JP5931599B2 - 舶用ボイラ構造、船舶及び舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法 - Google Patents

舶用ボイラ構造、船舶及び舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法 Download PDF

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本発明は、たとえば船舶に搭載される舶用主ボイラや浮体式海洋設備のデッキボイラ等に適用される舶用ボイラ構造、船舶及び舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法に関する。
従来、船舶に搭載される舶用ボイラは、発電所等で使用される陸用ボイラと比較して設置スペースの制約が大きいことから、コンパクトな構造が優先された工場完成品のパッケージボイラとなる。このため、ボイラ本体の下部には自立用の脚を備えており、工場から現地に搬送して容易に設置可能な構造となっている。すなわち、舶用ボイラは、パッケージボイラとも呼ばれる自立式ボイラである。
このような舶用ボイラは、たとえば下記の特許文献1(図1参照)に示すように、水ドラムの下方等に自立用の脚部を備えたものとなる。
図7に示す従来構造の舶用ボイラ1は自立式ボイラであり、図中に矢印Aで示す缶前方向から見た火炉2の側面視が略矩形となっている。
また、火炉2の側面視においては、ボイラ本体下面が水ドラム9からサイドボトムヘッダ12へ向けて下がるように、略矩形の火炉2を傾斜させた状態にして設置されている。
このように傾斜設置された舶用ボイラ1は、自立用として4本の支持脚を備えている。このうち、水ドラム9の下部両端に配設された2本の支持脚は、いずれか一方(図示の例では缶後側が固定支持脚20とされ、図示しない他方の1本がスライド支持脚となる。また、サイドボトムヘッダ12の下部両端に配設された2本の支持脚は、いずれもスライド支持脚30となる。なお、スライド支持脚30は、運転時の温度上昇に伴う熱伸び(熱応力)を吸収可能とした支持脚である。
また、従来の過熱器ヘッダ11は、たとえば図8に示すように、缶前後方向の両端部近傍に設けた過熱器サポート40により支持されている。この過熱器サポート40は、ケーシングをブロック化した支持構造物であり、水ドラム9に連結された底部ヘッダ13に支持された構造となっている。
特開2011−117701号公報
ところで、近年の舶用ボイラは、たとえば浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO;Floating Production, Storage and Offloading System)のデッキボイラ等にも採用されるケースが増加しているため、要求される蒸発能力の増大に伴って火炉全体が大型化する傾向にある。なお、以下の説明においては、火炉2の左右寸法を奥行寸法、缶左右方向を奥行方向、缶前後寸法を幅寸法、そして、缶前後方向を幅方向とする。
具体的には、従来構造の火炉2は、奥行寸法や幅寸法が5〜6m程度であるため、水ドラム9の下部両端に配設された2本の固定支持脚20と、サイドボトムヘッダ12の下部両端に配設された2本のスライド支持脚30とにより支持され、さらに、過熱器ヘッダ11についても、缶前後方向の両端部付近2箇所が底部ヘッダ13から吊り下げるように支持されている。
しかし、火炉寸法が大型化(たとえば、奥行寸法や幅寸法が12m程度)すると、缶前後方向における支持脚間のスパンに加えて、缶前後方向に設置された過熱器ヘッダ11も長尺化する。このため、従来の両端支持構造では、過熱器ヘッダ11の撓み量が増加することは避けられない。
この結果、過熱器ヘッダ11を支持する過熱器サポート40には、撓み量に応じて強制変異が加わるので、舶用ボイラ1の缶前後方向においては、過熱器サポート40の発生応力が許容応力を超過することも懸念される。
