JP5934197B2 - エポキシ複合体 - Google Patents

エポキシ複合体 Download PDF

Info

Publication number
JP5934197B2
JP5934197B2 JP2013515637A JP2013515637A JP5934197B2 JP 5934197 B2 JP5934197 B2 JP 5934197B2 JP 2013515637 A JP2013515637 A JP 2013515637A JP 2013515637 A JP2013515637 A JP 2013515637A JP 5934197 B2 JP5934197 B2 JP 5934197B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mixture
pressure
epoxy
composite
curing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013515637A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013529691A (ja
Inventor
ロナルド チャールズ アラム
ロナルド チャールズ アラム
フィリップ マイケル ダービン
フィリップ マイケル ダービン
Original Assignee
アチェロン プロダクト ピーティーワイ リミテッド
アチェロン プロダクト ピーティーワイ リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from AU2010902788A external-priority patent/AU2010902788A0/en
Application filed by アチェロン プロダクト ピーティーワイ リミテッド, アチェロン プロダクト ピーティーワイ リミテッド filed Critical アチェロン プロダクト ピーティーワイ リミテッド
Publication of JP2013529691A publication Critical patent/JP2013529691A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5934197B2 publication Critical patent/JP5934197B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K7/00Use of ingredients characterised by shape
    • C08K7/22Expanded, porous or hollow particles
    • C08K7/24Expanded, porous or hollow particles inorganic
    • C08K7/28Glass
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B7/00Mixing; Kneading
    • B29B7/80Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29B7/84Venting or degassing ; Removing liquids, e.g. by evaporating components
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B7/00Mixing; Kneading
    • B29B7/80Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29B7/88Adding charges, i.e. additives
    • B29B7/90Fillers or reinforcements, e.g. fibres
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C70/00Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts
    • B29C70/02Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts comprising combinations of reinforcements, e.g. non-specified reinforcements, fibrous reinforcing inserts and fillers, e.g. particulate fillers, incorporated in matrix material, forming one or more layers and with or without non-reinforced or non-filled layers
    • B29C70/021Combinations of fibrous reinforcement and non-fibrous material
    • B29C70/025Combinations of fibrous reinforcement and non-fibrous material with particular filler
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C70/00Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts
    • B29C70/58Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts comprising fillers only, e.g. particles, powder, beads, flakes, spheres
    • B29C70/66Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts comprising fillers only, e.g. particles, powder, beads, flakes, spheres the filler comprising hollow constituents, e.g. syntactic foam
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L63/00Compositions of epoxy resins; Compositions of derivatives of epoxy resins
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2063/00Use of EP, i.e. epoxy resins or derivatives thereof, as moulding material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2105/00Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
    • B29K2105/06Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped containing reinforcements, fillers or inserts
    • B29K2105/16Fillers
    • B29K2105/165Hollow fillers, e.g. microballoons or expanded particles

