JP5944746B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ周方向に延びる複数の主溝が形成され、複数の主溝によって形成される陸部列を備え、陸部列には、タイヤ幅方向に対して傾斜する方向に延びる複数の傾斜溝が形成されることよってブロック部が形成されるタイヤに関する。
従来から、自動車などの車両に装着される空気入りタイヤ(以下、タイヤ)に発生する偏摩耗に対し、その抑制のために様々な改良技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載のタイヤは、タイヤ周方向に沿って延びる複数の主溝と、タイヤ幅方向に沿って延びる複数の傾斜溝とによって区画されたブロック部を有しており、ブロック部において、タイヤ回転方向前方に位置する踏み込み側の溝壁と路面に接地する踏面との角度αと、タイヤ回転方向後方に位置する蹴り出し側の溝壁と路面に接地する踏面との角度βとを、α>βの関係としている。さらに、ブロック部のタイヤ周方向の長さ、溝底からの高さ、及びゴムのヤング率などの諸条件から、ブロック部の剛性を所定の範囲内としている。これによれば、ブロック部が路面と接地した時に発生するブロック部の圧縮変形は、蹴出端部に集中することなく、ブロック部全体に及ぶようになる。その結果、蹴出端部が路面から離れる際に生じる滑りを抑制することが可能となり、偏摩耗(いわゆるヒールアンドトゥ摩耗)を回避している。
特開平5−270214号公報
ところで、近年では、駆動力や制動力の向上のため、タイヤ赤道線を境に、タイヤ幅方向の両側において、タイヤ幅方向に対して傾斜する方向に延びる複数の傾斜溝を形成し、タイヤ回転方向が指定されたトレッドパターンのタイヤ(いわゆる方向性パターンのタイヤ)も提案されている。
このようにトレッドパターンが多様化している現状においては、タイヤのブロック部の摩耗がより複雑になっているため、さらなる改良が求められている。
本発明は、上述した状況に鑑みて成されたものであり、ブロック部の偏摩耗を効果的に抑制するタイヤを提供することを目的とする。
ここで、タイヤのブロック部に生じる偏摩耗の主な原因は、車両進行方向と逆向きに作用する力(以下、ブレーキング力とする)によって、摩耗がタイヤ回転方向後方からタイヤ回転方向前方へ進展することである。通常、車両走行時におけるブロック部の圧縮変形は、ブロック部の蹴出端部に集中するため、ブロック部の蹴出端部には剪断歪が生じる。これにより、蹴出端が路面から離れる際に、ブロック部と路面との間で滑りが多く発生する。また、摩耗したブロック部の蹴出端は、路面との接地圧がブロック部の他の部分に比べて低下し、路面との接地領域内で容易に動くことによって路面上を滑り易くなり、この部分の摩耗を助長することになる。
従って、ブロック部の剪断歪を抑制すれば、ブロック部の偏摩耗の抑制が大きく見込まれることが解り、発明者は、さらなる研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
まず、本発明の第1の特徴に係るタイヤ(空気入りタイヤ1)は、タイヤ周方向に延びる複数の主溝(主溝10)が形成され、前記複数の主溝によって形成される陸部列(陸部列15)を備え、前記陸部列には、タイヤ幅方向に対して傾斜する方向に延びる複数の傾斜溝(傾斜溝20)が形成され、前記複数の傾斜溝に区画されることによってブロック部(ブロック部100)が形成されるタイヤであって、前記複数の傾斜溝は、タイヤ赤道線を境にタイヤ幅方向の両側に形成され、前記複数の傾斜溝のそれぞれは、タイヤ幅方向内側の一端(例えば、端部21a,22a)からタイヤ幅方向外側の他端(例えば、端部21b,22b)に向かって、タイヤ周方向の同一方向(例えば、タイヤ回転方向Tr後方)に傾斜して延びており、前記主溝によって前記ブロック部に形成される一方の主溝側壁面(主溝側壁面111,121)と、前記ブロック部の路面に接地する踏面とが成す主溝側壁角度(主溝側壁角度θ11,θ21)は、タイヤ周方向における前記ブロック部の一端(例えば、踏込端である端部110C,120C)において鋭角となり、タイヤ周方向における前記ブロック部の他端(例えば、蹴出端である端部110B,120B)において鈍角となるように変化し、前記傾斜溝によって前記ブロック部に形成される一方の傾斜溝側壁面と、前記踏面とが成す傾斜溝側壁角度は、前記一方の主溝側壁面に近づくに連れて、鋭角から鈍角に変化することを要旨とする。
ここで、タイヤにおいて、ブロック部が、踏面に接地圧を受けると、溝によって形成される壁面が溝内に膨出する。また、その膨出量が大きいほど、踏面が路面から離れる際の剪断歪が大きくなる。また、壁面の面積が大きいほど接地圧が分散されて膨出量を抑制できるので、剪断歪を緩和できる。
上述した第1の特徴によれば、主溝によってブロック部に形成される主溝側壁面の主溝側壁角度は、タイヤ周方向におけるブロック部の一端から、タイヤ周方向におけるブロック部の他端に向かうに連れて、鋭角から鈍角に変化する。また、傾斜溝側壁角度は、主溝側壁面に近づくにつれて、鋭角から鈍角に変化する。
このような構成によれば、全ての壁角度を直角とする場合に比べて、壁面の面積を広くすることが可能になり、壁面の膨出量を抑制できるので、踏面が路面から離れる際の剪断歪を緩和できる。すなわち、初期摩耗の発生と、初期摩耗からの摩耗の進展とを効果的に抑制することが可能となる。