上述した撓み対策としては、サポート部材の強度アップや過熱器ヘッダ11の板厚を増すこと、あるいは、現地にてボイラ据付後にボイラ据付面からサポート脚を追加して設置することも考えられる。しかし、強度や板厚を増す対策には限界があり、また、サポート脚追加の対策では、現地におけるサポート脚の追加工事完了まで強度の確保が困難であることに加えて、現地工事の追加も必要になることから、自立式ボイラという舶用ボイラの特長や利点が損なわれるという問題を有している。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、自立式ボイラという舶用ボイラの特長を損なうことなく、火炉や過熱器ヘッダの撓み量抑制が可能となる舶用ボイラ構造、この舶用ボイラ構造の舶用ボイラを備えた船舶及び舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る舶用ボイラ構造は、缶左右方向に配置した火炉と、前記火炉の蒸発管側でボイラ本体下面を固定支持する固定支持脚と、前記蒸発管側の前記ボイラ本体下面で前記固定支持脚と異なる箇所を缶前後方向の熱伸びを許容して支持する蒸発管側スライド支持脚と、前記火炉側で缶左右方向を含む熱伸びを許容して前記ボイラ本体下面を支持する火炉側スライド支持脚と、前記固定支持脚及び前記蒸発管側スライド支持脚近傍に配設されている過熱器ヘッダと、を備えた自立式ボイラとされ、前記過熱器ヘッダは、缶前後方向両端部を前記ボイラ本体下面側から吊下支持する過熱器サポート部材と、前記ボイラ本体下面の中間部を支持する前記固定支持脚または前記蒸発管側スライド支持脚に固定支持された過熱器中間サポート部材と、により支持されていることを特徴とするものである。
このような舶用ボイラ構造によれば、缶左右方向に配置した火炉と、火炉の蒸発管側でボイラ本体下面を固定支持する固定支持脚と、蒸発管側のボイラ本体下面で固定支持脚と異なる箇所を缶前後方向の熱伸びを許容して支持する蒸発管側スライド支持脚と、火炉側で缶左右方向を含む熱伸びを許容してボイラ本体下面を支持する火炉側スライド支持脚と、固定支持脚及び蒸発管側スライド支持脚近傍に配設されている過熱器ヘッダと、を備えた自立式ボイラとされ、過熱器ヘッダは、缶前後方向両端部をボイラ本体下面側から吊下支持する過熱器サポート部材と、ボイラ本体下面の中間部を支持する固定支持脚または蒸発管側スライド支持脚に固定支持された過熱器中間サポート部材と、により支持されているので、固定支持脚、蒸発管側スライド支持脚及び火炉側スライド支持脚を備えた自立式ボイラの特長を維持し、かつ、過熱器中間サポート部材で長尺化した過熱器ヘッダの中央付近を支持して撓みを抑えることができる。
なお、ボイラ本体下面の缶前後方向中間部を支持する支持脚の数は、火炉寸法に応じて1または2以上の複数とすることができる。
上記の発明において、前記過熱器中間サポート部材による前記過熱器ヘッダの支持部では、前記火炉の傾斜と平行な缶左右方向の移動を許容することが好ましく、これにより、火炉の熱変形と一体に移動する両端部の支持と異なる過熱器ヘッダの中央部についても、火炉の熱変形方向へ自由に移動することが可能になる。すなわち、火炉の熱変形に伴い、過熱器ヘッダの中央部に応力が生じることを防止できる。
この場合、過熱器ヘッダが缶左右方向に移動することを許容する構造としては、缶左右方向の長穴を用いたボルト固定構造や、缶前後方向や上下方向の移動を規制して缶左右方向の移動のみ許容するスライドレール構造等がある。
本発明に係る船舶は、請求項1または2に記載の舶用ボイラ構造とした舶用ボイラを有することを特徴とするものである。
このような船舶によれば、請求項1または2に記載の舶用ボイラ構造とした舶用ボイラを有するので、舶用ボイラにおいては、固定支持脚、蒸発管側スライド支持脚及び火炉側スライド支持脚を備えた自立式ボイラの特長を維持し、かつ、過熱器中間サポート部材で長尺化した過熱器ヘッダの中央付近を支持して撓みを抑えることができる。
