JP3628871B2 - 給湯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は給湯装置に関するものであり、さらに詳しくは熱交換器から出湯される湯を所定の給湯場所に供給する給湯管と、熱交換器に水を供給する給水管と、給水管から分岐するバイパス管とを備え、前記給水管により供給される水の一部を該バイパス管を介して、前記給湯管に流入させるようにした給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図1示のように、所定流量の水を供給する給水管5と、ガスバーナ6により加熱され、供給された水と熱交換して湯を得る熱交換器7と、熱交換器7から出湯される湯を台所等の給湯場所に供給する給湯管8とを備える給湯装置が知られている。前記給湯装置では、台所等に設けられたカラン26を開くと、流量センサ12により流水が検出され、コントローラ4によりガスバーナ6が作動されて給湯運転が開始される。このとき、コントローラ4は、流量センサ12により検出される流量、給水温度センサ11により検出される給水温度、給湯温度設定手段55により設定される給湯設定温度に基づいて、前記給湯設定温度と略一致する温度の湯がカラン26から供給されるようにガスバーナ6の燃焼量を制御する。
【0003】
また、図1示の給湯装置では、給水管5から分岐するバイパス管9を備え、給水管5により供給される水の一部をバイパス管9を介して給湯管8に流入させるようになっている。このとき、従来の給湯装置では、熱交換器7に供給される水の流量と、バイパス管9に供給される水の流量との割合は、バイパス管9に設けられたバイパスサーボ13により制御されるようになっている。前記バイパスサーボ13による制御は前記給湯設定温度と給水温度とに基づいて、例えば、前記給湯設定温度が変化しても熱交換器7から出湯される湯の温度が変化しないで、所定の出湯温度(例えば給水温度+55℃)になるように行われる。
【0004】
前記給湯装置では、バイパス管9を備えることにより、熱交換器7に供給される水の流量が低減されるので熱交換器7を小型化することができると共に、十分な給湯量が得られ、また、たとえ給湯温度が低く設定されたとしても熱交換器7に供給される水を熱交換器7でドレンが発生しない温度まで昇温することができる。
【0005】
ここで、前記給水温度を求める手段として、次の2つが考えられている。その1つは前記給水温度センサ11により給水温度を直接検出するものであり、今1つは、給湯管8に給湯温度を検出する給湯温度センサ14を設け、該給湯温度センサ14により検出される出湯温度と、前記流量センサ12で検出される水の流量と、ガスバーナ6の燃焼による加熱量とから間接的に給水温度を算出するものである。
【0006】
しかし、前記給水温度センサ11により給水温度を検出するものでは、給湯運転停止時には給水管内に水が滞留するため、給湯運転開始直後には給水温度を正確に検出することができないという問題がある。また、給水温度センサ11の検出精度(分解能)が低い場合には給水温度の変化がわずかであっても検出される給水温度が大きく変化する場合が生じるという問題がある。
【0007】
さらに、間接的に給水温度を算出するものでは、前記給湯温度、流量センサ12で検出される水の流量、加熱量のそれぞれの誤差が累積し、検出される給水温度の誤差が大きくなるという問題がある。このように、検出される給水温度は頻繁に大きく変動する虞があり、前述したように給水温度に基づいてバイパスサーボ13を制御するものでは、給水温度の変動によりバイパスサーボ13の状態が不安定になって、給湯温度がふらついてしまい使用者に不快感を与えることがある。
【0008】
そこで、前記諸問題を解決するために、まず、前記給水温度センサ11の検出精度を高くする(例えばマイコンの分解能を高くする)ことが考えられるが、このようにするとコストの上昇が避けられない。
【0009】
