JP4153496B2 - 切片試料の処理容器、切片試料の処理方法、及び切片試料の処理装置 - Google Patents

切片試料の処理容器、切片試料の処理方法、及び切片試料の処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、生体試料等の組織の観察を目的として、生体試料から切り取られた薄切り切片試料の処理に用いる、切片試料の処理容器、切片試料の処理方法、及び切片試料の処理装置に関する。
従来から、生体組織を観察する場合の生体組織の試料を作成するにあたっては、その生体組織を、薄い切片試料(以下、薄切片試料)とする必要があった。そこで、観察したい生体組織の一部をロウ等によって包埋して固形状態にし、この固形状態とされた生体組織をミクロトーム等によって切り出して、所望の薄切片試料としていた。なお、上述の生体組織の一部をロウ等によって包埋してなるものを、以下、包埋ブロックと称する。
ところで、このような薄切片試料を大量に用意するにあたっては、長尺で構成されたキャリアテープに、上述した包埋ブロックの端部を貼り付け、その貼り付けられた端部の近傍を切り出し、そのキャリアテープに薄切片試料を貼り付けて残すようにしていた。その後、その長尺のテープを所定距離だけ移動させ、そのキャリアテープの新しい箇所に再び前記包埋ブロックの端部を貼り付けて、繰り返し同様に、その端部の近傍を切り出していた(特許文献1参照)。このように薄切片試料を切り出してゆけば、切り出された薄切片試料は、何処かに飛んでいってしまうことなく、そのキャリアテープに接着して保持されることとなり、これらの連続して繰り返される作業は行い易いものとなっていた。つまり、薄切片試料を大量に用意するにあたって、有利であった。
一方、上述したように大量に用意された薄切片試料を観察するにあたっては、このようにして得られた薄切片試料を薬品(処理液)で処理しなければならなかった。そこで、上述したキャリアテープに貼り付けられた薄切片試料は、薬品(処理液)が溜められた容器に浸漬されて処理されていた(特許文献2参照)。なお、このように薄切片試料を処理した場合には、その薄切片試料は一連のテープに貼り付けられているので、同一の薬品(処理液)で処理する場合には、この薄切片試料を連続して浸漬できるので、素早く行える利点があった。
特公昭49−28711号公報 特開平11−153529号公報
しかしながら、昨今の生体組織を観察にあっては、上述した薄切片試料のそれぞれを異なる薬品で処理(例えば染色等)したいといった要請がある。このような場合に、上述した処理方法を採用して薄切片試料を処理しようとすると、薄切片試料は一連のテープに連続して接着されて保持されているので、具合の悪いものとされていた。また、薄切片試料が接着されて保持された箇所ごとに、この一連のテープを切り離してしまうと、観察における位置決めの際に具合の悪いものとなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、その目的は、生体組織の薄切片試料が保持された一連のテープを、切断することなく薄切片試料の観察する際に好ましく位置決めすることができる上、多様な生体組織の観察に応じて、そのテープに保持された生体組織の薄切片試料を、それぞれ異なる薬品で処理することができる切片試料の処理容器、切片試料の処理方法、及び切片試料の処理装置を提供することにある。これによって、生体組織の観察のバリエーションに応じることが可能に処理された薄切片試料を得ることができる。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の手段の切片試料の処理容器、切片試料の処理方法、及び切片試料の処理装置を提供する。
本発明に係る切片試料の処理容器は、キャリアテープの一面に所定間隔で複数接着された薄切片試料を処理液に浸漬させて処理を行う切片試料の処理容器であって、側壁を構成する筒部材と、前記筒部材の底面と当接し且つ底部を構成する底部材と、前記筒部材と前記底部材とを互いに係着させる係着手段とを備え、複数の前記薄切片試料のうち一つの前記薄切片試料を前記筒部材の内に配置するように、前記筒部材は前記キャリアテープの一面から前記底部材は前記キャリアテープの他面から前記キャリアテープを挟み込み、前記キャリアテープを挟み込んだ前記筒部材と前記底部材とを前記係着手段によって係着保持することを特徴とする。
本発明に係る切片試料の処理容器にあっては、長尺のキャリアテープの一面とされた上面に、所定間隔で薄切片試料が複数接着される。また、その上面の反対面は、キャリアテープの他面とされた下面となっている。そして、側壁を構成する筒部材と、その筒部材の底面と当接し且つ底部を構成する底部材とは、一つの薄切片試料を筒部材の内に配置するように、筒部材はキャリアテープの上面から底部材はキャリアテープの下面から前記キャリアテープを挟み込み、これら筒部材と底部材とは容器を構成する。これによって、内に一つの薄切片試料を配置した容器が、キャリアテープに設けられることとなる。また、この容器は、複数の薄切片試料のそれぞれに設けられることとなる。
従って、この容器に処理液を注入した場合に、この容器内に配置された薄切片試料のそれぞれを、好適に処理液に浸漬させて所望の処理を好ましく行うことができる。また、この容器は、複数の薄切片試料毎に設けられることとなるので、この容器毎に異なる処理液を注入した場合には、薄切片試料のそれぞれを、好適に異なる処理液に浸漬させて所望の処理を好ましく行うことができる。
本発明に係る切片試料の処理容器は、前記筒部材若しくは前記底部材の何れか一方に、互いに連結可能な連結部を複数設けたことを特徴とする。
本発明に係る切片試料の処理容器にあっては、容器を構成する筒部材若しくは底部材の何れか一方に、互いに連結可能な連結部を複数設けたので、容器が複数の場合に、これら容器を互いに連結することできる。これによって、複数からなる容器は互いに連結され、あたかもウェルプレートを構成するかのように、これらの容器を連結して構成することができる。従って、上述した薄切片試料をインキュベータで培養する場合等において、ウェルプレートのように処理や培養を行うようにできるので、観察、その他の処理において扱いやすいものとなる。また、小型化にも貢献するものとなる。
本発明に係る切片試料の処理容器は、キャリアテープの一面に所定間隔で複数接着された薄切片試料を処理液に浸漬させて処理を行う切片試料の処理容器であって、複数の前記薄切片試料のうち一つの前記薄切片試料を内に配置するように、一つの前記薄切片試料を挟んで前記薄切片試料から前記キャリアテープの長手方向に所定距離ずつ隔てた箇所同士を互いに密着させて、前記キャリアテープ自身が側壁及び底部を構成してなることを特徴とする。
本発明に係る切片試料の処理容器にあっては、長尺のキャリアテープの一面とされた上面に、所定間隔で薄切片試料が複数接着される。そして、一つの薄切片試料を内に配置するように、すなわち、キャリアテープの上面(一面)を内に配置するように、一つの薄切片試料からキャリアテープの長手方向に所定距離隔てた箇所同士を互いに密着させる。これによって、キャリアテープ自身は、側壁及び底部と担った容器に変形することとなる。従って、内に一つの薄切片試料が配置された容器が、キャリアテープに設けられることとなる。また、この複数の容器のそれぞれには、複数の薄切片試料のそれぞれが設けられることとなる。
従って、この容器に処理液を注入した場合には、この容器内に配置された薄切片試料のそれぞれを、好適に異なる処理液に浸漬させて所望の処理を好ましく行うことができる。また、この容器は、複数の薄切片試料毎に設けられることとなるので、この容器毎に異なる処理液を注入した場合には、薄切片試料のそれぞれを、好適に異なる処理液に浸漬させて所望の処理を好ましく行うことができる。
