JP5936563B2 - 研磨治具及び研磨治具に試料をセットする試料取付け治具 - Google Patents
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Description
ここで、顕微鏡とは、高倍率(例えば、倍率が100〜10000倍)で使用する光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡をさす。
また、研磨時に、観察面を研磨盤の研磨作業面に対して平行に維持しないと、観察面に対して形成される研磨面が傾斜する(特に、試料を直接手でつかんで研磨を行う場合に顕著となる)という問題が生じる。更に、研磨時に、試料の保持状態が変動すると、観察面が丸くなったり(研磨ダレが生じたり)、観察面が均一に研磨されないという問題が生じる。そして、観察面の研磨終了判定の時期を見誤ると、観察面を研磨し過ぎて、切断面に現れていた組織状態を壊してしまうという問題が生じる。
対向配置された対となるアーム部材と、該各アーム部材の基側を接続する連結部材とを有し、平面視してコ字状の治具本体と、
前記試料を、前記連結部材の開口側に、前記試料下端を下方に突出させた状態で締結固定する試料取付け手段と、
前記連結部材の中央部及び前記各アーム部材の先側を上下方向にそれぞれ貫通し、先端側が前記治具本体の下面から突出し、突出長さ調整可能なレベルホールド部材とを備え、
前記レベルホールド部材の前記治具本体の下面からの突出長さは、該治具本体の下面から前記試料下端までの距離と同一又は予め設定した距離だけ短い。
一方、レベルホールド部材の治具本体の下面からの突出長さが、治具本体の下面から試料下端までの距離より予め設定した距離だけ短い場合、試料の研磨を開始すると、当初は試料の先端部(レベルホールド部材の先端より突出している部分)が先に研磨され、治具本体の下面に対する試料下端の位置は、治具本体の下面に対するレベルホールド部材の先端の位置に徐々に接近する。そして、治具本体の下面に対する試料下端の位置が、治具本体の下面に対するレベルホールド部材の先端の位置と一致した時点で、試料下端は、各レベルホールド部材の先端と同時に研磨される。
前記レベリングブロックは、前記治具本体の下面の一部と当接して該治具本体を支持する載置部と、
前記治具本体の下面から突出する前記レベルホールド部材の先端に当接する突出長さ設定部と、
前記試料を前記治具本体に取り付ける際に、前記試料下端を当接させて、該治具本体の下面から該試料下端までの距離を設定する試料位置設定部とを有している。
また、試料下端が研磨盤の研磨作業面に当接して研磨される際には、各レベルホールド部材の先端も研磨作業面に同時に当接するので、複雑な設備を使用することなく、従来使用している研磨盤を使用しても、試料下端に対して研磨面が傾斜することはなく、試料下端を確実に観察することができる。そして、研磨時に、試料の保持状態を一定に保つことができ、試料下端が丸くなることを防止して、試料下端を均一に研磨することができる。更に、試料下端と各レベルホールド部材の先端は同時に研磨されるので、研磨速度の大きな試料を研磨する際は、試料の研磨速度はレベルホールド部材の先端の研磨速度に律速されて、試料下端の過剰研磨を防止することができ、試料下端の組織状態(試料下端の表面に現れている組織状態)を壊さずに研磨を行うことが可能になる。そして、過剰研磨を防止することができるため、異種材質の試料がそれぞれ取り付けられた研磨治具を、ひとつの研磨盤にセットして同時に研磨を行うことも可能になる。
そして、雄ねじ部材の硬度が、試料の硬度より大きい場合、試料の観察部位の過剰研磨を確実に防止することができると共に、雄ねじ部材の損耗を抑制して、研磨治具のランニングコストを低減できる。また、雄ねじ部材の硬度を選択することで、研磨速度を調整することができ、観察部位の研磨状態の制御が可能になる。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る研磨治具10は、試料11を保持し、試料下端12を研磨盤の研磨作業面13に対して平行に維持しながら、試料下端12を研磨作業面13に当接させて研磨を行うものである。ここで、試料11は、例えば、集積回路基板や集積回路から構成された半導体装置等の検査対象物から、精密切断機を用いて切り出された小片であって、試料下端12は小片に現れた特定の切断面をさす。また、研磨盤は、例えば、回転テーブル上に配置された研磨パッドであって、研磨作業面13は、スラリー状の研磨剤が供給される研磨パッドの表面をさす。
更に、試料下端12と各雄ねじ部材20の先端は同時に研磨されるので、試料11の材質が変化し研磨速度が大幅に変化しても、例えば、試料11の研磨速度が大きくなっても、試料11の研磨速度は、各雄ねじ部材20の先端の研磨速度に律速されることになって、試料下端12の過剰研磨を防止できる。このため、試料下端12の組織状態(試料下端12の表面に現れている組織状態)を壊さずに研磨を行うことが可能になる。そして、試料11を取り付けた研磨治具10を研磨作業面13から引き離し、再び研磨治具10を研磨盤に対して上方から下降させても、試料下端12と各雄ねじ部材20の先端を、同時に研磨作業面13に当接させることができるので、研磨を行いながら試料下端12の研磨状態を顕微鏡等で随時確認することができる。これにより、試料下端12の研磨状態を、容易に最適化することができる。
