JP5947661B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタに関する。
オスハウジングとメスハウジングとが嵌合されることにより、両ハウジングの内部にそれぞれ収容された端子同士の電気的な接続を図るコネクタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−26769号公報
まず、図9を参照して、従来のコネクタについて説明する。図9は、従来のコネクタを示す縦断面図である。
コネクタロック構造110は、雄型コネクタ112と雌型コネクタ122とを係止させる構造である。雄型コネクタ112には短筒状の雄型フード部114が形成され、雄型フード部114の外面側には係止爪116が突設されている。雌型コネクタ122には短筒状で可撓性の雌型フード部124が形成され、雌型フード部124には係止爪116を係止させる係止用凹部126が形成されている。そして、雌型フード部124を外面側から押圧して撓ませることにより、係止用凹部126に係止された係止爪116の係止解除が可能になっている。
近年では、コネクタの更なる小型化が望まれている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、小型化が可能なコネクタを提供する。
前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタは、下記(1)〜(6)を特徴としている。
(1) オスハウジングと、
前記オスハウジングと嵌合可能である筒状に形成されたメスハウジングと、
を備えるコネクタであって、
前記オスハウジングは、
平板状に形成された壁部と、
前記オスハウジングと前記メスハウジングとが嵌合される方向である嵌合方向に延びるように、前記壁部から延設されたガイドアームと、
前記嵌合方向に延びるように、前記壁部から延設された可撓性を有するロックアームと、
を有し、
前記メスハウジングは、
該メスハウジングの第1の外側面と該第1の外側面とは反対側の第2の外側面とが、前記ガイドアームと前記ロックアームとの間に挟まれて、前記第1の外側面と前記第2の外側面とが対向する方向である左右方向への前記メスハウジングの移動が規制された状態で、前記オスハウジングと前記メスハウジングとが嵌合される際に、前記嵌合方向及び前記左右方向のそれぞれに垂直な方向である上下方向への前記ガイドアームの移動を規制して前記嵌合方向への前記ガイドアームの移動を案内する、前記第1の外側面から突設された第1のガイドレールと、
前記オスハウジングと前記メスハウジングとが嵌合した状態である嵌合状態において前記ロックアームに係止されて前記オスハウジングの前記嵌合方向への移動を規制する、前記第2の外側面から突設された係止突起と、
を有する、
こと。
(2)上記(1)の構成のコネクタであって、
前記第1のガイドレールは、該第1のガイドレールから前記上下方向に延びるように延設された規制部を有し、
前記ガイドアームは、前記嵌合時において前記規制部と前記第1の外側面との間に位置する当接部を有し、
前記嵌合状態においては、前記当接部が前記規制部に当接することによって、前記ガイドアームの前記第1の外側面から離間する方向への移動が規制される、
こと。
(3)上記(1)又は(2)の構成のコネクタであって、
前記係止突起は、前記第2の外側面に突設された本係止突起と、該第2の外側面における該本係止突起が形成された位置よりも前記嵌合状態における前記オスハウジング側の位置から該第2の外側面に突設された仮係止突起と、を有し、
前記オスハウジングと前記メスハウジングとが嵌合される際には、前記ロックアームが前記仮係止突起に係止されて前記オスハウジングと前記メスハウジングとが仮係止された後、前記ロックアームが前記本係止突起に係止されて前記オスハウジングと前記メスハウジングとが本係止される、
こと。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの構成のコネクタであって、
前記ロックアームは、前記上下方向に離間して形成される、前記壁部から前記嵌合方向に延びる複数の基部と、該基部の先端それぞれに連結され、前記係止突起に係止される係止面を画成する接続部と、を有している、
こと。
(5)上記(3)の構成のコネクタであって、
前記仮係止突起は、第1の仮係止突起と、該第1の仮係止突起に対して上下方向に並んで形成される第2の仮係止突起と、を有している、
こと。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの構成のコネクタであって、
