JP5936951B2 - 圧電素子 - Google Patents

圧電素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5936951B2
JP5936951B2 JP2012182693A JP2012182693A JP5936951B2 JP 5936951 B2 JP5936951 B2 JP 5936951B2 JP 2012182693 A JP2012182693 A JP 2012182693A JP 2012182693 A JP2012182693 A JP 2012182693A JP 5936951 B2 JP5936951 B2 JP 5936951B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plane
piezoelectric element
ceramic element
ceramic
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012182693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014041883A (ja
Inventor
政之 植谷
政之 植谷
池田 幸司
幸司 池田
睦 北川
睦 北川
大西 孝生
孝生 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2012182693A priority Critical patent/JP5936951B2/ja
Publication of JP2014041883A publication Critical patent/JP2014041883A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5936951B2 publication Critical patent/JP5936951B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

本明細書が開示する技術は、圧電素子に関する。
圧電素子は、セラミックス素子と、そのセラミックス素子の表面に形成されている電極を有している。圧電素子のセラミックス素子に外力を加えると、セラミックス素子が歪み、電極に電圧が発生する(圧電効果)。また、圧電素子の電極に電圧を印加すると、セラミックス素子に電界が印加され、セラミックス素子が歪む(逆圧電効果)。特許文献1には、従来技術に係る圧電素子の一例が開示されている。
特開2006−100805号公報
圧電素子は、通常、大きな基板をダイシングするなどして格子状に分割することで得られるため、図9に示すように、セラミックス素子40の周縁において、その断面が略直角となっている。このため、圧電素子を設置面にセットする際の位置決めなどの取り扱い中に、圧電素子の周縁(特に角部)が擦れ、電極42又は44の一部やセラミックス素子40の一部が脱落することにより発塵する。そこで、特許文献1の技術を採用して、図10に示すように、セラミックス素子46の周縁(角部)を曲面とすることが考えられる。しかしながら、このような構成を採用すると、発塵は抑制できるものの、セラミックス素子46と電極48,50との間で剥離が生じ易くなることが判明した。
本明細書は、発塵を抑制すると共に、セラミックス素子と電極との剥離を抑制することができる圧電素子を提供することを目的とする。
本明細書が開示する圧電素子は、セラミックス素子と、セラミックス素子の一方の面の全面に配置されている第1電極を有している。セラミックス素子の一方の面は、中央に位置している第1平面と、第1平面の外側であって、前記一方の面の周縁に沿って全周に亘って位置している第2平面と、第1平面と第2平面とを接続する第1接続面と、を備えている。そして、第2平面は、第1平面に対して、セラミックス素子の他方の面側にシフトしている。
この圧電素子では、セラミックス素子の一方の面において、その周縁に第2平面が形成され、その第2平面は、中央に形成された第1平面よりもセラミックス素子の他方の面側にシフトしている。このため、セラミックス素子の一方の面が設置面に当接するように圧電素子を設置面にセットすると、セラミックス素子の一方の面の周縁と設置面との間に隙間が形成される。したがって、発塵を抑制することができる。また、第2平面を第1平面に対してシフトすることで設置面との間に隙間を形成しているため、セラミックス素子の一方の面の周縁に曲面部を形成する必要はない。このため、セラミックス素子と第1電極との剥離を抑制することができる。
実施例の圧電素子10の平面図。 図1のII‐II線断面図。 図2のセラミックス素子の表面部分を拡大した図。 圧電素子10の製造方法を説明するための図(その1)。 圧電素子10の製造方法を説明するための図(その2)。 圧電素子10の製造方法を説明するための図(その3)。 変形例に係る圧電素子の平面図 他の変形例に係るセラミック素子の表面部分を拡大した図。 従来技術に係る圧電素子の周縁部を示す断面図。 従来技術に係る他の圧電素子の周縁部を示す断面図。
