JP5946770B2 - オリゴペプチドを含む医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、主成分としての水の存在下で、または水が存在しない状態で、1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物をさらに含む、オリゴペプチド、好ましくは環状オリゴペプチドの医薬組成物、前記オリゴペプチドの医薬組成物を生成するための親油性および/または両親媒性化合物の使用、ならびに前記医薬組成物の生成方法に関する。
活性な医薬品成分(API)の溶解性は、不適切な水溶性がIV、IMまたはSC投与のための非経口剤の開発を妨げ得ることから、製剤処方設計者にとって1つの主要な問題となっている。多くの新しい治療用化合物は溶解性が低く、不十分な溶解性により化合物の薬物動態および薬力学的特性の両方が損なわれるおそれがあるため、不十分な溶解性を有するかかる化合物には、発見および開発中に失敗する高い危険性が伴う。一般に使用される添加剤は、例えば、タンパク質結合および血液細胞/血漿分布を変えることによる薬物と添加剤の相互作用の実質的な潜在性を有する。結果として、製剤ビヒクルは、薬物投与の体内動態にとって重要な決定因子となり得る。したがって、溶解性は、化合物の全体的な商業的開発可能性に影響を及ぼし得る。
ペプチドの溶解性は、1ml当たりわずか数マイクログラムから、1ml当たり数百ミリグラムの範囲をとることができ、しばしばペプチドのそれぞれのクラスに対して非常に特異的である。かなり小さい構造的差異でも、かなり劇的な溶解性の変化を含み、ペプチドのそれぞれのクラスの特徴に著しい変化をもたらし得る。必要とされる用量および投与経路によっては、単純な製剤において可能な濃度よりも高い濃度を求められることがあり、このことが臨床的または商業的に実現可能な生成物の開発の課題となっている。ある重要な課題は、ペプチドおよびタンパク質は、添加剤のタイプおよび濃度を制限する注射以外の他の送達では生体利用能が低いため、一般に注射によって投与されることである。さらに、静脈投与状況について公知の体積および濃度の制約と対照的に、皮下および筋肉内送達経路では、患者の服薬遵守および送達の容易さに適合させるためにごく少量の投与体積が適している。皮下送達では、約1.5mLを許容されるとみなすことができ、好ましくは低粘度の透明溶液として提示される。皮下送達は、最大で数百mg/mLのペプチドまたはタンパク質を含有する製剤を必要とする。さらに毒性学的研究では、安全窓を確立するために臨床研究で計画されている用量よりも約10倍多い用量を評価することがある。このことにより、非臨床的な製剤については、臨床的な製剤よりも高い濃度が必要とされる。
製剤開発中に、添加剤は、APIの溶解性を強化し(可溶化剤)かつ/または安定性を強化し(緩衝液、抗酸化剤およびキレート剤)、ならびに安全性を保証し(抗菌保存剤)、注射時の疼痛および刺激を最小限に抑え(等張化剤)、薬物送達を制御または延長する(ポリマー)ために添加される。欠点として、界面活性剤などの添加剤を含めると、溶解性を強化することはできるが、製剤の規制承認、毒性および/全体的な安定性に負の影響を及ぼすおそれがある。
さらに、ペプチド化合物のクラスに属する活性な医薬品成分は、一般に、多くの種類の製剤において安定性の問題に直面する。ほぼ中性のpH値を有する製剤では、ペプチドは安定性を満たすが、多くの溶媒および/または添加剤の存在下、さらにかなり極性の高い溶媒および/または添加剤、例えば水の存在下ではかなり低い溶解性または非常に低い溶解性を示す傾向がある。しかし、中性pH値よりも低いまたは高いpHを示す製剤では、前記ペプチド化合物の溶解性は劇的に増大することが多いが、ほとんどの場合、ペプチド構造の分解も劇的に増大する。
代替として、一般に懸濁液と呼ばれる、活性成分(複数可)またはAPIの少なくとも一部を固体粒子として含有する液体医薬調製物、例えば活性成分またはAPIの制御放出/徐放を伴う懸濁液はすでに開発に成功しており、市販されている。懸濁液の形態のかかる医薬調製物の有名な例は、液体インスリンまたはホルモン調製物である。一般に、かかる懸濁液は、皮下、筋肉内、関節内、硝子体内等による注射が可能である。一般に、これらの医薬品用懸濁液は、油または水をベースとする(流体)系である。
懸濁液の物理化学的な安定性のためには、保管寿命にわたって粒子の成長が全くないか、またはほとんどないことが必須であるが、この粒子の成長はオストワルド(Ostwalt)熟成として文献で公知であり、様々なサイズの粒子の溶解性における差異の結果として、小さい方の粒子が犠牲になり大きい粒子が成長することと定義されている。直接的な結果として、溶解性がごく低い薬物、すなわちそれぞれの水または油をベースとする(流体)系において1mg/mLを十分に下回る薬物溶解性を有する薬物は、物理的に安定な懸濁液として製剤化され得ることが共通の知識となっている。
薬学的に活性なオリゴペプチドは、一般に、低い再吸収性、短い半減期および/または代謝的分解に対する安定性の欠如に主に起因して、経口投与には適していない。かかるオリゴペプチドは、水溶性が一般に1mg/mLを十分に上回り、大抵は10mg/mLを十分に上回るが、通常は100mg/mLを十分に下回るので、一般に水溶液として、例えば(局所)点眼使用のための溶液および全身投与のための静脈内(i.v.)注入溶液として製剤化され、患者に投与される。しかし、患者の治療において、前記オリゴペプチドに関して全身投与のために高い薬物負荷または高い投与量が必要とされ、または望まれる場合には、前記オリゴペプチドの唯一可能な投与方法は、かなり多量の前記水溶液のi.v.注入だけになる。
それぞれの製剤における薬学的に活性なオリゴペプチドの溶解性を改善し、または濃度を全体的に増大するための方策は、ほとんど知られておらず、かつ/または深刻な不利益を有する。例えば、製剤のpH値を生理的状態よりも高いまたは低いpHに調節すると、一般に薬学的に活性なオリゴペプチドの溶解性は改善されるが、化学的分解の加速および浸透圧の低下などの深刻な不利益をもたらす。
薬学的に活性なオリゴペプチドの製剤が、週に数回またはさらには1日に数回投与できることを意図する場合、高い忍容性、高い化学的安定性、高い物理的安定性、使用の容易さおよび/または高い信頼性などのさらなる機能的要件が満たされる必要がある。さらに、医薬品として活性なオリゴペプチドのかかる製剤の好都合な製造方法がかなり望ましい。
したがって、本発明の目的は、ペプチド化合物、好ましくはオリゴペプチド、より好ましくは環状オリゴペプチド、特に本明細書に記載の環状オリゴペプチドのための有利な製剤の構想、および前記ペプチドの所望の製剤に対して有利な効果を有する製剤パートナーとして使用するための化合物を提供することである。
好ましくは、前記製剤の構想および/または前記製剤のパートナーは、前記ペプチドのより安定な製剤、前記製剤における前記ペプチドのより高い濃度、前記製剤の改善された投与経路または投与形態、前記製剤の改善された薬理学的プロファイル、それぞれの患者に投与される場合に匹敵する用量またはさらに低い用量での改善された効率および/または最適化された効率を提供すべきである。
この文脈では、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)などの、オリゴペプチドを含有するクラスのRGD、特に環状オリゴペプチドを含有するクラスのRGD由来のオリゴペプチドに適した製剤が、特に医薬組成物または調製物として使用するために開発されるべきである。この製剤または医薬調製物は、様々な要件を満たすべきである。例えば、i.v.注入よりも好都合な投与、例えば皮下投与、筋肉内投与等が可能になるべきである。したがって、この製剤に合った標的製品プロファイルとして、好ましくは中でも以下の基準、
−筋肉内、皮下などの好都合な投与が可能であること、
−自己投与が可能であること、
−長期または半長期投与が可能であること、
−1日1回投与、好ましくは1日複数回投与(好ましくは最大3回以上)が可能であること、
−好ましくは50mg/mLを超え、より好ましくは100mg/mLを超える高い薬物濃度が可能であること、
−薬物の制御放出、好ましくは徐放が可能であること、および
−医薬調製物の適切な有効期間が可能であること
の1つまたは複数を満たすべきである。
さらに、適用される原料、添加剤および薬物送達技術は、好ましくは、所期の長期および/または1日複数回の投与によって予め決定されるそれぞれの毒性学的および臨床的要件に適合すべきである。
オリゴペプチドCilengitide(EMD121974)について、約8mg/mL〜約20mg/mLの範囲の水性調製物への溶解性を有する様々な塩および/または多形体が単離されている。かかる塩および/または多形体の多くならびにそれらを得るための方法は、同出願人による2009年5月20日出願のEP0 770 622A1、US6,001,961B1、WO2000/053627A1、EP09006790.1および/またはPCT/EP2010/003100に記載されており、これらの開示は、参照によってそれら全体が本明細書に含まれる。一般に、かかる前述の水溶性により、粒子の成長が予測されることに起因して(上記参照)、物理的に安定な医薬品用懸濁液を開発することができない。
製剤実験中には、EMD121974の多形A1−無水物を用いた油または油性系(大豆油、ゴマ油またはMiglyol(登録商標)812など)への溶解性スクリーニング研究が実施された。以下親油性化合物とも呼ばれるこれらの油または油性系は、驚くべきことに、合成および精製によって得られる典型的な粗いA1−無水物結晶(d(10)=13μm、d(50)=61μmおよびd(90)=241μmの典型的な粒径分布)が、前記油性系と接触するちょうどそのときに、サイズがさらに低減され、微粉化されることを示す。例えば、かかる製粉されていないまたは微粉化されていない粗いA1−無水物結晶を室温において磁気撹拌機で穏やかに撹拌することによって、大型薬物粒子が経時的に消失すると同時に、非常に細かい粒子の完全に均質な乳白色懸濁液が得られる。使用される粒子のサイズまたはサイズ分布および撹拌速度に応じて、この過程は一般に24〜36時間以内に完了し、非常に細かい粒子の前述の乳白色懸濁液が得られる。一般に、こうして得られた均質な乳白色懸濁液は、最初に添加された薬物粗粒子を含有していないが、これらの薬物粗粒子は、ボールミルまたはジェットミルから公知の関連するどんな機械的エネルギーも導入することなく、液相中で「粉砕され」かつ/または「微粉化され」ている。それぞれの油性系に応じて、一般に薬物粒径は、自然発生的に(すなわち、粉砕および/または製粉過程なしに)、経時的にd(10)=1〜5μm、d(50)=5〜10μmおよびd(90)=20〜30μm)に低減される。数週間室温で保存した後も、この粒径分布は、任意の目立った粒子の再成長なしに維持され、したがって物理的に安定な懸濁液が形成されることを示す。液相の存在下での巨視的薬物粒子のこの自然発生的な微粒子化の根本的な機構は、完全には理解されていないが、薬物粒径は、別個の好ましい粒径分布に収束すると思われる。
油性系における「自然発生的な」薬物粒径の低減に起因するオリゴペプチドの前述の安定な懸濁液の形成に基づき、脂質様の添加剤を伴う、水をベースとする系を試験した。結果として、以下両親媒性化合物とも呼ばれるかかる脂質様の添加剤は、驚くべきことに、水をベースとする系における「自然発生的な」薬物粒径の低減を示し、したがって、前記脂質様の添加剤の存在下でも、水系または水をベースとする系中のオリゴペプチドの安定な懸濁液が可能となる。したがって、かかる親油性化合物または油に見られる基、部分もしくは構造的単位と類似しているか、または類似の特性および特徴を有する基、部分もしくは構造的単位を有するか、もしくはそれから構成されることに起因して、かかる両親媒性化合物が、前記親油性化合物と同様にしてオリゴペプチドと相互作用すると思われる。より具体的には、リン脂質は、前記親油性化合物または油においても見られる様々な脂肪酸を含有することから、特に好ましい脂質様の添加剤または両親媒性化合物として選択されている。さらにより具体的には、グリセロリン脂質ならびにDOPG、DMPC、DMPG、DPPG、DSPG、DSPEおよび大豆レシチンなどのそれらの誘導体は、ヒト体内に偏在し、生物学的な膜の主な構成要素であることから試験された。グリセロリン脂質を含有する水性系も、合成および精製によって得られる典型的な粗いA1−無水物結晶(d(10)=13μm、d(50)=61μmおよびd(90)=241μmの典型的な粒径分布)が、前記グリセロリン脂質(複数可)を含有する前記水性系と接触するちょうどそのときに、サイズがさらに低減され、微粉化されることを示す。ここでもやはり、室温において磁気撹拌機で穏やかに撹拌することによって、微粉化されていない薬物粗粒子が経時的に消失すると同時に(一般に24〜36時間以内に完了する)、非常に細かい粒子の完全に均質な乳白色懸濁液が得られる。一般に、得られた均質な乳白色懸濁液は、最初に添加された薬物粗粒子を含有していないが、これらの薬物粗粒子は、ボールミルまたはジェットミルから公知の関連するどんな機械的エネルギーも導入することなく、液相中で粉砕されかつ/または微粉化されている。潜在的には、適用される水性系およびリン脂質に応じて、薬物粒径は「自然発生的に」(すなわち、粉砕および/または製粉過程なしに)、経時的に(24時間を超える)d(10)=1〜5μm、d(50)=5〜10μmおよびd(90)=20〜30μm)またはd(10)=1〜10μm、d(50)=10〜25μmおよびd(90)=25〜60μmに低減される。数週間室温で保存した後も、この粒径分布は、任意の目立った粒子の再成長なしに維持され、したがって、1つまたは複数の両親媒性化合物の存在下でも、水をベースとする系中のオリゴペプチドの物理的に安定な懸濁液が形成されることを示す。液相の存在下での巨視的薬物粒子のこの自然発生的な微粒子化の根本的な機構は、まだ完全には理解されていないが、薬物粒径は、適切な添加剤、すなわち脂質様の添加剤または両親媒性化合物が本明細書に記載の通り添加される場合に、前述の油性系だけでなく水性系においても別個の好ましい粒径分布に収束すると思われている。さらに、先に論じた安定な懸濁液の形成は、好ましくは親油性化合物および/または両親媒性化合物からなるまたはそれを含有する液相にそれぞれのオリゴペプチド粒子を接触させる前に、その粒子を粉砕または好ましくは微粉化することによって容易にし、かつ/または加速することができる。
こうして得られた懸濁液は、この懸濁液が非常に適切な医薬組成物または医薬組成物のための少なくとも非常に適切なベースになるという有利な特性を示す。これについて、以下により詳細に論じる。
したがって、ペプチドの有利な製剤または組成物は、1つまたは複数のペプチド、特に1つまたは複数のオリゴペプチドを、1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物と接触させることによって達成され得る。有利には、好ましくは懸濁液として特徴付けることができる新しい組成物が形成され得る。一般に、これらの組成物は、主要量の前記1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物を含有する連続液相と、主要量の前記1つまたは複数のペプチドを含有する不連続相を含む。これらの有利な製剤は、とりわけ前記製剤において使用される親油性および/または両親媒性化合物の量に応じて水ベースであってよく、または実質的に水を含まなくてもよい。
したがって、本発明の目的は、下記の新しい製剤、組成物または医薬組成物である。下記の新しい製剤、組成物または医薬組成物は、好ましくは本明細書に記載の有利な特性の1つまたは複数を示す。
したがって、本発明の目的は、
[1]a)20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する少なくとも1つのオリゴペプチド、好ましくは少なくとも1つの環状オリゴペプチドを12〜90%、
b)200g/mol〜2000g/mol、好ましくは300g/mol〜1500g/mol、より好ましくは500g/mol〜1000g/mol、特に700g/mol〜900g/molの範囲のモル重量を有する1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物を0.01〜90%、好ましくは0.01〜80パーセント、より好ましくは0.01〜70パーセント、特に0.1〜60%、
ならびに任意選択により
c)水を0〜89%、
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大40%以上、好ましくは50パーセント以上、より好ましくは70パーセント以上、さらにより好ましくは90パーセント以上、特に95パーセント以上になる組成物、好ましくは医薬組成物である。
結晶形A1のDSC測定値を示す。 結晶形A1のTGA測定値を示す。 結晶形A1の粉末X線ディフラクトグラムを示す。 結晶形A1の単結晶X線構造を示す。 結晶形A1のFT−IRスペクトルを示す。 結晶形A1のFT−ラマンスペクトルを示す。 結晶形A1の水蒸気収着等温線(25℃)(SMS DVS Intrinsic)を示す。 結晶形S3のDSC測定値を示す。 結晶形S3のTGA測定値を示す。 結晶形S3の粉末X線ディフラクトグラムを示す。 結晶形S3の単結晶X線構造を示す。 結晶形S3のFT−IRスペクトルを示す。 結晶形S3のFT−ラマンスペクトルを示す。 結晶形S3の水蒸気収着等温線(25℃)(SMS DVS Intrinsic)を示す。 擬似多形S1、S2およびS3のPXRDパターンを示す。 結晶形S2のDSC測定値を示す。 結晶形S2のTGA測定値を示す。 結晶形S2の単結晶X線構造を示す。 結晶形S2のFT−IRスペクトルを示す。 結晶形S2のFT−ラマンスペクトルを示す。 結晶形S2の水蒸気収着等温線(25℃)(SMS DVS Intrinsic)を示す。 水和物形態から形態S2へのメタノール蒸気収着等温線(25℃)(SMS DVS Intrinsic)を示す。 DOPGのマウスの薬物動態試験の結果(表20)を示すグラフである。
前記環状オリゴペプチド(複数可)の溶解性は、好ましくは本明細書に記載の通り決定される。
本発明の両親媒性化合物は、最も広範な意味では、好ましくは極性(親水性)部分または基と、無極性(疎水性または親油性)部分または基の両方を含む分子であり、好ましくは、本発明の両親媒性化合物は、界面活性および/または表面活性を示す。例えば、本発明の両親媒性化合物は、好ましくは表面活性剤および/もしくは界面活性剤であり、または好ましくは、表面活性剤および/もしくは界面活性剤として作用することができる。
本発明の親油性化合物は、最も広範な意味では、好ましくは、
i)排他的に1つもしくは複数の無極性(疎水性または親油性)部分もしくは基からなるが、極性(疎水性または親油性)部分もしくは基を含有しない、または
ii)主に1つもしくは複数の無極性(疎水性または親油性)部分もしくは基を含み、極性(疎水性または親油性)部分もしくは基をごくわずかな程度まで含有することによって、水溶性でなく、もしくはほとんど水溶性ではないが、油溶性が非常に高い
分子であり、好ましくは、本発明の親油性化合物は、界面活性および/または表面活性を示さない。
[2](b)の親油性および/または両親媒性化合物の少なくとも1つが、
α)グリセロール部分、
β)1つもしくは複数の脂肪酸部分、および/または
γ)1つもしくは複数の脂肪アルコール部分を含み、より好ましくは
α)グリセロール部分、および/または
β)1つもしくは複数の脂肪酸部分
を含む、本明細書に記載の、特に段落番号[1]に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物。
より好ましくは、b)の両親媒性化合物は、
α)グリセロール部分、
ならびに
β)1つまたは複数の脂肪酸部分、および
γ)1つまたは複数の脂肪アルコール部分
から選択される少なくとも1つの部分を含む。
さらにより好ましくは、b)の両親媒性化合物は、
α)グリセロール部分、および
β)1つまたは複数の脂肪酸部分
を含む。
本発明のグリセロール部分は、好ましくは、グリセロール由来の部分またはグリセロールに由来し得る部分である。より具体的には、グリセロール部分は、好ましくは四角内の以下の構造
[式中、R、R、R、RおよびRは、互いに独立に、H、メチル、エチルおよび親水性部分から、より好ましくはHおよび親水性部分から選択され、
ただし、好ましくは、R、R、R、RおよびRの1つまたは2つだけが親水性部分であり、より好ましくはR、R、R、RおよびRの1つだけが親水性部分である]
ならびにすべてのその塩および/または立体異性体から選択される。
グリセロール部分は、好ましくは四角内の以下の構造
[式中、Rは、メチル、エチルおよび親水性部分から、より好ましくはメチルおよび親水性部分から選択される]
ならびにすべてのその塩および/または立体異性体から選択される。
これに関して親水性部分は、好ましくは、
α)−OH、−ONa、−OK、−O、−NH、−NH 、−N(CH 、−POH、−PONa、−POK、−PO 、−O−POH、−O−PONa、−O−POK、−O−PO
β)−(CH−OH、−(CH−ONa、−(CH−OK、−(CH−O、−(CH−NH、−(CH−NH 、−(CH−N(CH 、−(CH−POH、−(CH−PONa、−(CH−POK、−(CH−PO 、−(CH−O−POH、−(CH−O−PONa、−(CH−O−POK、−(CH−O−PO
[式中、nは、1、2、3または4、好ましくは1、2または3、特に1または2である]、ならびに/または
γ)エタノールアミン部分、コリン部分、ホスファチジル部分、ホスファチジルコリン部分、スルファチジルおよびスルファチジルコリン部分、
ならびにその塩または他の塩からなる群から選択される。
親油性化合物のグリセロール部分は、好ましくは前述の親水性残基(グリセロール部分の炭素主鎖に結合している)を含まない。
本発明の文脈における脂肪酸部分は、好ましくは脂肪酸由来の部分または脂肪酸に由来し得る部分である。より好ましくは、脂肪酸部分は、前記親油性および/または両親媒性化合物の一部であるもう1つの部分に化学的に結合している、例えばもう1つの部分にエステル化されている脂肪酸、好ましくは以下に定義の脂肪酸の一部である。
脂肪酸という用語の意味は、当技術分野で周知であり、ここでは好ましくはその最も広範な文脈で理解される。より好ましくは、本発明の文脈における脂肪酸は、4〜35個の炭素原子、より好ましくは6〜30個の炭素原子、特に8〜25個の炭素原子を有する、脂肪族飽和または(エチレン系)不飽和の分岐または非分岐カルボン酸である。さらにより好ましくは、本発明の文脈における脂肪酸は、4〜35個の炭素原子、より好ましくは6〜30個の炭素原子、特に8〜25個の炭素原子を有する、脂肪族飽和の、または1回、2回、3回もしくは4回(エチレン系)不飽和化された、分岐または非分岐、好ましくは非分岐カルボン酸である。さらにより好ましくは、本発明の文脈における脂肪酸は、4〜35個の炭素原子、より好ましくは6〜30個の炭素原子、特に8〜25個の炭素原子を有する、脂肪族飽和の、または1回もしくは2回(エチレン系)不飽和化された、分岐または非分岐、好ましくは非分岐カルボン酸である。
したがって、本発明の脂肪酸部分は、好ましくは以下の四角内に示した構造の1つであり、円内の構造は、全体として脂肪酸を構成する。
したがって、特に好ましくは、本発明の脂肪酸部分は、対応する脂肪酸のアシル部分またはアシル残基である。
さらにより好ましい脂肪酸部分は、次式
[式中、mは、2〜33、より好ましくは4〜28、さらにより好ましくは6〜23である]、
[式中、
pは、1〜20、より好ましくは3〜18、さらにより好ましくは4〜15、特に6〜13であり、
qは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
rは、1〜20、より好ましくは3〜15、さらにより好ましくは6〜12、特に6、7または8であり、
ただし、好ましくは、pおよびrの合計は、4〜30、より好ましくは5〜25、さらにより好ましくは8〜22、特に10〜20であり、かつ/またはp、qおよびrの合計は、5〜30、より好ましくは6〜25、さらにより好ましくは9〜23、特に11〜21である]、
[式中、
pは、1〜20、より好ましくは3〜18、さらにより好ましくは4〜15、特に6〜13であり、
qは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
rは、1〜20、より好ましくは3〜15、さらにより好ましくは6〜12、特に6、7または8であり、
sは、1〜20、より好ましくは1〜15、さらにより好ましくは1〜10、特に1〜5であり、
ただし、好ましくは、p、rおよびsの合計は、4〜30、より好ましくは5〜25、さらにより好ましくは8〜22、特に10〜20であり、かつ/またはp、q、rおよびsの合計は、5〜30、より好ましくは6〜25、さらにより好ましくは9〜23、特に11〜21である]、
および/または
[式中、
pは、1〜20、より好ましくは3〜15、さらにより好ましくは6〜12、特に6、7または8であり、
qは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
rは、1〜20、より好ましくは3〜18、さらにより好ましくは4〜15、特に6〜12であり、
sは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
tは、1〜20、より好ましくは1〜15、さらにより好ましくは1〜10、さらにより好ましくは3〜8、特に4、5、6、7または8であり、
ただし、好ましくは、p、rおよびtの合計は、4〜30、より好ましくは6〜25、さらにより好ましくは8〜22、特に10〜20であり、かつ/またはp、q、r、sおよびtの合計は、5〜30、より好ましくは7〜25、さらにより好ましくは9〜23、特に11〜21である]
から選択される。
さらにより好ましくは、脂肪酸部分は、
ならびに不飽和脂肪酸部分の場合には、すべてのその立体異性体の群から選択される。
さらにより好ましくは、脂肪酸部分は、ミリストイル(ミリスチン酸に相当する)、オレオイル(オレイン酸に相当する)、パルミトイル(パルミチン酸に相当する)、ステアロイル(ステアリン酸に相当する)、マルガロイル(マルガリン酸に相当する)、アラキドイル(アラキン酸またはアラキジン酸に相当する)、ベヘノイル(ベヘン酸に相当する)、エルコイル(エルカ酸に相当する)、リノレオイル(リノール酸に相当する)およびリノレノイル(リノレン酸に相当する)からなる群から選択される。
さらにより好ましくは、脂肪酸部分は、ミリストイル、オレオイル、パルミトイルおよびステアロイルからなる群から選択される。
さらにより好ましくは、脂肪酸部分は、ミリストイル、パルミトイルおよびステアロイルからなる群から選択される。
特に好ましくは、脂肪酸部分はミリストイルである。
本発明の文脈における脂肪アルコール部分は、好ましくは脂肪アルコール由来の部分または脂肪アルコールに由来し得る部分である。より好ましくは、脂肪アルコール部分は、前記親油性および/または両親媒性化合物の一部であるもう1つの部分に化学的に結合している、例えばもう1つの部分にエステル化されている脂肪アルコール、好ましくは以下に定義の脂肪アルコールである。
脂肪アルコールという用語の意味は、当技術分野で周知であり、ここでは好ましくはその最も広範な文脈で理解される。より好ましくは、本発明の文脈における脂肪アルコールは、4〜35個の炭素原子、より好ましくは6〜30個の炭素原子、特に8〜25個の炭素原子を有する、脂肪族飽和または(エチレン系)不飽和の分岐または非分岐カルボン酸である。さらにより好ましくは、本発明の文脈における脂肪アルコールは、4〜35個の炭素原子、より好ましくは6〜30個の炭素原子、特に8〜25個の炭素原子を有する、脂肪族飽和の、または1回、2回、3回もしくは4回(エチレン系)不飽和化された、分岐または非分岐、好ましくは非分岐カルボン酸である。さらにより好ましくは、本発明の文脈における脂肪アルコールは、4〜35個の炭素原子、より好ましくは6〜30個の炭素原子、特に8〜25個の炭素原子を有する、脂肪族飽和の、または1回もしくは2回(エチレン系)不飽和化された、分岐または非分岐、好ましくは非分岐アルコールである。一般に、かかる脂肪アルコールは、例えば対応する脂肪酸の還元によって、対応するアルコールに由来するか、それに由来し得るか、またはそれから得られる。
したがって、本発明の脂肪アルコール部分は、好ましくは以下の四角内に示した構造であり、円内の構造は、全体として脂肪アルコールを構成する。
したがって、特に好ましくは、本発明の脂肪アルコール部分は、対応する脂肪アルコールのアルキル部分またはアルキル残基である。
さらにより好ましい脂肪アルコール部分は、次式
[式中、mは、2〜33、より好ましくは4〜28、さらにより好ましくは6〜23である]、
[式中、
pは、1〜20、より好ましくは3〜18、さらにより好ましくは4〜15、特に6〜13であり、
qは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
rは、1〜20、より好ましくは3〜15、さらにより好ましくは6〜12、特に6、7または8であり、
ただし、好ましくは、pおよびrの合計は、4〜30、より好ましくは5〜25、さらにより好ましくは8〜22、特に10〜20であり、かつ/またはp、qおよびrの合計は、5〜30、より好ましくは6〜25、さらにより好ましくは9〜23、特に11〜21である]、
[式中、
pは、1〜20、より好ましくは3〜18、さらにより好ましくは4〜15、特に6〜13であり、
qは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
rは、1〜20、より好ましくは3〜15、さらにより好ましくは6〜12、特に6、7または8であり、
sは、1〜20、より好ましくは1〜15、さらにより好ましくは1〜10、特に1〜5であり、
ただし、好ましくは、p、rおよびsの合計は、4〜30、より好ましくは5〜25、さらにより好ましくは8〜22、特に10〜20であり、かつ/またはp、q、rおよびsの合計は、5〜30、より好ましくは6〜25、さらにより好ましくは9〜23、特に11〜21である]、
および/または
[式中、
pは、1〜20、より好ましくは3〜15、さらにより好ましくは6〜12、特に6、7または8であり、
qは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
rは、1〜20、より好ましくは3〜18、さらにより好ましくは4〜15、特に6〜12であり、
sは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
tは、1〜20、より好ましくは1〜15、さらにより好ましくは1〜10、さらにより好ましくは3〜8、特に4、5、6、7または8であり、
ただし、好ましくは、p、rおよびtの合計は、4〜30、より好ましくは6〜25、さらにより好ましくは8〜22、特に10〜20であり、かつ/またはp、q、r、sおよびtの合計は、5〜30、より好ましくは7〜25、さらにより好ましくは9〜23、特に11〜21である]
から選択される。
さらにより好ましくは、脂肪アルコール部分は、
からなる群から選択される。
さらにより好ましくは、脂肪アルコール部分は、独立に、オレイルアルコール(CH −(CH −CH=CH−(CH −CH −OH)ミリスチルアルコール(CH −(CH 12 −CH −OH)パルミチルアルコール(CH −(CH 14 −CH −OH)ステアリルアルコール(CH −(CH 16 −CH −OH)マルガリックアルコール(CH −(CH 15 −CH −OH)アラキックアルコール(CH −(CH 18 −CH −OH)ベヘニルアルコール(CH −(CH 20 −CH −OH)エルシルアルコール(CH −(CH −CH =CH −(CH 11 −CH −OH)リノレイルアルコール(CH −(CH −CH=CH−CH −CH=CH−(CH −CH −OH)およびリノレニルアルコール(CH −CH −CH=CH−CH −CH=CH−CH −CH=CH−(CH −CH −OH)からなる群の脂肪アルコールのアルキル残基から選択される。
[3]好ましいのは、b)の親油性および/または両親媒性化合物の少なくとも1つが親水性部分を含み、特にb)の両親媒性化合物の少なくとも1つが親水性部分を含む、本明細書に記載の、特に段落番号[1]、[2]および/またはそれに関係する段落の1つまたは複数に記載の組成物である。適切な親水性部分は、当業者に公知である。
[4]好ましいのは、親水性部分が、エタノールアミン部分、コリン部分、ホスファチジル部分および/もしくはスルファチジル部分、および/もしくはその塩を含み、またはより好ましくはエタノールアミン部分、コリン部分、ホスファチジル部分および/もしくはスルファチジル部分、および/もしくはその塩である、本明細書に記載の、特に段落番号[3]に記載の組成物である。
[5]好ましいのは、親水性部分が、ホスホエタノールアミン部分、ホスファチジルコリン部分、ホスファチジルグリセロール部分および/もしくはスルファチジルグリセロール部分、および/もしくはその塩を含み、またはより好ましくは、ホスホエタノールアミン部分、ホスファチジルコリン部分、ホスファチジルグリセロール部分および/もしくはスルファチジルグリセロール部分、特にホスファチジルグリセロール部分、および/もしくはその塩である、本明細書に記載の、特に段落番号[3]および/または[4]に記載の組成物である。
その塩に関して、塩基性親水性部分は、酸付加塩などの塩として提示することができ、または例えば、塩基性親水性部分を含む当量の化合物を、エタノールなどの不活性な溶媒中で酸と反応させ、次に蒸発によって濃縮することによって、関連する酸付加塩などの酸を伴う塩に変換することができる。かかる塩に適した酸は、特に、生理的に無害な塩を生じる酸である。したがって、無機酸、例えば硫酸、硝酸、塩酸または臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、オルトリン酸などのリン酸、およびスルファミン酸に加えて、有機酸、特に脂肪族、脂環式、芳香脂肪族(araliphatic)、芳香族または複素環式一塩基または多塩基性カルボン酸、スルホン酸または硫酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンモノスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸およびラウリル硫酸を使用することができる。あるいは、酸性親水性部分は、塩基付加塩などの塩として存在することができ、または塩基を伴う塩に、例えば関連する塩基付加塩に変換することができる。これに関して、酸性親水性部分のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびアンモニウム塩が特に好ましい。置換アンモニウム塩、例えば、ジメチル−、ジエチル−またはジイソプロピルアンモニウム塩、モノエタノール−、ジエタノール−またはジイソプロピルアンモニウム塩、シクロヘキシル−およびジシクロヘキシルアンモニウム塩、ならびにジベンジルエチレンジアンモニウム塩も好ましく、例えばアルギニンまたはリシンとの塩も好ましい。
これに関して特に好ましいのは、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩および塩酸塩である。これに関して特に好ましいのは、ナトリウム塩である。
[6]好ましいのは、b)の少なくとも1つの親油性化合物が、天然油および合成油ならびにその混合物から選択される1つまたは複数の化合物を含む、本明細書に記載の、特に段落番号[1]、[2]、[3]、[4]および/またはそれに関係する段落の1つまたは複数に記載の組成物であり、特に好ましいのは、b)の少なくとも1つの両親媒性化合物が、好ましくは親水性部分としてホスファチジル−ポリオールまたはスルファチジル−ポリオール基を有する両親媒性脂質から選択される1つまたは複数の化合物を含む、本明細書に記載の、特に段落番号[1]、[2]、[3]、[4]および/またはそれに関係する段落の1つまたは複数に記載の組成物、ならびにその誘導体、塩および/またはアルコラート、より好ましくはその塩である。
親油性化合物、特に天然および/または合成油は、当業者に公知である。好ましいのは、200g/mol〜2000g/mol、好ましくは300g/mol〜1500g/mol、より好ましくは500g/mol〜1000g/mol、特に700g/mol〜900g/molの範囲のモル重量を有する天然および/または合成油である。好ましくは、天然および/または合成油は、およそ室温(約25℃)で液体であり、特に生理的状態および/または生理的温度(約37℃)で液体である。したがって、前記天然および/または合成油、好ましくはその混合物の融点は、+20℃以下、好ましくは+10℃以下、さらにより好ましくは0℃以下である。しかし、一般に先の所与の値未満でも、−50℃を超え、−40℃を超え、−30℃を超え、−20℃を超え、またはさらに−10℃を超える融点であれば十分である。
天然および/または合成油である好ましい親油性化合物には、それに限定されるものではないが、
i)モノ−、ジ−、トリ−およびポリオールの脂肪酸モノ−、ジ−、トリ−もしくはポリエステル、
ii)ジ−、トリ−もしくはポリオールの脂肪酸ジエステル、
iii)トリ−もしくはポリオールの脂肪酸トリエステル、ならびに/または
iv)モノ−、ジ−、トリ−およびポリオールの脂肪アルコールモノ−、ジ−、トリ−もしくはポリエステル、
v)ジ−、トリ−もしくはポリオールの脂肪アルコールジエーテル、
vi)トリ−もしくはポリオールの脂肪アルコールトリエーテル、
好ましくはその混合物も含まれる。
これに関して特に好ましいのは、脂肪酸または脂肪酸部分が、好ましくは本明細書に定義の通りであり、かつ/またはジオールおよびトリオールが、好ましくは本明細書に定義の通りである、ジオールの脂肪酸ジエステルおよび/またはトリオールの脂肪酸トリエステルである。
さらにより好ましいのは、脂肪酸部分が本明細書に記載の通りであり、かつ/またはトリオール部分が、本明細書に記載のグリセロール部分である、トリオールの脂肪酸トリエステルである天然および/または合成油である。
好ましくは、前記天然および/または合成油、特にトリオールの脂肪酸トリエステルは、本明細書に記載の親水性部分を含まない。
天然油の好ましい例は、植物油から、より好ましくはゴマ油、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ油およびオリーブ油、ならびにその混合物から選択される。
合成油の好ましい例は、薬学的に許容される油、例えば、薬局方に記載の薬学的に許容される油から選択され、より好ましくは薬学的に許容されるトリグリセリド、好ましくはMiglyol類(登録商標)、好ましくはMiglyol(登録商標)810、Miglyol(登録商標)812、Miglyol(登録商標)818、Miglyol(登録商標)829およびMiglyol(登録商標)840、特にMiglyol(登録商標)812、ならびにその混合物などの中程度の大きさの鎖のトリグリセリドから選択される。
前記Miglyol類は、好ましくは、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(Miglyol(登録商標)810、Miglyol(登録商標)812)、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド(Miglyol(登録商標)818)、カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド(Miglyol(登録商標)829)およびジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール(Miglyol(登録商標)840からなる群から選択され、より好ましくはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(Miglyol(登録商標)810、Miglyol(登録商標)812)、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド(Miglyol(登録商標)818)、カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド(Miglyol(登録商標)829)から選択される。
しかし、薬学的に許容され、本明細書に記載の範囲内の融点を有するあらゆるトリアシルグリセリドまたはトリオールの脂肪酸トリエステルが、本発明の適切な親油性化合物と見なされる。
[7]a)20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する少なくとも1つのオリゴペプチド、好ましくは少なくとも1つの環状オリゴペプチド、より好ましくは本明細書に記載の少なくとも1つのオリゴペプチド(oligopetide)または環状オリゴペプチドを、12〜90%、好ましくは20〜80%、より好ましくは20〜60%、特に20〜40%、
b)脂肪酸部分が本明細書に記載の通りであり、トリオール部分が本明細書に記載のグリセロール部分である、天然油および合成油ならびにその混合物、好ましくは薬学的に許容される天然油および/または合成油ならびにその混合物、特にトリオールの脂肪酸トリエステルから選択される少なくとも1つの親油性化合物を10〜90%、好ましくは20〜80%、より好ましくは40〜80%、特に60〜80%、ならびに任意選択により
c)水を0〜30%、好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜10%、特に0.01〜5%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、さらにより好ましくは95〜99.9%、特に98〜99.9%になる、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[6]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物である。
これに関して好ましいのは、Arg−Gly−Asp−部分配列を含むオリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドである。
a)好ましくは20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有するシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Val)ならびに薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩から、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)ならびに薬学的に許容される溶媒和物および/または塩から選択される環状オリゴペプチドを12〜90%、好ましくは20〜80%、より好ましくは20〜60%、特に20〜40%、
b)脂肪酸部分が本明細書に記載の通りであり、トリオール部分が本明細書に記載のグリセロール部分である、天然油および合成油ならびにその混合物、好ましくは薬学的に許容される天然油および/または合成油ならびにその混合物を、10〜90%、好ましくは20〜80%、より好ましくは40〜80%、特に60〜80%、ならびに任意選択により
c)水を0〜30%、好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜10%、特に0.01〜5%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、さらにより好ましくは95〜99.9%、特に98〜99.9%になる、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[6]または[1]〜[7]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物である。
a)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、より好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の無水物、特にシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の結晶形A1を12〜90%、好ましくは20〜80%、より好ましくは20〜60%、特に20〜40%、
b)脂肪酸部分が本明細書に記載の通りであり、トリオール部分が本明細書に記載のグリセロール部分である、天然油および合成油ならびにその混合物、好ましくは薬学的に許容される天然油および/または合成油ならびにその混合物、特にトリオールの脂肪酸トリエステルから選択される少なくとも1つの親油性化合物を10〜90%、好ましくは20〜80%、より好ましくは40〜80%、特に60〜80%、ならびに任意選択により
