JP5931788B2 - 被検物質の電気化学的検出方法 - Google Patents
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Description
(1)作用電極と対極とを用い、電解液存在下に、試料に含まれる被検物質を電気化学的に検出する方法であって、
前記電解液がイミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた溶液を含有する電解液であることを特徴とする被検物質の電気化学的検出方法、ならびに
(2)作用電極と対極とを用い、電解液存在下に、試料に含まれる被検物質を電気化学的に検出する方法に用いられる電解液であって、
イミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた溶液を含有することを特徴とする電解液
に関する。
まず、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出装置の一例を添付図面により説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出装置を示す斜視図である。この検出装置1は、光化学的に活性な物質を標識物質として用いる検出方法に用いる検出装置である。
光源13は、検出チップ20の作用電極上に存在させた標識物質に光を照射して当該標識物質を励起させる。光源13は、励起光を発生する光源であればよい。電流計14は、励起された標識物質から放出される電子に起因して検出チップ20内を流れる電流を測定する。電源15は、検出チップ20に設けられた電極に対して所定の電位を印加する。A/D変換部16は、電流計14によって測定された光電流値をデジタル変換する。制御部17は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されている。この制御部17は、ディスプレイ12、光源13、電流計14および電源15の動作を制御する。また、制御部17は、A/D変換部16でデジタル変換された光電流値から、予め作成された光電流値と標識物質の量との関係を示す検量線に基づき、標識物質の量を概算し、被検物質の量を算出する。ディスプレイ12は、制御部17で概算された被検物質の量等の情報を表示する。
つぎに、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出チップ20の構成を説明する。図3は、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出チップを示す斜視図である。図4(A)は、図3に示される検出チップのAA線での断面図であり、図4(B)は、図3に示される検出チップの上基板を下面側から見た斜視図であり、図4(C)は、図3に示される検出チップの下基板を上面側から見た斜視図である。
半導体層を構成する半導体は、上記した半導体と同様である。この場合の半導体層の厚さは、好ましくは0.1〜100nm、さらに好ましくは0.1〜10nmである。
導電層は、導電性材料からなる。導電性材料としては、例えば、金、銀、銅、カーボン、白金、パラジウム、クロム、アルミニウム、ニッケル等の金属又はこれらの少なくとも1つを含む合金;酸化インジウム、ITO等の酸化インジウム系材料;酸化スズ、アンチモンをドーパントとして含む酸化スズ(ATO)、FTO等の酸化スズ系材料;チタン、酸化チタン、窒化チタン等のチタン系材料;グラファイト、グラシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンペースト、カーボンファイバー等の炭素系材料等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。導電層の厚さは、好ましくは1〜1000nm、より好ましくは1〜200nm、さらに好ましくは1〜100nmである。導電層の厚さは、導電性が確保でき、かつ電極から生じる光電流が最小となる膜厚が望ましい。なお、導電性材料は、ガラス、プラスチック等の非導電性物質からなる非導電性基材の表面に導電性を有する材料からなる導電材層が設けられた複合基材であってもよい。かかる導電材層の形状は、薄膜状及びスポット状のいずれであってもよい。導電材層を構成する材料としては、例えば、ITO、ATO、FTO等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。導電層は、例えば、当該導電層を構成する材料の種類に応じた膜形成方法により形成させることができる。
つぎに、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる電解液を説明する。本発明には、かかる電解液も包含される。
本発明の電解液は、イミダゾリウムヨージド化合物のプロトン溶媒溶液からからなる電解液である。かかる電解液は、イミダゾリウムヨージド化合物をプロトン溶媒溶液に溶解させた電解液である。
