JP5931788B2 - 被検物質の電気化学的検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被検物質の電気化学的検出方法に関する。より詳しくは、核酸、タンパク質等の被検物質の検出および定量、これらを利用する疾病の臨床検査および診断等に有用な、被検物質の電気化学的検出方法およびこれに用いる電解液に関する。
疾病の臨床検査および診断は、生体試料中に含まれる疾病に関連する遺伝子又はタンパク質等の被検物質を検出することによって行なわれている。前記被験物質を検出するための検出法としては、例えば、イムノクロマト法、ラテックス凝集法、酵素免疫法、化学発光免疫法、ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)法等が挙げられる。しかし、これらの検出法は、簡易性、迅速性およびランニングコストのいずれかの点で、より改善されることが望まれている。
そこで、光励起によって光電流を生じる増感色素を用いて被検物質を検出する被検物質の電気化学的検出方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の方法では、まず、増感色素を被験物質に結合させ、当該被験物質を、プローブを介して作用電極上に捕捉する。つぎに、作用電極上の増感色素に光を照射することによって生じた光電流に基づき、被験物質を検出する。かかる特許文献1に記載の方法では、増感色素を光励起させて光電流を検出する際に、電解液として、I2以外のヨウ化物等の電解質と、非プロトン性溶媒およびプロトン性溶媒から選ばれた少なくとも1種の溶媒とを含む電解液が用いられている。
国際公開第2007/037341号
近年、環境への負荷を軽減させる観点から、環境負荷の大きい非プロトン溶媒が用いられていない電解液が望まれている。
ここで、前記特許文献1には、電解液の溶媒としてプロトン溶媒である水を用いて光電流を検出することが記載されている。しかし、前記特許文献1に記載の電解液では、溶媒としてプロトン溶媒を用いたときの光電流は、溶媒として非プロトン溶媒を用いたときの光電流よりも著しく低下している。したがって、より高い検出感度で光電流を検出することができる方法や手段が望まれている。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、環境負荷の大きい非プロトン系溶媒を用いることなく、プロトン溶媒を用いて、非プロトン系溶媒による電解液を用いた場合と同程度の高い検出感度を確保することができる被検物質の電気化学的検出方法および当該方法に用いられる電解液を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は、
(1)作用電極と対極とを用い、電解液存在下に、試料に含まれる被検物質を電気化学的に検出する方法であって、
前記電解液がイミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた溶液を含有する電解液であることを特徴とする被検物質の電気化学的検出方法、ならびに
(2)作用電極と対極とを用い、電解液存在下に、試料に含まれる被検物質を電気化学的に検出する方法に用いられる電解液であって、
イミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた溶液を含有することを特徴とする電解液
に関する。
本発明の被検物質の電気化学的検出方法および当該方法に用いられる電解液によれば、環境負荷の大きい非プロトン系溶媒を用いることなく、プロトン溶媒を用いて、非プロトン系溶媒による電解液を用いた場合と同程度の高い検出感度を確保することができる。
本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出装置を示す斜視図である。 図1に示される検出装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出チップを示す斜視図である。 (A)は図3に示される検出チップのAA線での断面図である。(B)は図3に示される検出チップの上基板を下面側から見た斜視図である。(C)は図3に示される検出チップの下基板を上面側から見た斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出チップ中の電極を含む部分の一例を模式的に表した断面説明図である。 本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法の処理手順を示す工程説明図である。 試験例1において、実施例1で得られた電解液および比較例1で得られた電解液それぞれを用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値および非特異吸着由来ノイズの光電流値を調べた結果を示すグラフである。 試験例2において、実施例1で得られた電解液および比較例1で得られた電解液それぞれを用いたときのIL−6由来シグナルの光電流値および非特異吸着由来ノイズの光電流値を調べた結果を示すグラフである。 試験例3において、実施例1〜6で得られた電解液それぞれを用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値を調べた結果を示すグラフである。 実施例7〜14および比較例2〜6の電解液を用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値を調べた結果を示すグラフである。 実施例7〜14および比較例2〜6の電解液を用いたときの光電流S/N値を調べた結果を示すグラフである。
[検出装置の構成]
まず、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出装置の一例を添付図面により説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出装置を示す斜視図である。この検出装置1は、光化学的に活性な物質を標識物質として用いる検出方法に用いる検出装置である。
検出装置1は、検出チップ20が挿入されるチップ受入部11と、検出結果を表示するディスプレイ12とを備えている。
図2は、図1に示される検出装置の構成を示すブロック図である。検出装置1は、光源13と、電流計14と、電源15と、A/D変換部16と、制御部17と、ディスプレイ12とを備えている。
光源13は、検出チップ20の作用電極上に存在させた標識物質に光を照射して当該標識物質を励起させる。光源13は、励起光を発生する光源であればよい。電流計14は、励起された標識物質から放出される電子に起因して検出チップ20内を流れる電流を測定する。電源15は、検出チップ20に設けられた電極に対して所定の電位を印加する。A/D変換部16は、電流計14によって測定された光電流値をデジタル変換する。制御部17は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されている。この制御部17は、ディスプレイ12、光源13、電流計14および電源15の動作を制御する。また、制御部17は、A/D変換部16でデジタル変換された光電流値から、予め作成された光電流値と標識物質の量との関係を示す検量線に基づき、標識物質の量を概算し、被検物質の量を算出する。ディスプレイ12は、制御部17で概算された被検物質の量等の情報を表示する。
[検出チップの構成]
つぎに、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出チップ20の構成を説明する。図3は、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出チップを示す斜視図である。図4(A)は、図3に示される検出チップのAA線での断面図であり、図4(B)は、図3に示される検出チップの上基板を下面側から見た斜視図であり、図4(C)は、図3に示される検出チップの下基板を上面側から見た斜視図である。
検出チップ20は、上基板30と、上基板30の下方に設けられた下基板40と、上基板30と下基板40とに挟まれた間隔保持部材50とを備えている。検出チップ20では、上基板30と下基板40とは、一側部において重複して配置されている。そして、上基板30と下基板40とが重複する部分には、間隔保持部材50が介在している。
上基板30は、図4(B)に示されるように、基板本体30aと、作用電極60とを備えている。この基板本体30aには、被検物質を含む試料等を内部に注入するための試料注入口30bが設けられている。基板本体30aの表面には、作用電極60と、作用電極60に接続されている電極リード71とが形成されている。上基板30においては、作用電極60は、基板本体30aの一側部〔図4(B)の左側〕に配置されている。電極リード71は、作用電極60から基板本体30aの他側部〔図4(B)の右側〕に向けて延びている。試料注入口30bは、基板本体30aにおいて、間隔保持部材50が介装される部分よりも内側に設けられている。
本実施の形態において、基板本体30aは、矩形状に形成されている。なお、基板本体30aの形状は、特に限定されるものではなく、多角形形状、円盤状等であってもよい。