また、給湯温度の変動を防止するために、給水温度に係わらず所定のバイパス比で、熱交換器7に供給される水の流量と、バイパス管9に供給される水の流量との割合を制御することが考えられる。しかしながら、このようにすると給水温度が低下したときには熱交換器7でドレンが発生する虞があり、給水温度が上昇したときには熱交換器7に供給された水が過熱されて異常に高温の湯が出湯される虞があるとの不都合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、検出される給水温度の変動に伴う給湯温度のふらつきを防止することができると共に、安定した出湯特性を得ることができ熱交換器におけるドレンの発生及び過熱による異常高温の出湯を防止することができる給湯装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の給湯装置は、所定流量の水を供給する給水管と、加熱手段により加熱され供給された水と熱交換して湯を得る熱交換器と、該熱交換器から出湯される湯を所定の給湯場所に供給する給湯管と、該給水管から分岐して該給水管により供給される水の一部を該給湯管に流入させるバイパス管と、該給水管により供給される水の温度を給水温度として検出する給水温度検出手段と、給湯温度を設定する給湯温度設定手段と、該給水管の流量、該給水温度、該給湯温度設定手段により設定される給湯設定温度に基づいて該給湯設定温度の湯が得られるように該加熱手段の加熱量を制御する加熱制御手段と、該熱交換器に供給される水の流量と該バイパス管に供給される水の流量との比率を制御する流量制御手段とを備える給湯装置において、給湯運転が行われるときに前記熱交換器に供給される水の流量に対する前記バイパス管に供給される水の流量の比である給水バイパス比を決定するバイパス比決定手段を設け、該バイパス比決定手段は、前記給湯運転中に所定の仮バイパス比に従って前記流量制御手段の制御が行われると仮定したときに、前記給湯設定温度と、前記給水温度と、該仮バイパス比とに基づいて前記熱交換器から出湯される湯の予測出湯温度を算出し、該予測出湯温度が該熱交換器でドレンが発生する温度より高く、前記熱交換器から出湯される湯が異常に高温とされる温度未満の範囲内であるときは、該仮バイパス比を給水バイパス比として決定し、該予測出湯温度が前記範囲外であるときは、前記給湯設定温度と、前記給水温度とに基づいてバイパス比を算出し、該バイパス比を給水バイパス比として決定し、前記流量制御手段は該バイパス比決定手段により決定された給水バイパス比に従って、前記熱交換器に供給される水の流量と前記バイパス管に供給される水の流量との比率を制御することを特徴とする。
【0012】
本発明の給湯装置によれば、バイパス比決定手段は、まず、所定の仮バイパス比を用いて、前記熱交換器から出湯される湯の予測出湯温度を算出する。前記バイパス比決定手段は、次に、該予測出湯温度が前記熱交換器でドレンが発生する温度より高く、前記熱交換器から出湯される湯が異常に高温とされる温度未満の範囲内、即ち熱交換器を劣化させない範囲であるときは該仮バイパス比をそのまま給水バイパス比として決定し、該給水バイパス比により前記熱交換器に供給される水の流量と前記該バイパス管に供給される水の流量との割合を制御する。
【0013】
従って、本発明の給湯装置によれば、前記熱交換器に供給される水の流量と前記該バイパス管に供給される水の流量との割合は、給水温度に関わり無く決定されることになり、給湯温度が給水温度の変動に応じてふらつくことを防止して、該給湯温度を安定したものとすることができる。
【0014】
また、前記予測出湯温度が前記範囲外であるときは、新たに前記給湯設定温度と、前記給水温度とに基づいてバイパス比を算出し、該バイパス比を給水バイパス比として決定し、該給水バイパス比により前記熱交換器に供給される水の流量と前記該バイパス管に供給される水の流量との割合を制御する。
【0015】
本発明の給湯装置によれば、前述のように、前記仮バイパス比により前記熱交換器におけるドレンの発生が予測されるか、熱交換器から異常に高温の出湯が予測されるときには、別途バイパス比を算出して該バイパス比を給水バイパス比として決定するので、前記ドレンの発生及び異常高温の出湯を防止することができ、熱交換器の劣化を防止することができる。