c)水を0〜30%、好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜10%、特に0.01〜5%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、さらにより好ましくは95〜99.9%、特に98〜99.9%になる、本明細書に記載の組成物、特に段落番号[1]〜[6]または[1]〜[7]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物である。
a)好ましくは20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、より好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の無水物、特にシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の結晶形A1を12〜90%、好ましくは20〜80%、より好ましくは20〜60%、特に20〜40%、
b)脂肪酸部分が本明細書に記載の通りであり、トリオール部分が本明細書に記載のグリセロール部分である、天然油および合成油ならびにその混合物、好ましくは薬学的に許容される天然油および/または合成油ならびにその混合物、特にトリオールの脂肪酸トリエステルから選択される少なくとも1つの親油性化合物を10〜90%、好ましくは20〜80%、より好ましくは40〜80%、特に60〜80%、ならびに任意選択により
c)水を0〜30%、好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜10%、特に0.01〜5%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、さらにより好ましくは95〜99.9%、特に98〜99.9%になる、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[6]または[1]〜[7]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物である。
a)20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、少なくとも1つのオリゴペプチド、好ましくは少なくとも1つの環状オリゴペプチド、より好ましくは本明細書に記載の少なくとも1つのオリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドを12〜90%、好ましくは15〜80%、好ましくは15〜60%、より好ましくは15〜50%、特に20〜40%、
b)1つまたは複数の両親媒性化合物を0.01〜60%、好ましくは0.01〜30%、より好ましくは0.01〜15%、さらにより好ましくは0.05〜10%、さらにより好ましくは0.05〜5%、特に0.1〜5%、
c)水を10〜89.99%、好ましくは20〜89.99%、より好ましくは30〜84.99%、さらにより好ましくは40〜84.99%、さらにより好ましくは50〜84.95%、特に60〜79.95%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、特に95〜99.9%になる、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[6]または[1]〜[7]の1つまたは複数、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物である。
両親媒性化合物、特に両親媒性脂質は、当業者に公知である。本発明の文脈における両親媒性化合物は、好ましくは1つまたは複数の親油性部分および1つまたは複数の親水性部分を含む。好ましいのは、両親媒性化合物、特に200g/mol〜2000g/mol、好ましくは300g/mol〜1500g/mol、より好ましくは500g/mol〜1000g/mol、特に700g/mol〜900g/molの範囲のモル重量を有する両親媒性脂質である。好ましくは、本発明の文脈における両親媒性脂質は、少なくとも1つの脂肪酸部分または少なくとも1つの脂肪アルコール部分を、好ましくは親油性部分の一部として、かつ/またはモノ−、ジ−、トリ−もしくはポリオール、好ましくはジオールもしくはトリオールを、好ましくは親水性部分の一部として含む。好ましくは、前記モノ−、ジ−、トリ−またはポリオール、好ましくはジオールまたはトリオールは、本明細書に記載の親水性部分をさらに含む。より好ましくは、本発明の文脈における両親媒性脂質は、少なくとも1つもしくは2つの脂肪酸部分を、好ましくは親油性部分の一部として、かつ/またはトリオール、好ましくはグリセロールを、好ましくは親水性部分の一部として含む。したがって、好ましいのは、ホスファチジル−ポリオールまたはスルファチジル−ポリオール部分を親水性部分として有する両親媒性脂質、ならびにその誘導体、塩および/またはアルコラート、より好ましくはその塩である。さらにより好ましいのは、ホスファチジル−グリセロールまたはスルファチジル−グリセロール部分を親水性部分として有する両親媒性脂質、ならびにその誘導体、塩および/またはアルコラート、より好ましくはその塩である。
したがって、さらにより好ましいのは、
α)ホスファチジル−グリセロールまたはスルファチジル−グリセロール部分を、好ましくは親水性部分として有し、
β)1つまたは2つ、好ましくは2つの脂肪酸部分を、好ましくは親油性部分として有する両親媒性脂質、ならびにその誘導体、塩および/またはアルコラート、より好ましくはその塩である。
好ましくは、b)の両親媒性化合物は、
ホスファチジルポリオールの脂肪酸モノエステル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
ホスファチジルポリオールの脂肪酸ジエステル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
ならびにその塩およびアルコラート、
ホスファチジルポリオールの脂肪酸トリエステル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
ホスファチジルポリオールの脂肪酸ポリエステル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
スルファチジルポリオールの脂肪酸モノエステル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
スルファチジルポリオールの脂肪酸ジエステル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
ならびにその塩およびアルコラート、
スルファチジルポリオールの脂肪酸トリエステル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
スルファチジルポリオールの脂肪酸ポリエステル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート
からなる群から選択することができる。
あるいは好ましくは、b)の両親媒性化合物は、
ホスファチジルポリオールの脂肪アルコールモノエーテル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
ホスファチジルポリオールの脂肪アルコールジエーテル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
ならびにその塩およびアルコラート、
ホスファチジルポリオールの脂肪アルコールトリエーテル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
ホスファチジルポリオールの脂肪アルコールポリエーテル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
スルファチジルポリオールの脂肪アルコールモノエーテル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
スルファチジルポリオールの脂肪アルコールジエーテル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
ならびにその塩およびアルコラート、
スルファチジルポリオールの脂肪アルコールトリエーテル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート、
スルファチジルポリオールの脂肪アルコールポリエーテル、ならびにその誘導体、塩およびアルコラート
からなる群から選択することができる。
本発明のホスファチジルポリオールは、好ましくはそれに限定されるものではないが、モノホスファチジルポリオール、ジホスファチジルポリオール、トリホスファチジルポリオール、テトラホスファチジルポリオールおよび高級ポリホスファチジルポリオールを含むモノ−およびピロホスファチジルポリオールを含む。好ましくは、本発明のホスファチジルポリオールは、モノホスファチジルポリオール、ジホスファチジルポリオールおよびトリホスファチジルポリオール、ならびに/またはその塩から選択される。
本発明のスルファチジルポリオールは、好ましくはそれに限定されるものではないが、モノスルファチジルポリオール、ジスルファチジルポリオール、トリスルファチジルポリオール、テトラスルファチジルポリオールおよび高級ポリスルファチジルポリオールを含むモノ−およびピロスルファチジルポリオールを含む。好ましくは、本発明のスルファチジルポリオールは、モノスルファチジルポリオール、ジスルファチジルポリオールおよびトリスルファチジルポリオール、ならびに/またはその塩から選択される。
本発明の使用に好ましいのは、本明細書のポリオール部分構造が、好ましくはそれに限定されるものではないが、グリコール、プロパンジオール、それに限定されるものではないが、プロパン−1,3−ジオールおよびプロパン−1,2−ジオール、ジエチレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、それに限定されるものではないが、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ブタン−2,2−ジオール、ブタン−2,3−ジオール、ブタントリオール、それに限定されるものではないが、2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール、2−メチル−プロパン−1,2,3−トリオール、ブタン−1,2,3−トリオールおよびブタン−1,2,4−トリオール、ならびに1,2,3,4−ブタン1,2,3,4−テトロール、それに限定されるものではないが、エリスリトールおよびトレイトールを含む、ジオール、トリオール、テトロール、ペントールおよびヘキソールに由来し、またはそれらから選択される、ホスファチジルポリオールおよび/またはスルファチジルポリオールである。
本発明の使用により好ましいのは、本明細書のポリオール部分構造が、好ましくはジオール、トリオールおよびテトロールに由来し、またはそれらから選択され、特にトリオール、好ましくは前述のトリオールから選択される、ホスファチジルポリオールおよび/またはスルファチジルポリオールである。
一般に、ポリオールの脂肪酸エステルは、ポリオールの脂肪アルコールエーテルよりも好ましい。
[10]好ましくは、ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールは、
a)ポリホスファチジルグリセロール、トリホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロールおよびモノホスファチジルグリセロール、ならびに/または
b)ポリスルファチジルグリセロール、トリスルファチジルグリセロール、ジスルファチジルグリセロールおよびモノスルファチジルグリセロール、
ならびに/またはその塩から選択される。
より好ましくは、ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールは、
a)トリホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、モノホスファチジルグリセロール、特にモノホスファチジルグリセロール、ならびに/または
b)ポリスルファチジルグリセロール、トリスルファチジルグリセロール、ジスルファチジルグリセロールおよびモノスルファチジルグリセロール、特にモノスルファチジルグリセロール、
ならびに/またはその塩から選択される。
別段明確に言及されていない場合、モノホスファチジルグリセロールおよびモノスルファチジルグリセロールは、好ましくはそれぞれホスファチジルグリセロールおよびスルファチジルグリセロールとも呼ばれる。
特に好ましくは、脂肪酸は、各場合において独立に、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸、アラキン酸またはアラキジン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リノール酸およびリノレン酸からなる群から選択される。さらにより好ましくは、脂肪酸は、各場合において独立に、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸およびステアリン酸からなる群から選択される。
したがって、2つ以上の脂肪酸を含む脂肪酸エステルでは、脂肪酸は、すべて同じかまたは異なっていてよい。例えば、脂肪酸ジエステルでは、両方の脂肪酸部分が同じであってよく、例えば両方がオレオイルもしくは両方がパルミトイルであり、または異なっていてよく、例えば一方がオレオイルであり、他方がパルミトイルである。あるいは、脂肪酸ジエステルまたはトリエステルは、混合物、例えば統計的な混合物中に2つ以上の異なる脂肪酸部分を含むことができる。
したがって、本発明の好ましい両親媒性化合物は、好ましくは次式の1つまたは複数
[式中、
α)R、R、R、RおよびRは、互いに独立に、H、メチル、エチルおよび親水性部分から、より好ましくはH、メチルおよびエチルから選択され、
ただし、好ましくは、R、R、R、RおよびRの1つまたは2つだけがH以外であり、より好ましくはR、R、R、RおよびRの1つだけがH以外であり、
β)R、RおよびRは、互いに独立に、HおよびRから選択され、
各Rは、独立に、
i)脂肪酸部分および脂肪アルコール部分、好ましくは本明細書に記載の脂肪酸部分および脂肪アルコール部分、特に本明細書に記載の脂肪酸部分、ならびに
ii)親水性部分、好ましくは本明細書に記載の親水性部分
からなる群から選択され、
ただし、R、RおよびRの1つまたは複数、好ましくはR、RおよびRの2つ以上、特にR、RおよびRのすべてが、Rであり、
さらにRの1つまたは2つだけ、好ましくは1つだけが親水性部分である]
ならびにその塩および/または立体異性体、好ましくはその塩から選択される。
したがって、本発明のより好ましい両親媒性化合物は、好ましくは次式
[式中、
、RおよびRは、互いに独立に、HおよびRから選択され、
各Rは、独立に、
i)脂肪酸部分および脂肪アルコール部分、好ましくは本明細書に記載の脂肪酸部分および脂肪アルコール部分、特に本明細書に記載の脂肪酸部分、ならびに
ii)親水性部分、好ましくは本明細書に記載の親水性部分
からなる群から選択され、
ただし、R、RおよびRの1つまたは複数、好ましくはR、RおよびRの2つ以上、特にR、RおよびRのすべてが、Rであり、
さらにRの1つまたは2つだけ、好ましくは1つだけが親水性部分である]
ならびにその塩および/または立体異性体、好ましくはその塩から選択される。
したがって、本発明のさらにより好ましい両親媒性化合物は、好ましくは次式
[式中、
a)RおよびRの両方は、互いに独立に、酸部分および脂肪アルコール部分、好ましくは本明細書に記載の脂肪酸部分および脂肪アルコール部分、特に本明細書に記載の脂肪酸部分から選択され、Rは、親水性部分、好ましくは本明細書に記載の親水性部分であり、
b)RおよびRの両方は、互いに独立に、酸部分および脂肪アルコール部分、好ましくは本明細書に記載の脂肪酸部分および脂肪アルコール部分、特に本明細書に記載の脂肪酸部分から選択され、Rは、親水性部分、好ましくは本明細書に記載の親水性部分であり、または
c)RおよびRの両方は、互いに独立に、酸部分および脂肪アルコール部分、好ましくは本明細書に記載の脂肪酸部分および脂肪アルコール部分、特に本明細書に記載の脂肪酸部分から選択され、Rは、親水性部分、好ましくは本明細書に記載の親水性部分である]
ならびにその塩および/または立体異性体、好ましくはその塩から選択される。
、Rおよび/またはRに関して、親水性部分は、好ましくは、
i)−POH,−PONa,−POK,−PO
ii)−(PO−O)−POH,−(PO−O)−PONa,−(PO−O)−POK,−(PO−O)−PO
iii)−SOH,−SONa,−SOK,−SO
iv)−(SO−O)−SOH,−(SO−O)−SONa,−(SO−O)−SOK,−(SO−O)−SO
v)−(CH−OH,−(CH−ONa,−(CH−OK,−(CH−O,−(CH−NH,−(CH−NH ,−(CH−N(CH ,−(CH−POH,−(CH−PONa,−(CH−POK,−(CH−PO ,−(CH−O−POH,−(CH−O−PONa,−(CH−O−POK,−(CH−O−PO
vi)−(CH−(PO−O)−POH,−(CH−(PO−O)−PONa,−(CH−(PO−O)−POK,−(CH−(PO−O)−PO
vii)−(CH−(SO−O)−SOH,−(CH−(SO−O)−SONa,−(CH−(SO−O)−SOK,−(CH−(SO−O)−SO
[式中、
nは、1、2、3または4、好ましくは1、2または3、特に1または2であり、
vは、1、2、3または4、好ましくは1、2または3、特に1または2であり、
wは、1、2、3または4、好ましくは1、2または3、特に1または2であり、
xは、1、2、3または4、好ましくは1、2または3、特に1または2であり、
yは、1、2、3または4、好ましくは1、2または3、特に1または2である]、
ならびに/または
γ)エタノールアミン部分、コリン部分、ホスファチジル部分、ホスファチジルコリン部分、スルファチジルおよびスルファチジルコリン部分、
ならびにその塩または他の塩からなる群から選択される。
、Rおよび/またはRに関して、親水性部分は、さらにより好ましくは、
i)−POH、−PONa、−POK、−PO
ii)−(PO−O)−POH、−(PO−O)−PONa、−(PO−O)−POK、−(PO−O)−PO
iii)−(CH−OH、−(CH−ONa、−(CH−OK、−(CH−O、−(CH−NH、−(CH−NH 、−(CH−N(CH 、−(CH−POH、−(CH−PONa、−(CH−POK、−(CH−PO 、−(CH−O−POH、−(CH−O−PONa、−(CH−O−POK、−(CH−O−PO
[式中、
nは、1、2、3または4、好ましくは1、2または3、特に1または2であり、
vは、1、2、3または4、好ましくは1、2または3、特に1または2である]、
ならびに/または
iv)エタノールアミン部分、コリン部分、ホスファチジル部分、ホスファチジルコリン部分、スルファチジルおよびスルファチジルコリン部分、
ならびにその塩または他の塩からなる群から選択される。
、Rおよび/またはRcに関して、脂肪酸部分は、好ましくは、
[式中、mは、2〜33、より好ましくは4〜28、さらにより好ましくは6〜23である]、
[式中、
pは、1〜20、より好ましくは3〜18、さらにより好ましくは4〜15、特に6〜13であり、
qは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
rは、1〜20、より好ましくは3〜15、さらにより好ましくは6〜12、特に6、7または8であり、
ただし、好ましくは、pおよびrの合計は、4〜30、より好ましくは5〜25、さらにより好ましくは8〜22、特に10〜20であり、かつ/またはp、qおよびrの合計は、5〜30、より好ましくは6〜25、さらにより好ましくは9〜23、特に11〜21である]、
[式中、
pは、1〜20、より好ましくは3〜18、さらにより好ましくは4〜15、特に6〜13であり、
qは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
rは、1〜20、より好ましくは3〜15、さらにより好ましくは6〜12、特に6、7または8であり、
sは、1〜20、より好ましくは1〜15、さらにより好ましくは1〜10、特に1〜5であり、
ただし、好ましくは、p、rおよびsの合計は、4〜30、より好ましくは5〜25、さらにより好ましくは8〜22、特に10〜20であり、かつ/またはp、q、rおよびsの合計は、5〜30、より好ましくは6〜25、さらにより好ましくは9〜23、特に11〜21である]、
および/または
[式中、
pは、1〜20、より好ましくは3〜15、さらにより好ましくは6〜12、特に6、7または8であり、
qは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
rは、1〜20、より好ましくは3〜18、さらにより好ましくは4〜15、特に6〜12であり、
sは、0〜6、より好ましくは1〜5、より好ましくは1、2、3または4、特に1、2または3であり、
tは、1〜20、より好ましくは1〜15、さらにより好ましくは1〜10、さらにより好ましくは3〜8、特に4、5、6、7または8であり、
ただし、好ましくは、p、rおよびtの合計は、4〜30、より好ましくは6〜25、さらにより好ましくは8〜22、特に10〜20であり、かつ/またはp、q、r、sおよびtの合計は、5〜30、より好ましくは7〜25、さらにより好ましくは9〜23、特に11〜21である]
からなる群から選択される。
、Rおよび/またはRcに関して、脂肪酸部分は、さらにより好ましくは、
ならびに不飽和脂肪酸部分の場合には、すべてのその立体異性体の群から選択される。
、Rおよび/またはRcに関して、脂肪酸部分は、さらにより好ましくは以下の群から選択される。脂肪酸部分は、ミリストイル、オレオイル、パルミトイル(パルミチン酸に相当する)、ステアロイル、マルガロイル、アラキドイル、ベヘノイル、エルコイル、リノレオイルおよびリノレノイルからなる群から選択される。
、Rおよび/またはRcに関して、脂肪酸部分は、ミリストイル、オレオイル、パルミトイルおよびステアロイルからなる群から選択される。
本発明の特に好ましい両親媒性化合物は、好ましくは、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジオレオイルグリセロホスホコリン(DOPC)、ジパルミトイルグリセロホスホグリセロール(DPPG)、ジステアロイルグリセロホスホエタノールアミン(DSPE)、卵ホスファチジルコリン(EPC)および大豆ホスファチジルコリン(SPC)、より好ましくはジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジオレオイルグリセロホスホコリン(DOPC)、ジパルミトイルグリセロホスホグリセロール(DPPG)、さらにより好ましくはジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジパルミトイルグリセロホスホグリセロール(DPPG)、さらにより好ましくはジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)およびジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、特にジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ならびに/またはその塩、好ましくは本明細書に記載の塩、特にそのアルカリおよび/もしくはアンモニウム塩から選択される。また好ましいのは、好ましくは同じ化合物の異なる塩の混合物および異なる化合物の異なる塩の混合物を含む、前記両親媒性化合物および/またはその塩の混合物である。
あるいは、本発明の好ましい両親媒性化合物は、本明細書に記載の脂肪酸である2つの異なる脂肪酸を含む両親媒性化合物である。より好ましくは、これらの両親媒性化合物は、
ミリストイルステアロイルホスファチジルコリン(MSPC)、
ミリストイルパルミトイルホスファチジルコリン(MPPC)、
ミリストイルオレオイルホスファチジルコリン(MOPC)、
パルミトイルステアロイルホスファチジルコリン(PSPC)、
パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、
ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン(SOPC)、
ミリストイルステアロイルホスファチジルグリセロール(MSPG)、
ミリストイルオレオイルホスファチジルグリセロール(MOPG)、
ミリストイルパルミトイルホスファチジルグリセロール(MPPG)、
パルミトイルステアロイルホスファチジルグリセロール(PSPG)、
パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセロール(POPG)、
ステアロイルオレオイルホスファチジルグリセロール(SOPG)、
ミリストイルステアロイルグリセロホスホコリン(MSPC)、
ミリストイルオレオイルグリセロホスホコリン(MOPC)、
ミリストイルパルミトイルグリセロホスホコリン(MPPC)、
パルミトイルステアロイルグリセロホスホコリン(PSPC)、
パルミトイルオレオイルグリセロホスホコリン(POPC)、
ステアロイルオレオイルグリセロホスホコリン(SOPC)、
ミリストイルステアロイルグリセロホスホエタノールアミン(MSPE)、
ミリストイルオレオイルグリセロホスホエタノールアミン(MOPE)、
ミリストイルパルミトイルグリセロホスホエタノールアミン(MPPE)、
パルミトイルステアロイルグリセロホスホエタノールアミン(PSPE)、
パルミトイルオレオイルグリセロホスホエタノールアミン(POPE)、および
ステアロイルオレオイルグリセロホスホエタノールアミン(SOPE)
ならびに/またはその塩、好ましくは本明細書に記載の塩、特にそのアルカリおよび/もしくはアンモニウム塩から選択される。また好ましいのは、好ましくは同じ化合物の異なる塩の混合物および異なる化合物の異なる塩の混合物を含む、前記両親媒性化合物および/またはその塩の混合物である。
本発明の特に好ましい両親媒性化合物および/またはその塩は、好ましくはそれらのケミカルアブストラクツ番号(CAS番号)によって定義され得る。
DOPG(ナトリウム塩):67254−28−8
DMPC:18194−24−6
DMPG(ナトリウム塩):6732−80−8
DSPG(ナトリウム塩):108347−80−4
DOPC:4235−95−4
DPPG(ナトリウム塩):42367232−81−9
DSPE:1069−79−0
SPC:97281−47−5
本発明の特に好ましい両親媒性化合物および/またはその塩は、好ましくはそれらのケミカルアブストラクツ番号(CAS番号)によって定義され得る。
DOPG(ナトリウム塩):67254−28−8、および/または
DMPG(ナトリウム塩):67232−80−8
毒性学的観点から、負に帯電したまたは非荷電の両親媒性化合物は、正に帯電した両親媒性化合物よりも好ましい(Recent advances in tumor vasculature targeting using liposomal drug delivery systems Amr S Abu Lila、Tatsuhiro Ishida、Hiroshi Kiwada、Expert Opinion on Drug Delivery、DOI 10.1517/17425240903289928。
負に帯電した両親媒性化合物の例には、それに限定されるものではないが、
ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)
ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)
ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)
ジパルミトイルグリセロホスホグリセロール(DPPG)
が含まれる。
中性の両親媒性化合物の例には、それに限定されるものではないが、ジステアロイルグリセロホスホエタノールアミン(DSPE)が含まれる。
正に帯電した両親媒性化合物の例には、それに限定されるものではないが、
ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)
ジオレオイルグリセロホスホコリン(DOPC)
大豆ホスファチジルコリン(SPC)
が含まれる。
本発明のおよび/または本発明の使用に好ましい両親媒性化合物は、好ましくはCAS番号67254−28−8によって定義のジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)および/またはそのナトリウム塩である。
本発明のおよび/または本発明の使用に特に好ましい両親媒性化合物は、好ましくはCAS番号67232−80−8によって定義のジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)および/またはそのナトリウム塩である。
[8]a)20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、12〜90%、好ましくは12〜60%、より好ましくは15〜40%、特に20〜40%の少なくとも1つのオリゴペプチド、好ましくは少なくとも1つの環状オリゴペプチド、より好ましくは本明細書に記載の少なくとも1つのオリゴペプチドまたは環状オリゴペプチド、
b)0.01〜60%、好ましくは0.01〜40%、より好ましくは0.01〜20%、さらにより好ましくは0.01〜10%、さらにより好ましくは0.05〜10%、さらにより好ましくは0.05〜5%、特に0.1〜10%または0.1〜5%の1つまたは複数の両親媒性化合物、好ましくは本明細書に記載の1つまたは複数の両親媒性化合物、ならびに
c)10〜94.99%、好ましくは30〜89.99%、より好ましくは40〜84.99%、さらにより好ましくは60〜79.99%、特に60〜79.9%の水
を含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、さらにより好ましくは95〜99.9%、特に98〜99.9%になる、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[6]または[1]〜[7]の1つまたは複数、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物である。
a)20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、12〜90%、好ましくは15〜80%、好ましくは15〜60%、より好ましくは15〜50%、特に20〜40%の少なくとも1つのオリゴペプチド、好ましくは少なくとも1つの環状オリゴペプチド、より好ましくは本明細書に記載の少なくとも1つのオリゴペプチドまたは環状オリゴペプチド、
b)0.01〜60%、好ましくは0.01〜30%、より好ましくは0.01〜15%、さらにより好ましくは0.05〜10%、さらにより好ましくは0.05〜5%、特に0.1〜5%の1つまたは複数の両親媒性化合物、
c)10〜89.99%、好ましくは20〜89.99%、より好ましくは30〜84.99%、さらにより好ましくは40〜84.99%、さらにより好ましくは50〜84.95%、特に60〜79.95%の水
を含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、特に95〜99.9%になる、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[6]または[1]〜[8]の1つまたは複数、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物である。
これに関して好ましいのは、Arg−Gly−Asp−部分配列を含むオリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドである。
a)好ましくは20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、12〜90%、好ましくは12〜60%、より好ましくは15〜40%、特に20〜40%の、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Val)ならびに薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩から、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)ならびに薬学的に許容される溶媒和物および/または塩から選択される環状オリゴペプチド、
b)0.01〜60%、好ましくは0.01〜40%、より好ましくは0.01〜20%、さらにより好ましくは0.01〜10%、さらにより好ましくは0.05〜10%、さらにより好ましくは0.05〜5%、特に0.1〜10%または0.1〜5%の1つまたは複数の両親媒性化合物、好ましくは本明細書に記載の1つまたは複数の両親媒性化合物、ならびに
c)10〜94.99%、好ましくは30〜89.99%、より好ましくは40〜84.99%、さらにより好ましくは60〜79.99%、特に60〜79.9%の水
を含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、さらにより好ましくは95〜99.9%、特に98〜99.9%になる、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[6]または[1]〜[8]の1つまたは複数、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物である。
a)好ましくは20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、より好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の無水物、特にシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の結晶形A1を12〜90%、好ましくは12〜60%、より好ましくは15〜40%、特に20〜40%、
b)1つまたは複数の両親媒性化合物、好ましくは本明細書に記載の1つまたは複数の両親媒性化合物を0.01〜60%、好ましくは0.01〜40%、より好ましくは0.01〜20%、さらにより好ましくは0.01〜10%、さらにより好ましくは0.05〜10%、さらにより好ましくは0.05〜5%、特に0.1〜10%または0.1〜5%、ならびに
c)水を10〜94.99%、好ましくは30〜89.99%、より好ましくは40〜84.99%、さらにより好ましくは60〜79.99%、特に60〜79.9%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、さらにより好ましくは95〜99.9%、特に98〜99.9%になる、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[6]または[1]〜[8]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物である。
[9]あるいは好ましいのは、
a)20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、少なくとも1つのオリゴペプチド、好ましくは少なくとも1つの環状オリゴペプチド、より好ましくは本明細書に記載の少なくとも1つのオリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドを12〜90%、好ましくは12〜60%、より好ましくは15〜40%、特に20〜40%、
b)b1)ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールの脂肪酸モノ−、ジ−またはポリエステル、ならびにその誘導体、塩および/またはアルコラート、ならびに
b2)ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールの脂肪アルコールモノ−、ジ−またはポリエーテル、ならびにその誘導体、塩および/またはアルコラート、
から選択される1つまたは複数の両親媒性化合物を0.01〜60%、好ましくは0.01〜40%、より好ましくは0.01〜20%、さらにより好ましくは0.01〜10%、さらにより好ましくは0.05〜10%、さらにより好ましくは0.05〜5%、特に0.1〜10%または0.1〜5%、
c)水を10〜94.99%、好ましくは30〜89.99%、より好ましくは40〜84.99%、さらにより好ましくは60〜79.99%、特に60〜79.9%
含み、
ただし、好ましくは、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、さらにより好ましくは95〜99.9%、特に98〜99.9%になる組成物である。
好ましくは、好ましくは20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、本明細書に記載の前記オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の無水物およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の結晶形A1から選択される。
さらにより好ましくは、好ましくは20℃で5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、本明細書に記載の前記オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の無水物およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の結晶形A1から選択される。
[10]ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールが、
a)ポリホスファチジルグリセロール、トリホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、モノホスファチジルグリセロール、ならびに/または
b)ポリスルファチジルグリセロール、トリスルファチジルグリセロール、ジスルファチジルグリセロールおよびモノスルファチジルグリセロール
ならびに/またはその塩から選択される、本明細書に記載の、特に段落番号[6]および/または[9]に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物。
[11]a)脂肪酸が、独立に、オレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リノール酸およびリノレン酸からなる群から選択され、
b)脂肪アルコールが、独立に、オレイン酸アルコール、ミリスチン酸アルコール、パルミチン酸アルコール、ステアリン酸アルコール、マルガリン酸アルコール、アラキン酸アルコール、ベヘン酸アルコール、エルカ酸アルコール、リノール酸アルコールおよびリノレン酸アルコールからなる群から選択され、
c)脂肪酸部分が、独立に、a)の脂肪酸のアシル残基から選択され、かつ/または
d)脂肪アルコール部分が、独立に、b)の脂肪アルコールのアルキル残基から選択される、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[10]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物。
[12]両親媒性化合物および/またはポリホスファチジル−ポリオールの脂肪酸ジ−もしくはポリエステルが、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルグリセロホスホコリン、ジパルミトイルグリセロホスホグリセロール、ジステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、卵ホスファチジルコリンおよび大豆ホスファチジルコリン、ならびに薬学的に許容されるその誘導体、塩および/またはアルコラートからなる群から選択される、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[11]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物。
両親媒性化合物および/またはポリホスファチジル−ポリオールの脂肪酸ジ−もしくはポリエステルが、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルグリセロホスホコリン、ジパルミトイルグリセロホスホグリセロール、ジステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、卵ホスファチジルコリンおよび大豆ホスファチジルコリン、より好ましくはジオレオイルホスファチジルグリセロールおよび/またはジミリストイルホスファチジルグリセロール、特にジミリストイルホスファチジルグリセロール、ならびに薬学的に許容されるその誘導体、塩および/またはアルコラートからなる群から選択される、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[11]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物。
本発明の組成物が、a)、b)およびc)以外の化合物および/または添加剤を含む場合、前記化合物および/または添加剤は、好ましくはさらなる活性成分、好ましくはさらなる薬学的に活性な成分、ならびにさらなる添加剤および/または助剤、好ましくは薬学的に許容される添加剤および/または助剤から選択される。
添加剤および/または助剤、特に薬学的に許容される添加剤および/または助剤は、例えばEuropaisches Arzneibuch、6. Ausgabe、CD-ROM Official German Edition、米国薬局方29、欧州薬局方および/またはドイツ薬局方、好ましくはそれぞれの最新版またはさらなる新版から、当技術分野で公知である。
好ましくは、本発明の組成物は、本明細書に定義のオリゴペプチド以外の活性成分を含まない。
より好ましくは、本発明の組成物は、本明細書に定義のオリゴペプチド以外のさらなる薬学的に活性な成分を含まない。
好ましい添加剤には、それに限定されるものではないが、等張化剤および/または保存剤が含まれる。これに関して保存剤は、好ましくは抗菌保存剤である。
保存剤、好ましくは薬学的に許容される保存剤の例は、例えばSwarbrick、Pharmaceutical Technologyから当技術分野で公知である。
薬学的に許容される保存剤の例を、以下の表に示す。
好ましい保存剤、特にs.c.製剤に好ましい保存剤は、ベンジルアルコール、フェノール、クレゾールおよびクレゾール誘導体、例えばクロロクレゾールからなる群から選択され、好ましくはフェノール、クレゾールおよびクロロクレゾールからなる群から選択される。特に好ましいのは、フェノールである。
等張化剤、好ましくは薬学的に許容される等張化剤の例は、例えばSwarbrick、Pharmaceutical Technologyから当技術分野で公知である。
好ましい等張化剤は、アルカリ塩、好ましくは塩化ナトリウムおよび/または塩化カリウム、塩化アンモニウム、グリセロール、糖類、好ましくはグルコースおよび/またはフルクトース、ならびに尿素からなる群から選択される。
しかし、先の所与の等張化剤の適切な代替は、当業者に公知である。
等張化剤として特に好ましいのは、塩化ナトリウム(NaCl)である。
したがって、本発明の文脈において、組成物のc)の水は、任意選択により、等張食塩水または生理食塩水、例えば注入用食塩水で部分的または完全に置換されていてよい。本発明の文脈における等張食塩水、生理食塩水または注入用食塩水は、好ましくは水中約0.9重量%のNaClの溶液である。より好ましくは、組成物は、水(c))を使用して生成され、その浸透圧は、適用できる場合にはa)および/またはb)の化合物が添加された後に、NaClを好ましい添加剤として添加することによって調節される。
したがって、等張化剤および/または保存剤は、d)の、特にd2)の好ましい添加剤である。
[13]d)d1)薬学的に活性な成分、
d2)薬学的に許容される添加剤
から選択される、a)、b)およびc)以外の1つまたは複数の化合物を0〜50%
含み、
ただし、好ましくは、a)、b)、c)およびd)の合計が、全組成物の最大80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に95〜99.9%または95〜100%になる、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[12]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物。
