示の実行又は試験においては、ここで示した方法及び材料と同様のもの又は同等物のあらゆるものを用いることができるが、ここでは好適な方法及び材料について説明する。刊行物に報告された化学物質、細胞株、サンプル調製方法、動物、器具、統計分析及び手順を説明し開示するために、ここで言及された全ての刊行物は参照することによりここに組み込まれるものであり、これらは刊行物により公表されており、により公表されものであり、これら刊行物は当該開示と関連して使用してもよいものである。ここにおいて、先行技術の利点により、当該開示の優位を否定するものではない。
本開示は、顕微分析に用いられるサンプル又は試料を調製するための装置、方法、及びシステムを提供する。前記装置には容器が含まれるものとすることができ、当該容器は置換ピペットに取り付けることができる。置換ピペットに取り付けることにより、前記容器を所望の試薬で満たして、透過電子顕微鏡法のような顕微分析に用いられるサンプルを調製することができる。他の実施形態においては、前記サンプルは光学顕微鏡試料とすることができる。さらに他の実施形態においては、前記サンプルは走査電子顕微鏡法による分析に用いられる試料とすることができる。そして、さらに他の実施形態においては、前記装置により、組織培養や器官培養のような顕微鏡検査に関係ない適用例の試料を保持してもよい。
図1〜4は本発明の一実施形態の概要図であり、前記システムの主たる三つの構成要素を示している。すなわち、一つは、カプセル100であり、これは処理される試料を含み又は保持するのに用いることができる。ここで、このカプセル100を試料保持用マイクロピペット(Specimen Holder Micro−pipette;SHMP)カプセルと称する。二つ目は、SHMPインサート102であり、これは試薬を保持するためにSHMPカプセル100の中に配置することができる。そして三つ目は、SHMP挿入用具104であり、これはカプセル100の中の適当な位置にインサート102を置くのに用いることができる。カプセル100には第一の開口端110が含まれるものとすることができる。当該第一の開口端110は、前記カプセルの中に定義される容器112の中へのアクセスを可能としている。第二の反対側の端114には一つ又はそれ以上の開口部118が含まれるものとすることができる。当該第二の反対側の端114は、試料が前記容器の中において底部116の中央に置かれている状態となるように促すことができるような形状に作られている。前記底部116は、前記カプセルの中の前記容器について定義されている。容器112は内壁108もまた含むものとすることができる。
インサート102には、大体円周状の基部120と、当該基部の開口中心を横断するように広がる膜122と、が含まれるものとすることができる。当該膜122には、当該膜122を貫通するように伸びている一つ又はそれ以上の開口部124が設けられている。複数のツメ126が前記基部から外側へ延出しているものとすることができる。これらのツメ126は、前記インサートを前記容器の中に配置するために設けられているものであり、前記容器の内壁と係合する。
挿入用具104は、複数のアーム132を有するインサート係合端130を有するものとすることができる。この複数のアーム132は、開口134の中にインサート102を開放可能に係合するものである。好ましくは、ツメ126は各アーム132の外壁136よりも外側に延出する。このように構成することにより、前記ツメは前記容器の内壁108に嵌まり込むこととなり、前記挿入用具を引き出すとともに、前記インサートは前記容器の中に固定して残しておくことができ、前記インサートを前記容器の中に保持することができる。
図5は、本開示の前記装置の動作の一つの実行可能な基本的手順を示している。試料106はSHMPカプセル100の中に置くことができる。SHMPインサート102は挿入用具104のインサート係合端130に装着することができる。インサート102を装着した挿入用具104は、SHMPカプセル100の容器112の中に滑り込ませることができる。インサート102のツメが容器112の内壁108に係合して、前記インサートを前記容器内に固定することができる。インサート102は、回転により、挿入用具104から開放される。そしてその後、試料106を底116及び第二の端114と隣り合う位置に保持するように、インサート102をカプセル100内の適切な位置に取り残して、用具104を前記容器の中から取り去ることができる。
図6から8は、SHMPカプセルの断面図の他に、SHMPカプセルの上面図及び底面図として、前記カプセル100の一実施形態を示している。前記カプセル100の前記第二の端114には、一つ又はそれ以上の孔又は開口部118が形成されているものとすることができる。この孔又は開口部118は、好ましくは保持される試料よりも小さいが、ただし、SHMPカプセルの内外への流体の自由な流れを妨げる程には小さくないサイズとすることができる。最も一般的な電子顕微鏡の試料のために用いる場合は、前記孔又は開口部118は好ましくは直径が200−300umの間である。細胞のような試料のために用いる場合には、前記孔118は約5−10umぐらいに小さいものとすることができる。前記SHMPカプセルの第二の端114及び底116の形状は、当該底の頂点で異なる形の試料のセンタリングを促進するように、楔状、テーパー状、又は曲線状とすることができる。置換ピペッターを受け止めることができるようにするために、前記容器の第一の端110と隣り合う上部140はテーパー状又はその他の形状であって、内側にテーパー状であってもよい。前記容器の前記壁108の内側の下部は、好ましくは略平行な側面を持つものとすることができる。そのため、前記インサートは、前記カプセルの中の、底116の上や、当該底116からやや離れた位置等の、あらゆる位置に配置することができる。前記SHMPカプセルの第二の端114と隣り合う下部の外側142は、前記上部140の内側と、又は標準的なピペットチップと、結合できるように、テーパー状とすることができる。図9に示してあるのは、本開示に係るカプセルの第二の実施形態200の断面斜視図であり、容器112の中にインサート102が配置されている。
図10から16は、SHMPインサート102をより詳細に示す開示に係る一実施形態の概要図を示している。上面図はツメ126を示しているが、当該ツメ126がSHMPカプセル100の前記容器の内壁108を押すことにより、前記インサートが前記容器の中に摩擦によりぴったりと嵌まり込むようになっている。また、前記ツメは、インサート102が挿入用具104に嵌まり込むに際して助けとなり、そうすることによって前記インサートを前記カプセルの中に置き、位置決めすることができる。前記インサートには、膜122に流体が流れ込むようにするための孔又は開口部124が設けられているものとすることができる。そしてこれらの孔は、前記SHMP底に設けられているものと同様の大きさとすることができる。すなわち、多くの試料においては、約200−300umの大きさとすることができる。ツメ126は、基部120から約200−300um延出しているものとすることもできる。このような構成とすることにより、ほとんどの試料を保持しておくのに十分な程小さな開口を確保しながらも、カプセル100の前記容器の中において前記インサートの周りに流体が流れるようにすることができる。フランジの数は好ましくは小さいほうがよく、この実施形態に示すように例えば4つとすることができるが、これに限定されるものではない。このように構成することにより、SHMPカプセルを樹脂で満たして、当該樹脂で満たしたカプセルを薄切するためにミクロトームチャックで把持した場合、相当な量の樹脂が前記インサートの周りに広がるので、当該インサートには、試料を保持するために用いられる樹脂が薄い箇所が生じ難い。
