JP5936876B2 - 薄膜太陽電池の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、光吸収層がカルコパイライト系化合物からなるカルコパイライト型薄膜太陽電池などの薄膜太陽電池の製造方法に係り、特に、薄膜太陽電池の加工効率の向上および品質の向上を両立させる技術に関する。
太陽電池は、シリコンなどの単結晶型太陽電池、多結晶型太陽電池、薄膜太陽電池などの種類に大別され、これらのうち薄膜型のものは、同出力の他の太陽電池と比較して原料の使用量が少なく、また、製造プロセスが簡易かつ低エネルギーで済むという利点から、商品化開発が進められている。
薄膜型太陽電池の一種であるカルコパイライト型薄膜太陽電池は、カルコパイライト系化合物(例えばCu(In1−xGa)Se、以下CIGSと略称する)からなるCIGS層をp型の光吸収層として有し、基本的な構造として、基板、裏面電極層、p型光吸収層、n型バッファ層、透明電極層からなり、光を照射することによって裏面電極層と透明電極層から電気を取り出すことができる。
このようなCIGS層を光吸収層として備えた一般的なカルコパイライト型薄膜太陽電池(単電池)の層構造を、図1(g)に示す。この電池は、基板上10に、スパッタリング等により、正極として機能する裏面電極層11(11aおよび11b)が形成されている。裏面電極層11上には、Cu−In−Ga−Seを含む光吸収層12(12aおよび12b)(以下、p型光吸収層、n型バッファ層の両者を併せて単に光吸収層と称する場合がある)が形成され、その上にZnOやZnAlO等からなる透明電極層13(13aおよび13b)が形成されている。なお、図1(g)は、単電池(11a、12aおよび13a)と、単電池(11b、12bおよび13b)が直列接続された部分の構造を示す。
このような所望の電圧を得るために単電池が複数直列接続された薄膜太陽電池の積層工程を図1(a)〜(g)に示す。まず、図1(a)〜(b)において、ソーダライムガラス(SLG)等からなる基板上10に、正極として機能する金属Mo等からなる裏面電極層11がスパッタリング等により形成され、図1(c)において、裏面電極層11が、金属針等による物理的なスクライブ等の切削手段により複数の領域11aおよび11bに分割される。次に、図1(d)において、裏面電極層11上に直接的に、Cu−In−Gaからなる光吸収層プリカーサが成膜され、続いてセレン化水素(HSe)雰囲気中熱処理することにより光吸収層プリカーサにSeを拡散させる処理を行いCIGSからなるp型光吸収層が形成される。さらに、光吸収層の上に化学析出法(Chemical Bath Deposition法、以下、CBDと略称する)によって例えばCdSやZnS、InSからなるバッファ層が形成される。これらp型光吸収層およびバッファ層から構成される光吸収層12が積層された状態が図1(d)に示されている。続いて、図1(e)において、切削手段により光吸収層12が複数の領域12aおよび12bに分割される。最後に、図1(f)において、光吸収層12上に、ZnOやZnAlO等からなる透明電極層13が形成され、(g)において、切削手段により透明電極層13および光吸収層12を共に切削し、透明電極層13が複数の領域13aおよび13bに分割され、単電池が複数直列接続された、公知の薄膜太陽電池が得られる。
このような製造方法によれば、積層工程と分割工程を繰り返すことにより、図1(g)に示すように、分割された裏面電極層11aを正極とし、分割された透明電極層13aを負極として、その間に分割された光吸収層12aを保持した単電池および、分割された裏面電極層11bを正極とし、分割された透明電極層13bを負極として、その間に分割された光吸収層12bを保持した単電池が形成され、透明電極層13aのL字状下端部が隣接する単電池の裏面電極層11bに接続される形で、これら単電池が直列接続された構造が得られる。さらに、同様にして、所望の数の単電池が直列に接続された薄膜太陽電池を形成することができる。