[14]d)薬学的に許容される添加剤(d2)から選択される、a)、b)およびc)以外の1つまたは複数の化合物を0〜10%含み、
ただし、好ましくは、a)、b)、c)およびd2)、好ましくはa)、b)、c)およびd)の合計が、全組成物の最大80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に95〜99.9%または95〜100%になる、本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[13]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の組成物。
したがって、特に好ましいのは、
a)本明細書に記載の1つまたは複数のオリゴペプチドを本明細書に記載の量、
b)本明細書に記載の1つまたは複数の両親媒性化合物を本明細書に記載の量、
c)水を本明細書に記載の量、ならびに
d)d1)a)のオリゴペプチド以外の薬学的に活性な成分を0〜20%、好ましくは0〜10%、特にゼロのまたは本質的にゼロ、および
d2)1つまたは複数、好ましくは2つ以上、特に1、2または3つの薬学的に許容される添加剤を0〜20%、好ましくは0.01〜10%、より好ましくは0.05〜10%、さらにより好ましくは0.1〜10%、特に0.1〜5%
から選択される1つまたは複数の化合物を含み、
ただし、好ましくは、a)、b)、c)およびd)の合計が、全組成物の最大80%以上,好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらにより好ましくは95〜99.9%、さらにより好ましくは98〜99.9%、特に99〜100%になる、本明細書に記載の組成物である。
特に好ましくは、前述の組成物は、a)、b)、c)およびd)からなり、またはそれらから本質的になる。
したがって、やはり好ましいのは、
a)本明細書に記載の少なくとも1つのオリゴペプチド、より好ましくは本明細書に記載の少なくとも環状オリゴペプチド、特に、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Val)、ならびに薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩からなる群から選択される少なくとも1つの環式オリゴペプチドを12〜60%、
b)1つまたは複数の両親媒性化合物、好ましくは本明細書に記載の両親媒性化合物、より好ましくは
b1)ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールの脂肪酸ジ−またはポリエステル、および
b2)ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールの脂肪酸ジ−またはポリエーテル、ならびにその誘導体、塩および/またはアルコラート
から選択される両親媒性化合物を0.01〜30%、好ましくは0.01〜10%、特に0.05〜5%、
c)水を20〜89.99%、ならびに任意選択により
d)d1)薬学的に活性な成分、
d2)薬学的に許容される添加剤から選択され、より好ましくはd2)薬学的に許容される添加剤から選択される、a)、b)およびc)以外の1つまたは複数の化合物を0〜50%、好ましくは0〜20%、より好ましくは0.001〜20%、さらにより好ましくは0.01〜10%、特に0.1〜5%
含む、好ましくはそれらから本質的になる、特にそれらからなる組成物である。
好ましくは、本発明の組成物は、1つまたは複数のオリゴペプチドの少なくとも一部または部分を固体粒子として、好ましくは懸濁しているか、または懸濁可能な固体粒子として含有する。
より好ましくは、本発明の組成物は、1つまたは複数のオリゴペプチドの少なくとも一部または部分を固体微粒子として、好ましくは懸濁しているか、または懸濁可能な固体微粒子として含有する。
さらにより好ましくは、本発明の組成物は、1つまたは複数のオリゴペプチドの少なくとも一部または部分を、250μm未満、好ましくは150μm未満、より好ましくは100μm未満、さらにより好ましくは50μm未満の粒径を有する固体粒子として含有する。
さらにより好ましくは、本発明の組成物は、1つまたは複数のオリゴペプチドの少なくとも一部または部分を、250μm未満、好ましくは150μm未満、より好ましくは100μm未満、さらにより好ましくは50μm未満の粒径を有する、懸濁しているか、または懸濁可能な固体微粒子として含有する。
一般に、前記組成物に含有される1つまたは複数のオリゴペプチドの、懸濁しているか、または懸濁可能な固体微粒子は、0.001μmを超え、好ましくは0.01μmを超え、特に0.1μmを超える粒径を有する。しかし、さらに小さい粒径は、好ましくは本発明の組成物にとって重要ではない。好ましくは本明細書に記載の組成物は、好ましくは、0.01μm以下、好ましくは0.1μm以下、特に1μm以下の粒径を有する1つまたは複数のオリゴペプチドの、懸濁しているか、または懸濁可能なごく少量の固体微粒子を含有する。これに関して少量は、前記組成物に含有される本明細書に記載の1つまたは複数のオリゴペプチドの総量に対して、好ましくは10%以下、5%以下、1%以下、0.1%以下または0.01%以下である。これに関して百分率は、好ましくは%w/wである。
好ましくは、前記組成物に含有される1つまたは複数のオリゴペプチドの、懸濁しているか、または懸濁可能な固体微粒子の粒径分布は、d(10)=1〜10μm、d(50)=10〜25μmおよび/またはd(90)=25〜60μm、より好ましくはd(10)=1〜10μm、d(50)=10〜25μmおよびd(90)=25〜60μmを特徴とする。
あるいは好ましくは、前記組成物に含有される1つまたは複数のオリゴペプチドの、懸濁しているか、または懸濁可能な固体微粒子の粒径分布は、d(10)=1〜5μm、d(50)=5〜10μmおよび/またはd(90)=20〜30μm、より好ましくはd(10)=1〜5μm、d(50)=5〜10μmおよびd(90)=20〜30μmを特徴とする。
したがって、特に好ましいのは、前記組成物に含有される1つまたは複数のオリゴペプチドの有効な平均粒径が、5μm〜250μm、好ましくは5μm〜150μm、より好ましくは10μm〜250μm、さらにより好ましくは10μm〜150μm、さらにより好ましくは10μm〜100μm、さらにより好ましくは15μm〜100μm、特に20μm〜100μmの範囲である本明細書に記載の組成物である。
したがって、特に好ましいのは、5μm〜150μm、好ましくは5μm〜100μm、より好ましくは10μm〜100μm、さらにより好ましくは15μm〜100μm、さらにより好ましくは25μm〜100μm、さらにより好ましくは20μm〜50μmの範囲のd(90)値、例えば約15μmのd(90)、約20μmのd(90)、約25μmのd(90)、約30μmのd(90)、約35μmのd(90)、約40μmのd(90)または約50μmのd(90)を有する、前記組成物に含有される1つまたは複数のオリゴペプチドの粒径を好ましくは特徴とし、またはさらに特徴とする本明細書に記載の組成物である。
[15]したがって、好ましいのは、a)の含有されるオリゴペプチドの10%以上、好ましくは20パーセント以上、より好ましくは40%、さらにより好ましくは60%以上、さらにより好ましくは80%以上、特に90%以上が、20℃の温度または25℃の温度、好ましくは20℃の温度で懸濁しているか、または懸濁可能な固体形態で組成物中に存在する、本明細書に記載の、または段落番号[1]〜[14]の1つもしくは複数および/またはそれに関係する段落に記載の組成物である。好ましくは、懸濁しているか、または懸濁可能な固体形態で組成物中に存在するa)のオリゴペプチドは、先に示した粒径、好ましくは0.1〜150μmの範囲の粒径、特に1〜100μmの範囲の粒径を有する。
したがって、好ましいのは、a)の含有されるオリゴペプチドの20〜99.9%、好ましくは40〜99.9%、より好ましくは60〜99.9%、さらにより好ましくは80〜99.9%、特に85〜99%が、20℃の温度または25℃の温度、好ましくは20℃の温度で懸濁しているか、または懸濁可能な固体形態で組成物中に存在する、本明細書に記載の組成物である。好ましくは、懸濁しているか、または懸濁可能な固体形態で組成物中に存在するa)のオリゴペプチドは、先に示した粒径、好ましくは0.1〜150μmの範囲の粒径、特に1〜100μmの範囲の粒径を有する。
したがって、好ましいのは、a)の含有されるオリゴペプチドの70〜99%、好ましくは80〜98%、より好ましくは85〜97%、さらにより好ましくは90〜98%、特に95〜98%が、20℃の温度または25℃の温度、好ましくは20℃の温度で懸濁しているか、または懸濁可能な固体形態で組成物中に存在する、本明細書に記載の組成物である。好ましくは、懸濁しているか、または懸濁可能な固体形態で組成物中に存在するa)のオリゴペプチドは、先に示した粒径、好ましくは0.1〜150μmの範囲の粒径、特に1〜100μmの範囲の粒径を有する。
したがって、本発明の好ましい一態様は、懸濁液の形態の本明細書に記載の組成物に関する。
本発明の文脈における懸濁液は、好ましくは固体粒子および分散剤として作用する液体連続相からなる、分散相または分散した相を好ましくは不連続相として含む、好ましくは分散した系である。一般に、かかる懸濁液は、0.5〜90%、より好ましくは0.5〜60%、さらにより好ましくは1〜40%の固体粒子を含む。一般に、前記懸濁液の固体粒子の粒径は、0.1〜200μm、より好ましくは0.1〜150μm、特に1〜100μmの範囲である。本発明の懸濁液では、分散剤として作用する連続相は、好ましくは約20℃または約25℃、好ましくは約20℃で液体である。さらにより好ましくは、分散剤として作用する前記連続相は、好ましくは10℃の温度、より好ましくは0℃の温度で液体である。したがって、本発明の懸濁液は、好ましくは20℃〜40℃、より好ましくは10℃〜40℃、特に0℃〜40℃の温度範囲で液体である
好ましくは、懸濁しているか、または懸濁可能な固体形態のオリゴペプチドは、
a)部分的または完全に非晶質固体の形態、好ましくは部分的または完全に非晶質固体粒子の形態で、
b)部分的または完全に結晶固体の形態、好ましくは部分的または完全に結晶粒子の形態で、
c)部分的または完全に1つの固体としての非晶質および結晶形の混合物の形態、好ましくは部分的または完全に1つの粒子としての非晶質および結晶固体の混合物の形態で、
ならびにその混合物として存在する。
好ましくは、オリゴペプチドの(固体)粒子は、
a)部分的または完全に非晶質固体粒子の形態で、
b)部分的または完全に結晶粒子の形態で、
c)部分的または完全に一部分としての非晶質および結晶固体の混合物の形態で、
ならびにその混合物として存在する。
さらにより好ましくは、好ましくは本発明の組成物中に存在するオリゴペプチド、好ましくは本明細書に記載のオリゴペプチド、特にシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の、懸濁しているか、または懸濁可能な固体形態および/または(固体)粒子としてのオリゴペプチドは、
a)部分的または完全に1つの粒子としての非晶質および結晶固体の混合物の形態で、
b)部分的または完全に結晶粒子の形態で、
ならびにその混合物として存在し、特に好ましくは、部分的または完全に結晶粒子の形態で存在する。
好ましくは懸濁しているか、または懸濁可能な固体形態および/または(固体)粒子として、好ましくは懸濁しているか、または懸濁可能な(固体)粒子として本発明の組成物中に存在する、特に好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)は、部分的または完全に結晶粒子の形態で存在する。
したがって、懸濁しているか、または懸濁可能な固体形態および/または(固体)粒子として、好ましくは懸濁しているか、または懸濁可能な(固体)粒子として本発明の組成物中に存在する、特に好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)は、部分的または完全に本明細書に記載の固体材料、さらにより好ましくは固体形態A1を含むまたは含有する本明細書に記載の固体材料の形態で存在する。
したがって、特に好ましいのは、本明細書に記載の固体材料、さらにより好ましくは固体形態A1を含むまたはそれから本質的になる本明細書に記載の固体材料を含むまたはそれから本質的になる、懸濁しているか、または懸濁可能な(固体)粒子の形態でシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含有する組成物である。
したがって、特に好ましいのは、好ましくは本明細書に記載の通り決定して、250℃を超える融解/分解温度および/または6〜12mg/mlの範囲の水溶性を有する固体材料を含むまたはそれから本質的になる、懸濁しているか、または懸濁可能な(固体)粒子の形態でシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含有する組成物である。
したがって、特に好ましいのは、好ましくは本明細書に記載の通り決定して、250℃を超える融解/分解温度および/または6〜12mg/mlの範囲の水溶性を有する固体材料を含むまたはそれから本質的になる、懸濁しているか、または懸濁可能な(固体)粒子の形態でシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩を含有する組成物である。
したがって、特に好ましいのは、A1、形態A1、固体形態A1、結晶形A1および/または多形A1として本明細書に記載の固体材料を含むまたはそれから本質的になる、懸濁しているか、または懸濁可能な(固体)粒子の形態でシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩を含有する組成物である。
かかる懸濁しているか、または懸濁可能な(固体)粒子を含む組成物は、好ましくは有利な徐放プロファイルを示す。
オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドのかかる固体材料、または好ましくはかかる(固体)粒子を生成し、または得るための物理的原則および方法は、当技術分野で公知である。本明細書に記載の通り、かかる粒子は、好ましくは、前記オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドを、好ましくは1つまたは複数の親油性化合物あるいは1つまたは複数の両親媒性化合物を含む本発明の組成物の他の構成要素と、両親媒性化合物の場合は好ましくは水の存在下で接触させることによって、自然発生的に形成される。この自然発生的な形成は、好ましくは、撹拌または振とうなどの中程度の機械的エネルギーにその系を曝露することによって改善かつ/または加速することができる。しかし、複数の代替方法が当技術分野で公知である。これらの代替方法には、好ましくは、ジェットミル、パールミル、ボールミル、ハンマーミル、流体エネルギーミルなどの製粉、乾式粉砕または湿式粉砕などの粉砕、マイクロ沈殿、エマルジョン沈殿、溶媒/非溶媒沈殿、位相反転沈殿、pHシフト沈殿、温度シフト沈殿、溶媒蒸発沈殿、溶媒蒸発沈殿などの沈殿からなる群から選択される1つまたは複数の方法が含まれる。かかる適切な方法は、当技術分野で、例えばWO2004/103348に記載されている。
本発明の組成物では、本明細書に定義のa)のオリゴペプチドと、本明細書に定義の親油性化合物b)の重量比は、好ましくは1:8〜2:3の範囲、より好ましくは1:8〜1:2の範囲、さらにより好ましくは1:7〜1:2の範囲、特に1:6〜1:3の範囲であり、特に好ましくは、前記重量比は、約1:5、約1:4または約1:3である。
本発明の組成物では、本明細書に定義のa)のオリゴペプチドと、本明細書に定義の両親媒性化合物b)の重量比は、好ましくは3000:1〜3:1の範囲、より好ましくは1500:1〜5:1の範囲、さらにより好ましくは1000:1〜10:1の範囲、さらにより好ましくは500:1〜15:1の範囲、特に400:1〜15:1の範囲であり、特に好ましくは、前記重量比は、約300:1、約200:1、約100:1、約75:1、約50:1、約30:1、約20:1または約15:1である。
本明細書に定義の両親媒性化合物b)を含む本発明の組成物、特に先の段落に示した量の本明細書に定義の両親媒性化合物b)を含み、かつc)の水も含む本発明の組成物では、前記組成物に含有されるa)のオリゴペプチドとc)の水の重量比は、好ましくは1:8〜2:3の範囲、より好ましくは1:7〜1:2の範囲、特に1:6〜1:3の範囲である。特に好ましくは、前記重量比は、約1:1、約1:7、約1:6、約1:5、約1:4、約1:3または約3:6である。
本発明の組成物、好ましくは本発明の医薬組成物は、少なくとも1つのオリゴペプチドを、好ましくは前記組成物の主成分または主成分の1つとして含む。前記組成物、特に前記医薬組成物では、前記少なくとも1つのオリゴペプチドは、前記組成物の活性成分または活性成分の1つである。好ましくは、前記組成物は、全組成物に対して少なくとも12%、より好ましくは少なくとも20%の1つまたは複数のオリゴペプチドを含む。一般に、前記組成物における1つまたは複数のオリゴペプチドの含量は、全組成物に対して80%以下、より好ましくは50%以下、特に好ましくは40%以下である。
別段明確に定められていない場合、本発明に関して記載の百分率(%)、特に本発明の組成物に関して記載の百分率(%)は、好ましくは、
i)重量パーセント(重量%またはw/w%)、
ii)体積パーセント(体積%またはv/v%)、および
iii)重量/体積パーセント(重量/体積%またはw/v%、例えばmg/mL%またはg/mL%)
から選択される。
使用を容易にするためには、重量パーセントおよび重量/体積パーセントが好ましく、特に本発明の組成物に関しては重量/体積パーセントが特に好ましい。
本発明のオリゴペプチドは、好ましくは3〜20個のアミノ酸、より好ましくは4〜15、特に3〜10個のアミノ酸を含む。アミノ酸は、好ましくは、天然に存在するアミノ酸、合成アミノ酸および/または合成修飾された天然に存在するアミノ酸から選択される。天然に存在するアミノ酸、合成アミノ酸および/または合成修飾された天然に存在するアミノ酸は、当業者に公知である。好ましくは、前記天然に存在するアミノ酸、合成アミノ酸および/または合成修飾された天然に存在するアミノ酸は、本明細書に定義の通りである。
好ましくは、本発明のオリゴペプチドは、環状オリゴペプチド、より好ましくはホモデチック(homodetic)環状オリゴペプチドである。
より好ましくは、本発明のオリゴペプチドは、Arg−Gly−Asp−モチーフ、Arg−Gly−Asp−配列またはArg−Gly−Asp−部分配列を含む環状オリゴペプチド、より好ましくは環式ホモデチックオリゴペプチドである。Arg−Gly−Asp−モチーフ、Arg−Gly−Asp−配列またはArg−Gly−Asp−部分配列は、好ましくはRGD−モチーフ、RGD−配列またはRGD−部分配列とも呼ばれる。これらの用語は、好ましくは本発明の文脈において等価または同義語とみなされる。
より好ましくはオリゴペプチド、さらにより好ましくは環状オリゴペプチド、特に好ましくはホモデチック環状オリゴペプチドは、2〜6個の天然に存在するアミノ酸、および合成アミノ酸または合成修飾された天然に存在するアミノ酸から選択される0〜4個のアミノ酸からなる。より好ましくは、前記オリゴペプチドは、3〜6個の天然に存在するアミノ酸、および合成アミノ酸または合成修飾された天然に存在するアミノ酸から選択される1〜4個のアミノ酸からなる。さらにより好ましくは、前記オリゴペプチドは、3〜5個の天然に存在するアミノ酸、および合成アミノ酸または合成修飾された天然に存在するアミノ酸から選択される2〜3個のアミノ酸からなる。特に好ましくは、前記オリゴペプチドは、2〜4個の天然に存在するアミノ酸、1個または2個の合成アミノ酸、および1個または2個の合成修飾された天然に存在するアミノ酸からなる。
前記オリゴペプチド、より好ましくは前記環状オリゴペプチド、特に前記ホモデチック環状オリゴペプチドは、別段定義されない限り、好ましくは「1つまたは複数の化合物a)」、「化合物a)」およびまたは「a)」とも呼ばれる。
用語「ペプチド(peptide)」または「ペプチド(peptides)」の意味は、当技術分野で公知である。本発明によれば、ペプチドは、好ましくは水の正式な損失による1つのアミノ酸のカルボニル炭素からもう1つのアミノ酸の窒素原子までの共有結合の形成によって、2つ以上の(同じまたは異なる)アミノカルボン酸分子(すなわち、アミノ酸)から導出されるアミドと定義される。この用語は、通常α−アミノ酸から形成された構造に適用されるが、好ましくは、任意のアミノカルボン酸またはアミノ酸から導入されるものも含まれる。
環状ペプチド、より具体的には環状オリゴペプチド、ならびにそれらを得るための方法は、当技術分野で公知である。本発明によれば、環状ペプチドは、好ましくはペプチドの一部であるか、またはペプチドを構成する2つのアミノ酸の間に架橋または連結が形成されるペプチドである。架橋は、好ましくはスルフィド基などの反応基(それぞれのアミノ酸に必須のアミノ基およびカルボキシル基以外)を有するアミノ酸の間に形成され得る。一般に、かかる反応基を有する2つ以上の、好ましくは2つのアミノ酸を含むペプチドは、環化され得る。例えば、スルフィド基を有する2つのアミノ酸を含むペプチドは、スルフィド基を含有する2つのアミノ酸のスルフィド基の間に二亜硫酸架橋が形成される条件下で環化され得る。スルフィド基を有し、したがって架橋、すなわち二亜硫酸架橋を形成することができるアミノ酸の例には、それに限定されるものではないが、ペニシラミンおよびシステインが含まれる。環を形成する結合が、ペプチド連結(またはIUPACの真性ペプチド(eupeptide)連結)だけではないペプチドは、好ましくはヘテロデチック(heterodetic)環状ペプチドと呼ばれる。この場合、環を形成する反応基(それぞれのアミノ酸に必須のアミノ基およびカルボキシル基以外)間の結合は、好ましくは「架橋」と呼ばれる。あるいは、環を形成する結合が、ペプチド連結(またはIUPACの真性ペプチド連結)だけである環状ペプチドは、好ましくはホモデチック環状ペプチドと呼ばれる。本発明によれば、ヘテロデチック環状ペプチドおよびホモデチック環状ペプチドの両方を使用することができる。一般に、2つ以上の、好ましくは3つ以上、さらにより好ましくは4つ以上のアミノ酸を含むペプチドは、環化され得る。原則として、環状ペプチドのアミノ酸の数は、限定されない。本発明によれば、環状ペプチド、特に環状オリゴペプチドは、一般に、20個を超える、より好ましくは15個を超える、さらにより好ましくは10個を超える、特に6個または8個を超えるアミノ酸を含まない。
用語「天然に存在するアミノ酸」、「天然に存在しないアミノ酸」および「合成修飾された天然に存在するアミノ酸」は、当技術分野で十分に理解されている。しかし、非天然アミノ酸、「合成修飾された天然に存在するアミノ酸」ならびに天然に存在するアミノ酸の示されていない一覧は、好ましくは、D. C. RobertsおよびF. Vellacioの「The Peptides」、Volume 5(1983年)、Academic Press、第VI章に見ることができる。
一般に、用語「天然に存在しないアミノ酸」は、好ましくは、ペプチド結合を形成することができる少なくとも1つのカルボキシル基および少なくとも1つの第1級または第2級アミノ基を有する任意の小分子を含むことを企図する。用語「ペプチド」は、好ましくは、少なくとも1つのペプチド結合を有する任意の分子を含むことを企図する。用語「ペプチド」は、好ましくは、アミノ酸ではない1つまたは複数のリンカー、スペーサー、末端基または側鎖基を有する、先に定義の構造も包含する。
本発明によれば、天然に存在するアミノ酸は、好ましくは、Gly、Ala、β−Ala、Asn、Asp、Arg、Cys、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Nle、Orn、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValからなる群から選択され、より好ましくは、そのL型から排他的に選択される。
本発明によれば、天然に存在しないアミノ酸または合成修飾された天然に存在するアミノ酸は、好ましくは、以下からなる群から選択される:
i)天然に存在するアミノ酸のD型、すなわち、Gly、Ala、β−Ala、Asn、Asp、Arg、Cys、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Nle、Orn、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValのD型、
ii)Gly、Ala、β−Ala、Asn、Asp、Arg、Cys、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Nle、Orn、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValの、好ましくはそれらのD型およびL型の両方を含むN−アルキル誘導体、ならびに
iii)好ましくはD型およびL型の両方を含む、Lys(Ac)、Lys(AcNH)、Lys(AcSH)、Tic、Asp(OR)、Cha、Nal、4−Hal−Phe、homo−Phe、Phg、Pya、Abu、Acha、Acpa、Aha、Ahds、Aib、Aos、N−Ac−Arg、Dab、Dap、Deg、hPro、Nhdg、homoPhe、4−Hal−Phe、Phg、Sar、Tia、TicおよびTle
[Rは、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル、特に1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり、
Halは、F、Cl、Br、Iであり、
Acは、1〜10個、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル、7〜11個の炭素原子を有するアロイル、または8〜12個の炭素原子を有するアラルカノイルである]。
前記アミノ酸のN−アルキル誘導体に関して、アルキルは、好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルから選択される。しかし、アルキルはさらに、好ましくはn−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルおよびn−ヘキサデシルからも選択される。
本発明によれば、天然に存在しないアミノ酸は、好ましくは、天然に存在するアミノ酸のD型、すなわち、Gly、Ala、β−Ala、Asn、Asp、Arg、Cys、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Nle、Orn、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValのD型からなる群から選択される。
本発明によれば、合成修飾された天然に存在するアミノ酸は、好ましくは、Gly、Ala、β−Ala、Asn、Asp、Arg、Cys、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Nle、Orn、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValのL型のN−アルキル誘導体からなる群から選択され、N−アルキル残基は、好ましくは1〜18個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子、さらにより好ましくは1〜4個の炭素原子からなる。
本発明によれば、合成修飾された天然に存在するアミノ酸は、好ましくは、Gly、Ala、β−Ala、Asn、Asp、Arg、Cys、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Nle、Orn、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValのL型のN−メチル誘導体および/またはN−エチル誘導体からなる群から選択される。特に好ましくは、合成修飾された天然に存在するアミノ酸は、N−メチル−Gly、N−メチル−Ala、N−メチル−β−Ala、N−メチル−Asn、N−メチル−Asp、N−メチル−Arg、N−メチル−Cys、N−メチル−Gln、N−メチル−Glu、N−メチル−His、N−メチル−Ile、N−メチル−Leu、N−メチル−Lys、N−メチル−Met、N−メチル−Nle、N−メチル−Orn、N−メチル−Phe、N−メチル−Pro、N−メチル−Ser、N−メチル−Thr、N−メチル−Trp、N−メチル−TyrおよびN−メチル−ValのL型からなる群から選択され、これらは好ましくは、NMeGly、NMeAla、NMeβ−Ala、NMeAsn、NMeAsp、NMeArg、NMeCys、NMeGln、NMeGlu、NMeHis、NMeIle、NMeLeu、NMeLys、NMeMet、NMeNle、NMeOrn、NMePhe、NMePro、NMeSer、NMeThr、NMeTrp、NMeTyrおよびNMeValとも呼ばれる。
環状ペプチド同様に、非天然アミノ酸を含む環状ペプチドとして天然に存在するアミノ酸を排他的に含む環状ペプチドの調製は、当業者に周知である。例えば、従来の保護および活性化化学を使用することができる。一般に、第1のアミノ酸のアミノ官能基は、除去できるアミノ保護基によって保護され、第2のアミノ酸のカルボキシル官能基は、除去できるカルボキシル保護基によって保護される。適切なアミン保護基には、それに限定されるものではないが、ベンゾイルオキシカルボニル(Cbz)、tert−ブトキシカルボニル(t−Boc)および9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(flourenylmethloxycarbonyl)(FMOC)が含まれる。カルボキシル基は、メチル、エチル、ベンジルまたはトリメチルシリルエステルなどの酸または塩基に不安定なエステルを形成することによって保護することができる。保護した後、第1および第2のアミノ酸を、N.N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCI)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)または1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)などのin situ活性剤の存在下で水またはDMFなどの適切な溶媒中で反応させて、ペプチド結合を形成する。いずれかのアミノ酸の側鎖上の反応性部分は、OHおよびSHについてはtert−ブチルまたはベンジル、カルボキシル基についてはメチル、エチル、tert−ブチルまたはベンジル、Argの−NHC(NH)=NH官能基については2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル、ならびにHisのイミダゾール基についてはトリチルなどの保護基で保護される。カップリング反応後、第1のアミノ酸のアミノ基の選択的脱保護は、第2のアミノ酸のカルボキシル保護基を除去しない条件下で酸加水分解によって達成される。この手順は、アミノが保護されたさらなるアミノ酸で反復される。周知のMerrifield法などの固相合成は、本発明のペプチドの合成に特に有用である。一般に、環状ペプチドの合成は、例えば前述の通り、最初に所望の配列の直鎖ペプチドを合成するステップと、その後の環化ステップによって行われる。直鎖ペプチドを環状ペプチドに環化するための適切な方法および条件は、当技術分野で公知である。
ペプチドへの非天然アミノ酸の組込みは、Hohsaka T、Sisido M 「Incorporation of non-natural amino acids into proteins」 Curr. Opin. Chem. Biol. 6: 809〜815頁(2002年)、Noren CJら、「A general method for site-specific incorporation of unnatural amino acids into proteins」 Science 244: 182〜188頁(1989年)、およびHodgson、David R.W.、Sanderson、John M.、「The Synthesis of Peptides and Proteins Containing Non-Natural Amino Acids」、Chem. Soc. Rev.、2004年、33、422〜430頁に記載されており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明によれば、前記環状ペプチドまたは環状オリゴペプチドは、好ましくはホモデチック環状ペプチドまたはホモデチック環状オリゴペプチドである。用語「ホモデチック」、「ホモデチック環状ペプチド」およびホモデチック環状オリゴペプチドの意味は、当技術分野で公知である。本発明によれば、ホモデチック環状ペプチドまたはホモデチック環状オリゴペプチドは、好ましくは、環(または環状ペプチドの主鎖)がペプチド連結(またはIUPACの命名法によれば真性ペプチド連結)のアミノ酸残基のみからなる環状ペプチドである。
特に好ましくは、前記環状オリゴペプチドは、Arg−Gly−Asp配列(またはアミノ酸の一文字コードのRGD配列)を含む。本発明によれば、Arg−Gly−Asp配列は、好ましくはそれぞれのL−アミノ酸を排他的に含み、すなわちL−Arg、L−GlyおよびL−Aspを含む。
本発明の好ましい環状ペプチドは、式Iの環状ペプチド
シクロ−(Arg−Gly−Asp−Ω) I
[式中、Ωは、
hPro、Ahds、Aos、Nhdg、Acha、Aib、Acpa、Tle、Gly、Ala、β−Ala、Asn、Asp、Asp(OR)、Arg、Cha、Cys、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Lys(Ac)、Lys(AcNH)、Lys(AcSH)、Met、Nal、Nle、Orn、Phe、4−Hal−Phe、homo−Phe、Phg、Pro、Pya、Ser、Thr、Tia、Tic、Trp、TyrまたはVal、およびそれらのN−アルキル誘導体のL型およびD型からなる群から選択される1〜4個、特に2個または3個のアミノ酸を含むアミノ酸部分配列であり、
Rは、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル、特に1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり、
Halは、F、Cl、Br、Iであり、
Acは、1〜10個、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル、7〜11個の炭素原子を有するアロイル、または8〜12個の炭素原子を有するアラルカノイルであり、特に1〜6個、より好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルカノイルであり、
ただしΩは、少なくとも1つの天然に存在しないアミノ酸または合成修飾された天然に存在するアミノ酸、好ましくは少なくとも1つの天然に存在しないアミノ酸および少なくとも1つの合成修飾された天然に存在するアミノ酸、特に好ましくは1つの天然に存在しないアミノ酸および1つの合成修飾された天然に存在するアミノ酸を含む]、
ならびにその誘導体、塩および溶媒和物、より好ましくは薬学的に許容されるその誘導体、塩および/または溶媒和物である。
式Iの環状ペプチドでは、Ωは、特に好ましくは、好ましくは先/以下に定義の1つの天然に存在しないアミノ酸および1つの合成修飾された天然に存在するアミノ酸を含む。
前述のアミノ酸がいくつかの鏡像異性形態で存在し得る場合、これらの形態およびそれらの混合物(例えば、DL型)のすべてが、例えば式Iの化合物の構成成分として先および以下に含まれる。例えば式Iの化合物の構成成分としてのアミノ酸には、それ自体公知の適切な保護基を提供することもできる。
先および以下において、基XおよびYは、別段の明確な記載がない限り式IaおよびIbの場合に示した意味を有する。前記基XおよびYに使用されている文字は、好ましくはアミノ酸の対応する単一文字コードとは関係ない。
本発明の環状ペプチドの好ましい群は、下位式Iaの環状ペプチド
シクロ−(nArg−nGly−nAsp−nX−nY) Ia
[式中、
XおよびYは、各場合において互いに独立に、Gly、Ala、β−Ala、Asn、Asp、Asp(OR)、Arg、Cha、Cys、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Lys(Ac)、Lys(AcNH)、Lys(AcSH)、Met、Nal、Nle、Orn、Phe、4−Hal−Phe、homo−Phe、Phg、Pro、Pya、Ser、Thr、Tia、Tic、Trp、TyrまたはValであり、これらのアミノ酸残基は誘導体化されていてもよく、
Rは、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル、特に1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり、
Halは、F、Cl、Br、Iであり、
Acは、1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有するアルカノイル、7〜11個の炭素原子を有するアロイル、または8〜12個の炭素原子を有するアラルカノイルであり、
nは、置換基がないことを示すか、または7〜18個の炭素原子を有するアルキル基R、ベンジルおよびアラルキル基からなる群から選択される、それぞれのアミノ酸残基のα−アミノ官能基上の置換基であり、特に、置換基がないことを示すか、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択される、それぞれのアミノ酸残基のα−アミノ官能基上の置換基であり、
ただし、少なくとも1つのアミノ酸残基は、置換基nを有し、さらに光学的に活性なアミノ酸およびアミノ酸誘導体の残基が含まれる場合には、D型およびL型の両方が含まれる]、
ならびにその誘導体、塩および溶媒和物、より好ましくは薬学的に許容されるその誘導体、塩および/または溶媒和物である。
式Iの環状ペプチドのより好ましい基は、式Ibの環状ペプチド
シクロ−(nArg−nGly−nAsp−nX−nY) Ib
[式中、nXは、D−Gly、D−Ala、D−β−Ala、D−Asn、D−Asp、D−Asp(OR)、D−Arg、D−Cha、D−Cys、D−Gln、D−Glu、D−His、D−Ile、D−Leu、D−Lys、D−Lys(Ac)、D−Lys(AcNH)、D−Lys(AcSH)、D−Met、D−Nal、D−Nle、D−Orn、D−Phe、D−4−Hal−Phe、D−homo−Phe、D−Phg、D−Pro、D−Pya、D−Ser、D−Thr、D−Tia、D−Tic、D−Trp、D−TyrまたはD−Val、より好ましくはD−Gly、D−Ala、D−Asn、D−Asp、D−Arg、D−Cys、D−Gln、D−Glu、D−Lys、D−Lys(Ac)、D−Nal、D−Nle、D−Phe、D−4−Hal−Phe、D−homo−Phe、D−Ser、D−Thr、D−Trp、D−TyrまたはD−Valから選択され、
nYは、NMeGly、NMeAla、NMeβ−Ala、NMeAsn、NMeAsp、NMeArg、NMeCha、NMeCys、NMeGln、NMeGlu、NMeHis、NMeIle、NMeLeu、NMeLys、NMe NMeMet、NMeNal、NMeNle、NMeOrn、NMePhe、NMePhg、NMePro、NMePya、NMeSer、NMeThr、NMeTia、NMeTic、NMeTrp、NMeTyrまたはNMeVal、より好ましくはNMeGly、NMeAla、NMeAsn、NMeAsp、NMeArg、NMeCys、NMeGln、NMeGlu、NMeLys、NMeNal、NMeNle、NMePhe、NMeSer、NMeThr、NMeTrp、NMeTyrまたはNMeValから選択され、
Rは、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル、特に1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり、
Halは、F、Cl、Br、Iであり、
Acは、1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有するアルカノイル、7〜11個の炭素原子を有するアロイル、または8〜12個の炭素原子を有するアラルカノイル、好ましくは1〜6個、好ましくは2〜4個の炭素原子を有するアルカノイルである]、
ならびにその誘導体、塩および溶媒和物、より好ましくは薬学的に許容されるその誘導体、塩および/または溶媒和物である。
好ましくは、式I、IaおよびIbの環状ペプチドは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−NMe−Phe−Gly)ではない。
本発明によれば、Arg−Gly−Asp配列を含む環状ペプチドは、好ましくは天然のL立体配置のArg、GlyおよびAspを含む。
化合物のさらに好ましい基は、式Iaによって表すことができ、この場合アミノ酸残基XまたはYの1つだけがD型で存在し、その他すべてはL立体配置である。
さらに、特に好ましいのは、式I、IaおよびIbの1つまたは複数の下で生じる化合物のあらゆる生理的に許容される塩である。
化合物のさらに好ましい基は、下位式Ibによって表すことができ、この場合アミノ酸残基XだけがD型で存在し、その他すべてはL立体配置である。
本発明に関して特に好ましいのは、式Icの環状ペプチド
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Val) Ic
ならびに/またはその誘導体、塩および溶媒和物、好ましくは薬学的に許容されるその誘導体、塩および/または溶媒和物、特に薬学的に許容されるその塩および/または溶媒和物である。
本発明に関してさらにより好ましいのは、式Idの環状ペプチド
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal) Id
ならびに/またはその誘導体、塩および溶媒和物、好ましくは薬学的に許容されるその誘導体、塩および/または溶媒和物、特に薬学的に許容されるその塩および/または溶媒和物である。
本発明の環状ペプチド、特にI、Ia、Ib、Icおよび/またはIdの環状ペプチド、ならびにそれらの調製のための出発材料は、好ましくは公知の方法によって、好ましくは文献(例えば、Houben-Weyl、Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry]、Georg-Thieme-Verlag、Stuttgartなどの標準書)に記載の通り、特に前記反応に適した公知の反応条件下で調製される。この文脈では、ここではさらに詳細には言及しない公知の変種を使用することもできる。
所望に応じて、出発物質はin situで形成することもでき、その結果その出発物質は、反応混合物からは単離されないがすぐに反応して、本発明の環状ペプチド、特に式I、Ia、Ib、Icおよび/またはIdの環状ペプチドをさらに生成する。
本発明の環状ペプチド、特に式I、Ia、Ib、Icおよび/またはIdの環状ペプチドは、加溶媒分解、特に加水分解によって、または水素化分解によってそれらの官能性誘導体から遊離させることによって得ることができる。
加溶媒分解または水素化分解のための好ましい出発材料は、1つまたは複数の遊離アミノ基および/またはヒドロキシル基の代わりに適切な保護アミノ基および/またはヒドロキシル基を含有する材料、好ましくは、窒素原子に結合している水素原子の代わりにアミノ保護基を担持する材料であり、その例は、NH基の代わりにNHR’基(R’は、アミノ保護基、例えばBOCまたはCBZである)を含有している式Iに相当する材料である。
他の好ましい出発材料は、ヒドロキシル基の水素原子の代わりにヒドロキシル保護基を担持する材料、例えば式Iに相当するが、ヒドロキシフェニル基の代わりにR’’O−フェニル基(R’’は、ヒドロキシル保護基である)を含有する材料である。
出発材料の分子中には、2つ以上の同一のまたは異なる保護アミノ基および/またはヒドロキシル基が存在することも可能である。存在する保護基が互いに異なる場合、多くの場合、それらは選択的に排除することができる。
