JP5937936B2 - 鋭利部を備える医療用・衛生用器具の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、穿刺針(注射針)などの鋭利部を備える医療用・衛生用器具の製造方法および製造装置に関する。
鋭利部を備える医療用・衛生用器具としては、注射針等の穿刺針、外科用刃または髭剃り刃等が例示できる。以下では代表例として穿刺針を挙げて説明する。
人体に使用される注射針などの穿刺針の大きさは、用途によっても異なるが、通常、外径0.3〜1.2mm程度であり、場合によっては2mmの大径のものもある。インスリン自己注射用でも一般的に用いられている32ゲージのものの外径は0.23mm程度である。このような径をもつ穿刺針は、刺通時に刺通痛みや傷などを与え、このことにより特にインスリンを自己注射する患者には恐怖感や不安感を与えることになる。このため、従来、穿刺針の刺通痛みを低減させることが望まれている。
穿刺針の刺通痛みを低減する1つの方法は、針の外径を細くすることであり、すでに33ゲージの極細針が、刺通痛みを低減させたいわゆる無痛インスリン穿刺針として市販されている。また、刺通針の針管胴部にテーパー部をもたせ、針先部分の径をシリンジに接続する基端部の径より小さくした穿刺針もある(特許文献1参照)。
一方、穿刺針の針先は、通常、針管内の輸液量を確保できる、ある程度の大きさが必要とされる。このため、通常の針先の径を変えずに刺通時の痛みを低減させる方法が望まれている。穿刺針の刺通痛みを低減させる一方法として、針管の表面平滑化による生体との摩擦抵抗の低下が挙げられる。たとえば、医療・衛生用具の表面で通常観察される10〜数十μmの凹凸をもつ粗面は、穿刺針の場合には、生体への注入時に苦痛を与える原因であるとして、表面粗度を1〜20μm程度に研磨することが提案されている(特許文献2参照)。
特開2008−200528号公報 特開平9−279331号公報
しかしながら、従来の穿刺針は刺通痛みが生じる場合があった。また、刺通痛みはより一層低いことが好ましい。皮膚等を穿つ穿刺針先端の表面が平滑であれば、刺通抵抗が低くなり、刺通痛みも低くなる。
また、外科用刃や髭剃り刃などについては、刃先の表面が平滑で、切れ味が良いことが好ましい。
本発明は上記のような課題を解決すること目的とする。
すなわち、本発明は、従来よりも表面が平滑な鋭利部を備える医療用・衛生用器具が得られる製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の(1)〜(6)である。
(1)加工して得た加工面を備える金属製基材を保持する板状ホルダーと、プラズマおよび/または電子を発生させる発生部とを有し、前記加工面へ前記発生部において発生させたプラズマおよび/または電子を衝突させて前記加工面を研磨し、鋭利部を備える医療用・衛生用器具を得る、医療用・衛生用器具の製造装置であって、
前記板状ホルダーは、厚さ方向に形成された孔を備え、前記加工面を含む部分が前記発生部の側に突出するように前記金属製基材の一部を前記孔に差し込んで前記金属製基材を保持できる保持機構を備え、
前記板状ホルダーにおける前記発生部の側の最表面の少なくとも一部が電気絶縁性材料からなる、医療用・衛生用器具の製造装置。
(2)真空槽と、前記真空槽内へ混合ガスを導入するためのガス導入手段と、前記真空槽内に設置された前記板状ホルダーおよび前記板状ホルダーに対向配置された前記発生部としてのフィラメントと、前記フィラメントに電流を供給するフィラメント用電源とを備え、
前記真空槽の内部でプラズマを発生させることで、前記加工面を研磨し、鋭利部を備える医療用・衛生用器具を得る、上記(1)に記載の医療用・衛生用器具の製造装置。
(3)前記電気絶縁性材料の体積抵抗率が107Ω・cm以上である、上記(1)または(2)に記載の医療用・衛生用器具の製造装置。
(4)穿刺針が得られる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の医療用・衛生用器具の製造装置。
(5)前記板状ホルダーは、カバープレート、トッププレート、中間プレート、底部プレートおよび基部プレートを含み、これらは、各々の主面が平行になるように前記発生部の側からこの順に配置されていて、
前記カバープレート、前記トッププレート、前記中間プレートおよび前記底部プレートは、各々、厚さ方向に貫通するように形成されている前記孔を備え、
