JP5938928B2 - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
二成分系現像剤は、攪拌混合時に生起される摩擦帯電作用によりトナーを帯電させて感光体上の静電潜像に対して静電吸着できる状態とされる。
トナーの付着量を適正化するためには、二成分系現像剤に含まれるトナーの濃度を管理することになり、特に、トナーの濃度を目標値に一致させることが重要となる。
現像装置内でトナーの濃度を目標値に一致させるには、濃度が低下した場合にトナーを補給することになるが、トナーが粉体であることから設定された補給量に対して実際に補給されている量を正確に把握することが難しい。
特に、温度や湿度等の環境変動やユーザによる設定の影響を受けると、これに応じたトナーの補給量を調整することが必要となる。
トナー濃度の調整に際しては、トナー濃度を高めるだけでなくこれとは逆にトナー濃度を低くする場合もある。
一般にトナー濃度が低下した場合にこれを改善する目的でトナーの補給を行うように制御することは設計段階においても設定可能な事項であるが、トナーの消費量に関しては設計段階で設定することができないため、ユーザの使用条件にゆだねられることが多い。
従って、従来のトナー濃度制御、特に、どちらかといえばトナー濃度の低下を補うことを主眼としているトナー補給制御では、最適なトナー濃度、特に、トナー濃度を薄い側に変更する場合も含めて変更することができない。特に、トナー濃度を薄くする際には、画像形成が進行してトナーが消費されるのを待つことになることから、その間の画像品質が不安定となり、所定濃度の画像を得ることができないばかりでなく、得られた画像の品質が劣化するという問題がある。
また、トナー補給時での補給遅れや過剰な補給を防止するために、画像濃度から割り出されたトナーの補給率に対して所定の係数を乗じた補給量を補給する補給制御の構成も提案されている(例えば、特許文献2)。
従って、前述したように、トナー濃度を薄くする傾向に調整しようとした場合、
画像形成が進行してトナーが消費されるのを待つことになることから、その間の画像品質が不安定となり、所定濃度の画像を得ることができないばかりでなく、得られた画像の品質が劣化するという問題が未だ残されたままである。
これにより、トナー濃度が濃い側に推移することがなくなりトナー濃度目標値と一致させやすくなる。
図1は、画像形成装置の一つであるフルカラープリンタを示しており、このプリンタは、中間転写体として用いられる中間転写ベルト41の展張面に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す。)用の4つの画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY、C、M、Kのトナーを用いるが、それ以外は同様の構成である。
図2は、Yトナー像を生成するための画像形成ユニット1Yの構成を示す概略図である。また、図3は、画像形成ユニット1Yの外観を示す斜視図である。
図2,3において、画像形成ユニット1Yは、感光体ユニット2Yと現像ユニット7Yとを有している。感光体ユニット2Y及び現像ユニット7Yは、図3に示すように、画像形成ユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱可能に構成されている。ただし、プリンタ本体から取り外した状態では、現像ユニット7Yを図示しない感光体ユニットに対して着脱することができる。
図4において、現像手段としての現像ユニット7Yは、図2や図4に示されるように、現像剤搬送手段としての第1搬送スクリュウ8Yが配設された第1剤収容室9Yを有している。
現像装置7Yには、トナー濃度検出手段としての透磁率センサからなるトナー濃度センサ10Y、現像剤搬送手段としての第2搬送スクリュウ11Y、現像剤担持体としての現像ロール12Y、現像剤規制部材としてのドクターブレード13Yなどが配設された第2剤収容室14Yも設けられている。
第1搬送スクリュウ8Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動することで、第1剤収容室9Y内のY現像剤を図2中、手前側へ搬送する(図4中、矢印Aで示す方向)。
第1搬送スクリュウ8Yにより第1剤収容室9Yの端部まで搬送されたY現像剤は、連通口18Yを経て第2剤収容室14Y内に進入する。
第2搬送スクリュウ11Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ16Yの発する磁力によって現像スリーブ15Yの表面に汲み上げられる。
現像スリーブ15Yの表面と所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード13Yによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。
現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像スリーブ15Yの回転に伴って第2搬送スクリュウ11Y上に戻される。そして、第2搬送スクリュウ11Yにより第2剤収容室14Yの端部まで搬送されたY現像剤は、連通口19Yを経て第1剤収容室9Y内に戻る。このようにして、Y現像剤は現像ユニット内を循環搬送される。
感光体ユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yは、中間転写工程を経た後の感光体3Yの表面に残留したトナーを除去する。