本発明に係る切片試料の処理容器は、前記キャリアテープ同士の密着した箇所の密着を固定保持する固定手段を設けたことを特徴とする。
本発明に係る切片試料の処理容器にあっては、例えばクリップ部材のような固定手段によって、キャリアテープ同士の互いに隙間無く密着された箇所の密着が離れないように、これを固定保持する。これによって、上述したように、キャリアテープ自身を容器として構成して、この容器に処理液を注入した場合に、処理液は容器から漏れ難いものとなる。従って、この容器に処理液を注入した場合には、この容器内に配置された薄切片試料のそれぞれを、好適に異なる処理液に浸漬させて所望の処理を好ましく行うことができる。
本発明に係る切片試料の処理方法は、検体を包埋材の中に埋め込めてなる試料ブロックの端部を接着可能なキャリアテープの一面に接着させる接着工程と、薄切片試料が前記キャリアテープに残されるように前記キャリアテープに接着された前記試料ブロックの端部の近傍を切り出す切出工程と、前記キャリアテープに接着されて残された前記薄切片試料が、側壁を構成する筒部材内に配置されるように、前記筒部材と、前記筒部材の底面と当接し且つ底部を構成する底部材とによって、前記キャリアテープを挟み込む挟み込み工程と、前記筒部材と前記底部材とを互いに係着させる係着手段によって前記筒部材と前記底部材とを互いに係着保持する係着工程と、前記筒部材と前記底部材とによって構成された容器に、前記薄切片試料を処理する処理液を注入する処理液注入工程と、所定時間経過後に前記容器から前記処理液を除去する処理液除去工程と、前記係着手段による前記筒部材と前記底部材との互いの係着保持を解除する解除工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る切片試料の処理方法にあっては、長尺のキャリアテープの一面とされた上面に、所定間隔で薄切片試料が複数接着される。また、その上面の反対面は、キャリアテープの他面とされた下面となっている。そして、側壁を構成する筒部材と、その筒部材の底面と当接し且つ底部を構成する底部材とは、一つの薄切片試料を筒部材の内に配置するように、筒部材はキャリアテープの上面から底部材はキャリアテープの下面から前記キャリアテープを挟み込み、これら筒部材と底部材とは容器を構成する。これによって、内に一つの薄切片試料を配置した容器が、キャリアテープに設けられることとなる。また、この容器は、複数の薄切片試料のそれぞれに設けられることとなる。
そして、この容器には薄切片試料を処理する処理液が注入され、この薄切片試料は、この注入された処理液に浸漬されて所望の処理がなされる。その後、この容器から処理液を除去し、そして、この容器を構成する筒部材と底部材とがキャリアテープから取り外される。従って、キャリアテープには所望の処理がなされた薄切片試料が保持されることとなる。また、上述した容器は、薄切片試料毎に設けられるので、その容器毎に異なる処理液を注入することができる。従って、キャリアテープには所望の異なる処理がなされた薄切片試料が保持されることとなる。
本発明に係る切片試料の処理方法は、前記挟み込み工程の後に前記係着工程を経る少なくとも2つの工程を繰り返し踏むことによって、前記キャリアテープに複数の容器を設け、それぞれの容器に設けられ且つ互いに連結可能な連結部によって、これら容器を互いに連結し、その後に前記処理液注入工程を経て、前記処理液除去工程を経て、前記解除工程を経ることを特徴とする。
本発明に係る切片試料の処理方法にあっては、上述したような切片試料の処理方法において、薄切片試料が処理液によって処理される際に、その処理液が注入される複数の容器は、設けられた連結部によって互いに連結される。これによって、これらの複数の容器は、ウェルプレートのように構成されることとなる。従って、上述した薄切片試料を処理液によって処理を行う場合や、インキュベータで培養する場合において、好ましく処理や培養を行うことができることとなる。
本発明に係る切片試料の処理方法は、検体を包埋材の中に埋め込めてなる試料ブロックの端部を接着可能なキャリアテープの一面に接着させた後に薄切片試料が前記キャリアテープに残されるように前記キャリアテープに接着された前記試料ブロックの端部の近傍を切り出す処理を所定回数行って前記キャリアテープに複数の前記薄切片試料を設け、複数の前記薄切片試料のうち一つの前記薄切片試料が内に配置されるように、一つの前記薄切片試料を挟んで前記薄切片試料から前記キャリアテープの長手方向に所定距離ずつ隔てた箇所同士を互いに密着させて、前記キャリアテープ自身が側壁及び底部を構成する容器に前記キャリアテープを変形させ、前記容器に前記薄切片試料を処理する処理液を注入すると共に、所定時間経過後に前記容器から前記処理液を除去し、その後に前記キャリアテープ同士の密着した箇所の密着を解くことを特徴とする。
本発明に係る切片試料の処理方法にあっては、長尺のキャリアテープの一面とされた上面に、所定間隔で薄切片試料が複数接着される。そして、一つの薄切片試料が内に配置されるように、例えば、一つの薄切片試料からキャリアテープの長手方向に所定距離隔てた箇所同士を互いに密着させてキャリアテープ自身を筒状の筒部に変形させ、その後に筒部の一側縁を隙間無くキャリアテープ同士を互いに密着させて筒部を器状の容器に変形させる。このようにして、キャリアテープ自身は、側壁及び底部と担った容器に変形することとなる。なお、この容器には、内に一つの薄切片試料が配置されている。
そして、この容器には薄切片試料を処理する処理液が注入され、この薄切片試料は、この注入された処理液に浸漬されて所望の処理がなされる。その後、この容器から処理液を除去し、そして、その容器を構成するようにキャリアテープ同士の互いに密着された密着箇所が解かれる。つまり、それまで容器を構成していたキャリアテープは、通常の薄切片試料を保持するキャリアテープに戻される。従って、キャリアテープには所望の処理がなされた薄切片試料が保持されることとなる。また、上述した容器は、薄切片試料毎に設けられるので、その容器毎に異なる処理液を注入することができる。従って、キャリアテープには所望の異なる処理がなされた薄切片試料が保持されることとなる。
本発明に係る切片試料の処理方法は、前記キャリアテープ同士の密着した箇所を、密着した後に固定手段によって、その密着を固定保持することを特徴とする。
本発明に係る切片試料の処理方法にあっては、例えばクリップ部材のような固定手段によって、キャリアテープ同士の互いに隙間無く密着された箇所の密着は互いに離れないように、これを固定保持する。これによって、上述したように、キャリアテープ自身を容器として構成して、この容器に処理液を注入した場合に、処理液は容器から漏れ難いものとなる。従って、この容器の内に配置された薄切片試料は好適に処理液に浸漬されて所望の処理を好ましく行うことができる。
本発明に係る切片試料の処理装置は、検体を包埋材の中に埋め込めてなる試料ブロックの端部を接着可能なキャリアテープの一面に接着させる接着手段と、薄切片試料が前記キャリアテープに残されるように前記キャリアテープに接着された前記試料ブロックの端部の近傍を切り出す切出手段と、前記キャリアテープに接着されて残された前記薄切片試料が、側壁を構成する筒部材内に配置されるように、前記筒部材と、前記筒部材の底面と当接し且つ底部を構成する底部材とによって、前記キャリアテープを挟み込む挟み込み手段と、前記筒部材と前記底部材とを互いに係着させる係着手段によって前記筒部材と前記底部材とを互いに係着保持する係着支持手段と、前記筒部材と前記底部材とによって構成された容器に、前記薄切片試料を処理する処理液を注入する処理液注入手段と、所定時間経過後に前記容器から前記処理液を除去する処理液除去手段と、前記係着手段による前記筒部材と前記底部材との互いの係着保持を解除する解除手段とを含むことを特徴とする。