本発明に係る舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法は、蒸発管側のボイラ本体下部に配設された缶前後方向の過熱器ヘッダを備え、前記ボイラ本体下面に支持脚を備えている自立式ボイラとした舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法であって、缶左右方向に配置した火炉と、前記火炉の前記蒸発管側で前記ボイラ本体下面を固定支持する固定支持脚と、前記蒸発管側の前記ボイラ本体下面で前記固定支持脚と異なる箇所を缶前後方向の熱伸びを許容して支持する蒸発管側スライド支持脚と、前記火炉側で缶左右方向を含む熱伸びを許容して前記ボイラ本体下面を支持する火炉側スライド支持脚と、を備え、前記過熱器ヘッダを前記固定支持脚及び前記蒸発管側スライド支持脚近傍に配設するとともに、前記過熱器ヘッダを、缶前後方向両端部を前記ボイラ本体下面側から吊下支持する過熱器サポート部材と、前記ボイラ本体下面の中間部を支持する前記固定支持脚または前記蒸発管側スライド支持脚に固定支持された過熱器中間サポート部材と、により支持させることを特徴とするものである。
このような舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法によれば、蒸発管側のボイラ本体下部に配設された缶前後方向の過熱器ヘッダを備え、ボイラ本体下面に支持脚を備えている自立式ボイラとした舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法であって、缶左右方向に配置した火炉と、火炉の蒸発管側ボイラ本体下面を固定支持する固定支持脚と、蒸発管側のボイラ本体下面で固定支持脚と異なる箇所を缶前後方向の熱伸びを許容して支持する蒸発管側スライド支持脚と、火炉側で缶左右方向を含む熱伸びを許容してボイラ本体下面を支持する火炉側スライド支持脚と、を備え、過熱器ヘッダを固定支持脚及び蒸発管側スライド支持脚近傍に配設するとともに、過熱器ヘッダを、缶前後方向両端部をボイラ本体下面側から吊下支持する過熱器サポート部材と、ボイラ本体下面の中間部を支持する固定支持脚または蒸発管側スライド支持脚に固定支持された過熱器中間サポート部材と、により支持させるようにしたので、固定支持脚、蒸発管側スライド支持脚及び火炉側スライド支持脚を備えた舶用ボイラの特長を維持し、かつ、過熱器中間サポート部材で長尺化した過熱器ヘッダの中央付近を支持して撓みを抑えることができる。
上述した本発明によれば、自立式ボイラの特長を損なうことなく火炉全体を大型化し、しかも、火炉や過熱器ヘッダの撓み量を抑制して信頼性や耐久性の高い舶用ボイラ構造を提供することが可能になる。
本発明に係る舶用ボイラ構造及び舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法の一実施形態を示す図で、過熱器ヘッダの支持構造を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る舶用ボイラ構造について、過熱器ヘッダの中央部支持構造を缶前方向から見て示す縦断面図である。 図2に示した舶用ボイラ構造について、支持脚の配置及び熱変形による支持脚のスライド方向を示す平面図である。 図2に示した過熱器ヘッダの中央部支持構造について、要部を拡大して示す図である。 図4のA−A断面図である。 過熱器中間サポート部材を構成するアーム部材のベース板に設けた長穴を示す平面図である。 従来の舶用ボイラ構造概要を示す斜視図である。 缶前側端部の過熱器ヘッダ支持構造を示す斜視図である。
以下、本発明に係る舶用ボイラ構造及び舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図2に示す本実施形態の舶用ボイラ1Aは、パッケージボイラとも呼ばれる自立式ボイラであり、火炉2の上部に設置された複数のバーナ3を備えている。このバーナ3は、風箱に設置されており、燃焼用空気を用いて供給された燃料を燃焼させることで燃焼ガスを生成する。こうして生成された燃焼ガスは、下流側に配置された熱交換器に供給される。
バーナ3で発生した燃焼ガスは、火炉2の下流(伝熱バンク側)に配設されている伝熱管群Ht(熱交換器群)を通過して熱交換する。図示の構成では、フロントバンクチューブ4、過熱器5及び蒸発管群(リアバンクチューブ)6の順番に熱交換器が配置され、燃焼ガスは各熱交換器のチューブ内を流れる水等の流体と熱交換を行う。
