[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の一実施形態のゲームプロ
グラムは、以下のような構成を備える。
〔項目1〕 コンピュータに対して、
少なくとも第1ユーザおよび第2ユーザによってネットワークを介して共有されるゲーム空間を設けるステップであって、
前記ゲーム空間には、前記第1ユーザに関連づけられる第1オブジェクト(OA2)と、前記第2ユーザに関連づけられる第2オブジェクト(OB2)および第3オブジェクト(OB3)とが少なくとも配置される、ステップと、
前記ゲーム空間内で、前記第1オブジェクトに関連づけられる第1数の第1キャラクタ(サボタ)を、前記第1オブジェクトから前記第2オブジェクトに向けて進行させるよう動作させて表示するステップと、
前記ゲーム空間内で、前記第3オブジェクトに関連づけられる第2数の第2キャラクタを、前記第1キャラクタに向けて進行させるよう動作させて表示するステップと、
前記ゲーム空間内で、前記第2キャラクタの進行に応じて、前記第2数に基づいて前記第1数を減少させ、前記減少した第1数の第1キャラクタが前記第2オブジェクトに到達するよう動作させて表示するステップと、
を実行させる、ゲームプログラム。
これにより、ゲーム性を向上させ、特に、ゲームオブジェクトを対戦ゲーム空間に配置するに当たり、戦略的思考の重要性を高めることができる。
〔項目2〕 項目1記載のゲームプログラムであって、前記コンピュータに対して、更に、
前記第1ユーザによる前記第1オブジェクトへの作用に応じて、前記第1オブジェクトから前記第2オブジェクトまでの経路を設定するステップを実行させ、
前記第1数の第1キャラクタを、前記第1オブジェクトから前記第2オブジェクトに向けて進行させるよう動作させて表示する前記ステップにおいて、前記経路に沿って、前記第1数の第1キャラクタを進行させる、ゲームプログラム。
〔項目3〕 項目1または2記載のゲームプログラムであって、前記コンピュータに対して、更に、
前記減少した第1数の前記第1キャラクタの前記第2オブジェクトの到達に応じて、前記第2オブジェクトに関連づけられる第2パラメータの値(HP)を変動させるステップを実行させる、ゲームプログラム。
〔項目4〕 項目1または2記載のゲームプログラムであって、前記コンピュータに対して、更に、
前記第3オブジェクトに関連づけられる前記ゲーム空間上の有効範囲(E9)を特定し、前記第3オブジェクトの当該有効範囲内に前記経路の少なくとも一部が配置されるかを判定するステップを実行させ、
当該有効範囲内に前記経路の少なくとも一部が配置される場合に、前記第2キャラクタを前記第1キャラクタに向けて進行させるよう動作させて表示する前記ステップを実行させる、ゲームプログラム。
〔項目5〕 項目1から4のいずれか一項記載のゲームプログラムにおいて、前記ゲーム空間には、更に、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザに関連づけられる第4オブジェクトが配置されており、
前記経路が、前記第4オブジェクトを介して設定される、ゲームプログラム。
〔項目6〕 項目5記載のゲームプログラムにおいて、
当該ゲームプログラムが街づくりゲーム進行のためのゲームプログラムであり、
前記ゲーム空間を設ける前記ステップにおいて、前記第1から前記第4オブジェクトまでの各々が、前記ゲーム空間に設けた格子状の空間平面上の1つ以上の格子上に配置され、
前記第1オブジェクト、前記第2オブジェクト、および前記第3オブジェクトが建物オブジェクトであり、
前記第4オブジェクトが道路オブジェクトである、ゲームプログラム。
〔項目7〕 前記第1数は、前記第1オブジェクトに関連付けられる第1パラメータに基づく、項目1〜6のいずれか一項記載のゲームプログラム。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るゲームプログラムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示される本実施形態のゲームシステム1は、複数のユーザに街作りシミュレーションゲームを提供するものである。ゲームシステム1は、複数のユーザ端末100−1〜4と、ゲームサーバ200と、を含む。各ユーザ端末100とゲームサーバ200は、ネットワーク2を介して接続されている。ゲームサーバ200は、ゲームに関する各種サービスを各ユーザ端末100に提供する。ネットワーク2は、インターネットや、図示しない無線基地局によって構築される無線ネットワーク(例えばWiFi(登録商標))を含んでいても良い。
ユーザは、図2に示されるような仮想的なゲーム空間G内の平面PLに各種オブジェクトO(例えば、建物オブジェクトや道路オブジェクト。以下、「ゲームオブジェクト」と総称することもある。)を配置することによってゲームを進行する。ゲーム空間Gは、例えば複数の格子で形成された平面と、空や遠景等を示す背景で構成されている。本実施形態では、複数のオブジェクトOのそれぞれが1つ以上の前記格子上に配置される。オブジェクトを配置するために必要な格子数は、建物ごとに決定されている。各ユーザは、オブジェクトOをゲーム空間G内に配置することにより、ゲームポイントを取得できる。ゲームポイントは、例えばオブジェクト毎に関連付けられた「人口」Pを含む。また、ユーザはゲーム内通貨としての「コイン」C1や「ダイヤモンド」C2の他、各種ゲーム内アイテムといったゲームパラメータを保有する。この他、平面上に設けた道路に沿って、所定の動作を行うモブキャラクタMCを配置してもよい。
図3は、各ユーザ端末100の構成を示す。ユーザ端末100はスマートフォンやフィーチャーフォン、PDA、タブレット型コンピュータ等の携帯端末であることが好ましい。ユーザ端末100は、互いにバス接続された制御部110、記憶部120、入力部131、表示部132、通信部140を備える。ユーザ端末100は入力部131および表示部132を構成するタッチパネル130を備えることが好ましく、ユーザは当該タッチパネル130を介してゲーム空間G内のゲームオブジェクトを操作することができる。入力部131は、ユーザのタッチパル130に対する操作を検知して、ユーザ端末100に対して何らかの操作(主に、タッチ操作、スライド動作、スワイプ操作、及びタップ操作等の物理的接触操作)があったことを検知する。タッチパル130は、タッチセンシング部を備える液晶ディスプレイ等で構成され得る。
通信部140は、ゲームサーバ200に対して各種情報の送受信を実行するための制御を行う。本実施形態では、ユーザ端末100からの要求は、所定のゲームプログラムやゲームデータをユーザ端末100に送信させる操作指示や、ゲームを進行させるための指示を含む。例えば、通信部140は、ネットワーク2を介して、ユーザIDをゲームサーバ200に送信して要求を行うことにより、当該ユーザIDに関連付けられたゲームオブジェクトに関する情報(保有する建物等のオブジェクト情報等)を受信する。また、通信部140はユーザの操作に基づいてゲーム空間G内にゲームオブジェクトを配置した場合には、その結果として取得されたゲームポイントをゲームサーバ200に送信する。
制御部110はCPU等を含んで構成され得る。通信部140は制御部110の制御によりユーザ端末100とネットワーク2との接続を確立する。記憶部120は、DRAMなどの揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDDなどの不揮発性記憶装置で構成される補助記憶を含む。補助記憶には、ゲームサーバ200からダウンロードされるゲームプログラム等が格納される。当該ゲームプログラムは、主記憶上に展開され制御部110によって実行される。ユーザ端末100の制御部110は、当該プログラムによって、作用受付部111、端末処理部112、タイマー部113、端末判定部114、画像生成部115として機能し得る。なお、主記憶上には、制御部110が当該プログラムに従って動作している間に生成したデータや制御部110によって利用されるデータも一時的に格納される。
