JP5935032B2 - 木製単板容器の製造方法とこれにより製造した木製単板容器ならびに木製単板容器製造ホットプレス装置 - Google Patents

木製単板容器の製造方法とこれにより製造した木製単板容器ならびに木製単板容器製造ホットプレス装置 Download PDF

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本願発明は、木材の薄板材を雄型と雌型とからなる金型の間で熱圧してなる木製単板容器の製造方法とこれにより製造した木製単板容器ならびに木製単板容器ホットプレス装置に関するものであり、詳しくは、再生産可能な資源としてその活用が高く期待されている木材を簡便な装置及び工程によりパンク現象を回避して、得られる容器形状の自由度が大きい木製単板容器の成形技術に関するものである。
従来、例えば、生鮮食品等を包装して販売するための容器は、発泡プラスチックシートを成形したトレー状の容器が一般的である。通常は白色であるが、高級感を出すために木目模様を印刷したフィルムを表面にラミネートした容器も提供されている。
しかしながら、素材であるプラスチックは石油製品であることが多く、製造過程あるいは廃棄処理の過程での二酸化炭素の排出が問題になる。 また、石油資源は有限であるから省資源の見地からもトレー素材を木材や竹等の植物系材料など再生産可能なものに求めるべき時期にきており、このため例えば、板状の木材を金型で加圧してトレーを成形する方法などが提案されている。
原料となる木材は、吸湿性等に優れているので生鮮食品の包装容器に適しており、焼
却が容易でその際に新たに二酸化炭素を増加させることもない。 また、木材は言うまでもなく再生産可能であり、木材に素材源を求めることで環境保全に大いなる寄与をなす森林の保持、育成に資するところも大きい。
しかし、上記した板状の木材を金型で加圧して成形する方法では、材料を構成する細胞が加圧により圧縮(一部引張)されることを利用して変形させるため、その変形量に制約があり、製作可能な形状が限定されるという問題がある。すなわち、例えばトレーを例にとると、その側壁の立ち上がり角度が大きく、底の深い形状のものを得ることは困難である。
また、限られた形状のものを成形するにしても、多くの場合、熱圧に際して木材原料内部で水蒸気爆発が起こり完成品を得ることが難しい。いわゆるパンク現象の発生である。
なお、本願発明に関連する技術が以下のような文献において開示されている。
特開2003-53710号公報 特開2006−76055号公報 特開2008−168637号公報
本願発明は、木材単板を金型によりパンク現象を防止しつつ熱圧して形状自由度の大きい木製単板容器を効率よく生産し得る成形技術の提供を目的としている。
また、本願発明はプラスチック製の容器、例えばプラスチック製トレーにコスト面で拮抗しえる木製トレーの提供を目的としている。 コストダウンや軽量化の観点から木製トレーの素材となる木製単板を単層として使用することが望ましい。 しかしながら、単板を単層で利用する場合、熱圧成形の過程で成形不良が発生しやすいという問題が生じる。 本願発明は、このような問題点の解決も目的としている。
本願発明は、金型に挟持される木製単板を熱圧して所定形状の容器に成形する木製単板容器の製造方法であって、以下の工程を有する木製単板容器の製造方法を提供して、上記従来の課題を解決しようとするものである。 すなわち、
(イ)密閉容器内で木製単板を水蒸気処理(スチーミング)する手段、又は温水浸漬後の単板にマイクロ波照射する手段、又は有機液体(水又は有機液体相互の混合体を含む)を単板に付与する手段のいずれかにより木製単板を可塑化(軟化)する工程、
(ロ)木製単板を金型にセットして、緩やかな水分除去手段すなわち熱圧に際して加圧、解圧動作の反復繰り返しを初期には頻繁に行い、その後は徐々に加圧時間を長くする熱盤動作により単板内の水蒸気の急激な膨張を防止しつつ熱圧する工程、
(ハ)次いで単板容器形態の維持固定をなすために、熱圧を所定時間、所定温度で解圧なしに連続的に行う工程。
また、上記段落0008記載の木製単板容器の製造方法において、前記工程(イ)の水蒸気処理(スチーミング)する手段は、内部に金型が設置されている水蒸気密閉槽内でなすように構成することがある。
本願発明はまた、 金型に挟持される木製単板を熱圧して所定形状の容器に成形する木製単板容器の製造方法であって、以下の工程を有することを特徴とする木製単板容器の製造方法を提供する。
(イ) 木製単板にポリエチレン/エチレン酢酸ビニル樹脂共重合体(PE/EVA)片面熱融着性フィルムをローラープレスにより融着する工程、
(ロ) 次いで、フィルムを融着したスギ単板の可塑化(軟化)処理のために、これをスティーミング処理する工程、