これによってクリーニング処理が施された感光体3Yの表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
他色用の画像形成ユニット1C、1M、1Kにおいても、同様にして感光体3C、3M、3K上にCトナー像、Mトナー像、Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト41上に中間転写される。
これにより、感光体3Y、3C、3M、3K上には、それぞれY用、C用、M用、K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザー光L(図1参照)を、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y、3C、3M、3Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LEDアレイを採用したものを用いてもよい。
また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動すると、第2給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが給紙路33に向けて排出される。
レジストローラ対35は、搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
転写ユニット40は、中間転写ベルト41のほか、ベルトクリーニングユニット42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y、45C、45M、45K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。
4つの1次転写ローラ45Y、45C、45M、45Kは、このように無端移動する中間転写ベルト41を感光体3Y、3C、3M、3Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の内周面にトナーとは逆極性(本実施形態ではプラス極性)の転写バイアスを印加する。
中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY用、C用、M用、K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、その外周面に感光体3Y、3C、3M、3K上の各色トナー像が重なり合うように1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下「4色トナー像」という。)が形成される。
先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。
なお、転写ユニット40の第1ブラケット43は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ48の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。
この回転により、補助ローラ48の回転軸線を中心にしてY用、C用、M用の1次転写ローラ455Y、45C、45Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト41をY用、C用、M用の感光体3Y、3C、3Mから離間させる。そして、4つの画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kのうち、K用の画像形成ユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。
これにより、モノクロ画像形成時にY用、C用、M用の画像形成ユニットを無駄に駆動させることによるそれら画像形成ユニットの消耗を回避することができる。
この定着ユニット60は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62とを備えている。
この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63の掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140℃に維持される。
トナーボトル72Y、72C、72M、72K内の各色トナーは、トナー補給装置70により、それぞれ、画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの現像ユニット7Y、7C、7M、7Kに適宜供給される。トナーボトル72Y、72C、72M、72Kは、画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
このようにして、トナー補給装置にトナーボトル72Mを装着することができる。他色用のトナーボトル72K、Y、Cについても、同様の操作を行うことでトナー補給装置に脱着することができる。
そして、ボトル駆動部96のK、Y、C、M用のボトル原動ギヤが図示しない駆動系によって回転駆動することで、ボトル部73K、Y、C、Mがホルダー部74K、Y、C、M上で回転駆動される。
同図において、トナーボトルは、ホルダー部74Yの箇所で破断した横断面が示されている。