作用受付部111は、入力部131に対するユーザの作用を検知する。作用受付部111は、タッチパネル130や、その他のボタンを介した操作指示等、いかなる入力がなされたかを判別し、その結果を端末処理部112等の必要な要素に出力する。タッチパネル130に対する操作入力がなされた場合には、操作入力位置の座標情報や、タッチ操作やスライド動作などいかなる操作がなされたかを検知する。また、連続して検知されていた入力が途切れることを検知することで、タッチパネル130からユーザの接触が離れたことを検知することもできる。
端末処理部112は、ユーザ端末100全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信や、ゲームの実行に必要な演算処理を行う。例えば、作用受付部111で検知された操作入力に基づいてゲームプログラムに従ったゲームを展開させ、その結果としてのゲーム画像を描画するよう、画像生成部115に指示する。例えば、タッチパネル130に対する操作入力に基づいて仮想空間内におけるゲームオブジェクトを操作する。また、ゲームの進行状態に応じて、ゲーム空間Gの視野を指定するための仮想カメラの位置を制御する処理を行っても良い。
タイマー部113はゲーム空間G内における時間の経過を計測する。タイマー部113はゲーム空間G内に配置された各オブジェクトOについて、個別に時間を計測する機能を有する。例えば、後述するように、各オブジェクトOがゲーム空間G内に配置された時間を記憶部120に記憶させ、その後経過した時間を測定することにより、各オブジェクトOが建築中オブジェクトから建築済オブジェクトに変化するまでの建築時間や、建築済オブジェクトに変化してから各種ゲームポイントを取得できるまでの準備時間、スキルを発動できるようになるまでのクールタイムが経過したか否かを判定するための時間情報を端末判定部114に提供する。また、タイマー部113は後述する対戦時間を計測してもよい。
端末判定部114は、端末処理部112からの判定要求に基づいて、記憶部に記憶された各種ユーザ情報やゲーム情報を参照し、ゲーム進行に必要な各種判定を実行する。例えば、ゲーム空間G内に配置されたオブジェクトOが所定の条件を満たしているか否かを判定する。後述するように、タイマー部113および記憶部120を参照して、当該オブジェクトの時間情報を取得し、各オブジェクトに設定されたユーザに付与されるゲームポイントを算出するための基礎となる条件を満たしているか否か判定する。
画像生成部115は、ゲームサーバ200から受信したユーザ情報や、ゲームプログラムによる演算結果、ユーザの入力部131に対する操作入力に基づいて、表示部132に表示されるゲーム空間GやゲームオブジェクトO等の画像を生成する。また、モブキャラクタMCが平面PL上で移動する等のイメージやアニメーションを生成してもよい。本実施形態では、ユーザ端末100はゲームサーバ200からユーザがゲーム空間Gに配置したオブジェクトの種類や配置位置に関する情報を取得してゲーム空間Gの画像を生成する。また、画像生成部115は端末処理部112によるゲーム進行制御に応じて表示画像を更新する。
図4は、ゲームサーバ200の構成を示す。ゲームサーバ200は、システム管理者等が、ユーザ(プレイヤ)に提供するゲームを制御し、管理する際に利用する情報処理装置であり、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータである。本実施形態のゲームサーバ200は、各ユーザ端末にゲーム進行に必要な情報を提供するゲーム提供機能を有している。ゲームサーバ200は、ユーザ端末100から各種の操作指示を受信し、ユーザ端末100上で動作可能なゲームプログラムや、Webページ(ゲーム画面等)や、ゲームパラメータ等の各種データ、各種通知等を送信する。ゲームサーバ200は、ネットワーク2と通信するネットワークインターフェースである通信装置210と、処理装置220と、メモリ部230と、記憶装置240と、入力装置250と、出力装置260と、を備えており、これらは互いにバスにより電気的に接続されている。
処理装置220は、ゲームサーバ200全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信や、ゲームの実行に必要な演算処理を行う。処理装置220は例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶装置240に格納されるとともにメモリ230に展開されたプログラム等を実行することによって、必要な処理が実現される。処理装置220は、当該プログラムによって、受信部221、サーバ処理部222、データ管理部223、マッチング部224、計測部225、サーバ判定部226、報酬計算部227、送信部228として機能し得る。
メモリ部230は例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性記憶装置であり、記憶装置240は例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性記憶装置である。なお、主記憶上には、ユーザ端末の制御部110が当該プログラムに従って動作している間に生成したデータや当該制御部110によって利用されるデータも一時的に格納される。記憶装置240には、ゲームプログラムやユーザの認証プログラムが格納される他、後述するように、ユーザ管理テーブル300、オブジェクト管理テーブル310、スキル管理テーブル320といったデータベースが構築されていてもよい。
受信部221は、各ユーザ端末100からの各種情報を受け付ける。各ユーザ端末100は、通信部140の制御により各種情報をゲームサーバ200に対して送信し、これに応答して、ゲームサーバ200は、ネットワーク2、通信装置210を介して当該情報を受信し、受信部221が情報の内容を識別して受け付ける。受信部221は、記憶装置240に格納される各種管理テーブルを参照し、必要に応じてデータ管理部223が各種管理テーブルを更新することにより、必要な処理を実行する。当該情報には、各ユーザに関連付けられるオブジェクトをゲーム空間内に配置する操作、削除する操作、移動する操作、購入売却する操作、買収する操作等の各種要求が含まれる。
サーバ処理部222は、ゲームサーバ200全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信や、ゲームの実行に必要な演算処理を行う。また、データ管理部223は、サーバ処理部222における各種演算結果に基づいて、記憶装置240に格納される各種データベースを更新する。例えば、ユーザがゲーム空間GにオブジェクトOを配置するようにユーザ端末100に作用を与えると、受信部221はその結果としてユーザが保有するオブジェクト情報やゲームポイントに関する情報を受信し、サーバ処理部222が必要な処理を実行するとともに、データ管理部223は当該データに基づいてユーザ管理テーブル300のレコードの追加/更新/削除を行う。
ユーザ端末100からゲーム空間Gにオブジェクトを配置する要求を受け付けた場合には、データ管理部223はゲーム空間Gに配置されるオブジェクトの情報を、ユーザ情報、オブジェクトの配置位置等に関する情報と関連付けて記憶する。また、後述するように、各ユーザやオブジェクトに関連するゲームポイントに変動が生じた場合には、当該変動の結果に関する情報を各オブジェクトと関連付けるように、各種データベースを更新する。
マッチング部224は、複数のユーザをマッチングして対戦ゲームを開始するための一連の処理を行う。ユーザが後述するホームゲーム空間において対戦ゲーム開始要求を入力すると、マッチング部224はロビーを生成し、当該ユーザをマッチング待ちユーザとして特定する。当該ロビーに特定されたマッチング待ちユーザが所定数に達すると、マッチング部224は当該ユーザに対戦ゲーム空間を構成し、対戦ゲームを開始する処理をサーバ処理部222に実行させる。
計測部225は、主として対戦ゲームにおける対戦時間を管理する。計測部224は、後述するように、マッチング部224から対戦ゲーム開始処理の要求があった場合に、対戦時間の計測を開始し、複数のユーザ間における対戦時間を一元管理する。また、計測部225はゲーム空間Gの時間情報を計測し、タイマー部113におけるゲーム空間Gの時間情報と照合する。これにより、ユーザ端末100とゲームサーバ200においてゲーム空間Gの時間情報が同期され、各種時間情報の計測・判定が円滑に実施され得る。