(ハ) 前記工程から取り出した木製単板を素早く成形装置(ホットプレスの金型)にセットし、金型でプレス(熱圧)するのに併せて、緩やかな水分除去手段すなわち熱圧に際して加圧、解圧動作の反復繰り返しを初期には頻繁に行い、その後は徐々に加圧時間を長くする熱盤動作により単板内の水蒸気の急激な膨張を防止しつつ熱圧する工程、
(ニ) 次いで、成形形状を固定するために所定時間のプレスをなす工程、
(ホ) 熱圧金型中に形成されから取り出したトレーを熱圧金型と同形状の金型のコールドプレスにより加圧して冷却する工程。
また、上記段落0010記載の木製単板容器の製造方法において、単板について前
記工程(ロ)に係る可塑化(軟化)処理を行わない構成となすことがある。
さらに、本願発明は、金型に挟持される木製単板を熱圧して所定形状の容器に成形する木製単板容器の製造方法であって、以下の工程を有することを特徴とする木製単板容器の製造方法を提供する。
(イ)木製単板2枚を温水に所定時間浸漬した後、単板と同じ大きさのポリエチレン(PE)フィルム(0.01-0.5mm)を単板の間に挟み、スティーミング処理をなす工程、
(ロ)前記工程から取り出した木製単板を素早く成形装置(ホットプレスの金型)にセットし、金型でプレス(熱圧)するのに併せて、緩やかな水分除去手段すなわち熱圧に際して加圧、解圧動作の反復繰り返しを初期には頻繁に行い、その後は徐々に加圧時間を長くする熱盤動作により単板内の水蒸気の急激な膨張を防止しつつ熱圧する工程、
(ハ)次いで、成形形状を固定するために所定時間のプレスをなす工程、
(ニ)熱圧金型中に形成されたトレーを取り出して熱圧金型と同形状の金型のコールドプレスにより加圧して冷却する工程。
本願発明はまた、水の急激な蒸発を防止するためにテフロン加工を施した金型に挟持される木製単板を熱圧して所定形状の容器に成形する木製単板容器の製造方法であって、以下の工程を有することを特徴とする木製単板容器の製造方法を提供する。
(イ)木製単板を温水中に1〜2分間程度浸漬した後取り出し、深さ、角度(側壁立ち上がり角度)、底面と側壁との交わり部の曲率について所定仕様である熱圧金型において、メス金型に水滴を少量滴下し、その上にその木製単板をセットして、木製単板の温度が上昇するまで所定時間待機させて木製単板の可塑化(軟化)をなした後、メス金型とオス金型とにより木製単板を挟圧してプレス成形を開始する工程、
(ロ)金型でプレス(熱圧)するのに併せて、緩やかな水分除去手段すなわち熱圧に際して加圧、解圧動作の反復繰り返しを初期には頻繁に行い、その後は徐々に加圧時間を長くする熱盤動作により単板内の水蒸気の急激な膨張を防止しつつ熱圧する工程、
(ハ)次いで、成形形状を固定するために所定時間のプレスをなす工程。
本願発明はまた、金型に挟持される木製単板を熱圧して所定形状の容器に成形する木製単板容器の製造方法であって、前記木製単板は熱圧時に可塑化するとともに、熱圧に際して水分除去手段により木製単板中の水分除去をなした後、所定時間熱圧を連続して前記所定形状の固定をなし、前記可塑化は木製単板の熱圧時における水分又は有機液体添加処理であり、前記水分添加処理又は有機液体添加処理は金型へ滴下した水分および/又は有機液体によりなすようにした木製単板容器の製造方法を提供する。
さらに、上記段落0008ないし0012又は0014いずれか記載の木製単板容器の製造方法において、金型には水の急激な蒸発を防止するためにテフロン加工を施す構成となすことがある。
また、上記段落0008ないし0015いずれか記載の木製単板容器の製造方法に
おいて、木製単板は、単層単板となすことがある。
さらに、上記段落0008ないし0016いずれか記載の木製単板容器の製造方法において、金型にセットする木製単板は、目的とする木製単板容器の展開図よりやや大きい相似形となして成形時の変形応力による木製単板の割れを軽減するように構成することがある。
本願発明は、以上の構成を具備することにより、木材単板を金型によりパンク現象を防止しつつ熱圧して形状自由度の大きい木製単板容器、特に曲率が大きい深底の木製トレーなどを効率よく生産できる。 特に、単層の木材単板を使用する場合にも、従来に比較して成形不良の発生を大幅に抑制することができる。
本願発明において、木製単板容器は金型が挟持する木製単板を熱圧して製造されるが、原料となる木製単板は、木材をスライスしたものを用いる。木材は針葉樹材、広葉樹材のいずでもよい。木材の径が小さいものは製材したものを接着して用いることになる。また、通常は製材品として使用されない伐採材の根元に近い、タンコロと通称される部分の使用も可能である。
木材のスライスは容器例えばトレーの大きさに応じて製材したものあるいは製材したものを2ないし3個ブロック状に接着したものを用いる。 木材原料にはスライスの前にその可塑化(軟化)処理を施すのが好ましい。 可塑化(軟化)処理により高品質の単板が得られ、また、スライスの作業性が向上するばかりでなく要するエネルギーの低減も可能となる
