JP5931886B2 - 抗ウイルス性薄膜つき基材 - Google Patents
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Description
基材と、前記基材の上に形成された抗ウイルス性薄膜と、を備え、
前記抗ウイルス性薄膜が、酸化チタンを主成分とする層と、前記層の表面上に配置された、Cu系の材料を主成分とする島部と、を有し、
前記島部における、全てのCu原子のモル数に対するCu(OH)2のモル数の比であるモル比が0.25〜0.35である、抗ウイルス性薄膜つき基材、
を提供する。
基材と、前記基材の上に形成された抗ウイルス性薄膜と、を備え、
前記抗ウイルス性薄膜が、酸化チタンを主成分とする層と、前記層の表面上に配置された、Cu系の材料を主成分とする島部と、を有し、
前記島部における、全てのCu原子のモル数に対するCu(OH)2のモル数の比であるモル比Aが0.15〜0.35であり、
前記島部における、全てのCu原子のモル数に対する、CuOのモル数とCu(OH)2のモル数の総和の比であるモル比Bが0.70〜0.95である、抗ウイルス性薄膜つき基材、
を提供する。
(実施例1)
実施例1では、まず、基材本体としての厚さ3.0mmのフロートガラス板(ソーダライムガラス板)を準備した。次に、フロートガラス板の表面上に、下地層(第1下地層)としての酸化珪素膜を成膜した。酸化珪素膜の成膜は、ULVAC社製インライン型スパッタ装置MLH−6215を用いてスパッタリング法により行った。具体的には、5×15インチのサイズで、導電性を付与するためにリンをドーピングしたシリコンターゲットを用い、酸素含有ガス雰囲気下での反応性スパッタリング法により酸化珪素膜を形成した。成膜時に基材本体は加熱しなかった。基材本体とターゲットとの間隔は約60mmとした。酸化珪素膜のスパッタリング条件の詳細は以下の通りである。
・ ターゲット:Si(Pドープ)
・ ガス圧:0.4Pa
・ スパッタリングガス種:酸素(O2)80% + アルゴン(Ar)20%
・ 投入パワー:DCパルス2.0kW(パワー密度:4.13W/cm2)
・ 膜厚:10nm
ただし、スパッタリングガス種の項目の酸素およびアルゴンのパーセンテージは、スパッタリングガス全体の流量に対する流量の比率である(以下同様)。
・ ターゲット:ジルコニウム(Zr)
・ ガス圧:1.33Pa
・ スパッタリングガス種:酸素(O2)100%
・ 投入パワー:DC2.6kW(パワー密度:5.54W/cm2)
・ 膜厚:10nm
・ ターゲット:チタン(Ti)
・ ガス圧:2.67Pa
・ スパッタリングガス種:酸素(O2)100%
・ 投入パワー:DC3.0kW(パワー密度:6.40W/cm2)
・ 膜厚:10nm
・ ターゲット:Cu
・ ガス圧:0.67Pa
・ スパッタリングガス種:酸素(O2)5% + アルゴン(Ar)95%
・ 投入パワー:DC250W(0.51W/cm2)
・ 搬送速度:1000mm/min(ターゲットの成膜レートに応じて微調整)
・ 目安膜厚:0.5nm
実施例2では、島部を成膜する際のスパッタリングガス中の酸素の流量比を4%(0.04)にした。それ以外は実施例1と同様にしてサンプルを作製した。実施例2のサンプルの島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.278、CuOのモル比は0.471、Cu(OH)2のモル比は0.251であった。CuとCu2Oの担持量の総和は91ng/cm2、CuOの担持量は155ng/cm2、Cu(OH)2の担持量は83ng/cm2であった。また、実施例2では、実施例1と同様にしてサンプルに紫外線を照射して抗ウイルス性の評価を行った。感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、5.2×105PFU/mlであった。また、紫外線照射後の島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.273、CuOのモル比は0.474、Cu(OH)2のモル比は0.253であった。
実施例3では、光触媒層の厚さを50nmにした。それ以外は実施例1と同様にしてサンプルを作製した。実施例3のサンプルの島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.216、CuOのモル比は0.508、Cu(OH)2のモル比は0.276であった。CuとCu2Oの担持量の総和は73ng/cm2、CuOの担持量は173ng/cm2、Cu(OH)2の担持量は94ng/cm2であった。実施例3では、実施例1と同様にしてサンプルに紫外線を照射して抗ウイルス性の評価を行った。感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、1.0×103PFU/ml以下であった。また、紫外線照射後の島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.212、CuOのモル比は0.510、Cu(OH)2のモル比は0.278であった。