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

本発明は、エポキシ複合体を作製するためのプロセスに関する。
本発明者らは、浮力を得たり、深海用途の構造要素として用いたりするための、強度が格段に高くかつ均一なシンタクチックフォームを必要としていた。様々な市販のフォームについて試験を行ったが、適切なFofS(安全率)を有するものは存在しなかった。これらの材料が破損する原因の一部は、材料が不均質なため、材料の異なる部分で強度特性に差が生じることにあると考えられている。市販のフォームは、まず1つの面に破損が生じ、かつ/または重大な亀裂が成長する傾向があった。上記用途には、浮力および構造健全性が得られる比較的大型のフォーム片が必要とされていたことから、本発明者らは、市販のフォームの主な欠点は、FofSが低く、かつ強度が不均一なことにあると考えた。
エポキシ複合体は、エポキシプレポリマー、硬化剤、およびフィラーを配合し、得られた混合物を硬化させることにより作製することができる。フィラーは、硬化後の複合体の剛性の増大、強度の増大、耐亀裂性の改善、密度の低下を含む多くの目的の1つまたはそれ以上を果たすことができる。フィラーを低量で使用すると、特性が改善されても要求に届かない場合がある。また、未硬化の混合物の粘度が比較的低くなる場合もある。そうなると一部のフィラーが分離し(フィラーおよびエポキシプレポリマーの密度が異なるため)、結果として得られる硬化後の複合体の特性が不均一になる可能性がある。
こうした問題は混合物中のフィラーを増量することによって対処することができる。一方、こうすることによって新たな問題が生じる。フィラーを増量すると未硬化の混合物の粘度が増大する。均質な生成物を得ようとしてこの混合物をかき回すと多量の空気を巻き込む可能性があり、硬化後の複合体に空隙が生じる可能性がある。この空隙は硬化後の複合体の物理的性質(強度等)に悪影響を及ぼす可能性がある。混合時に真空引きを行うことでこの問題にある程度対処することができるが、フィラーの配合量が高い未硬化の複合体は粘度が高いため、すべての気泡を取り除くことは困難な可能性がある。
したがって、フィラーの配合量を比較的高くすることが可能な、空隙が低減または消失したエポキシ複合体を作製するプロセスが必要とされている。
本発明の目的は、上の欠点の1つまたはそれ以上を実質的に解消するかまたは少なくとも改善することにある。さらなる目的は、上の要求の少なくとも一部を満たすことにある。
本発明の第1の態様においては、硬化性混合物を形成するためにエポキシプレポリマー、硬化剤、および粒状フィラーを配合するステップと、この混合物を実質的に均質にするために撹拌するステップと、混合物中のガス溜まりを低減するかまたは消失させるために混合物を圧力を印加するステップとを含む、エポキシ複合体を作製するためのプロセスを提供する。本文脈における「低減する」という語は、ガス溜まりのサイズ(例えば体積)を低減することを指す。圧力は、硬化性混合物が硬化してエポキシ複合体を形成するまで維持するべきである。撹拌ステップ(場合により配合ステップも)は、非空気雰囲気中で実施することができる。
第1の態様と一緒に、以下の選択肢を個々にまたは任意の好適な組合せで用いることができる。
混合物に印加する圧力は少なくとも約7000kPaとすることができ、約7000〜約15000kPaとすることもできる。別法として、約2000〜約7000kPaとすることもできる。この低い圧力を用いることができるのは、作製された複合体を使用する圧力が、より高圧下で作製された複合体よりも低い場合である。圧力は等方的に印加することができる。圧力は静水圧として印加することもできる。プレポリマーおよび硬化剤は、硬化性混合物の20℃での可使時間が少なくとも約1時間または少なくとも約6時間または少なくとも約1日となるようにすることができる。これを、硬化性混合物が約20℃では硬化しないようにすることも、あるいは約20℃で少なくとも約1日間または少なくとも約1週間硬化しないようにすることもできる。
配合は、硬化性混合物の1種またはそれ以上の成分を冷却しながら行うことも、先に冷却してから行うこともできる。これには例えば、プレポリマーを冷却した後に硬化剤および粒状フィラーを添加することを含むことができる。冷却は、約0〜約10℃まで、例えば約3℃まで行うことができる。
撹拌および場合により配合が行われる非空気雰囲気は、硬化性混合物への溶解性が、同一温度下における空気の硬化性混合物への溶解性よりも高くなるものとすることができる。非空気雰囲気は、アルゴンを少なくとも約50モル%含むことができる。これは溶接用ガスであってもよい。これは、アルゴンを約93%および二酸化炭素を約5%含むものであってもよい。これは、酸素を約2%含むことができる。これはアルゴンを約93%および二酸化炭素を約7%含むものであってもよい。
圧力を印加するステップは、混合物が空気に触れないように行うことができる。これは、上述したように、非空気雰囲気中で行うことができる。これは、混合物に空気および/または非空気雰囲気が触れるのを阻止または防止するための保護層またはバリア材料で取り囲んで実施することができる。圧力は、流体(液体または気体)で取り囲んで等方的に印加することができ、保護層またはバリア材料は、周囲の液体が混合物に触れることを阻止または防止することができる。
粒状フィラーはプレポリマーよりも低密度であってもよいし、あるいは密度が同じであってもよい。これは、硬化性混合物よりも低密度であってもよいし、あるいは密度が同じであってもよい。これは、約0.5g/ccよりも低密度であってもよいし、あるいは密度が同じであってもよい。粒状フィラーは中空微小球体であっても中空微小球体を含んでいてもよい。中空微小球体としては、中空ガラス微小球体(ガラスマイクロバブル)を用いることができる。中空微小球体としては、混合物に圧力を印加するステップの最中に破壊される微小球体が約10%以下となる(例えば、そのような殻壁厚を有する)ものを用いることができる。粒状フィラーは、場合により、1種を超えるグレードの中空微小球体を含むことができる。1種のグレードは高強度グレードとすることができる。他のグレードは低密度グレードとすることができる。
配合ステップは、硬化性混合物を形成するために、エポキシプレポリマー、硬化剤、粒状フィラー、および第2のフィラーを配合することを含むことができる。第2フィラーは、硬化性混合物の重量または体積の約0.1〜約1%を構成することができる。
本プロセスは、エポキシ複合体を形成するための硬化を開始させるかまたは加速するために硬化性混合物を加熱するステップを含むことができる。このステップは、硬化性混合物の約20℃における可使時間が約6時間を超える場合に有用な可能性がある。硬化を開始させるかまたは加速するために加熱ステップが用いられる場合は、加熱は90℃未満の温度で、または約40〜約90℃の温度で行うことができる。これは、可使時間が約1時間未満となる温度で行うことができる。加熱(用いる場合)は、混合物への圧力の印加を開始した後に開始することができる(本明細書においては、遅延時間と称する)。遅延時間は少なくとも約1時間とすることができる。硬化を開始させるかまたは加速するために加熱ステップを用いる場合は、圧力を解放する前にエポキシ複合体を冷却することができる。この文脈における、特定の温度「で加熱する」という語は、混合物を特定の温度の環境中に置くことを指し、必ずしもその環境中で硬化性混合物が到達する実際の温度を指すわけではない。硬化発熱により、混合物の少なくとも一部の実際の温度がこの具体的な温度を超える場合もある。
本プロセスは、第2の態様(以下)に従うエポキシ複合体の作製に用いることができる。
一実施形態においては、エポキシ複合体を作製するためのプロセスであって:
・硬化性混合物を形成するために、エポキシプレポリマーと、硬化剤と、ガラス微小球体から構成される粒状フィラーとを配合するステップであって、上記プレポリマーおよび硬化剤が、硬化性混合物の約20℃における可使時間が約6時間を超えるようなものであるステップと、
・この混合物を、アルゴンおよび二酸化炭素を含む雰囲気中で、混合物が実質的に均質になるように十分に撹拌するステップと、
・混合物のガス溜まりを低減するかまたは消失させるために混合物に約7000〜約15000kPaの等方圧を印加するステップと、
・混合物を上記圧力で最大90℃の温度まで加熱するステップであって、上記温度が混合物を硬化させるのに十分なものであるステップと、
・エポキシ複合体を形成するためにこの混合物を高温で硬化させるステップと、
・このエポキシ複合体を周囲温度付近まで放冷するステップと、
・エポキシ複合体を大気圧付近まで戻すステップと
を含むプロセスが提供される。
他の実施形態においては、エポキシ複合体を作製するためのプロセスであって:
・硬化性混合物を形成するために、エポキシプレポリマーと、硬化剤と、ガラス微小球体から構成される粒状フィラーと、繊維状フィラーとを配合するステップであって、上記プレポリマーおよび硬化剤が、硬化性混合物の約20℃での可使時間が約6時間を超えるようなものであるステップと、
・この混合物を、アルゴンおよび二酸化炭素を含む雰囲気中で、混合物が実質的に均質になるように十分に撹拌するステップと、
・この混合物を可撓性バリア材料で包むステップと、
・混合物中のガス溜まりを低減するかまたは消失させるために混合物に約7000〜約15000kPaの等方圧を印加するステップと、
・混合物を上記圧力で最大90℃の温度まで加熱するステップであって、上記温度が混合物を硬化させるのに十分なものであるステップと、
・エポキシ複合体を形成するためにこの混合物を高温で硬化させるステップと、
・このエポキシ複合体を約60℃まで冷却するステップと、
・エポキシ複合体を大気圧付近まで戻すステップと、
・エポキシ複合体を大気圧下で少なくとも1日間かけて周囲温度まで放冷するステップと、
を含むプロセスが提供される。
本発明の第2の態様においては、圧縮時の最大応力が100MPa以上である粒状フィラーを含むエポキシ複合体が提供される。この複合体の密度は約0.7g/cc未満にすることができる。
以下の選択肢を、第2の態様と一緒に単独または任意の好適な組合せで用いることができる。
エポキシ複合体は、第1の選択肢のプロセスにより作製することができる。
エポキシ複合体は、シンタクチックフォームとすることができる。
エポキシ複合体は、110MPaで圧縮した場合の歪みが約0.9%以下となるような圧縮弾性率を有するものにすることができる。これを、110MPaの静水圧圧縮による線形歪みが約0.9%以下にすることができる。
これを、吸水率の低いものにすることができる。この平衡吸水率を、約0.5%(w/w)未満または約0.1%(w/w)未満にすることができる。
粒状フィラーの密度は約0.5g/cc未満とすることができる。粒状フィラーは、中空微小球体とすることもできるし、中空微小球体を含むこともできる。中空微小球体は、中空ガラス微小球体とすることができる。粒状フィラーは、複合体中に約60体積%以上存在させることができる。
エポキシ複合体は、第2のフィラーをさらに含むことができる。第2フィラーは繊維状フィラーとすることができる。第2フィラーはアラミド繊維および/またはeガラス繊維を含むことができる。この繊維の平均長は約0.2〜約2mmとすることができる。第2フィラーは、複合体中に約0.1〜約1%(w/w)存在させることができる。エポキシ複合体は、場合により、1種またはそれ以上のさらなるフィラーを含むことができる。
第2の態様のエポキシ複合体は第1の態様のプロセスにより作製することができる。
一実施形態においては、中空ガラス微小球体から構成される粒状フィラーを含むエポキシ複合体が提供され、上記複合体は:
・圧縮時の最大応力が100MPa以上であり、
・110MPaの静水圧圧縮時の線形歪みが約0.9%以下であり、かつ
・密度が約0.7g/cc未満である。
本発明の第3の態様においては、第2の態様によるエポキシ複合体または第1の態様のプロセスにより作製されたエポキシ複合体の、圧縮を受ける構造部品としての使用を提供する。
第3の態様と一緒に、以下の選択肢を単独または任意の好適な組合せで用いることができる。
この使用は、水中で使用される装置内で行うことができる。この文脈における、装置「内」とは、装置の一部として、装置の内部または装置の表面またはその両方での使用を指す。装置は少なくとも水深約10kmで使用するのに適したものとすることができる。少なくとも水深約10kmで使用することができる。この装置は、有人の水中航走体(submersible vehicle)であってもよい。これは、無人の水中航走体であってもよい。エポキシ複合体は、上記航走体の外面の少なくとも一部を形成することができる。これを、上記装置の外面の構造部品または荷重受部品とすることができる。これは、装置の浮力要素(buoyancy element)として機能することができる。これは浮力要素であると同時に、装置の外面または一部の構造部品または荷重受部品となることができる。この使用は、以下のステップの任意の1つまたはそれ以上を含むことができる:
・エポキシ複合体を、好適な形状、例えば、煉瓦状、タイル状、またはスラブ状に成形または切断または研磨するステップ;
・複合体(例えば、煉瓦状、タイル状、またはスラブ状形態にある)を、水中航走体の構造部品または他の装置もしくはその一部として使用するのに適した形状(例えば、Iビーム)を形成するように配置するステップ;
・この複合体の部品(例えば、煉瓦状、タイル状、またはスラブ状)間の隙間を、この航走体または他の装置の使用条件に耐えることができる充填材で充填するステップ。
ここで添付の図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明するが、これらは単なる一例である。
本発明による硬化複合体を作製するためのプロセスを示すフローチャートである。 本発明に従い調製された、ガラス微小球体を充填した硬化後の複合体のa)破壊した面およびb)研磨された面の電子顕微鏡写真を示すものである。 本発明のプロセスの代表的な温度プロファイルを示すものである。 圧縮下に固化(set)および硬化させた様々なエポキシ樹脂の特性:a)圧縮応力−歪み曲線を示すものである。 圧縮下に固化(set)および硬化させた様々なエポキシ樹脂の特性:b)圧縮弾性率を示すものである。 圧縮下に固化(set)および硬化させた様々なエポキシ樹脂の特性:c)ポアソン比を示すものである。 様々な市販のガラス微小球体の密度(g/cc)対破壊静水圧(hydrostatic crush pressure)HCP(MPa)を示すグラフである。 本発明によるフィラーを配合した一連の複合体のデータを示すものである。 静水圧下におけるシンタクチックフォーム複合体の圧力−歪み曲線(pressure−strain curve)を示すものである。 図7で用いた複合体の圧縮特性:a)圧縮応力−歪み曲線を示すものである。 図7で用いた複合体の圧縮特性:b)圧縮弾性率を示すものである。 図7で用いた複合体の圧縮特性:c)ポアソン比を示すものである。 図8で用いた複合体の試験片が圧縮破壊した後の実際の断片を示すものである。 本発明による複合体の曲げ試験結果を示すものである。 硬化後の複合体の試験片を曲げ試験に付した後の破断面の写真である。 試験片上の歪みゲージの位置を示す、曲げ試験機の図面である。
以下の語は本明細書において使用されるものである:
エポキシ:オキシラン環もしくはオキシラン基を含む化学種またはこの種の化学種から誘導された硬化物。
プレポリマー:架橋することによって硬化樹脂を形成することができる低重合体または重合体化学種。重合度は一般に約3を超えるであろう。プレポリマーは一般に液状であり、非常に粘性が高い場合もあるし、比較的粘性が低い場合もある。粘度は一般に約100〜約100000cPの範囲にある。プレポリマーは樹脂と称される場合もある。
硬化剤:プレポリマーを架橋させて硬化エポキシ樹脂を形成するために、エポキシプレポリマーと反応する(エポキシプレポリマー中のエポキシ基と反応することによる)ことができる化学種。硬化剤はチオールおよび/またはアミン基を含むことができ、架橋反応のための触媒を含むことができる。硬化剤(curing agent)は硬化剤(hardener)とも称される。
複合体:フィラー粒子がポリマー全体に分布した架橋ポリマー。架橋は、物理的、化学的、および/または物理化学的なものとすることができる。本発明におけるフィラーは、場合により第2フィラーを補った粒状フィラーである。
可使時間:硬化性混合物(プレポリマーおよび硬化剤)を混合してから混合物が流動性を維持している時間。
フィラー:特性を修正するためにポリマー(この例においてはエポキシ)に添加される固形添加剤。本明細書においては粒状フィラーおよび第2フィラーと称する。これらの語は単に異なるフィラーを区別するために用いるものである。第2フィラーは粒状の性質を有するものであってもよいが、もし存在する場合は、上記粒状フィラーとは異なるものと理解される。
非空気雰囲気:空気とは異なる雰囲気。本発明に一般に使用される具体的な非空気雰囲気は、同一温度における硬化性混合物中への溶解性が、空気の硬化性混合物中への溶解性よりも高いものとすることができる。本発明に用いられる非空気雰囲気は、例えば、アルゴンを少なくとも約50モル%含むことができる。具体例として溶接用ガスが挙げられる。好適な非空気雰囲気は、例えばアルゴンを約93%および二酸化炭素を約5%含むことができる。これは、酸素を約2%含むことができる。これは、アルゴンを約93%および二酸化炭素を約7%含むことができる。
等方圧:物体にあらゆる面から均等に加わる圧力。
本発明によるエポキシ複合体の作製においては、エポキシプレポリマー、硬化剤、および粒状フィラーを配合することにより硬化性混合物が形成される。一般に、市販のエポキシプレポリマーおよび硬化剤が使用されるが、必ずしも必要というわけではない。その場合、これらの2種の適切な比率は供給業者により提供されるものになるであろう。この比率は一般に、化学量論比(すなわち、エポキシ基と、エポキシ基と反応することができるアミン等の基とのモル比の比率)の約10%以内である。したがって、プレポリマー対硬化剤のモル比(官能基基準)は、約0.9〜約1.1、または約0.9〜1、1〜1.1、もしくは0.95〜1.05、例えば、約0.9、0.95、1、1.05、または1.1とすることができる。実際の重量(または体積)比は、プレポリマーおよび硬化剤中の官能基の濃度に依存するであろう。一般的な重量または体積比は、重量または体積基準で、約10:1〜約1:10、または約5:1〜1:5、2:1〜1:2、3:2〜2:3、5:1〜1:1、5:1〜3:1、2:1〜1:1、3:2〜1:1、1:1〜1:5、1:1〜1:2、1:1〜2:3、1:1〜1:10、もしくは10:1〜1:1、例えば、約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、3:2、1:1、2:3、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、または1:10である。粒状フィラーは、硬化性混合物における体積比が約60〜約70%、または約60〜65、65〜70、63〜68、もしくは66〜67%、例えば、約60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70%となるのに十分な量とすることができるが、場合により、これより多くても少なくても、例えば、約20、30、40、50、75、または80%であってもよい。粒状フィラーが中空微小球体を含む場合、粒状フィラーの量は、等方圧が印加されたときに物理的な接触によって圧壊する中空微小球体の割合が高くなるほど充填密度が高くならないように選択することができる。各中空微小球体に等方圧が印加されても微小球体同士の直接の接触がほとんどまたは全く生じないほど十分な(すなわち粒状フィラーの量が十分に低くなるほど十分な)エポキシが存在すべきである。このような混合物は、一般に、成分の移行/分離を起こさない十分な粘性を有している。粒状フィラーは、静置しても実質的に分離しない硬化性混合物を得るのに十分な量で用いることができる。これは、静置しても実質的に分離を起こさない十分な降伏点を有する硬化性混合物を提供するのに十分なものとすることができる。これは、降伏点がゼロでない硬化性混合物を提供するのに十分なものとすることができる。これは、降伏応力を少なくとも約100Pa、または少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、もしくは1000Paとすることができ、または降伏点を約100〜約2000Pa、または約100〜1500、100〜1000、100〜500、100〜200、200〜2000、500〜2000、1000〜2000、200〜500、200〜300、300〜500、もしくは500〜1000Pa、例えば、約100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、または2000Paとすることができる。場合によっては、より低い降伏応力、例えば、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、または90Pa、または約10〜100、10〜50、50〜100、10〜30、もしくは30〜50Pa、例えば、約10、20、30、40、50、60、70、80、または90Paも許容される。硬化性混合物の、ゼロでない降伏点、高粘度、または擬固体状の性質は、硬化前の混合物中で粒状フィラー粒子の分離を確実に阻止する役割を果たす。そして今度はこのことが貢献して、硬化後の複合体の組成が確実に均一になり、その結果として物理的性質が均一になる。特に、フィラー粒子の存在は硬化後の複合体の強度に影響するため、フィラー粒子の密度が異なる範囲があると強度特性に差が生じる可能性があり、巨視的な組成が同一で完全に均質な複合体(本明細書に記載したようなもの)と比較して複合体全体の強度が低くなるので、これは回避すべきである。
