JP2023117078A - ドアクローザ - Google Patents

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Abstract

【課題】必要な閉じ力を容易に確保することができるドアクローザを提供する。【解決手段】扉の開閉動作に伴って所定方向の軸線まわりに回転する主軸11と、主軸11に設けられ、主軸11と共に回転するカム13a,13bと、主軸11の回転に伴ってラックピニオン機構により前記所定方向と直交する方向に移動するピストン12と、扉が開くときに弾性変形し、扉が閉じるときに復元して閉じ力を発生する第一バネ17と、第一バネ17とは別に設けられ、扉が開くときに弾性変形し、扉が閉じるときに復元して閉じ力を発生させる第二バネ18と、を備え、扉が開くときに、カム13a,13bが第一バネ17を弾性変形させ、扉が開くときに、閉扉状態から所定の開き角度まではカム13a,13bが第二バネ18を弾性変形させ、所定の開き角度を越えるとピストンが第二バネを弾性変形させる。【選択図】図1

Description

本発明は、カムとピストンを備えたドアクローザに関する。
本出願人は、下記特許文献1、2所載のようにカムとピストンを備えたドアクローザを提案している。このドアクローザは、カムを備えることにより、全閉直前のトルクを大きく設定できる。また、ラックピニオン機構によってピストンを大きく移動させることができる。そのため、流量制御流路を通過する作動油の流量を多くすることができ、作動油の流量を容易に調整できる。一方、ドアクローザには更なる小型化が求められるが、ドアクローザを小型化すると、閉じ力が不足しやすい。
特開2020-193485号公報 特開2021-95764号公報
本発明は、必要な閉じ力を容易に確保することができるドアクローザを提供することを課題とする。
本発明に係るドアクローザは、扉の開閉動作に伴って所定方向の軸線まわりに回転する主軸と、主軸に設けられ、主軸と共に回転するカムと、主軸の回転に伴ってラックピニオン機構により前記所定方向と直交する方向に移動するピストンと、扉が開くときに弾性変形し、扉が閉じるときに復元して閉じ力を発生する第一バネと、第一バネとは別に設けられ、扉が開くときに弾性変形し、扉が閉じるときに復元して閉じ力を発生させる第二バネと、を備え、扉が開くときに、カムが第一バネを弾性変形させ、扉が開くときに、閉扉状態から所定の開き角度まではカムが第二バネを弾性変形させ、所定の開き角度を越えるとピストンが第二バネを弾性変形させる。
この構成によれば、扉が閉じる際に、第一バネの閉じ力がカムに作用する。更に、所定の開き角度から閉扉状態までの区間においては、カムには更に第二バネの閉じ力も合わせて作用する。そのため、特に閉じ際においてカムから主軸を介して扉に大きな閉じ力を作用させることができ、扉をしっかりと閉じることができる。
特に、カムと第一バネの間に配置され、カムの回転に伴って前記所定方向と直交する方向に移動するカムフォロアと、カムフォロアと第二バネの間に配置され、カムフォロアに対して前記所定方向と直交する方向に相対移動可能なバネ支持部材と、を備え、閉扉状態から所定の開き角度までは、カムがカムフォロアとバネ支持部材を介して第二バネを弾性変形させ、所定の開き角度を越えると、ピストンが、バネ支持部材をカムフォロアに対して相対移動させることにより、バネ支持部材を介して第二バネを弾性変形させることが好ましい。この構成によれば、扉が開く際に第二バネを弾性変形させる部材をカムからピストンに容易に切り替えることができる。
更に、閉扉状態ではピストンはバネ支持部材から離れており、所定の開き角度になるとピストンがバネ支持部材に当接することが好ましい。この構成によれば、閉扉状態において、ピストンとバネ支持部材との間には隙間が存在している。そして、所定の開き角度になるとピストンがバネ支持部材に当接するので、第二バネを弾性変形させる部材を所定の開き角度でカムからピストンに容易に切り替えることができる。
以上のように、第一バネに加えて第二バネの閉じ力が所定の区間においてカムに作用するので、ドアクローザを小型化しても、閉じ際における閉じ力不足が生じにくく、必要な閉じ力を容易に確保することができる。
本発明の一実施形態におけるドアクローザを示す縦断面図であって、閉扉状態を示す。 図1のA-A断面図。 図1のB-B断面図。 同ドアクローザの縦断面図であって、第二の開き角度の状態を示す。 図4のC-C断面図。 同ドアクローザの縦断面図であって、第三の開き角度の状態を示す。 図6のD-D断面図。 同ドアクローザの縦断面図であって、開扉状態を示す。 図8のE-E断面図。 同ドアクローザのピストン、スライダ及びバネ支持部材を示す斜視図。 同ドアクローザのスライダを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のF-F断面図、(c)は(b)のG-G断面図。 (a)は同ドアクローザのバネ支持部材を示す正面図、(b)及び(c)はスライダとバネ支持部材を示す図11(b)に対応した断面図。 同ドアクローザのスライダとピストンの移動量を示すグラフ。 同ドアクローザの閉じ力を示すグラフ。