表現「アミノ保護基」は、一般に公知であり、アミノ基を化学反応から保護する(遮断する)のに適しているが、所望の化学反応が分子の他の位置で行われた後に容易に除去できる基に関する。かかる基の典型は、特に、非置換または置換アシル、アリール、アラルコキシメチルまたはアラキル(arakyl)基である。アミノ保護基は、所望の反応(または反応順序)後に除去されるので、それらの性質およびサイズは、別段重要ではないが、好ましいのは1〜20個、特に1〜8個の炭素原子を有するものである。用語「アシル基」は、本発明の方法に関連してその最も広範な意味で解釈されるべきである。この用語には、脂肪族、芳香脂肪族、芳香族または複素環式カルボン酸またはスルホン酸由来のアシル基、特にアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、および中でもアラルコキシカルボニル基が含まれる。かかるアシル基の例は、アセチル、プロピオニル、ブチリルなどのアルカノイル;フェニルアセチルなどのアラルカノイル;ベンゾイルまたはトルオイルなどのアロイル;POAなどのアリールオキシアルカノイル;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシ(trichlorethoxy)−カルボニル、BOC、2−ヨードエトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル;CBZ(「カルボベンゾキシ」)、4−メトキシベンジルオキシ−カルボニル、FMOCなどのアラルキルオキシカルボニル;およびMtrなどのアリールスルホニルである。好ましいアミノ保護基は、BOCおよびMtr、ならびにCBZ、Fmoc、ベンジルおよびアセチルである。
表現「ヒドロキシル保護基」も一般に公知であり、ヒドロキシル基を化学反応から保護するのに適しているが、所望の化学反応が分子の他の位置で行われた後に容易に除去できる基に関する。かかる基の典型は、前述の非置換または置換アリール、アラルキルまたはアシル基、およびアルキル基である。ヒドロキシル保護基は、やはり所望の化学反応または反応順序後に除去されるので、それらの性質およびサイズは重要ではないが、好ましいのは1〜20個、特に1〜10個の炭素原子を有するものである。ヒドロキシル保護基の例には、ベンジル、p−ニトロベンゾイル、p−トルエンスルホニル、tert−ブチルおよびアセチルが含まれ、特に好ましいのは、ベンジルおよびtert−ブチルである。アスパラギン酸およびグルタミン酸のCOOH基は、好ましくはそれらのtert−ブチルエステルの形態(例えば、Asp(OBut))で保護される。
出発材料として使用されるべき本発明の環状ペプチド、特に式I、Ia、Ib、Icおよび/またはIdの環状ペプチドの官能性誘導体は、例えば、Merrifield(B.F. Gysin and R.B. Merrifield、J. Am. Chem. Soc. 94、3102 ff. (1972年))の固相法を含み、前述の特許出願文書および標準書に記載の通り、アミノ酸およびペプチド合成の慣習的な方法によって調製することができる。
本発明の環状ペプチド、特に式I、Ia、Ib、Icおよび/またはIdの環状ペプチドの化合物の、それらの官能性誘導体からの遊離は、好ましくは、使用される保護基に応じて、例えば強酸、好都合にはTFAまたは過塩素酸を用いて、また塩酸もしくは硫酸などの他の無機強酸、トリクロロ酢酸などの強有機カルボン酸、またはベンゼン−もしくはp−トルエンスルホン酸などのスルホン酸を用いて実施される。さらなる不活性な溶媒の存在も可能であるが、必ずしも必要ではない。適切な不活性な溶媒は、好ましくは有機、例えば酢酸などのカルボン酸、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル、DMFなどのアミド、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、およびメタノール、エタノールまたはイソプロパノールなどのアルコール、および水である。前述の溶媒の混合物も適している。TFAは、好ましくはさらなる溶媒の添加なしに過剰で使用され、過塩素酸は、酢酸および70%過塩素酸の9:1比の混合物の形態で使用される。切断の反応温度は、好都合には約0〜約50°であり、切断は、好ましくは15〜30°(室温)で実施される。
基BOC、OButおよびMtrは、例えば、好ましくは15〜30°でジクロロメタン中TFAまたはジオキサン中約3〜5NのHClを使用して除去することができ、FMOC基は、15〜30°でDMF中ジメチルアミン、ジエチルアミンまたはピペリジンの約5〜50%溶液を用いて排除することができる。
水素化分解によって除去できる保護基(例えば、CBZまたはベンジル)は、例えば、触媒(例えば、好ましくは木炭などの支持体上の、パラジウムなどの貴金属触媒)の存在下で水素を用いる処理によって排除することができる。この文脈の適切な溶媒は、先に列挙したもの、特に、例えばメタノールもしくはエタノールなどのアルコール、またはDMFなどのアミドである。水素化分解は、概して約0〜100°の温度および約1〜200バールの圧力、好ましくは20〜30°および1〜10バールで実施される。CBZ基の水素化分解は、例えば、メタノール中5〜10%Pd−Cで、またはギ酸(formiate)アンモニウム(Hの代わり)を使用してメタノール/DMF中Pd−Cで20〜30°において容易に行われる。
本発明の環状ペプチド、特に式I、Ia、Ib、Icおよび/またはIdの環状ペプチドは、好ましくはペプチド合成の条件下で、所望の環状ペプチドと同じアミノ酸配列を有する直鎖ペプチドを環化することによって得ることもできる。この場合、反応は、好都合には、例えばHouben-Weyl、1.c.、Volume 15/II、1〜806頁(1974年)に記載の通り、ペプチド合成の慣習的な方法に従って実施される。
反応は、好ましくは脱水剤、例えばDCCIまたはEDCIなどのカルボジイミド、さらにはプロパンホスホン酸無水物(Angew. Chem. 92、129頁(1980年)参照)、ジフェニルホスホリルアジドまたは2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンの存在下で、不活性な溶媒、例えばジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランもしくはジオキサンなどのエーテル、DMFもしくはジメチルアセトアミドなどのアミド、アセトニトリルなどのニトリル、またはこれらの溶媒の混合物中、約−10〜40°、好ましくは0〜30°の温度で実施される。分子間ペプチド結合よりも分子内環化を促進するために、希釈溶液中で作業するのが好都合である(希釈原則)。
所望の環状ペプチドと同じアミノ酸配列を有する直鎖ペプチドの代わりに、前記直鎖ペプチドの適切な反応性誘導体は、反応において、例えば反応基が保護基によって途中で遮断される反応において使用することもできる。前記直鎖ペプチドは、例えば、HOBtまたはN−ヒドロキシスクシンイミドを添加することによってin situで好都合に形成されるそれらの活性化エステルの形態で使用することができる。
環状ペプチドの製造のための出発材料は、市販されている新しいものか、または当技術分野で公知の方法によって容易に利用可能なものである。いずれの場合も、これらの出発材料は、好ましくは公知の方法によって、例えばペプチド合成および保護基の排除の前述の方法によって調製することができる。
それ自体式I、Ia、Ib、Icおよび/またはIdの化合物に相当するシクロペプチドの誘導体化は、好ましくは、アミンのアルキル化、カルボン酸のエステル化、または脂肪族炭素原子における求核性置換について公知であり、有機化学の任意の標準書、例えばJ. March、Adv. Org. Chem.、John Wiley & Sons N.Y.(1985年)に記載の通り、それ自体公知の方法によって同様に行われる。
本発明の環状ペプチドの塩基、特に式I、Ia、Ib、Icおよび/またはIdの環状ペプチドの塩基は、酸を使用して関連する酸付加塩に変換することができる。この反応に適した酸は、特に、生理的に許容される塩を生じる酸である。したがって、無機酸を使用することができ、その例は、硫酸、硝酸、塩酸または臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、オルトリン酸などのリン酸、スルファミン酸、ならびに有機酸、特に脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族または複素環式一塩基性または多塩基性カルボン酸、スルホン酸または硫酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、サリチル酸、2−または3−フェニルプロピオン酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタン−またはエタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレン−モノ−および−ジスルホン酸、ラウリル硫酸である。生理的に許容されない酸との塩、例えばピクリン酸塩は、式Iの化合物の単離および/または精製のために使用することができる。
あるいは、本発明の環状ペプチドの酸、特に式I、Ia、Ib、Icおよび/またはIdの環状ペプチドの酸は、塩基との反応によってその生理的に許容される金属塩またはアンモニウム塩の1つに変換することができる。この文脈の特に適切な塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびアンモニウム塩、ならびに置換アンモニウム塩、例えばジメチル−、ジエチル−またはジイソプロピルアンモニウム塩、モノエタノール−、ジエタノール−またはトリエタノールアンモニウム塩、シクロヘキシルアンモニウム塩、ジシクロヘキシルアンモニウム塩、ジベンジルエチレンジアンモニウム塩、ならびに例えばN−メチル−D−グルカミンまたはアルギニンもしくはリシンとの塩である。
本発明のすべての態様に好ましい環状ペプチドは、好ましくは式I、Ia、Ib、Icおよび/またはIdの環状ペプチドからなる群から選択され、より好ましくは式Ia、Ib、Icおよび/またはIdの環状ペプチドからなる群から選択され、さらにより好ましくは式Ib、Icおよび/またはIdの環状ペプチドからなる群から選択され、特に好ましくは式Icおよび/またはIdの環状ペプチドからなる群から選択される。
本発明によれば、少なくとも1つのシクロペプチドは、好ましくは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/もしくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Val)、ならびに/またはその塩もしくは溶媒和物を含む。
本発明によれば、少なくとも1つのシクロペプチドは、特に好ましくは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Val)、ならびに/またはその塩もしくは溶媒和物から選択される。
特に好ましくは、少なくとも1つのシクロペプチドは、好ましくは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその塩もしくは溶媒和物である。
式シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)のペプチドは、好ましくは、薬学的に許容される塩、より好ましくは薬理学的に許容される塩酸塩として使用され、特に好ましくは、それ自体が化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)である内(または内部)塩として適用される。
式シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)のペプチドに関して、以下の種類の名称筆記は、好ましくは等価と見なされるべきである。
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−[NMe]Val)=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−[NMe]−Val)=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)=シクロ(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)=シクロ(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)=cRGDfNMeV=c(RGDfNMeV)。
式シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)のペプチドは、好ましくはCilengitideとも呼ばれ、これは前記化合物のINN(国際一般名)である。
式シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)のペプチドは、同出願人のEP0 770 622 A、US6,001,961、WO00/15244およびPCT/US07/01446にも記載されており、その開示は、参照によって本願に明確に組み込まれる。
オリゴペプチド、好ましくは本発明に従って使用される環状オリゴペプチド、特に式I、Ia、Ib、Icおよび/またはIdの環状オリゴペプチドは、非常に有用な特性を有する。特にこれらのオリゴペプチドは、β−またはβ−インテグリン受容体とリガンドとの相互作用を好ましくはモジュレートし、特に好ましくは阻害する状況では、インテグリン阻害剤として作用する。該化合物は、好ましくは、インテグリンaβ、aβおよび/またはaIIβの場合に特に活性があり、より好ましくは、インテグリンaβおよび/またはaβの場合に特に活性があるが、好ましくはaβ−、aβ−および/またはaβ受容体に対しても活性がある。これらの作用は、例えば、J.W. Smithら、J. Biol. Chem. 265、12267〜12271頁(1990年)に記載の方法に従って実証することができる。
[16]したがって、好ましいのは、オリゴペプチドがArg−Gly−Asp−部分配列を含む、本明細書に記載の、または段落番号[1]〜[15]の1つもしくは複数および/もしくはそれに関係する段落に記載の組成物である。
[17]好ましいのは、オリゴペプチドが環状オリゴペプチドである、本明細書に記載の、または段落番号[1]〜[16]の1つもしくは複数および/もしくはそれに関係する段落に記載の組成物である。
[18]好ましいのは、オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドが、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Val)ならびに薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩からなる群から選択される、本明細書に記載の、または段落番号[1]〜[17]の1つもしくは複数および/もしくはそれに関係する段落に記載の組成物である。
[19]好ましいのは、オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドが、20℃または25℃、好ましくは20℃で、1mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜12mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、特に4mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)ならびに薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩からなる群から選択される、本明細書に記載の、または段落番号[1]〜[18]の1つもしくは複数および/もしくはそれに関係する段落に記載の組成物である。
本発明によれば、少なくとも1つのシクロペプチドは、特に好ましくは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその塩もしくは溶媒和物から選択される。
特に好ましいのは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその塩もしくは溶媒和物の固体形態、より好ましくは固体非晶質および/または結晶形を含む固体材料である。特に好ましいのは、20℃で1mg/ml〜25mg/mlの水溶性を有する、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその塩もしくは溶媒和物の固体形態、より好ましくは非晶質および/または結晶固体形態を含む固体材料である。好ましくは、20℃における水溶性は、20mg/ml以下、より好ましくは18mg/ml以下、さらにより好ましくは15mg/ml以下、さらにより好ましくは12mg/ml、特に10mg/ml以下である。好ましくは、20℃における水溶性は、1mg/ml以上、より好ましくは2mg/ml以上、さらにより好ましくは3mg/ml以上、さらにより好ましくは4mg/ml以上、特に6mg/ml以上であるが、溶解性について示した先の所与の上限を超えないことが好ましい。したがって、20℃における水溶性は、好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜12mg/ml、特に4mg/ml〜10mg/mlの範囲、例えば約4mg/ml、約6mg/ml、約8mg/ml、約10mg/mlまたは約13mg/mlである。
前記環状オリゴペプチド(複数可)の水溶性を決定する方法は、当技術分野で公知である。好ましくは、20℃または25℃、好ましくは20℃における水溶性は、水中で、前記環状オリゴペプチド(複数可)溶液のおよそ中性のpHにおいて決定される。さらにより好ましくは、20℃または25℃、好ましくは20℃における水溶性は、水中で、前記環状オリゴペプチド(複数可)溶液のpH=7+/−0.5において決定される。したがって溶解性は、好ましくは20℃または25℃、好ましくは20℃の水中で、約6.8、約7.0または約7.4のpH値などの6.5〜7.5の範囲、より好ましくは6.5〜7.0の範囲のpHで決定される。
20℃または25℃、好ましくは20℃における式シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)のペプチドの内(または内部)塩の水溶性は、好ましくは約6.8のpH値に相当する、特に好ましくは6.7〜6.9の範囲のpH値に相当する等電点において決定されるのが好ましい。
これに関して好ましいのは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその塩の非晶質固体形態および結晶固体形態、より好ましくは結晶固体形態、好ましくはそれらを含有する固体材料である。これに関して特に好ましいのは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の非晶質固体形態および結晶固体形態、より好ましくは結晶固体形態、好ましくはそれらを含有するか、またはそれらからなる固体材料である。
これに関して好ましいのは、結晶固体形態、より好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/または溶媒和物もしくは無水物であるその塩の結晶固体形態、好ましくはそれらを含有するか、またはそれらからなる固体材料である。
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の塩、特に内塩は、溶媒和物または無水物として存在することができる。シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の溶媒和物および無水物、より好ましくは無水物、特に無水物の結晶形が特に好ましく、それらを含有するか、またはそれらからなる固体材料が好ましい。
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の結晶形を含む、特にシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の結晶形を含む好ましい固体材料を、以下に詳説する。
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)または{[(2S,5R,8S,11S)−5−ベンジル−11−(3−グアニジノ−プロピル)−8−イソプロピル−7−メチル−3,6,9,12,15−ペンタオキソ−1,4,7,10,13−ペンタアザ−シクロペンタデス−2−イル]−酢酸}は、当初1997年に刊行された特許文書/特許出願文書US6,001,961およびEP0 770 622に最初に記載された。前記特許文書では、前記化合物の様々な塩の形態、例えば塩酸塩、酢酸塩およびメタンスルホン酸塩が記載されている。その後、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の内塩をもたらす改善された製造方法が、WO00/53627に記載された。しかし、記載の手順に従って得られた固体は、非晶質材料であると思われた。
以下、1つまたは複数の結晶形のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)を含む新しい固体材料を記載する。
好ましい固体材料を以下に記載する。
式Idの化合物の固体材料
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal) (Id)
前記固体材料は、
a=9.5±0.5Å、
b=23.0±5.0Å、および
c=14.7±1.0Å
の格子定数を有する単位胞を特徴とする、式Idの化合物の1つまたは複数の結晶形を含む。
前記単位胞は、好ましくは結晶学的単位胞または結晶学的に決定された単位胞である。
前記単位胞では、角度αは、好ましくは90°±2°であり、角度βは、好ましくは90°±2°であり、かつ/または角度γは、好ましくは90°±2°である。
好ましくは、前記固体材料は、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、さらにより好ましくは60重量%、特に少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%の、先および/または以下に定義の式Idの化合物の1つまたは複数の結晶形を含む。例えば、前記固体材料は、約25、約50、約75、約95または約99重量%の、先および/または以下に定義の式Idの化合物の1つまたは複数の結晶形を含む。
特に好ましくは、固体材料は、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも30モル%、さらにより好ましくは60モル%、特に少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%の、先および/または以下に定義の式Idの化合物の1つまたは複数の結晶形を含む。例えば固体材料は、約25、約50、約75、約95または約99モル%の、先および/または以下に定義の式Idの化合物の1つまたは複数の結晶形を含む。
本明細書に記載の固体材料について記載の重量百分率は、好ましくは、前記固体材料に含有される先/以下に定義の1つまたは複数の結晶形の重量と、前記固体材料に含有される式Idの化合物の総重量との比に関係する。換言すれば、記載の重量百分率は、好ましくは式Idの化合物の総重量に対する、先および/または以下に定義の1つまたは複数の結晶形の合計の重量百分率である。したがって、本明細書に記載の固体材料中の1つまたは複数の結晶形の含量について記載の重量百分率は、好ましくは前記固体材料に含有される式Idの化合物以外の化合物または不純物の量または含量とは独立である。
前記固体材料に関する1つまたは複数の結晶形は、好ましくは、固体材料が、先および/または以下に定義の格子定数以内の単位胞を有する式Idの化合物の少なくとも1つもしくは複数の結晶形もしくは修飾形を含むことを意味し、または固体材料が、先および/または以下に定義の格子定数以内の単位胞をそれぞれ有する式Idの化合物の2つ以上、例えば2つもしくは3つの結晶形もしくは修飾形の混合物を含むことを意味する。
好ましくは、固体材料は、先および/または以下に定義の式Idの化合物の1つ、2つ、3つまたは4つの結晶形を含む。
より好ましくは、固体材料は、
ULP1:a1=9.5±0.5Å、
b1=26.0±1.5Å、および
c1=14.3±0.7Å、
ならびに
ULP2:a2=9.8±0.5Å、
b2=20.0±1.5Å、および
c2=15.4±0.7Å
からなる群から選択される格子定数を有する単位胞(ULP)をそれぞれ有する、式Idの化合物の1つまたは複数、好ましくは1つ、2つの、3つまたは4つ、さらにより好ましくは1つまたは2つの結晶形を含む。
より好ましくは、固体材料は、
ULP1:a1=9.5±0.3Å、
b1=26.0±1.0Å、および
c1=14.3±0.5Å、
ならびに
ULP2:a2=9.8±0.3Å、
b2=20.0±1.0Å、および
c2=15.4±0.5Å
からなる群から選択される格子定数を有する単位胞(ULP)をそれぞれ有する、式Idの化合物の1つまたは複数、好ましくは1つ、2つ、3つまたは4つ、さらにより好ましくは1つまたは2つの結晶形を含む。
格子定数を有する単位胞ULP1および/またはULP2では、角度αは、好ましくは90°±2°であり、角度βは、好ましくは90°±2°であり、かつ/または角度γは、好ましくは90°±2°である。
好ましくは、格子定数を有する単位胞ULP1は、あるいはまたはさらには、好ましくはさらに、前記単位胞内の式Idの化合物の約4つの分子の含量を特徴とし得る。
格子定数を有する単位胞ULP2では、角度αは、好ましくは90°±0.5°であり、角度βは、好ましくは90°±0.5°であり、かつ/または角度γは、好ましくは90°±0.5°である。格子定数を有する単位胞ULP2では、角度α、βおよびγは、より好ましくは90°±0.1°である。
好ましくは、格子定数を有する単位胞ULP2は、あるいはまたはさらには、好ましくはさらに、前記単位胞内の式Idの化合物の約4つの分子の含量を特徴とし得る。
より好ましくは、固体材料は、
a=9.8±0.1Å、b=19.5±0.5Åおよびc=15.4±0.1Åの格子定数を有する単位胞を特徴とする結晶形A1、
a=9.4±0.1Å、b=25.9±0.5Åおよびc=14.1±0.1Åの格子定数を有する単位胞を特徴とする結晶形S1、
a=9.3±0.1Å、b=26.6±0.5Åおよびc=14.7±0.1Åの格子定数を有する単位胞を特徴とする結晶形S2、ならびに
a=9.6±0.1Å、b=25.9±0.5Åおよびc=13.9±0.1Åの格子定数を有する単位胞を特徴とする結晶形S3
から選択される、式Idの化合物の1つまたは複数、好ましくは1つ、2つ、3つまたは4つ、さらにより好ましくは1つまたは2つの結晶形を含む。
より好ましくは、固体材料は、
a=9.8±0.1Å、b=19.5±0.5Åおよびc=15.4±0.1Å、好ましくはα=β=γ=90°±1°、特にα=β=γ=90°の格子定数を有する単位胞を特徴とする結晶形A1、
a=9.4±0.1Å、b=25.9±0.5Åおよびc=14.1±0.1Å、好ましくはα=β=γ=90°±2°、特にα=90°±1°、β=91°±1、γ=90°±1°、特にα=90°、β=91.2°、γ=90°の格子定数を有する単位胞を特徴とする結晶形S1、
a=9.3±0.1Å、b=26.6±0.5Åおよびc=14.7±0.1Å、好ましくはα=β=γ=90°±1°、特にα=β=γ=90°の格子定数を有する単位胞を特徴とする結晶形S2、ならびに
a=9.6±0.1Å、b=25.9±0.5Åおよびc=13.9±0.1Å、好ましくはα=β=γ=90°±1°、特にα=β=γ=90°の格子定数を有する単位胞を特徴とする結晶形S3
から選択される、式Idの化合物の1つまたは複数、好ましくは1つ、2つ、3つまたは4つ、さらにより好ましくは1つまたは2つの結晶形を含む。
結晶形S1、S2およびS3は、好ましくは溶媒和物としてさらに特徴付けられる。
好ましくは、結晶形S1、S2およびS3は、あるいはまたはさらには、好ましくはさらに、前記単位胞内の式Idの化合物の約4つの分子の含量を特徴とし得る。
結晶形A1、S2および/またはS3は、さらに、好ましくは斜方晶単位胞を特徴とする。
結晶形S1は、さらに、好ましくは単位胞における単斜を特徴とする。
好ましくはそれに限定されるものではないが、a、b、c、α、βおよび/またはγを含む単位胞および格子定数は、当業者に公知の結晶学的パラメータである。したがってこれらは、当技術分野で公知の方法に従って決定することができる。これらのパラメータは、好ましくは単位胞の斜方晶および/または単斜形態にも当てはまる。
先の所与の単位胞およびそれに関係する格子定数は、好ましくは標準方法、例えば欧州薬局方、第6版、第2.9.33章および/またはRolf Hilfiker、‘Polymorphism in the Pharmaceutical Industry'、Wiley-VCH. Weinheim 2006 (第6章: X-Ray Diffraction)および/またはH.G. Brittain、‘Polymorphism in Pharmaceutical Solids、Vol. 95、Marcel Dekker Inc.、New York 1999年 (第6章およびその参考文献)に記載の方法または技術に従って、X線回折、より好ましくは単結晶X線回折および/または粉末X線回折によって決定される。
あるいは好ましくは、先の所与の単位胞およびそれに関係する格子定数は、好ましくは、
グラファイトモノクロメーターおよびCCD検出器を備えたOxford DiffractionのXCalibur回折計で、Mo Kα放射線を使用して、好ましくは298K±5Kの温度で実施され、かつ/または
グラファイトモノクロメーターおよびシンチレーションカウンターを備えたNoniusのCAD4 4軸回折計で、Mo Kα放射線を使用して、好ましくは298K±5Kの温度で実施される単結晶X線によって、任意選択によりさらなる構造データと一緒に得ることができる。
先の所与の単位胞およびそれに関係する格子定数は、好ましくは標準方法、例えば欧州薬局方、第6版、第2.9.33章および/またはRolf Hilfiker、‘Polymorphism in the Pharmaceutical Industry'、Wiley-VCH. Weinheim 2006 (第6章: X-Ray Diffraction)および/またはH.G. Brittain、‘Polymorphism in Pharmaceutical Solids、Vol. 95、Marcel Dekker Inc.、New York 1999年 (第6章およびその参考文献)に記載の方法または技術に従って、X線回折、より好ましくは粉末X線回折によって決定される。
前述および/または下記の固体材料中、高含量の先および/または以下に定義の1つまたは複数の結晶形が一般に好ましい。
本発明の組成物における使用に好ましい固体材料は、同出願人のPCT/EP2010/003100、標題「{[(2S,5R,8S,11S)−5−ベンジル−11−(3−グアニジノ−プロピル)−8−イソプロピル−7−メチル−3,6,9,12,15−ペンタオキソ−1,4,7,10,13−ペンタアザ−シクロペンタデス−2−イル]−酢酸}の新しい固体材料およびそれらを得るための方法」に記載されており、その開示は、その全体が参照によって本願に組み込まれる。
式Idの化合物の1つまたは複数の結晶形から本質的になる前述および/または下記の固体材料は、
a=9.5±0.5Å、
b=23.0±5.0Å、および
c=14.7±1.0Å
の格子定数を有する単位胞を特徴とし、特に前述および/または下記の通りを特徴とする。
式Idの化合物の1つまたは複数の結晶形から本質的になるとは、好ましくは、前記固体材料に含有される式Idの化合物が、式Idの化合物の前記1つもしくは複数の結晶形から本質的に選択されることを意味し、または換言すれば前記固体形態の1つもしくは複数の結晶形が、必須量の前記固体形態の式Idの化合物を提供することを意味する。これに関してより具体的に、本質的とは、好ましくは前記固体形態の1つまたは複数の結晶形が、前記固体形態の式Idの化合物の量の90%以上、好ましくは95%以上、さらにより好ましくは99%以上、特に99.9%以上を提供することを意味する。これに関して、記載の百分率(%)は、好ましくはモル%および重量%から選択され、特に好ましくはモル%である。
前記量は、本明細書に記載の1つの単結晶形によって、または本明細書に記載の2つ以上の結晶形の混合物によって提供され得る。好ましくは、前記量は、本明細書に記載の1つの単結晶形よって提供される。より好ましくは、前記量は、本明細書に記載の結晶形A1、結晶形S1、結晶形S2および結晶形S3から選択される1つの単結晶形によって提供される。
結晶形A1、結晶形S1、結晶形S2および結晶形S3は、同出願人のPCT/EP2010/003100にさらに記載されており、その開示は、全体が参照によって本願に組み込まれる。
固体材料が、本明細書に記載の結晶形の2つ以上を含む場合、これらの結晶形の1つが、好ましくは主な結晶形であり、存在する1つまたは複数のさらなる結晶形は、少量で存在する。主な結晶形は、好ましくは存在する結晶形の総量の60重量%以上、より好ましくは75%以上、さらにより好ましくは90%以上、特に95%または99%以上を提供する。これに関して、所与の百分率(%)は、好ましくはモル%および重量%から選択され、特に好ましくはモル%である。
別段特定されない限り、化合物および/または溶媒について本明細書に記載の百分率(または%)は、好ましくは重量百分率またはモルパーセントのいずれか、好ましくはモルパーセントである。本明細書に記載の固体材料における1つまたは複数の結晶形の含量および適用できる場合には本明細書に記載の固体材料における2つ以上の結晶形の比は、それに限定されるものではないが、粉末X線回折、ラマン分光法および赤外分光法を含む方法を介して有利に決定することができ、より好ましくは、粉末X線回折、ラマン分光法および/または赤外分光法によって決定されるので、それに関係する値(%)は、別段明確に定められていない場合、特に好ましくはモルパーセント値である。
好ましくは、別段特定されない限り、
i)透過、特にIR透過、ラマン強度などのスペクトルデータ、
ii)粉末X線回折強度(PXRD強度(intensitiel))、および/または
iii)もしくは相対湿度(rhまたはr.h.)などの分析パラメータ等
に関する本明細書に記載の百分率(または%)は、好ましくは相対的百分率(すなわち、それぞれの最大値のパーセント)である。
本発明の好ましい目的は、本明細書に記載の、特に前述および/または下記の式Idの化合物の1つまたは複数の結晶形である。
好ましくは、式Idの化合物の1つまたは複数の結晶形は、単斜単位胞または斜方晶単位胞を有する前述および/または下記の結晶形から選択される。
好ましくは、式Idの化合物の1つまたは複数の結晶形は、無水物および溶媒和物から選択される。
好ましくは、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、あるいはまたはさらには、>282℃、より好ましくは288±5℃以上、特に288±5℃の融解/分解温度を特徴とし得る。
本明細書に記載の融解/分解温度および/または熱挙動は、好ましくはDSC(示差走査熱量測定)およびTGA(熱重量分析)によって決定される。DSCおよび/もしくはTGA法または一般に熱分析法ならびにそれらを決定するための適切な装置は、例えば適切な標準技術が記載されている欧州薬局方、第6版、第2.02.34章から当技術分野で公知である。より好ましくは、融解/分解温度または挙動および/または熱分析には、一般に、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.34章に記載の通り、Mettler Toledo DSC 821および/またはMettler Toledo TGA 851が使用される。
熱分析(Mettler−Toledo DSC 821、5K/分、窒素パージガス50ml/分;Mettler−Toledo TGA 851、5K/分、窒素パージガス50ml/分)および先に示した融解/分解温度を示すDSCおよびTGA測定値を、図1および図2に示す。
好ましくは、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、あるいはまたはさらには、粉末X線回折、より好ましくは以下に示す1つまたは複数の粉末X線ピークを含む、より好ましくは以下に示す6つ以上の粉末X線ピークを含む、さらにより好ましくは以下に示す8つ以上の粉末X線ピークを含む、特に以下に示す粉末X線ピークのすべてを含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
またはより好ましくは、
好ましくは、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、あるいはまたはさらには、粉末X線回折、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークを含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
またはより好ましくは、
好ましくは、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、あるいはまたはさらには、粉末X線回折、より好ましくは以下に示す1つまたは複数の粉末X線ピークを含む、より好ましくは以下に示す10以上の粉末X線ピークを含む、さらにより好ましくは以下に示す12以上の粉末X線ピークを含む、特に以下に示す粉末X線ピークのすべてを含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
またはより好ましくは、
粉末X線回折、より好ましくは粉末X線回折パターンは、好ましくは本明細書に記載の通り実施し、または決定され、特に欧州薬局方、第6版、第2.9.33章に記載の標準技術によって実施し、または決定され、さらにより好ましくは、パラメータCu−Kα1放射線および/またはλ=1.5406Åを用いて、好ましくはStoe StadiP 611 KL回折計で得られる。
図3は、結晶形A1の粉末X線ディフラクトグラムを示す。
好ましくは、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、あるいはまたはさらには、単結晶X線構造データ、例えば、好ましくはグラファイトモノクロメーターおよびCCD検出器を備えた回折計で、好ましくはMo Kα放射線を使用して好ましくは298K±5Kの温度で得られる、さらにより好ましくはグラファイトモノクロメーターおよびCCD検出器を備えたOxford DiffractionのXCalibur回折計で、Mo Kα放射線を使用して約298Kで得られる単結晶X線構造データによって特徴付けることができる。
得られた単結晶X線構造データによれば、式Idの化合物の無水物、特に結晶形A1は、格子定数a=9.8Å、b=15.4Å、c=19.5Å(±0.1Å)を有する斜方晶空間群P2で結晶化し、単位胞体積は、好ましくは2940(±10)Åである。
単結晶構造から、形態A1は、無水物または非溶媒和物(ansolvate)を表すことが明らかである。
単結晶X線構造を図4に図示する。
好ましくは、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の6つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の9つ以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含む赤外分光法データによって特徴付けることができる:3431cm−1(s)、3339cm−1(s)、3189cm−1(s)、2962cm−1(m)、2872cm−1(m)、1676cm−1(s)、1660cm−1(s)、1617cm−1(s)、1407cm−1(s)、1316cm−1(m)、1224cm−1(m)、1186cm−1(m)、711cm−1(m)。
より好ましくは、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の9つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の12以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含む赤外分光法データによって特徴付けることができる:3431cm−1(s)、3339cm−1(s)、3189cm−1(s)、3031cm−1(m)、2962cm−1(m)、2872cm−1(m)、1676cm−1(s)、1660cm−1(s)、1617cm−1(s)、1539cm−1(s)、1493cm−1(s)、1407cm−1(s)、1358cm−1(m)、1316cm−1(m)、1247cm−1(m)、1224cm−1(m)、1186cm−1(m)、994cm−1(w)、921cm−1(w)、711cm−1(m)、599cm−1(m)。
丸括弧内に示した相対的強度は、好ましくは以下に定義の通りである。「s」=強い(好ましくは透過率≦50%)、「m」=中程度(好ましくは50%<透過率≦70%)、「w」=弱い(好ましくは透過率>70%)
IRまたはFT−IRスペクトルは、好ましくは試料調製技術としてKBrペレットを使用して得られる。
IR分光法データは、好ましくはFT−IR分光法によって得られる。IR分光法データまたはFT−IR分光法データは、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.24章に記載の標準技術によって得られる。FT−IR−スペクトルの測定のために、好ましくはBruker Vector 22分光計が使用される。FT−IRスペクトルは、好ましくはBruker OPUSソフトウェアを使用して、好ましくはベースライン補正される。
本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1のFT−IRスペクトルを、図5に示す。
好ましくは、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の9つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の9つ以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含むラマン分光法データによって特徴付けることができる:3064cm−1(w)、2976cm−1(m)、2934cm−1(m)、2912cm−1(m)、2881cm−1(m)、1603cm−1(w)、1209cm−1(w)、1029cm−1(w)、1003cm−1(m)、852cm−1(w)。
より好ましくは、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の12以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の18以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含むラマン分光法データによって特徴付けることができる:3064cm−1(w)、2976cm−1(m)、2934cm−1(m)、2912cm−1(m)、2881cm−1(m)、1677cm−1(w)、1648cm−1(w)、1603cm−1(w)、1584cm−1(w)、1465cm−1(w)、1407cm−1(w)、1314cm−1(w)、1242cm−1(w)、1209cm−1(w)、1129cm−1(w)、1029cm−1(w)、1003cm−1(m)、943cm−1(w)、901cm−1(w)、852cm−1(w)、623cm−1(w)、589cm−1(w)。
丸括弧内に示した相対的強度は、好ましくは以下に定義の通りである。「s」=強い(好ましくは相対的ラマン強度≧0.04)、「m」=中程度(好ましくは0.04>相対的ラマン強度≧0.02)、「w」=弱い(好ましくは相対的ラマン強度<0.02)
ラマンまたはFT−ラマンスペクトルは、好ましくは、それぞれの固体材料のための試料ホルダーとしてアルミニウムカップを使用して得られる。
ラマン分光法データは、好ましくはFT−ラマン分光法によって得られる。ラマン分光法データまたはFT−ラマン分光法データは、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.48章に記載の標準技術によって得られる。FT−ラマン−スペクトルの測定のために、好ましくはBruker RFS 100分光計が使用される。FT−ラマンスペクトルは、好ましくはBruker OPUSソフトウェアを使用して、好ましくはベースライン補正される。
本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1のFT−ラマンスペクトルを、図6に示す。
好ましくは、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、あるいはまたはさらには、20℃または25℃、好ましくは20℃で5〜9mg/mLの範囲、好ましくは6〜8mg/mLの範囲の水溶性、特に20℃または25℃、好ましくは20℃で約7mg/mLの水溶性を特徴とし得る。
