JP2014055696A - 蒸気過熱システム - Google Patents

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Abstract

【課題】過熱器で飽和蒸気を過熱する際の飽和蒸気への伝熱量が低下することを抑制し、飽和蒸気を安定して過熱することができる蒸気過熱システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る蒸気過熱システム10は、ボイラ12と、過熱器13と、飽和蒸気配管L12と、過熱蒸気配管L13とを有し、過熱器13への過熱媒体21の供給を停止している時に、過熱器13の伝熱管23に洗浄媒体として飽和蒸気St1を送気して、過熱器13内の洗浄を行うものである。これにより、伝熱管23の内面に付着した蒸発残渣を除去して伝熱管23の内面の洗浄を行なうことができるので、飽和蒸気St1を過熱する際に飽和蒸気St1への伝熱量が低下するのが抑制され、飽和蒸気St1を安定して過熱することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気過熱システムに関する。
飽和蒸気は、温度の制御が簡単であり、熱の輸送も容易であるといった理由から熱源として広く利用されている。飽和蒸気の温度は蒸気圧力によって定まっているため、飽和蒸気の圧力を調節することで飽和蒸気の温度を制御することができる。
従来より、ボイラから排出される飽和蒸気を過熱器を用いて過熱した後、蒸気使用機器に送気する蒸気供給システムが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1では、バーナにより加熱して飽和蒸気を発生させる蒸気ボイラと、蒸気ボイラで発生した飽和蒸気を蒸気ボイラから排出される排出ガスによって過熱蒸気にする過熱器とを備えた過熱蒸気発生装置が開示されている。
特許文献2では、多数の伝熱管群で構成された管群構造を有するボイラにおいて、上流側缶体と下流側缶体との間に伝熱蒸気管を持った蒸気過熱器を設けて伝熱蒸気管内を通る飽和蒸気を過熱蒸気にするボイラが開示されている。
特開2008−32235号公報 特開2000−193205号公報
特許文献1のような過熱蒸気発生装置、特許文献2のようなボイラは、いずれもボイラから発生する飽和蒸気を過熱器に導入して過熱し、過熱蒸気にするものである。しかし、ボイラから発生する飽和蒸気はいくらかの水を含んでいる。また、ボイラに供給される水中にはナトリウムイオン、塩化物イオンといったイオンなどの不純物が存在している場合がある。そのため、ある程度の湿りを持つ飽和蒸気を過熱器に送気して過熱器で過熱すると、過熱器内の飽和蒸気が通る流通管(伝熱管)の内面にはボイラに供給される水中に含まれる不純物が蒸発残渣として付着する可能性がある。伝熱管の内面に蒸発残渣が付着すると、過熱器は飽和蒸気を過熱する熱源から過熱器の伝熱管を通る飽和蒸気への伝熱量が低下し、過熱器で飽和蒸気を安定して過熱することができない可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、過熱器で飽和蒸気を過熱する際の飽和蒸気への伝熱量が低下することを抑制し、飽和蒸気を安定して過熱することができる蒸気過熱システムを提供することを目的とする。
本発明に係る蒸気過熱システムは、水を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置で発生した前記蒸気を過熱する蒸気過熱装置と、前記蒸気を前記蒸気発生装置から前記蒸気過熱装置に送気する飽和蒸気供給経路と、前記蒸気過熱装置で前記蒸気を過熱した過熱蒸気を蒸気使用設備に送気する過熱蒸気供給経路と、を有し、前記蒸気過熱装置の運転を停止している時に、前記蒸気過熱装置内の前記蒸気が通過する流路に洗浄媒体を供給して、前記蒸気過熱装置内の洗浄を行うことを特徴とする。
本発明の好ましい態様として、前記蒸気発生装置の運転時間を計測する運転計測手段を設け、前記蒸気発生装置に供給される水の水質と、前記運転計測手段で計測された前記蒸気発生装置の運転時間とから前記蒸気発生装置内の水の濃縮度を求め、前記濃縮度から前記蒸気発生装置で発生する前記蒸気の乾き度を推定し、前記蒸気の乾き度と、前記蒸気発生装置の運転時間から得られる前記水の蒸発量とから、前記蒸気過熱装置内の蒸発残渣の発生量を算出し、前記蒸発残渣の発生量が設定値を超えた場合は、前記蒸気過熱装置の前記蒸気が通過する流路に前記洗浄媒体を供給することが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記蒸気発生装置の運転時間を計測する運転計測手段と、前記蒸気発生装置内の前記水の濃縮度を検出する濃縮度検出手段とを設け、前記濃縮度検出手段で検出された前記濃縮度から前記蒸気発生装置で発生する前記蒸気の乾き度を推定し、前記蒸気の乾き度と、前記運転計測手段で計測された前記蒸気発生装置の運転時間から得られる前記水の蒸発量とから、前記蒸気過熱装置内の蒸発残渣の発生量を算出し、前記蒸発残渣の発生量が設定値を超えた場合は、前記蒸気過熱装置の前記蒸気が通過する流路に前記洗浄媒体を供給することが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記蒸気発生装置または前記蒸気過熱装置の運転時間が所定時間経過した後、前記蒸気過熱装置内に前記洗浄媒体を供給することが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記洗浄媒体は、蒸気または水であることが好ましい。