で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのイミダゾリウムヨーダイド化合物のなかでは、式(I)で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物が好ましい。
[最も炭素数の多い炭化水素基の炭素数/他の炭化水素基の炭素数]
(II)
によって算出される値が3以下のイミダゾリウムヨーダイド化合物を選択することができる。式(II)の値が3以下のイミダゾリウムヨーダイド化合物の具体例としては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド及び1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの式(I)で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物のなかでは、高いSN比を確保し、高感度で被験物質を検出する観点から、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド及び1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイドが好ましく、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド及び1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイドがより好ましく、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイドがさらに好ましい。これらのイミダゾリウムヨーダイドは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
つぎに、本発明の被検物質の電気化学的検出方法の操作手順等を詳細に説明する。
本発明の被検物質の電気化学的検出方法は、作用電極と対極とを用い、電解液存在下に、試料に含まれる被検物質を電気化学的に検出する方法であって、前記電解液がイミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた溶液を含有する本発明の電解液であることを特徴としている。本発明の被検物質の電気化学的検出方法は、本発明の電解液が用いられているので、環境負荷の大きい非プロトン系溶媒を用いることなく、プロトン溶媒を用いて、非プロトン系溶媒による電解液を用いた場合と同程度の高い検出感度を確保することができる。また、被験物質であるDNAやタンパク質の生理学的機能を利用して作用電極上に被験物質を捕捉し、捕捉した被検物質を電気化学的に検出する方法においては、作用電極上に被験物質を捕捉するために、前記DNAやタンパク質の生理学的機能を維持するのに適した緩衝成分が配合された水溶液が用いられている。そのため、光電流の検出の際に、非プロトン溶媒を含む電解液を用いる場合には、被験物質の捕捉に用いられた水溶液を非プロトン溶媒に置換する必要がある。一方、本発明の被検物質の電気化学的検出方法は、本発明の電解液が用いられているので、作用電極上での被験物質の捕捉から光電流の測定までの間において、溶媒を置換しなくてもよい。
(2)前記電解液が前記作用電極と前記対極とに接触した状態で前記標識物質に光を照射するステップ、
(3)光照射によって励起された前記標識物質から前記作用電極への電子の移動により前記作用電極と前記対極との間に流れる電流を測定する工程、
を含む。この場合、本発明の被検物質の電気化学的検出方法は、前記ステップ(1)が、
(A−1)被検物質を捕捉できるプローブが固定された作用電極に、前記被検物質を含む試料を接触させて前記作用電極上に前記被検物質を捕捉させるステップ、及び
(A−2)前記作用電極上に捕捉された被検物質に標識物質を導入するステップ
を含む方法であってもよく、前記作用電極が、被検物質を捕捉できるプローブが固定された作用電極であり、前記ステップ(1)が、
(B−1)試料に含まれる被検物質に標識物質を導入するステップ、
(B−2)前記作用電極に前記試料を接触させ、前記作用電極上のプローブに前記被検物質を捕捉させるステップ
を含む方法であってもよい。
以下、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法の処理手順を添付図面に基づいて説明する。図6は、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法の処理手順を示す工程説明図である。
捕捉物質81は、被検物質Sの種類に応じて適宜選択することができる。例えば、被検物質Sが核酸である場合、捕捉物質81として、かかる核酸にハイブリダイズする核酸プローブ、核酸に対する抗体、核酸と結合するタンパク質等を用いることができる。被検物質Sがタンパク質又はペプチドである場合、捕捉物質81として、かかるタンパク質又はペプチドに対する抗体等を用いることができる。
