JP5943550B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザプリンタ、複写機、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置における現像剤であるトナーの残量検知に関する。
従来の画像形成装置には、トナー容器内のトナーの残量を静電容量検出装置によって検出している例がある。例えば、特許文献1に記載のトナー残量検出装置では、トナー容器内のトナーを攪拌する攪拌部材の一端に可撓性部材を連結固定し、更に、可撓性部材の先端に被検出体を固定し、トナー容器の下部に静電容量検出装置を配置している。そして、攪拌部材の回転に伴い、攪拌部材に連結された可撓性部材も追従回転し、トナー内に侵入する。トナー容器内のトナー表面が可撓性部材と攪拌部材とが連結された位置よりも高いと、可撓性部材は攪拌部材との連結箇所でトナー内へと侵入し、可撓性部材全体が柔軟に変形しつつ、トナー内では、連結箇所と同一の軌道(軌跡)を描いて回転移動する。従って、可撓性部材の先端の被検出体も、可撓性部材と同一軌道を描いて回転移動する。ところが、トナー量が減少して、トナー表面が可撓性部材と攪拌部材との連結位置よりも低くなり、攪拌部材の連結箇所がトナー内に侵入しなくなると、可撓性部材の先端近傍はトナー表面上を滑って行き、被検出体もトナー表面上を滑って移動することとなる。そして、トナーの残量が徐々に少なくなると、それに伴い、トナー容器内のトナー表面の高さも徐々に低下し、トナー表面上で滑って移動する被検出体の位置も徐々に低下する。すなわち、トナーが一定量よりも減少した時には、トナーの残量に応じて、トナー表面上を移動する被検出体の位置も低下し、トナー容器の底面に近づくことになる。
一方、静電容量検出装置は、静電容量検出装置とトナー表面上で移動する被検出体間の静電容量を検出することができる。そして、静電容量検出装置と被検出体間の静電容量は、両者間の距離に応じて変化する。静電容量検出装置はトナー容器の下部に配置されていることから、トナー量が減少してトナー表面の高さが徐々に低下すると、トナー表面上の被検出体の位置も低下し、その結果、両者間の静電容量が小さくなる。すなわち、静電容量検出装置と被検出体間の静電容量は、トナーの残量に応じて変化することになる。
特許第4137703号公報
しかしながら、従来のトナー残量検出装置の構成では、以下のような課題を含んでいる。特許文献1に記載の通り、トナーが一定量以上ある場合には、可撓性部材と攪拌部材との連結箇所がトナー内に侵入するため、可撓性部材及び被検出体により描かれる軌道(軌跡)は殆ど同じである。その結果、トナーが一定量以上ある場合は、静電容量検出装置と被検出体との距離が殆ど変化しないため、検出される静電容量も殆ど変化せず、逐次正確にトナーの残量を検知することができない。
本発明はこのような状況でなされたもので、簡単な構成でトナーの量の多寡にかかわらず、逐次残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
(1)現像剤を収納する着脱可能な現像ユニットと、前記現像ユニットの回転軸の近傍から前記回転軸方向に直交する方向の先端近傍までの長さで、所定の幅を有する第1電極を備え、前記回転軸を中心に周回動作する可撓性を有する部材と、前記現像ユニットの外装側面に配設された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検知し、検知した静電容量に関するデータを出力する出力手段と、前記出力手段から出力された前記データに基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断する判断手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
(2)現像剤を収納する着脱可能な現像ユニットと、第1電極を備え、前記現像ユニット内の回転軸を中心に周回動作する可撓性を有する部材と、前記現像ユニットの外装側面に配設された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検知し、検知した静電容量に関するデータを出力する出力手段と、前記出力手段から出力された前記データに基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断する判断手段と、を備え、前記判断手段は、前記第1電極が前記第2電極の検知面上を通過する際に前記出力手段から出力された前記データが所定の値以上であった時間に基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断することを特徴とする画像形成装置。
(3)現像剤を収納する着脱可能な現像ユニットと、第1電極を備え、前記現像ユニット内の回転軸を中心に周回動作する可撓性を有する部材と、前記現像ユニットの外装側面に配設された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検知し、検知した静電容量に関するデータを出力する出力手段と、前記出力手段から出力された前記データに基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断する判断手段と、を備え、前記判断手段は、前記第1電極が前記第2電極の検知面上を通過する際に、前記第1電極と前記第2電極が重なる面積に応じて前記出力手段から出力されたデータに基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、簡単な構成でトナーの量の多寡にかかわらず、逐次残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。
