JP5942774B2 - ガラス基板の研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基板の研磨方法に関する。より具体的には、EUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外)光を用いたリソグラフィ(以下、「EUVL」と略する)の際に使用される反射型マスクや反射型ミラーの基材や、i線、KrFレーザ、ArFレーザを用いたリソグラフィの際に使用される透過型マスク等の用途に使用される、石英ガラス基板の研磨方法に関する。
従来から、半導体製造工程においては、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するための露光装置が広く使用されている。近年、半導体集積回路の高集積化、高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、回路パターンをウェハ面上に正確に結像させるために、露光装置のフォトマスクに使用される光学基材用ガラス基板は高度の平坦性と平滑性が求められている。
一般に、磁気記録媒体用基板や半導体用基板などを平滑度の高い表面に研磨する方法は知られている。例えば、特許文献1には、メモリーハードディスクの仕上げ研磨や半導体素子用基板などの研磨について、研磨後の被研磨物の表面粗さが小さく、かつ微小突起(凸状欠点)を低減させる研磨方法として、水、研磨材、酸化合物を含有してなり、pHが酸性かつ研磨材の濃度が10重量%未満である研磨液組成物と、研磨パッドと、を用いて機械研磨することが記載されている。そして、研磨材として酸化アルミニウム、シリカ、酸化セリウム、酸化ジルコニウムなどが、またpHを酸性にするための酸として硝酸、硫酸、塩酸や有機酸などがそれぞれ例示されている。
EUVLの際に使用される反射型マスクや反射型ミラーの基材(EUVL光学基材)として使用される石英ガラス基板についても、特定の研磨スラリーと、研磨パッドと、を用いて機械研磨する方法が特許文献2に記載されている。EUVL光学基材として使用される石英ガラス基板の研磨では、特許文献2に記載されているように、該基板の表面粗さが所定の要求を満たすように主表面を予備研磨した後、平坦度が所定の要求を満たすように、該主表面を仕上げ研磨するのが一般的である。
上述したEUVL以外の用途の石英ガラス基板の場合も、要求される表面性状を満たすために、その主面を機械研磨する。
上述したいずれの用途の場合も、研磨後の石英ガラス基板は、主面の平坦度が0.3μm以下であることが求められる。
特許文献3に記載の発明では、凸系研磨剤と凹系研磨剤とを使い分けて研磨を行うことにより、表面形状が揃い、かつ高い平坦度を有するマスクブランクス用基板を得ることができる。特に、研磨パッドの経時変化に合わせて、凸系研磨剤から凹系研磨剤へ変更することによって、より高い平坦度を有するマスクブランクス用基板を安定して得ることができる、とされている。
特許文献3では、初期段階の使用においてワーク表面を凸状化するものを、ワークの表面初期形状が凸状となる凸系研磨剤とし、初期段階の使用においてワーク表面を凹状化するものを、ワークの表面初期形状が凹状となる凹系研磨剤としている。
特許文献3では、これら凸系研磨剤および凹系研磨剤を、研磨剤における研磨粒子の平均粒径の範囲で選定しており、凸系研磨剤の平均粒径は0.03〜0.9μmであり、凹系研磨剤の平均粒径は0.5〜3μmである、としている。
また、平均粒径が0.03〜0.9μmの研磨剤として、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、コロイダルシリカ、ダイヤモンド、炭化珪素を挙げており、平均粒径が0.5〜3μmの研磨剤としては、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化マンガン、ダイヤモンド、炭化珪素を挙げている。
しかしながら、上述した凸系研磨剤および凹系研磨剤は、研磨剤の種類と、その平均粒径が重複しており、これらの研磨剤をどのような条件で使用した場合に、凸系研磨剤および凹系研磨剤として、それぞれ機能するのか不明である。