【0016】
前記仮バイパス比は、給湯設定温度により変化し、具体的には給湯設定温度が高いほど仮バイパス比が小さくなるように設定する。
【0017】
例えば、前記仮バイパス比が固定されたものであると、熱交換器の出湯温度は給湯設定温度が高いほど高くなり、給湯設定温度が低いほど低くなる。そのため、給湯設定温度が高いときには給水温度がわずかに高いだけで、前記熱交換器から出湯される湯が前記異常高温になり、給湯設定温度が低いときには給水温度がわずかに低いだけで、前記熱交換器でドレンが発生してしまう。そこで、本発明では、前記仮バイパス比を給湯設定温度に応じて設定することにより、前記熱交換器でドレンが発生する温度より高く、前記熱交換器から出湯される湯が異常高温とされる温度未満の範囲に対応する給水温度幅を広くすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の給湯装置のシステム構成図であり、図2はバイパス比決定手段の作動を説明するブロック図である。
【0019】
図1示のように本実施形態の給湯装置1は、給湯部2と追焚き部3とからなり、コントローラ4により給湯部2と追焚き部3とを制御する構成となっている。
【0020】
給湯部2は、図示しない水道管と接続されて所定流量の水を供給する給水管5、コントローラ4からの制御信号により作動する給湯バーナ6(加熱手段)によって加熱される給湯熱交換器7、給湯熱交換器7で加熱された湯が出湯される給湯管8、給水管5に給水される水の一部を給湯管8に流入させるバイパス管9、コントローラ4からの制御信号により給水管5の開度を制御する水量サーボ10、給水される水の温度を検出してコントローラ4に出力する給水温度センサ11、給水管5を通過する水流の有無を検出してコントローラ4に出力する流量センサ12、コントローラ4からの制御信号によりバイパス管9の開度を調節して熱交換器7に供給される水の流量とバイパス管9に供給される水の流量との割合を制御するバイパスサーボ13(流量制御手段)、バイパス管9との合流点の下流の給湯管8の中の湯の温度を検出してコントローラ4に出力する給湯温度センサ14及び給湯熱交換器7の出口付近の湯の温度を検出してコントローラ4に出力する熱交温度センサ15を備える。
【0021】
また、ガス供給管16にはコントローラ4からの制御信号により開閉される元ガス電磁弁17が備えられ、元ガス電磁弁17の下流でガス供給管16から分岐して給湯バーナ6に燃料ガスを供給する給湯ガス供給管16aには、給湯ガス電磁弁18,19と、コントローラ4からの制御信号によりその開度が調節される給湯ガス比例弁20とが備えられる。
【0022】
21は給湯バーナ6に燃焼用空気を供給する給湯燃焼ファンであり、コントローラ4からの制御信号によりその回転速度が可変される。22はコントローラ4からの制御信号によりイグナイタ23を介して高電圧が印加され、給湯バーナ6に点火する給湯点火プラグであり、24は給湯バーナ6の燃焼状態を検出してコントローラ4に出力する給湯フレームロッドであり、25は給湯熱交換器7や給湯管8内の水圧が所定圧力以上まで上昇したときに開弁して、過剰圧力を逃がす過圧逃し弁である。給湯管8の先端には、カラン26が接続されている。
【0023】
一方、追焚き部3は、コントローラ4からの制御信号により作動する風呂バーナ31によって加熱される風呂熱交換器32、コントローラ4からの制御信号により浴槽33内の湯を循環路34,風呂熱交換器32を介して循環させる循環ポンプ35、浴槽33内の湯の温度を検出してコントローラ4に出力する風呂温度センサ36、及び循環路34中の水流の有無を検出してコントローラ4に出力する水流スイッチ37を備える。
【0024】
また、元ガス電磁弁17の下流でガス供給管16から分岐して風呂バーナ31に燃料ガスを供給する風呂ガス供給管16bには、コントローラ4からの制御信号により開閉される風呂ガス電磁弁38と、コントローラ4からの制御信号によりその開度が調節される風呂ガス比例弁39とが備えられる。