本発明に係る切片試料の処理装置にあっては、接着手段及び切出手段によって、長尺のキャリアテープの一面とされた上面に、所定間隔で薄切片試料が複数接着される。また、その上面の反対面は、キャリアテープの他面とされた下面となっている。そして、挟み込み手段及び係着支持手段によって、側壁を構成する筒部材と、その筒部材の底面と当接し且つ底部を構成する底部材とは、一つの薄切片試料を筒部材の内に配置するように、筒部材はキャリアテープの上面から底部材はキャリアテープの下面から前記キャリアテープを挟み込んで互いに係着手段により係着され、これら筒部材と底部材とは容器を構成する。これによって、内に一つの薄切片試料を配置した容器が、キャリアテープに設けられることとなる。また、この容器は、複数の薄切片試料のそれぞれに設けられることとなる。
そして、処理液注入手段によって、この容器には薄切片試料を処理する処理液が注入され、この薄切片試料は、この注入された処理液に浸漬されて所望の処理がなされる。その後、処理液除去手段によって、この容器から処理液を除去し、そして、解除手段によって、この容器を構成する筒部材と底部材とがキャリアテープから取り外される。従って、キャリアテープには所望の処理がなされた薄切片試料が保持されることとなる。また、上述した容器は、薄切片試料毎に設けられるので、その容器毎に異なる処理液を注入することができる。従って、キャリアテープには所望の異なる処理がなされた薄切片試料が保持されることとなる。
本発明に係る切片試料の処理装置は、検体を包埋材の中に埋め込めてなる試料ブロックの端部を接着可能なキャリアテープの一面に接着させる接着手段と、薄切片試料が前記キャリアテープに残されるように前記キャリアテープに接着された前記試料ブロックの端部の近傍を切り出す切出手段と、複数の前記薄切片試料のうち一つの前記薄切片試料が内に配置されるように、一つの前記薄切片試料を挟んで前記薄切片試料から前記キャリアテープの長手方向に所定距離ずつ隔てた箇所同士を互いに密着させて、前記キャリアテープ自身が側壁及び底部を構成する容器に前記キャリアテープを変形させるキャリアテープ変形手段と、前記容器に前記薄切片試料を処理する処理液を注入する処理液注入手段と、所定時間経過後に前記容器から前記処理液を除去する処理液除去手段と、その後に前記キャリアテープ同士の密着した箇所の密着を解く解き手段とを含むことを特徴とする。
本発明に係る切片試料の処理装置にあっては、接着手段及び切出手段によって、長尺のキャリアテープの一面とされた上面に、所定間隔で薄切片試料が複数接着される。そして、キャリアテープ変形手段によって、一つの薄切片試料が内に配置されるように、例えば、一つの薄切片試料からキャリアテープの長手方向に所定距離隔てた箇所同士を互いに密着させてキャリアテープ自身を筒状の筒部に変形させ、その後に筒部の一側縁を隙間無くキャリアテープ同士を互いに密着させて筒部を器状の容器に変形させる。このようにして、キャリアテープ自身は、側壁及び底部と担った容器に変形することとなる。なお、この容器には、内に一つの薄切片試料が配置されている。
そして、処理液注入手段によって、この容器には薄切片試料を処理する処理液が注入され、この薄切片試料は、この注入された処理液に浸漬されて所望の処理がなされる。その後、処理液除去手段によって、この容器から処理液を除去し、そして、解き手段によって、その容器を構成するようにキャリアテープ同士の互いに密着された密着箇所が解かれる。つまり、それまで容器を構成していたキャリアテープは、通常の薄切片試料を保持するキャリアテープに戻される。従って、キャリアテープには所望の処理がなされた薄切片試料が保持されることとなる。また、上述した容器は、薄切片試料毎に設けられるので、その容器毎に異なる処理液を注入することができる。従って、キャリアテープには所望の異なる処理がなされた薄切片試料が保持されることとなる。
本発明に係る切片試料の処理容器、切片試料の処理方法、切片試料の処理装置によれば、生体組織の薄切片試料が保持された一連のテープを、切断することなく薄切片試料の観察する際に好ましく位置決めすることができる上、多様な生体組織の観察に応じて、そのテープに保持された生体組織の薄切片試料を、それぞれ異なる薬品で処理することができる。また、これによって、生体組織の観察のバリエーションに応じることが可能に処理された薄切片試料を得ることができる。
以下、本発明に係る切片試料の処理方法及び切片試料の処理装置の実施の形態を、これら処理方法及び処理装置に用いられる切片試料の処理容器と共に図を参照しながら説明する。本発明に係る切片試料の処理方法について、図1の模式的概略工程図に示すように、大まかに分けて、試料ブロック作製工程(S1)と、薄切片試料形成工程(S2)と、容器具設工程(S3)と、薄切片試料処理工程(S4)とを含んでなるものである。なお、S2〜S3においての左方の図は、その工程において用いられる装置の概念図であり、右方の図はその工程において処理された薄切片試料P1(処理前),P2(処理後)が接着されたキャリアテープTを示している。なお、符号Cは処理容器を示している。次に、この処理方法についての具体的な各種の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
まず、試料ブロック作製工程(S1)について説明する。試料ブロック作製工程(S1)では、検体Pを、包埋材の中に埋め込んで試料ブロックBを作製する。検体Pとしては、観察したい生体の細胞である。包埋材としては、ロウやパラフィンをはじめとした材料が採用され、これらロウやパラフィンの中に、前記検体Pとされる生体細胞を埋め込んで試料ブロックBは作製される。
次に、このように作製された試料ブロックBから薄い切片試料(以下、薄切片試料)P1を形成して、これをキャリアテープTに接着させて保持する薄切片試料形成工程(S2)に移る。この薄切片試料形成工程(S2)は、前記試料ブロックBの端部をキャリアテープTの一面T1に接着させる接着工程と、薄切片試料P1が前記キャリアテープTに残されるようにキャリアテープTに接着された前記試料ブロックBの端部の近傍を切り出す切出工程とを含む。なお、前記キャリアテープTの一面T1の反対側は、前記薄切片試料P1が保持されない他面T2とされる。
接着工程では、図2(a)に示すように、まず、前記試料ブロックBの一端部を支持台Rに固着させて、この試料ブロックBを支持台Rによって支持する。そして、その支持された試料ブロックBの他端部を前記キャリアテープTに接着させる。このキャリアテープTは、長尺の適宜の材料からなるテープであって、前記試料ブロックBが接着する一面T1の所定箇所には、前記試料ブロックBが好適に接着されるように接着剤が塗布されている。なお、前記支持台Rをはじめ、図示されないキャリアテープTを把持する装置が、この発明における接着手段に相当するものである。また、この接着剤の塗布は、前記試料ブロックBが接着される箇所にのみにされるものであってもよいし、また全面に塗布されるものであってもよい。そして、次に説明する切出工程に移る。
切出工程では、図2(b)に示すように、前記試料ブロックBのうち、前記接着工程において前記キャリアテープTに接着された前記試料ブロックBの他端部の近傍を刃Kによって切り出す。そうすると、前記キャリアテープTには、数十μmの厚さにされた薄切片試料P1が前記キャリアテープTに接着して保持され、残されることとなる。なお、この際、前記試料ブロックBの他端部の近傍が、容易に好ましく切り出されるように、前記試料ブロックBの一端が固着された支持台Rを前記キャリアテープTから離間するように引っ張られている。このように、前記支持台Rを前記キャリアテープTから離間されるように引っ張ることによって、前記試料ブロックBの端部の端面の近傍に刃Kが当て易いようにされ、前記試料ブロックBを薄く切り出し易いものとなっている。また、前記刃Kを備える装置が、この発明における切出手段に相当するものである。