以下の説明においては、フロントバンクチューブ4、過熱器5及び蒸発管群6のような重量の大きい伝熱管群Htが設置され、燃焼ガス流れ方向の下流側となる火炉2の領域については、「蒸発管側」とも呼ぶことにする。この蒸発管側に対し、燃焼ガスを生成し、燃焼ガス流れ方向の上流側で伝熱管群Htのような重量物がない領域については、「火炉側」とも呼ぶことにする。
こうして熱交換を終えた燃焼ガスは、出口側ガスダクト7を通ってガス出口8から舶用ボイラ1の外部へ排出される。すなわち、図示の舶用ボイラ1Aにおいて、バーナ3の燃焼で発生した燃焼ガスは、その主流が火炉2の内部を図中に矢印Gで示すように流れ、火炉2の下流側(蒸発管側)に設置された熱交換器の伝熱管群Htを通過することにより、各伝熱管内を流れる蒸気等の流体を加熱するように構成されている。
なお、図中の符号9は水ドラム、10は蒸気ドラム、11は過熱器ヘッダ、12はサイドボトムヘッダ12である。
さて、本実施形態の舶用ボイラ1Aは、パッケーボイラとも呼ばれている自立型ボイラであり、缶前方向から見た火炉2の側面視が略矩形となっている。また、火炉2の側面視において、火炉2が水ドラム9からサイドボトムヘッダ12へ向けて下がるように傾斜して設置されている。すなわち、火炉2は、缶左右方向において、缶前方向から見て右側となる燃焼ガス流れ方向の上流側を下げて、換言すれば、重量の大きい蒸発管側のボイラ本体下面2aを高くして傾斜設置されている。
このように傾斜設置された舶用ボイラ1Aは、図1〜図3に示すように、自立用の脚部として、水ドラム9の下部に配設された蒸発管側の固定支持脚20A及び蒸発管側スライド支持脚20と、サイドボトムヘッダ12の下部に配設された火炉側の火炉側スライド支持脚30,30Aとを備えている。
図示の構成例では、重量の大きい蒸発管側を支持するため、水ドラム9の下部にスパンを最適化して合計3箇所の支持脚が設けられている。この場合、缶前後方向の中央部に配置された1つが固定支持脚20Aとされ、両端部に配置された2つの支持脚が蒸発管側スライド支持脚20とされるが、固定支持脚20Aの配置は特に限定されることはない。
図示の固定支持脚20Aは、蒸発管側スライド支持脚20と缶前後方向の同一直線上にあり、缶前後方向両端に配置された蒸発管側スライド支持脚20の中間部に設置されている。この場合、固定支持脚20Aは、舶用ボイラ1Aの運転時に生じる熱変形(熱伸び)に対して、唯一設けた固定点側の支持脚となる。すなわち、固定支持脚20Aは、缶左右方向及び缶前後方向の両方向において、いずれの方向にも移動しない固定点となる。
これに対し、蒸発管側スライド支持脚20は、燃焼ガス流れ方向下流側の蒸発管側で、ボイラ本体下面2aの缶左右方向と直交する缶前後方向の両端部、具体的には水ドラム9の下面両端部付近を支持する一対のサポート部材である。
この蒸発管側スライド支持脚20は、各々が図3に破線矢印Saで示すスライド方向に移動(スライド)可能な構造とし、従って、舶用ボイラ1Aの運転に伴う缶前後方向の熱伸びを許容することができる。すなわち、中央部の固定支持脚20Aを基点として、缶前後方向の両方向で熱伸びを吸収できる。
ところで、缶前後方向に配列されて蒸発管側を支持する複数の支持脚は、両端部及び中央部のいずれか1箇所のみを適宜選択して固定支持脚20Aとすればよい。なお、固定支持脚については蒸発管側に限定されることはないが、後述する火炉側と比較して支持荷重が大きいこと、そして、蒸発管側のボイラ本体下面2aが高い傾斜設置となっていることから、蒸発管側の支持脚に設けることが好ましい。
また、図示の実施形態では、両端部に配置した蒸発管側スライド支持脚20の間に1つの固定支持脚20Aを設けてあるが、過熱器ヘッダ11がさらに長尺の場合には、支持脚間のスパンを最適化するため、蒸発管側スライド支持脚20を追加設置してもよい。この場合、缶前後方向に設ける支持脚数は、両端の蒸発管側スライド支持脚20及び上述した1箇所の固定支持脚20Aに加えて、蒸発管側スライド支持脚20を適宜追加した合計4以上となる。なお、支持脚数を4以上の偶数とする場合、固定支持脚20Aの位置は、缶前後方向の中央部に最も近い位置とすればよい。