上記したように、エポキシ(プレポリマーおよび硬化剤)は市販の製品を用いることができる。別法として、特定の用途のために特注したものを用いることもできる。これは一般に、強度特性が高くなるように選択されることになる。他で述べたように、本発明の主要な用途は水中用途に使用するための高強度軽量シンタクチックフォームである。エポキシは、硬化後の耐加水分解性、例えば、高圧下における海水による加水分解に対する耐性が高くなるように選択することができる。これは、硬化後の吸水性が低くなるかまたは最小限になるように選択することができる。これは、硬化後の密度が低くなるように選択することができる。これは、プレポリマー対硬化剤を最適な混合比で利用できるように選択することができる。これは、硬化剤およびプレポリマーの粘度が、適切なレオロジー特性を有する(上に概要を示したような)粒状フィラーを含む混合物を作製するのに適したものとなるように選択することができる。これは、20℃における硬化性混合物の可使時間が少なくとも約1時間、または少なくとも約2、3、4、5、6、9、12、15、18、もしくは24時間、または約1〜約24時間、または約1〜12、1〜6、6〜24、12〜24、もしくは18〜24時間、または1〜7日間となるように選択することができる。これは、硬化性混合物が約20℃で硬化しないように、または約20℃で少なくとも約1、2、3、4、5、6、もしくは6日間硬化しないように選択することができる。これは、約90℃未満の好適な高温で、硬化性混合物が約5時間未満、または約5、3、2、1、もしくは0.5時間未満で硬化するように、例えば、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、または5時間で硬化するように選択することができる。室温付近における可使時間が長いことと、高温で比較的速やかに硬化することとが両立することにより、硬化性混合物を早期硬化させることなく室温で処理や注型等を行い、次いで単に昇温することで硬化を開始させることができるという点で、硬化の制御すなわち要求に応じて硬化させることが可能になる。材料の収容および取扱いに用いられる設備の要件がさほど厳しくないので、硬化温度は約90℃未満とすると好都合である。さらに、温度が90℃未満であればAS 4343に準ずる危険度(hazard level)が下がる。硬化温度は約65℃未満とすることができる。こうすることにより、付随する危険性をさらに抑えることができる。さらに、場合によっては、エポキシ混合物は発熱硬化する可能性があり、温度がさらに上昇する。硬化開始温度が高過ぎる場合は、発熱が起こることによって、硬化中の混合物の内部温度が硬化後の複合体を損傷する温度、例えば強度を低下させる温度まで上昇する可能性がある。
本発明者らは、硬化性混合物を大量に混合すると発熱が自発的に起こり、所望の硬化速度よりも速くなる可能性があることを見出した。早期硬化が起こると混合物中の空隙の消失が妨げられたり抑制されたりする可能性があり(硬化前に圧力を印加する時間が不十分になるため)、製造物が不完全になる。この作用を防止または低減するために、配合ステップの前または途中のいずれかで硬化性混合物の1種またはそれ以上の成分を冷却することができる。一般に粘度が低い方が冷却が容易であり、粒状フィラーを添加すると一般に混合物にペースト状の粘稠性が生じるので、冷却は粒状フィラーを添加する前に行うのが一般的である。したがって、他の成分を添加する前にエポキシプレポリマーを冷却することができる。第2フィラーが使用される場合、これは通常比較的低濃度で使用されるので粘度にはほとんど影響を与えない。したがって、第2フィラーのエポキシプレポリマーへの混合は、冷却前または冷却と同時に行うことができる。したがって、1種またはそれ以上の成分を低温で(すなわち、以下に記載する冷却された温度で)提供することもできるし、あるいはプロセスの一部として冷却することもできる。冷却は、約0〜約10℃、または約0〜5、5〜10、もしくは2〜6℃、例えば、約0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10℃の温度で行うことができる。エポキシ複合体のバッチが大量である場合は、ある程度の時間、例えば一夜を要する場合もある。
したがって、硬化性混合物を形成するのに適したプロセスは以下の通りである:
a)エポキシプレポリマーおよび場合により第2(例えば繊維状)フィラーを配合し、
b)混合したプレポリマー/第2フィラーを、例えば約3℃の冷室で混合することにより冷却し、
c)硬化剤を加えて混合を継続し、
d)粒状フィラーを、場合により数回のバッチに分けて添加し、均質になるまで混合を継続し、
e)得られた混合物を、非透水性の可撓性バリア性材料で作製されたシースに装入し、シース内の混合物を圧力容器内の加熱浴に装入し、
f)加熱浴および混合物を収容したシースを所望の圧力まで加圧し、この圧力を好適な遅延時間の間維持することにより混合物中に気体を吸収させ、
g)混合物が硬化して硬化複合体となるように、圧力を維持しながら加熱浴を約80℃で約8時間加熱し、
h)硬化した複合体を放冷するために加熱を停止し、
i)圧力を解放する。圧力の解放はブロックの温度が約60℃になった時点で行うことができる。圧力の解放は、段階的に、2、3、4、5、または5を超える段階で行うことができる。別法として、連続的に、約5〜約60分間、または約5〜30、5〜15、15〜60、30〜60、もしくは15〜30分間、例えば、約5、10、15、20、25、30、40、50、または60分間行うことができる。上の方法は、約80kgまでの混合物またはそれを超える混合物にも適している可能性がある。
本発明者らは、外部加熱を行わないと硬化中の材料内に高い温度勾配が生じる可能性があることを観測した。その原因は、硬化過程により熱が発生し、この熱が、混合物の内側の領域よりもその外側の領域からの方が容易に放散できることにあると考えられている。温度勾配が大きいと、結果として得られる硬化材料のブロック全体の特性が一様にならず、それによって亀裂が形成する可能性がある。硬化中のブロックの外部加熱は、硬化中のブロック内の温度分布をより均一にするのを促す役割を果たすことができ、それによって特性がより均一になる。したがって、典型的な硬化プロファイルにおいては、硬化剤をエポキシプレポリマーに添加することにより穏やかな発熱が起こり、これは粒状フィラーの添加に伴い進行する。これが完結したら、最終硬化性混合物は加熱浴/圧力容器に装入され、加熱によってより急速な発熱が開始する。加熱は硬化性混合物の発熱ピークを過ぎるまで継続される。加熱を停止したら、ブロックをゆっくりと放冷する。ブロックは一般に、圧力を解放する前に約60℃まで冷却されるかまたは約50〜約70℃まで冷却されることになる。これらの温度におけるブロック内の変動は典型的には約20摂氏度未満である。圧力解放時に、ブロックを、典型的には依然として高温の状態で圧力容器から取り出すことができる。最終的な室温までの冷却は、典型的には数日間を要する可能性がある。
結果として得られた硬化後のブロックを、所望の寸法で、滑らかで平坦な直交面を有するように形を整えることができる。典型的な寸法は約300mm×300mm×1300mmである。幅は、約100〜約500mm、または約100〜300、300〜500、もしくは200〜400mm、例えば、約100、150、200、250、300、350、400、450、または500mmとすることができる。高さは、約100〜約500mm、または約100〜300、300〜500、もしくは200〜400mm、例えば、約100、150、200、250、300、350、400、450、または500mmとすることができる。長さは、約500〜2000mm、または約500〜1500、500〜1000、1000〜2000、もしくは1000〜1500mm、例えば、約500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、または2000mmとすることができる。このブロックは、外部に視認できる亀裂を有しないものとすることができる。これは、内部に亀裂も空隙も有しないものとすることができる。典型的には、初期の方法では、約0.02mを超える寸法の亀裂のないブロックを製造することは難しかった。これと比較して、本方法は、約0.1mを超えても亀裂を有しないブロックを普通に製造することができる。
硬化性混合物は硬化速度を修正するために促進剤または触媒または遅延剤を含むことができる。これは硬化剤の成分とすることもできるし、あるいは別々に添加することもできる。好適な促進剤/触媒として慣用されているのは3置換アミン化合物である。促進剤/触媒は、例えば置換グアニジン、ピペラジンイミダゾール、およびフェノール性化合物とすることができる。促進剤/触媒は、混合物中に上述したような所望の硬化プロファイルを得るのに十分な量で存在させることができる。
粒状フィラーは、このフィラーを含む硬化複合体に所望の特性を付与する任意の好適なフィラーとすることができる。これは増量剤であってもよい。これは強化フィラーであってもよい。これは増量および強化性の両方を有するものであってもよい。これは、硬化後の複合体の浮力を改善するフィラーであってもよい。これは、浮力改善性および強化性を有するフィラーであってもよい。これらは、それぞれ独立に、増量、強化、浮力改善のうちの任意の1またはそれ以上の特性を有する1種を超えるフィラーであってもよい。フィラーの粒子は球状であってもよいし、あるいは他の何らかの形状、例えば、卵形、楕円形、立方形、長菱形、角柱形、平行六面体形(例えば、直方体)、偏球形、針状、繊維状、環状、多面形(約6〜約50個の面を有する)、小板形、偏菱形を有するものであってもよいし、または不規則形状であっても、またはこれらの形状の任意の2種以上の粒子の混合物であってもよい。粒状フィラーは、強度(引張、剪断、曲げ、および/または圧縮)の向上、靭性の向上、弾力性の向上、破断伸びの向上、剛性の向上、弾性率(引張、剪断、曲げ、および/または圧縮)の向上、硬化後の複合体の密度の低下、吸水性の低下、未硬化の混合物の増粘、またはこれらの作用の任意の組合せを供するのに適したものとすることができる。粒状フィラーの性質および配合量は硬化後の複合体に所望の特性が得られるように選択することができる。こうした特性を得るために粒状フィラーの混合物を用いることもできる。
深海用途に用いる場合、所望の効果は密度を低下する(すなわち浮力を高める)ことであり、好ましいさらなる効果は圧縮下における(好ましくは屈曲状態でも)強度を増大させることである。この用途には中空微小球体が特に適している。微小球体の特徴の一部は真密度で表すことができる。これは、密度が1.00g/ccの液体に微小球体を完全に沈めた場合に押し退けられた液体の質量をこの微小球体の体積で除した値と見なすことができる。真密度が微小球体間の空間に影響を受けないことはこの定義から明らかであるが、微小球体に内包されている空間には影響を受けることになる。微小球体の真密度は、微小球体の殻壁を形成する材質、殻壁厚、および直径に依存することになる。微小球体は、ポリマー(例えば、場合によりジビニルベンゼンで架橋されたスチレン、アクリル系樹脂、例えば、ポリメタクリル酸メチル等)であってもよいし、あるいはセラミックであってもよいし、あるいはガラスであってもよいし(すなわち中空ガラス微小球体であってもよい)、あるいは中空ポリマー微小球体であってもよいし、あるいは中空セラミック微小球体であってもよい。場合により、これらの2種以上の混合物を用いることもできる。
本発明においてはガラス微小球体が好ましい。本発明に使用するための微小球体の真密度は、約0.85g/cc未満、または約0.8、0.7、0.6、もしくは0.5gcc未満とすることができる。これは、約0.1〜約0.85g/cc、または約0.1〜0.8、0.1〜0.5、0.1〜0.3、0.3〜0.8、0.5〜0.8、0.33〜0.43、もしくは0.3〜0.7、例えば、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、または0.8g/ccとすることができる。これらの粒度分布は実質的に単分散であっても、あるいは多分散であっても、あるいは多峰分布(例えば二峰分布、三峰分布等)であってもよい。単分散の微小球体は、より均一な圧壊強度を有することができ、その一方で、多分散の微小球体は充填性能を改善することができるため、硬化性混合物の粒状フィラーの配合量を高めることが可能になる。本文脈における「実質的に単分散」とは、平均粒径との差が約10%を超える微小粒子が約10%未満(粒子の数を基準とする)である分散を指すことができる。異なるグレードの(例えば、粒度や密度等が異なる)微小球体の混合物を使用することもできる。これは充填密度を向上させ、硬化性混合物に使用される微小球体の比率を高めるのに有用な可能性がある。こうすることによって、結果として得られる硬化後の複合体の密度を低下させることができる。微小球体の圧壊強度は、約35〜約200Mpa(約5000〜約30000psi)、または約35〜150、35〜100、100〜200、100〜150、150〜200、50〜150、55〜110、35〜70、35〜50、50〜100、75〜100、もしくは50〜75MPa、例えば、約35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200MPaとすることができる。幾つかの例においては、これらの値を下回る圧壊強度、例えば、約5〜約35MPa、または約5〜20、5〜10、10〜35、20〜35、10〜25、もしくは15〜25MPa(例えば約5、10、15、20、25、または30MPa)を用いることができる。このような微小球体を用いると高い硬化圧力を用いることができなくなるので(圧力が高くなると硬化中に圧壊する割合が高くなることになるため)、これは、フォームの作製に用いる圧縮圧がより低い場合のみに適しているであろう。本文脈における圧壊強度とは、微小球体の約10%を圧壊するのに要する圧力である。これを破壊静水圧(HCP)とも言う。微小球体の平均径は約10〜約200ミクロン、または約10〜100、10〜50、10〜20、20〜200、50〜200、100〜200、20〜100、20〜50、50〜100、もしくは1〜30ミクロン、例えば、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200ミクロンとすることができる。これらの平均殻壁厚は、約0.1〜約5ミクロン、または約0.1〜2、0.1〜1、0.1〜0.5、0.5〜5、1〜5、2〜5、0.5〜2、1〜2、もしくは0.5〜1ミクロン、例えば、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、または5ミクロンとすることができる。好ましくは、微小球体の圧壊強度を約55〜110MPaとすることができ、真密度を約0.3〜約0.45g/ccとすることができる。この殻壁厚対直径比は、約0.5〜約10%、または約0.5〜5、0.5〜2、0.5〜1、1〜10、2〜10、5〜10、1〜5、1〜2、もしくは2〜5、例えば、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、または10%とすることができる。好適なマイクロバブルとしては、例えば、3M(商標)ガラスバブルS42XHS(真密度約0.42g/cc、等方圧破壊強度(isostatic crush strength)約8000psi(約55MPa))が挙げられる。もし、これよりも強度が低い(すなわちHCPの測定時に破損することになる)中空微小球体が混合物の作製プロセスに持ち堪えてしまった場合は、硬化後のエポキシ複合体の強度を低下させる可能性があると考えられる。したがって、このような微小球体は硬化性混合物中で圧壊して中実(中空でない)フィラーにしてしまう方が好ましいと考えられる。殻壁厚/直径比は微小球体のHCPを決定する傾向があることに注目されたい。低強度の微小球体はあらゆるサイズを有する可能性があり、かつ真球度がより低いか殻壁がより薄肉である可能性がある。より密度の高い微小球体は単に殻壁が厚肉である可能性がある。
微小球体はグレード分けすることができる。このようにグレード分けを行うことにより、選択されたサイズを上回る微小球体を取り除くこともできるし、選択されたサイズを下回る微小球体を取り除くこともできる。小さい微小球体を用いた方が空隙容積の比率を低下させることができることから、密度を低下する性能が得られ、その一方で、大きい微小球体を用いた方が、圧壊強度が低下する可能性がある。これらは製造中に圧壊し、それによって密度を低下する性能を得ることができる。
幾つかの例においては、微小球体を表面処理または表面被覆することができる。こうすることにより、エポキシマトリックスと微小球体との間の相互作用を改善することができる。こうすることにより、エポキシマトリックスと微小球体との接着を改善することができる。こうすることにより、複合体の強度および/または弾力および/または靭性を増大させることができる。好適な表面処理としては、エポキシシラン処理(例えば、エポキシ基を微小球体の表面に結合させるためにグリシドキシプロピルトリメトキシシランCH(O)CHCHOC−Si(OCH)を用いる)またはアミノシラン処理(例えば、アミノ基を微小球体の表面に結合させるためにアミノプロピルトリエトキシシランNH−Si(OC)を用いる)が挙げられる。他の例においては、微小球体には表面処理も表面被覆も施さない。
本発明に使用される微小球体の種類は1種類を超えてもよい。例えば、強度を改善するためのより密度の高い微小球体を、エポキシ複合体の密度を低下させるためのより密度の低い微小球体と併用することができる。