基板本体30aを構成する材料としては、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド樹脂等のプラスチック類、金属等の無機材料等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。基板本体30aの厚さは、十分な耐久性を確保する観点から、好ましくは0.01〜1mm、より好ましくは0.1〜0.7mm、さらに好ましくは約0.5mmである。基板本体30aの大きさは、多種類の被検物質の検出(多項目)を前提とした場合には項目数によるが、通常、20mm×20mm程度の大きさである。
下基板40は、図4(C)に示されるように、基板本体40aと、対極66と、参照電極69とを備えている。基板本体40aは、上基板30の基板本体30aと略同寸法の矩形状に形成されている。基板本体40aおよび基板本体30aは、必ずしも、同寸法である必要はない。
基板本体40aを構成する材料としては、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド樹脂等のプラスチック類、金属等の無機材料等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのなかでは、耐熱性、耐久性、平滑性等を確保し、かつ材料に要するコストを低減させる観点から、好ましくはガラスである。基板本体40aの厚さ及び大きさは、上基板30の基板本体30aの厚さ及び大きさと同様である。
基板本体40aの表面には、対極66と、対極66に接続された電極リード72と、参照電極69と、参照電極69に接続された電極リード73とが形成されている。下基板40においては、対極66は、基板本体40aの一側部〔図4(C)の右側〕に配置されている。参照電極69は、基板本体40a上において、対極66と対向する位置に配置されている。対極66の電極リード72と参照電極69の電極リード73とは、それぞれ、基板本体40aの一側部〔図4(C)の右側〕から他側部〔図4(C)の左側〕へ向けて延びている。対極66及び参照電極69の各電極リード72,73は、基板本体40aの他側部〔図4(C)の左側〕において互いに並列するように配置されている。電極リード72,73は、上基板30と下基板40とが重複する部分からはみ出して外部に露出している〔図3及び図4(A)参照〕。なお、基板本体30a及び基板本体40aは、当該基板本体を透過させるようにして光を照射する場合には、透過性を有する材料から構成された基板本体であることが望ましい。この場合、基板本体30a及び基板本体40aのうち、光を照射する側の基板本体が、透過性を有する材料から構成されていればよい。
つぎに、作用電極60、対極66及び参照電極69について、詳細に説明する。 図5は、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる検出チップ中の電極を含む部分の一例を模式的に表した断面説明図である。作用電極60は、ほぼ四角形状に形成されている。作用電極60は、図5に示されるように、基板本体30a上に形成された作用電極本体61と、作用電極本体61上に固定化された捕捉物質81とから構成されている。作用電極本体61には、電極リード71が接続されている。
作用電極本体61は、励起光が照射されることにより被検物質から生じた電子を受容する半導体からなる。この半導体は、導電体及び電子受容体として機能する。半導体は、光励起により被検物質から生じた電子の注入が可能なエネルギー準位をとり得る物質であればよい。ここで、「光励起により被検物質から生じた電子の注入が可能なエネルギー準位」とは、伝導帯(コンダクションバンド)を意味する。すなわち、半導体は、後述の標識物質の最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギー準位よりも低いエネルギー順位を有すればよい。かかる半導体としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体;チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタル等の酸化物を含む酸化物半導体;チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バナジウム、ニオブ酸カリウム等のペロブスカイト型半導体;カドニウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマス等の硫化物を含む硫化物半導体;ガリウム、チタン等の窒化物を含む半導体;カドミウム、鉛のセレン化物からなる半導体(例えば、カドミウムセレナイド等);カドミウムのテルル化物を含む半導体;亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化合物からなる半導体;ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等の化合物を含む半導体;カーボン等の化合物半導体又は有機物半導体等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、半導体は、真性半導体及び不純物半導体のいずれであってもよい。上記した半導体のなかでは、酸化物半導体が好ましい。酸化物半導体のうち、真性半導体のなかでは、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化インジウム、酸化タングステン、酸化タンタル及びチタン酸ストロンチウムが好ましい。酸化物半導体のうち、不純物半導体のなかでは、スズをドーパントとして含む酸化インジウム(ITO)及びフッ素をドーパントとして含む酸化スズ(FTO)が好ましい。作用電極の厚さは、通常、0.1〜1μm、好ましくは0.1〜200nm、より好ましくは0.1〜10nmである。
本発明においては、作用電極本体61は、半導体層と導電層とから構成されていてもよい。この場合、作用電極本体61の電極リード71は、導電層に接続される。
半導体層を構成する半導体は、上記した半導体と同様である。この場合の半導体層の厚さは、好ましくは0.1〜100nm、さらに好ましくは0.1〜10nmである。
導電層は、導電性材料からなる。導電性材料としては、例えば、金、銀、銅、カーボン、白金、パラジウム、クロム、アルミニウム、ニッケル等の金属又はこれらの少なくとも1つを含む合金;酸化インジウム、ITO等の酸化インジウム系材料;酸化スズ、アンチモンをドーパントとして含む酸化スズ(ATO)、FTO等の酸化スズ系材料;チタン、酸化チタン、窒化チタン等のチタン系材料;グラファイト、グラシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンペースト、カーボンファイバー等の炭素系材料等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。導電層の厚さは、好ましくは1〜1000nm、より好ましくは1〜200nm、さらに好ましくは1〜100nmである。導電層の厚さは、導電性が確保でき、かつ電極から生じる光電流が最小となる膜厚が望ましい。なお、導電性材料は、ガラス、プラスチック等の非導電性物質からなる非導電性基材の表面に導電性を有する材料からなる導電材層が設けられた複合基材であってもよい。かかる導電材層の形状は、薄膜状及びスポット状のいずれであってもよい。導電材層を構成する材料としては、例えば、ITO、ATO、FTO等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。導電層は、例えば、当該導電層を構成する材料の種類に応じた膜形成方法により形成させることができる。
作用電極本体61の表面には、捕捉物質81が固定化されている〔図5参照〕。捕捉物質81は、被検物質を捕捉する物質である。これにより、被検物質を作用電極本体61の近傍に存在させることができる。捕捉物質81は、被検物質の種類に応じて、適宜選択することができる。捕捉物質81としては、例えば、核酸、タンパク質、ペプチド、糖鎖、抗体、特異的な認識能を持つナノ構造体等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
対極66は、図5に示されるように、基板本体40a上に形成されている。対極66は、導電性材料からなる薄膜からなる。導電性材料としては、例えば、金、銀、銅、カーボン、白金、パラジウム、クロム、アルミニウム、ニッケル等の金属又はこれらの少なくとも1つを含む合金、ITO、酸化インジウム等の導電性セラミックス、ATO、FTO等の金属酸化物、チタン、酸化チタン、窒化チタン等のチタン化合物等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。導電性材料からなる薄膜の厚さは、好ましくは1〜1000nm、より好ましくは10〜200nmである。
参照電極69は、図5に示されるように、基板本体40a上に形成されている。参照電極69は、導電性材料からなる薄膜からなる。導電性材料としては、例えば、金、銀、銅、カーボン、白金、パラジウム、クロム、アルミニウム、ニッケル等の金属又はこれらの少なくとも1つを含む合金、ITO、酸化インジウム等の導電性セラミックス、ATO、FTO等の金属酸化物、チタン、酸化チタン、窒化チタン等のチタン化合物等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。導電性材料からなる薄膜の厚さは、好ましくは1〜1000nm、より好ましくは10〜200nmである。本実施の形態では、参照電極69を設けているが、本発明においては、参照電極69を設けなくてもよい。対極66に用いる電極の種類、膜厚にもよるが、電圧降下の影響が僅かな小さな電流(例えば、1μA以下)を測定する場合は、対極66が参照電極69を兼ねていてもよい。一方、大きな電流を測定する場合、電圧降下の影響を抑制し、作用電極60に印加する電圧を安定化させる観点から、参照電極69を設けることが好ましい。
