(実施例1)
図1は、複数色のトナーを用いて画像形成するデジタルフルカラープリンター(カラー画像形成装置)の概略断面図である。なお、実施例をカラー画像形成装置及びそれに備えられる光走査装置を例に説明するが、実施の形態はカラー画像形成装置及びそれに備えられる光走査装置に限られるものではなく単色のトナー(例えば、ブラック)のみで画像形成する画像形成装置及びそれに備えられる光走査装置であっても良い。
画像形成装置100には色別に画像を形成する4つの画像形成部(画像形成手段)101Y、101M、101C、101Bkが備えられている。ここでのY、M、C、Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表している。画像形成部101Y、101M、101C、101Bkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いて画像形成を行う。
画像形成部101Y、101M、101C、101Bkには感光体であるところの感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkが備えられている。感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkの周りには、帯電装置103Y、103M、103C、103BK、光走査装置(発光装置)104Y、104M、104C、104Bk、現像装置105Y、105M、105C、105Bkがそれぞれ設けられている。また、感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkの周りには、ドラムクリーニング装置106Y、106M、106C、106Bkが配置されている。
感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkの下方には無端ベルト状の中間転写ベルト107が配置されている。中間転写ベルト107は、駆動ローラ108と従動ローラ109及び110とに張架され、画像形成中は図中の矢印B方向に回転する。また、中間転写ベルト107(中間転写体)を介して、感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkに対向する位置には一次転写装置111Y、111M、111C、111Bkが設けられている。
また、本実施例の画像形成装置100は、中間転写ベルト107上のトナー像を記録媒体Sに転写するための2次転写装置112、記録媒体S上のトナー像を定着するための定着装置113を備える。
ここでかかる構成を有する画像形成装置100の帯電工程から現像工程までの画像形成プロセスを説明する。各画像形成部における当該画像形成プロセスは同一であるため、画像形成プロセスを画像形成部101Yを例にして説明し、画像形成部101M、101C、101Bkにおける画像形成プロセスについては説明を省略する。
まず画像形成部101Yの帯電装置103Yにより回転駆動される感光ドラム102Yを帯電する。帯電された感光ドラム102Y(像担持体上)は、光走査装置104Yから出射されるレーザ光によって露光される。これによって、回転する感光体上に静電潜像が形成される。その後、該静電潜像は現像装置105Yによってイエローのトナー像として現像される。
以下、2次転写工程以降の画像形成プロセスについて画像形成部を例にして説明をする。一次転写装置111Y、111M、111C、111Bkが転写ベルトに転写バイアスを印加することによって各画像形成部の感光ドラム102Y、102M、102C、102Bk上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像はそれぞれ中間転写ベルト107に転写される。これによって中間転写ベルト107上で各色のトナー像が重ね合わされる。
中間転写ベルト107に4色のトナー像が転写されると、中間転写ベルト107上に転写された4色トナー像は2次転写装置112にて、手差し給送カセット114または給紙カセット115から2次転写部T2に搬送されてきた記録媒体S上に再び転写(2次転写)される。そして、記録媒体S上のトナー像は定着装置113で加熱定着され、排紙部116に排紙され、記録媒体S上にフルカラー画像が得られる。
なお、転写が終了したそれぞれの感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkは、ドラムクリーニング装置106Y、106M、106C、106Bkによって残留トナーを除去され、その後、上記の画像形成プロセスが引き続き行われる。
次に、図2を用いて光走査装置104Y、104M、104C、104Bkの構成を説明する。なお、各光走査装置の構成は同一であるので、以下の説明では色を示す添え字Y、M、C、Bkを省略する。
光走査装置104は、レーザ光(光ビーム)を発生するレーザ光源201と、レーザ光を平行光に整形するコリメータレンズ202と、コリメータレンズ202を通過したレーザ光を副走査方向(感光体の回転方向に対応する方向)へ集光するシリンドリカルレンズ203と、ポリゴンミラー(回転多面鏡)204を備える。また、光走査装置104は、ポリゴンミラー204によって偏向されたレーザ光(走査光)が入射するfθレンズA205と、fθレンズB206を備える。さらに、ポリゴンミラー204によって偏向されたレーザ光を検知し、レーザ光を検知したことに応じて水平同期信号を出力する信号生成手段であるところのビームディテクタ207(以下、BD207)を備える。