標識物質の具体例としては、金属フタロシアン、ルテニウム錯体、オスミウム錯体、鉄錯体、亜鉛錯体、9−フェニルキサンテン系色素、シアニン系色素、メタロシアニン色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、アクリジン系色素、オキサジン系色素、クマリン系色素、メロシアニン系色素、ロダシアニン系色素、ポリメチン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ローダミン系色素、キサンテン系色素、クロロフィル系色素、エオシン系色素、マーキュロクロム系色素、インジゴ系色素、BODIPY系色素、CALFluor系色素、オレゴングリーン系色素、ロードル(Rhodol)グリーン、テキサスレッド、カスケードブルー、核酸(DNA、RNA等)、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、Ln2O3:Re、Ln2O2S:Re、ZnO、CaWO4、MO・xAl2O3:Eu、Zn2SiO4:Mn、LaPO4:Ce、Tb、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、Cy7.5及びCy9(いずれも、アマシャムバイオサイエンス社製);Alexa Fluor 355、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750及びAlexa Fluor 790(いずれも、モレキュラープローブ社製);DY−610、DY−615、DY−630、DY−631、DY−633、DY−635、DY−636、EVOblue10、EVOblue30、DY−647、DY−650、DY−651、DY−800、DYQ−660及びDYQ−661(いずれも、Dyomics社製);Atto425、Atto465、Atto488、Atto495、Atto520、Atto532、Atto550、Atto565、Atto590、Atto594、Atto610、Atto611X、Atto620、Atto633、Atto635、Atto637、Atto647、Atto655、Atto680、Atto700、Atto725及びAtto740(いずれも、Atto−TEC GmbH社製);VivoTagS680、VivoTag680及びVivoTagS750(いずれも、VisEnMedical社製)等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、LnはLa、Gd、Lu又はYを示し、Reはランタニド族元素を示し、Mはアルカリ土類金属元素を示し、xは0.5〜1.5の数を示す。標識物質の他の例については、例えば、特許第4086090号公報、特開平7−83927号公報等を参照することができる。
かかる検出工程では、光電流を定量することにより、被検物質の量を調べることができる。
シランカップリング剤である3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTES)を、その濃度が1体積%となるようにトルエンに添加し、溶液Aを得た。
Alexa Fluor 750標識チオール化DNA〔ライフテクノロジーズ(Life Technologies)社製、Alexa Fluor 750-5'-GCTTTCTGCGTGAAGACAGTAGTT-SH-3'(配列番号:1)、以下、「チオール化DNA」という)をその濃度が100μMとなるようにDNaseフリーの精製水に添加して溶解させた。得られたチオール基含有DNA水溶液をチオール基含有DNAの濃度が10nMとなるようにトリス緩衝生理食塩水〔組成:25mMトリス−HCl(pH7.4)、0.15M塩化ナトリウム、以下、「TBS」という〕に添加し、チオール基含有DNA含有TBSを得た。
スパッタリング法により、ガラス基板からなる基板本体上に、ITOの薄膜(厚さ200nm)と酸化インジウムの薄膜(厚さ200nm)とをこの順に形成させ、作用電極本体を得た。つぎに、作用電極本体に、電流計と接続するための作用電極リードを接続し、作用電極基板を得た。得られた作用電極基板に10分間のUVオゾン処理を施し、洗浄した後、製造例1で得られた溶液Aに1時間浸漬させた。つぎに、前記作用電極基板をトルエンで洗浄し、110℃で10分間乾燥させた。また、前記作用電極基板をトルエンに浸漬させ、5分間の超音波洗浄によって前記作用電極基板上に残存したMPTESを除去した。