特開平07−240025号公報 特開2009−12164号公報 特開2004−314293号公報
石英ガラス基板の主面の機械研磨の際、研磨面にキズが生じるのを防止するため、比較的軟質の研磨パッドが好ましく用いられる。具体的には、アスカーC硬度が70以下の研磨パッドが好ましく用いられる。
しかしながら、このような比較的軟質の研磨パッドを用いて、石英ガラス基板の主面を機械研磨した場合、研磨後の石英ガラス基板の主面の平坦度が低下する場合があることが明らかになった。この点について、図面を参照して、以下に説明する。
図1は、比較的軟質の研磨パッドを用いて、石英ガラス基板の主面を機械研磨する際の、該石英ガラス基板の外周部付近の状態を示した模式図である。図1に示すように、比較的軟質の研磨パッド20を用いて、石英ガラス基板10の主面を機械研磨する際、研磨パッドの圧縮、ポアソン比、および、矢印方向に慣性力の影響により、石英ガラス基板10の外周部付近と研磨パッド20とが接触せず、両者の間に隙間がある状態となる。
このような状態で、機械研磨を実施すると、石英ガラス基板10の主面の部位によって研磨量に差が生じ、該主面の平坦度が低下する。その結果、研磨後の石英ガラス基板の主面の平坦度を0.3μm以下とすることが困難になる。
本発明は、上記した問題点を解決するため、研磨後の石英ガラス基板の主面の平坦度を
0.3μm以下とすることができる研磨方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、酸化セリウムを主成分とする研磨スラリーを用いて、石英ガラス基板の主面を機械研磨する方法であって、酸化セリウムのゼータ電位が負であり、かつ、ゼータ電位の絶対値が5mVよりも大きくなる条件で、石英ガラス基板の主面を機械研磨する第1研磨工程、および、酸化セリウムのゼータ電位が正であり、かつ、ゼータ電位の絶対値が5mVよりも大きくなる条件で、石英ガラス基板の主面を機械研磨する第2研磨工程を、少なくとも1回ずつ実施することを特徴とする、石英ガラス基板の研磨方法を提供する。
本発明の石英ガラス基板の研磨方法において、前記第1研磨工程、および、前記第2研磨工程で、アスカーC硬度が70以下の研磨パッドを使用することが好ましい。
本発明の石英ガラス基板の研磨方法では、前記第1研磨工程において、研磨スラリーのpHが4以上の条件で実施することが好ましい。
本発明の石英ガラス基板の研磨方法では、前記第2研磨工程において、研磨スラリーのpHが4以上の条件で実施することが好ましい。
本発明の石英ガラス基板の研磨方法において、前記第1研磨工程終了時点における前記主面の平坦度と、前記第2研磨工程による前記主面の平坦度の合計変化量と、の差の絶対値が、0.3μm以下となるように、前記第1研磨工程、および、前記第2研磨工程を実施することが好ましい。
本発明の研磨方法によれば、石英ガラス基板の主面へのキズの発生を防止しつつ、研磨後の石英ガラス基板の主面の平坦度を0.3μm以下とすることができる。このため、EUVL光学基材として使用される石英ガラス基板の予備研磨方法や、i線、KrFレーザ、ArFレーザを用いたリソグラフィの際に使用される透過型マスク等の用途に使用される、石英ガラス基板の仕上げ研磨方法として好適である。
図1は、比較的軟質の研磨パッドを用いて、石英ガラス基板の主面を機械研磨する際の、該石英ガラス基板の外周部付近の状態を示した模式図である。 図2は、本発明の研磨方法の第1研磨工程における、石英ガラス基板と、研磨パッド、および、研磨スラリーの位置関係を説明するための模式図である。 図3は、本発明の研磨方法の第2研磨工程における、石英ガラス基板と、研磨パッド、および、研磨スラリーの位置関係を説明するための模式図である。 図4は、石英ガラスについて、pHとゼータ電位との関係をプロットしたグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の石英ガラス基板の研磨方法について説明する。
本発明の研磨方法では、石英ガラス基板の主面を、研磨スラリーと、研磨パッドと、を用いて機械研磨する。