サーバ判定部226は、サーバ処理部222からの判定要求に基づいて、記憶装置240に記憶された各種ユーザ情報やゲーム情報を参照し、ゲーム進行に必要な各種判定を実行する。また、サーバ判定部226は、対戦ゲーム終了時に各ユーザの保有するゲームポイントを参照することにより、対戦の勝敗を判定する。勝敗は、前述した人口Pといったゲームポイントに基づいて判定されることが好ましく、コインC1等のユーザに関連づけられた所定のゲームパラメータやオブジェクトOに関連づけられた所定のゲームパラメータ、ゲーム空間Gの占有率といった他の要素を加味してもよい。
報酬計算部227は、サーバ判定部226における勝敗判定結果に基づいて、各ユーザに提供される報酬を算出する。報酬計算部227は、対戦ゲームにおける各ユーザの順位情報をも参照し、当該順位に応じた報酬を各ユーザに分配してもよい。
送信部228は、ユーザ端末100上で動作可能なゲームプログラムや、ゲーム画面等のゲーム空間情報や、ゲームポイントやゲームパラメータ、報酬等の各種データ、各種通知等をユーザ端末100に送信する制御を行う。
入力装置250はマウスやキーボード等の情報入力機器である。出力装置260は液晶ディスプレイ等であり、コンピュータの情報をモニタリングするために用いられる。
上記のユーザ端末100の機能の少なくとも一部は、ゲームサーバ200が備えるように構成されていても良い。また、上記のゲームサーバ200の機能の少なくとも一部は、ユーザ端末100が備えるように構成されていても良い。すなわち、本実施形態におけるゲームプログラムが実行されるコンピュータは、上述のユーザ端末100やゲームサーバ200を含む情報処理装置等から任意に選択され得る。
図5に、各ユーザが保有するゲームポイントやゲームパラメータ、オブジェクト等のユーザ情報を管理するユーザ管理テーブル300の一例を示す。ユーザ管理テーブル300は、ゲームサーバ200の記憶装置240および/またはユーザ端末100の記憶部120に記憶されている。ユーザ管理テーブル300には、各ユーザを識別するユーザ情報と、ユーザが保有するコイン・アイテム・ダイヤといったゲームパラメータと、各ユーザが保有する建物等のオブジェクト情報が関連付けられている。各オブジェクトに関する基本情報は後述するオブジェクト管理テーブル310で管理され、ユーザ管理テーブル300では、保有ユーザに関連付けられる各オブジェクトの発展度合いを示すオブジェクトレベル(OL)や、オブジェクトレベルによる各建物のパラメータ補正値や、建物のゲーム空間Gにおける配置位置が管理される。また、後述するように、各オブジェクトが建築中であるか、建築済であるかといった建物の状態や、当該オブジェクトがゲーム空間Gに配置されてからの経過時間、または,当該オブジェクトが建築済となってから経過した時間を示す経過時間も管理される。また、各オブジェクトに関連づけられたゲームポイントとしての保有人口が管理され、各オブジェクトの保有人口の合計値が、当該ユーザに関連づけられたゲームポイントとして管理される。
図6に、各オブジェクトに関連付けられた情報をマスタ管理するオブジェクト管理テーブル310の一例を示す。本実施形態では、各オブジェクトには、オブジェクトID、オブジェクト名、オブジェクトの種類、また、保有可能人口、生産されるコインやアイテムといった、取得できるゲームポイント・ゲームパラメータに関する情報が規定されている。各オブジェクトからゲームポイント・ゲームパラメータを取得可能とするためには、当該オブジェクトを稼働させる必要があり、そのために必要なゲームパラメータとしての電力消費量も規定されている。各オブジェクトが建築中建物としてゲーム空間Gに配置されてから建築済建物に変化するまでに必要な時間である建築時間や、各オブジェクトがコインやアイテムを生産するのに必要な準備時間が設定されている。準備時間は複数定められていてもよく、当該準備時間が経過する度に、コインやアイテムの生産量が増加するように設定されていてもよい。上記以外にも、各オブジェクトに対応するイメージ画像を関連づける情報等もオブジェクト管理テーブル310の項目として含んでもよい。なお、上記項目は一例に過ぎず、これに限定されない。
図7,図8に、各オブジェクトに関連づけられたスキルをマスタ管理するスキル管理テーブル320,330の一例を示す。スキルとは、ユーザの作用による1のゲームオブジェクトへの発動処理をトリガーにして、空間G内に配置された他のゲームオブジェクトに対し、プラスまたはマイナスの影響を及ぼすことが可能な処理のことである。当該スキルには、例えば、パッシブスキルとアクティブスキルが含まれる。パッシブスキルはコンピュータにより自動で発動可能なスキルのことであり、アクティブスキルはユーザにより手動で発動可能なスキルのことである。
図7に示すパッシブスキルを有するオブジェクトは、ゲーム空間G内に配置された後、建築済建物に変化することにより、ゲームを有利に進めるための所定のスキル(パッシブスキル)を発動可能な状態となる。各オブジェクトはスキルの内容、スキルの影響が及ぼされる範囲である有効範囲が規定されており、有効範囲内に配置されたオブジェクトに対して自動的にスキルによる効果を与える。図8に示すアクティブスキルを発動することができる各オブジェクト(以下、スキルオブジェクトと称することがある。)は、ゲーム空間G内に配置された後、建築済建物に変化し、かつ、ユーザからのスキル発動要求を受け付けることにより、ゲームを有利に進めるための所定のスキルを発動させることができる。各オブジェクトはスキルの内容、スキルの影響が及ぼされる範囲である有効範囲、スキルを発動できるようになるまでのクールタイムが設定されている。当該有効範囲は、「5×5」のように縦横のマス数で規定してもよいし、「平面PL全体」というように規定してもよい。各オブジェクトは、建築済オブジェクトに変化されるか、または、一度スキルを使用するとクールタイムとなり、所定時間の間、ユーザはスキルを発動することができない。
以下、本実施形態によるゲームシステム1の処理の流れを図9〜図34を参照して詳細に説明する。ユーザは、オブジェクト一覧(図示せず)からゲーム空間G内に配置(いわゆる「建築」。)したいオブジェクトを選択し、場所を指定することで、各オブジェクトをゲーム空間内に配置できる。ユーザは、前述のように、各オブジェクトをゲーム空間内に配置することでゲームポイントとしての人口やコイン(ゲーム内通貨)、各種アイテムを取得できる。また、既に配置されたオブジェクトを選択し、別の場所を指定することで、当該オブジェクトの配置位置を移動させることができる。
図9に示すように、本実施形態のゲーム空間Gはホームゲーム空間G1と対戦ゲーム空間G2を含む。ホームゲーム空間G1は、各ユーザA〜Dに関連づけられており、当該ホームゲーム空間G1に関連づけられたユーザのみがゲームオブジェクトを配置できるゲーム空間である。対戦ゲーム空間G2は複数のユーザA〜Dによってネットワークを介して共有されるゲーム空間であり、複数のユーザA〜Dがそれぞれに関連づけられたゲームオブジェクトを対戦ゲーム空間G2に配置できる。各ユーザA〜Dは、所定のユーザ作用によって各ユーザ端末100に表示されるホームゲーム空間G1と対戦ゲーム空間G2を切り替えることができる。
本実施形態において、人口等の対戦の勝敗を決するためのゲーム内情報がゲームポイントとして定義される。また、コインや各種アイテムや等の所定ユーザまたは所定ゲームオブジェクトに関連づけられたゲームを有利に進めるために必要なゲーム内情報や、各ゲームオブジェクトに関連づけられ、当該ゲームオブジェクトを稼働させるために必要なゲーム内情報(例えば、後述する消費電力や、火災発生有無といった情報)が、ゲームパラメータとして定義される。なお、ゲームポイントとゲームパラメータは、少なくとも一部が重複していても良く、ゲームポイントに基づいて対戦の勝敗を決定するに当たり、ゲームパラメータの一部を参照してもよい。
〔1.ホームゲーム空間におけるゲーム進行処理〕
