JP5940033B2 - ドアクローザ - Google Patents

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Description

本発明は、開いたドアをゆっくりと自動的に閉めるドアクローザ(ドア自閉装置)の改良に関し、特に作動油漏れ対策に関するものである。
低圧室に配設されたコイルスプリングの内部に膨張吸収部材を挿入しておくことにより、温度上昇による作動油の膨張を吸収し、作動油が外部に漏れることを防止するドアクローザが下記特許文献1に所載されるように公知である。ドアクローザの一種に、下記特許文献2のような床に埋め込むタイプのフロアヒンジがある。特許文献2のフロアヒンジにおいては、低圧室内にはピストンを駆動するためのカムと摺動板が設けられ、コイルスプリングの内部には摺動板とピストンとを連結する連結棒が配設されることになる。従って、特許文献2のような構成を有するフロアヒンジにおいては、特許文献1のように低圧室内に膨張吸収部材を挿入しておくことにより、作動油が外部に漏れることを防止することが困難であるという問題がある。
特開2012−207440号公報 実公平7−55254号公報
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、低圧室内にカムと摺動板が配設される場合であっても、膨張吸収部材により作動油が外部に漏れることを防止できるドアクローザを提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、本発明に係るドアクローザは、扉の開閉動作に伴って回転する主軸3と、該主軸3を軸支すると共に作動油が充填される油室が形成された本体ハウジング1と、前記油室を主軸3側の低圧室15と主軸3とは反対側の高圧室16とに区画するピストン2と、を備え、該低圧室15には、主軸3の回転動作を直線運動に変換するカム4と、該カム4の回転に伴って摺動する摺動板5とが配設されるドアクローザにおいて、該本体ハウジング1には凹部10Aが形成され、該凹部10Aには該低圧室15内の作動油と接触するように膨張吸収部材80が収容され、該凹部10Aは、該主軸3を該本体ハウジング1の底部において軸支する軸受け14が取付けられる軸受け取付部10の周囲に形成された略C字状の溝であり、該膨張吸収部材80は該凹部10Aの略C字状の溝に収容される略C字状の形状をしていることを特徴とする。
ここで、該膨張吸収部材80が該凹部から抜け出ることを防止する抜け防止手段82が設けられることが好ましい。
本発明に係るドアクローザにあっては、温度上昇による作動油の膨張を膨張吸収部材で吸収し、作動油が外部に漏れることを防止することができる。
本発明の一実施形態におけるドアクローザとしてのフロアヒンジを示す正面視の断面図であって、バネ力が最小で閉扉状態を示す。 同フロアヒンジを示す平面視の断面図であって、バネ力が最小で閉扉状態を示す。 同フロアヒンジを示す正面視の断面図であって、バネ力が最小で扉が180度開いた時の状態を示す。 同フロアヒンジを示す平面視の断面図であって、バネ力が最小で扉が180度開いた時の状態を示す。 同フロアヒンジの要部を示す断面図であって、(a)は閉扉動作において逆止弁が閉じた状態を示し、(b)は開扉動作時において逆止弁が開いた状態を示している。 同フロアヒンジの要部を示す平面視の断面図。 同フロアヒンジを示す正面視の断面図であって、バネ力が最大で閉扉状態を示す。 同フロアヒンジを示す平面視の断面図であって、バネ力が最大で閉扉状態を示す。 同フロアヒンジを示す正面視の断面図であって、バネ力が最大で扉が180度開いた時の状態を示す。 同フロアヒンジを示す平面視の断面図であって、バネ力が最大で扉が180度開いた時の状態を示す。 図2のA−A線断面図である。 図1のX−X線断面図である。
以下、本発明の一実施形態にかかるドアクローザとしてのフロアヒンジについて図1〜