可塑化(軟化)手段としては、水分あるいは水分と熱の付与であり、これに関しては、木材原料の水または温水への浸漬、煮沸、水蒸気処理(スチーミング)などが好適であり、木材原料の状態に応じて適宜に前記手段を選択して可塑化(軟化)をなすこととなる。
スライスして得られる単板の厚さは、目的とする容器の生地厚さに応じて設定することになるが、裏割れの少ない0.5〜3.0mm程度のものをスライサーにより製造し、得られた単板は必要に応じて乾燥させることになる。 木製単板は、目的とする木製単板容器の展開図よりやや大きい相似形に裁断して成形時の変形応力による木製単板の割れを軽減するようになすことが望ましい。 すなわち、熱圧部分の面積を必要最小限に抑制することにより、不要部分による容器構成部分の割れの誘引を抑止することになる。
単板の熱圧による容器への成形は、周知の金型付きホットプレスによりこれをなすことになる。 熱圧に際して、単板への加熱、水分、有機液体等の附与によって可塑化処理をなすことになる。単板を可塑化したのち、ホットプレスの金型にセットして熱圧成形をするが、その際の熱盤温度は摂氏150〜220度程度が好ましい。 なお、金型表面にはテフロン加工などを施して金型と単板との間に生じる摩擦抵抗の軽減を図るようにする。
単板の可塑化処理の一環として、成形直前に単板の水蒸気処理(スチーミング)がなされる。 この処理は密閉容器の単板に水蒸気を供給して所定時間だけ放置するものである。 この処理後、単板は直ちに密閉容器から取り出されてホットプレスにセットして熱圧することになる。 成形時の圧締圧力は、用いる樹種、成形温度、単板の含水率、単板厚さにもよるが、おおよそ1〜10MPa程度である。 なお、水蒸気処理(スチーミング)前に、単板を摂氏60度〜90度の温水に浸漬する、あるいは単板表面全体が湿る程度に霧吹きなどで水分を附与することもある。
上述した密閉容器における単板の水蒸気処理(スチーミング)は、密閉容器内の単板を
減圧下においたのち、容器内に水蒸気を供給してなすこともあり、この際の水蒸気圧は0.1〜1.2MPa程度である。 前記減圧により単板内部への水蒸気の浸透が促進される。
単板の可塑化処理の他の例として、マイクロ波照射処理がなされる。 この処理は、単板表面に少量の水分を塗布したのち、あるいは単板を摂氏数十度(60度〜90度)の温水に浸漬し後にマイクロ波照射をなすようにする。この処理により単板内部に均一な水分と熱が附与されることになる。
さらに、単板の可塑化処理の他の例として、金型内において単板に水分を付加する処理がなされる。 すなわち、この処理は下側に位置する雌金型に少量の水を滴下し、その上に単板をセットして熱圧する。 金型にはテフロン加工が施されているので水滴は金型上で凝集して丸くなり急激な蒸発はせず、熱圧に際して単板には水分と熱が附与され適正な可塑化がなされ、特に深絞りの容器を得るのに適している。
上記の水分添加あるいは水蒸気処理により可塑化において、水に替えてあるいは水とともに有機液体も使用することができる。 有機液体(水または有機液体相互の混合液体を含む)は熱圧成形の直前に霧吹き、あるいは有機液体に浸漬したのち、熱圧成形する。 有機液体としては、エタノール、メタノール等のアルコール類のほか、蔗糖や果糖、オリゴ糖等の糖類、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のグリコール類、マレイン酸等の有機酸類等、水への可溶性を有し、木材の変形能を高めるものを用いる。
なお、水分あるいは有機液体の付与により単板含水率は30〜100%程度になる。
上記のように可塑化処理した木製単板を金型にセットして熱圧し容器を成形するが、熱圧時に水分除去手段により木製単板内部の水分を緩やかに除去しつつ成形する。この緩やかな水分除去手段は、複数回の加圧と解圧の繰り返し動作により構成される。 また、木製単板の金型へのセットに際しては、木製単板の裏割れ面が容器内面を構成するようになすことが望ましい。ここで、裏割れ面とは、木製単板のスライス刃物のすくい面に接する面である。
例えば、単板をスライスして製造する場合にどうしても刃物のすくい面に接する面に小さな割れが発生するが、この割れが発生した面を裏割れ面と呼ぶ。 木製単板の金型へのセットに際しては、裏割れ面が、例えば容器としてのトレーの内側面(収縮側)を構成するように配置する方が、外側面(引張り変形側)となるように配置する場合より成形時の割れが少なくなる。
木製単板に熱、水分あるいは有機液体を附与しての可塑化は、容器の成形過程すなわち熱圧に併せて行い、成形後に前記水分等を除去して形状の固定化をするようにしてもよい。