本発明によれば、蒸気過熱装置の運転を停止している時に、蒸気過熱装置内の蒸気が通過する流路に洗浄媒体を供給して、蒸気過熱装置内の洗浄を行っているため、過熱器で飽和蒸気を過熱する際の飽和蒸気への伝熱量が低下することを抑制し、飽和蒸気を安定して過熱することができる。
本発明の第1の実施形態に係る蒸気過熱システムの概略構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る蒸気過熱システムの概略構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る蒸気過熱システムの概略構成を示す図である。 蒸気過熱システムの他の構成の一例を示す図である。
以下、本発明を好適に実施するための形態(以下、実施形態という。)につき、詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施形態に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
[第1の実施形態]
<蒸気過熱システム>
本発明の第1の実施形態に係る蒸気過熱システムについて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る蒸気過熱システムの概略構成を示す図である。なお、図1では、飽和蒸気を過熱器で過熱している時および過熱器の伝熱管の内面を洗浄している時の飽和蒸気と過熱蒸気とを同時に示す。図1に示すように、本実施形態に係る蒸気過熱システム10は、加熱源、動力源などとして蒸気を使用して作動する蒸気使用機器(負荷機器)11に蒸気を供給するシステムである。本実施形態に係る蒸気過熱システム10は、ボイラ(蒸気発生装置)12と、蒸気供給経路L11と、過熱器(蒸気過熱装置)13と、制御装置14とを備える。
(ボイラ)
ボイラ12は、種々の熱源方式によって飽和蒸気St1を発生させるものである。ボイラ12は、燃焼式のボイラ、電気式のボイラなど種々の形式のものを用いることができる。ボイラ12は、燃焼式の場合、燃料を燃焼させた際の燃焼熱を熱源として、缶体内の缶水を蒸発させ、飽和蒸気St1を発生させる。この場合、燃料としては、例えば、都市ガス、プロパンガス、バイオガスなどの気体燃料、重油、灯油などの液体燃料などが用いられる。ボイラ12は、燃焼式の場合、例えば、貫流ボイラ、炉筒煙管ボイラ、水管ボイラなどが挙げられる。ボイラ12は、電気式の場合、電気ヒータなどを熱源として缶体内の缶水を蒸発させ飽和蒸気St1を発生させる。
なお、本実施形態において、飽和蒸気St1とは、わずかに液体の水を含む蒸気から100%乾き蒸気までの範囲の蒸気である。
(蒸気供給経路)
蒸気供給経路L11は、ボイラ12で発生した飽和蒸気St1をボイラ12から蒸気使用機器11に送気するための蒸気供給ラインである。本実施形態においては、蒸気供給経路L11は、飽和蒸気配管(飽和蒸気供給経路)L12と過熱蒸気配管(過熱蒸気供給経路)L13とを含む。また、蒸気供給経路L11は、経路内を流れる蒸気の流量を調節するための流量調節弁などを含んでいてもよい。
飽和蒸気配管L12は、ボイラ12の蒸気流出口と過熱器13の蒸気流入口とを接続し、飽和蒸気St1を過熱器13に送気する。
過熱蒸気配管L13は、過熱器13の蒸気流出口と蒸気使用機器11の蒸気流入口とを接続し、過熱蒸気St2を蒸気使用機器11に送気する。
(過熱器)
過熱器13は、ボイラ12によって発生させた飽和蒸気St1を過熱して過熱蒸気St2にするものである。過熱器13は、シェルアンドチューブ式熱交換器(多管式熱交換器)である。過熱器13は、過熱器13のシェル(胴体)側を1次側として、胴体内に過熱媒体21を流通させ、チューブ(伝熱管)23側を2次側として、伝熱管23内に被過熱蒸気である飽和蒸気St1を流通させる。過熱媒体21としては、例えば、熱媒ボイラからの高温の熱媒油、ボイラ12から排出される燃焼ガスなどが用いられる。また、過熱媒体21として、他のボイラから供給される飽和蒸気St1よりも温度が高い高圧蒸気を用いる場合は、過熱器13は、伝熱管23側を1次側として、伝熱管23内に過熱媒体21を流通させ、胴体側を2次側として、胴体内に飽和蒸気St1を流通させる。すなわち、圧力の高い側を伝熱管23側に流通させるようにする。また、過熱器13内に過熱媒体21を供給する通路はその途中に流量調節弁V11を設けており、過熱器13内に供給する過熱媒体21の供給量は流量調節弁V11により調節される。
過熱器13は、胴体側に供給される過熱媒体21を熱源として用い、飽和蒸気配管L12から送気される飽和蒸気St1を伝熱管23内に流通させて、伝熱管23の内面(被過熱面)を蒸発面として飽和蒸気St1を過熱し、過熱蒸気St2を得る。