図12を参酌しつつ説明する。本実施形態におけるフロアヒンジは、内部に作動油が充填
された油室を形成する本体ハウジング1を備えている。該本体ハウジング1は、図1に示
すように上下方向の厚さが一定であり、図2に示すように所定方向に長い形状である。本
体ハウジング1は油室を二つの部屋に区画するピストン2を内蔵しており、本体ハウジン
グ1の長手方向はこのピストン2の軸線方向である。以下、詳細な説明において特に言及
する場合を除いて軸線方向とはこのピストン2の軸線方向を示すものとし、図面において
向かって右側を軸線方向一端部側とし、左側を軸線方向他端部側とするが、軸線方向一端
部側を単に前側と、軸線方向他端部側を単に後側と称することにする。
本体ハウジング1は、主要部分を構成する主部10と、後側の上部に取り付けられた上
キャップ11と、前側の端部に取り付けられた横キャップ12とから構成され、その内部
に作動油が充填される油室を形成する。
本体ハウジング1の後部に主軸3が軸支されている。該主軸3は扉の回転軸となるもの
で、扉の開閉動作に応じて回転する。尚、主軸3の中心は平面視においてピストン2の中
心線上(軸線上)に位置している。主軸3は、上キャップ11と主部10の底部に軸受け
13,14を介して回転可能に支持されており、その上部は上キャップ11から所定長さ
上方に突出している。主軸3にはハート型のカム4が設けられている。該カム4は主軸3
と一体となって回転する。カム4は、主軸3と一つの部材を構成するように一体的に加工
形成されたものであってもよいし、主軸3とは別部材の構成であってもよい。何れにして
もカム4は、扉の開閉動作と共に主軸3と一体に回転し、主軸3の回転動作を軸線方向の
直線運動に変換してピストン2を駆動するピストン駆動部として機能する。カム4は、そ
の周面をカム面とする板カムであって、全周のうちの所定角度領域のみを扉の開閉動作に
おいて使用する区間とする。本実施形態においては、カム4の周面は対称形状であって、
二つの180度の領域のうちの片方の領域を使用区間とするが、非対称形状としてもよい
。尚、カム面には凹部4aが一箇所形成されている。該凹部4aは、閉扉状態即ち扉の開
度が0度のときに対応した位置に形成されている。
カム4の上下にはそれぞれ摺動板5が配置されている。両摺動板5の間にはカム4と当
接して回転するカムフォロアーとしてのコロ6が設けられ、コロ6の支軸は両摺動板5に
取り付けられている。従って、カム4が主軸3と共に回転すると、コロ6を介して摺動板
5が軸線方向に移動する。カム4が180度回転すると、図1及び図2の状態から図3及
び図4の状態となる。コロ6はカム4の後側に設けられており、図1及び図2に示すよう
に扉の開度が0度のときには、カム4の凹部4aにコロ6が係合した状態にある。尚、カ
ム4の前側にもコロ7が設けられているが、この前側のコロ7は後側のコロ6よりも若干
小径であって、図3及び図4のように扉の開度が180度になると、カム4の凹部4aに
は前側のコロ7が若干の隙間を有して係合した状態となる。また、両摺動板5の前側の端
部はピストン2の後端面に形成された凹部に挿入されていて、両摺動板5を上下に貫通す
るピン8によって両摺動板5とピストン2とが連結されている。
ピストン2は、油室を主軸3側即ち後側の低圧室15と主軸3とは反対側即ち前側の高
圧室16とに区画して開扉動作時には低圧室15側即ち後側に移動し、閉扉動作時には高
圧室16側即ち前側に移動する。該ピストン2は、筒状の外筒体20と該外筒体20の内
側に圧入一体化された筒状の内筒体21とを備えている。内筒体21は前側が小径部に形
成され後側が大径部に形成されていて、大径部の内側が前記凹部となってそこに摺動板5
が挿入されている。
また、内筒体21の小径部の内側には逆止弁22が設けられている。詳細には、図6に
断面で示しているように、内筒体21の小径部の内側に筒状の弁座23が挿入固定され、
該弁座23の内側に軸線方向に移動可能に逆止弁22が挿入されている。尚、図6では後
