JP7151291B2 - 蒸気過熱装置、蒸気過熱システム - Google Patents
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Description
ヒータ20は、飽和蒸気を加熱して過熱蒸気を生成するものである。ヒータ20は、ガス焚きの燃焼バーナ方式の蒸気過熱装置であり、ヒータ20で加熱された過熱蒸気が負荷機器(図示省略)に供給される。
筐体25は、その内部に蒸気流通パイプ26やバーナ等を収容する。蒸気流通パイプ26は、筐体25の内部にらせん状に形成されている。バーナは、筐体25の上部であって、らせん状に形成される蒸気流通パイプ26の内側の領域に配置される。また、バーナは、パイロットバーナ及びメインバーナによって構成されている。
バーナの燃焼によって蒸気流通パイプ26を通過する飽和蒸気が加熱されて過熱蒸気が生成される。
また、本実施形態の蒸気流通パイプ26には、蒸気流通パイプ26の温度を検知するパイプ温度検知部としてのパイプ温度センサ27が設けられている。パイプ温度センサ27は、蒸気流通パイプ26自体の温度を測定する。パイプ温度センサ27の測定情報は、制御部60に送信される。
蒸気流量計13は、蒸気供給ライン10に配置され、蒸気供給ライン10を流れる蒸気の流量を測定する。蒸気流量計13の測定情報は、制御部60に送信される。
蒸気調整弁14は、蒸気供給ライン10における蒸気流量計13の下流側に配置される。蒸気調整弁14は、蒸気供給ライン10を流れる蒸気の流量を調整可能に構成される電動式の流量調整弁である。
スチームトラップ16は、ドレンライン15に配置される。ドレンは、スチームトラップ16で分離され、回収される。
燃料供給ライン30は、その上流側の端部が燃料ガス供給源(図示省略)に接続される。燃料供給ライン30は、下流側の端部がヒータ20に接続される。燃料ガス供給源から供給された燃料ガスは、燃料供給ライン30を通じて、ヒータ20に供給される。
過熱蒸気供給ライン40は、その上流側の端部がヒータ20の蒸気流通パイプ26の下流側の端部に接続される。
この過熱蒸気供給ライン40を通じて、ヒータ20で加熱された過熱蒸気を、負荷機器(図示省略)に供給する。
なお、制御部60は、上述のように複数の機能ブロックにより構成されているが、各ブロックは必ずしも物理的に分かれている必要は無く、複数のブロックの機能を1つのCPUで実現できるように構成してもよい。
また、制御部60は、図1に示すように、ヒータ20と一体的に設けられていてもよいし、別体のコントロールユニット等に設けられていてもよい。なお、制御部60を、ヒータとは別体に設けられた第1制御部と、ヒータ20と一体的に設けられた第2制御部とにより構成し、所謂分散制御方式を採用してもよい。
具体的には、運転制御部62は、運転制御開始の指示を受け付けると、ヒータ20に接続される蒸気調整弁14は、開状態に制御され、飽和蒸気が蒸気供給ライン10を通じてヒータ20に供給される。ヒータ20に供給された飽和蒸気は、蒸気流通パイプ26を通過する過程でバーナの燃焼によって加熱され、過熱蒸気として過熱蒸気供給ライン40に送られる。過熱蒸気供給ライン40に送られた過熱蒸気は、負荷機器に供給される。
また、運転制御部62は、蒸気流量計13及び過熱蒸気温度センサ51の測定情報を適宜のタイミングで取得し、これらの測定情報等に基づいて蒸気調整弁14及び燃料調整弁33を制御する。例えば、過熱蒸気温度センサ51の測定情報に基づいて、過熱蒸気の温度が所定の温度となるようにバーナの燃焼量を制御して過熱蒸気を生成する。また、蒸気流量が所定流量、すなわち最低流量よりも下がったことを蒸気流量計13の測定情報から検知した場合は、蒸気調整弁14及び燃料調整弁33を閉止し、燃焼制御を停止するような制御を行う。
具体的には、予熱制御部63は、予熱制御開始の指示を受け付けると、バーナの燃焼を制御して予熱制御を行う。このとき、パイプ温度センサ27により取得したパイプ温度が第1の所定値よりも低い場合は、バーナの燃焼を開始する。そして、パイプ温度が第2の所定値以上になったら、バーナの燃焼を止める。例えば、蒸気流通パイプ26を構成する金属の耐熱温度等を考慮して、第1の所定値を620℃とし、第2の所定値を650℃としてもよい。このようにすれば、運転制御を行っていないときにおいても、蒸気流通パイプ26の温度を所定の範囲内の温度、例えば620℃~650℃程度に保つことができる。
