JP5947614B2 - 車両の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、取得できる様々な情報を基に適切な変速を行うことができる車両の変速制御装置に関する。
従来より、車両の変速制御装置としては、複数の変速線図(マップ)を設定し、このマップに従って変速段の切り換えを行うものが一般的に知られている。例えば、特開平11−192904号公報(以下、特許文献1)では、現在位置周辺の交差点を地図データから読み出し、この読み出した交差点の数に基づいて交差点密度を算出し、算出された交差点密度と所定の基準値とを比較して車両の走行地域を判定し、この判定結果に基づいて、走行地域に応じた走行制御モードに切り替える車両の走行モード制御装置の技術が開示されている。
特開平11−192904号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示される走行モード制御装置のように、単純に走行地域に応じて走行制御モードに切り替える制御では、そこにドライバの変速意図が介在しないため、ドライバの望む変速制御と実際になされる変速制御との間に差が生じてドライバが違和感や煩わしさを感じる虞がある。例えば、市街地走行において、ドライバは市街地走行における変速モードを望むとは限らず、郊外道路を走行する場合の変速モードを望むことも有る。逆に、郊外道路を走行する場合においても、ドライバは郊外道路を走行する場合の変速モードを望むとは限らず、市街地を走行する場合の変速モードを望むこともある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、単純に走行環境に応じた変速スケジュールで変速することなく、走行環境をドライバの走行意図として考慮しつつ変速制御することで最適な変速制御を行うことが可能な車両の変速制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様による車両の変速制御装置は、走行環境を認識する走行環境認識手段と、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、車両の前後加速度を検出する前後加速度検出手段と、予め設定しておいた変速スケジュールに基づいて変速位置を設定する変速位置設定手段と、少なくとも上記横加速度と上記前後加速度に基づきタイヤグリップ状態を推定するタイヤグリップ状態推定手段と、上記タイヤグリップ状態に対応した上記横加速度と上記前後加速度の関係でアップシフトを許可する領域予め設定しておいた領域設定手段と、上記領域設定手段の上記アップシフトを許可する領域上記走行環境認識手段で認識した走行環境をドライバの走行意図として可変設定する領域補正手段と、上記タイヤグリップ状態推定手段で推定した上記タイヤグリップ状態と上記領域設定手段で設定した上記領域との比較結果と上記変速位置設定手段で設定した上記変速位置とに基づいて変速を制御する制御手段とを備え、上記領域補正手段は、上記ドライバの走行意図として上記走行環境が信号機と交差点の検出頻度が高くなるほどアップシフトがされる方向に上記アップシフトを許可する領域を補正する。また、本発明の他の一態様による車両の変速制御装置は、走行環境を認識する走行環境認識手段と、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、車両の前後加速度を検出する前後加速度検出手段と、予め設定しておいた変速スケジュールに基づいて変速位置を設定する変速位置設定手段と、少なくとも上記横加速度と上記前後加速度に基づきタイヤグリップ状態を推定するタイヤグリップ状態推定手段と、上記タイヤグリップ状態に対応した上記横加速度と上記前後加速度の関係でダウンシフトを実行させる領域を予め設定しておいた領域設定手段と、上記領域設定手段の上記ダウンシフトを実行させる領域を上記走行環境認識手段で認識した走行環境をドライバの走行意図として可変設定する領域補正手段と、上記タイヤグリップ状態推定手段で推定した上記タイヤグリップ状態と上記領域設定手段で設定した上記領域との比較結果と上記変速位置設定手段で設定した上記変速位置とに基づいて変速を制御する制御手段とを備え、上記領域補正手段は、上記ドライバの走行意図として上記走行環境が信号機と交差点の検出頻度が高くなるほどダウンシフトがされない方向に上記ダウンシフトを実行させる領域を補正する。