インサート102には、好ましくはスリット144が含まれるものとすることができる。このように構成することにより、前記膜122が(図16に示すように)屈曲されて開くこととすることができる。膜122は、好ましくは弾性変形可能な材料により構成することができる。このように構成することにより、前記スリットが屈曲されて開くことにより、当該スリットの中に試料を挿入することが可能となる。前記インサートはその後リラックス状態に戻すことができ、そうすることにより試料を挟持し、当該試料を前記インサートにしっかりと固定することができる。また、膜122は薄いので、ユーザーが膜122を切ることにより、様々な大きさの試料を挟持するのに適切なクランプ又は開口を作製することができる。このことに関しては、以降で図35において説明する。
図17及び18は、外側又は挿入部150、及び、内側又は拡散部160の、二つの要素を示している。これらは、挿入用具104の異なる実施形態を構成している。外側部150は、概して中空管151状であり、フランジ又はアーム132付きのインサート係合端130が設けられている。アーム132の間に定義された開口138の中に、ツメ126を係合し保持することによりインサート102を保持することができるように、前記フランジ又はアーム132の形が形成されている。外側部150の外径は、好ましくは、SHMPカプセル100の容器112の中の壁108により定義された内径に近似する。このような構成により、前記外側部が前記SHMPの中に挿入された場合、前記外側部は前記SHMPカプセルの容器の中で中心に置かれ、平行にされる。外側部150の内径は、好ましくは、前記インサートの基部から外側に延出するツメ126の分を差し引いたものの径よりも僅かに大きい。インサート係合端130の反対側である第二の開口端136は、中空管151の中に内側部160を挿入するための経路を提供することができる。インサート102をカプセル100の中に位置決めすることのみが望まれており、前記インサートがたわんでスリット144が開くことは必要ないときには、外側部150を単独で挿入用具として用いることができる点に留意すべきである。
内側又は拡散部160は、好ましくは外側部150の内径よりも僅かに小さい外径を有する。このような構成により、前記内側部は前記外側部の中に自由に滑り込むことができ、その中心に保たれる。内側部の先端162は、好ましくは、外側部150により保持されたインサートと係合するに及ぶことができるような形とされる。内側部160の先端162が前記インサートを押したとき、インサート102の膜122がたわんでスリット144のところで分離し、前記スリットが開いてそこに試料を挿入することが可能となる。
図19は、外側部150のインサート係合端130に保持されたインサート102を示している。開口138から延出したツメ126が示されているが、これは前記インサートを前記外側部に保持するためのものである。図20は、インサート係合端130の中にある前記インサートの拡大図である。図21においては、拡散又は内側部160は外側部150の中に位置しており、上方に上がるように位置している。このため、先端162はインサート102の膜122と噛み合い、スリット144が開く。
図22から24は、SHMPインサート102はカプセル100の容器112の中の異なる位置に位置決めでき、そうすることにより異なる大きさ及び形の試料106、206、306に適合させることができることを示している。前記インサートは、図24に示すように、長い試料に適合させるために「上下逆」に配置することもできる。異なる大きさの試料のそれぞれにつき、カプセルに隣接する測定器が設けられていて、当該測定器は、前記容器で試料を十分に処理するためにカプセルを満たすのに必要な流体の深さDを示す。インサートを用いて試料を保持して、当該試料を前記カプセルの底の方に向かせることにより、試料を処理するために必要な流体の量は、試料の大きさに応じて最小限に保つことができる。
図25は、本開示に従って、カプセルの前記容器の中に試料106を位置決めするのに用いられる過程を示している。この過程に従うことにより、試料は適切に正しい位置に置かれる。この概要図は、多様なステップを横断面図で示している。本開示に係る装置及び方法は、多種多様の形及び大きさの試料をカプセルの中に位置決めし、そして処理及び分析のために望ましい正しい位置に置くことを可能とする点に、留意されたい。図25の方法又は過程は実例の一つに過ぎず、本開示に従って試料を位置決めし、正しい位置に置くための一つの取り得る方法を示すことを意図したものである。ステップ1では、挿入用具104の中にSHMPインサート102を配置し、係合させる。(内側部又は拡散部がこれらの一連のもので示されているが、その拡散機能は利用されていない。)膜122は水平な位置に保持され、適切な試料を適切な正しい位置に置くことを容易としている。(図では(挿入表面として機能する)膜122は"上向き"に置かれているが、長い試料や、そうでなければインサートのこの位置でより適切に保持することのできる試料に適合するために、膜122を"下向き"に置くことも可能である(上の記述及び図24参照)。(ステップ2及び3で示すように)前記膜の上でちょうどバランスよく配置することのできる試料もある。しかし一方で、前記膜の上に一時的に又は恒久的に接着させる必要がある試料もある。試料を膜に接着させるためには、例えば、表面張力を用いて試料を保持するための、水、緩衝溶液、グリセロール溶液の小滴を用いたり、低い溶融温度の寒天液を用いたり、試料を保持しその後当該試料を続いて適切な化学処理で分解できるシアノアクリレートのような糊を用いたり、試料及び処理の化学的・物理的性質に適切なその他の糊を用いたりすることができる。一旦試料が前記膜の上に置かれたら、それから前記インサートの上にSHMPカプセルがスライドして被せられて(ステップ4)、試料がSHMP底116(SHMPは上下逆さとなっている)の内側と前記インサートとの間にそっと封入された状態とされる。それからSHMPを回転することにより(ステップ5−6)前記インサートを前記挿入用具から開放して、試料とインサートが中に入れられた状態のSHMPカプセルを除去することができる。その後、試料とインサートが中に入れられた状態のSHMPカプセルは、顕微鏡検査のために処理することができる。
図26は、インサート102のスリット144を開けて前記インサートに試料を挿入し、当該試料を挟持し又は捕らえることを可能とするための、挿入用具104の使い方を示している。すなわち、試料をSHMPカプセルの中の適切で正しい場所に置くために取り得る方法は、種々あるが、その中の一つを示している。図26では、いくつかのステップを横断面図で示している。この動作態様では、適切な試料406とは挟持するのに適した試料である。ステップ1では、挿入用具104の中にSHMPインサート102を配置し係合する。ステップ2では、膜122は水平位置に保持されて、適切な試料を適切で正しい位置に挿入することを可能とするように、容易にアクセスできるようにしている。その後、ステップ3では、挿入用具104の内側部又は拡散部160が外側部150に対して"上へ"動かされる。(或いは、前記外側部が前記内側部に対して"下へ"動かされるものとすることもできる。)この動作が原因で、内側部160の先端162によってインサート102の膜144の裏面に押圧力が及ぼされ、そしてそれにより前記膜上のスリット144が分離される。その後、試料が前記スリットの中に所望の深さまで挿入される(ステップ4)。それから、前記外側部の前記内側部に対する位置は、ステップ2のときと反対となる。このとき(ステップ5)、試料は前記インサートにより保持されている。図25に示すように、SHMPカプセルを前記インサートに被せてスライドさせ、前記SHMPカプセルに前記資料を付け、また、前記SHMPカプセルを前記挿入用具に対して回転させて、前記インサートを前記挿入用具から分離することにより、前記試料を前記挿入用具から外しても良い。
