JP5936478B2 - 計測装置、リソグラフィー装置、および物品の製造方法 - Google Patents

計測装置、リソグラフィー装置、および物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、計測装置、リソグラフィー装置、および物品の製造方法に関する。
近年、半導体集積回路などのデバイスの製造に用いられるリソグラフィー装置は、高い生産性(スループット)と極めて微細なパターンの形成性能(解像力)とが要求されている。このようなリソグラフィー装置では、原版または基板を搭載するステージは、高速且つ精密に位置決めされなければならない。そのため、高速に動作するステージの位置を正確に計測することができる計測装置が必要となる。位置決め精度は、ステージ位置の計測精度に依存する。例えば、nm以下の精度で高速移動するステージの位置を計測する手段として、エンコーダが用いられうる。エンコーダからの出力信号は、例えば、互いに位相が90度ずれたA相・B相の2相の正弦波信号より成る。各相信号の振幅・オフセットや相間の位相差は、正しく調整されていなければならない。特許文献1は、そのような出力信号の振幅・オフセット・位相差の調整方法を開示している。
特開2002−228488号公報
ここで、高速で移動するステージの位置の計測にエンコーダを用いた場合、エンコーダからの出力信号の周波数は、ステージの移動速度に比例する。よって、生産性向上のためにステージの移動速度が上昇すると、エンコーダ出力信号の周波数もそれに比例して増加する。一方、エンコーダ出力信号は、それを出力する検出回路の周波数帯域が有限であるため、高周波では、位相遅れを伴う。さらに、検出回路の部品の性能のばらつき等により、A相・B相の各検出回路の帯域(周波数特性)は互いに異なりうる。その結果、周波数が高い場合、位相遅れ特性が異なり、相間の位相差が90度からずれてしまう。なお、各相の信号に係る、ケーブル長や基板のパターン長、デジタル回路やA/D変換器の信号伝播遅延時間の差によっても相関の位相差のずれが発生しうる。この位相差のずれは、位置計測に誤差を生じさせ、もって位置決め精度を低下させうる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、複数相の出力信号の相間の位相差の変動を補償するのに有利な計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、互いに位相の異なる第1相信号および第2相信号から計測対象の位置を計測する計測装置であって、第1相信号および第2相信号の少なくとも一方の周波数に基づいて、第1相信号と第2相信号との間の位相差の変動を補償する補償手段を有する。
本発明によれば、例えば、複数相の出力信号の相間の位相差の変動を補償するのに有利な計測装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る露光装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る演算部の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る補正信号生成部の構成を示す図である。 固定位相差補正信号生成部と時間差補正信号生成部の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る補正演算部の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る計測演算部の構成を示す図である。 補正前の検出信号と理想信号の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るI/V変換器の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る信号波形を示す図である。 本発明の一実施形態に係る検出信号波形と計測誤差特性を示す図である。 周波数に対する位相ずれの特性を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
まず、本発明を適用するリソグラフィー装置の一例として露光装置について説明する。図1は、露光装置1の構成を示す概略図である。本実施形態における露光装置1は、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でマスク(原版)に形成されたパターンを被処理基板であるガラスプレート(基板)に露光する投影型露光装置とする。露光装置1は、まず、照明光学系2と、レチクル3を保持するレチクルステージ4と、投影光学系5と、ウエハ6を保持するウエハステージ7と、計測装置(計測ヘッド)8とを備える。