好ましくは、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、あるいはまたはさらには、動的水蒸気実験によって特徴付けることができる。その結果は、Rolf Hilfiker、‘Polymorphism in the Pharmaceutical Industry'、Wiley-VCH. Weinheim 2006年(第9章:水蒸気吸着、およびその参考文献)に記載の標準技術によって得ることができる。水蒸気吸着挙動は、相対湿度(rhまたはr.h.)最大98%の少量の水の取込みレベルを示し、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、Ph. Eur. criteriaによれば、非吸湿性と分類され得る。水和物の形成または変換は観測されない。結晶形A1の水蒸気収着等温線(25℃)(SMS DVS Intrinsic)を、図7に示す。
結晶形A1は、好ましくは、無水物または非溶媒和物として特徴付けることができる。
これに関して無水物または非溶媒和物は、好ましくは、単位胞が、およそ化学量論量の1つまたは複数の溶媒の溶媒分子を含まないか、または本質的に含まないことを意味する。これに関して無水物または非溶媒和物は、より好ましくは、単位胞が水および溶媒分子を本質的に含まないことを意味する。これに関して溶媒分子を本質的に含まないとは、好ましくは、単位胞内の溶媒分子の量が、0.5未満、より好ましくは0.1未満、さらにより好ましくは0.01未満、特に0.001未満であることを意味する。
非溶媒和物および無水物の両方は、それぞれの溶媒が存在しないことを特徴とし、したがってどんな溶媒も存在しないことを特徴とするので、無水物および非溶媒和物という用語は、好ましくは本発明の文脈において同義語と見なされる。
単位胞内の分子の量は、好ましくは結晶学的方法、より好ましくは単結晶X線回折および/または粉末X線回折によって決定される。
あるいは、前記結晶形、前記溶媒和物および/またはそれぞれの単位胞内の溶媒の量は、元素分析、ガスクロマトグラフィーまたはKarl−Fischer滴定によって決定または推定され得る。この文脈では、溶媒分子を本質的に含まないとは、好ましくは5%未満、さらにより好ましくは2%未満、さらにより好ましくは1%未満、特に0.1%未満、例えば、5%〜0.1%または2%〜0.01%の溶媒含量を意味する。これに関して、記載の百分率(%)は、好ましくはモル%および重量%から選択され、特に好ましくは重量%である。
本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、以下に論じる有利な特性から選択される1つまたは複数の特性を示す。より具体的には、本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、熱力学的に安定な非溶媒和物形態および/または熱力学的に安定な形態であることが示され、驚くべきことには、それに限定されるものではないが、懸濁液および湿潤材料、特に塩水などの本質的な水性系、例えばそれに限定されるものではないが、メタノールおよび/またはエタノールが存在しない懸濁液および湿潤材料、特にかかる水性系を好ましくは含む水性溶媒の存在下において、熱力学的に安定な形態であることが示され得る。これに関して湿潤材料は、好ましくはそれぞれの無水物と、少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、特に20重量%のそれぞれの水性系の混合物である。さらに本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、全体的な相対湿度範囲(0〜98%)にわたって結晶形の物理的安定性を伴い、吸湿性挙動に関して優れた特性を示し、かつ/またはその結晶化度および熱挙動は優れている。
このことは、処理(例えば、濾過、乾燥、製粉、微粒子化による相分離)および保存に対して優れた特性をもたらし、したがってとりわけ懸濁液の製剤にとって優れている。本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1は、構造的に関係する不純物、イオン性化合物および残留溶媒の低減が容易に達成され得るため、式Idの化合物の精製にとって優れた特性を示す。したがって精製は、1ステップで達成することができるが、従来の過去に公知の方法による固体形態、例えば非晶質形態および/または他の非無水物の多形結晶形では、GMP標準と一致する純度を得るのに著しい努力、例えば後に3つ以上の精製手順が必要になる。
式Idの化合物はまた、異なる溶媒を可変量および/または可変比、好ましくは可変比で組み込み、したがって、溶媒和物となるクラスの擬似多形を形成する。これらの溶媒和物は、例えば、類似の単位胞をもたらすこれらの形態の指数付与を含む粉末X線回折データによって示される通り、構造的に密接に関係している。また、これらの構造の選択された例を、単結晶構造および粉末データに基づく構造解析に基づいて論じる。最後に、この擬似多形クラスの特異的な有益な特性について議論する。
以下の、Cilengitideの擬似多形体の3つの好ましい例、S1(メタノール溶媒和物)、S2(エタノール溶媒和物)および形態S3(水和物)について記載する。これらの好ましい例は、四溶媒和物(tetrasolvate)としてさらに特徴付けることができる。
したがって、先に定義の格子定数を有する単位胞ULP1を有する固体結晶形は、好ましくは溶媒和物、より好ましくは四溶媒和物として本明細書でさらに特徴付けられる。溶媒和物および/または四溶媒和物は、好ましくは本明細書に定義のS1、S2およびS3から選択される1つまたは複数の結晶形、好ましくはその混合物を含む。
結晶形S1、S2および/またはS3は、好ましくは溶媒和物、特に四溶媒和物としてさらに特徴付けられ、すなわち四溶媒和物は、好ましくは単位胞1個当たりおよび式Idの化合物の分子1個当たり溶媒分子が約4個になる、それぞれの単位胞における溶媒分子のおよその化学量論量を示している。
これらの四溶媒和物では、溶媒分子は、好ましくは水およびアルコールの分子から選択され、より好ましくは水、メタノールおよびエタノール、ならびにその混合物から選択される。
したがって、溶媒和物は、好ましくは、水和物またはアルコール溶媒和物(またはアルコラート)、より好ましくは水和物、メタノール溶媒和物(またはメタノラート)および/またはエタノール溶媒和物(またはエタノラート)としてさらに特徴付けることができる。しかし、前記溶媒和物が溶媒の混合物から生成され、またはそれと接触する場合、混合溶媒和物を得ることもできる。さらに、1個の溶媒和物内の溶媒分子は、部分的または完全にもう1つの溶媒の溶媒分子と交換することができる。したがって、溶媒和物、より好ましくは四溶媒和物、特に結晶形S1、S2およびS3は、すべて固体結晶形の特異的クラスに属することが明らかである。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3は、あるいはまたはさらには、融解/分解温度>210℃、より好ましくは217±5℃以上の融解/分解、特に217±5℃の融解/分解を特徴とし得る。好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3について得られる融解/分解温度は、<250℃である。
本明細書に記載の融解/分解温度および/または熱挙動は、好ましくは、DSC(示差走査熱量測定)およびTGA(熱重量分析)によって決定される。DSCおよび/もしくはTGA法または一般に熱分析法ならびにそれらを決定するための適切な装置は、例えば適切な標準技術が記載されている欧州薬局方、第6版、第2.02.34章から当技術分野で公知である。より好ましくは、融解/分解温度または挙動および/または熱分析には、一般に、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.34章に記載の通り、Mettler Toledo DSC 821および/またはMettler Toledo TGA 851が使用される。
熱分析(Mettler−Toledo DSC 821、5K/分、窒素パージガス50ml/分;Mettler−Toledo TGA 851、5K/分、窒素パージガス50ml/分)および先に示した融解/分解温度を示すDSCおよびTGAスペクトルを、図8および図9に示す。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3は、あるいはまたはさらには、粉末X線回折、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの1つまたは複数、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの3つ以上、さらにより好ましくは以下に示す粉末X線ピークの6つ以上、特に以下に示す粉末X線ピークのすべてを含む粉末X線回折パターンを特徴とし得る。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3は、あるいはまたはさらには、粉末X線回折、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの1つまたは複数、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの9以上、さらにより好ましくは以下に示す粉末X線ピークの12以上、特に以下に示す粉末X線ピークのすべてを含む粉末X線回折パターンを特徴とし得る。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3は、あるいはまたはさらには、粉末X線回折、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの1つまたは複数、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの10以上、さらにより好ましくは以下に示す粉末X線ピークの13以上、特に以下に示す粉末X線ピークのすべてを含む粉末X線回折パターンを特徴とし得る。
図10は、結晶形S3の粉末X線ディフラクトグラムを示す。
粉末X線回折、より好ましくは粉末X線回折パターンは、好ましくは本明細書に記載の通り実施し、または決定され、特に欧州薬局方、第6版、第2.9.33章に記載の標準技術によって実施し、または決定され、さらにより好ましくは、パラメータCu−Kα1放射線および/またはλ=1.5406Åを用いて、好ましくはStoe StadiP 611 KL回折計で得られる。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3は、あるいはまたはさらには、単結晶X線構造データ、例えば、好ましくはグラファイトモノクロメーターおよびCCD検出器を備えた回折計で、好ましくはMo Kα放射線を使用して、好ましくは298K±5Kの温度で得られる、さらにより好ましくはグラファイトモノクロメーターおよびCCD検出器を備えたOxford DiffractionのXCalibur回折計で、Mo Kα放射線を使用して約298Kで得られる単結晶X線構造データを特徴とし得る。
得られた単結晶X線構造データによれば、本明細書に記載の式Idの化合物の四水和物、特に結晶形S3結晶は、格子定数a=9.6Å、b=25.9Å、c=13.9Å(±0.1Å)を有する斜方晶空間群P2で結晶化し、単位胞体積は、好ましくは3396(±10)Åである。
単結晶構造から、形態S3は、四溶媒和物、より具体的には四水和物を表すことが明らかである。
単結晶X線構造を図11に示す。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の3つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の6つ以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含む赤外分光法データを特徴とし得る:3319cm−1(s)、3067cm−1(s)、2966cm−1(s)、1668cm−1(s)、1541cm−1(s)、1395cm−1(s)、704cm−1(m)
より好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の6つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の9つ以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含む赤外分光法データを特徴とし得る:3428cm−1(s)、3319cm−1(s)、3067cm−1(s)、2966cm−1(m)、2874cm−1(m)、1688cm−1(s)、1541cm−1(s)、1455cm−1(s)、1395cm−1(s)、1232cm−1(m)、704cm−1(m)
丸括弧内に示した相対的強度は、好ましくは以下に定義の通りである。「s」=強い(好ましくは透過率≦50%)、「m」=中程度(好ましくは50%<透過率≦70%)、「w」=弱い(好ましくは透過率>70%)
IRまたはFT−IRスペクトルは、好ましくは試料調製技術としてKBrペレットを使用して得られる。
IR分光法データは、好ましくはFT−IR分光法によって得られる。IR分光法データまたはFT−IR分光法データは、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.24章に記載の標準技術によって得られる。FT−IR−スペクトルの測定のために、好ましくはBruker Vector 22分光計が使用される。FT−IRスペクトルは、好ましくはBruker OPUSソフトウェアを使用して、好ましくはベースライン補正される。
本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3のFT−IRスペクトルを、図12に示す。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の4つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の7つ以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含むラマン分光法データによって特徴付けることができる:3069cm−1(m)、2931cm−1(s)、1666cm−1(m)、1607cm−1(w)、1443cm−1(w)、1339cm−1(w)、1205cm−1(w)、1004cm−1(s)、911cm−1(m)。
より好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の9つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の12以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含むラマン分光法データによって特徴付けることができる:3069cm−1(m)、2931cm−1(s)、1666cm−1(m)、1607cm−1(w)、1585cm−1(w)、1443cm−1(w)、1339cm−1(w)、1205cm−1(w)、1122cm−1(w)、1033cm−1(w)、1004cm−1(s)、936cm−1(w)、911cm−1(m)、825cm−1(w)、624cm−1(w)、519cm−1(w)。
丸括弧内に示した相対的強度は、好ましくは以下に定義の通りである。「s」=強い(好ましくは相対的ラマン強度≧0.04)、「m」=中程度(好ましくは0.04>相対的ラマン強度≧0.02)、「w」=弱い(好ましくは相対的ラマン強度<0.02)
ラマンまたはFT−ラマンスペクトルは、好ましくは、それぞれの固体材料のための試料ホルダーとしてアルミニウムカップを使用して得られる。
ラマン分光法データは、好ましくはFT−ラマン分光法によって得られる。ラマン分光法データまたはFT−ラマン分光法データは、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.24章および/または第2.02.48章に記載の標準技術によって得られる。FT−ラマン−スペクトルの測定のために、好ましくはBruker RFS 100分光計が使用される。FT−ラマンスペクトルは、好ましくはBruker OPUSソフトウェアを使用して、好ましくはベースライン補正される。
本明細書に記載の四溶媒和物、特に結晶形S3のFT−ラマンスペクトルを、図13に示す。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四水和物、特に結晶形S3は、あるいはまたはさらには、動的水蒸気実験によって特徴付けることができる。その結果は、Rolf Hilfiker、‘Polymorphism in the Pharmaceutical Industry'、Wiley-VCH. Weinheim 2006年(第9章:水蒸気吸着、およびその参考文献)に記載の標準技術によって得ることができる。水蒸気吸着挙動は、最大98%rhの少量の水の取込みレベルを示し、本明細書に記載の無水物、特に結晶形S3は、Ph. Eur. criteriaによれば、非吸湿性と分類され得る。水和物の形成または変換は観測されない。結晶形S3の水蒸気収着等温線(25℃)(SMS DVS Intrinsic)を、図14に示す。
全体的に見て、本明細書に示した熱分析データは、四水和物の構造を確認するものであり、脱水の完了はTGAにおいて高温で観測される(四水和物について算出される含水量は、10.9wt%である)。
水蒸気吸着データは、25℃における乾燥条件下(0%rh)でも、わずか約9wt%の水が分離されることを示しており、このことは好ましくは該構造の脱水の完了が起こらないことを示す。
驚くべきことに、本明細書に記載の水和物内の水分子、特に本明細書に記載の四水和物内の水分子は、アルコール分子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するモノオール、ジオールまたはトリオール、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有するモノオール、特にメタノールおよびエタノールならびにその混合物からなる群から選択されるモノオールからなる群から選択されるアルコール分子によって、部分的または完全に置換され得ることが見出されている。
動的水蒸気収着/脱着実験、単結晶X線実験および/または粉末X線実験などの実験方法は、例えば結晶形S3として特徴付けられる四水和物から出発すると、前記四水和物の水分子が、メタノールおよび/またはエタノールによって前記四水和物から部分的および/もしくはほぼ完全に除去され、かつ/またはそれらによって置換され得ることを示す。
例えば、好ましくは有機溶媒および/または水の蒸気、好ましくは1つまたは複数のアルコール、好ましくは本明細書に定義のアルコール、および/または水から選択される有機溶媒の蒸気、特にメタノール、エタノールおよび/水の蒸気を使用する動的水蒸気収着/脱着実験は、テトラアルコール溶媒和物が形成されるまで、前記四水和物からの水分子が、アルコール分子、特にメタノールおよび/またはエタノール分子によって連続的に置換され得ることを示す。
こうして四溶媒和物として特徴付けられ得る結晶形を得ることができ、この結晶形は、最大約100%の水(式Idの化合物の分子1個当たり水分子が4個であること、すなわち四水和物を指す)と、最大約100%のアルコールの溶媒含量(式Idの化合物の分子1個当たりアルコール分子が4個であること、すなわち、テトラアルコラートを指す)との間の溶媒含量を有し、好ましくはその中間である。
この結果を、先および/または以下にさらに論じ、特に以下に示す表1および2で論じる。例えば、二水和物−ジメタノラートおよび結晶形S1ならびに二水和物−ジエタノラートおよび結晶形S2としてそれぞれ後に詳細に特徴付けられる、混合二水和物−ジアルコラート(式Idの化合物の分子1個当たり水分子が2個およびアルコール分子が2個であることを指す)である準安定性結晶溶媒和物を得ることができ、先および/または以下に詳細に論じる。
これに関して具体的な参照を、以下の表1および2ならびにそれに関係する段落に示す。
以下の表は、四水和物からテトラアルコラートにわたる四溶媒和物について重量測定により算出したそれぞれの水および/またはメタノール含量を示し、この算出では、溶媒和物の化学量論における整数(integer)ステップは、式Idの化合物の1個の分子に基づき、前記四溶媒和物中のそれぞれの溶媒または溶媒混合物の合計4個の分子において使用されている。これは、好ましくは次式、[シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)]・[アルコール]・[HO](4−x)、ただし0≦x≦4)で表すことができる。
二水和物−ジエタノラート/結晶形S1について、四水和物で出発して25℃で98%相対的飽和においてメタノール蒸気を使用する本明細書により詳細に論じるそれぞれの動的蒸気収着実験では、9%の質量増加が得られた。これは、テトラメタノラートについて先に示された結果(算出値108.5%、すなわち8.5%の質量増加)と良好に一致する。
二水和物−ジエタノラート/結晶形S2について、四水和物で出発して25℃で98%相対的飽和においてエタノール蒸気を使用する本明細書により詳細に論じるそれぞれの動的蒸気収着実験では、17%の質量増加が得られた。これは、テトラエタノラートについて先に示された結果(算出値117.0%、すなわち17.0%の質量増加)と良好に一致する。
先および/または以下に示す通り、本明細書に記載の四溶媒和物は、好ましくは変換可能であり、より好ましくは本質的に純粋な四水和物と本質的に純粋なテトラアルコラートとの間、および潜在的にそのすべての中間で変換可能であり、好ましくは、以下に詳細に論じる混合二水和物−ジアルコラートによって例示される。これらの四溶媒和物は、非常に類似した構造的特徴、例えば、結晶学的パラメータ、分析データおよび/または物理的特性を有し、さらには変換可能であるため、四溶媒和物は、本明細書に記載の結晶形および/または本明細書に記載の固体材料の一クラスまたはサブクラスを形成することが明らかである。
明確にするために、3当量以上の水を含有し(すなわち、それぞれの結晶形に含有される溶媒の総量に対して、含水量>75モル%を有する)、水以外の1当量未満の1つまたは複数の溶媒、好ましくは1当量未満の、好ましくはメタノールおよびエタノールから選択される1つまたは複数のアルコールを含有する四溶媒和物は、好ましくは水和物、本明細書に記載の水和物または水和物−四溶媒和物と呼ばれる。
明確にするために、ほぼ4当量の水を含有する(すなわち、それぞれの結晶形に含有される溶媒の総量に対して、含水量>90モル%、好ましくは>95モル%を有する)四溶媒和物は、好ましくは四水和物または本明細書に記載の四水和物と呼ばれる。
明確にするために、1当量または複数当量のアルコールを含有する(すなわち、それぞれの結晶形に含有される溶媒の総量に対して、25モル%以上のアルコール含量を有する)四溶媒和物は、好ましくは、アルコラート、本明細書に記載のアルコラートまたはアルコラート−四溶媒和物と呼ばれる。かかるアルコラートまたはアルコラート−四溶媒和物の例は、本明細書に記載のメタノラートおよび/またはエタノラート(またはメタノラート−四溶媒和物および/もしくはエタノラート−四溶媒和物)である。
明確にするために、ほぼ4当量の1つまたは複数のアルコールを含有する(すなわち、それぞれの結晶形に含有される溶媒の総量に対して、総アルコール含量>90モル%、好ましくは>95モル%を有する)四溶媒和物は、好ましくは、テトラアルコラートまたは本明細書に記載のテトラアルコラートと呼ばれる。かかるテトラアルコラートの例は、テトラメタノラートおよび/もしくはテトラエタノラートまたは本明細書に記載のテトラメタノラートおよび/もしくはテトラエタノラートである。
これに関してアルコール溶媒和物またはアルコラート−四溶媒和物であり、二水和物−ジアルコラートとしてさらに特徴付けることができる2つのさらなる四溶媒和物を、以下に記載する。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジメタノラート、特に結晶形S1は、あるいはまたはさらには、融解/分解温度>205℃、より好ましくは210±5℃以上の融解/分解℃、特に210±5℃の融解/分解を特徴とし得る。好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジメタノラート、特に結晶形S1について得られる前記融解/分解温度は、<250℃である。
本明細書に記載の融解/分解温度および/または熱挙動は、好ましくは、DSC(示差走査熱量測定)およびTGA(熱重量分析)によって決定される。DSCおよび/もしくはTGA法または一般に熱分析法ならびにそれらを決定するための適切な装置は、例えば適切な標準技術が記載されている欧州薬局方、第6版、第2.02.34章から当技術分野で公知である。より好ましくは、融解/分解温度または挙動および/または熱分析には、一般に、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.34章に記載の通り、Mettler Toledo DSC 821および/またはMettler Toledo TGA 851が使用される。
熱分析のDSCおよびTGA測定を、以下に示す通り実施した:Mettler−Toledo DSC 821、5K/分、窒素パージガス50ml/分;Mettler−Toledo TGA 851、5K/分、窒素パージガス50ml/分。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジメタノラート、特に結晶形S1は、あるいはまたはさらには、粉末X線回折、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの1つまたは複数、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの10以上、さらにより好ましくは以下に示す粉末X線ピークの12以上、特に以下に示す粉末X線ピークのすべてを含む粉末X線回折パターンを特徴とし得る。
PXRDパターンは、以下の単斜単位胞(空間群P21)を用いて上手く指数付与することができる:a=9.4Å、b=25.9Å、c=14.1Å(±0.1Å)、β=91.2°(±0.1)、V約3430(±10)Å
粉末X線回折、より好ましくは粉末X線回折パターンは、好ましくは本明細書に記載の通り実施し、または決定され、特に欧州薬局方、第6版、第2.9.33章に記載の標準技術によって実施し、または決定され、さらにより好ましくは、パラメータCu−Kα1放射線および/またはλ=1.5406Åを用いて、好ましくはStoe StadiP 611 KL回折計で得られる。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジメタノラート、特に結晶形S1は、あるいはまたはさらには、単結晶X線構造データ、例えば、好ましくはグラファイトモノクロメーターおよびCCD検出器を備えた回折計で、好ましくはMo Kα放射線を使用して、好ましくは298K±5Kの温度で得られる、さらにより好ましくはグラファイトモノクロメーターおよびCCD検出器を備えたOxford DiffractionのXCalibur回折計で、Mo Kα放射線を使用して約298Kで得られる単結晶X線構造データを特徴とし得る。
より好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジメタノラート、特に結晶形S1は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の6つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の9つ以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含む赤外分光法データを特徴とし得る:3311cm−1(s)、3067cm−1(m)、2965cm−1(m)、2937cm−1(m)、2875cm−1(w)、1668cm−1(s)、1542cm−1(s)、1456cm−1(m)、1396cm−1(m)、1028cm−1(w)、707cm−1(m)
丸括弧内に示した相対的強度は、好ましくは以下に定義の通りである。「s」=強い(好ましくは透過率≦50%)、「m」=中程度(好ましくは50%<透過率≦70%)、「w」=弱い(好ましくは透過率>70%)
IRまたはFT−IRスペクトルは、好ましくは試料調製技術としてKBrペレットを使用して得られる。
IR分光法データは、好ましくはFT−IR分光法によって得られる。IR分光法データまたはFT−IR分光法データは、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.24章に記載の標準技術によって得られる。FT−IR−スペクトルの測定のために、好ましくはBruker Vector 22分光計が使用される。FT−IRスペクトルは、好ましくはBruker OPUSソフトウェアを使用して、好ましくはベースライン補正される。
より好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジメタノラート、特に結晶形S1は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の9つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の12以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含むラマン分光法データを特徴とし得る:3067cm−1(w)、2936cm−1(s)、1668cm−1(m)、1606cm−1(w)、1585cm−1(w)、1446cm−1(w)、1338cm−1(w)、1203cm−1(w)、1123cm−1(w)、1033cm−1(w)、1004cm−1(s)、904cm−1(m)、824cm−1(w)、624cm−1(w)、523cm−1(w)
丸括弧内に示した相対的強度は、好ましくは以下に定義の通りである。「s」=強い(好ましくは相対的ラマン強度≧0.04)、「m」=中程度(好ましくは0.04>相対的ラマン強度≧0.02)、「w」=弱い(好ましくは相対的ラマン強度<0.02)
ラマンまたはFT−ラマンスペクトルは、好ましくは、それぞれの固体材料のための試料ホルダーとしてアルミニウムカップを使用して得られる。
ラマン分光法データは、好ましくはFT−ラマン分光法によって得られる。ラマン分光法データまたはFT−ラマン分光法データは、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.48章に記載の標準技術によって得られる。FT−ラマン−スペクトルの測定のために、好ましくはBruker RFS 100分光計が使用される。FT−ラマンスペクトルは、好ましくはBruker OPUSソフトウェアを使用して、好ましくはベースライン補正される。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2は、あるいはまたはさらには、融解/分解温度>205℃、より好ましくは210±5℃以上の融解/分解℃、特に210±5℃の融解/分解を特徴とし得る。好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2について得られる前記融解/分解温度は、<250℃である。
本明細書に記載の融解/分解温度および/または熱挙動は、好ましくは、DSC(示差走査熱量測定)およびTGA(熱重量分析)によって決定される。DSCおよび/もしくはTGA法または一般に熱分析法ならびにそれらを決定するための適切な装置は、例えば適切な標準技術が記載されている欧州薬局方、第6版、第2.02.34章から当技術分野で公知である。より好ましくは、融解/分解温度または挙動および/または熱分析には、一般に、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.34章に記載の通り、Mettler Toledo DSC 821および/またはMettler Toledo TGA 851が使用される。
熱分析を示すDSCおよびTGA測定(Mettler−Toledo DSC 821、5K/分、窒素パージガス50ml/分;Mettler−Toledo TGA 851、5K/分、窒素パージガス50ml/分)ならびに先に示した融解/分解温度を、図16および図17に示す。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2は、あるいはまたはさらには、粉末X線回折、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの1つまたは複数、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの3つ以上、さらにより好ましくは以下に示す粉末X線ピークの5つ以上、特に以下に示す粉末X線ピークのすべてを含む粉末X線回折パターンを特徴とし得る。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2は、あるいはまたはさらには、粉末X線回折、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの1つまたは複数、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの4つ以上、さらにより好ましくは以下に示す粉末X線ピークの6つ以上、特に以下に示す粉末X線ピークのすべてを含む粉末X線回折パターンを特徴とし得る。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2は、あるいはまたはさらには、粉末X線回折、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの1つまたは複数、より好ましくは以下に示す粉末X線ピークの10以上、さらにより好ましくは以下に示す粉末X線ピークの12以上、特に以下に示す粉末X線ピークのすべてを含む粉末X線回折パターンを特徴とし得る。
結晶形S2の粉末X線ディフラクトグラムを、図18に示す。
PXRDパターンは、以下の斜方晶単位胞(空間群P2)を用いて上手く指数付与することができる:a=9.3Å、b=26.6Å、c=14.7Å(±0.1Å)、V約3600(±10)Å
粉末X線回折、より好ましくは粉末X線回折パターンは、好ましくは本明細書に記載の通り実施し、または決定され、特に欧州薬局方、第6版、第2.9.33章に記載の標準技術によって実施し、または決定され、さらにより好ましくは、パラメータCu−Kα1放射線および/またはλ=1.5406Åを用いて、好ましくはStoe StadiP 611 KL回折計で得られる。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2は、あるいはまたはさらには、単結晶X線構造データ、例えば、好ましくはグラファイトモノクロメーターおよびCCD検出器を備えた回折計で、好ましくはMo Kα放射線を使用して、好ましくは298K±5Kの温度で得られる、さらにより好ましくはグラファイトモノクロメーターおよびCCD検出器を備えたOxford DiffractionのXCalibur回折計で、Mo Kα放射線を使用して約298Kで得られる単結晶X線構造データを特徴とし得る。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の3つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の6つ以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含む赤外分光法データを特徴とし得る:3306cm−1(s)、2968cm−1(m)、1668cm−1(s)、1546cm−1(s)、1395cm−1(m)、1223cm−1(w)、1049cm−1(w)、705cm−1(w)
より好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の6つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の9つ以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含む赤外分光法データを特徴とし得る:3306cm−1(s)、2968cm−1(m)、2872cm−1(m)、1668cm−1(s)、1546cm−1(s)、1452cm−1(w)、1395cm−1(m)、1223cm−1(w)、1086cm−1(w)、1049cm−1(w)、746cm−1(w)、705cm−1(w)
丸括弧内に示した相対的強度は、好ましくは以下に定義の通りである。「s」=強い(好ましくは透過率≦50%)、「m」=中程度(好ましくは50%<透過率≦70%)、「w」=弱い(好ましくは透過率>70%)
IRまたはFT−IRスペクトルは、好ましくは試料調製技術としてKBrペレットを使用して得られる。
IR分光法データは、好ましくはFT−IR分光法によって得られる。IR分光法データまたはFT−IR分光法データは、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.24章に記載の標準技術によって得られる。FT−IR−スペクトルの測定のために、好ましくはBruker Vector 22分光計が使用される。FT−IRスペクトルは、好ましくはBruker OPUSソフトウェアを使用して、好ましくはベースライン補正される。
本明細書に記載の四溶媒和物、特に結晶形S2のFT−IRスペクトルを、図19に示す。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の5つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の8つ以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含むラマン分光法データを特徴とし得る:3068cm−1(w)、2934cm−1(s)、1668cm−1(w)、1606cm−1(w)、1449cm−1(w)、1337cm−1(w)、1204cm−1(w)、1120cm−1(w)、1004cm−1(m)、904cm−1(w)、825cm−1(w)、624cm−1(w)、521cm−1(w)
より好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジメタノラート、特に結晶形S2は、あるいはまたはさらには、好ましくは丸括弧内に示した相対的強度と一緒に、以下に示すバンド位置(±2cm−1)の1つまたは複数、より好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の9つ以上、さらにより好ましくは以下に示すバンド位置(±2cm−1)の12以上、特に以下に示すすべてのバンド位置(±2cm−1)を含むラマン分光法データを特徴とし得る:3068cm−1(w)、2934cm−1(s)、1668cm−1(w)、1606cm−1(w)、1586cm−1(w)、1449cm−1(w)、1337cm−1(w)、1204cm−1(w)、1120cm−1(w)、1033cm−1(w)、1004cm−1(m)、904cm−1(w)、825cm−1(w)、624cm−1(w)、521cm−1(w)
丸括弧内に示した相対的強度は、好ましくは以下に定義の通りである。「s」=強い(好ましくは相対的ラマン強度≧0.04)、「m」=中程度(好ましくは0.04>相対的ラマン強度≧0.02)、「w」=弱い(好ましくは相対的ラマン強度<0.02)
ラマンまたはFT−ラマンスペクトルは、好ましくは、それぞれの固体材料のための試料ホルダーとしてアルミニウムカップを使用して得られる。
ラマン分光法データは、好ましくはFT−ラマン分光法によって得られる。ラマン分光法データまたはFT−ラマン分光法データは、好ましくは欧州薬局方、第6版、第2.02.48章に記載の標準技術によって得られる。FT−ラマン−スペクトルの測定のために、好ましくはBruker RFS 100分光計が使用される。FT−ラマンスペクトルは、好ましくはBruker OPUSソフトウェアを使用して、好ましくはベースライン補正される。
本明細書に記載の四水和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2のFT−ラマンスペクトルを、図20に示す。
好ましくは、本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2は、あるいはまたはさらには、水蒸気および/またはメタノール蒸気を使用する動的水蒸気実験によって特徴付けることができる。その結果は、Rolf Hilfiker、‘Polymorphism in the Pharmaceutical Industry'、Wiley-VCH. Weinheim 2006年(第9章:水蒸気吸着、およびその参考文献)に記載の標準技術によって得ることができる。
本明細書に記載の四溶媒和物、より好ましくは二水和物−ジエタノラート、特に結晶形S2の水蒸気吸着挙動は、第1の脱着サイクルで約6.5wt%の質量損失を示す(エタノール蒸気収着実験において観測されるエタノールの質量増加よりも少ない)。水蒸気吸着すると、格子内の水分子の構築が観測され、高rhでは約6.4wt%の最大重量増加を伴う。第2の脱着サイクルでは、約9.2wt%の総質量損失が観測される。式Idの化合物の二水和物−ジエタノラートについては、算出されるエタノール含量は12.5wt%に等しい。形態S2は、100%エタノール蒸気の雰囲気下で熱力学的に安定な形態であることが示され得る。結晶形S2の水蒸気収着等温線(25℃)(SMS DVS Intrinsic)を、図21に示す。水和物形態から形態S2へのメタノール蒸気収着等温線(25℃)(SMS DVS Intrinsic)を、図22に示す。
したがって、結晶形S2は結晶エタノール溶媒和物形態であり、これは、例えばメタノール蒸気収着、好ましくはエタノール蒸気収着によって、本明細書に記載の水和物、特に本明細書に記載の四水和物、すなわち結晶形S3などの水和物構造で出発して得ることができる。図13に示し先に論じたエタノール蒸気収着曲線から、高いエタノール分圧で約17wt%のエタノールが試料によって取り込まれることがわかる。
本明細書に示され論じられるデータからわかる通り、式Idの化合物の溶媒和物、特に四溶媒和物は、同じ構造様式に基づいて、新しい結晶形のクラス(さらに擬似多形体とも命名され、またはPPと略される)を形成し、この結晶形のクラスは、非常に類似した物理的特性を有し、容易に変換可能であり、好ましくは潜在的にすべての遷移形態が導出可能であり、特に本明細書に記載の擬似多形体間のすべての遷移形態が潜在的に導出可能である。
構造様式の類似性は、図15に示した3つの選択された擬似多形S1、S2およびS3のPXRDパターンの重ね合わせたプロットによってさらに示される。水をメタノールまたはエタノールで置き換えても、単位胞はわずかしか拡大せず、したがって単位胞体積もわずかしか増大しないので、すべての3つの選択された擬似多形は、非常に類似したPXRDパターンを示し、さらには基本的に同じ単位胞をもたらすことがわかる。溶媒のモル体積から予測される通り、このことはメタノール溶媒和物よりもエタノール溶媒和物について顕著である。
アルコール、好ましくはメタノールおよび/またはエタノールの存在下では、本発明の溶媒和物、特に四溶媒和物を含む擬似多形クラス内の相互変換が容易に生じる。アルコール、好ましくはメタノールおよび/またはエタノールは、製造過程において有用な溶媒なので、擬似多形の使用は、好ましくは、良好な結晶化度と組み合わさった有利に高い溶解性を示す、結晶固体状態の修飾形の式Id化合物を得るのに有益である。
擬似多形クラスまたは系中の溶媒和物、特に四溶媒和物は結晶であり、好ましくは、前述の非晶質固体材料と比較してCilengitideホスト構造の損失なしに有利な固体状態の安定性を示す。本明細書に記載の擬似多形体の前記クラスは、驚くべきことに、特に水性媒体への高い溶解性を示すことから、液体製剤の調製に特に有用となる。さらに、多形体の前記クラスは、既に公知の非晶質材料と比較して有利に低い吸湿性を示す。
異なる溶媒における四水和物形態S3の溶解性
低い吸湿性、良好な溶解性および良好な結晶化度の組合せは、非晶質相と比較して優れた特性をもたらす。比較すると、非晶質材料の精製、取扱いおよび処理は、例えば非晶質固体材料の非常に高い吸湿性および安定性の低さに起因して、非常に困難である。