最初に、以下に説明する実施例の特徴を列記する。なお、ここに列記する特徴は、何れも独立して有効なものである。
(特徴1) 第1平面と第2平面は平行であってもよい。この場合において、圧電素子の厚みは、第1平面においてHであり、第2平面は、第1平面に対して、セラミックス素子の厚み方向に距離aだけシフトしていてもよい。そして、次の関係、2μm<a≦0.2Hが成立してもよい。
このような構成によると、シフト量aが2μmより大きいため、設置面と圧電素子の周縁部との間に十分な間隔を形成することができる。これによって、発塵を好適に抑制することができる。また、シフト量aが0.2H以下であるため、圧電素子の中央部(第1平面が形成された部位)に印加される電界強度と、圧電素子の周縁部(第2平面が形成された部位)に印加される電界強度との差が大きくなることが抑制される。その結果、電極又はセラミックス素子にクラックが生じることを抑制することができる。
(特徴2) セラミックス素子を平面視すると、一方の辺の長さがW、他方の辺の長さがLの矩形状を有していてもよい。また、第1平面を平面視すると、一方の辺の長さがW−2b、他方の辺の長さがL−2bの矩形状を有していてもよい。この場合に、W≦L、かつ、5μm<b≦0.2Wの関係が成立してもよい。
このような構成によると、第2平面と第1接続面の長さb(詳細には、平面視したときの長さ)が5μmより長いため、ダイシングやブラストによる分割加工時にセラミックス素子の周縁が損傷することを防止することができる。また、長さbが0.2W以下であるため、電界印加時に周縁部で伸縮変形以外のたわみ変形などの異常変形を防止することができる。
(特徴3) 第1平面と第1接続面との境界部が曲面であってもよい。
このような構成によると、電界印加時に第1平面と第1接続面の境界部に応力集中が生じることを緩和することができる。
(特徴4) 第2平面と第1接続面との境界部が曲面であってもよい。
このような構成によると、電界印加時に第2平面と第1接続面の境界部に応力集中が生じることを緩和することができる。
(特徴5) セラミックス素子の他方の面の全面には、第2電極がさらに配置されていてもよい。セラミックス素子の他方の面は、中央に位置している第3平面と、第3平面の外側であって、他方の面の周縁に沿って全周に亘って位置している第4平面と、第3平面と第4平面とを接続する第2接続面を備えていてもよい。第4平面は、第3平面に対して、セラミックス素子の一方の面側にシフトしていてもよい。
このような構成によると、セラミックス素子の両面が同一構成となり、圧電素子の両面において、発塵並びにセラミックス素子と電極との剥離を抑制することができる。
図1,2に示すように、実施例の圧電素子10は、セラミックス素子12と、第1電極18と、第2電極20を備えている。第1電極18は、セラミックス素子12の上面14の全体に略一定の厚みで形成されている。第2電極20は、セラミックス素子12の下面16の全体に略一定の厚みで形成されている。第1電極18の厚みtは、第2電極20の厚みtと略同一である。第1電極18及び第2電極20は、公知の材料(例えば、Au、Ag,Pd、Pt、Cu、またはこれらの合金等)によって形成されている。圧電素子10に対しては、第1電極18から第2電極20に向かう方向の電界によって分極処理が施されている。
セラミックス素子12は、公知の圧電体により構成されている。図1に示すように、セラミックス素子12は、平面視すると、長辺の長さがLで、短辺の長さがW(≦L)の矩形状を有している。セラミックス素子12は、図1,2に示すように、中央部12cと、その中央部12cの外側に位置する接続部12bと、その接続部12bの外側に位置する周縁部12aを有している。
中央部12cは、平面視すると、セラミックス素子12より周縁部12a及び接続部12bの分だけ小さな矩形状を有している。図1,2に示すように、周縁部12a及び接続部12bの幅(即ち、セラミックス素子12の端面に対して直交する方向の幅)はbとなっている。このため、中央部12cは、長辺の長さが(L−2b)で、短辺の長さが(W−2b)の矩形状を有している。また、中央部12cの厚みは(H−2t)とされている。ここで、tは第1電極18と第2電極20の厚みである。中央部12cの上面14cには第1電極18が配置されている。中央部12cの下面16cには第2電極20が配置されている。上面14cと下面16cとは略平行であり、中央部12cの厚みは略一様となっている。なお、上面14cは「第1平面」の一例であり、下面16cは「第3平面」の一例である。