前記メスハウジングは、前記上下方向への前記ロックアームの移動を規制して前記嵌合方向への前記ロックアームの移動を案内する、前記第2の外側面から突設された第2のガイドレールを更に有している、
こと。
上記(1)の構成のコネクタでは、メスハウジングは、第1の外側面と第2の外側面とがオスハウジングのガイドアームとロックアームとの間に挟まれて左右方向への移動が規制され、第1のガイドレールがガイドアームを案内することにより上下方向への移動が規制された状態で、嵌合方向に案内されてオスハウジングに相対的に接近し、係止突起がロックアームに係止されることにより嵌合方向への移動が規制される。これにより、筒状に形成されたメスハウジングと平板状に形成されたオスハウジングとが上下左右方向への移動が規制された状態で嵌合方向へ移動して接近し、互いに固定されて嵌合される。したがって、従来のコネクタのように、オスハウジングに、嵌合時においてメスハウジングの外側面の更に外側に配置されるフード部を形成する必要がない。
上記(2)の構成のコネクタでは、メスハウジングの第1の外側面から離間する方向へのガイドアームの移動が規制されているため、例えばオスハウジングに左右方向への外力が作用して、ロックアームが左右方向に撓み変形し、ガイドアームを含むオスハウジングがメスハウジングに対して左右方向に移動しようとした場合に、当該移動が規制される。これにより、左右方向への外力に起因するガタつきが抑制される。
また、上記(2)のコネクタでは、第1のガイドレールから上下方向に延びるように延設された規制部が、嵌合状態においてガイドアームの当接部に当接することにより、メスハウジングの第1の外側面から離間する方向へのガイドアームの移動が規制されている。このため、第1のガイドレールの左右方向の幅を増加させることなく、当該規制が実現される。
上記(3)の構成のコネクタでは、オスハウジングとメスハウジングとが嵌合される際には、ロックアームが仮係止突起に係止されてオスハウジングとメスハウジングとが仮係止された後、ロックアームが本係止突起に係止されてオスハウジングとメスハウジングとが本係止される。このため、例えば多極コネクタに適用する場合には、一旦仮係止状態としてオスハウジングとメスハウジングとの位置合わせをした後、本係止状態として両ハウジングを嵌合させることにより、確実に嵌合作業を実施することができる。また、コネクタを仮係止状態として運搬することにより、オスハウジングから突出して形成された端子等の部材に外力が作用して破損することを防止できる。
上記(4)の構成のコネクタでは、嵌合状態においては、複数の基部と該基部を連結する接続部とに囲まれるように、係止突起が係止面に係止される。このため、ロックアームを係止突起に対してより確実に係止させることができる。
上記(5)の構成のコネクタでは、仮係止突起が、第1の仮係止突起と該第1の仮係止突起に対して上下方向に並んで形成される第2の仮係止突起とを有しているため、第1の仮係止突起と第2の仮係止突起との間には、上下方向において間隙が形成されている。これにより、当該間隙が形成されていない場合と比較して、本係止状態に移行するためにロックアームが仮係止突起を乗り越える際に、ロックアームと仮係止突起との間に生じる摩擦力が低減される。このため、コネクタを仮係止状態にするために必要な力を小さくできる。
上記(6)の構成のコネクタでは、第2のガイドレールによってロックアームの上下方向への移動が規制されるため、メスハウジングの上下方向への移動が更に規制され、上下方向への外力に起因するガタつきが抑制される。
本発明に係るコネクタによれば、小型化が可能なコネクタを提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本実施形態のコネクタ1の嵌合前の状態を示す斜視図であり、図1(a)は前方右側から視た斜視図であり、図1(b)は前方左側から視た斜視図である。 図2は、仮嵌合状態におけるコネクタ1を示す斜視図である。 図3は、本嵌合状態におけるコネクタ1を示す斜視図である。 図4は、コネクタ1を右側から視た右側面図であり、図4(a)は仮嵌合状態におけるコネクタ1を示す右側面図であり、図4(b)は本嵌合状態におけるコネクタ1を示す右側面図である。 図5は、コネクタ1を左側から視た左側面図であり、図5(a)は仮嵌合状態におけるコネクタ1を示す左側面図であり、図5(b)は本嵌合状態におけるコネクタ1を示す左側面図である。 図6は、図4のA−A線矢視断面図である。 図7は、図6におけるB部を拡大して示す一部拡大断面図である。 図8は、図6におけるC部を拡大して示す一部拡大断面図である。 図9は、従来のコネクタを示す縦断面図である。