図3は、本実施例の画像形成装置の制御ブロック図である。レーザ光源201は、同一チップ(またはパッケージ、基板)上に複数の発光素子を有する。図3では、異なるレーザ駆動部(後述する)が発光素子301(第1の発光素子)及び発光素子302(第2の発光素子)をそれぞれ制御する構成を示しているが、それぞれのレーザ駆動回路が複数の発光素子を制御する構成であっても良い。レーザ光源201は、発光素子301及び発光素子302から出射されたレーザ光を受光する受光手段であるところのフォトダイオード303(以下、PD303とする。)を内蔵している。PD303は、発光素子301及び発光素子302それぞれから出射されるレーザ光の光量を検出するために設けられている。本実施例のレーザ光源201は端面発光型の半導体レーザであり、チップの基板面と水平な2方向にレーザ光を出射する。レーザ光源201から一方側に出射されたレーザ光は感光ドラムに導かれ、他方側に出射されたレーザ光はPD303に入射する。
なお、レーザ光源の実施の形態は端面発光型の半導体レーザに限られず、垂直共振器型半導体レーザ(Vertical Cabity Surface Emitting LASER:以下、VCSEL)であっても良い。VCSELは、端面発光型の半導体レーザと異なり1方向にしかレーザ光を出射しない。そのため、VCSELを感光体の露光光源とする光走査装置は、1方向に出射されたレーザ光をビームスプリッターによって分離し、分離された一方のレーザ光を感光体に導き、他方のレーザ光をレーザ光源の外部に設置されたフォトダイオードに入射させる構成を採用する。
さらに、レーザ光源201は、後述する検出用素子304を備える。
CPU305(制御部)は、第1の駆動手段であるところのレーザ駆動部306A及び第2の駆動手段であるところのレーザ駆動部306Bを制御する。CPU305にはBD207から水平同期信号(BD信号)が入力され、CPU305は水平同期信号に基づくタイミングでレーザ駆動部306A及びレーザ駆動部306Bに後述する制御信号Sa、Sb、Sd、Se、Sg、Sh、Siを出力する。レーザ駆動部306A及びレーザ駆動部306BはCPU305に後述する完了信号を出力する。
レーザ駆動部306Aは、電流源307A、第1の検出手段としてのサンプル/ホールド回路308A(以下、S/H回路308Aとする。)、電流制御部309A、スイッチ310Aを備える。また、レーザ駆動部306Bは、電流源307B、第2の検出手段としてのサンプル/ホールド回路308B(以下、S/H回路308Bとする。)、電流制御部309B、スイッチ310Bを備える。本実施例におけるレーザ駆動部306Aとレーザ駆動部306Bは同一の構成であるが、レーザ駆動部306Bは電流源307B及びスイッチ310Bを備えていない回路構成でも良い。
レーザ駆動部306Aの電流制御部309Aは、CPU305から出力される制御信号Sa(発光指示信号)の入力に応じて駆動電流IAを発光素子301に供給する。
レーザ駆動部306Aの電流源307Aにはスイッチ310Aが接続されている。CPU305は制御信号Sgを出力して、スイッチ310Aをオン/オフ制御する。スイッチ310Aがオンの状態で電流源307Aから検出用素子304に検出用電流としての駆動電流Icが供給される。制御信号Sgは、回転多面鏡204によって偏向されるレーザ光の露光位置が図2に示す画像形成領域外(非画像領域)である場合にCPU305から出力される。即ち、レーザ光の1走査周期内における画像領域を走査する期間以外のタイミングで制御信号SgはCPU305から出力され、検出用素子304が駆動される。
レーザ駆動部306Bの電流制御部309Bは、CPU305から出力される制御信号Sd(発光指示信号)の入力に応じて駆動電流IBを発光素子302に供給する。CPU305が電流制御部309Bに出力する制御信号Sdは、制御信号Saに対応する信号である。
レーザ駆動部306Bの電流源307Bにはスイッチ310Bが接続されている。しかしながら、スイッチ310Bには、CPU305から制御信号が供給されることはなく、スイッチ310Bは常にオフの状態となっている。従って、電流源307Bから駆動電流は供給されない。
CPU305は、回転多面鏡駆動モータ311に制御信号Siを出力することによって回転多面鏡駆動モータ311に回転多面鏡204を回転駆動させる。また、CPU305は、画像処理部312に制御信号Siを出力することによって画像処理部312に画像データを出力させる。
次に、図4を用いて、図3の電流制御部309A及び電流制御部309Bの構成について説明する。図4は、図3に示す電流制御部309Aの詳細図である。
電流制御部309Aは、バイアス電流源401A、スイッチング電流源402A、補正電流源403A、AND回路404A、スイッチ406A、スイッチ407A、APC回路408Aを備える。
電流制御部309Bは、図示しないが、電流制御部309Aと同様の構成であり、バイアス電流源401B、スイッチング電流源402B、補正電流源403B、AND回路404B、スイッチ406B、スイッチ407B、APC回路408Bを備える。
上記のように、本実施例における電流制御部309A及び電流制御部309Bは同一構成であるため、以下では電流制御部309Aについて説明し、電流制御部309Bの説明を省略する。