図27は、長い試料406をインサート102の中に挿入する際の望ましい方向及び位置を、そしてカプセル100の中における前記インサートの中の位置を示している。これは、長い試料を取り扱い、分析部分を前記カプセルの端に近接する位置に配置するための手段を示している。図は、試料のうちの、一般的に分析されることが意図されていないかなりの割合を占める部分は、前記カプセルの端とインサート102の間には配置されないことを示している。
図28は、インサート102の中に試料406を捕らえてカプセル100の中に前記インサートを位置決めするための一連のステップを示し、また、拡散機能を可能とするための器具186を示している。内側又は拡散部160は土台180に取り付けられているものとすることができる。当該土台180は前記内側部を概して垂直に支持している。それから、前記外側部は前記内側部に対してスライドすることができる。インサートは前記外側部に係合することができる。図25に示すように、試料をSHMPカプセルの中に投入するために、試料を前記インサート上に配置することができる(図25参照)。試料挟持機能を利用するために、図26に示すように、前記挿入用具の外側部150はその後、指182又は適切な用具で前記外側部を持つことにより、下方へと押される。一旦試料406が前記インサートの中の又は当該インサートの上の適切な位置に配置されたら、前記挿入用具はもはやそれ以上下方へと押されない。こうして、前記インサートの挟持機能を保証している。それから、SHMPカプセルは、前記インサートの上をスライドされて試料が適切な深さとなるようにされ、前記インサートを開放するために回転され、そしてその後処理のために除去される。
図29は、挿入用具104の拡散機能を可能にするための器具又はシステム190の概要図を示している。当該挿入用具104は、レバー197を用いて挿入用具スプレッダー160に押し上げ力を付与するものである。この実施形態においては、挿入用具の外側部150はクランプ195を用いて動かないように保持されているものとすることができる。土台192は器具190の頑丈な下部要素を成し、この土台192には第二の土台194を支持する上向き部材193が設けられている。第二の土台194は土台192の垂直上方に間隔を置いて設けられる。そして、レバーアーム197の動作に従って、内側又は拡散部160が挿入用具104の外側部150の中を上下にスライドする。レバー197の第一の端198は挿入用具104の前記内側部と連動するように構成されている一方、レバー197の第二の反対側の端199は押し下げ力を付与して前記内側部を上方へ押し上げるように促すための部位を備える。点線は、レバーが前記拡散内側部と連動しない位置に配置されている状態を示す一方、実線はレバーが拡散機能に関与しているときの状態を示す。
上方土台196の上方試料処理表面191は、試料の処理及び係合を容易なものとするように構成することができる。好ましくは、挿入用具104のインサート係合端152は土台196の開口189を通して伸びている。このような構成により、前記挿入用具に保持されるインサート102を表面191に近い位置に配置することができる。また、開口189は好適な大きさとされるので、一旦試料がインサート102のスリット144に保持されると、カプセル100が前記インサート及び当該インサートを位置決めするための前記挿入用具の上に配置され、試料が前記カプセルの中に配置される。それから、カプセルを回転させることにより、前記インサートが挿入用具104との係合から開放され、器具190から前記カプセル、インサート、及び試料を除去することが可能となる。
図30は、本開示に従った第一の実施形態210を示しており、これは図29に示したレバー動作拡散機能を具現化することができるものである。この器具210は、顕微鏡使用者が処理し、処理のためにSHMPカプセルの中に試料を挿入するための便利なワークステーションを提供するものである。示されたレバー動作拡散機構は、試料処理表面SPS212の下に隠されている。ただし、挿入用具104のインサート102と係合する部分と、同じく前記インサートと係合する前記内側部の前記先端と、はこの限りではない。使い勝手がよい動作を可能とするために、前記拡散内側部と連動するレバー197は、器具210の前部に配置されるものとすることができる。挿入用具機構はワークステーション器具210の中心に配置されているものとすることができるので、適切な実体顕微鏡又は解剖顕微鏡を用いることで容易に、そして都合よく見ることができる。挿入用具は、試料‐処理表面の平面よりも僅かに上方に配置されている。そのため、試料の調製(例えば薄切)は、挿入用具に係合された前記インサートの上又は中に試料を配置する際の面とほとんど同じ光軸面で行われる。ワークステーションの両側に調整可能な脚214が設けられているので、ワークステーションをほとんどの実体顕微鏡の基部にまたがるように配置することが可能である。望まれるように、広く間隔を開けた脚は、ワークステーションを実体顕微鏡の基部を避けて通すことを可能とし、これにより、試料処理表面SPSの異なる部分を見ることが可能となる。当該試料処理表面SPSは、好ましくは平面であり、ポリプロピレン、ポリエチレン、又は他の材料により作られている。これにより、水又は緩衝液を吸収せず、そして洗浄が容易なような、試料を薄切するための適切な表面が提供される。表面に設けられたウェルは、緩衝液又は水又は他の流体に漬けられた試料を保持するのに用いることができ、傾斜側壁を有して浅く形成されている。この構成により、その中に保持された試料を切ったり操作したりすることが可能であり、容易に洗浄することが可能であり、図に示したようにインデックスを付けておくことができる。保存凹部は、未使用のインサート及びSHMPカプセルを保持しておくのに使用することができる。SHMPカプセルの貯蔵所は、前記ワークステーションの両端に存在する。これは、試料を積め込んだSHMPカプセルを配置するための場所である一方、追加のSHMPカプセルを積め込むことも可能である。サンプルをよい条件に保っておくために、前記貯蔵所を水又は緩衝液又はその他の流体で満たしておくことができる。12個の貯蔵所の間には間隔が設けられているので、SHMPカプセルが適切な間隔を置いて配置され、それにより多チャンネルピペッターと結合することができる。当該多チャンネルピペッターは、8又は12又はその他の数字の数の、適切な大きさのピペットチップを保持している。
図31から33は本開示に係る一つの実施形態を示している。すなわち、複数のSHMPカプセルを積み重ねて繋げて、それからピペッターに繋げて、二つ又はそれ以上のSHMPカプセルの中の試料を同時に処理することができることを示す断面図を示している。図31は、ピペッター350に取り付けられた複数のカプセル100を示している。ピペッター350は、一番上のカプセル100の第一の端の中に配置されている。一番上のカプセル100の第二の端は、次のカプセルの第一の端の中に受け止められ、真ん中のカプセル100の第二の端は、一番下のカプセル100の第一の端に結合される。示してあるように、一番上のカプセルには処理のための試料が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。残りのより下のカプセルは、試料106を入れた状態を示してある。当該試料106は、処理のためにインサート102の下方に配置されている。
図32では、一番上の位置がピペッターに取り付けられている状態を示している。また、フィルターを保持するように変更されたSHMPカプセルを示している。フィルターは、ピペッター機構の中に試薬が誤って吸引されてしまうことを防ぎ保護するために、備えられている。示しているのは、フィルターを提供するために用いられるSHMPの第二の実施形態である。ここでは、SHMPカプセルの孔は、小さな試料を保持するのに必要なサイズよりもずっと大きい。なぜならば、ここでは試料を保持することは必要ないからである。