前記加工面を含む部分が前記発生部の側に突出するように前記金属製基材の一部を前記カバープレート、前記トッププレート、前記中間プレートおよび前記底部プレートに形成されている前記孔に貫通させた状態で、前記トッププレートおよび前記底部プレートに対して、前記中間プレートを前記主面に平行方向へ相対的に移動させることで、前記金属製基材を保持することができる保持機構を備える、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の医療用・衛生用器具の製造装置。
(6)加工して得た加工面を備える金属製基材を、板状ホルダーを用いて保持し、前記加工面へプラズマおよび/または電子を衝突させて前記加工面を研磨し、鋭利部を備える医療用・衛生用器具を得る、医療用・衛生用器具の製造方法であって、
前記板状ホルダーは、厚さ方向に形成された孔を備え、前記加工面を含む部分がプラズマおよび/または電子を発生する発生部の側に突出するように前記金属製基材の一部を前記孔に差し込んで前記金属製基材を保持できる保持機構を備え、
前記板状ホルダーにおける前記発生部の側の最表面の少なくとも一部が電気絶縁性材料からなる、医療用・衛生用器具の製造方法。
本発明によれば、従来よりも表面が平滑な鋭利部を備える医療用・衛生用器具が得られる製造方法および製造装置を提供することができる。
本発明に用いることができる金属製基材の形状を例示する概略図である。 本発明の装置の好ましい態様であるプラズマ装置の概略断面図である。 板状ホルダーの好ましい態様を示す概略斜視図である。 板状ホルダーのより好ましい態様を示す概略断面図である。 実施例1における処理後のカバープレート上の写真である。 実施例1において得られた穿刺針の刃先の写真(SEM像)である。 比較例1における処理後のカバープレート上の写真である。 比較例1において得られた穿刺針の刃先の写真(SEM像)である。
本発明について説明する。
本発明は、加工して得た加工面を備える金属製基材を保持する板状ホルダーと、プラズマおよび/または電子を発生させる発生部とを有し、前記加工面へ前記発生部において発生させたプラズマおよび/または電子を衝突させて前記加工面を研磨し、鋭利部を備える医療用・衛生用器具を得る、医療用・衛生用器具の製造装置であって、前記板状ホルダーは、厚さ方向に形成された孔を備え、前記加工面を含む部分が前記発生部の側に突出するように前記金属製基材の一部を前記孔に差し込んで前記金属製基材を保持できる保持機構を備え、前記板状ホルダーにおける前記発生部の側の最表面の少なくとも一部が電気絶縁性材料からなる、医療用・衛生用器具の製造装置である。
このような医療用・衛生用器具の製造装置を、以下では「本発明の装置」ともいう。
<金属製基材>
初めに、本発明の装置によって処理する金属製基材について説明する。
金属製基材は、加工して得た加工面を備えるものであって、注射針等の穿刺針や、外科用刃(手術用のメス等)および髭剃り刃などの刃物を得るために用いることができるものであれば特に限定されない。大きさや材質についても、通常の穿刺針や刃物等として用いることができるものであれば特に限定されず、例えばステンレスからなるパイプや板状材料を用いることができる。
金属製基材における加工面は機械加工して得られたものであることが好ましい。機械加工として、研削加工、引き抜き加工、研磨加工(ブラスト、皮砥等)が挙げられ、これらの加工方法のうちの2以上を組み合わせて行うことが好ましい。具体的には研削加工した後、研磨加工することが好ましい。
金属製基材の好ましい態様について、図1を用いて説明する。
図1は穿刺針を得るために用いることができる金属製基材の刃先形状を模式的に示す図であり、図1(a)は針先部分を側面側から見た斜視図であり、図1(b)は正面側から見た斜視図である。穿刺針の刃先形状としては、ランセット型、セミランセット型、バックカット型およびこれらの変形型が挙げられるが、図1に示すものはランセット型である。
図1に示すように、金属製基材1の針先11は、針管10の一端に、針管10の長手方向の中心軸5に対して鋭角をなす切断面12と、切断面12の先端側の約半分の部分を両側から中心軸5に対して線対称に研削して形成された一対の研削面(ベベル面)13と、その一対の研削面13同士が交差してなす管肉の稜線によって形成された刃縁14とを備える。また、刃Aは針先の先端において2つのベベル面13が交差してなす刃縁14と、刃縁14の最先端の尖鋭な刃先15とを含む。このような構造の針先は、単純な切断面しか有さない針先に比べ、穿刺・刺通時に皮膚組織との接触が少なく、また刃で切裂いた皮膚組織が針管内部に取り込まれるコアリングを構造的に低減することができ、刺通痛みが低い。