この接着工程及び切出工程を含む薄切片試料形成工程(S2)では、前記キャリアテープTに適宜間隔で薄切片試料P1が保持されるように、前記キャリアテープTを所定速度で送り出しながら順次繰り返しなされている。そして、前記薄切片試料P1が予め定めてある数量に達するまで逐次確認されながら、この薄切片試料形成工程(S2)は繰り返しなされるものとなっている。このようにして、前記キャリアテープTに薄試料切片P1を所定数量接着させて保持した後に、次の容器具設工程(S3)に移る。
容器具設工程(S3)は、薄切片試料P1が保持されたキャリアテープTに処理容器Cを具設する工程であり、この第1の実施の形態では、前記キャリアテープTに、図3の(a),(b)に示すような容器部材(切片試料の処理容器C)10を設ける工程となっている。この容器具設工程(S3)を説明する前に、この第1の実施の形態の容器具設工程(S3)において具設された容器部材(切片試料の処理容器C)10について説明する。
この容器部材10は、上述したように、前記キャリアテープTの一面T1に所定間隔で複数接着された薄切片試料P1を、図6に示すように処理液Lに浸漬させて処理を行う、この発明における切片試料の処理容器(図1の処理容器C)に相当するものである。この容器部材10は、処理容器Cとしての側壁として構成される筒部材20と、前記筒部材20のフランジ部(底面)25と当接し且つ処理容器Cとしての底部として構成される底部材30と、前記筒部材20と前記底部材30とを互いに係着させる係着手段とされた係止固定部35とを備えて構成されている。
前記容器部材10について個別具体的に説明すると、前記筒部材20は、図3(a),(b)に示すように、円筒状に形成された筒部21と、その筒部21の下側端部に前記筒部21の軸線と直交する方向に且つ前記筒部21の断面径方向に突出してフランジ状に形成されたフランジ部25とから構成されている。具体的には、前記筒部21は、前記薄切片試料P1の周囲を囲うことが可能な内径で、且つ後に説明する処理液Lが注入された際にその処理液Lを保持可能な深さとなる適宜長の円筒で構成されている。また、前記フランジ部25は、前記筒部21の下側端部の周縁から径方向外方に向かって突出され板状に形成されており、その外縁は正方形状に形成されている。加えて、前記フランジ部25の外縁の一辺の長さは、前記キャリアテープTを好適に挟み込むことをできるように、前記キャリアテープの幅長に比して大に設定されている。これによって、このフランジ部25は、前記キャリアテープTに好適に覆い被さることとなる。なお、前記筒部は容器部材10の側壁を構成する箇所であり、前記フランジ部25の下面はこの筒部材20の底面を構成する箇所となっている。
前記底部材30は、図3(a),(b)に示すように、略正方形の平板状に形成され板部31と、その板部31の周縁に設けられ且つ他の底部材30の周縁に設けられた連結部39と連結可能に形成される連結部39とから構成されている。具体的には、前記板部31は、前記フランジ部25より拡大された略正方形の平板状に形成され、その上面は、前記筒部材20の底面(フランジ部25の下面)と面で接することが可能に形成されている。なお、前記筒部材20の底面(フランジ部25の下面)と、前記板部31の上面との間には、これらが好適に密着するように、何れかの面に設けられるようにOリングが介装されるものであってもよい。
そして、前記板部31の周縁を構成する一面にはT字状に突出された雄型連結部39aが設けられ、その反対の他面には前記雄型連結部39aと好適に嵌合可能なT字状に切削された雌型連結部39bが設けられている。なお、前記板部31の上面は、この底部材30の上面とされる。また、図3の板部31の周縁には、前記雄型連結部39aと前記雌型連結部39bとからなる一組のみの連結部39が設けられるものであったが、これに限定されることなく、前記板部31の周縁を構成する前記連結部39が設けられていない他の2面にあっても、連結部が設けられるようにしてもよい。すなわち、前記板部31のうち、前記連結部39a,39bが設けられる方向とは直交する方向の面に、さらに一組の雄雌からなる連結部39a,39bと同様な連結部が、設けられるようにしてもよい。この場合にあっては、容器部材10を二次元的に連結することが可能となる。
また、前記底部材30には、前記筒部材20と前記底部材30とを互いに係着させて係着を保持する係止固定部(係着手段)35が、前記底部材30と一体となって設けられている。この係止固定部35は、前記底部材30の板部31から垂直方向に突出して設けられている。前記係止固定部35は、前記筒部材20の底面が前記底部材30の上面に当接された際に、正方形状に形成された前記フランジ部25の外縁の四方端26に合わされた位置で4つ設けられている。この係止固定部35は、前記板部31から前記フランジ部25の厚み長さで形成された直方体部36と、その直方体部36の端部と一体に設けられ且つ内方に向かった突設された爪部37とから構成されている。この爪部37は、前記直方体部36が設けられた側に位置された下面は前記板部31と平行とされた面で形成され、その反対の上面は内方に向かって傾斜されたテーパ状に形成されている。
このように係止固定部35が形成されることによって、前記筒部材20の底面を前記底部材30に上面に当接した場合には、前記フランジ部25は、好適に前記係止固定部(係着手段)35に係止される。つまり、前記係止固定部(係着手段)35は、前記筒部材20と前記底部材30とを好適に係着させる。なお、前記連結部39は、この容器部材10のうち前記底部材30の板部31の周縁に設けられるように構成されるものとしたが、これに限定されず、前記筒部材20の周縁に設けられるように構成されるものであってもよい。また、この係止固定部(係着手段)35は、前記底部材30と一体となるよう構成されるものとしたが、これに限定されず、前記筒部材20と一体となるように構成されるものであってもよいし、また、この筒部材20及び底部材30とは別個の新たな他の部材によって構成されるものであってもよい。
このように構成される容器部材(切片試料の処理容器C)10は、容器具設工程(S3)において、次のようにして前記キャリアテープTに設けられる。この容器具設工程(S3)は、前記筒部材20と前記底部材30とによって前記キャリアテープTを挟み込む挟み込み工程と、前記係着手段とされる係止固定部35によって前記筒部材20と底部材30とを互いに係着させて係着を保持する係着工程と、それぞれの容器部材10に設けられる連結部39によって容器部材10を互いに連結する連結工程とを含む。
挟み込み工程では、図5の左方に示すように、まず、切片位置検出手段とされる位置検出センサ41によって、前記キャリアテープTの何れの箇所に薄切片試料P1が保持されているのかを検出する。前記位置検出センサ41は、例えば、適宜の画像処理装置を備えた撮像装置によって、前記キャリアテープTを撮像し、これを画像処理装置によって処理して、そのキャリアテープTに保持された薄切片試料P1がキャリアテープTの何れの位置に存在するのかを検出する。これによって、次にも説明するが、筒部材把持機構(筒部材把持手段)42と底部材把持機構(底部材把持手段)43とによって、このキャリアテープTを前記筒部材20と底部材30とによって挟み込む際に、この筒部材20の筒部21の内に薄切片試料P1を配置させることができることとなる。なお、前記位置検出センサ41、筒部材把持機構42、及び底部材把持機構43を備える装置が、この発明における挟み込み手段に相当する。また、筒部材把持機構42、及び底部材把持機構43が、この発明における係着支持手段に相当する。