また、かかるタイヤでは、複数の傾斜溝のそれぞれは、タイヤ幅方向内側の一端からタイヤ幅方向外側の他端に向かって、タイヤ周方向の同一方向(例えば、タイヤ回転方向Tr後方)に傾斜して延びている。すなわち、かかるタイヤでは、方向性パターンを有している。このような方向性パターンを有するタイヤでは、ブロック部の最もタイヤ回転方向後方に位置する角部が、トレッド面視において、鋭角形状になるため、ブロック部のめくれなどに起因して偏摩耗が発生しやすい。上述したタイヤでは、ブロック部に形成される主溝側壁面の主溝側壁角度が、ブロック部のタイヤ周方向における一端から他端に向かって、鋭角から鈍角に変化し、傾斜溝側壁角度は、主溝側壁面に近づくにつれて、鋭角から鈍角に変化する。よって、かかるタイヤにおいて、ブロック部のタイヤ周方向における一端をタイヤ回転方向前方とし、他端をタイヤ回転方向後方となるように形成すれば、タイヤ回転方向後方の蹴出端における主溝側壁角度及び傾斜溝側壁角度を鈍角にできるので、ブロック部の最もタイヤ回転方向後方に位置する鋭角形状の角部を鋭角にする場合に比べて、ブロック部のめくれなどを抑制し、偏摩耗を一層抑制できる。
本発明の他の特徴は、上記特徴に係り、一の主溝のタイヤ幅方向の一方側に開口する傾斜溝と、前記一の主溝のタイヤ幅方向の他方側に開口する傾斜溝とは、タイヤ周方向において異なる位置に形成されていることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、上記特徴に係り、前記主溝側壁角度と、前記傾斜溝側壁角度とは、70度から110度の範囲内で変化することを要旨とする。
本発明の他の特徴は、上記特徴に係り、前記陸部列として、タイヤ赤道線上に形成される中央陸部列と、タイヤ赤道線よりもタイヤ幅方向外側に形成される外側陸部列とが形成されており、前記外側陸部列のみにおいて、前記主溝側壁角度と前記傾斜溝側壁角度とが変化することを要旨とする。
本発明によれば、トレッド部に設けられているブロック部の偏摩耗を効果的に抑制するタイヤを提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッドパターンを示す一部平面図である。 図2は、第1実施形態に係る空気入りタイヤ1に形成されるブロック部110をトレッド面から見た拡大平面図である。 図3(a)は、図2のA1−A1’線及び図7のA2−A2’線における断面図である。図3(b)は、図2のB1−B1’線及び図7のB2−B2’線における断面図である。図3(c)は、図2のC1−C1’線及び図7のC2−C2’線における断面図である。 図4(a)は、図2のD1−D1’線及び図7のD2−D2’線における断面図である。図4(b)は、図2のE1−E1’線及び図7のE2−E2’線における断面図である。図4(c)は、図2のF1−F1’線及び図7のF2−F2’線における断面図である。 図5(a)は、図2のG1−G1’線及び図7のG2−G2’線における断面図である。図5(b)は、図2のH1−H1’線及び図7のH2−H2’線における断面図である。図5(c)は、図2のI1−I1’線及び図7のI2−I2’線における断面図である。 図6(a)は、図2のJ1−J1’線及び図7のJ2−J2’線における断面図である。図6(b)は、図2のK1−K1’線及び図7のK2−K2’線における断面図である。図6(c)は、図2のL1−L1’線及び図7のL2−L2’線における断面図である。 図7は、第1実施形態に係る空気入りタイヤ1に形成されるブロック部120をトレッド面から見た拡大平面図である。
次に、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。なお、下記の実施形態に係る空気入りタイヤは、ビート部やカーカス層、ベルト層(不図示)を備える空気入りタイヤであるが、かかる構成は省略して説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
(1)トレッドパターンの構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2におけるトレッドパターンを示す一部平面図である。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、図1に示すように、車両前方に進行する時のタイヤ回転方向Trが指定されているものとする。なお、一般的に、このようなタイヤ回転方向Trの指定は、空気入りタイヤ1のタイヤサイドに矢印などによって示される。
また、図1に示すように、空気入りタイヤ1は、トレッド面視において、タイヤ周方向Tcに延びる複数の主溝10が形成される。なお、トレッド面とは、タイヤを適用リムに装着するとともに、規定の空気圧を充填し、静止した状態で平板上に垂直に置き、規定の質量に対応する負荷を加えたときの平板との接触面とする。この場合、適用リムとは、タイヤのサイズに応じて規格に規定されたリムを示し、規定の空気圧とは、規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧を示し、規定の質量とは、規格において、タイヤに負荷することが許容される最大の質量を示す。ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