よって、この構成により、運転制御開始後、速やかに設定温度の過熱蒸気が得られる。すなわち、運転制御開始時においても、過熱蒸気が低い温度で排出されることを防止し、負荷機器に過熱蒸気を安定的に供給することが可能となる。また、運転開始後、過熱蒸気を所定の温度とするまでの時間を短縮し、負荷機器に所定の温度の過熱蒸気を早期に供給することが可能となる。
また、予熱制御時において、蒸気流通パイプ26の温度を直接センシングしているため、蒸気流通パイプ26が耐熱温度以上の温度に上昇することがない。
また、蒸気流通パイプ26の温度が過度に上昇し、蒸気流通パイプ26内の圧力が上昇した場合は、蒸気調整弁14を制御して、蒸気流通パイプ26を流れる蒸気の流量を増やしてもよい。また、蒸気流通パイプ26への蒸気の供給を停止している場合は、蒸気の供給を再開してもよい。
ここで、運転制御部62により制御される加熱部としてのバーナと、予熱制御部63により制御される加熱部としてのバーナは、同じものであるため、装置としてシンプルに構成することができる。なお、予熱制御部63による加熱部として、運転制御部62により制御される加熱部とは別の加熱部、例えばハロゲンランプヒータなどを用いてもよい。
なお、予熱制御から運転制御への切り替えは、手動であってもよいし、自動であってもよい。例えば、オペレータによる開始指示等に基づき、手動で切り替わる態様であってもよい。また、蒸気流通パイプ26の温度が所定の目標温度となった場合等において、自動で切り替わる態様であってもよい。なお、運転制御から予熱制御への切り替えについても、手動であってもよいし、自動であってもよい。
ステップS1では、受付部64は、オペレータによる電源オン動作や、タイマやトリガ信号等に基づく電源オン動作に応じて生成される予熱制御開始指示信号を受け付けたか否かを判定する。
受付部64が、予熱制御開始指示信号を受け付けていない場合は、ステップS1に戻る。
受付部64が、予熱制御開始指示信号を受け付けた場合は、ステップS2へ移行する。ステップS2では、予熱制御部63は、パイプ温度センサ27の出力に基づく予熱制御を実行する。
受付部64が、運転制御開始指示信号を受け付けていない場合は、ステップS2に戻る。
受付部64が、運転制御開始指示信号を受け付けた場合は、ステップS4へ移行する。ステップS4では、運転制御部62は、過熱蒸気温度センサ51の出力に基づく運転制御を実行する。
また、運転制御開始後、受付部64が、予熱制御開始指示信号を受け付けた場合に、運転制御を終了し、予熱制御部63が、パイプ温度センサ27の出力に基づく予熱制御を実行してもよい。
よって、予熱制御部63が、蒸気流通パイプ26の温度に基づいて予熱制御を行うため、常に蒸気流通パイプ26を加熱しておくことが可能となる。よって、運転制御開始後、速やかに設定温度の過熱蒸気が得られる。また、予熱制御時において、蒸気流通パイプ26の温度を直接センシングしているため、蒸気流通パイプ26が耐熱温度以上の温度に上昇することがない。
よって、予熱制御時において、蒸気の供給量を低下させた状態で蒸気流通パイプの加熱制御を行うため、迅速に蒸気流通パイプの温度を上げることができる。
なお、予熱制御時においては、蒸気流通パイプの温度に基づいて蒸気流通パイプの加熱制御をしているため、蒸気の供給量を低下させた状態で予熱制御を行っても、蒸気流通パイプが耐熱温度以上の温度に上昇することがない。
よって、予熱制御時において、蒸気の供給を停止させた状態で蒸気流通パイプの加熱制御を行うため、迅速に蒸気流通パイプの温度を上げることができる。
なお、予熱制御時においては、蒸気流通パイプの温度に基づいて蒸気流通パイプの加熱制御をしているため、蒸気の供給を停止した状態で予熱制御を行っても、蒸気流通パイプが耐熱温度以上の温度に上昇することがない。
よって、運転制御の開始時に、予熱制御から運転制御に切り替わるため、運転制御時においては、蒸気流通パイプ26の温度に基づく加熱制御が行われることがない。よって、過熱蒸気の温度に基づく適切な運転制御が実行される。
次に、第2実施形態について説明する。図4は、複数の蒸気過熱装置としてのヒータを備える蒸気過熱システム1において、複数のヒータとして、第1実施形態のヒータ20を適用した場合の蒸気過熱システム1の概略を示す図である。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
分散制御を採用する場合は、制御部600が有する複数の機能ブロックのうち、一部の機能ブロックが、ヒータ制御部21に設けられる。
例えば、制御部600が、台数設定部61を備え、ヒータ制御部21が、各ヒータを制御するための運転制御部、予熱制御部、受付部、切替制御部を備える態様であってもよい。