述の調整軸やバネ受け部材40を省略して図示している。図5に弁座23と逆止弁22の
みを断面図で示している。ピストン2が前側に動く閉扉動作時には図5(a)のように逆
止弁22が高圧室16側の油圧を受けて弁座23に対して相対的に後側に移動した状態に
あり、Oリング24が弁座23の前端面に当接していて側孔25は閉じた状態になる。ピ
ストン2が後側に動く開扉動作時には図5(b)のように逆止弁22が低圧室15側の油
圧を受けて弁座23に対して相対的に前側に移動した状態にあり、逆止弁22のストッパ
ーピン26が弁座23の後端面に当接し、Oリング24が弁座23の前端面から前側に離
れて側孔25は開いた状態となり、逆止弁22の内側通路27から側孔25を通って低圧
室15側の作動油が高圧室16側へと流れることができる。即ち、逆止弁22の内側通路
27と側孔25が、低圧室15と高圧室16とを連通する連通孔を構成している。尚、逆
止弁22の内側通路27は逆止弁22の後端面のみならず前端面にも開口しているが、該
前側の開口部は常時はバネ28によって前側に押圧付勢されている安全弁29によって閉
鎖されており、扉が外力によって強制的に閉じられて高圧室16側の油圧が急激に高くな
った場合には、高くなった高圧油室16の油圧によって安全弁29がバネ28の付勢力に
抗してバネ28を圧縮させつつ後方に移動して内側通路27の前側の開口部を開ける。
尚、図6に示すように本体ハウジング1の両側壁部にはそれぞれ流量制御流路17,1
8が形成されている。これらの流量制御流路17,18はピストン2を迂回するようにし
て低圧室15と高圧室16とを連通している。図6は扉が全閉の状態であるが、この状態
においては、図6において向かって上側に示されている一方の側壁部における第一の流量
制御流路17は、その低圧室15側の開口部と高圧室16側の開口部の何れもがピストン
2によって塞がれずに開口状態にある。逆に図6において向かって下側に示されている他
方の側壁部における第二の流量制御流路18は、その低圧室15側の開口部は開口状態に
あるが高圧室16側の開口部はピストン2によって塞がれた閉口状態にある。そして、扉
が開き始めてピストン2が後側に移動し始めると、逆止弁22が開いて作動油がピストン
2の連通孔を通って低圧室15から高圧室16へと移動する共に、第一の流量制御流路1
7の低圧室15側の開口部がピストン2によって閉じられるまでの間は第一の流量制御流
路17からも作動油が高圧室16へと流れる。その後、ピストン2が第一の流量制御流路
17の低圧室15側の開口部を閉じるタイミングになると、第二の流量制御流路18の高
圧室16側の開口部が開くので、作動油は今度は第二の流量制御流路18から高圧室16
へと流れることになる。閉扉動作時にはその逆であって、逆止弁22が閉じられるので作
動油はピストン2の連通孔を通ることができないが、閉扉動作時の初期から中期において
は第二の流量制御流路18を通って低圧室15へと作動油が流れ、閉扉動作時の後期にお
いてピストン2が第二の流量制御流路18を閉じると第一の流量制御流路17から低圧室
15へと流れる。尚、これらの流量制御流路17,18にはそこを流れる作動油の流量を
制御するための図示しない調整弁が設けられている。
ピストン2には筒状の主連結棒30が連結されている。該主連結棒30はその軸線がピ
ストン2の軸線と同一になるようにしてピストン2の前側に連結されていてピストン2か
ら前側に延びている。ピストン2の内筒体21の小径部には雄ネジ部が形成され、該小径
部と外筒体20との間には環状の隙間が形成されており、該隙間に入り込むようにして主
連結棒30の後端部がピストン2の内筒体21の小径部に螺着されている。従って、主連
結棒30の後端部の内側にピストン2の逆止弁22が位置している。
主連結棒30の前側には筒状の副連結棒31が連結されている。副連結棒31は主連結
棒30の前端部内周面の雌ネジ部に螺着されている。また、副連結棒31の前端部には環