以下、本発明の一実施形態にかかるドアクローザについて図1~図14を参酌しつつ説明する。本実施形態におけるドアクローザは、図1に示すように、ドアクローザ本体1と、取付板2と、アーム3を備えている。ドアクローザは、スライド型のものである。ドアクローザ本体1は、扉あるいは扉枠に取り付けられる。扉は、例えば上下方向の軸線まわりに回動する。例えば扉にドアクローザ本体1が取り付けられる場合には、扉枠には左右方向(水平方向)に延びる図示しないレールが取り付けられる。本実施形態のドアクローザは、コンシールドタイプのものであり、ドアクローザ本体1は、扉の内部に配置される。ドアクローザ本体1は、取付板2を介して扉にネジ止めされる。取付板2は、ドアクローザ本体1の上面にネジ止めされる。尚、左右方向は、扉の面に沿った方向であって、扉の回転中心に対して径方向である。また、前後方向は、扉の面に対して法線方向である。
図1~図3は、扉が全閉状態のときのドアクローザを示している。ドアクローザ本体1は、ハウジング10と、主軸11と、ピストン12と、第一カム13a及び第二カム13bと、ピニオンギヤ14と、第一コロ15a及び第二コロ15bと、スライダ16と、第一バネ17と、第二バネ18と、第三バネ19とを備えている。第一コロ15a及び第二コロ15bとスライダ16は、カムフォロアである。尚、カムとして、第一カム13a及び第二カム13bを備えるが、上下に分離していなくてもよいし、カムは一つであってもよい。同様に、コロも一つであってもよい。
ハウジング10は、全体として、左右方向に長い横長の直方体形状である。尚、図1において、向かって右側を単に右側と称し、向かって左側を単に左側と称する。本実施形態において、扉の回動中心は、ドアクローザ本体1に対して左側に位置するが、右側に位置してもよい。
ハウジング10は、左右方向に延びる一つの収容室20を有している。収容室20に、ピストン12と第一コロ15a及び第二コロ15bとスライダ16と第一バネ17と第二バネ18と第三バネ19が配置されている。収容室20の左右両端部にはそれぞれエンドキャップ21が装着されている。収容室20には作動油が入れられている。取付板2は、ハウジング10にネジ止めされている。ハウジング10の内面は、収容室20の壁面である。収容室20の壁面は、主軸11の近傍を除いて断面視円形の周面である。収容室20は、左右方向に延びる中心線を有している。図2ような平面視において、収容室20の中心線上に、主軸11とピストン12と第一コロ15a及び第二コロ15bとスライダ16と第一バネ17と第二バネ18と第三バネ19が配置されている。従って、主軸11とピストン12と第一コロ15a及び第二コロ15bとスライダ16と第一バネ17と第二バネ18と第三バネ19は、平面視において、左右方向に沿った同一線上に位置している。また、図1のような側面視あるいは正面視において、ピストン12とスライダ16と第一バネ17と第二バネ18と第三バネ19は、左右方向に沿った同一線上に位置していて、上下方向において同一高さにある。尚、第一コロ15a及び第二コロ15bの上下方向の中央部は、収容室20の中心線上に位置している。
主軸11は、ハウジング10に回転可能に支持されている。主軸11は、図1のようにハウジング10の左右方向の中央よりも左側に偏って配置されている。主軸11は、図2のように、ハウジング10の前後方向の略中央に位置している。主軸11は、上下方向の軸線まわりに回転する。主軸11の上端部は、ハウジング10から上方に突出していると共に取付板2からも上方に突出している。その主軸11の上端部に、アーム3の第一端部が相対回転不能に取り付けられている。アーム3の第二端部は、上述したレールに係合している。扉が回動すると、アーム3の第二端部がレールに案内されつつ左右方向にスライドする。扉の開閉動作に伴って、主軸11はアーム3と共に回転する。
図3のように、ハウジング10の天面部と底面部にはそれぞれ第一軸受けホルダ23と第二軸受けホルダ24が取り付けられている。第一軸受けホルダ23と第二軸受けホルダ24は、それぞれ円筒状である。ハウジング10の天面部には、第一連通孔27が形成されている。第一連通孔27は、上側に開口している。第一連通孔27は、収容室20とハウジング10の外部とを連通する。第一連通孔27は上下方向の軸線を有している。第一連通孔27には雌ネジ部が形成されている。第一軸受けホルダ23の外周面には雄ネジ部が形成されている。第一軸受けホルダ23は、第一連通孔27に上側から螺入されている。
同様に、ハウジング10の底面部には、第二連通孔28が形成されている。第二連通孔28は、下側に開口している。第二連通孔28は、収容室20とハウジング10の外部とを連通する、第二連通孔28は上下方向の軸線を有している。第二連通孔28には雌ネジ部が形成されている。第二軸受けホルダ24の外周面には雄ネジ部が形成されている。第二軸受けホルダ24は、第二連通孔28に下側から螺入されている。第一連通孔27と第二連通孔28は、同軸上に位置し、第一軸受けホルダ23と第二軸受けホルダ24は、同軸上に位置している。
第一軸受けホルダ23は、その内周面に第一軸受け25を保持している。第二軸受けホルダ24は、その内周面に第二軸受け26を保持している。第一及び第二軸受け25,26は、ニードルベアリングであることが好ましく、特に、総コロタイプのニードルベアリングであることが好ましい。第一軸受け25は、第二軸受け26よりも大径である。主軸11は、第一軸受けホルダ23と第二軸受けホルダ24にそれぞれ第一軸受け25と第二軸受け26を介して回転可能に支持されている。主軸11の下端部は、第二軸受けホルダ24から下側に突出していない。主軸11の上端部は、第一軸受けホルダ23から上側に所定長さ突出している。
主軸11の詳細について更に説明する。図3のように、主軸11は、第一軸部材31と第二軸部材32と第三軸部材33を備えている。第一軸部材31と第二軸部材32と第三軸部材33は、互いに別体である。主軸11は、上下三分割の構成となっている。第一軸部材31と第二軸部材32と第三軸部材33は、互いに上下に連結されている。第一軸部材31と第二軸部材32と第三軸部材33は、相対回転できず、一体となって回転する。