さらに、本発明の擬似多形体および/または無水物は、非晶質相と比較して改善された物理的および/または化学的安定性を示し、好ましくは保存中の例えば加水分解による分解生成物の形成を低減する。本明細書に記載の固体材料、特に本明細書に記載の結晶形のこの改善された加水分解安定性は、従来技術の非晶質材料に普通は存在する微量のイオン性不純物を低減することによって引き起こされると思われる。
結果として、本明細書で論じるすべてのこれらの因子は、本明細書に記載の固体材料、本明細書に記載の結晶形、特に本明細書に記載の溶媒和物および/または無水物の有利に改善された固体状態の安定性の原因になると思われる。
本明細書に記載の固体材料、特に本明細書に記載の1つまたは複数の結晶形は、式Idの化合物を、溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物と接触させるステップによって調製することができる。
したがって、好ましいのは、式Idの化合物を溶媒または溶媒混合物と、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物と接触させるステップと、前記接触から得られた本明細書に記載の固体材料を、前記溶媒または溶媒混合物から単離するステップとを含む、本明細書に記載の固体材料の調製または製造方法、特に本明細書に記載の結晶形の1つまたは複数の調製または製造方法である。
前記溶媒または溶媒からの前記単離は、好ましくは、
i)本明細書に記載の固体材料を、前記溶媒もしくは溶媒混合物から結晶化および/もしくは沈殿させること、ならびに/または
ii)好ましくは濾過もしくは遠心分離などの物理的手段によって、または沈降および/もしくはデカントによって、本明細書に記載の固体材料を前記溶媒から分離させること
によって達成される。
しかし、固体/流体の分離を達成するための複数の分離技術が、当技術分野で公知である。好ましくは、前記分離のためにそれらのいずれか1つを上手く適用することができる。
好ましくは、本明細書に記載の固体材料、特に本明細書に記載の1つまたは複数の結晶形は、本明細書に記載の結晶形の1つもしくは複数を本質的に含まないか、または好ましくは含まない式Idの化合物の固体材料で出発し、次にそれを、溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物と接触させることによって調製され得る。
あるいは好ましくは、本明細書に記載の固体材料、特に本明細書に記載の1つまたは複数の結晶形は、本明細書に記載の結晶形の1つもしくは複数を本質的に含まないか、または好ましくは含まない式Idの化合物の溶液で出発し、次にそれを溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物と接触させるか、あるいは特に本明細書に記載の結晶形の1つもしくは複数を本質的に含まないか、または好ましくは含まないIdの化合物の前記溶液を、前記溶媒または溶媒混合物、好ましくは前記極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物中に移すことによって調製され得る。
一般に、本明細書に記載の固体形態および/または本明細書に記載の結晶形の1つもしくは複数を得るために、前記溶媒もしくは溶媒混合物、好ましくは前記極性および/もしくはプロトン性溶媒もしくは溶媒混合物と接触させた後、または前記溶媒もしくは溶媒混合物、好ましくは前記極性および/もしくはプロトン性溶媒もしくは溶媒混合物との接触の後に、本明細書に記載の固体材料および/または特に本明細書に記載の結晶形の1つもしくは複数を固体状態で得ることができる単離ステップが行われる。
これに関して接触させることまたは接触は、好ましくは「の存在下で」などの最も広範な意味で接触させることを意味する。したがって、前記溶媒または溶媒混合物と接触させることまたは接触の例には、それに限定されるものではないが、前記溶媒もしくは溶媒混合物に溶解し、もしくは部分的に溶解すること、前記溶媒もしくは溶媒混合物に懸濁させること、前記溶媒もしくは溶媒混合物の存在下で撹拌すること、前記溶媒もしくは溶媒混合物と共にもしくはその存在下で研和すること、前記溶媒もしくは溶媒混合物の存在下で静置すること、前記溶媒もしくは溶媒混合物の存在下で加熱すること、前記溶媒もしくは溶媒混合物の存在下で冷却すること、前記溶媒もしくは溶媒混合物から結晶化させ、もしくは再結晶させること、および/または前記溶媒もしくは溶媒混合物から沈殿させることが含まれる。
これに関して接触させることまたは接触の好ましい方法は、好ましくは、前記溶媒もしくは溶媒混合物に溶解し、もしくは部分的に溶解すること、前記溶媒もしくは溶媒混合物の存在下で撹拌すること、前記溶媒もしくは溶媒混合物と共にもしくはその存在下で研和すること、前記溶媒もしくは溶媒混合物の存在下で加熱もしくは冷却、好ましくは加熱すること、前記溶媒もしくは溶媒混合物から結晶化させ、もしくは再結晶させること、および/または前記溶媒もしくは溶媒混合物から沈殿させることからなる群から選択される。
これに関して特に好ましい接触方法は、式Idの化合物および/またはその塩の出発材料を、(第1の)極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物に溶解し、本質的に溶解し、または懸濁させるステップと、好ましくはその後、好ましくは本明細書に記載の固体材料である、前記溶媒または溶媒混合物から形成される生成物を再結晶化させ、結晶化させ、かつ/または沈殿させるステップを含む。好ましくは、形成される生成物の再結晶化、結晶化および/または沈殿は、冷却によって、かつ/またはさらなる(または第2の)溶媒もしくは溶媒混合物、好ましくは異なる極性を有する、より好ましくは接触を開始した(第1の)溶媒もしくは溶媒混合物よりも低い極性を有するさらなる溶媒もしくは溶媒混合物の添加によって誘導され、または容易になる。
これに関してもう1つの特に好ましい接触方法は、前述および/または下記の式Idの化合物の出発材料ならびに極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物のスラリーを形成するステップと、好ましくは本明細書に記載の反応時間および本明細書に記載の反応温度または処理温度で、前記スラリーを撹拌し、かつ/またはかき混ぜるステップとを含む。このことは、好ましくは「スラリー変換」とも呼ばれる。
本明細書に記載の方法および/または過程における使用に適した溶媒および溶媒混合物は、当技術分野で公知である。好ましい溶媒および溶媒混合物は、好ましくは、有機溶媒、水、生理食塩水、緩衝液およびその混合物からなる群から選択される。
用語「極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物」は公知であり、当業者には明らかである。
極性および/またはプロトン性溶媒の例には、それに限定されるものではないが、水、生理食塩水または生理的NaCl溶液、リン酸緩衝液、1〜6個の炭素原子を有するモノオール、ジオールまたはトリオールなどの低級アルコール、アセトンまたはメチルエチル(ethly)ケトンなどの低級ケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、DMF、DMSO等が含まれる。好ましい極性および/またはプロトン性溶媒は、水、生理食塩水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、DMFおよびDMSOからなる群から選択される。
極性および/またはプロトン性溶媒混合物の例には、それに限定されるものではないが、先の所与の極性および/またはプロトン性溶媒の混合物、より好ましくは水と、水以外の先の所与の極性および/またはプロトン性溶媒の1つまたは複数との混合物、生理食塩水または生理的NaCl溶液またはリン酸緩衝液と、先の所与の極性および/またはプロトン性溶媒の1つまたは複数との混合物が含まれる。
好ましい極性および/またはプロトン性溶媒混合物は、水とメタノール、エタノールおよび/またはイソプロパノールとの混合物、メタノール、エタノールおよび/またはイソプロパノールの混合物、アセトンと水および/またはアセトニトリルとの混合物、メタノールとアセトン、アセトニトリルおよび/または水との混合物、ならびにエタノールとアセトン、アセトニトリルとの混合物からなる群から選択され、また好ましくは、水が生理食塩水、生理的NaCl溶液またはリン酸緩衝液で置き換えられている先の所与の混合物から選択される。前記混合物の中でも好ましいのは、所与の溶媒のすべてを含む、好ましくはその2、3または4つから本質的になる混合物である。前記混合物の中でも特に好ましいのは、混合物に含有される溶媒のそれぞれを少なくとも5%、特に少なくとも10%含む混合物である。
これに関して好ましい溶媒および/または溶媒混合物の例は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびその混合物からなる群から選択され、より好ましくは、水、メタノール、エタノールおよびその混合物からなる群から選択される。
本明細書に記載の固体材料の前記製造方法では、式Idの化合物の出発材料は、好ましくは、
a)式Idの化合物の非晶質または本質的に非晶質の材料、
b)式Idの化合物の酸付加塩または塩基付加塩、
c)式Idの化合物の酸付加塩または塩基付加塩の非晶質または本質的に非晶質の固体材料、ならびに
b)好ましくは前記化合物および/またはその塩の合成から得られる、式Idの粗化合物および/またはその酸付加塩もしくは塩基付加塩の溶液
ならびにその混合物からなる群から選択される。
さらに驚くべきことには、本明細書に記載の1個の第1の結晶形は、本明細書に記載の1つまたは複数の他の結晶形に、好ましくは可逆的に転換し得ることが見出された。さらに、本明細書に記載の1つまたは複数の結晶形の1個の第1の混合物は、前記第1の混合物とは異なる本明細書に記載の結晶形の第2の混合物に、または本明細書に記載の純粋なもしくは本質的に純粋な単結晶に転換し得ることが見出された。
したがって、本発明はまた、1つまたは複数の第1の結晶形を含む本明細書に記載の1個の第1の固体材料を、1つまたは複数の第2の結晶形を含む本明細書に記載の第2の固体材料に転換する方法を提供する。この方法は、好ましくは、前述および/または下記の製造方法と同様にして、好ましくは同じ溶媒および/または溶媒混合物を使用し、ただし該方法の出発材料として本明細書に記載の(第1の)固体材料を使用して行うことができる。
したがって、好ましいのは、
a)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその酸付加塩もしくは塩基付加塩を、溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物と接触させるステップと、
b)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内部塩を、極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物から沈殿および/または結晶化させるステップと、
c)任意選択により、本発明の固体材料を単離するステップと
を含む、本明細書に記載の固体材料の製造または転換方法、好ましくは製造方法である。
前記転換方法では、ステップa)で使用される出発材料は、好ましくは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を内塩として含有する本明細書に記載の(第1の)固体形態であり、ステップb)で得られ、任意選択によりステップc)に従って単離される本明細書に記載の固体材料は、本明細書に記載の(第2の)異なる固体材料である。好ましくは、本明細書に記載の第1の固体材料と、本明細書に記載の第2の異なる固体材料との差異は、前記第2の固体材料に含有される結晶形の量、前記固体形態に含有される結晶形の選択、または前記固体材料に含有される結晶形の比である。
前記製造方法では、ステップa)で使用される出発材料は、好ましくは、
i)本明細書に記載の固体形態とは異なる、式Idの化合物の固体形態、
ii)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその酸付加塩もしくは塩基付加塩の溶液(この溶液は、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の粗生成物溶液であるか、またはその合成から得られ、より好ましくは直接的に得られる)、ならびに/あるいは
iii)本明細書に記載の固体形態とは異なる式Idの化合物の固体形態を溶解することによって得られる溶液
から選択される。
したがって、好ましいのは、
a)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の酸付加塩または塩基付加塩を、極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物と接触させるステップと、
b)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内部塩を、極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物から沈殿および/または結晶化させるステップと、
c)任意選択により、本発明の固体材料を単離するステップと
を含む、本明細書に記載の固体材料の製造方法である。
前記製造および/または転換方法では、ステップa)、b)および/またはc)は、好ましくは5.5〜8の範囲のpH値、より好ましくは6〜7.5の範囲のpH値、より好ましくは6.5〜7.2の範囲のpH値、特に6.7〜6.9の範囲のpH値、例えば約6.8のpH値で実施される。より好ましくは、a)、b)およびc)から選択されるステップの2つ以上が、先に示したpH値で実施され、特にすべてのステップa)、b)およびc)が、先に示したpH値で実施される。a)、b)およびc)から選択されるステップの1つまたは複数を先に示したpH値で実施することは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の酸付加塩もしくは塩基付加塩を、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩に変換し、または前記方法においてシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩を維持もしくは安定化するのに有利である。
前記製造および/または転換では、ステップa)、b)および/またはc)は、好ましくは、およそ等電条件下で実施される。より好ましくは、a)、b)およびc)から選択されるステップの2つ以上が、およそ等電条件下で実施され、特にすべてのステップa)、b)およびc)が、およそ等電条件下で実施される。a)、b)およびc)から選択されるステップの1つまたは複数をおよそ等電条件下で実施することも、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の酸付加塩もしくは塩基付加塩を、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩に変換し、または前記方法においてシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩を維持もしくは安定化するのに有利である。
前記製造および/または転換方法では、ステップa)、b)および/またはc)は、好ましくは、−20℃〜+200℃の範囲、より好ましくは−5℃〜+150℃の範囲、さらにより好ましくは+5℃〜+110℃の範囲、特に+10℃〜+100℃の範囲の温度で実施され、例えば、およそ室温(約25℃)、約50℃または約75℃または約100℃で実施される。
一般に、より高い温度は、本明細書に記載の製造方法および/または転換方法を加速する傾向がある。
一般に、所与の温度範囲の最高温度は、本明細書に記載の無水物の形成を促進する傾向がある。
一般に、所与の温度範囲の最低温度は、本明細書に記載の溶媒和物の形成を促進する傾向がある。
本明細書に記載の固体材料の製造方法および/または本明細書に記載の固体材料の変換もしくは転換方法および/または本明細書に記載の形態の結晶化方法では、処理時間または「反応時間」、すなわち接触、沈殿、結晶化および/または単離が好ましく行われる期間は、一般に5分〜4週間である。先の所与の時間中、式Idの化合物の分解は、特に本明細書に記載の好ましい方法パラメータまたは方法条件以内では非常にわずかしか、または全く起こらないので、前記処理時間は、好ましくは本明細書に記載の方法にとってそれほど決定的な因子ではない。さらに該方法の生成物、すなわち本明細書に記載の固体材料は、それが形成される条件下では一般に安定である。
したがって処理時間は、好ましくは10分〜3週間、より好ましくは15分〜1週間、より好ましくは30分〜72時間、特に1時間〜48時間の範囲である。
本明細書に記載の無水物の形成または変換、好ましくは形成のための、特に結晶形A1の形成のための処理時間は、好ましくは1時間〜3週間の範囲、より好ましくは1時間〜2週間の範囲、特に1時間〜72時間の範囲である。
本明細書に記載の溶媒和物、より好ましくは本明細書に記載の四溶媒和物、さらにより好ましくは1つまたは複数の結晶形S1、S2および/またはS3の形成または変換、好ましくは形成のための、特に結晶形S1の形成のための処理時間は、好ましくは5分〜3週間の範囲、より好ましくは5分〜1週間の範囲、さらにより好ましくは5分〜48時間の範囲、特に10分〜24時間の範囲である。
一般に、前記方法の最中に低温であるほど、当技術分野で公知の通り処理時間が長くなる。
一般に、水、メタノールおよび/またはエタノールならびにその混合物は、ステップa)、b)および/またはc)、特にステップa)、b)およびc)において使用するのに好ましい極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物である。
前記製造および/または転換方法では、ステップa)、b)および/またはc)、好ましくはa)、b)およびc)の溶媒は、水、メタノールまたはエタノールから本質的になる。
好ましくは、同じまたは本質的に同じ溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物が、方法ステップa)、b)およびc)で使用される。
一般に、好ましくはメタノール、エタノールおよびイソプロパノールから選択される、より好ましくはメタノールおよびエタノールから選択される1つまたは複数のアルコールを少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、特に少なくとも20重量%含有する、ステップa)、b)および/またはc)の溶媒または溶媒混合物の使用は、本明細書に記載の溶媒和物の形成を促進する。
より具体的には、
i)メタノールおよびエタノールからなる群から選択される少なくとも1つのアルコールを5〜90重量%、ならびに
ii)水を10〜95重量%
含む、ステップa)、b)および/またはc)の溶媒混合物の使用は、好ましくは本明細書に記載の溶媒和物の形成を促進する。
さらにより具体的には、
i)好ましくはメタノールおよびエタノールからなる群から選択される少なくとも1つのアルコールを5〜50重量%、特に10〜60重量%、ならびに
ii)水を50〜95重量%、特に40〜90重量%
含む、ステップa)、b)および/またはc)の溶媒混合物の使用は、好ましくは本明細書に記載の溶媒和物の形成を促進する。
したがって、好ましいのは、ステップa)、b)および/またはc)の溶媒または溶媒混合物が、
i)メタノールおよびエタノールからなる群から選択される少なくとも1つのアルコールを5〜90重量%、好ましくは5〜50重量%、ならびに
ii)水を10〜95重量%、好ましくは50〜95重量%
含む、本明細書に記載の固体材料、好ましくは本発明の溶媒和物、特に本明細書に記載の1つまたは複数の四溶媒和物の、前述および/または下記の製造方法である。
したがって、好ましいのは、ステップa)、b)および/またはc)の溶媒が、水、メタノールおよびエタノールから本質的になる、より好ましくは水から本質的になる、本明細書に記載の固体材料、好ましくは本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1の、前述および/または下記の製造方法である。
したがって、好ましいのは、ステップa)、b)および/またはc)が、+40℃を超える温度、より好ましくは+50°以上の温度、特に+60°以上の温度で実施される、本明細書に記載の固体材料、好ましくは本明細書に記載の無水物、特に結晶形A1の、前述および/または下記の製造方法である。
本明細書に記載の溶媒和物、特に四溶媒和物の形成に好ましい方法パラメータの中でも、所与の範囲の最低値のアルコール含量および/または所与の範囲の最高値の含水量は、本明細書に記載の水和物の形成を促進する。あるいは、所与の範囲の最高値のアルコール含量および/または所与の範囲の最低値の含水量は、アルコール溶媒和物の形成を促進する。
これに関して特に好ましい溶媒和物は、好ましくは四水和物、メタノール溶媒和物およびエタノール溶媒和物、ならびにその混合形態から選択される、さらにより好ましくは四水和物、メタノール溶媒和物S1およびエタノール溶媒和物S2、特に四水和物S3から選択される四溶媒和物である。
したがって、本明細書に記載の固体材料の好ましい一製造方法は、
i)式Idの化合物の非晶質材料または本質的に非晶質の材料を、溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物、好ましくは本明細書に記載の溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物から結晶化または再結晶化させるステップと、任意選択により
ii)こうして得られた本明細書に記載の固体材料を、固体/流体分離技術、好ましくは本明細書に記載の固体/流体分離技術、特に濾過によって、前記溶媒または溶媒混合物から単離するステップと
を含むか、または好ましくはそれから本質的になる。
したがって、本明細書に記載の第1の固体材料を、本明細書に記載の第2の固体材料に転換するための好ましい一方法は、
a)本明細書に記載の第1の固体材料を、溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物、好ましくは本明細書に記載の溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物から沈殿、結晶化または再結晶化させるステップと、任意選択により
b)こうして得られた第2の本明細書に記載の固体材料を、固体/流体分離技術、好ましくは本明細書に記載の固体/流体分離技術、特に濾過によって、前記溶媒または溶媒混合物から単離するステップと
を含むか、または好ましくはそれから本質的になる。
化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の合成では、前記合成の最終生成物または粗生成物は、多くの場合、化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の酸付加塩または塩基付加塩、好ましくは化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の酸付加塩、例えば、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の塩酸塩(=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)×HCl)、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)のトリフルオロ酢酸塩(=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)×TFA)、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の硫酸塩(=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)×SO、またはより具体的にはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)×0.5SO)、またはその混合物である。
したがって、本明細書に記載の固体材料の製造方法の好ましい例は、酸付加塩または塩基付加塩、好ましくは酸付加塩の形態の前記粗生成物から出発する。
したがって、好ましいのは、
a)化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の酸付加塩または塩基付加塩、好ましくは酸付加塩を、極性および/またはプロトン性溶媒または固体混合物と、好ましくは本明細書に定義の通り、好ましくは前記塩を前記溶媒に溶解および/または懸濁させることによって接触させるステップと、
b)前記塩を、好ましくはpH値を調節することによって、化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の遊離塩基または好ましくは内部塩に変換するステップと、
c)こうして得られた本明細書に記載の固体材料を、前記溶媒または溶媒混合物から結晶化および/または沈殿させ、任意選択により単離するステップと
を含む、本明細書に記載の固体材料の製造方法である。
したがって、より好ましいのは、
a)化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の酸付加塩または塩基付加塩、好ましくは酸付加塩を、水から本質的になるまたは水からなる溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物と、好ましくは前記塩を前記溶媒に溶解および/または懸濁させることによって接触させるステップと、
b)前記塩を、好ましくはpH値を調節することによって、化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の遊離塩基または好ましくは内部塩に変換するステップと、
c)こうして得られた本明細書に記載の固体材料を、前記溶媒または溶媒混合物から好ましくは結晶化および/または沈殿させ、任意選択により単離するステップと
を含む、本明細書に記載の固体材料の製造方法である。
この方法は、本明細書に記載の無水物から本質的になるか、または好ましくはそれからなる、特に結晶形A1から本質的になるか、または好ましくはそれからなる本明細書に記載の固体材料の製造に有利である。
したがって、好ましいのは、
a)化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の酸付加塩または塩基付加塩、好ましくは酸付加塩を、極性および/またはプロトン性溶媒または溶媒混合物と、好ましくは前記塩を前記溶媒または溶媒混合物に溶解および/または懸濁させることによって接触させるステップと(前記溶媒または溶媒混合物は、水、ならびに60〜99.9重量%の水と0.1〜40重量%の、好ましくはメタノールおよびエタノールから選択される少なくとも1つのアルコールとの混合物から選択され、より好ましくは前記溶媒または溶媒混合物は水である)、
b)前記塩を、好ましくはpH値を調節することによって、化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の遊離塩基または好ましくは内部塩に変換するステップと、
c)得られる溶媒混合物中の水とアルコールの重量比が約1:1〜約1:9になるまで、好ましくはアルコール、好ましくはメタノールおよび/またはエタノールを前記溶媒または溶媒混合物に添加することによって、こうして得られた本明細書に記載の固体材料を結晶化および/または沈殿させ、任意選択により前記固体材料を前記得られた溶媒混合物から単離するステップと
を含む、本明細書に記載の固体材料の製造方法である。
この方法は、本明細書に記載の溶媒和物から本質的になるか、または好ましくはそれからなる、特に結晶形S1、S2およびS3の1つまたは複数から本質的になるか、または好ましくはそれからなる本明細書に記載の固体材料の製造に有利である。
好ましい溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または固体混合物、調節されるpH値ならびに前述の方法の温度は、本明細書に示され論じられている。
本明細書に記載の固体材料の製造方法または本明細書に記載の1つもしくは複数の結晶形の転換変換方法の好ましいパラメータは、以下のスラリー変換実験について以下のグラフに図示した結果によって表される。
好ましい溶媒または溶媒混合物、好ましくは極性および/またはプロトン性溶媒または固体混合物、調節されるpH値ならびに前述の方法の温度は、本明細書に示され論じられている。
本明細書に記載の固体材料の製造方法または本明細書に記載の1つもしくは複数の結晶形の転換変換方法の好ましいパラメータは、以下のスラリー変換実験について以下のグラフに図示した結果によって表される。
以下に示す2つの図の第1の組は、それぞれの混合物におけるメタノール含量およびそれぞれの処理時間、すなわち1日後および3週間後の関数としての、MeOH/水の混合物中におけるRT(25℃)での競合するスラリーのパラメータおよび結果を示す。
さらなるPXRD調査に基づくと、競合するスラリーから得られた残渣は、水およびメタノールを含む溶媒和物であることが示された。したがって、後にその残渣をS3の代わりにS1と命名した。
以下に示す2つの図の第2の組は、それぞれの混合物におけるエタノール含量およびそれぞれの処理時間、すなわち1日後および3週間後の関数としての、EtOH/水の混合物中におけるRT(25℃)での競合するスラリーのパラメータおよび結果を示す。
さらなるPXRD調査に基づくと、競合するスラリーから得られた残渣は、水およびエタノールを含む溶媒和物であることが示された。したがって、後にその残渣をS2の代わりにS1と命名した。
特に好ましい製造方法、転換または変換方法、ならびにさらに好ましい温度、溶媒、溶媒混合物、反応時間、出発材料および/またはさらなる方法パラメータを、例に示す。したがって例は、本発明の説明および/または特許請求の範囲と一緒に、本発明をその全容において実施するための十分な指針を提供する。しかし諸方法、特に方法パラメータは、個々に、またこれらの方法および/またはパラメータの1つまたは複数と組み合わせて例から引用することができ、本説明および/または特許請求の範囲における開示と一緒に使用することができる。
したがって、好ましいのは、オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドが、格子定数a=9.8±0.5Å、b=19.5±1.0Åおよびc=15.4±0.5Åを有する結晶学的単位胞を有する多形体の固体シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)であるか、またはそれを含む。
[20]したがって、好ましいのは、オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドが、格子定数a=9.8±0.1Å、b=19.5±0.5Åおよびc=15.4±0.1Åを有する結晶学的単位胞を有する多形体の固体シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)であるか、またはそれを含む、本明細書に記載の、または段落番号[1]〜[19]の1つもしくは複数および/またはそれに関係する段落に記載の組成物である。
好ましくは、前記組成物は、含有される固体シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、さらにより好ましくは40%、さらにより好ましくは60%以上、さらにより好ましくは80%以上、特に90%以上を格子定数a=9.8±0.5Å、b=19.5±1.0Åおよびc=15.4±0.5Åを有する結晶学的単位胞を有する多形体として含む。
好ましくは、前記組成物は、含有される固体シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、さらにより好ましくは40%、さらにより好ましくは60%以上、さらにより好ましくは80%以上、特に90%以上を格子定数a=9.8±0.1Å、b=19.5±0.5Åおよびc=15.4±0.1Åを有する結晶学的単位胞を有する多形体で含む。
先の4つの段落の1つまたは複数に記載の格子定数を有する結晶学的単位胞を有する多形体の前記固体シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)はまた、好ましくは、A1、形態A1、固体形態A1、結晶形A1および/または多形A1と呼ばれる。
[21]好ましいのは、
a)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Val)またはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩を20〜40%、
b)本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[13]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の1つまたは複数の両親媒性化合物を0.01〜10%、
c)水、ならびに任意選択により
d1)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分を0〜20%、ならびに/あるいは
d2)b)およびc)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を0〜20%
含み、
ただし、a)、b)、c)、d1)およびd2)の合計が、組成物の最大99%、99.9%または100%になる、本明細書に記載の、または段落番号[1]〜[20]の1つもしくは複数および/またはそれに関係する段落に記載の組成物である。
より好ましいのは、
a)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Val)またはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩を20〜40%、
b)ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルグリセロホスホグリセロールおよびその混合物、ならびにそのアルカリ塩から選択される1つまたは複数の両親媒性化合物を0.01〜10%、
c)水、ならびに任意選択により
d1)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分を0〜20%、好ましくは0〜10%、特に0.01〜5%、ならびに/あるいは
d2)b)およびc)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を0〜20%、好ましくは0.01〜20%、より好ましくは0.1〜10%、さらにより好ましくは0.1〜5%
含み、
ただし、a)、b)、c)、d1)およびd2)の合計が、組成物の最大99%、99.9%または100%になる、明細書に記載の組成物である。
好ましくは、前記組成物は、a)の化合物以外の薬学的に活性な成分を含まないか、または本質的に含まない。
前記組成物において好ましくは、b)およびc)の化合物以外の薬学的に許容される添加剤は、等張化剤および保存剤、好ましくは本明細書に記載の等張化剤および保存剤から選択される。
[22]好ましいのは、
a)懸濁しているか、または懸濁可能な形態の固体シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Val)またはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩を12〜60%、
b)本明細書に記載の、特に段落番号[1]〜[13]の1つまたは複数に記載の、好ましくはそれに関係する段落にも記載の1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物を0.01〜60%、ならびに
c)水を0〜89.99%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大80%以上、好ましくは90%以上、特に90〜100%になる、本明細書に記載の、または段落番号[1]〜[21]の1つもしくは複数および/またはそれに関係する段落に記載の組成物である。
[23]好ましいのは、1つまたは複数の両親媒性化合物と1つまたは複数のオリゴペプチドとのモル比が、0.0001〜1の範囲、より好ましくは0.001〜0.5の範囲、特に0.002〜0.1の範囲、例えば約0.001、約0.002、約0.0025、約0.005、約0.01、約0.05、約0.1または約0.5である、本明細書に記載の、または段落番号[1]〜[22]の1つもしくは複数および/またはそれに関係する段落に記載の組成物である。
したがって、特に好ましいのは、1つまたは複数の両親媒性化合物と1つまたは複数のオリゴペプチドとのモル比が、0.0001〜0.05の範囲、好ましくは0.0005〜0.05の範囲、特に0.001〜0.05の範囲である、本明細書に記載の組成物である。
特に好ましいのは、
a)20℃で6〜10mg/mlの水溶性を有する、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、より好ましくは本明細書に記載の多形A1のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を15〜40%、好ましくは25〜35%、
b)ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、より好ましくはジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)ナトリウム塩を0.01〜3%、好ましくは0.05〜1%、特に0.1〜1%、
c)本明細書に記載の1つまたは複数の等張化剤、好ましくはNaClを0.1〜3%、好ましくは0.5〜2%、特に0.5〜1.5%、
d)本明細書に記載の1つまたは複数の薬学的に許容される保存剤、より好ましくは本明細書に記載の1つの薬学的に許容される保存剤を0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%、特に0.001〜1%、
e)1つまたは複数のさらなる薬学的に許容される添加剤を0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%、特に0.001〜1%、および
f)水を44〜84.89%、より好ましくは水を100%までの残部
含む、またはそれから本質的になり、
ただし、好ましくは、a)、b)、c)、d)、e)およびf)の合計が、最大99%、さらにより好ましくは最大100%になる、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含有する、好ましくは懸濁液の形態の組成物である。これに関して百分率は、好ましくはw/v%およびw/w%から選択され、より好ましくはw/w%である。これに関して、1つまたは複数のさらなる薬学的に許容される添加剤は、好ましくは、本明細書に記載の親油性および/または両親媒性化合物以外である。これに関して、1つまたは複数の薬学的に許容される保存剤は、好ましくは、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、クロロブタノール、クレゾール、メチルパラベン、フェノール、プロピルパラベン、ブチルパラベン、チメロサール、安息香酸ナトリウムおよび硝酸フェニル水銀から、より好ましくはベンジルアルコール、クロロブタノール、クレゾール、メチルパラベン、フェノール、プロピルパラベン、ブチルパラベンおよびチメロサールから、さらにより好ましくはフェノール、クロロブタノール、クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびチメロサールから選択される。
あるいは好ましいのは、
a)20℃で1mg/ml〜15mg/ml、好ましくは3mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜10mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、固体粒子の形態の少なくとも1つのオリゴペプチド、好ましくは少なくとも1つの環状オリゴペプチドを5〜15%、
b)200g/mol〜2000g/mol、好ましくは300g/mol〜1500g/mol、より好ましくは500g/mol〜1000g/mol、特に700g/mol〜900g/molの範囲のモル重量を有する、1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物を0.001〜50%、好ましくは0.005〜40%、より好ましくは0.01〜30%、特に0.01〜10%、ならびに任意選択により
c)水を0〜94.999%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大40%以上、好ましくは50パーセント以上、より好ましくは70パーセント以上、さらにより好ましくは90パーセント以上、特に95パーセント以上になる組成物、好ましくは医薬組成物である。
より好ましいのは、
a)20℃で1mg/ml〜15mg/ml、好ましくは3mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜10mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、固体粒子の形態の少なくとも1つのオリゴペプチド、好ましくは少なくとも1つの環状オリゴペプチド、より好ましくは本明細書に記載の少なくとも1つのオリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドを5〜15%、好ましくは6〜12%、好ましくは8〜12%、特に10〜12%、
b)1つまたは複数の両親媒性化合物を0.001〜25%、好ましくは0.005〜15%、より好ましくは0.01〜10%、特に0.01〜5%、
c)水を40〜94.999%、好ましくは50〜94.999%、より好ましくは60〜94.99%、さらにより好ましくは84.999〜94.999%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、特に95〜99.9%になる、本明細書に記載の、特に先の段落に記載の組成物である。
さらにより好ましいのは、1つまたは複数の両親媒性化合物が、
b1)ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールの脂肪酸モノ−、ジ−またはポリエステル、ならびにその誘導体、塩および/またはアルコラート、ならびに
b2)ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールの脂肪アルコールモノ−、ジ−またはポリエーテル、ならびにその誘導体、塩および/またはアルコラート
から選択される、先の2つの段落の1つまたは複数に記載の組成物である。
さらにより好ましいのは、両親媒性化合物および/またはポリホスファチジル−ポリオールの脂肪酸ジ−もしくはポリエステルが、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルグリセロホスホコリン、ジパルミトイルグリセロホスホグリセロール、ジステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、卵ホスファチジルコリンおよび大豆ホスファチジルコリン、より好ましくはジオレオイルホスファチジルグリセロールおよび/またはジミリストイルホスファチジルグリセロール、特にジミリストイルホスファチジルグリセロール、
ならびに薬学的に許容されるその誘導体、塩および/またはアルコラートからなる群から選択される、先の3つの段落の1つまたは複数に記載の組成物である。
さらにより好ましいのは、前記オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドが、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の無水物およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)内塩の結晶形A1から選択され、好ましくは20℃で1mg/ml〜15mg/ml、好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する、先の4つの段落の1つまたは複数に記載の組成物である。
