JP5936966B2 - 蒸気供給システム - Google Patents

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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Description

本発明は、蒸気供給システムに関する。
従来の蒸気供給システムとして、例えば、特許文献1には、過熱器と、蒸気輸送管と、圧力検出手段及び温度検出手段と、コントローラとを具備する蒸気輸送管のドレン発生防止装置が記載されている。過熱器は、ボイラで発生させた蒸気を過熱する。蒸気輸送管は、過熱器で過熱された蒸気を蒸気使用装置に供給する。圧力検出手段及び温度検出手段は、蒸気輸送管の蒸気使用装置直前に設けられる。コントローラは、圧力検出手段及び温度検出手段からの検出信号を入力し過熱器を制御する制御信号を発する。そして、この蒸気輸送管のドレン発生防止装置は、例えば、蒸気輸送管を流れる過熱蒸気の蒸気使用装置直前の圧力及び温度を検出し、飽和温度よりも若干高い温度を維持するように過熱器を制御する。
特開平09−137911号公報
ところで、上述の特許文献1に記載の蒸気輸送管のドレン発生防止装置は、上記構成により、蒸気輸送管でのドレンの発生を抑制しているが、例えば、蒸気の乾き度の変化などに対して過熱度の制御の応答遅れなどによる熱損失や過過熱などの影響が出るなど改善の余地がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、熱損失を低減することができる蒸気供給システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る蒸気供給システムは、蒸気を発生させる蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気を蒸気使用機器まで送気する蒸気供給経路と、前記蒸気供給経路上に設けられ、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気を過熱する蒸気過熱装置と、前記蒸気過熱装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータに基づいて、前記蒸気過熱装置を制御し、前記蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱度を所定の過熱度に制御することを特徴とする。
また、上記蒸気供給システムでは、前記蒸気発生装置は、燃料を燃焼させた際の燃焼熱によって蒸気を発生させるものであり、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータは、前記蒸気発生装置での前記燃料の燃焼量、及び、前記蒸気発生装置内の圧力を含むものとすることができる。
また、上記蒸気供給システムでは、前記蒸気発生装置は、電気ヒータを熱源として蒸気を発生させるものであり、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータは、前記蒸気発生装置での前記電気ヒータの出力、及び、前記蒸気発生装置内の圧力を含むものとすることができる。
また、上記蒸気供給システムでは、前記蒸気発生装置は、内部の水の濃縮度を検出する検出器を有し、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータは、前記検出器によって検出される前記蒸気発生装置の内部の水の濃縮度を含むものとすることができる。
また、上記蒸気供給システムでは、前記蒸気発生装置は、運転時間を計測する計測器を有し、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータは、前記計測器によって計測される前記蒸気発生装置の運転時間を含むものとすることができる。
本発明に係る蒸気供給システムは、制御装置が蒸気発生装置によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータに基づいて、蒸気過熱装置を制御し、蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱度を所定の過熱度に制御することで、蒸気の乾き度に応じて蒸気の過熱度を安定化することができるので、ドレンの発生を抑制することができ、ドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失を低減することができる。
実施形態1に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。 実施形態2に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。
図1に示す本実施形態の蒸気供給システム1は、加熱源や動力源として蒸気を使用して作動する種々の蒸気使用機器(負荷機器)50に、蒸気を供給するシステムである。本実施形態の蒸気供給システム1は、蒸気発生装置としてのボイラ2と、蒸気供給経路3と、蒸気過熱装置としての過熱器4と、制御装置5とを備える。
ボイラ2は、蒸気を発生させるものである。ボイラ2は、種々の熱源方式によって飽和蒸気St1を発生させる。飽和蒸気St1は、わずかに液体の水を含む蒸気から100%乾き蒸気の範囲の蒸気である。