まず、バイアス電流源401Aについて説明する。バイアス電流源401Aは、画像形成中に発光素子301に待機電流であるバイアス電流Ibiを供給する。半導体レーザは、閾値電流Ith未満の値の電流を供給すると微小発光し、閾値電流Ith以上の値の駆動電流を供給すると大きな光量のレーザ光が出射されることが知られている。この特性を活かし、画像形成中、バイアス電流源401Aから発光素子301に上記閾値電流Ithに基づいて決定されたバイアス電流Ibiが供給される。つまり、バイアス電流Ibiの値が画像形成中に発光素子301に供給される駆動電流の起点となる。発光素子301にバイアス電流Ibiを供給することによって、後述するスイッチング電流Iswを供給したときの発光応答性が良好になる。
続いて、スイッチング電流源402Aについて説明する。スイッチング電流源402Aは、スイッチング電流Iswを発光素子301に供給する。スイッチング電流源402Aの出力側のスイッチ406Aには、AND回路404Aが接続されている。AND回路404Aには、制御信号Saが入力される。また、AND回路404Aには、画像処理部312から画像データ(2値)が入力されている。従って、AND回路404Aは、制御信号Saと画像データとの論理和をスイッチ406に出力する。例えば、AND回路404AにCPU305からHighレベルの制御信号Saが出力され、画像処理部312からHighレベルの画像データが入力された場合、スイッチ406Aがオンになり、スイッチング電流源402Aから発光素子301にスイッチング電流Iswが供給される。つまり、発光素子301にはバイアス電流源401Aからバイアス電流Ibiが供給され、かつ、スイッチング電流源402Aからスイッチング電流Iswが供給され、発光素子301からはバイアス電流Ibiとスイッチング電流Iswの和に応じた光量のレーザ光が出射される。
一方、AND回路404AにCPU305からHighレベルの制御信号Saが入力され、画像処理部312からLowレベルの画像データが入力されるとスイッチ406Aがオフになる。この状態では、バイアス電流源401Aから発光素子301にバイアス電流Ibiが供給される一方で、スイッチング電流源402Aから発光素子301にはスイッチング電流Iswが供給されない。さらに、AND回路404AにCPU305からLowレベルの制御信号Saが入力されている場合、スイッチ406Aがオフの状態となる。この状態では、発光素子301にはスイッチング電流Iswは供給されない。
次に、レーザ駆動部306Aに備えられるAPC(Automatic Power Control:自動光量制御)を実行するための構成について説明する。APCは、バイアス電流Ibiの値、及びスイッチング電流Iswの値を設定するための制御である。レーザ駆動部306AのAPC回路408AにはCPU305から制御信号Sb(図3参照)が入力される。制御信号Sbは、CPU305がレーザ駆動部306AのAPC回路408に発光素子301のAPCを実行させるための信号である。本実施例では、電流制御部309Aによって駆動される発光素子は1つである例を示しているが、実際には電流制御部309Aは複数の発光素子を駆動するドライバである。そのため、制御信号Sbは、複数の発光素子のうちいずれの発光素子のAPCを実行するかを示す制御信号である。図3に示すCPU305から電流制御部309B(APC回路408B)に入力される制御信号Seも同様である。
APC回路408Aは、CPU305から制御信号Sbが入力されたことに応じて1走査中の非画像領域期間において発光素子301のAPCを実行する。APC回路408Aには、図3に示すPD303によって検出された光量信号Scが入力される。APC回路408Aは、PD303によって検出される光量が目標光量(後述するP1、P2)となるように、発光素子301に供給する駆動電流IAの値を制御する。
まず、バイアス電流Ibiの値の設定方法について説明する。図5は、発光素子(半導体レーザ)に供給される駆動電流とレーザ光の光量との関係(発光特性)を示す図である。発光素子に閾値電流Ithより小さい値の駆動電流が供給されている場合、発光素子からは微小の光量の自然放出光が出射される。一方、発光素子に閾値電流Ith以上の値の駆動電流が供給されるとレーザ光が出射される。バイアス電流Ibiの値は、閾値電流Ithに所定値を増減あるいは所定の係数を乗算することで閾値電流Ith近傍の値に設定される。
図5に示す発光特性は、レーザ光源の温度によって変動する。例えば、温度が上昇すると図5の一点鎖線のように発光特性が変動する。図5に示すように閾値電流Ithの値もレーザ光源の温度によって変動(右にシフト)する。そのため、バイアス電流Ibiの値を一定にすると、レーザ光源の温度変動に伴い発光素子の発光応答性が低下する場合が生じる。
そこで、例えば、1走査周期毎に閾値電流Ithを導出し、導出された閾値電流Ithからバイアス電流Ibiの値を算出する。閾値電流Ithは次のように導出される。CPU305は、発光素子に供給する駆動電流を変化させて、PD303によって検出される光量(PDの受光光量)がP1(図5参照)となる駆動電流I1をAPC回路408に測定させる。
次に、CPU305は、発光素子に供給する駆動電流を変化させて、PD303によって検出される光量がP2(図5参照)となる駆動電流I2(I1>I2)を測定する。
そして、CPU305は、(I1,P1)と(I2,P2)とを結ぶ直線と光量0に相当する線分との交点を閾値電流Ithに決定し、閾値電流Ithに所定値を増減あるいは所定の係数を乗算することでバイアス電流Ibiの値を決定する。