図10〜図18を参照して、ホームゲーム空間G1におけるゲーム進行処理の流れを詳細に説明する。まず、図10〜図13を参照して、ホームゲーム空間G1にゲームオブジェクトとしての建物を配置することにより、ユーザにゲームポイントが付与される処理について説明する。次に、図14〜図16を参照して、ホームゲーム空間G1に配置された建物に対するユーザ作用により、ユーザにゲームパラメータが付与される処理について説明する。更に、図17,図18を参照して、ホームゲーム空間G1内の建物を対戦ゲーム空間G2内で使用可能とするための処理について説明する。図12,図13,図15,図16は当該機能をコンピュータに実行させるゲームシステムの処理を示すフローチャートである。図10,図11,図14,図17,図18はホームゲーム空間G1の一例を示す。
図10および図12に示すように、ユーザ端末の表示部132に表示されたショップSに含まれるショップオブジェクトSOから、所定のオブジェクトを長押しして選択し、ホームゲーム空間G1内の平面PL1における所定位置にドラッグする。本実施形態では、後記するようにゲーム・シナリオ上、選択したオブジェクトをPL1に配置された道路オブジェクトRを基準にしてユーザに配置させることで、ゲームの進行性を高めるのがよい。なお、道路オブジェクトは初期状態として配置されていてもよいし、ゲーム進行に応じてユーザによって配置されてもよい。
これにより、作用受付部111がユーザから入力部131に対する作用を検知し(S101)、作用受付部111がオブジェクトをゲーム空間内に配置させるためのオブジェクト配置要求として受け付ける(S102)。平面PL1には、オブジェクト配置要求に基づいて建築中建物BO(第1状態)が配置される(S103)。そして、ユーザ端末100はゲームサーバ200に対して、当該オブジェクトがゲーム空間G1内に配置されたことを示すゲーム空間情報をゲームサーバ200に送信する(S104)。ゲームサーバ200はユーザが配置したオブジェクトに関する情報を受信し(S201)、当該情報に基づいてユーザ管理テーブル300を更新して、ユーザ端末の情報と同期させる(S202)。
平面PL1に建築中建物BOが配置されると、タイマー部113により経過時間の計測が開始される(S105)。そして、各オブジェクトに設定された建築時間を、建築中建物の経過時間が超過し(S106)、当該建築中オブジェクトBOに対するユーザ作用(例えばタップ操作)をさらに受け付けると(S107)、建築中建物BOが建築済建物O1〜O5に変化する(S108)。次に、建築済オブジェクトにライフラインから電力が供給されているか否かが判定され(S109)、各オブジェクトが稼働される(S110)。
図11に示すように、ライフラインである発電所O3が道路Rに隣接して配置されている。この場合は、当該道路Rに隣接するオブジェクトに対して電力を供給することができる。本実施形態では、マンションO1、商店O4、消防署O5が発電所O3から供給される電力によって稼働され、公園O2は電力を必要としないので、道路Rに隣接していなくても稼働される。
建築済建物が稼働すると、当該オブジェクトに対するユーザ作用の受付を開始し、後述するように、当該オブジェクトによるゲームパラメータの取得や、スキルの発動を受け付けることを可能にするよう処理される(第2状態)。また、建築中建物が建築済建物に変化すると、タイマー部113により各オブジェクトO1〜O5の経過時間の計測が開始される(S110)。そして、当該オブジェクトをゲーム空間G1内に配置することによって獲得される、当該オブジェクトに関連づけられたゲームポイント(例えば人口P)が、ユーザに付与され、当該ユーザに関連づけられたゲームポイントが更新される(S111)。このとき、ユーザ端末100は建築中建物が建築済建物に変化した情報を含むゲーム情報をゲームサーバ200に送信し、ゲームサーバ200はユーザが保有するオブジェクトが建築済建物に変化したことを示す情報や、建築済建物が稼働されることによって獲得されたゲームポイントに関する情報を受信し(S203)、当該情報に基づいてユーザ管理テーブル300を更新して、ユーザ端末の情報と同期させる(S204)。
なお、建築済建物は、再度建築中建物に変化されても良い。例えば、建築済建物を増築したり、オブジェクトレベルをレベルアップさせることによって、保有可能人口やコイン生産量を増加させるようにしてもよい。この場合には、建築済建物を再度建築中建物に変化させ、経過時間の計測を開始し(S105と同様)、増築やレベルアップに必要な建築時間(増築時間)経過後にユーザ作用を受け付ける(S106〜S107と同様)ことによって、建築中建物を増築やレベルアップ後の建築済建物に変化させてもよい(S108と同様)。その後のゲームポイント更新処理についても、前述の一連の処理S109〜S111,S203〜S204が適用され得る。
図11,図13に示すように、平面PL1に建築済建物としてのマンションO1、公園O2、発電所O3、商店O4、消防署O5が配置されると(S112)、各オブジェクトの保有人口を計算することによって(S117)、ユーザに関連づけられたゲームポイントが算出される。本実施形態では、人口を保有可能なオブジェクトはマンションO1のみである。まず、オブジェクト管理テーブル310を参照してマンションO1の保有可能人口を特定し(S113)、マンションO1が平面PL1に配置することによって保有可能となる初期人口を特定する(S114)。
次に、他のオブジェクトのスキル(ここではパッシブスキル)によってマンションO1に保有される人口の変動を算出する。まず、マンションO1が他のオブジェクトの有効範囲に属しているか否かを判定し(S115)、マンションO1は公園O2の有効範囲E1と、発電所O3の有効範囲E2に属していると特定される。そして、公園O2および発電所O3のパッシブスキルの内容を特定すると(S116)、初期人口から公園O2のパッシブスキルによる人口増加分を加算し、発電所O3のパッシブスキルによる人口減少分を減算することにより、マンションO1の保有人口が算出される(S117)。ユーザ端末100はマンションO1をゲーム空間に配置することによって得られた保有人口をゲームポイント情報としてゲームサーバ200に送信し(S118)、ゲームサーバ200は当該ゲームポイントに関する情報を受信して(S205)、当該情報に基づいてユーザ管理テーブル300を更新する(S206)。
さらに、図14〜図16に示すように、平面PL1に配置された建物に対するユーザ作用により、ユーザにゲームパラメータが付与されるスキル(アクティブスキル)発動の処理が実行される。図15に示すように、例えばユーザが平面PL1に配置された商店O4をタップすると、ユーザ端末の作用受付部111はユーザ作用が入力されたことを検知する(S119)。そして、ユーザ管理テーブル300に格納された商店O4の経過時間を参照して、商店O4からコインC1を取得に可能にするための準備時間を経過したか否かを端末判定部114が判定し(S120)、Yesと判定される場合には、商店O4からコインを獲得するための要求として受け付ける(S121)。この時、各オブジェクトに付されたコインを獲得可能であることを示す表示が消去され、ユーザはコイン獲得要求が受け付けられたことが視認できる。次に、端末処理部112によって、経過時間に基づいて、獲得されるコインの量といったゲームパラメータ値が計算される(S122)。そして、ユーザ端末の通信部140はゲームサーバ200に対して、所定値のゲームパラメータがユーザに付与されたことを示すゲーム情報をゲームサーバ200に送信する(S123)。ゲームサーバの処理装置220は、ユーザに付与されたゲームパラメータに関する情報を受信し(S207)、当該情報に基づいてユーザ管理テーブル300を更新する(S208)。
