JP5942650B2 - 車軸支持構造 - Google Patents
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Description
前記出力軸は、駆動源により回転すると共に、出力軸ギヤ面が形成されている。
前記車軸は、前記出力軸と同軸に配置され、車輪と一体に回転すると共に、車軸ギヤ面が形成されている。
前記トルク伝達部材は、前記出力軸ギヤ面に噛合する出力軸噛合面と、前記車軸ギヤ面に噛合する車軸噛合面と、を有し、軸方向に押圧されて前記出力軸ギヤ面又は前記車軸ギヤ面のいずれか一方に圧接された状態で配置され、前記出力軸と前記車軸との間でトルクを伝達する。
すなわち、出力軸と車軸は、等速ジョイントのような摺動式継手構造を介して連結されるものではなく、出力軸ギヤ面とトルク伝達部材の出力軸噛合面とが噛合し、車軸ギヤ面とトルク伝達部材の車軸噛合面とが噛合することで連結される。そのため、噛合構造では、接触面が噛み合ってトルク伝達が行われることになり、摺接する面が存在しないため材料の耐摩耗性を向上させる必要がなくなる。また、トルク伝達部材が軸方向に押圧されることで、トルク伝達部材の軸方向のがたつきやバックラッシュの発生が防止され、さらに硬度の増大を不要とすることができる。
つまり、硬度の増大が不要となることで、鍛造や転造によってトルク伝達部材を成型することができる。この結果、材料に対して焼入れが不要となり、焼き抜けを発生させず、出力軸と車軸との接続部分に強度低下を生じることがなくなる。
まず、実施例1の車軸支持構造における構成を、「車軸支持構造の適用例の構成」、「トルク伝達リングの構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1の車軸支持構造が適用されたインホイールモータユニットを示す縦断面図である。図2は、図1に示すインホイールモータユニットの要部を示す拡大図である。以下、図1及び図2に基づいて、実施例1の車軸支持構造の適用例について説明する。
前記ロータ回転軸22aは、カバー12に貫通させて形成した開口12aの内側に嵌着された第1ロータ軸受23Aに一端が回転自在に支持され、軸方向中間部が減速機30の後述するキャリア34の内側端に嵌着された第2ロータ軸受23Bに回転自在に支持される。そして、このロータ回転軸22aの第1,第2ロータ軸受け23A,23Bの間の外周面に、フランジ部22bが突出固定される。このフランジ部22bの外周には積層鋼板22cが固設され、この積層鋼板22cの外周に図示しない永久磁石が埋設される。
なお、このロータ22は、積層鋼板22cの外周に埋設した永久磁石がステータ21の内周面と正対する軸線方向位置に配置され、この位置を保ってロータ回転軸22aが支持される。
また、ケース本体11から突出した中心円筒部34aの他端には、ギヤカップリング軸50の一端50aが挿入されている。この中心円筒部34aの他端の内周面には、セレーションからなる接続部36bが形成されている。ここで「セレーション」とは、軸方向に沿って延びると共に、周方向に並んだ複数の凹凸である。以下、同様である。
また、このギヤカップリング軸50の他端50bは、トルク伝達リング60を介してホイールハブ(ハブリング)53の内側に挿入されている。そして、第2接続部52には、トルク伝達リング60の出力軸噛合部(出力軸噛合面)61が噛合する。つまり、この第2接続部52が出力軸ギヤ面に相当する。
さらに、このハブギヤ部55には、トルク伝達リング60の車軸噛合部(車軸噛合面)62が嵌め合い結合する。つまり、このハブギヤ部55は、車軸ギヤ面に相当する。
図3は、実施例1のトルク伝達リングを示す斜視図である。以下、図3に基づいて、実施例1のトルク伝達リングの構成について説明する。
実施例1の車軸支持構造における作用を、「ギヤカップリング軸とハブ軸との連結作用」、「トルク伝達リングの軸方向への押圧作用」に分けて説明する。
駆動源によって回転する出力軸と、車輪と一体に回転する車軸との間に、等速ジョイント等の摺動式継手構造を介装した場合では、摺接面の硬さを高めるため、一般的に焼入れを行う。このとき、焼入れする部分の肉厚が薄かったり、焼入れする部分が表裏いずれからも加熱されたりすることで、厚み方向の全域が変態点以上に加熱されると、いわゆる焼き抜けが生じてしまい、極端な脆化を招くという問題があった。そのため、材料の焼き抜けの発生を防止する必要がある。以下、これを反映するギヤカップリング軸とハブ軸との連結作用を説明する。
このため、接続部36bや第1接続部51の耐摩耗性を向上させる必要がないので、焼入れ等の熱処理は不要となっている。
このため、第2接続部52や出力軸噛合部61の耐摩耗性を向上させる必要がないので、焼入れ等の熱処理は不要となっている。
このため、トルク伝達リング60やハブ軸53aの耐摩耗性を向上させる必要がないので、焼入れ等の熱処理は不要となっている。
