JP5932343B2 - 観測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、観測対象物又は該観測対象物及びその周辺からの光を観測する観測装置に関するものである。
顕微鏡観測や産業用カメラを用いた各種検査装置や観測装置、或いは、室内や屋外における携帯型観測装置において、観測対象に対して照射する光の強さやムラや方向あるいは観測する方向が観測する目的の像のコントラストに大きく影響することは、広く知られているところである。
しかしながら、観測(観察と同義)や計測においては本来の照射光源あるいは他の光源からの光が、その目的とする観測像の観測において障害になる不要光の原因となる場合がある。このような状況として知られる例として、太陽光線等の強い光がカメラレンズ等の光学素子あるいはその他の構造体に反射して発生するハレーションや、光源からの光が何らかの光学的障害物に反射するなどして観測像に写り込む場合がある。或いは、光源が物体を照射した光が結像レンズを通して像スクリーン等に映し出された像を観測するに際して、明視野でもなく、暗視野でもない、観測像の中に不要光の像が局所的にあるいはムラとなって写り込む半明視野の状態になり、観察の障害になる場合等がある。以下、半明視野の観測像を形成する原因となる光源の配置を「半明視野を形成する光源配置」という。
例えば、図13では、観測対象物としての物体61の像を観測するため像スクリーン62と、物体61と像スクリーン62との間に設けられて物体61の像を像スクリーン62に結像させるための結像レンズ63と、が配置された観測装置60において、照射光線が物体61に対して照射されると、その物体を含む領域から反射や透過や屈折あるいは散乱その他の光学的影響を受け、一部の光が入光部64に進入し、結像レンズ63を通過して、図14に示すように、像スクリーン62に物体61の像が映し出されるが、入光部64に進入した光成分のうちの不要光成分の像65も物体61の像に重なって像スクリーン62に映り込んでいる。この場合の不要光成分の像65は像スクリーン62上に局在し、かつ物体の像と重なっており、この状態を半明視野の状態という。尚、物体の端部に斜線で示す印は、物体の方向を象徴的に示す記号であり、物体ではない。更に光線図は、説明の簡素化のため、収差が無いものとして描いている。以下同様である。
明視野、暗視野および半明視野の状態を図15、図16、図17及び図18を使用してさらに詳しく説明する。
図15は、落射照明による明視野観測の典型的な例である。この場合、対物レンズ71と結像レンズ72を結ぶ光軸に対して45度に配置されたハーフミラー74で分岐された光軸上に位置する対物レンズ71の光源側後焦点位置に配置された光軸上の光源73から照射された光はハーフミラー74で反射され、対物レンズ71を通過して、光軸に対して直交する様に配置された平板状の物体75(例えば、半導体ウェーハ、液晶基板、太陽熱発電パネル、ガラス、鏡、フィルム)上に形成あるいは配置された回路素子や機能素材等の構造物あるいは試料等で反射あるいは散乱等の光学的影響を受けると、これらの光の一部は、対物レンズ71の後焦点位置と結像レンズ72の前焦点位置を光軸と共に一致する様に配置したこれらのレンズを通過し、図16に示されているように、像スクリーン76に光源像77と物体像が共に映し出される。この場合、物体像は、鏡面状の物体からの反射光に起因する明るい光源像77の背景の中に映し出される。尚、光軸と平行して照射される光線の角度を光軸に対して0度の角度という。また、光源像が物体像の背景として像スクリーンほぼ一杯に映し出される状態を明視野の状態という。一様な明るさの光源像を背景に観察される対象物の像は、明視野観測として優れたコントラストを得る方法の一つとして知られる。
これに対して、暗視野観測は図示しないが、光源からの光が、光軸に対して0度よりも十分大きく光源像が像スクリーン76に映らない様な照射角度で物体に照射されると、背景に光源像の無い物体像が像スクリーンに映し出される。この場合の物体像もまた、暗視野観測として優れたコントラストを得る方法の一つである。
一方、図17は、対物レンズ71の光源側後焦点位置に光軸からやや離れて光源73が配置されている点が図15の構成と異なる。即ち、図17の光源は、光軸に対して0度より大きな角度であるが、暗視野ではなく、半明視野を形成する光源配置になる様に配置されている。図17の配置では、光源像77は像スクリーン76上の局所にあり、物体像の一部分に重なる半明視野の状態を示している。物体像は、明るい光源像を背景にする部分と光源像が無い暗い背景の中に見える部分が、同時に観測される。このような物体像は、光源像が背景にある部分を観測する場合は、暗い背景部の像が暗く見えにくく、逆に暗い背景部の像を見る為には、一般に光源の強さを明視野に比べて強める必要があるが、そうすると光源像が背景にある方の対象物の像は明る過ぎる光源像の為に見えなくなる等、同時に観察する事が難しいとされて一般的な観測方法としては敬遠されてきた。このケースの様に半明視野を形成する光源像は観測の障害要因であり、本発明が不要光とみなすものの一例である。