本発明に係るコネクタの具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。図1〜図8は実施形態に係るコネクタ1を示している。以下、本明細書中では、各図中に矢印で示すように前側、後側、上側、下側、左側、右側を規定して説明する。
コネクタ1は、図1に示すように、外部の接地回路と接続される導電金属製のジョイント端子40を保持する樹脂製のオスハウジング10と、オスハウジング10と嵌合可能である角筒状に形成され、ジョイント端子40と電気的に接続される複数のメス端子45を内部に収容して保持する端子収容室35を有する樹脂製のメスハウジング20と、を備えている。
コネクタ1では、オスハウジング10とメスハウジング20とが嵌合方向である前後方向において相対的に接近することにより、オスハウジング10とメスハウジング20とが嵌合されて嵌合状態とされる。この嵌合過程においては、オスハウジング10とメスハウジング20とが図2に示すように中途位置まで嵌合されて仮嵌合状態とされた後、オスハウジング10とメスハウジング20とが図3に示すように嵌合完了位置まで嵌合されて本嵌合状態とされる。仮嵌合状態においては、ジョイント端子40とメス端子45とは接触せず、接続されない。一方、本嵌合状態においては、ジョイント端子40とメス端子45とが接触して電気的に接続される。このため、一旦仮係止状態としてオスハウジング10とメスハウジング20との位置合わせをした後、両ハウジングを嵌合させて本係止状態とすることにより、確実に嵌合作業を実施することができる。
まず、コネクタ1が備える各構成について説明する。
オスハウジング10は、メスハウジング20の後側開口の縁形状に対応する平板状に形成された壁部11と、壁部11の右側側面から前後方向(前向き)に延びるように延設されたガイドアーム13と、前後方向におけるガイドアーム13と同じ向き(前向き)に延びるように壁部11の左側側面から延設された可撓性を有するロックアーム15と、を有している。尚、ガイドアーム13及びロックアーム15は、壁部11の左右側面ではなく前面から延設されていてもよい。
壁部11は、左右方向に幅広な矩形状に形成されている。壁部11の前面からは、後述するパッキン(防水部材)50が装着される装着部(図示せず。)が、メスハウジング20の後側開口の内縁形状に対応した形状で、前方に向けて延びるように突設されている。また、壁部11には、インサート成形によってジョイント端子40が一体成形(保持)されている。これにより、壁部11からは、ジョイント端子40のオス端子41が前方に向けて突出している。尚、ジョイント端子40は、インサート成形以外の公知の手法、例えば圧入等により壁部11に対して保持されていてもよい。
ガイドアーム13は、上下方向に離間して形成される、壁部11の右側側面から前後方向(前向き)に延びる2つの基部13a,13aと、該基部13a,13aの先端それぞれに連結される接続部13bと、を有しており、右方から視た場合に底部が前方を向いた、角ばったU字状に形成されている。また、図7に示すように、ガイドアーム13は、上下方向に延びる当接部14を有しており、ガイドアーム13の前方から視た断面は、メスハウジング20から離れるにつれて幅狭になる台形状に形成されている。
ロックアーム15は、上下方向に離間して形成される、壁部11の左側側面から前後方向(前向き)に延びる2つの基部15a,15aと、該基部15a,15aの先端それぞれに連結され、後述するメスハウジング20の係止突起29に係止される係止面17を画成する接続部15bと、を有しており、左方から視た場合に底部が前方を向いた、角ばったU字状に形成されている。後述するように、嵌合状態においては、複数の基部15a,15aと接続部15bとに囲まれるように、係止突起29が係止面17に係止される。また、図8に示すように、ロックアーム15の前方から視た断面は、矩形状に形成されている。
メスハウジング20は、右側外側面21(第1の外側面)から前後方向に延びるように突設された第1のガイドレール25と、左側外側面23(第2の外側面)から前後方向に延びるように突設された第2のガイドレール27と、左側外側面23から突設された係止突起29と、を有し、その内部には端子収容室35が画成されている。また、角筒状に形成されたメスハウジング20からは、端子収容室35の一部がその内部に画成された、保持部22が前方に向けて延設されている。
第1のガイドレール25は、右側外側面21の上端及び下端それぞれに設けられ、右側外側面21の前端から後端に向けて前後方向に延びる2つの突条である。第1のガイドレール25は、図7に示すように、第1のガイドレール25の上下方向における側面から上下方向に延びるように延設された規制部26を有している。規制部26は、上下方向に延びていることにより、上下方向に延びる規制面26aを形成している。本実施形態に係る規制面26aは、第1のガイドレール25のうちの左右方向に延びる部分から上下方向に遠ざかるにつれて右側外側面21から離れるように傾斜している。これにより、規制部26と右側外側面21との間には、前後方向から視て略三角形状の内縁形状を有する間隙が形成されている。嵌合状態においては、当該間隙にガイドアーム13の当接部14が入り込む。即ち、嵌合状態においては、規制部26と右側外側面21との間に当接部14が位置する。