なお、上述した規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格をいい、例えば、アメリカ合衆国では“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“THE European Tyre and Rim Technical OrganisationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。
また、本実施形態では、複数の主溝10として、5本の主溝10が形成されているものとする。具体的に、本実施形態では、タイヤ赤道線CL上に1本の主溝10が形成され、タイヤ赤道線CLからタイヤ幅方向Tw外側の一方に2本の主溝10が形成され、他方に2本の主溝10が形成されている。なお、主溝10がタイヤ赤道線CL上に沿って延びるとは、主溝10の少なくとも一部がタイヤ赤道線CLを含むように配置されていることを示す。
また、空気入りタイヤ1では、複数の主溝10によって形成される陸部列15を備える。具体的に、空気入りタイヤ1では、陸部列15として、タイヤ幅方向Twに互いに隣接する2つの主溝10,10によって形成される陸部列15a,15bを備える。なお、陸部列15aは、最もタイヤ幅方向Tw内側に形成され、陸部列15bは、陸部列15aよりもタイヤ幅方向Tw外側に形成される。
陸部列15には、タイヤ幅方向Twに対して傾斜する方向に延びる複数の傾斜溝20が形成される。具体的に、陸部列15aと陸部列15bとには、タイヤ幅方向Twに対して傾斜する方向に延びる複数の傾斜溝20が形成される。
また、陸部列15では、複数の傾斜溝20に区画されることによってブロック部100が形成される。具体的に、陸部列15aには、傾斜溝20がタイヤ周方向Tcに所定間隔を設けて形成されることで、ブロック部110が形成され、陸部列15bには、傾斜溝20がタイヤ周方向Tcに所定間隔を設けて形成されることで、ブロック部120が形成される。なお、空気入りタイヤ1では、タイヤ幅方向Twの最も外側に形成されるショルダー陸部においても、タイヤ幅方向Twに対して傾斜する方向に延びるラグ溝(傾斜溝)が、タイヤ周方向Tcに所定間隔を設けて形成されていているが、ここでは説明を省略する。
また、本実施形態では、一の主溝10のタイヤ幅方向Twの一方側に開口する傾斜溝20と、一の主溝10のタイヤ幅方向Twの他方側に開口する傾斜溝20とは、タイヤ周方向Tcにおいて異なる位置に形成されている。換言すれば、複数の傾斜溝20の各々は、タイヤ周方向Tcの位相が異なるように形成されている。なお、これらの複数の傾斜溝20によって形成されるブロック部100は、千鳥状に配置される。
ここで、本実施形態に係る複数の傾斜溝20の配置について、説明する。なお、タイヤ赤道線CL上に形成される主溝10を境に、タイヤ幅方向Twの一方側に形成される傾斜溝20を傾斜溝21とし、タイヤ幅方向Twの他方側に形成される傾斜溝20を傾斜溝22として、これらに着目して説明する。具体的に、タイヤ赤道線CL上に形成される主溝10に一端21aが開口する傾斜溝21と、当該主溝10に一端22aが開口する傾斜溝22とは、タイヤ周方向Tcに所定間隔を設けて交互に形成される。
また、陸部列15aと陸部列15bとに形成される傾斜溝20においても、同様に、タイヤ周方向Tcに所定間隔を設けて交互に形成され、タイヤ周方向における位相が異なるように形成されている。
なお、仮に、複数の傾斜溝20のタイヤ周方向Tcにおける位相を一致させた場合、タイヤ周方向Tcの特定位置において、溝の開口面積が大きくなる部分が形成されてしまうことになり、ブロック部100の接地圧によって傾斜溝20が極端に開閉する場合がある。このような場合、溝底にクラックが発生することや、石噛みが発生する可能性が高くなる。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、複数の傾斜溝20のタイヤ周方向Tcにおける位相をずらすことによって、タイヤ周方向Tcの特定位置において、溝の開口面積が大きくなる部分が形成されることを防止できるので、溝底におけるクラックの発生や、石噛みの発生を抑制できる。
更に、複数の傾斜溝20のタイヤ周方向Tcにおける位相をずらすことによって、ブロック部100は、トレッド面視において、千鳥状に配置される。よって、ブロック部100に偏摩耗が発生したとしても、タイヤ幅方向Twに互いに隣接するブロック部100では、トレッド面視において、ブロック部100に発生する偏摩耗の発生部分を、タイヤ周方向Tcにずらすことができる。その結果、トレッド部2では、タイヤ周方向Tcに一定周期で極端に偏摩耗の発生部分が集中して発生してしまうことも防止できる。
また、本実施形態では、複数の傾斜溝20は、タイヤ赤道線CLを境にタイヤ幅方向Twの両側に形成されており、複数の傾斜溝20のそれぞれは、タイヤ幅方向Tw内側の一端からタイヤ幅方向Tw外側の他端に向かって、タイヤ周方向Tcの同一方向に傾斜して延びている。
具体的に、タイヤ幅方向Twの一方側に形成される傾斜溝21は、タイヤ幅方向Tw内側の一端21aからタイヤ幅方向Tw外側の他端21bに向かって、タイヤ回転方向Trの後方に向かって延びる。同様に、タイヤ幅方向Twの他方側に形成される傾斜溝22は、タイヤ幅方向Tw内側の一端22aからタイヤ幅方向Tw外側の他端22bに向かって、タイヤ回転方向Trの後方に向かって延びる。
このように、タイヤ赤道線CLを境に、タイヤ幅方向Twの一方側と他方側とに傾斜溝21,22を形成することにより、空気入りタイヤ1のトレッドパターンは、方向性パターンを有する。
