JP5935205B2 - 浮屋根式タンクの屋根板上の雨水排出構造 - Google Patents
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Description
原油その他の揮発性・可燃性液体を貯蔵する大型の浮屋根タンク本体1は、図14に示すように、円形平板の底板2と円筒体形状の側板3と、この側板3内部の貯蔵液4の液面上に浮べた浮蓋状で一枚板、シングルデッキ構造の浮屋根5とから形成されている。
浮屋根5は、貯蔵液体4の蒸発を抑制するとともに、貯蔵液体4への雨水や異物の混入を防止するように形成されている。
この浮屋根5は、一枚の薄板鋼板の屋根板6と、この屋根板6外周の環状箱体の外周ポンツーン7とから形成され、この外周ポンツーン7と側板3内面との間隙を気密に保持するシール装置8と、その上部に雨よけ板9が設けられている。
そして、浮屋根5の上に降る雨水を屋根板6の中心部に集め、タンク外部へ排水するルーフドレン10が設けられている。
この特許文献1の発明は、図15に示すように、浮屋根5の撓みが発生する一枚板の屋根板6の上面に隔離させて傾斜面( 上り勾配)12、凸部13を有する上屋根板11を設けて撓み防止と浮力向上を図るとともに、外周ポンツーン7と雨よけ板9及び上屋根板11上に降る雨水を集水枡14に集めてルーフドレン15から排出するように改造したものである。
この特許文献2の発明は、図16に示すように、シングルデッキ構造の浮屋根5の屋根板6、外周ポンツーン7、及び中央ポンツーン10に、補強トラス11Aと補強屋根板11Bからなる補強構造体11を設けて補強形成するものである。
上記樋状の排水溝は、外周ポンツーン内側近傍からタンク中心部に向けて下り勾配形状に傾斜させて底面に形成された傾斜構造体に中仕切り底板が貼られた流路が形成されたものである。
上記桶状の排水溝は、屋根板がライン状に開口され、断面H字形状のH形鋼材が下部に挿入され、この両側上端縁と屋根板切断縁が溶接されたものである。
上記樋状の排水溝は、屋根板下面に放射状に配設された補強リブ間の屋根板下面に溶着されたU字溝状であり、このU字溝上部に位置する箇所が複数断続 されてライン状に開口部が開孔されるか、或いは複数列に細孔が設けられて形成されたものである。
上記樋状の排水溝は、外周ポンツーン内側近傍からタンク中心部に向けて下り勾配形状に傾斜させて底面に形成された傾斜構造体に中仕切り底板が貼られた流路が形成されているので、
屋根板の撓みによる凹凸部が生じ難く、凹部への雨水滞留がなく排水性が良いため、部分的に大きく沈下することがなく腐食損傷をすることもない。
雨水の集水機能が良くさらに排水機能も増すことができる。
センターサンプに向けて重量が増加することにより、中心が下がる傾向となり流れ勾配が取れるため、雨水の集水性能がさらに向上するメリットが生ずる。
上記桶状の排水溝は、屋根板がライン状に開口され、断面H字形状のH形鋼材が下部に挿入され、この両側上端縁と屋根板切断縁が溶接されたので、
屋根板の撓みによる凹凸部が生じ難く、凹部への雨水滞留がなく排水性が良いため、部分的に大きく沈下することがなく腐食損傷をすることもない。
屋根板の配置と切断開口に合わせて、H形鋼材の取付けと溶接固定の作業を、順次作業性よく行うことができる。
このように、排水溝にH形鋼材を使用することによって、センターウエイトリングに至るデッキスティフナーに代わる補強材として機能し、半径と直交する方向の曲げ荷重に対して剛性が増すため屋根板の撓み剛性が向上する。
上記樋状の排水溝は、屋根板下面に放射状に配設された補強リブ間の屋根板下面に溶着されたU字溝状であり、このU字溝上部に位置する箇所が複数断続 されてライン状に開口部が開孔されるか、或いは複数列に細孔が設けられて形成されたので、
屋根板の撓みによる凹凸部が生じ難く、凹部への雨水滞留がなく排水性が良いため、部分的に大きく沈下することがなく腐食損傷をすることもない。
排水溝の設置が簡単で、穴あけ開口の作業を簡単に作業性良く行うことができる。