過熱器13は蒸気排出配管L14と連結されている。蒸気排出配管L14は、過熱器13内の洗浄に用いる飽和蒸気St1を排出するためのラインである。蒸気排出配管L14はその途中に排出弁24を設けている。また、蒸気排出配管L14は、後述するように、過熱蒸気配管L13を通る飽和蒸気St1を排出する洗浄媒体排出配管L15と連結されている。なお、本実施形態においては、蒸気排出配管L14は洗浄媒体排出配管L15と連結されているが、蒸気排出配管L14は洗浄媒体排出配管L15と連結せず、蒸気排出配管L14内を通る飽和蒸気St1をそのまま排出してもよい。
過熱器13は、制御装置14によって加熱量が制御される。過熱器13における加熱量は、過熱器13内を通過する飽和蒸気St1に付与される熱量に相当する。過熱器13における加熱量は、制御装置14が過熱器13内に供給される過熱媒体21の供給量(流量)、温度などを調節することで増減することができる。過熱器13における加熱量が大きくなるほど、飽和蒸気St1に付与する熱量が大きくなるため、過熱蒸気St2の過熱度は高くなる。
(センサ等)
本実施形態に係る蒸気過熱システム10は、ボイラ12、蒸気供給経路L11などに種々のセンサなどを含んでいる。これらのセンサは、制御装置14と電気的に接続されている。本実施形態に係る蒸気過熱システム10は、蒸気供給経路L11に、圧力センサ25、蒸気温度センサ26を有し、ボイラ12の内部に、濃縮度センサ(濃縮度検出手段)27、缶体内用圧力センサ(圧力検出手段)28を有している。
圧力センサ25は、飽和蒸気配管L12に設けられ、飽和蒸気配管L12内の圧力を検出するものである。
蒸気温度センサ26は、過熱蒸気配管L13に設けられ、過熱蒸気配管L13内を通る過熱蒸気St2の温度を検出するものである。
濃縮度センサ27は、ボイラ12に設けられ、ボイラ12の缶体内の缶水の濃縮倍数(濃縮度)を検出するものである。なお、缶水の濃縮度とは、ボイラ12を所定時間運転したときの缶水中の不純物が濃縮される割合をいう。濃縮度センサ27は、例えば、缶水の電気伝導度(1/缶水の電気抵抗)[mS/m(ミリジーメンス毎メートル)]を検出する。ボイラ12内の缶水は、缶水の濃縮度が高くなるほどイオン分が多くなり電気を通し易くなるため、電気伝導度が大きくなる。濃縮度センサ27は、この原理を利用してボイラ12内の缶水の濃縮度を検出する。
缶体内用圧力センサ28は、ボイラ12の缶体に設けられ、ボイラ12の缶体の内部の圧力を測定するものである。
圧力センサ25、蒸気温度センサ26、濃縮度センサ27および缶体内用圧力センサ28は、それぞれ検出結果に対応した電気信号を制御装置14に送信する。
本実施形態に係る蒸気過熱システム10は、過熱蒸気配管L13に三方弁29を設けている。三方弁29は、洗浄媒体排出配管L15と連結されている。三方弁29は、制御装置14により制御され、過熱蒸気配管L13内を通る過熱蒸気St2を蒸気使用機器11に送気するか、後述するように、飽和蒸気St1を洗浄媒体排出配管L15を通して排出するように蒸気の流路を切替える。
(制御装置)
制御装置14は、本実施形態に係る蒸気過熱システム10の各部を制御するものである。制御装置14は、例えば、圧力センサ25、蒸気温度センサ26、濃縮度センサ27、缶体内用圧力センサ28などの本実施形態に係る蒸気過熱システム10の各所に取り付けられた種々のセンサが電気的に接続され、検出結果に対応した電気信号が入力される。また、制御装置14は、各種センサから入力された各種入力信号に基づいて、過熱器13などの各部に制御信号を出力し、これらを制御する。また、制御装置14は、ボイラ12、過熱器13などの運転時間を計測する計測器(運転計測手段)30を有する。
ところで、過熱器13に送気される飽和蒸気St1の乾き度は、一般的に99.5%程度であるため、飽和蒸気St1はいくらかの水を含んでおり、ある程度の湿りを持っている。また、ボイラ12には、通常、軟水器によりカルシウム、マグネシウムなどの硬度分を除去した軟水が供給されていることから、ボイラ12に供給される水(以下、ボイラ12への給水という。)にはナトリウムイオン、塩化物イオンなどが存在している(以下、これを「不純物」と称する。)。なお、ボイラ12への給水中に含まれるナトリウムイオンは、軟水器で除去されるカルシウム、マグネシウムなどの陽イオンに対して給水中に放出されるものである。軟水器は陽イオン交換樹脂のみで構成されている。ボイラ12への給水用として用いられる水(以下、原水という。)を軟水器に通水すると、陽イオン交換樹脂は通水中のカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンを取り込む。そして、陽イオン交換樹脂は取り込んだ陽イオンの代わりにナトリウムイオンを通水中に排出する。缶水に含まれるこうした不純物が飽和蒸気St1に含まれると、飽和蒸気St1に同伴してボイラ12から排出されて過熱器13に供給される。ある程度の湿りを持つ飽和蒸気St1を過熱器13で過熱すると、伝熱管23の蒸発面側には塩化ナトリウムなどが結晶化して蒸発残渣として付着する。
伝熱管23の内面に蒸発残渣が付着すると、過熱器13は飽和蒸気St1を過熱する熱源から伝熱管23内を通る飽和蒸気St1への伝熱量が低下し、飽和蒸気St1を安定して過熱することができない可能性がある。そこで、制御装置14は、過熱器13への過熱媒体21の供給を停止して過熱器13の運転を停止している時に、伝熱管23に洗浄媒体を供給する。