(2)ブロック部の構成
次に、ブロック部100の構成について説明する。具体的に、タイヤ幅方向Tw内側の陸部列15aに形成されるブロック部110と、陸部列15aのタイヤ幅方向Tw外側の陸部列15bに形成されるブロック部120との構成について説明する。
なお、タイヤ幅方向Twの一方側に形成されるブロック部110(100)と、タイヤ幅方向Twの他方側に形成されるブロック部110(100)とは、タイヤ周方向における位置は異なるものの、タイヤ赤道線CLを境に対称の形状である。同様に、タイヤ幅方向Twの一方側に形成されるブロック部120(100)と、タイヤ幅方向Twの他方側に形成されるブロック部120(100)とは、タイヤ赤道線CLを境に対称の形状である。
従って、タイヤ幅方向Twの一方側に形成されるブロック部110(100)と、ブロック部120(100)とについて説明し、他方側については説明を省略する。
まず、ブロック部110の構成について説明する。図2は、本実施形態に係るブロック部110の拡大平面図である。図2に示すように、ブロック部110は、路面に接地する踏面110Xと、タイヤ幅方向Twの隣接する一方の主溝10によって形成される主溝側壁面111と、タイヤ周方向Tcの隣接する一方の傾斜溝21によって形成される傾斜溝側壁面112と、タイヤ周方向Tcに隣接する他方の傾斜溝21によって形成される傾斜溝側壁面113と、タイヤ幅方向Twに隣接する他方の主溝10によって形成される主溝側壁面114とを有する。
また、ブロック部110では、踏面110Xは、主溝側壁面111側に形成される端部110Aと、一方の傾斜溝側壁面112側に形成される端部110Bと、他方の傾斜溝側壁面113側に形成される端部110Cと、他方の主溝側壁面114側に形成される端部110Dと、を有する。
なお、本実施形態では、図1乃至2に示すように、タイヤ回転方向Trを規定した場合(図1乃至2における下方向)、ブロック部110において、傾斜溝側壁面112側に形成される端部110Bは、蹴出端を構成し、他方の傾斜溝側壁面113側に形成される端部110Cは、踏込端を構成する。
また、本実施形態において、踏面110Xに平行な面によるブロック部110の断面形状は、踏面110Xからタイヤ径方向内側に向かうにつれて変形する。つまり、ブロック部110の周囲に形成される側壁の傾斜角度が、箇所によって異なる。以下に、ブロック部110の側壁角度について具体的に説明する。
ブロック部110では、主溝10によって形成される一方の主溝側壁面111と、路面に接地する踏面110Xとが成す主溝側壁角度θ11は、タイヤ周方向Tcにおける一端部110Cにおいて鋭角となり、タイヤ周方向Tcにおける他端部110Bにおいて鈍角となるように変化する。換言すれば、主溝側壁角度θ11は、タイヤ周方向Tcにおけるタイヤ回転方向Tr後方に向かうに連れて、鋭角から鈍角に変化する。
ここで、図3(a)には、図2のA1−A1’線における断面図が示されている。図3(b)には、図2のB1−B1’線における断面図が示されている。図3(c)には、図2のC1−C1’線における断面図が示されている。
主溝側壁角度θ11は、図3(a)に示すように、一方の傾斜溝側壁面112側の端部110Cにおいては鋭角、すなわち90度より小さくなるように構成される。また、主溝側壁角度θ11は、図3(b)に示すように、主溝側壁面111のタイヤ周方向Tcにおける中間部分(ここでは、最もタイヤ幅方向外側の箇所)においては90度になるように構成される。また、主溝側壁角度θ11は、図3(c)に示すように、他方の傾斜溝側壁面113側の端部110Bにおいては鈍角、すなわち90度より大きくなるよう構成されている。
次に、傾斜溝20によってブロック部110の一方に形成される傾斜溝側壁面112と、踏面110Xとがなす傾斜溝側壁角度θ12について説明する。
また、ブロック部110では、タイヤ周方向Tcの一方に隣接する傾斜溝21によって形成される傾斜溝側壁面112と踏面110Xとが成す傾斜溝側壁角度θ12は、主溝側壁面111に近づくに連れて、鋭角から鈍角に変化する。
ここで、図4(a)には、図2のD1−D1’線における断面図が示されている。図4(b)には、図2のE1−E1’線における断面図が示されている。図4(c)には、図2のF1−F1’線における断面図が示されている。
傾斜溝側壁角度θ12は、図4(a)に示すように、タイヤ幅方向Twの主溝側壁面114側においては鋭角、すなわち、90度より小さくなるように構成され、図4(b)に示すように、傾斜溝側壁面112のタイヤ幅方向Twの中間部分においては90度になるように構成され、図4(c)に示すように、主溝側壁面111側においては鈍角、すなわち90度より大きくなるよう構成されている。
一方、ブロック部110では、タイヤ周方向Tcの他方に隣接する傾斜溝21によって形成される傾斜溝側壁113と踏面110Xとが成す傾斜溝側壁角度θ13は、主溝側壁面114に近づくに連れて、鋭角から鈍角に変化する。つまり、ブロック部110では、傾斜溝側壁角度θ12と傾斜溝側壁角度θ13とが、タイヤ幅方向Twに沿って逆側に変化する。
ここで、図5(a)には、図2のG1−G1’線における断面図が示されている。図5(b)には、図2のH1−H1’線における断面図が示されている。図5(c)には、図2のI1−I1’線における断面図が示されている。