第一軸部材31は、第一軸受け25を介して第一軸受けホルダ23に回転可能に支持されている。第一軸部材31の下部が第一軸受けホルダ23に支持され、第一軸部材31の上部は第一軸受けホルダ23から上側に突出している。第一軸部材31の上端部が主軸11の上端部である。第一軸部材31の上端部にアーム3が固定されている。第一軸部材31の上端面には、アーム3を第一軸部材31に取り付けるためのネジ孔31aが形成されている。ネジ孔31aは所定の深さを有していて、非貫通の孔である。
第一軸部材31は、第一軸受けホルダ23よりも下側に突出している。第一軸部材31の下端面は、第一軸受けホルダ23の下端面よりも下側に位置している。第一軸部材31は、下側に開口する第一接合孔31bを有している。第一接合孔30bは、第一軸部材31の下端面に開口している。第一接合孔31bは、上下方向に沿っている。第一接合孔31bは、ネジ孔31aと連通していない。第一軸部材31の下端部に第一カム13aが設けられている。第一カム13aは、第一軸部材31に一体的に形成されていて、第一軸部材31と第一カム13aは一つの部材である。但し、第一カム13aが第一軸部材31と別体であってもよい。
第二軸部材32は、第二軸受け26を介して第二軸受けホルダ24に回転可能に支持されている。第二軸部材32の下部が第二軸受けホルダ24に支持されている。第二軸部材32は、第二軸受けホルダ24から下側に突出していない。第二軸部材32の上端部に第二カム13bが設けられている。第二カム13bは、第二軸部材32に一体的に形成されていて、第二軸部材32と第二カム13bは一つの部材である。第二軸部材32の上端面には第二接合孔32aが形成されている。但し、第二カム13bが第二軸部材32とは別体であってもよい。
第三軸部材33は、第一軸部材31と第二軸部材32の間に配置されている。第三軸部材33の上部は第一軸部材31の第一接合孔31bに相対回転不能に挿入されている。第三軸部材33の下部は第二軸部材32の第二接合孔32aに相対回転不能に挿入されている。即ち、第三軸部材33は、第一軸部材31及び第二軸部材32と一体となって回転する。第三軸部材33にピニオンギヤ14が設けられている。ピニオンギヤ14は第三軸部材33の外周面に一体的に形成されている。ピニオンギヤ14は、外周面の全周のうち所定角度範囲のみに歯部を有しており、その他の領域には歯部が形成されていない。即ち、ピニオンギヤ14の外周面は、歯部が形成された歯部形成領域と、歯部が形成されずに滑面とされた歯部非形成領域とに区分される。
第一カム13a及び第二カム13bは、互いに上下に離間していて、ピニオンギヤ14は第一カム13aと第二カム13bの間に位置している。第一カム13a及び第二カム13bは、ピニオンギヤ14に対して上下対称に配置されている。第一カム13aは、ピニオンギヤ14の上側に位置し、第二カム13bは、ピニオンギヤ14の下側に位置する。第一カム13aの外周面と第二カム13bの外周面は、それぞれカム面であって、互いに同一形状である。第一カム13a及び第二カム13bのカム面は略ハート型である。
第一カム13a及び第二カム13bは、開扉動作時には第一バネ17を圧縮させ、閉扉動作時には第一バネ17からその弾性復元力を受ける。第一バネ17の弾性復元力は、第一カム13a及び第二カム13bを介して主軸11に伝達されて扉を閉じるための閉じ力となる。扉の開閉動作において、第一カム13a及び第二カム13bの全周のうち所定角度領域のみが使用される。
第一カム13a及び第二カム13bの右側に、上下一対の第一コロ15a及び第二コロ15bと、スライダ16が配置されている。第一コロ15a及び第二コロ15bとスライダ16は、第一バネ17と第一カム13a及び第二カム13bとの間に位置している。第一コロ15a及び第二コロ15bは、スライダ16の左側に位置している。第一コロ15a及び第二コロ15bは、第一カム13a及び第二カム13bに対応して、互いに上下に離間して配置されている。第一コロ15a及び第二コロ15bは、それぞれ第一カム13a及び第二カム13bと当接している。第一コロ15a及び第二コロ15bは、支軸40に固定されている。第一コロ15a及び第二コロ15bは、支軸40と一体に回転する。支軸40は、上下方向に沿った軸線を有している。支軸40は、スライダ16の左部に回転可能に支持されている。第一コロ15a及び第二コロ15bとスライダ16は、支軸40を介して連結されていて、一体となって左右方向に移動する。
スライダ16は、図10及び図11にも示しているように、右側から順に、第一筒部41と第二筒部42と軸支持部43を有している。第一筒部41と第二筒部42は、円筒状である。第二筒部42は第一筒部41の左側に連続し、軸支持部43は、第二筒部42の左側に連続している。第一筒部41の外周面は、収容室20の壁面に当接し、収容室20の壁面に支持される。スライダ16が左右方向に移動する際、第一筒部41の外周面は、収容室20の壁面に案内されて、収容室20の壁面を摺動する。第一筒部41の外周面には、作動油が通る溝44が形成されている。溝44は、第一筒部41の外周面の左右方向の全長に亘って形成されている。溝44は、本実施形態では左右方向に沿って一直線状に形成されているが、左右方向に対して傾斜して形成されていてもよい。溝44は上下一対設けられているが、その数や配置は任意である。