次に、スイッチング電流Iswの値の設定方法について説明する。本実施例では画像形成中に使用するレーザ光の目標光量をP1であるとする。上記の測定結果から発光素子に供給する駆動電流をI1に設定すればレーザ光の光量がP1になることがわかっているので、図5に示すように、CPU305は、I1からバイアス電流Ibiを減算した値をスイッチング電流Iswに設定する。従って、駆動電流IAは、以上のようにして求めたバイアス電流Ibiとスイッチング電流Iswの和となる。
続いて、補正電流源403Aについて説明する。補正電流源403Aは、スイッチング電流Iswを発光素子301に供給する際にスイッチング電流Iswの供給開始に同期して発光素子301に補正電流Icorを供給する。補正電流Icorは、駆動電流に対する発光素子301から出射されるレーザ光の発光遅延を補正するために発光素子301に供給する電流である。
ここで、図6を用いてAND回路404Aに入力される画像データに対するレーザ光の発光遅延を説明する。図6は、制御信号Sa、画像データ、駆動電流IA及びレーザ光の光量の関係を示すタイミングチャートである。図6において、(a)は、CPU305から電流制御部309AのAND回路404Aに入力される制御信号Sa、(b)は、AND回路404Aに入力される画像データを示している。(c)は、発光素子301に供給される駆動電流IAを示している。は、レーザ光源201の温度が25℃の時のレーザ光の光量波形、(e)は、レーザ光源201の温度が50℃の時のレーザ光の光量波形を示している。
図6に示すように制御信号Saと画像データがAND回路404Aに入力されると、スイッチ406Aがオンになり、駆動電流IA(=Ibi+Isw)が発光素子301に供給される。理想的には矩形の画像データと同様に駆動電流IA(=Ibi+Isw)が供給されることによって発光素子301から出力されるレーザ光の光量波形も矩形になることが望ましい。しかしながら、図6の(d)(e)に示すようにレーザ光源の特性によって駆動電流IAが供給されてもレーザ光の光量が直ぐに目標光量(P1)までに立ち上がるわけではなく、画像データの立ち上がりに対して遅れて目標光量P1に到達する。これを発光遅延と呼ぶ。このような発光遅延の発生によって、画像の端部の濃度が低下したり、文字画像であれば文字のエッジ部分の尖鋭性が低下したりする。
この発光遅延時間を低減するために、レーザ駆動部306Aの補正電流源403Aは、発光素子301へのスイッチング電流Iswの供給開始に同期して、スイッチング電流Iswの供給開始から所定期間発光素子301に補正電流Icorを供給する。また、レーザ駆動部306Bの補正電流源403Bは、発光素子302へのスイッチング電流Iswの供給開始に同期して、スイッチング電流の供給開始から所定期間発光素子302に補正電流Icorを供給する。補正電流Icorを供給することによって、発光開始時に発光素子に供給される電流が駆動電流IAに補正電流Icorを加えたものとなり、これにより、レーザ光の光量波形の立ち上がり速度が速くなり、発光遅延時間を低減することができる。
ところで、図6(d)(e)に示すように、発光遅延時間はレーザ光源の温度に依存することが実験的にわかっている。そのため、補正電流Icorを一定の電流値に設定すると、レーザ光源の温度が変動した場合に発光遅延を適切に補正することができない。そこで、本実施例の画像形成装置は、レーザ光源の温度に相関がある検出用素子304(図3参照)の電圧を検出し、その検出結果に基づいて補正電流Icorの値を制御する。
まず、レーザ光源201に備えられる検出用素子304について説明をする。図3に示すように、検出用素子304は発光素子301及び発光素子302と同様に同一チップ上に作製された素子であり、駆動電流Icが供給されることによってレーザ光が生成される。レーザ駆動部306Aの電流源307Aにはスイッチ310Aが接続されている。CPU305は制御信号Sgを出力して、スイッチ310Aをオン/オフ制御する。スイッチ310Aがオンの状態で電流源307Aから検出用素子304に駆動電流Icが供給される。レーザ駆動部306Bの電流源307Bにはスイッチ310Bが接続されている。しかしながら、スイッチ310Bには、CPU305から制御信号が入力されることはなく、スイッチ310Bは常にオフの状態となっている。従って、検出用素子304には電流制御部309Bから駆動電流が供給されることなく、電流制御部309Aからは駆動電流Icが供給される。なお、検出用素子304が生成したレーザ光がレーザ光源201の外部に出射されないように検出用素子304の出射口にはマスク処理がなされている。
次に、検出用素子304の電圧とレーザ光源201の温度との相関性について説明する。図7(a)は、検出用素子304に供給する駆動電流Iと検出用素子304の電圧Vfとの関係を温度毎(25℃、40℃、50℃)に示している。図7(a)に示すように、検出用素子304に駆動電流Ic供給したとき、レーザ光源201の温度が高くなるに従って電圧値が低下することがわかる。図7(b)は、検出用素子304に駆動電流Icを供給したときのレーザ光源の温度と検出用素子304の電圧Vfとの関係を示している。図7(b)に示すように、レーザ光源201の温度Tと検出用素子304の電圧Vfは比例関係であることがわかる。従って、検出用素子304のVfを検出することによって、レーザ光源201にサーミスタなどの温度検出素子を取り付けることなく、温度に対応したレーザ光源201の状態(動作状態、作動状態。以下、動作状態とする。)を検出することができる。