【0025】
40は風呂バーナ31に燃焼用空気を供給する風呂燃焼ファンであり、コントローラ4からの制御信号によりその回転速度が可変される。41はコントローラ4からの制御信号によりイグナイタ23から高電圧が印加されて、風呂バーナ31に点火する風呂点火プラグであり、42は風呂バーナ31の燃焼状態を検出してコントローラ4に出力する風呂フレームロッドである。
【0026】
また、循環路34は、コントローラ4からの制御信号により開閉される注湯電磁弁43,風呂給湯管44,三方弁45を介して給湯管8と接続される。これにより、注湯電磁弁43を開弁することで、給湯部2から浴槽33への給湯路が形成されて給湯が行われる。尚、46は浴槽33への給湯流量を検出してコントローラ4に出力する流量センサ、47は浴槽43内の湯の水位を静水圧により検出し、コントローラ4に出力する水位センサである。
【0027】
コントローラ4は、給湯制御手段51、追焚き制御手段52、湯張り制御手段53、バイパス比決定手段54とを含んで、CPU、ROM、RAM等により構成され、給湯温度設定手段55を備えるリモコン56によって指示される各種運転モードに応じて給湯部2と追焚き部3の制御を行う。
【0028】
次に、本実施形態の給湯装置1の一般的な作動について説明する。
【0029】
給湯装置1により給湯運転を行うときには、まず、運転スイッチ(図示せず)を操作することにより、給湯装置1全体が運転待機状態となり、使用者がリモコン56の給湯温度設定手段55により給湯温度を設定する。この状態で、使用者が給湯配管25の先端に接続されたカラン26を開けると、給水管8への給水が開始され、流量センサ12で流水が検出される。コントローラ4は、流量センサ12からの出力により、給水管8への給水の開始を認識したときは給湯燃焼ファン21を作動させ、元ガス電磁弁17,給湯ガス比例弁20,給湯ガス電磁弁18,19を開弁し、イグナイタ23に高電圧を印加して給湯点火プラグ22に火花放電を生じさせて給湯バーナ6の点火処理を行う。
【0030】
コントローラ4に備えられた給湯制御手段51は、給湯フレームロッド24の出力により、給湯バーナ6の点火がなされたことを認識したときは、給湯温度センサ14の検出温度と、給湯温度設定手段55で設定された給湯設定温度とが一致するように、給湯ガス比例弁20の開度、給湯燃焼ファン21の回転速度、給湯ガス電磁弁18,19の開閉、及び水量サーボ10の開度を調節する給湯制御を実行する。これにより、使用者が給湯温度設定手段55で設定した温度と略一致する温度の湯がカラン26から供給される。
【0031】
また、使用者が、リモコン56の自動湯張りスイッチ(図示せず)を操作すると、コントローラ4は自動運転を開始し、湯張り制御手段53が先ず注湯電磁弁43を開弁する。注湯電磁弁43の開弁により給水管5への給水が開始され、上述した使用者がカラン26を開けたときと同様にして、給湯バーナ6が点火され、給湯管8から、注湯電磁弁43、風呂給湯管44、三方弁45、及び循環路34を経由して前記給湯設定温度での給湯(湯張り)が実行される。
【0032】
湯張り制御手段53は、流量センサ46からの出力に基づいて浴槽33への給湯量を累積し、累積値が所定の湯張り量に達すると注湯電磁弁43を閉弁して浴槽33への給湯(湯張り)を終了する。
【0033】
コントローラ4は浴槽33への湯張り終了後、風呂温度センサ36の出力により浴槽33内の湯の温度を検出し、検出温度が所定の沸き上げ温度未満であったときには、追焚き制御手段52を作動させて、該沸き上げ温度まで浴槽33内の湯を昇温させる。
【0034】
この昇温を行うときには、コントローラ4に備えられた追焚き制御手段52は、風呂ポンプ35を作動させて浴槽33内の湯を循環路34を介して循環させると共に、風呂燃焼ファン40を作動させ、元ガス電磁弁17,風呂ガス比例弁39,風呂ガス電磁弁38を開弁し、イグナイタ23を介して風呂点火プラグ41に高電圧を印加して火花放電を生じさせ、風呂バーナ31の点火処理を行う。
【0035】