本発明による車両の変速制御装置によれば、単純に走行環境に応じた変速スケジュールで変速することなく、走行環境をドライバの走行意図として考慮しつつ変速制御することで最適な変速制御を行うことが可能となる。
本発明の実施の一形態に係る自動変速機の変速制御装置の概略構成を示す説明図である。 本発明の実施の一形態に係る変速制御のフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係る走行環境判定処理のフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係るスロットル開度と車速とで定められる変速マップの一例を示す説明図である。 本発明の実施の一形態に係るアップシフトに関する変速判定値と判定領域を示す説明図である。 本発明の実施の一形態に係るアップシフト閾値の説明図である。 本発明の実施の一形態に係るダウンシフトに関する変速判定値と判定領域を示す説明図である。 本発明の実施の一形態に係るダウンシフト閾値の説明図である。 本発明の実施の一形態に係る図5とは異なる判定領域の説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号1はエンジンを示し、このエンジン1の吸気系には、スロットルバルブを内設したスロットルボディ2が介装され、このスロットルボディ2の上流側にエアフローメータ3を介してエアークリーナ4が取付けられている。
また、エンジン1の出力側には自動変速機5が設けられており、この自動変速機5は、トルクコンバータ6、変速機構部7、油圧回路8、制御部(トランスミッションコントロールユニット、以下、トランスミッションをT/Mと略称)9とから主要に構成されている。
変速機構部7は、例えば、前進5段、後退1段に形成され、変速を行なうための各種油圧クラッチや、各種油圧ブレーキ等が設けられている。
油圧回路8は、T/Mコントロールユニット9によりON−OFFされる変速制御用のソレノイド10や、トルクコンバータ6のロックアップ制御用の図示しないロックアップソレノイド等の複数のソレノイドと、これらソレノイドにより開閉され油圧経路を所定に形成する複数のバルブが設けられている。すなわち、公知の如く、前進5段の変速は、ソレノイド10のON−OFFの組合わせで形成される油圧経路で変速機構部7の所定の油圧クラッチ等が動作され行なわれる。また、ロックアップソレノイドのON−OFFにより形成される油圧経路でロックアップクラッチが動作され、トルクコンバータ6のロックアップの実行、解除が行なわれる。
T/Mコントロールユニット9は、マイクロコンピュータとその周辺回路で構成されており、このT/Mコントロールユニット9には、スロットルボディ2に設けられたスロットルバルブの開度θthを検出するスロットル開度センサ11、T/M出力軸5aの回転数を車速Vとして検出する車速センサ12、車両の前後加速度Gxを検出する前後加速度検出手段としての前後加速度センサ13、車両の横加速度Gyを検出する横加速度検出手段としての横加速度センサ14等のセンサと、シフトレンジ位置を検出するインヒビタスイッチ15、ブレーキペダルのON−OFFを検出するブレーキスイッチ16等のセンサが接続されている。
また、車両には、路面摩擦係数(以下、路面μと略称し、符号はμで示す)を推定する路面μ推定装置21と、路面勾配SLを推定する路面勾配推定装置22が設けられており、これら路面μ推定装置21からの路面μと、路面勾配推定装置22からの路面勾配SLは、T/Mコントロールユニット9に入力される。
路面μ推定装置21は、例えば、本出願人が特開平8−2274号公報で開示した方法、すなわち、車速、ハンドル角、実ヨーレートを用いて車両の横運動の運動方程式に基づき、前後輪のコーナリングパワーを非線形域に拡張して推定し、高μ路での前後輪の等価コーナリングパワーに対する推定した前後輪のコーナリングパワーの比を基に路面状況に応じて路面μを推定する。
また、路面勾配推定装置22は、例えば、車速Vの設定時間毎の変化率より求めた前後加速度Gx(m/s)と前後加速度センサ値Gxsを用いて次の(1)式により路面勾配SL(%)を演算する。重力加速度をg(m/s)とし、路面勾配の登り方向を(+)として、
路面勾配SL=(前後加速度センサ値Gxs−前後加速度Gx)/g・100
…(1)
尚、路面μと路面勾配SLの推定方法は、上述の方法に限るものではなく、他の方法、例えば、路面μは車両前方を撮影するカメラ(図示せず)からの画像情報を基に得るようにしても良く、また、路面勾配SLはナビゲーション装置23から得られる高度情報を基に演算するようにしても良い。