第2フィラーおよび場合によりさらなるフィラーが有用な場合もある。これらはそれぞれ独立に、繊維状であってもよいし、あるいは非繊維状であってもよい。好適な非繊維状フィラーとしては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)ビーズまたは小球(macrosphere)(中空または中実)を挙げることができる。これらの直径は、約1〜約20mm、または約1〜10、1〜5、1〜2、2〜20、5〜20、10〜20、15〜20、5〜15、2〜5、5〜10、もしくは10〜15mm、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20mmとすることができる。小球は、回転成形を用いて製造されたポリスチレン球体を炭素繊維またはガラス繊維で強化されたエポキシ樹脂で覆うことにより作製することができる。好適な小球はCumming CorporationまたはMatrix Composites and Engineering Ltd.より入手することができる。これらの典型的な特性を以下に示す:密度0.4g/cc未満、圧縮強度17MPa超、圧縮弾性率0.8Gpa超。本発明のフォームについてHCP(破壊静水圧)試験を行うと、表面から12mm内側にある直径16mmの空洞を内側に破裂させずに耐えることが可能であることが示されている。このような状況であれば、小球の周囲に十分な硬化性材料が存在する(すなわち、小球間に十分な距離がある)という条件下であれば、硬化性材料に問題なく小球を添加することができ、また、シンタクチックフォーム全体の密度が低下しても設計通りの等方圧に耐えることができ、かつ/または要求された静水圧破壊強度(hydrostatic crush strength)を維持するのに十分な強度を有することができる硬化物を依然として生成することができることが明らかである。好適な繊維状フィラーは、アラミド繊維(例えば、Kevlar(登録商標)繊維)またはeガラス繊維とすることができる。eガラスは、繊維強化に慣用されている、アルカリ酸化物の含有率が約1重量%未満であるアルミノホウケイ酸ガラスである。第2および任意的なさらなるフィラーは、それぞれ独立に、または組み合わせて、硬化性混合物の約0.1〜約1重量%、または約0.1〜0.5、0.1〜0.2、0.2〜1、0.5〜1、もしくは0.2〜0.5%、例えば、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1%(w/w)で存在することができる。繊維(第2フィラーが繊維状である場合)の平均繊維長は、約0.2〜約2mm、または約0.2〜1、0.2〜0.5、0.5〜2、1〜2、もしくは0.5〜1.5mm、例えば、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2mmとすることができ、場合によっては2mmを超えてもよい。第2フィラーは、硬化後のエポキシ複合体の引張強度を改善することができる。これは、剛性を改善することができる。これは、耐亀裂性を改善することができる。これは、第2フィラーを含まない同一材料と比較して、これらの特性のうちの任意の1つまたはそれ以上、場合により全部を、少なくとも約5%、または少なくとも約10%、例えば、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15%改善することができる。アラミドまたは他の有機(例えば、高分子、アラミド等)繊維を第2フィラーとして使用することの利点は、最終複合体の密度に与える影響が比較的小さいか、場合によっては全く影響を与えないのに特性が改善されることにある。
硬化性混合物の成分を配合したら、得られた混合物を十分に(すなわち十分な速度で十分な時間)撹拌する(例えば、かき回す)ことによって実質的に均質にする。これは、例えば、ミキサーまたはスターラーを用いて達成することができる。上述した配合(場合により撹拌も)は、非空気雰囲気中で行うことができる。本発明者らは、非空気雰囲気中に少量の二酸化炭素が存在することで、結果として得られる硬化後の複合体の強度に有利な効果が得られることを見出した。二酸化炭素の濃度は、体積基準で、約1〜約10%、または約1〜5、1〜2、2〜10、5〜10、もしくは3〜8%、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10体積%)とすることができる。場合によっては、これよりも高い濃度、例えば、約10〜約50%(または約1〜40、10〜30、20〜50、30〜50、もしくは20〜40%)、例えば、約10、15、20、25、30、35、40、45、または50体積%で用いることもできる。二酸化炭素が存在することにより、内包されるガス溜まりのサイズを低減する作用が気体/混合物界面に働くという仮説が立てられる。また、二酸化炭素はエポキシ樹脂の硬化を阻害または遅延する能力があり、それによって、硬化前の混合物中の空隙(ガス溜まり)の消失または低減にかけられる時間が長くなるという仮説も立てられる(以下参照)。これは、二酸化炭素が硬化剤に影響を及ぼした結果である可能性もある。ただし、本発明者らは、非空気環境中の二酸化炭素の濃度が高過ぎる(例えば100%)場合は、硬化後の複合体の密度が、そうでない場合に得られるであろう密度よりも高くなることを見出した。これは、深海用途や低密度の複合体が有利な他の用途では不利ではあるが、二酸化炭素を100%で使用することは、複合体が低密度であることが重要でない場合は好適な可能性がある。二酸化炭素の少なくとも一部を、類似の機能を果たす他の気体、例えば、二酸化硫黄、二酸化窒素、またはこの種の気体の混合物と置き換えることが可能である。非空気雰囲気の残部またはこの残部の大部分として、空気よりも硬化性混合物中への溶解性が高い気体を用いることができる。この種の好適な気体はアルゴンである。クリプトン、キセノン、または他の化学的に不活性な気体も使用することができる。好ましい気体としては、空気より重い気体を用いることができる。場合によっては、アルゴンに替えて、空気よりも軽い気体、例えば、ヘリウムを使用することができる。気体の混合物(例えば、ヘリウム/アルゴン/二酸化炭素、ネオン/アルゴン/二酸化炭素等)も使用することができる。場合によっては、窒素との混合物を使用することもできる。窒素の比率は、空気中よりも低くなるように、例えば、約70、60、50、40、30、20体積%未満としてもよいし、あるいは非空気雰囲気の約10、20、30、40、50、60、または70体積%を占めてもよい。好ましい気体は、硬化性混合物への溶解性が比較的高く(例えば、空気よりも溶解性が高いもの)かつ硬化後の複合体への溶解性が比較的低い(硬化後の複合体から脱離することができ、それによって複合体の密度が低くなるように)ものである。これは、硬化前の混合物中への気体の溶解を促進するのに有利となる可能性があり、それによって、混合物中に存在する任意の空隙を低減するかまたは消失させることができる。ガス溜まりが低減および/または消失する理由の一部は、圧力が増大することによってガス溜まり中の気体の体積が単純に縮小することにある(ボイルの法則に基づく)と考えられており、また、マトリックス中への気体の溶解性が高圧下で増大するためにガス溜まり中の気体が周囲のマトリックスに吸収されることもその理由の一部ではないかと考えられている。硬化後は、溶解していた気体の少なくとも一部は複合体の外に拡散するという仮説が立てられる。これは、空隙を導入することなく複合体の密度を低下させる役割を果たすことができる。非空気雰囲気は空気より重い場合もあるが、好適な収容設備を用いるのであれば空気より軽い気体を使用することができる。同一圧力下における空気に対する気体の密度は、少なくとも約1.05、または少なくとも約1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1,45、もしくは1.5、または約1.05〜2、1.05〜1.8、1.05〜1.5、1.05〜1.3、1.1〜2、1.2〜2、1.5〜2、もしくは1.1〜1.5、例えば、約1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1,8、1.9、または2である。非空気雰囲気は、アルゴン(または上述した他の好適な気体)を例えば90〜95%、またはアルゴンもしくは他の好適な気体を90〜93もしくは92〜95%、例えば、アルゴンまたは他の好適な気体を約90、91、92、93、94、または95体積%含むことができる。これは、アルゴンおよび二酸化炭素の両方を含むことができる。これは、少量成分(例えば、約1〜10%)としての二酸化炭素および主成分(例えば、約90〜95%)としてのアルゴンを含むことができる。これは、例えば溶接用ガスであってもよい。空気より重い非空気雰囲気中で混合を行うためには、混合しながら混合物上に気体流を流せば十分な可能性があるが、別法として、またはこれに加えて、気体を混合物中に通気/散気することもできる。適切な気体の流量は混合物の量に依存することになるが、代表的な流量は、硬化性混合物約2〜3kg当たり約1〜約10L/分、または約1〜5、1〜2、2〜10、5〜10、2〜5、もしくは2〜3L/分、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10L/分である。これよりも硬化性混合物の量が多い場合はそれに比例して流量が高くなるであろう。通常、混合は、混合物の早期硬化を回避するように周囲温度またはそれよりも低い温度で実施することができる。これは、例えば、約15〜約30℃、または約15〜25、15〜20、20〜30、25〜30、もしくは20〜25℃、例えば、約15、20、25、または30℃で実施することができる。他で述べたように、温度はこれより低くても、例えば、約0℃と低くてもよい。混合は、硬化性混合物の均質性が許容できる程度まで到達するように少なくとも約30分間、または少なくとも約1、2、3、4、5、もしくは6時間行うことが必要な場合もあるが、混合物の粘度の程度にある程度依存するであろう。場合によっては、これよりも短い時間、例えば、約1〜約30分間、または約1〜15、1〜10、1〜5、1〜2、2〜30、5〜30、10〜30、20〜30、2〜15、2〜10、2〜5、5〜10、もしくは10〜20分間、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、または30分間で効果的に混合を行うこともできる。
混合物の均質性が許容できる程度に到達したら、混合物のガス溜まりを低減するかまたは消失させるために加圧が行われる。この文脈における「低減する」は、ガス溜まり(空隙)のサイズすなわち体積を低減させることを指す。「消失させる」は、ガス溜まり(空隙)を消滅させることを指す。この誘因の少なくとも一部は、ガス溜まり(空隙)中の気体が硬化性混合物に吸収/溶解されることにあると考えられている。このステップは、好ましくは、混合物が気体(混合物中に巻き込まれるかまたは溶解したもの以外)に触れないように実施される。こうすることにより、混合物にさらなる気体がさらに加わる(そうなると、混合物が既存の空隙中に存在する気体を吸収する能力が低下することになる)ことが回避される。圧力は実質的に等方的に印加することができる。気体に圧力を印加するのに好都合な手段は、バリア性材料で包み、包まれた混合物を液体に浸漬し、液体に所望の圧力を印加するものである。混合物を包む単純な方法は、混合物をバリア材料のフィルム内/上に配置し、混合物が完全に囲まれるように周囲にバリア性材料を折り畳み、バリア材料の端部を、例えば、捻るおよび/または結ぶ(例えば、結束バンド、紐、または他の何らかの好適な方法を用いて)ことによって留めることである。この方法においては、バリア材料を筒状にして硬化性混合物を包むこともできる。次いで端部を捻り(ソーセージのように)、次いで結束バンドまたは他の好適な留め具を用いて端部を留めることができる。別法として、筒状に包装して、別の端部を包装の末端に少なくとも2方向に固定するとともに、さらなる筒状包装にも固定することができる。バリア材料は単層バリア材料であってもよいし、あるいはバリア性を改善するために多層(例えば、2、3、4、または5層)であってもよい。バリア材料は、硬化性材料の周囲で折り曲げて直方体に近い形状を形成することができる。幾つかの例においては、封止材を用いてバリア材料を封止することができる。これは耐圧性接着剤、例えば、ブチル系マスチックとすることができる。他の例においては、バリア材料をヒートシールすることができる。バリア材料は、6つの面を有するボルト留めされた箱の4辺がシーラントで封止されており、上面および底面に隔膜を有する形態とすることができる。圧力が印加されると、この隔膜があることによって内部の混合物を圧縮することができる。さらなる選択肢は、ポリプロピレンを折り曲げた箱を、封止材、例えば、ブラックブチル系マスチック両面テープを用いて封止し、その外層(タンクのライナーとなる)としてPVCフィルムの1またはそれ以上の層(例えば、1、2、3、4、または5)を溶着して、同様にブラックブチル系マスチック両面テープで封止したものを使用するというものである。次いで、PVCライナーを有するポリプロピレンの箱を、6つの面を有するボルト留めされた箱の中に装入することができる(封止はこれ以上行わない)。さらなる選択肢においては、硬化性混合物を開放型トレーの中に載置し、これを、トレーの上端に固定することができる可撓性膜で封止することができる。この選択肢においては、場合によりトレーの底面および/または側面に剥離剤を使用することができる。好適な剥離剤としては、例えば、シリコーン剥離剤が挙げられる。別法として、トレーは非接着性面、例えば、フルオロカーボンポリマー面を有することができる。包装は単層包装であってもよい。これは多層(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10層包装)であってもよい。好適には、硬化性混合物を、バリア材料から作製された袋に装入することができる。次いでこれを、圧縮に用いる液体の侵入を防ぐために封止、例えば、ヒートシールすることができる。封止はバリア材料の中(すなわち袋の内部)に含まれる気体が可能な限り少なくなるように行うことができる。場合によっては、混合物を最初に包装し、次いで袋の中に入れて封止することができる。次いで、液中の圧力が実質的に等方的に混合物に伝達されるであろう。好適なバリア材料は、加圧下における混合物の寸法変化を吸収し、かつ混合物を取り囲んでいる流体からの圧力を伝達できるように可撓性を有するべきである。これは実質的に非透液性であるべきである。これは使用中に加わる力に耐えるのに十分な強度を有することができる。これはまた、硬化性混合物の硬化時の温度に耐えることができる(すなわち、好適な軟化および/または溶融温度を有する)べきである。好適なバリア材料としては、高分子フィルム、例えば、ポリエチレンフィルム、PVCフィルム、ラテックスフィルム、ポリウレタンフィルム、EPDMゴム等が挙げられる。多層バリア材料の場合、異なる層の材料は同一であっても異なっていてもよい。包装は、印加された圧力下において、少なくとも硬化性混合物が硬化して硬化した複合体を形成するまでは液体が混合物に全く浸透しない(または浸透する量が無視できる)ようにするべきである。幾つかの例においては、例示的なバリア材料は約90℃未満で破損する場合がある(例えば、収縮、脆化、および/または劣化する場合がある)。しかしながら、混合物(およびバリア材料)がこの温度に到達する頃には混合物はかなりの程度まで硬化が進んでいると思われ(そして単に最終転移段階である効果的な後硬化を経て、さらに強度が増大するであろう)、それによって非透液性になっているので、ある程度の液体が浸透しても問題は起こらない。液体は水性(例えば、水)であってもよいし、あるいは非水性(例えば、シリコーン油や鉱油等)であってもよいし、あるいは他の何らかの種類の液体であってもよい。液体の粘度は約0.5〜200cS、または約1〜200、10〜200、50〜200、0.5〜100、0.5〜50、0.5〜10、0.5〜2、1〜100、1〜50、50〜100、1〜20、もしくは20〜50cS、例えば、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、または200cSとすることができる。幾つかの実施形態においては、包装された硬化性混合物は液体でなく気体を用いて圧縮することができる。この場合、バリア材料は実質的に非透気性であるべきである。幾つかの例においては、バリア材料にはそれを取り囲んでいる液体が全く侵入できないというわけではなく、ある程度の液体がその中に存在する混合物に滲入する可能性があることに留意されたい。
硬化性混合物に印加される圧力は、設計された常用耐圧とほぼ等しくてもよいし、あるいはそれより低くてもよい。これは、設計された常用圧力の約5%〜約100%とすることもできるし、あるいは設計された常用圧力の約5〜50、5〜20、5〜10、10〜100、20〜100、50〜100、10〜50、10〜20、もしくは5〜20%、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、または100%とすることもできる。具体的な実施形態においては、これは設計された常用圧力の約10%となるであろう。これは、微小球体であるフィラー粒子の約5〜約15%、またはその約5〜10もしくは1〜15%、例えば、その約5、10、または15%を十分に破裂させる圧力とすることができる。少量部分である破裂した微小球体は、その後、結果として得られる硬化した複合体に強度を付与するフィラーとして作用することができる。圧力は、少なくとも約7000kPa(約1000psi)の圧力とすることができるが、場合によっては、この値より低い圧力、例えば、約もしくは少なくとも約3000、3500(約500psi)、4000、4500、5000、5500、6000、もしくは6500kPa、または約3000〜7000、3000〜5000、5000〜7000、4000〜6000、もしくは4000〜5000kPaも有効であろう。耐圧深度(depth rating)がより低い複合体を作製する場合はこれよりも低い圧力を用いることもできる。この種のフォームは、より高い圧力で硬化したものよりも低強度かつ/または低密度になる可能性がある。この圧力は少なくとも約7500、8000、8500、9000、9500、または10000kPaとすることも、あるいは約7000〜約15000kPa、または7000〜10000、7000〜8000、8000〜15000、10000〜15000、8000〜12000、もしくは8000〜10000kPa、例えば、約7000、7500、8000、8500、9000、9500、10000、11000、12000、13000、14000、または15000kPaとすることもできる。圧力が低過ぎると、空隙を要求された程度まで消失させることができず、それによって硬化後の複合体の圧壊(または圧縮)強度が不十分になる可能性がある。圧力が高過ぎる場合は、必要以上の数の微小球体または他の粒状フィラーの粒子が圧壊または破裂する可能性がある(粒状フィラーの粒子が圧壊可能または破裂可能である場合)。そのため、生成した硬化後の複合体の密度が所望の密度よりも高くなる可能性があり、また、他の望ましくない物理的性質が生じる可能性がある(ただし、硬化後の複合体の強度が高くなる可能性がある)。約7000kPaの圧力を用いると空隙の体積が少なくとも約70分の1に低減されることと、空隙中の気体が硬化性混合物に溶解することになるため、低減される空隙は実質的にこれを上回り、完全に消失する可能性もあることとが想定されている。