照明光学系2は、光源部である不図示のレーザー発振装置を備え、転写用の回路パターンが形成された後述のレチクル3を照明する装置である。ここで、光源として使用可能なレーザーは、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザー、波長約157nmのF2エキシマレーザー等である。なお、レーザーの種類は、エキシマレーザーに限定されず、例えば、YAGレーザーを使用しても良いし、レーザーの個数も限定されない。また、光源部にレーザーを使用する場合、レーザー発振装置からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレントなレーザーをインコヒーレント化するインコヒーレント光学系を使用することが好ましい。更に、光源部に使用可能な光源は、レーザーに限定されるものではなく、一又は複数の水銀ランプやキセノンランプ等のランプや、極端紫外光源も使用可能である。
レチクル3は、例えば、石英ガラス製の原版であり、転写されるべき回路パターンが形成されている。また、レチクルステージ(原版保持部)4は、不図示のレチクルステージガイド上でXY方向に移動可能に支持され、レチクル3を不図示のレチクルチャックを介して吸着保持するステージ装置である。
投影光学系5は、照明光学系2からの露光光で照明されたレチクル3上のパターンを所定倍率(例えば、1/4、若しくは1/5)でウエハ6上に投影露光する。投影光学系5としては、複数の光学要素のみから構成される光学系や、複数の光学要素と少なくとも一枚の凹面鏡とから構成される光学系(カタディオプトリック光学系)が採用可能である。若しくは、投影光学系5として、複数の光学要素と少なくとも一枚のキノフォーム等の回折光学要素とから構成される光学系や、全ミラー型の光学系等も採用可能である。なお、不図示のレチクルステージガイド及び投影光学系5は、床面(基盤面)上に載置された不図示の鏡筒定盤に支持されている。
ウエハ6は、表面上にレジスト(感光剤)が塗布された、単結晶シリコン等からなる被処理基板である。ウエハステージ(基板保持部)7は、3次元方向に駆動可能なステージで装置であり、不図示の微動ステージと粗動ステージとを備える。微動ステージは、x、y、z、ωx、ωy、ωzの各方向に微小な駆動可能なステージであり、不図示のウエハチャックを介してウエハ6を吸着保持する。また、粗動ステージは、微動ステージを保持しつつ、x、y、ωzの各方向に駆動可能なステージであり、床面上に載置されたステージ定盤上に設置されている。
計測装置8は、例えば、エンコーダの計測ヘッドであり、レクチル3またはウエハ6と共に動くステージ(レチクルステージ4またはウエハステージ7)に取り付けられることが好ましい。また、エンコーダは、計測対象の位置を計測するのに必要な信号を生成するための要素が間隔をもって配置された、不図示の計測ヘッドが読み取るスケールを有し、計測ヘッドに対向するように不動の部材(定盤など)に取り付けられる。図1では、計測装置8として、例示的に計測ヘッドのみを記載している。本実施形態では、計測ヘッドをステージに取り付け、スケールを定盤に取り付ける配置にしたが、計測ヘッドを定盤に取り付け、スケールをステージに取り付ける配置にしてもよい。なお、位置計測装置としては、一般に干渉計を採用することも考えられる。干渉計は、レーザー光をミラーに照射して得られる反射光の干渉光を検出して位置を計測するが、エンコーダは、スケールの格子パターンに光を照射して得られる回折光の干渉光を検出して位置を計測する。通常、各計測装置の光の照射部および検出部とミラーまたは格子パターンとの間の各光路における温度、湿度、圧力の変動は、屈折率の変化をもたらし、結果的に位置計測の誤差となる。したがって、この光路が短いほど誤差は小さくなるため、光の照射部および検出部とミラーまたは格子パターンを近接して配置することが可能なエンコーダの方が、干渉計よりも高精度な位置計測を可能とすることができる。
また、露光装置1は、ウエハ6の位置決めを実施するためのアライメント検出系と、レチクル3やウエハ6を露光装置1内に搬出入するための搬送系と、不図示の制御装置とを備える。アライメント検出系は、不図示のアライメントスコープと、フォーカスセンサとを有する。アライメントスコープは、ウエハ6等のx、y方向の位置ズレの計測を実施するための計測装置である。また、フォーカスセンサは、ウエハ6等のz位置の計測を実施するための計測装置である。なお、上記と同様に、露光装置1は、不図示であるが、レチクル3の位置決めを実施するためのレチクルアライメント検出系も有する。
搬送系は、レチクル3を搬出入させるためのレチクル搬送系と、ウエハ6を搬出入させるためのウエハ搬送系とを有する。レチクル搬送系は、第1搬送ロボットと、第2搬送ロボットとを有し、所定のレチクル搬入口に載置されるレチクルPodとレチクルステージ4と間における搬送を実施する。ここで、レチクルPodは、複数枚のレチクル3を内部に保持するキャリアである。ウエハ搬送系は、第3搬送ロボットと、第4搬送ロボットとを有し、所定のウエハ搬入口に載置されるウエハキャリアと基板ステージとの間における搬送を実施する。ここで、ウエハキャリアは、前扉を備えた容器であるFOUP(Front Opening Unified Pod)等、複数枚のウエハ6を内部に保持するキャリアである。