更に、車両には、公知のナビゲーション装置23が搭載されており、このナビゲーション装置23は、自車両の現在位置から目的地までの最適経路の探索や設定された経路の経路案内を出力する等のドライバの経路誘導のための各種動作を行うものであり、自車両の位置を測位し、この測位した自車位置と地図データとを演算・合成し、地図の縮尺変更、地名の詳細表示、地域情報の表示切換え等の操作入力に対応して、自車両の現在位置及びその周辺の地図をディスプレイに表示し、また、通信装置等を介して受信した道路・交通情報等の各種情報を表示する。
具体的には、自車両の位置は、GPS(Global Positioning System;全世界測位衛星システム)等の測位衛星からの電波に基づく自車両の位置、地磁気センサ及び車輪速センサからの信号に基づく推測航法による自車両の位置等に基づいて測位される。また、地図データは、例えば、各種道路情報を備えた複数のノードをリンクで結合した道路ネットワーク情報を主体として構成され、この地図データ上には、測位された自車両の位置がマップマッチングによって合成される。また、地図データには、道路上の交差点、信号情報が共に設けられており、これら道路上の交差点、信号の情報も道路情報と共にT/Mコントロールユニット9に出力される。
そして、T/Mコントロールユニット9からの出力信号は、図示しない駆動回路に出力されて上述の複数のソレノイド10を制御可能に接続されている。
T/Mコントロールユニット9は、各センサ11,12,13,14、インヒビタスイッチ15、ブレーキスイッチ16、路面μ推定装置21、路面勾配推定装置22、ナビゲーション装置23から入力される信号を基に、後述の図2に示す変速制御のプログラムに従って、変速制御を実行する。
この変速制御は、基本的にスロットル開度と車速とで定められる変速段マップに従って制御されるが、前後加速度Gxと横加速度Gyを基に設定し、路面μと路面勾配SLとで補正して演算するタイヤグリップ状態を示す変速判定値Cvecの値が、予め前後加速度Gxと横加速度Gyで設定する判定領域上のアップシフト禁止領域にある場合はアップシフトを禁止する一方、変速判定値Cvecの値が、判定領域上に設けたダウンシフト領域にある場合はダウンシフトを実行させるべく、制御信号をソレノイド10等を駆動させる駆動回路に出力する。ここで、アップシフト禁止領域は、予めドライバの走行意図として走行環境が信号機と交差点の検出頻度が高くなるほどアップシフトがされる方向にアップシフトを許可する領域を補正して設定されている。また、ダウンシフト領域は、予めドライバの走行意図として走行環境が信号機と交差点の検出頻度が高くなるほどダウンシフトがされない方向にダウンシフトを実行させる領域を補正して設定されている。このように、T/Mコントロールユニット9は、走行環境認識手段、変速位置設定手段、タイヤグリップ状態推定手段、領域設定手段、領域補正手段、制御手段としての機能を有して構成されている。
尚、T/Mコントロールユニット9では、上述の変速制御以外に、ロックアップ制御、ライン圧制御、変速タイミング制御、…等、その他の自動変速機5に必要な制御も実行するが、これら制御について詳しい説明は省略する。
次に、T/Mコントロールユニット9で実行される変速制御を図2のフローチャートで説明する。
図2のフローチャートは、所定時間毎に実行され、まず、ステップ(以下、「S」と略称)101で、変速制御に必要なパラメータ、すなわち、スロットル開度θth、車速V、前後加速度センサ値Gxs、前後加速度Gx、横加速度Gy、シフトレンジ位置、ブレーキペダルのON−OFF信号、路面μ、路面勾配SL、ナビゲーション装置23からの地図情報(特に、信号、交差点情報)の各信号を読み込む。
次に、S102に進み、変速段マップを基に、変速位置を設定する。変速段マップは、例えば、図4に示すように、スロットル開度と車速による変速スケジュールが、各変速段毎に予め設定されている。
次いで、S103に進み、図3のフローチャートで示す、走行環境の判定処理を実行する。この走行環境判定処理は、ナビゲーション装置23により検出される信号機と交差点の数を用いて走行中の道路がどのような走行環境であるか(本実施の形態では、都市中心部、市街地、郊外道路の3つの何れかであるか)を認識するものである。
具体的には、まず、S201で走行距離Llを積算する。
次に、S202に進み、ナビゲーション装置23で認識した信号機と交差点の通過数Nsをカウントする。