場合によっては、まずは硬化性混合物が急速に硬化しない(例えば、約2時間以内または約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20時間以内に硬化しない)温度で圧力を印加することができる。この初期圧縮段階は室温付近で行ってもよい。これは、約15〜約30℃、または約15〜25、15〜20、20〜30、25〜30、もしくは20〜25℃、例えば、約15、20、25、または30℃とすることができる。こうすることにより、硬化前に混合物中の気体の空隙を低減するかまたは消失させる時間が得られる。硬化性混合物を上に定めた温度で約1〜約20時間、または約1〜10、1〜5、5〜20、10〜20、15〜20、もしくは10〜15時間、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20時間圧縮することができる。この時間は遅延時間と見なすことができる。場合によっては、この段階(遅延時間)の温度は15℃未満、例えば、約0〜約15℃、または約0〜10、0〜5、5〜10、もしくは5〜15℃、例えば、約0、5、10、または15℃とすることができる。硬化性混合物は低温の方がゆっくりと硬化し、その方が空隙が低減または消失する(例えば、吸収される)時間が長くなることになるので、低温で圧縮する方が有利な可能性がある。さらに、気体は一般に低温の方が溶解性が高くなるので、圧縮された空隙への気体の溶解は低温の方が促進され、それによってより多くの空隙体積を低減することができる。
初期低温圧縮段階の後、硬化性混合物を硬化させるように硬化温度まで昇温することができる。昇温は、例えば、硬化性混合物(好ましくは、上述したようにバリア材料で包装されている)を浸漬する液体の温度を昇温することにより行うことができる。硬化温度は約90℃未満、または約80、70、もしくは60℃未満とすることができる。これは約40℃超、または約50、60、もしくは70℃超とすることも、あるいは約40〜90、40〜80、40〜65、40〜60、50〜90、70〜90、または50〜80℃、例えば、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90℃とすることもできる。場合によって、硬化温度を約90℃超、例えば、約170℃まで、または約160、150、140、130、120、110、もしくは100℃まで、例えば、約95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、または170℃までとすることができる。硬化性混合物を、圧力を低下させることなく、すなわち上述の圧力を維持しながら硬化温度まで昇温し、これを維持することができる。したがって、場合により非空気雰囲気中で混合した後、続いて必要に応じてバリア材料で包み、所望の圧力まで昇圧し、硬化性混合物が硬化して硬化複合体を形成するまでこれを維持する。幾つかの例においては、高温硬化段階の前または途中でさらに昇圧することも、あるいはわずかに減圧することもできるが、所望の範囲内に維持するべきである(上述)。一般に、昇圧した後の圧力は硬化後の複合体が硬化している間は実質的に一定に維持される。硬化温度は硬化性混合物を硬化させるのに十分な時間維持することができる。これは少なくとも約2時間または少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12時間、または約2〜12、4〜12、6〜12、8〜12、2〜10、2〜6、もしくは6〜10時間、例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12時間維持することができる。硬化時間は、硬化性複合体の成分(粒状フィラー、エポキシプレポリマー、および硬化剤)の性質および比率に加えて他の成分(促進剤等)の性質、存在の有無、および量に依存するであろう。硬化温度は、硬化性混合物の硬化時間または可使時間が約1時間未満、または約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20時間未満となるようなものにすることができ、例えば、硬化温度は、可使時間または硬化時間が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20時間となるようにすることができる。特定の場合においては、圧力を解放する(すなわち周囲圧力付近まで戻す)前または後のいずれかに後硬化を行うことができる。後硬化は上に定めた硬化条件(温度、時間)で行うことができる。これは硬化と同一条件であっても異なる条件であってもよい。
上述したように、加熱は加熱された液体浴を用いて行うことができる。この場合、浴中の液体は所望の温度を維持する温度制御装置を通過させて再循環させることができる。これは、浴温を所望の硬化温度まで昇温するために必要な加熱を行うだけでなく、硬化中の混合物の過熱を防止するように、発熱硬化反応によって発生する過剰な熱を取り除く役割も果たすことができる。これに加えて、またはこれに替えて、加熱は電熱線または他の何らかの好適な方法で行うことができる。
硬化を開始させるために加熱ステップが用いられた場合、圧力を解放する前にエポキシ複合体を冷却することができる。冷却は、硬化した複合体を、加熱用に浸漬していた液体から取り出すことにより行ってもよいし、あるいは浸漬していた液体を冷却することによって行ってもよい。硬化した複合体は圧力を解放する前に室温に冷却することもできるし、あるいは約40、35、30、25、もしくは20℃以下の温度までまたは約40、35、30、25、もしくは20℃の温度まで冷却することもできる。幾つかの例においては、圧力を解放する前に、45、50、55、60、65、または70℃の温度まで冷却することができる。後者の範囲はより大型の製造物の試験片により一般的である。それは、このような大型の試験片の冷却にはかなり長時間を要するためである。
総じて、本発明のエポキシ複合体の作製に好適なプロセスは、以下のステップを含む。以下に提案する時間は硬化後の複合体が約1〜2kgとなる場合の作製に好適なものであるが、これよりも大きなバッチには異なる(例えば、より長い)時間が必要となり、より大きなバッチにはプロセスを幾分修正することが必要となるであろう。
・エポキシプレポリマーおよび硬化剤を非空気雰囲気中で(例えば、非空気雰囲気を散気しながら)、通常は約3〜4分間混合する。
・次いで、配合したプレポリマー/硬化剤に中空ガラス微小球体を加える。
これには、2種以上の異なるグレードの微小球体を添加することも含むことができる。その場合は、強度が高い(最も高い)方または真密度が高い(最も高い)方の微小球体を最初に加えることができる。次いで、得られた硬化性混合物を非空気雰囲気中で均質になるまで約5分間混合する。このステップおよびその前の混合ステップに要する総時間(添加時間を含む)は約10〜15分間とすることができる。
・次いで、硬化性混合物をポリマーフィルムで包む。これには、金型をフィルムで内張し、内張した金型に硬化性混合物を加え、次いで包装を完成させることを含むことができる。次いで包装された混合物をヒートシール性プラスチックフィルムで作製された袋に装入することができ、次いでこれをヒートシールすることによって混合物をさらに保護する。包装および袋の封止を行う際は、包装または封止された袋の内部に可能な限り気体(空気または非空気雰囲気)が入らないようにするべきである。
・次いで、包装された混合物を、液体、例えば水または低粘度のシリコーン油に浸漬し、所望の静水圧(約7〜約515MPa)で圧縮する。この圧力は周囲温度付近またはそれ未満(一般には約10〜約25℃)で約6〜8時間維持される。
・次いで、この圧力を維持しながら温度を所望の硬化温度(一般に約50〜90℃)まで昇温する。昇温時間は約4〜6時間とすることができる。次いで混合物を硬化させて複合体を形成するために、この高温および高圧を約6〜8時間維持する。約120℃で約1〜3時間の後硬化ステップが任意選択される。
・次いで硬化した複合体を、高圧を維持したまま周囲温度付近(典型的には約20〜40℃)まで放冷する。
・複合体の温度が周囲温度付近まで戻ったら、除圧することができる。
上述したようにエポキシ複合体を作製したら、例えば、切断、鋸切断、機械加工、粉砕、研磨、摩砕等により所望の形状に形成することができる。これは、ブロック、煉瓦、スラブ、または他の都合のよい形状に形成することができる。これは、例えば、深海航走体の構造部分または構造部品の組み立てに適したな形状に形成することができる。別法として、硬化前の硬化性混合物を所望の形状の金型で成形し、硬化性複合体が所望の形状の硬化物片を形成するようにすることができる。ブロックまたは他の形状の複数の複合体を接着して、例えば構造ビームを組み立てて使用することができる。接着剤としてはエポキシ接着剤を用いることができる。これは高強度エポキシ接着剤とすることができる。これはフィラーを配合したエポキシ接着剤とすることもできる。これは微小球体を配合したエポキシ接着剤とすることもできる。微小球体は、高分子、ガラス、またはセラミック微小球体とすることができる。ガラス微小球体を配合したエポキシ接着剤を使用する場合は、本明細書に記載したエポキシおよび/または微小球体を用いることができる。エポキシおよび/または微小球体は、独立に、複合体の作製に使用したものと同一であってもよいし、あるいは異なっていてもよい。複合体を使用する際は、構造上の外殻として被膜(coating)または被覆(covering)を有することができる。これはプラスチックの被膜または被覆であってもよい。これは布帛の被膜または被覆であってもよい。これは保護用被膜または被覆であってもよい。これは例えば充填剤を配合した(例えば、ボロン繊維、Kevlar(登録商標)繊維、および/または炭素繊維を配合した)高分子被膜または被覆であってもよい。これは、繊維質の生地の被膜または被覆(これは、例えば、ボロン繊維、Kevlar(登録商標)繊維、および/もしくは炭素繊維、またはポリエステルもしくはポリプロピレン生地を含むことができる)を含むことができる。この被膜または被覆は可撓性フィルムの形態であってもよい。被膜または被覆はエポキシ複合体に貼り合わせることができる。これは使用時に容易に剥離させないために十分な可撓性を有することができる。この被膜または被覆は、使用時に遭遇する高圧に複合体が耐えるのを助けることができる。
本発明によるエポキシ複合体は、圧縮下における最大応力(すなわち圧壊強度)が100MPa(約14500psi)以上、または約105、110、110、もしくは120Pa以上、または約100〜約120MPa、または約100〜110、100〜105、105〜120、もしくは105〜110MPa、例えば、約100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120MPaとすることができる。上述した最大応力は複合体の破損時に印加されていた応力を表す。これは一般に、試験片が破砕する突発的な破損である。複合体は、110MPaの圧力下における(または圧壊強度の上限における(どちらか低い方))歪みが約3%以下、または約2.5、2、1.5、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55、もしくは0.5%以下となる圧縮弾性率を有することができる。これは、110MPaの静水圧圧縮下における線形歪みを約1.3%以下、または約1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、もしくは0.5未満、例えば、線形歪みを約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、または1.3%とすることができる。比較すると、市販のシンタクチックフォームは、類似の条件下における圧縮歪み(または線形歪み)が典型的には約1.4%以上である。好適な微小球体として粒状フィラーを用いることにより(先に述べたように)、上述した強度および弾性率の値のまま、密度を約0.8g/cc未満、または密度を約0.75、0.7、0.65、もしくは0.6g/cc未満、または約0.5〜約0.8g/cc、または約0.5〜0.7、0.5〜0.6、0.6〜0.8、もしくは0.6〜0.7g/cc、例えば、約0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、または0.8g/ccに到達させることができる。エポキシ複合体は吸水性を低くすることができる。これは、平衡吸水率を約0.5%(w/w)未満、または約0.1%(w/w)未満とすることができる。これはほぼ大気圧下または約100MPaの圧力下または約110MPaの圧力下または約125MPaの圧力下で測定することができる。吸水率は、約0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.02、もしくは0.01%未満とすることもできるし、または約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、もしくは0.5%(w/w)とすることもできる。比較すると、これまでに知られているシンタクチックフォームの約18000psi(約125Pa)における吸水率は約3重量%である。上の吸水率の値は、周囲温度、例えば、約20または25℃で測定される。硬化した複合体の引張強度は約20MPa超、または約25、30、35、もしくは40Pa超、または約20〜約50MPa、または約20〜40、30〜50、もしくは30〜40MPa、例えば、約20、25、30、35、40、45、もしくは50MPaとすることができる。
硬化した複合体の圧縮弾性率は、少なくとも約2GPa、または少なくとも約もしくは約2〜約9GPa、または約2〜8、2〜6、2〜4、3〜8.5、5〜8.5、7〜8.5、4〜8、6〜8、4〜6、2〜3、3〜4、2.5〜4、もしくは2.5〜3.5GPaとすることができる。この弾性率は、約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、または8.5GPaとすることができる。この弾性率は、歪みが約3%まで、または約2.5、2、1.5、1、0.5、もしくは0.1%までのときに達成することができる。
本明細書に記載する複合体の重要な態様は、高い圧壊強度(すなわち圧縮強度)と低密度とが両立しており、それによって深海構造用途に適していることにある。この組合せと一緒に両立させることができる他の特性としては、高い耐亀裂性、低い圧縮性(すなわち高い圧縮弾性率)、高い剛性、および複合体の大型ブロック全体にわたる物理的性質性の均一性が挙げられる。このような製造物を得ることができる本プロセスの重要な態様としては、以下が挙げられる:
・適切な原料、特に低密度フィラーおよび場合により第2(一般に繊維状)フィラーを選択すること。原料の具体的なグレードは許容される特性を達成するのに重要な可能性がある。
・未硬化の混合物が成分(特にフィラー)の分離を防止するのに十分な粘度を有するように適切な成分比を用いること。
・周囲温度において非常にゆっくりと硬化が起こり、かつ高温では比較的速やかに硬化するようなプレポリマーおよび硬化剤の組合せを用いること。特定の場合においては、こうすることにより要求に応じた硬化を行うことができる。大型のブロックの場合は、混合物の温度が非常にゆっくりと上昇して50℃付近まで上昇することが認められているため、外部加熱を行うことなく硬化させることができる。これはガラスの断熱性によるかまたは単にエポキシの量による可能性があると考えられている。より小型のブロックの場合は、混合物の熱的損失が発熱を上回る可能性があるため、混合物を硬化させて要求に応じた硬化を行うためには外部加熱が必要となる。
・適切な非空気環境下で、巻き込んだ任意の気泡/ガス溜まりの体積を低減し、かつ/または混合物に吸収させることができるように圧縮下で混合すること。
・硬化性混合物を非常にゆっくり硬化する温度で圧縮すること。この圧縮は、硬化前の混合物が気体を吸収するのに十分な時間行う。
・硬化を加速するとともに硬化中の混合物内の温度勾配を小さくするために外部加熱を行うこと。樹脂を外部加熱することによって後硬化も起こる。エポキシ樹脂は一般に、最適なHDT(熱変形温度)に到達するまで80℃で8時間を要し、本発明者らは、高温の方が適切と考えている。したがって、外部加熱により硬化を誘発/加速することができ、温度勾配を小さくし、かつ硬化中の混合物を後硬化サイクルに付す。
本発明の硬化した複合体、特に、粒状フィラーとして中空微小球体を用いて作製されたものは、深海用途に適している可能性がある。これは、海洋の最も深い部分(約11000m)で作用する圧力に耐えられる可能性がある。これは、この深度で作用する圧力下における海水による加水分解に耐えられる可能性がある。これは、海水中で浮力を示すことができる。これは、この深度で使用するのに適した浮力部材および/または構造要素となり得る。これは例えば、海洋の最も深い部分で使用される水中航走体の外面に使用するのに適している可能性があるとともに、この用途においてさらに浮力を付与することができる。これは深海用オイルライザーのジャケットに使用するのに適している可能性がある。これは深海用途に好適な熱的性質および/または音響特性を有することができる。これは、上の特性をその用途に適した任意の組合せで有することができる。
水性環境で用いる場合は、吸水率が低い方が有利な可能性がある。本発明の複合体は、使用条件(例えば、水深11000mまで)下における吸水率を、重量基準で約0.5%未満、または約0.4、0.3、0.2、もしくは0.1%未満、または約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、もしくは0.5%とすることができる。海深約11000mにおける圧力は約16500psi(約114MPa)である。本明細書に記載した硬化複合体のこの圧力下における吸水率は、ゼロとすることもできるし、あるいは無視できるほど小さくすることもできる。高圧下で複合体を硬化させる特定の製造プロセスにおいて、多量の粒状フィラーを用いることにより(こうすることにより、吸水する可能性がある残りの有機マトリックスの量が比較的少なくなる)、この極めて優れた吸水特性が得られると考えられている。
硬化複合体に粒状フィラーとして使用される微小球体、特にガラス微小球体は、複合体の断熱性および/または遮音性を高める役割を果たすこともでき、これは特定の用途に有利な可能性がある。
特定の実施形態においては、本発明のエポキシ複合体は、エポキシ樹脂と一緒に中空ガラス微小球体を用いて製造される。しかしながら、他の合成材料とは異なり、本複合体は、「イソス(isos)」すなわち強度が等しい(接頭語のイソ(iso)は、ギリシア語の「等しい」を意味するイソス(isos)に由来する)。先行技術と異なる特殊な製造プロセスを採用することにより、等しい(すなわち均一な)特性が得られる。以下に、本発明のエポキシ複合体を作製するのに適したプロセスの基準を示す。
エポキシ樹脂に対する中空ガラス微小球体の充填密度は高くなるように選択され、それによって混合物が可塑性または擬似固体となる。軽量の中空ガラス微小球体は、液体中であれば普通は移行して浮遊することになるが、混合物が可塑性または高粘度を有する場合は移行しにくくなる。
中空ガラス微小球体およびエポキシ樹脂混合物を人工的に作成した雰囲気中で混合して金型に充填する。COを5%含むアルゴン雰囲気は、どちらの気体も入手が容易(別々および/または溶接用ガスとして既に混合されたもののいずれかとして)なので好適である。また、この気体はどちらも空気より重く、簡素な設備、例えば、流量計および開放管を使用して微小球体/樹脂混合物上に人工的な雰囲気を作り出すのは容易である。他の気体および/または他の気体混合物(空気より軽い気体を含む)も、特殊な空間に人工雰囲気を収容して混合および充填を行えば、同様の結果が得られることが期待される。
混合物を充填したら、次いで空気および液体に対し密閉性のある包装内に封止する。「張り付く」タイプのフィルム数層を用いて包装するか、プラスチック袋で包装して封止するか、または金型専用の可撓性を有する特殊なライナーを用いて包装すると効果が得られる。