また、図16に示すように、ユーザ端末の作用受付部111はスキルオブジェクトである消防署O5に対するユーザ作用を検知すると(S125)、消防署O5が建築済オブジェクトに変化されてからの経過時間か、または、一度スキルを発動してからの経過時間を参照し、経過時間がクールタイムを経過したか否かを端末判定部114が判定する(S126)。なお、スキル管理テーブル330を参照することを通じて、消防署O5に関連づけられるスキル内容が、有効範囲内にある火事状態にある建物オブジェクトを鎮火させるものであることが予め特定されている。クールタイムを超過している場合には、ユーザ端末100はユーザ作用を受け付けて、消防署O5の有効範囲E3を特定し、端末判定部114は、有効範囲内に火災が発生したオブジェクトが配置されているか否かを判定する(S127)。有効範囲E3に配置されたマンションO1に火災が発生している場合に、端末処理部112は、マンションO1を対象オブジェクトとして特定し、消防署O5のスキルによってマンションO1の火災を鎮火するように処理する(S128)。ユーザ端末の通信部140はマンションO1の火災を鎮火することによって得られたゲームポイントやゲームパラメータに関する情報をゲームサーバ200に送信する。ゲームサーバ200は当該情報を受信して(S209)、ユーザ管理テーブル300を更新して、ユーザ端末の情報と同期させる(S210)。また、消防署O5のスキルが発動されると、消防署O5はクールタイムに入るとともに、ユーザ管理情報300における経過時間をリセットしてタイマー部113が再計測を開始し、経過時間がクールタイムを超過するまでは再度スキルを発動できないように処理される(S129)。
また、図17,図18に示すように、ホームゲーム空間G1内に配置された建物オブジェクト、および、ユーザがホームゲーム空間G1内に配置できなかったオブジェクトを保管しておく倉庫Wに保管されているオブジェクトWOを、対戦ゲーム空間G2内で使用可能なデッキオブジェクトDOとして選択することができる。
図17に示すように、ユーザは平面PL1に配置された建物オブジェクトOおよび道路オブジェクトRを長押しすることによって選択し、デッキDにドラッグすることによって、デッキオブジェクトDOとして登録することができる。
また、図18に示すように、平面PL1にデッキオブジェクトDOを選択するためのオブジェクトである本社H0が配置されていてもよい。本社H0の有効範囲E4内に配置されたオブジェクトはデッキオブジェクトDOとして登録され、その配置関係を維持した状態で後述する対戦ゲーム空間G2に反映させることができる。
〔2.対戦ゲーム空間におけるゲーム進行処理〕
〔2−1.ホームゲーム空間から対戦ゲーム空間への切り替え〕
次に、図19を参照して、ホームゲーム空間G1から対戦ゲーム空間G2に切り替えるためのゲームシステム1における処理フローを説明する。あるユーザ端末100からゲームサーバ200に対して対戦ゲームを開始するためのマッチング要求が送信されると(S130)、ゲームサーバ200の受信部221はこれを受け付けて(S211)、他の対戦ユーザを待ち受けるためのロビーを生成するとともに、当該ユーザをマッチング待ちユーザとして登録する。当該ユーザ端末100では、対戦相手のマッチングが完了するまで待機状態となる(S131)。
ゲームサーバのマッチング部224は他のユーザ端末100からも同様にマッチング要求を受け付け、当該ロビーに特定されたマッチング待ちユーザが所定数に達したと判断すると(S212)、図20に示すような対戦ユーザ管理テーブル340を生成する(S213)。対戦ユーザ管理テーブル340には、保有コインや保有アイテムといったゲームパラメータはホームゲーム空間G1から引き継ぐことなく(異ならせる)、全ユーザに共通の初期状態が設定される。一方、保有ダイヤモンド等の一部のゲームパラメータは、ホームゲーム空間G1から引き継ぐようにされている(一致される)。また、保有オブジェクトとして、ホームゲーム空間G1で設定されたデッキオブジェクトDOが設定される。このとき、図17に示すようにデッキDにデッキオブジェクトDOを移動させることによりデッキオブジェクトDOを選択した場合には、初期状態では全デッキオブジェクトDOが倉庫Wに収容された状態とされる。一方、図18に示すように本社H0の有効範囲に基づいてデッキオブジェクトDOを選択した場合には、デッキオブジェクトDOの対戦ゲーム空間G2における初期配置位置が特定される(S214)。
次に、ゲームサーバ200は対戦ユーザ間で共有される対戦ゲーム空間G2を構成し(S215)、計測部225によって対戦時間の計測を開始した後に(S216)、当該情報を含む対戦ゲーム情報を各ユーザ端末に送信する(S217)ことによって、対戦ゲームが開始される(S218)。各ユーザ端末100においては、当該対戦ゲーム情報を受信することによって(S132)、対戦ゲームが開始される(S133)。対戦時間は対戦ゲーム空間G2において対戦ゲームが行われる時間であり、対戦開始後に所定の対戦時間が経過することにより対戦ゲームが終了され、対戦ゲーム空間G2にゲームオブジェクトが配置されないように処理される。対戦ゲーム情報が対戦時間の計測が開始された時刻と、対戦が終了される時刻に関する情報を含むことにより、各ユーザ端末100において対戦ゲーム空間G2における経過時間が共有される。対戦時間は、長さの異なる複数の対戦時間のうちから選択可能であることが好ましい。
これより図21〜図34を参照して、対戦ゲーム空間G2における基本的なゲーム進行処理の流れを詳細に説明する。図21〜図26を参照して、ゲーム進行処理の一例による、対戦ゲーム空間G2にゲームオブジェクトとしての建物を配置することにより、ユーザにゲームポイントが付与される処理について説明する。また、図27〜図33を参照して、ゲーム進行処理の他の例による、対戦ゲーム空間G2において実現される対戦ゲームのゲーム性を高めるためのゲーム要素の一例を説明する。図34は、対戦ゲーム終了後に、各ユーザに付与されたゲームポイントに基づいて対戦ゲームの勝者を決定する共通処理について説明する。図22,図26,図32〜図34は当該機能をコンピュータに実行させるゲームシステムの処理を示すフローチャートである。図21,図23〜図25,図29〜図31は対戦ゲーム空間G2の一例を示す。図27,図28は、ゲーム要素の一部となるモブキャラクタをマスタ管理するための管理テーブルの一例である。
〔2−2.対戦ゲーム空間におけるゲーム進行処理1〕
図21〜図26のゲーム進行処理の例について説明する。対戦ユーザのマッチングが完了すると、各ユーザ端末の表示部132には図21に示す対戦ゲーム空間G2が表示される。対戦ゲーム空間G2内の平面PL2はユーザA〜Dに関連づけられており、ユーザA〜Dがゲームオブジェクトを配置できる。一方、平面PL2は、ユーザAに関連づけられた第1エリアPE1,ユーザBに関連づけられた第2エリアPE2,ユーザCに関連づけられた第3エリアPE3,ユーザDに関連づけられた第4エリアPE4を含む。ユーザAは第1エリアPE1内にのみゲームオブジェクトOを配置できる。ユーザBは第2エリアPE2内にのみゲームオブジェクトOを配置できる。ユーザCは第3エリアPE3内にのみゲームオブジェクトOを配置できる。ユーザDは第4エリアPE4内にのみゲームオブジェクトOを配置できる。なお、ユーザAのユーザ端末100−1の表示部132には第1エリアPE1のみが視認可能に表示され、ユーザBのユーザ端末100−2の表示部132には第2エリアPE2のみが視認可能に表示され、ユーザCのユーザ端末100−3の表示部132には第3エリアPE3のみが視認可能に表示され、ユーザDのユーザ端末100−4の表示部132には第4エリアPE4のみが視認可能に表示される。従って、ユーザAは第2エリアPE2〜第4エリアPE4を視認することができない。
第1エリアPE1〜第4エリアPE4は、ユーザA〜Dに関連づけられた本社H1〜H4を含む。図18に示したように、ホームゲーム空間G1において本社H0の有効範囲E4内に配置されたオブジェクトはデッキオブジェクトDOとして登録した場合には、対戦ゲーム開始時に、第1エリアPE1〜第4エリアPE4のうち、本社H1〜H4を含む領域にデッキオブジェクトDOを反映させても良い。これにより、対戦ゲーム開始時に有効範囲E4内に配置されたデッキオブジェクトDOを、その配置関係を維持した状態で対戦ゲーム空間G2に反映させることができ、ユーザの利便性が向上する。
また、ホームゲーム空間G1と同様に、ユーザA〜Dは平面PL2(第1エリアPE1〜第4エリアPE4)にゲームオブジェクトOを配置できる。図10と同様に、各ユーザ端末100に表示されたショップSに含まれるショップオブジェクトSOから、所定のオブジェクトを長押しして選択し、対戦ゲーム空間G2内の平面PL2における所定位置にドラッグする。これにより、作用受付部111がユーザから入力部131に対する作用を検知し、作用受付部111がオブジェクトを対戦ゲーム空間G2内に配置させるためのオブジェクト配置要求として受け付ける(図22のS134)。端末判定部114によって、上記の所定位置が、各ユーザがオブジェクトを配置できる第1エリアPE1〜第4エリアPE4内にあると判定される場合には(S135のY)、端末処理部112によって、オブジェクト配置要求に基づいて平面PL2に建築中建物BO(第1状態)が配置される(S136)。平面PL2に建築中建物BOが配置されると、タイマー部113により経過時間の計測が開始される(S137)。そして、ユーザ端末100はゲームサーバ200に対して、当該オブジェクトが対戦ゲーム空間G2内に配置されたことや、経過時間の計測が開始された時刻を示すゲーム空間情報をゲームサーバ200に送信する(S138)。