<本発明の装置>
本発明の装置は、前記金属製基材を保持する板状ホルダーと発生部とを有する。そして、前記金属製基材が備える加工面へ前記発生部において発生させたプラズマおよび/または電子を衝突させて前記加工面を研磨することができる。
発生部はプラズマおよび/または電子を発生させる機能を備えるものであれば特に限定されない。例えば従来公知のスパッタリング現象を利用してプラズマおよび/または電子を発生させる部位が挙げられるが、次に説明するプラズマ発生装置によってプラズマを発生させることが好ましい。
本発明の装置の好ましい態様について、図2を用いて説明する。
図2は、アーク放電ホットフィラメント法によるプラズマ発生装置である。
図2においてプラズマ装置20は、真空槽22と、真空槽22内へ放電ガス21を導入するためのガス導入手段24と、真空槽22内に設置された金属製基材25を保持する板状ホルダー26およびこれに対向配置された発生部としてのフィラメント28と、フィラメント28に電流を供給するフィラメント用電源30とを備える。また、プラズマ装置20は、フィラメント28を覆うように設置されたアーク放電電源32を備えるホローカソード電極34と、ホローカソード電極34の外面に設置されたコイル36および絶縁体37と、金属製基材25にバイアス電圧を印加できるバイアス電圧電源38とをさらに備える。
このようなプラズマ装置20では、ガス導入手段24を用いて真空槽22内へ放電ガス21を導入して、この槽内を満たした後、フィラメント28へ電流を供給することで、グロー放電を発生させて、放電ガスのプラズマを発生させることができる。
そして、発生させたプラズマによって、金属製基材25が備える加工面を研磨することができる。
なお、本発明の装置は、図2を用いて説明したプラズマ発生装置ではなく、電子発生装置であってもよい。電子発生装置は従来公知のものであってよいので図示は省略する。
<板状ホルダー>
本発明の装置が備える板状ホルダーについて説明する。
板状ホルダーは、板状であって厚さ方向に形成された孔を備え、加工面を含む部分が前記発生部の側に突出するように前記金属製基材の一部を前記孔に差し込んで前記金属製基材を保持できる保持機構を備える。例えば網状のものであってもよい。そして、板状ホルダーにおける前記発生部の側の最表面の少なくとも一部は電気絶縁性材料からなる。
板状ホルダーにおける電気絶縁材料からなる部分以外は、例えば金属からなることが好ましく、ステンレスからなることがより好ましい。
板状ホルダーの好ましい態様について、図3を用いて説明する。
図3は、好ましい態様の板状ホルダーの概略斜視図である。
図3において板状ホルダー40は、厚さ方向に形成された孔42を備えている。また、板状ホルダー40における前記発生部の側の最表面の全面に電気絶縁性材料からなる層(絶縁層44)を備えている。すなわち、基板46の主面上に絶縁層44が形成された態様となっている。
図3では、孔42の一部に穿刺針を得るために用いる金属製基材45を差し込んだ状態を示している。金属製基材45における加工面47を含む部分が前記発生部の側(絶縁層44が配置される側)に突出するように、金属製基材45の一部を孔42に差し込んでおり、板状ホルダー40は、この状態で金属製基材45を保持できる。
なお、金属製基材45における加工面47を含む部分が外に露出するように金属製基材45を鞘管に差し込んだ後、鞘管ごと孔42に差し込んでもよい。このような場合であっても、本発明の範囲内である。
孔42の大きさ(断面直径)は、金属製基材45を差し込んだ状態で、わずかな隙間が生じる程度の大きさであることが好ましい。具体的には金属製基材45を差し込んだ状態で0.1〜1.2mmの隙間が生じる大きさの孔であることが好ましい。この隙間は、0.2〜1.1mmであることがより好ましい。
なお、ここで隙間の大きさは、金属製基材45を孔42に差し込んだ状態において、最大幅の隙間の大きさを意味するものとする。
板状ホルダーのより好ましい態様について、図4を用いて説明する。
図4は、より好ましい態様の板状ホルダーの概略断面図である。
図4において板状ホルダー50は、カバープレート51、トッププレート53、中間プレート55、底部プレート57および基部プレート59を含んでいる。そして、これらは、各々の主面が平行になるようにこの順に配置されている。また、前記発生部の側からこの順に配置されている。なお、カバープレート51は電気絶縁性材料からなるものである。