制御装置は、露光装置1の各構成要素の動作、及び調整処理等を制御する制御手段である。この制御装置は、不図示であるが、露光装置1の各構成要素に回線により接続された、磁気記憶媒体等の記憶手段を有するコンピュータ、又はシーケンサ等で構成され、プログラム、若しくはシーケンスにより、各構成要素の制御を実行する。
次に、露光装置1による露光処理について略説する。最初に、ウエハ搬送系は、被処理対象のウエハ6をウエハキャリアからウエハチャックまで搬送する。また、レチクル搬送系は、当該ロットに採用するレチクル3をレチクルPodからレチクルステージ4まで搬送する。次に、レチクル3は、レチクルアライメント検出系で位置決めされた後、レチクルステージ4の駆動により投影光学系5上の所定の位置まで移動する。同様に、ウエハ6は、アライメント検出系で位置決めされた後、基板ステージの駆動により投影光学系5直下の所定の位置に配置される。次に、照明光学系2は、レチクル3に対して照射光を照射させる。同時に、露光装置1は、レチクル3に形成された回路パターンがウエハ6の所定の位置に転写されるように、レチクルステージ4とウエハステージ7とを投影光学系5の倍率比の速度で同期駆動させる。ここで、露光装置1は、精度良く回路パターンを転写させるために、直前にアライメント検出系で計測した結果を利用し、予め基板ステージ駆動目標値に反映する。その後、露光装置1は、順次ウエハステージ7とレチクルステージ4とを駆動し、露光処理を繰り返すことによって、ウエハ6の全面に渡り回路パターンを転写する。より生産性を向上させるため、レチクルステージ4およびウエハステージ7の各ステージは、極めて高速に駆動され、かつ微細化露光のため極めて精密に位置または速度を制御する必要がある。
本発明の一実施形態における計測装置の一例としてエンコーダについて説明する。エンコーダは位相が90度異なる2相式や、120度異なる3相式があり、位置の変化に応じ検出光は正弦波信号となる。2相式および3相式の基本動作はどちらも同様であるため、本実施形態では、2相式のエンコーダを例に挙げる。エンコーダは、検出部で検出された2相の検出光(信号)から位置を演算する演算部10を含み、その構成を図2に示す。図2に示すように、演算部10は、受光器11、21と、I/V変換器12、22と、増幅器13、23と、A/D変換器14、24と、補正信号生成部100と、補正演算部(補償手段)200と、計測演算部300とを備える。
まず、受光器11、21は、エンコーダの検出部で検出された2相の信号を電流に変換する。エンコーダの互いに位相の異なる2相の信号をそれぞれA相(第1相信号)、B相(第2相信号)とすると、受光器11は、A相信号を、受光器21は、B相信号をそれぞれ電流に変換する。なお、受光器11、21には、PINフォトダイオードやアバランシェフォトダイオード等が用いられてもよい。次に、I/V変換器12、22は、抵抗および演算増幅器(OPアンプ)で構成され、受光器11、12で電流に変換された2相の信号をそれぞれ電圧に変換する。I/V変換器12は、受光器11からの電流を、I/V変換器22は、受光器21からの電流をそれぞれ電圧に変換する。次に、増幅器13、23は、I/V変換器12、22によって変換された電圧を所定の電圧に増幅させる。増幅器13は、I/V変換器12からの電圧を、増幅器23は、I/V変換器22からの電圧をそれぞれ増幅させる。次に、A/D変換器14、24は、増幅器13、23で所定の電圧に増幅されたアナログ信号をデジタル信号へ変換する。A/D変換器14は、増幅器13の信号を、A/D変換器24は、増幅器23からの信号をそれぞれデジタル信号へ変換する。
補正信号生成部100は、A/D変換器14、24からの信号と、後述の補正演算部200および計測演算部300からのフィードバック信号から補正信号を生成し、補正演算部200へ信号を送る。補正信号生成部100は、ゲイン補正信号生成部101と、オフセット補正信号生成部102と、固定位相差補正信号生成部103と、時間差補正信号生成部104とを備え、その構成を図3に示す。まず、ゲイン補正信号生成部101は、A/D変換器14、24からの信号からゲインを補正する補正信号を生成し、オフセット補正信号生成部102は、同じくA/D変換器14、24からの信号からオフセットを補正する信号を生成する。固定位相差補正信号生成部103は、乗算器113と、LPF(Low Pass Filter)123と、位相差演算部133を備え、補正演算部200からの信号から、固定位相ずれを補正する信号を生成する。時間差補正信号生成部104は、乗算器114と、LPF124と、位相差演算部134と、時間差演算部144とを備える。この時間差補正信号生成部104は、補正演算部200からの信号および計測演算部300からのフィードバック信号から、時間差に起因した位相ずれを補正する信号を生成する。固定位相差補正信号生成部103および時間差補正信号生成部104の構成を図4に示す。