スパッタリング法により、ガラス基板からなる基板本体上に、ITOの薄膜(厚さ200nm)と酸化インジウムの薄膜(厚さ200nm)とをこの順に形成させ、作用電極本体を得た。つぎに、作用電極本体に、電流計と接続するための作用電極リードを接続し、作用電極基板を得た。得られた作用電極基板に10分間のUVオゾン処理を施し、洗浄した後、製造例1で得られた溶液Aに1時間浸漬させた。つぎに、前記作用電極基板をトルエンで洗浄し、110℃で10分間乾燥させた。また、前記作用電極基板をトルエンに浸漬させ、5分間の超音波洗浄によって前記作用電極基板上に残存したMPTESを除去し、非特異吸着由来ノイズを検出するための作用電極基板(ノイズ検出用作用電極基板1)を得た。
スパッタリング法により、ガラス基板からなる基板本体上に、厚さ200nmの白金薄膜(導電層)からなる対極を形成させた。対極に、電流計と接続するための対極リードを接続し、対極基板を得た。
ビオチン化DNA〔5'-TTTCGTTGTCGTGCTTACGATTGCGAGACGTTGTCGTGCTTACGATTGCGAGACGTTGTCGTGCTTACGATTGCGAGTCGTTGTCGTGCTTACGATTGCGAGT-3'-Biotin(配列番号:2)〕をその濃度が100μMとなるようにDNaseフリーの精製水に添加して溶解させ、ビオチン化DNA水溶液を得た。
Alexa Fluor 750標識DNA〔Alexa Fluor 750-5'-CTCGCAATCGTAAGCACGACAACG-Alexa Fluor. 750-3'(配列番号:3)〕をその濃度が100μMとなるようにDNaseフリーの精製水に添加して溶解させ、Alexa Fluor 750標識DNA水溶液を得た。
抗ヒトIL−6抗体溶液〔40μg/mL、バイオレジェンド(BioLegend)社製〕をジスルフィド還元用ゲル〔サーモサイエンティフィック(Thermo Scientific)社製、商品名:Immobilized TCEP GEL〕50μLへ添加し、20分間振盪攪拌させ、抗ヒトIL−6抗体の重鎖還元を行なった。得られた混合液を微量高速遠心機を用いた4500×g(3000rpm)で2分間の遠心分離に供し、上澄み液を回収した。得られた上澄み液をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(ファルマシア社製、商品名:Sephadex G25、カラムの大きさ:0.74cm2×11cm、容量20mL)に付して余剰TCEPを除去し、抗体溶液を得た。その後、抗ヒトIL−6抗体の還元状態を維持するために、TCEPをその濃度が20nMとなるように抗体溶液に添加し、重鎖還元抗体溶液を得た。重鎖還元型抗ヒトIL−6抗体の濃度が20μg/mLとなるように前記重鎖還元抗体溶液をTBSで希釈し、抗体希釈液を得た。
ブロッキング処理用試薬(DSファーマバイオメディカル社製、商品名:Block Ace)をその濃度が0.4体積%となるように1体積%ウシ血清アルブミン(BSA)含有TBS−T溶液(以下、「BSA/TBS−T溶液」という)で希釈し、ブロッキング処理用試薬の希釈液を得た。
ヒトIL−6タンパク質溶液(バイオレジェンド社製)をヒトIL−6タンパク質の濃度が500pg/mLとなるようにBSA/TBS−T溶液で希釈し、ヒトIL−6タンパク質希釈液を得た。
ビオチン標識抗ヒトIL−6抗体溶液(バイオレジェンド社製)をビオチン標識抗ヒトIL−6抗体の濃度が1μg/mLとなるようにBSA/TBS−T溶液で希釈し、ビオチン標識抗ヒトIL−6抗体希釈液を得た。
製造例6で得られたビオチン化DNA水溶液及び製造例7で得られたAlexa Fluor 750標識DNA水溶液を、ビオチン化DNAの濃度が10μM、Alexa Fluor 750標識DNAの濃度が100μMとなるように混合した。つぎに、得られた混合液を2M塩化ナトリウム含有40mMリン酸緩衝液(pH7.4)で10倍希釈した。得られた希釈液を80℃で1分間加熱した後、80分間かけて4℃まで温度を下げることにより、ビオチン化DNAとAlexa Fluor 750標識DNAとをハイブリダイズさせ、多価標識体を含む溶液を得た。得られた溶液をTBS−Tで10倍希釈し、多価標識体希釈液を得た。
スパッタリング法により、ガラス基板からなる基板本体上に、ITOの薄膜(厚さ200nm)と酸化インジウムの薄膜(厚さ200nm)とをこの順に形成させ、作用電極本体を得た。つぎに、作用電極本体に、電流計と接続するための作用電極リードを接続し、作用電極基板を得た。得られた作用電極基板に10分間のUVオゾン処理を施し、洗浄した後、製造例1で得られた溶液Aに1時間浸漬させた。つぎに、前記作用電極基板をトルエンで洗浄し、110℃で10分間乾燥させた。また、前記作用電極基板をトルエンに浸漬させ、5分間の超音波洗浄によって前記作用電極基板上に残存したMPTESを除去した。