実施例1〜3の画像形成装置の全体構成を示す断面図 実施例1、2の現像ユニット及び静電容量センサの断面図 実施例1、2の現像ユニットの斜視図、現像ユニットと静電容量センサ基板の構成図、及び静電容量センサ周辺の回路構成を示す図 実施例1のトナーが多い場合及び少ない場合の検知マイラの動作を示す図 実施例1における特性グラフ、波形及びテーブルTを示す図 実施例1のトナー残量検知の処理シーケンスを示すフローチャート 実施例2のトナーが多い場合及び少ない場合の検知マイラの動作を示す図 実施例2における特性グラフ、波形及びテーブルLを示す図 実施例2のトナー残量検知の処理シーケンスを示すフローチャート 実施例3の現像ユニットと静電容量センサ基板の構成を示す図 実施例3のトナーが多い場合及び少ない場合の検知マイラの動作を示す図
以下、本発明を実施するための形態を、実施例により詳しく説明する。
[画像形成装置の概要]
図1は、本実施例の画像形成装置の一例であるカラーレーザプリンタの全体構成を示す断面図であり、図1を用いてカラーレーザプリンタの構成及び基本的な動作について説明する。図1に示すカラーレーザプリンタ(以下、本体と称す)は、本体101に対して着脱可能なプロセスカートリッジ5Y、5M、5C、5Kを備えている。これら4個のプロセスカートリッジ5Y、5M、5C、5Kは、同一構造であるが、異なる色、すなわち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー(現像剤)による画像を形成する点で相違している。以下、Y、M、C、Kを省略して表記する場合がある。プロセスカートリッジ5は、現像ユニットと画像形成ユニットと廃トナーユニットの3つのユニットで構成されている。現像ユニットは、現像ローラ3、トナー補給ローラ12、トナー容器23、攪拌マイラ34を有している。トナー容器内の詳細については、後述する。また、画像形成ユニットは、像担持体である感光ドラム1、帯電ローラ2を有している。廃トナーユニットは、クリーニングブレード4、廃トナー容器24を有している。
プロセスカートリッジ5の下方にはレーザユニット7が配置され、レーザユニット7は画像信号に基づく露光を感光ドラム1に対して行う。感光ドラム1は、帯電ローラ2によって所定の負極性の電位に帯電された後、レーザユニット7によってそれぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像ローラ3によって反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれの感光ドラム1上には、Y、M、C、Kのトナー像が形成される。中間転写ベルトユニットは、中間転写ベルト8、駆動ローラ9、二次転写対向ローラ10から構成されている。また、中間転写ベルト8の内側には、各感光ドラム1に対向して、一次転写ローラ6が配設されており、バイアス印加手段(不図示)により転写バイアスが一次転写ローラ6に印加される。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1の矢印方向に回転し、中間転写ベルト8は矢印A方向に回転する。更に、バイアス印加手段(不図示)により一次転写ローラ6に正極性のバイアスが印加されることにより、感光ドラム1上のトナー像がY、M、C、Kの順に、中間転写ベルト8上に一次転写され、4色のトナー像が重なった状態で二次転写ローラ11まで搬送される。給搬送装置は、転写材Pを収納する給紙カセット13内から転写材Pを給紙する給紙ローラ14と、給紙された転写材Pを搬送する搬送ローラ対15とから構成される。そして、給搬送装置により搬送された転写材Pはレジストローラ対16によって二次転写ローラ11に搬送される。
中間転写ベルト8から転写材Pへのトナー像の転写は、二次転写ローラ11に正極性のバイアスを印加することにより、中間転写ベルト8上のトナー像が搬送された転写材Pに二次転写される。トナー像が転写された転写材Pは、定着装置17に搬送され、定着フィルム18と加圧ローラ19とによって加熱、加圧されて、転写材Pの表面にトナー像が定着され、排紙ローラ対20によって排出される。そして、中間転写ベルト8に転写後、感光ドラム1の表面に残ったトナーは、クリーニングブレード4によって除去され、除去されたトナーは廃トナー容器24に回収される。また、転写材Pへ二次転写後、中間転写ベルト8上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニングブレード21によって除去され、除去されたトナーは廃トナー容器22に回収される。
また、制御基板80には、本体101の制御を行うための1チップマイクロコンピュータ(以後、CPUと記す)40、及びテーブルのデータ等が記憶されるRAM、ROM等の記憶部が搭載されている。CPU40は、転写材Pの搬送に関る駆動源(不図示)やプロセスカートリッジ5の駆動源(不図示)の制御、画像形成に関する制御、故障検知に関する制御など、本体101の動作を一括して制御する。更に、CPU40は、その内部にタイマを備えている。記憶部のROMには、画像形成装置の画像形成動作を制御するプログラムや各種データが格納されている。記憶部のRAMは、画像形成装置の画像形成動作を制御するのに必要なデータの演算や一時的な記憶等に使用される。また、タイマは、時間計測等に使用する。ビデオコントローラ42は、画像データに基づいてレーザユニット内のレーザの発光を制御する。また、ビデオコントローラ42は、コントロールパネル(不図示)を介して、ユーザとのインターフェイスも行い、このコントロールパネルには、各色のトナーの残量が棒グラフ状に表示される。
[攪拌マイラと検知マイラの動作]