補正演算部200は、A/D変換器14、24および補正信号生成部100からの信号と、計測演算部300からのフィードバック信号から補正値を演算し、演算した信号を補正信号生成部100および計測演算部300へ送る。補正演算部200は、図5に示すように、加算器201、203、205、207と、乗算器202、204、206と、位相差演算部208を備える。補正演算部200の構成の詳細は、後述する。
次に、計測演算部300は、補正演算部200からのオフセット、ゲイン、固定位相差、可変位相差が補正された信号から干渉光の位相状態を算出して計測対象の位置を出力する。また、移動速度に応じた検出信号の周波数fに基づく信号を生成する。計測演算部300は、位相演算部301、距離演算部302、閉ループフィルタ303を備える。閉ループフィルタ303は、加減算器313、第1積分器323、第2積分器333、定数演算部343を備える。計測演算部300の構成を図6に示し、その詳細は後述する。
次に図面を参照し、本実施形態の計測装置の作用について説明する。まず、図3に示すように、補正信号生成部100は、A/D変換器14、24、補正演算部200、および計測演算部300からの信号を各種補正信号に生成する。ゲイン補正信号生成部101はA相およびB相の信号ゲインを所定の値にするための補正信号を生成し、オフセット補正信号生成部102は信号オフセットをゼロにするための補正信号を生成する。ここで、A相とB相の信号を(1)、(2)式のように表す。なお、(3)は、角速度の式であり、2πfは、周波数fに対応する角周波数である。
A(t)=Va×cos(ωt)+Vosa (1)
B(t)=Vb×sin(ωt+Δθ)+Vosb (2)
ω=2πft (3)
VaはA相信号の振幅、VbはB相信号の振幅、VosaはA相のオフセット、VosbはB相のオフセット、ΔθはA相とB相の位相差90度からの固定的な位相ずれである。A相、B相ともに被計測部の位置が変化すると検出信号の振幅が正弦波的に変化する。ここで、計測対象の速度をVel(m/s)、格子パターンのピッチをP(m)、A相、B相の検出信号の周波数f(Hz)とすると、
f=Vel/P (4)
となり、検出信号の周波数fは、計測対象の速度Velに比例する。例えば、格子パターンのピッチP=1μm、被計測部の位置変化が1μmのとき、A相、B相の検出信号が1μmを周期とする信号になると仮定する。P=1μm、Vel=1m/sの場合を一例とし、(4)式を計算すると、f=1MHzとなる。
ゲインおよびオフセットがずれた検出信号と理想信号の例を図7に示す。ゲイン補正信号およびオフセット補正信号は、図7より下式で表される。
ゲイン補正信号=理想信号の振幅×2/(Vmax−Vmin) (5)
オフセット補正信号=Vave=(Vmax+Vmin)/2 (6)
A相、B相ともに(5)式、(6)式によりゲイン補正信号33、34、オフセット補正信号35、36が生成される。生成された補正信号33〜36は、補正演算部200に入力される。
次に、図5に示すように、A/D変換器14からの信号31に対し、オフセット補正信号35と加算器201によりオフセットがゼロに補正され、ゲイン補正信号33と乗算器202によりゲインが所定値に補正される。これより、オフセットとゲインが補正されたA相信号37が出力される。同様に、A/D変換器24からの信号32に対し、オフセット補正信号36と加算器203によりオフセットがゼロに補正され、ゲイン補正信号34と乗算器204によりゲインが所定値に補正される。これより、オフセットとゲインが補正されたB相信号38が出力される。なお、加算器207については後述する。
次に、図4を参照して、固定位相差補正信号生成部103は、固定的な位相ずれ、即ち、(2)式におけるΔθをゼロにするための信号を生成する。補正演算部200から入力されたA相信号37とB相信号38は乗算器113にて乗算され、LPF123により直流成分が取り出される。即ち、(1)式、(2)式のA相とB相の信号において、振幅が所定値Vに、オフセットがゼロに補正された信号が乗算され、
A(t)×B(t)
=V×cos(ωt)×{V×sin(ωt+Δθ)}
=−V/2×sin(−Δθ)+V/2×sin(2ωt+Δθ) (7)
で表される。(7)式右辺の第1項は固定的な位相ずれΔθに相関した直流信号であり、第2項は検出信号の周波数fに対して2倍の周波数成分である。LPF123により第1項の直流成分Vdcが取り出される。
Vdc=−V/2×sin(−Δθ) (8)
(8)式より、固定的な位相ずれΔθは、位相差演算部133において、
Δθ=sin−1{Vdc/(V/2)} (9)
として固定位相差補正信号39が算出される。Δθが微小角(<<1rad)の場合はsin−1演算を行わずに(9)式右辺の{ }内の演算で近似してもよい。この固定位相差補正信号39により補正演算部200にて固定位相差補正が行われる。