ボイラ2は、燃焼式のボイラ、電気式のボイラ等、種々の形式のものを用いることができる。図1は、一例として燃焼式のボイラ2を図示している。ボイラ2は、燃焼式の場合、燃焼装置が設けられ、当該燃焼装置で燃料を燃焼させた際の燃焼熱によって缶体21内の缶水を加熱、蒸発させ飽和蒸気St1を発生させるものである。燃焼式の場合、ボイラ2の燃焼装置は、燃料供給経路22から燃料弁23等を介して燃料が供給され、空気供給経路24から燃焼用の空気が供給される。この場合、燃料としては、例えば、都市ガス、プロパンガス、バイオガス等の気体燃料、重油、灯油等の液体燃料等が用いられる。ボイラ2は、燃焼式の場合、例えば、貫流ボイラ、炉筒煙管ボイラ、水管ボイラ等の種々の形式のものを用いることができる。ボイラ2は、電気式の場合、缶体21内に電気ヒータが挿入され、当該電気ヒータを熱源として缶体21内の缶水を直接加熱し蒸発させ飽和蒸気St1を発生させる。電気式の場合、ボイラ2は、上記の燃料供給経路22、燃料弁23、空気供給経路24を備えない構成となる。ボイラ2は、後述する缶内圧力センサ9と、検出器としての濃縮度センサ10と、これらセンサ等の検出値に基づいてボイラ2の運転を制御するボイラ制御装置25とを有する。
蒸気供給経路3は、ボイラ2によって発生させた蒸気を蒸気使用機器50まで送気するための蒸気供給ラインである。蒸気供給経路3は、配管、流量調整弁、逆止弁、分岐部位等を含んで構成される。本実施形態の蒸気供給経路3は、少なくとも飽和蒸気配管31と過熱蒸気配管32とを含んで構成される。
飽和蒸気配管31は、ボイラ2の蒸気流出口と後述の過熱器4の蒸気流入口とを接続する。飽和蒸気配管31は、蒸気が内部を流通可能であり、ボイラ2で発生させた飽和蒸気St1を過熱器4に送気する。過熱蒸気配管32は、過熱器4の蒸気流出口と蒸気使用機器50の蒸気流入口とを接続する。過熱蒸気配管32は、蒸気が内部を流通可能であり、後述のように過熱器4で過熱した過熱蒸気St2を蒸気使用機器50に送気する。なお、飽和蒸気配管31、過熱蒸気配管32は、共に複数の配管、流量調整弁、逆止弁、分岐部位等を組み合わせることによって構成されてもよい。
過熱器4は、蒸気供給経路3上に設けられ、ボイラ2によって発生させた蒸気を過熱するいわゆるスーパーヒータである。過熱器4は、上述したように飽和蒸気配管31と過熱蒸気配管32との間に設けられ、蒸気流入口に飽和蒸気配管31が接続され、蒸気流出口に過熱蒸気配管32が接続される。過熱器4は、ボイラ2から飽和蒸気配管31を介して送気された飽和蒸気St1を種々の熱源方式によって過熱し、同等の圧力の飽和蒸気St1の温度より高い温度の過熱蒸気St2を発生させる。過熱蒸気St2は、一定圧力飽和温度で蒸発した飽和蒸気St1を定圧のままさらに高温度に過熱した無色透明のHOガスである。
過熱器4は、電気式の過熱器、熱交換器式の過熱器等、種々の形式のものを用いることができる。過熱器4は、電気式の場合、過熱器内部に設けられた電気ヒータを熱源として、飽和蒸気St1を過熱し過熱蒸気St2を発生させる。過熱器4は、熱交換器式の場合、過熱器内部に供給される熱交換媒体を熱源として、当該熱交換媒体と飽和蒸気St1とを熱交換させることで飽和蒸気St1を過熱し過熱蒸気St2を発生させる。この場合、熱交換媒体としては、例えば、熱媒ボイラからの高温の熱媒油、ボイラ2から排出される燃焼排ガス、他のボイラから供給される高圧蒸気などが用いられる。なお、過熱器4は、この他、減圧式の過熱器等を用いることもできる。
過熱器4は、制御装置5に電気的に接続されており、この制御装置5によって加熱出力が制御される。過熱器4における加熱出力は、当該過熱器4内を通過する飽和蒸気St1に付与する熱量(加熱量)に相当する。ここで、過熱器4における加熱出力は、電気式の場合には、過熱器4内の電気ヒータへの電圧(あるいは通電量)を調節することで増減することができる。また、過熱器4における加熱出力は、熱交換器式の場合には、過熱器4内に供給される熱交換媒体の供給量(流量)や温度を調節することで増減することができる。過熱器4は、加熱出力が大きくなるほど、飽和蒸気St1に付与する熱量が多くなり、発生させた過熱蒸気St2の過熱度が高くなる。一方、過熱器4は、加熱出力が小さくなるほど、飽和蒸気St1に付与する熱量が少なくなり、発生させた過熱蒸気St2の過熱度が低くなる。
ここで、過熱蒸気St2の過熱度とは、飽和蒸気St1に対する過熱蒸気St2の過熱の度合を表す指標である。過熱蒸気St2の過熱度は、例えば、下記の数式(1)で表すように、過熱蒸気St2の温度(過熱蒸気温度)と飽和蒸気St1の温度(飽和蒸気温度)との差分を用いることができる。

過熱度(Deg)=過熱蒸気温度(℃)−飽和蒸気温度(℃) ・・・ (1)
制御装置5は、過熱器4を含む蒸気供給システム1の各部を制御するものである。制御装置5は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含むマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。