つぎに、間隔保持部材50について、説明する。間隔保持部材50は、矩形の環状体形状に形成され、絶縁体であるシリコーンゴムからなっている。間隔保持部材50は、作用電極60、対極66及び参照電極69を取り囲むように配置されている〔図4(A)及び図5参照〕。上基板30と下基板40との間には間隔保持部材50の厚さに相当する間隔が形成されている。これにより、各電極(作用電極60、対極66及び参照電極69)の間には試料や電解液を収容するための空間20aが形成されている〔図4(A)及び図5参照〕。間隔保持部材50の厚さは、通常、0.2〜300μmである。本発明においては、間隔保持部材50を構成する材料として、シリコーンゴムの代わりに、例えば、ポリエステルフィルム等のプラスチック製両面テープ等を用いることもできる。
本発明においては、作用電極60、対極66及び参照電極69は、各電極が他の電極と接触しないように間隔保持部材50の枠内に配置されていればよい。したがって、作用電極60、対極66及び参照電極69は、同一の基板本体上に形成されていてもよい。本発明においては、対極66及び参照電極69は、基板本体上に形成された薄膜状の電極でなくてもよい。この場合、対極66及び参照電極69のうちの少なくともいずれかが間隔保持部材50の部材本体に設けられていてもよい。そして、上基板30及び下基板40のいずれかに、間隔保持部材50の部材本体に設けた電極以外の電極が設けられていればよい。
[電解液]
つぎに、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法に用いる電解液を説明する。本発明には、かかる電解液も包含される。
本発明の電解液は、イミダゾリウムヨージド化合物のプロトン溶媒溶液からからなる電解液である。かかる電解液は、イミダゾリウムヨージド化合物をプロトン溶媒溶液に溶解させた電解液である。
前記イミダゾリウムヨージド化合物としては、例えば、式(I):
(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8の1価の炭化水素基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。)
で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのイミダゾリウムヨーダイド化合物のなかでは、式(I)で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物が好ましい。
式(I)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8の1価の炭化水素基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。
1、R2及びR3において、炭素数1〜8の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基、炭素数6〜8のアリール基等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの炭素数1〜8の1価の炭化水素基のなかでは、高いSN比を確保し、高感度で被験物質を検出する観点から、炭素数1〜8のアルキル基及び炭素数2〜8のアルケニル基が好ましい。
炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の炭素数1〜8の直鎖又は分枝鎖を有するアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8の脂環式アルキル基等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの炭素数1〜8のアルキル基のなかでは、高いSN比を確保し、高感度で被験物質を検出する観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びヘキシル基が好ましい。
炭素数2〜8のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メチルビニル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの炭素数2〜6のアルケニル基のなかでは、高いSN比を確保し、高感度で被験物質を検出する観点から、アリル基が好ましい。
炭素数2〜8のアルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの炭素数2〜8のアルキニル基のなかでは、高いSN比を確保し、高感度で被験物質を検出する観点から、エチニル基及びプロピニル基及びヘキシニル基が好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの炭素数1〜8のアルコキシ基のなかでは、高いSN比を確保し、高感度で被験物質を検出する観点から、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基及びヘキシルオキシ基が好ましい。
式(I)で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物のなかでは、式(I)において、高いSN比を確保し、高感度で被験物質を検出する観点から、R1、R2及びR3のいずれか1つ又はR1、R2及びR3のいずれか2つが炭素数1〜8の1価の炭化水素基であるイミダゾリウムヨーダイド化合物が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜8のアルケニル基であるイミダゾリウムヨーダイド化合物がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基及びアリル基からなる群より選ばれた基であるイミダゾリウムヨーダイド化合物がさらに好ましい。R1、R2及びR3のいずれか1つ又はR1、R2及びR3のいずれか2つが炭素数1〜8の1価の炭化水素基であるイミダゾリウムヨーダイド化合物としては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘプチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムヨーダイド、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムヨーダイド及び1−アリル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
また、式(I)で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物のなかでは、高いSN比を確保し、高感度で被験物質を検出する観点から、式(I)において、式(II):
[最も炭素数の多い炭化水素基の炭素数/他の炭化水素基の炭素数]
(II)
によって算出される値が3以下のイミダゾリウムヨーダイド化合物を選択することができる。式(II)の値が3以下のイミダゾリウムヨーダイド化合物の具体例としては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド及び1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
また、式(I)において、高いSN比を確保し、高感度で被験物質を検出する観点から、R1、R2及びR3のいずれか1つにヘキシル基を有するイミダゾリウムヨーダイド化合物が好ましい。
式(I)で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物の具体例としては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘプチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムヨーダイド、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムヨーダイド、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、
1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの式(I)で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物のなかでは、高いSN比を確保し、高感度で被験物質を検出する観点から、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド及び1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイドが好ましく、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド及び1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイドがより好ましく、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイドがさらに好ましい。これらのイミダゾリウムヨーダイドは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