制御装置14は、飽和蒸気St1の乾き度を推定して、推定された飽和蒸気St1の乾き度の値を用いてボイラ12から排出される飽和蒸気St1に含まれる不純物に起因して生じる蒸発残渣の発生量を算出し、蒸発残渣の発生量に応じて洗浄媒体を過熱器13内に供給してもよい。また、制御装置14は、飽和蒸気St1の乾き度を推定せず、ボイラ12または過熱器13の運転時間に応じて洗浄媒体を過熱器13内に供給してもよい。
ボイラ12は、運転時間が長くなると、蒸発を繰り返すことで缶水中の不純物の濃度が高くなり、缶体内の缶水の泡立ちが大きくなる傾向にある。ボイラ12は、缶水の泡立ちが大きくなると、缶水の一部が蒸気に混入する、いわゆるキャリーオーバーと呼ばれる現象が起こり、飽和蒸気St1の乾き度は低下する。このため、ボイラ12は、缶水の濃縮度が許容値を超えた場合、運転時間が設定時間を超えた場合などに、ボイラ12の運転終了時にボイラ12内の缶水を全て排出する全ブローを行い、全ての缶水を新水に入れ替え、飽和蒸気St1の乾き度を許容される範囲内に保つようにする。また、一般的には、ボイラ12の運転中は、缶水の濃縮度が許容値以下で維持されるよう、ボイラ12の運転を行いながら、缶水の一部を排出し、新水と入れ替える濃縮ブロー(間欠ブロー)操作を自動で行い、飽和蒸気St1の乾き度を許容される範囲内に保つようにしている。
ボイラ12の運転時間が長くなると缶水の濃縮が進み、飽和蒸気St1の乾き度は低くなるが、同じ濃縮度まで缶水が濃縮する場合のボイラ12の運転時間は、ボイラ12への給水の水質によって変わる。原水がマグネシウム、カルシウムなどの硬度分を多く含む、例えば地下水のような水、原水が塩化物イオンを多く含む水などである場合は、初期の給水に含まれる不純物の量が多くなる(電気伝導度が高くなる)。そのため、ボイラ12の運転時間が短くても缶水の濃縮が進み、飽和蒸気St1の乾き度が低下する。よって、ボイラ12への給水の水質(電気伝導度)は、飽和蒸気St1の乾き度を推定するために予め検査し取得して把握しておくか、濃縮度センサ27などを用いて計測する必要がある。なお、ボイラ12の運転時間は、典型的には、前回の全ブローからの総運転時間を用いればよい。この場合、ボイラ12の運転時間は、例えば、100%負荷で1時間作動させた場合を1時間とし、50%負荷で1時間作動させた場合を0.5時間とし、前回の全ブローからの時間を積算していけばよい。
このように、飽和蒸気St1の乾き度は、ボイラ12の内部の缶水の濃縮度が高いほど、低くなる傾向にある。特に、飽和蒸気St1の乾き度は、ボイラ12の運転時間が長いほどボイラ12の内部の缶水の濃縮度が高くなるため、低くなる傾向にある。そのため、飽和蒸気St1の乾き度は、ボイラ12への給水の水質とボイラ12の運転時間、または濃縮度センサ27で検出された缶水の濃縮度を用いて求められる。また、ボイラ12の運転時間は、制御装置14の計測器30によって計測されるボイラ12の運転時間を用いることができる。
そこで、一例として、制御装置14が、ボイラ12への給水の水質とボイラ12の運転時間とから飽和蒸気St1の乾き度を推定して、推定された飽和蒸気St1の乾き度を用いて伝熱管23の内面に付着した蒸発残渣の発生量を算出する場合について説明する。
制御装置14は、ボイラ12への給水の水質とボイラ12の運転時間とを、飽和蒸気St1の乾き度のパラメータとして用い、ボイラ12への給水の水質とボイラ12の運転時間とから缶体内の缶水の濃縮度を求める。制御装置14は、ボイラ12を作動させた際の負荷を考慮しつつボイラ12の運転時間を求める。そして、制御装置14は、ボイラ12への給水の水質と、得られた缶水の濃縮度とから飽和蒸気St1の乾き度を推定する。
制御装置14は、ボイラ12への給水の水質と、上記のようにボイラ12の運転時間から推定される缶水の濃縮度と、これらから推定される飽和蒸気St1の乾き度との相関を示す情報をマップにして記憶している。制御装置14は、予め記憶しているマップを用いて、ボイラ12への給水の水質と、ボイラ12の運転時間から推定される缶水の濃縮度とから、飽和蒸気St1の乾き度を推定する。
このようにして算出された飽和蒸気St1中の水の割合と、算出された飽和蒸気St1中の水分に含まれる不純物の濃度とから、制御装置14は、伝熱管23の内面に付着した蒸発残渣の発生量を算出することができる。
さらに、飽和蒸気St1の乾き度を精度良く推定する方法として、濃縮度センサ27で実際に検出された缶水の濃縮度を用いてもよい。次に、制御装置14が、濃縮度センサ27で実際に検出された缶水の濃縮度から飽和蒸気St1の乾き度を推定して、推定された飽和蒸気St1の乾き度を用いて伝熱管23の内面に付着した蒸発残渣の発生量を算出する場合について説明する。
制御装置14は、上述のように、缶水の濃縮度と、缶水の濃縮度から推定される飽和蒸気St1の乾き度との相関を示す情報をマップにして記憶している。制御装置14は、このマップを用いて、濃縮度センサ27で検出された缶水の濃縮度から、ボイラ12で発生した飽和蒸気St1の乾き度を推定する。制御装置14は、飽和蒸気St1の乾き度を推定した後、上述と同様にして、飽和蒸気St1の乾き度と、ボイラ12の運転時間から得られる缶水の蒸発量とから、過熱器13の伝熱管23の内面に付着した蒸発残渣の発生量を算出することができる。