この場合、各ヒータ制御部21は、制御部600から指令信号に基づき、運転制御部、予熱制御部等の制御を実行する。
具体的には、台数設定部61は、複数のヒータ20について、運転制御中または運転制御を実行すべき運転対象ヒータと、それ以外の運転対象外ヒータとを分別し、運転制御部62は、運転対象ヒータについて、過熱蒸気温度センサ51の測定情報としての過熱蒸気の温度に基づく運転制御を実行し、予熱制御部63は、運転対象外ヒータについて、当該ヒータに設けられたパイプ温度センサ27の出力に基づく予熱制御を実行する。なお、過熱蒸気温度センサ51に替えて、ヘッダ温度センサ53を用いて過熱蒸気の温度の情報を取得し、運転制御を行ってもよい。この場合、共通の温度センサから測定情報に基づき、運転制御を行うことができる。
ここで、運転対象ヒータと、運転対象外ヒータとの分別は、各ヒータ20に対する指令信号に基づいて行ってもよく、また、各ヒータからの信号に基づいて行ってもよく、いかなる手法も採用可能である。
なお、蒸気過熱システム1は、全体としてみると、運転制御と予熱制御の並列同時制御を行っている。
(5)本実施形態における蒸気過熱システム1は、複数のヒータ20を備え、制御部600は、要求負荷に基づき、運転制御を継続または実行運転すべきヒータとしての運転対象ヒータの台数を決定し、運転制御部62は、運転対象ヒータについて、過熱蒸気の温度に基づく運転制御を実行し、予熱制御部63は、運転対象ヒータ以外の運転対象外ヒータについて、予熱制御を実行する。
よって、ヒータ20を複数台備える蒸気過熱システム1においても、ヒータ20ごとに適切な制御状態とすることが可能となり、速やかに設定温度の過熱蒸気が得られるようになる。例えば、必要な蒸気量が増加し、運転対象となるヒータ20の台数を増やす必要がある場合においても、運転対象外とされているヒータ20に対して常に予熱制御が実行されているため、このような予熱済みのヒータ20を運転対象に追加することで、速やかに設定温度の過熱蒸気が得られるようになる。
10 蒸気供給ライン
14 蒸気調整弁(流量調整弁)
20 ヒータ(蒸気過熱装置)
21 ヒータ制御部
26 蒸気流通パイプ
27 パイプ温度センサ
40 過熱蒸気供給ライン
51 過熱蒸気温度センサ
60 制御部
600 制御部
61 台数設定部
62 運転制御部
63 予熱制御部
64 受付部
65 切替制御部
Claims (5)
- 蒸気を加熱して過熱蒸気を生成する蒸気過熱装置であって、
蒸気が流通する蒸気流通パイプと、
前記蒸気流通パイプを加熱する加熱部と、
前記蒸気流通パイプの温度を検知するパイプ温度検知部と、
制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記過熱蒸気の温度に基づいて、前記加熱部を制御して過熱蒸気を生成するための運転制御を実行する運転制御部と、
前記パイプ温度検知部の出力に基づいて、前記加熱部を制御して、前記蒸気流通パイプの温度が所定の温度となるように予熱するための予熱制御を実行する予熱制御部と、を有する蒸気過熱装置。 - 前記予熱制御部は、前記予熱制御時において、前記加熱部による加熱制御を実行し、かつ前記蒸気の流量を予熱時流量に低下させるための制御を実行する、請求項1に記載の蒸気過熱装置。
- 前記予熱制御部は、前記予熱制御時において、前記加熱部による加熱制御を実行し、かつ前記蒸気の供給を停止するための制御を実行する、請求項1に記載の蒸気過熱装置。
- 前記制御部は、
前記運転制御の開始を受け付ける受付部と、
前記予熱制御部による予熱制御中に、前記受付部により前記運転制御の開始指示を受け付けた場合に、前記予熱制御部による前記予熱制御から、前記運転制御部による運転制御に切り替える切替制御部と、をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の蒸気過熱装置。 - 請求項1~4のいずれか1つに記載の前記蒸気過熱装置を複数備える蒸気過熱システムであって、
前記制御部は、要求負荷に基づき、前記運転制御を継続または実行運転すべき蒸気過熱装置としての運転対象過熱装置の台数を決定し、
前記運転制御部は、前記運転対象過熱装置について、前記過熱蒸気の温度に基づく前記運転制御を実行し、
前記予熱制御部は、前記運転対象過熱装置以外の運転対象外過熱装置について、前記予熱制御を実行する、蒸気過熱システム。
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