従来、このように裏面電極層、光吸収層および透明電極層を複数に分割する際は、先端に刃部を有するニードルを用いてスクライブ等の手段によって各層を切削して行っているが、そのスクライブ間隔は予め決められた所定の間隔となるようニードルの位置決めを行い、機械的に行われるため、微視的には分割位置の誤差の発生が不可避であった。すなわち、理想的には、図1(g)に示すように、透明電極層13aがL字状となるように切削することが好ましいが、現実的には、図3(a)に示すように、透明電極層13aがT字状となってしまい、符合Aで示された範囲の光吸収層12は、周囲を取り囲む透明電極層13aが裏面電極層11bと接触しているため電位差が0であり、発電に寄与しない。そのため、領域Aの存在比だけ、全体の発電効率が低下するという問題がある。また、発電に寄与しない光吸収層が存在するために、原料の利用率も低下するという問題もある。
ところで、図1(e)の工程で光吸収層12の切削を行った後に図1(f)の工程で透明電極層13を形成する従来の方法では、切削が深すぎると裏面電極層11を傷付けて裏面電極層の強度が低下してしまうという問題があり、浅すぎると光吸収層12の除去が不十分となり図1(g)において裏面電極層11bと透明電極層13aの接合部分での抵抗が増大してしまうという問題があった。
この問題に対して、特許文献1には、図2(a)に示す光吸収層12の積層後に、図2(b)に示すように切削を行わずに透明電極層13を積層し、図2(c)に示すように所定の位置にレーザを照射して光吸収層12の一部を改質してコンタクト電極部13cとし、最後に図2(d)に示すようにコンタクト電極部13cと隣接する領域を切削して薄膜太陽電池を製造する技術が開示されている。
しかしながら、この技術によっても、図3(b)に示すように、コンタクト電極部13cに隣接する領域を正確に切削することは困難であり、発電に寄与しない光吸収層領域Aが生じてしまい、発電効率の低下および原料利用率の低下の問題は依然として解決されない。
切削位置の誤差の発生を抑制して、発電に寄与しない光吸収層の発生を抑制するための技術として、特許文献2には、光吸収層に対してレーザを照射して改質し、コンタクト電極部を形成するとともに、別のレーザを照射して素子分離溝を設けることが記載されている。これらの加工を同時に行うことにより、コンタクト電極部と素子分離溝の位置決め精度が向上し、コンタクト電極部と素子分離溝の間の発電に寄与しない部分を抑制することができる。
しかしながら、特許文献2に記載されるように、素子分離溝をレーザで形成すると、溝近傍の光吸収層がレーザにより改質されてしまうため、短絡等の虞が生ずる。
そこで、レーザの代わりに、素子分離溝をニードルによる切削等のメカニカルな方法により形成することが考えられる。すなわち、一つのヘッドにコンタクト電極部形成用のレーザ照射手段と、素子分離溝形成用の切削手段を設け、コンタクト電極部形成と素子分離溝形成を同時に行う方法である。
特許第4703350号公報 特開2000−208786号公報
しかしながら、上記の方法を採用する場合、切削手段(ニードル)を基板に対して相対的に移動させながら素子に当てようとすると、ニードルと基板が衝突して破損の虞があるため、基板を静止させた状態でニードルを基板上に静止状態で設置して位置決めし、続いて基板上でニードルを基板に対して相対的に移動させて溝を形成する必要がある。一方、同じ加工ヘッド上にレーザ照射手段を備えると、ニードルと基板との相対速度が静止状態から加速して等速状態に移行するまでの間は、前記相対速度が等速ではないため、レーザが照射される部位により照射時間が異なり、コンタクト電極部の品質が安定しないという課題がある。