この方法によれば、成形時における割れなどの発生を抑制でき、高品質の木製単板容器が得られる。
例えば、成形時における水分付与方法としては、水蒸気密閉可能なホットプレスの使用が好ましい。この種のホットプレスは水蒸気密閉槽を具え、金型はこの水蒸気密閉槽に設置される。 成形にあたり、水蒸気密閉槽を開扉し木製単板を金型にセットし、注入する水蒸気圧に見合った圧力をかけて密閉して、水蒸気を内部に噴射する。この際、水蒸気圧は0.1〜1.2MPa程度が好ましい。
次いで、熱圧成形する。 すなわち水蒸気を密閉した状態で木製単板をプレスして所定形状に成形する。 この際、水蒸気の凝縮を避けるため、ホットプレスの熱盤温度は水蒸気温度よりも摂氏20度〜30度以上高く設定する。
水蒸気密閉槽に注入された水蒸気は木製単板のプレス状態で排気される。 水蒸気排気中に前記段落0031で述べたように水分除去手段により木製単板内部の水分が徐々に放出される。 そして、成形状態を固定するために、設定した熱盤温度(摂氏160度〜220度)の連続的な熱圧により成形する。永久固定が必要な場合には、その後、改めて摂氏220〜240度で十数秒から20秒程度熱圧処理することにより永久固定が可能になる。
前記段落0031、0032等で述べたように水分除去手段は、木製単板内部の水分、有機液体などを放出させるためになされるが、木製単板の加圧、解圧動作は0.3〜2秒程度の圧締時間に対し、0.3〜1.0秒程度の解圧時間の割合で数回から20回程度繰り返す。
この加圧、解圧動作の反復繰り返しは、初期には頻繁に行い、その後は徐々に加圧時間を長くするようにして行うのが望ましい。この動作により水蒸気の急激な膨張による木製単板におけるパンク現象の発生を防止できて、所望形状の容器を得ることができる。
木製単板容器は、単層すなわち1枚の木製単板の成形によるものばかりでなく、複層すなわち、複数枚の単板を重ねて成形することもある。 複層にした場合はもちろん容器の強度性能が高くなる。
木製単板容器、例えば木製トレーの撥水性、耐水性、強度補強を図る場合には、単層トレーの表面(片面あるいは両面)をポリオレフィン系フィルムなどにより被覆する。 フィルム厚さは0.01〜0.8mmで、PPとEVAなどの2層構造にしても良い。 PPとEVAの場合には、溶融による接着剤層(EVA)と撥水、耐水、強度維持層(PP)の機能を有しているので,PPとEVAなどの2層構造を有するラミネート用シートなどを利用すれば、前記各機能を利用することができる。 なお、用いるフィルムは特に限定されず、用途に応じて熱硬化性のものなども選択できる。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを塗工してもよい。
フィルムの被覆は、木製単板の成形前になす場合と成形後になす場合とがある。前者の場合は、成形前の木製単板の含水率を比較的低くしておくことと木製単板の加圧、解圧動作の頻度を高くすることが重要である。 後者の場合は、熱圧によりフィルムを被覆する。 いずれの場合もその直後、同形状の金型によるコールドプレスにより冷却する。
複数層を有する容器を成形し、各層間にポリオレフィン系のフィルムなどを張設して、容器の防水性を附与するとともに強度の向上を図ることもある。 すなわち、例えば、2枚の木製単板にポリエチレンなど水滴を通さないポリオレフィン系フィルムを挟み成形する。 成形プロセスは上述の各記述の通りである。 成形直後に容器を取り出し、同じ形状の金型でコールドプレスにより容器を冷却しフィルム固化させることにより2枚の単板が積層接着され水を通さない容器が得られる。 なお、高密度ポリエチレンを用いる場合はその結晶性のため、低密度ポリエチレンより高い強度性能が得られる。 フィルム厚は0.01〜0.5mm程度のものを用いる。
以下、本願発明に係る実施例を説明する。
実施例1:下記の手順で木製単板を熱圧して木製トレーを成形した。 熱圧成形に使用したホットプレス装置は、木製単板を挟持して所定形状に押圧する金型と、金型を加熱する熱盤と、金型を木製単板に押圧する押圧機構と、熱盤を所定の温度に加熱する加熱手段とを具えた公知の構成を有するものである。 なお、金型による熱圧過程では、水分除去手段により木製単板中の水分除去をなしたが、この水分除去手段は金型による複数回の加圧と解圧の繰り返し動作からなるハンチング操作である。また、スギ単板と金型との間の摩擦抵抗を減少させてスギ単板の金型に沿った変形を容易にするために、金型にはテフロン加工を施した。
(1)2mm厚さのスギ単板をスライサーにより製造し、自然乾燥させた。
(2)自然乾燥させておいた上記2mm厚さのスギ単板を、目的とする木製トレーの展開図よりやや大きい相似形に裁断成形し、次いで、可塑化処理をなした。 すなわち、前記スギ単板をスティーミング処理装置に入れ、蓋を閉じ、0.2MPa(約120℃)の水蒸気を吸入し、10秒間放置後、10秒間で水蒸気を排気し、蓋を開ける、という操作を2回繰り返して、スギ単板の可塑化処理をなした。