周縁部12aは、セラミックス素子12の外周縁に沿って、その全周に亘って形成されている。周縁部12aがセラミックス素子12の全周に亘って形成されていることから、周縁部12aの上面14a及び下面16aもセラミックス素子12の全周に亘って形成されている。周縁部12aの上面14aには、第1電極18が配置されている。周縁部12aの下面16aには、第2電極20が配置されている。周縁部12aの上面14aは、中央部12cの上面14cに対して略平行であり、かつ、上面14cに対して下方向に長さaだけシフトしている(即ち、シフト量はaである)。周縁部12aの下面16aは、中央部12cの下面16cに対して略平行であり、下面16cに対して上方向に長さaだけシフトしている(即ち、シフト量はaである)。中央部12cの上面14cと下面16cが略平行であることから、周縁部12aの上面14aと下面16aも略平行となる。このため、周縁部12aの厚みは(H−2a−2t)で略一様となっている。また、周縁部12aの上面14a及び下面16aとセラミックス素子12の端面12dとは直交し、これらがなす角は略90°となっている。なお、上面14aは「第2平面」の一例であり、下面16aは「第4平面」の一例である。
接続部12bは、中央部12cと周縁部12aとの間に設けられ、中央部12cと周縁部12aとを接続する。接続部12bの上面14bには、第1電極18が配置されている。接続部12bの下面16bには、第2電極20が配置されている。中央部12cの厚みが周縁部12aの厚みより厚いことから、接続部12bの厚みは、中央部12c側から周縁部12aに向かって徐々に薄くなっている。すなわち、接続部12bの中央部12c側の厚みは(H−2t)であり、接続部12bの周縁部12a側の厚みは(H−2a−2t)であり、接続部12bの厚みは中央部12c側から周縁部12aに向かって徐々に薄くなっている。中央部12cと接続部12bとは曲面で接続されており、接続部12bと周縁部12cとは曲面で接続されている。なお、上面14bは「第1接続面」の一例であり、下面16bは「第2接続面」の一例である。
図3に示すように、接続部12bの上面14bは、上方に凸な第1曲面14bと、下方に凸な第2曲面14bと、第1曲面14bと第2曲面14bを接続する接続平面14bによって構成されている。なお、接続部12bの下面16bは、凸となる方向が反対となるだけで、接続部12bの上面14bと同一構成であるため、ここでは、その詳細な説明を省略する。第1曲面14bの内周端Cは、中央部12cの上面14cに接続されている。第1曲面14bの外周端は、接続平面14bの内周端Eに接続されている。接続平面14bの外終端Fは、第2曲面14bの内周端に接続されている。第2曲面14bの外周端Dは、周縁部12aの上面14aに接続されている。本実施例では、第1曲面14bと第2曲面14bとは、凸な方向が相違するだけで、その形状は略同一となっている。なお、本実施例では、図3に示す断面において、接続平面14bを延長した直線Yと上面14cを延長した直線Xとがなす角θを、接続部12bの傾きを評価する指標として用いる。
ここで、上述した圧電素子10の各寸法a,b,H,W,L,θには、下記の関係式(1)〜(3)が成立していることが好ましい。
(1)2μm<a≦0.2H・・・関係式(1)
周縁部12aの上面14a及び下面16aのシフト量aは、2μmより大きく、0.2H以下であることが好ましい。ここで、Hは圧電素子10の中央部(セラミックス素子12の中央部12cに対応する部分)の板厚である。シフト量aが0.2μm以下であると、圧電素子10の周縁部(即ち、セラミックス素子12の周縁部12aに対応する部分)と設置面との間に十分な間隔を形成することができない。その結果、圧電素子10の周縁部と設置面との擦れが生じ、発塵が生じる可能性が高くなる。シフト量aを2μmより大きくすることで、発塵を好適に防止することができる。また、シフト量aを0.2H以下とすることで、圧電素子10の中央部(即ち、セラミックス素子12の中央部12cに対応する部分)に印加される電界強度と、圧電素子10の周縁部(即ち、セラミックス素子12の周縁部12aに対応する部分)に印加される電界強度との差が大きくなることが抑制される。その結果、圧電素子10の中央部と周縁部の境界でクラックが生じることを抑制することができる。
(2)5μm<b≦0.2W・・・関係式(2)
セラミックス素子12の周縁部12a及び接続部12bの幅b(平面視したときの幅)が、5μmより大きく、0.2W以下であることが好ましい(図2参照)。ここで、Wはセラミックス素子12の短辺の長さ(即ち、圧電素子10の短辺の長さ)である。後述するように、圧電素子10は、複数の圧電素子10が形成されたセラミックス基板をダイシングすることによって製作される。そして、ダイシングされる部分は、圧電素子10の周縁部(即ち、セラミックス素子12の周縁部12aに相当する部分)である。したがって、幅bを5μmより長くすることで、ダイシング時にセラミックス素子12の周縁12cが損傷することを防止することができる。また、幅bを0.2W以下とすることで、電界印加時の圧電素子10のたわみ変形などの異常変形を防止することができる。