本願発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、同一の加工ヘッドに搭載された切削手段およびレーザ照射手段を用いても、コンタクト電極部の品質を向上させた薄膜太陽電池の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、裏面電極層、光吸収層、透明電極層を備えた薄膜太陽電池の製造方法であって、基板上の上面に裏面電極層を成膜する工程と、裏面電極層を切削して複数の裏面電極層に分割する工程と、複数の裏面電極上に光吸収層および透明電極層を成膜する工程と、光吸収層および透明電極層を機械的に切削して分離溝を形成し、太陽電池素子の分離を行う素子分離工程と、分離溝に隣接する光吸収層および透明電極層にレーザを照射し、レーザが照射された光吸収層部分の導電性を高めて透明電極層と裏面電極層とを接続するコンタクト電極部を形成するコンタクト電極部形成工程と、を備え、素子分離工程およびコンタクト電極部形成工程は、素子分離用切削手段およびレーザ照射手段が一体に搭載された加工ヘッドを太陽電池素子に対して相対的に移動させながら行うものであり、素子分離用切削手段およびレーザ照射手段は加工ヘッドの前記太陽電池素子に対する移動方向に対して左右にオフセットされて取り付けられており、素子分離用切削手段を太陽電池素子上に載置して加工ヘッドを太陽電池素子に対して静止状態とするステップと、加工ヘッドを前記静止状態から太陽電池素子上を相対的に加速して素子分離用切削手段による分離溝の形成を開始するステップと、加工ヘッドが前記加速状態から等速状態に達した後、形成された分離溝に隣接する透明電極層および光吸収層に等速状態でレーザ照射を開始し、コンタクト電極部を形成するステップと、を備えることを特徴としている。
本発明においては、前記レーザの照射は、加工ヘッドの移動方向に対し、素子分離用切削手段より後方の透明電極層および光吸収層に実施されることを好ましい態様としている。
本発明においては、前記分離溝形成前に素子分離用切削手段を透明電極上に載置し、次いで加工ヘッドの太陽電池素子に対する相対移動速度を開始して分離溝の形成を開始し、加工ヘッドの太陽電池素子に対する相対移動速度が一定のときに、レーザの照射を行うことを好ましい態様としている。
また、本発明は、基板上の上面側に裏面電極層を形成する裏面電極層成膜手段と、裏面電極層上に光吸収層を形成する光吸収層成膜手段と、光吸収層上に透明電極層を形成する透明電極層成膜手段と、裏面電極層、光吸収層、および透明電極層のそれぞれを分割する分離溝を形成する素子分離用切削手段と、分離溝に隣接する透明電極層および光吸収層にレーザを照射し、レーザが照射された光吸収層部分の導電性を高めて透明電極層と裏面電極層とを接続するコンタクト電極部を形成するレーザ照射手段と、を備えた薄膜太陽電池の製造装置において、素子分離用切削手段およびレーザ照射手段は、加工ヘッドに一体に設けられ、かつ、素子分離用切削手段およびレーザ照射手段は、加工ヘッドの前記太陽電池素子に対する移動方向に対して左右にオフセットされて取り付けられており、加工ヘッドが太陽電池素子上を移動して加工するに際して、レーザ照射手段は、太陽電池素子上に静止状態で載置された素子分離用切削手段が加速し、加速状態から等速状態となった後にレーザを照射することを特徴としている。

本発明においては、前記加工ヘッドは、太陽電池素子に対する移動方向に対し、素子分離用切削手段がレーザ照射手段よりも前方に配置されていることを好ましい態様としている。
本発明によれば、切削手段とレーザ照射手段を同一の加工ヘッドに備えることで、両者の位置決めによって両者の間に発生する誤差を抑制し、素子分離溝とコンタクト電極部との間に発電に寄与しない部分が生じることを抑制することができるのは勿論のこと、さらに、加工ヘッドが太陽電池素子上で静止状態から加速して等速になるまでの間は切削手段による分離溝の形成のみを行い、加工ヘッドが等速状態に移行した後にレーザ照射手段によるコンタクト電極部の形成が開始される。これにより、ニードルが基板と衝突して破損することを防止しつつ、かつ、レーザが照射される全ての部位への照射時間すなわちレーザ出力を均一にすることができ、コンタクト電極部の品質を安定化させることができるという効果を奏する。