この様に、明視野照明を実現する光軸に対する照明角度を更に大きくすることで、半明視野が実現でき、更に大きくすることにより暗視野照明が実現できる。
例えば先に説明した図13においても不要光線が像スクリーンに到達した結果、像スクリーン上に映る不要光線の像は、図14に示すように、半明視野を形成している。本説明においては、観測の障害となる不要光が像スクリーン上に局所的に映る状態を半明視野という。
本発明者は、像スクリーンに映る光源像の近くに特に強いコントラストの像が観測できる事を突き止め、高いコントラストの物体の像は像として残しながらも、上記光源像自体は像スクリーンに映らない様にする方法に想到した。この方法は後述するように、様々な不要光が像スクリーンに映ることを阻止する方法に応用する事が出来る。
更に、上記したような不要光が発生するケースとして、自然光を用いる観測装置或いは何らかの照明環境に持ち込まれた観測装置において、観測対象物の周辺或いはその他の原因例えば窓から差し込む太陽光や天井の照明等外乱光が入射し、観測の障害になることがあり、対策が必要な場合がある。このような場合も、工夫によって、不要光として排除できる場合がある。
また、光軸側から観測するに際して、半導体ウェーハにマークされたIDでは、ウェーハに直交する光軸に対して0度に近い照射角度の光を照射する事で、ようやくコントラストが高くなる事態が多く見られる。照射角度が0度に近づくと光源像の一部が視野内に現れる前述の半明視野状態になり、透光性あるいは半透光性あるいは非透光性物体の透過光観察の場合、或いは鏡面体を観察する際の明視野光観察の場合には、光源がまぶしくて観測対象物の像観測に支障をきたす様になる。これを防ぐためには、ナイフエッジ設置などの工夫を要するが、位置調節にある特殊な技術を要していた。
従来のこの種の技術の例としては、特許文献1において、光学系をテレセントリック構成にし、焦点位置に絞りを置いて対応する技術が提案されている。この方法では、鏡筒光軸上の光源を点灯させ、観察対象であるウェーハの法線を鏡筒光軸に一致させた後、鏡筒をウェーハ法線に対して僅かに傾斜させて絞りを絞り、暗視野状態にしてIDのコントラストが高くなる位置を探す方法を示唆している。
特開平6−129844号公報
しかしながら、上記した従来の特許文献1に記載の方法では、円形開口部を有する絞りを使用しているため、或いは、ナイフエッジが直線的に開口部を覆っているため、照射角度が0度に近づくに従って、観測対象からの有効な光を必要以上に遮断する結果となり、画像全体が、暗くなってしまうという欠点があった。
また、この特許文献1に開示された技術では、絞りとして、アイリス絞り又はナイフエッジ或いは固定的な円形開口部が設けられた開口絞りを設けることが紹介されているに過ぎない。さらに、光源を鏡筒光軸上に置くことを技術の中心のひとつに置いている。
そのため、鏡筒を明視野条件に配置した場合と、半明視野を形成する光源配置と、を同時に実現することは不可能であり、また、これら2つの照明を切り替えて使用する場合でも光軸に対する対象物の傾斜角度を相対に可変させる可動機構の付加によるコストアップやスペースの確保に苦慮するところであった。
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、観測の障害となる不要光の像が観察領域に入り込まないようにする手段を備えることにより、対象物の観察において障害となる不要光の像を除去し、コントラストの高い観察を可能にする観測装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、観測対象物又は該観測対象物及びその周辺からの光を観測する観測装置であって、前記観測対象物の像を観測する観測手段と、該観測手段と前記観測対象物との間に設けられ、前記観測対象物又は該観測対象物及びその周辺からの入射光を受けて前記観測手段に結像させる結像レンズと、前記入射光に含まれる光成分のうち前記観測手段の手前で結像又は収束又は存在する不要光成分のみを遮断する不要光遮断手段と、を備えていることを特徴とする。
また、本発明は、光源装置から観測対象物に対して光を照射し、前記観測対象物又は該観測対象物及びその周辺からの光を観測する観測装置であって、前記観測対象物の像を観測する観測手段と、該観測手段と前記観測対象物との間に設けられ、前記観測対象物又は該観測対象物及びその周辺からの入射光を受けて前記観測手段に結像させる結像レンズと、前記入射光に含まれる光成分のうち前記観測手段の手前で結像又は収束又は存在する不要光成分のみを遮断する不要光遮断手段と、を備えていることを特徴とする。