ブロック部110では、図5(a)乃至(c)に示すように、傾斜溝21によってブロック部110に形成される傾斜溝側壁面113と、踏面110Xとが成す傾斜溝側壁角度θ13は、主溝側壁面114に近づくに連れて、鋭角から鈍角に変化する。
次に、他方の主溝10によってブロック部110に形成される主溝側壁面114と、踏面110Xとがなす主溝側壁角度θ14について説明する。
他方の主溝10によってブロック部110に形成される主溝側壁面114と、踏面110Xとがなす主溝側壁角度θ14は、タイヤ周方向Tcにおけるタイヤ回転方向Trの後方(所定方向)に向かうに連れて、鈍角から鋭角に変化する。つまり、ブロック部110では、主溝側壁角度θ11と主溝側壁角度θ14とが、タイヤ回転方向Trに沿って逆側に変化する。
ここで、図6(a)には、図2のJ1−J1’線における断面図が示されている。図6(b)には、図2のK1−K1’線における断面図が示されている。図6(c)には、図2のL1−L1’線における断面図が示されている。
ブロック部110では、図6(a)乃至(c)に示すように、主溝10によってブロック部110に形成される主溝側壁面114と、踏面110Xとが成す主溝側壁角度θ14は、タイヤ回転方向Tr前方に向かうに連れて、鋭角から鈍角に変化する。
なお、本実施形態において、上述した主溝側壁角度θ11,14と、傾斜溝側壁角度θ12,13とは、70度から110度の範囲内で変化する。
次に、ブロック部120の構成について説明する。図7は、本実施形態に係るブロック部120の拡大平面図である。
図7に示すように、ブロック部120は、路面に接地する踏面120Xと、タイヤ幅方向TWに隣接する主溝10bによって形成される主溝側壁面121と、タイヤ周方向Tcに隣接する一方の傾斜溝22によって形成される傾斜溝側壁面122と、タイヤ周方向Tcに隣接する他方の傾斜溝22によって形成される傾斜溝側壁面123と、タイヤ幅方向Twに隣接する主溝10によって形成される主溝壁面124とを有する。
また、ブロック部120では、踏面120Xは、主溝側壁面121側に形成される端部120Aと、傾斜溝側壁面122側に形成される端部120Bと、傾斜溝側壁面123側に形成される端部120Cと、主溝側壁面124側に形成される端部120Dと、を有する。
なお、本実施形態では、図1に示すように、タイヤ回転方向Trを規定した場合、ブロック部120において、傾斜溝側壁面122側に形成される端部120Bは、蹴出端を構成し、他方の傾斜溝側壁面123側に形成される端部120Cは、踏込端を構成する。
また、ブロック部120においても、上述したブロック部110と同様に、側壁の傾斜角度が、箇所によって異なる。以下に、ブロック部120の側壁角度について具体的に説明する。
ブロック部120では、主溝10によって形成される主溝側壁面121と路面に接地する踏面120Xとが成す主溝側壁角度θ21は、タイヤ周方向Tcにおける一方の端部120Cにおいて鋭角となり、タイヤ周方向Tcにおける他方の端部120Bにおいて鈍角となるように変化する。換言すれば、主溝側壁角度θ21は、タイヤ回転方向Trの後方に向かうに連れて、鋭角から鈍角に変化する。
なお、図7のA2−A2’線における断面図は、図3(a)の断面図と同一であり、図7のB2−B2’線における断面図は、図3(b)の断面図と同一であり、図7のC2−C2’線における断面図は、図3(c)の断面図と同一である。すなわち、ブロック部120における主溝側壁角度θ21は、タイヤ回転方向Tr後方に向かって鋭角から鈍角に変化する。
また、ブロック部120では、タイヤ周方向Tcの一方に隣接する傾斜溝22によってブロック部120に形成される傾斜溝側壁122と、踏面120Xとが成す傾斜溝側壁角度θ22は、主溝側壁面121に近づくに連れて、鋭角から鈍角に変化する。
なお、図7のD2−D2’線における断面図は、図4(a)の断面図と同一であり、図7のE2−E2’線における断面図は、図4(b)の断面図と同一であり、図7のF2−F2’線における断面図は、図4(c)の断面図と同一である。
一方、ブロック部120では、タイヤ周方向Tcの他方に隣接する傾斜溝22によって形成される傾斜溝側壁123と踏面120Xとが成す傾斜溝側壁角度θ23は、主溝側壁面124に近づくに連れて、鋭角から鈍角に変化する。
なお、図7のG2−G2’線における断面図は、図5(a)の断面図と同一であり、図7のH2−H2’線における断面図は、図5(b)の断面図と同一であり、図7のI2−I2’線における断面図は、図5(c)の断面図と同一である。
また、他方の主溝10によってブロック部120に形成される主溝側壁面124と、踏面120Xとがなす主溝側壁角度θ24は、タイヤ周方向Tcにおけるタイヤ回転方向Trの前方に向かうに連れて、鋭角から鈍角に変化する。
なお、図7のJ2−J2’線における断面図は、図6(a)の断面図と同一であり、図7のK2−K2’線における断面図は、図6(b)の断面図と同一であり、図7のL2−L2’線における断面図は、図6(c)の断面図と同一である。
また、上述した主溝側壁角度θ21,24と、傾斜溝側壁角度θ22、23とにおいても、70度から110度の範囲内で変化することが好ましい。
(3)作用・効果
次に、第1実施形態に係る空気入りタイヤ1の作用並びに効果について説明する。ここで、一般的な空気入りタイヤにおいて、車両走行時、ブロック部100は、重力、車両の重みに起因する接地圧と、ゴムの非圧縮性とによって蹴出端側へ膨出する。