図33は、本開示に係るアダプターカプセル356を示している。アダプターカプセル356は、ピペッター350と比べて異なるサイズ又は形の基準に適合するピペッター354に取り付けられるように構成されている。アダプターカプセル356は、カプセル100を、異なるサイズ又は形の基準に適合するピペッターと共に使用することを可能とする。したがって、試料を処理するために使用されるピペッターが如何なるものであるかに関わらず、標準の試料カプセルを使用することができる。
図34から36は、本開示に係る一つの実施形態の他の態様を示している。この態様では、研究に備えて、異なるサイズ及び形の試料を保持するためにインサートを最適化することができることを示している。インサート102はスリット144付きの膜122を含んでいるが、棒形状の試料360の直径は大きすぎて、前記容器の中の適切な位置で当該試料を挟持機能により保持するのは困難である場合がある。インサート102の膜122は容易に切ったり修正したりできる材料で作られており、ユーザーは、大きな又は奇異な形の試料に適合するように、前記膜の一部を切り取ることができると予測される。図35では、ユーザーにより前記膜の中央部分が切り取られて、試料360がぴったりと嵌まり込むサイズの開口362が作られている。図36では、試料に適合するように作られた開口362の中に、試料360が挟持されている様子を示している。
次に、図37を参照すれば解るように、インサート102は、カプセルの外で試料406をつかみ保持するのにも用いることができる。このタイプの使用では、試料406は、インサート102に保持されてサンプルを処理することを可能とするためにカプセル100の中に位置決めすることにより、上述のように処理することができる。このタイプの使用では、試料を埋め込むために樹脂が用いられたりはしないが、分析及び観察用の試料を調製するために、例えば固定化、脱水、及びあらゆる脱水物質の除去のような他のステップが行われることとなる。その後、試料406及びインサート102はカプセルの中から取り出すことができる。その後、撮像ベース370の上にインサート102を配置し、適切な接着剤372により適切な場所に保持するか、そうでなければベース370の上に貼り付けることができる。このような取り付け方は、SEM顕微鏡検査において有用である。
以下に示すのは、上で説明した装置の使用の例である。
例1‐試料の処理における投下
この使用の方法は図5に示してある。さらに、図5に示した方法は、様々な形やサイズの試料に用いることができ、それらに適合させることができることが、図22から24に示してある。より大きな試料を取り扱うために、インサート102を上下逆さまにすることができることに、留意すべきである。
また、図22から24は、流体を用いるほとんど全てのステップにおいては、処理に用いる液面は、ちょうど試料を覆う程度の高さで十分であることを示している。何が示されているのかというと、処理時においてカプセル全体が流体で満たされることが必要なのではなくて、処理ステップにおいて要求される流体の液面Dはカプセルの中の試料のサイズに応じて調製することができるというのである。流体のより効率的な使用は、一般的に、TEMブロックを調製するために用いられる最終的な樹脂の場合には適用できない。TEMブロックにおいては、一般的に、SHMPをホルダーの中に配置して前記カプセルの底をシールした後に、当該SHMP全体を樹脂で満たすことが望ましい。流体の量についても同様に、各輸液交換につき、試料の約7−10倍の体積で足りることが、広く理解され教えられている。この流体のより的確な用法はカプセルにより成し遂げられる。なぜならば、多くのTEM試料は1×1×1mmよりも小さいサイズであり、これは体積でいうと1ul以下に等しい。一つの実施形態におけるSHMPは、100ulを超える流体を提供する。溶液の体積を減らす付加的な特徴としては、カプセルの一番端っこ又はその近くに試料を配置するためにSHMP及びインサートを利用することができることが挙げられる。このように試料が配置されることは、埋め込まれた試料の薄切を開始する際に必要となる薄切の量の軽減に繋がる。
例2‐試料をインサートの上に配置することによる、試料の位置決め
この方法については、図25に示され、かつ、上で説明している。図10及び16はインサート102について詳細に示している一方で、図17及び21はこの方法で利用される挿入用具104を示している。図19から21は、前記挿入用具に保持された前記インサートを示している。
例3‐インサートの上で、試料の後部を挟むことによる、試料の位置決め
図26は、この使用の方法を示している。図16は、膜122のたわみにより如何にインサート102のスリット144が開き得るかを示している。他の図でも、様々な位置にあるスリット144を示しているが、試料が挿入されてスリットにより保持されている状態を描いているものもあれば、試料を描いていないものもある。図17から21は、この方法で使用される挿入用具104を示している。この使用の方法では、用具104の前記内側及び外側部はいずれも、インサートを保持し、当該インサートの膜を屈曲させるのに用いられる。図19から21は、前記インサートと共に、用具104の内側及び外側部を組み立てた状態を示している。図34から36は、ユーザーが、異なる形の試料を適切に挟持できるようにするために、前記インサートの膜を容易に切ったり修正したりできることを示している。
薄切される試料の領域はSHMPカプセルの底に配置されるため、一般的には、試料の後端又は上端を挟むことが好ましいことに留意すべきである。試料のこの部分は、薄切されたり画像化されたりしないからである。このため、図27に示すように、非常に長い試料も適合させることができる。付加的な特徴は、これは、試料のうちの検査に用いる領域をカプセルの一番端又はその近くに配置するのに用いることができる、ということである。この配置により、薄切を開始するために埋め込まれた試料において必要となる薄切される量を減らすことができる。そのため、時間を節約し、手間を省くことができる。
例4‐挿入及び拡散用具を保持するための台状の器具
図28は、試料を搭載するための挿入用具及び拡散用具を保持するための簡単な器具を示している。示してあるように、拡散用具は頑丈で安定した土台の上に備え付けられており、挿入用具は単にそれに対してスライドする。この器具は、試料の観察及び取り扱いを可能とするために、解剖顕微鏡又は拡大鏡の下に配置することができる。
この構成により、一つの手の二本の指によって、インサートにかかる圧力を制御して、拡散用具により開くインサートを開閉してスリットの中に試料を配置することが可能となる。一旦試料がインサートの中に適切に配置されたら、SHMPカプセルが固定された物の上にスライドして被せられ、試料の端がSHMPの一番端にくる状態とされる。SHMPが一つの手の複数の指によって回転されて、それにより前記挿入用具から前記インサートが取り外される。その間、もう一方の手の二本の指は、前記挿入用具を所定の場所に保つのに用いられる。試料が配置されたSHMPカプセルはその後、上方へスライドさせることにより、処理のために除去される。
この台状の器具においては、挟むことなく試料を搭載する示される方法、例えば、SHMPインサートの上に試料を接着するような方法、あるいは単に置くような方法も、行うことができる。その場合、スプレッダーがSHMPインサートを強く押さないように、挿入用具に圧力をかけないようにするだけである。
例5‐挿入及び拡散用具を保持するための台状及びレバー状の器具