また、飽和蒸気St1の乾き度は、ボイラ12の缶体内の圧力により缶体内の沸騰状況が変わるため、ボイラ12の缶体内の圧力が低く、かつ燃焼負荷が高いほど、低くなる傾向にある。そのため、制御装置14は、飽和蒸気St1の乾き度を推定する際、さらに飽和蒸気St1の乾き度の推定の精度を上げるために、飽和蒸気St1の乾き度のパラメータとして、ボイラ12の缶水の濃縮度のほかに、ボイラ12の缶体内の圧力、ボイラ12の燃焼量なども用いて推定してもよい。なお、このとき、ボイラ12の運転時間はボイラ12の燃焼量の検出結果などに基づいて算出してもよい。
制御装置14は、上記のように算出された蒸発残渣の発生量に応じて、過熱器13の伝熱管23の被過熱面である内面の洗浄を行うように流量調節弁V11等を制御する。なお、本実施形態においては、洗浄媒体として飽和蒸気St1を用いる。具体的には、制御装置14は、蒸発残渣の発生量が所定の設定値を超えたと判断した場合、それ以降で蒸気使用機器11の運転が停止したときまたは蒸気使用機器11が過熱蒸気St2を使用しなくなったとき、流量調節弁V11を閉じて過熱器13への過熱媒体21の供給を停止する。つぎに、制御装置14は、三方弁29を操作して過熱器13から送気される飽和蒸気St1が洗浄媒体排出配管L15へ流れる方向に流路を切替えると共に、蒸気排出配管L14に設けた排出弁24を開く。ボイラ12から伝熱管23内に送気された飽和蒸気St1は、過熱器13の伝熱管23の内面に付着している蒸発残渣を溶かしつつ流れる。過熱器13から過熱蒸気配管L13に排出された飽和蒸気St1は洗浄媒体排出配管L15を通って外部に排出される。また、過熱器13内の飽和蒸気St1の一部は蒸気排出配管L14および洗浄媒体排出配管L15を通って過熱器13から外部に排出される。過熱器13の伝熱管23の内面の洗浄は、所定時間行う。所定時間は、伝熱管23の内面に付着した蒸発残渣の発生量に基づき予め設定しておく。所定時間が経過した後、制御装置14は排出弁24を閉止すると共に、三方弁29を操作して飽和蒸気St1がボイラ12から蒸気使用機器11へ流れる方向に流路を切替える。その後、制御装置14は流量調節弁V11を開いて、過熱器13への過熱媒体21の供給を開始し、過熱器13は飽和蒸気St1がボイラ12から送気されるのに備える。
伝熱管23の内面の洗浄は、ボイラ12の運転開始時または蒸気使用機器11の運転開始時に行ってもよい。制御装置14は、伝熱管23の内面に付着した蒸発残渣の発生量が所定の設定値を超えたと判断した場合、その次のボイラ12の運転開始時または蒸気使用機器11の運転開始時に伝熱管23の内面の洗浄を行うようにすればよい。
なお、本実施形態では、伝熱管23の被過熱面が内面であるため、伝熱管23の内面を洗浄する場合について説明したが、過熱器13内の過熱媒体21と被過熱媒体である飽和蒸気St1との流路が逆の場合は、被過熱面は伝熱管23の外面となる。そのため、過熱媒体21と飽和蒸気St1との流路が逆の場合には、飽和蒸気St1は伝熱管23の外面側を流れるようにして伝熱管23の外面を洗浄するようにする。また、過熱器13の蒸気排出配管L14との連結箇所は、蒸発残渣を含んだ飽和蒸気St1を過熱器13内から抜き出しやすくするため、胴体の底面に設けるようにする。
また、ボイラ12への給水の水質を予め求め、ボイラ12への給水の水質に基づいて許容される缶水の濃縮度の最大値が所定の閾値として設定される場合には、制御装置14は、濃縮度センサ27で検出される缶水の濃縮度が所定の閾値を超えているか否かのみを検出するようにしてもよい。制御装置14は、濃縮度センサ27で検出された缶水の濃縮度が所定の閾値を超えたと判断した場合には、過熱器13への過熱媒体21の供給を停止して過熱器13の運転を停止し、洗浄媒体として飽和蒸気St1を過熱器13内に供給し、伝熱管23の内面を洗浄する。
ここまでは、制御装置14が、飽和蒸気St1の乾き度を推定し、この推定された飽和蒸気St1の乾き度を用いて伝熱管23の内面に付着した蒸発残渣の発生量を算出する場合について説明したが、制御装置14は、飽和蒸気St1の乾き度を推定せず、ボイラ12または過熱器13の運転時間に応じて、過熱器13への過熱媒体21の供給を停止して洗浄媒体として飽和蒸気St1を過熱器13内に供給するようにしてもよい。具体的には、制御装置14は、ボイラ12または過熱器13の運転時間が所定の設定時間を経過した後、過熱器13への過熱媒体21の供給を停止し、過熱器13内に、洗浄媒体として飽和蒸気St1を送気する。これにより、伝熱管23の内面に付着した蒸発残渣は飽和蒸気St1中の水分に溶解され、伝熱管23の内面が洗浄される。
所定の設定時間とは、過熱器13内に洗浄媒体として飽和蒸気St1を供給して伝熱管23の内面を洗浄してから、過熱器13で飽和蒸気St1を過熱している運転時間が所定の時間を経過するまでである。このとき、伝熱管23内に洗浄媒体を供給するタイミングは、過熱器13に過熱媒体21を供給して過熱器13の運転を開始する前で過熱器13で飽和蒸気St1を過熱する前とする。
このように、本実施形態に係る蒸気過熱システム10は、過熱器13への過熱媒体21の供給を停止しているときに、洗浄媒体として飽和蒸気St1を伝熱管23内に供給し、伝熱管23の内面に付着した蒸発残渣を除去して伝熱管23の内面の洗浄を行なうものである。これにより、本実施形態に係る蒸気過熱システム10は、飽和蒸気St1を過熱器13で過熱する際の飽和蒸気St1への伝熱効率が低下するのを抑制し、飽和蒸気St1を安定して過熱することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。例えば、本実施形態に係る蒸気過熱システム10では、洗浄媒体として、ボイラ12で発生した飽和蒸気St1を用いる場合について説明したが、洗浄媒体は、飽和蒸気St1に限定されるものではない。洗浄媒体は、飽和蒸気St1以外に、例えば外部から送気される蒸気なども同様に用いることができる。