(3)θ≧100°・・・関係式(3)
接続部12bの傾斜角度θは、100°以上であることが好ましい。傾斜角度θを100°以上とすることで、接続部12bと中央部12cの境界や、接続部12bと周縁部12aの境界の角部に電界集中が生じることを抑制できる。その結果、電界集中による分極状態の解消を抑制することができる。これによって、圧電素子10は、長期間に亘って良好な変位特性を維持することができる。
上述した圧電素子10では、第1電極18と第2電極20の間に第1電極18が高電位となる電圧を印加すると、セラミックス素子12の厚み方向に電界が印加される。すると、セラミックス素子12が、厚み方向に膨張するとともに、平面方向に収縮する。圧電素子10は、平面方向の歪みを利用したアクチュエータとして使用される。すなわち、圧電素子10では、セラミックス素子12に印加される電界の方向(すなわち、厚み方向)と、アクチュエータの駆動に用いられる歪みの方向(すなわち、平面方向)とが略直交している。
次に、圧電素子10の製造方法について説明する。なお、セラミックス素子12に周縁部12aと接続部12bを形成する工程以外については、従来公知の方法と同様の方法で行うことができる。このため、セラミックス素子12に周縁部12aと接続部12bを形成する工程を主に説明する。
まず、圧電体を主原料とするグリーンシートを板状に成形する。ここでは、グリーンシートの上面及び下面は略平坦に形成される。次に、グリーンシートを所定の温度で脱媒処理、焼成することでセラミックス基板30を得る。図4に示すように、セラミックス基板30の上面にパターニングされたマスク32を形成する。具体的には、セラミックス基板30の上面の全体にレジスト膜を形成し、そのレジスト膜をパターニングすることでマスク32を形成する。図4に示すように、マスク32は、セラミックス素子12の中央部12cに対応する位置にのみ設けられ、周縁部12a及び接続部12bに対応する位置には設けられない。すなわち、マスク32は、周縁部12a及び接続部12bに対応する位置に開口部34を有する。なお、レジスト膜のパターニングは、公知のフォトリソグラフィ技術を用いて行うことができる。
次に、図5に示すように、マスク32の上方からセラミックス基板30に向かって研磨剤を吹付ける(いわゆる、ブラスト加工を実施する)。これによって、セラミックス基板30の上面のうちマスク32が形成されていない部分(開口部34)が加工される。ブラスト加工が終了すると、次に、セラミックス基板30の上面からマスク32を除去する。これによって、図6に示すように、セラミックス基板30の上面には、マスク32が形成された部分38と、マスク32が形成されていない部分36とで段差が形成される。セラミックス基板30の上面のうち部分38は、セラミックス素子12の中央部となり、部分36は周縁部12a及び接続部12bとなる。
次に、上述したマスク形成、ブラスト加工及びマスク除去をセラミックス基板30の下面に対して実行する。これによって、セラミックス基板30の上面と下面のそれぞれに、ブラスト加工されていない部分と、ブラスト加工された部分(シフトされた部分)とが形成される。
以降の工程は、従来公知の工程と同様に行われる。すなわち、セラミックス基板の両面にスパッタリング又は焼付けにより電極を形成する。次いで、電極が形成されたセラミックス基板を、ブラスト加工によって溝が形成された部分(図4,5の符号36の部分)の中央部を加工することで、セラミックス基板と電極を同時に分割する。このときの分割加工にはダイシングやブラスト加工を用いることができる。これによって、複数の圧電素子10が得られる。溝が形成された部分でダイシングするため、複数の圧電素子10(セラミックス素子12)のそれぞれに、周縁部12aと接続部12bが形成される。
次に、実施例の圧電素子の特性について計測した実験の結果を、比較例1、2の圧電素子の実験結果と比較しながら説明する。実施例の圧電素子では、厚みHを0.1mmとし,長辺Lを1.5mmとし、短辺Wを1.0mmとし、周縁部12a及び接続部12bの幅bを50μmとし、接続部12bの傾斜角度θを120°とし、シフト量aについては2μm〜40μmの範囲で変化させた。一方、比較例1の圧電素子では、図9に示すように、セラミックス素子40の周縁を加工せず(即ち、シフト量a=0,幅b=0)、上面と端面の角度を90°とした。比較例2の圧電素子では、図10に示すように、セラミックス素子46の周縁を曲面に形成した。なお、比較例1,2において、セラミックス素子40,46の周縁以外の構成については、実施例の圧電素子と同様の構成とした。
Figure 0005936951