ここで、連結部材16の側部18の長手方向両側には、対となるガイドピン24aがそれぞれ立設され、クランプ部材24の長手方向両側には、対となるガイドピン24aがそれぞれ嵌入する対となるガイド孔24b、24cが設けられている。なお、対となるガイド孔24b、24cのうち一方、例えば、ガイド孔24cは、水平方向(クランプ部材24の長手方向)に伸びた長孔となっている。このような構成とすることにより、クランプ部材24の対となるガイド孔24b、24cにそれぞれ対となるガイドピン24aを容易に嵌入することができ、クランプ部材24を締結ボルト23を用いて連結部材16に取り付ける際に、クランプ部材24を水平に保つことができる。その結果、クランプ部材24を連結部材16に取り付けた際に、連結部材16の移動に伴って試料11の試料下端12が傾くことを防止できる。
図3に示すように、レベリングブロック26を作業台32にセットし、基側にロックナット21が取り付けられた雄ねじ部材20が螺合された治具本体17を載置部27に組み付け固定ボルト28で固定する。次いで、各雄ねじ部材20を回転させて、各雄ねじ部材20の先端を突出長さ設定部29、30の各平面エリアに接触させた後、ロックナット21を締結して雄ねじ部材20を治具本体17に固定する。
続いて、試料位置設定部31の平面エリアに、試料下端12を当接させた(押し付けた)状態で、試料取付け手段19を用いて試料11を治具本体17(連結部材16)に固定する。そして、固定ボルト28を弛めて治具本体17から抜き取る。これにより、レベリングブロック26から、試料11が取り付けられた状態の研磨治具10を取り外すことが可能になる。
試料取付け治具33の一部を構成し、上面側に、治具本体17の下面の一部と当接して治具本体17を支持する載置部38が形成されたレベリングブロック34は、試料取付け治具25のレベリングブロック26と比較して、レベリングブロック34の下面に対する試料位置設定部39の高さ位置、即ち、試料11aを研磨治具10に取り付ける際に、試料11aの試料下端37を当接させる平面エリアの高さ位置が、レベリングブロック34の下面に対する突出長さ設定部40、41の高さ位置、即ち、各雄ねじ部材20の先端を当接させる平面エリアの高さ位置より設定された研磨代36の厚さMに相当する距離だけ低いことが特徴となっている。このため、レベリングブロック34の作用について説明する。
更に、本実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
Claims (6)
- 試料を保持し、試料下端を研磨盤の研磨作業面に対して平行に維持しながら、該試料下端を前記研磨作業面に当接させて研磨を行う研磨治具であって、
対向配置された対となるアーム部材と、該各アーム部材の基側を接続する連結部材とを有し、平面視してコ字状の治具本体と、
前記試料を、前記連結部材の開口側に、前記試料下端を下方に突出させた状態で締結固定する試料取付け手段と、
前記連結部材の中央部及び前記各アーム部材の先側を上下方向にそれぞれ貫通し、先端側が前記治具本体の下面から突出し、突出長さ調整可能なレベルホールド部材とを備え、
前記レベルホールド部材の前記治具本体の下面からの突出長さは、該治具本体の下面から前記試料下端までの距離と同一又は予め設定した距離だけ短いことを特徴とする研磨治具。 - 請求項1記載の研磨治具において、前記レベルホールド部材は、前記治具本体に螺合する雄ねじ部材と、該治具本体に螺合する該雄ねじ部材の回転を防止するロックナットを有し、しかも、該雄ねじ部材の硬度は、前記試料の硬度より大きいことを特徴とする研磨治具。
- 請求項1又は2記載の研磨治具において、前記試料取付け手段は、前記連結部材と共に前記試料を挟持するスペーサと、締結ボルトを用いて前記連結部材に取り付けられて前記スペーサを介して前記試料を該連結部材に押圧するクランプ部材とを有していることを特徴とする研磨治具。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨治具に前記試料を取り付ける際に、前記治具本体を支持し、該治具本体に対する前記試料の上下方向位置と、前記研磨盤の前記研磨作業面に対する前記治具本体の高さ位置をそれぞれ設定するレベリングブロック及び前記治具本体を該レベリングブロックに仮止めする締結手段を備えた試料取付け治具であって、
前記レベリングブロックは、前記治具本体の下面の一部と当接して該治具本体を支持する載置部と、
前記治具本体の下面から突出する前記レベルホールド部材の先端に当接する突出長さ設定部と、
前記試料を前記治具本体に取り付ける際に、前記試料下端を当接させて、該治具本体の下面から該試料下端までの距離を設定する試料位置設定部とを有することを特徴とする試料取付け治具。 - 請求項4記載の試料取付け治具において、前記レベリングブロックの下面に対する前記突出長さ設定部及び前記試料位置設定部のそれぞれの高さ位置は等しいことを特徴とする試料取付け治具。
- 請求項4記載の試料取付け治具において、前記レベリングブロックの下面に対する前記試料位置設定部の高さ位置が、前記レベリングブロックの下面に対する前記突出長さ設定部の高さ位置より設定された研磨代だけ低いことを特徴とする試料取付け治具。
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