このようにして、前記キャリアテープTに保持された薄切片試料P1の位置が検出されると、次に、その検出された薄切片試料P1の中心軸線と前記筒部材20の筒部21の中心軸線とが同軸とされるように、キャリアテープTを前記筒部材20と底部材30とによって挟み込む。具体的には、図5の中央に示すように、薄切片試料P1が保持されたキャリアテープTを挟んで、上方には筒部材把持機構42によって把持された筒部材20を配置し、また、下方には底部材把持機構43によって把持された底部材30を配置する。そして、前記薄切片試料P1の中心軸線と前記筒部材20の筒部21の中心軸線とが同軸とされるように、これらの筒部材把持機構42と底部材把持機構43とによって、前記筒部材20と前記底部材30とは互いに接近して、前記キャリアテープTを挟み込む。そして、次に、この筒部材20と前記底部材30とを係着して容器部材10とする係着工程に移る。
係着工程では、図5の中央に示すように、前記底部材30に設けられた係止固定部(係着手段)35の爪部37が、前記フランジ部25の上面に伸し上がって、前記筒部材20と前記底部材30とを係着させる。このようにして、前記薄切片試料P1が保持されたキャリアテープTを挟み込んで、前記筒部材20と前記底部材30とは互いに係着して容器部材10を構成する。この際、前記爪部37の上面は、テーパ状に形成されているので、滑らかに前記フランジ部25の上面に伸し上がるものとなっている。そして、次に、このように構成された容器部材10を互いに連結させる連結工程に移る。
連結工程では、図5の右方に示すように、上述した挟み込み工程及び係着工程によって複数構成された容器部材10を、その容器部材10の一部とされる底部材30に設けられた連結部39によって互いを連結させる。具体的には、前記底部材把持機構43が、容器部材10を把持し、容器部材10の互いが接近するように前記底部材把持機構43同士を接近させ、上述した雄連結部39aと雌連結部39bとを嵌合させる。そうすると、前記容器部材10は、あたかもウェルプレートを構成するかのように一体の列をなすこととなる。なお、前記容器部材10が連結された際は、前記底部材把持機構43は、その一部の部材が外され、容器部材支持台44となる。
このようにして、前記キャリアテープTには、容器部材(切片試料の処理容器C)10が設けられる。そして、次に、前記薄切片試料P1を処理する薄切片試料処理工程(S4)に移る。なお、この連結工程における容器部材10を連結は、この容器具設工程(S3)に含めずに、適宜必要な場合になされるものであってもよい。
この薄切片試料処理工程(S4)は、薄切片試料を処理する工程であって、前記容器部材10に薄切片試料P1を処理する処理液Lを注入する処理液注入工程と、その処理液Lに薄切片試料P1を所定時間浸漬させた後に容器部材10から処理液Lを除去する処理液除去工程と、前記キャリアテープTから容器部材10を取り外す解除工程とを含む。なお、前記解除工程は、係着手段とされた係止固定部35による前記筒部材20と前記底部材30との互いの係着保持を解除することによってなされるものである。
処理液注入工程は、図6に示すように、上述した容器具設工程(S3)においてウェルプレート状に連結された複数の前記容器部材10に、前記薄切片試料P1を処理する処理液Lを注入する工程である。この処理液注入工程では、この発明における処理液注入手段と処理液除去手段とを兼ねる処理液交換用スポイト機45によって、上述した容器部材10内に処理液Lを注入する。なお、前記処理液交換用スポイト機45は、ウェルプレート状に連結された複数の前記容器部材10の間隔及び数に合わせて複数配置されると共に前記処理液Lを注入したり除去したりするように構成されている。
このようにして、前記容器部材10に処理液Lが注入されると、この容器部材10内に配置された薄切片試料P1は、この処理液Lによって浸漬されることとなる。そして、前記薄切片試料P1が、この処理液Lに浸漬されて好適に処理される所定時間が経過するまで、前記薄切片試料P1の浸漬状態は維持される。そして、その所定時間が経過した後には、この容器部材10から処理液Lを除去する処理液除去工程に移る。なお、この処理液Lにあっては、例えば、前記薄切片試料P1を染色するために用いられる薬品からなるものであってもよいし、これに限定されることなく、この薄切片試料P1を処理する適宜各種の薬品を用いてもよいものとされる。また、前記容器部材10に処理液Lが注入され、前記薄切片試料P1が処理液Lに浸漬されている間に、前記薄切片試料P1を含めた容器部材10を適宜のインキュベーションボックス内に入れ、適宜のインキュベーションがなされるように構成してもよい。
処理液除去工程は、前記処理液注入工程において容器部材10内に注入されていた処理液Lを、その容器部材10から除去する工程である。この処理液除去工程では、上述した処理液除去手段も兼ねる処理液交換用スポイト機45によって、前記容器部材10内の処理液を吸い上げて、前記容器部材10から前記処理液Lが除去される。このようにして前記容器部材10内には、前記処理液Lによって処理された薄切片試料P2が前記キャリアテープTに保持されたまま残ることとなる。
なお、上述した処理液注入工程及び処理液除去工程にあっては、前記薄切片試料P1が処理されるにあたって、これらの工程を1回だけ通して踏まれるものでもあってもよいし、また、観察者の望む処理とされるまで、これらの工程を数回繰り返して通して踏まれるものであってもよい。例えば、上述した処理液注入工程及び処理液除去工程によって、いくつかの薄切片試料P1のみを赤色に染色(処理液は赤色染色液)し、そして次に、再度、上述した処理液注入工程及び処理液除去工程によって、残りのいくつかの薄切片試料P1を青色に染色(処理液は青色染色液)するものであってもよい。このように前記薄切片試料P1が観察者の望むように1回若しくは複数回に亘って処理された後、次に、その薄切片試料P2が保持されたキャリアテープTから、前記容器部材10を取り外す解除工程に移る。
解除工程は、前記キャリアテープTに設けられた前記容器部材10を取り外す工程であって、具体的には、係着手段とされた係止固定部35によって前記筒部材20と前記底部材30との互いの係着保持を解除する工程である。解除工程では、図3に示す容器部材10からも分かるように、この発明における解除手段とされる、図示されないスライド機構によって、前記筒部材20を底部材30上をスライドさせ、前記筒部材20を前記底部材30から外す。このようにして、それまで係止固定部35によって係着されて一体となって構成されていた容器部材10、すなわち前記筒部材20と底部材30とは互いに切り離されることとなり、これによって、それまで挟み込んでいた前記キャリアテープTの挟み込みは解除されることとなる。従って、容器部材10は、前記キャリアテープTから取り外されることとなる。なお、前記底部材30に設けられた前記係止固定部35の爪部37を、前記筒部材20のフランジ部25から外すことによっても、前記筒部材20と底部材30とは互いに切り離されたものとなる。つまり、前記容器部材10は、キャリアテープTから取り外されることとなる。
ここで、この第1の実施の形態の容器具設工程(S3)において具設された容器部材(切片試料の処理容器C)10は、次のように構成されるものであってもよい。なお、前記容器部材10と同様に構成される部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。すなわち、図4に示すように、前記容器部材10の変形例とされる第2の容器部材10aは、上述の容器部材10と同様、処理容器Cとしての側壁として構成される筒部材20と、前記筒部材20のフランジ部(底面)25と当接し且つ処理容器Cとしての底部として構成される底部材30とを備えて構成されている。そして、この第2の容器部材10aの前記容器部材10と異なる点としては、前記底部材30には係止固定部(係着手段)35aが設けられると共に、前記筒部材20と前記底部材30とを接続する接続部38が設けられたものとなっている。