制御装置5は、例えば、圧力センサ6、外気温度センサ7、過熱蒸気温度センサ8等の蒸気供給システム1の各所に取り付けられた種々のセンサが電気的に接続され、検出結果に対応した電気信号が入力される。また、制御装置5は、ボイラ2の各部を制御するボイラ制御装置25と電気的に接続され、制御装置5とボイラ制御装置25との間で各種電気信号を授受することができる。ボイラ制御装置25は、例えば、缶内圧力センサ9、濃縮度センサ10等の種々のセンサが電気的に接続され、検出結果に対応した電気信号が入力される。缶内圧力センサ9は、ボイラ2の缶体21内の圧力を検出するものである。濃縮度センサ10は、ボイラ2の缶体21内の缶水の濃縮度を検出するものである。濃縮度センサ10は、例えば、缶水の電気伝導度(1/缶水の電気抵抗)[mS/m(ミリジーメンス毎メートル)]を検出する。ボイラ2の缶水は、濃縮度が高くなるほどイオン分が多くなり電気を通し易くなるため、電気伝導度が大きくなる。濃縮度センサ10は、この原理を利用してボイラ2の缶水の濃縮度を検出する。ボイラ制御装置25は、ボイラ2の運転時間を計測するタイマ(計測器)の機能を有するものである。ボイラ制御装置25は、上記センサ等の検出値に基づいてボイラ2の運転を制御し、例えば、缶体21内の圧力に基づくボイラ2の運転の起動、停止、燃焼の切換え、各種異常値の判定、給水、ブローなど運転に必要な操作を自動で行わせる。なお、制御装置5は、缶内圧力センサ9、濃縮度センサ10とは別の圧力センサ、濃縮度センサを備え、缶体21の圧力、ボイラ2の缶水の濃縮度を独立して得られるようにしておき、ボイラ2の運転時間、燃焼装置等の切り替え信号とともに、缶体21内の圧力、ボイラ2の缶水の濃縮度に基づいて、過熱度を制御する構成であってもよい。
制御装置5は、各種センサから入力された各種入力信号や各種マップに基づいて、記憶部に格納されている制御プログラムを実行することにより、過熱器4を含む蒸気供給システム1の各部に制御信号を出力しこれらを制御する。制御装置5は、過熱器4を制御し当該過熱器4における加熱出力を調節することで、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を調節することができる。制御装置5は、過熱器4が電気式である場合には、過熱器4内の電気ヒータへの電圧(インプット)を制御することで、過熱器4における加熱出力を調節し、過熱蒸気St2の過熱度を所定の過熱度としての目標過熱度に調節することができる。また、制御装置5は、過熱器4が熱交換器式である場合には、過熱器4内に供給される熱交換媒体の供給量や温度(インプット)を制御することで、過熱器4における加熱出力を調節し、過熱蒸気St2の過熱度を目標過熱度に調節することができる。このとき、制御装置5は、例えば、圧力センサ6が検出した送気圧力から求められる飽和蒸気温度と、過熱蒸気温度センサ8が検出した過熱蒸気温度とに基づいて、上記の数式(1)を用いて、過熱器4で過熱された過熱蒸気St2の実際の過熱度を算出することができる。これにより、制御装置5は、過熱器4で過熱した過熱蒸気St2の過熱度が目標過熱度に調節されているか否かを判定することができる。
ここで、目標過熱度とは、過熱器4で過熱された過熱蒸気St2の目標とする過熱度である。典型的には、この目標過熱度は、蒸気供給経路3で蒸気を蒸気使用機器50まで送気した際に、当該蒸気が蒸気使用機器50に至る前にドレンが発生しない過熱度である。この制御装置5は、機能概念的に過熱度設定部11が設けられており、この過熱度設定部11が目標過熱度を設定する。
過熱度設定部11は、蒸気使用機器50で許容される所望の過熱度、蒸気供給経路3の放熱量等に基づいて目標過熱度を設定する。ここで、蒸気使用機器50で許容される所望の過熱度の蒸気とは、蒸気使用機器50に蒸気が届いたときにほぼ飽和状態である蒸気、あるいは、蒸気使用機器50に影響を与えない程度の過熱度となっている微過熱蒸気等を含む概念である。蒸気供給経路3の放熱量は、蒸気が蒸気供給経路3を通って蒸気使用機器50に供給されるまでに放熱される熱量に相当する。この蒸気供給経路3の放熱量は、係員、オペレータ、作業者などによって予め現場で調査、計測された放熱量を固定値として用いてもよいし、過熱度設定部11によって適宜算出してもよい。過熱度設定部11は、例えば、蒸気供給経路3の状況に関する情報、周囲の環境を表す指標、蒸気供給経路3内の送気圧力を表す指標等に応じて蒸気供給経路3の放熱量を算出することができる。上記蒸気供給経路3の状況に関する情報は、例えば、蒸気供給経路3の全長、敷設位置、フランジ形状等の配管構成、配管熱伝導率、断熱材の性能、分岐管の数、各種弁の数、分岐管に接続された他の機器の作動状態、各種弁の作動状態等に関する情報等である。上記周囲の環境を表す指標は、例えば、外気温度センサ7によって検出される蒸気供給経路3の周囲の気温の他、湿度、季節、時間帯等である。上記蒸気供給経路3内の送気圧力を表す指標は、例えば、圧力センサ6によって検出される飽和蒸気配管31内の送気圧力等である。
そして、過熱度設定部11は、現時点での蒸気供給経路3の放熱量、ボイラ2から供給される蒸気の乾き度、蒸気使用機器50で許容される過熱度等に基づいて、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の目標過熱度を設定する。すなわち、過熱度設定部11は、蒸気供給経路3を介して蒸気を蒸気使用機器50まで送気した際に、現時点での蒸気供給経路3の放熱量で放熱しても、蒸気が蒸気使用機器50に至る前にドレンが発生せず、許容される過熱度で蒸気使用機器50に供給されるように、目標過熱度を設定する。さらに言えば、過熱度設定部11は、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱分の熱量が、上記で算出した蒸気供給経路3の放熱量と同等、もしくは、当該算出した蒸気供給経路3の放熱量より所定量高い熱量となるように目標過熱度を設定する。ここで、上記所定量は、例えば、蒸気使用機器50に影響を与えない程度の微過熱蒸気に応じた熱量である。