さらに、本発明は、観測対象物に対して一又は二以上の光照射角度を生成する光線角度生成機能を有する光源装置を備え、該光源装置から前記観測対象物に対して光を照射し、前記観測対象物又は該観測対象物及びその周辺からの光を観測する観測装置であって、前記観測対象物の像を観測する観測手段と、該観測手段と前記観測対象物との間に設けられ、前記観測対象物又は該観測対象物及びその周辺からの入射光を受けて前記観測手段に結像させる結像レンズと、前記入射光に含まれる光成分のうち前記観測手段の手前で結像又は収束又は存在する不要光成分のみを遮断する不要光遮断手段と、を備えていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る観測装置は、前記観測対象物と前記結像レンズとの間に対物レンズを備え、前記不要光遮断手段は、前記対物レンズと前記観測手段との間に配置されていてもよい。
さらに、本発明に係る観測装置は、前記観測対象物と前記結像レンズとの間に対物レンズを備え、前記不要光遮断手段は、前記対物レンズの後焦点位置に配置されていてもよい。
さらに、本発明に係る観測装置において、前記不要光遮断手段は、光吸収機能を有する遮光部を配置した遮光マスクであってもよい。
さらに、本発明に係る観測装置において、前記不要光遮断手段は、光の透過及び遮断を制御可能な電気的透光遮光体、或いは、マトリックス状に形成されて電気的に反射方向を制御して不要光成分が前記観測手段へ到達しないようにするミラー素子の集合体により構成されていてもよい。
本発明によれば、観測対象物から光源像等の観測不要光を遮断し、よりコントラストの高い観察が出来るようになる等、種々の優れた効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る観測装置を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る観測装置の遮光マスクを示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る観測装置の像スクリーンに物体の像が映し出された状態を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る観測装置の変形例を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る観測装置を示す模式図である。 本発明の第3の実施の形態に係る観測装置を示す模式図である。 本発明の第4の実施の形態に係る観測装置を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る観測装置において、(a)は矩形の光源の配置パターンを示す正面図、(b)は矩形の光源に対応して設けられる遮光マスクの矩形の遮光部の配置パターンを示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る観測装置において、(a)は円形の光源の配置パターンを示す正面図、(b)は円形の光源に対応して設けられる遮光マスクの遮光部の配置パターンを示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る観測装置において、遮光マスクを液晶(LCD)で実現した例を示す構成ブロック図である。 本発明の第5の実施の形態に係る観測装置を示す模式図である。 本発明の第5の実施の形態に係る観測装置の像スクリーンに物体の像が映し出された状態を示す正面図を示す。 従来の観測装置を示す模式図である。 従来の観測装置の像スクリーンに物体の像が映し出された状態を示す正面図を示す。 従来の別の観測装置を示す模式図である。 従来の別の観測装置の像スクリーンに物体の像が映し出された状態を示す正面図を示す。 従来のさらに別の観測装置を示す模式図である。 従来のさらに別の観測装置の像スクリーンに物体の像が映し出された状態を示す正面図を示す。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、図面において、本発明の本質的部分を簡潔に説明するために、模式的に示し、物体像からの光に対する光線追跡と物体への照射光の光線追跡の代表例について例示して表示した。
先ず、図1〜図4および図13と図14を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態に係る観測装置1について説明する。