研磨スラリーとは、研磨粒子と、該研磨粒子の分散媒体と、を含む流体である。したがって、研磨粒子が研磨スラリーの主成分である。本発明では、研磨粒子として、酸化セリウムを用いる。その理由は、石英ガラス基板の研磨レートが高い、研磨面の表面粗さが低くなる、研磨面にスクラッチが発生しにくい等である。
一方、研磨スラリーの分散媒体としては、水、有機溶剤が挙げられ、水が好ましい。
本発明の研磨方法では、酸化セリウムのゼータ電位が負であり、かつ、ゼータ電位の絶対値が5mVよりも大きくなる条件で、石英ガラス基板の主面を機械研磨する第1研磨工程、および、酸化セリウムのゼータ電位で正があり、かつ、ゼータ電位の絶対値が5mVよりも大きくなる条件で、石英ガラス基板の主面を機械研磨する第2研磨工程を、少なくとも1回ずつ実施する。
図2は、本発明の研磨方法の第1研磨工程における、石英ガラス基板と、研磨パッド、および、研磨スラリーの位置関係を説明するための模式図である。
図1を用いて上述したように、石英ガラス基板10の主面を機械研磨する際には、研磨パッド20の圧縮、ポアソン比、および、矢印方向の慣性力の影響により、石英ガラス基板10の外周部付近と研磨パッド20とが接触せず、両者の間に隙間がある状態となる。
後述する実施例に示すように、石英ガラス基板の主面は、負のゼータ電位を有している。
本発明の研磨方法の第1研磨工程では、負のゼータ電位を有する研磨スラリー30を使用するため、石英ガラス基板10の主面が有する負のゼータ電位と、研磨スラリー30が有する負のゼータ電位と、の間に電気的な反発力が生じる。この結果、図2に示すように、研磨スラリー30も、石英ガラス基板10の外周部付近と接触せず、両者の間に隙間がある状態となる。このような状態で、機械研磨を実施すると、石英ガラス基板10の主面の部位によって、研磨量に差が生じる。具体的には、石英ガラス基板10の主面のうち、該基板10のより中心に近い側(図中、左側)は、該基板10の外周部付近(図中、右側)に比べて研磨量が大きくなる。この結果、石英ガラス基板10は、その中心付近の厚さが小さくなり、外周部付近の厚さが大きくなる。すなわち、石英ガラス基板10の側面形状が凹形状となる。
図3は、本発明の研磨方法の第2研磨工程における、石英ガラス基板と、研磨パッド、および、研磨スラリーの位置関係を説明するための模式図である。
本発明の研磨方法の第2研磨工程では、正のゼータ電位を有する研磨スラリー40を使用するため、石英ガラス基板10の主面が有する負のゼータ電位と、研磨スラリー40が有する正のゼータ電位と、の間に電気的な吸引力が生じる。この結果、図3に示すように、石英ガラス基板10の外周部付近と、研磨パッド20と、の間に隙間がある場合でも、研磨スラリー40は、石英ガラス基板10の主面に密着した状態となる。このような状態で、機械研磨を実施すると、研磨スラリー40の石英ガラス基板10の主面への圧力は該主面全体で一様となり、石英ガラス基板10の自転による、基板10と研磨パッド20と、の間の相対速度の差によって、石英ガラス基板10の主面の部位によって、研磨量に差が生じる。具体的には、石英ガラス基板10の主面のうち、該基板10の外周部付近(図中、右側)は、該基板10のより中心に近い側(図中、左側)に比べて研磨パッド20との間の相対速度が大きくなり、研磨量が大きくなる。この結果、石英ガラス基板10は、外周部付近の厚さが小さくなり、中心付近の厚さが大きくなる。すなわち、石英ガラス基板10の側面形状が凸形状となる。
したがって、上述した第1研磨工程、および、第2研磨工程を、少なくとも1回ずつ実施すれば、石英ガラス基板の側面形状における傾向(前者では凹形状となり、後者では凸形状となる)が相殺されて、研磨後の石英ガラス基板の主面の平坦度が向上し、0.3μm以下となる。
なお、本発明では、研磨スラリーのゼータ電位が負となる条件で実施する機械研磨と、研磨スラリーのゼータ電位が正となる条件で実施する機械研磨と、を明確に区別するために、第1研磨工程、および、第2研磨工程という表現を用いており、第1研磨工程および第2研磨工程の順序は特に限定されない。したがって、第1研磨工程、第2研磨工程の順序で実施してもよく、第2研磨工程、第1研磨工程の順序で実施してもよい。