そして、制御装置5は、上記のように設定された目標過熱度に基づいて、過熱器4を制御し、過熱蒸気St2の過熱度を調節する。ここでは、制御装置5は、圧力センサ6が検出した送気圧力から求められる飽和蒸気温度と、過熱蒸気温度センサ8が検出した過熱蒸気温度とに応じて現時点での実際の過熱度を算出する。そして、制御装置5は、算出した現時点での実際の過熱度が、上記目標過熱度となるように過熱器4を制御する。この場合、制御装置5は、過熱器4を制御し当該過熱器4における加熱出力を調節することで、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を目標過熱度に調節する。
この結果、制御装置5は、過熱器4で過熱される蒸気の過熱分の熱量を、当該算出した蒸気供給経路3の放熱量と同等、もしくは、当該算出した蒸気供給経路3の放熱量より所定量高い熱量に制御することができる。言い換えれば、制御装置5は、ボイラ2によって発生させた飽和蒸気St1が、過熱分の熱量として蒸気供給経路3の放熱量と同等、もしくは、わずかに高い熱量を持つ過熱蒸気St2となるように過熱器4を制御することができる。この結果、蒸気供給システム1は、過熱器4で過熱される蒸気の過熱度を蒸気使用機器50までドレンが発生しない過熱度として送気することができる。
上記のように構成される蒸気供給システム1は、ボイラ2で発生させた飽和蒸気St1が蒸気供給経路3の飽和蒸気配管31を介して過熱器4に送気される。蒸気供給システム1は、過熱器4が送気された飽和蒸気St1を過熱し過熱蒸気St2を発生させる。そして、蒸気供給システム1は、過熱器4で発生させた過熱蒸気St2が蒸気供給経路3の過熱蒸気配管32を介して蒸気使用機器50に送気される。
このとき、制御装置5は、過熱器4を制御し過熱器4における加熱出力を調節することで、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を、蒸気供給経路3の放熱量、蒸気の乾き度、許容される過熱度等に応じた目標過熱度に調節する。これにより、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3で放熱することを見込んで蒸気を過熱し、蒸気使用機器50に至る前にドレンが発生しないように蒸気使用機器50に供給することができる。つまり、蒸気供給システム1は、ボイラ2で発生させた蒸気を蒸気使用機器50まで送気した際に蒸気供給経路3で放熱しても、当該放熱を過熱蒸気St2が有する熱(顕熱)によって補完することができる。したがって、蒸気供給システム1は、蒸気使用機器50に当該蒸気使用機器50で許容される所望の過熱度の蒸気を供給することができると共に、蒸気供給経路3で蒸気使用機器50に至る前に蒸気の一部が凝縮することを抑制することができ、ドレンが発生することを抑制することができる。
なお、この蒸気供給システム1は、蒸気使用機器50で蒸気が利用されると、当該蒸気の一部が凝縮してドレンが発生する。蒸気使用機器50で凝縮されたドレンは、スチームトラップ51等で分離されて回収される。そして、回収されたドレンは、ボイラ2の缶水として再びボイラ2の缶体21内に給水される。
ところで、この蒸気供給システム1は、ボイラ2の運転状態等に応じてボイラ2で発生させる飽和蒸気St1の乾き度が変化するおそれがある。そして、蒸気供給システム1は、過熱器4に流入する飽和蒸気St1の乾き度が変化することで、この過熱器4で過熱された過熱蒸気St2の過熱度が安定しないおそれがある。これにより、蒸気供給システム1は、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を精度よく調節できずに、結果的に、蒸気供給経路3で蒸気使用機器50に至る前に蒸気の一部が凝縮しドレンが発生するおそれがある。この場合、蒸気使用機器50へのドレンの流入による影響をなくすために、蒸気供給システム1は、例えば、発生したドレンを蒸気供給経路3の外部に排出する必要が生じる。このとき、蒸気供給システム1は、例えば、スチームトラップ等からドレンを排出する際、当該ドレンだけでなく蒸気も一部排出させてしまうおそれがあり、これにより、熱の損失が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態の蒸気供給システム1は、上記のようにボイラ2によって発生させた蒸気の乾き度に応じて過熱器4を制御することで、この過熱器4で常時、安定した過熱度の過熱蒸気St2を発生させ、ドレンの発生を抑制しドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失の低減を図っている。
具体的には、制御装置5は、ボイラ2によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータに基づいて、過熱器4を制御し、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を、上記目標過熱度に制御する。
ここで、蒸気の乾き度とは、蒸気中の気相部分と液相分との重量割合を表す指標であり、さらに言えば、湿り飽和蒸気中に含まれる乾き飽和蒸気の割合を表す指標である。蒸気の乾き度は、例えば、下記の数式(2)で表すことができる。

乾き度=(1−湿り度)=(1−蒸気中の液相分重量/全蒸気重量) ・・・ (2)
過熱器4における飽和蒸気St1の過熱では、例えば、100%乾き蒸気を過熱するための熱量は、[比熱×蒸気量×過熱度]で定まるが、蒸気中に水分が含まれている場合(すなわち、乾き度<1の場合)、さらに蒸気潜熱分の熱量が余計に必要になる。このため、過熱器4に流入する飽和蒸気St1の乾き度は、過熱器4での飽和蒸気St1の過熱に影響を与えることとなる。例えば、過熱器4は、乾き度が高い飽和蒸気St1と、同等の圧力で乾き度が低い飽和蒸気St1とを同等の過熱度まで過熱する場合、乾き度が高い飽和蒸気St1より乾き度が低い飽和蒸気St1を過熱する場合のほうがより多くの熱量が必要となる。