上述したように、このホルダー部74Yには、ホルダー部74Yよりも図中奥側に存在している図示しないボトル部が回転駆動することで、ボトル部内のYトナーが送り込まれてくる。
このホッパ部76Yは、図紙面に直交する方向に扁平な形状に構成され、同図においては、中間転写ベルト41の手前側に位置している。ホルダー部74Yの底に形成されているトナー排出口75Yと、トナー補給装置のホッパ部76Yに形成されているトナー受入口とは、互いに連通している。
この状態から、ボトル部を頻繁に回転させているにもかかわらず、トナー検知センサ82によってYトナーが検知され難くなる状態に変化すると、図示しない制御部は、ボトル部内のYトナーが残り僅かであるとみなして、「トナーニアエンド」の警報をユーザに報知する。
横搬送管79Y内には、トナー補給スクリュウ80Yが配設されており、その回転駆動に伴って、Yトナーを横搬送管79Yの長手方向に沿って横搬送する。
横搬送管79Yの長手方向の一端部には、落下案内管81Yが鉛直方向に延在する姿勢で接続されている。
横搬送管79Y内のトナー補給スクリュウ80Yが回転すると、横搬送管79Yの長手方向の一端部まで搬送されたYトナーが、落下案内管81Yとトナー補給口17Yとを通じて現像ユニット7Yの第1剤収容室9Y内に落下する。
これにより、第1剤収容室9Y内にYトナーが補給される。他色(C、M、K)においても、同様にしてトナーが補給される。
同図において、トナー濃度検出手段10YによるY現像剤のトナー濃度の検出結果は、電気信号として後述する制御部100に送られる。
制御部100に備えられたRAMの中には、トナー濃度検出手段10Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他の現像ユニット7C、7M、7Kに搭載された各トナー濃度検出手段10C、10M、10Kからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータが格納されている。
この制御により、現像に伴うYトナーの消費によってYトナー濃度が低下したY現像剤に対し、第1剤収容部9Yで適量のYトナーが供給される。
このため、第2剤収容部14Y内のY現像剤のトナー濃度は目標トナー濃度範囲内に維持される。
他色用の現像ユニット7C、7M、7K内における現像剤についても同様である。なお、本実施形態に係る現像装置により実行されるトナー補給制御は、トナー濃度ムラを打ち消すように行うものであるが、その詳細については後述する。
予測データ算出部101では、トナー濃度検出手段10Yの検出結果に基づき、ROMに記憶されている演算プログラムや演算テーブルを用いて、Y現像剤のトナー濃度の時間変化の予測データが算出される。
補給制御手段として機能する制御部100の補給制御部102は、予測データ算出部101が算出した予測データに基づき、後述する単位補給パターンの組み合わせで1つの駆動源71Yの駆動制御を行うことで、トナー濃度ムラを解消する。
図10は、フィードフォワード制御手段を説明するためのブロック図であり、同図において、まずトナー濃度目標値と現在のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段からのトナー濃度センサ値とが比較され、センサ計算部に入力される。これが第1の補給量計算部103に入力され、必要なトナー補給量を算出する。
また、画像情報や用紙情報など、出力される画像に関係する情報が第2の補給量計算部104に入力される。補給量計算部2では画像情報から求められるトナー消費量や消費タイミングから、それを相殺するためのトナー補給量やタイミングを計算する部分である。
この第1の補給量計算部103から求められるトナー補給量と第2の補給量計算部104からのトナー補給量が合算され、最終的なトナー補給量が求められる。
図10で示したように、トナー濃度目標値とトナー濃度センサ値の差分がセンサ計算部で計算されて入力される。これをここではトナー濃度目標差分値とする。このトナー濃度目標差分値は値が大きいほど、目標のトナー濃度から現在のトナー濃度が離れているということが分かる。
この時、このトナー濃度目標差分値は分岐してP:比例ブロックとI:積分ブロックに入力される。P:比例ブロックでは、トナー濃度目標差分値にゲインを乗算しており、差分値の大きさに応じて値が出力される。
ここでは、PI制御を用いた場合の一つの例について説明したが、その他の構成であっても入力に対する差分そのものと、差分を累積する機能を持たせたものならば良い。
まず、本実施形態にかかる現像装置において実行される制御(以下、便宜上、トナー補給制御システムともいう)の特徴について説明する。
図12は、一般的なトナー濃度制御の状態を説明するための線図であり、同図において、符号L2で示す線はトナー濃度目標値、符号L1はトナー濃度検知手段によって検知されたトナー濃度を示している。
このため、図12に示すように、トナー濃度の変化に応じてトナーの補給量を調整する制御時には、トナー濃度のドリフト現象が発生し、この現象がそのまま画像品質の悪化に影響する虞がある。
このときには、初期状態として、トナー濃度目標値がS1、現状のトナー濃度がS2である状態とする。このとき、トナー補給制御システムは、最適なトナー濃度とするために画像情報からのトナー補給量に加え、FB制御系からの補給で徐々にトナー濃度S1に近づいてゆくが、近づくものの、トナー濃度S1に整合した状態で落ち着く、いわゆる、トナー濃度S1に達して時点でトナー濃度変化が止まることはなく、速度変化でいうところのオーバーランが生じる場合と同じように少しトナー濃度が濃い側に推移する。