実施例4では、スパッタリングガス中の酸素の流量比を20%(0.20)にした。それ以外は実施例1と同様にしてサンプルを作製した。実施例4のサンプルの島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.110、CuOのモル比は0.735、Cu(OH)2のモル比は0.156であった。CuとCu2Oの担持量の総和は39ng/cm2、CuOの担持量は262ng/cm2、Cu(OH)2の担持量は56ng/cm2であった。実施例4で得られたサンプルについて、実施例1と同様に、紫外線照射後、可視光照射後、および暗室で放置後の抗ウイルス性の評価を行った。実施例4のサンプルに紫外線を照射した後に感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、1.0×103PFU/ml以下であった。また、紫外線照射後のCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.091、CuOのモル比は0.629、Cu(OH)2のモル比は0.279であった。実施例4のサンプルに可視光を照射した後に感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、6.0×103PFU/mlであった。また、可視光照射後の島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.080、CuOのモル比は0.660、Cu(OH)2のモル比は0.260であった。実施例4のサンプルを暗室に放置した後に感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、6.2×108PFU/mlであった。また、暗室で放置した後の島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.114、CuOのモル比は0.733、Cu(OH)2のモル比は0.153であった。
(比較例1)
比較例1では、島部を成膜する際のスパッタリングガス中の酸素の流量比を3%(0.03)にした。それ以外は実施例1と同様にしてサンプルを作製した。比較例1のサンプルの島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.310、CuOのモル比は0.450、Cu(OH)2のモル比は0.240であった。CuとCu2Oの担持量の総和は102ng/cm2、CuOの担持量は148ng/cm2、Cu(OH)2の担持量は79ng/cm2であった。比較例1では、実施例1と同様にしてサンプルに紫外線を照射して抗ウイルス性の評価を行った。感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、4.1×107PFU/mlであった。また、紫外線照射後の島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.315、CuOのモル比は0.446、Cu(OH)2のモル比は0.239であった。
比較例2では、スパッタリングガス中の酸素を2%(0.02)にした。それ以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。比較例2のサンプルの島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.419、CuOのモル比は0.379、Cu(OH)2のモル比は0.202であった。CuとCu2Oの担持量の総和は138ng/cm2、CuOの担持量は125ng/cm2、Cu(OH)2の担持量は66ng/cm2であった。比較例2では、実施例1と同様にしてサンプルに紫外線および可視光をそれぞれ照射して抗ウイルス性の評価を行った。紫外線照射後に感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、6.1×107PFU/mlであった。また、紫外線照射後の島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.415、CuOのモル比は0.380、Cu(OH)2のモル比は0.205であった。可視光照射後に感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、8.1×107PFU/mlであった。また、可視光照射後のCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.422、CuOのモル比は0.376、Cu(OH)2のモル比は0.201であった。
比較例3では、スパッタリングガス中の酸素を0%にした。それ以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。比較例3のサンプルの島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.700、CuOのモル比は0.180、Cu(OH)2のモル比は0.120であった。CuとCu2Oの担持量の総和は211ng/cm2、CuOの担持量は54ng/cm2、Cu(OH)2の担持量は36ng/cm2であった。比較例3では、実施例1と同様にしてサンプルに紫外線を照射して抗ウイルス性の評価を行った。感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、2.5×108PFU/mlであった。また、紫外線照射後の島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.699、CuOのモル比は0.177、Cu(OH)2のモル比は0.124であった。
(比較例4)