図2は、プロセスカートリッジ5を構成する現像ユニットと現像ユニットの側面に設置された静電容量センサ電極321の断面図を示している。図2に示すプロセスカートリッジ5の現像ユニット内には、現像ローラ3、トナー補給ローラ12があり、更に、トナー容器23内には、各色に対応したトナー28、トナー28を攪拌する攪拌マイラ34がある。攪拌マイラ34は、トナー容器23内の回転軸29に備えられており、不図示のモータにより回転動作する回転軸29を中心に周回動作を行う。また、トナー残量を検知するための、可撓性を有する検知マイラ351がある。検知マイラ351は、攪拌マイラ34と同様に、トナー容器23内の回転軸29に備えられており、不図示のモータにより回転動作する回転軸29を中心に周回動作を行う。検知マイラ351には、汎用のマイラフィルムが使用され、その厚さは攪拌マイラ34と比べて薄い。そのため、検知マイラ351は、攪拌マイラ34より撓り量が大きい。攪拌マイラ34及び検知マイラ351は、矢印B方向に約1周/秒の速度で周回回転を行う。更に、検知マイラ351は、回転軸29に直交する方向である周方向の先端近傍の、検知マイラ351の回転軸29方向の現像ユニットの壁面側端部に導電性の被検知電極361を有している。静電容量センサ電極321については、後述する。
[検知マイラ、静電容量センサの構成]
図3(a)は、プロセスカートリッジ5の斜視図を示したものである。図3(a)で示しているプロセスカートリッジ5の現像ユニット内には、トナー容器23内のトナー(不図示)を攪拌するための攪拌マイラ34、トナー残量を検知するための、可撓性を有する検知マイラ351がある。攪拌マイラ34及び検知マイラ351は、トナー容器23内の回転軸29に備えられており、矢印B方向に約1周/秒の速度で周回回転を行う。また、検知マイラ351は、検知マイラ351の周方向の先端付近、かつ、検知マイラ351の軸方向の壁面側端部に導電性の被検知電極361(第1電極)を有している。
図3(b)に、現像ユニットの一部と静電容量センサ基板331の断面図を示す。図3(b)に示すプロセスカートリッジ5の外装の側面付近に設置された静電容量センサ基板331は、本体101に備えられており、静電容量センサ基板331には、静電容量センサ33と静電容量センサ33の周辺回路部品(不図示)が搭載されている。静電容量センサ33は、静電容量センサ電極321による静電容量と基準電極320による静電容量の差分を用いて、静電容量センサ電極321による静電容量の変化を検知する。静電容量センサ基板331には、銅箔パターンで同一面積の静電容量センサ電極321と基準電極320が設置されている。現像ユニットの外装側面は、プロセスカートリッジ5を本体101へ装着した際に、静電容量センサ電極321(第2電極)に近接する。静電容量センサ33は、この状態において、検知マイラ351に配設された被検知電極361が静電容量センサ電極321に近接することにより生じる静電容量を検知する。図3(c)は、検知マイラ351と被検知電極361の位置関係を表す斜視図である。被検知電極361の形状は、縦10mm、横5mmの長方形である。検知マイラ351が重力方向に向いている場合に、被検知電極361の電極面は、静電容量センサ電極321に近接する。
なお、静電容量センサ33や周辺回路も、静電容量が検知できるものであれば良く、アナログ集積回路でも代用可能である。本実施例では、静電容量センサ電極321は本体101に備えられた静電容量センサ基板331上に成形されているが、現像ユニットの側面付近に設置されていればよく、例えば現像ユニット側面に静電容量センサ電極321を直接成形しても良い。その場合には、静電容量センサ基板331と静電容量センサ電極321に電気的接点を設けて、プロセスカートリッジ5を本体101へ装着した際に、静電容量センサ基板331と静電容量センサ電極321が接続されるようにすると良い。
[静電容量センサの回路構成]
図3(d)は、本実施例における静電容量センサ33、CPU40、基準電極320、静電容量センサ電極321の接続関係を示した図である。図3(d)において、静電容量センサ33のAVDDはアナログ電源端子、DVDDはデジタル電源端子であり、それぞれの電源端子のノイズを除去するために、バイパスコンデンサ46、47が設けられている。SREF端子には基準電極320が接続され、SIN端子には静電容量センサ電極321が接続されている。また、CPU40と静電容量センサ33間では、シリアル通信によるデータの送受信が行われる。CPU40からは、静電容量センサ33のSCL端子に通信同期用のクロック信号が供給され、SDA端子を介して、静電容量センサ33からは、検知した静電容量の値に対応した8ビットの検知データがCPU40に出力される。逆に、静電容量センサ33には、CPU40から、SDA端子を介して、静電容量センサ33を制御するための設定データが入力される。
[検知マイラの動作]
図4(a)は、トナー28の残量が比較的多い場合の現像ユニットの断面図を示し、図4(b)は、トナー28の残量が比較的少ない場合の現像ユニットの断面図を示している。図4(c)は、トナー28の残量が比較的多い場合に被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上を通過する様子を示した図である。図4(d)は、トナー28の残量が比較的少ない場合に被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上を通過する様子を示した図である。検知マイラ351が回転動作を行うと、検知マイラはトナー28の抵抗を受けて回転方向後側に変形し、撓りながら回転し、検知マイラ351の先端付近に設けられた被検知電極361は、静電容量センサ電極321の検知面上を通過する。図4(a)に示すように、トナー28の残量が比較的多い場合、検知マイラ351は、静電容量センサ電極321の検知面上を通過する時に、トナーの抵抗を顕著に受ける。そのため、図4(c)に示すように、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上を矢印D方向に通過する時は、被検知電極361は水平方向に傾いている。この時、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上を通過することにより、静電容量センサ33が静電容量を検知している検知時間はEとなる。