表1に示すように、クラック観察については実施例1〜5,比較例1,2のそれぞれについて実施し、電極剥がれ観察については実施例1〜5,比較例2のそれぞれについて実施し、発塵測定については実施例1〜5,比較例1のそれぞれについて実施した。クラック観察及び電極剥がれ観察では、圧電素子に±30Vで10kHzのsin波による電圧を1000時間印加し、その後、圧電素子の外観を観察した。また、発塵測定では、ビーカー内の純水中に圧電素子を設置し、超音波(68kHz−100W−2分)により圧電素子を振動させた。次いで、ビーカー内の水に含まれる微粒子を、液中パーティクルカウンター(LPC)で測定した。
クラックについては、実施例5の圧電素子ではクラックが発生したが、実施例1〜4及び比較例1,2の圧電素子ではクラックが発生しなかった。このため、シフト量aが大きくなりすぎると、クラックが生じることが判明した。電極剥がれについては、比較例2の圧電素子では電極剥がれが生じたが、実施例1〜5の圧電素子では電極剥がれが生じなかった。また、発塵については、比較例1では多量のパーティクルが観察され、実施例1〜5では観察されるパーティクル数が激減した。特に、実施例2〜5では、パーティクル数は1000以下となり、発塵防止効果が極めて大きいことが判明した。
次に、周縁部12a及び接続部12bの幅bを10μm〜300μmで変化させ、その影響を評価した結果について説明する。実施例の圧電素子では、厚みHを0.1mmとし,長辺Lを1.5mmとし、短辺Wを1.0mmとし、接続部12bの傾斜角度θを120°とし、シフト量aを20μmとした。そして、圧電素子を±10Vで100Hzの矩形波で駆動したときの周縁部のたわみ変形の有無を測定した。圧電素子のたわみ変形は、レーザ変位計で測定した。なお、比較例として、上述した比較例1の圧電素子についてもたわみ変形の有無を測定した。測定は、各例について10個のサンプルを用意し、それぞれについてたわみ変形の有無を測定した。
Figure 0005936951
表2に示すように、周縁部12a及び接続部12bの幅bが小さいと圧電素子の異常変形は生じないが、幅bが大きくなると圧電素子が異常変形する確率が高くなった。特に、幅bが300μmを超えると、10個中9個の圧電素子に異常変形が生じた。
次に、接続部12bの傾斜角度θを90°〜170°で変化させ、その影響を評価した結果について説明する。実施例の圧電素子では、厚みHを0.1mmとし,長辺Lを1.5mmとし、短辺Wを1.0mmとし、シフト量aを10μmとし、幅bを50μmとした。そして、圧電素子を±30Vで10kHzのsin波で1000時間駆動し、その後、圧電素子の周縁における変位量の変化率(即ち、1000時間駆動前の変位量/1000時間駆動後の変位量)を測定した。なお、測定は、各例について10個のサンプルを用意し、それぞれについて測定を実施した。
Figure 0005936951
表3に示すように、接続部12bの傾斜角度θが90°に近いと、セラミックス素子12の分極状態が解けて圧電素子の変位量変化率が大きくなり、傾斜角度θが120°以上であれば圧電素子の変位量変化率を問題のないレベルに抑えられた。
以上に説明したように、本実施例の圧電素子10では、セラミックス素子12の上面と下面のそれぞれに周縁部12a,16aが形成されている。このため、圧電素子10の周縁部12a,16aと設置面との擦れが防止され、発塵が生じることを抑制することができる。また、セラミックス素子12の周縁部12a,16aの上面及び下面は、セラミックス素子12の伸長・収縮する方向と略平行となり、圧電素子10を繰り返し作動させても、セラミックス素子12から電極18,20が剥がれてしまうことを抑制することができる。このため、本実施例の圧電素子10は、長期間に亘って安定して動作することができる。
なお、上述した実施例では、セラミックス素子12の周縁部12aの上面14aと中央部12cの上面14cとが略平行となる場合について説明したが、本明細書に開示の技術は、このような例に限られない。例えば、周縁部12aの上面14aは、中央部12cの上面14cに対して傾斜していてもよい。かかる場合、周縁部12aの上面14aの傾斜角度は、接続部12bの上面14bの傾斜角度θと同じか、θより大きい(即ち、180°に近い)ことが好ましい。これによって、セラミックス素子12の伸長・収縮する方向と、セラミックス素子12の周縁部12aの上面14aとが平行に近くなるため、セラミックス素子12と電極18との剥がれを好適に抑制することができる。なお、セラミックス素子12の周縁部12aの下面16aについても、上述した上面14aと同様、中央部12cの下面16cに対して傾斜していてもよい。