プロトン溶媒としては、例えば、水、緩衝成分を含む水溶液等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
前記電解液において、通常、イミダゾリウムカチオンと、ヨウ素アニオンとに解離している。電解液におけるイミダゾリウムカチオンの濃度は、十分なシグナルを得る観点から、好ましくは0.01mol/L以上、より好ましくは0.1mol/L以上であり、十分な電解液の流動性を得る観点から、好ましくは20mol/L以下、より好ましくは10mol/L以下である。
前記電解液は、イミダゾリウムヨージド化合物をプロトン溶媒溶液に溶解させることによって得られる。なお、本明細書において、「溶解」とは、少なくとも5〜50℃の範囲でイミダゾリウムヨージド化合物がプロトン溶媒に溶解していることを意味する。プロトン溶媒100質量部あたりのイミダゾリウムヨージド化合物の配合量は、十分なシグナルを得る観点から、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、十分な電解液の流動性を得る観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
[被検物質の電気化学的検出方法]
つぎに、本発明の被検物質の電気化学的検出方法の操作手順等を詳細に説明する。
本発明の被検物質の電気化学的検出方法は、作用電極と対極とを用い、電解液存在下に、試料に含まれる被検物質を電気化学的に検出する方法であって、前記電解液がイミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた溶液を含有する本発明の電解液であることを特徴としている。本発明の被検物質の電気化学的検出方法は、本発明の電解液が用いられているので、環境負荷の大きい非プロトン系溶媒を用いることなく、プロトン溶媒を用いて、非プロトン系溶媒による電解液を用いた場合と同程度の高い検出感度を確保することができる。また、被験物質であるDNAやタンパク質の生理学的機能を利用して作用電極上に被験物質を捕捉し、捕捉した被検物質を電気化学的に検出する方法においては、作用電極上に被験物質を捕捉するために、前記DNAやタンパク質の生理学的機能を維持するのに適した緩衝成分が配合された水溶液が用いられている。そのため、光電流の検出の際に、非プロトン溶媒を含む電解液を用いる場合には、被験物質の捕捉に用いられた水溶液を非プロトン溶媒に置換する必要がある。一方、本発明の被検物質の電気化学的検出方法は、本発明の電解液が用いられているので、作用電極上での被験物質の捕捉から光電流の測定までの間において、溶媒を置換しなくてもよい。
本発明の被検物質の電気化学的検出方法は、(1)前記作用電極上に、光励起により電子を生じる標識物質を、前記試料中の被検物質の量に対応して存在させるステップ、
(2)前記電解液が前記作用電極と前記対極とに接触した状態で前記標識物質に光を照射するステップ、
(3)光照射によって励起された前記標識物質から前記作用電極への電子の移動により前記作用電極と前記対極との間に流れる電流を測定する工程、
を含む。この場合、本発明の被検物質の電気化学的検出方法は、前記ステップ(1)が、
(A−1)被検物質を捕捉できるプローブが固定された作用電極に、前記被検物質を含む試料を接触させて前記作用電極上に前記被検物質を捕捉させるステップ、及び
(A−2)前記作用電極上に捕捉された被検物質に標識物質を導入するステップ
を含む方法であってもよく、前記作用電極が、被検物質を捕捉できるプローブが固定された作用電極であり、前記ステップ(1)が、
(B−1)試料に含まれる被検物質に標識物質を導入するステップ、
(B−2)前記作用電極に前記試料を接触させ、前記作用電極上のプローブに前記被検物質を捕捉させるステップ
を含む方法であってもよい。
以下、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法の処理手順を添付図面に基づいて説明する。図6は、本発明の一実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法の処理手順を示す工程説明図である。
ユーザーは、被検物質Sを含む試料を、検出チップ20の試料注入口30bより注入する〔図6(A)試料供給工程を参照〕。これにより、試料中の被検物質が検出チップ20を構成する上基板30の作用電極本体61上の捕捉物質81によって捕捉される〔図6(B)被検物質捕捉工程を参照〕。このとき、試料中の被検物質S以外の物質(夾雑物質F)は、捕捉物質81に捕捉されない。
捕捉物質81は、被検物質Sの種類に応じて適宜選択することができる。例えば、被検物質Sが核酸である場合、捕捉物質81として、かかる核酸にハイブリダイズする核酸プローブ、核酸に対する抗体、核酸と結合するタンパク質等を用いることができる。被検物質Sがタンパク質又はペプチドである場合、捕捉物質81として、かかるタンパク質又はペプチドに対する抗体等を用いることができる。
捕捉物質81による被検物質の捕捉は、例えば、捕捉物質81と被検物質とが結合する条件下で行なうことができる。捕捉物質81と被検物質とが結合する条件は、被検物質の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば、被検物質が核酸であり、捕捉物質81が核酸にハイブリダイズする核酸プローブである場合、被検物質の捕捉は、ハイブリダイゼーション用緩衝液存在下に行なうことができる。被検物質が核酸、タンパク質又はペプチドであり、捕捉物質81が核酸に対する抗体、タンパク質に対する抗体又はペプチドに対する抗体である場合、被検物質の捕捉は、リン酸緩衝生理的食塩水、ヘペス(HEPES)緩衝液、ピペス(PIPES)緩衝液、トリス(Tris)緩衝液等の抗原抗体反応を行なうのに適した溶液中で行なうことができる。被検物質がリガンドであり、捕捉物質81がリガンドに対するレセプターである場合、及び、被検物質がレセプターであり、捕捉物質81がレセプターに対するリガンドである場合には、被検物質の捕捉は、リガンドとレセプターとの結合に適した溶液中で行なうことができる。
つぎに、ユーザーは、試料注入口30bから当該検出チップ20内に標識結合物質90を注入して、標識結合物質90を、作用電極本体61上の捕捉物質81により捕捉された被検物質Sに結合させる〔図6(C)標識工程を参照〕。標識工程では、作用電極本体61上の捕捉物質81と、被検物質Sと、標識結合物質90とを含む複合体が形成される。
標識結合物質90は、被検物質Sに結合する結合物質91と、標識物質92とから構成されている。
結合物質91は、被検物質Sにおいて、捕捉物質81とは異なる位置や場所に結合する物質であればよい。結合物質91は、被検物質Sの種類に応じて適宜選択される。例えば、被検物質Sが核酸である場合、結合物質91として、かかる核酸にハイブリダイズする核酸プローブ、核酸に対する抗体、核酸と結合するタンパク質等を用いることができる。また、被検物質Sがタンパク質又はペプチドである場合、結合物質91として、かかるタンパク質又はペプチドに対する抗体等を用いることができる。
標識物質92は、光を照射することにより励起状態となり電子を放出する物質である。標識物質92として、金属錯体、有機蛍光体、量子ドット及び無機蛍光体からなる群より選択された少なくとも1つを用いることができる。
標識物質の具体例としては、金属フタロシアン、ルテニウム錯体、オスミウム錯体、鉄錯体、亜鉛錯体、9−フェニルキサンテン系色素、シアニン系色素、メタロシアニン色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、アクリジン系色素、オキサジン系色素、クマリン系色素、メロシアニン系色素、ロダシアニン系色素、ポリメチン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ローダミン系色素、キサンテン系色素、クロロフィル系色素、エオシン系色素、マーキュロクロム系色素、インジゴ系色素、BODIPY系色素、CALFluor系色素、オレゴングリーン系色素、ロードル(Rhodol)グリーン、テキサスレッド、カスケードブルー、核酸(DNA、RNA等)、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、Ln23:Re、Ln22S:Re、ZnO、CaWO4、MO・xAl23:Eu、Zn2SiO4:Mn、LaPO4:Ce、Tb、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、Cy7.5及びCy9(いずれも、アマシャムバイオサイエンス社製);Alexa Fluor 355、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750及びAlexa Fluor 790(いずれも、モレキュラープローブ社製);DY−610、DY−615、DY−630、DY−631、DY−633、DY−635、DY−636、EVOblue10、EVOblue30、DY−647、DY−650、DY−651、DY−800、DYQ−660及びDYQ−661(いずれも、Dyomics社製);Atto425、Atto465、Atto488、Atto495、Atto520、Atto532、Atto550、Atto565、Atto590、Atto594、Atto610、Atto611X、Atto620、Atto633、Atto635、Atto637、Atto647、Atto655、Atto680、Atto700、Atto725及びAtto740(いずれも、Atto−TEC GmbH社製);VivoTagS680、VivoTag680及びVivoTagS750(いずれも、VisEnMedical社製)等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、LnはLa、Gd、Lu又はYを示し、Reはランタニド族元素を示し、Mはアルカリ土類金属元素を示し、xは0.5〜1.5の数を示す。標識物質の他の例については、例えば、特許第4086090号公報、特開平7−83927号公報等を参照することができる。