また、上述した石英ガラス基板の側面形状における傾向が相殺されて、研磨後の石英ガラス基板の主面の平坦度が向上する限り、第1研磨工程、第2の研磨工程の回数も限定されない。すなわち、第1研磨工程、第2研磨工程のうち、いずれか一方、または、両方を2回以上実施してもよい。この場合も、第1研磨工程、第2研磨工程の順序は特に限定されない。たとえば、2回以上の第1研磨工程を全て実施してから、第2研磨工程を実施してもよく、第1研磨工程と第2研磨工程とを交互に実施してもよい。
本発明の研磨方法の第1研磨工程および第2研磨工程において、研磨スラリーのゼータ電位の絶対値が5mVよりも大きくなる条件(但し、前者はゼータ電位が負であり、後者はゼータ電位が正である。)で、石英ガラス基板の主面を機械研磨するのは、上述した電気的な反発力による作用(第1研磨工程)、および、電気的な吸引力による作用(第2研磨工程)が好ましく発揮されて、研磨後の石英ガラス基板の主面の平坦度が0.3μm以下となるからである。
本発明の研磨方法の第1研磨工程および第2研磨工程各々において、研磨スラリーのゼータ電位の絶対値が、10mVよりも大きくなる条件であることが好ましく、15mVよりも大きくなる条件であることがさらに好ましい。
本発明の研磨方法の第1研磨工程において、研磨スラリーのゼータ電位が負であり、かつ、ゼータ電位の絶対値が5mVよりも大きくなる条件で、石英ガラス基板の主面を機械研磨するには、後述する実施例に示すように、酸化セリウムの分散剤として、クエン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸を含有する研磨スラリーを使用すればよい。これらカルボン酸のカルボキシレート基の電位の影響により、研磨スラリーの電位は負になる。
また、酸化セリウムの分散剤として、カルボン酸を含有しない研磨スラリーを使用する場合も、後述する実施例に示すように、研磨スラリーのpHを調整することで、研磨スラリーのゼータ電位が負であり、かつ、ゼータ電位の絶対値が5mVよりも大きくなる条件で、石英ガラス基板の主面を機械研磨することが可能である。
なお、研磨スラリーのpHの調整は、酸やアルカリを用いて調整できる。
研磨スラリーのpHを酸性(pH<7)に調整するには、無機酸及び/又は有機酸を用いることができる。例えば、無機酸としては、硝酸、硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸などが挙げられ、硝酸が好ましい。有機酸としては、シュウ酸、クエン酸などが挙げられる。
研磨スラリーのpHをアルカリ性(pH>7)に調整するには、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水、炭酸水素ナトリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を使用すればよい。
また、pHが中性(pH=7)の研磨スラリーを使用する場合、粉末の状態の酸化セリウムを、分散媒体となる純水に投入し、分散剤を添加することなしに撹拌して得られる研磨スラリーをそのまま使用すればよい。
本発明の研磨方法の第2研磨工程において、研磨スラリーのゼータ電位が正であり、かつ、ゼータ電位の絶対値が5mVよりも大きくなる条件で、石英ガラス基板の主面を機械研磨するには、後述する実施例に示すように、酸化セリウムの分散剤を含有しない研磨スラリーを使用し、かつ、研磨スラリーのpHを調整すればよい。
但し、後述する実施例に示すように、研磨スラリーのpHを、極端に酸性側にすると、石英ガラス基板の主面が正のゼータ電位を有する状態となり、上述した本発明の研磨方法による作用、すなわち、石英ガラス基板の側面形状における傾向(前者では凹形状となり、後者では凸形状となる)が相殺されて、研磨後の石英ガラス基板の主面の平坦度が向上する作用が十分発揮されず、該主面の平坦度が0.3μm以下とならないおそれがある。
このため、第1研磨工程および第2研磨工程は、各々研磨スラリーのpHが4以上となる条件で実施することが好ましい。研磨スラリーのpHが4以上であれば、機械研磨実施時において、石英ガラス基板の主面のゼータ電位が常に負になるため、上述した本発明の研磨方法による作用が好ましく発揮される。
以下、本発明の研磨方法についてさらに記載する。