上述したように、CPU305は制御信号Sgを出力して、スイッチ310Aをオン/オフ制御する。スイッチ310Aがオンの状態で電流源307Aから検出用素子304に検出用電流としての駆動電流Icが供給される。駆動電流Icが検出用素子304に供給された状態で、CPU305は、S/H回路308A及びS/H回路308Bに制御信号Shを出力する。S/H回路308A及びS/H回路308Bは、制御信号Shに応じて駆動電流Icが供給された状態の検出用素子304の電圧を検出する。S/H回路308Aは検出結果Vfを電流制御部309AのAPC回路408Aに出力し、S/H回路308Bは検出結果Vfを電流制御部309BのAPC回路408Bに出力する。
なお、本実施例では、レーザ駆動部306AにS/H回路308Aが備えられ、レーザ駆動部306BにS/H回路308Bが備えられる構成を例に説明をしたが、実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、検出用素子304の電圧を検出するための1つのS/H回路をレーザ駆動部306A及び306Bの外部に設け、当該S/H回路が検出結果Vfをレーザ駆動部306A及び306Bそれぞれに出力する構成でも良い。
S/H回路308Aは不図示のアース端子を備え、アース端子を介して接地されている。また、S/H回路308Aは入力端子を備え、図3に示すようにS/H回路308Aの入力端子は検出用素子304の駆動電流Icが入力される入力端子に接続されている。S/H回路308Aは、後述する制御信号Shが入力されたことに応じて駆動電流Icが供給された状態でのS/H回路308Aの入力端子とアース端子との電位差をVfとして電流制御部306Aに出力する。また、レーザ駆動部306Bも同様に、S/H回路308Bは不図示のアース端子を備え、アース端子を介して接地されている。また、S/H回路308Bは入力端子を備え、図3に示すようにS/H回路308Bの入力端子は検出用素子304の駆動電流Icが入力される入力端子に接続されている。S/H回路308Bは、後述する制御信号Shが入力されたことに応じて駆動電流Icが供給された状態でのS/H回路308Bの入力端子とアース端子との電位差をVfとして電流制御部306Bに出力する。
APC回路408A及びAPC回路408Bの内部メモリにはVfと比較するための参照電圧V1及びV2(<V1)が記憶されている。V1及びV2とVfとの比較結果とレーザ光源201の温度との関係は以下の表のとおりである。
図4に示すように、補正電流源403Aには、画像処理部312から供給される画像データに応じてオン・オフ制御されるスイッチ407Aが接続されている。また、スイッチ407Aには、図4に示すように構成されたコンデンサCx、Cy、Czと、スイッチSWaおよびSWbが備えられている。
画像処理部312から入力される画像データがLowレベルのときはスイッチ407Aがオフになり、補正電流Icorは発光素子301に供給されない。一方、画像処理部312から入力される画像データがHighレベルのときはスイッチ407Aがオンになり、パルス状の電流がスイッチ407Aを通過する。コンデンサCx、Cy、Czと、スイッチSWaおよびSWbは、スイッチ407Aを通過したパルス状の電流の値を制御するとともに所定の時定数で収束させるための回路である。スイッチSwaおよびスイッチSwbをオン・オフ制御することによって、発光素子301に供給される補正電流Icorの値および収束時間を制御することができる。
APC回路408Aは、S/H回路308Aからの信号Vfに基づいてスイッチSWaおよびスイッチSWbのオン・オフ状態を設定する。S/H回路308AからAPC回路408Aに入力される信号VfがVf≦V2の場合、APC回路408Aは、スイッチSWaとスイッチSWbをともにオフに制御する。この参照電圧V2は、組立工程にて測定される値であり、レーザ光源201の温度を40℃に設定し、検出用素子304に駆動電流Icを供給したときに検出用素子304に印加される電圧である。APC回路408Aは、V2を閾値としてレーザ光源201の温度が40℃以上であるか40℃未満であるかを推定する。即ち、本実施例のAPC回路408Aは、Vf≦V2の場合、レーザ光源201の温度が40℃以上の状態であると推定する。図6に示したように、レーザ光源201の温度が上昇するにつれて発光遅延時間が増大する。そのため、APC回路408Aは、Vf≦V2の場合、補正電流Icorの値が最も大きくなるようにスイッチSWa及びスイッチSWbをオフに制御する(表2参照)。
また、S/H回路308AからAPC回路408Aに入力される信号VfがV2<Vf≦V1の場合、APC回路408Aは、スイッチSWaをオフに制御し、スイッチSWbをオンに制御する。この参照電圧V1は、組立工程にて測定される値であり、レーザ光源201の温度を25℃に設定し、検出用素子304に駆動電流Icを供給したときに検出用素子304に印加される電圧である。APC回路407Aは、V1を閾値としてレーザ光源201の温度が25℃以上であるか25℃未満であるかを推定する。即ち、本実施例のAPC回路407Aは、V2<Vf≦V1の場合、レーザ光源201の温度が25℃以上40℃未満の状態であると推定する。レーザ光源201の温度が25℃以上40℃未満の状態は40℃以上の状態より発光遅延の程度が小さい。この場合、APC回路407Aは、V2<Vf≦V1の場合、スイッチSWaをオフに、またスイッチSWbをオンに制御する(表2参照)。スイッチSWaをオフにし、スイッチSWbをオンにしたときの補正電流Icorの値は、スイッチSWaとスイッチSWbをともにオンにした状態における補正電流Icorの値よりも大きく、スイッチSWaとスイッチSWbをともにオフにした状態における補正電流Icorよりも小さくなる。また、スイッチSWaをオフにし、スイッチSWbをオンにしたときの補正電流Icorの収束時間は、スイッチSWaとスイッチSWbをともにオンにした状態における補正電流Icorの収束時間よりも長く、スイッチSWaとスイッチSWbをともにオフにした状態における補正電流Icorの収束時間よりも短い(表2参照)。