比較例4では、ターゲットをCuとするスパッタリングにおける目安膜厚を5nmにした。それ以外は実施例1と同様にしてサンプルを作製した。比較例4では、Cu系の島部は形成されず、Cu系の連続膜(Cu膜)が形成されていた。比較例4のサンプルのCu膜におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.202、CuOのモル比は0.547、Cu(OH)2のモル比は0.251であった。CuとCu2Oの担持量の総和は211ng/cm2、CuOの担持量は1882ng/cm2、Cu(OH)2の担持量は865ng/cm2であった。比較例4では、実施例1と同様にしてサンプルに紫外線を照射して抗ウイルス性の評価を行った。感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、8.3×107PFU/mlであった。また、紫外線照射後の島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.202、CuOのモル比は0.547、Cu(OH)2のモル比は0.251であった。
比較例5では、光触媒層を設けなかった。それ以外は実施例1と同様にしてサンプルを作製した。比較例5のサンプルの島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.214、CuOのモル比は0.512、Cu(OH)2のモル比は0.273であった。CuとCu2Oの担持量の総和は68ng/cm2、CuOの担持量は162ng/cm2、Cu(OH)2の担持量は88ng/cm2であった。比較例5では、実施例1と同様にしてサンプルに紫外線を照射して抗ウイルス性の評価を行った。感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、5.8×107PFU/mlであった。また、紫外線照射後の島部におけるCuのモル比とCu2Oのモル比の総和は0.214、CuOのモル比は0.511、Cu(OH)2のモル比は0.276であった。
比較例6では、島部を設けなかった。それ以外は実施例1と同様にして、サンプルを作製した。比較例6では、実施例1と同様にしてサンプルに紫外線を照射して抗ウイルス性の評価を行った。感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、2.9×109PFU/mlであった。
比較例7では、ガラス板のみをサンプルとした。比較例7では、実施例1と同様にしてサンプルに紫外線を照射して抗ウイルス性の評価を行った。感染力を失わなかった大腸菌ファージの濃度は、3.5×109PFU/mlであった。
(比較例8)
比較例8では、ルチル型二酸化チタン(テイカ株式会社製のMT−150A)を蒸留水中に、この蒸留水に対する割合が10質量%になるように加えて懸濁させた。この懸濁液にCu(NO3)2・3H2O(和光純薬工業株式会社製)を、銅イオンのルチル型二酸化チタンに対する割合が0.1質量%になるように加え、攪拌しながら90℃に加熱して1時間保持した。次に、この懸濁液を吸引濾過した後に、残渣を蒸留水によって洗浄し、さらにこの残渣を110℃で加熱乾燥することによって、銅二価塩を担持したルチル型二酸化チタン微粒子を得た。
比較例9では、比較例8のコーティング材を、水とエタノールを重量比で1:1の割合で混合した溶液により11倍に希釈し、ガラス板上にスピンコートにより塗布し、100℃で30分間加熱して乾燥・硬化させることで、ガラス板上にコーティング膜が形成されたサンプルを得た。
比較例10では、実施例1と同様に、フロートガラス上に、酸化珪素膜、酸化ジルコニウム膜および光触媒層を形成した。次に、塩化銅(I)粉末(和光純薬工業株式会社製 和光一級、粒径40.9μm)を水100μlに懸濁させて、濃度1.0質量%の懸濁液を得た。この懸濁液を霧吹きにより光触媒層上に噴霧し、常温で乾燥させることによりサンプルを得た。また、比較例10により得られたサンプルについて、実施例1と同様にしてサンプルに紫外線を照射して抗ウイルス性の評価を行ったが、比較例10のサンプルの抗ウイルス性は皆無であった。
(実施例5)
実施例5では、市販の光触媒層つきガラス板(ACTIV;Pilkington Group Limited社製)上に、実施例1と同一の条件で島部を形成した。なお、この光触媒つきガラス板は、ガラス板と、CVD法により形成されたTiO2膜とを含んでいる。
実施例6では、市販の光触媒層つきガラス板(クリアテクト;日本板硝子株式会社製)上に、実施例1と同一の条件で島部を形成した。なお、この光触媒つきガラス板は、ガラス板と、ゾルゲル法により形成されたTiO2膜とを含んでいる。
実施例7,8および12では、Cu系の材料(島部)の担持量を小さくしたこと以外は実施例1と同様にサンプルを作製した。実施例9−11および13では、Cu系の材料の担持量を小さくしたこと以外は実施例4と同様にサンプルを作製した。実施例7−13の各サンプルについて、実施例1のサンプルに実施した評価と同様の評価を実施した。実施例7−13の各サンプルについて実施した評価結果を図7にまとめて示す。