火炉側スライド支持脚30,30Aは、缶前後方向でボイラ本体下面2aの両端部及び中間部、具体的にはサイドボトムヘッダ12の下面を支持するサポート部材である。この火炉側スライド支持脚30,30Aは、上述した蒸発管側スライド支持脚20及び固定支持脚20Aと平行な缶前後方向の同一直線上に同数設けられている。
このうち、缶前後方向の両端部に設置された火炉側スライド支持脚30は、缶左右方向及び缶前後方向の熱伸び、すなわち、図3に破線矢印Sbで示す平面視のスライド方向において、缶左右方向及び缶前後方向の熱伸びを合成した斜め方向の熱伸びを許容する構造の支持脚である。この火炉側支持脚30は、缶前後方向におけるそれぞれの位置が蒸発管側スライド支持脚20と同一である。
一方、缶前後方向の中央部に設置された火炉側スライド支持脚30Aは、缶左右方向の熱伸び、すなわち、図3に破線矢印Scで示す平面視のスライド方向(缶左右方向)の熱伸びを許容するように構成された支持脚である。この火炉側スライド支持脚30Aは、缶前後方向の位置が固定支持脚20Aと同一である。
このように、火炉側スライド支持脚30,30Aは、運転時の温度上昇により蒸発管側の固定支持脚20Aから缶前後方向及び缶左右方向に生じる熱伸びを許容して吸収するように構成されている。
そして、缶前後方向において固定支持脚20Aと同一位置にあるスライド支持脚30Aの支持部は、舶用ボイラ1Aの運転・停止により熱変形が生じると、図2に矢印S1で示す方向に、すなわち、ボイラ本体下面2aの傾斜方向にスライドして熱変形を吸収するようになっている。換言すれば、火炉2は、運転時の温度上昇により蒸発管側の固定支持脚20Aから缶左右方向(図2の紙面右側)に熱伸びするので、スライド支持脚30Aの支持部において矢印S1の移動を許容することにより、熱応力の発生を防止している。
過熱器ヘッダ11は、蒸発管側スライド支持脚20及び固定支持脚20Aの近傍となるボイラ本体下面側に設置された底部ヘッダ13の下面に配置されている。この過熱器ヘッダ11は、所定の間隔をもって缶前後方向へ平行に配設されている一対の配管部材であり、過熱器5を構成するチューブ群の両端部がそれぞれに接続されている。また、一対の過熱器ヘッダ11は、互いの軸中心Cを結ぶ線L(図4参照)がボイラ本体下面2aの傾斜と平行に配置されている。
そして、上述した過熱器ヘッダ11は、缶前後方向両端部を底部ヘッダ13側から吊下支持する過熱器サポート部材40と、水ドラム9の中間部を支持する固定支持脚20Aに固定支持された過熱器中間サポート部材50とにより支持されている。
過熱器サポート部材40は、たとえば図8に示すように、水ドラム9に接続されて缶左右方向へ延在する底部ヘッダ13に固定して吊り下げられたブロック状の支持構造部材である。従って、過熱器サポート部材40は、火炉2の熱変形と一体に缶左右方向へ移動する支持部材となるので、過熱器ヘッダ11の両端部において特別な缶左右方向の熱変形対策は施されていない。なお、底部ヘッダ13及び過熱器サポート部材40の支持部は、過熱器ヘッダ11の軸中心Cを結ぶ線Lと平行とるように傾斜している。
過熱器中間サポート部材50は、たとえば図4〜図6に示すように、固定支持脚20Aの側面部に対して溶接等により固定された配管支持部材である。この過熱器中間サポート部材50は、固定支持脚20Aに固定されたアーム固定部材51と、このアーム固定部材51に取り付けられた2本のアーム部材52と、アーム部材52の固定に使用される複数本のボルト53とを主な構成要素とする。
アーム固定部材51は、過熱器ヘッダ11の軸中心Cを結ぶ線Lと平行な支持面51aを有している。この支持面51aには、アーム部材52をボルト53で固定するためのボルト穴が必要数穿設されている。なお、図中の符号51bは、片持ち梁となるアーム固定部材51の先端部を支持する補強部材である。