(3) 可塑化処理後のスギ単板を直ちにホットプレス装置の金型にセットし、熱圧した。
なお、金型へのセットに際しては、スギ単板の裏割れ面が木製トレー内面を構成するようにした。
金型の温度は160℃、圧締圧力は4.7MPaに設定した。熱圧に際して、スギ単板パンク現象を防止するため、圧締中に単板内部の水蒸気を除去する目的で前記ハンチング操作を繰り返した。
ハンチング操作の頻度と時間等は、図1に示すは表1の内容により実行した。そして、成形形状を固定するために、表1に示すように、最終的に10秒間プレスした後、金型を上昇させ、成形した木製トレーを取り出した。
(4)成形した木製トレーを金型と同形状のギロチンカッターにより、周囲を切断し、所定の木製トレーを得た。
実施例2:下記の手順で木製単板を熱圧して木製トレーを成形した。 熱圧成形に使用したホットプレス装置は、木製単板を挟持して所定形状に押圧する金型と、金型を加熱する熱盤と、金型を木製単板に押圧する押圧機構と、熱盤を所定の温度に加熱する加熱手段とを具えた公知の構成を有するものである。 なお、金型による熱圧過程では、水分除去手段により木製単板中の水分除去をなしたが、この水分除去手段は金型による複数回の加圧と解圧の繰り返し動作からなるハンチング操作である。また、スギ単板と金型との間の摩擦抵抗を減少させてスギ単板の金型に沿った変形を容易にするために、金型にはテフロン加工を施した。
(1)2mm厚さのスギ単板をスライサーにより製造し、自然乾燥させた。
(2)自然乾燥させた上記2mm厚さのスギ単板の可塑化処理をなした。 すなわち、上記スギ単板を摂氏70度の水槽に5分間程度浸漬した後、スティーミング処理装置に入れ、蓋を閉じ、0.2MPa(約120℃)の水蒸気を吸入し、10秒間放置後、10秒間で水蒸気を排気し、蓋を開ける。この操作を2回繰り返した後、単板を取り出す。
(3)取り出した単板を素早く成形装置(ホットプレスの金型)にセットし、プレスする。金型の温度は摂氏160度、圧締圧力は4.7MPaである。パンク現象を防止するため、プレス中に単板中の水蒸気を除去する目的でハンチング操作を繰り返す。ハンチング操作の頻度と時間等は、図2に示すは表2の内容により実行した。そして、成形形状を固定するために、表2に示すように、最終的に10秒間プレスした後、金型を上昇させ、成形した木製トレーを取り出した。
(4)成形した木製トレーを金型と同形状のギロチンカッターにより、周囲を切断し、所定の木製トレーを得た。
実施例3:下記の手順で木製単板を熱圧して木製トレーを成形した。 熱圧成形に使用したホットプレス装置は、木製単板を挟持して所定形状に押圧する金型と、金型を加熱する熱盤と、金型を木製単板に押圧する押圧機構と、熱盤を所定の温度に加熱する加熱手段とを具えた公知の構成を有するものである。 なお、金型による熱圧過程では、水分除去手段により木製単板中の水分除去をなしたが、この水分除去手段は金型による複数回の加圧と解圧の繰り返し動作からなるハンチング操作である。また、スギ単板と金型との間の摩擦抵抗を減少させてスギ単板の金型に沿った変形を容易にするために、金型にはテフロン加工を施した。
(1)1mm厚さのスギ単板をスライサーにより製造し、自然乾燥させた。
(2)自然乾燥させた前記1mm厚さのスギ単板にポリエチレン/エチレン酢酸ビニル樹脂共重合体(PE/EVA)片面熱融着性フィルム(厚さ0.03mm)をローラープレスを用いて120℃、1m/minで単板とフィルムを融着する。次いで、フィルムを融着したスギ単板の可塑化処理のために、これをスティーミング処理した。 なお、薄い単板(0.5mm程度)ならば、スティーミング処理をせず、そのままでも製造可能である。
(3)取り出したスギ単板を素早く成形装置(ホットプレスの金型)にセットし、金型温度摂氏160度でプレス(熱圧)した。熱圧工程において、パンク現象を防止するため、プレス中に単板中の水蒸気を除去する目的で前述のハンチング操作を繰り返した。
ハンチング操作の頻度と時間等は、図3に示すは表3の内容により実行した。そして、成形形状を固定するために、表3に示すように、最終的に10秒間プレスした後、金型を上昇させ、成形した木製トレーを取り出した。
(4)取り出したトレーを同形状の金型のコールドプレスに素早くセット、加圧し、冷却した。
(5)成形した木製トレーを金型と同形状のギロチンカッターにより、周囲を切断し、所定の木製トレーを得た。