図29は、拡散機能を保証するためのレバー作動システムを示す。クランプが前記挿入用具を保持する。前記インサートの前記膜を屈折させるために拡散用具を必要に応じて上下させるように動かすレバーが設けられる。このレバーシステムには、搭載する前の試料を保持する場所を提供するために、上方処理台191が設けられていてもよい。挿入用具の頂上は台191のすぐ上であるから、SHMPインサートを操作し手を届かせることが容易である。また、SHMPインサートは台195のすぐ近くの同程度の焦点の所に配置されているので、解剖顕微鏡を使用する場合に、両方について焦点が合う。挿入用具機構の周りの隙間は十分に空いているので、カプセルを乗せるために前記インサートの上にSHMPカプセルをスライドさせることができる。
この台状の及びレバー状の器具においては、挟むことなく試料を搭載する示される方法、例えば、SHMPインサートの上に試料を接着するような方法、あるいは単に置くような方法も、行うことができる。その場合、スプレッダーがSHMPインサートを押さないように、挿入用具に圧力をかけないようにするだけである。
例6‐試料を処理するための台状の及びレバー状の器具のワークステーション
図30は、処理のためのインサート、試料、及びカプセルを効率的に大量に調製するために、図29のレバーシステムがワークステーションに如何に組み込まれているかを示したものである。当該ワークステーションは、多くのカプセルの中に多くの試料を位置決め挿入するためのとても役に立つ道具を提供することができる。当該ワークステーションは、ユーザーが効率的に働いて正確な試料の位置決めを確立することを可能とする。多くの解剖顕微鏡又は拡大鏡と共に使用できるように、調節可能な脚により高さを適合させることができる。ワークステーションの綺麗な配置が作業の流れをよくし、供給品を手の届きやすいところに保持しておくことができる。このワークステーションは以下の利点をもたらし得るが、これらの利点に制限されるものではない。
・挿入用具が中央の位置に配置されているので、試料の位置決めやカプセルへの挿入を行っているときに容易に観察することができる。
・試料作業領域の全域を容易に見渡すことができ、試料及びカプセルの操作のために、全ての領域が同一の焦点面の中に並べられている。
・試料の位置決めを定めるために、レバー機構がmPrep/sカプセルの"挟み"動作を開/閉する。
・試料ウェルは12個又はそれ以上のインデックス付きの窪みにサンプルを保持する。試料は、搭載されるまでの間、ウェルの中に調製して保存することができ、その間、乾燥から守られる。ウェルに傾斜面が設けられていることにより、洗浄するのが容易となり、試料が角のところに閉じ込められるのを防止することができる。
・満たされていないカプセル及びインサートは、上端に沿って保管しておき、ユーザーがすぐに利用できるようにしておくことができる。
・作業が終わった貯蔵物は、ワークステーションの両端に置かれる。穴の列は、マルチ−チャンネルピペッターに適合するように、標準の間隔で設けられる。
・作業表面を、化学的耐性があり非汚染のポリエチレン又はこれと同様の材料により形成することにより、洗浄が容易となり、サンプルの純度を維持するのに役立つ。
・先端が丸いことにより、快適な手の置き場所が提供される。
・台は、ほとんどすべての実体顕微鏡と共に用いることができるように設計されている。
・効率を最大化し誤りを防いで作業の流れを促進できるように、配置が設計されている。
例7‐一つのピペッターシャフトを用いて、多数のSHMPカプセルの中で多数の試料を処理する。
図31から33は、如何にして複数のSHMPカプセルを単一のピペットに積み重ねて付けて処理スループットを増大させるかを示している。SHMPカプセルの数の制限因子は、ピペッターの体積である。従来からあるピペッターは、一般的に、この処理を3カプセルに制限する体積を有する。用いられるピペッターの体積が大きくなればなるほど、より多くの数のカプセルをこの方法で処理することが可能となる。さらに多くのSHMPカプセルを同時に処理できるようにするために、マルチ−チャンネルピペッターを用いることができる。
さらに、ピペッターの基部に最も近いカプセルには、フィルターを嵌め込んでおくことができる。こうすることにより、溶媒、樹脂、又はその他のあらゆる物質を除去し、及びこれらの物質がピペット機構に入り込むことを防止し、ピペット機構に対し保護を提供することが可能である。これは、"標準"のSHMPカプセルとすることもできるし、あるいは特殊化したバージョン(例えば、より大きな孔のバージョン)とすることもできる。
上記のように、SHMPカプセルとは異なる標準に適合するピペッターを使用する場合、複数のカプセルの処理にはアダプターカプセルを用いることができる。このようなアダプターカプセルを用いることにより、SHMPカプセルをほとんど全てのピペッターに利用することが可能となる。
例8‐SHMPインサートのカスタム修正
図34から36は、如何にインサートがエンドユーザーにより切られて、インサートが異なるサイズ又は形の試料に適合するものとされ得るかを示している。例えば、植物学者は、根又は葉の一部を特定の位置決めで搭載することを望み、しばしば同じ又は異なるサイズの試料を検査するであろうが、このような試料は、SHMPインサートのスリットに強く挟持動作するには分厚すぎるのである。同様に、哺乳類生理学者は、神経束若しくは網膜若しくは筋肉の薄片、又はその他の組織を画像化及び分析のために搭載することを望むであろう。そして同様に、材料科学者は他の物質を検査するであろうが、その物質は、インサートを切るか、そうでなければ修正することにより、そのサイズ及び形が容易に適合したものとなる。
例15‐SEM用の試料を保持するに際してのSHMPインサートの利用
組織試料又はその他のタイプの試料は、SEM観察及び分析のためにカプセルの中で処理することができる。そしてその後、前記カプセルの中から取り出されて、SEMで観察できるようにするために、SHMPインサートにより垂直に保持される。その一方で、小さな試薬量はSHMP処理することができる。さらに、固定剤、溶媒、及び同類のものにより処理している間、並びに臨界点乾燥法により処理している間、並びにその他の調製法により処理している間、SHMPカプセルは試料を保護する。
例16‐いくつかの処理ステップを行っている間SHMPカプセルを保持しておくための、シリコーン製のホルダー
図38には、土台401を備えたトレイ又はホルダー400を示してあり、それには、カプセル100を受け止めるための、又はピペッターから除去された他のピペットチップを受け止めるための、複数の凹部402が形成されている。当該凹部は、間隔を置いてきちんと並べられているので、カプセルは図41に示すようなマルチプルピペット装置404と結合することができるように配置される。ホルダー400においては、カプセル100の下端又は第二の端をシールすることができ、そうすることによりカプセルの中で樹脂の重合化を行って薄切のためにカプセル及び試料を準備することができる。また、処理を行っている間、ホルダー400の中に保持されたカプセルを、より長い滞留時間を必要とする他の流体にさらすことができることも予測される。ホルダー400は、好ましくはカプセルを保持するための特有のラックであり、シリコーンエストラマー又は他の適切なシーリングエストラマー又は他のシーリング材料により作られている。好ましくは、弾性変形可能な材料がホルダー400を構築するのに用いられる。そうした場合、カプセルの中の挿入物又は凹部402の中の他のピペットチップが前記材料を屈折させ、それによりカプセル又はピペットチップについてシールが形成されて、当該カプセル又はピペットチップの開口底が封鎖される。またこれは、本開示と共に用いることができ、そうすることにより、例えばマイクロ波処理のような処理における多様なステップを行っている間、カプセルの中に流体を保持しておくことができる。