本発明の研磨方法の第1研磨工程および第2研磨工程で使用する研磨スラリーは、平均粒子径が10〜5000nmの酸化セリウムを含有することが好ましい。平均粒子径が、10nm以上の酸化セリウムを使用することで、石英ガラス基板の主面の研磨効率を向上させることが可能になる。一方、平均粒子径が、5000nm以下の酸化セリウムを使用することで、研磨後の石英ガラス基板の主面の表面粗さを低減することが可能になる。
本発明の研磨方法の第1研磨工程および第2研磨工程で使用する研磨スラリーは、平均粒子径が100〜3000nmの酸化セリウムを含有することがより好ましく、平均粒子径が500〜2000nmの酸化セリウムを含有することがさらに好ましい。
本発明の研磨方法の第1研磨工程および第2研磨工程で使用する研磨スラリーは、酸化セリウムを1〜50質量%含有することが好ましい。研磨スラリーにおける酸化セリウムの含有率が、1質量%以上である場合には、石英ガラス基板の主面の研磨効率を向上させることが可能になる。一方、研磨スラリーにおける酸化セリウムの含有率が、50質量%以下である場合には、研磨後の石英ガラス基板の洗浄の効率を向上させることが可能になる。研磨スラリーにおける酸化セリウムの含有率は、5〜40質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。
なお、研磨後の石英ガラス基板の洗浄は、洗浄液として、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸を用いて実施すればよい。
本発明の本発明の研磨方法の第1研磨工程および第2研磨工程で使用する研磨パッドとしては、不織布などの基布に、ポリウレタン樹脂を含浸させ、湿式凝固処理を行って得られたポリウレタン樹脂発泡層を有する研磨パッドなどが挙げられる。研磨パッドとしては、スウェード系研磨パッドが好ましい。
スウェード系研磨パッドにおけるナップ層の厚さは0.3〜1.0mm程度が実用上で好ましい。また、スウェード系研磨パッドとしては、適度の圧縮弾性率を有する軟質の樹脂発泡体が好ましく使用でき、具体的には例えばエーテル系、エステル系、カーボネート系などの樹脂発泡体が挙げられる。
また、研磨パッドとしては、アスカーC硬度が70以下のものを使用することが、研磨時における石英ガラス基板の主面にキズが生じるのを防止できることから好ましい。研磨パッドのアスカーC硬度は、65以下であることがより好ましく、60以下であることがさらに好ましい。
本発明の研磨方法の第1研磨工程および第2研磨工程において、研磨パッドによる石英ガラス基板の主面への研磨荷重を0.1〜12kPaとすることが好ましい。研磨荷重が0.1kPa未満では、研磨パッドの荷重制御が困難になるとともに、研磨効果が実質的に得られなくなるおそれがある。また、12kPaより大きい研磨荷重では、研磨面の表面性状が悪化する。研磨荷重は2〜10kPaがより好ましく、5〜8kPaがさらに好ましい。
本発明の研磨方法の第1研磨工程および第2研磨工程における研磨量は、研磨後の石英ガラス基板の主面の表面性状に関する要求に応じて適宜選択される。
ここで、第1研磨工程終了時点における石英ガラス基板の主面の平坦度と、第2研磨工程による該主面の平坦度の合計変化量と、の差の絶対値が、0.3μm以下となるように、第1研磨工程、および、第2研磨工程を実施することが、研磨後の石英ガラス基板の主面の平坦度を0.3μm以下とするうえで好ましい。ここで、「平坦度の合計変化量」としているのは、各研磨工程を2回以上実施する場合を想定したものである。
この考えに基づいて、各研磨工程における研磨条件を以下にように設定することができる。
第1研磨工程、第2研磨工程を、この順序で1回ずつ実施する場合、第2研磨工程での研磨条件は、以下のように設定することができる。
第1研磨工程の終了時点における石英ガラス基板の主面の平坦度を、(A)[nm]とし、第2研磨工程における単位時間当たりの平坦度の変化量を、(B)[nm/sec]とするとき、第2研磨工程における研磨時間(C)[sec]は、下記式により特定される。
((A)−300)/(B)≦(C)≦((A)+300)/(B)
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