また、上述した実施例では、セラミックス素子12の接続部12bの上面14bを、上に凸となる第1曲面14bと、下に凸となる第2曲面14bと、これらの曲面14b,14bを接続する接続平面14bによって構成したが、本明細書に開示の技術は、このような例に限られない。例えば、接続部12bの上面14bは、周縁部12aの上面14aと中央部12cの上面14cとを平面(即ち、図3に示す断面において直線で表されるような面)で接続するような構成であってもよい。このような構成によっても、電極の剥がれを抑制しながら、発塵を抑制することができる。さらには、図8に示すように、接続部12bの上面14bを、上方に凸な第1曲面14bと、下方に凸な第2曲面14bのみによって構成してもよい。この場合、第1曲面14bと第2曲面14bとが接続されるため、その接続点Aが第1曲面14bから第2曲面14bへの変曲点となる。また、この場合においては、接続部12bの上面14bの傾きを評価する指標である角度θは、第1曲面14bの内周端Cと第2曲面14bの外周端Dを接続する直線Yと上面14cを延長した直線Xとがなす角を用いればよい。なお、セラミックス素子12の接続部12bの下面16bについても、上述した上面14bと同様、平面状に形成してもよいし、2つの曲面を直接接続してもよい。
また、セラミックス素子12に周縁部12a及び接続部12bを形成する方法は、上述したブラストを利用する方法に限られず、ダイシングカッタの加工深さを調整することで、セラミックス基板の上面の一部を除去する方法によって形成することもできる。また、グリーンシートに予め周縁部12a及び接続部12bに相当する格子状の凹みを、インプリント法などで形成し、それを焼成することでも形成することが出来る。
なお、上述した実施例の圧電素子10は、セラミックス素子12と電極18,20によって構成されていたが、圧電素子の表面が樹脂によってコーティングされていてもよい。圧電素子の表面を樹脂でコーティングすることで、発塵が生じることをさらに抑制することができる。例えば、実施例1〜5の圧電素子10の周囲を厚さ0.1〜5μmのポリイミド樹脂でコーティングしたものは、発塵量がさらに約1/10にまで激減した。
さらには、図7に示すように、セラミック素子12の中央部12c及び接続部12bの角部を曲線状に形成してもよい。中央部12c及び接続部12bの角部を曲線状とすることで、この部分への電界集中や応力集中を防止することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:圧電素子
12:セラミックス素子
18:第1電極
20:第2電極

Claims (6)

  1. 圧電素子であって、
    セラミックス素子と、
    前記セラミックス素子の一方の面の全面に配置されている第1電極と、を有しており、
    前記セラミックス素子の一方の面は、
    中央に位置している第1平面と、
    前記第1平面の外側であって、前記一方の面の周縁に沿って全周に亘って位置している第2平面と、
    前記第1平面と前記第2平面とを接続する第1接続面と、を備えており、
    前記第2平面は、前記第1平面に対して、前記セラミックス素子の他方の面側にシフトしている、圧電素子。
  2. 前記圧電素子の厚みは、前記第1平面においてHであり、
    前記第2平面は、前記第1平面に対して、前記セラミックス素子の厚み方向に距離aだけシフトしており、
    2μm<a≦0.2H
    の関係が成立する、請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記セラミックス素子を平面視すると、一方の辺の長さがW、他方の辺の長さがLの矩形状を有しており、
    前記第1平面を平面視すると、一方の辺の長さがW−2b、他方の辺の長さがL−2bの矩形状を有しており、
    W≦L、かつ、5μm<b≦0.2W
    の関係が成立する、請求項1又は2に記載の圧電素子。
  4. 前記第1平面と前記第1接続面との境界部が曲面である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子。
  5. 前記第2平面と前記第1接続面との境界部が曲面である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電素子。
  6. 前記セラミックス素子の他方の面の全面に配置されている第2電極をさらに有しており、
    前記セラミックス素子の他方の面は、
    中央に位置している第3平面と、
    前記第3平面の外側であって、前記他方の面の周縁に沿って全周に亘って位置している第4平面と、
    前記第3平面と前記第4平面とを接続する第2接続面と、を備えており、
    前記第4平面は、前記第3平面に対して、前記セラミックス素子の一方の面側にシフトしている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧電素子。
JP2012182693A 2012-08-21 2012-08-21 圧電素子 Active JP5936951B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012182693A JP5936951B2 (ja) 2012-08-21 2012-08-21 圧電素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012182693A JP5936951B2 (ja) 2012-08-21 2012-08-21 圧電素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014041883A JP2014041883A (ja) 2014-03-06