試料の処理を強化するためにホルダー400が如何に使われるかの制限的でない例には以下のものが含まれる。
1.長い処理プロトコルのために、満たされたSHMPカプセルを保持する。
2.従来型のオーブンで、埋め込まれた樹脂を重合化する。
3.試料又はTEMグリッドのマイクロ波処理。
4.SHMPカプセルの中に保持された組織増殖足場又は表面に付着力のある細胞又は組織の培養。
5.SHMPカプセルのための便利な卓上ホルダー。
ホルダー400のいくつかの望ましい又は好ましい特徴としては、以下のものが含まれ得るが、これに限定されるものではない。
・耐久性があり高品質のシリコーン製の構造
・マイクロ波に適合する
・100℃よりも高い温度でもオーブンで使える。
・凹部の位置にインデックスが付けられている。
・スチーム、オートクレーブ又は沸騰水で滅菌する
・このラックを実験用のロボット工学システム及び装置に適したものとするべく、SBSで標準化された形、サイズ及び間隔とした。
図39は、重合化に先立ってカプセル100内にラベル408が挿入ことを示している。これにより、全過程が行われた試料に恒久的にラベルを付しておくことができる。
例17‐薄切に先立ってった切断及びトリミングの減少
図40は、SHMPカプセルの中に埋め込まれた試料は、当該カプセルの中から樹脂を除去することなく、ミクロトーム410のミクロトームチャック412に直接的に搭載することができることを示している。このことにより、埋め込みカプセルの中から硬質樹脂を除去する必要がなくなるため、時間が節約される。もちろん、望ましい場合には、埋め込み試料ブロックをSHMPカプセルの中から取り出すこともできるが、現状ではカプセルを切り取るのが現在の一般的なやり方である。
例18‐組織培養のためにSHMPカプセルを利用する
図41は、カプセル100は組織培養のために組織を保持しておくのに用いることができ、又、組織及び生化学分析のような他の活用のために用いることもできることを、示している。これは、TEM又はSEM用の試料の調製に用いる時に、少ない試薬消費量でよいという、全ての利点を有している。これはまた、置換ピペット流体デリバーシステムを用いるので、生化学分析の操作を促進することができる。容器を透明とすることにより、カプセルの中の試料を観察することが可能となる。
本開示により、例えば新鮮な組織のような試料、又はその他のあらゆる時点での試料を、位置決めすることが可能となる。このように、組織サンプルは、例えば固定化を通して、ただしこれに限定されない方法で、部分的に処理され、望まれる場合には特定の特徴を見れるようにするために染色され、そしてその後カプセルの中から取り出され、位置決めされ、そしてその後処理を完了するためにカプセルの中に再び挿入される。
本開示により、小さい組織試料の処理、又はより大きい組織試料の処理が可能となる。そして、少量の試料がSHMPカプセルの底に配置されるので、僅かな正確な量の処理化学物質のみを用いることで、処理を行うことが可能となる。その後、カプセルは試料の高さまで満たすことのみで足りるので、特定の試料について必要な量よりも少ない量の化学物質を用いることで足りる。
さらに本開示によれば、試料を特段位置決めする必要がないように、当該試料を配置し処理することが可能となる。
本開示は、位置決めを確立するための二つの異なる方法を提供する。一つ目‐試料をインサートのスリット又はその他の開口の中に挟む。二つ目‐試料をインサートの上にバランスよく立たせ、試料をインサートに糊付けするか、そうでなければ貼り付ける。
本開示は、複数の機能を有するカプセル又は単一の容器について、示している。
・処理時に試料を保持するために用いられる容器。これは、一般的に試料を手作業で処理するのに用いられるバイアル/瓶に似ている。
・実験用のピペッター又はその他の同様の流体デリバリー装置に結合させることにより、処理のための流体デリバリーシステムの一部としての役目を果たす。これは、試料を手作業で処理するときに一般的に用いられているように、パスツールピペットを用いてバイアル/瓶を満たしたり空っぽにしたりするやり方と似ている。
・浸すことによる処理時に、試料を保持するための、多孔質のカプセル。‐ヒストカセットと似ている。しかしながら、本発明は、臨界点乾燥機だけではなく浸水プロセッサーにも使用することができる。
・TEMに用いられる樹脂を重合化させるのに用いることのできるカプセル。‐位置決めを行わない試料の埋め込みに用いられる埋め込みカプセルのように機能する。
・TEMに用いられる樹脂を重合化させるのに用いられる標準的な平らな埋め込み鋳型と同様の機能を備えるカプセル。‐"ブロック"の中で試料の位置決めを可能とする手段を提供することによる。
本開示はさらに、上記のカプセルと共に使用するインサートについて、示している。当該インサートは、以下の複数の機能を果たし得るが、これらを果たすものに制限されるものではない。
・組織の位置づけ、又は再度の位置決めのために、樹脂の重合化を行うに至るまでの間は、いつでも、インサートを容易に取り出すことができる。
・インサートは試料を、カプセルの中の当該カプセルの底に、又はその他の望ましい位置に、陥れる。インサートを、特定の試料が許す限りの、カプセルの底に近い位置に配置することにより、試料を処理するのに用いられる化学物質の量を減らすことができる。
・試料を、カプセルの底に可能な限り近い位置にしっかりと固定することにより、実質上の試料の薄切を開始するのに際し必要となる、試料の処理後のカプセルの切断量を最小限に抑えることができる。
・インサートは、試料を適切な位置で挟み付けたりつまんだりするのに用いることができる。
・位置決めを容易とするために、試料をインサートに糊付けしたり、そうでなければ貼り付けたりすることもできる。
・挿入用具に保持されたとき、インサートは全体として試料を置くために使用し得る。
・SEM又は他の活用若しくは機器のために、インサートをカプセルの外で使用して試料を直立状態で支持することもできる。
本開示はまた、上記のインサート及びカプセルと共に使用する挿入用具について、示している。
・挿入用具は、表を上にして又は下にして、カプセルと共に用いることができる。‐異なるタイプの試料を取り扱うのに用いられる。
・ワークステーションには、挿入用具が組み込まれているものとすることができ、当該挿入用具は、コンパクトで効率的な作業空間における試料の適切な位置決めが容易となる。
・挿入用具及び拡散用具は、土台又はワークステーションと共に用いることができ、そうすることにより、試料、インサート、及びカプセルの操作が容易となる。
・挿入用具及び拡散用具は、土台又はワークステーションがない状態で用いることもできる。
・ワークステーションは、試料の高速大量処理のための総合的なプラットフォームを提供するものである。
さらに、本開示は以下の活用に関するが、これに限定されるものではない。
・TEM試料の調製
・SEM試料の調製
・LM試料の調製
・試験及び評価のための組織培養又は有機培養試料の調製
それ故に、一つの方法の使用では、発明は、顕微鏡検査の試料を調製するための装置を提供し、当該装置においては試料は試料調製カプセルの中に容易に導入される。先の米国特許出願及び本出願人により共同所有された特許では、当該試料調製カプセルはSHMPと呼ばれている。本開示により、SHMPの中に試料を閉じ込めるための改良された方法及び装置が可能となる。この場合、先の米国特許出願及び本出願人により共同所有された特許に開示された置換ピペッティング法及びその他の流体銀法による、あるいはそれらに制限されない、固定化、脱水、及び樹脂への埋め込みを含む、全ての過程を通じて、当該SHMPの中には試料が保持される。さらに、包埋樹脂により満たされたSHMPカプセルは、薄切のために多くのミクロトームチャックに直接的に搭載することが可能である。このように、完全に処理された試料を含む樹脂ブロックを成形カプセルの中から取り除く必要がなくなる。
