JP5935466B2 - シャンプー組成物 - Google Patents
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このように、親油性の高い油剤を配合した整髪料を効果的に除去することができ、洗髪時の泡質に優れ、コンディショニング効果が良好な、言い換えれば、すすぎ時および乾燥後の滑らかさが良好なシャンプー組成物の開発には至っていなかった。
下記の成分(A)を3〜30質量%、成分(B)を0.5〜20質量%、成分(C)を0.05〜5質量%、成分(D)を0.5〜15質量%、成分(E)を0.1〜10質量%含有し、成分(D)/成分(A)の質量比が0.08〜0.9であり、成分(D)/成分(E)の質量比が0.5〜8であることを特徴とするシャンプー組成物;
(A)アニオン性界面活性剤、
(B)両性界面活性剤、
(C)カチオン性高分子、
(D)下記一般式(1)で示されるアルキレンオキシド誘導体、
(E)アルカリ金属の無機塩。
成分(A)は、アニオン性界面活性剤であり、シャンプー組成物に起泡力や洗浄力を付与するために配合される。
アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアミドエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルイセチオン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、N−アシルポリペプチド塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。これらの中でも、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩が好ましく、更に好ましくはN−アシルアミノ酸塩である。これらの塩を構成する対イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、アルカノールアミンイオン、アミノ酸イオン等が挙げられる。これらアニオン性界面活性剤におけるアルキル基またはアシル基は、洗浄力や起泡力の観点から、炭素数が10〜18であることが好ましく、更に好ましくは12〜14である。
成分(B)は、両性界面活性剤であり、成分(A)と併用することで洗浄力や泡質を向上させる効果がある。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルヒドロシキシスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドヒドロキシエチルアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルイミノジ酢酸塩等が挙げられる。アルキル基またはアシル基の炭素数は、洗浄力や起泡力の観点から、10〜18であることが好ましく、更に好ましくは12〜14である。また、アシル基として、ヤシ油脂肪酸などの混合脂肪酸由来のアシル基を用いることができる。両性界面活性剤の具体例としては、ラウリルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。
成分(C)は、カチオン性高分子であり、すすぎ時の指通りや乾燥後の滑らかさを向上させるために配合される。成分(C)は、成分(A)および(B)の混合ミセルと複合体を形成し、すすぎ時の希釈によって系内から析出(コアセルベーション現象)し、これが毛髪に吸着することで、すすぎ時の指通りや乾燥後の滑らかさを向上させるコンディショニング効果を付与する。
成分(D)は、下記一般式(1)で示されるアルキレンオキシド誘導体であり、成分(A)のアニオン性界面活性剤と成分(C)のカチオン性高分子の凝集を促進し、コアセルベーション現象を促進することで、すすぎ時の指どおりや乾燥後の滑らかさを向上させる。また、成分(D)を配合することで、泡立て時に泡膜からの水の排液を抑制し、泡量や泡質を改善する。更に、成分(D)は油性成分に対する乳化や可溶化力が高く、洗浄力を向上させる効果がある。
脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ベヘン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸などが挙げられ、なかでもラウリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸が好ましい。一般式(1)で示されるアルキレンオキシド誘導体を調製するに際しては、これら脂肪酸を1種単独で用いてもよいし、または2種以上を用いてもよい。
エステル化率=[(SV−AV) /(SV−AV+OHV)] ×100
なお、SV、AV、OHVはいずれも日本工業規格(JIS)記載の方法に準拠して測定することができる。
SV; JIS K −0070 4. 1
AV; JIS K −0070 3. 1
OHV; JIS K−1557 1
成分(E)は、アルカリ金属の無機塩であり、上記成分(A)、(B)、(C)と組み合わせることでコアセルベーション現象を促進し、すすぎ時の指通りを改善する。