JP5936951B2 true JP5936951B2 (ja) 2016-06-22

Family

ID=50393927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012182693A Active JP5936951B2 (ja) 2012-08-21 2012-08-21 圧電素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5936951B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106537636A (zh) * 2014-07-16 2017-03-22 凸版印刷株式会社 蓄电装置用封装材料、及使用其的蓄电装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08242024A (ja) * 1995-03-03 1996-09-17 Hitachi Metals Ltd 圧電アクチュエータ
DE10260854A1 (de) * 2002-12-23 2004-07-08 Robert Bosch Gmbh Piezoaktor
JP2011142154A (ja) * 2010-01-06 2011-07-21 Sae Magnetics (Hk) Ltd 圧電素子の製造方法及びヘッドジンバルアセンブリの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014041883A (ja) 2014-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3164800U (ja) マスク
US9055372B2 (en) Acoustic transducer with gap-controlling geometry and method of manufacturing an acoustic transducer
JP5644671B2 (ja) 圧電膜素子の製造方法
JP5353101B2 (ja) 微細構造体形成方法
JP2007225688A (ja) 3次元フォトニック結晶の形成方法
JP2007013383A (ja) 圧電振動片の製造方法、圧電振動片
JP5936951B2 (ja) 圧電素子
Misri et al. Microfabrication of bulk PZT transducers by dry film photolithography and micro powder blasting
Zhang et al. Deep reactive ion etching of PZT ceramics and PMN-PT single crystals for high frequency ultrasound transducers
JPWO2014080935A1 (ja) 機能部品の製造方法
JP2008205888A5 (ja)
JP2008307648A (ja) 積層構造体およびガラス基板の加工方法
JP5399888B2 (ja) 音叉型屈曲水晶振動素子
JP2013053340A (ja) 摩擦接触面へのセグメント構造の無機質膜形成方法
JP2012076237A (ja) ナノインプリント用モールド及びその製造方法
JP5453791B2 (ja) 圧電体素子及びその製造方法、並びに該圧電体素子を用いた角速度センサ
JP6442356B2 (ja) 水晶素子の製造方法
CN111232918B (zh) 半导体器件及其制造方法
JP6250239B2 (ja) 段差付ウエハおよびその製造方法
JP2010183208A (ja) ウエットエッチング方法及び音叉型圧電素子片の加工方法
JP4236107B2 (ja) 水晶振動板のコンベックス加工方法
JP2013214789A (ja) 弾性波装置の製造方法
TW201339116A (zh) 提升玻璃之機械強度的方法
JP2018110291A (ja) 弾性波デバイス
JP2007208675A (ja) 基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160428

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5936951

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150