次いで、S203に進み、S201で積算した走行距離Llが予め設定しておいた区間走行距離Ls(例えば、1km)を超えた(Ll>Ls)か否か判定し、Ll>Lsの場合は、S204に進み、積算した走行距離Llと、カウントした信号機と交差点の通過数Nsをリセットして、S205に進む。また、Ll≦Lsの場合は、そのまま、S205に進む。
S205では、積算した走行距離Llが0ではなく(Ll≠0)、かつ、積算した走行距離Llが区間走行距離Lsに到達した(Ll=Ls)か否か判定され、この条件を満足せず、すなわち、車両が停止して走行距離Llが積算されない場合(Ll=0の場合)や、未だに積算した走行距離Llが区間走行距離Lsに到達しない場合(Ll<Ls)は、S206に進んで、今回の信号・交差点出現頻度Fs(n)を前回の信号・交差点出現頻度Fs(n-1)に設定して(Fs(n)=Fs(n-1))、S208に進む。
また、S205で、Ll≠0、かつ、Ll=Lsが成立し、走行距離Llが積算されて区間走行距離Lsに達したと判定できる場合は、S207に進み、今回の信号・交差点出現頻度Fs(n)を、以下の(2)式により算出して、S208に進む。
Fs(n)=Ns/Ls …(2)
上述のS206、或いは、S207で今回の信号・交差点出現頻度Fs(n)を設定してS208に進むと、今回の信号・交差点出現頻度Fs(n)と高頻度基準値FSHとの比較が行われ、今回の信号・交差点出現頻度Fs(n)が高頻度基準値FSHより大きい場合(Fs(n)>FSHの場合)は、S209に進み、都市中心部走行と判定してルーチンを抜ける。
また、S208の比較の結果、Fs(n)≦FSHの場合は、S210に進み、今回の信号・交差点出現頻度Fs(n)と低頻度基準値FSMとの比較が行われる。
このS210の判定の結果、今回の信号・交差点出現頻度Fs(n)が低頻度基準値FSMより大きい場合(Fs(n)>FSMの場合)は、S211に進み、市街地走行と判定してルーチンを抜ける。逆に、今回の信号・交差点出現頻度Fs(n)が低頻度基準値FSM以下の場合(Fs(n)≦FSMの場合)は、S212に進み、郊外道路走行と判定してルーチンを抜ける。
このように、S103で走行環境を判定した後は、S104に進み、変速判定マップの設定を以下のように行う。この変速判定マップは、アップシフトに関する変速判定マップと、ダウンシフトに関する変速判定マップが、それぞれ車速V毎に設定されている。
所定車速におけるアップシフトに関する変速判定マップは、例えば、図5に示すように設定されており、摩擦円から考慮し設定したタイヤグリップ限界の内側にアップシフトによる駆動力の変動があっても十分に車両が安定性を保ちうるアップシフト許可領域を予め実験、計算等により設定したものである。また、この判定領域では、前後加速度Gxと横加速度Gyとの関係から略正のGx軸に近い領域に直進加速判定領域が設けられており、この直進加速判定領域では、アップシフトが許可される。
そして、このアップシフト許可領域とアップシフト禁止領域の境界(前後加速度Gxと横加速度Gyで表現される閾値)は、S103によって判定された走行環境により可変設定され、具体的には、図6に示すように、予めドライバの走行意図として走行環境が信号機と交差点の検出頻度が高くなるほど(郊外道路→市街地→都市中心部となるほど)アップシフトがされ方向に境界を補正して(図6においてCUで示す閾値の絶対値が大きくなる方向に補正して)設定されている。これは、基本的な変速特性を維持しつつも、都市中心部では、ドライバは郊外道路を走行する際のスポーティな走行(例えば、エンジンの高回転を維持した走行)を行う要求を持たないというドライバ意図を考慮して補正するものである。
また、所定車速におけるダウンシフトに関する変速判定マップは、例えば、図7に示すように設定されており、ダウンシフトを行うダウンシフト領域が斜線の領域に示すように、前後加速度Gxと横加速度Gyとの関係から負のGx軸のタイヤグリップ限界近傍から外側の領域に設けられている。このダウンシフト領域では、アップシフトすることなくダウンシフトする信号が出力されるようになっている。つまり、車両が略直進急減速状態にあるときには運転者が強めのブレーキをかけていると判断して、減速度を稼ぐために、S102にて変速マップに基づいて求めた変速位置よりも更にダウンシフトした位置に設定するようになっている。