従来の薄膜太陽電池の製造工程を示す模式断面図である。 従来の薄膜太陽電池の製造工程を示す模式断面図である。 従来の薄膜太陽電池の製造方法における問題点を示す模式断面図である。 本発明の薄膜太陽電池の製造工程を示す模式断面図である。 切削手段の太陽電池素子上での動作を説明する模式図である。 レーザ照射手段の太陽電池素子上での動作を説明する模式図である。 レーザ照射手段の太陽電池素子上での動作を説明する模式図である。 切削手段の太陽電池素子上での動作を説明する模式図である。 本発明の切削手段とレーザ照射手段とを搭載した加工ヘッドの太陽電池素子上での動作を説明する模式図である。 本発明の薄膜太陽電池の製造装置を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る加工ヘッドを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。 本発明の第2実施形態に係る加工ヘッドを示し、(a)は平面図、(b)および(c)は側面図である。
以下、本発明の実施形態について、図を参照しながら更に詳細に説明する。
本発明のカルコパイライト型薄膜太陽電池の製造方法を説明するが、途中の段階までは公知の製造工程を経由することができる。すなわち、まず、図1(a)〜(b)に示すように、ソーダライムガラス(SLG)等からなる基板上10に、正極として機能する金属Mo等からなる裏面電極層11が金属Moターゲット等を用いてスパッタリング法等により成膜される。
裏面電極層は、先端にスクライブ刃を有するか、あるいはレーザにより切削を行う切削手段によって切削され、図1(c)に示すように、分離溝によって複数に分割された裏面電極層11aおよび11bに分割される。次に、図1(d)に示すように、裏面電極層11上に、Cu−In−Gaからなる光吸収層プリカーサが成膜され、続いてセレン化水素(HSe)雰囲気中熱処理することにより光吸収層プリカーサにSeを拡散させる処理を行いCIGSからなるp型光吸収層が形成される。さらに、光吸収層の上にCBD法によって例えばCdSやZnS、InSからなるバッファ層が形成される。これらp型光吸収層およびバッファ層から構成される光吸収層12が積層された状態が図1(d)に示されている。
続いて、本発明では、図2(b)に示す工程に移る。図2(b)に示すように、光吸収層12上に、ZnOやZnAlO等からなる透明電極層13が形成される。次に、本発明では、図4に示すように、レーザ照射手段21と切削手段22とを同一のヘッドの搭載した加工ヘッド20を有する薄膜太陽電池の製造装置を用い、図面手前側から奥側へ、あるいはこの逆方向に動作させることにより、レーザ照射手段21によっては光吸収層12を改質してコンタクト電極部13cとし、切削手段22によっては光吸収層12および透明電極層13の間に分離溝を形成し、これらの加工を同時に行う。このレーザ照射により、光吸収層のCu/In比の増大や裏面電極層の金属との合金形成、あるいは透明電極層の成分の光吸収層への分散が生じるなどしてレーザ照射部の導電性が向上するよう改質され、コンタクト電極部13cが電極として機能するようになる。
本発明における加工ヘッド20は、加工方向に対して横から見ると、図9に示すように、前側に切削手段22が、後側にレーザ照射手段21が設けられていることを特徴としている。
従来のレーザ照射手段と切削手段を同一のヘッドに搭載した製造装置では、切削手段を基板に対して相対的に動かしながら素子に当てようとすると、切削手段と基板が衝突して破損の虞があるため、基板とニードルが相対的に静止した状態でニードルを基板上に設置して位置決めを行い、続いて基板上でニードルを相対的に動かして溝の形成を開始する必要がある一方、同じ加工ヘッド上にレーザ照射手段を備えると、ニードルが静止状態から加速して等速状態に移行するまでの間は、加工ヘッドの速度が等速ではないため、レーザが照射される部位により照射時間が異なり、コンタクト電極部の品質が安定しないという課題があることは既に述べたとおりである。