本実施形態の制御装置5は、飽和蒸気St1の乾き度が過熱器4での飽和蒸気St1の過熱に与える影響を踏まえて、飽和蒸気St1の乾き度に関するパラメータに基づいて過熱器4を制御する。
ここで、飽和蒸気St1の乾き度に関するパラメータは、飽和蒸気St1の乾き度に変化をもたらす物理量であり、典型的には、ボイラ2の運転状態に関する物理量である。乾き度に影響を与えるボイラ2の運転状態に関する物理量としては、例えば、ボイラ2の負荷状態を表す物理量、ボイラ2内の圧力、ボイラ2への給水の水質、ボイラ2の缶水の濃縮度、ボイラ2の運転時間等が挙げられる。ここでは、飽和蒸気St1の乾き度に関するパラメータは、例えば、ボイラ2が燃焼式である場合には、ボイラ2の燃焼量及びボイラ2内の圧力、ボイラ2の缶水の濃縮度、ボイラ2の運転時間等のうちの少なくとも1つを含む。ボイラ2の燃焼量は、燃料供給経路22の圧力、ボイラ制御装置25が出力する燃料弁25の開閉信号や当該燃料弁25の開度等に基づいて検出することができる。ボイラ2内の圧力は、缶内圧力センサ9によって検出される缶体21内の圧力(以下、「缶内圧力」という場合がある。)を用いることができる。ボイラ2への給水の水質は、予め検査し取得したものや各種センサにより検出したものを用いることができる。ボイラ2の内部の缶水の濃縮度は、濃縮度センサ10によって検出されるボイラ2の缶水の濃縮度を用いることができる。ボイラ2の運転時間は、ボイラ制御装置25のタイマによって計測されるボイラ2の運転時間を用いることができる。また、例えば、ボイラ2が電気式である場合には、飽和蒸気St1の乾き度に関するパラメータは、上記ボイラ2の燃焼量にかえてボイラ2での電気ヒータの出力(インプット電圧)を用いることができる。
そして、例えば、ボイラ2が燃焼式である場合、飽和蒸気St1の乾き度は、ボイラ2の缶内圧力が低く、ボイラ2の燃焼量が多いほど(つまり燃焼負荷が高いほど)低くなる傾向にある。一方、飽和蒸気St1の乾き度は、ボイラ2の缶内圧力が高く、ボイラ2の燃焼量が少ないほど(つまり燃焼負荷が低いほど)高くなる傾向にある。同様に、ボイラ2が電気式である場合、飽和蒸気St1の乾き度は、ボイラ2の缶内圧力が低く、ボイラ2での電気ヒータの出力(インプット電圧)が大きいほど(つまり電気出力負荷が高いほど)低くなる傾向にある。一方、飽和蒸気St1の乾き度は、ボイラ2の缶内圧力が高く、ボイラ2での電気ヒータの出力が小さいほど(つまり電気出力負荷が低いほど)高くなる傾向にある。
また、ボイラ2は、運転時間が長くなると、蒸発を繰り返すことで缶水中の不純物の濃度が高くなり、缶体21内の缶水の泡立ちが大きくなる傾向にある。そして、ボイラ2は、缶水の泡立ちが大きくなると、缶水の一部が蒸気に混入する、いわゆるキャリーオーバーと呼ばれる現象が起こり、飽和蒸気St1の乾き度は低下する。このように、ボイラ2から供給される飽和蒸気St1の乾き度は、缶水の濃縮度に応じて変化する。このため、ボイラ2は、缶水の濃縮度が許容値を超えた場合や運転時間が許容時間を超えた場合、ボイラ2の運転終了時にボイラ2内の缶水を全て排出する全ブローを行い、全ての缶水を新水に入れ替える。また、一般的には、許容される蒸気の乾き度を保つようにするためボイラ2の運転中は、缶水の濃縮度が許容値以下で維持するよう、ボイラ2の運転を行いながら、缶水の一部を排出し、新水と入れ替える濃縮ブロー(間欠ブロー)操作を自動で行う。
そして、飽和蒸気St1の乾き度は、ボイラ2の運転時間が長くなると、缶水の濃縮度の上昇によって低くなる傾向にあり、ボイラ2の運転時間が短いと、缶水の濃縮度があまり上昇しないため高くなる傾向にある。これにはボイラ2への給水の水質も関連しており、給水の電気伝導度が高ければ、ボイラ2の運転時間が短くても濃縮度は高まり、乾き度は低下する傾向になり、給水の電気伝導度が低ければ、ボイラ2の運転時間が長くなっても、濃縮度は進まず、乾き度は低下しない。なお、ボイラ2の運転時間は、典型的には、前回の全ブローからの総運転時間を用いればよい。この場合、ボイラ2の運転時間は、例えば、100%負荷で1時間作動させた場合を1時間とし、50%負荷で1時間作動させた場合を0.5時間とし、前回の全ブローからの時間を積算していけばよい。
本実施形態の制御装置5は、飽和蒸気St1の乾き度に関するパラメータとして、ボイラ2の燃焼量(ボイラ2が電気式の場合は電気ヒータの出力)、缶内圧力、ボイラ2への給水の水質、ボイラ2の缶水の濃縮度、ボイラ2の運転時間等のうちの少なくとも1つに基づいて、過熱器4の制御量を制御する。ここで、過熱器4の制御量は、上述した加熱出力であり、過熱器4が電気式である場合には、過熱器4内の電気ヒータへの電圧(インプット)、過熱器4が熱交換器式である場合には、過熱器4内に供給される熱交換媒体の供給量や温度である。
より詳細には、制御装置5は、上記のように乾き度に関するパラメータに応じて変化する飽和蒸気St1の乾き度が低いほど、過熱器4の加熱出力(制御量)を大きくする。一方、制御装置5は、飽和蒸気St1の乾き度が高いほど、過熱器4の加熱出力(制御量)を小さくする。
一例として、過熱度設定部11は、上記飽和蒸気St1の乾き度に関するパラメータに基づいて、マップ、あるいは、数式モデルから飽和蒸気St1の乾き度を算出する。この場合、飽和蒸気St1の乾き度は、例えば、実地評価等に基づいて、飽和蒸気St1の乾き度に関するパラメータ(ボイラ2の燃焼量(ボイラ2が電気式の場合は電気ヒータの出力)、缶内圧力、ボイラ2への給水の水質、ボイラ2の缶水の濃縮度、ボイラ2の運転時間)との相関関係が予め設定されて、マップ、あるいは、数式モデル等として制御装置5の記憶部に格納されている。