尚、ハウジング10には、先端部が収容室20に突出する規制ピン45が取り付けられている。規制ピン45の先端部は溝44に係合していて、これにより、ハウジング10に対する第一筒部41の軸線まわりの回転が規制される。規制ピン45は、スライダ16の回り止めとして機能する。第一筒部41の右端面には、係止ピン46が取り付けられている。係止ピン46の端部は第一筒部41の右端面から突出していて、その突出部に第一バネ17が係止する。
第二筒部42は第一筒部41よりも小径であり、第一筒部41と同軸状に設けられている。第二筒部42の左部(左側の所定領域)には、左右方向に沿って長いガイド孔47が上下一対形成されている。ガイド孔47は長孔である。上下のガイド孔47は互いに上下に対向して位置している。ガイド孔47は、第一筒部41から左側に離れて設けられている。
第一筒部41及び第二筒部42の内側(径方向内側)には、第一格納孔48と第二格納孔49が設けられている。第一格納孔48は、第二格納孔49の右側に位置し、第一格納孔48と第二格納孔49は連通している。第一格納孔48と第二格納孔49は互いに同軸であって左右方向に沿っており、第一筒部41及び第二筒部42の中心線上に位置している。第一格納孔48は第一筒部41に設けられている。第二格納孔49はその大部分が第二筒部42に設けられている。第一格納孔48は第一筒部41の右端部に開口している。第一格納孔48は第二格納孔49よりも大径である。第一格納孔48と第二格納孔49の間には段差部50が設けられている。上下のガイド孔47はそれぞれ第二格納孔49と連通している。
軸支持部43は、第二筒部42から左側に向けて突設されている。軸支持部43は、上下方向を板厚方向とする板状である。軸支持部43に上下方向に沿って貫通孔51が形成されている。その貫通孔51に、上述の支軸40が挿入されている。支軸40は、軸支持部43に軸受けを介して回転可能に支持されている。第一コロ15a及び第二コロ15bは、軸支持部43の上側と下側に上下対称に配置されている。第一コロ15a及び第二コロ15bは、それぞれ支軸40の上端部と下端部に設けられている。本実施形態において、第一コロ15aは支軸40と別体であって支軸40にネジ止めされており、第二コロ15bは、支軸40に一体的に形成されている。但し、第一コロ15aと第二コロ15bの双方が支軸40とは別体であってもよい。
<バネ支持部材60>
バネ支持部材60は、スライダ16の内側に配置されている。バネ支持部材60は、開口部からスライダ16に挿入されている。バネ支持部材60は、スライダ16に対して左右方向に相対移動可能である。図12のように、バネ支持部材60は、スライダ16と同軸状である。尚、図12(b)及び(c)において、バネ支持部材60には多数のドットを付して示している。バネ支持部材60は、全体として円柱状である。バネ支持部材60は、第一軸部61と、第一軸部61の左側に連続する第二軸部62と、第一軸部61の右側に連続するフランジ部63を有している。第一軸部61は、バネ支持部材60の主部である。第一軸部61と第二軸部62は、スライダ16の第二格納孔49に格納される。第一軸部61の外周面は第二格納孔49の壁面と摺動する。第一軸部61は第二格納孔49の壁面に案内されてスライダ16に対して左右方向に移動する。
フランジ部63は、第一軸部61よりも大径である。図12(b)のように、第一軸部61は、スライダ16の段差部50に右側から当接する。第一軸部61が段差部50に当接することにより、スライダ16に対するバネ支持部材60の左側への移動が阻止される。尚、フランジ部63は第一格納孔48と同径あるいは第一格納孔48よりも若干小径である。フランジ部63の外周面が第一格納孔48の壁面に案内されてもよい。フランジ部63の右側には凸部64が突設されていることが好ましい。凸部64はフランジ部63よりも小径である。凸部64は、バネ支持部材60の中心軸上に位置している。
第二軸部62は、第一軸部61よりも小径である。図12(b)のように、フランジ部63が段差部50に当接した状態において、第二軸部62の左端部は、上下のガイド孔47の内側に位置する。本実施形態では、第二軸部62の全体がガイド孔47の内側に位置する。図12(c)は、フランジ部63が段差部50から右側に離れた状態を示している。このように、バネ支持部材60は、スライダ16に対して相対移動可能である。
スライダ16の右側に第一バネ17が配置されている。第一バネ17は、扉を閉じるための閉じ力を発生させる。第一バネ17は、スライダ16、第一コロ15a及び第二コロ15bを左側に付勢している。第一バネ17は、コイルバネであり、圧縮バネである。第一バネ17は、スライダ16とバネ押さえ70の間に介装されている。第一バネ17の左端部は第一筒部41の右端面に当接している。第一バネ17の左端部が係止ピン46に係止していて、係止ピン46により第一バネ17の回転が規制されている。バネ押さえ70は、第一バネ17の右側に位置している。第一バネ17の右端部はバネ押さえ70に当接している。バネ押さえ70の左端面には、係止ピン46が取り付けられている。係止ピン46に第一バネ17の右端部が係止していて、係止ピン46により第一バネ17とバネ押さえ70との相対回転が規制されている。
バネ押さえ70は、収容室20の壁面に案内されて左右方向に移動可能である。バネ押さえ70を調整軸71が左右方向に貫通している。調整軸71は、雄ネジ部を有し、バネ押さえ70の雌ネジ部に螺合している。調整軸71を回転させることによりバネ押さえ70を左右方向に移動させることができる。バネ押さえ70が左側に移動すると第一バネ17が圧縮されてバネ力が強くなる。逆に、バネ押さえ70が右側に移動すると第一バネ17の圧縮量が減少してバネ力が弱くなる。