したがって、20℃で1mg/ml〜25mg/ml、好ましくは2mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは2mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは5mg/ml〜15mg/ml、さらにより好ましくは3mg/ml〜10mg/ml、さらにより好ましくは6mg/ml〜10mg/ml、特に5mg/ml〜9mg/mlの水溶性を有する前記オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドは、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の無水物、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の結晶無水物、およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)内塩の結晶形A1から選択される。したがって、前記オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドは、好ましくは結晶形A1を含み、それから本質的になり、またはそれからなる。
したがって、やはり好ましいのは、
a)20℃で6〜10mg/mlの水溶性を有する、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、より好ましくは本明細書に記載の多形A1のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を5〜15%、好ましくは6〜12%、好ましくは8〜12%、特に10〜12%、
b)ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、より好ましくはジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)ナトリウム塩を0.005〜2%、好ましくは0.001〜1%、特に0.05〜1%、
c)本明細書に記載の1つまたは複数の等張化剤、好ましくはNaClを0.1〜3%、好ましくは0.5〜2%、特に0.5〜1.5%、
d)本明細書に記載の1つまたは複数の薬学的に許容される保存剤、より好ましくは本明細書に記載の1つの薬学的に許容される保存剤を0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%、特に0.001〜1%、
e)1つまたは複数のさらなる薬学的に許容される添加剤を0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%、特に0.001〜1%、ならびに
f)水を70〜94.895%、より好ましくは水を100%までの残部
含む、またはそれから本質的になり、
ただし、好ましくは、a)、b)、c)、d)、e)およびf)の合計が、最大99%、さらにより好ましくは最大100%になる、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含有する懸濁液の形態の組成物である。これに関して百分率は、好ましくはw/v%およびw/w%から選択され、より好ましくはw/w%である。これに関して、1つまたは複数のさらなる薬学的に許容される添加剤は、好ましくは、本明細書に記載の親油性および/または両親媒性化合物以外である。これに関して、1つまたは複数の薬学的に許容される保存剤は、好ましくは、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、クロロブタノール、クレゾール、メチルパラベン、フェノール、プロピルパラベン、ブチルパラベン、チメロサール、安息香酸ナトリウムおよび硝酸フェニル水銀から、より好ましくはベンジルアルコール、クロロブタノール、クレゾール、メチルパラベン、フェノール、プロピルパラベン、ブチルパラベンおよびチメロサールから、さらにより好ましくはフェノール、クロロブタノール、クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびチメロサールから選択される。
組成物が、2つ以上の両親媒性化合物および/または1つもしくは複数のオリゴペプチドを含有する場合、モル比は、好ましくは、それぞれすべての含有されるオリゴペプチドのモル量および/またはすべての含有される両親媒性化合物の量の間の比である。
組成物が、それぞれのクラスの化合物の2つ以上の化合物、例えば2つ以上の両親媒性化合物および/または1つもしくは複数のオリゴペプチドを含有する場合、本明細書に示した百分率は、好ましくは、それぞれのクラスの化合物の総量、すなわちそれぞれすべての含有されるオリゴペプチドの総量およびすべての含有される両親媒性化合物の総量に関する。同じことが、本発明の組成物に含有される他のクラスの化合物についても当てはまる。
好ましくは、本発明の組成物、特に本発明の医薬組成物は、皮下(s.c.)投与および/または筋肉内(i.m.)投与に合った組成物である。これに関して投与は、好ましくは、前記組成物を哺乳動物、好ましくはヒト哺乳動物、さらにより好ましくは患者、特にヒト患者に投与することに関する。これに関して皮下投与または皮下は、好ましくはそれぞれs.c.投与またはs.c.とも略され、これに関して筋肉内投与または筋肉内は、好ましくはi.m.投与またはi.m.と略される。
本明細書に定義のb)の親油性化合物を含む本発明の組成物、特に本明細書に定義のb)の親油性化合物を主にまたは排他的に含むが、好ましくは本明細書に定義のb)の両親媒性化合物を含有しないか、またはごく少量含有する組成物は、筋肉内投与のための医薬組成物として好ましい。
本明細書に定義のb)の両親媒性化合物を含む本発明の組成物、特に本明細書に定義のb)の両親媒性化合物を主にまたは排他的に含むが、好ましくは本明細書に定義のb)の親油性化合物を含有しないか、またはごく少量含有する組成物は、皮下投与のための医薬組成物として好ましい。
さらに本発明の好ましい目的は、本明細書に記載の組成物の製造方法である。
[24]好ましくは、本明細書に記載の、または段落番号[1]〜[23]の1つもしくは複数および/またはそれに関係する段落に記載の組成物の製造方法は、以下の、
i)水に1つまたは複数の両親媒性化合物を可溶化するステップと、
ii)1つまたは複数のオリゴペプチドを、i)で得られた混合物または溶液、好ましくは溶液に添加するか、または好ましくは懸濁させるステップと、任意選択により
iii)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分、ならびに/あるいは水および1つまたは複数の両親媒性化合物以外の1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を添加するステップ
の1つまたは複数、好ましくは2つ以上を含み、より好ましくは所与のすべてのステップを含む。
さらにより好ましくは、本明細書に記載の組成物の製造方法は、以下の、
i)水に1つまたは複数の両親媒性化合物を可溶化するステップと、
ii)1つまたは複数のオリゴペプチドを、i)で得られた混合物または溶液、好ましくは溶液に添加するか、または好ましくは懸濁させるステップと、任意選択により
iii)等張化剤および保存剤からなる群から選択される1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を添加するステップと、その後任意選択により
iv)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分を添加するステップ
の1つまたは複数、好ましくは2つ以上を含み、より好ましくは所与のすべてのステップを含む。
好ましくは、安定な粒径および/または粒径分布が得られるまで、ステップii)、iii)および/またはiv)に従って得られた混合物を混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜる。
好ましくは、先の所与の方法のステップの2つ以上は、先の所与の順序で実施される。
好ましくは、本明細書に記載の組成物の代替の製造方法は、以下の、
i)1つまたは複数のオリゴペプチドを、1つまたは複数の親油性化合物と接触させるステップと、任意選択により
ii)好ましくは安定な粒径および/または粒径分布が得られるまで、ステップi)の混合物を混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜるステップと、ならびに/あるいは
iii)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分、ならびに/あるいは水および1つまたは複数の両親媒性化合物以外の1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を添加するステップ
の1つまたは複数、好ましくは2つ以上を含み、より好ましくは所与のすべてのステップを含む。
さらにより好ましくは、本明細書に記載の組成物の製造方法は、以下の、
i)1つまたは複数のオリゴペプチドを、1つまたは複数の親油性化合物と接触させるステップと、任意選択により
ii)好ましくは安定な粒径および/または粒径分布が得られるまで、ステップi)の混合物を混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜるステップと、任意選択により
iii)等張化剤および保存剤からなる群から選択される1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を添加するステップと、その後任意選択により
iv)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分を添加するステップ
の1つまたは複数、好ましくは2つ以上を含み、より好ましくは所与のすべてのステップを含む。
好ましくは、先の所与の方法のステップの2つ以上は、先の所与の順序で実施される。
有利には、オリゴペプチド、好ましくは固体オリゴペプチド、特に固体粒子オリゴペプチドは、好ましくは分解され(好ましくは自然発生的な分解または自己分解)またはさらに好ましくは微粒子化されて(好ましくは自然発生的な微粒子化または自己微粒子化)、親油性化合物と、または好ましくは水の存在下で両親媒性化合物との接触時に懸濁するか、または懸濁可能な粒子をもたらす。一般に、混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜることによって、この過程は加速される。
ステップi)で水に1つもしくは複数の両親媒性化合物を可溶化し、ステップii)で1つもしくは複数のオリゴペプチドを添加するか、もしくは好ましくは懸濁させ、および/またはステップiii)でさらなる化合物を添加するための手段は、有利にはそれぞれのステップでそれぞれの化合物を混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜることによって実施され得る。
好ましくは、混合、撹拌および/またはかき混ぜは、1つまたは複数の反応ステップが完了した後、好ましくはすべての反応ステップが完了した後も継続される。一般に、混合、撹拌および/またはかき混ぜは、安定な懸濁液および/または懸濁液中の安定な粒径分布が得られるまで継続される。混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜる時間は、主に固体オリゴペプチドのそれぞれの粒径に依存して決まる。したがって、オリゴペプチドの粗粒子から出発すると、一般に、処理時間および/または混合し、撹拌し、かつ/もしくはかき混ぜる時間はより長くなり、オリゴペプチド微粒子または微粉化オリゴペプチドから出発すると、処理時間および/または混合し、撹拌し、かつ/もしくはかき混ぜる時間はより短くなり、あるいは一般に、混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜる必要性が低減される。
したがって混合、撹拌および/またはかき混ぜは、1〜96時間、好ましくは1〜72時間、より好ましくは1〜48時間、さらにより好ましくは2〜72時間、特に2〜48時間継続される。さらにより好ましくは、混合、撹拌および/またはかき混ぜは、2〜96時間、好ましくは2〜72時間、より好ましくは2〜48時間、さらにより好ましくは3〜72時間、特に3〜48時間継続される。
一般に、1つまたは複数の反応ステップの完了後の、好ましくは混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜる時間を含む本発明の組成物の製造方法には、1〜100時間、好ましくは1〜80時間、より好ましくは1〜56時間、さらにより好ましくは2〜78時間、特に2〜56時間の処理時間がかかる。
したがって、既に微粉化されたオリゴペプチドから出発すると、処理時間、特に混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜる時間は、1〜24時間、より好ましくは1〜12時間、より好ましくは2〜12時間、さらにより好ましくは2〜8時間、特に3〜6時間の範囲、例えば約3時間、約4時間、約5時間または約6時間になる。
したがって、オリゴペプチドの粗粒子から出発すると、処理時間、特に混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜる時間は、3〜96時間、より好ましくは4〜72時間、より好ましくは6〜48時間、さらにより好ましくは8〜48時間、特に10〜48時間の範囲、例えば約3時間、約4時間、約5時間または約6時間になる。
したがって、好ましいのは、これらのステップの1つまたは複数、好ましくは2つ以上、特に3つまたは4つが、それぞれのステップでそれぞれの化合物を混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜることを含む、本明細書に記載の、特に段落番号[24]、好ましくはそれに関係する段落にも記載の方法である。
好ましくは、オリゴペプチドは、該方法において固体形態、好ましくは固体粒子形態、さらにより好ましくは固体結晶粒子形態で使用される。さらにより好ましくは、オリゴペプチドは、該方法において製粉された、またはさらにより好ましくは微粉化された形態で使用される。
一般に、本発明の方法は、室温(20℃または25℃、好ましくは20℃)などの常温、または高温、好ましくは常温または中程度の高温で実施される。本発明の中程度の高温は、好ましくは25℃〜80℃、より好ましくは30℃〜60℃、特に30℃〜50℃の範囲、例えば約30℃、約40℃または約50℃である。
好ましくは、該方法ステップの1つだけ、または1つもしくは2つだけが高温で、さらにより好ましくは中程度の高温で実施される。
本方法で使用される両親媒性化合物の物理的特性に応じて、高温、より好ましくは本明細書に記載の中程度の高温で、水に1つまたは複数の両親媒性化合物を可溶化するステップを実施することが有利になり得る。さらにより好ましくは、このステップだけが中程度の高温で実施される。
[26]本発明の好ましい目的は、本明細書に記載の、特に段落番号[25]にも記載の、好ましくはそれに関係する段落、特に例1〜9または1〜15の1つまたは複数に記載の方法によって得られる組成物である。
したがって、本発明の好ましい目的は、例1〜9または1〜15の1つまたは複数に記載の方法によって得られる組成物である。
それぞれのステップで化合物を添加し、混合し、撹拌し、かつ/またはかき混ぜるための手段は、当技術分野で公知である。
本発明の製造方法を、例においてさらに詳細に説明する。
もう1つの本発明の好ましい目的は、本明細書に記載の組成物に相当するが、水または他の溶媒を含まないか、または本質的に含まない粉末、好ましくは流動性および/または再構成可能な粉末である。好ましくは、かかる粉末は、水を含有し、かつ/または本明細書に記載の組成物の製造方法によって、前記組成物から水および/もしくは他の溶媒の量を低減するための当技術分野で公知の、または水および/もしくは他の溶媒を除去するための当技術分野で公知の適切なステップによって得られる本明細書に記載の組成物から得ることができる。好ましい適切なステップは、乾燥、真空乾燥、流体乾燥、スプレー乾燥、蒸発および凍結乾燥、ならびにその組合せから選択される。これらのステップは、任意選択により、前記粉末の乾燥ステップおよび/または注射可能な製剤もしくは組成物への再構成もしくは再懸濁を容易にする適切な薬学的に許容される添加剤の存在下で実施することができる。その目的に合った適切な薬学的に許容される添加剤は、当技術分野で公知である。好ましくは、その目的に合った薬学的に許容される添加剤には、好ましくは、炭水化物または糖類、例えばマンニトール、分散助剤、結合剤等が含まれる。
したがって、本発明の好ましい目的は、
a)20℃で5mg/ml〜20mg/mlの水溶性を有する少なくとも1つのオリゴペプチドを80〜99.99%、
b)200g/mol〜2000g/molの範囲のモル重量を有する1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物を0.01〜20%、ならびに
c)水を0〜20%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大80%以上である、好ましくは粉末、より好ましくは流動性および/または再構成可能な粉末形態の組成物である。
したがって、本発明のより好ましい目的は、
a)好ましくは20℃で5mg/ml〜20mg/mlの水溶性を有する、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩を80〜99.99%、
b)本明細書に記載の、より好ましくはジオレオイルホスファチジルグリセロールおよびジミリストイルホスファチジルグリセロールから選択される1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物を0.01〜20%、ならびに
c)水を0〜20%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大80%以上、より好ましくは90%以上、特に95〜100%である、好ましくは粉末、より好ましくは流動性および/または再構成可能な粉末形態の組成物である。
したがって、本発明のさらにより好ましい目的は、
a)好ましくは20℃で5mg/ml〜20mg/mlの水溶性を有するシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩を80〜99.99%、
b)本明細書に記載の、より好ましくはジオレオイルホスファチジルグリセロールおよびジミリストイルホスファチジルグリセロールから選択される1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物を0.01〜20%、ならびに任意選択により
c)1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を0〜20%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大90%以上、好ましくは95%以上、特に99〜100%であり、
さらに組成物の含水量が、0.001〜10%、より好ましくは0.01〜5%、特に0.01〜1%の範囲である、好ましくは粉末、より好ましくは流動性および/または再構成可能な粉末形態の組成物である。
したがって、好ましいのは、含水量が、好ましくはすべての(乾燥)組成物または(乾燥)粉末に対して、より好ましくは(乾燥)組成物または(乾燥)粉末の総重量に対して0〜20%または0.001〜10%の範囲の残留含水量まで低減される、本明細書に記載の組成物、より好ましくは本明細書に記載の水ベースの組成物に相当する、流動性または再構成可能な粉末形態の組成物である。これに関して水ベースの組成物は、好ましくは全組成物に対して20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、特に60%以上の水を含有する組成物が好ましい。好ましくは、かかる水ベースの組成物は、好ましくは全組成物に対して30〜90%、より好ましくは40〜80%、特に50〜75%の水を含有する。
したがって、好ましいのは、好ましくはすべての(乾燥)組成物または(乾燥)粉末に対して、より好ましくは(乾燥)組成物または(乾燥)粉末の総重量に対して0〜20%または0.001〜10パーセントの残留含水量が達成されるまで含水量を低減することによって、本明細書に記載の組成物、より好ましくは本明細書に記載の水ベースの組成物から得られる、流動性または再構成可能な粉末の組成物形態である。
したがって、本発明の組成物は、好ましくは、
a)水、注射用の水、緩衝用水、リン酸緩衝食塩水もしくは他の薬学的に許容される水性媒体などの水性媒体中の懸濁液、好ましくは含有されるオリゴペプチドの懸濁液の形態、または
b)本明細書に記載の(水性)組成物から得ることができ、好ましくは前述のかかる水性媒体に再懸濁させることができる乾燥粉末、好ましくは実質的に水を含まないか、もしくは水を含まない粉末形態
のいずれかである。
好ましくは、(水性)懸濁液の形態の組成物ならびに(乾燥)粉末形態の組成物の両方は、患者または対象への注射、好ましくは患者または対象への皮下注射に適しており、その懸濁液は好ましくは直接注射され、粉末は明らかに、前述の水性媒体に再懸濁させるか、または水性媒体中で再構成した後に注射される。
好ましくは、本発明の組成物は、含有される1つまたは複数のオリゴペプチド、環状オリゴペプチドまたはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらにより好ましくは70%以上、特に70〜99%、70〜99.9%または80〜99.99%を固体粒子および/または固体結晶粒子の形態で含む。
好ましくは、本発明の固体組成物は、含有される1つまたは複数のオリゴペプチド、環状オリゴペプチドまたはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、特に80〜99%、80〜99.9%または90〜99.99%を固体粒子および/または固体結晶粒子の形態で含む。
したがって、好ましいのは、1つまたは複数のオリゴペプチド、環状オリゴペプチドまたはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)が、少なくとも部分的に固体粒子および/または固体結晶粒子の形態で存在し、前記粒子が、5μm〜250μm、8μm〜150μm、10μm〜100μm、10μm〜80μm、特に15μm〜60μmの範囲の平均粒径または有効な平均粒径を有する、本明細書に記載の組成物である。これに関して、平均粒径または有効な平均粒径は、体積−重量または数−重量に基づき、好ましくは体積−重量に基づく。好ましくは、これは本明細書に記載の通り決定される。これに関して少なくとも部分的に存在するとは、好ましくは10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらにより好ましくは70%以上、特に70〜99%、70〜99.9%または80〜99.99%を意味する。これに関して百分率は、好ましくは本明細書に記載の通り示され、より好ましくはw/w%である。
好ましくは、固体粒子および/または固体結晶粒子の形態の前記シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)は、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の無水物、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の結晶無水物、およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の結晶形A1から選択される。したがって、前記固体粒子および/または固体結晶粒子は、好ましくは結晶形A1を含み、より好ましくは結晶形A1から本質的になり、または結晶形A1からなる。
本発明の好ましい目的は、本明細書に記載の組成物、特に本明細書に記載の医薬組成物の製造のための、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩の使用、特にシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の結晶無水物、および/またはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩の結晶形A1の使用である。したがって、本発明の好ましい目的は、本明細書に記載の組成物、特に本明細書に記載の医薬組成物の製造のための、結晶形A1の使用である。
したがって、本発明の好ましい目的は、結晶形A1を含む組成物、好ましくは医薬組成物、特に本明細書に記載の組成物または医薬組成物である。好ましくは、前記組成物は、5〜100%、より好ましくは5〜99%、さらにより好ましくは10〜70%、さらにより好ましくは12〜60%、さらにより好ましくは15〜50%、特に20〜40%の結晶形A1、例えば約10%、約15%、約20%、約25%、約30%または約35%の結晶形A1を含む。前記百分率は、好ましくは全組成物に対するものである。これに関して百分率は、好ましくは本明細書に記載の通り示され、より好ましくはw/w%またはw/v%であり、特にw/w%である。
本発明の好ましい目的は、医薬品としての、本明細書に記載の組成物および/または本明細書に記載の固体組成物の使用である。本発明の好ましい目的は、医薬品としての、本明細書に記載の、特許請求の範囲に記載の、かつ/または例に記載もしくは本質的に記載の組成物の使用である。これに関して好ましい例は、例1〜17の1つまたは複数である。
別段明確に定められていない場合、用語「本明細書に記載の固体材料(複数可)」、「本明細書に記載の固体形態(複数可)」、「本明細書に記載の結晶形(複数可)」、「本明細書に記載の溶媒和物(複数可)」、「本明細書に記載の水和物(複数可)」、「本明細書に記載の四溶媒和物(複数可)」、「本明細書に記載の四水和物(複数可)」、「本明細書に記載の無水物(複数可)」、「本明細書に記載のアルコラート(複数可)」、「本明細書に記載のメタノラート(複数可)」、「本明細書に記載のエタノラート(複数可)」、「本明細書に記載のテトラアルコラート(複数可)」、「本明細書に記載のテトラメタノラート(複数可)」および/または「本明細書に記載のテトラエタノラート(複数可)」は、好ましくは、式Idの化合物の「固体材料(複数可)」、「固体形態(複数可)」、「結晶形(複数可)」、「溶媒和物(複数可)」、「水和物(複数可)」、「四溶媒和物(複数可)」、「四水和物(複数可)」、「無水物(複数可)」、「アルコラート(複数可)」、「メタノラート(複数可)」、「エタノラート(複数可)」、「テトラアルコラート(複数可)」、「テトラメタノラート(複数可)」および/または「テトラエタノラート(複数可)」を指す。
本明細書に記載の化合物の溶解性を決定するための方法および手段は、当技術分野で公知である。好ましくは、本明細書に記載の化合物の溶解性は、FDAおよび/またはEMEAによって認められた方法および手段によって決定される。
これに関して溶解性は、好ましくは飽和可溶度を指し、これは、好ましくはそれぞれの温度および特定の圧力、好ましくは大気圧で溶媒に可溶化または溶解することができるそれぞれの化合物の最大質量である。
本発明に関して、それぞれの化合物について本明細書に示した水溶性は、好ましくはそれぞれの化合物の飽和水溶性を指し、これは、好ましくはそれぞれ記載の温度およびそれぞれの圧力、好ましくは大気圧で水に可溶化または溶解することができるそれぞれの化合物の最大質量、さらにより好ましくは、本明細書に示したそれぞれの温度、すなわち20℃および/または25℃、好ましくは20℃およびそれぞれの圧力、好ましくは大気圧、ここでは好ましくは常気圧、特に標準化された「標準」大気圧、すなわち1気圧=1,01325バールで水に可溶化または溶解することができるそれぞれの化合物の最大質量である。
さらにより好ましくは、下記の方法によって決定することができる。溶媒10mLをアンバーガラスアンプルに入れ、十分な量の物質を添加して、十分に混合した後に底部に残る明瞭な沈降物を得る。15分間静置し、再度混合した後、アンプルを封止し、サーモスタット制御された水浴中で振とうさせる(20℃/16時間または25℃/16時間、好ましくは20℃/16時間)。その後、アンプルを開放し、濾液が透明になるまで上清溶液を濾過する。一定分量における物質の含量を、測光法により特定の吸着係数を用いて決定する。物質を含まないそれぞれの溶媒希釈物は、ブランクとして働く。溶解性は、100mL中の物質(g)または1mL中の物質(mg)、好ましくは1mL中の物質(mg)の次元で表される。好ましくはこの方法は、常気圧、特に標準化された「標準」大気圧、すなわち1気圧=1,01325バールで実施される。
用語「粒径」は、本明細書で使用される場合、当技術分野で公知であり、理解されているものである。好ましくは、粒径は、好ましくは当業者に周知の従来の粒径測定技術によって測定される通り、重量平均粒径に基づいて決定される。かかる技術には、好ましくは、例えば沈降場流動分画法、光子相関分光法、光散乱およびディスク遠心分離が含まれる。
用語「平均粒径」は、本明細書で使用される場合、当技術分野で公知であり、理解されているものである。好ましくは、平均粒径は、重量−平均粒径、体積−重量に基づく平均粒径および数−重量に基づく平均粒径から選択される。
好ましくは、粒径および/または平均粒径は、光散乱方法、顕微鏡または当技術分野で公知の他の適切な方法によって測定される。これに関して適切な方法には、それに限定されるものではないが、沈降場流動分画法、光子相関分光法、光散乱、レーザー動的光散乱およびディスク遠心分離が含まれる。さらに、動的光散乱法(例えば、光子相関分光法、レーザー回折、小角レーザー光散乱法(LALLS)、媒体−角度レーザー光散乱(MALLS)、光遮断(light obscuration)法(例えば、Courter法)、レオロジーまたは顕微鏡(光または電子)を使用することができる。
粒径分布の決定は、特に好ましくはレーザー回折によって、好ましくはMalvern Mastersizer 2000で、好ましくは湿式モジュールHydro 2000 SMを使用して実施される。評価モデルは、好ましくはUniversal(標準感受性)であり、分散媒は、好ましくは飽和プラセボ溶液であり、撹拌機速度は、好ましくは約2000rpmであり、遮断は、好ましくは10〜15%であり、バックグラウンド測定時間は、好ましくは約7500ms(ミリ秒)であり、かつ/または測定時間は、好ましくは約7500msである。
用語「少なくとも1つの」は、好ましくは、用語「少なくとも2つの」および/または「少なくとも3つの」、好ましくはそれに類似の用語を含む。したがって、用語「少なくとも1つの」は、好ましくは「1つの」、「2つの」、「3つの」、好ましくはそれより大きい数も含む。
用語「1つまたは複数の」は、好ましくは「少なくとも1つの」と同じ意味を有し、したがって好ましくは、意味「2つ以上の」および/または「3つ以上の」、好ましくはそれに類似の用語も含む。したがって用語「1つまたは複数の」は、好ましくは「1つの」、「2つの」、「3つの」、好ましくはそれより大きい数も含む。
別段明確に定められていない場合、用語「固体組成物」または「諸固体組成物」は、好ましくは排他的に、水を含まないか、または水を本質的に含まないかかる組成物を指す。前記固体組成物に関して水を本質的に含まないとは、好ましくは(乾燥)組成物の総重量に対して10%未満、より好ましくは5%未満、さらにより好ましくは2%未満、特に好ましくは1%未満、例えば0.001〜5%または0.01〜2%の残留含水量を意味する。
別段明確に定められていない場合、用語「固体」を伴わない用語「組成物」または「諸組成物」は、好ましくは
a)「非固体組成物」、すなわち好ましくはそれぞれの組成物の総重量に対して、好ましくは1%を超える含水量、より好ましくは2%を超える含水量、さらにより好ましくは5%を超える含水量、特に10%を超える含水量を有する組成物、ならびに
b)好ましくは先に定義の「固体組成物」
の両方を指す。
しかし別段明確に定められていない場合、用語「固体」を伴わない組成物中のそれぞれの成分について本明細書に示した量は、好ましくは「非固体組成物」、好ましくは本明細書に記載の水ベースの組成物、さらにより好ましくは懸濁液、特に好ましくは本明細書に記載の水性懸濁液中の量を指す。
好ましくは本発明の組成物は、驚くべきことには、好ましくは構成要素の化学的安定性、特に環状オリゴペプチドの化学的安定性、および/または好ましくはその固体粒子の物理的安定性を含む物理的安定性の両方を含み、保存に対して安定である。特に本発明の溶液は、一般に、周囲温度(例えば、25℃/相対湿度60%)で4週間以上(例えば、4週間〜3年間)、好ましくは3カ月以上、より好ましくは6カ月以上保存に対して安定である。
これに関して化学的安定性は、好ましくは、含有される構成要素の1つまたは複数の著しい分解がないことを指し、特に、含有される環状オリゴペプチド(複数可)の著しい分解がないことを指す。
これに関して物理的安定性は、好ましくは、
a)元々溶解していた構成要素の著しい沈殿、分離および/もしくは離溶がないこと、ならびに/または
b)元々含有されていた固体(粒子)構成要素の粒径、平均粒径および/もしくは粒径分布に著しい変化がないことを指す。
これに関して物理的安定性は、より好ましくは、環状オリゴペプチド(複数可)の元々含有されていた固体粒子の粒径、平均粒径および/または粒径分布に著しい変化がないことを指す。
これに関して物理的安定性は、さらにより好ましくは、環状オリゴペプチド(複数可)の含有される固体粒子の著しい「オストワルド熟成」がないことを指す。
本明細書に記載の組成物の前記化学的および/または物理的安定性は、好ましくは医薬生成物の典型的な保存条件での長期保存時にも見られる。
医薬生成物の典型的な保存条件は、好ましくは2〜8℃での保存および25℃/相対湿度60%での保存から選択される。液体医薬生成物では、2〜8℃での保存が特に好ましい。
好ましくは、本発明の組成物は、少なくとも適切なまたは好ましくは良好な注射可能性(syringeability)を示す。好ましくは、組成物の粒径および/または組成物の粘度は、最大23ゲージ針、最大24ゲージ針、最大25ゲージ針、最大26ゲージ針、最大27ゲージ針または最大28ゲージ針を備えたシリンジまたは注射用の他の装置を使用して、患者に好都合に投与することができる。
好ましくは、本発明の組成物は、含有される環状オリゴペプチド(複数可)に特徴的な急速作用発現(fast onset)および徐放の両方を示す。用語「急速作用発現」は、当技術分野で公知であり、理解されているものである。これに関して急速作用発現は、より好ましくは、患者または対象への注射、好ましくは皮下注射後、最初の1〜5時間、より好ましくは最初の1〜3時間以内に、前記組成物に含有されている環状オリゴペプチド(複数可)の一般に3〜15%、好ましくは5〜15%が放出されることを意味する。用語「徐放」は、当技術分野で公知であり、理解されているものである。これに関して徐放は、より好ましくは、患者または対象への注射、好ましくは皮下注射後、8時間以上、好ましくは16時間以上、さらにより好ましくは24時間以上、さらにより好ましくは36時間以上、さらにより好ましくは48時間以上、特に好ましくは72時間以上かけて、前記組成物に含有されている環状オリゴペプチド(複数可)の一般に85〜95%が放出されることを意味する。
好ましくは、本発明の組成物は、患者または対象への投与後、好ましくは患者または対象への皮下投与後、1つまたは複数の長期間にわたっておよそ線形放出の特徴を示す。これに関して長期間は、好ましくは8時間以上、好ましくは16時間以上、より好ましくは32時間以上、特に48時間以上を意味する。したがって、本発明の組成物は、患者または対象に投与される場合、少なくとも1つの長期間、好ましくは8〜48時間の範囲、特に16〜32時間の範囲の少なくとも1つの長期間、含有される環状オリゴペプチド(複数可)がおよそ線形放出の特徴および/または濃度で前記組成物から放出されることを示す。したがって、本発明の組成物は、患者または対象に投与される場合、好ましくは前述の少なくとも1つの長期間にわたって、好ましくは前記患者または対象における前記環状オリゴペプチド(複数可)の血漿レベルに基づき、含有される環状オリゴペプチド(複数可)についておよそ線形の薬物動態プロファイルの特徴を示す。
好ましくは、本発明の組成物は、水不溶性化合物を含まないか、または本質的に含まない。好ましくは、本発明の組成物は、薬学的に活性な水不溶性成分を含まないか、または本質的に含まない。好ましくは、本発明の組成物は、水不溶性オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドを含まないか、または本質的に含まない。これに関して水不溶性とは、化合物および/または薬学的に活性な成分が、好ましくは0.1mg/ml以下、より好ましくは1mg/ml以下、特に5mg/ml以下の水溶性を有することを意味する。好ましくは、これに関して水溶性は、当技術分野で公知の通り、または本明細書に記載の通り決定することができる。より好ましくは、これに関して水溶性は、好ましくは当技術分野で公知の方法に従って、または本明細書に記載の方法に従って、生理的pH(6.5〜7.4)で決定される。
好ましくは、本発明の組成物は、1つまたは複数の抗原を含有しない。より好ましくは、本発明の組成物は、抗原または抗原として作用する化合物を含まないか、または本質的に含まない。
好ましくは、本発明の組成物は、全組成物に対して高い薬物負荷または高濃度のAPIを可能にする剤形、特に注射のための、より好ましくは皮下注射のための剤形を提供する。例えば、含有されるオリゴペプチド薬物またはAPIの濃度は、全組成物に対して好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、特に40%以上であってよい。これに関して百分率は、好ましくはv/v%、w/v%またはw/w%である。それにもかかわらず、高濃度の本発明の組成物は、好ましくは少なくとも適切な、または好ましくは良好な注射可能性を示す。
好ましくは、本発明の組成物に含有されるオリゴペプチド(複数可)は、抗原として作用しない。
好ましくは、本発明の組成物は、1つまたは複数の抗けいれん剤を含有しない。より好ましくは、本発明の組成物は、抗原または抗けいれん剤として作用する化合物を含まないか、または本質的に含まない。
好ましくは、本発明の組成物に含有されるオリゴペプチド(複数可)は、抗けいれん剤として作用しない。
好ましくは、本発明の組成物は、1つまたは複数の抗レトロウイルス剤を含有しない。より好ましくは、本発明の組成物は、抗レトロウイルス剤または抗レトロウイルス剤として作用する化合物を含まないか、または本質的に含まない。
好ましくは、本発明の組成物は、本明細書に記載の1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物を含有する。
より好ましくは、本発明の組成物は、
a)本明細書に記載の1つもしくは複数の親油性化合物、または
b)本明細書に記載の1つもしくは複数の両親媒性化合物
のいずれかを含有する。
さらにより好ましくは、本発明の組成物は、本明細書に記載の1つまたは複数の両親媒性化合物を含有するが、ごく少量の本明細書に記載の親油性化合物を含有するか、または本明細書に記載の親油性化合物を含まないか、もしくは本質的に含まない。これに関して少量は、前記組成物に含有される本明細書に記載の1つまたは複数の両親媒性化合物の量に対して10%以下、5%以下、1%以下、0.1%以下または0.01%以下である。これに関して百分率は、好ましくはモル%またはw/w%、より好ましくはw/w%である。
好ましくは、本明細書に記載の1つまたは複数の両親媒性化合物は、
a)本明細書に記載のアニオン性の両親媒性化合物、
b)本明細書に記載の非イオン性の両親媒性化合物、
c)本明細書に記載のカチオン性の両親媒性化合物、および/または
d)本明細書に記載の両性もしくは双性イオン性両親媒性化合物
から選択される。
好ましくは、本明細書に記載の1つまたは複数の両親媒性化合物は、
a)本明細書に記載のアニオン性の両親媒性化合物、および/または
b)本明細書に記載の非イオン性の両親媒性化合物
から選択される。
したがって、本明細書に記載の1つまたは複数のアニオン性の両親媒性化合物を含有する本発明の組成物は、好ましくは、ごく少量の非イオン性の両親媒性化合物、カチオン性の両親媒性化合物および両性(または双性イオン性)両親媒性化合物を含有するか、または含まないか、もしくは本質的に含まない。これに関して少量は、前記組成物に含有される本明細書に記載の1つまたは複数のアニオン性の両親媒性化合物の量に対して10%以下、5%以下、1%以下、0.1%以下または0.01%以下である。これに関して百分率は、好ましくはモル%またはw/w%、より好ましくはw/w%である。
好ましくは、本明細書に記載の1つまたは複数の両親媒性化合物は、本明細書に記載のアニオン性の両親媒性化合物から排他的に選択される。
一般に、例えば、組成物中の異なる化合物間の望ましくない化学的または物理的相互作用を回避し、また組成物が適用または投与される患者または対象における望ましくない生理的または毒性学的作用を回避するために、医薬組成物としての使用に適した組成物中が小数の異なる構成要素を有することが好ましい。さらに、可能な限り小数の構成要素を含有する医薬組成物は、望ましくない有害作用の危険性が低く、したがって保健機関による承認に関して、規制上の観点からも好ましい。
したがって、本発明の組成物は、好ましくは本明細書に記載の唯一の両親媒性化合物、好ましくは本明細書に記載の唯一のアニオン性の両親媒性化合物を含有する。好ましくは、該組成物は、ごく少量の本明細書に記載のさらなる両親媒性化合物、好ましくは両親媒性化合物を含有するか、または特に好ましくは含まないか、もしくは本質的に含まない。したがって該組成物は、好ましくは第2または第3の両親媒性化合物を含有せず、特に非イオン性の両親媒性化合物、カチオン性の両親媒性化合物および両性(または双性イオン性)両親媒性化合物から選択される第2または第3の両親媒性化合物を含有しない。これに関して少量は、前記組成物に含有される本明細書に記載の1つのアニオン性の両親媒性化合物の量に対して10%以下、5%以下、1%以下、0.1%以下または0.01%以下である。これに関して百分率は、好ましくはモル%またはw/w%、より好ましくはw/w%である。
好ましくは、本発明の組成物において使用するための両親媒性化合物は、天然の両親媒性化合物および天然由来の両親媒性化合物、好ましくは精製された天然由来の両親媒性化合物、および合成の両親媒性化合物、より好ましくは合成由来の両親媒性化合物から選択される。本発明の組成物における使用に特に好ましいのは、合成の両親媒性化合物および/または合成由来の両親媒性化合物である。
したがって、本発明の組成物は、好ましくはごく少量の天然の両親媒性化合物および/または天然由来の両親媒性化合物を含有するか、または特に好ましくは含まないか、もしくは本質的に含まない。かかる天然両親媒性化合物または天然由来の両親媒性化合物には、それに限定されるものではないが、好ましくは卵ホスファチジルコリン、大豆ホスファチジルコリン、レシチン(lecthine)などの天然コリン等が含まれる。これに関して少量は、前記組成物に含有される本明細書に記載の1つまたは複数のオリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドの量に対して、好ましくは0.5%以下、0.1%以下、0.01%以下、0.001%以下または0.0001%以下である。これに関して百分率は、好ましくはモル%またはw/w%、より好ましくはw/w%である。
組成物の構成要素に関して、用語「ad.100%」、「100%までの残部」および/または「add.100%」は、当技術分野で公知である。好ましくは、このことは、組成物の100%または全組成物が達成されるまで、この構成要素が他の所与の構成要素に添加されることを意味する。したがって、用語「ad.100v%」は、好ましくは、組成物の100v%または全組成物が達成されるまで、この構成要素が他の所与の構成要素に添加される等を意味する。
本発明によれば、特に好ましいのは、2つ以上の好ましい、より好ましいおよび/または特に好ましい実施形態、態様および/または目的の特徴が、1つの実施形態、態様および/または目的に組み合わされる、本明細書に記載の目的である。本発明によれば好ましくは、好ましい目的または実施形態は、他の好ましい目的または実施形態と組み合わせることができ、より好ましい目的または実施形態は、他のあまり好ましくないまたはさらにより好ましい目的または実施形態と組み合わせることができ、特に好ましい目的または実施形態は、他の実に好ましいまたは実にさらにより好ましい目的または実施形態等と組み合わせることができる。
用語「約」は、数字、数値、範囲および/または量に関して本明細書で使用される場合、好ましくは「およそ」および/または「ほぼ」を意味することを企図する。これらの用語の意味は当技術分野で周知であり、これには、好ましくはそれぞれの数字、数値、範囲および/または量の+/−15%、特に+/−10%の分散、偏差および/または変動が含まれる。
本発明を、例を用いて以下にさらに詳細に説明する。本発明は、好ましくは特許請求される範囲にわたって実施することができ、ここに示した例に限定されない。