つぎに、検出工程が行なわれる〔図6(D)検出工程を参照〕。
かかる検出工程では、まず、ユーザーは、電解液を、検出チップ20の試料注入口30bより注入する。その後、ユーザーは、図1に示される検出装置1のチップ受入部11に検出チップ20を挿入する。そして、ユーザーは、検出装置1に測定開始を指示する。ここでは、検出装置1に挿入された検出チップ20の電極リード71,72,73は電流計14や電源15に接続される。そして、検出装置1の電源15により、参照電極69を基準として任意の電位が作用電極本体61に印加される。電極に印加される電位は、被検物質に対する励起光が照射されていない場合の電流値(定常電流、暗電流)が小さく、被検物質から生じる光電流が最大となる電位が好ましい。電位は、対極66に印加してもよく、作用電極本体61に印加してもよい。
その後、検出装置1の光源13により、作用電極60上の標識物質92に励起光が照射される。これにより、標識物質92が励起し、電子を発生する。そして、発生した電子は、作用電極60に移動する。その結果、作用電極60と対極66との間に電流が流れる。そして、検出装置1の電流計14により、作用電極60と対極66との間に流れる電流が測定される。電流計14で測定された電流値は、標識物質92の個数と相関している。したがって、測定された電流値に基づき、被検物質Sを定量することができる。なお、励起光は、必要に応じて、分光器やバンドパスフィルタを用いて得られる特定波長領域の光のみであってもよい。
その後、まず、A/D変換部16によってデジタル変換された電流値が制御部17に入力される。つぎに、予め作成された電流値と被検物質量との関係を示す検量線に基づき、制御部17により、デジタル変換後の電流値から、試料中の被検物質量が概算される。そして、概算された被検物質量の情報をディスプレイ12に表示するための検出結果画面が、制御部17によって作成される。その後、制御部17によって作成された検出結果画面がディスプレイ12に送信され、ディスプレイ12に表示される。
標識物質92への光の照射には、標識物質92を光励起することができる波長の光を照射できる光源を用いることができる。かかる光源は、標識物質92の種類等に応じて、適宜選択することができる。光源としては、例えば、蛍光灯、ブラックライト、殺菌ランプ、白熱電球、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀−キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、LED(白色LED、青色LED、緑色LED、赤色LED等)、レーザ(炭酸ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザ)、太陽光等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。光源のなかでは、蛍光灯、白熱電球、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、LED又は太陽光が好ましい。検出工程においては、必要に応じて、分光器やバンドパスフィルタを用いて得られる特定波長領域の光のみを標識物質92に照射してもよい。
標識物質92に由来する光電流の測定には、例えば、電流計、ポテンショスタット、レコーダ、計算機等を備える測定装置を用いることができる。
かかる検出工程では、光電流を定量することにより、被検物質の量を調べることができる。
なお、本実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法では、夾雑物質に基づくノイズの発生を抑制する観点から、ユーザーは、被検物質捕捉工程後、検出チップ20の試料注入口30bより夾雑物質を含む残部の液体を排出し、検出チップ20内を洗浄してもよい。検出チップ20内の洗浄には、例えば、緩衝液(特に界面活性剤を含んだ緩衝液);精製水(特に界面活性剤を含んだ精製水);エタノール等の有機溶媒等を用いることができる。
本実施の形態に係る被検物質の電気化学的検出方法では、被検物質Sに結合していない遊離の標識結合物質90を除去して、検出精度を向上させる観点から、標識工程の後、検出チップ20内を洗浄し、遊離の標識結合物質90を除去する工程をさらに行なってもよい。かかる洗浄には、例えば、エタノール、精製水等を用いることができる。
さらに、本発明においては、標識工程において、標識物質が予め結合されている標識結合物質を用いて被検物質Sを標識する代わりに、標識工程中において、標識結合物質が形成されるように操作を行なってもよい。
以下、実施例等により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(製造例1)
シランカップリング剤である3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTES)を、その濃度が1体積%となるようにトルエンに添加し、溶液Aを得た。
(製造例2)
Alexa Fluor 750標識チオール化DNA〔ライフテクノロジーズ(Life Technologies)社製、Alexa Fluor 750-5'-GCTTTCTGCGTGAAGACAGTAGTT-SH-3'(配列番号:1)、以下、「チオール化DNA」という)をその濃度が100μMとなるようにDNaseフリーの精製水に添加して溶解させた。得られたチオール基含有DNA水溶液をチオール基含有DNAの濃度が10nMとなるようにトリス緩衝生理食塩水〔組成:25mMトリス−HCl(pH7.4)、0.15M塩化ナトリウム、以下、「TBS」という〕に添加し、チオール基含有DNA含有TBSを得た。
(製造例3)
スパッタリング法により、ガラス基板からなる基板本体上に、ITOの薄膜(厚さ200nm)と酸化インジウムの薄膜(厚さ200nm)とをこの順に形成させ、作用電極本体を得た。つぎに、作用電極本体に、電流計と接続するための作用電極リードを接続し、作用電極基板を得た。得られた作用電極基板に10分間のUVオゾン処理を施し、洗浄した後、製造例1で得られた溶液Aに1時間浸漬させた。つぎに、前記作用電極基板をトルエンで洗浄し、110℃で10分間乾燥させた。また、前記作用電極基板をトルエンに浸漬させ、5分間の超音波洗浄によって前記作用電極基板上に残存したMPTESを除去した。
作用電極の枠の形状に成形されたシリコーンゴムを作用電極上に貼り付けた。シリコーンゴムで囲まれた部分に、製造例2で得られたチオール基含有DNA含有TBS10μLを滴下し、4℃で一晩静置することにより、チオール基含有DNAを作用電極上に固定した。チオール基含有DNAが固定された作用電極をTween−20含有TBS(以下、「TBS−T」という)〔組成:25mMトリス−HCl(pH7.4)、0.15M塩化ナトリウム、0.1体積%Tween−20〕500μLで3回洗浄し、超純水でリンスした後、乾燥させ、チオール基含有DNA由来の光電流シグナル(以下、「チオール基含有DNA由来シグナル」ともいう)を検出するための作用電極基板(シグナル検出用作用電極基板1)を得た。
(製造例4)
スパッタリング法により、ガラス基板からなる基板本体上に、ITOの薄膜(厚さ200nm)と酸化インジウムの薄膜(厚さ200nm)とをこの順に形成させ、作用電極本体を得た。つぎに、作用電極本体に、電流計と接続するための作用電極リードを接続し、作用電極基板を得た。得られた作用電極基板に10分間のUVオゾン処理を施し、洗浄した後、製造例1で得られた溶液Aに1時間浸漬させた。つぎに、前記作用電極基板をトルエンで洗浄し、110℃で10分間乾燥させた。また、前記作用電極基板をトルエンに浸漬させ、5分間の超音波洗浄によって前記作用電極基板上に残存したMPTESを除去し、非特異吸着由来ノイズを検出するための作用電極基板(ノイズ検出用作用電極基板1)を得た。
(製造例5)
スパッタリング法により、ガラス基板からなる基板本体上に、厚さ200nmの白金薄膜(導電層)からなる対極を形成させた。対極に、電流計と接続するための対極リードを接続し、対極基板を得た。
(製造例6)