図1に示されているように、本実施の形態に係る観測装置1は、光軸に対して垂直な平面上にある観測対象物としての物体2と、物体2の像を観測するための観測手段としての像スクリーン3を光軸を合わせて配置し、物体2と像スクリーン3との間に設けられ、物体2の像を像スクリーン3に結像させるための結像レンズ4と、が光軸を合わせて配置されている。そして、光は物体2のさらに前方から照射されており、物体2と結像レンズ4との間には、光の像スクリーン3への入り口である入光部5が形成されている。図1において、入光部は物体2又は該物体2及びその周辺以外からの光を極力排除するための外部光防護手段としてのフード6で共用されている。フードおよび各光学素子は共に観測に必要な光路を確保するように支持体(図示は省略)に支持されている。これにより、本実施の形態に係る観測装置1では、照射光線に照射された物体2とその周辺からの光と、図示しない不要光源からの不要光線が結像レンズ4の手前で結像するように構成されている。尚、説明を簡潔にするため、照射光線は直接には結像レンズに到達しない様に暗視野照明として照射し、物体2とその周辺からの光のみを観測する様に照射されているものとする。また、不要光源からの光は、不要光結像位置で集束する光線でその範囲と特長を代表して図示している。図13は、図1とは遮光マスク7および遮光部8が無い点で異なるが、この結果、不要光源からの光が、結像レンズ63を経由して像スクリーン62に不要光の光源像65として映されている。この光源像65は物体像の一部に重なっている様子が図14に示されている。物体像に重なる光源像65を含む像スクリーン62に映った物体像の観測は、観察が困難であり、この光源像65は不要光として以下のような処理をする。
観測装置1には、物体2及びその周辺からの入射光に含まれる光成分のうち、像スクリーン3の手前で不要光成分のみを遮断する不要光遮断手段として、光吸収機能を有する遮光部8を配置した遮光マスク7が設けられている。図1では、入射光に含まれる光成分のうち像スクリーン3の手前で結像する不要光成分が光結像位置に結像するように示されており、この部分を不要光結像位置とし、その光軸に下した垂線の位置を不要光結像軸上位置と称する。
遮光マスク7は、図1および図2に示すように、不要光結像位置に配置される遮光部8を有し、それ以外の部分は透光性を有する透光部9により構成されており、例えば、ガラス板に吸光性物質或いは遮光性物質を塗布したものであってもよい。
このような構成を備えた観測装置1において、図1に示すように、照射光線が物体2に対して照射され、さらに、何等かの原因で発生した不要光線は、入光部5において結像または収束或いは制限された範囲内に存在するものであれば、その範囲を特定して、遮光マスク7の遮光部8を、結像レンズ4に到達しないように形成、配置すれば、像スクリーン3には映らない。これにより、図3に示されているように、像スクリーン3には、不要光が映り込むこと無く、物体2の像のみを映し出すことができる。
なお、不要光はその発生源や経路と経路上の光学素子や光学特性の判明した物体や気体等の影響を受ける様子が、計算で結像位置やその大きさを求めることが可能な場合がある。そのような場合は、事前に遮光マスク7の遮光部の配置や形状を計算して決定すればよい。
図4は、図1に示した遮光マスク7の設置場所を不要光結像位置とは異なる位置に配置した場合を示しており、この場合、不要光結像位置に遮光マスク7を配置した図1の場合より、結像位置から離れた分だけ遮光マスク7の遮断部8の面積を広く調整すれば良い。尚、遮光マスク7の遮光部8が不要光の入射範囲より広い範囲を遮光することによって、遮光マスク7の配置時の位置ずれに対応することができるが、その反面、物体2の像の結像に寄与すべき光線が余分に遮断される点には注意を要する。
次に、図1と図5を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態に係る観測装置11について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、上記した第1の実施の形態に係る観測装置1と同様の構成については、図中、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
物体2に照射される光が平行光であり、かつ半明視野を形成する光源配置からの光である場合、上記した第1の実施の形態で説明した図1の観測装置1では、結像レンズ4の前で不要光が結像することは無い。
このため、照射光線は結像レンズ4の焦点位置付近に不要光の像として像スクリーン3上に写り込むことになり、観測に不都合である。本実施の形態に係る観測装置11は、図1の構成に加えて結像レンズ4と物体2の間に対物レンズ12を、光軸を合わせて設けており、対物レンズ12の後焦点と結像レンズ4の前焦点は一致させている。
この結果、照射光線は対物レンズの後焦平面上の照射光線結像位置に結像する。即ち照射光線は不要光として照射光線結像位置に結像する。本実施例では、照射光線結像位置に不要光遮断手段として遮光部8を有する遮光マスク7を配置している。即ち、照射光線は、不要光の像として像スクリーン3に映り込む前に、照射光線結像位置で遮光部8により阻止される。よって本実施例では、照射光線結像位置は、不要光結像位置と同義である。
なお、図5では、説明の簡略化のため、対物レンズ12と結像レンズ4の光軸を合わせると共に対物レンズ12の後焦点位置と結像レンズの前焦点位置を一致させるような位置関係で示しているが、光結像位置が対物レンズ12と結像レンズ4の間に来るようにして遮光マスク7が配置できるようにすれば、任意の位置関係で配置可能である。