(1)補給そのものを止める、または減らす。
図13は、この手順を説明するためのフローチャートであり、同図において、まず補給量計算がスタートし、トナー濃度センサ値とトナー濃度目標値の比較から、現在のトナー濃度が目標値に対して濃いかどうかの判断を行う。薄い場合にはそのまま補給動作を継続する。
しかし、濃度が濃い場合、補給動作を停止する、または減らす。その後、次の補給量計算が存在する場合は再びトナー濃度が濃いかどうかの判定に戻り、次の補給量計算がない場合には終了となる。
図14において、符号L4で示す線はトナー濃度目標値、符号L3で示す線はトナー濃度検知手段によって検知したトナー濃度とする。
図13のフローチャートに示した手順を適用すれば、トナー濃度目標値であるS1に対して、時刻t1で到達した後、トナー濃度がS1を下回った場合には補給動作そのものが停止されるため、トナー濃度が濃い側に推移することはなく、図14において符号L3で示すようにトナー濃度目標値とトナー濃度が一致した状態となる。
(2)FB制御手段からの補給を止める、または減らす。
基本的な問題点については、前述と同じであるため省略する。ただし、ここでは、FB制御手段からの補給量を停止することを考える。
トナー濃度がトナー濃度目標値に対して濃い側に推移した場合にはトナー補給動作そのものを停止することが望ましいことは確かである。ただし、それは出力される画像によって状況または考え方を変える必要がある。この点について図15を用いて説明すると次の通りである。
すると、トナー濃度は薄い側に推移してしまう。その後に補給動作を繰り返してトナー濃度目標値に到達すると、すぐに補給動作停止あるいは減少となり、再びトナー濃度が薄い側に推移する。
この動作を繰り返してしまうため、符号L6で示すトナー濃度目標値に対して符号L5で示すようなトナー濃度変化が振動した挙動となってしまう。
つまり、図16において、まず補給量計算がスタートし、トナー濃度センサ値とトナー濃度目標値の比較から、現在のトナー濃度が目標値に対して濃いかどうかの判断を行う。薄い場合にはそのまま補給動作を継続する。しかし、濃度が濃い場合、FB制御からの補給動作を停止する、あるいは減らす。その後、次の補給量計算が存在する場合は再びトナー濃度が濃いかどうかの判定に戻り、次の補給量計算がない場合には終了となる。
図17において、符号L8で示す線はトナー濃度目標値、符号L7で示す線はトナー濃度検知手段によって検知したトナー濃度とする。
図16に示したフローチャートを適用すれば、トナー濃度目標値であるS1に対して、時刻t1で到達した後、トナー濃度が濃い側に推移することはなく、図17の符号L7で示す検知されたトナー濃度がトナー濃度目標値と一致した状態となる。
基本的な問題点については、前述と同じであるため省略する。ここでの課題も図12で示した内容と同じである。
図18において、図12の場合と同様に、符号L1で示す線はトナー濃度目標値、符号L2で示す線はトナー濃度検知手段によって検知したトナー濃度とする。
何らかの調整が入る時期に相当する装置本体を起動した直後などの場合、初期状態として、トナー濃度目標値がS1、現状のトナー濃度がS2である状態とする。この時、トナー補給制御システムは最適なトナー濃度とするために画像情報からのトナー補給量に加え、FB制御系からの補給で徐々にトナー濃度S1に近づいてゆくが、トナー濃度S1に達した時点でトナー濃度変化が止まることはなく、少しトナー濃度が濃い側に推移する。
その後、FB制御においてトナー濃度が濃いという判断を行い、調整をすることでトナー濃度S1に向かっていくが、これもトナー濃度S1に達した時点でトナー濃度変化が止まることはなく行き過ぎが発生し、ということを繰り返すため符号L1で示す線のように、時間t1後も振動を繰り返してドリフト現象が発生してしまう。このトナー濃度の変動はそのまま画像品質の劣化となる。
図19のフローチャートを簡単に説明すると次の通りである。
まず、補給量計算がスタートし、トナー濃度センサ値とトナー濃度目標値の比較から、現在のトナー濃度が目標値に対して濃いかどうかの判断を行う。薄い場合にはそのまま補給動作を継続する。
図18に示すように、トナー濃度が振動してしまうのは、出力されて消費されたトナー量と、補給されるトナー量のバランスが崩れてしまうことで発生する。
なお、図20において、符号L10で示す線はトナー濃度目標値、符号L9で示す線はトナー濃度検知手段によって検知したトナー濃度とする。
基本的な問題点については、前述と同じであるため省略する。ここでの課題も図12、図18で示した内容と同じである。
しかし、あるタイミングで突然に補給動作を停止する、または減らすことは、状態の急激な変化となり、これが画像品質に影響を及ぼす可能性は高い。そのため、補給動作を単純に停止する、または減らすことは避ける方が望ましい。
しかし、濃度が濃い場合、まずはFF制御からの補給量を計算する。その後、同時でも構わないが、FB制御からの補給量を計算する。
その後、FF制御からの補給量からFB制御からの補給量の差分をとる。これはつまり、FF制御からの補給量から、FB制御の補給量分を取り除いて減らすことである。その後、補給動作を行う。そして、次の補給量計算が存在する場合は再びトナー濃度が濃いかどうかの判定に戻り、次の補給量計算がない場合には終了となる。