アーム部材52は、矩形のベース板52aに柱状部材52bを溶接等により固定し、さらに、柱状部材52bの上端部に過熱器ヘッダ11のヘッダ支持面52cを取り付けたものである。なお、図示のアーム部材52は、略T字断面の柱状部材52bの上端に円弧状のヘッダ支持面52cを設けているが、これに限定されることはない。
また、ベース板52aには、アーム固定部材51の支持面51aにボルト53を用いてアーム部材52を固定するため、ボルト穴となる缶左右方向の長穴52dが設けられている。この長穴52dは、アーム部材52のヘッダ支持面52cに固定支持された過熱器ヘッダ11の中央部が、図7及び図8に示す底部ヘッダ13の熱変形により缶左右方向へスライドすることを許容するものである。
すなわち、過熱器ヘッダ11は、過熱器サポート部材40に支持された両端部が底部ヘッダ13の熱変形に伴って缶左右方向(厳密にはボイラ本体下面2aの傾斜方向)へスライドする。このため、火炉2の熱変形と一体に移動する両端部の支持構造とは異なる過熱器ヘッダ11の中央部は、換言すれば、熱影響を受けない固定支持脚20Aに固定された過熱器中間サポート部材50に支持されている過熱器ヘッダ11の中間部は、熱変形対策を何ら施さない支持構造だと応力を受けることになる。
そこで、本実施形態においては、ベース板52aに長穴52dを設けたことにより、過熱器中間サポート部材50による過熱器ヘッダ11のヘッダ支持面52cが、アーム部材52とともに火炉2の傾斜と平行な缶左右方向に移動可能となる。
すなわち、過熱器ヘッダ11の両端部が缶左右方向へスライドしても、ベース板52a及びベース板52より上部のアーム部材52は、アーム固定部材51及びボルト53に対して、長穴52dの範囲内において缶左右方向(図3に破線矢印Sdで示す平面視のスライド方向)へのスライドが許容される。
従って、過熱器ヘッダ11の中間部においても、底部ヘッダ13の熱変形方向へ自由に移動することが可能になり、この結果、火炉2の熱変形に伴う過熱器ヘッダ11の中央部に応力が生じることを防止できる。
なお、過熱器ヘッダ11の中央部が缶左右方向に移動することを許容する構造は、缶左右方向の長穴52dを用いたボルト固定構造に限定されることはなく、たとえば缶前後方向や上下方向の移動を規制して缶左右方向の移動のみを許容するスライドレール構造等を採用してもよい。
上述したように、本実施形態の舶用ボイラ1Aは、蒸発管側でボイラ本体下面2aの両端部及び中間部のいずれか1箇所を固定支持する固定支持脚20Aと、蒸発管側のボイラ本体下面2aで固定支持脚20Aと異なる箇所を缶前後方向の熱伸びを許容して支持する蒸発管側スライド支持脚20と、火炉側で缶左右方向を含む熱伸びを許容してボイラ本体下面2aの両端部及び中間部を支持する火炉側スライド支持脚30,30Aと、を備えた自立式ボイラであり、過熱器ヘッダ11は、缶前後方向両端部をボイラ本体下面2a側から吊下支持する過熱器サポート部材40と、ボイラ本体下面2aの中間部を支持する固定支持脚20Aに固定支持された過熱器中間サポート部材50と、により支持されている。
このため、大型化して奥行寸法や幅寸法が増した舶用ボイラ1Aにおいても現地工事の追加等が不要となり、固定支持脚20A、蒸発管側スライド支持脚20及び火炉側スライド支持脚30A、30を備えた自立式ボイラとして、自立式ボイラの特長を維持することができる。
さらに、大型化した舶用ボイラ1Aにおいては、過熱器中間サポート部材50で長尺化した過熱器ヘッダ11の中央付近を支持して撓みを抑えることができる。この結果、過熱器ヘッダ11の支持構造物である過熱器サポート部材40及び過熱器中間サポート部材50等に変形が加わることを防止でき、従って、過熱器ヘッダ11の支持構造物に許容応力以上の応力が発生することもないので、信頼性や耐久性が向上する。
また、過熱器中間サポート部材50には、固定支持脚20Aから缶左右方向への距離に応じた熱伸びを生じるが、過熱器ヘッダ11の両端部を支持する過熱器サポート部材40が制限することにより、火炉2の傾斜によるスラスト力の悪影響はない。
上述したように、本実施形態の舶用ボイラ1Aは、過熱器ヘッダ11の支持において、過熱器サポート部材40で過熱器の荷重を負担して構造強度を確保し、さらに、過熱器中間サポート部材50で長尺化による撓みを抑えるものである。