また、蹴り出し時において、ブロック部100が路面から離れる際に、ブロック部100の膨出した部分によって、踏面には大きな剪断歪が生じる。これにより、踏面が路面上を滑り、ブロック部100は、蹴出端において初期摩耗が発生し易くなる。また、車両の走行距離に応じて摩耗が進行すると、蹴出端は、路面との接地圧が弱くなり、その結果、さらに路面上を滑りやすくなる。このため、ブロック部100の摩耗は、さらにタイヤ回転方向前方へ向かって進展していく。
すなわち、摩耗を抑制するためには、ブロック部100に接地圧がかかる際の膨出量を少なくすることが効果的である。発明者は、車両走行時の接地状態におけるブロック部100の膨出量について鋭意研究した結果、接地圧がかかる際のブロック部100の膨出量は、踏面とブロック部100の溝壁の成す角度が90度よりも小さい程、又は、90度よりも大きい程、抑制できることがわかった。これは、次の理由による。すなわち、踏面とブロック部100の溝壁の成す角度が90度の場合に比べて、かかる角度が90度よりも小さい程、又は、90度よりも大きい程、溝壁面の全体面積を大きくすることができる。このような構成によれば、ブロック部100に接地圧がかかった際に、接地圧が分散されるので、ブロック部100の溝壁の膨出量を抑制することが可能になる。
さらに、ブロック部100を構成するゴムは、一般的に、ゴムの非圧縮性によって、タイヤ周方向Tcにおけるブロック部100中央付近を中心に蹴出端側から踏込端側へ流動する。すなわち、ブロック部100では、蹴出端における膨出量を抑制して、ブレーキング力を打ち消すようにゴムが蹴出端側から踏込端側へ流動すれば、タイヤ周方向Tcの剪断歪を減少させることできるので、ブロック部100に発生した初期摩耗がタイヤ回転方向前方へ進展することを抑制できる。
上述した第1実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向Tcに沿って延びる複数の主溝10と、隣接する2つの主溝10,10によって形成される陸部列15(15a、15b)を備える。陸部列15は、タイヤ幅方向Twに延びる複数の傾斜溝20(傾斜溝21,22)によって区画されるブロック部100(110,120)を備える。
かかる空気入りタイヤ1では、一方の主溝10によってブロック部100(ブロック部110,ブロック部120)に形成される主溝側壁面111,121の主溝側壁角度θ11,θ21は、ブロック部100の一方に形成される踏込端110C,120Cにおいて鋭角となり、他方の傾斜溝20によってブロック部100に形成される蹴出端110D,120Dにおいて鈍角となるように変化する。
また、空気入りタイヤ1では、タイヤ周方向Tcの一方に隣接する傾斜溝20(傾斜溝21乃至22)によってブロック部100(ブロック部110,ブロック部120)に形成される傾斜溝側壁面112,122の傾斜溝側壁角度θ12,θ22は、一方の主溝側壁面111,121に近づくにつれて、鋭角から鈍角に変化する。
また、かかる空気入りタイヤ1では、タイヤ周方向Tcの他方に隣接する傾斜溝20(傾斜溝21乃至22)によってブロック部100(ブロック部110,ブロック部120)に形成される傾斜溝側壁面113,123の傾斜溝側壁角度θ13,θ23は、主溝側壁面111,121に近づくにつれて、鈍角から鋭角に変化する。
また、かかる空気入りタイヤ1では、一方の主溝10によってブロック部100(ブロック部110,ブロック部120)に形成される主溝側壁面114,124の主溝側壁角度θ14,θ24は、ブロック部100に形成される踏込端110C,120Cにおいて鈍角となり、ブロック部100に形成される蹴出端110B,120Bにおいて鋭角となるように変化する。
このように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、ブロック部100の主溝側壁角度θ11,θ14,θ21,θ24と、傾斜溝側壁角度θ12,θ13,θ22,θ23とが、90度よりも大きい値と、90度よりも小さい値とを有するように構成されているため、ブロック部100に接地圧がかかる際の壁面における膨出量を抑制できる。このため、ブロック部100のタイヤ周方向Tcにおける蹴出端110B,120Bと、踏込端110C,120Cにおける剪断歪を抑制できるので、各端部110B,110C,120B,120Cに発生する偏摩耗を抑制することが可能になる。
また、かかる空気入りタイヤ1では、複数の傾斜溝20のそれぞれは、タイヤ幅方向Tw内側の一端からタイヤ幅方向Tw外側の他端に向かって、タイヤ回転方向Tr後方に傾斜して延びている。すなわち、かかる空気入りタイヤ1は、方向性パターンを有している。このような方向性パターンを有する空気入りタイヤ1では、ブロック部100の最もタイヤ回転方向Tr後方に位置する角部が、トレッド面視において、鋭角形状になるため、ブロック部100のめくれなどに起因して偏摩耗が発生しやすい。上述した空気入りタイヤ1では、ブロック部100に形成される主溝側壁面111、121の主溝側壁角度θ11,θ21が、ブロック部100のタイヤ回転方向Tr後方に向かって、鋭角から鈍角に変化し、傾斜溝側壁角度θ12,θ22は、主溝側壁面111、121に近づくにつれて、鋭角から鈍角に変化する。よって、かかる空気入りタイヤ1では、ブロック部100の最もタイヤ回転方向Tr後方に位置する鋭角形状の角部における側壁角度を鈍角にできるので、鋭角にする場合に比べて、ブロック部100のめくれなどを抑制し、偏摩耗を一層抑制できる。