次に、図6を参照しつつ、本発明の第3の実施の形態に係る観測装置21について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、上記した第1及び第2の実施の形態に係る観測装置1,11と同様の構成については、図中、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る観測装置21は、上記した第2の実施の形態に係る観測装置11に、光源部22を加えた構成を備えており、光源24は、コンデンサレンズ23の焦平面上にあって、かつ光軸から離れた位置に配置され、半明視野を形成する光源配置をなすものとする。なお、光源部の光軸は、観測対象を挟んで像スクリーンを通る光軸と同じ光軸上にあるものとする。
このような構成を備えた観測装置21において、光源24から出射された光は、コンデンサレンズ23を通って物体2に照射され、対物レンズ12を通過し、対物レンズ12と結像レンズ4との間に配置された遮光マスク7上に配置された遮光部8により不要光が遮断された後、結像レンズ4を通り、像スクリーン3に至る。これにより、光源24の像が不要光となって像スクリーンに映り込むのを防止することができ、像スクリーン3には、不要光の映り込まないコントラストの高い物体2の像のみが映し出される。
本実施の形態に係る観測装置21の場合においても、遮光マスク7上の遮光部8の形状は結像した不要光の進行を阻害する形状であれば何でもよく、位置ずれや倍率等に対する余裕度を持たせて設定してもよい。要するに不要光が結像レンズ4や像スクリーン3に到達しないようにすればよい。また、照射光が平行の場合、遮光マスク7は対物レンズ12の後焦点位置に配置すると、遮光部8の面積を最小にすることができる。また、照射光が平行でない場合は、焦点位置とは異なる位置で結像するのでその位置を考慮して遮光マスク7および遮光部8を配置すればよい。
次に、図7を参照しつつ、本発明の第4の実施の形態に係る観測装置31について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、上記した第1〜第3の実施の形態に係る観測装置1,11,21と同様の構成については、図中、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る観測装置31は、上記した第3の実施の形態に係る観測装置21の結像レンズ4と対物レンズ12との間に、第1中間レンズ32と第2中間レンズ33の2個の中間レンズが、光軸を合わせて設けられた構成を備えている。なお、図7では、説明の簡略化のため、各レンズの配置において、対物レンズ12と第1中間レンズ32の関係にあっては前者の後焦点位置と後者の前焦点位置を一致させるものとする。また同様に、第1中間レンズ32と第2中間レンズ33の関係および第2中間レンズ33と結像レンズ4の関係においても前者の後焦点位置と後者の前焦点位置を一致させるものとする。また、この光源部22は、半明視野を形成する光源配置をなすものとし、後述する遮蔽マスク7や遮光部8が存在しない状態であれば半明視野を形成する。また、光源24から発せられた光が、光源部22内で2次光源生成体25により、同様に、半明視野を形成するものとする。
この様に構成された観測装置において、光源24の像が不要光として像スクリーンに写り込まないようにする方法を以下に示す。図7では、光源24から発せられた光は対物レンズ12の後焦点位置および第2中間レンズ33の後焦点位置に、2次光源生成体25が発生した光は対物レンズ12の後焦点位置の近辺および第2中間レンズ33の後焦点位置近辺にそれぞれ結像する。これら各々2箇所の光源結像位置のいずれかの位置に遮光マスク7上の遮光部8を配置することにより、光源24の像が不要光となって像スクリーンに映り込むのを防止することができ、像スクリーン3には、不要光の映り込まないコントラストの高い物体2の像のみが映し出されるようになる。
本実施の形態に係る観測装置31は、いずれかのレンズ間の空間が狭い等の対策として遮光マスク7の配置スペースを増やす為に有効である。さらにまた、中間レンズ32,33の枚数を増やすことにより、さらに多くの遮光マスク7を挿入することも可能となる。
なお、遮光マスク7は、不要光結像位置である光源結像位置に設置しても良いが多少ずれた位置に配置しても良い、遮光マスク7の形状は結像した不要光の進行を阻害する形状であれば何でもよいことや、照射光が平行の場合、遮光マスク7は対物レンズ12の後焦点位置に配置すると、遮光部8の面積を最小にすることができ、また、照射光が平行でない場合は、焦点位置とは異なる位置で結像するのでその位置に遮光マスク7を配置すればよいこと、あるいは、対物レンズ12と第1中間レンズと第2中間レンズと結像レンズの各後焦点位置と前焦点位置を一致させるような位置関係は必ずしも必要ない事は、上記した第1〜第3の実施の形態の場合と同様である。
更に第5の実施例を以下に説明する。