また、固定支持脚20A及び蒸発管側スライド支持脚20の近傍に過熱器ヘッダ11を配設するとともに、この過熱器ヘッダ11を、缶前後方向両端部をボイラ本体下面2a側から吊下支持する過熱器サポート部材40と、ボイラ本体下面2aの中間部を支持する固定支持脚20Aに固定支持された過熱器中間サポート部材50とにより支持させる過熱器ヘッダ支持方法を採用すれば、固定支持脚20A、蒸発管側スライド支持脚20及び火炉側スライド支持脚30,30Aを備えた自立式パッケージボイラの特長を維持し、さらに、過熱器中間サポート部材50で長尺化した過熱器ヘッダ11の中央付近を支持して撓みを抑えることができる。
このように、本実施形態の舶用ボイラ1Aは、現地据付工事の簡素化及び最小化という自立式ボイラの特長を損なうことなく火炉2の全体を大型化でき、しかも、火炉2や過熱器ヘッダ11の撓み量抑制や熱変形対策も施されて信頼性や耐久性が高いものとなる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
1,1A 舶用ボイラ
2 火炉
2a ボイラ本体下面
9 水ドラム
11 過熱器ヘッダ
12 サイドボトムヘッダ
13 底部ヘッダ
20 蒸発管側スライド支持脚
20A 固定支持脚
30,30A 火炉側スライド支持脚
40 過熱器サポート部材
50 過熱器中間サポート部材
51 アーム固定部材
51a 支持面
52 アーム部材
52a ベース板
52b 柱状部材
52c ヘッダ支持面
52d 長穴
53 ボルト

Claims (4)

  1. 缶左右方向に配置した火炉と、
    前記火炉の蒸発管側でボイラ本体下面を固定支持する固定支持脚と、
    前記蒸発管側の前記ボイラ本体下面で前記固定支持脚と異なる箇所を缶前後方向の熱伸びを許容して支持する蒸発管側スライド支持脚と、
    前記火炉側で缶左右方向を含む熱伸びを許容して前記ボイラ本体下面を支持する火炉側スライド支持脚と、
    前記固定支持脚及び前記蒸発管側スライド支持脚近傍に配設されている過熱器ヘッダと、
    を備えた自立式ボイラとされ、
    前記過熱器ヘッダは、缶前後方向両端部を前記ボイラ本体下面側から吊下支持する過熱器サポート部材と、前記ボイラ本体下面の中間部を支持する前記固定支持脚または前記蒸発管側スライド支持脚に固定支持された過熱器中間サポート部材と、により支持されていることを特徴とする舶用ボイラ構造。
  2. 前記過熱器中間サポート部材による前記過熱器ヘッダの支持部は、前記火炉の傾斜と平行な前記缶左右方向の移動が許容されていることを特徴とする請求項1に記載の舶用ボイラ構造。
  3. 請求項1または2に記載の舶用ボイラ構造とした舶用ボイラを有することを特徴とする船舶。
  4. 蒸発管側のボイラ本体下部に配設された缶前後方向の過熱器ヘッダを備え、前記ボイラ本体下面に支持脚を備えている自立式ボイラとした舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法であって、
    缶左右方向に配置した火炉と、
    前記火炉の前記蒸発管側で前記ボイラ本体下面を固定支持する固定支持脚と、
    前記蒸発管側の前記ボイラ本体下面で前記固定支持脚と異なる箇所を缶前後方向の熱伸びを許容して支持する蒸発管側スライド支持脚と、
    前記火炉側で缶左右方向を含む熱伸びを許容して前記ボイラ本体下面を支持する火炉側スライド支持脚と、を備え、
    前記過熱器ヘッダを前記固定支持脚及び前記蒸発管側スライド支持脚近傍に配設するとともに、
    前記過熱器ヘッダを、缶前後方向両端部を前記ボイラ本体下面側から吊下支持する過熱器サポート部材と、前記ボイラ本体下面の中間部を支持する前記固定支持脚または前記蒸発管側スライド支持脚に固定支持された過熱器中間サポート部材と、により支持させることを特徴とする舶用ボイラの過熱器ヘッダ支持方法。
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