この第2の容器部材10aの係止固定部35aは、フランジ部25の外縁の四方端26に合わされた位置で4つ設けられた前記容器部材10の係止固定部35と異なり、前記フランジ部25の外縁を構成する辺部27の中央に合わされた位置で1つのみによって構成されている。なお、この第2の容器部材10aの係止固定部35aは、前記板部31に設けられる位置及び個数が前記容器部材10と異なるように構成されるのであって、その他の構成は、前記容器部材10の係止固定部35と同様な構成となっている。つまり、この係止固定部35aは、前記板部31から前記フランジ部25の厚み長さで形成された直方体部36と、その直方体部36の端部と一体に設けられ且つ内方に向かった突設された爪部37とから構成され、爪部37は、前記直方体部36が設けられた側に位置された下面は前記板部31と平行とされた面で形成され、その反対の上面は内方に向かって傾斜されたテーパ状に形成されている。
さらに、この第2の容器部材10aの係止固定部35aの反対側の辺部27には、前記筒部材20と前記底部材30とを接続する接続部38が設けられている。この接続部38は、一端が前記筒部材20のフランジ部(底面)25と接続されると共に、他端は前記板部31の上面と接続されている。これによって、前記係止固定部(係着手段)35aと前記フランジ部25との係止が解除された場合には、前記筒部材20と前記底部材30との互いが離れてバラバラにならないように、前記筒部材20と前記底部材30との互いを接続したままのものとする。また、この接続部38には、可撓性を有する程度の厚さとされる切れ込みが形成されている。これによって、前記係止固定部35aと前記フランジ部25との係止が解除された場合には、前記接続部38自身は好適に撓むこととなって、前記筒部材20の底面(フランジ部25の下面)と前記板部31の上面との互いを、好適に離間可能とする。
以上述べたように、この切片試料の処理方法を用いれば、内に一つの薄切片試料P1を配置した容器部材10が、キャリアテープTに設けられることとなる。また、この容器部材10は、複数の薄切片試料P1のそれぞれに設けられることとなる。従って、この容器部材10に処理液Lを注入した場合に、この容器部材10内に配置された薄切片試料P1は、好適に処理液Lに浸漬されて所望の処理を好ましく行うことができる。また、この容器部材10は、複数の薄切片試料P1毎に設けられることとなるので、この容器部材10毎に異なる処理液Lを注入した場合には、薄切片試料P1は、多様な生体組織の観察に応じて、好適に異なる処理液Lに浸漬されて所望の処理を好ましく行うことができる。加えて、薄切片試料P1が保持された、この一連のキャリアテープを切断することもないので、薄切片試料P2を観察するにあたっても、従来と同じく位置決めされ易いものとされ、好ましい状態で薄切片試料P1を観察できる。
また、複数からなる容器部材10は互いに連結され、これによって、あたかもウェルプレートを構成するかのように、これらの容器部材10を連結して構成することができる。従って、上述した薄切片試料P1をインキュベータで培養する場合等において、ウェルプレートのように処理や培養を行うようできるので、観察、その他の処理においても扱いやすいものとなる。
[第2の実施の形態]
次に、上述の第1の実施の形態とは異なる形態とされる第2の実施の形態について説明する。なお、以下においては、この第2の実施の形態のうち、上述した第1の実施の形態とは異に構成される工程についてのみを説明し、第1の実施の形態と同様に構成される工程については説明を省略するものとする。すなわち、この第2の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態のうち容器具設工程(S3)のみを異に構成されており、以下に、この第2の実施の形態の容器具設工程(S3)を説明する。
すなわち、上述した第1の実施の形態と同様に、試料ブロック作製工程(S1)及び薄切片試料形成工程(S2)の後、容器具設工程(S3)に移る。
この第2の実施の形態の容器具設工程(S3)は、上述の第1の実施の形態と同様に、薄切片試料P1が保持されたキャリアテープTに処理容器Cを具設する工程であり、この第2の実施の形態では、前記キャリアテープT自身を、図7に示すような容器状に構成された容器部(切片試料の処理容器C)50に変形させる工程となっている。この容器具設工程(S3)を説明する前に、この第2の実施の形態の容器具設工程(S3)において前記キャリアテープT自身を容器状に変形した容器部(切片試料の処理容器C)50について説明する。
この容器部50は、上述した容器部材10と同様に、前記キャリアテープTの一面T1に所定間隔で複数接着された薄切片試料P1を処理液Lに浸漬させて処理を行う、この発明における切片試料の処理容器(図1の処理容器C)に相当するものである。この容器部50は、図7に示すように、前記キャリアテープT自身を変形させることによって構成されるものであって、このキャリアテープT自身が容器部50を構成するように側壁部(側壁)51及び底部55に担って構成されている。そして、この容器部50内には、上述した複数の薄切片試料P1のうち一つの薄切片試料P1が配置されて保持されている。なお、符号59(59a,59b)は、前記キャリアテープT同士が互いに密着する密着部を示している。
すなわち、容器部50は、一つの前記薄切片試料P1から前記キャリアテープTの長手方向に所定距離隔てた箇所同士を互いに密着して密着部59(59a)を設け、また、前記キャリアテープTの一側縁(図の下側縁)同士も互いに密着して密着部59(59b)を設けている。このようにして、前記キャリアテープTも密着部59が設けられることによって、キャリアテープTに側壁部51及び底部55が形成されるようにキャリアテープTが変形される。そして、側壁部51及び底部55がキャリアテープTに形成されることによって、結果、内に一つの薄切片試料P1が配置された容器状に形成された容器部50がキャリアテープTに形成されたものとなっている。このように形成される容器部50は、次に説明する容器具設工程(S3)において形成される。
すなわち、この第2の実施の形態の容器具設工程(S3)は、次に具体的に詳述するが大まかに説明すると、上述した複数の薄切片試料P1のうち一つの前記薄切片試料P1が内に配置されるように、一つの前記薄切片試料P1から前記キャリアテープTの長手方向に所定距離隔てた箇所同士を互いに密着させて前記キャリアテープTを筒状の筒部50aに変形させ、その後に前記筒部50aの一側縁を隙間無く互いに密着させて前記筒部50aを器状に変形させて容器部50を形成する工程である。具体的には、容器具設工程(S3)は、次の通りとなっている。
すなわち、図8から図10に示すように、この第2の実施の形態の容器具設工程(S3)は、この発明におけるキャリアテープ変形手段とされるテープ保持棒によって、キャリアテープT自身を変形させて形成される。なお、図8(a)は第1テープ保持棒及び第2テープ保持棒が前記キャリアテープTに対して配置された斜視図、図8(b)は図8(a)の上面図、図9(a)は第2テープ保持棒が第1テープ保持棒に対して移動して第1密着部が形成された斜視図、図9(b)は図9(a)の上面図、図10(a)は第2密着部が形成された斜視図、図10(b)は第1密着部及び第2密着部を固定保持するクリップ部材が取り付けられた容器部を示す側面図である。