実施例14では、実施例1のサンプル(抗ウイルス性薄膜つき基材)を用い、当業者によって慣用されている工程によって合わせガラスを作製し、サンプルとした。実施例15では、実施例5のサンプルを用いて合わせガラスを作製し、サンプルとした。実施例16では、実施例1のサンプルを用い、当業者によって慣用されている工程によって複層ガラスを作製し、サンプルとした。実施例17では、実施例5のサンプルを用いて複層ガラスを作製し、サンプルとした。実施例14−17の各サンプルについて、実施例1のサンプルに実施した抗ウイルス性評価と同様の抗ウイルス性評価を実施した。実施例14−17の各サンプルについて実施した評価結果を表8にまとめて示す。表8に示すように、抗ウイルス性薄膜つき基材を合わせガラスや複層ガラスに適用した場合には、Cu系の各種材料のモル比が変化することがある。この理由は詳細には分かっていないが、合わせガラスや複層ガラスを作製する慣用の工程においてガラスに加えられる熱等が寄与している可能性がある。
表1に示すように、光触媒層上に島部が形成され、紫外線または可視光を照射する工程(照射工程)前の島部におけるCu(OH)2のモル比(モル比A)が0.25を超えている実施例1−3のサンプルでは、照射工程によりウイルスの量が1/1000以下に減少した。照射工程前の島部におけるモル比Aが0.26以上である実施例1および3のサンプルでは、ウイルスの減少がより顕著であった。
Claims (16)
- 基材と、前記基材の上に形成された抗ウイルス性薄膜と、を備え、
前記抗ウイルス性薄膜が、酸化チタンを主成分とする層と、前記層の表面上に配置された、Cu系の材料を主成分とする島部と、を有し、
前記島部における、全てのCu原子のモル数に対するCu(OH)2のモル数の比であるモル比が0.25〜0.35である、抗ウイルス性薄膜つき基材。 - 前記モル比が0.25〜0.30である、請求項1に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
- 前記抗ウイルス性薄膜を前記島部の上方から観察したときの、前記抗ウイルス性薄膜の面積に対する前記島部の面積の総和の比が0.01〜0.20である、請求項1に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
- 前記抗ウイルス性薄膜の厚さ方向に沿って観察したときの、前記島部の平均面積を円に換算して算出した直径が1〜20nmである、請求項1に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
- 前記直径が2〜5nmである、請求項4に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
- 前記基材が透明であり、
380〜760nmの波長域のヘイズ率が0.5%以下である、請求項1に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。 - 前記島部におけるCu(OH)2の重量の金属銅換算量を前記層の表面の面積で割って算出した、Cu(OH)2の担持量が1ng/cm2以上である、請求項1に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
- 前記Cu(OH)2の担持量が4ng/cm2以上である、請求項7に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
- 基材と、前記基材の上に形成された抗ウイルス性薄膜と、を備え、
前記抗ウイルス性薄膜が、酸化チタンを主成分とする層と、前記層の表面上に配置された、Cu系の材料を主成分とする島部と、を有し、
前記島部における、全てのCu原子のモル数に対するCu(OH)2のモル数の比であるモル比Aが0.15〜0.35であり、
前記島部における、全てのCu原子のモル数に対する、CuOのモル数とCu(OH)2のモル数の総和の比であるモル比Bが0.70〜0.95である、抗ウイルス性薄膜つき基材。 - 前記モル比Aが0.15〜0.30である、請求項9に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
- 前記抗ウイルス性薄膜の厚さ方向に沿って観察したときの、前記抗ウイルス性薄膜の面積に対する前記島部の面積の総和の比が0.01〜0.20である、請求項9に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
- 前記抗ウイルス性薄膜を前記島部の上方から観察したときの、前記島部の平均面積を円に換算して算出した直径が1〜20nmである、請求項9に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
- 前記直径が2〜5nmである、請求項12に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
- 前記基材が透明であり、
380〜760nmの波長域のヘイズ率が0.5%以下である、請求項9に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。 - 前記島部におけるCuOの重量の金属銅換算量とCu(OH)2の重量の金属銅換算量の総和を前記層の表面の面積で割って算出した、CuOとCu(OH)2の担持量の総和が3ng/cm2以上である、請求項9に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
- 前記CuOとCu(OH)2の担持量の総和が10ng/cm2以上である、請求項15に記載の抗ウイルス性薄膜つき基材。
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2012
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