逆に、図4(b)に示すように、トナー28の残量が比較的少ない場合には、トナー28の残量が多い場合に比べて、検知マイラ351が静電容量センサ電極321の検知面上を通過する時のトナー28の抵抗は小さくなる。そのため、図4(d)に示すように、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上を矢印F方向に通過する時は、被検知電極361の傾きは、図4(c)と比べ、垂直方向に近い。この時、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上を通過することにより、静電容量センサ33が静電容量を検知している検知時間はGとなる。
図4(c)、(d)に示すように、トナー28の残量が多い場合に静電容量センサ33が静電容量を検知している時間Eに比べて、トナー28の残量が少ない場合に静電容量センサ33が静電容量を検知している時間Gは短い。すなわち、静電容量センサ電極321によって静電容量を検知可能な検知面上を被検知電極361が通過している時間は、トナー28の残量に応じて変化する。本実施例では、この原理を使って、トナー28の残量を検知する。
[トナー残量検知の検知特性]
次に、図5を用いて本実施例におけるトナー残量検知特性について説明する。本実施例では、静電容量センサ33が被検知電極361を検知している時間幅PWをN回測定し、それぞれの検知時間幅の合計値SUMを、測定回数Nで除することにより、平均時間幅を算出する。N回分の時間幅の平均値を算出する理由は、静電容量センサ33の検知タイミングのばらつきによる時間幅のばらつきを低減し、検知精度を上げるためである。本実施例では、この平均時間幅を用いてトナー28の残量を算出しているが、この平均値の算出方法は一例であり、これに限定されるわけではない。また、以下の実施例では、静電容量センサ33の検知レベルは8ビットデータとしてCPU40に出力され、検知レベルの数値は10進数で表現される。
図5(a)は、トナー容器23内のトナー28の残量と静電容量センサ33が被検知電極361を検知していた平均時間幅との関係を表した特性グラフであり、縦軸は平均時間幅(msec(ミリ秒))、横軸はトナー残量(%)を示す。図5(a)の特性グラフに示すように、トナー残量が0%の時の平均時間幅は、45.5msec(ミリ秒)であり、トナー残量が100%の時の平均時間幅は、113.6msec(ミリ秒)である。図5(b)は、トナー残量が80%の時に、静電容量センサ33からCPU40に出力された検知レベルデータをプロットした波形データであり、縦軸は検知レベル、横軸は時間(msec(ミリ秒))を示す。本実施例では、静電容量センサ33による検知レベルが150以上であれば、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上を通過していると判断する。前述した時間幅PWは検知レベルが150以上の時間幅を測定したものであり、図5(b)では、検知レベルが150以上の平均時間幅は91.9msec(ミリ秒)である。図5(c)は、図5(a)の特性グラフより、平均時間幅(msec)とトナー残量(%)の対応関係を表にしたテーブルTである。テーブルTに明示されていない平均時間幅に対応するトナー28の残量は、テーブルTに記載された既知のトナー28の残量の線形補間により求めることができる。ここで、測定された平均時間幅は、本実施例における値であるため、測定条件が変われば測定される平均時間幅も変わる。また、トナー28の残量を判断するテーブルTの数値についても同様である。テーブルTの情報は、予め記憶部のROMやプロセスカートリッジ5に設けられたROMに工場にて書き込まれて出荷される。そして、プロセスカートリッジ5に設けられたROMに書き込まれたテーブルTの情報は、プロセスカートリッジ5が本体101に装着された時に、CPU40によって読み出され、制御基板80の記憶部のRAMに格納される。後述する実施例2、3においても、テーブル情報はこれらの方法によって記録部のROMやRAMに記録されるものとする。なお、前述したテーブル情報を出荷時に記録しておく方法は一例であり、これに限定されるものではない。
[トナー残量検知の処理シーケンス]
続いて、本実施例におけるトナーの残量検知の処理シーケンスについて、図6のフローチャートを用いて説明する。図6に示す処理は、記憶部のROMに格納された制御プログラムに基づいてCPU40により実行され、以降の実施例におけるフローチャートの処理も、同様にCPU40により実行される。なお、フローチャートに示す全ての処理をCPU40が行うのではなく、例えば特性用途向けの集積回路(ASIC)が画像形成装置に実装されている場合には、フローチャート中のいずれかの処理を実行する機能をASICに持たせても良い。
ステップ101(以下、S101のように記す)では、CPU40は、検知マイラ351を回転動作させる。本実施例では、検知マイラ351が1回転するのに要する時間を約1秒としている。S102では、CPU40は、静電容量センサ33とシリアル通信を行い、静電容量センサの初期設定を行い、センサ異常監視用のタイマをリセットし、スタートさせる。更に、CPU40は、測定回数を示す変数N、及び検知レベルが所定値以上の検知時間幅の合計値を示す変数SUMに0を設定する。
S103では、CPU40は、シリアル通信により、静電容量センサ33からの検知レベルの読み取りデータを受信する。S104では、CPU40は、読み取りデータから検知レベルが0.5秒間以上、140未満かどうか判断する。CPU40は、検知レベルが0.5秒間以上、140未満であれば、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上を通過していない初期状態のレベルと判断し、S106に進み、そうでない場合には、S105に進む。S105では、CPU40は、センサ異常監視用のタイマのタイマ値を読み出し、2秒以上かどうかを判断する。タイマ値が2秒未満であれば、CPU40は、S103に戻り、2秒以上の場合には、CPU40はS121に進み、S121では、CPU40は、静電容量センサ33の異常と判断し、ビデオコントローラ42へ報知する。