調整軸71は右側のエンドキャップ22を貫通している。調整軸71は、エンドキャップ22に回転可能に支持されている。調整軸71の右端部はエンドキャップ22の外側に突出していて、その右端部に第一調整ギヤ72が取り付けられている。第一調整ギヤ72は図示しない第二調整ギヤと噛み合っている。第二調整ギヤは、取付板2の下側に位置している。取付板2に図示しない操作軸が回転可能に支持されている。操作軸の下端部に第二調整ギヤが取り付けられている。取付板2の上側から操作軸を回転操作することにより、第二調整ギヤを回転させることができる。第二調整ギヤを介して第一調整ギヤ72を回転させることにより、調整軸71を回転させてバネ押さえ70を左右方向に移動させることができる。本実施形態において、バネ押さえ70、調整軸71、第一調整ギヤ72、第二調整ギヤ、及び、操作軸により、バネ力調整機構が構成されている。
<第二バネ18>
第一バネ17の内側に、第二バネ18が同軸状に配置されている。第二バネ18はコイルバネであって圧縮バネである。第二バネ18は、第一バネ17よりも小径であって且つバネ力が弱い。第二バネ18の左端部は第一格納孔48に挿入されている。第二バネ18の左端部はバネ支持部材60のフランジ部63に当接している。第二バネ18の内側にバネ支持部材60の凸部64が入り込んでいる。調整軸71の左端部にはバネ押さえ71aが形成されている。バネ押さえ71aは環状である。第二バネ18の右端部はバネ押さえ71aに当接している。第二バネ18は、バネ支持部材60とバネ押さえ71aの間に介装されている。第二バネ18は、バネ支持部材60を左側に付勢している。
収容室20には発泡ゴム73が収容されている。発泡ゴム73は、作動油の温度上昇による膨張を吸収するためのものである。発泡ゴム73は例えば棒状である。発泡ゴム73は例えば第二バネ18の内側に配置される。
<ピストン12>
ハウジング10には、閉扉速度をコントロールするための流量制御流路74が設けられている。ピストン12は、閉扉動作時に作動油を流量制御流路74に押し流すことにより、閉扉動作を緩衝する。ピストンは左右方向に長い形状である。ピストン12は、左端部に第一ヘッド部80を有している。第一ヘッド部80は、主軸11よりも左側に位置している。第一ヘッド部80は左右方向を軸線とする円柱状である。第一ヘッド部80の外周面は、収容室20の壁面と略同一径であり、収容室20の壁面に支持される。ピストン12が移動する際、第一ヘッド部80の外周面は収容室20の壁面と摺動する。
第一ヘッド部80の中心部分には左右方向に沿って貫通孔81が形成されている。この貫通孔81には逆止弁が設けられている。開扉動作時にピストン12は右側に移動する。開扉動作時に逆止弁の弁体であるボール82が左側に移動して弁を開き、作動油は貫通孔81を挿通できる。一方、閉扉動作時にはピストン12は左側に移動する。閉扉動作時には逆止弁のボール82が作動油の油圧によって右側に押されて貫通孔81を閉じ、作動油は貫通孔81を挿通できない。閉扉動作時にピストン12によって左側に押される作動油は、迂回路である流量制御流路74に押し込まれる。作動油は、流量制御流路74を通って第一ヘッド部80よりも右側の領域に移動する。流量制御流路74には、流量制御流路74を流れる作動油の流量を制御するための図示しない調整弁が配置されている。調整弁はハウジング10の上側から調整可能である。流量制御流路74を流れる作動油の流量を制御することにより、閉扉動作時の緩衝の程度を調整することができる。
ピストン12は、第一ヘッド部80の右側に、前後一対の腕部83を有している。一対の腕部83は互いに平行である。腕部83の外面は、断面視円弧状の曲面である。腕部83の外面は、収容室20の壁面と摺動する。腕部83は、左右方向に沿って直線状に延びている。腕部83は、主軸11を右側に越えて延びている。一方の腕部83の内面にラック84が形成されている。ラック84はピニオンギヤ14と噛み合っている。ピニオンギヤ14とラック84によってラックピニオン機構が構成される。扉の開閉動作に伴って主軸11が回転すると、ピニオンギヤ14は、ピストン12を左右方向に移動させる。扉の開閉動作に伴って主軸11が回転すると、第一コロ15a及び第二コロ15b及びスライダ16とピストン12は何れも同じ方向に移動する。
ピストン12は、右端部に第二ヘッド部85を有している。腕部83は、第一ヘッド部80と第二ヘッド部85を連結している。第二ヘッド部85は、円筒状である。第二ヘッド部85は、左右方向に沿った中心線を有している。第二ヘッド部85の外周面は、収容室20の壁面と略同一径であり、収容室20の壁面に支持される。ピストン12が移動する際、第二ヘッド部85の外周面は収容室20の壁面を摺動する。
スライダ16は、第二ヘッド部85の内側を通って、ピストン12に右側から部分的に入り込んでいる。具体的には、スライダ16の軸支持部43と第二筒部42がピストン12の内側に進入している。第二筒部42の径方向外側に、第二ヘッド部85が被せられている。第二ヘッド部85の内周面は、第二筒部42の外周面と略同一径である。第二筒部42の外周面は、第二ヘッド部85の内周面に支持される。
図10のように第二ヘッド部85は、上下方向に貫通する貫通孔86を有している。貫通孔86に支持ピン87が挿入固定される。支持ピン87は、第一筒部41の上下一対のガイド孔47を上下方向に挿通している。支持ピン87により、ピストン12とスライダ16の間の相対的な回転が阻止されている。ピストン12がスライダ16に対して相対移動する際、支持ピン87はスライダ16のガイド孔47を左右方向に移動する。