それ故に、本開示の一つの実施形態は、顕微鏡検査の試料を調製するための装置又はカプセルを提供し、それには容器が含まれている。この実施形態においては、前記容器は、ピペットを受け入れるのに適合するように構成された第一の端と、開口部を有する第二の端と、を有するものとすることができる。さらに、前記第一の及び第二の端に取り外し可能なキャップを含むものとすることができる。そうすることにより、これらのキャップが前記第一の及び第二の端に配置されている時、試料は中に密封されることとなる。この実施形態においては、第一のカプセルの第一の端は、第二のカプセルの第二の端を受け入れることができるように、寸法設計され、構成されるものとすることができる。このような構成により、前記第二のカプセルの前記第二の端は、前記第一のカプセルの前記容器の中に受け止められる。このような構成により、複数のカプセルのそれぞれの頂上に一つのカプセルを積み重ねることが可能となる。さらに、いくつかの好適な実施形態においては、前記カプセルの前記容器は顕微鏡による評価に用いられる試料を含むのに適合するように構成することができ、そして、ピペットの置換により前記容器を満たしたり空っぽにしたりすることができる。こうして、所望の試薬で前記容器を満たすことにより、顕微鏡検査のためのサンプルを調製することができる。
さらにもう一つの実施形態においては、本開示は、顕微鏡検査の試料を調製するためのカプセルのような装置を提供する。当該カプセルは、以下の特徴のうちの一つ又はそれ以上を含む。
・容器
・ピペットを受け入れるのに適合した第一の端と、一つの開口部を有する第二の端と、を有する前記容器
・スクリーンを有する前記開口部
・しるし
・前記第一の端のキャップ
・前記第二の端のキャップ
この実施形態によれば、前記第一のカプセルの前記第一の端は第二のカプセルの前記第二の端を受け入れることができるように設計され構成されている。使用する際には、前記容器の前記第一の端に取り付けられたピペットを置換することにより、前記容器を一つ又はそれ以上の流体で満たし及び空っぽにすることができる。こうして、前記容器に保持された試料は顕微鏡分析のために固定化される。
さらにもう一つの実施形態においては、本開示は顕微鏡分析の試料を調製するための方法を提供する。当該方法には、容器の中に一つ又はそれ以上の試料を配置する過程と、前記容器の第一の端に置換装置を結合する過程と、当該置換装置の置換によって前記容器に固定化流体を通す過程とが含まれる。こうしてこれらの過程が完了すると、容器の中に、顕微分析用に試料が完全に調製される。
この発明に従った方法の様々な例となる実施形態についての以下の詳細な説明により、この発明に従った方法の様々な例となる実施形態についてのこれらの又はその他の特徴が示され、又は明らかとされている。
本発明を好適な実施形態を参照しながら説明したが、当該発明は、上で説明した具体的な実施形態に限定されることを意図したものではないと理解されるべきものである。したがって、発明の精神又は目的から逸脱しない範囲で、当業者が若干の置換、変更、修正、及び省略を行うことが可能であると理解されるであろうと認識される。したがって、上述の説明は単に例示することを意図したものであり、本発明には当該発明の対象に対して合理的な同等物の全てが含まれていると理解されるべきであり、以下の請求の範囲に記載した発明の範囲を制限するべきものではない。

Claims (14)

  1. 顕微鏡分析、細胞、組織培養又は器官培養のための標本を用意し保持するためのシステムであり、当該システムは、カプセルと、取り外し可能なインサートと、挿入用具と、を備え、
    前記カプセルは、第一の開口端と、少なくとも一つの開口部を含む底部を有する第二の端とを有し、これらの前記第一の開口端と前記第二の端との間に容器を定義しており、当該容器は内壁を有し、当該内壁は、前記カプセルの前記第一の開口端近傍の上部と、前記カプセルの前記第二の端近傍の下部と、を定義し、前記内壁は、前記第一の開口端近傍の前記上部のより広い外側開口から前記下部近傍のより狭い内側端にかけて概してテーパー状となっており、前記下部の前記内壁は概して平行であり、
    前記取り外し可能なインサートは、円周状の基部を備え、中心を横断するように広がり、そこに広がる少なくとも一つの開口部を有する膜と、を含み、前記基部は前記容器の前記内壁の前記上部に嵌まり込み、前記容器の前記下部において前記内壁に調整可能に係合するように構成され、これにより前記基部と前記内壁との間の摩擦抵抗により、前記インサートが前記容器の中の位置に固定され、前記容器の前記下部の中における前記インサートの位置により、前記インサートと前記カプセルの前記第二の端の間における試料保持領域を定義しており、前記円周状の基部は複数のツメを備え、当該ツメは、前記下部において前記容器の前記内壁に係合するサイズとされ、
    前記挿入用具は、前記カプセルの前記第一の開口端から挿入することができ、そして前記挿入用具のインサート係合端に前記インサートを開放可能に係合できるように構成され、
    前記挿入用具は、前記円周上の基部の前記ツメと係合する複数のアームを有し、
    これにより、前記インサートの一部が前記挿入用具の外側表面から延出し、前記挿入用具は前記容器の中に嵌まり込むサイズとし、前記挿入用具は前記インサートを前記容器の前記下部に配置し、前記挿入用具は前記容器の中の一つ又はそれ以上の位置に前記インサートを配置することができるように構成され、前記挿入用具はさらに、一旦前記インサートが前記容器の中の内壁の内側に配置されると、前記インサートを開放するように構成され、前記インサートに対して前記挿入用具を回転させることにより、前記容器の中で前記インサートから前記挿入用具を任意に開放することができる、システム。
  2. 請求項1に記載の前記システムであって、前記カプセルの前記第二の端の開口及び前記インサートの前記開口は、その直径が200〜300μmである、システム。
  3. 請求項1に記載の前記システムであって、前記インサートの膜には更に、その膜の部分を横断する横断スリットが含まれ、前記インサートは弾性変形可能な材料で作られているので、前記膜がたわむことにより前記横断スリットが開き、前記インサートに試料を搭載することが可能となり、
    前記挿入用具は、当該挿入用具の外側部の中にスライド可能に受け止められる内側拡散部を含み、当該内側拡散部は、前記挿入用具の前記インサート係合端に保持されたインサートに接触可能なように構成され、また前記横断スリットを開くように前記インサートの前記膜をたわませて前記インサートに試料を搭載することが可能なように構成された、拡散先端を有する、システム。
  4. 請求項1に記載の前記システムであって、前記挿入用具は、前記インサート係合端により保持されているインサートが試料処理面に接近可能となるように前記試料処理面内に取り付けられ、前記インサート係合端は前記試料処理面を突き抜けて延出する、システム。
  5. 請求項4に記載の前記システムであって、前記インサートの膜は更に、その膜の部分を横断する横断スリットを含み、前記インサートは弾性変形可能な材料で作られているので、前記膜がたわむことにより前記横断スリットが開き、前記インサートに試料を搭載可能であり、
    前記挿入用具には内側拡散部がさらに含まれ、
    当該内側拡散部は前記挿入用具の外側部の中にスライド可能に受け止められ、前記内側拡散部は、前記挿入用具の前記インサート係合端に保持されたインサートに接触し、前記インサートの前記膜をたわませて前記横断スリットを開き、前記インサートに前記試料を搭載することができるように構成される拡散先端を有し、そして、