S106では、CPU40は、測定回数を示す変数Nに1加算すると共に、センサ異常監視用のタイマをリセットし、スタートさせる。S107では、CPU40は、シリアル通信により、静電容量センサ33からの検知レベルの読み取りデータを受信する。S108では、CPU40は、読み取りデータから検知レベルが150(立ち上がり閾値)以上かどうか判断する。CPU40は、検知レベルが150以上であれば、検知レベルの立ち上がり(被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面にさしかかった状態)と判断し、S110に進み、そうでない場合には、S109に進む。S109では、CPU40は、センサ異常監視用のタイマのタイマ値を読み出し、2秒以上かどうかを判断する。タイマ値が2秒未満であれば、CPU40は、S107に戻り、2秒以上の場合には、CPU40はS121に進み、S121では、CPU40は、静電容量センサ33の異常と判断し、ビデオコントローラ42へ報知する。
S110では、検知レベルの立ち上がりを認識したCPU40は、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面を通過するのに要する時間を計測するために、通過時間測定用のタイマをリセットし、スタートさせる。S111では、CPU40は、シリアル通信により、静電容量センサ33からの検知レベルの読み取りデータを受信する。S112では、CPU40は、読み取りデータから検知レベルが150(立ち下がり閾値)未満かどうか判断する。CPU40は、検知レベルが150未満であれば、検知レベルの立ち下がり(被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面を通り過ぎた状態)と判断し、S114に進み、そうでない場合には、S113に進む。S113では、CPU40は、通過時間測定タイマのタイマ値を読み出し、2秒以上かどうかを判断する。タイマ値が2秒未満であれば、CPU40は、S111に戻り、2秒以上の場合には、CPU40はS121に進み、S121では、CPU40は、静電容量センサ33の異常と判断し、ビデオコントローラ42へ報知する。
S114では、検知レベルの立ち下がりを検知したCPU40は通過時間測定用タイマをストップさせ、S115では、通過時間測定用タイマから、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面を通過するのに要した時間であるタイマ値PWを読み出す。S116では、CPU40は、検知時間幅の合計値を示す変数SUMに、読み出したタイマ値PWを加算し、S117では、測定回数を示す変数Nの値が5かどうか判断し、5でなければS106に戻り、5であればS118に進む。本実施例では、測定回数を5回としているが、これは一例であり、検知時間幅の精度を上げるためには測定回数を増やし、トナー残量の算出に要する処理時間を短くするには、測定回数を減らせばよい。
S118では、CPU40は、5回分の検知時間幅の合計値である変数SUMの値を5で除して、検知時間幅の平均値を算出する。S119では、CPU40は、S118で算出した検知時間幅の平均値と、記憶部のROMに格納されたテーブルTの平均時間幅を照合して、対応するトナー28の残量を算出する。S120では、CPU40は、S119において算出したトナー28の残量をビデオコントローラ42へ報知する。
なお、本実施例の制御シーケンスでは、検知レベルの閾値を150とし、検知レベルが150以上となる時間幅を計測する例について説明した。検知レベルの閾値としての150は一例であり、安定した検知レベルの初期レベルを検知して、そのレベル+αを閾値として、検知レベルが閾値以上の時間幅を計測した後、テーブルTと照合するといったシーケンスでも適用可能である。
以上説明したように、本実施例によれば、簡単な構成でトナーの量の多寡にかかわらず、逐次残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。前述した構成と動作により、トナーの残量が100%から0%まで被検知電極を静電容量センサが検知している時間幅は単調に減少する。その結果、静電容量センサが被検知電極を検知している時間幅を計測し、テーブルと照合することにより、トナーが満載された状態から空になるまで、トナーの残量を逐次検知することができる。また、静電容量センサ方式は、反応速度が速いので検知時間の高速化と画像形成動作と同時に行うことが可能である。更に、検知マイラの撓りは、高速で回転していてもトナーの残量に応じて安定しているので、トナーの残量を逐次検知することができる。
実施例1では、静電容量センサ33が被検知電極361を検知している時間幅により、トナーの残量を検知する実施例について説明した。本実施例では、実施例1と同じ構成で、静電容量センサ33が、被検知電極361を検知する静電容量の検知レベル(静電容量値)の平均値により、トナーの残量を検知する例について説明する。なお、実施例1で説明した図1、図2、図3の構成は、本実施例においても適用されるものとする。また、実施例1と同一の構成については同じ符号を付し、実施例1で詳しい説明を行っているので、本実施例での説明は省略する。
[検知マイラの動作]
図7(a)は、トナー28の残量が比較的多い場合の現像ユニットの断面図を示し、図7(b)は、トナー28の残量が比較的少ない場合の現像ユニットの断面図を示している。本実施例では、図7(a)に示すように、静電容量センサ電極321は、現像ユニットの重力方向にあり、現像ユニットの底から上方向に約5mm〜15mmの位置に配置されている。検知マイラ351が回転動作を行うと、検知マイラはトナー28の抵抗を受けて回転方向後側に変形し、撓りながら回転し、検知マイラ351の先端付近に設けられた被検知電極361は、静電容量センサ電極321の検知面上を通過する。図7(a)に示すように、トナー28の残量が比較的多い場合、検知マイラ351は、静電容量センサ電極321の検知面上を通過する時に、トナーの抵抗を顕著に受けて大きく撓り、被検知電極361は現像ユニットの底面から離れた位置を通過する。そのため、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上を通過する時に、被検知電極361と静電容量センサ電極321とが重なる面積(図7(a)斜線部)が広くなり、その結果、静電容量センサ33による静電容量の検知レベルは大きくなる。