<第三バネ19>
ピストン12の第二ヘッド部85とスライダ16の第一筒部41の間に第三バネ19が配置されている。第三バネ19は、コイルバネであって圧縮バネである。第三バネ19は、第一バネ17よりも弱い。第三バネ19は、第一バネ17よりも短く、第二バネ18よりも短い。第三バネ19は、スライダ16の第二筒部42の外側に位置している。第二筒部42は、第三バネ19の内側を挿通している。第三バネ19は、第二筒部42と同軸、即ち、スライダ16と同軸に配置されている。
<閉扉状態>
図1及び図2に閉扉状態を示している。閉扉状態において、バネ支持部材60は第二バネ18によって左側に付勢されている。バネ支持部材60のフランジ部63がスライダ16の段差部50に当接していて、バネ支持部材60はスライダ16に対してそれ以上左側には移動できない。バネ支持部材60の左端部側の所定長さ領域はガイド孔47の内側に位置する。支持ピン87は、ガイド孔47の全長のうち左部に位置し、第二ヘッド部85は、第二筒部42の左端部に位置する。閉扉状態において、支持ピン87は、バネ支持部材60から左側に離れている。具体的には、支持ピン87は、バネ支持部材60の第二軸部62から左側に離れている。第三バネ19は、圧縮されておらず非圧縮の状態にある。第二ヘッド部85と第一筒部41との間の左右方向の離間距離に対して、第三バネ19の自由長は短い。そのため、閉扉状態において、第三バネ19と第二ヘッド部85との間、あるいは、第三バネ19と第一筒部41との間には、隙間が存在している。図1及び図2においては、第三バネ19が第一筒部41に当接している状態で図示しているが、第三バネ19は第二ヘッド部85と第一筒部41の間を左右方向に移動できる。尚、第二ヘッド部85と第一筒部41との間の離間距離が、第三バネ19の自由長と同じであってもよい。また、第二ヘッド部85と第一筒部41との間の離間距離が、第三バネ19の自由長よりも短くてもよい。即ち、閉扉状態において、既に、第三バネ19が所定量圧縮されていてもよい。
<開扉動作>
扉を開いていくと、アーム3と共に主軸11が回転する。主軸と共に第一カム13a及び第二カム13bが回転し、第一カム13a及び第二カム13bによって第一コロ15a及び第二コロ15bとスライダ16が右側に移動する。スライダ16は、第一バネ17を押して圧縮する。つまり、第一カム13a及び第二カム13bが第一コロ15a及び第二コロ15bとスライダ16を介して第一バネ17を圧縮する。第一カム13a及び第二カム13bは、特に開き初めにおいて第一バネ17を大きく圧縮する。
また、スライダ16が右側に移動すると、スライダ16に押されるようにして、バネ支持部材60もスライダ16と共に右側に移動する。即ち、スライダ16とバネ支持部材60は、支持ピン87がバネ支持部材60に当接するまでの間は一体的に移動する。バネ支持部材60が右側に移動することにより第二バネ18が圧縮される。第一カム13a及び第二カム13bによって、特に開き初めにおいてバネ支持部材60は第二バネ18を大きく圧縮する。
一方、ピニオンギヤ14が回転することで、ピストン12も右側に移動する。即ち、主軸が回転すると、スライダ16とピストン12が互いに異なる機構によって移動する。後述のように、スライダ16は、開き初めにおいてはピストン12よりも大きく移動するが、第一の開き角度においてスライダ16とピストン12の移動量は同じになる。そして、第一の開き角度を越えて開くと、ピストン12の方がスライダ16よりも大きく移動する。
扉の開き角度(主軸の回転角度)とスライダ16及びピストン12の移動量との関係を図13に示している。スライダ16は、開き初めにおいて大きく移動するが、その後は、スライダ16の移動量はほとんど増加せずにその増加率は収束する。一方、ピストン12は、扉の開き角度に比例して移動する。閉扉状態(全閉状態)から第一の開き角度までの区間においては、スライダ16の移動量はピストン12の移動量よりも大きい。従って、閉扉状態(全閉状態)から第一の開き角度までの区間においては、第二ヘッド部85と第一筒部41との間の離間距離は、閉扉状態に比して大きくなる。そして、第一の開き角度を越えると、スライダ16の移動量よりもピストン12の移動量の方が大きくなる。後述の第二の開き角度と第三の開き角度は、何れも第一の開き角度よりも大きな開き角度である。
<第二の開き角度>
図4及び図5に、扉が第二の開き角度まで開いた状態を示している。扉が第二の開き角度になると、第三バネ19と第二ヘッド部85及び第一筒部41との間の隙間がなくなり、第三バネ19は第二ヘッド部85及び第一筒部41と当接する。即ち、第三バネ19の自由長と、第二ヘッド部85と第一筒部41との間の離間距離とが同じになる。尚、第二の開き角度において、支持ピン87は未だバネ支持部材60には当接していない。第二の開き角度は、第一の開き角度よりも大きい。そのため、図13のように、第二の開き角度においては、スライダ16よりもピストン12の方が大きな移動量で右側に移動する。扉が第二の開き角度を越えて開かれると、第二ヘッド部85は第三バネ19を右側に押して圧縮する。
<第三の開き角度>
第三の開き角度は、第二の開き角度よりも大きい開き角度である。扉が第三の開き角度になるまでは、支持ピン87はバネ支持部材60に当接しない。閉扉状態から第三の開き角度までの間の区間においては、バネ支持部材60はスライダ16と共に右側に移動する。閉扉状態から第三の開き角度までの区間においては、第一カム13a及び第二カム13bが第一コロ15a及び第二コロ15bとスライダ16とバネ支持部材60を介して第二バネ18を押して圧縮する。