その課題を詳細に示すのが、図5〜8である。図8に示すように、切削手段22は、太陽電池素子1の外部から移動させながら切削を開始しようとすると、高さ方向の位置決めの誤差により、ニードル22aが素子1の端部に衝突して、ニードル22aおよび素子1を破損してしまう虞がある。したがって、図5に示すように。ニードル22aは、素子1の端部に当接させて位置決めを行い、その静止状態から、加速しながら分離溝の形成を開始して、等速に至らしめ、減速して素子1の他端部において停止するか、等速のまま素子1の範囲外まで通り抜ける動作を行わせる必要がある。
一方、図7に示すようにレーザ照射手段21は、図5に示す切削手段の動作に合わせて素子1の端部に静止した状態でレーザ21aの照射を開始し、加速・等速・減速を行った場合、図7下部のグラフに模式的に示したように、加速開始時においてはレーザから素子に照射されるエネルギーが高くなり、その後加速段階においては徐々に減少し、等速段階において一定となり、減速段階で再び増加する。このように、素子の両端部においてレーザ21aから照射されるエネルギーが一定でない部分が生じてしまい、これにより、コンタクト電極部の品質が安定しないという問題がある。
したがって、レーザ照射手段21は、素子1上を常に等速状態で通過させる必要があり、図6にそのようなレーザ照射手段21に求められる動作を示す。図6に示すように、レーザ照射手段21は、素子1の範囲外から加速を開始し、素子1内にレーザ21aの照射が開始されると同時かそれより前に等速状態に移行し、等速状態でレーザ照射を行いながら素子1の領域外へ移動し、素子1の領域外で減速状態に至らしめる必要がある。
本発明は、以上のような素子上での異なる動作が要求されるレーザ照射手段21および切削手段22を同一の加工ヘッドに搭載することを実現したものである。そのような本発明の薄膜太陽電池の製造に用いられる加工ヘッド20の模式図を示すのが図4および図9である。加工ヘッド20には、図4に示すように加工方向に平行な向きから見た場合にはレーザ照射手段21と切削手段22が隣接して設けられ、同時に、図9に示すように加工方向に直角な向きから見た場合には、矢印で示す加工ヘッドの移動方向における前側に切削手段22が、後側にレーザ照射手段21が、互いに所定の距離を保って設けられている。
ここで、切削手段22とレーザ照射手段21との間の所定の距離とは、図9下部に示した加工ヘッド20の加速領域を示す距離と同じかそれ以上の距離を意味する。すなわち、加速度が大きく加速領域が短い場合は、両者の間隔を短くできるし、逆に加速度が小さく加速領域が長い場合には、間隔を長く設定する必要があり、このように、両者の間隔は、設定される加速度と加速領域に応じて決定される。
このような構成を有する加工ヘッド20は、素子1上を矢印で示す方向に移動しながら、切削手段22によって素子1の光吸収層12の切削を行うとともに、レーザ照射手段21によって光吸収層12のコンタクト電極層13cへの改質を同時に行う。まず、素子1の端部に切削手段22のニードル22aが載置される。加工ヘッド20が矢印方向に加速を開始すると、ニードル22aは、加速状態で素子1の切削を開始する。
このとき、レーザ照射手段21は移動方向の後側であって素子1の領域外に位置しているので、レーザ照射手段21の加速によるレーザ21aの出力変化は、問題にならない。続いて、加工ヘッド20が加速状態から等速状態に遷移すると同時かそれより後に、レーザ照射手段21が素子領域内に入ることにより、素子1に対するレーザ照射が開始される。加工ヘッド20はそのまま等速状態で移動して、切削加工とレーザ照射加工を等速で継続することができる。最後に、加工ヘッド20後側のレーザ照射手段21が素子領域を出た後に、加工ヘッド20は減速状態に入って停止し、第1列目の加工を終了する。