ビオチン化DNA〔5'-TTTCGTTGTCGTGCTTACGATTGCGAGACGTTGTCGTGCTTACGATTGCGAGACGTTGTCGTGCTTACGATTGCGAGTCGTTGTCGTGCTTACGATTGCGAGT-3'-Biotin(配列番号:2)〕をその濃度が100μMとなるようにDNaseフリーの精製水に添加して溶解させ、ビオチン化DNA水溶液を得た。
(製造例7)
Alexa Fluor 750標識DNA〔Alexa Fluor 750-5'-CTCGCAATCGTAAGCACGACAACG-Alexa Fluor. 750-3'(配列番号:3)〕をその濃度が100μMとなるようにDNaseフリーの精製水に添加して溶解させ、Alexa Fluor 750標識DNA水溶液を得た。
(製造例8)
抗ヒトIL−6抗体溶液〔40μg/mL、バイオレジェンド(BioLegend)社製〕をジスルフィド還元用ゲル〔サーモサイエンティフィック(Thermo Scientific)社製、商品名:Immobilized TCEP GEL〕50μLへ添加し、20分間振盪攪拌させ、抗ヒトIL−6抗体の重鎖還元を行なった。得られた混合液を微量高速遠心機を用いた4500×g(3000rpm)で2分間の遠心分離に供し、上澄み液を回収した。得られた上澄み液をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(ファルマシア社製、商品名:Sephadex G25、カラムの大きさ:0.74cm×11cm、容量20mL)に付して余剰TCEPを除去し、抗体溶液を得た。その後、抗ヒトIL−6抗体の還元状態を維持するために、TCEPをその濃度が20nMとなるように抗体溶液に添加し、重鎖還元抗体溶液を得た。重鎖還元型抗ヒトIL−6抗体の濃度が20μg/mLとなるように前記重鎖還元抗体溶液をTBSで希釈し、抗体希釈液を得た。
(製造例9)
ブロッキング処理用試薬(DSファーマバイオメディカル社製、商品名:Block Ace)をその濃度が0.4体積%となるように1体積%ウシ血清アルブミン(BSA)含有TBS−T溶液(以下、「BSA/TBS−T溶液」という)で希釈し、ブロッキング処理用試薬の希釈液を得た。
(製造例10)
ヒトIL−6タンパク質溶液(バイオレジェンド社製)をヒトIL−6タンパク質の濃度が500pg/mLとなるようにBSA/TBS−T溶液で希釈し、ヒトIL−6タンパク質希釈液を得た。
(製造例11)
ビオチン標識抗ヒトIL−6抗体溶液(バイオレジェンド社製)をビオチン標識抗ヒトIL−6抗体の濃度が1μg/mLとなるようにBSA/TBS−T溶液で希釈し、ビオチン標識抗ヒトIL−6抗体希釈液を得た。
(製造例12)
製造例6で得られたビオチン化DNA水溶液及び製造例7で得られたAlexa Fluor 750標識DNA水溶液を、ビオチン化DNAの濃度が10μM、Alexa Fluor 750標識DNAの濃度が100μMとなるように混合した。つぎに、得られた混合液を2M塩化ナトリウム含有40mMリン酸緩衝液(pH7.4)で10倍希釈した。得られた希釈液を80℃で1分間加熱した後、80分間かけて4℃まで温度を下げることにより、ビオチン化DNAとAlexa Fluor 750標識DNAとをハイブリダイズさせ、多価標識体を含む溶液を得た。得られた溶液をTBS−Tで10倍希釈し、多価標識体希釈液を得た。
(製造例13)
スパッタリング法により、ガラス基板からなる基板本体上に、ITOの薄膜(厚さ200nm)と酸化インジウムの薄膜(厚さ200nm)とをこの順に形成させ、作用電極本体を得た。つぎに、作用電極本体に、電流計と接続するための作用電極リードを接続し、作用電極基板を得た。得られた作用電極基板に10分間のUVオゾン処理を施し、洗浄した後、製造例1で得られた溶液Aに1時間浸漬させた。つぎに、前記作用電極基板をトルエンで洗浄し、110℃で10分間乾燥させた。また、前記作用電極基板をトルエンに浸漬させ、5分間の超音波洗浄によって前記作用電極基板上に残存したMPTESを除去した。
作用電極の枠の形状に成形されたシリコーンゴムを作用電極上に貼り付けた。シリコーンゴムで囲まれた部分に、前記抗体希釈液15μLを滴下し、4℃で一晩静置することにより、重鎖還元型抗ヒトIL−6抗体を作用電極上に固定した。抗体が固定された作用電極をTBS−Tで洗浄した。前記作用電極上に、100mMトリエチレングリコール モノ−11−メルカプトウンデシルエーテル(以下、「SH−TEG」という)含有TBS溶液40μLを滴下し、4℃で一晩静置してブロッキング処理を行なった。その後、作用電極上に残存した余剰なSH−TEGをTBS−Tで洗浄した。つぎに、前記作用電極上に、製造例9で得られたブロッキング処理用試薬の希釈液50μLを滴下して1時間静置することによってさらにブロッキング処理を行なった。作用電極上に残存した余剰なブロッキング処理用試薬をTBS−Tで洗浄した後、製造例10で得られたヒトIL−6タンパク質希釈液30μLを滴下して1時間静置し、免疫複合体を形成させた。つぎに、作用電極上に残存した余剰なヒトIL−6タンパク質をTBS−Tで洗浄した後、製造例11で得られた標識抗ヒトIL−6抗体希釈液40uLを滴下し、30分間静置することによって作用電極上に免疫複合体を形成させた。作用電極上の余剰な標識抗ヒトIL−6抗体をTBS−Tで洗浄した。
前記作用電極上に製造例12で得られた多価標識体希釈液30μLを滴下し、1時間静置してビオチン−アビジン反応を行なうことにより、作用電極上に複合体を形成させた。
得られた作用電極上の複合体をTBS−Tで2回洗浄した後、超純水でリンスして乾燥させ、IL−6抗原由来の光電流シグナル(以下、「IL−6由来シグナル」ともいう)を検出するための作用電極基板(シグナル検出用作用電極基板2)を得た。
(製造例14)
スパッタリング法により、ガラス基板からなる基板本体上に、ITOの薄膜(厚さ200nm)と酸化インジウムの薄膜(厚さ200nm)とをこの順に形成させ、作用電極本体を得た。つぎに、作用電極本体に、電流計と接続するための作用電極リードを接続し、作用電極基板を得た。得られた作用電極基板に10分間のUVオゾン処理を施し、洗浄した後、製造例1で得られた溶液Aに1時間浸漬させた。つぎに、前記作用電極基板をトルエンで洗浄し、110℃で10分間乾燥させた。また、前記作用電極基板をトルエンに浸漬させ、5分間の超音波洗浄によって前記作用電極基板上に残存したMPTESを除去した。
作用電極の枠の形状に成形されたシリコーンゴムを作用電極上に貼り付けた。シリコーンゴムで囲まれた部分に、前記抗体希釈液15μLを滴下し、4℃で一晩静置することにより、重鎖還元型抗ヒトIL−6抗体を作用電極上に固定した。抗体が固定された作用電極をTBS−Tで洗浄した。前記作用電極上に、100mMトリエチレングリコール モノ−11−メルカプトウンデシルエーテル(以下、「SH−TEG」という)含有TBS溶液40μLを滴下し、4℃で一晩静置してブロッキング処理を行なった。その後、作用電極上に残存した余剰なSH−TEGをTBS−Tで洗浄した。つぎに、前記作用電極上に製造例9で得られたブロッキング処理用試薬の希釈液50μLを滴下して1時間静置することによってさらにブロッキング処理を行ない、作用電極へ非特異的に吸着した物質由来の光電流ノイズ(以下、「非特異吸着由来ノイズ」という)を検出するための作用電極基板(ノイズ検出用作用電極基板2)を得た。
(実施例1)
イミダゾリウムヨーダイド化合物である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイドをその濃度が5Mとなるように、プロトン溶媒である精製水に室温(25℃)で溶解させ、電解液を得た。
(比較例1)
テトラプロピルアンモニウムヨージド及びヨウ素をそれぞれの濃度が0.6M及び0.06Mとなるように、非プロトン溶媒である混合有機溶媒〔アセトニトリル/エチレンカーボネート(体積比)=2/3〕に室温(25℃)で溶解させ、電解液を得た。なお、比較例1の電解液は、従来用いられていた非プロトン溶媒系電解液である。
(試験例1)
製造例3で得られたシグナル検出用作用電極基板1の作用電極に対し、実施例1で得られた電解液又は比較例1で得られた電解液12.5μLを滴下し、製造例5で得られた対極基板をかぶせ、光電流を測定するための電極セルを組み立てた。得られた電極セルの作用電極上の標識物質(Alexa Fluor 750)にレーザ光(波長:781nm及び強度:13mW)を照射し、チオール基含有DNA由来シグナルの光電流を測定した。また、前記において、製造例3で得られたプローブ固定作用電極基板1を用いる代わりに製造例4で得られたノイズ検出用作用電極基板1を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、非特異吸着由来ノイズの光電流を測定した。
試験例1において、実施例1で得られた電解液及び比較例1で得られた電解液それぞれを用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値及び非特異吸着由来ノイズの光電流値を調べた結果を図7に示す。図中、1は実施例1で得られた電解液を用いたときの光電流値、2は比較例1で得られた電解液を用いたときの光電流値を示す。また、図中、(a)はチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値、(b)は非特異吸着由来ノイズの光電流値を示す。