第2のガイドレール27は、左側外側面23の上端及び下端それぞれに設けられ、左側外側面23の前端から後端に向けて前後方向に延びる2つの突条である。
係止突起29は、左側外側面23の上下方向中央に突設された本係止突起31と、左側外側面23における本係止突起31が形成された位置よりも嵌合状態におけるオスハウジング10側(即ち、後側。)の位置から左側外側面23に突設された仮係止突起33と、を有している。オスハウジング10とメスハウジング20とが嵌合される際には、ロックアーム15が仮係止突起33に係止されてオスハウジング10とメスハウジング20とが仮係止された後、ロックアーム15が本係止突起31に係止されてオスハウジング10とメスハウジング20とが本係止される。
本係止突起31は、前方に向けて左側外側面23からの突出高さが高くなるように傾斜した傾斜面32を有し、前後方向に延びるように形成されている。
仮係止突起33は、第1の仮係止突起33aと、第1の仮係止突起33aに対して上下方向に並んで形成される第2の仮係止突起33bと、を有している。第1の仮係止突起33a及び第2の仮係止突起33bは、本係止突起31を挟んで上下方向に対称な位置に形成されている。また、第1の仮係止突起33a及び第2の仮係止突起33bは、前方に向けて左側外側面23からの突出高さが高くなるように傾斜した傾斜面34a,34bを有し、前後方向に延びるように形成されている。
本係止突起31の後端から仮係止突起33の前端までの前後方向における長さは、図5(a)に示すように、ロックアーム15の接続部15bの前後方向の幅の長さと略等しく設定されている。これにより、仮嵌合状態におけるロックアーム15の前後方向への移動が規制され、仮嵌合状態における前後方向へのガタつきが抑制される。
第1の仮係止突起33aは、図8に示すように、その上端がロックアーム15の基部15a,15aのうちの上側の基部15aの下端に当接するように設けられている。そして、第2の仮係止突起33bは、その下端がロックアーム15の基部15a,15aのうちの下側の基部15aの上端に当接するように設けられている。これにより、仮嵌合状態及び本嵌合状態におけるロックアーム15の上下方向への移動が規制され、仮嵌合状態及び本嵌合状態におけるガタつきが抑制される。
次に、オスハウジング10とメスハウジング20の嵌合過程について説明する。
嵌合過程においては、図2及び図6に示すように、メスハウジング20の右側外側面21と該右側外側面21とは反対側の左側外側面23とが、オスハウジング10のガイドアーム13とロックアーム15との間に挟まれた状態で、オスハウジング10とメスハウジング20とが相対的に接近する。即ち、ガイドアーム13からロックアーム15までの左右方向における幅の長さは、メスハウジング20の形状に対応して設定されている。より具体的には、右側外側面21から左側外側面23までの距離と略等しく設定されている。これにより、メスハウジング20の左右方向への移動が規制された状態で、オスハウジング10とメスハウジング20とが相対的に接近する。
また、嵌合過程においては、図4及び図7に示すように、第1のガイドレール25が、ガイドアーム13の上下方向への移動を規制してガイドアーム13の前後方向への移動を案内する。
このとき、前述したように、ガイドアーム13は当接部14を有して台形状に形成されており、当接部14は第1のガイドレール25の規制部26とメスハウジング20の右側外側面21との間に入り込む。このため、例えばオスハウジング10に左右方向への外力が作用して、ロックアーム15が左右方向に撓み変形し、ガイドアーム13が右側外側面21から離間する方向へ(右方へ)移動しようとした場合に(即ち、ガイドアーム13を含むオスハウジング10がメスハウジング20に対して左右方向に移動しようとした場合に。)、当接部14が規制部26の規制面26aに当接する。これにより、ガイドアーム13には左向きの力が作用し、ガイドアーム13の右方への移動が規制される。
さらに、嵌合過程においては、図5及び図8に示すように、第2のガイドレール27が、ロックアーム15の上下方向への移動を規制してロックアーム15の前後方向への移動を案内する。