こうして封止された混合物を圧力容器に装入し、液体で加圧する。危険性のない熱伝導性液体(水等)が好適であるが、他の液体を使用することもできる。圧力は、中空ガラス微小球体のHCP(破壊静水圧)や充填密度等の多くの要素に応じて選択される。理想的な圧力下では、望ましくない低強度の中空ガラス微小球体が潰れるが、より高強度の中空ガラス微小球体が互いに物理的に接触して圧壊するような過充填は起こらないであろう。
エポキシ樹脂の硬化を遅延させることは、混合物中に巻き込まれた気体を液状エポキシ樹脂(硬化剤を既に混合したもの)に吸収させることができるので非常に好ましい。静水圧は、樹脂の固化およびさらなる任意の後硬化サイクルの間維持される(圧力解放前に周囲温度に戻す時間も含む)。
上のプロセスの様々な特徴として、適正な充填密度、中空ガラス微小球体の種類、エポキシ樹脂系、人工的な雰囲気の気体、印加される静水圧、硬化温度、および硬化サイクルタイムの選択が挙げられ、これらはすべて本プロセスに重要である。最良の結果が得られるシンタクチックを生成するものがより協同効果の高いプロセスである。
本発明者らは、COが、エポキシ樹脂の表面張力を変化させることができ、かつ/またはエポキシ樹脂をより長い時間液体のままにしておく遅延剤の役割を果たすことができるという仮説を立てている。この両方の作用によって、液状のエポキシ樹脂がゲル化または固化する前により多量の気体を吸収することが可能になるであろう。アルゴンはCOの希釈剤の役割を果たす。それは、本発明者らが、エポキシ樹脂表面にCOが過剰に存在すると逆効果になる可能性があることと、空気よりも液状エポキシ樹脂への吸収が高い可能性があることとを見出したためである。
先行技術のプロセスにおいては、中空ガラス微小球体およびエポキシ樹脂を通常はスラリーになるまで混合し、次いで硬化させるために金型に注型する。より高品質のフォームを得る場合は、空気の捕捉を最小限にするために真空条件下で混合し、さらに、混合物中に空気が混入するのを回避するために慎重に注型する。空気を捕捉したり巻き込むことは、HCP(破壊静水圧)および剛性(歪みとして測定される)が低下するので望ましくないが、浮力および断熱性は確実に向上するので、従来混合物中にある程度の空気/気体は許容されてきた。
中空ガラス微小球体/エポキシ樹脂系はこの用途に適している可能性があると見なされていたが、真空中で原料を混合することは困難かつ望ましくないと見なされていた。他の低密度フィラーおよび中空フィラーも考慮されていたが、中空ガラス微小球体を用いると、他の種類と比較して、圧壊強度対密度の比率が最も高くなる。同様に、他の結合剤も考慮されていたが、エポキシ樹脂系の利点は際立っており、圧縮強度対密度比が最も高く、かつ実質的に水が侵入しない。
真空中で混合する必要性をなくすために、本発明者らは、原料をはるかに高い充填密度で混合し、次いで混合物を加圧容器内で等方的に加圧し、この圧力で硬化させることを含むプロセスを開発した。こうすることにより実質的に空気を含まないフォーム(または少なくとも空気の量が低減されたフォーム)が生成するであろうと考えられていた。それは、任意の空気の空間が圧縮により縮小することになり(ボイルの法則)、固化する前の液状エポキシ樹脂に吸収されることになる(ヘンリーの法則)ためである。本プロセスは微小球体内部に捕捉された空気に影響しないことが明らかであるので、本文脈における「空気を含まない」とは、微小球体の外側の空気を指すと認識すべきである。本発明者らは、任意の圧縮/吸収された空気は減圧により硬化した複合体の外部に追い出されることになるので問題を起こさないと考えている。このことが起こっている証拠はないが、空気による問題は起こっていない。
エポキシ樹脂の中空微小球体の充填密度を変化させ、次いで異なる等方圧を用いて、推奨された後硬化サイクルを行うことにより、複数の硬化複合体を調製した。混合物の充填密度が高い場合は、混合によってパン生地状の粘稠性を有する混合物が生成すると中空ガラス微小球体が移行することができないため、粒状フィラーの充填密度が高い方が生成するフォームが均一になることが見出された。これは均一な密度および強度を得るために重要なステップである。
空気中で混合することにより製造されたフォームは、最初は空隙を含まないように見えたが、大きな空気溜まりがエポキシ樹脂に吸収されておらず、フォーム中に捕捉されていることが明らかになった。捕捉された空気は硬化した複合体内で加圧されているので破裂性があり、曲げ試験を行って気体溜まり付近に張力がかかると試験片が破壊することが明らかになった。空隙は褐色の印で識別することができたので、もし機械加工の際に淡褐色の印が見つかった場合は、空隙の疑いがあるものとして扱った(目視では明らかでなくてさえも)。たとえHCP(破壊静水圧)試験の結果が許容できても、望ましいと見なされているよりも多くの空隙が存在したようである。これらのフォームは張力下における特性に劣ることがわかった。
この圧縮された気体の空隙に関する問題に対処するために、原料を空気より重い様々な気体中で混合した。これは、必要な設備が気体の供給源、流量計、および短い管のみであったため比較的容易であった。気体は、気流の作用と、さらなる閉じ込め作用とを受けて混合槽(mixing bowl)内に留まることが期待される。非空気環境下で混合した混合物を、次いで、「空気中で混合した」試験片と同様に圧縮室内で等方的に圧縮した。
異なる気体を用いることによって以下の効果が認められた:
・CO中で混合することにより製造されたフォームは空隙を含まなかったが、エポキシ樹脂系中の硬化剤の副反応が認められた。この気体中で混合した試料は良好なHCPを維持していたが、予想よりも密度が高かった。
・100%アルゴン中で混合することにより混合して製造されたフォームは、褐色の印がより小さいことから認識できるように空隙がより小さく、やはり良好なHCPを有していた。
・COを5体積%、Oを2.5体積%、および残部がアルゴンである溶接用ガスを用いて試験を行った。現時点では空隙を含まないフォームが得られており、大幅な密度増加は認められなかった。
様々な気体中で混合した上の混合物から、低濃度のCOは、エポキシ樹脂の硬化を遅延させることができ(それほど濃度が高くない場合)、かつ/またはエポキシ樹脂が固化する前により多くの気体を吸収する(または気体をより速やかに交換する)ことを可能にするほど十分に液状エポキシの表面張力を変化させることができる。この試験を行う際に、後硬化温度の開始を遅延させても空隙が低減されることが見出された。これは、エポキシ樹脂が完全に硬化する前に気体が吸収される時間がより長くなる可能性があるためと考えられている。
したがって、本発明には、混合物を完全に硬化させるために等方圧中に装入される前に、巻き込まれた気体の吸収を促すためにエポキシ樹脂の特性および/または硬化を変化させる気体を使用することが組み込まれる。
図1は、先に説明した本発明による好適なプロセスをまとめたものである。
図2は、複合体の破壊した断片および研磨した断片の電子顕微鏡写真を示すものである。破壊した断片(図2a)には破壊の最中に微小球体が引き抜かれた空隙が認められる。
図3は、本明細書に記載したプロセスの高圧ステップ中の代表的な温度プロファイルを例示するものである。初期のわずかな温度上昇はわずかな硬化発熱に起因する可能性があるが、外部加熱を行わない場合は、温度はほぼ22〜25℃付近で一定に維持される。約6時間後に外部加熱を開始し、最終温度である約80℃に到達させるには約5〜6時間を要する。温度の増減は、サーモスタットの「ハンティング」による浴温の変動による可能性があり、かつ/または他の理由(硬化発熱が不安定なこと等)による可能性もある。高温硬化を約6時間行った後、複合体を約30℃に放冷する。これには約4時間を要する。この時点で硬化した複合体を減圧することができる。
中空ガラス微小球体の選択
中空ガラス微小球体は任意の好適な製造業者から商業的に入手することができる。3M(商標)製の微小球体が特に適していることが判明した。3Mは中空ガラス微小球体に「ガラスバブル」という語を使用している。図5は、入手可能な3種のガラスバブルの真密度に対するHCP(破壊静水圧)をプロットしたグラフを示すものである。図5から、HCPを増大させるとその代償として密度が増大することが明らかであり、HCPが約80MPaとなるまではほぼ比例的な関係があるが、それを超えると、密度を実質的に増加させることなくHCPを増大させることが可能であることが分かる。深海用途に理想的な微小球体はグラフの右下に位置することになる(低密度/高HCP)が、このような製造物は現時点では商業的に入手することができない。以下の表に図5からのデータを、試験に供した微小球体の具体的なグレードの識別子と一緒に示す。
Figure 0005934197
図5および上の表から、最も有効なガラスバブルは、低圧用途の場合はK1であり、幾分高い圧力用途の場合はXLD3000およびXLD6000であり、極めて高い圧力用途の場合はiM30Kであることがわかる。iM30Kはシンタクチックフォーム製品専用に製造されたわけではないが、この用途に使用するのに有効なガラスバブルである。図5から、密度が0.4g/ccであり圧壊強度が約12,000psi(約83MPa)であるガラスバブル材料(おそらく特注製造される)が適していることがわかる。試験用として、XLD6000、iM30K、およびS42XHSガラスバブルを選択した。
好適なエポキシ樹脂系の選択
以下の種類のエポキシ樹脂の未希釈の試料について密度および圧縮強度を試験した;
・KINETIX(登録商標)R118:ATL製のR118エポキシおよび硬化剤H103の複合体
・KINETIX(登録商標)R246:ATL製のR246エポキシおよび硬化剤H128の複合体
・KINETIX(登録商標)R240:ATL製のR240エポキシおよび硬化剤H341の複合体
・Epiglass(登録商標)HT9000:Epiglass(登録商標)HT9000および標準的な硬化剤であるHT9002
・L285:Hexion Chemicals製L285エポキシおよび硬化剤L285
・862L6:Hexion Chemicals製Epon(登録商標)862およびLindau製硬化剤Lindride(登録商標)6
・862LS−81K:Hexion Chemicals製Epon(登録商標)862およびLindau製硬化剤LS−81K
図4に圧縮応力−歪み曲線を示す。このように、図4は、高温下で硬化させた様々なエポキシ樹脂の特性を例示するものである。図4aは、圧縮応力−歪み曲線を示すものであり、この材料が80MPaを超える圧縮応力に耐えることができ、うち1種類は120Paを超えたことを示している。図4bは、図4aの曲線から導出した弾性率の値を示している。初期の弾性率は約3〜4GPaであったが、歪みが約2%を超えると低下した(応力約60〜80Paに相当)。これらの値から、これらの材料が妥当な弾性率を示す領域は少なくとも歪みが約2%までであることがわかる。図4cは、図4aおよび4bの曲線に対応するポアソン比を示している。ポアソン比は少なくとも約4%までほぼ直線的に上昇しており、ポアソン比の直線性は最大応力の値(maximum stress rating)の低下に伴い高くなることがわかる。
以下の密度測定値を得た:
・R118 1.130g/cc
・R246 1.136g/cc
・R240 1.185g/cc
・HT9000 1.166g/cc
・L285 1.172g/cc
・862L6 1.235g/cc
・862LS−81K 1.217g/cc
試験片の作製
代表的なプロセスにおいて、エポキシ樹脂および硬化剤を推奨された比率でガラス微小球体と混合することにより、混合物の微小球体含有率を約66〜67体積%とした。混合は、酸素を2%、二酸化炭素を5%、およびアルゴンを93%を含む溶接用ガスを流しながら、ペースト状の粘稠性を有する均質な混合物を得るのに十分な時間実施した。混合物を可撓性プラスチックフィルムで包み、室温で液体に浸漬した。混合物を加圧するために液体に約1500psi(約10,300kPa)の圧力を印加した。この圧力を約15時間維持した後、温度を約80℃まで昇温した(同じ圧力を維持しながら)。この温度および圧力を約8時間維持した後、得られた硬化複合体を室温付近まで冷却した後、圧力を解放した。
エポキシ樹脂の圧縮強度が高くなるとシンタクチックフォームのHCPを増大させることができる一方で、シンタクチックのHCPがエポキシの圧縮強度を超える場合は、エポキシ樹脂の強度を増大させることの効果は大きくない。エポキシ樹脂の圧縮強度を増大させることの欠点は、通常はエポキシ樹脂の密度の増加が伴うことにある。上述したエポキシ樹脂の密度は0.105g/cc未満の範囲内にある。試験に供した樹脂では、シンタクチックの浮力の作用はガラスバブルの充填密度が高い場合は2lbs/cuft(0.032g/cc)を超えることができる。
図6に、異なるグレードのガラスバブルを様々な充填密度で異なるエポキシ樹脂と一緒に用いて製造したシンタクチックフォームのHCPおよび密度をプロットしたグラフを示す。これらの結果から、ガラスバブルの充填密度および異なるエポキシ樹脂によって確実にシンタクチックフォームの密度およびHCPが変化するが、シンタクチックフォームのHCPを決定するのは主としてガラスバブルのHCPであることがわかる。以下の表に図6に関するデータを示す(HCP、密度、および歪み(με))が、これによってフォームが区別される(微小球体の比率、微小球体の性質、およびエポキシ樹脂の性質による)。
Figure 0005934197
主な結果として以下が挙げられる:
・XLD6000:XLD6000ガラスバブルを用いて作製されたシンタクチックフォームは密度の標的値を満たしていた。作製したフォームのHCPは約96MPa〜132MPaの範囲にあった。深度が限られた用途には非常に有効であるが、このHCPの値では非常に深い深海用途に必要とされるFofSは満たせない。
・S42XHS:S42XHSガラスバブルを用いて作製されたシンタクチックフォームは密度の標的値に届かず、その差は0.024g/cc以下であった。これは宣伝されている効果さえ得られていない。しかしながら、作製されたフォーム試験片の密度は0.67g/ccでHCPが151MPaであった。この程度ならFofSは許容できる可能性があるが、密度は要求を満たしていない。
・iM30K:iM30Kガラスバブルを用いて作製したシンタクチックフォーム試験片の密度は広く許容されるものであった。他のすべての混合物のうちの最高充填密度のものも許容可能であった。格段に高いHCP(206.8MPa)を有しているものの、一般的な浮力材用途には重すぎる。しかしながら、軽量および格段に強度の高い材料が求められる深海走船体の他の分野では有用な可能性がある。
図6および添付の表を参照すると、XLD6000およびiM30Kの中間のグレードのガラスバブルが好ましいことがわかる。これらの2種の製品の間の直線上における「低い方の標的値」は、HCPが10,000psi(68.9MPa)で密度が0.35g/ccのガラスバブルとなり、一方、「高い方の標的値」は、HCPが16,000psi(110.3MPa)で密度が0.425g/ccのバブルとなるであろう。この種の微小球体を使用することで、HCPを満足するFofSを得られるだけでなく、任意の深度の用途に用いられる軽量の浮力材を製造できることが想定された。これらの標的値の間にある単一のグレードを用いると、空隙の充填が促進され、高強度でより効果の高いフォームを求める顧客の需要を満足するシンタクチックフォームの製造が可能になるであろう。
図7は、iM30Kガラス微小球体をS42XHSガラス微小球体と併用して静水圧下で作製した複合体の挙動を示すものである。iM30K微小球体により強度が改善されたと同時に、S42XSH微小球体によって密度が低下した。試験片の頂部および底部に歪みゲージを取り付けた。曲線間の差は非常に小さいことがわかるが、これは、圧縮挙動が実質的に対称的であり、したがって試験片が均一であることを示唆している。圧縮挙動は圧力が160MPaに増大するまで歪みが線形的に変化することを示しており、深海用途に使用される材料の設計上の要求をはるかに上回っている。
図8は、図7で用いた試験片の圧縮試験を示すものである。このように、図8aは、圧縮時の応力−歪み曲線を示しており、約100MPa/歪み1.5%まで線形性の高い挙動を示しており、約110MPa/歪み2%までの挙動も十分なものである。図8bに弾性率挙動を示す。約2%までも、弾性率は5GPaを超え、約1%までは7GPaを超えたままである。図8cは、ポアソン比の挙動を示すものである。ほぼ線形的に増加しているが、歪みが約2%になってさえ、わずか約0.4である。
図9は、図8で用いた複合体の実際の試験片の圧縮破壊後の断片を示すものである。ここから、試験片に視認できる空隙がないことがわかる。先に述べたように、硬化した複合体中の空隙は試験片の破損の基点として作用し、最終圧縮強度を低下させる可能性がある。
図10に、iM30Kガラス微小球体を10%およびS42XHSガラス微小球体を57%をR118/H103エポキシ樹脂と一緒に使用して作製した試験片の曲げ試験結果を示す。図11は破断後の試験片を示すものであり、破断面がきれいである。ここから、試験片が約24kNまでの屈曲力に耐えられることがわかる。この曲線が直線状であることは、試験範囲全体にわたって材料が屈曲モードで弾性的に挙動したことを示唆している。圧縮歪み(右肩下がりの曲線)が引張(右肩上がりの曲線)に近い値を示しているということは、この材料が圧縮および引張に対し同様の挙動をすることを示唆しているので有望である。この試験に用いた試験片はより低い圧力を用いて作製されたもので、高い圧力を用いて作製した他の試験片からは、屈曲モードでより高い結果が得られた。
硬化前の硬化性混合物の落ち込み(slump)を試験するために、R118/H103エポキシ混合物と一緒にiM30Kガラス微小球体を10%およびS42XHSガラス微小球体を57%を含む硬化性混合物のバッチを、20℃で、直径約110mm、長さ380mmの円筒形に形成した。これをパンケーキ形状にするためには平板に31.2Kgを加える必要があった(数分間超)。この時間が経過した後の落ち込み速度(slump rate)は最小限となった。平坦になった円柱の幅は約85mm縮小した。混合物上の平板の接触範囲は幅約110mm×長さ約390mmの楕円形状であった。面積は約33,150mmであり、荷重は0.306kNと見積もられた。これは9.227kPaに相当する。
試験手順
以下の試験手順を用いて上述の実験を行った:
圧力試験:100mm×100mm×100mmの試験片を試験片として使用し、4面または対向する2面の中央に歪みゲージを配置した。ヒステリシス試験の場合は圧力を0〜125MPaまで上昇させた後に戻し、これを5サイクル行った。昇圧速度は10MPa/分とした。サイクル試験の後、試験片が破損するまで昇圧した。破損試験では、破損が開始した圧力を記録した。
4点曲げ試験:
装置を図12に示す。図12に示すように3つの平行な120°の切欠きを試験片の中央に作製した。直径20mm、長さ75mmのローラを使用した。歪みゲージ0°/90°を中央および10mm離れた位置に配置し、試験片底面でも同様にした。別法として、0°/90°1個を上面および底面の中央に配置した。試験片が破損するまで力を上昇させた。
4点曲げ試験は本材料に好ましい試験と見なされた。一般に使用される3点曲げ試験は必ずしも試験片の最も弱い点で破壊するわけではない。したがって、傷のある試験片を低強度部位で破壊させることが可能な4点曲げ試験を採用した。
本発明は、深海等の非常に圧力の高い領域における構造部品として使用するために開発された。しかしながら、本発明のエポキシには、ヨットキャプスタンウィンチ、スピーカーコーン、爆風防護、およびシリンダーやピストン用途を含む他の用途が見出されるであろう。