状のフランジ部32が形成され、該フランジ部32の後端面が可動側のバネ受け座を構成
している。また、主連結棒30と副連結棒31とから、ピストン2と可動側のバネ受け座
とを連結する連結棒が構成されている。
ピストン2の前側には、閉扉状態におけるピストン2から所定距離離間した位置にバネ
受け部材40が配置され、該バネ受け部材40の前側にはコイルスプリングからなる復帰
用バネ50が配置されている。バネ受け部材40は中心に貫通孔を有する円盤状であって
、その内側を主連結棒30が貫通しており、バネ受け部材40の前端面が固定側のバネ受
け座を構成している。即ち、バネ受け部材40と副連結棒31のフランジ部32との間に
復帰用バネ50が介装されており、復帰用バネ50の内側を連結棒が挿通している。従っ
て、復帰用バネ50によって常にバネ受け部材40は後方に押圧付勢され、副連結棒31
は前方に押圧付勢されており、副連結棒31に作用する付勢力は主連結棒30からピスト
ン2、摺動板5、そしてカム4へと伝達される。従って、開扉動作時には図3及び図4の
ようにピストン2及び連結棒が後側に移動して復帰用バネ50を圧縮させて復帰用バネ5
0は閉じ力を蓄勢させる。そして、閉扉動作時にはその復帰用バネ50の閉じ力によって
ピストン2及び連結棒が前側に移動する。
また、バネ受け部材40は、本体ハウジング1とは別部材の構成であって本体ハウジン
グ1に対して軸線方向にスライド移動可能に構成されている。図1〜図4はバネ受け部材
40が最も後側に位置した状態であり、本体ハウジング1の内壁面の段差部41にバネ受
け部材40の後端面周縁部が当接することによりそれ以上のバネ受け部材40の後方への
移動が阻止されている。
次に、復帰用バネ50のバネ力を調整するためにバネ受け部材40の位置を本体ハウジ
ング1の外部からの操作により変更させるバネ力調整機構について説明する。図1〜図4
はバネ受け部材40が最も後側に位置していて復帰用バネ50のバネ力が最も小さい状態
であり、図7〜図10はバネ受け部材40が最も前側に位置していて復帰用バネ50の閉
扉状態における圧縮量が最大であってそのバネ力が最も大きい状態である。
バネ力調整機構は、調整軸と連携部材としての連携ピン60とを備えている。調整軸は
、ピストン2や復帰用バネ50、連結棒と同軸上にあって、第一調整軸61と第二調整軸
62とから構成される。第一調整軸61は、横キャップ12の中心を軸線方向に貫通して
いてその前端部61aは横キャップ12から前側に突出している。該横キャップ12から
突出している第一調整軸61の前端部61aが操作部であってこの部分を回転操作する。
また、第一調整軸61は、横キャップ12の後端面側に形成される凹部12a内にそのほ
ぼ全体を収容される鍔部61bを有している。鍔部61bは、その前端面と側面が横キャ
ップ12に接触することがないように横キャップ12の凹部12a内に収容されている。
本体ハウジング1に横キャップ12を取り付けるための孔部から嵌入させることで高圧
室16内には円盤形状の転動体保持板70が設置されている。本体ハウジング1の内壁面
の段差部71に転動体保持板70の後端面周縁部が当接することにより、転動体保持板7
0は高圧室16内で位置決めされている。転動体保持板70の中心には孔70aが形成さ
れており、この孔70aを第一調整軸61が貫通している。また、転動体保持板70の前
端面には溝部70bが形成されており、この溝部70bに複数の針状ころ73を転動自在
に保持する保持器72が嵌入されて収容されている。図12に示すように、保持器72は
、円環状本体72aと、転動体としての針状ころ73をそれぞれ保持するために円環状本
体72aの周方向に複数形成されたポケット72bとを備えており、保持器72の中心は
第一調整軸61により貫通されている。第一調整軸61の鍔部61bの後端面周縁は、転
動体保持板70に保持されて転動する複数の針状ころ73と当接しており、第一調整軸6