まず、図8(a)及び図8(b)に示すように、前記キャリアテープTは、面(一面T1及び他面T2)が鉛直方向とされるように配置される。なお、この際、前記キャリアテープTのうち、前記薄切片試料P1が保持された側の一面T1が手前側とされて配置されている。そして、前記薄切片試料P1を挟んで、前記薄切片試料P1から前記キャリアテープTの長手方向に所定距離ずつ隔てた箇所に、前記一面T1と接し且つキャリアテープTの長手方向と直交するキャリアテープTの幅方向に2本の第1テープ保持棒61,62を配置させる。またさらに、前記薄切片試料P1前記第1テープ保持棒61,62を挟んで、前記第1テープ保持棒61,62よりも大とされた所定距離ずつ隔てた箇所に、前記一面T1と反対側の他面T2と接し且つキャリアテープTの長手方向と直交するキャリアテープTの幅方向に2本の第2テープ保持棒63,64を配置させる。なお、前記第1テープ保持棒61,62、及び第2テープ保持棒63,64を備える装置が、この発明におけるキャリアテープ変形手段に相当する。
そして、図8(b)に示すように、前記第1テープ保持棒61,62を固定したまま、前記第2テープ保持棒63,64を一面側方(図では手前側方)D1,D2に移動させると共に、前記第2テープ保持棒63,64の互いを接近させる。そうすると、図9(a)及び図9(b)に示すように、前記第2テープ保持棒63,64が互いを接近されることによって前記キャリアテープT同士を、互いに密着させて第1密着部59aを形成する。このようにして、前記キャリアテープTは、前記薄切片試料P1を内にして筒状の筒部50aに変形される。
次いで、図10(a)に示すように、前記筒部50aから前記第1テープ保持棒61,62を抜き去り、前記筒部50aの一側縁(下側縁)を隙間無く互いに密着させて第2密着部59b(59)を形成する。なお、この際、前記筒部50aの他側縁(上側縁)は、開口されたままとされている。このようにして、前記筒部50aは、器状の容器部50に変形される。
このようにして前記キャリアテープTを変形して形成された前記容器部50には、その容器部50を構成するために密着された第1密着部59a及び第2密着部59bの密着を固定保持するため、図10(b)に示すように、前記容器部50にクリップ部材(この発明における固定手段)70が装着される。このクリップ部材70は、図11に示すように、側方から見て略L字状に形成され、また、断面を略L字状にされるように切れ込み部71が設けられた金属からなるものである。さらに、前記クリップ部材70は、設けられた切れ込み部71を適当に開けることができるように、一部に間隙72が設けられている。なお、この間隙72には、樹脂からなる適宜の嵌挿部材73が嵌挿されたものとなっている。
すなわち、図10(b)及び図11に示すように、前記第1密着部59aは、このクリップ部材70の第1挟持部75a,75bによって挟持されて固定され、前記第2密着部59bは、このクリップ部材70の第2挟持部76a,76bによって挟持されて固定される。このようにして、容器状に構成された前記容器部50をクリップ部材70によって固定して、次の薄切片試料P1を処理する薄切片試料処理工程(S4)に移る。なお、この薄切片試料処理工程(S4)は、第1の実施の形態と同様に、前記薄切片試料P1を処理する。
この第2の実施の形態にあっても、先に述べた第1の実施の形態と同様に、前記キャリアテープTに、切片試料の処理容器Cとされる容器部50が設けられているので、薄切片試料処理工程(S4)の前記処理液注入工程及び処理液除去工程においても薄切片試料P1は好適に処理液Lに浸漬されて所望の処理がなされることとなる。なお、この第2の実施の形態の解除工程では、前記容器部50から前記クリップ部材70が取り外されると共に、前記第1密着部59a及び第2密着部59bにおける前記キャリアテープT同士の密着を解いて通常のキャリアテープTの形状に戻す。このキャリアテープT同士の密着を解く解き手段としては、適宜の手段を採用することができるが、例えば、その密着部59a,59bを離間させるように、上で述べた適宜のテープ保持棒61,62を押し当てるようにしてもよい。
なお、上述した第2の実施形態の容器具設工程(S3)にあっては、次のようにしてなされるものであってもよい。この第2の実施形態の容器具設工程(S3)の変形例について、図12を参照しながら説明する。この変形例は、上述した第2の実施形態の容器具設工程(S3)のうち、第1密着部59aの形成手法のみを異とするものであって、他の形成手法は上述と同様にされる。従って、この第1密着部59aの形成手法のみについて説明し、後の第2密着部59b等についての説明は省略する。なお、図12(a)は第1テープ保持棒及び第2テープ保持棒が前記キャリアテープTに対して配置された斜視図、図12(b)は図12(a)の上面図、図12(c)は第2テープ保持棒が第1テープ保持棒に対して移動して第1密着部が形成された上面図である。
まず、図12(a)及び図12(b)に示すように、前記キャリアテープTは、面(一面及び他面)が鉛直方向とされるように配置される。なお、この際、前記キャリアテープTのうち、前記薄切片試料P1が保持された側の一面T1が手前側とされて配置されている。そして、前記薄切片試料P1から所定の距離で離れた箇所に、前記一面T1と接し且つキャリアテープTの長手方向と直交するキャリアテープTの幅方向に1本の第1テープ保持棒81を配置させる。またさらに、前記薄切片試料P1及び前記第1テープ保持棒81を挟んで、所定距離ずつ隔てた箇所に、前記一面T1と反対側の他面T2と接し且つキャリアテープTの長手方向と直交するキャリアテープTの幅方向に2本の第2テープ保持棒83,84を配置させる。
そして、図12(c)に示すように、前記第1テープ保持棒81を固定したまま、前記第2テープ保持棒83,84を一面側方(図では手前側方)に移動させると共に、前記第2テープ保持棒83,84の互いを接近させる。そして、前記第2テープ保持棒83,84が互いを接近されることによって前記キャリアテープT同士の接する箇所を、互いに密着させて第1密着部59aを形成する。このようにして、前記キャリアテープTは、前記薄切片試料P1を内にして筒状の筒部50aに変形される。そして、この筒部50aは、第2の実施の形態において図10(a)に示して述べたように、前記筒部50aの一側縁(下側縁)を隙間無く互いに密着させて第2密着部59bを形成し、前記筒部50aは、器状の容器部50に変形される。
前記容器部50に処理液Lを注入した場合に、この容器部50内に配置された薄切片試料P1は、好適に処理液Lに浸漬して所望の処理を好ましく行うことができる。また、この容器部50は、複数の薄切片試料P1毎に設けられることとなるので、この容器部50毎に異なる処理液Lを注入した場合には、薄切片試料P1は、好適に異なる処理液Lに浸漬されて所望の処理を好ましく行うことができる。加えて、薄切片試料P1が保持された、この一連のキャリアテープを切断することもないので、薄切片試料P2を観察するにあたっても、従来と同じく位置決めされ易いものとされ、好ましい状態で薄切片試料P1を観察できる。
また、クリップ部材70のような固定手段によって、互いに隙間無く密着された箇所の密着は互いに離れないように、これを固定保持する。これによって、上述したように、キャリアテープT自身を容器部50として構成されて、この容器部50に処理液Lを注入した場合に、処理液Lは容器部50から漏れ難いものとなる。従って、この容器部50の内に配置された薄切片試料P1は好適に処理液Lに浸漬されて所望の処理を好ましく行うことができる。