Claims (27)

  1. エポキシ複合体を作製するためのプロセスであって、
    ・硬化性混合物を形成するために、エポキシプレポリマー、硬化剤、および粒状フィラーを配合するステップと、
    ・前記混合物を実質的に均質化するために非空気雰囲気中で撹拌するステップと、
    ・前記混合物中のガス溜まりを低減するかまたは消失させるために前記混合物に少なくとも2000kPaの圧力を印加するステップと、
    ・前記硬化性混合物が硬化して前記エポキシ複合体を形成するまで前記圧力を維持するステップと
    を含む、プロセス。
  2. 前記混合物に印加される前記圧力が少なくとも7000kPaである、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記混合物に印加される前記圧力が2000〜7000kPaである、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記プレポリマーおよび前記硬化剤が、前記硬化性混合物の20℃における可使時間が少なくとも1時間となるようなものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記硬化性混合物の前記成分の1種またはそれ以上が、前記配合ステップと同時にまたはその前に冷却される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記冷却が、0〜10℃の温度で行われる、請求項5に記載のプロセス。
  7. 前記配合ステップが、前記非空気雰囲気中で行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記硬化性混合物中への前記非空気雰囲気の溶解性が、前記硬化性混合物中への空気の溶解性よりも高い、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記非空気雰囲気が、アルゴンを少なくとも50モル%含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 前記非空気雰囲気が、二酸化炭素を5%およびアルゴンを93%含む、請求項9に記載のプロセス。
  11. 圧力を印加する前記ステップが、前記混合物が空気にも前記非空気雰囲気にも曝されないように行われる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 前記粒状フィラーの密度が前記プレポリマーよりも低い、請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 前記粒状フィラーの前記密度が0.5g/cc未満である、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記粒状フィラーが中空微小球体である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のプロセス。
  15. 前記中空微小球体が中空ガラス微小球体である、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記混合物に圧力を印加する前記ステップの最中に破壊する前記中空微小球体が前記微小球体の10%以下である、請求項14または請求項15に記載のプロセス。
  17. 前記配合ステップが、前記硬化性混合物を形成するために、前記エポキシプレポリマー、前記硬化剤、前記粒状フィラー、および第2フィラーを配合するステップを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載のプロセス。
  18. 前記配合ステップにおいて、前記第2フィラーが前記硬化性混合物の0.1〜1重量%を構成する、請求項17に記載のプロセス。
  19. 前記エポキシ複合体を形成するための硬化を開始または加速させるように前記硬化性混合物を加熱するステップを含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載のプロセス。
  20. 前記加熱が90℃未満の温度で行われる、請求項19に記載のプロセス。
  21. 前記加熱が、前記混合物に圧力の印加を開始した時点よりも後(本明細書においては遅延時間と称する)に開始される、請求項19または請求項20に記載のプロセス。
  22. 前記遅延時間が少なくとも1時間である、請求項21に記載のプロセス。
  23. 前記エポキシ複合体が、前記圧力を解放する前に冷却される、請求項19〜22のいずれか一項に記載のプロセス。
  24. 粒状フィラーを含み、最大圧縮応力が100MPa以上であり、かつ密度が0.7g/cc未満であるエポキシ複合体の、水中で使用するための装置内の圧縮下における構造部品としての使用。
  25. 少なくとも水深10kmにおける使用である、請求項24に記載の使用。
  26. 前記装置が有人水中航走体である、請求項24または請求項25に記載の使用。
  27. 前記エポキシ複合体が前記装置の外面の一部を形成する、請求項2426のいずれか一項に記載の使用。
JP2013515637A 2010-06-24 2011-06-23 エポキシ複合体 Active JP5934197B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AU2010902788 2010-06-24
AU2010902788A AU2010902788A0 (en) 2010-06-24 Epoxy composite
PCT/AU2011/000772 WO2011160183A1 (en) 2010-06-24 2011-06-23 Epoxy composite