さらに、当業者による本発明のより良好な理解のために、以下の例を例証によって示す。例は、特許請求の範囲によって付与される保護範囲を制限するものではない。例において定義される方法、化合物、組成物および/または使用について例示される特徴、特性および利点は、特許請求の範囲に定義の範囲に含まれる限り、例に具体的に記載かつ/または定義されていない他の方法、化合物、組成物および/または使用に割り当てることができる。
実験セクション
例1
親油性化合物を含むが、好ましくは水を含まない懸濁液の形態の典型的な組成物のこの例は、1mL当たり、
−固体Cilengitide、好ましくは非晶質または結晶形、より好ましくは結晶形A1のCilengitide150〜300mg/mL
−任意選択により塩化ナトリウム9mg/mL
−任意選択によりフェノール5mg/mL
−ゴマ油(100%までの残部)
を含有することができる。
例1の組成物は、好ましくは固体Cilengitide、特に固体A1−Cilengitideを、撹拌しながら油に添加して油に懸濁させることによって調製される。好ましくは、撹拌は4〜20時間継続される。次に所望に応じて、分解(decomposition)の浸透圧を調節するために塩化ナトリウムを添加することができ、かつ/または組成物の保存のためにフェノールを添加することができる。必要に応じて、さらなる量の油を添加して(100%までの残部)、組成物の総体積、すなわち1mLを達成することができる。
例2
親油性化合物を含むが好ましくは水を含まない懸濁液の形態の典型的な組成物のこの例は、1mL当たり、
−結晶形A1のCilengitide200mg/mL
−任意選択により塩化ナトリウム9mg/mL
−任意選択によりフェノール5mg/mL
−Miglyol 812(100%までの残部)
を含有することができる。
例2の組成物は、好ましくは結晶形A1の固体Cilengitideを、撹拌しながら油(Miglyol 812)に添加して油に懸濁させることによって調製される。好ましくは、撹拌は4〜48時間継続される。次に所望に応じて、分解の浸透圧を調節するために塩化ナトリウムを添加することができ、かつ/または組成物の保存のためにフェノールを添加することができる。必要に応じて、さらなる量の油を添加して(100%までの残部)、組成物の総体積、すなわち1mLを達成することができる。
例3
親油性化合物を含むが好ましくは水を含まない懸濁液の形態の典型的な組成物(5mL)のこの例は、1mL当たり、
−微粉化A1−Cilengitide、例えばd(10)=1〜5μm、d(50)=5〜10μmおよびd(90)=20〜30μmの典型的な粒径分布を有する、微粉化A1−Cilengitide200mg/mL、
−任意選択により塩化ナトリウム9mg/mL
−任意選択によりフェノール5mg/mL
−ゴマ油(100%までの残部)
を含有することができる。
例3の組成物は、好ましくは微粉化された固体A1−Cilengitide(1000mg)を、撹拌しながらゴマ油に添加して一定分量の油(3mL)に懸濁させることによって調製される。好ましくは、撹拌は4〜48時間継続される。次に所望に応じて、分解の浸透圧を調節するために塩化ナトリウムを添加することができ、かつ/または組成物の保存のためにフェノールを添加することができる。必要に応じて、さらなる量の油を添加して(100%までの残部)、組成物の総体積、すなわち5mLを達成することができる。
例4
両親媒性化合物および水を含む懸濁液の形態の典型的な組成物(5mL)のこの例は、1mL当たり、
−微粉化A1−Cilengitide、例えばd(10)=1〜5μm、d(50)=5〜10μmおよびd(90)=20〜30μmの典型的な粒径分布を有する、微粉化A1−Cilengitide200mg/mL、
−DOPG1〜20mg/mL
−任意選択により塩化ナトリウム9mg/mL
−任意選択によりフェノール5mg/mL
−注射用の水(100%までの残部)
を含有することができる。
例4の組成物は、好ましくはDOPGを、およそ室温または好ましくはわずかに高温で、例えば約30℃または約40℃で、水、好ましくは注射用の水に可溶化することによって調製される。可溶化した後、微粉化A1−Cilengitide(1000mg)を、その後撹拌しながら添加する。好ましくは、撹拌は4〜20時間継続される。次に所望に応じて、分解の浸透圧を調節するために塩化ナトリウムを添加することができ、かつ/または組成物の保存のためにフェノールを添加することができる。必要に応じて、さらなる量の水を添加して(100%までの残部)、組成物の総体積、すなわち5mLを達成することができる。
例5
典型的な懸濁液のこの例は、1mL当たり、
−微粉化A1−Cilengitide、例えばd(10)=1〜5μm、d(50)=5〜10μmおよびd(90)=20〜30μmの典型的な粒径分布を有する、微粉化A1−Cilengitide、または任意選択によりさらにより狭い粒径分布を有する微粉化A1−Cilengitide200〜300mg/mL、
−DOPG1〜20mg/mL
−任意選択により塩化ナトリウム9mg/mL
−任意選択によりフェノール5mg/mL
−注射用の水(100%までの残部)
を含有することができる。
例2の組成物は、好ましくはDOPGを、およそ室温または好ましくはわずかに高温で、例えば約30℃または約40℃で、水、好ましくは注射用の水に可溶化することによって調製される。可溶化した後、固体A1−Cilengitideを、その後撹拌しながら添加する。好ましくは、撹拌は2〜6時間継続される。次に所望に応じて、組成物の浸透圧を調節するために塩化ナトリウムを添加することができ、かつ/または組成物の保存のためにフェノールを添加することができる。次に、水を添加して(100%までの残部)、すなわち組成物の総体積1mLが得られるまで添加する。
例6
好ましい製造方法は、以下のステップを、好ましくは所与の順序で含む。
1.固体DOPGを、20℃〜40℃の温度で撹拌しながら水に溶解または可溶化するステップ、
2.固体Cilengitide、好ましくは結晶Cilengitide、より好ましくは結晶Cilengitide無水物、特に形態A1の結晶Cilengitideを添加するステップ、
3.安定な粒子分布が得られるまで、一般に24時間以上、特に24〜48時間、得られた懸濁液を撹拌するステップ、
4.NaClを、撹拌を継続しながら一般に約9mg/mLで懸濁液に添加するステップ、および任意選択により
5.懸濁液がそれぞれの容器、バイアル等に充填されるまで、撹拌過程を継続するステップ(Cilengitideの沈降を予防するため)。
例7
好ましい代替の製造方法は、以下のステップを、好ましくは所与の順序で含む。
1.固体DOPGを、20℃〜40℃の温度で撹拌しながら水に溶解するステップ、
2.NaClを、撹拌を継続しながら一般に約9mg/mLで懸濁液に添加するステップ、
3.固体Cilengitide、好ましくは結晶Cilengitide、より好ましくは結晶Cilengitide無水物、特に形態A1の結晶Cilengitideを添加するステップ、
4.安定な粒子分布が得られるまで、一般に24時間以上、特に24〜48時間、得られた懸濁液を撹拌するステップ、
および任意選択により
5.懸濁液がそれぞれの容器、バイアル等に充填されるまで、撹拌過程を継続するステップ(Cilengitideの沈降を予防するため)。
例8
特に好ましい製造方法は、以下のステップを、好ましくは所与の順序で含む。
1.固体DOPGを、20℃〜40℃の温度で撹拌しながら水に溶解するステップ、
2.微粉化Cilengitide、好ましくは微粉化Cilengitide無水物、特に形態A1の微粉化Cilengitideを添加するステップ、
3.安定な粒子分布が得られるまで、一般に4時間以上、特に6〜12時間、得られた懸濁液を撹拌するステップ、
4.NaClを、撹拌を継続しながら一般に約9mg/mLで懸濁液に添加するステップ、
および任意選択により
5.懸濁液がそれぞれの容器、バイアル等に充填されるまで、撹拌過程を継続するステップ(Cilengitideの沈降を予防するため)。
例9
特に好ましい代替の製造方法は、以下のステップを、好ましくは所与の順序で含む。
1.固体DOPGを、20℃〜40℃の温度で撹拌しながら水に溶解するステップ、
2.NaClを、撹拌を継続しながら一般に約9mg/mLで懸濁液に添加するステップ、
3.微粉化Cilengitide、好ましくは微粉化Cilengitide無水物、特に形態A1の微粉化Cilengitideを添加するステップ、
4.安定な粒子分布が得られるまで、一般に4時間以上、特に6〜12時間、得られた懸濁液を撹拌するステップ、および任意選択により
5.懸濁液がそれぞれの容器、バイアル等に充填されるまで、撹拌過程を継続するステップ(Cilengitideの沈降を予防するため)。
例10
両親媒性化合物および水を含む懸濁液の形態の典型的な組成物(5mL)のこの例は、1mL当たり、
−微粉化A1−Cilengitide、例えばd(10)=1〜5μm、d(50)=5〜10μmおよびd(90)=20〜30μmの典型的な粒径分布を有する、微粉化A1−Cilengitide200mg/mL、
−DMPG1〜20mg/mL
−任意選択により塩化ナトリウム9mg/mL
−任意選択によりフェノール5mg/mL
−注射用の水(100%までの残部)
を含有することができる。
例4の組成物は、好ましくはDMPGを、およそ室温または好ましくはわずかに高温で、例えば約30℃または約40℃で、水、好ましくは注射用の水に可溶化することによって調製される。可溶化した後、微粉化A1−Cilengitide(1000mg)を、その後撹拌しながら添加する。好ましくは、撹拌は4〜20時間継続される。次に所望に応じて、分解の浸透圧を調節するために塩化ナトリウムを添加することができ、かつ/または組成物の保存のためにフェノールを添加することができる。必要に応じて、さらなる量の水を添加して(100%までの残部)、組成物の総体積、すなわち5mLを達成することができる。
例11
典型的な懸濁液のこの例は、1mL当たり、
−微粉化A1−Cilengitide、例えばd(10)=1〜5μm、d(50)=5〜10μmおよびd(90)=20〜30μmの典型的な粒径分布を有する、微粉化A1−Cilengitide、または任意選択によりさらにより狭い粒径分布を有する微粉化A1−Cilengitide200〜300mg/mL、
−DMPG1〜20mg/mL
−任意選択により塩化ナトリウム9mg/mL
−任意選択によりフェノール5mg/mL
−注射用の水(100%までの残部)
を含有することができる。
例2の組成物は、好ましくはDMPGを、およそ室温または好ましくはわずかに高温で、例えば約30℃または約40℃で、水、好ましくは注射用の水に可溶化することによって調製される。可溶化した後、固体A1−Cilengitideを、その後撹拌しながら添加する。好ましくは、撹拌は2〜6時間継続される。次に所望に応じて、組成物の浸透圧を調節するために塩化ナトリウムを添加することができ、かつ/または組成物の保存のためにフェノールを添加することができる。次に、組成物の総体積、すなわち1mLを達成するまで、水を添加する(100%までの残部)。
例12
好ましい製造方法は、以下のステップを、好ましくは所与の順序で含む。
1.固体DMPGを、20℃〜40℃の温度で撹拌しながら水に溶解または可溶化するステップ、
2.固体Cilengitide、好ましくは結晶Cilengitide、より好ましくは結晶Cilengitide無水物、特に形態A1の結晶Cilengitideを添加するステップ、
3.安定な粒子分布が得られるまで、一般に24時間以上、特に24〜48時間、得られた懸濁液を撹拌するステップ、
4.NaClを、撹拌を継続しながら一般に約9mg/mLで懸濁液に添加するステップ、
および任意選択により
5.懸濁液がそれぞれの容器、バイアル等に充填されるまで、撹拌過程を継続するステップ(Cilengitideの沈降を予防するため)。
例13
好ましい代替の製造方法は、以下のステップを、好ましくは所与の順序で含む。
1.固体DMPGを、20℃〜40℃の温度で撹拌しながら水に溶解するステップ、
2.NaClを、撹拌を継続しながら一般に約9mg/mLで懸濁液に添加するステップ、
3.固体Cilengitide、好ましくは結晶Cilengitide、より好ましくは結晶Cilengitide無水物、特に形態A1の結晶Cilengitideを添加するステップ、
4.安定な粒子分布が得られるまで、一般に24時間以上、特に24〜48時間、得られた懸濁液を撹拌するステップ、
および任意選択により
5.懸濁液がそれぞれの容器、バイアル等に充填されるまで、撹拌過程を継続するステップ(Cilengitideの沈降を予防するため)。
例14
特に好ましい製造方法は、以下のステップを、好ましくは所与の順序で含む。
1.固体DMPGを、20℃〜40℃の温度で撹拌しながら水に溶解するステップ、
2.微粉化Cilengitide、好ましくは微粉化Cilengitide無水物、特に形態A1の微粉化Cilengitideを添加するステップ、
3.安定な粒子分布が得られるまで、一般に4時間以上、特に6〜12時間、得られた懸濁液を撹拌するステップ、
4.NaClを、撹拌を継続しながら一般に約9mg/mLで懸濁液に添加するステップ、
および任意選択により
5.懸濁液がそれぞれの容器、バイアル等に充填されるまで、撹拌過程を継続するステップ(Cilengitideの沈降を予防するため)。
例15
特に好ましい代替の製造方法は、以下のステップを、好ましくは所与の順序で含む。
1.固体DMPGを、20℃〜40℃の温度で撹拌しながら水に溶解するステップ、
2.NaClを、撹拌を継続しながら一般に約9mg/mLで懸濁液に添加するステップ、
3.微粉化Cilengitide、好ましくは微粉化Cilengitide無水物、特に形態A1の微粉化Cilengitideを添加するステップ、
4.安定な粒子分布が得られるまで、一般に4時間以上、特に6〜12時間、得られた懸濁液を撹拌するステップ、
および任意選択により
5.懸濁液がそれぞれの容器、バイアル等に充填されるまで、撹拌過程を継続するステップ(Cilengitideの沈降を予防するため)。
例16
マウスの薬物動態試験
−d(10)=1〜5μm、d(50)=5〜10μmおよびd(90)=20〜30μmの典型的な粒径分布を有する微粉化A1−Cilengitide200
−DOPG1mg/mL
−塩化ナトリウム9mg/mL
−注射用の水
から構成される組成物/製剤を、薬物動態試験において、マウス(群A)対2つの対照群(群BおよびC)に皮下投与した:
−群A(四角形/sc−DOPG−50mg/kg):SC投与による用量50mg/KGのA1−DOPG−Cilengitide懸濁液(注射用の水中A1−Cilengitide200mg/mL、DOPG1mg/mL、DOPG9mg/mL)、
−群B(傾斜四角形/iv−NaCl−5mg/kg):IV投与による用量5mg/KGのCilengitide注入溶液(等張食塩水中S3−Cilengitide8mg/mL)、
−群C(三角形/sc−NaCl−10mg/kg):SC投与による用量10mg/KGのCilengitide注入溶液(等張食塩水中S3−Cilengitide8mg/mL)。
A1−DOPG−Cilengitide懸濁液の群Aは、等張Cilengitide溶液(8mg/mL)のI.V.注入と比較して、徐放プロファイルを有するほぼ完全な(>98%)生体利用能を示す。A1−DOPG懸濁液と等張Cilengitide溶液の両方の製剤は、すぐに吸収に利用可能な容易に溶解する薬物を含有するため、A1−DOPG懸濁液について観測されるt(最大)は、等張Cilengitide溶液(8mg/mL)に匹敵し、c(max)値もそれに匹敵する。A1−DOPG−Cilengitide懸濁液は、実に、I.V.注入を企図された任意の等張Cilengitide溶液(8mg/mL)よりも顕著な利点として、8時間にわたって1000ng/mLを超えるインビボ薬物濃度をもたらす薬物の制御/持続放出を提供する。
さらに、A1−DOPG懸濁液をインビトロαβ3/5受容体アッセイで試験して、これらの懸濁液におけるCilengitideの比活性が維持されることを示した。
例17
サルの薬物動態試験
・投与組成物(懸濁液)
−Cilengitide:300mg/mL
−DMPG:2mg/mL
−フェノール:0.5%
−NaCl:0.9%
・動物の種/系統および数
−カニクイザル
・用量:12mg/kg(懸濁液40μL/kg)
・試料採取時点:投与の0.25、0.5、2、4、8時間後:
例18
塩酸塩からの内塩の結晶化
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)×HCl1.25gを、水10mLに溶解する。濃縮アンモニア水溶液を使用して、pHを約6.8に調節する。4Cで終夜静置した後、結晶が現れ、それを濾過によって分離し、氷冷水で洗浄し、空気乾燥させる。母液を濃縮して、さらなる結晶生成物を得る。
例19
トリフルオロ酢酸塩からの内塩の結晶化
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)×TFA1.41gを、水10mLに溶解する。濃縮アンモニア水溶液を使用して、pHを約6.8に調節する。周囲温度で終夜静置した後、結晶が現れ、それを濾過によって分離し、氷冷水で洗浄し、空気乾燥させる。母液を濃縮して、さらなる結晶生成物を得る。
例20
内塩のクロマトグラフィーによる生成
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)×TFA5.04gを、水100mlに溶解し、25%NH3水溶液を用いてpHを約7.0に調節する。溶液を、ポンプAを用いて2−ポンプ勾配系RP−HPLCカラム(Lichrosorb RP8(10um)50×250mm)に注入する。先ずカラムを水で溶出し、次に、水中15〜25%の勾配の2−プロパノールを用いて20ml/分で2時間溶出することによって、化合物のクロマトグラフィー精製を行う。検出は215/254nmで行う。画分を収集し、プールする。プールから2−プロパノールを蒸発させる間に、結晶内塩のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)が沈殿し、それを濾過によって収集する。母液を濃縮して、さらなる結晶生成物を得る。
例21
共溶媒混合物からの内塩の結晶の生成
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)1gを、40℃で体積8:2の水/2−プロパノール20mlに溶解する。RT(25℃)で2日後、結晶化合物が沈殿した。
例22
内塩のX線による構造決定
結晶形S3からの結晶を、X線分析のために選択する。ペプチドの共有結合性の正確な構造および結晶固体状態の生成物の立体構造は四水和物を示し、結晶単位1個当たり4個のペプチドを伴って形成された。
モル式 C2740×4H
モル重量 661.25
結晶の大きさ (0.65×0.45×008)mm
温度 298K
回折計 Nonius−CAD4
放射線 Mo Ka
長さ 0.71093Å
モノクローム グラファイト
結晶 斜方晶
群 P2
格子 a 9.640(2)Å
b 13.853(3)Å
c 25.910(6)Å
α=β=γ=90°
単位胞1個当たりの式Idの化合物のモル数 4
例23
メタノール/水およびエタノール/水混合物中で撹拌することによって擬似多形体を得るための手順
a)Cilengitideの形態S3は、25℃における2日間の撹拌時間でメタノール/水混合物(70v%:30v%)中、および25℃における18日間の撹拌時間でエタノール/水混合物(60v%:40v%)中、形態A1からのスラリー変換によって得ることができる。Cilengitideの形態A1約500mgを、室温で溶媒5mlに分散させる。分散液を、言及した時間にわたって磁気撹拌機によって撹拌し、最後に濾過する。
b)さらに形態S3は、競合するスラリー変換実験によって、擬似多形体(例えば、S1、S2、S3またはこれらの混合物)と形態A1の混合物(1:1)を用いて、異なるアルコール含量の水/メタノールおよび水/エタノール混合物中、異なる温度で製造することができる。
擬似多形体(例えば、S1、S2、S3またはこれらの混合物)約20mgおよび20mgのCilengitideの形態A1を、0℃または室温(25℃)で水/アルコール混合物300μlに分散させる。分散液を磁気撹拌機によって24時間撹拌し、さらにRT(25℃)で3週間(長期実験)撹拌し、最後に濾過する。
以下の表に、形態S3をもたらす実験条件を列挙する。
c)それとは対照的に、以下の条件下では擬似多形体は全く得られないが、その代わり本質的に純粋な無水物A1が形成される。
擬似多形体(例えば、S1、S2、S3またはこれらの混合物)約20mgおよび20mgのCilengitideの形態A1を、50℃において水/アルコール混合物300μlに分散させる。分散液を磁気撹拌機によって24時間撹拌し、最後に濾過する。
以下の表に、形態A1をもたらす実験条件を列挙する。
水「ad.100v%」は、好ましくは、水が、それぞれの溶媒/水混合物の100v%を補う量で、先に特定した量(体積パーセント(v%))の、水以外の溶媒に添加されることを意味する。
例24
メタノール雰囲気下での条件付け実験により乾燥器中で形態S1を得るための手順
擬似多形体(例えば、S2、S3またはこれらの混合物)約1gを、乾燥器中、シリカゲル上で乾燥させる。次に材料を、100%メタノール蒸気雰囲気を用いて、乾燥器中で5日間保存する。
例25
エタノール雰囲気下での条件付け実験により乾燥器中で形態S2を得るための手順
擬似多形体(例えば、S3、S1またはこれらの混合物)約1gを、乾燥器中、シリカゲル上で乾燥させる。次に材料を、100%エタノール蒸気雰囲気を用いて、乾燥器中で5日間保存する。
例26
エタノール/水混合物中で撹拌することによってA1/S3多形混合物をS3に変換するための手順
Cilengitide(多形A1およびS3の混合物、275.5g)を、脱イオン水(700ml)およびエタノール(700ml)混合物に懸濁させる。懸濁液を室温で24時間撹拌し、次に5℃に冷却する。生成物を吸引濾過によって単離し、冷却したエタノールで洗浄する。60℃において真空下で72時間乾燥させて、Cilengitide(結晶形S3、3.6%EtOH、HPLC純度:99.9%)270gを得る。
例27
スラリー変換による結晶形A1の製造
Cilengitideの形態A1は、25℃において水中で擬似多形体(例えば、S1、S2、S3またはこれらの混合物)からスラリー変換することによって得ることができる。高温(50℃)によって、形態A1への変換が加速される。
Cilengitideの擬似多形体(例えば、S1、S2、S3またはこれらの混合物)約10gを、室温において脱イオン水50mlに分散させる。分散液を磁気撹拌機によって24時間撹拌し、最後に濾過する。
例28
競合するスラリー変換による結晶形A1の製造
また純粋形態A1は、競合するスラリー変換実験によって、擬似多形体(例えば、S1、S2、S3またはこれらの混合物)およびA1の混合物(1:1)を用いて、アセトン、アセトニトリル、イソプロパノール、生理的NaCl溶液、リン酸緩衝液(pH7.4)中、およびアセトン、アセトニトリル、イソプロパノールと水の1:1(v:v)混合物中、RT(25℃)で製造することができる。
擬似多形体(例えば、S1、S2、S3またはこれらの混合物)約20mgおよび20mgのCilengitideの形態A1を、室温において溶媒200〜700μlに分散させる。分散液を磁気撹拌機によって5日間撹拌し、さらにRT(25℃)で26日間(長期実験)撹拌し、最後に濾過する。
例29
競合的スラリー変換
さらに形態A1は、競合するスラリー変換実験によって、擬似多形体(例えば、S1、S2、S3またはこれらの混合物)およびA1の混合物(1:1)を用いて、異なるアルコール含量の水/メタノールおよび水/エタノール混合物中、異なる温度で製造することができる。以下の表に、純粋形態A1をもたらす実験条件を列挙する。
擬似多形体(例えば、S1、S2、S3またはこれらの混合物)約20mgおよび20mgのCilengitideの形態A1を、0℃、室温および50℃において水/アルコール混合物300μlに分散させる。分散液を磁気撹拌機によって24時間撹拌し、さらにRT(25℃)で3週間(長期実験)撹拌し、最後に濾過する。
例30
エタノール/水混合物からの結晶化を含む結晶形S3を得るための手順
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)×TFA×HSO(400g)を、59℃で水(1600ml)に溶解する。アンモニア水溶液(30%)を添加することによって、pHをpH=6.8に調節する。メタノール(9600ml)を、3時間にわたって溶液に添加する。得られた混合物を3時間以内に23℃に冷却し、この温度で終夜撹拌する。次に、混合物を5℃に冷却し、さらに2時間撹拌する。沈殿した原料を吸引濾過によって単離し、冷却したメタノールで洗浄する。50℃において真空下で48時間乾燥させて、Cilengitide(結晶形S3、HPLC:99.8%)335gを得る。
原料(335g)を、58℃で水(1507g)に溶解する。メタノール(8040ml)を、3時間にわたって溶液に添加する。次に、こうして形成された懸濁液を3時間以内に23℃に冷却し、この温度で終夜撹拌する。次に、懸濁液を5℃に冷却し、さらに3時間撹拌する。生成物を吸引濾過によって単離し、メタノールで洗浄する。60℃において真空下で48時間乾燥させて、Cilengitide(結晶形S3、HPLC:99.9%、3.8%MeOH、IC:<0.1%Cl、0.0007%TFAおよび10.3%SO)309gを得る。
得られた先の材料150gを、56℃で水(600ml)およびエタノール(600ml)に溶解する。混合物を3時間以内に23℃に冷却し、終夜撹拌する。混合物(懸濁液)を5℃に冷却し、この温度で2時間撹拌する。生成物を、吸引濾過によって単離し、氷水で洗浄する。60℃において真空下で48時間乾燥させて、Cilengitide(結晶形S3、≦0.05%メタノール、5.3%EtOH IC:<0.01%Cl、<0.0011%TFA、0.34%SO)115.4gを得る。
例31
水からの結晶化による結晶形A1の製造
A1を得るための好ましく非常に効率的な方法は、製造過程中に水が放出されるので、Cilengitideの原料から出発して水から結晶化させることによって行われる。原料であるCilengitide(300g、非晶質材料の形態S3またはその混合物のいずれか)を、58℃で脱イオン水(1200ml)に溶解する。溶液を3時間以内に23℃に冷却し、この温度で終夜撹拌する。次に、懸濁液を5℃に冷却し、この温度で2時間撹拌する。生成物を吸引濾過によって単離し、冷却した脱イオン水で洗浄する。50℃において真空下で48時間乾燥させて、Cilengitide(結晶形A1、<0.001%TFA、0.22%SO、0.06%アンモニウム、99%HPLC純度、0.027%水)約230gを得る。
例32
結晶形S3の動的水蒸気実験
結晶形S3に関する動的水蒸気実験のために、SMS DVS I系を使用する。その結果は、Rolf Hilfiker、‘Polymorphism in the Pharmaceutical Industry'、Wiley-VCH. Weinheim 2006年(第9章:水蒸気吸着、およびその参考文献)に記載の標準技術によって得られている。水蒸気吸着挙動は、最初の乾燥ステップで(0%rh)、水分子の損失を示す(約9wt%)。水の吸着サイクル中には、高rhにおいて格子内の水分子の構築(約10wt%)が示される。第2の脱着サイクルでは、この量の水が損失する。形態S3の水蒸気収着等温線(25℃)を、図25に示す。
例33
結晶形S1の動的水蒸気実験
動的水蒸気実験のために、SMS DVS Intrinsicを使用する。その結果は、Rolf Hilfiker、‘Polymorphism in the Pharmaceutical Industry'、Wiley-VCH. Weinheim 2006年(第9章:水蒸気吸着、およびその参考文献)に記載の標準技術によって得られる。水蒸気吸着挙動は、第1の脱着サイクルでは約8wt%の質量損失を示すが、これはメタノール蒸気収着実験において観測されるメタノールの質量増加よりもわずかに少ない。水蒸気吸着すると、高rhにおいて最大約8wt%の重量増加を伴って、格子内の水分子の構築が観測される。第2の脱着サイクルでは、約9.9wt%の総質量損失が観測される。Cilengitide二水和物ジメタノラートでは、算出されるメタノール含量は9.3wt%に等しい。形態S1の水蒸気収着等温線(25℃)を、以下に示す。
例34
結晶形S2の動的水蒸気実験
動的水蒸気実験のために、SMS DVS Intrinsicを使用する。その結果は、Rolf Hilfiker、‘Polymorphism in the Pharmaceutical Industry'、Wiley-VCH. Weinheim 2006年(第9章:水蒸気吸着、およびその参考文献)に記載の標準技術によって得られる。水蒸気吸着挙動は、第1の脱着サイクルでは約6.5wt%の質量損失を示すが、これはエタノール蒸気収着実験において観測されるエタノールの質量増加よりも少ない。水蒸気吸着すると、高rhにおいて最大約6.4wt%の重量増加を伴って、格子内の水分子の構築が観測される。第2の脱着サイクルでは、約9.2wt%の総質量損失が観測される。Cilengitide二水和物ジエタノラートでは、算出されるエタノール含量は12.5wt%に等しい。形態S2の水蒸気収着等温線(25℃)を、以下に示す。
例35
無水物のX線による構造決定
結晶形A1からの結晶を、X線分析のために選択する。ペプチドの共有結合性の正確な構造および結晶固体状態の生成物の立体構造は無水物を示し、結晶単位1個当たり4個のシクロペプチドを伴って形成された。
モル式 C2740
モル重量 588.67
結晶の大きさ (0.30×0.24×0.24)mm
温度 298K
回折計 XCalibur−Oxford Diffration
放射線 Mo Ka
長さ 0.71093Å
モノクローム グラファイト
結晶 斜方晶
群 P2
格子 a 9.7944(5)Å
b 15.3877(7)Å
c 19.5090(2)Å
α=β=γ=90°
単位胞1個当たりの式Idの化合物のモル数 4

Claims (24)

  1. 懸濁液の形態の組成物であって、
    a)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物を15〜40%、
    b)200g/mol〜2000g/molの範囲のモル重量を有する1つまたは複数の両親媒性化合物を0.05〜10%、ならびに
    c)水を30〜79.99%
    含み、
    ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の重量の50%〜100%までであり;
    前記シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物は、20℃で、5mg/mlと10mg/mlの間の水溶性を有し、a=9.8±0.1Å、b=19.5±0.5Åおよびc=15.4±0.1Å、α=β=γ=90°の格子定数を有する結晶学的単位胞を有する、結晶形A1のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物であり;
    前記b)の1つまたは複数の両親媒性化合物と、a)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物とのモル比、b)/a)を、0.001〜0.5の範囲に選択し;
    含有されている、前記シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物の10%またはそれ以上は、固体結晶粒子の形態で存在している
    ことを特徴とする、組成物。
  2. b)の両親媒性化合物の少なくとも1つが、
    α)グリセロール部分、
    β)1つもしくは複数の脂肪酸部分、および/または
    γ)1つもしくは複数の脂肪アルコール部分
    を含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. b)の両親媒性化合物の少なくとも1つが親水性部分を含む、
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 親水性部分が、エタノールアミン部分、コリン部分、ホスファチジル部分および/もしくはスルファチジル部分、ならびに/またはその薬学的に許容される塩を含む、
    ことを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  5. 親水性部分が、ホスホエタノールアミン部分、ホスファチジルコリン部分、ホスファチジルグリセロール部分および/もしくはスルファチジルグリセロール部分、ならびに/またはその薬学的に許容される塩を含む、
    ことを特徴とする、請求項3または4に記載の組成物。
  6. b)の少なくとも1つの両親媒性化合物が、親水性部分としてホスファチジル−ポリオールもしくはスルファチジル−ポリオール基を有する両親媒性脂質、またはその薬学的に許容される塩から選択される、1つもしくは複数の化合物を含む、
    ことを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 懸濁液の形態の組成物であって、
    a)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物を20〜40%、
    b)天然油および合成油ならびにその混合物から選択される、少なくとも1つの親油性化合物を40〜80%、ならびに任意選択により
    c)水を0〜20%
    含み、
    ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の重量の80%〜100%までであり;
    前記シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物は、20℃で、5mg/mlと10mg/mlの間の水溶性を有し、a=9.8±0.1Å、b=19.5±0.5Åおよびc=15.4±0.1Å、α=β=γ=90°の格子定数を有する結晶学的単位胞を有する、結晶形A1のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物であり;
    含有されている、前記シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物の10%またはそれ以上は、固体結晶粒子の形態で存在している
    ことを特徴とする、組成物。
  8. a)前記シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物を20〜40%、
    b)1つまたは複数の前記両親媒性化合物を0.1〜5%、
    c)水を40〜79.9%
    含み、
    ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の重量の80%〜100%までである、
    ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  9. b1)ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールの脂肪酸モノ−、ジ−またはポリエステル、ならびにその薬学的に許容される塩、ならびに
    b2)ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールの脂肪アルコールモノ−、ジ−またはポリエーテル、ならびにその薬学的に許容される塩
    から選択される1つまたは複数の両親媒性化合物を含む
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  10. ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールが、
    a)ポリホスファチジルグリセロール、トリホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、モノホスファチジルグリセロール、ならびに/または
    b)ポリスルファチジルグリセロール、トリスルファチジルグリセロール、ジスルファチジルグリセロールおよびモノスルファチジルグリセロール
    から選択される、
    ことを特徴とする、請求項6または9に記載の組成物。
  11. i)脂肪酸が、独立に、オレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リノール酸およびリノレン酸からなる群から選択され、
    ii)脂肪アルコールが、独立に、オレイルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、マルガリックアルコール、アラキックアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、リノレイルアルコールおよびリノレニルアルコールからなる群から選択され、
    iii)脂肪酸部分が、独立に、i)の脂肪酸のアシル残基から選択され、かつ/または
    iv)脂肪アルコール部分が、独立に、ii)の脂肪アルコールのアルキル残基から選択される、
    ことを特徴とする、請求項2または9に記載の組成物。
  12. 前記1つまたは複数の両親媒性化合物が、
    ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルグリセロホスホコリン、ジパルミトイルグリセロホスホグリセロール、ジステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、卵ホスファチジルコリンおよび大豆ホスファチジルコリン、ならびに薬学的に許容される塩からなる群から選択される、
    ことを特徴とする、請求項1〜6、ならびに、請求項8〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記1つまたは複数の両親媒性化合物が、
    ジオレオイルホスファチジルグリセロールおよびジミリストイルホスファチジルグリセロール、ならびに薬学的に許容される塩からなる群から選択される、
    ことを特徴とする、請求項1〜6、ならびに、請求項8〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. d)a)、b)およびc)以外であり、
    d1)薬学的に活性な成分、
    d2)薬学的に許容される添加剤
    から選択される1つまたは複数の化合物を0〜50%
    さらに含む、
    ことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. d)a)、b)およびc)以外であり、薬学的に許容される添加剤(d2)から選択される1つまたは複数の化合物を0〜10%
    含む、
    ことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. a)前記シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物を20〜40%、
    b)ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルグリセロホスホグリセロールおよびその混合物、ならびにそのアルカリ塩から選択される、1つまたは複数の両親媒性化合物を0.1〜5%、
    c)水を30%〜79.9%、ならびに任意選択により
    d1)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分を0〜20%、ならびに/あるいは
    d2)b)およびc)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を0〜20%
    含み、
    ただし、a)、b)、c)、d1)およびd2)の合計が、組成物の最大100%である、
    ことを特徴とする、請求項1〜6ならびに請求項8〜13のいずれか一項に記載の組成物。
  17. a)前記シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物を20〜40%、
    b)ジオレオイルホスファチジルグリセロールおよびジミリストイルホスファチジルグリセロールおよびその混合物、ならびにそのアルカリ塩から選択される、1つまたは複数の両親媒性化合物を0.1〜5%、
    c)水を30%〜79.9%、ならびに任意選択により
    d1)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分を0〜20%、ならびに/あるいは
    d2)b)およびc)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を0〜20%
    含み、
    ただし、a)、b)、c)、d1)およびd2)の合計が、組成物の最大100%である、
    ことを特徴とする、請求項1〜6ならびに請求項8〜13のいずれか一項に記載の組成物。
  18. a)前記シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物を20〜40%、
    b)前記1つまたは複数の親油性化合物を60〜80%、ならびに
    c)水を0〜10%
    含み、
    ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の重量の80%〜100%までである、
    ことを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
  19. b)1つまたは複数の両親媒性化合物と、a)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物とのモル比;b)/a)が、0.002〜0.1の範囲である、
    ことを特徴とする、請求項1〜6、8〜13、16、17のいずれか一項に記載の組成物。
  20. b)1つまたは複数の両親媒性化合物と、a)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物とのモル比;b)/a)が、0.001〜0.05の範囲である、
    ことを特徴とする、請求項1〜6、8〜13、16、17のいずれか一項に記載の組成物。
  21. 以下のステップ、
    i)水に1つまたは複数の両親媒性化合物を可溶化するステップと、
    ii)i)に従って得られた混合物または溶液に、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物を添加するか、または懸濁させるステップと、任意選択により
    ii)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分、ならびに/あるいは水および1つまたは複数の両親媒性化合物以外の1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を添加するステップの1つまたは複数を含む、
    ことを特徴とする、請求項1〜6、8〜13、16、17、19、20のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  22. 結晶形A1のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物が、少なくとも部分的に固体粒子および/または固体結晶粒子の形態で存在し、前記粒子が5μm〜250μmの範囲の平均粒径を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 結晶形A1のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物が、少なくとも部分的に固体粒子および/または固体結晶粒子の形態で存在し、前記粒子が10μm〜100μmの範囲の平均粒径を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 請求項1〜20、22、23のいずれか一項に記載の組成物の製造のための、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物の使用であって、
    前記シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物は、20℃で、5mg/mlと10mg/mlの間の水溶性を有し、a=9.8±0.1Å、b=19.5±0.5Åおよびc=15.4±0.1Å、α=β=γ=90°の格子定数を有する結晶学的単位胞を有する、結晶形A1のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)無水物である
    ことを特徴とする、使用。
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