実施例4:下記の手順で木製単板を熱圧して木製トレーを成形した。 熱圧成形に使用したホットプレス装置は、木製単板を挟持して所定形状に押圧する金型と、金型を加熱する熱盤と、金型を木製単板に押圧する押圧機構と、熱盤を所定の温度に加熱する加熱手段とを具えた公知の構成を有するものである。 なお、金型による熱圧過程では、水分除去手段により木製単板中の水分除去をなしたが、この水分除去手段は金型による複数回の加圧と解圧の繰り返し動作からなるハンチング操作である。また、スギ単板と金型との間の摩擦抵抗を減少させてスギ単板の金型に沿った変形を容易にするために、金型にはテフロン加工を施した。
(1)1mm厚さのスギ単板をスライサーにより製造し、自然乾燥させた。
(2)次いで、スギ単板の可塑化処理をなした。 すなわち、乾燥した1mm厚さのスギ単板2枚を摂氏70度の水槽に10分間程度浸漬した後、単板と同じ大きさの高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム(0.3mm)を単板の間に挟み、0.2MPa(約120℃)のスティーミング処理(10秒間放置後、10秒間で水蒸気を排気)を2回施した。
(3)取り出した単板とHDPEフィルムを素早く成形装置(ホットプレスの金型)にセットし、金型温度摂氏180度でプレス(熱圧)した。熱圧工程において、パンク現象を防止するため、プレス中に単板中の水蒸気を除去する目的で前述のハンチング操作を繰り返した。
ハンチング操作の頻度と時間等は、図4に示すは表4の内容により実行した。そして、成形形状を固定するために、表4に示すように、最終的に10秒間プレスした後、金型を上昇させ、成形した木製トレーを取り出した。
(4)取り出したトレーを同形状の金型のコールドプレスに素早くセット、加圧し、HDPEが常温程度になるまで冷却した。
(5)成形した木製トレーを金型と同形状のギロチンカッターにより、周囲を切断し、所定の木製トレーを得た。
実施例5:下記の手順で木製単板を熱圧して木製トレーを成形した。 熱圧成形に使用したホットプレス装置は、木製単板を挟持して所定形状に押圧する金型と、金型を加熱する熱盤と、金型を木製単板に押圧する押圧機構と、熱盤を所定の温度に加熱する加熱手段とを具えた公知の構成を有するものである。 なお、金型による熱圧過程では、水分除去手段により木製単板中の水分除去をなしたが、この水分除去手段は金型による複数回の加圧と解圧の繰り返し動作からなるハンチング操作である。また、スギ単板と金型との間の摩擦抵抗を減少させてスギ単板の金型に沿った変形を容易にするために、金型にはテフロン加工を施した。なお、使用した金型の仕様は以下の通りである。
深さ: 30mm
角度(側壁立ち上がり角度): 左右異形で、それぞれ60度および50度
底面と側壁との交わり部の曲率: 半径13mm
(1)1mm厚さのスギ単板をスライサーにより製造し、自然乾燥させた。
(2)次いで、スギ単板の可塑化処理をなした。 すなわち、乾燥した1mm厚さのスギ単板を摂氏70度の水槽に1〜2分間程度浸漬した後取り出し、図5に示すように、メス金型K1に水滴を少量滴下し、その上にその単板Wをセットして、単板Wの温度が上昇するまで10〜20秒間放置した。この後、メス金型K1とオス金型K2とにより単板Wを挟圧してプレス成形を開始した。
(3)金型の温度は摂氏185度、圧締圧力は5.4MPaである。熱圧工程において、パンク現象を防止するため、プレス中に単板中の水蒸気を除去する目的で前述のハンチング操作を繰り返した。
ハンチング操作の頻度と時間等は、図6に示すは表5の内容により実行した。そして、成形形状を固定するために、表5に示すように、最終的に10秒間プレスした後、金型を上昇させ、成形した木製トレーを取り出した。
(4)成形した木製トレーを金型と同形状のギロチンカッターにより、周囲を切断し、所定の木製トレーを得た。
次に、本願発明に係る木製単板容器ホットプレス装置を説明する。 図7は、本願発明に係る木製単板容器ホットプレス装置Aの一実施例を示す概略構成を示すブロック図である。 図において、1は、木製単板を挟持して所定形状に押圧する金型とこの金型を加熱する熱盤とを具える熱盤部、2は前記熱盤部1を密閉・開放自在に収納する密閉槽、3は金型を木製単板に押圧する押圧機構、4は熱盤を所定の温度に加熱する加熱手段、5は前記密閉槽2への水蒸気の給排気機構、そして6は給排気機構5を介して密閉槽2に水蒸気を供給する水蒸気源である。
図8は、前記木製単板容器ホットプレス装置Aの要部説明図である。図において、11は上側熱盤で、その裏面には雄金型11aが取り付けられている。 また、12は下側熱盤で、その上面には雌金型12aが取り付けられている。 上側熱盤11、雄金型11a、下側熱盤12、雌金型12aにより、前記熱盤部1が構成されていてこの熱盤部1は前記密閉槽2に収納されている。 密閉槽2は底部が開口する筺体21により構成され、開口部底部は、前記前記下側熱盤12が当接・離開することにより開閉自在となっている。なお、Wは、熱圧成形のために雌金型12aの上面にセットされた木製単板である。