次に、図5に示す加算器205、乗算器206、加算器207により固定位相差補正が行われる。なお、加算器205は、可変位相差補正信号を加えるための演算器であり、固定位相差補正には直接的には関与しない。固定位相差補正信号39は加算器205の後、乗算器206においてA相のオフセットとゲインが補正された信号37と掛け合わされ、A相信号の振幅を調整して加算器207にてB相信号に加算され、B相信号の固定的な位相ずれを補正する。つまり、加算器205の出力をGとおくと、
B(t)+G×A(t)
=V×sin(ωt+Δθ)+G×V×cos(ωt)
={(V)+(G×V)+2×G×V×sin(Δθ)}1/2×
sin[ωt+tan−1[{G+sin(Δθ)}/cos(Δθ)]] (10)
となる。固定位相差補正信号によるGは、(9)式の符号を反転させて、(10)式のtan−1の項が、
tan−1[{G+sin(Δθ)}/cos(Δθ)]=0 (11)
となるよう加えられる。GはVに比べ十分小さいため、
B(t)+G×A(t)≒V×sin(ωt) (12)
となり、加算器207の出力は固定位相差がゼロに補正される。従って、オフセットとゲインと固定位相差が補正されたB相信号38が出力される。
次に、時間差補正について説明する。先に述べたように、格子パターンのピッチP=1μm、被計測部の位置変化が1μmのとき、A相、B相の検出信号が1μmを周期とする信号になると仮定する。この場合、Vel=1m/sではf=1MHzとなる。I/V変換器12、22の構成例を図8に示す。干渉光は受光器11、21により電流Iinに変換され、I/V変換器12、22により電圧Voに変換される。ここで、I/V変換器12、22は、抵抗Rf、コンデンサCfとOPアンプ(演算増幅器)により構成される。例えば、時定数を、Rf=10kΩ、Cf=1.5pFの抵抗とコンデンサによる1次遅れで表すと、
時定数=Rf×Cf=15.0ns (13)
となる。また、I/V変換器12、22の帯域fcは、
fc=1/(2×π×Rf×Cf)=10.6MHz
となり、1MHzの検出信号に対する位相遅れは、
位相遅れ=−tan−1(1/10.6)=−5.4° (14)
となる。
次に、A相、B相信号の波形にて、固定位相差が補正された信号波形を図9(a)に、固定位相差が補正された信号においてB相信号に遅延時間Δtが生じている場合の信号波形を図9(b)に示す。遅延時間は、例えば、受光器11、21からA/D変換器14、24までのパターン長のA相とB相の差やA/D変換器14、24のサンプリングタイミングのずれ等によって発生し得る。パターン長の差=2cmに対して、Δt=約0.1ns、A/D変換器14、24のサンプリングタイミングずれによりΔt=1ns前後が発生する。この遅延時間Δtは、検出信号の周波数によらず、基本的には一定値で、温度や湿度等の環境条件により変化する可能性がある。
次に、ゲインとオフセットと固定位相差が補正されたB相信号において、遅延時間Δt、I/V変換器12、22の1次遅れ時定数=Tcとすると、
B(t)=V×sin{2πf×(t+Δt)+∠tan−1(2πf×Tc)}(15)
となる。ここで、2πf×Tc<<1即ち、f<<1/(2πTc)の場合、
∠tan−1(2πf×Tc)≒2πf×Tc (16)
となり、(16)式を(15)式に代入すると、
B(t)=V×sin{2πf×(t+Δt+Tc)} (17)
となる。ここで、A相に対するB相の1次遅れ時定数のずれをΔTcとして(17)式のTcに代入すると、
B’(t)=V×sin{2πf×(t+Δt+ΔTc)} (18)
となり、遅れ時間の差(時間差)Δτは、
遅れ時間の差Δτ=Δt+ΔTc (19)
となる。移動速度に応じた検出信号の周波数fにおけるΔτによる位相ずれΔφは、(18)、(19)式より、
Δφ=2πfΔτ=2πf×(Δt+ΔTc) (20)
で表される。
ここで、ΔTcの数値例を検討する。図8のI/V変換器12、22の回路周辺には浮遊容量Coが寄生し、パターンや部品配置によって、Co=1pF前後の容量が寄生する。ここで、コンデンサCfと浮遊容量Coによる容量を、
Cf+Co=1.5+1=2.5pF
とすると、時定数は、
時定数=Rf×Cf=25.0ns (21)
となり、I/V変換器の帯域fcは、
fc=6.4MHz
となる。また、1MHzの検出信号に対する位相遅れは、
位相遅れ=−∠tan−1(1/6.4)=−8.9° (22)
となる。コンデンサCfの精度は±10%前後であり、浮遊容量Coも10%前後ばらつく可能性がある。ここで、CfとCoのばらつきが+10%となる場合の容量が、
Cf+Co=2.5×1.1=2.75pF
とすると、時定数は、
時定数=Rf×Cf=27.5ns (23)
となり、I/V変換器12、22の帯域は、
fc=5.79MHz
となり、位相遅れは、
位相遅れ=−tan−1(1/5.8)=−9.80° (24)