ここで、図10に、本発明の薄膜太陽電池の製造装置の一例の平面図を示す。薄膜太陽電池の製造装置の筐体30上には、レールとして機能する一対のガイド33が設けられており、ガイド33上には、リニアモーター32によって図面左右方向にガイド33上を移動可能なステージ31が設けられている。また、筐体30上には、ステージ31の上方(図面手前側)に跨るようにアーチ34が設けられており、図面左右方向に移動が可能である。さらに、アーチ34には、図面上下方向に移動可能である加工ヘッド20が設けられている。
以上の構成を有する薄膜太陽電池の製造装置によれば、まず太陽電池素子1がステージ31上に載置および固定される。次いで、ステージ31を図面左右方向に移動させてアーチ34に設けられた加工ヘッド20の図示しない切削手段が素子1の端部に位置するようにし、さらに加工ヘッド20をアーチ34に沿って図面上下方向に移動させることにより、素子1上の加工開始位置に位置決めする。
上述のように位置決めした状態で、加工ヘッド20の切削手段を素子1上に載置する。そして、加工ヘッド20を静止させた状態でステージ31を静止状態から動かし始める(加速する)ことにより加工ヘッド20を素子1に対して相対的に加速させ、分離溝の加工が開始される。次いで、ステージ31の速度が等速になった状態で加工ヘッド20からレーザを照射し、コンタクト電極部の形成を開始する。
なお、上述の説明では加工ヘッド20を静止させ、ステージ31を移動させることにより素子1に対して加工ヘッド20を相対的に移動させるようにしたが、ステージ31を静止させ加工ヘッド20を移動させるようにしてもよい。
図11に、本発明の第1実施形態に係る加工ヘッド20を示す。図11(a)の平面図に破線の丸い領域で示すように、レーザ照射手段21のレーザ部21aと、切削手段22のニードル22aは、図11(b)の側面図の矢印で示す加工方向に対して重なっておらず、素子上のレーザ照射領域とニードルの軌跡が隣接するように設けられている。
第1実施形態に係る加工ヘッド20は、図9で説明したように、素子1の一端から他端へ移動しながら、素子1の加工を行う。第1実施形態に係る加工ヘッド20によれば、分離溝とコンタクト電極部との間に発電に寄与しない無駄な部分が発生することを抑制しつつ、レーザ照射加工と切削加工を同一の加工ヘッドで効率よく行うことができる。
なお、第1実施形態においては、図11(b)でレーザ照射加工および切削加工が図面左側から右側へ一旦完了した後、加工ヘッドを素子1から離間させ、再び素子の右側から左側へ戻し、次の列の加工を行うことで、複数列の分離溝とコンタクト電極部の形成を順次行うことができる。
図12に、本発明の第2実施形態に係る加工ヘッド20を示す。図12に示すように、加工ヘッド20には、第1実施形態の加工ヘッドに加えて、さらに別の切削手段23が設けられている。そして、図12(a)の平面図に示すように、レーザ照射手段21のレーザ部21aと、切削手段22のニードル22aと、切削手段23のニードル23aは、図12(b)の側面図の矢印で示す加工方向に対して、レーザ21aとニードル22a・23aの軌跡が隣接するように、かつニードル22aとニードル23aの軌跡が重なるように設けられている。
第2実施形態に係る加工ヘッド20は、まず、図12(b)に示すように、移動方向後側の切削手段23のニードル23aを素子1から離間させるとともに切削手段22のニードル22aを素子1上に下ろして位置決めを行い、レーザ照射手段21と移動方向前側の切削手段22のみを用いて、図9の要領で素子1の加工を行う。素子1の加工が図面左側から右側へ完了したら、図12(c)に示すように、今度は切削手段22のニードル22aを素子1から離間させるとともに切削手段23のニードル23aを素子1上に下ろして位置決めを行い、図面右側から図面左側へ同様にして素子の加工を行う。
第2実施形態に係る加工ヘッド20によれば、第1実施形態の作用効果を有するのは勿論のこと、加工ヘッド20を1往復させることで2列の加工を行うことができるので、第1実施形態のように加工ヘッド20を1列の加工ごとに元の位置に戻す必要がなく、薄膜太陽電池の製造効率をより向上させることができるという効果を奏する。
高発電効率を有するカルコパイライト型薄膜太陽電池の製造に有望である。
1…薄膜太陽電池、