また、32は上側ピストン32aを上下動させる上側油圧シリンダーであり、33は下側ピストン33aを上下動させる下側油圧シリンダーである。 上側ピストン32aと下側ピストン33aの先端部には、それぞれ雄金型11aおよび雌金型12aが取り付けられている。 油圧シリンダー、ピストンなどの油圧装置で押圧機構3が構成されているが、必ずしも油圧装置を使用する必要はない。押圧機構3には、たとえば、カムやクランク機構で押圧することもできる。
上側熱盤11および下側熱盤12等を具える熱盤部1のための前記加熱手段4は、例えば蒸気加熱、電熱加熱であり、これにより各熱盤を所定温度に加熱することになる。 また、密閉槽2の筺体21には前記水蒸気源5から適宜通路又はパイプなどを介して水蒸気が供給されるが、図8では図示していない。
次に、前記木製単板容器ホットプレス装置Aによる木製単板容器の製造工程を説明する。ここでは、厚さ1mmの木製単板を素材として、深絞り(トレー深さが深く、トレーの縁の曲げ角度の大きいもの)食品トレーを熱圧成形する。金型の仕様は以下の通りである。
深さ: 30mm
角度(側壁立ち上がり角度): 左右異形で、それぞれ60度および50度
底面と側壁との交わり部の曲率: 半径13mm
先ず、図8に示すように、木製単板Wを雌金型12a上にセットし、次いで、下側ピス
トン33aを上昇させて密閉槽2(筺体21)を下側熱盤12等により密閉する。 この密閉状態で、図7の水蒸気源6から水蒸気給排気機構5を介して水蒸気を前記密閉槽2中に噴射する。 この際、密閉容器の下蓋(12の熱盤)が開かないように、その水蒸気圧に見合った必要な圧力をかけておく。 水蒸気圧は0.1〜1.2MPa程度の範囲で設定する。
水蒸気を密閉した状態で、図9に示すように木製単板Wを熱圧成形した。なお、このとき、水蒸気の凝縮を防ぐために水蒸気温度よりも熱盤部1(金型)の温度を20〜30℃以上、高く設定しておくのが望ましい。
図9に示す押圧した状態で、水蒸気を前記の水蒸気給排気機構5により排気し、同時にハンチング操作(押圧、解圧操作)の繰り返しにより木製単板W中に含まれる水分を放出させる。ハンチング操作は、10回前後で、開始直後は頻繁に行い、徐々にプレス時間を長くして成形動作を継続する。
大気圧下になってから、木製単板(トレー)Wの成形形状を固定するために、最終的には10秒から20秒間連続的なプレスを行う。 このとき、熱盤部1(金型)の温度を220〜240℃まで上げるか、その後、改めて摂氏220〜240度で十数秒から20秒程度熱圧処理することにより永久固定が可能になる。次いで、プレスを解圧する。
次いで、図10に示すように、下側熱盤12を下降させて水蒸気密閉槽2の底部を開口させ、成形された木製トーを取り出し、成形した木製トレーを金型と同形状のギロチンカッターにより、周囲を切断し、図11に示すような最終製品を得る。図示のように、表面には天然木材の多様な形状の木質繊維が表出され、プラスチック製品では得られない味わいの深い製品が得られる。
実施例1に係るハンチング操作の内容を示す表である。 実施例2に係るハンチング操作の内容を示す表である。 実施例3に係るハンチング操作の内容を示す表である。 実施例4に係るハンチング操作の内容を示す表である。 実施例5におけるは可塑化処理工程を示す一部断面図である。 実施例5に係るハンチング操作の内容を示す表である。 本願発明に係る木製単板容器ホットプレス装置Aの一実施例を示す概略構成を示すブロック図である。 木製単板容器ホットプレス装置Aの要部説明図である。 木製単板の押圧工程を示す一部断面図である。 木製単板の成形完了状態を示す一部断面図である。 木製単板による木製トレーの表面における木質繊維を示す図面代用写真である。

Claims (10)

  1. 金型に挟持される木製単板を熱圧して所定形状の容器に成形する木製単板容器の製造方法であって、以下の工程を有することを特徴とする木製単板容器の製造方法。
    (イ)密閉容器内で木製単板を水蒸気処理(スチーミング)する手段、又は温水浸漬後の単板にマイクロ波照射する手段、又は有機液体(水又は有機液体相互の混合体を含む)を単板に付与する手段のいずれかにより木製単板を可塑化(軟化)する工程、
    (ロ)木製単板を金型にセットして、緩やかな水分除去手段すなわち熱圧に際して加圧、解圧動作の反復繰り返しを初期には頻繁に行い、その後は徐々に加圧時間を長くする熱盤動作により単板内の水蒸気の急激な膨張を防止しつつ熱圧する工程、
    (ハ)次いで単板容器形態の維持固定をなすために、熱圧を所定時間、所定温度で解圧なしに連続的に行う工程。