そして、過熱度設定部11は、現時点での蒸気供給経路3の放熱量と、算出した飽和蒸気St1の乾き度と、蒸気使用機器50で許容される過熱度とに基づいて目標過熱度を設定する。そして、制御装置5は、この目標過熱度と乾き度とに基づいて、過熱器4の加熱出力(制御量)を算出し、算出した加熱出力となるように過熱器4を制御する。この場合、過熱器4の加熱出力は、飽和蒸気St1の乾き度が低いほど、大きくなるように設定されている。なお、制御装置5は、上記飽和蒸気St1の乾き度に関するパラメータと、現時点での蒸気供給経路3の放熱量と、蒸気使用機器50で許容される過熱度とに基づいて、マップ等から直接過熱器4の加熱出力(制御量)を算出し、当該算出した加熱出力となるように過熱器4を制御するようにしてもよい。
上記のように構成される蒸気供給システム1は、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を目標過熱度に調節する際に、ボイラ2が発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータに基づいて過熱器4が制御される。これにより、蒸気供給システム1は、ボイラ2の運転状態等に応じて飽和蒸気St1の乾き度が変化し、過熱器4に流入する飽和蒸気St1の乾き度が変化しても、当該乾き度の変化に応じて過熱器4での加熱出力が調節されることで、過熱器4で飽和蒸気St1の乾き度に応じた熱量を飽和蒸気St1に付与することができる。この結果、蒸気供給システム1は、過熱蒸気St2の過熱度を精度よく調節でき、安定した過熱度の過熱蒸気St2を発生させることができる。したがって、蒸気供給システム1は、過熱器4で過熱した過熱蒸気St2の過熱度をより確実に目標過熱度で安定化させることができ、所望の過熱度の蒸気を安定的に供給することができる。
したがって、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3で蒸気使用機器50に至る前に蒸気の一部が凝縮することを抑制することができ、ドレンが発生することをより確実に抑制することができる。よって、蒸気供給システム1は、例えば、発生したドレンを蒸気供給経路3の外部に排出することに起因して一部蒸気が排出されることによる熱損失が生じることを抑制することができる。また、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3でのドレンの発生を抑制することができることから、例えば、蒸気供給経路3上のスチームトラップの数を削減することができ、トラップロス、トラップ配管ロス等を抑制することができる。これにより、蒸気供給システム1は、より効率のよい運転を行うことができると共に、製造コストを削減することができ、また、保守点検の負担を低減することができる。さらに、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3でのドレンの発生を抑制することができることから、蒸気供給経路3内の蒸気流速を向上させることができ、このため、蒸気供給経路3を構成する配管口径をサイズダウンすることができる。これにより、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3を構成する配管全体での放熱量自体を低減することができるので、この点でも熱損失を抑制し、より効率のよい運転を行うことができる。また、蒸気供給システム1は、例えば、冷態起動時に蒸気供給経路3内に発生したドレンを過熱器4で過熱された過熱蒸気St2によって再蒸発させることで、ドレン顕熱を再生させ、ドレン量を低減することもできる。さらに、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3でのドレンの発生を抑制することができることから、いわゆるエロージョン(配管侵食)やウォータハンマ(水撃作用)等の発生も抑制することができる。また、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3でのドレンの発生を抑制することができることから、例えば、蒸気供給経路3に設けられる流量計(不図示)等の各種センサの検出精度の低下を抑制することができる。
以上で説明した実施形態に係る蒸気供給システム1によれば、蒸気を発生させるボイラ2と、ボイラ2によって発生させた蒸気を蒸気使用機器50まで送気する蒸気供給経路3と、蒸気供給経路3上に設けられ、ボイラ2によって発生させた蒸気を過熱する過熱器4と、過熱器4を制御する制御装置5とを備える。制御装置5は、ボイラ2によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータに基づいて当該乾き度を推定し、推定した乾き度に基づいて過熱器4を制御し、過熱器4で過熱される蒸気の過熱度を所定の過熱度(目標過熱度)に制御する。したがって、蒸気供給システム1は、蒸気の乾き度に応じて蒸気の過熱度を安定化することができるので、ドレンの発生を抑制することができ、ドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失を低減することができる。これにより、蒸気供給システム1は、例えば、より効率のよい運転を行うことができる。
[実施形態2]