そして、このダウンシフトを行うダウンシフト領域の境界(前後加速度Gxと横加速度Gyで表現される閾値)は、S103によって判定された走行環境により可変設定され、具体的には、図8に示すように、予めドライバの走行意図として走行環境が信号機と交差点の検出頻度が高くなるほど(郊外道路→市街地→都市中心部となるほど)ダウンシフトがされない方向にダウンシフトを実行させる領域を補正して(図8においてCDで示す閾値の絶対値が大きくなる方向に補正して)設定されている。これは、基本的な変速特性を維持しつつも、都市中心部では、ドライバは郊外道路を走行する際のスポーティな走行(例えば、エンジンの高回転を維持した走行)を行う要求を持たないというドライバ意図を考慮して補正するものである。
次いで、S105に進み、前後加速度Gxと横加速度Gyを基にタイヤグリップ状態を示す変速判定値Cvecを演算し、この変速判定値Cvecを、路面勾配SL、路面μで補正する。
具体的には、変速判定値Cvecは、図5、図7のCvec1〜Cvec5に示すように、前後加速度Gxと横加速度Gyの平面上に示されるベクトル値であり、スカラー量Veと角度θvとで表現される値となっている。従って、変速判定値Cvecのスカラー量Veは、
Ve=(Gx+Gy1/2 …(3)
角度θvは、
θv=arctan(Gx/Gy) …(4)
また、路面μと路面勾配SLによる補正を考慮すると、(3)式は、例えば、以下の(5)式となる。
Ve=((Gx+g・sin(SL/100))+Gy1/2 /μ …(5)
次に、S106に進むと、ブレーキスイッチ16がONか否か判定される。
この判定の結果、ブレーキスイッチ16がOFFの場合は、S107に進み、S102の変速段マップの判定の結果がアップシフトであるか否か判定し、アップシフトでない場合はS110に進み、変速位置を出力してプログラムを抜ける。
逆に、S107でアップシフトの場合は、S108に進み、S105で演算した変速判定値Cvecが、S104で予め設定しておいた判定領域のアップシフト許可領域か否か判定する。
S108の判定の結果、変速判定値Cvecが、アップシフト許可領域にあると判定された場合、例えば、図5におけるCvec1、或いは、Cvec3(直進加速判定領域内)の場合は、S110に進み、変速位置を出力してプログラムを抜ける。
また、S108の判定の結果、変速判定値Cvecが、アップシフト許可領域にないと判定された場合(図5中の斜線で示す、アップシフト禁止領域にあると判定された場合、例えば、Cvec2のような場合)は、S109に進み、S102で設定される変速段をアップシフト前の位置に変更し、S110に進み、変速位置を出力してプログラムを抜ける。
一方、上述のS106でブレーキスイッチ16がONの場合は、S111に進み、変速判定値Cvecが、判定領域に予め設けたダウンシフト領域にあるか否か判定する。
S111の判定の結果、変速判定値Cvecが、ダウンシフト領域にないと判定された場合(例えば、図7におけるCvec5の場合)は、S107からの判定を繰り返し、逆に、ダウンシフト領域と判定された場合(例えば、図7におけるCvec4の場合)は、S112に進み、変速位置をダウンシフトした位置に設定し、S110に進み、変速位置を出力してプログラムを抜ける。
このように本発明の実施の形態によれば、基本的にスロットル開度と車速とで定められる変速段マップに従って制御されるが、前後加速度Gxと横加速度Gyを基に設定し、路面μと路面勾配SLとで補正して演算するタイヤグリップ状態を示す変速判定値Cvecの値が、予め前後加速度Gxと横加速度Gyで設定する判定領域上のアップシフト禁止領域にある場合はアップシフトを禁止する一方、変速判定値Cvecの値が、判定領域上に設けたダウンシフト領域にある場合はダウンシフトを実行させるべく、制御信号をソレノイド10等を駆動させる駆動回路に出力する。ここで、アップシフト禁止領域は、予めドライバの走行意図として走行環境が信号機と交差点の検出頻度が高くなるほどアップシフトがされる方向にアップシフトを許可する領域を補正して設定されている。また、ダウンシフト領域は、予めドライバの走行意図として走行環境が信号機と交差点の検出頻度が高くなるほどダウンシフトがされない方向にダウンシフトを実行させる領域を補正して設定される。このため、走行環境が郊外道路、市街地、都市中心部と変化することがあっても、この走行環境の変化を単純に変速スケジュールの変更として用いるのではなく、この走行環境の変化をドライバの走行意図として考慮しつつ、基本的に、横加速度のみならず、前後加速度をも考慮して、総合的にアップシフトの許可、不許可を判定するようになっているため、特にコーナリング中に限ることなく車両の運転状態を十分に反映して自然なドライブフィーリングで変速制御し、車両の走行安定性を良好に保ちつつ、車両性能を十分に発揮させることが可能となる。