以上説明した嵌合過程におけるオスハウジング10とメスハウジング20との上下左右方向への相対的な移動の規制は、嵌合完了後においても同様に適用されており、嵌合完了後においてもオスハウジング10とメスハウジング20との各方向への相対的な移動は規制されている。
上述したように上下左右方向への移動が規制された状態で、オスハウジング10とメスハウジング20とが図2に示す中途位置まで相対的に接近すると、ロックアーム15が、仮係止突起33の傾斜面34a,34bに乗り上げるように撓み変形し、仮係止突起33を乗り越える。これにより、図5(a)に示すように、ロックアーム15の係止面17が仮係止突起33に係止され、ロックアーム15(オスハウジング10)の後方への移動が規制される。これにより、オスハウジング10とメスハウジング20とが仮嵌合状態とされる。
その後、オスハウジング10とメスハウジング20とが図3に示す嵌合完了位置まで更に相対的に接近すると、ロックアーム15が、本係止突起31の傾斜面32に乗り上げるように撓み変形し、本係止突起31を乗り越える。これにより、図5(b)に示すように、ロックアーム15の係止面17が本係止突起31に係止され、ロックアーム15(オスハウジング10)の後方への移動が規制される。これにより、オスハウジング10とメスハウジング20とが本嵌合状態とされる。
この本嵌合状態においては、図5(b)に示すように、壁部11の前面がメスハウジング20の後側開口の縁部に当接することにより、オスハウジング10の前方への移動が規制されている。即ち、本嵌合状態においては、オスハウジング10のメスハウジング20に対する前後方向への移動が規制されている。また、本嵌合状態においては、オスハウジング10とメスハウジング20との間の隙間を埋めてハウジング内部の防水を図るためのパッキン50が、オスハウジング10の装着部とメスハウジング20の内壁面との間で押圧されて変形し、両部材に密着している。
以上説明したように各部材が連関することにより、オスハウジング10とメスハウジング20とが嵌合され、嵌合状態における本実施形態に係るコネクタ1が得られる。
以下では、本実施形態に係るコネクタ1の作用及び効果を説明する。
本実施形態に係るコネクタ1は、オスハウジング10と、オスハウジング10と嵌合可能である筒状に形成されたメスハウジング20と、を備えている。オスハウジング10は、平板状に形成された壁部11と、オスハウジング10とメスハウジング20とが嵌合される方向である嵌合方向(前後方向)に延びるように、壁部11から延設されたガイドアーム13と、嵌合方向に延びるように、壁部11から延設された可撓性を有するロックアーム15と、を有している。メスハウジング20は、メスハウジング20の右側外側面(第1の外側面)21と該右側外側面21とは反対側の左側外側面(第2の外側面)23とが、ガイドアーム13とロックアーム15との間に挟まれて、右側外側面21と左側外側面23とが対向する方向である左右方向へのメスハウジング20の移動が規制された状態で、オスハウジング10とメスハウジング20とが嵌合される際に、嵌合方向及び左右方向のそれぞれに垂直な方向である上下方向へのガイドアーム13の移動を規制してガイドアーム13の嵌合方向への移動を案内する、右側外側面21から突設された第1のガイドレール25と、オスハウジング10とメスハウジング20とが嵌合した状態である嵌合状態においてロックアーム15に係止されてオスハウジング10の嵌合方向への移動を規制する、左側外側面23から突設された係止突起29と、を有している。
コネクタ1では、メスハウジング20は、右側外側面21と左側外側面23とがオスハウジング10のガイドアーム13とロックアーム15との間に挟まれて左右方向への移動が規制され、第1のガイドレール25がガイドアーム13を案内することにより上下方向への移動が規制された状態で、嵌合方向に案内されてオスハウジング10に相対的に接近し、係止突起29がロックアーム15に係止されることにより嵌合方向への移動が規制される。これにより、角筒状に形成されたメスハウジング20と平板状の壁部11を有するオスハウジング10とが上下左右方向への移動が規制された状態で嵌合方向へ移動して接近し、互いに固定されて嵌合される。したがって、従来のコネクタのように、オスハウジング10に、嵌合時においてメスハウジング20の外側面の更に外側に配置されるフード部を形成する必要がない。
例えば、図9に示した従来のコネクタでは、雄型コネクタ112と雌型コネクタ122との嵌合時において雄型フード部114の外側に配置される雌型フード部124は、当該嵌合途中に、雄型フード部114の嵌合方向以外の方向への移動を規制して雄型コネクタ112の嵌合方向への移動を案内する機能と、嵌合完了後に、係止爪116に係止用凹部126が係止されて、雄型コネクタ112と雌型コネクタ122とを係止する機能と、の2つの機能を有している。