また、カバープレート51、トッププレート53、中間プレート55および底部プレート57は、各々、厚さ方向に貫通するように孔(61、63、65、67)が形成されている。図4では、これらの孔に、穿刺針を得るために用いる金属製基材70を差し込んだ状態を示している。ここで金属製基材70における加工面72を含む部分が前記発生部の側(電気絶縁性材料からなるカバープレート51が配置される側)に突出するように金属製基材70の一部を孔(61、63、65、67)に差し込んでいる。
カバープレート51とトッププレート53とは密着していて、図3に示した態様(絶縁層44が基板46の主面上に形成された態様)と同様となっている。また、中間プレート55および底部プレート57は、図3に示した基板46と同様の態様である。
このように加工面72を含む部分が前記発生部の側に突出するように金属製基材70の一部を孔(61、63、65、67)に貫通させた状態で、トッププレート53および底部プレート57に対して、中間プレート55を、これらの主面に平行方向へ相対的に移動させる。例えば、トッププレート53および底部プレート57を固定しておき、中間プレート55へ側面側から応力を加え、これらの主面に平行方向へ相対的に移動させる。ここで中間プレート55へ側面側から加える応力は、保持に必要な曲げモーメントを作用させる程度とすることが好ましい。
このようにして金属製基材70の側面と孔(61、63、65、67)の側面とを接触させることで、金属製基材70を保持することができる。
上記のように、板状ホルダーは、前記発生部の側の最表面の少なくとも一部が電気絶縁性材料からなる。
電気絶縁材料は体積抵抗率が107Ω・cm以上であることが好ましい。
また、電気絶縁材料は、さらに雰囲気温度(例えば、図2に示した態様の場合、真空槽内の雰囲気温度)に耐える耐熱材料であることが好ましい。雰囲気温度については後述するが、300〜500℃、好ましくは400℃程度に耐える耐熱材料であることが好ましい。
例えば、ケイ酸系バインダーをマトリックスとしてガラス繊維を固めた素材は、耐熱性があり、電気絶縁性も備えるため、板状ホルダーにおける前記発生部の側の最表面の少なくとも一部を形成する電気絶縁性材料として好ましく用いることができる。
例えば、図2に示した好ましい態様の本発明の装置によって、金属製基材を処理する場合、放電ガスは従来公知のものを用いることができる。例えば希ガス(Ar等)や窒素を用いることができる。また、さらに酸素を含むガスを放電ガスとして用いることもできる。
放電ガスの圧力は特に限定されず、例えば0.01〜10Paとすることができる。
また、バイアス電圧は50〜1000Vとすることが好ましく、300〜900Vとすることがより好ましく、450〜750Vとすることがより好ましく600V程度とすることがさらに好ましい。
また、処理時間(例えばプラズマ処理時間)は1〜10時間とすることが好ましく、1.5〜4時間とすることがより好ましく、2〜3時間とすることがさらに好ましい。
また、イオン電流密度は0.1〜50mA/cm2とすることが好ましく、0.5〜10mA/cm2とすることがより好ましく、2〜3mA/cm2とすることがさらに好ましい。
<実施例1>
SUS304針管(29G、外径0.3mm)を研削および引き抜き加工して、図1に示すランセット型の針先11を作製した。そして、電解研磨等の加工を施さずに、図2に示した構造のプラズマ発生装置に装填された板状ホルダーに設置し、針先をプラズマ処理した。板状ホルダーは、図4に示した態様のものである。
ここでプラズマ処理は、プラズマ発生装置として、永田精機株式会社製、PINK型、アーク放電ホットフィラメント法プラズマ発生装置を用い、放電ガスをアルゴンおよび空気の混合気体(Arガス分圧=0.4Pa、空気分圧=0.27Pa)とし、イオン電流密度:1.5mA/cm2、バイアス電圧:400Vの条件で2.5時間行った。
そして、処理後、板状ホルダーにおけるカバープレート(電気絶縁性材料からなる部分)の上面を観察した。
写真を図5に示す。図5から、処理後のカバープレート上に異物はないことが確認できた。
また、処理後に得られた穿刺針の刃先を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて400倍の倍率で観察した。SEM像を図6に示す。
図6に示すように、刃先は非常に平滑であった。この場合、刺通抵抗も低い。
<比較例1>
実施例1で用いたものと同じ金属製基材を用意し、同様のプラズマ発生装置を用いて、同条件にて処理した。
ただし、板状ホルダーは、図4に示した態様のものから、カバープレート(電気絶縁性材料からなる部分)を取り外したものを用いた。