アルカリ金属の無機塩としては、アルカリ金属の塩化物塩、硫酸塩、硝酸塩、およびリン酸塩等が挙げられる。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、およびリチウムが挙げられる。具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムが挙げられる。成分(E)は1種単独で用いてもよいし、または2種以上を併用してもよい。
本発明のシャンプー組成物は、更に成分(F)として炭化水素油またはエステル油を含有していてもよく、これらをシャンプー組成物に配合することで、乾燥後の滑らかさを向上させることができる。成分(F)は、成分(A)、(B)、(C)、(D)と組み合わせることで毛髪への吸着が促進され、乾燥後の滑らかさが向上する。特に、成分(D)の乳化、可溶化力が高いので、成分(F)を安定配合することができる。
表2および表3に示した成分を所定の比率で配合し、更に共通添加成分として表1に示す成分を配合したシャンプー組成物を下記の方法で調製した。なお、表2および表3中の配合量の数値は、シャンプー組成物全量に対する質量%を表わす。
*2:パールリームEX(日油(株)製)
*2:パールリームEX(日油(株)製)
成分(A)〜(F)、共通添加成分および水を表1〜3に示した比率となるように80℃にて均一になるまで混合し、室温まで冷却し、液状のシャンプー組成物を得た。
(a)洗浄力
パネラー10名が市販のヘアワックスを毛髪に適量塗布した後、実施例および比較例のシャンプー組成物を使用して洗髪を行った際の洗浄力をパネラー各人が下記評価基準にて評価し、評点をつけた。10名のパネラーの評価の平均値が3.0以上を「◎」、2.0以上3.0未満を「○」、1.0以上2.0未満を「△」、1.0未満を「×」とした。ただし、平均値に関わらず、2名以上のパネラーが0点の評点をつけた場合は「×」とした。
4:すすぎ後に全く整髪料が残っていないと判断。
3:すすぎ後にほとんど整髪料が残っていないと判断。
2:すすぎ後にやや整髪料が残っていると判断。
1:すすぎ後にも整髪料が残存しており、ややごわつく感触であると判断。
0:すすぎ後にもほとんど整髪量が除去できておらず、ごわつく感触であると判断。
上記(a)の評価を行う際、洗髪時の泡量、泡質をパネラー各人が下記評価基準で評価し、評点をつけた。10名のパネラーの評価の平均値が3.0以上を「◎」、2.0以上3.0未満を「○」、1.0以上2.0未満を「△」、1.0未満を「×」とした。ただし、平均値に関わらず、2名以上のパネラーが0点の評点をつけた場合は「×」とした。
4:非常にきめ細かな泡が多量に形成されていると判断。
3:泡量が適切で、きめ細かな泡が形成されていると判断。
2:泡量がやや少ないが、きめ細かな泡が形成されていると判断。
1:泡量が適切であるが、やや粗い泡が形成されていると判断。
0:泡量が少なく、粗い泡が形成されていると判断。
上記(a)の評価を行う際、すすぎ時の指通りをパネラー各人が下記評価基準で評価し、評点をつけた。10名のパネラーの評価の平均値が3.0以上を「◎」、2.0以上3.0未満を「○」、1.0以上2.0未満を「△」、1.0未満を「×」とした。ただし、平均値に関わらず、2名以上のパネラーが0点の評点をつけた場合は「×」とした。
4:非常に指通りが滑らかであると判断。
3:指通りが滑らかであると判断。
2:指通りが滑らかであるが、ややぬるつくと判断。
1:ややきしむ感触であると判断。
0:指通りが悪く、きしむ感触であると判断。
上記(a)の評価を行った後、ドライヤーにて毛髪を乾燥させた直後の状態をパネラー各人が下記評価基準で評価し、評点をつけた。10名のパネラーの評価の平均値が3.0以上を「◎」、2.0以上3.0未満を「○」、1.0以上2.0未満を「△」、1.0未満を「×」とした。ただし、平均値に関わらず、2名以上のパネラーが0点の評点をつけた場合は「×」とした。
4:非常に指通りが滑らかであると判断。
3:指通りが滑らかであると判断。
2:指通りが滑らかであるが、ややごわつくと判断。
1:ややごわつく感触であると判断。
0:指通りが悪く、ごわつく感触であると判断。
Claims (3)
- 下記の成分(A)を3〜30質量%、成分(B)を0.5〜20質量%、成分(C)を0.05〜5質量%、成分(D)を0.5〜15質量%、成分(E)を0.1〜10質量%含有し、成分(D)/成分(A)の質量比が0.08〜0.9であり、成分(D)/成分(E)の質量比が0.5〜8であることを特徴とするシャンプー組成物;
(A)アニオン性界面活性剤、
(B)両性界面活性剤、
(C)カチオン性高分子、
(D)下記一般式(1)で示されるアルキレンオキシド誘導体、
(E)アルカリ金属の無機塩。 - 一般式(1)においてオキシアルキレン基の合計に占めるオキシエチレン基の質量比率が100質量%であることを特徴とする請求項1に記載のシャンプー組成物。
- 成分(A)が、アシル基の炭素数が8〜18であるN−アシルアミノ酸型のアニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1または2に記載のシャンプー組成物。
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