スパッタリング法により、ガラス基板からなる基板本体上に、ITOの薄膜(厚さ200nm)と酸化インジウムの薄膜(厚さ200nm)とをこの順に形成させ、作用電極本体を得た。つぎに、作用電極本体に、電流計と接続するための作用電極リードを接続し、作用電極基板を得た。得られた作用電極基板に10分間のUVオゾン処理を施し、洗浄した後、製造例1で得られた溶液Aに1時間浸漬させた。つぎに、前記作用電極基板をトルエンで洗浄し、110℃で10分間乾燥させた。また、前記作用電極基板をトルエンに浸漬させ、5分間の超音波洗浄によって前記作用電極基板上に残存したMPTESを除去した。
イミダゾリウムヨーダイド化合物である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイドをその濃度が5Mとなるように、プロトン溶媒である精製水に室温(25℃)で溶解させ、電解液を得た。
テトラプロピルアンモニウムヨージド及びヨウ素をそれぞれの濃度が0.6M及び0.06Mとなるように、非プロトン溶媒である混合有機溶媒〔アセトニトリル/エチレンカーボネート(体積比)=2/3〕に室温(25℃)で溶解させ、電解液を得た。なお、比較例1の電解液は、従来用いられていた非プロトン溶媒系電解液である。
製造例3で得られたシグナル検出用作用電極基板1の作用電極に対し、実施例1で得られた電解液又は比較例1で得られた電解液12.5μLを滴下し、製造例5で得られた対極基板をかぶせ、光電流を測定するための電極セルを組み立てた。得られた電極セルの作用電極上の標識物質(Alexa Fluor 750)にレーザ光(波長:781nm及び強度:13mW)を照射し、チオール基含有DNA由来シグナルの光電流を測定した。また、前記において、製造例3で得られたプローブ固定作用電極基板1を用いる代わりに製造例4で得られたノイズ検出用作用電極基板1を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、非特異吸着由来ノイズの光電流を測定した。
製造例13で得られたシグナル検出用作用電極基板2の作用電極に対し、実施例1で得られた電解液又は比較例1で得られた電解液12.5μLを滴下し、製造例5で得られた対極基板をかぶせ、光電流を測定するための電極セルを組み立てた。得られた電極セルの作用電極上の標識物質(Alexa Fluor 750)にレーザ光(波長:781nm及び強度:13mW)を照射し、IL−6由来シグナルの光電流を測定した。また、前記において、製造例3で得られたプローブ固定作用電極基板1を用いる代わりに製造例14で得られたノイズ検出用作用電極基板2を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、非特異吸着由来ノイズの光電流を測定した。
イミダゾリウムヨーダイド化合物である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイドをその濃度が3Mとなるように、プロトン溶媒である精製水に室温(25℃)で溶解させ、電解液を得た。
イミダゾリウムヨーダイド化合物である1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイドをその濃度が3M(実施例3)又は5M(実施例4)となるように、プロトン溶媒である精製水に室温(25℃)で溶解させ、電解液を得た。
イミダゾリウムヨーダイド化合物である1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイドをその濃度が3M(実施例5)又は5M(実施例6)となるように、プロトン溶媒である精製水に室温(25℃)で溶解させ、電解液を得た。
製造例3で得られたシグナル検出用作用電極基板1の作用電極に対し、実施例1〜6で得られた電解液12.5μLを滴下し、製造例5で得られた対極基板をかぶせ、光電流を測定するための電極セルを組み立てた。得られた電極セルの作用電極上の標識物質(Alexa Fluor 750)にレーザ光(波長:781nm及び強度:5mW)を照射し、チオール基含有DNA由来シグナルの光電流を測定した。
製造例3で得られたシグナル検出用作用電極基板1の作用電極に対し、電解液12.5μLを滴下し、製造例5で得られた対極基板をかぶせ、光電流を測定するための電極セルを組み立てた。得られた電極セルの作用電極上の標識物質(Alexa Fluor 750)にレーザ光(波長:781nm及び強度:5.5mW)を照射し、チオール基含有DNA由来シグナルの光電流を測定した。また、前記において、製造例3で得られたプローブ固定作用電極基板1を用いる代わりに製造例4で得られたノイズ検出用作用電極基板1を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、非特異吸着由来ノイズの光電流を測定した。得られたチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値と非特異吸着由来ノイズの光電流値とから、光電流SN比を求めた。
11 チップ受入部
12 ディスプレイ
13 光源
14 電流計
15 電源
16 変換部
17 制御部
20 検出チップ
20a 空間
20 当該検出チップ