不要光の光源24が複数存在する場合には、各光源24に対応した不要光の結像位置を特定し、各光源24に対応する複数の遮光部8を遮光マスク7上に設けることもできる。
例えば、図8(a)は任意の位置に光軸を設けた電子基板上に6個の光源24(例えばLED)が個別に点灯可能に配置されて光源の集合体100を形成しており、例えば、図15において、光源73に替えて光源の集合体100の光軸を合わせて光源側後焦点に配置すると、複数の光源の一部または全てを、半明視野を形成する光源配置に配置する事が可能である。全ての光源24が半明視野になる場合、これらをすべて不要光とする場合の遮光マスク7は、図15の観測側後焦点位置に光軸を合わせて、図8(b)に示す遮光マスク7上の遮光部8の配置が、光源(発光素子)24の配置と、光学倍率に従った相似形になる様に配置し、遮光部8を、不要光が像スクリーンに到達しない様に形成すれば良い。図8(a)では、光源(発光素子)24が矩形を成し、図8(b)の遮光部8も光源(発光素子)24に対応して矩形を成している例を示している。
光源24を丸形にし、遮光部8も光源24に対応して丸形を成しても良いし、不要光を遮断するなら丸でも三角でも良い。遮光部の形状は、上記の様に不要光を遮断することが目的であるから、遮光部の形状は作成しやすい様に、隣接する遮光部を連結してもよい、例えば1つのリングで遮光部を形成する事も出来る。この場合、像形成に有効な光が多く遮蔽される事になるが、位置決めが容易になる等の効果と比較して検討すればよい。
図6および図7において、遮蔽マスクを撤去すると共に、光源24に替えて、光源の集合体100を光源部22のコンデンサレンズの前焦点位置に光軸を合わせて配置し、各光源が像スクリーンに写り込む半明視野を形成する場合を例に説明する。図6においては、対物レンズの後焦点位置付近に光軸を合わせて、図8(b)に示す遮光マスク171を設置する。遮光マスク171上の遮光部8の位置が、光源(発光素子)24の位置と、光学倍率に従った相似形になる様に配置し、かつ遮光部8を、不要光が像スクリーンに到達しない様に形成すれば良い。この結果、不要光が像スクリーンに映りこむことは無くなる。
尚、電子基板上の光源24の数を6個に限定する必要は無い。更に、光源24がLEDである必要はなく、例えば小型ランプであっても良いし、ファイバーライトガイドの発光端であっても良い。また、光源24は電子基板等の平板上に配置する必要もなく、凹凸を含む3次元的に配置されていても良い。更には、光源24は、図示しないXYZテーブルに固定され、テーブルと主に移動する様にしても良い。結果として対物レンズと像スクリーンの間で遮蔽できるように不要光が集束する様に観測装置が構成されればよい。
遮光マスク7の材料としては、上記したガラスに吸光性物質或いは遮光性物質を塗布したものの他、ガラスに限らず透光性プラスチックでもよいし、塗布に限らず印刷でもよいし、化学的に形成した被膜あるいは成膜であってもよい。
さらに、不要光遮断手段は、光の透過及び遮断を制御可能な液晶(LCD)等の電気的透光遮光体、或いは、マトリックス状に形成されて電気的に反射方向を制御して不要光成分が前記観測手段へ到達しないようにするMEMS等で形成されるミラー素子の集合体により構成されていてもよく、この場合、液晶(LCD)やMEMSミラーを電気的に制御することによって遮光マスクの機能を実現することができる。
以下、図10および図6を参照しつつ第6の実施例をLCDを用いた例として説明する。図10に示すように、LCDを用いたシステムが、不要光の存在を排除して物体像のコントラストを向上させるように全体を制御する全体制御部40と、一つ又はそれ以上の発光素子41を配置した発光部42と発光部42の各発光素子41を個別又はグループで制御する発光源制御部43と、遮光マスク(LCD)44の透光部45と遮光部46を電気的に制御するLCD制御部47と、像スクリーンに代えて画像入力素子48である例えばCCD撮像素子と、そのCCD撮像素子を制御して画像を取り込んで全体制御部40に映像を送信する撮像制御部49とで構成されるカメラと、操作者が手動操作する操作部50と、物体像を映し出すモニター51と、を各機能部として備えているものとする。尚、撮像制御部は自らモニター表示機能を有しても良い。また、発光源制御部43、LCD制御部47および撮像制御部49は、そのどれかあるいは全てが全体制御部と分離され、単独の操作部を有して人による操作が個別にできるようにしても良い。全体制御部は、PCや専用制御システムで構成されても良い。
そして、このような構成を備えた観測装置を、図6を基本にして説明すれば、図6において、光源24に替えて発光部42を、遮光マスク7に替えて遮光マスク44を、像スクリーン3に替えて画像入力素子48(例えばCCDカメラ)を、それぞれ光軸を合わせて配置する。このような構成を備えた観測装置において、全体制御部40からの指令に基づき、発光源制御部43は、操作部50から選択された発光部42の特定の発光素子41を発光させ、LCD制御部47は、前記特定の発光素子41に対応する遮光マスク(LCD)44の遮光部46に前記特定の発光素子41から発せられた光を遮断させる。同時に全体制御部40は、発光素子41の中で発光していない素子に対応する部分の遮光部46は透光部になる様にLCD制御部47に指令を発する。これにより、撮像制御部49は、画像入力素子48のカメラに不要光の映り込まないコントラストの高い物体を映し出し、撮像制御部は自らのモニターに表示するかあるいは全体制御部40がその映像をモニター51に映し出させる。