ゲームサーバ200は各ユーザA〜Dが配置したオブジェクトに関する情報を受信し(S219)、当該情報に基づいて対戦ユーザ管理テーブル340を更新する(S220)。これにより、対戦ゲーム空間G2内に各ユーザが配置したオブジェクトの配置に基づくゲーム空間情報や対戦ユーザA〜Dの保有ゲームポイントやゲームパラメータが一元管理される。そして、ゲームサーバ200がゲーム空間情報やユーザ情報を各ユーザ端末100に送信することにより(S221)、各ユーザ端末間でゲーム空間情報やユーザ情報が共有され、対戦ゲーム空間G2がリアルタイムに更新される。
各オブジェクトに設定された建築時間を、建築中建物の経過時間が超過し、当該建築中オブジェクトBOに対するユーザ作用(例えばタップ操作)をさらに受け付けると、建築中建物BOが建築済建物Oに変化する(S140)。このような対戦ゲーム空間G2内に建築済建物Oが配置された情報は、ゲーム空間情報としてゲームサーバ200に送信され、他の各ユーザ端末にも共有される(S220,S221)。
図23に示すように、端末処理部112によって対戦ゲーム空間G2内に建築済建物OA1,OA2,OB1〜3が配置されると(図26のS140)、端末判定部114によって、各建築済オブジェクトにライフラインから電力が供給されているか否かが判定される(S141)。マンションOA1と発電所OA2はユーザAに関連づけられ、マンションOB1と発電所OB2と公園OB3と道路RはユーザBに関連づけられている。ライフラインである発電所OA2および発電所OB2は道路Rに隣接して配置されているので、当該道路Rに隣接するオブジェクトに対してゲームパラメータとしての電力が供給される。
本実施形態では、道路Rはユーザ間で共有して用いるとするのがよい。ここで、道路Rをユーザ間で共有するとは、道路Rに関連づけられた(道路オブジェクトを配置した)ユーザの建物オブジェクトのみならず、道路Rに関連づけられた(道路オブジェクトに隣接した)建物オブジェクトが他ユーザに関連づけられている場合でも、該建物オブジェクトに対し、道路を介して電力の供給が可能であるという意味である。具体的には、発電所OA2は、ユーザBに関連づけられた道路Rを介して、ユーザA,Bに関連づけられた各オブジェクトに電力を提供するとともに、発電所OB2は、ユーザBに関連づけられた道路Rを介して、ユーザA,Bに関連づけられた各オブジェクトに電力を提供する。従って、マンションOA1は発電所OA1,OB2から供給される電力によって稼働され、マンションOB1は発電所OA1,OB2から供給される電力によって稼働される。なお、公園OB3は電力を必要としないので、道路Rに隣接しているか否かによらず稼働される。このように、道路Rの一部のオブジェクトを各ユーザ間で共用できるものとすることにより、各ユーザは対戦相手のオブジェクト配置を考慮して自らのゲームオブジェクト配置を工夫する必要が生じ、街づくり要素等における戦略的思考の重要性を高めることができる。
建築済建物OA1,OA2,OB1〜3が稼働すると、作用受付部111により、当該オブジェクトに対するユーザ作用の受付を開始し、後述するように、当該オブジェクトによるゲームパラメータの取得や、スキルの発動を受け付けることを可能にするよう処理される(第2状態)。また、建築中建物が建築済建物に変化すると、タイマー部113により各オブジェクトOA1,OA2,OB1〜3の経過時間の計測が開始される(S142)。そして、当該オブジェクトを対戦ゲーム空間G2内に配置することによって獲得される、当該オブジェクトに関連づけられたゲームポイント(例えば人口P)が、ユーザに付与される。
このとき、各オブジェクトの保有人口を計算することによって(S147)、ユーザに関連づけられたゲームポイントが算出される。本実施形態では、人口を保有可能なオブジェクトはマンションOA1およびマンションOA2である。まず、オブジェクト管理テーブル310を参照してマンションOA1,OB2の保有可能人口を特定する(S143)とともに、マンションO1,OB2が平面PL2に配置することによって保有可能となる初期人口を特定する(S144)。
次に、他のオブジェクトのスキルによってマンションOA1,OB2に保有される人口の変動を算出する。まず、マンションOA1,OB2が他のオブジェクトの有効範囲に属しているか否かを判定する(S145)。このとき、オブジェクト管理テーブル310およびパッシブスキル管理テーブル320を参照することにより、平面PL2内に配置された建築済建物OA1,OA2,OB1〜3のうち、パッシブスキルを有するオブジェクトの有効範囲を特定し、当該有効範囲内に少なくとも一部が配置されているオブジェクトを特定する。本実施形態では、発電所OA2の有効範囲E5内にマンションOB1が配置され、公園OB3の有効範囲E6内にマンションOA1一部およびマンションOB1の一部が配置されている。
マンションOA1は公園OB3の有効範囲E6、に属していると特定される(S145のY)。従って、公園OB3のパッシブスキルの内容を特定すると(S146)、初期人口から公園OB3のパッシブスキルによる人口増加分を加算し、マンションOA1の保有人口が算出される(S147)。また、マンションOB1は、発電所OA2の有効範囲E5と公園OB3の有効範囲E6と、に属していると特定される(S145のY)。従って、発電所OA2および公園OB3のパッシブスキルの内容を特定すると(S146)、初期人口から公園OB3のパッシブスキルによる人口増加分を加算し、発電所OA2のパッシブスキルによる人口減少分を減算することにより、マンションOB1の保有人口が算出される(S147)。ユーザAに関連づけられたユーザ端末100−1は、マンションOA1をゲーム空間に配置することによって得られた保有人口をゲームポイント情報としてゲームサーバ200に送信し、ユーザBに関連づけられたユーザ端末100−2は、マンションOB1をゲーム空間に配置することによって得られた保有人口をゲームポイント情報としてゲームサーバ200に送信する(S148)、ゲームサーバ200は当該ゲームポイントに関する情報を受信して(S222)、当該情報に基づいてユーザ管理テーブル300を更新するとともに、更新後の当該情報を各ユーザ端末100に送信する(S223)。
このとき、各オブジェクトを配置することにより更新されるゲームポイント値は、ホームゲーム空間G1に配置された場合に更新されるゲームポイント値と一致することが好ましい。即ち、対戦ユーザ管理テーブル340に特定された保有オブジェクトの保有可能人口やパッシブスキルにより更新される保有人口数は、ユーザ管理テーブル300およびオブジェクト管理テーブル310、スキル管理テーブル320,330に基づいて設定されることが好ましい。これにより、ユーザはゲームオブジェクトをホームゲーム空間G1で育成することにより対戦ゲームを有利に進行でき、ホームゲーム空間G1におけるゲーム性を高めることができる。
なお、他の建物の有効範囲に属しているかを判定するステップ(S145)において特定される有効範囲は、図25に示したユーザAに関連付けられた消防署OA4のアクティブスキルの有効範囲E7を採用してもよい。この場合の処理は図16に示したものと同様であるが、消防署OA4はユーザAのみのユーザ作用を受け付けることとされ、これにより有効範囲E7が特定される。有効範囲E7内に配置されたマンションO1に火災が発生している場合には、消防署OA4のアクティブスキルによって火災が鎮火され、マンションOA1が再び稼働されるようにゲームパラメータを更新する。