図1に示すように、原油その他の揮発性・可燃性液体を貯蔵する大型の浮屋根タンク1は、円形平板の底板2と円筒体形状の側板3と、この側板3内部の貯蔵液4の液面上に浮べた浮蓋状の浮屋根5とから形成されている。この浮屋根5は、貯蔵液体4の蒸発を抑制するとともに、貯蔵液体4への雨水や異物の混入を防止するように形成されている。
シングルデッキ構造の浮屋根5は、薄板鋼板の屋根板6と、この屋根板6の外周部の環状の外周ポンツーン7とから形成され、この外周ポンツーン7と側板3内面との間隙を気密に保持するシール装置8と、その上部に雨よけ板9が設けられている。
10はルーフドレン、11はセンターサンプである。
浮屋根5の上に降る雨水は、屋根板6の下部に配設された排水溝12によってセンターサンプ11に集められてルーフドレン10からタンク外部へ排水される。
この場合、センターサンプ11に向けて重量が増加することにより、中心が下がる傾向となり流れ勾配が取れるため、雨水の集水性能がさらに向上するメリットが生ずる。
屋根板6をライン状に開口する開口部18を設け、上記U字溝状の排水溝12を下部に挿入し、両側上端縁を水平に張出した鍔12cの上下を屋根板6に溶接する。
デッキスティフナー17は、センターウエイトリング16に接続して設ける17aと、センターウエイトリング16から離して設ける17bとで形成され、排水溝12Aは、デッキスティフナー17b,17bの間に配設している。
屋根板6、6上の雨水は、排水溝12A上方の開口部18から矢印のように排水溝12A内へ流入する。
屋根板6、6上の雨水は、排水溝12B上方の開口部18から矢印のようにH形鋼からなる排水溝12B内へ流入する。
このように、排水溝12BにH形鋼材を使用することによって、センターウエイトリング16に至るデッキスティフナーに代わる補強材として機能し、半径と直交する方向の曲げ荷重に対して剛性が増すため屋根板6の撓み剛性が向上する。
19aは格子状の開口部で、19bはその支え材で必要に応じて設ける。
このように、樋状の排水溝の上部開口部に金網状の覆い蓋20を設けることにより、塵芥21を分離し雨水のみを排水するので、排水溝12が詰まることなく排水性能が確保される。
2 底板
3 側板
4 貯蔵液
5 浮屋根
6 屋根板
7 外周ポンツーン
8 シール装置
9 雨よけ板
10 ルーフドレン
11 センターサンプ
12 排水溝
13 外周集水口
14 中央集水口
15 傾斜構造体
16 センターウエイトリング
17 デッキスティフナー(補強形鋼材)
18 開口部
19 覆い蓋(格子状)
20 覆い蓋(金網状)
21 塵芥
Claims (3)
- シングルデッキ構造の浮屋根式タンクの屋根板の上面の雨水が集められてセンターサンプへ導かれる樋状の排水溝が、外周ポンツーン内側近傍からセンターサンプへ至る半径方向に向けて、複数本放射状に配設された浮屋根板上面の雨水排出構造において、
上記樋状の排水溝は、外周ポンツーン内側近傍からタンク中心部に向けて下り勾配形状に傾斜させて底面に形成された傾斜構造体に中仕切り底板が貼られた流路が形成されていることを特徴とする浮屋根板上面の雨水排出構造。 - シングルデッキ構造の浮屋根式タンクの屋根板の上面の雨水が集められてセンターサンプへ導かれる樋状の排水溝が、外周ポンツーン内側近傍からセンターサンプへ至る半径方向に向けて、複数本放射状に配設された浮屋根板上面の雨水排出構造において、
上記桶状の排水溝は、屋根板がライン状に開口され、断面H字形状のH形鋼材が下部に挿入され、この両側上端縁と屋根板切断縁が溶接されていることを特徴とする浮屋根板上面の雨水排出構造。
- シングルデッキ構造の浮屋根式タンクの屋根板の上面の雨水が集められてセンターサンプへ導かれる樋状の排水溝が、外周ポンツーン内側近傍からセンターサンプへ至る半径方向に向けて、複数本放射状に配設された浮屋根板上面の雨水排出構造において、
上記樋状の排水溝は、屋根板下面に放射状に配設された補強リブ間の屋根板下面に溶着されたU字溝状であり、このU字溝上部に位置する箇所が複数断続されてライン状に開口部が開孔されるか、或いは複数列に細孔が設けられて形成されたことを特徴とする浮屋根板上面の雨水排出構造。
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