また、本実施形態においては、1つのボイラ12で発生させた飽和蒸気St1を飽和蒸気配管L12を介して過熱器13に送気するようにしているが、これに限定されるものではなく、複数のボイラ12で発生させた飽和蒸気St1を過熱器13に送気するようにしてもよい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る蒸気過熱システムについて説明する。本実施形態に係る蒸気過熱システムは、図1に示す第1の実施形態に係る蒸気過熱システム10で用いた洗浄媒体を、飽和蒸気St1から水に変更したこと以外は第1の実施形態に係る蒸気過熱システムと同様であるため、重複した説明は省略する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る蒸気過熱システムの概略構成を示す図である。なお、図2では、飽和蒸気St1を過熱器13で過熱している時および伝熱管23の内面を洗浄している時の飽和蒸気St1、過熱蒸気St2、過熱媒体21および洗浄媒体として用いる水を同時に示す。図2に示すように、本実施形態に係る蒸気過熱システム40は、上記第1の実施形態に係る蒸気過熱システム10(図1参照)に、三方弁41と、洗浄媒体供給配管L21とを備えたものである。三方弁41は、飽和蒸気配管L12に設けられ、洗浄媒体供給配管L21と接続されている。洗浄媒体供給配管L21は、外部から飽和蒸気配管L12に水42を供給するためのラインである。
洗浄媒体として水42を用いる場合、水42としては、例えば、水道水、地下水などの水のほかに、ボイラ12へ給水する軟水、ボイラ12のブロー水、蒸留水、純水といった水を用いることができる。
三方弁41は、制御装置14により制御される。制御装置14は三方弁41を操作して、飽和蒸気配管L12内を通る飽和蒸気St1または洗浄媒体供給配管L21から供給される水42を過熱器13に供給するように調節している。
制御装置14は、蒸発残渣の発生量が所定の設定値を超えたと判断し、過熱器13の伝熱管23の内面の洗浄を行う場合、それ以降で蒸気使用機器11の運転が停止したときまたは蒸気使用機器11が過熱蒸気St2を使用しなくなったとき、流量調節弁V11を閉じて過熱器13への過熱媒体21の供給を停止する。つぎに、制御装置14は、三方弁29を操作して過熱器13から送気される飽和蒸気St1が洗浄媒体排出配管L15へ流れる方向に流路を切替えると共に、蒸気排出配管L14に設けた排出弁24を開く。その後、三方弁41を操作して洗浄媒体供給配管L21から供給される水42が過熱器13へ流れる方向に流路を切替える。洗浄媒体供給配管L21から供給される水42は、過熱器13の伝熱管23の内面に付着している蒸発残渣を溶かしつつ流れる。過熱器13から過熱蒸気配管L13に排出された水42は洗浄媒体排出配管L15を通って外部に排出される。また、過熱器13内の水42の一部は蒸気排出配管L14および洗浄媒体排出配管L15を通って過熱器13から外部に排出される。伝熱管23の内面の洗浄は、所定時間行う。所定時間が経過した後、制御装置14は、三方弁41を操作して飽和蒸気St1がボイラ12から過熱器13へ流れる方向に流路を切替える。そして、制御装置14は、排出弁24を閉止すると共に、三方弁29を操作して飽和蒸気St1がボイラ12から蒸気使用機器11へ流れる方向に流路を切替える。その後、制御装置14は流量調節弁V11を開いて過熱器13への過熱媒体21の供給を開始し、過熱器13は飽和蒸気St1がボイラ12から送気されるのに備える。
なお、本実施形態では、伝熱管23の内面の洗浄を行う際、三方弁29を操作して流路を切替えた後、三方弁41を操作して流路を切替えるようにしているが、これに限定されるものではなく、三方弁29、41は同時に操作して流路を切替えるようにしてもよい。
また、伝熱管23の内面を洗浄した後、制御装置14は三方弁41を操作して飽和蒸気St1がボイラ12から過熱器13へ流れる方向に流路を切替えた後、三方弁29を操作して飽和蒸気St1の流路を切替える前に、所定時間、飽和蒸気St1を過熱器13に供給して、伝熱管23内に残る水42を除去することが好ましい。伝熱管23内に水42が残ったまま過熱器13に過熱媒体21を供給すると伝熱管23内の水42が蒸発して伝熱管23内に残った水42に含まれる不純物に起因して蒸発残渣が発生する可能性がある。そのため、伝熱管23内に水42を供給した後は飽和蒸気St1を伝熱管23内に送気して伝熱管23内に残留する水42を除去しておくようにする。また、飽和蒸気St1は洗浄媒体として用いることができるため、伝熱管23の内面に残留した蒸発残渣を除去することができる。なお、伝熱管23内に残る水42を除去する際には、飽和蒸気St1以外に空気などを用いてもよい。
また、飽和蒸気St1も洗浄媒体として用いることができるため、飽和蒸気St1または水42のどちらか一方を過熱器13に供給した後、他方を過熱器13に供給して洗浄してもよい。