図7に示された結果から、実施例1で得られた電解液を用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値は、比較例1で得られた電解液を用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値よりも大きいことがわかる。また、実施例1で得られた電解液を用いたときの非特異吸着由来ノイズの光電流値は、比較例1で得られた電解液を用いたときの非特異吸着由来ノイズの光電流値と同じであることがわかる。これらの結果から、イミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた本発明の電解液によれば、非プロトン溶媒が用いられた電解液を用いた場合と同等以上のSN比で光電流を測定することができることがわかる。したがって、これらの結果から、イミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた本発明の電解液によれば、被検物質としての核酸(DNA)を高感度で検出することできることが示唆される。
(試験例2)
製造例13で得られたシグナル検出用作用電極基板2の作用電極に対し、実施例1で得られた電解液又は比較例1で得られた電解液12.5μLを滴下し、製造例5で得られた対極基板をかぶせ、光電流を測定するための電極セルを組み立てた。得られた電極セルの作用電極上の標識物質(Alexa Fluor 750)にレーザ光(波長:781nm及び強度:13mW)を照射し、IL−6由来シグナルの光電流を測定した。また、前記において、製造例3で得られたプローブ固定作用電極基板1を用いる代わりに製造例14で得られたノイズ検出用作用電極基板2を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、非特異吸着由来ノイズの光電流を測定した。
試験例2において、実施例1で得られた電解液及び比較例1で得られた電解液それぞれを用いたときのIL−6由来シグナルの光電流値及び非特異吸着由来ノイズの光電流値を調べた結果を図8に示す。図中、1は実施例1で得られた電解液を用いたときの光電流値、2は比較例1で得られた電解液を用いたときの光電流値を示す。また、図中、(a)はIL−6由来シグナルの光電流値、(b)は非特異吸着由来ノイズの光電流値を示す。
図8に示された結果から、実施例1で得られた電解液を用いたときのIL−6由来シグナルの光電流値は、比較例1で得られた電解液を用いたときのIL−6由来シグナルの光電流値よりも大きいことがわかる。また、実施例1で得られた電解液を用いたときの非特異吸着由来ノイズの光電流値は、比較例1で得られた電解液を用いたときの非特異吸着由来ノイズの光電流値と同じであることがわかる。これらの結果から、イミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた本発明の電解液によれば、非プロトン溶媒が用いられた電解液を用いた場合と同等以上のSN比で光電流を測定することができることがわかる。したがって、これらの結果から、イミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた本発明の電解液によれば、被検物質としてのタンパク質やペプチドを高感度で検出することできることが示唆される。
(実施例2)
イミダゾリウムヨーダイド化合物である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイドをその濃度が3Mとなるように、プロトン溶媒である精製水に室温(25℃)で溶解させ、電解液を得た。
(実施例3及び4)
イミダゾリウムヨーダイド化合物である1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイドをその濃度が3M(実施例3)又は5M(実施例4)となるように、プロトン溶媒である精製水に室温(25℃)で溶解させ、電解液を得た。
(実施例5及び6)
イミダゾリウムヨーダイド化合物である1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイドをその濃度が3M(実施例5)又は5M(実施例6)となるように、プロトン溶媒である精製水に室温(25℃)で溶解させ、電解液を得た。
(試験例3)
製造例3で得られたシグナル検出用作用電極基板1の作用電極に対し、実施例1〜6で得られた電解液12.5μLを滴下し、製造例5で得られた対極基板をかぶせ、光電流を測定するための電極セルを組み立てた。得られた電極セルの作用電極上の標識物質(Alexa Fluor 750)にレーザ光(波長:781nm及び強度:5mW)を照射し、チオール基含有DNA由来シグナルの光電流を測定した。
試験例3において、実施例1〜6で得られた電解液それぞれを用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値を調べた結果を図9に示す。図中、1は1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイドが用いられた電解液、2は1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイドが用いられた電解液、3は1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイドが用いられた電解液を示す。また、図中、1(a)は実施例2で得られた電解液を用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値、1(b)は実施例1で得られた電解液を用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値、2(a)は実施例3で得られた電解液を用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値、2(b)は実施例4で得られた電解液を用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値、3(a)は実施例5で得られた電解液を用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値、3(b)は実施例6で得られた電解液を用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値を示す。
図9に示された結果から、電解液に配合されたイミダゾリウムヨーダイド化合物の量に依存して光電流値が高くなることがわかる。
(実施例7〜14及び比較例2〜6)
製造例3で得られたシグナル検出用作用電極基板1の作用電極に対し、電解液12.5μLを滴下し、製造例5で得られた対極基板をかぶせ、光電流を測定するための電極セルを組み立てた。得られた電極セルの作用電極上の標識物質(Alexa Fluor 750)にレーザ光(波長:781nm及び強度:5.5mW)を照射し、チオール基含有DNA由来シグナルの光電流を測定した。また、前記において、製造例3で得られたプローブ固定作用電極基板1を用いる代わりに製造例4で得られたノイズ検出用作用電極基板1を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、非特異吸着由来ノイズの光電流を測定した。得られたチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値と非特異吸着由来ノイズの光電流値とから、光電流SN比を求めた。
なお、電解液として、最も光電流値が高くなる条件である電解質の飽和液を用いた。前記電解液として、飽和1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド(EMImI)水溶液(EMImIの濃度:5.92M、式(II)の値:2、実施例7)、飽和1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド(PMImI)水溶液(PMImIの濃度:6.86M、式(II)の値:3、実施例8)、飽和1−アリル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド(AMImI)水溶液(AMImIの濃度:3.42M、式(II)の値:3、実施例9)、飽和1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド(BMImI)水溶液(BMImIの濃度:5.68M、式(II)の値:4、実施例10)、飽和1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド(HMImI)水溶液(HMImIの濃度:5.35M、式(II)の値:6、実施例11)、飽和1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド(PMMImI)水溶液(PMMImIの濃度:5.40M、式(II)の値:1.5、実施例12)、飽和1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド(BMMImI)水溶液(BMMImIの濃度:4.12M、式(II)の値:2、実施例13)、飽和1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド(HMMImI)水溶液(HMMImIの濃度:3.31M、式(II)の値:3、実施例14)、飽和テトラプロピルアンモニウムヨーダイド(NPr4I)水溶液(NPr4Iの濃度:0.50M、比較例2)、飽和テトラメチルアンモニウムヨーダイド(NMe4I)水溶液(NMe4Iの濃度:0.24M、比較例3)、飽和2−クロロ−1メチルピリジニウムヨーダイド(CMPyI)水溶液(CMPyIの濃度:3.39、比較例4)、飽和リチウムヨーダイド(LiI)水溶液(LiIの濃度:6.98、比較例5)又はテトラプロピルアンモニウムヨーダイド(NPr4I)及びヨウ素の混合有機溶媒〔アセトニトリル/エチレンカーボネート(体積比)=2/3〕溶液(NPr4Iの濃度:0.6M、I2の濃度:0.06M、比較例6)を用いた。なお、比較例6の電解液は比較例1の電解液と同様である。