図6及び図7に、扉が第三の開き角度まで開いた状態を示している。扉が第三の開き角度になると、支持ピン87がバネ支持部材60に当接する。そして、扉の開き角度が第三の開き角度を越えると、支持ピン87がバネ支持部材60を押す。バネ支持部材60のフランジ部63がスライダ16の段差部50から離れ、バネ支持部材60は、スライダ16に対して相対的に右側に移動する。第二バネ18は、バネ支持部材60を介してピストン12によって押されて圧縮される。このように、第三の開き角度において、第二バネ18を圧縮する部材が第一カム13a及び第二カム13bからピストン12に切り替わる。
<全開状態(開扉状態)>
図8及び図9に、扉が所定の全開状態まで開いた状態を示している。第三の開き角度から全開状態の直前まで第三バネ19はピストン12の移動により圧縮される。また、第二バネ18もピストン12により圧縮される。全開状態において、支持ピン87は、ガイド孔47の右端部に接近する。尚、支持ピン87がガイド孔47の右端部に位置してもよい。バネ支持部材60のフランジ部63は、スライダ16の第一格納孔48に留まっていて第一筒部41から右側に突出しない。尚、図9のように、全開状態では、ピニオンギヤ14とラック84との噛み合いが終了し、ピニオンギヤ14の歯部はラック84から外れている。そのため、仮に全開以上扉が開いて主軸11が回転したとしても、ピニオンギヤ14は空転し、ピストン12は右側には移動せず、バネ支持部材60も右側には移動しない。
<閉扉動作>
全開状態から扉が閉じていくと、ピニオンギヤ14の歯部がラック84と噛み合い、ピストン12は左側への移動を開始する。第一バネ17は、スライダ16を介して第一カム13a及び第二カム13bに弾性復元力を作用させる。第二バネ18は、バネ支持部材60を介してピストン12に弾性復元力を作用させる。第三バネ19は、ピストン12に弾性復元力を作用させる。第一バネ17の弾性復元力は、第一カム13a及び第二カム13bから主軸11に伝わる。第二バネ18と第三バネ19の弾性復元力は、ピストン12からラック84とピニオンギヤ14を介して主軸11に伝わる。これらが合力となって、主軸11を回転させ、扉の閉じ力となって、扉は自動的に閉じていく。
全開状態から第三の開き角度の区間においては、第一バネ17の弾性復元力は第一カム13a及び第二カム13bに作用する。但し、図13のようにスライダ16の移動量が小さいため、第一バネ17は閉じ力にはほとんど貢献しない。一方、第二バネ18と第三バネ19の弾性復元力は、ピストン12に作用する。図13のようにピストン12の移動量は大きいため、この区間では、主としてピストン12により扉が閉じられることになる。
第三の開き角度から第二の開き角度の区間においては、引き続き、第一バネ17は閉じ力にはほとんど貢献しない。第二バネ18の弾性復元力はバネ支持部材60とスライダ16を介して第一カム13a及び第二カム13bに作用する。やはりスライダ16の移動量が小さいため、第二バネ18は閉じ力にはほとんど貢献しない。一方、第三バネ19の弾性復元力は引き続きピストン12に作用している。そのため、この区間でも、主としてピストン12により扉が閉じられることになる。
第二の開き角度から第一の開き角度の区間においては、スライダ16の移動量が増加していくので、第一バネ17と第二バネ18は、徐々に閉じ力に貢献することになる。一方、第三バネ19は第二の開き角度で自由長に戻っているので、第三バネ19は閉じ力には貢献しない。
第一の開き角度から全閉状態の区間は閉じ際の区間である。この区間においては、略ハート型のカム面の設定によりスライダ16の移動量は最大となっている。そのため、第一バネ17と第二バネ18の弾性復元力が第一カム13a及び第二カム13bから主軸11に閉じ力となって伝わり、扉が閉じられる。一方、第三バネ19は既に自由長に戻っているので、第三バネ19は閉じ力には貢献しない。このように、閉じ際においては、第一バネ17と第二バネ18の弾性復元力が合力となって第一カム13a及び第二カム13bに作用して閉じ力となる。
以上のように、扉が閉じるときに、第二バネ18の弾性復元力に加えて第三バネ19の弾性復元力がピストン12に作用する。そのため、閉じ力不足が生じにくく、大きな閉じ力で扉を安定的に閉じることができる。また、第三バネ19がピストン12とスライダ16の間に配置されているので、第三バネ19を収容室20に容易に配置することができる。ピストン12とスライダ16の移動量の差を利用して、扉が開くときに第三バネ19を効果的に圧縮させることができる。即ち、ピストン12のスライダ16に対する相対移動によって第三バネ19を圧縮させることができる。そして、扉が閉じる際には、ピストン12に第三バネ19の閉じ力を効果的に作用させることができる。特に、ピストン12の第二ヘッド部85とスライダ16の第一筒部41の間に第三バネ19が配置されると共に、スライダ16の第二筒部42が第三バネ19の内側を挿通しているので、ピストン12の第二ヘッド部85とスライダ16の第一筒部41によって第三バネ19を確実に圧縮させることができる。
また、閉扉状態から第二の開き角度までの区間において、ピストン12は第三バネ19を圧縮しないので、第三バネ19の圧縮区間を短縮できる。そのため、第三バネ19の設計が容易になると共に、第三バネ19の耐久性を向上させることができる。更に、第三バネ19の閉じ力を比較的大きな開き角度において扉に効果的に作用させることができる。特に、閉扉状態において、ピストン12とカムフォロアの間の離間距離が第三バネ19の自由長よりも大きいので、第三バネ19が圧縮する区間を容易に短縮することができ、ピストン12やスライダ16の配置も容易になる。