図2は、実施形態2に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。実施形態2に係る蒸気供給システムは、バイパス経路と流量調節装置とを備える点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
図2に示す本実施形態の蒸気供給システム201は、上記の蒸気供給システム1(図1参照)の構成に加えて、さらに、バイパス経路としてのバイパス配管210と、流量調節装置としての流量調節弁211とを備える。
バイパス配管210は、蒸気供給経路3から分岐し過熱器4をバイパスして再び蒸気供給経路3と合流する。バイパス配管210は、蒸気供給経路3を流れる蒸気の流動方向に対して、過熱器4の上流側と、過熱器4の下流側とを接続する。ここでは、バイパス配管210は、一端が飽和蒸気配管31に接続して当該飽和蒸気配管31から分岐し、他端が過熱蒸気配管32に接続して当該過熱蒸気配管32に合流する。バイパス配管210は、蒸気が内部を流通可能であり、ボイラ2で発生させた飽和蒸気St1の一部を飽和蒸気配管31から過熱器4をバイパスさせて過熱蒸気配管32に送気することができる。なお、このバイパス配管210は、複数の配管を組み合わせることによって構成されてもよい。
流量調節弁211は、制御装置5によって制御され、過熱器4への蒸気の流量とバイパス配管210への蒸気の流量とを調節可能である。流量調節弁211は、バイパス配管210上に設けられ、弁開度を調節することでバイパス配管210の流路断面積を調節することができる。
したがって、蒸気供給システム201は、制御装置5が流量調節弁211を制御し所定の弁開度に調節されると、飽和蒸気配管31からバイパス配管210へ飽和蒸気St1の一部が流れる。そして、蒸気供給システム201は、バイパス配管210へ流れた飽和蒸気St1が過熱器4をバイパスして過熱蒸気配管32に合流し、過熱器4で過熱された過熱蒸気St2と混合される。これにより、蒸気供給システム201は、過熱器4で過熱された過熱蒸気St2と、バイパス配管210を流れて過熱蒸気配管32に合流した飽和蒸気St1とが混合されて、過熱蒸気St2の熱が飽和蒸気St1に奪われて、所定の過熱度の過熱蒸気St2となり、蒸気使用機器50に送気される。
なお、本実施形態の圧力センサ6は、飽和蒸気配管31において、蒸気の流動方向に対して当該飽和蒸気配管31とバイパス配管210との分岐部位より上流側の検出位置で飽和蒸気配管31内の送気圧力を検出する。また、過熱蒸気温度センサ8は、過熱蒸気配管32において、蒸気の流動方向に対して当該過熱蒸気配管32とバイパス配管210との合流部位より下流側の検出位置で過熱蒸気配管32内の過熱蒸気St2の温度を検出する。この過熱蒸気温度センサ8の検出位置は、過熱器4から当該検出位置までの過熱蒸気配管32の放熱量を無視でき、かつ、バイパス配管210から過熱蒸気配管32に合流した飽和蒸気St1が過熱器4で過熱された過熱蒸気St2と十分に混合される位置に設定される。なお、この蒸気供給システム201は、過熱蒸気配管32とバイパス配管210との合流部位に、飽和蒸気St1と過熱蒸気St2とを十分に混合するための混合三方弁等が設けられていてもよい。
そして、本実施形態の制御装置5は、過熱度設定部11が設定した目標過熱度に基づいて、過熱器4及び流量調節弁211を制御し、過熱蒸気St2の過熱度を調節する。すなわち、制御装置5は、圧力センサ6が検出した送気圧力から求められる飽和蒸気温度と、過熱蒸気温度センサ8が検出した過熱蒸気温度とに応じて現時点での実際の過熱度を算出する。そして、制御装置5は、算出した現時点での実際の過熱度が目標過熱度となるように過熱器4及び流量調節弁211を制御する。この場合、制御装置5は、過熱器4を制御し当該過熱器4における加熱出力を調節することに加えて、流量調節弁211を制御しバイパス配管210への飽和蒸気St1の流量(以下、「バイパス流量」という場合がある。)を調節することで、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を目標過熱度に調節する。
このとき、制御装置5は、飽和蒸気St1の乾き度に関するパラメータとして、ボイラ2の燃焼量(ボイラ2が電気式の場合は電気ヒータの出力)、缶内圧力、ボイラ2への給水の水質、ボイラ2の缶水の濃縮度、ボイラ2の運転時間等のうちの少なくとも1つに基づいて、過熱器4の制御量及び流量調節弁211の制御量を制御する。ここでは、過熱器4の制御量は、上述した加熱出力であり、過熱器4が電気式である場合には、過熱器4内の電気ヒータへの電圧(インプット)、過熱器4が熱交換器式である場合には、過熱器4内に供給される熱交換媒体の供給量や温度(インプット)である。流量調節弁211の制御量は、流量調節弁211の弁開度である。
この場合、過熱度設定部11は、上記と同様に、現時点での蒸気供給経路3の放熱量と、飽和蒸気St1の乾き度に関するパラメータに基づいて算出した飽和蒸気St1の乾き度と、蒸気使用機器50で許容される過熱度とに基づいて目標過熱度を設定する。そして、制御装置5は、この目標過熱度と乾き度とに基づいて、過熱器4の加熱出力(制御量)及び流量調節弁211の弁開度(制御量)を算出し、算出した加熱出力となるように過熱器4を制御し、算出した弁開度となるように流量調節弁211を制御する。
なお、制御装置5は、過熱蒸気温度センサ8によって検出される過熱蒸気温度に基づいて流量調節弁211を制御しバイパス流量を調整するようにしてもよい。より詳細には、制御装置5は、過熱蒸気温度センサ8によって検出される過熱蒸気温度に応じた蒸気の実際の過熱度と目標過熱度との偏差に基づいて流量調節弁211を制御し、バイパス配管210への蒸気の流量を調節するようにしてもよい。