アクティブスキルは有効範囲内に配置されたオブジェクトのうち、スキルを発生させたユーザAに関連づけられたオブジェクトのゲームポイントおよびゲームパラメータのみを変動させることとしてもよい。即ち、火災の発生したマンションOA1がユーザBに関連づけられている場合には、消防署OA4のアクティブスキルにより火災を鎮火させないようにしてもよい。なお、上記のパッシブスキルについても、有効範囲内に配置されたオブジェクトのうち、スキルを発生させるオブジェクトに関連づけられたユーザに関連づけられたオブジェクトのゲームポイントおよびゲームパラメータを変動させることとしてもよい。
また、各オブジェクトの対戦ゲーム空間G2における建築時間やクールタイムは、ホームゲーム空間G1における建築時間やクールタイムと異なるものとしてもよい。更に、対戦時間が、長さの異なる複数の対戦時間のうちから選択可能である場合には、対戦時間に応じて建築時間やクールタイムが変更されてもよい。例えば、対戦時間が短い場合には建築時間やクールタイムを短く設定しておくことが好ましい。これにより、対戦時間に応じて対戦ゲーム空間G2におけるゲーム進行のスピード感を異なるものとすることができるので、ユーザは容易に対戦ゲームを楽しむことができる。
上記のようにしてゲームポイントが更新されると(S148)、更新後のゲームポイントが閾値を超えているか否かが判定される(S149)。閾値を超えたと判定されると、図21に破線で示すように、第1エリアPE1〜第4エリアPE4のうち当該ユーザに関連受けられたエリアの面積が拡大される(S150)。これにより、ゲームの進行に応じてゲームの自由度が増し、街づくり要素等におけるゲーム性が高まる。なお、ゲームポイントが減少した場合には、それに応じて第1エリアPE1〜第4エリアPE4の面積が縮小されても良い。
なお、第1エリアPE1〜第4エリアPE4を最初は広く設定しておき、各ユーザのゲームポイントに応じて第1エリアPE1〜第4エリアPE4の面積が縮小されるものとしても良い。ゲームの進行に応じてゲームの自由度を制限することにより、当初よりオブジェクトを配置する戦略を考慮することが要求されるようになる。
〔2−3.対戦ゲーム空間におけるゲーム進行処理2〕
図21〜図26を用いて説明した対戦ゲーム空間G2における基本的なゲーム進行処理の流れを更に発展させたゲーム進行処理の例について、図27〜図33を用いて更に説明する。対戦ゲーム空間G3における対戦進行の流れ(図21〜図23)やパッシブスキルの発動に伴う進行処理(図24,図26)については、大きく異なることはない。他方、アクティブスキルの発動に伴う進行処理の点で、図25とは異なるものとなる。具体的には、本処理例では、対戦ゲームのゲーム性を高めるためのゲーム要素として、モブキャラクタ(図2のMC)の発動による影響動作(例えば、モブキャラクタの攻撃・防御による対戦)を導入する。影響動作における時間要素を導入することにより、単にユーザの作用によるアクティブスキルの発動だけでは動作結果は決定されず、コンピュータ制御によるその後の所定時間の影響動作を通じて初めて動作結果が決定されるものとなる。
モブキャラクタは、一例として、図30や図31に示す空間平面上を移動可能な人の形状をしたキャラクタとするとよい。特に、対戦ゲーム空間G3において建物オブジェクト間で影響動作を行うよう画面表示されるキャラクタとするとよい(図30,図31)。以下では、攻撃・防御の影響動作における攻撃用のモブキャラクタのことを「サボタ」と、防御用モブキャラクタのことを「ディフェンダ」と称する。サボタおよびディフェンダは、図27のサボタ管理テーブル360および図28のディフェンダ管理テーブル370によってそれぞれマスタ管理される。サボタおよびディフェンダは共に、出動元となる何れかのゲームオブジェクトに関連づけられる。例えば、サボタとしてギャング(図27)が事務所オブジェクトに関連づけられ、当該事務所オブジェクトから出動して攻撃するように動作する。一方、ディフェンダとして警察官(図28)が警察署オブジェクトに関連づけられ、警察署オブジェクトから出動してサボタを防御するように動作する。サボタおよびディフェンダは、これに限定されないが、平面上の移動速度を示す出動速度、攻撃力、ヒットポイント、攻撃・防御を行う時間間隔を示す影響間隔、そして、モブキャラクタ自体の存続時間を示す消失時間等の各種パラメータを有する。攻撃・防御の影響動作において、各種パラメータに基づいてオブジェクトのヒットポイント(HP、図20)を変動させることで、対戦ゲームとしてのゲーム性を高めることができる。
影響動作について図29〜図33を参照して詳細に説明する。図29〜図31に対戦ゲーム空間G3の一例を示し、図32〜図33に攻撃・防御の処理をコンピュータに実施させる処理フローを示す。図29に示すように、当該対戦ゲーム空間G3の平面PL3に配置されるゲームオブジェクトとして、次のものを想定する。即ち、ユーザAに関連づけられるマンションOA1および事務所OA2、並びに、ユーザBに関連づけられるマンションOB1、発電所OB2、および警察署OB3が配置される。また、ユーザBに関連づけられると共に、ユーザAと共有される道路Rが、オブジェクトOA1〜OA2,OB1〜OB3と関連づけられて(即ち、これらオブジェクトに隣接するように)配置される。
ユーザAによる事務所OA2のタップ操作を通じて、ユーザ端末の作用受付部111は、スキルオブジェクトに対するユーザ作用を受け付ける。作用受付部111がスキルオブジェクトに対するユーザ作用を検知する処理(S521)、および端末判定部114がクールタイムの経過を判定する処理(S522)は、図16のS125,S126と同様である。端末判定部114は、事務所OA2の有効範囲E8内(5×6マス)に、対戦ユーザであるユーザBのマンションOB1および発電所OB2が配置されていることを、対戦ユーザ管理テーブル340およびオブジェクト管理テーブル310を参照して判断する(S523)。その結果、マンションOB1および発電所OB2がアクティブスキル発動による攻撃対象オブジェクトとして特定される。
端末処理部112はマンションOB1および発電所OB2に対してアクティブスキルの発動処理を実行する(S524)。併せて、端末判定部114がスキルオブジェクトから攻撃対象オブジェクトまでの経路を設定する(S525)。具体的には、図30のように事務所OA2からマンションOB1および発電所OB2に向けて距離が最短となる直進経路(点線矢印)を設定する。特に、事務所OA2からマンションOB1および発電所OB2に向けて、道路オブジェクトRを介して経路設定が可能な場合(例えば、直進経路が建物オブジェクトに隣接する道路に沿う場合や、直進経路が道路と交差する場合)には、マンションOB1への経路PT1(3マス分)および発電所OB2への経路PT2(4マス分)を設定するのがよい。
ユーザ端末の端末処理部112は、経路設定後、当該経路PT1,PT2に沿って、事務所OA2からマンションOB1および発電所OB2に向けて、サボタを出動させてこれらに攻撃を加える処理を実行する(S526)。そして、ユーザ端末の通信部140はマンションOB1および発電所OB2への攻撃によって減少した各ヒットポイントを含むゲームパラメータ、およびゲームポイントに関する情報をゲームサーバ200に送信する。その後のゲームサーバ200側での情報更新処理(S609,S610)、および端末100側での経過時間リセット処理(S527)は、図16のS209,S210およびS129と同様である。
なお、図25のゲーム進行例では(自)ユーザAに関連づけられたオブジェクトがアクティブスキル発動先となる対象であったが、図29の本ゲーム進行例では、(相手)ユーザBに関連づけられたオブジェクトをアクティブスキル発動先の対象と決定するのがよい。これにより、対戦ゲームのゲーム性を高めることができる。また、事務所OA2に関連づけられるスキル内容は、スキル管理テーブル330を参照することにより、有効範囲内にある別ユーザ保有の建物を攻撃するものであることが予め特定されている。しかしながら、アクティブスキル発動先の対象はこれに限定されず、(自)ユーザAやそのユーザグループに関連づけられたオブジェクトとしてもよいし、スキル内容として、(自)ユーザAが保有するゲームオブジェクトの建築時間を短縮することや、図16,図25に説明したのと同様に(自)ユーザAが保有するゲームオブジェクトの火災を鎮火させること等としてもよい。