逆に、図7(b)に示すように、トナー28の残量が比較的少ない場合には、検知マイラ351が静電容量センサ電極321の検知面上を通過する時のトナー28の抵抗は小さくなり、被検知電極361は現像ユニットの底面に近い位置を通過する。そのため、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上を通過する時に、被検知電極361と静電容量センサ電極321とが重なる面積(図7(b)斜線部)が狭くなり、その結果、静電容量センサ33による静電容量の検知レベルは小さくなる。
本実施例では、トナー残量が100%の時には、検知マイラ351はトナー28の抵抗を受けて大きく撓り、現像ユニットの底から約5mm浮いた位置で、回転動作を行う。その時、被検知電極361と静電容量センサ電極321の検知面との重なる面積が最大となる。そして、トナー28の残量が少なくなるに従い、検知マイラ351が現像ユニットの底から浮く位置が低くなり、その結果、被検知電極361と静電容量センサ電極321の検知面とが重なる面積も狭くなる。すなわち、静電容量センサ電極321によって静電容量を検知可能な検知面上を被検知電極361が通過する際に、検知面と被検知電極361とが重なる面積は、トナー28の残量に応じて変化する。本実施例では、この原理を使って、トナー28の残量を検知する。
[トナー残量検知の検知特性]
次に、図8を用いて本実施例におけるトナー残量検知特性を説明する。本実施例では、静電容量センサ33が被検知電極361を検知した時の検知レベルの平均値LVを算出する。平均値を算出する理由は、ノイズによって誤検知した検知レベルの影響を低減し、検知精度を上げるためである。これをN回測定し、それぞれの検知レベルの平均値LVを加算した合計値SUMを、測定回数Nで除することにより、検知レベルの平均値を算出する。N回分の検知レベルの平均値を算出する理由は、静電容量センサ33の検知タイミングのばらつきによる検知レベルのばらつきを低減し、検知精度を上げるためである。本実施例では、この検知レベルの平均値を用いてトナー28の残量を算出しているが、この平均値の算出方法は一例であり、これに限定されるわけではない。
図8(a)は、トナー容器23内のトナー28の残量と静電容量センサ33の検知レベルの平均値との関係を表した特性グラフであり、縦軸は検知レベルの平均値、横軸はトナー残量(%)を示す。図8(a)の特性グラフに示すように、トナー残量が0%の時の検知レベルの平均値は、156.1であり、トナー残量が100%の時の検知レベルの平均値は、172.2である。図8(b)は、トナー残量が80%の時に、静電容量センサ33からCPU40に出力された検知レベルデータをプロットした波形データであり、縦軸は検知レベル、横軸は時間(msec(ミリ秒))を示す。本実施例では、静電容量センサ33による検知レベルが150以上であれば、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上を通過していると判断する。前述した検知レベルの平均値は、検知レベルが150以上の間に測定された検知レベルの平均値であり、図8(b)では、静電容量センサ33の検知レベルが150以上となる検知レベルの平均値は、169.4と計測されている。図8(c)は、図8(a)の特性グラフより、検知レベルの平均値とトナー残量(%)の対応関係を表にしたテーブルLである。テーブルLに明示されていない検知レベルの平均値に対応するトナー28の残量は、テーブルLに記載された既知のトナー28の残量の線形補間により求めることができる。ここで、測定された検知レベルの平均値は、本実施例における値であるため、測定条件が変われば測定される平均値も変わる。また、トナー28の残量を判断するテーブルLの数値についても同様である。
[トナー残量検知の処理シーケンス]
続いて、本実施例におけるトナー残量を検知するシーケンスを図9のフローチャートを用いて説明する。図9のS201〜209の処理は、実施例1の図6のフローチャートのS101〜S109と同じであるため、説明を省略する。
S210では、CPU40は、読み出した検知レベルデータの合計値を保存するメモリに0を設定し、被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面を通過する時間を測定するタイマをリセットし、スタートさせて、検知レベルの連続読み取りを開始する。S211では、CPU40は、シリアル通信により、静電容量センサ33からの検知レベルの読み取りデータを受信する。S212では、CPU40は、読み取りデータから検知レベルが150(立ち下がり閾値)未満かどうか判断する。CPU40は、検知レベルが150未満であれば、検知レベルの立ち下がり(被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面を通り過ぎた状態)と判断し、S214に進み、そうでない場合には、S213に進む。S213では、CPU40は、検知レベルデータの合計値を保存するメモリに、S211で読み取った検知レベルデータを加算すると共に、通過時間測定タイマのタイマ値を読み出し、2秒以上かどうかを判断する。タイマ値が2秒未満であれば、CPU40は、S211に戻り、2秒以上の場合には、CPU40はS220に進み、S220では、CPU40は、静電容量センサ33の異常と判断し、ビデオコントローラ42へ報知する。
S214では、CPU40は、検知レベルデータの合計値を保存したメモリから合計値を読み出し、保存した検知レベルデータの件数で除して、検知レベルデータの平均値LVを算出する。S215では、CPU40は、検知レベルの合計値を示す変数SUMに、S214で算出した平均値LVを加算し、S216では、測定回数を示す変数Nの値が5かどうか判断し、5でなければS206に戻り、5であればS217に進む。