以上で説明した実施形態に係る蒸気供給システム201は、ドレンの発生を抑制することができるので、ドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失を低減することができ、これにより、例えば、より効率のよい運転を行うことができる。
さらに、以上で説明した実施形態に係る蒸気供給システム201によれば、蒸気供給経路3から分岐し過熱器4をバイパスして再び蒸気供給経路3と合流するバイパス配管210と、制御装置5によって制御され、過熱器4への蒸気の流量とバイパス配管210への蒸気の流量とを調節可能である流量調節弁211とを備える。したがって、蒸気供給システム201は、過熱器4をバイパスさせる飽和蒸気St1の流量を調節して過熱度を調節することで、単に過熱器4の加熱出力を調節して過熱度を調節させる場合と比較して、例えば、過熱器4等の装置全体の保有熱の影響等にかかわらず、応答性よく過熱蒸気St2の過熱度を調節することができる。
上述した本発明の実施形態に係る蒸気供給システムは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係る蒸気供給システムは、以上で説明した各実施形態の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
例えば、以上で説明した蒸気供給システム1、201は、圧力センサ6にかえて飽和蒸気配管31を送気される飽和蒸気St1の温度を検出する飽和蒸気温度センサを備えていてもよい。この場合、制御装置5は、飽和蒸気温度センサが検出した飽和蒸気St1の温度から飽和蒸気配管31内の送気圧力(飽和蒸気配管31を送気される飽和蒸気St1の圧力)を求めることができる。
また、上述した蒸気供給システム1、201は、複数の蒸気使用機器50に対応させて、複数系統の蒸気供給経路3(蒸気供給ライン)、過熱器4等を備えていてもよい。この場合、蒸気供給システム1、201は、複数系統ごと(つまり蒸気供給ラインごと、蒸気使用機器50ごと)に圧力区分するためのスチームヘッダ等を介して、複数系統の蒸気供給経路3が設けられる。この場合、制御装置5は、各系統ごとに、過熱器4に流入する飽和蒸気St1の乾き度に基づいて、それぞれの系統に対応する過熱器4を制御して、各過熱器4で過熱される蒸気の過熱度を、各系統ごとに所定の過熱度(目標過熱度)に制御すればよい。
1、201 蒸気供給システム
2 ボイラ(蒸気発生装置)
3 蒸気供給経路
4 過熱器(蒸気過熱装置)
5 制御装置
6 圧力センサ
7 外気温度センサ
8 過熱蒸気温度センサ
9 缶内圧力センサ
10 濃縮度センサ(検出器)
11 過熱度設定部
21 缶体
22 燃料供給経路
23 燃料弁
24 空気供給経路
25 ボイラ制御装置(計測器)
31 飽和蒸気配管
32 過熱蒸気配管
50 蒸気使用機器
51 スチームトラップ
210 バイパス配管
211 流量調節弁
St1 飽和蒸気
St2 過熱蒸気

Claims (5)

  1. 蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気を蒸気使用機器まで送気する蒸気供給経路と、
    前記蒸気供給経路上に設けられ、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気を過熱する蒸気過熱装置と、
    前記蒸気過熱装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータに基づいて、前記蒸気過熱装置を制御し、前記蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱度を所定の過熱度に制御することを特徴とする、
    蒸気供給システム。
  2. 前記蒸気発生装置は、燃料を燃焼させた際の燃焼熱によって蒸気を発生させるものであり、
    前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータは、前記蒸気発生装置での前記燃料の燃焼量、及び、前記蒸気発生装置内の圧力を含む、
    請求項1に記載の蒸気供給システム。
  3. 前記蒸気発生装置は、電気ヒータを熱源として蒸気を発生させるものであり、
    前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータは、前記蒸気発生装置での前記電気ヒータの出力、及び、前記蒸気発生装置内の圧力を含む、
    請求項1に記載の蒸気供給システム。
  4. 前記蒸気発生装置は、内部の水の濃縮度を検出する検出器を有し、
    前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータは、前記検出器によって検出される前記蒸気発生装置の内部の水の濃縮度を含む、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の蒸気供給システム。
  5. 前記蒸気発生装置は、運転時間を計測する計測器を有し、
    前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気の乾き度に関するパラメータは、前記計測器によって計測される前記蒸気発生装置の運転時間を含む、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の蒸気供給システム。
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