また、第三の開き角度から閉扉状態までの区間において、第一カム13a及び第二カム13bに第一バネ17の弾性復元力に加えて更に第二バネ18の弾性復元力も作用する。そのため、特に閉じ際において第一カム13a及び第二カム13bから主軸11を介して扉に大きな閉じ力を作用させることができ、閉じ際における閉じ力不足が生じにくく、扉をしっかりと閉じることができる。
特に、スライダ16に対して相対移動可能なバネ支持部材60が設けられているので、第三の開き角度において第二バネ18を圧縮させる部材が第一カム13a及び第二カム13bからピストン12に容易に切り替えることができる。そして、第三の開き角度においてピストン12の支持ピン87がバネ支持部材60に当接するので、第二バネ18を圧縮させる部材を第三の開き角度で第一カム13a及び第二カム13bからピストン12に容易に切り替えることができる。
このように、第三バネ19を備えることによって、主としてピストン12が閉じ力を発生させる角度領域における閉じ力が増強される。また、第一バネ17に加えて第二バネ18からも第一カム13a及び第二カム13bに閉じ力が作用するので、特に閉じ際における閉じ力が増強される。
図14に扉の開き角度と閉じ力の関係を概念的に示している。P3は、第一バネ17のみを備える場合である。第一バネ17の弾性復元力が第一カム13a及び第二カム13bのみに作用するので、一例では、約55度において閉じ力が0となり、それ以上の開き角度では閉じ力が発生しない。P2は、第三バネ19を備えず、第一バネ17と第二バネ18のみを備えていて、本実施形態と同様に第一カム13a及び第二カム13bとピストン12が第二バネ18を圧縮する場合である。この場合には、第二バネ18を備えているので、約55度以上であっても第二バネ18による閉じ力が発生する。また、約55度以下の領域においては、第一バネ17に加えて第二バネ18も第一カム13a及び第二カム13bに弾性復元力を作用させるので、第一バネ17のみのP3に比して、閉じ力が増強される。そして、P1が本実施形態の場合であって、第一バネ17と第二バネ18に加えて、更に第三バネ19を備えた場合であって、しかも、第一カム13a及び第二カム13bとピストン12で第二バネ18を圧縮する場合である。P2と比較すると、P1の場合には、第三バネ19が付加されているため、約55度以上の開き角度において閉じ力が増強される。
尚、第三バネ19が、例えばバネ支持部材60の右側に配置されてもよい。また、第三バネ19が省略されてもよい。
1 ドアクローザ本体
2 取付板
3 アーム
10 ハウジング
11 主軸
12 ピストン
13a 第一カム
13b 第二カム
14 ピニオンギヤ
15a 第一コロ(カムフォロア)
15b 第二コロ(カムフォロア)
16 スライダ(カムフォロア)
17 第一バネ
18 第二バネ
19 第三バネ
20 収容室
21 エンドキャップ
23 第一軸受けホルダ
24 第二軸受けホルダ
25 第一軸受け
26 第二軸受け
27 第一連通孔
28 第二連通孔
31 第一軸部材
31a ネジ孔
31b 第一接合孔
32 第二軸部材
32a 第二接合孔
33 第三軸部材
40 支軸
41 第一筒部
42 第二筒部
43 軸支持部
44 溝
45 規制ピン
46 係止ピン
47 ガイド孔
48 第一格納孔
49 第二格納孔
50 段差部
51 貫通孔
60 バネ支持部材
61 第一軸部
62 第二軸部
63 フランジ部
64 凸部
70 バネ押さえ
71 調整軸
71a バネ押さえ
72 第一調整ギヤ
73 発泡ゴム
74 流量制御流路
80 第一ヘッド部
81 貫通孔
82 ボール
83 腕部
84 ラック
85 第二ヘッド部
86 貫通孔
87 支持ピン

Claims (3)

  1. 扉の開閉動作に伴って所定方向の軸線まわりに回転する主軸と、
    主軸に設けられ、主軸と共に回転するカムと、
    主軸の回転に伴ってラックピニオン機構により前記所定方向と直交する方向に移動するピストンと、
    扉が開くときに弾性変形し、扉が閉じるときに復元して閉じ力を発生する第一バネと、
    第一バネとは別に設けられ、扉が開くときに弾性変形し、扉が閉じるときに復元して閉じ力を発生させる第二バネと、を備え、
    扉が開くときに、カムが第一バネを弾性変形させ、
    扉が開くときに、閉扉状態から所定の開き角度まではカムが第二バネを弾性変形させ、所定の開き角度を越えるとピストンが第二バネを弾性変形させる、ドアクローザ。
  2. カムと第一バネの間に配置され、カムの回転に伴って前記所定方向と直交する方向に移動するカムフォロアと、
    カムフォロアと第二バネの間に配置され、カムフォロアに対して前記所定方向と直交する方向に相対移動可能なバネ支持部材と、を備え、
    閉扉状態から所定の開き角度までは、カムがカムフォロアとバネ支持部材を介して第二バネを弾性変形させ、
    所定の開き角度を越えると、ピストンが、バネ支持部材をカムフォロアに対して相対移動させることにより、バネ支持部材を介して第二バネを弾性変形させる、請求項1記載のドアクローザ。
  3. 閉扉状態ではピストンはバネ支持部材から離れており、所定の開き角度になるとピストンがバネ支持部材に当接する、請求項2記載のドアクローザ。
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