となる。また、CfとCoのばらつきが、−10%の場合は、容量が、
Cf+Co=2.5×0.9=2.25pF
とすると、時定数は、
時定数=Rf×Cf=22.5ns (25)
となり、I/V変換器12、22の帯域は、
fc=7.07MHz
となり、位相遅れは、
位相遅れ=−tan−1(1/7.07)=−8.05° (26)
となる。(23)式〜(26)式よりCfとCoのばらつきによる時定数の差と位相遅れの差は、
時定数の差=27.5ns−22.5ns=5.0ns (27)
位相遅れの差=−9.8−(−8.05)=−1.75° (28)
となる。
A相、B相信号の周波数f=1MHzの場合、即ち、Vel=1m/sにおける検出信号波形を図10(a)に、(28)式による位相遅れの差が−1.75°の場合における移動距離の計測誤差を図10(b)に示す。検出信号の周期に対し計測誤差は1/2の周期で誤差が0〜−6.8nmの周期的特性を示すことが分かる。この位相遅れの差による計測誤差は、1nm前後の精度で移動距離を計測する場合に極めて大きな誤差源となる。
(18)式、(19)式において、Δτが一定である場合の信号周波数fに対するΔτによる位相ずれΔφは、図11のような特性を示す。実線は、(16)式左辺に、(23)と(25)の値を代入してその差分を算出したものであり、破線は(16)式右辺の直線近似式で差分を算出したものである。これより、カットオフ周波数fc=1/(2πTc)よりも十分低い周波数ではΔτによる位相ずれΔφと周波数fは比例関係にあり、周波数が低い程、位相ずれは小さくなることが分かる。また、カットオフ周波数に近づくと、直線近似式とずれることが分かる。
続いて、固定位相差補正信号生成部103と時間差補正信号生成部104の動作の違いを述べながら時間差補正信号生成部104について説明する。検出信号の位相ずれには、(2)式で表される固定的な位相ずれΔθと、(18)〜(20)式で表される遅れ時間の差Δτによる位相ずれΔφが混在する。しかしながら、周波数fに対する特性が異なり、Δθは、周波数fに依存せず一定であり、Δφは先に述べたように周波数fに依存し比例する。従って、低い周波数ではΔθが支配的となり、Δφの影響を無視できる。例えば、図11を参照すると、10kHz以下ではΔφ<0.02°となり、この場合、固定位相差補正信号生成部103によりΔθを精度よく検出し、補正演算部200により固定的な位相ずれΔθを補正することができる。
次に、移動速度を上げて周波数fを高くし、Δφの影響が大きくなった状態で時間差補正信号生成部104にてΔφを求める。図4の時間差補正信号生成部104の乗算器114、LPF124、位相差演算部134は固定位相差補正信号生成部103と同様の動作を行う。固定的な位相ずれΔθは補正演算部200により補正されているため、位相差演算部134では、(7)式、(18)式、(19)式より、
A(t)×B’(t)
=V×cos(ωt)×[V×sin{ω×(t+Δτ)}]
=−V/2×sin(−ωΔτ)+V/2×sin(2ωt+ωΔτ)(29)
(29)式右辺の第1項は遅れ時間の差Δτに相関した直流信号であり、第2項は検出信号の周波数fに対して2倍の周波数成分である。LPF124により第1項の直流成分Vdcが取り出される。
Vdc=−V/2×sin(−ωΔτ) (30)
sin(ωΔτ)=Vdc/(V/2) (31)
位相差演算部134では、(32)式、または(33)式より位相ずれΔφを算出する。
Δφ=ωΔτ=sin−1{Vdc/(V/2)} (32)
Δφ<<1(rad)の場合、 Δφ≒Vdc/(V/2) (33)
続いて、時間差演算部144では、Vdcを計測した際の移動速度に応じた検出信号の周波数fに基づく信号42より、単位角周波数あたりの遅れ時間の差Δτを算出し、時間差補正信号40として出力する。
Δτ=Δφ/(2×π×f) (34)
先に述べたように、遅れ時間の差Δτは、検出信号の周波数によらず、基本的には一定値であるが、温度や湿度等の環境条件により変化する可能性がある。従って、Δτの計測および算出は、常時行う必要はなく、温度や湿度等の環境変化や経時変化等によりΔτが変化する可能性がある場合に再計測すればよい。
以上から、計測対象がレチクルステージ4およびウエハステージ7のスキャン方向の場合、露光時にスキャン駆動速度、即ち移動速度が最高で且つ安定となる。また、ウエハステージ7のステップ方向の場合、露光後の次のチップに移動する際にステップ駆動速度が最高となる。従って、遅れ時間の差Δτを計測するにはスキャン駆動速度およびステップ駆動速度が最高速度の場合に周波数fが最も高くなり最適な条件となる。また、スキャン駆動やステップ駆動の際、レチクルステージ4やウエハステージ7が等速移動中に、遅れ時間の差Δτの計測が行われる。この場合、遅れ時間の差Δτの計測は、各スキャン駆動およびステップ駆動毎に行ってもよいし、計測の時間間隔を任意に長く取って定期的に行ってもよい。また、露光動作とは別に、計測シーケンスを設け、周波数が高くなる各ステージの最高速度付近で駆動して遅れ時間の差を求め、周波数が十分低くなる低速度の駆動で固定位相ずれを求めるよう構成してもよい。更に、実際の計測対象の駆動ではなく、最高速度の際に検出される周波数と同等で電気的な高周波信号を受光器11、21または、I/V変換器12、22に印加して遅れ時間の差Δτを計測するよう構成してもよい。