S217では、CPU40は、5回分の検知レベルデータの平均値の合計である変数SUMの値を5で除して、検知レベルの平均値を算出する。S218では、CPU40は、S217で算出した検知レベルの平均値と、記憶部のROMに格納されたテーブルLの検知レベルの平均値を照合して、対応するトナー28の残量を算出する。S219では、CPU40は、S218において算出したトナー28の残量をビデオコントローラ42へ報知する。
以上説明したように、本実施例によれば、簡単な構成でトナーの量の多寡にかかわらず、逐次残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。前述した構成と動作により、トナーの残量が100%から0%まで、静電容量センサが被検知電極を検知している間の検知レベルの平均値は、単調に減少する。その結果、静電容量センサが被検知電極を検知している間の検知レベルの平均値を計測し、テーブルと照合することで、トナーが満載された状態から空になるまで、トナーの残量を逐次検知することができる。また、静電容量センサ方式は、反応速度が速いので検知時間の高速化と画像形成動作と同時に行うことが可能である。更に、検知マイラの撓りは、高速で回転していてもトナーの残量に応じて安定しているので、トナーの残量を逐次検知することができる。更に、実施例1の静電容量が変化するタイミングの時間幅検知と本実施例の静電容量が変化するレベル検知の処理シーケンスを組み合わせることにより、様々なプロセスカートリッジの構成にも対応することができる。
実施例1では、静電容量センサ33が被検知電極361を検知している時間幅により、トナーの残量を検知する実施例について説明した。それに対して、本実施例では、検知マイラに、回転軸から周方向先端までの長さの被検知電極を設けることにより、実施例1に比べて、より精度良くトナー28の残量を検知できる例について説明する。トナー28の残量が多い場合、検知マイラに設けられた被検知電極361は、大きく撓ることにより、静電容量センサ電極321の検知面と重なる面積は小さくなるが、検知面と重なっている時間は長くなる。その結果、実施例1と比べて、静電容量センサ33が検知する検知レベルの最大値は下がるものの、被検知電極361を検知している時間幅を大きくすることができる。そのため、静電容量センサ33の静電容量を検知できる感度が確保できる場合には、本被検知電極の構成は適用可能である。なお、実施例1で説明した図1、図2、図3の構成は、本実施例においても適用されるものとする。また、実施例1と同一の構成については同じ符号を付し、実施例1で詳しい説明を行っているので、本実施例での説明は省略する。
[検知マイラ、静電容量センサの構成]
図10(a)に、現像ユニットの一部と静電容量センサ基板331の断面図を示す。図10(a)に示すプロセスカートリッジ5の側面付近に設置された静電容量センサ基板331は、本体101に備えられており、静電容量センサ基板331には、銅箔パターンで静電容量センサ電極321と基準電極320が設置されている。静電容量センサ電極321は、回転軸29の近傍から現像ユニットの周方向底面に向かって配置されている。基準電極320は、静電容量センサ電極321と同じ面積を有する銅箔パターンであり、被検知電極361の影響を受けないように、現像ユニットから離れた位置に配置されている。図10(b)は、検知マイラ351と被検知電極361の位置関係を表す斜視図である。被検知電極361の形状は、縦50mm、横20mmの長方形である。検知マイラ351が重力方向に向いている場合に、被検知電極361の電極面は、静電容量センサ電極321に近接する。ここでは、被検知電極361の横幅は20mmとしたが、静電容量センサ33が検知する検知レベルが十分であれば、被検知電極361の横幅を小さくしても良い。
[検知マイラの動作]
図11(a)は、トナー28の残量が比較的多い場合の現像ユニットの断面図を示し、図11(b)は、トナー28の残量が比較的少ない場合の現像ユニットの断面図を示している。図11(c)は、トナー28の残量が比較的多い場合とトナー28の残量が比較的少ない場合において、静電容量センサ電極321が被検知電極361を検知している時間幅を示している。図11(a),(b)におけるトナー量は、不図示であるが、それぞれ図4(a)、図4(b)に示す量と同等である。トナー28の残量が比較的多い場合には、検知マイラ351は、静電容量センサ電極321の検知面上を通過する時に、トナーの抵抗を顕著に受ける。そのため、図11(a)に示すように、検知マイラ351は、回転軸29に近い側から静電容量センサ電極321に近づき、静電容量センサ電極の検知面上を矢印H方向に進み、最後に検知マイラ351の周方向先端が、静電容量センサ電極の検知面から離れていく。図11(c)の時間Jは、図11(a)において、静電容量センサ33が静電容量を検知している時間幅を示している。
逆に、トナー28の残量が比較的少ない場合には、トナー28の残量が比較的多い場合に比べて、検知マイラ351は、静電容量センサ電極321の検知面上を通過する時に、トナー28の抵抗は小さくなる。そのため、図11(b)に示すように、検知マイラ351は、回転軸29に近い側から静電容量センサ電極321に近き、静電容量センサ電極の検知面上を矢印I方向に進み、最後に検知マイラ351の周方向先端が、静電容量センサ電極の検知面から離れていく。図11(c)の時間Kは、図11(b)において、静電容量センサ33が静電容量を検知している時間幅を示している。
図11(c)に示すように、トナー28の残量が多い場合に静電容量センサ33が静電容量を検知している時間幅Jに比べて、トナー28の残量が少ない場合に静電容量センサ33が静電容量を検知している時間幅Kは短い。すなわち、静電容量センサ電極321によって静電容量を検知可能な検知面上を被検知電極361が通過している時間は、トナー28の残量に応じて変化する。この原理を使って、トナー28の残量を検知することができる。