また、本ゲーム進行例では、対戦ゲームのゲーム性を更に高めるために、各ゲームオブジェクトはヒットポイント(HP)を有する(図20)。ゲームオブジェクトの初期ヒットポイントは、対応するオブジェクトレベルに基づいて決定するのがよい。即ち、ゲームオブジェクトが発展してオブジェクトレベルが上がるほど、初期ヒットポイントを大きくするとよい。そして、コンピュータ制御により、スキルオブジェクトのオブジェクトレベルに基づいて決定される、サボタによる攻撃およびディフェンダによる防御によって、当該ヒットポイントを変動させる。
上記のスキルオブジェクトからスキル発動先(攻撃対象)オブジェクトに向けてサボタが出動して攻撃する処理(S526)に関して、図31および図33を参照して更に説明する。端末処理部112によって経路設定がなされると、事務所OA2からマンションOB1および発電所OB2に向けて、経路PT1,PT2に沿ってサボタを進行させるように動作させる(S531)。そして、図30のような空間イメージを表示部132に表示する。次いで、端末判定部114は、ユーザBの他のゲームオブジェクト、即ち、警察署OB3の有効範囲E9を特定し、当該有効範囲内に経路PT1またはPT2の少なくとも一部が属しているかを判定する(S532)。図31の例では、警察署OB3の有効範囲E9(3×4マス)内に、事務所OA2からマンションOB1までの経路の一部が含まれている。この場合、端末処理部112は、警察署OB3からディフェンダを出動させる処理を実行する。即ち、警察署OB3は、発動したサボタの進行を防御するための防御オブジェクトとして機能し、ディフェンダを出動させてサボタに向かって進行するよう動作させて表示部132に表示する(S533)。ディフェンダによるサボタへの進行は、平面PL2上のサボタ位置方向(図31の矢印)に直接進行させるように動作させてもよいし、図30のサボタの進行と同様に、経路Rに沿って進行させるように動作させてもよい。
なお、上記S531で進行させるサボタの数は、発電所OB2に関連づけられたオブジェクトのオブジェクトレベル(OL、図20)に基づいて決定するのがよい。出動時点でオブジェクトに収容される(出動可能な)モブキャラクタ数は対戦ユーザ管理テーブル340においてオブジェクトレベルに関連づけて管理される(図20)。即ち、オブジェクトレベルOLが上がるほど、より多くのモブキャラクタ数を収容可能とするのがよい。また、図30の例では、PT1およびPT2の2つの経路が設定され、これに応じて、サボタも2つのグループに分けられているが、各グループのサボタ数は、コンピュータ制御により、ランダムに分配してもいいし、経路の距離等に基づく加重分配をしてもいい。スキルオブジェクトから1つの攻撃対象オブジェクトに対して複数の経路が設定される場合(非図示)も、同様にしてサボタをグループ分けするのがよい。また、S533で出動するディフェンダの数についても、防御オブジェクトに関連づけられるオブジェクトレベルに基づいて決定するのがよいし、経路が複数ある場合のディフェンダのグループ分けについてもサボタと同様である。
端末処理部112は、ディフェンダの進行の結果、サボタを捕捉できたことによりディフェンダおよびサボタが関連づけられた場合に、これらサボタとディフェンダが対戦をコンピュータ制御により自動で行う(S534)。当該捕捉は、サボタ管理テーブル360およびディフェンダ管理テーブル370における出動速度に基づいて判断することができる。関連づけられたサボタとディフェンダの対戦は、同じくサボタ管理テーブル360およびディフェンダ管理テーブル370におけるヒットポイント、体力、影響間隔、および出動時間等の各種パラメータを用いて対戦結果を判定することができる。一例として、サボタに対し、ディフェンダが出動期間にわたり、所定の回数、所定の攻撃力により、所定の影響(防御)間隔で防御した結果、サボタのヒットポイントがもはや0となるような場合にそのサボタを消失させ(サボタの負け)、一方、ディフェンダの出動期間経過後もサボタのヒットポイントが残っている(0より大きい)場合にサボタを生存させる(サボタの勝ち)というように端末判定部114が判定するのがよい。
サボタとディフェンダの対決の結果、サボタ数は、出動ディフェンダの防御により消失した分だけ当初の出動サボタ数から減少される。そして、残りのサボタ数が1以上の場合に、端末判定部114は、サボタが生存したと判定し、攻撃対象オブジェクト(マンションOB1または発電所OB2)に到達したものと判定する(S535)。生存したサボタが攻撃対象オブジェクトに到達するよう動作し表示部132に表示されると、引き続き、端末処理部112は、攻撃対象オブジェクトへの攻撃動作を実施する(S536)。具体的には、攻撃対象オブジェクトのオブジェクトレベルにヒットポイント(HP、図20)が関連づけられており、コンピュータ制御により、スキルオブジェクトのオブジェクトレベルに関連づけられるパラメータ(到達したサボタの数、その所定の攻撃力、影響間隔、出動期間等(図27))に基づいて上記ヒットポイントを変動させる。一例として、攻撃対象オブジェクトに対し、到達したサボタが出動期間にわたり、所定の回数、所定の攻撃力により、所定の影響間隔で攻撃した結果、攻撃対象オブジェクトのヒットポイントが0となるような場合にそのオブジェクトを無効にし、併せて保有人口も0とするように端末処理部112に処理させるのがよい。このように、ヒットポイントは、ゲームオブジェクトの保有人口に影響するパラメータとすることができ、または、ゲームポイントを算出するための基礎となるパラメータとすることもできる。
本処理例は、モブキャラクタの影響動作を導入することによって対戦ゲームのゲーム性を一層高めるとするものである。例えば、ユーザAにとって、アクティブスキル発動に際して、ユーザBが配置したゲームオブジェクトの配置位置をよく精査した上で、モブキャラクタを出動させるインセンティブとなる。考えられる1つのシナリオとして、ユーザAは、まず、或るオブジェクトに対し一旦アクティブスキルを発動してサボタを発動させることにより、ユーザBの防御オブジェクトのディフェンダ数を意識的に減少させて防御オブジェクトを弱らせる。その後に、別のオブジェクトから再度アクティブスキルを発動することで、既に弱っている防御オブジェクトからの影響をあまり受けることなく、効果的に攻撃対象オブジェクトを攻撃することができる。即ち、種々の攻撃パターンをユーザに提供可能とし、ユーザの戦略的思考の重要性を高めることができる。
上記全ての処理の結果、最終的に、対戦ゲーム空間G2,G3内における経過時間が所定の対戦時間を経過した場合には(図34のS224のY)、対戦ゲームを終了させる処理として、対戦ゲーム空間G2にゲームオブジェクトが配置されないように処理される(S225)。また、対戦が終了されたことを各ユーザ端末100に通知し、各ユーザ端末100においても、対戦ゲームを終了させる処理として、対戦ゲーム空間G2にゲームオブジェクトが配置されないように処理される(S151)。
対戦ゲームを終了させると、各ユーザのゲームポイントを比較して、勝者を選定する処理が実行される(S226)。勝者の選定は、各ユーザに関連づけられたゲームポイントとしての人口Pを比較することによって行うことが好ましく、各ユーザに関連づけられた人口Pは、対戦ユーザ管理テーブル340を参照して、各ユーザに関連づけられた建物に関連づけられた保有人口を合計することによって算出される。
勝者の選定において、人口Pの値に基づいて各ユーザの順位を決定しても良い。また、人口Pのみならず、コイン等のゲーム内通貨やゲーム内アイテム、各ゲームオブジェクトのヒットポイントといったゲームパラメータを考慮してもよい。例えば、人口PとコインCの合計値に基づいて勝敗を選定しても良いし、いずれかを重みづけした加重平均値によって勝敗を選定してもよい。また、ゲーム空間Gの占有率といった他の要素をさらに加味してもよい。
各ユーザの勝者および順位が選定されると、各ユーザに分配される報酬が決定され、各ユーザ端末100に分配される報酬情報が送信され(S227)、当該報酬を付与するようにユーザ管理テーブル300が更新される(S228)。各ユーザ端末100は報酬を受信すると(S152)、当該報酬が反映されたホームゲーム空間G1に移行される。
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。