そして、追焚き制御手段52は、風呂フレームロッド42の出力により、風呂バーナ31の点火がなされたことを認識したときは、風呂温度センサ36の検出温度が前記沸き上げ温度に達するまで、風呂バーナ31の燃焼を継続する。これにより、浴槽33内の湯が前記沸き上げ温度まで昇温される。
【0036】
尚、追焚き制御手段52は、浴槽33内の湯が前記沸き上げ温度となった後、所定時間、例えば4時間の間は、浴槽33内の湯の温度がほぼ該沸き上げ温度に保たれるように、風呂バーナ31を断続的に燃焼させる風呂保温動作を行う。
【0037】
次に、図2を参照して、前記給湯制御手段51による給湯運転の際のバイパス比決定手段54の作動について説明する。
【0038】
本実施形態の給湯装置1では、バイパスサーボ13は熱交換器7に供給される水の流量とバイパス管9に供給される水の流量との割合を制御する流量制御手段であり、その開度はコントローラ4に備えられたバイパス比決定手段54により決定される給水バイパス比に従う。
【0039】
バイパス比決定手段54は、給湯開始時に、給水管5への給水に伴い給湯バーナ6が点火されると、まず、仮バイパス比BFを算出する。仮バイパス比BFは、給湯装置1で通常用いられるバイパス比の範囲で選択されればよく、例えば、次式(1)で算出される。
【0040】
【数1】
Figure 0003628871
【0041】
式(1)は、前記給湯温度設定手段55により設定される給湯設定温度に従って仮バイパス比BFを算出するものであり、給水管5に給水される水の温度が通常10〜25℃の範囲にあるものとしてその代表値を15℃とするとともに、前記給湯設定温度をTset として、給湯設定温度Tset が50℃のときに仮バイパス比BFが0になり、給湯設定温度Tset が35℃のときに仮バイパス比BFが1.25になるように定められている。従って、式(1)を用いると、給水温度の変動に関わることなく、給湯設定温度Tset だけに基づいて仮バイパス比BFを算出することができる。
【0042】
次に、バイパス比決定手段54は、前記給湯運転中に、式(1)で算出される仮バイパス比BFに従ってバイパスサーボ13が熱交換器7に供給される水の流量とバイパス管9に供給される水の流量との割合を制御すると仮定したときに、前記給湯設定温度Tset と、給水温度センサ11で検出される給水温度Tinと、該仮バイパス比BFとに基づいて、熱交換器7から出湯される湯の予測出湯温度Thexbを算出する。
【0043】
ここで、熱交換器7に供給される水の流量をv、バイパス管9に供給される水の流量をvとすると、
(Thexb−Tset )=v(Tset −Tin) , BF=v/v
の関係があるので、バイパス比BFは、
【0044】
【数2】
Figure 0003628871
【0045】
のように表すことができる。(2)式を変形すると、
【0046】
【数3】
Figure 0003628871
【0047】
となる。従って、予測出湯温度Thexbは次式(3)で表すことができる。
【0048】
【数4】
Figure 0003628871
【0049】
次に、バイパス比決定手段54は、式(3)により算出される予測出湯温度Thexbが熱交換器7でドレンが発生する温度(例えば49℃)より高く、熱交換器7から出湯される湯が異常高温とされる温度(例えば71℃)未満の範囲内であるときは、前記仮バイパス比BFを給水バイパス比として決定し、バイパスサーボ13に出力する。
【0050】
また、バイパス比決定手段54は、式(3)により算出される予測出湯温度Thexbが熱交換器7でドレンが発生する温度(例えば49℃)以下であるか、熱交換器7から出湯される湯が異常高温とされる温度(例えば71℃)以上であるときには、前記給湯設定温度Tset と前記給水温度Tinとに基づいて、新たなバイパス比BFを算出し、これを給水バイパス比として決定し、バイパスサーボ13に出力する。
【0051】
前記新たなバイパス比BFは、式(2)において、BF=BFとすることにより、次式(4)で表される。
【0052】
【数5】
Figure 0003628871