本実施例では、検知マイラ351の回転軸29に近い側の被検知電極361が静電容量センサ電極321の検知面上にかかった時を検知開始タイミングとし、検知マイラ351の周方向先端側の被検知電極361が検知面を外れた時を検知終了タイミングとしている。被検知電極361の縦長が大きくなったことにより、被検知電極が静電容量センサ電極321の検知面と重なっている時間が実施例1と比較して長くなる。その結果、検知面が被検知電極361を検知している時間幅が大きくなり、トナー28の残量の検知精度を向上させることができる。
本実施例におけるトナーの残量検知の処理シーケンスについて、実施例1において説明した図6のフローチャートを援用することにより、トナー残量を算出することができるので、本実施例での処理シーケンスについての説明は省略する。なお、検知レベルの平均時間幅とトナー残量についての対応関係を示すテーブルについては、被検知電極361の構成が実施例1と実施例3とでは異なるため、実施例1のテーブルTを使用することはできない。そのため、本実施例の構成を有した現像ユニットと静電容量センサ基板を用いて、トナー28の残量と静電容量センサ33が被検知電極361を検知していた平均時間幅との関係を表した特性グラフを求め、これに基づいて新たにテーブルを作成する必要がある。
以上説明したように、本実施例によれば、簡単な構成でトナーの量の多寡にかかわらず、逐次残量を検知でき、かつ高速で攪拌部材が動作しているときでも、トナーの残量を精度良く検知することができる。前述した構成と動作により、静電容量センサが被検知電極を検知している時間幅を計測し、テーブルと照合することで、トナーが満載された状態から空になるまで、トナーの残量を逐次検知することができる。また、静電容量センサ方式は、反応速度が速いので検知時間の高速化と画像形成動作と同時に行うことが可能である。更に、検知マイラの撓りは、高速で回転していてもトナーの残量に応じて安定しているので、トナーの残量を逐次検知することができる。
33 静電容量センサ
40 1チップマイクロコンピュータ(CPU)
321 静電容量センサ電極
351 検知マイラ
361 被検知電極

Claims (8)

  1. 現像剤を収納する着脱可能な現像ユニットと、
    前記現像ユニットの回転軸の近傍から前記回転軸方向に直交する方向の先端近傍までの長さで、所定の幅を有する第1電極を備え、前記回転軸を中心に周回動作する可撓性を有する部材と、
    前記現像ユニットの外装側面に配設された第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検知し、検知した静電容量に関するデータを出力する出力手段と、
    前記出力手段から出力された前記データに基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1電極は、前記部材の前記回転軸方向に直交する方向の先端近傍であって、前記回転軸方向の前記現像ユニットの壁面側端部に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2電極は、前記回転軸の近傍から前記現像ユニットの底面の近傍までの長さを有することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1電極は、前記部材の前記回転軸の近傍から前記第2電極の検知面に近づいて前記第2電極の検知面を通過し、前記部材の前記先端近傍が前記第2の電極の検知面から離れていくことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記判断手段は、前記第1電極が前記第2電極の検知面上を通過する際に前記出力手段から出力された前記データが所定の値以上であった時間に基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記判断手段は、前記第1電極が前記第2電極の検知面上を通過する際に、前記第1電極と前記第2電極が重なる面積に応じて前記出力手段から出力されたデータに基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  7. 現像剤を収納する着脱可能な現像ユニットと、
    第1電極を備え、前記現像ユニット内の回転軸を中心に周回動作する可撓性を有する部材と、
    前記現像ユニットの外装側面に配設された第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検知し、検知した静電容量に関するデータを出力する出力手段と、
    前記出力手段から出力された前記データに基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断する判断手段と、
    を備え、
    前記判断手段は、前記第1電極が前記第2電極の検知面上を通過する際に前記出力手段から出力された前記データが所定の値以上であった時間に基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断することを特徴とする画像形成装置。
  8. 現像剤を収納する着脱可能な現像ユニットと、
    第1電極を備え、前記現像ユニット内の回転軸を中心に周回動作する可撓性を有する部材と、
    前記現像ユニットの外装側面に配設された第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検知し、検知した静電容量に関するデータを出力する出力手段と、
    前記出力手段から出力された前記データに基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断する判断手段と、
    を備え、
    前記判断手段は、前記第1電極が前記第2電極の検知面上を通過する際に、前記第1電極と前記第2電極が重なる面積に応じて前記出力手段から出力されたデータに基づいて、前記現像ユニット内の現像剤の量を判断することを特徴とする画像形成装置。
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