本実施例では、石英ガラス基板の主面を以下の手順で機械研磨した。
研磨には両面ポリッシュ装置を使用した。第1研磨工程では、研磨スラリーとして、酸化セリウムからなる研磨粒子(三井金属鉱業株式会社製、ミレーク801A(商品名)、平均粒子径1.9nm)を、分散剤(ユシロ化学工業株式会社製、ユシルーブDSP−20(商品名))とともに、分散媒体となる純水に投入し、pHを7に調整したものを使用した。研磨スラリーにおける酸化セリウムの含有率は20質量%であった。この研磨スラリーのゼータ電位を、大塚電子株式会社製ゼータ電位測定システムELSZ−1により測定したところ−40mVであった。
この研磨スラリーと、アスカーC硬度が70以下の研磨パッド(株式会社FILWEL製、N7512(商品名)を用いて、研磨量が6nmとなるように機械研磨した。
研磨後の石英ガラス基板は、側面形状は凸形状(中心付近の厚さが大きく、外周部付近の厚さが小さい)であり、該主面の平坦度をG310Sフィゾー型レーザ干渉式平坦度測定機(Fujinon社製)により測定したところ1.2μmであった。
第2研磨工程では、研磨スラリーとして、酸化セリウムからなる研磨粒子(三井金属鉱業株式会社製、ミレーク801A(商品名)、平均粒子径1.9nm)を、分散剤を添加することなしに、分散媒体となる純水に投入し、pHを6に調整したものを使用した。研磨スラリーにおける酸化セリウムの含有率は20質量%であった。この研磨スラリーのゼータ電位を測定したところ+25mVであった。
この研磨スラリーと、アスカーC硬度が70以下の研磨パッド(株式会社FILWEL製、N7512(商品名)を用いて、研磨量が6nmとなるように機械研磨した。
研磨後の石英ガラス基板は、側面形状は凸形状(中心付近の厚さが大きく、外周部付近の厚さが小さい)であり、該主面の平坦度は0.2μmであった。
また、石英ガラスについて、該石英ガラスを浸漬した水中のpHと、ゼータ電位と、の関係を調べた。なお、pHの調整には塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を使用した。図4はその結果を示したグラフである。
[実施例2]
第1研磨工程と第2研磨工程の順序を逆にした以外は、実施例1と同様の手順を実施した。研磨後の石英ガラス基板は側面形状が凸形状であり、主面の平坦度を測定したところ0.2μmであった。
[比較例1]
実施例1の第2研磨工程のみを実施した。研磨後の石英ガラス基板は、側面形状が凸形状であり、該主面の平坦度を測定したところ1.2μmであった。
[比較例2]
実施例1の第1研磨工程のみを実施した。研磨後の石英ガラス基板は、側面形状が凹形状であり、該主面の平坦度を測定したところ0.8μmであった。

Claims (5)

  1. 酸化セリウムを主成分とする研磨スラリーを用いて、石英ガラス基板の主面を機械研磨する方法であって、酸化セリウムのゼータ電位が負であり、かつ、ゼータ電位の絶対値が5mVよりも大きくなる条件で、石英ガラス基板の主面を機械研磨する第1研磨工程、および、酸化セリウムのゼータ電位が正であり、かつ、ゼータ電位の絶対値が5mVよりも大きくなる条件で、石英ガラス基板の主面を機械研磨する第2研磨工程を、少なくとも1回ずつ実施することを特徴とする、石英ガラス基板の研磨方法。
  2. 前記第1研磨工程、および、前記第2研磨工程で、アスカーC硬度が70以下の研磨パッドを使用する、請求項1に記載の石英ガラス基板の研磨方法。
  3. 前記第1研磨工程において、研磨スラリーのpHが4以上の条件で実施する、請求項1または2に記載の石英ガラス基板の研磨方法。
  4. 前記第2研磨工程において、研磨スラリーのpHが4以上の条件で実施する、請求項1〜3のいずれかに記載の石英ガラス基板の研磨方法。
  5. 前記第1研磨工程終了時点における前記主面の平坦度と、前記第2研磨工程による前記主面の平坦度の合計変化量と、の差の絶対値が、0.3μm以下となるように、前記第1研磨工程、および、前記第2研磨工程を実施する、請求項1〜4のいずれかに記載の石英ガラス基板の研磨方法。
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