1はピストン2の軸線方向への移動が規制されている。なお、複数の針状ころ73は、転
動体70の溝部70bの底面にも当接しており、複数の針状ころ73は第一調整軸61の
鍔部61bと転動体保持板70の間で転動する。すなわち、第一調整軸61の前端部61
aを回転操作すると、第一調整軸61の鍔部61bは転動体保持板70に保持されている
複数の針状ころ73を転動させながら回転する。
第一調整軸61は連結棒の内側に挿入していて、その後端部外周面には雄ネジ部が形成
されており、第二調整軸62の前端部内周面に形成された雌ネジ部に螺合している。第二
調整軸62はその全体が連結棒の内側具体的には主連結棒30の内側に挿入されていて、
第一調整軸61を回転させることでネジ送り機構により軸線方向にスライド移動する。
第二調整軸62の後部には連携ピン60が取り付け固定されている。該連携ピン60は
上下方向の軸線を有していて第二調整軸62を上下方向に貫通している。主連結棒30の
周壁の上部と下部には軸線方向に長い長孔形状の横孔63がそれぞれ形成されており、そ
の横孔63を連携ピン60の上端部と下端部がそれぞれ挿通して上方及び下方に延びてい
る。バネ受け部材40の内周面には係合凹部42が上下一対形成されており、該係合凹部
42に連携ピン60の上端部と下端部がそれぞれ係入している。尚、連携ピン60の上端
部と下端部のそれぞれの前側部分には平坦面60aが形成されていて、バネ受け部材40
の係合凹部42の壁面の前側部分にもそれに対応して平坦面が形成されており、従って、
連携ピン60とバネ受け部材40とは平坦面同士が当接する関係にあって、連携ピン60
の平坦面60aがバネ受け部材40の平坦面を前側に押圧しつつバネ受け部材40を軸線
方向に移動させる。このように本実施形態において、横キャップ12から突出している第
一調整軸61の前端部61aが回転操作される操作部であり、該第一調整軸61の回転が
ネジ送り機構によって第二調整軸62の軸線方向の動きに変換され、主連結棒30の横孔
63を介して連携ピン60によってバネ受け部材40に伝達される。本実施形態において
第一調整軸61と第二調整軸62及び連携ピン60が操作部の動きをバネ受け部材40に
伝達する伝達部を構成している。
尚、第二調整軸62の後端面には凹部62aが形成されており、図1及び図2のように
ピストン2がバネ受け部材40に最も接近した状態において逆止弁22の前端部が第二調
整軸62の凹部62aに所定量入り込むことができるようになっている。
本体ハウジング1の主部10の底部における低圧室15を画成する部分には、膨張吸収部材としてのスポンジゴム80を収容するための凹部10Aが形成されている。図12に示すように、凹部10Aは、主部10の軸受け取付部10の周囲に形成された平面視C字状の溝であり、この凹部10Aに収容された平面視C字状のスポンジジゴム80が低圧室15内の作動油と接触する。凹部10A内には円筒ボス10が突設されており、この円筒ボス10にスポンジゴム80の後側に形成された貫通孔80Aを挿入することにより、スポンジゴム80は凹部10A内に嵌入されている。抜け防止手段としてのピン82がワッシャ81を介して円筒ボス10Bの穴に嵌入されており、スポンジゴム80は凹部10Aから抜け出ることが防止されている。スポンジゴム80は、独立気泡構造を有するものであり、温度上昇によって油室内の作動油が膨張した場合には、各気泡内の空気が圧縮されて体積を収縮する。温度上昇による作動油の膨張が凹部10Aに収容されたスポンジゴム80の体積変動により吸収されるようになっているので、油室の内圧が高まり本体ハウジング1(上キャップ11と主部10の間等)から油漏れを起こすことが防止される。なお、温度上昇によって凹部10A内において体積を収縮させたスポンジゴム80は、作動油が常温に戻ると元の体積に戻るようになっている。