30 上基板
30a 基板本体
30b 試料注入口
40 下基板
40a 基板本体
50 間隔保持部材
60 作用電極
61 作用電極本体
66 対極
69 参照電極
71,72,73 電極リード
81 捕捉物質
90 標識結合物質
91 結合物質
92 標識物質
配列番号:2は、ビオチン化DNAの塩基配列である。
配列番号:3は、AlexaFluor750標識DNAの塩基配列である。
Claims (9)
- 作用電極と対極とを用い、電解液存在下に、試料に含まれる被検物質を電気化学的に検出する方法であって、
(1)前記作用電極上に、光励起により電子を生じる標識物質を、前記試料中の被検物質の量に対応して存在させるステップ、
(2)前記電解液が前記作用電極と前記対極とに接触した状態で前記標識物質に光を照射するステップ、
(3)光照射によって励起された前記標識物質から前記作用電極への電子の移動により前記作用電極と前記対極との間に流れる電流を測定するステップ、
を含み、
前記電解液がイミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた溶液を含有する電解液であり、
前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、式(I):
で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物であることを特徴とする被検物質の電気化学的検出方法。 - 前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、式(I)において、R1、R2及びR3のいずれか1つ又はR1、R2及びR3のいずれか2つが炭素数1〜8の1価の炭化水素基であるイミダゾリウムヨーダイド化合物である請求項1に記載の方法。
- 前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、式(II):
[最も炭素数の多い炭化水素基の炭素数/他の炭化水素基の炭素数]
(II)
によって算出される値が3以下であるイミダゾリウムヨーダイド化合物である請求項1又は2に記載の方法。 - 前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、式(I)において、R1、R2及びR3のいずれか1つにヘキシル基を有するイミダゾリウムヨーダイド化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド及び1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイドからなる群より選択された少なくとも1種である請求項1に記載の方法。
- 前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド及び1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイドからなる群より選択された少なくとも1種である請求項5に記載の方法。
- 前記ステップ(1)が、
(A−1)被検物質を捕捉できるプローブが固定された作用電極に、前記被検物質を含む試料を接触させて前記作用電極上に前記被検物質を捕捉させるステップ、及び
(A−2)前記作用電極上に捕捉された被検物質に標識物質を導入するステップ
を含む請求項1〜6のいずれかに記載の方法。 - 前記作用電極が、被検物質を捕捉できるプローブが固定された作用電極であり、
前記ステップ(1)が、
(B−1)試料に含まれる被検物質に標識物質を導入するステップ、
(B−2)前記作用電極に前記試料を接触させ、前記作用電極上のプローブに前記被検物質を捕捉させるステップ
を含む請求項1〜6のいずれかに記載の方法。 - 作用電極と対極とを用い、電解液存在下に、試料に含まれる被検物質を電気化学的に検出する方法に用いられる電解液であって、
前記方法は、
(1)前記作用電極上に、光励起により電子を生じる標識物質を、前記試料中の被検物質の量に対応して存在させるステップ、
(2)前記電解液が前記作用電極と前記対極とに接触した状態で前記標識物質に光を照射するステップ、
(3)光照射によって励起された前記標識物質から前記作用電極への電子の移動により前記作用電極と前記対極との間に流れる電流を測定するステップ、
を含む方法であり、
イミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた溶液を含有しており、
前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、式(I):
で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物であることを特徴とする電解液。
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