さらに、S/H回路308AからAPC回路408Aに入力される信号VfがVf>V1の場合、APC回路407Aは、レーザ光源201の温度が25℃未満の状態であると推定し、スイッチSWaをオンに制御し、スイッチSWbをオンに制御する。
なお、コンデンサ及びスイッチの数及び参照電圧の数を増やすことによって、補正電流Icorの値及び収束時間を細分化することができるが、本実施例では説明を簡易にするために補正電流Icorの値及び収束時間を3段階に制御できる構成を例に説明をした。
図8は、制御信号Sa、画像データ、スイッチング電流Isw、補正電流Icor、駆動電流IA、及びレーザ光の光量の関係を示すタイミングチャートである。図8において、(a)は、CPU305から電流制御部309AのAND回路404Aに入力される制御信号Sa、(b)はAND回路404A及びスイッチ407Aに入力される画像データを示している。
(c)は、発光素子301に供給されるスイッチング電流Iswを示しており、(d)(e)(f)は、発光素子301に供給されるIswにIcorを重畳した駆動電流IAを示している。(d)は、検出用素子304の動作状態がVf>V1と検出されたときの駆動電流Iの電流波形であり、(e)は、検出用素子304の動作状態がV2<Vf≦V1と検出されたときの駆動電流IAの電流波形であり、(f)は、検出用素子304の動作状態がVf≦V2と検出されたときの駆動電流IAの電流波形である。図7(d)(e)(f)のIcor1、Icor2、Icor3は検出用素子304の各動作状態で供給される補正電流を示しており、Icor1<Icor2<Icor3となっている。
図8の(g)は、各状態で駆動電流IAが発光素子301に供給されたときのレーザ光の光量波形を示している。(g)に示すように、発光素子301へのスイッチング電流Iswの供給開始に同期して補正電流源403Aから検出用素子304の動作状態に応じた補正電流Icorを供給することによって、発光遅延を低減させることができる。
続いて、図9及び図10を用いてCPU305が実行する制御フロー及び制御に応じた各種信号の発生タイミングを説明する。図9は、CPU305が実行する制御フローであり、図10は、各種信号の発生タイミングを示すタイミングチャートである。図9と図10とを対応させて説明をする。
画像形成装置に画像データが入力されたことに応じて本制御が開始される。まず、CPU305は、画像形成装置に画像データが入力されたことに応じて回転多面鏡の駆動モータ311に制御信号Siを出力して回転多面鏡204を回転させる(ステップS1)。その後、CPU305は、回転多面鏡204の回転速度が所定の回転速度になったか否かを判定する(ステップS2)。CPU305は、回転多面鏡204の回転速度が所定の回転速度に達していなければ回転多面鏡204の回転速度を加速させる(ステップS3)。
ステップS2において、回転多面鏡204の回転速度が所定の回転速度に達していると判定された場合、CPU305は、水平同期信号を生成するためにレーザ駆動部306Aに制御信号Saを出力する(ステップS4)。制御信号Saは上述した通りレーザ駆動部306AのAND回路404に入力され、このタイミングでレーザ駆動部306AのAND回路404にはHighレベルの画像データも入力されるので(図10参照)、発光素子301が点灯する。続いて、CPU305は、BD207がレーザ光を検出することによって水平同期信号が生成したか否かを判定し(ステップS5)、水平同期信号が生成されていれば、制御信号Saの出力を停止し(ステップS6)、水平同期信号が生成されていなければ、ステップS4に戻り制御信号Saの出力を続ける。
ステップS6の後、CPU305は、水平同期信号の生成タイミングに基づいて発光素子301及び発光素子302のAPC実行タイミング、及び制御信号Sg出力タイミングを決定する(ステップS7)。本実施例では、図10に示すように、CPU305は、発光素子301及び発光素子302のAPCをそれぞれ最初の水平同期信号が生成されてからT1(μsec)、T2(μsec)後に実行し、T3(μsec)後に制御信号Sgを出力する。
CPU305は、水平同期信号が生成されてから所定時間経過後(T1)、レーザ駆動部306Aに発光素子301のAPCを実行させるために制御信号Sa及び制御信号Sbをレーザ駆動部306Aに出力する(ステップS8)。レーザ駆動部306Aは、制御信号Sa及び制御信号Sbに応じて駆動電流IAを発光素子301に供給し、発光素子301からは駆動電流IAの電流値に応じた光量のレーザ光が出力される。この駆動電流IAが供給されることによって出射されるレーザ光を用いて前述するAPCが実行される。
発光素子301のAPCの終了後、レーザ駆動部306Aは、APCの結果を電流制御部309Aの内部メモリに記憶し、記憶されたことに応じてAPC完了信号をCPU305に送信する。