  2. 請求項1記載の木製単板容器の製造方法において、前記工程(イ)の水蒸気処理(スチーミング)する手段は、内部に金型が設置されている水蒸気密閉槽内でなすようにしたことを特徴とする木製単板容器の製造方法。
  3. 金型に挟持される木製単板を熱圧して所定形状の容器に成形する木製単板容器の製造方法であって、以下の工程を有することを特徴とする木製単板容器の製造方法。
    (イ) 木製単板にポリエチレン/エチレン酢酸ビニル樹脂共重合体(PE/EVA)片面熱融着性フィルムをローラープレスにより融着する工程、
    (ロ) 次いで、フィルムを融着したスギ単板の可塑化(軟化)処理のために、これをスティーミング処理する工程、
    (ハ) 前記工程から取り出した木製単板を素早く成形装置(ホットプレスの金型)にセットし、金型でプレス(熱圧)するのに併せて、緩やかな水分除去手段すなわち熱圧に際して加圧、解圧動作の反復繰り返しを初期には頻繁に行い、その後は徐々に加圧時間を長くする熱盤動作により単板内の水蒸気の急激な膨張を防止しつつ熱圧する工程、
    (ニ) 次いで、成形形状を固定するために所定時間のプレスをなす工程、
    (ホ) 熱圧金型中に形成されから取り出したトレーを熱圧金型と同形状の金型のコールドプレスにより加圧して冷却する工程。
  4. 請求項3記載の木製単板容器の製造方法において、単板について前記工程(ロ)に係る可塑化(軟化)処理を行わないことを特徴とする木製単板容器の製造方法。
  5. 金型に挟持される木製単板を熱圧して所定形状の容器に成形する木製単板容器の製造方法であって、以下の工程を有することを特徴とする木製単板容器の製造方法。
    (イ)木製単板2枚を温水に所定時間浸漬した後、単板と同じ大きさのポリエチレン(PE)フィルム(0.01-0.5mm)を単板の間に挟み、スティーミング処理をなす工程、
    (ロ)前記工程から取り出した木製単板を素早く成形装置(ホットプレスの金型)にセットし、金型でプレス(熱圧)するのに併せて、緩やかな水分除去手段すなわち熱圧に際して加圧、解圧動作の反復繰り返しを初期には頻繁に行い、その後は徐々に加圧時間を長くする熱盤動作により単板内の水蒸気の急激な膨張を防止しつつ熱圧する工程、
    (ハ)次いで、成形形状を固定するために所定時間のプレスをなす工程、
    (ニ)熱圧金型中に形成されトレーを取り出して熱圧金型と同形状の金型のコールドプレスにより加圧して冷却する工程。
  6. 水の急激な蒸発を防止するためにテフロン加工を施した金型に挟持される木製単板を熱圧して所定形状の容器に成形する木製単板容器の製造方法であって、以下の工程を有することを特徴とする木製単板容器の製造方法。
    (イ)木製単板を温水中に1〜2分間程度浸漬した後取り出し、深さ、角度(側壁立ち上がり角度)、底面と側壁との交わり部の曲率について所定仕様である熱圧金型において、メス金型に水滴を少量滴下し、その上にその木製単板をセットして、木製単板の温度が上昇するまで所定時間待機させて木製単板の可塑化(軟化)をなした後、メス金型とオス金型とにより木製単板を挟圧してプレス成形を開始する工程、
    (ロ)金型でプレス(熱圧)するのに併せて、緩やかな水分除去手段すなわち熱圧に際して加圧、解圧動作の反復繰り返しを初期には頻繁に行い、その後は徐々に加圧時間を長くする熱盤動作により単板内の水蒸気の急激な膨張を防止しつつ熱圧する工程、
    (ハ)次いで、成形形状を固定するために所定時間のプレスをなす工程。
  7. 金型に挟持される木製単板を熱圧して所定形状の容器に成形する木製単板容器の製造方法であって、前記木製単板は熱圧時に可塑化するとともに、熱圧に際して水分除去手段により木製単板中の水分除去をなした後、所定時間熱圧を連続して前記所定形状の固定をなし、前記可塑化は木製単板の熱圧時における水分又は有機液体添加処理であり、前記水分添加処理又は有機液体添加処理は金型へ滴下した水分および/又は有機液体によりなすようにしたことを特徴とする木製単板容器の製造方法。
  8. 請求項1ないし5又はいずれか記載の木製単板容器の製造方法において、金型には木製単板と金型との間の摩擦抵抗を減少させて木製単板の金型に沿った変形を容易にするためにテフロン加工を施したことを特徴とする木製単板容器の製造方法。
  9. 請求項1ないし8いずれか記載の木製単板容器の製造方法において、木製単板は、単層単板であることを特徴とする木製単板容器の製造方法。
  10. 請求項1ないし9いずれか記載の木製単板容器の製造方法において、金型にセットする木製単板は、目的とする木製単板容器の展開図よりやや大きい相似形となして成形時の変形応力による木製単板の割れを軽減するようにしたことを特徴とする木製単板容器の製造方法。
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