これに対してコネクタ1では、上述したように、オスハウジング10にフード部を設けることなく、板状の壁部11と該壁部11に形成されたガイドアーム13とロックアーム15とにより、上記2つの機能を実現している。したがって、オスハウジング10にフード部を設けていない分、コネクタを小型化及び低背化できる。
この結果、本実施形態に係るコネクタ1によれば、小型化が可能なコネクタを提供できる。
また、図9に示した従来のコネクタでは、雄型コネクタ112の上下方向における両側面に係止爪116が設けられており、雄型コネクタ112と雌型コネクタ122との嵌合時には、これら両係止爪116が係止用凹部126にそれぞれ係止される必要がある。
このように、図9に示した従来のコネクタでは、ロック機構を2つ備えているために、片方のロック機構により係止させた状態で作業者が嵌合作業を終えてしまい、中途嵌合状態が発生する虞があった。
これに対して本実施形態に係るコネクタ1では、1つのロックアーム15と係止突起29との係合により、オスハウジング10とメスハウジング20とが嵌合されるため、上記従来のコネクタのように中途嵌合状態が発生することを防止できる。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、第1のガイドレール25は、第1のガイドレール25から上下方向に延びるように延設された規制部26を有し、ガイドアーム13は、嵌合時において規制部26と右側外側面21との間に位置する当接部14を有し、嵌合状態においては、当接部14が規制部26に当接することによって、ガイドアーム13の右側外側面21から離間する方向(右向き)への移動が規制される。
これにより、メスハウジング20の右側外側面21から離間する方向へのガイドアーム13の移動が規制されているため、例えばオスハウジング10に左右方向への外力が作用して、ロックアーム15が左右方向に撓み変形し、ガイドアーム13を含むオスハウジング10がメスハウジング20に対して左右方向に移動しようとした場合に、当該移動が規制される。これにより、左右方向への外力に起因するガタつきが抑制される。
また、第1のガイドレール25から上下方向に延びるように延設された規制部26が、嵌合状態においてガイドアーム13の当接部14に当接することにより、メスハウジング20の右側外側面21から離間する方向へのガイドアーム13の移動が規制されている。この規制部26は、第1のガイドレール25から上下方向に延びるように延設されているため、第1のガイドレール25の厚みを増加させることがない。このため、第1のガイドレール25(メスハウジング20)の左右方向の幅を増加させることなく、ガイドアーム13の移動の規制が実現される。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、係止突起29は、左側外側面23に突設された本係止突起31と、左側外側面23における本係止突起31が形成された位置よりも嵌合状態におけるオスハウジング10側の位置(即ち、後側。)から左側外側面23に突設された仮係止突起33と、を有している。そして、オスハウジング10とメスハウジング20とが嵌合される際には、ロックアーム15が仮係止突起33に係止されてオスハウジング10とメスハウジング20とが仮係止された後、ロックアーム15が本係止突起31に係止されてオスハウジング10とメスハウジング20とが本係止される。
これにより、例えば本実施形態のように多極コネクタに適用する場合には、一旦仮係止状態としてオスハウジング10とメスハウジング20との位置合わせをした後、本係止状態として両ハウジングを嵌合させることにより、確実に嵌合作業を実施することができる。また、コネクタを仮係止状態として運搬することにより、オスハウジングから突出して形成された端子等の部材に外力が作用して破損することを防止できる。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、ロックアーム15は、上下方向に離間して形成される、壁部11から嵌合方向に延びる複数の基部15a,15aと、該基部15a,15aの先端にそれぞれ連結され、係止突起29に係止される係止面17を画成する接続部15bと、を有している。
これにより、嵌合状態においては、複数の基部15a,15aと接続部15bとに囲まれるように係止突起29が係止面17に係止される。このため、ロックアーム15を係止突起29に、より確実に係止させることができる。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、仮係止突起33は、第1の仮係止突起33aと、該第1の仮係止突起33aに対して上下方向に並んで形成される第2の仮係止突起33bと、を有している。