CPU305は、発光素子301のAPCが完了したか否かを判定する(ステップS9)。即ち、CPU305は、レーザ駆動部306AからAPC完了信号が送信されていれば、発光素子301のAPCが完了したと判定し、レーザ駆動部306AからAPC完了信号が送信されていなければ、発光素子301のAPCが完了していないと判定する。
ステップS9において、発光素子301のAPCが完了したと判定された場合、水平同期信号が生成されてから所定時間経過後(T2)に、レーザ駆動部306Bに発光素子302のAPCを実行させるために制御信号Sd及び制御信号Seをレーザ駆動部306Bに出力する(ステップS10)。レーザ駆動部306Bは、制御信号Sd及び制御信号Seに応じて駆動電流IBを発光素子302に供給し、発光素子302からは駆動電流IBの電流値に応じた光量のレーザ光が出力される。この駆動電流IBが供給されることによって出射されるレーザ光を用いて前述するAPCが実行される。
発光素子302のAPC終了後、レーザ駆動部306Bは、APCの結果を電流制御部309Bの内部メモリに記憶し、記憶されたことに応じてAPC完了信号をCPU305に送信する。
CPU305は、発光素子302のAPCが完了したか否かを判定する(ステップS11)。即ち、CPU305は、レーザ駆動部306BからAPC完了信号が送信されていれば、発光素子302のAPCが完了したと判定し、レーザ駆動部306BからAPC完了信号が送信されていなければ、発光素子302のAPCが完了していないと判定する。
発光素子302のAPCが完了し、水平同期信号が生成されてからT3(μsec)経過後、CPU305は、レーザ駆動部306Aに制御信号Sgを出力する(ステップS12)。この制御信号Sgに応じて、レーザ駆動部306Aのスイッチ310Aがオンとなり、所定の値の駆動電流ICが検出用素子304に供給される。その後、CPU305は、S/H回路308A及びS/H回路308BにS/H信号Shを出力する(ステップS13)。このS/H信号Shに応じて、S/H回路308A及びS/H回路308Bは、検出用素子304に印加された電圧Vfを検出する。これによって、検出用素子304の動作状態を検出することができる。電流制御部309A及び電流制御部309Bは、前述のように電圧Vfに基づいてスイッチSWa及びスイッチSWbを制御することによってレーザ光源201の温度に応じた補正電流Icorの値を設定する。電流制御部309A及び電流制御部309Bは、スイッチSWa及びスイッチSWbの制御が完了したことに応じて、完了信号をCPU305に出力する。
CPU305は、補正電流Icorの設定が完了したか否かを判定する(ステップS14)。即ち、CPU305は、電流制御部309A及び電流制御部309Bから完了信号が送信されていれば、補正電流Icorの設定が完了したと判定し、一方、電流制御部309A及び電流制御部309Bから完了信号が送信されていなければ、補正電流Icorの設定が完了していないと判定する。
ステップS14において補正電流Icorの設定が完了したと判定された場合、CPU305は、水平同期信号を生成するために制御信号Saをレーザ駆動部306Aに出力する(ステップS15)。このとき、発光素子301を発光させるための画像データもレーザ駆動部306Aに出力される。ステップS15においてCPU305から制御信号Saが出力されたことに応じてレーザ駆動部306Aの電流制御部309Aは、バイアス電流Ib、スイッチング電流Isw、補正電流Icorを発光素子301に供給する。それに応じて、発光素子301からレーザ光が出射され、当該レーザ光はBD207に入射する。続いて、水平同期信号の生成タイミング(T4、T5(μsec)経過後)に基づいて、画像データに基づく感光ドラムのレーザ露光を行う(ステップS16)。ステップS16におけるレーザ露光を行う際に、内部メモリに記憶されているAPCの結果の値が用いられる。その後、CPU305は、画像形成が終了したか否かを判定し(ステップS17)、画像形成が終了していれば本制御を終了させ、画像形成が終了していなければステップS8に制御を戻す。
ステップS8からステップS15及びステップS17が、レーザ光の1走査周期中において、レーザ光が非画像領域を走査する期間に実行され、ステップS16が画像領域を走査する期間に実行されるステップである。
フローチャートには図示しなかったが、例えば、ステップS5において水平同期信号が生成されてからT2(μsec)経過しても発光素子301のAPCが完了していないと判定されるような場合、CPU305は本制御を中止し、ユーザにエラーを報知するものとする。さらに、本実施例では、検出用素子304の動作状態の検出結果をスイッチング電流Isw供給開始時の補正に使用する例を示したが、スイッチング電流Isw供給開始から終了までに供給される駆動電流を検出用素子304の動作状態の検出結果に基づいて補正しても良い。
また、本実施例では、検出用素子304をレーザ駆動部309Aによって駆動する例を示した。しかしながら、実施の形態はこれに限られることなく、検出用素子を駆動する専用の駆動部を備える構成でも良い。
このように、本実施例の構成によれば、レーザ駆動部306Aによって駆動された検出用素子304の動作状態に基づいて、発光素子301が出射するレーザ光の光量(スイッチング電流供給開始時の光量)及び発光素子302が出射するレーザ光の光量(スイッチング電流供給開始時の光量)を制御するため、発光素子301と発光素子302との間で光量差の発生を抑制することができる。また、レーザ駆動部306Aが検出用素子304を駆動し、レーザ駆動部306Bは検出用素子304を駆動しないため、CPU305が非画像領域に実行する制御プログラムを簡略化することができる。