また、判定領域に直進加速判定領域や直進急減速判定領域を設け、これらの状態に応じたシフトアップの許可(直進加速判定領域)、強制的なダウンシフト(直進急減速判定領域)が行えるので、レスポンスの良い自然な変速制御が行える。
尚、本実施の形態においては、判定領域は、角度とスカラー量を判定する領域で形成するものを例として説明しているが、例えば、図9に示すように、単純な2次元マップ上の領域で判定するものあっても良い。
また、本実施の形態では、ドライバ意図としての走行環境を、郊外道路、市街地、都市中心部の3種類に分けて説明したが、より複数の種類に分けて領域を可変設定するようにしても良く、或いは、2種類に分けて可変設定するようにしても良い。
1 エンジン
5 自動変速機
6 トルクコンバータ
7 変速機構部
8 油圧回路
9 T/Mコントロールユニット(走行環境認識手段、変速位置設定手段、タイヤグリップ状態推定手段、領域設定手段、領域補正手段、制御手段)
10 ソレノイド
11 スロットル開度センサ
12 車速センサ
13 前後加速度センサ(前後加速度検出手段)
14 横加速度センサ(横加速度検出手段)
15 インヒビタスイッチ
16 ブレーキスイッチ
21 路面μ推定装置
22 路面勾配推定装置
23 ナビゲーション装置

Claims (3)

  1. 走行環境を認識する走行環境認識手段と、
    車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    車両の前後加速度を検出する前後加速度検出手段と、
    予め設定しておいた変速スケジュールに基づいて変速位置を設定する変速位置設定手段と、
    少なくとも上記横加速度と上記前後加速度に基づきタイヤグリップ状態を推定するタイヤグリップ状態推定手段と、
    上記タイヤグリップ状態に対応した上記横加速度と上記前後加速度の関係でアップシフトを許可する領域予め設定しておいた領域設定手段と、
    上記領域設定手段の上記アップシフトを許可する領域上記走行環境認識手段で認識した走行環境をドライバの走行意図として可変設定する領域補正手段と、
    上記タイヤグリップ状態推定手段で推定した上記タイヤグリップ状態と上記領域設定手段で設定した上記領域との比較結果と上記変速位置設定手段で設定した上記変速位置とに基づいて変速を制御する制御手段と、
    を備え
    上記領域補正手段は、上記ドライバの走行意図として上記走行環境が信号機と交差点の検出頻度が高くなるほどアップシフトがされる方向に上記アップシフトを許可する領域を補正することを特徴とする車両の変速制御装置。
  2. 走行環境を認識する走行環境認識手段と、
    車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    車両の前後加速度を検出する前後加速度検出手段と、
    予め設定しておいた変速スケジュールに基づいて変速位置を設定する変速位置設定手段と、
    少なくとも上記横加速度と上記前後加速度に基づきタイヤグリップ状態を推定するタイヤグリップ状態推定手段と、
    上記タイヤグリップ状態に対応した上記横加速度と上記前後加速度の関係でダウンシフトを実行させる領域を予め設定しておいた領域設定手段と、
    上記領域設定手段の上記ダウンシフトを実行させる領域を上記走行環境認識手段で認識した走行環境をドライバの走行意図として可変設定する領域補正手段と、
    上記タイヤグリップ状態推定手段で推定した上記タイヤグリップ状態と上記領域設定手段で設定した上記領域との比較結果と上記変速位置設定手段で設定した上記変速位置とに基づいて変速を制御する制御手段と、
    を備え、
    上記領域補正手段は、上記ドライバの走行意図として上記走行環境が信号機と交差点の検出頻度が高くなるほどダウンシフトがされない方向に上記ダウンシフトを実行させる領域を補正することを特徴とする車両の変速制御装置。
  3. 上記走行環境認識手段は、少なくともナビゲーションシステムにより検出される信号機と交差点の数を用いて走行環境を認識するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の変速制御装置。
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