    前記挿入用具は更に前記システムのユーザーが利用可能な第一の端と、前記挿入用具の前記内側部と連動する第二の端とを有するレバーを備え、ユーザーが前記レバーの前記第一の端を動かすことにより、前記内側部の前記拡散先端を前記膜と接触させて前記インサートの前記横断スリットを開き、前記インサートに試料を搭載することができる、システム。
  6. 請求項1に記載の前記システムであって、前記容器の前記底部は、試料が、前記容器の中において当該容器の中央に配置され、前記少なくとも一つの開口部近傍に配置されるように構成される、システム。
  7. 請求項1に記載の前記システムであって、前記カプセルは第一のカプセルであり、第一の端と第二の端とを有する第二のカプセルをさらに備え、前記第二のカプセルの前記第二の端は前記第一のカプセルの前記第一の開口端の中に配置されるように構成され、前記第二のカプセルの前記第一の端は、前記第一のカプセルの前記容器に流体を送るために、及び当該容器から流体を抜くために、ピペットチップを取り付けられるように構成され、前記第二のカプセルは、当該第二のカプセルの容器の中にフィルターを備える、システム。
  8. 顕微鏡分析のための試料を調製する方法であって、次の(A)から(G)の過程を含む、方法。
    (A)第一の端が開口端であり、第二の端が少なくとも一つの開口部を含む底部を有し、前記第一の開口端と、前記第二の端近傍の下部と、の間に容器が定義されるカプセルを設ける過程であって、前記容器は内壁を有するもの
    (B)前記容器の中に受け止められるサイズに作られたインサートを設ける過程であって、当該インサートは、前記容器の前記下部で、当該容器の前記内壁と係合し、前記カプセルの前記第二の端近傍に作られ、前記インサートは、概して円周状の基部と、当該基部を横断するように広がっている膜と、を含み、前記円周状の基部は複数のツメを備え、当該ツメは、前記下部において前記容器の前記内壁に係合するサイズとされ、当該膜は、少なくとも一つの開口部を含み、前記カプセル及び前記インサートの前記開口は前記容器の中に配置される試料よりも小さいサイズとされるもの
    (C)インサート係合端を有する挿入用具を設ける過程であって、前記挿入用具は、前記円周上の基部の前記ツメと係合する複数のアームを有し、前記挿入用具は、前記カプセルの前記第一の開口端から挿入することができ、前記挿入用具のインサート係合端に前記インサートを開放可能に係合できるように構成されるもの
    (D)処理されることとなる試料を選択する過程
    (E)前記試料を、前記容器の中に、当該容器の前記底と近傍に配置する過程
    (F)前記インサートを前記容器の中に位置決め、試料が、前記インサートと、前記容器の前記底部と、の間に配置されるようにする過程であって前記インサートが配置される位置は、前記試料のサイズによって決定され、前記容器の中の構造によりあらかじめ決められているのではないもの
    (G)置換ピペットを用いることによって、前記容器を通して前記試料に対して少なくとも一つの流体を通過させることにより、前記試料を処理する過程であって、前記容器の前記底部の上の、前記インサートが配置される位置まで前記容器を満たすだけの量であり、そして、所望の化学的処理を行うのに十分な量である、という条件を満たすに足りる量の流体が用いられるもの
  9. 請求項8に記載の前記方法であって、さらに次の(H)から(J)の過程を含む、方法。
    (H)前記膜にスリットが形成された前記インサートを設ける過程であって、当該インサートは弾性変形可能な材料により作られているので、前記膜が屈折することにより前記スリットが開くもの
    (I)前記容器の中に前記インサートを位置決めするのに先立って、前記膜を屈折させて前記スリットを開いて、当該開いたスリットの中に試料を配置し、そして前記膜を屈曲していない状態に戻して前記スリットを試料に対して閉じる、過程
    (J)前記スリットの中に試料を保持した前記インサートを、前記容器の中に位置決めする過程
  10. 前記請求項9に記載の方法であって、処理された試料及びインサートを前記容器から取り出し、当該容器及び処理された試料を顕微分析のために土台に固定する過程をさらに含む、方法。
  11. 前記請求項9に記載の方法であって、さらに次の(K)から(N)の過程を含む、方法。
    (K)前記挿入用具の中にスライド可能に配置された内側拡散部を設ける過程であって、前記内側拡散部は、前記インサート係合端に保持されたインサートの前記膜と当接し屈折させるための拡散端を有するもの
    (L)前記挿入用具の前記インサート係合端に前記インサートを係合させる過程
    (M)前記挿入用具の中に前記内側拡散部をスライドして嵌め込み、前記インサート係合端に保持された前記インサートの前記膜に前記内側拡散部を当接させて、そして前記インサートの前記膜を屈折させて前記スリットを開くことにより試料の挿入を可能とする過程
    (N)前記挿入用具を用いて、前記スリットの中に試料を保持した前記インサートを、前記容器の中に位置決めする過程
  12. 前記請求項8に記載の方法であって、
    前記容器を通して少なくとも一つの流体を通過させて試料を処理するのが完了したら、直ちに、前記カプセルの前記第二の端の前記少なくとも一つの開口部を封鎖し、前記容器を樹脂で満たして、そうすることにより前記インサートの前記少なくとも一つの開口部に樹脂を通過させて、そして前記容器の前記内壁近傍の前記インサートの周囲に樹脂を通過させ、
    そして、前記容器を前記樹脂で満たすのに先立って、トレイの開口の中に前記カプセルを配置して前記カプセルの前記第二の端の前記開口を封鎖し、前記トレイに前記カプセルが保持された状態で、前記容器を樹脂で満たす操作が行われる、方法。
  13. 前記請求項12に記載の方法であって、顕微分析のために、前記カプセルと、当該カプセルの中で樹脂に包み込んだ試料と、を薄切する過程をさらに含む、方法。
  14. 顕微鏡分析、細胞、組織培養又は器官培養のための標本を用意し保持するためのシステムであり、当該システムは、カプセルと、取り外し可能なインサートと、挿入用具と、を備え、
    前記カプセルは、第一の開口端と、少なくとも一つの開口部を含む底部を有する第二の端と、を有し、前記第一の開口端と前記第二の端との間で容器が定義され、当該容器は、前記カプセルの前記第一の開口端近傍の上部と、前記カプセルの前記第二の端近傍の下部と、を定義する内壁を有し、当該内壁は、前記第一の開口端近傍の前記上部のより広い外側の開口から前記下部近傍のより狭い内側の端にかけて概してテーパー状となっており、前記下部の内壁は概して平行となっており、
    前記取り外し可能なインサートは、円周状の基部を備え、中心を横断するように広がり、そこに広がる少なくとも一つの開口部を有する膜と、を含み、前記基部は前記容器の前記内壁の前記上部に嵌まり込み、前記容器の前記下部において前記内壁に調整可能に係合するように構成され、これにより前記基部と前記内壁との間の摩擦抵抗により、前記インサートが前記容器の中の位置に固定され、前記容器の前記下部の中における前記インサートの位置により、前記インサートと前記カプセルの前記第二の端の間における試料保持領域が定義され、
    前記インサートの膜には更に、その膜の部分を横断する横断スリットが含まれ、前記インサートは弾性変形可能な材料で作られているので、前記膜がたわむことにより前記横断スリットが開き、前記インサートに試料を搭載することが可能となり、
    前記挿入用具は、当該挿入用具の外側部の中にスライド可能に受け止められる内側拡散部を含み、当該内側拡散部は、前記挿入用具の前記インサート係合端に保持されたインサートに接触可能なように構成され、また前記横断スリットを開くように前記インサートの前記膜をたわませて前記インサートに試料を搭載することが可能なように構成された、システム。
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