このため、ハブギヤ部55と車軸噛合部62との接触面積を、例えば鉛直方向に沿った面に凹凸を形成した場合に対して、より広く確保することができる。そして、接触面積を拡大することで、接触面に作用する単位面積当たりのトルクを低減することができ、ハブギヤ部55や車軸噛合部62への負担を軽減して、耐久性能の向上を図ることができる。
これにより、車軸側インロー面56及びリング側インロー面63を研磨することで、トルク伝達リング60とハブ軸53aとを軸合わせ(芯出し)を容易に行うことができる。
駆動源によって回転する出力軸と、車輪と一体に回転する車軸との間に、噛合構造によって連結するトルク伝達部材を介装した場合に、このトルク伝達部材が出力軸や車軸に対してがたついてしまうと、がたつくことで接触面(噛み合い面)が摺接してしまうことになる。そのため、トルク伝達部材のがたつきを抑制し、接触面の摺接発生を防止する必要がある。以下、これを反映するトルク伝達リングの軸方向への押圧作用を説明する。
さらに、がたつきを防止することで、トルク伝達リング60とハブ軸53aとが干渉することによる異音の発生や、トルクの伝達遅れの発生を防止することができる。
実施例1の車軸支持構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
前記出力軸(ギヤカップリング軸)50と同軸に配置され、車輪40と一体に回転すると共に、車軸ギヤ面(ハブギヤ部)55が形成された車軸(ハブ軸)53aと、
前記出力軸ギヤ面(第2接続部)52に噛合する出力軸噛合面(出力軸噛合部)61と、前記車軸ギヤ面(ハブギヤ部)55に噛合する車軸噛合面(車軸噛合部)62と、を有し、軸方向に押圧されて前記出力軸ギヤ面(第2接続部)52に圧接された状態で配置され、前記出力軸(ギヤカップリング軸)50と前記車軸(ハブ軸)53aとの間でトルクを伝達するトルク伝達部材(トルク伝達リング)60と、
を備える構成とした。
このため、材料に焼き抜けを発生させず、出力軸(ギヤカップリング軸)50と車軸(ハブ軸)53aとの接続部分の強度低下を生じることがない。
このため、ギヤカップリング軸50よりも大きくがたつくことの多いハブ軸53aに対してトルク伝達部材60が押圧されて圧接することになり、トルク伝達リング60が摺接することを効果的に防止し、焼入れの必要性をさらに低減することができる。
このため、トルク伝達リング60とハブ軸53aとを軸合わせ(芯出し)を容易に行うことができる。
このため、ハブギヤ部55と車軸噛合部62との接触面積を、より広く確保することができ、ハブギヤ部55や車軸噛合部62の耐久性能の向上を図ることができる。
このため、トルク伝達リング60とハブギヤ部55との間の軸方向の隙間寸法の管理を容易に行うことができる。
10 モータケース
20 電動モータ(駆動源)
22a ロータ回転軸
30 減速機
34 キャリア
34a 中心円筒部
36b 接続部
40 車輪
41 ホイール
50 ギヤカップリング軸(出力軸)
51 第1接続部
52 第2接続部(出力軸ギヤ面)
53 ホイールハブ
53a ハブ軸(車軸)
54 ハブベアリング
55 ハブギヤ部(車軸ギヤ面)
55a 車輪対向面
56 車軸側インロー面(インロー構造)
57a ねじ溝
59 リテーナ機構
59a リテーナ本体
59b 座金
60 トルク伝達リング(トルク伝達部材)
61 出力軸噛合部(出力軸噛合面)
62 車軸噛合部(車軸噛合面)
63 リング側インロー面(インロー構造)
64 車軸側端面
65 モータ側端面
Claims (4)
- 駆動源により回転すると共に、出力軸ギヤ面が外周面に形成された出力軸と、
前記出力軸が内側に挿入されて前記出力軸と同軸に配置され、車輪と一体に回転すると共に、車軸ギヤ面が内周面に形成された車軸と、
前記出力軸と前記車軸との間に配置され、内周面に形成された出力軸噛合面が前記出力軸ギヤ面に噛合し、外周面に形成された車軸噛合面が前記車軸ギヤ面に噛合して、前記出力軸と前記車軸との間でトルクを伝達するトルク伝達部材と、を備え、
前記出力軸の外周面と前記車軸の内周面との間には、間隙が設けられ、
前記トルク伝達部材は、前記車軸の内側に螺合するねじ込み式のリテーナ構造によって軸方向に押圧され、前記車軸ギヤ面に対して圧接される
ことを特徴とする車軸支持構造。 - 請求項1に記載された車軸支持構造において、
前記トルク伝達部材は、前記出力軸噛合面にセレーションが形成され、前記車軸噛合面にフェイススプラインが形成された
ことを特徴とする車軸支持構造。 - 請求項2に記載された車軸支持構造において、
前記車軸と前記トルク伝達部材との間には、前記トルク伝達部材が前記車軸に嵌合するインロー構造が形成された
ことを特徴とする車軸支持構造。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された車軸支持構造において、
前記車軸ギヤ面と前記車軸噛合面は、軸方向と直交する鉛直方向に対して傾斜する
ことを特徴とする車軸支持構造。
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