以上述べたようにして、この切片試料の処理方法を用いれば、所望の処理がなされた薄切片試料P2を保持するキャリアテープTを得ることができる。そして、適宜の観察装置に、このようにして得られた薄切片試料P2を保持したキャリアテープTを用いて、観察者の要望に応じて生体試料を観察することができる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲において適宜の選択が可能である。例えば、上述した実施の形態における連結手段にあっても、T字状に突出されて形成される雄型連結部39a、及びこの雄型連結部39aに嵌合可能な雌型連結部39bによって構成されるものとしたが、この例に限定されることなく、雄雌の対にされて互いに連結可能に構成すれば何ら問題のないものとされ、適宜の形状を選択することができるものとされる。
本発明に係る切片試料の処理方法の模式的概略工程図である。 接着工程及び切出工程を示す上面図である。 容器部材(第1の実施の形態の容器)を示す斜視図である。 容器部材(第1の実施の形態の容器)の変形例を示す斜視図である。 キャリアテープを筒部材及び底部材で挟み込む挟み込み工程を示す側面図である。 処理液注入工程及び処理液除去工程を示す側面図である。 容器部(第2の実施の形態の容器)を示す斜視図である。 容器部を形成する工程を示す斜視図及び上面図である。 容器部を形成する工程を示す斜視図及び上面図である。 容器部を形成する工程を示す斜視図及び側面図である。 クリップ部材(固定手段)の斜視図である。 容器部を形成する工程の変形例を示す斜視図及び上面図である。
符号の説明
20 筒部材
30 底部材
35 係止固定部
P1 薄切片試料
T キャリアテープ
T1 キャリアテープの一面
T2 キャリアテープの他面

Claims (10)

  1. キャリアテープの一面に所定間隔で複数接着された薄切片試料を処理液に浸漬させて処理を行う切片試料の処理容器であって、
    側壁を構成する筒部材と、前記筒部材の底面と当接し且つ底部を構成する底部材と、前記筒部材と前記底部材とを互いに係着させる係着手段とを備え、
    複数の前記薄切片試料のうち一つの前記薄切片試料を前記筒部材の内に配置するように、前記筒部材は前記キャリアテープの一面から前記底部材は前記キャリアテープの他面から前記キャリアテープを挟み込み、前記キャリアテープを挟み込んだ前記筒部材と前記底部材とを前記係着手段によって係着保持することを特徴とする切片試料の処理容器。
  2. 請求項1に記載の処理容器において、前記筒部材若しくは前記底部材の何れか一方に、互いに連結可能な連結部を複数設けたことを特徴とする切片試料の処理容器。
  3. キャリアテープの一面に所定間隔で複数接着された薄切片試料を処理液に浸漬させて処理を行う切片試料の処理容器であって、
    複数の前記薄切片試料のうち一つの前記薄切片試料を内に配置するように、一つの前記薄切片試料を挟んで前記薄切片試料から前記キャリアテープの長手方向に所定距離ずつ隔てた箇所同士を互いに密着させて、前記キャリアテープ自身が側壁及び底部を構成してなることを特徴とする切片試料の処理容器。
  4. 請求項3に記載の処理容器において、前記キャリアテープ同士の密着した箇所の密着を固定保持する固定手段を設けたことを特徴とする切片試料の処理容器。
  5. 検体を包埋材の中に埋め込めてなる試料ブロックの端部を接着可能なキャリアテープの一面に接着させる接着工程と、
    薄切片試料が前記キャリアテープに残されるように前記キャリアテープに接着された前記試料ブロックの端部の近傍を切り出す切出工程と、
    前記キャリアテープに接着されて残された前記薄切片試料が、側壁を構成する筒部材内に配置されるように、前記筒部材と、前記筒部材の底面と当接し且つ底部を構成する底部材とによって、前記キャリアテープを挟み込む挟み込み工程と、
    前記筒部材と前記底部材とを互いに係着させる係着手段によって前記筒部材と前記底部材とを互いに係着保持する係着工程と、
    前記筒部材と前記底部材とによって構成された容器に、前記薄切片試料を処理する処理液を注入する処理液注入工程と、
    所定時間経過後に前記容器から前記処理液を除去する処理液除去工程と、
    前記係着手段による前記筒部材と前記底部材との互いの係着保持を解除する解除工程とを含むことを特徴とする切片試料の処理方法。
  6. 請求項5に記載の切片試料の処理方法において、前記挟み込み工程の後に前記係着工程を経る少なくとも2つの工程を繰り返し踏むことによって、前記キャリアテープに複数の容器を設け、
    それぞれの容器に設けられ且つ互いに連結可能な連結部によって、これら容器を互いに連結し、
    その後に前記処理液注入工程を経て、前記処理液除去工程を経て、前記解除工程を経ることを特徴とする切片試料の処理方法。
  7. 検体を包埋材の中に埋め込めてなる試料ブロックの端部を接着可能なキャリアテープの一面に接着させた後に薄切片試料が前記キャリアテープに残されるように前記キャリアテープに接着された前記試料ブロックの端部の近傍を切り出す処理を所定回数行って前記キャリアテープに複数の前記薄切片試料を設け、
    複数の前記薄切片試料のうち一つの前記薄切片試料が内に配置されるように、一つの前記薄切片試料を挟んで前記薄切片試料から前記キャリアテープの長手方向に所定距離ずつ隔てた箇所同士を互いに密着させて、前記キャリアテープ自身が側壁及び底部を構成する容器に前記キャリアテープを変形させ、
    前記容器に前記薄切片試料を処理する処理液を注入すると共に、所定時間経過後に前記容器から前記処理液を除去し、
    その後に前記キャリアテープ同士の密着した箇所の密着を解くことを特徴とする切片試料の処理方法。
  8. 請求項7に記載の切片試料の処理方法において、前記キャリアテープ同士の密着した箇所を、密着した後に固定手段によって、その密着を固定保持することを特徴とする切片試料の処理方法。
  9. 検体を包埋材の中に埋め込めてなる試料ブロックの端部を接着可能なキャリアテープの一面に接着させる接着手段と、
    薄切片試料が前記キャリアテープに残されるように前記キャリアテープに接着された前記試料ブロックの端部の近傍を切り出す切出手段と、
    前記キャリアテープに接着されて残された前記薄切片試料が、側壁を構成する筒部材内に配置されるように、前記筒部材と、前記筒部材の底面と当接し且つ底部を構成する底部材とによって、前記キャリアテープを挟み込む挟み込み手段と、
    前記筒部材と前記底部材とを互いに係着させる係着手段によって前記筒部材と前記底部材とを互いに係着保持する係着支持手段と、
    前記筒部材と前記底部材とによって構成された容器に、前記薄切片試料を処理する処理液を注入する処理液注入手段と、
    所定時間経過後に前記容器から前記処理液を除去する処理液除去手段と、
    前記係着手段による前記筒部材と前記底部材との互いの係着保持を解除する解除手段とを含むことを特徴とする切片試料の処理装置。
  10. 検体を包埋材の中に埋め込めてなる試料ブロックの端部を接着可能なキャリアテープの一面に接着させる接着手段と、
    薄切片試料が前記キャリアテープに残されるように前記キャリアテープに接着された前記試料ブロックの端部の近傍を切り出す切出手段と、
    複数の前記薄切片試料のうち一つの前記薄切片試料が内に配置されるように、一つの前記薄切片試料を挟んで前記薄切片試料から前記キャリアテープの長手方向に所定距離ずつ隔てた箇所同士を互いに密着させて、前記キャリアテープ自身が側壁及び底部を構成する容器に前記キャリアテープを変形させるキャリアテープ変形手段と、
    前記容器に前記薄切片試料を処理する処理液を注入する処理液注入手段と、
    所定時間経過後に前記容器から前記処理液を除去する処理液除去手段と、
    その後に前記キャリアテープ同士の密着した箇所の密着を解く解き手段とを含むことを特徴とする切片試料の処理装置。
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