そして、処理後、板状ホルダーにおけるトッププレートの上面を観察した。
写真を図7に示す。図7から、処理後のトッププレート上における穿刺針付近に異物が存在することが確認できた。この異物は、穿刺針の加工面が研磨された際に発生したものと推定される。
また、処理後に得られた穿刺針の刃先を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて400倍の倍率で観察した。SEM像を図8に示す。
図8に示すように、刃先には無数の異物が付着していた。この場合、刺通抵抗は高い。
1 金属製基材
10 針管
11 針先
12 切断面
13 研削面(ベベル面)
14 刃縁
15 刃先
20 プラズマ装置
21 混合ガス
22 真空槽
24 ガス導入手段
25 金属製基材
26 板状ホルダー
28 フィラメント
30 フィラメント用電源
32 アーク放電電源
34 ホローカソード電極
36 コイル
37 絶縁体
38 バイアス電圧電源
40 板状ホルダー
42 孔
44 電気絶縁性材料
45 金属製基材
46 基
47 加工面
50 板状ホルダー
51 カバープレート
53 トッププレート
55 中間プレート
57 底部プレート
59 基部プレート
61、63、65、67 孔

Claims (6)

  1. 加工して得た加工面を備える金属製基材を保持する板状ホルダーと、プラズマおよび/または電子を発生させる発生部とを有し、前記加工面へ前記発生部において発生させたプラズマおよび/または電子を衝突させて前記加工面を研磨し、鋭利部を備える医療用・衛生用器具を得る、医療用・衛生用器具の製造装置であって、
    前記板状ホルダーは、厚さ方向に形成された孔を備え、前記加工面を含む部分が前記発生部の側に突出するように前記金属製基材の一部を前記孔に差し込んで前記金属製基材を保持できる保持機構を備え、
    前記板状ホルダーにおける前記発生部の側の最表面の少なくとも一部が電気絶縁性材料からなる、医療用・衛生用器具の製造装置。
  2. 真空槽と、前記真空槽内へ混合ガスを導入するためのガス導入手段と、前記真空槽内に設置された前記板状ホルダーおよび前記板状ホルダーに対向配置された前記発生部としてのフィラメントと、前記フィラメントに電流を供給するフィラメント用電源とを備え、
    前記真空槽の内部でプラズマを発生させることで、前記加工面を研磨し、鋭利部を備える医療用・衛生用器具を得る、請求項1に記載の医療用・衛生用器具の製造装置。
  3. 前記電気絶縁性材料の体積抵抗率が107Ω・cm以上である、請求項1または2に記載の医療用・衛生用器具の製造装置。
  4. 穿刺針が得られる、請求項1〜3のいずれかに記載の医療用・衛生用器具の製造装置。
  5. 前記板状ホルダーは、カバープレート、トッププレート、中間プレート、底部プレートおよび基部プレートを含み、これらは、各々の主面が平行になるように前記発生部の側からこの順に配置されていて、
    前記カバープレート、前記トッププレート、前記中間プレートおよび前記底部プレートは、各々、厚さ方向に貫通するように形成されている前記孔を備え、
    前記加工面を含む部分が前記発生部の側に突出するように前記金属製基材の一部を前記カバープレート、前記トッププレート、前記中間プレートおよび前記底部プレートに形成されている前記孔に貫通させた状態で、前記トッププレートおよび前記底部プレートに対して、前記中間プレートを前記主面に平行方向へ相対的に移動させることで、前記金属製基材を保持することができる保持機構を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の医療用・衛生用器具の製造装置。
  6. 加工して得た加工面を備える金属製基材を、板状ホルダーを用いて保持し、前記加工面へプラズマおよび/または電子を衝突させて前記加工面を研磨し、鋭利部を備える医療用・衛生用器具を得る、医療用・衛生用器具の製造方法であって、
    前記板状ホルダーは、厚さ方向に形成された孔を備え、前記加工面を含む部分がプラズマおよび/または電子を発生する発生部の側に突出するように前記金属製基材の一部を前記孔に差し込んで前記金属製基材を保持できる保持機構を備え、
    前記板状ホルダーにおける前記発生部の側の最表面の少なくとも一部が電気絶縁性材料からなる、医療用・衛生用器具の製造方法。
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