また、本実施形態に係るブロック部100では、一方の傾斜溝側壁面112,122だけでなく、他方の傾斜溝側壁面113,123も、鈍角から鋭角に変化する。これによれば、たとえ使用者が、タイヤ回転方向Trを誤って空気入りタイヤ1を車両に装着したとしても、ブロック部100における傾斜溝側壁面113,123を蹴出端に配置することが可能になる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、主溝側壁角度θ11,θ14,θ21,θ24と、傾斜溝側壁角度θ12,θ13,θ22,θ23とが、90度よりも小さい角度と、90度よりも大きい角度とを有する。仮に、これらの角度θ11乃至θ14,θ21乃至θ24の各々が、90度よりも小さい角度のみで構成する場合、ブロック部100の剛性が低下して、倒れ込みやすくなるため、操縦安定性が低下する。一方、角度θ11乃至θ14,θ21乃至θ24の各々が、90度よりも大きい角度のみで構成する場合、主溝10と傾斜溝20との溝体積が低下してしまうため、排水性能などが低下する。本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、それぞれの側壁角度θ11乃至θ14,θ21乃至θ24が、90度よりも小さい角度と、90度よりも大きい角度とを有することで、操縦安定性及び排水性能も考慮しつつ、偏摩耗を抑制することが可能になる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、主溝側壁角度θ11,θ14,θ21,θ24と、傾斜溝側壁角度θ12,θ13,θ22,θ23とが、90度よりも小さい角度と、90度よりも大きい角度とを有し、それぞれ70度以上、110度以下に構成されている。側壁角度が70度以下の場合、ブロック部の剛性が低下して倒れ込みやすくなるため、操縦安定性が低下する。加えて、倒れ込み量が大きくなることで偏摩耗を促進してしまう。一方、110度以上ある場合は、溝体積が低下し、排水性能が低下する。
[比較評価]
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の従来例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(1)評価方法、(2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(1)評価方法
複数種類の空気入りタイヤを用いて試験を行い、偏摩耗量について評価をした。
なお、偏摩耗量の評価については、走行後の空気入りタイヤにおいて、所定走行距離を走行後の摩耗量を実測によって測定するとともに、測定結果の平均値を算出した。なお、表1において、数値が小さいほど偏摩耗量が少ないことを示している。
また、試験に使用した空気入りタイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
・ タイヤサイズ :295/80R22.5
・ リム・ホイールサイズ :8.25
・ タイヤの種類 :重荷重用タイヤ
・ 内圧 :900kPa
・ 車両 :トラクター(定積状態)
・ 試験用タイヤの装着位置 :駆動輪
・ 最終評価時の走行距離 :約50,000km
・ 走行路 :一般道路
なお、表1において、実施例に係るタイヤは、本願発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤを使用している。一方、従来例に係るタイヤは、ブロック部の側壁角度が97度で一定の一般的な空気入りタイヤを用いた。他の構成は、従来例、実施例ともに同様である。
(2)評価結果
各空気入りタイヤの評価結果について、表1を参照しながら説明する。
Figure 0005944746
表1に示すように、実施例に係る空気入りタイヤは、従来例に係る空気入りタイヤと比較すると、偏摩耗量の抑制に優れていることが解る。
従って、本発明の空気入りタイヤによれば、ブロック部100の端部に発生する歪が大きくなることを抑制し、偏摩耗の発生を抑制する効果が大きいことが証明された。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述した実施形態では、複数の陸部列15が、タイヤ赤道線CL上に形成されていない場合を例に挙げて説明したが、複数の陸部列15には、タイヤ赤道線CL上に形成されている陸部列を含んでいてもよい。
具体的に、陸部列15として、タイヤ赤道線CL上に形成される中央陸部列15c(図示せず)と、タイヤ赤道線CLよりもタイヤ幅方向Tw外側に形成される外側陸部列15a,15bとが形成されていてもよい。但し、この場合、タイヤ赤道線CL上に形成されている中央陸部列15cでは、主溝側壁角度と傾斜溝側壁角度とが、鋭角から鈍角に変化しないようにすることが好ましい。具体的には、外側陸部列15a,15bのみにおいて、主溝側壁角度θ11,θ14,θ21,θ24と、傾斜溝側壁角度θ12,θ13,θ22,θ23とが、鋭角から鈍角に変化することが好ましい。