このように、本実施形態に係る蒸気過熱システム40によれば、洗浄媒体として水42を用いる場合であっても、伝熱管23の内面に付着した蒸発残渣などを除去して伝熱管23の内面を洗浄することができる。このため、本実施形態に係る蒸気過熱システム40でも、第1の実施形態に係る蒸気過熱システム10と同様、飽和蒸気St1の過熱効率が低下するのを抑制し、飽和蒸気St1を安定して過熱することができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る蒸気過熱システムについて説明する。本実施形態に係る蒸気過熱システムは、図1に示す第1の実施形態に係る蒸気過熱システムの過熱器を熱交換式の過熱器から電気式の過熱器に代えたこと以外は第1の実施形態に係る蒸気過熱システムと同様であるため、重複した説明は省略する。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る蒸気過熱システムの概略構成を示す図である。なお、図3では、飽和蒸気St1を過熱器で過熱している時および過熱器内を洗浄している時の飽和蒸気St1と過熱蒸気St2とを同時に示す。図3に示すように、本実施形態に係る蒸気過熱システム50Aは、上記第1の実施形態に係る蒸気過熱システム10(図1参照)の構成の熱交換式の過熱器13に代えて電気式の過熱器51を備えたものである。過熱器51は、本体の内部に電気ヒータ52を含んでいる。この電気ヒータ52に電流を流した際に生じる熱が飽和蒸気St1を過熱して過熱蒸気St2とするための熱源として用いられている。電気ヒータ52の加熱量は電源53により調整される。この電源53は本体の外部に設けられており、制御装置14により制御される。制御装置14は、電源53の電圧を制御することで、過熱器51における加熱量を調節し、過熱蒸気St2の過熱度を所定の過熱度に調節することができる。なお、本実施形態においては、飽和蒸気St1を過熱するための過熱手段として、電気ヒータ52を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば発熱コイル、電磁誘導により発熱する発熱体などを用いてもよい。
制御装置14は、過熱器51内の電気ヒータ52の被過熱面である表面に付着した蒸発残渣の発生量が所定の設定値を超えたと判断し、電気ヒータ52の表面の洗浄を行う場合、それ以降で蒸気使用機器11の運転が停止したときまたは蒸気使用機器11が過熱蒸気St2を使用しなくなったとき、電気ヒータ52への通電を停止する。つぎに、制御装置14は、三方弁29を操作して過熱器51から送気される飽和蒸気St1が洗浄媒体排出配管L15へ流れる方向に流路を切替えると共に、蒸気排出配管L14に設けた排出弁24を開く。ボイラ12から過熱器51内に送気された飽和蒸気St1は、過熱器51の電気ヒータ52の表面に付着している蒸発残渣を溶かしつつ流れる。過熱器51から過熱蒸気配管L13に排出された飽和蒸気St1は洗浄媒体排出配管L15を通って外部に排出される。また、過熱器51内の飽和蒸気St1の一部は蒸気排出配管L14および洗浄媒体排出配管L15を通って過熱器51から外部に排出される。電気ヒータ52の表面の洗浄は、所定時間行う。所定時間が経過した後、制御装置14は排出弁24を閉止すると共に、三方弁29を操作して飽和蒸気St1がボイラ12から蒸気使用機器11へ流れる方向に流路を切替え、電気ヒータ52に通電し、過熱器51は飽和蒸気St1がボイラ12から送気されるのに備える。
電気ヒータ52の表面の洗浄は、第1の実施形態に係る蒸気過熱システム10と同様、ボイラ12の運転開始時または蒸気使用機器11の運転開始時に行ってもよい。制御装置14は、電気ヒータ52の表面に付着した蒸発残渣の発生量が所定の設定値を超えたと判断した場合、その次のボイラ12の運転開始時または蒸気使用機器11の運転開始時に電気ヒータ52の表面の洗浄を行うようにすればよい。
よって、本実施形態に係る蒸気過熱システム50Aによれば、過熱器が電気式の過熱器51の場合であっても、電気ヒータ52の表面に付着した蒸発残渣などを除去して過熱器51内を洗浄することができる。このため、本実施形態に係る蒸気過熱システム50Aでも、第1の実施形態に係る蒸気過熱システム10と同様、飽和蒸気St1の過熱効率が低下するのを抑制し、飽和蒸気St1を安定して過熱することができる。
なお、本実施形態においては、洗浄媒体として、ボイラ12で発生した飽和蒸気St1を用いた場合について説明したが、図2の第2の実施形態に係る蒸気過熱システム40のように洗浄媒体として水42を用いてもよい。