【0053】
そこで、式(4)を変形すると、次式(5)が得られる。
【0054】
【数6】
Figure 0003628871
【0055】
そこで、新たなバイパス比BFは、式(3)により算出される予測出湯温度Thexbが熱交換器7でドレンが発生する温度、例えば49℃以下であるときには式(5)においてThexb=50とすることにより、次式(6)により算出される。また、前記予測出湯温度Thexbが熱交換器7から出湯される湯が異常高温とされる温度、例えば71℃以上であるときには式(5)においてThexb=70とすることにより、次式(7)により算出される。
【0056】
【数7】
Figure 0003628871
【0057】
前記のようにして、バイパス比決定手段54により決定された給水バイパス比は、前記給湯運転の間、固定されており、給水温度が変化しても該変化に応じて変更されることがない。
【0058】
この結果、本実施形態の給湯装置1では、予測出湯温度が所定範囲内のときは給水温度の変化に関係なくバイパス比が決定されるため、給湯温度を安定化することができ、しかも予測出湯温度が所定範囲外のときは給水温度を考慮してバイパス比が決定されるため、ドレンの発生や、前記出湯温度が異常高温となることを防止できる。
【0059】
尚、本実施形態では、仮バイパス比BFを式(1)により算出しているが、仮バイパス比BFが給湯装置1で通常用いられるバイパス比の範囲となるものであれば他の式により算出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の給湯装置のシステム構成図。
【図2】バイパス比決定手段の作動を説明するブロック図。
【符号の説明】
1…給湯装置、 5…給水管、 6…加熱手段、 7…熱交換器、 8…給湯管、 9…バイパス管、 11…給水温度検出手段、 13…流量制御手段、51…加熱制御手段、 54…バイパス比決定手段、55…給湯温度設定手段。

Claims (2)

  1. 所定流量の水を供給する給水管と、加熱手段により加熱され供給された水と熱交換して湯を得る熱交換器と、該熱交換器から出湯される湯を所定の給湯場所に供給する給湯管と、該給水管から分岐して該給水管により供給される水の一部を該給湯管に流入させるバイパス管と、該給水管により供給される水の温度を給水温度として検出する給水温度検出手段と、給湯温度を設定する給湯温度設定手段と、該給水管の流量、該給水温度、該給湯温度設定手段により設定される給湯設定温度に基づいて該給湯設定温度の湯が得られるように該加熱手段の加熱量を制御する加熱制御手段と、該熱交換器に供給される水の流量と該バイパス管に供給される水の流量との比率を制御する流量制御手段とを備える給湯装置において、給湯運転が行われるときに前記熱交換器に供給される水の流量に対する前記バイパス管に供給される水の流量の比である給水バイパス比を決定するバイパス比決定手段を設け、
    該バイパス比決定手段は、前記給湯運転中に所定の仮バイパス比に従って前記流量制御手段の制御が行われると仮定したときに、前記給湯設定温度と、前記給水温度と、該仮バイパス比とに基づいて前記熱交換器から出湯される湯の予測出湯温度を算出し、
    該予測出湯温度が該熱交換器でドレンが発生する温度より高く、前記熱交換器から出湯される湯が異常高温とされる温度未満の範囲内であるときは、該仮バイパス比を給水バイパス比として決定し、
    該予測出湯温度が前記範囲外であるときは、前記給湯設定温度と、前記給水温度とに基づいてバイパス比を算出し、該バイパス比を給水バイパス比として決定し、
    前記流量制御手段は該バイパス比決定手段により決定された給水バイパス比に従って、前記熱交換器に供給される水の流量と前記バイパス管に供給される水の流量との比率を制御することを特徴とする給湯装置。
  2. 前記仮バイパス比は前記給湯設定温度に応じて変化することを特徴とする請求項1記載の給湯装置。
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