図22において、符号L12で示す線はトナー濃度目標値、符号L11で示す線はトナー濃度検知手段によって検知したトナー濃度とする。
最初の段階で、トナー濃度が薄いS2の状態であり、トナー能動目標値はS2よりも濃い側のS1であったとする。
時間t1までは濃度を濃くする必要があるため、特に何も補正動作が入らないまま補給駆動が行われる。
基本的な問題点については、前述と同じであるため省略する。ここでの課題も(4)で示した内容と同じである。
補給動作を停止する、または減らすことで、確かにトナー濃度がトナー濃度目標値よりも濃い側に推移することはない。しかし、あるタイミングで突然に補給動作を停止する、または減らすことは、状態の急激な変化となり、これが画像品質に影響を及ぼす可能性は高い。そのため、補給動作を単純に停止する、または減らすことは避ける方が望ましい。この時、何が過補給を発生させてしまうか改めて考えてみる。
FF制御は、出力される画像情報に基づいて補給量を計算するため、基本的には補給動作をそのまま継続することで問題はない。
しかし、過去の偏差を累積する積分項は目標値に近づいた付近では最も補給量を多く持っていることが考えられる。
図23のフローチャートにおいて、まず補給量計算がスタートし、トナー濃度センサ値とトナー濃度目標値の比較から、現在のトナー濃度が目標値に対して濃いかどうかの判断を行う。薄い場合にはそのまま補給動作を継続する。
しかし、濃度が濃い場合、FB制御からの補給量を計算する際、積分項の値を補正する。この補正については、累積した値そのものをクリアしてしまう方法でも良いし、一方、過去の累積値を用いて、現在の累積値を徐々に減算する、という方法を用いても良い。
その後、補給動作を行う。そして、次の補給量計算が存在する場合は再びトナー濃度が濃いかどうかの判定に戻り、次の補給量計算がない場合には終了となる。
10 トナー濃度検知センサ
71 駆動源
100 制御部
103 第2の補給量計算部
Claims (5)
- 潜像担持体に形成された静電潜像の可視像処理に用いられる二成分系現像剤を供給可能であって、二成分系現像剤に含まれるトナーの濃度変化に応じてトナーの補給制御が行われる現像装置であって、
前記トナーの濃度を検知するトナー濃度検知手段と、
前記潜像担持体に形成される画像の情報を取得する画像情報取得手段と、
前記トナー濃度検知手段および画像情報取得手段が入力側に接続され、出力側には、前記トナーの補給を行う駆動部が接続されている制御部を備え、
前記制御部は、前記画像情報取得手段からの入力に基づきトナー濃度目標値に整合するトナー補給量を決定するFF(フィードフォワード)制御手段と、前記トナー濃度検知手段からのトナー濃度とトナー濃度目標値との差分から前記トナー補給量を決定するFB(フィードバック)制御手段とを備え、前記FF制御手段からのトナー補給量と前記FB制御手段からのトナー補給量とを合算して前記トナー補給の駆動部を制御する際に、検知されたトナー濃度と前記トナー濃度目標値との関係において、前記検知されたトナー濃度の方がトナー濃度目標値よりも濃い側に偏差が生じている場合に、
前記FB制御手段により決定されたトナー補給量を対象として停止または減少させるトナー補給制御を行うことを特徴とする現像装置。 - 前記FB制御手段は、前記検知されたトナー濃度と前記トナー濃度目標の差分であるトナー濃度目標差分値にゲインを乗算する比例計算の値と、該トナー濃度目標差分値を計算タイミングごとに累積する積分計算の値とを合算するPI制御を行い、
前記制御部は、前記積分計算によって算出されたトナー補給量の分を削除し、または減少させて前記FB制御手段により決定されたトナー補給量とすることを特徴とする請求項1記載の現像装置。 - 前記制御部は、前記積分計算値によるトナー補給量を減少させる場合に、前記積分計算によるトナー補給量の過去の累積値を用いて、現在の累積値を徐々に減算することを特徴とする請求項2記載の現像装置。
- 潜像担持体に形成された静電潜像の可視像処理に用いられる二成分系現像剤を供給可能であって、二成分系現像剤に含まれるトナーの濃度変化に応じてトナーの補給制御が行われる現像装置であって、
前記トナーの濃度を検知するトナー濃度検知手段と、
前記潜像担持体に形成される画像の情報を取得する画像情報取得手段と、
前記トナー濃度検知手段および画像情報取得手段が入力側に接続され、出力側には、前記トナーの補給を行う駆動部が接続されている制御部を備え、
前記制御部は、前記画像情報取得手段からの入力に基づきトナー濃度目標値に整合するトナー補給量を決定するFF(フィードフォワード)制御手段と、前記トナー濃度検知手段からのトナー濃度とトナー濃度目標値との差分から前記トナー補給量を決定するFB(フィードバック)制御手段とを備え、前記FF制御手段からのトナー補給量と前記FB制御手段からのトナー補給量とを合算して前記トナー補給の駆動部を制御する際に、検知されたトナー濃度と前記トナー濃度目標値との関係において、前記検知されたトナー濃度の方がトナー濃度目標値よりも濃い側に偏差が生じている場合に、
前記FF制御手段からのトナー補給量から前記FB制御からのトナー補給量を減らした分のトナー補給を行うようにトナー補給制御することを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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