実施例7〜14及び比較例2〜6の電解液を用いたときのチオール基含有DNA由来シグナルの光電流値を調べた結果を図10、実施例7〜14及び比較例2〜6の電解液を用いたときの光電流S/N値を調べた結果を図11に示す。図中、1は飽和EMImI水溶液(実施例7)、2は飽和PMImI水溶液(実施例8)、3は飽和AMImI水溶液(実施例9)、4は飽和BMImI水溶液(実施例10)、5は飽和HMImI水溶液(実施例11)、6は飽和PMMImI水溶液(実施例12)、7は飽和BMMImI水溶液(実施例13)、8は飽和HMMImI水溶液(実施例14)、9は飽和NPr4I水溶液(比較例2)、10は飽和NMe4I水溶液(比較例3)、11は飽和CMPyI水溶液(比較例4)、12は飽和LiI水溶液(比較例5)、13はNPr4I混合有機溶媒溶液(比較例6)を示す。
図10に示された結果から、イミダゾリウムヨーダイド化合物とプロトン溶媒である水とが用いられた実施例7〜14の電解液を用いたときの光電流値(レーン1〜8)は、他のヨーダイド化合物とプロトン溶媒とが用いられた比較例2〜6の電解液を用いたときの光電流値(レーン9〜12)と比べて高いことがわかる。また、図11に示された結果から、イミダゾリウムヨーダイド化合物とプロトン溶媒である水とが用いられた実施例7〜14の電解液を用いたときの光電流SN比(レーン1〜8)は、他のヨーダイド化合物とプロトン溶媒とが用いられた比較例2〜6の電解液を用いたときの光電流SN比(レーン9〜12)と比べて著しく高いことがわかる。特に、EMImI、PMImI、HMImI及びPMMImIを用いた場合、従来の非プロトン溶媒系電解液である比較例6の電解液を用いたときの光電流値以上の光電流値が得られ、EMImI、PMImI及びHMImIを用いた場合、従来の非プロトン溶媒系電解液である比較例6の電解液を用いたときの光電流SN比以上の光電流SN比が得られることがわかる。したがって、これらの結果から、イミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた本発明の電解液によれば、作用電極上での被験物質の捕捉から光電流の測定までの間において、非プロトン系溶媒による電解液を用いた場合のように溶媒を置換しなくてもよく、非プロトン系溶媒による電解液を用いた場合と同程度の高い検出感度で、被検物質としてのタンパク質やペプチドを高感度で検出することできることが示唆される。
1 検出装置
11 チップ受入部
12 ディスプレイ
13 光源
14 電流計
15 電源
16 変換部
17 制御部
20 検出チップ
20a 空間
20 当該検出チップ
30 上基板
30a 基板本体
30b 試料注入口
40 下基板
40a 基板本体
50 間隔保持部材
60 作用電極
61 作用電極本体
66 対極
69 参照電極
71,72,73 電極リード
81 捕捉物質
90 標識結合物質
91 結合物質
92 標識物質
配列番号:1は、チオール基含有DNAの塩基配列である。
配列番号:2は、ビオチン化DNAの塩基配列である。
配列番号:3は、AlexaFluor750標識DNAの塩基配列である。

Claims (9)

  1. 作用電極と対極とを用い、電解液存在下に、試料に含まれる被検物質を電気化学的に検出する方法であって、
    (1)前記作用電極上に、光励起により電子を生じる標識物質を、前記試料中の被検物質の量に対応して存在させるステップ、
    (2)前記電解液が前記作用電極と前記対極とに接触した状態で前記標識物質に光を照射するステップ、
    (3)光照射によって励起された前記標識物質から前記作用電極への電子の移動により前記作用電極と前記対極との間に流れる電流を測定するステップ、
    を含み、
    前記電解液がイミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた溶液を含有する電解液であり、
    前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、式(I):
    (式中、R 1 、R 2 及びR 3 はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8の1価の炭化水素基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。ただし、R 1 、R 2 及びR 3 のすべてが水素原子である場合を除く)
    で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物であることを特徴とする被検物質の電気化学的検出方法。
  2. 記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、式(I)において、R1、R2及びR3のいずれか1つ又はR1、R2及びR3のいずれか2つが炭素数1〜8の1価の炭化水素基であるイミダゾリウムヨーダイド化合物である請求項に記載の方法。
  3. 前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、式(II):
    [最も炭素数の多い炭化水素基の炭素数/他の炭化水素基の炭素数]
    (II)
    によって算出される値が3以下であるイミダゾリウムヨーダイド化合物である請求項又はに記載の方法。
  4. 前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、式(I)において、R1、R2及びR3のいずれか1つにヘキシル基を有するイミダゾリウムヨーダイド化合物である請求項のいずれかに記載の方法。
  5. 前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド及び1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイドからなる群より選択された少なくとも1種である請求項1に記載の方法。
  6. 前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド及び1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイドからなる群より選択された少なくとも1種である請求項5に記載の方法。
  7. 前記ステップ(1)が、
    (A−1)被検物質を捕捉できるプローブが固定された作用電極に、前記被検物質を含む試料を接触させて前記作用電極上に前記被検物質を捕捉させるステップ、及び
    (A−2)前記作用電極上に捕捉された被検物質に標識物質を導入するステップ
    を含む請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記作用電極が、被検物質を捕捉できるプローブが固定された作用電極であり、
    前記ステップ(1)が、
    (B−1)試料に含まれる被検物質に標識物質を導入するステップ、
    (B−2)前記作用電極に前記試料を接触させ、前記作用電極上のプローブに前記被検物質を捕捉させるステップ
    を含む請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  9. 作用電極と対極とを用い、電解液存在下に、試料に含まれる被検物質を電気化学的に検出する方法に用いられる電解液であって、
    前記方法は、
    (1)前記作用電極上に、光励起により電子を生じる標識物質を、前記試料中の被検物質の量に対応して存在させるステップ、
    (2)前記電解液が前記作用電極と前記対極とに接触した状態で前記標識物質に光を照射するステップ、
    (3)光照射によって励起された前記標識物質から前記作用電極への電子の移動により前記作用電極と前記対極との間に流れる電流を測定するステップ、
    を含む方法であり、
    イミダゾリウムヨーダイド化合物をプロトン溶媒に溶解させた溶液を含有しており、
    前記イミダゾリウムヨーダイド化合物が、式(I):
    (式中、R 1 、R 2 及びR 3 はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8の1価の炭化水素基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。ただし、R 1 、R 2 及びR 3 のすべてが水素原子である場合を除く)
    で表わされるイミダゾリウムヨーダイド化合物であることを特徴とする電解液。
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