これにより、仮係止突起33が、第1の仮係止突起33aと第2の仮係止突起33bとを有しているため、第1の仮係止突起33aと第2の仮係止突起33bとの間には、上下方向において間隙が形成されている。これにより、当該間隙が形成されていない場合と比較して、本係止状態に移行するためにロックアーム15が仮係止突起33を乗り越える際に、ロックアーム15と仮係止突起33との間に生じる摩擦力が低減される。このため、コネクタを仮係止状態にするために必要な力を小さくできる。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、メスハウジング20は、上下方向への移動を規制してロックアーム15の嵌合方向への移動を案内する、左側外側面23から突設された第2のガイドレール27を更に有している。
これにより、第2のガイドレール27によってロックアーム15の上下方向への移動が規制されるため、メスハウジング20の上下方向への移動が更に規制され、上下方向への外力に起因するガタつきが抑制される。
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
例えば、本実施形態に係るコネクタ1では、ガイドアーム13が2つの基部13a,13aと、該基部13a,13aを接続する接続部13bと、を有してU字状に形成されており、第1のガイドレール25は前後方向に延びる2つの突条から成る構成としたが、オスハウジング10とメスハウジング20とが嵌合される際に、第1のガイドレール25がガイドアーム13の上下方向への移動を規制してガイドアーム13の嵌合方向への移動を案内可能な構成であればよく、例えばガイドアーム13が前後方向に延びる1つの棒状部材から成り、第1のガイドレール25が当該棒状部材の上下方向への移動を規制する形状に形成されている構成としても構わない。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、第1のガイドレール25は、第1のガイドレール25から上下方向に延びるように延設された規制部26を有し、ガイドアーム13は、嵌合時において規制部26と右側外側面21との間に位置する当接部14を有する構成としたが、第1のガイドレール25がガイドアーム13の上下方向への移動を規制してガイドアーム13の嵌合方向への移動を案内可能な構成であればよく、規制部26及び当接部14が形成されていない構成としても構わない。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、係止突起29は、本係止突起31と仮係止突起33とを有している構成としたが、本係止突起31のみを有する構成としても構わない。この場合には、オスハウジング10とメスハウジング20とは、嵌合過程において、仮嵌合状態とされることなく、嵌合完了位置まで嵌合されて本嵌合状態とされる。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、仮係止突起33は、第1の仮係止突起33aと第2の仮係止突起33bとを有している構成としたが、上下方向に延びる1つの仮係止突起のみを有している構成としても構わない。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、メスハウジング20は、上下方向への移動を規制してロックアーム15の嵌合方向への移動を案内する第2のガイドレール27を有している構成としたが、当該第2のガイドレール27が設けられておらず、第1のガイドレール25のみによりオスハウジング10の上下方向への移動が規制されている構成としても構わない。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、ロックアーム15が2つの基部15a,15aと、該基部15a,15aを接続して係止突起29に係止される係止面17を形成する接続部15bと、を有してU字状に形成されている構成としたが、オスハウジング10とメスハウジング20とが嵌合した状態である嵌合状態においてロックアーム15が係止突起29に係止され、オスハウジング10の嵌合方向への移動が規制される構成であればよく、例えばロックアーム15が先端に係止爪が形成された前後方向に延びる1つの棒状部材から成り、係止突起29が当該係止爪に係止されることによりロックアーム15の前後方向への移動が規制される構成としても構わない。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、オスハウジング10には、複数のオス端子41をその一端で結合した、接地回路と接続されるジョイント端子40が保持される構成としたが、オスハウジング10に保持される端子はこれに限られない。