(実施例2)
実施例1では、各発光素子のフォトダイオードを用いたAPCの結果と検出用素子304の動作状態の検出結果とに基づいて各発光素子の光量を制御する例について説明した。それに対して、本実施例の画像形成装置は、レーザ光を検出するためのフォトダイオードを備えておらず、検出用素子304の動作状態の検出結果のみから発光素子301及び発光素子302の光量を制御する例である。本実施例の画像形成装置には、発光素子に補正電流Icorを供給する補正電流源が不要となる。
図11は、本実施例の画像形成装置の制御ブロック図である。図11に示すように、本実施例のレーザ光源1101は、レーザ光を検出するためのフォトダイオード(PD)を備えていない。従って、本実施例の画像形成装置は、図3の構成とは異なりフォトダイオードから電流制御回路1102A及び電流制御回路1102Bへの配線も備えていない。その他の図3と同一符号が付された構成は図3の構成と同様の機能を有するものであるので、説明を省略する。
図12は、図11に記載された電流制御部1102Aの詳細図である。電流制御部1102Aと電流制御部1102Bとは同一構成であるので、電流制御部1102Aについて説明し、電流制御部1102Bの説明は省略する。また、図12において、図4と同一符号が付された構成は図4の構成と同様の機能を有するものであるので、説明を省略する。
本実施例の電流制御部1102Aは、APC回路1103Aを備える。APC回路1103Aには、S/H回路308Aから検出信号(Vf)が入力されている。APC回路1103Aは、内蔵されたメモリに記憶された基準電圧Vref’とS/H回路308Aから出力される検出信号の電圧Vfとを比較し、比較結果に基づいてレーザ駆動部1102Aのスイッチング電流源402Aから発光素子301に供給するスイッチング電流Iswの値を制御する。例えば、Vf<Vref’(Vref’はレーザ光源1101の温度が25℃のときのVfに相当)の場合、レーザ光源1101の温度が25℃よりも高い状態である。このとき、スイッチング電流Iswの値を上げないと発光素子301の発光量が25℃の時の発光量よりも小さくなる。そこで、レーザ駆動部1102AのAPC回路1103Aは、発光素子301に供給するスイッチング電流IswをVref’に対応するスイッチング電流よりも大きくする。
一方、Vf>Vref’の場合、レーザ光源1101の温度が25℃よりも低い状態である。このとき、スイッチング電流Iswの値を下げないと目標光量をオーバーしてしまう。そこで、レーザ駆動部1102AのAPC回路1103Aは、発光素子301に供給するスイッチング電流IswをVrefに対応するスイッチング電流よりも小さくする。
Vf=Vrefの場合、レーザ駆動部1102AのAPC回路1103Aは、スイッチング電流Iswをレーザ光源1101の温度が25℃に対応する値に制御する。
図13は、図12に示すCPU305が実行する制御フローである。ステップS21〜ステップS26は図9に示すステップS1〜ステップS6と同一であるので説明を省略する。
ステップS26の後、CPU305は、制御信号Sg出力タイミングを決定する(ステップS27)。本実施例では、CPU305は、図14に示すように水平同期信号が生成されてからT3(μsec)後に制御信号Sg出力タイミングを出力する。ステップS25において生成された同期信号からT3(μsec)後、CPU305は、制御信号Sgを出力し(ステップS28)し、ステップS29においてS/H信号Shを出力する(ステップS29)。制御信号Sgによりスイッチ310Aがオンとなり、所定の駆動電流Icが検出用素子304に供給される。そして、S/H回路308A及びS/H回路308Bは、検出用素子304に印加された電圧Vfを検出する。電流制御部1102A及び電流制御部1102Bは、電圧Vfに基づいてスイッチング電流Iswの値を算出する。電流制御部1102A及び電流制御部1102Bは、それぞれの内部メモリにIswの値を記憶する。以上により、レーザ光源1101の温度に応じたスイッチング電流Iswの値が設定される。
CPU305は、水平同期信号を生成するために制御信号Saをレーザ駆動部1102Aに出力する(ステップS30)。ステップS30においてCPU305から出力される制御信号Saに基づいて、レーザ駆動部1102Aは、バイアス電流Ib、スイッチング電流Iswを発光素子301に供給する。それに応じて、発光素子301からレーザ光が出射され、当該レーザ光はBD207に入射する。続いて、水平同期信号の生成タイミング(T4、T5(μsec)経過後)に基づいて、画像データに基づく感光ドラムのレーザ露光を行う(ステップS31)。ステップS31におけるレーザ露光を行う際に、内部メモリに記憶されているAPCの結果であるスイッチング電流Iswの値が用いられる。その後、CPU305は、画像形成が終了したか否かを判定し(ステップS32)、画像形成が終了していれば本制御を終了させ、画像形成が終了していなければステップS28に制御を戻す。
本実施例では、PDを用いずに検出用素子の動作状態のみからスイッチング電流の値を制御する例について説明をしたが、PDの検出結果と検出用素子の動作状態とに基づいてスイッチング電流の値を制御するようにしても良い。
本実施例の構成によれば、検出用素子の動作状態に基づいて複数の電流制御部が各制御部が制御(駆動)する発光素子から出射されるレーザ光量を制御することができる。