このように、遮光マスク44を液晶にすると、発光部42の発光素子41の形状やその配置を変更した場合でも、遮光マスク44をそれに応じて交換する必要がなくなる。また、ガラスと遮光物質を印刷した遮光マスクの場合には、予めすべての発光源に対応した遮光部を設ける必要があり、発光していない素子に対応する部分からは、常に光が観測手段に入射しないため、物体の観測に寄与する光までも遮断することになり、コントラストの向上を妨げる結果となっている。しかしながら、上記したように遮光マスク44を液晶に変更した場合には、必要な場所だけを遮光することが出来るため、効率のよいコントラストの高い観測像を得ることができる。
なお、MEMSミラーの場合は、液晶と異なりミラー素子の制御を個別に行う点が異なるだけで、液晶と同じような機能を実現することができる。例えば、プロジェクターで、液晶タイプとMEMSミラーのタイプが知られているが、液晶とMEMSミラーでは、光の透過に対して正反射及び吸収に対して反射方向を変えることで同じ機能を実現しているため、本発明においても同様に機能の使い分けをすれば、液晶とMEMSミラーのいずれでも実現可能となる。
次に図15、図16、図17、図18、図11および図12を参照しつつ本発明の第7の実施例を以下に示す。
図15は、落射照明による明視野観測の典型的な例である。この場合、対物レンズ71と結像レンズ72を結ぶ光軸に対して45度に配置されたハーフミラー74で分岐された光軸上に生じる対物レンズの光源側後焦点位置に配置された光源73から照射された光はハーフミラー74で反射され、対物レンズ71を通過して、鏡面状の物体75(例えば、ウェーハ、液晶基板、太陽熱発電パネル、ガラス等に形成あるいは配置された構造や試料等)で反射あるいは散乱等の光学的影響を受けると、これらの光の一部は対物レンズ71及び結像レンズ72を通過し、図16に示されているように、像スクリーン76に光源像と共に映し出される。この場合、物体像は、明るい光源像77の背景の中に映し出される事は先に説明した。
一方、図17は、図15の構成と異なり、対物レンズ71の光源側後焦点位置に光軸からやや離れて光源73が半明視野を形成する光源配置をなすように配置されている。この場合光源像77が像スクリーン76上の局所にあり、物体像に重なっている半明視野状態の様子を示していることも先に説明した。ここで、図17の光源像77を観察の障害原因であり、不要光とみなして、不要光を像スクリーン3から排除する事が実施例7の目的である。図11に示す様に、観測側後焦点位置付近に遮光マスク7を配置し、遮光マスク7上の光源の光結像位置に遮光部8があって不要光を遮断する様に配置すれば、不要光が像スクリーン3に写り込まない観測像が図12に示されている。
尚、上記明視野光源においてすら、その光源像が不要であると認識すれば、それは不要光線として対処すべきものとなる。この場合、図15において、観測側後焦点位置の光軸上に光源の不要光が結像する事になるので、遮蔽マスク7の光軸上に、不要光が遮断されるように遮光部8を配置すれば良い。
なお、上記した各実施の形態では、観測手段が、像スクリーン3や画像入力素子48およびモニター51である場合について例示したが、目視確認を目的とした接眼レンズであってもよい。
また、結像レンズ4は、観測手段において観測することを目的としているので観測装置の目的に応じて、単レンズ1枚の構成でもよいし、色消しや像歪を目的として複数枚の構成としてもよい。
また、対物レンズ12は、単レンズでもよいが、アクロマートでもよいし、複数レンズの構成にして像歪や色歪を抑えるようにしてもよく、観測する目的に応じて構成すればよい。また、拡大像を観察できるように光学素子を配置しても良い。
また、中間レンズ32,33は、リレーレンズとして等焦点距離の構成にしてもよいが、物体2の観測手段に対する総合倍率を計算して決定すればよい。また、各中間レンズ32,33は、歪を考慮した複数枚レンズで構成されてもよい。
また、上記した実施の形態において、不要光遮断手段は、遮光マスク7を透明な板に遮光部8を設けた場合と、液晶及びMEMSミラーを制御して遮光部46の位置を制御した場合について例示したが、要するに、不要光の結像位置を物体2の像の観測手段における結像への影響を小さく出来るように配置すればよい。
例えば、不要光の領域より大きな非透光性の板を不要光結像位置に設けて遮光部とし、この遮光部を前記支持体との間で固定する遮光部支持体を設けるようにしてもよい。この場合、遮光部支持体による観測手段の像の観察に影響が少なくなるように、遮光部支持体は透光部の面積を広くすることが望ましい。