これは次の理由による。すなわち、かかる場合、タイヤ赤道線CL上(中央部)において、タイヤ幅方向Twの左右対称なブロック部を形成することになる。かかるブロック部の側壁角度を鋭角から鈍角に変化させると、側壁角度が90度よりも大きい部分では、偏摩耗抑制に対して一定の効果があるものの、側壁角度が90度よりも小さい部分では、十分な効果が発揮されない可能性があり、ブロック部にて摩耗バランスの不均一が生じる場合がある。また、この結果、ブロック部に偏摩耗が発生してしまうおそれがあるため、タイヤ赤道線CL上のブロック部には側壁角度を鋭角から鈍角に変化させないことが好ましい。
また、本発明は、タイヤとして、空気や窒素ガスなどが充填される空気入りタイヤであってもよく、空気や窒素ガスなどが充填されないソリッドタイヤでもあってもよい。
また、第1実施形態に係る空気入りタイヤ1では、4列の陸部列15が形成されていたが、これに限定されず、陸部列15を少なく形成してもよいし、多く形成してもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
1…空気入りタイヤ、2・・・トレッド部、θ11,θ14,θ21,θ24…主溝側壁角度、θ12,θ13,θ22,θ23…傾斜溝側壁角度、CL…タイヤ赤道線、Tc…タイヤ周方向、Tr…タイヤ回転方向、Tw…タイヤ幅方向、10…主溝、15,15a,15b…陸部列、20,21,22…傾斜溝、21a,22a…端部、21b,22b…端部、100,110,120…ブロック部、110X,120X…踏面、111,114,121,124…主溝側壁面,112,113,122,123…傾斜溝側壁面、110A,110B,110C,110D…端部、120A,120B,120C,120D…端部

Claims (6)

  1. タイヤ周方向に延びる複数の主溝が形成され、前記複数の主溝によって形成される陸部列を備え、前記陸部列には、タイヤ幅方向に対して傾斜する方向に延びる複数の傾斜溝が形成され、前記複数の傾斜溝に区画されることによってブロック部が形成されるタイヤであって、
    前記複数の傾斜溝は、タイヤ赤道線を境にタイヤ幅方向の両側に形成され、前記複数の傾斜溝のそれぞれは、タイヤ幅方向内側の一端からタイヤ幅方向外側の他端に向かって、タイヤ周方向の同一方向に傾斜して延びており、
    前記ブロック部のタイヤ幅方向外側に隣接する主溝によって前記ブロック部に形成される第1主溝側壁面と、前記ブロック部の路面に接地する踏面とが成す第1主溝側壁角度は、前記ブロック部のタイヤ周方向の一方側に形成される踏込端において鋭角となり、前記ブロック部のタイヤ周方向の他方側に形成される蹴出端において鈍角となるように変化し、
    前記ブロックのタイヤ周方向の他方側に隣接する傾斜溝によって前記ブロック部に形成される第1傾斜溝側壁面と、前記踏面とが成す第1傾斜溝側壁角度は、前記第1主溝側壁面に近づくに連れて、鋭角から鈍角に変化し、
    前記ブロック部のタイヤ幅方向内側に隣接する主溝によって前記ブロック部に形成される第2主溝側壁面と、前記踏面とが成す第2主溝側壁角度は、前記ブロック部のタイヤ周方向の他方側に形成される前記蹴出端において鋭角となり、前記ブロック部のタイヤ周方向の一方側に形成される前記踏込端において鈍角となるように変化し、
    前記ブロックのタイヤ周方向の一方側に隣接する傾斜溝によって前記ブロック部に形成される第2傾斜溝側壁面と、前記踏面とが成す第2傾斜溝側壁角度は、前記第2主溝側壁面に近づくに連れて、鋭角から鈍角に変化し、
    前記ブロック部は、タイヤ赤道線を境にタイヤ幅方向の両側に形成されており、
    タイヤ赤道線よりもタイヤ幅方向の一方側に形成される前記ブロック部の形状と、タイヤ赤道線よりもタイヤ幅方向の他方側に形成される前記ブロック部の形状とは、タイヤ赤道線を基準として対称の形状である
    ことを特徴とするタイヤ。
  2. 一の主溝のタイヤ幅方向の一方側に開口する傾斜溝と、前記一の主溝のタイヤ幅方向の他方側に開口する傾斜溝とは、タイヤ周方向において異なる位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記第1及び前記第2主溝側壁角度と、前記第1及び前記第2傾斜溝側壁角度とは、70度から110度の範囲内で変化する
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載のタイヤ。
  4. 前記陸部列として、
    タイヤ赤道線上に形成される中央陸部列と、タイヤ赤道線よりもタイヤ幅方向外側に形成される外側陸部列とが形成されており、
    前記外側陸部列のみにおいて、前記第1及び前記第2主溝側壁角度と前記第1及び前記第2傾斜溝側壁角度とが変化する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタイヤ。
  5. それぞれの前記ブロック部において、前記第1主溝側壁角度が直角となるタイヤ周方向における位置と、前記第2主溝側壁角度が直角となるタイヤ周方向における位置とは、タイヤ周方向において互いに異なる
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  6. 前記複数の傾斜溝のそれぞれは、タイヤ幅方向内側の一端からタイヤ幅方向外側の他端に向かって、タイヤ幅方向よりもタイヤ回転方向後方に傾斜して延びている
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
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