以上のように構成されたフロアヒンジにあっては、ピストン2が開扉動作時には低圧室15側に移動し閉扉動作時には高圧室16側に移動するので、閉扉動作時において低圧室15側の油圧が高くならない。従って、低圧室15の圧力上昇が原因となって生じる主軸3の軸受け13の箇所からのオイル漏れを抑制できる。また、本体ハウジング1の主部10には凹部10Aが形成されており、この凹部10Aにはスポンジゴム80が収容されているので、温度上昇による作動油の膨張により本体ハウジング1(上キャップ11と主部10の間等)からの油漏れを防ぐことができる。そして、凹部10Aに収容されているスポンジゴム80が低圧室15の作動油と接触するので、低圧室15内においてスポンジゴム80がカム4や摺動板5の動きを阻害することがない。また、凹部10A内に移動不能に収容されているスポンジゴム80は、ピン82により凹部10Aから抜け出ることが確実に防止される。さらに、凹部10Aは、主部10の軸受け取付部10を取り囲むように形成されるので、スポンジゴム80を収容するためのスペースを十分に確保することができる。
本発明によるドアクローザは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の請求の範囲
に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、上述した実施形態においては
、フロアヒンジの場合を説明したが、本発明は、扉の上部や内部あるいは戸枠に取り付け
られる各種のドアクローザに適用可能である。また、上述した実施形態において、凹部1
0Aはハウジング本体1の主部10に形成されていたが、膨張吸収部材を収容するための
凹部を上キャップ11に形成するようにしてもよい。また、上述した実施形態においては
、抜け防止手段はピン82であったが、ネジ等を用いてもよい。
1 本体ハウジング
2 ピストン
3 主軸
4 カム
4a 凹部
5 摺動板
6 コロ
7 コロ
8 ピン
10 主部
10A 凹部
10B 円筒ボス
10C 軸受け取付部
11 上キャップ
12 横キャップ
12a 凹部
13 軸受け
14 軸受け
15 低圧室
16 高圧室
17 第一の流量制御流路
18 第二の流量制御流路
20 外筒体
21 内筒体
22 逆止弁
23 弁座
24 Oリング
25 側孔
26 ストッパーピン
27 内側通路
28 バネ
29 安全弁
30 主連結棒
31 副連結棒
32 フランジ部
40 バネ受け部材
41 段差部
42 係合凹部
50 復帰用バネ
60 連携ピン
60a 平坦面
61 第一調整軸
61a 前端部
61b 鍔部
62 第二調整軸
62a 凹部
63 横孔
70 転動体保持板
70a 孔
70b 凹部
71 段差部
72 保持器
72a 孔
72b ポケット
73 針状ころ
80 スポンジゴム(膨張吸収部材)
80A 貫通孔
81 ワッシャ
82 ピン

Claims (2)

  1. 扉の開閉動作に伴って回転する主軸と、該主軸を軸支すると共に作動油が充填される油室が形成された本体ハウジングと、前記油室を主軸側の低圧室と主軸とは反対側の高圧室とに区画するピストンと、を備え、該低圧室には、主軸の回転動作を直線運動に変換するカムと、該カムの回転に伴って摺動する摺動板とが配設されるドアクローザにおいて、
    該本体ハウジングには凹部が形成され、該凹部には該低圧室の作動油と接触するように膨張吸収部材が収容され、
    該凹部は、該主軸を該本体ハウジングの底部において軸支する軸受けが取付けられる軸受け取付部の周囲に形成された略C字状の溝であり、該膨張吸収部材は該凹部の略C字状の溝に収容される略C字状の形状をしていることを特徴とするドアクローザ。
  2. 該膨張吸収部材が該凹部から抜け出ることを防止する抜け防止手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のドアクローザ。
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