このように、本実施形態における計測装置では、前記第1および第2相信号を出力する手段の遅れ時間の差を求めることができればよい。従って、受光器11、21からA/D変換器14、24までのパターン長のA相とB相の差やサンプリングタイミングのずれ、およびI/V変換器12、22や回路の浮遊容量等による遅れ時間の差Δτを計測することができればよい。また、その計測方法は特に限定されない。なお、時間差演算部144で求められた遅れ時間の差Δτは、不図示の記憶手段に記憶されるよう構成してもよい。
図5の補正演算部200の位相差演算部208は、遅れ時間の差Δτを表す時間差補正信号40と移動速度に応じた検出信号の周波数fに基づく信号42により、移動速度に応じた位相ずれΔφを算出する。
Δφ=2×π×f×Δτ (35)
Δτは上記計測により求めた固定値であるが、移動速度により周波数fは変化するため、位相ずれΔφの値は移動速度に応じて変化する可変位相差補正信号となる。この位相ずれΔφ、即ち可変位相差補正信号は、加算器205により固定位相差補正信号39と加算される。以降、先に述べた固定位相差補正と同じように、乗算器206においてA相のオフセットとゲインが補正された信号37と掛け合わされ、A相信号の振幅を調整して加算器207にてB相信号に加算される。これにより、B相信号の固定的な位相ずれΔθと遅れ時間の差Δτによる位相ずれΔφの両方を補正することが可能となる。
なお、図11に示した、カットオフ周波数fc=1/(2πTc)付近以上の周波数が入力される場合は、(35)式による位相ずれΔφの可変位相差補正信号では補正誤差が大きくなる。この場合、カットオフ周波数付近以上の周波数となる移動速度にて(34)式の遅れ時間の差Δτを求め、必要とされる精度に応じて検出信号の周波数fに対し、折れ線近似や曲線近似して位相ずれΔφを算出するよう構成してもよい。
次に、図6に示すように、補正演算部200からのA相信号37とB相信号38は、位相演算部301により干渉光の位相が算出される。A相信号とB相信号の比のtan−1演算により位相を算出してもよいし、信号の比に対応するテーブルを参照して位相を求めてもよい。算出された位相信号は、距離演算部302にて計測対象の移動距離を算出する。例えば、格子パターンのピッチが1μmの場合、位相信号が2π変化すると1μmの移動距離となる。回転角度を計測する場合においても同様に、格子パターンのピッチに対し回転角度が割り振られ、例えば360°を1000等分されている場合、位相信号が2π変化すると0.36°の回転角度となる。
A相信号37およびB相信号38には、受光器11、21やI/V変換器12、22によるショットノイズ、サーマルノイズ、OPアンプ等のノイズが重畳しているため距離演算部302で算出された距離の値にもノイズが含まれる。このノイズを低減するため以下の閉ループフィルタ303が構成される。閉ループフィルタ303は、加減算器313と、直列に接続された第1積分器323および第2積分器333で構成され、第2積分器333の出力41を計測対象の位置として出力するとともに加減算器313にフィードバックする。閉ループフィルタ303はノイズを低減し且つフィードバック構成により入力信号に対する偏差をゼロに抑えることが可能であるため、より正確な移動距離を出力することができる。また、第2積分器333の出力は距離を表すため、その前段、即ち第1積分器323の出力は速度に応じた信号となる。この速度に応じた信号より(4)式にて格子パターンのピッチに基づいて定数演算部343によりA相、B相の検出信号の周波数fに基づく信号42を算出することができる。信号42も閉ループフィルタ303によりノイズが低減され正確な出力となる。
このように、本実施形態によるエンコーダをレチクルステージ4およびウエハステージ7に用いることにより、極めて高速に駆動されるステージからの出力信号の時間差により生じる位相ずれを補正することができる。その結果、計測誤差が補正されて、高精度なステージ位置計測および制御が可能となる。すなわち、計測対象の位置を計測するエンコーダにおいて、出力信号の少なくとも一方に基づく周波数に依存する位相差の変動を補償し、時間差により生じる計測誤差を補償することが可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、出力信号の相間の時間差に起因した計測誤差を補償する計測装置を提供することができる。
(物品の製造方法)