10…基板、
11…裏面電極層、
11a、11b…分割された裏面電極層、
12…光吸収層、
12a、12b…分割された光吸収層、
13…透明電極層、
13a、13b…分割された透明電極層、
13c…コンタクト電極部、
20…加工ヘッド、
21…レーザ照射手段、
21a…レーザ、
22…切削手段、
22a…ニードル、
30…筐体、
31…ステージ、
32…リニアモーター、
33…ガイド、
34…アーチ。

Claims (4)

  1. 裏面電極層、光吸収層、透明電極層を備えた薄膜太陽電池の製造方法であって、
    基板上の上面に前記裏面電極層を成膜する工程と、
    裏面電極層を切削して複数の裏面電極層に分割する工程と、
    複数の裏面電極上に光吸収層および透明電極層を成膜する工程と、
    光吸収層および透明電極層を機械的に切削して分離溝を形成し、太陽電池素子の分離を行う素子分離工程と、
    分離溝に隣接する光吸収層および透明電極層にレーザを照射し、レーザが照射された光吸収層部分の導電性を高めて透明電極層と裏面電極層とを接続するコンタクト電極部を形成するコンタクト電極部形成工程と、を備え、
    前記素子分離工程および前記コンタクト電極部形成工程は、素子分離用切削手段およびレーザ照射手段が一体に搭載された加工ヘッドを太陽電池素子に対して相対的に移動させながら行うものであり、前記素子分離用切削手段および前記レーザ照射手段は前記加工ヘッドの前記太陽電池素子に対する移動方向に対して左右にオフセットされて取り付けられており、素子分離用切削手段を太陽電池素子上に載置して加工ヘッドを太陽電池素子に対して静止状態とするステップと、前記加工ヘッドを前記静止状態から太陽電池素子上を相対的に加速して素子分離用切削手段による分離溝の形成を開始するステップと、加工ヘッドが前記加速状態から等速状態に達した後、形成された分離溝に隣接する透明電極層および光吸収層に等速状態でレーザ照射を開始し、コンタクト電極部を形成するステップと、を備えることを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 前記レーザの照射は、前記加工ヘッドの移動方向に対し、前記素子分離用切削手段より後方の透明電極層および光吸収層に実施されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  3. 基板上の上面側に裏面電極層を形成する裏面電極層成膜手段と、
    前記裏面電極層上に光吸収層を形成する光吸収層成膜手段と、
    前記光吸収層上に透明電極層を形成する透明電極層成膜手段と、
    前記裏面電極層、前記光吸収層、および前記透明電極層のそれぞれを分割する分離溝を形成する素子分離用切削手段と、
    前記分離溝に隣接する透明電極層および光吸収層にレーザを照射し、レーザが照射された光吸収層部分の導電性を高めて前記透明電極層と前記裏面電極層とを接続するコンタクト電極部を形成するレーザ照射手段と、を備えた薄膜太陽電池の製造装置において、
    前記素子分離用切削手段および前記レーザ照射手段は、加工ヘッドに一体に設けられ、かつ、前記素子分離用切削手段および前記レーザ照射手段は、前記加工ヘッドの前記太陽電池素子に対する移動方向に対して左右にオフセットされて取り付けられており、
    前記加工ヘッドが太陽電池素子上を移動して加工するに際して、
    前記レーザ照射手段は、前記太陽電池素子上に静止状態で載置された素子分離用切削手段が加速し、加速状態から等速状態となった後にレーザを照射することを特徴とする薄膜太陽電池の製造装置。
  4. 前記加工ヘッドは、前記太陽電池素子に対する移動方向に対し、前記素子分離用切削手段が前記レーザ照射手段よりも前方に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の薄膜太陽電池の製造装置。
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