また、遮光部8は複数枚の遮光マスクに分配して配置しても良い。
また、絞りを光路の途中に配置することは、像の明るさの調整や各種歪の削減或いは視野調整などの光路制限行うことを目的として必要な場合がある。本発明においても、絞りと組み合わせた光学系を構築することに何ら問題はないが、遮光マスク7も光路制限の機能を有していることから、絞り機能を遮光マスク7に設けることにより、絞りを削減することも可能である。この場合、絞りは、必ずしも円形である必要はなく、ナイフエッジその他の形状を採用してもよい。
また、上記した説明では、説明の簡略化のため、不要光が物体2に照射されている状況を平行光或いは略平行光である状況を例として用いているが、集束する光であっても発散する光であっても或いはそれらが混在する不要光であっても、それらがコンデンサレンズ23や中間レンズ32,33や結像レンズ4の組み合わせで、結像位置等、存在域が限定的な場所に遮光部8を有する遮光マスク7を配置すればよい。したがって、結像レンズ4と観測手段の間であっても、像の観測に対して致命的な障害を与えない限り、その場所が遮光マスク8を配置すべき場所の候補である。
また、上記の説明では光軸と平行に照射する透過照明観測をあるいは照射光線をいわゆる落射光源(光源像が像スクリーン3のほぼ全体を覆う様に観測対象に照射する様に構成された光源)から照射する観測も共に明視野観測とした。また、観測対象物として物体を例に説明したが、物体以外にも生物あるいは液体も対象とすることも可能である。
上記したように本発明の実施の形態に係る観測装置によれば、観測対象物から光源像等の観測不要光を遮断し、よりコントラストの高い観測が出来るようになる。この結果、従来の観測では得難かった光軸に対して0度に近い角度の照射光による観測像を半明視野の不要光を映しこむ事無く得ることができるようになる。また、不要光の遮光に必要な場所だけで観測に不要な光の遮断を行うため、観測像が明るくなることでさらにコントラストが向上する。
さらに、光源像付近の像を光源像から分離して観測することが出来ることで、これまで、極めて困難であった光源像直近付近の照射光による像確認や検証に有効な手段を得ることができる。
なお、本発明に係る観測装置は、顕微鏡観測や産業用カメラを用いた各種検査装置にも適用可能である。
1 観測装置
2 物体(観測対象物)
3 像スクリーン(観測手段)
4 結像レンズ
7 遮光マスク(不要光遮光手段)
11 観測装置
12 対物レンズ
21 観測装置
31 観測装置

Claims (6)

  1. 光源装置から観測対象物に対して光を照射し、前記観測対象物又は該観測対象物及びその周辺からの光を観測する観測装置であって、
    前記観測対象物の像を観測する観測手段と、
    該観測手段と前記観測対象物との間に設けられ、前記観測対象物又は該観測対象物及びその周辺からの入射光を受けて前記観測手段に結像させる結像レンズと、
    前記入射光に含まれる光成分のうち前記観測手段の手前で結像又は収束又は存在する不要光成分のみを遮断する不要光遮断手段と、
    を備え
    前記光源装置は、複数の光源がそれぞれ個別に点灯可能に配置された光源の集合体であり、前記不要光遮断手段は、前記各光源の配置に対して光学倍率に従って、相似形となるように配置された複数の遮光部の集合体であることを特徴とする観測装置。
  2. 前記光源装置はコンデンサレンズを有し、該コンデンサレンズの焦平面上に、光軸から離れた半明視野を形成する位置に複数の光源を配置して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の観測装置。
  3. 前記不要光遮断手段は、光軸上を除いた位置に光吸収機能を有る遮光部を配置した遮光マスクであることを特徴とする請求項1又は2に記載の観測装置。
  4. 前記不要光遮断手段は、光の透過及び遮断を制御可能な電気的透光遮光体、或いは、マトリックス状に形成されて電気的に反射方向を制御して不要光成分が前記観測手段へ到達しないようにするミラー素子の集合体により構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載の観測装置。
  5. 前記観測対象物と前記結像レンズとの間に対物レンズを備え、前記不要光遮断手段は、前記対物レンズと前記観測手段との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の観測装置。
  6. 前記観測対象物と前記結像レンズとの間に対物レンズを備え、前記不要光遮断手段は、前記対物レンズの後焦点位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1の請求項に記載の観測装置。
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