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013529691A JP2013529691A (ja) 2013-07-22
JP5934197B2 true JP5934197B2 (ja) 2016-06-15

Family

ID=45370761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013515637A Active JP5934197B2 (ja) 2010-06-24 2011-06-23 エポキシ複合体

Country Status (14)

Country Link
US (1) US9267018B2 (ja)
EP (1) EP2585534B1 (ja)
JP (1) JP5934197B2 (ja)
CN (1) CN103154129B (ja)
AU (1) AU2011269656B2 (ja)
BR (1) BR112012033203B1 (ja)
CA (1) CA2803640C (ja)
ES (1) ES2675343T3 (ja)
IL (1) IL223738A (ja)
MX (1) MX341153B (ja)
MY (1) MY168652A (ja)
SG (1) SG186413A1 (ja)
TR (1) TR201809277T4 (ja)
WO (1) WO2011160183A1 (ja)

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10036221B2 (en) 2011-08-22 2018-07-31 Downhole Technology, Llc Downhole tool and method of use
CA2968661C (en) 2011-08-22 2019-06-04 Downhole Technology, Llc Downhole tool for use in a wellbore
US10246967B2 (en) 2011-08-22 2019-04-02 Downhole Technology, Llc Downhole system for use in a wellbore and method for the same
US10316617B2 (en) 2011-08-22 2019-06-11 Downhole Technology, Llc Downhole tool and system, and method of use
US10570694B2 (en) 2011-08-22 2020-02-25 The Wellboss Company, Llc Downhole tool and method of use
CN103665768B (zh) * 2013-11-26 2016-08-17 上海复合材料科技有限公司 高强度固体浮力材料的制备方法
RU2540084C1 (ru) * 2013-12-20 2015-01-27 Федеральное государственное унитарное предприятие "Всероссийский научно-исследовательский институт авиационных материалов" (ФГУП "ВИАМ") Полимерная композиция
MX2016008597A (es) 2013-12-30 2016-09-26 3M Innovative Properties Co Composicion de poliolefinas que incluye microesferas de vidrio huecas y metodo para usar la composicion.
EP3090022B1 (en) * 2013-12-30 2018-09-05 3M Innovative Properties Company Poly(methylpentene) composition including hollow glass microspheres and method of using the same
CN105295325B (zh) * 2014-06-27 2019-12-27 康廷南拓结构塑料有限公司 包括表面改性的微球体的低密度模塑料
CN104130549B (zh) * 2014-08-01 2017-10-03 上海海事大学 纤维增强树脂复合材料空心球及其制备方法
CN107207765A (zh) * 2014-12-03 2017-09-26 芭铎集团 复合泡沫、复合泡沫的制备方法以及包含复合泡沫的浮力材料
US10494525B2 (en) 2015-02-27 2019-12-03 3M Innovative Properties Company Polyamide composition including hollow glass microspheres and articles and methods relating to the same
AU2016274974B9 (en) * 2015-06-12 2019-07-11 3M Innovative Properties Company Buoyancy module
CN105186131B (zh) * 2015-07-13 2018-01-23 中国电子科技集团公司第十研究所 多层fss天线罩抗介质衬底分层的制备方法
TW201736542A (zh) * 2015-12-29 2017-10-16 3M新設資產公司 安裝片、用於安裝片之施配器、以及使用方法
CN108350727A (zh) * 2016-07-05 2018-07-31 井下技术有限责任公司 物质组成及其使用
WO2018094257A1 (en) 2016-11-17 2018-05-24 Downhole Technology, Llc Downhole tool and method of use
WO2019199345A1 (en) 2018-04-12 2019-10-17 Downhole Technology, Llc Downhole tool with bottom composite slip
US10801298B2 (en) 2018-04-23 2020-10-13 The Wellboss Company, Llc Downhole tool with tethered ball
CA3104539A1 (en) 2018-09-12 2020-03-19 The Wellboss Company, Llc Setting tool assembly
RU2742880C2 (ru) * 2019-02-26 2021-02-11 Общество С Ограниченной Ответственностью "Синтез-Проект" Композиция олигоциануратного связующего для получения облегченных высокопрочных радиопрозрачных термостойких сферопластиков и изделий из них
CA3154895A1 (en) 2019-10-16 2021-04-22 Gabriel Slup Downhole tool and method of use
WO2021076899A1 (en) 2019-10-16 2021-04-22 The Wellboss Company, Llc Downhole tool and method of use
CN112980352B (zh) * 2019-12-18 2022-05-27 3M创新有限公司 可紫外固化组合物、可紫外固化胶膜和可紫外固化胶带
IT202000029822A1 (it) * 2020-12-04 2022-06-04 Consulchem Di Capra Vittorio Procedimento di trattamento di una forma di formaggio a crosta
CN114644809A (zh) * 2020-12-17 2022-06-21 财团法人金属工业研究发展中心 浮力材料的组合物、浮力材料及其制造方法

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3477967A (en) * 1966-03-28 1969-11-11 Us Navy Syntactic foam
US3585157A (en) * 1967-07-18 1971-06-15 Minnesota Mining & Mfg Multiphased synthetic foams
US3849350A (en) * 1973-06-06 1974-11-19 Atomic Energy Commission Process of making low density syntactic foams
US4593623A (en) * 1984-04-10 1986-06-10 Heico Inc. Reversible, accumulating longitudinal drive tube carrier
US4568603A (en) * 1984-05-11 1986-02-04 Oldham Susan L Fiber-reinforced syntactic foam composites prepared from polyglycidyl aromatic amine and polycarboxylic acid anhydride
US4595623A (en) 1984-05-07 1986-06-17 Hughes Aircraft Company Fiber-reinforced syntactic foam composites and method of forming same
EP0181368B1 (en) 1984-05-07 1988-07-06 Hughes Aircraft Company Fiber-reinforced syntactic foam composites and method of forming same
US4681718A (en) * 1984-05-09 1987-07-21 Hughes Aircraft Company Method of fabricating composite or encapsulated articles
JPS61502045A (ja) 1984-05-09 1986-09-18 ヒユ−ズ・エアクラフト・カンパニ− 複合体あるいは被覆体製品の製造方法
JPS61113590A (ja) * 1984-11-09 1986-05-31 Nippon Oil & Fats Co Ltd 耐圧性の浮力材
US4788230A (en) * 1985-09-30 1988-11-29 The Boeing Company Process for making a low density syntactic foam product and the resultant product
JPH02218715A (ja) 1989-02-20 1990-08-31 Mitsubishi Rayon Co Ltd シンタクチツクフオーム用組生物
US6068915A (en) 1997-11-06 2000-05-30 Mcdonnell Douglas Corporation Thermosetting syntactic foams and their preparation
WO1999057182A1 (en) * 1998-05-01 1999-11-11 Textron Systems Corporation Epoxy-syntactic-foam-insulated metal pipes
ZA991856B (en) 1998-08-27 1999-09-22 Henkel Corp Storage-stable compositions useful for the production of structural foams.
CN101600566B (zh) * 2006-11-29 2012-11-14 3M创新有限公司 包含微球的绝缘材料
US20090142645A1 (en) * 2007-11-30 2009-06-04 Valtion Teknillinen Tutkimuskeskus Bipolar plate, method for producing bipolar plate and PEM fuel cell
JP5469325B2 (ja) * 2008-09-12 2014-04-16 独立行政法人海洋研究開発機構 シンタクチックフォームの製造方法
CN103209788A (zh) * 2010-08-25 2013-07-17 陶克斯集团有限公司 复合材料及其制造方法和设备

Also Published As

Publication number Publication date
CN103154129B (zh) 2016-05-25
CA2803640A1 (en) 2011-12-29
BR112012033203B1 (pt) 2020-10-27
EP2585534A4 (en) 2015-03-11
ES2675343T3 (es) 2018-07-10
MX341153B (es) 2016-08-09
SG186413A1 (en) 2013-01-30
WO2011160183A1 (en) 2011-12-29
TR201809277T4 (tr) 2018-07-23
EP2585534A1 (en) 2013-05-01
US9267018B2 (en) 2016-02-23
MY168652A (en) 2018-11-28
BR112012033203A2 (pt) 2016-11-16
JP2013529691A (ja) 2013-07-22
CN103154129A (zh) 2013-06-12
IL223738A (en) 2017-06-29
RU2013102969A (ru) 2014-07-27
US20130172448A1 (en) 2013-07-04
AU2011269656B2 (en) 2015-03-26
MX2012015132A (es) 2013-05-09
EP2585534B1 (en) 2018-04-04
CA2803640C (en) 2018-07-31
AU2011269656A1 (en) 2013-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5934197B2 (ja) エポキシ複合体
Cho et al. Polydimethylsiloxane‐based self‐healing materials
KR100347286B1 (ko) 섬유보강 수지용 에폭시 수지 조성물, 프리프레그 및 이들을 이용하여 얻는 튜브형 성형품
JP6436593B2 (ja) 接着用途を有する粘着性ゲルシート、その製造方法、一対の被着体の固定方法及び複合材
KR101491105B1 (ko) 도로포장 긴급보수용 고강도 상온아스팔트 조성물과 이를 이용한 시공방법
Ilyaei et al. Capsule-based healing systems in composite materials: A review
JP2019070130A (ja) 低粘度液状エポキシ樹脂組成物及びこれから製造される圧力容器
EP0906190B1 (en) Reinforcement of structures in high moisture environments
CN114907802B (zh) 一种水下混凝土构件维修养护用碳纤维浸渍胶及其制备方法
US9212767B2 (en) Method and apparatus for anchoring an elongate subsea structure to a termination and a filler material therefor
KR102197043B1 (ko) 자동차용 접착 조성물
KR102694224B1 (ko) 에폭시 수지 조성물과 이로부터 제조되는 탄소섬유 복합재료 및 압력용기
JP2019194402A (ja) アスファルト舗装またはコンクリート舗装用の補修材
KR20200037578A (ko) 구조보강용 세라믹 코팅 조성물 및 이의 제조 방법
RU2575456C2 (ru) Эпоксидный композит
Ghezzo et al. On the damping properties of a polyurea elastomer
JP2013538905A (ja) 圧力抵抗性材料およびこのような材料を製造するための方法
KR101608924B1 (ko) 개질 아스팔트 바인더 및 이를 이용한 교면포장용 아스팔트 혼합물
KR102197044B1 (ko) 자동차용 접착 조성물
KR102197041B1 (ko) 자동차용 발포형 접착 조성물
Hermann et al. Assessment of Chemical Resistance of Polymer Repair Mortars
RU2256843C1 (ru) Многослойная упрочняющая защита
Yang et al. Compressive strength retention of impact-damaged laminates containing particulate fillers
CN114853427A (zh) 一种增强型高分子球填充的轻质复合材料及其制备方法
Wahab et al. Enhancement of fracture toughness of syntactic foams by rubber addition

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140924

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150623

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150915

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160308

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160506

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5934197

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250