特に、洗浄媒体として水42を用いる場合、水42を過熱器51の内部に効率良く供給できるようにしておくのが好ましい。洗浄媒体として水42を用いる場合の蒸気過熱システムの他の構成の一例を図4に示す。図4に示すように、本実施形態に係る蒸気過熱システム50Bは、洗浄媒体供給配管L22と、ノズル55とを備える。洗浄媒体供給配管L22は、その先端の水流出口が過熱器51の内部に挿入して設けられ、外部から水42を供給するための洗浄媒体供給ラインである。ノズル55は、洗浄媒体供給配管L22の先端に設けられ、水42を過熱器51の内部に噴射する。なお、水42はポンプ56により供給され、水42の供給量は、流量調節弁V12で調節される。洗浄媒体供給配管L22内を通る水42をノズル55から過熱器51の内部に噴射することで、過熱器51内に効率良く広範囲に水42を供給することができる。これにより、電気ヒータ52の表面に付着した蒸発残渣を効率よく水42に溶かすことができるため、過熱器51内の洗浄効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る蒸気過熱システム50Bは、洗浄媒体として水42と飽和蒸気St1とを過熱器51の内部に供給して、過熱器51内を洗浄するようにしてもよい。ノズル55から噴射された水42が過熱器51内に供給された飽和蒸気St1に同伴されて過熱器51内のより更に広範囲に供給されることで、過熱器51内の洗浄効率を更に向上させることができる。
また、本実施形態に係る蒸気過熱システム50Bは、水42と飽和蒸気St1とを過熱器51の内部にそれぞれ別々に供給しているが、これに限定されるものではなく、飽和蒸気配管L12で水42を飽和蒸気St1に混合してから過熱器13に供給するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、過熱器51が電気ヒータ52を本体の内部に備えている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、電気ヒータ52を本体の外部に設けるようにしてもよい。
以上、上記各実施形態に係る蒸気過熱システム10、40、50A、50Bの各構成はこれに限定されるものではなく、上記各実施形態のいずれかの構成を適宜組み合わせるようにしてもよい。また、上記各実施形態に係る蒸気過熱システム10、40、50A、50Bの各構成では、過熱器が熱交換式の過熱器または電気式の過熱器の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、熱交換式または電気式以外の種々の形式のものを同様に用いることができる。
10、40、50A、50B 蒸気過熱システム
11 蒸気使用機器
12 ボイラ(蒸気発生装置)
13、51 過熱器(蒸気過熱装置)
14 制御装置
21 過熱媒体
23 伝熱管
24 排出弁
25 圧力センサ
26 蒸気温度センサ
27 濃縮度センサ(濃縮度検出手段)
28 缶体内用圧力センサ(圧力検出手段)
29、41 三方弁
30 計測器(運転計測手段)
42 水
52 電気ヒータ
53 電源
55 ノズル
56 ポンプ
L11 蒸気供給経路
L12 飽和蒸気配管(飽和蒸気供給経路)
L13 過熱蒸気配管(過熱蒸気供給経路)
L14 蒸気排出配管
L15 洗浄媒体排出配管
L21、L22 洗浄媒体供給配管
St1 飽和蒸気
St2 過熱蒸気
V11、V12 流量調節弁

Claims (5)

  1. 水を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    前記蒸気発生装置で発生した前記蒸気を過熱する蒸気過熱装置と、
    前記蒸気を前記蒸気発生装置から前記蒸気過熱装置に送気する飽和蒸気供給経路と、
    前記蒸気過熱装置で前記蒸気を過熱した過熱蒸気を蒸気使用設備に送気する過熱蒸気供給経路と、
    を有し、
    前記蒸気過熱装置の運転を停止している時に、前記蒸気過熱装置内の前記蒸気が通過する流路に洗浄媒体を供給して、前記蒸気過熱装置内の洗浄を行うことを特徴とする蒸気過熱システム。
  2. 請求項1において、
    前記蒸気発生装置の運転時間を計測する運転計測手段を設け、
    前記蒸気発生装置に供給される水の水質と、前記運転計測手段で計測された前記蒸気発生装置の運転時間とから前記蒸気発生装置内の水の濃縮度を求め、
    前記濃縮度から前記蒸気発生装置で発生する前記蒸気の乾き度を推定し、
    前記蒸気の乾き度と、前記蒸気発生装置の運転時間から得られる前記水の蒸発量とから、前記蒸気過熱装置内の蒸発残渣の発生量を算出し、
    前記蒸発残渣の発生量が設定値を超えた場合は、前記蒸気過熱装置の前記蒸気が通過する流路に前記洗浄媒体を供給することを特徴とする蒸気過熱システム。
  3. 請求項1において、
    前記蒸気発生装置の運転時間を計測する運転計測手段と、
    前記蒸気発生装置内の前記水の濃縮度を検出する濃縮度検出手段とを設け、
    前記濃縮度検出手段で検出された前記濃縮度から前記蒸気発生装置で発生する前記蒸気の乾き度を推定し、
    前記蒸気の乾き度と、前記運転計測手段で計測された前記蒸気発生装置の運転時間から得られる前記水の蒸発量とから、前記蒸気過熱装置内の蒸発残渣の発生量を算出し、
    前記蒸発残渣の発生量が設定値を超えた場合は、前記蒸気過熱装置の前記蒸気が通過する流路に前記洗浄媒体を供給することを特徴とする蒸気過熱システム。
  4. 請求項1において、
    前記蒸気発生装置または前記蒸気過熱装置の運転時間が所定時間経過した後、前記蒸気過熱装置内に前記洗浄媒体を供給することを特徴とする蒸気過熱システム。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つにおいて、
    前記洗浄媒体は、蒸気または水であることを特徴とする蒸気過熱システム。
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