また、本実施形態に係るコネクタ1では、オスハウジング10が角筒状に形成される構成としたが、オスハウジング10の形状は筒状であればよく、例えば、円筒状でも構わない。この場合には、ガイドアーム13及びロックアーム15を当該円筒状に対応した断面扇形に形成すればよい。
1 コネクタ
10 オスハウジング
11 壁部
13 ガイドアーム
13a 基部
13b 接続部
14 当接部
15 ロックアーム
15a 基部
15b 接続部
17 係止面
20 メスハウジング
21 右側外側面(第1の外側面)
23 左側外側面(第2の外側面)
25 第1のガイドレール
26 規制部
27 第2のガイドレール
29 係止突起
31 本係止突起
33 仮係止突起
33a 第1の仮係止突起
33b 第2の仮係止突起
35 端子収容室
40 ジョイント端子
45 メス端子
50 パッキン

Claims (6)

  1. オスハウジングと、
    前記オスハウジングと嵌合可能である筒状に形成されたメスハウジングと、
    を備えるコネクタであって、
    前記オスハウジングは、
    平板状に形成された壁部と、
    前記オスハウジングと前記メスハウジングとが嵌合される方向である嵌合方向に延びるように、前記壁部から延設されたガイドアームと、
    前記嵌合方向に延びるように、前記壁部から延設された可撓性を有するロックアームと、
    を有し、
    前記メスハウジングは、
    該メスハウジングの第1の外側面と該第1の外側面とは反対側の第2の外側面とが、前記ガイドアームと前記ロックアームとの間に挟まれて、前記第1の外側面と前記第2の外側面とが対向する方向である左右方向への前記メスハウジングの移動が規制された状態で、前記オスハウジングと前記メスハウジングとが嵌合される際に、前記嵌合方向及び前記左右方向のそれぞれに垂直な方向である上下方向への前記ガイドアームの移動を規制して前記嵌合方向への前記ガイドアームの移動を案内する、前記第1の外側面から突設された第1のガイドレールと、
    前記オスハウジングと前記メスハウジングとが嵌合した状態である嵌合状態において前記ロックアームに係止されて前記オスハウジングの前記嵌合方向への移動を規制する、前記第2の外側面から突設された係止突起と、
    を有する、
    ことを特徴とするコネクタ。
  2. 前記第1のガイドレールは、該第1のガイドレールから前記上下方向に延びるように延設された規制部を有し、
    前記ガイドアームは、前記嵌合時において前記規制部と前記第1の外側面との間に位置する当接部を有し、
    前記嵌合状態においては、前記当接部が前記規制部に当接することによって、前記ガイドアームの前記第1の外側面から離間する方向への移動が規制される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記係止突起は、前記第2の外側面に突設された本係止突起と、該第2の外側面における該本係止突起が形成された位置よりも前記嵌合状態における前記オスハウジング側の位置から該第2の外側面に突設された仮係止突起と、を有し、
    前記オスハウジングと前記メスハウジングとが嵌合される際には、前記ロックアームが前記仮係止突起に係止されて前記オスハウジングと前記メスハウジングとが仮係止された後、前記ロックアームが前記本係止突起に係止されて前記オスハウジングと前記メスハウジングとが本係止される、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記ロックアームは、前記上下方向に離間して形成される、前記壁部から前記嵌合方向に延びる複数の基部と、該基部の先端それぞれに連結され、前記係止突起に係止される係止面を画成する接続部と、を有している、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ。
  5. 前記仮係止突起は、第1の仮係止突起と、該第1の仮係止突起に対して上下方向に並んで形成される第2の仮係止突起と、を有している、
    ことを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
  6. 前記メスハウジングは、前記上下方向への前記ロックアームの移動を規制して前記嵌合方向への前記ロックアームの移動を案内する、前記第2の外側面から突設された第2のガイドレールを更に有している、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のコネクタ。
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