実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。該製造方法は、物体(例えば、感光材を表面に有する基板)上に上記のリソグラフィー装置を用いてパターン(例えば潜像パターン)を形成する工程と、当該工程でパターンを形成された物体を処理する工程(例えば、現像工程)とを含みうる。さらに、該製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含みうる。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形または変更が可能である。例えば、上述の実施形態においてリソグラフィー装置として紫外光、真空紫外光または極端紫外光を用いた露光装置1の例を説明した。しかしながら、リソグラフィー装置は、それに限らず、原版または基板を保持する可動のステージを含むリソグラフィー装置であればよい。例えば、電子線のような荷電粒子線で基板(上の感光剤)に描画を行って基板上にパターンを形成する描画装置であってもよく、また、型を用いて基板上のインプリント材を成形(成型)して基板上にパターンを形成するインプリント装置であってもよい。
8 計測装置
200 補償手段
f 周波数

Claims (12)

  1. 互いに位相の異なる第1相信号および第2相信号から計測対象の位置を計測する計測装置であって、
    前記第1相信号および前記第2相信号の少なくとも一方の周波数に基づいて、前記第1相信号と前記第2相信号との間の位相差の変動を補償する補償手段を有する、ことを特徴とする計測装置。
  2. 前記補償手段は、前記第1相信号と前記第2相信号との間の単位角周波数あたりの遅れ時間の差と、前記周波数に対応する角周波数とに基づいて前記変動の量を求めて前記変動を補償する、ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記補償手段は、前記変動の量に基づいて前記第1相信号の振幅を調整し、該振幅を調整された前記第1相信号を前記第2相信号に加算することにより、前記変動を補償する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。
  4. 前記周波数に依存する前記位相差の変動の量と、前記周波数に依存しない前記位相差のずれ量とを求める手段をさらに有し、
    前記周波数に依存しない前記位相差のずれ量は、前記周波数に依存する前記位相差の変動の量より先に求められ、
    前記周波数に依存する前記位相差の変動の量は、前記周波数に依存しない前記位相差のずれ量を補償された前記第1相信号および前記第2相信号に基づいて求められる、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の計測装置。
  5. 前記周波数に依存する前記位相差の変動の量を求める場合の前記周波数は、前記周波数に依存しない前記位相差のずれ量を求める場合の前記周波数より高い、ことを特徴とする請求項4に記載の計測装置。
  6. 前記第1相信号および前記第2相信号を生成するための要素が間隔をもって配置されたスケールを有し、
    前記周波数は、前記計測対象の移動速度と前記間隔とに基づいて求められる、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の計測装置。
  7. 前記第1相信号および前記第2相信号に基づいて前記計測対象の位置を出力する出力手段を有し、
    前記出力手段は、第1積分器と第2積分器とを直列に含む閉ループフィルタを有し、該閉ループフィルタを介して前記計測対象の位置を出力する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の計測装置。
  8. 前記第1積分器の出力に基づいて前記周波数を求める手段を有する、ことを特徴とする請求項7に記載の計測装置。
  9. 前記周波数に依存する前記位相差の変動の量は、前記計測対象が等速移動している場合における前記第1相信号および前記第2相信号に基づいて求められる、ことを特徴とする請求項4に記載の計測装置。
  10. 前記周波数に依存する前記位相差の変動の量は、前記第1相信号と前記第2相信号とを乗算して得られる信号の直流成分に基づいて求められる、ことを特徴とする請求項9に記載の計測装置。
  11. パターンを基板に形成するリソグラフィー装置であって、
    原版または前記基板を保持して移動する保持部と、
    前記保持部の位置を計測する請求項1〜10のいずれか1項に記載の計測装置と、
    を有することを特徴とするリソグラフィー装置。
  12. 請求項11に記載のリソグラフィー装置を用いてパターンを基板に形成する工程と、
    前記工程で前記パターンを形成された基板を処理する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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