JP2018155432A - オープンラック式気化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オープンラック式気化装置の地震対策を効果的に行う。【解決手段】オープンラック式気化装置1は、下部ヘッダー管21と、上部ヘッダー管31と、複数の伝熱管41と、によってパネル状に構成された熱交換パネル4を備える。熱交換パネルは、地震荷重が入力したときに、熱交換パネルに直交する面外方向について、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対的な変位量が大きい構成であり、上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管のうちの少なくとも一方のヘッダー管は、規制部材61によって、地震荷重が熱交換パネルに入力したときの面外方向への変形が規制されるよう構成されている。【選択図】図2

Description

ここに開示する技術は、オープンラック式気化装置に関する。
特許文献1には、オープンラック式気化装置が記載されている。オープンラック式気化装置は、一般的に、低温流体が流れるよう構成された下部ヘッダー管と、下部ヘッダー管に対して平行に配設されかつ、加熱された流体が流れるよう構成された上部ヘッダー管と、下部ヘッダー管及び上部ヘッダー管に沿う方向に並設されかつ、それぞれ上下方向に延びて下部ヘッダー管及び上部ヘッダー管を互いに連通するように構成された複数の伝熱管と、によってパネル状に構成された熱交換パネルを備えている。オープンラック式気化装置は、伝熱管内を流れる低温流体と、伝熱管の外表面を流下する熱媒体との間で熱交換を行うことによって、流体を加熱するよう構成されている。
また、特許文献1に記載されたオープンラック式気化装置では、下部ヘッダー管の一端に接続されたタイバーを支持部材が支持すると共に、下部ヘッダー管の他端に接続されたマニホールドを支持部材が支持することにより、熱交換パネルが横揺れすることを防止している。
実公平4−43748号公報
オープンラック式気化装置における地震対策は従来から行われており、オープンラック式気化装置に地震時の荷重が作用したときには、有害な損傷などが発生しないように設計されている。しかしながら、近年は、巨大地震等の発生時においても、より速やかに運転再開できるよう、オープンラック式気化装置の耐震性能を効果的に向上させることが求められている。耐震性能向上の検討過程において、本願発明者らが動的解析を行ったところ、オープンラック式気化装置の耐震性能を効果的に向上させる地震対策方法が、新たにわかった。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オープンラック式気化装置の地震対策を効果的に行うことにある。
地震時の荷重がオープンラック式気化装置に入力したときに、熱交換パネルに大きな応力が発生するケースとしては、図5に示す(1)上部ヘッダー管31と下部ヘッダー管21とが、面外方向(つまり、熱交換パネル4に直交するY方向)について相対的に大きくずれることにより、上部ヘッダー管31と伝熱管41との接続部、及び、下部ヘッダー管21と伝熱管41との接続部に過大な応力が発生するケース、及び、図6に示す(2)伝熱管41自体が面外方向に曲げ変形することにより、上部ヘッダー管31と伝熱管41との接続部、及び、下部ヘッダー管21と伝熱管41との接続部に過大な応力が発生するケースの2つがある。
これら2つのケースのうちのどちらが支配的になるかは、熱交換パネルにおける上部及び下部ヘッダー管の変形の容易さと、伝熱管の変形の容易さとの関係に依る。
オープンラック式気化装置の地震対策を効果的に行うためには、熱交換パネルに地震荷重が入力したときの、熱交換パネルの変形特性に対応する対策を行う必要がある。つまり、熱交換パネルに地震荷重が入力したとき、前記二つのケースのうち、(1)上部ヘッダー管と下部ヘッダー管とが、面外方向について相対的に大きくずれる、ことが支配的であれば、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対変位を規制する対策が有効である。これに対し、熱交換パネルに地震荷重が入力したとき、(2)伝熱管自体が面外方向に曲げ変形する、ことが支配的であれば、伝熱管の変形を規制する対策が有効である。
ここに開示する技術は、本願発明者らが前記の知見を得たことにより完成するに至ったものである。
具体的に、ここに開示する技術は、オープンラック式気化装置に係る。オープンラック式気化装置は、水平方向に伸びる下部ヘッダー管と、前記下部ヘッダー管の上方位置で前記下部ヘッダー管に対して平行に配設された上部ヘッダー管と、前記下部ヘッダー管及び前記上部ヘッダー管に沿って前記水平方向に並設されかつ、それぞれ上下方向に伸びて前記下部ヘッダー管と前記上部ヘッダー管とを互いに連通する複数の伝熱管と、によってパネル状に構成された熱交換パネルを備える。
そして、前記熱交換パネルは、地震荷重が入力したときに、前記熱交換パネルに直交する面外方向について、前記上部ヘッダー管と前記下部ヘッダー管との相対的な変位量が大きい構成であり、前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管のうちの少なくとも一方のヘッダー管は、規制部材によって、前記地震荷重が前記熱交換パネルに入力したときの前記面外方向への変形が規制されるよう構成されている。
前記の熱交換パネルは、地震荷重が入力したときに、面外方向について上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対的な変位量が大きい構成である。従って、このオープンラック式気化装置の地震対策としては、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対変位を規制する対策が有効である。
そのために前記の構成では、上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管のうちの少なくとも一方のヘッダー管(つまり、上部ヘッダー管若しくは下部ヘッダー管、又は、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との両方)は、規制部材によって、地震荷重が熱交換パネルに入力したときの面外方向への変形が規制されるよう構成されている。上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対変位が規制されるから、上部ヘッダー管と伝熱管との接続部、及び、下部ヘッダー管と伝熱管との接続部に過大な応力が発生することが回避される。その結果、熱交換パネルが損傷することが防止され、地震後においてもオープンラック式気化装置を継続して使用することが可能になる。
前記上部ヘッダー管若しくは前記下部ヘッダー管、又は、前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管の両方には、ヘッダー管を支持する支持部が、少なくとも一つ設けられ、いずれか一方のヘッダー管に設けられた支持部に対して、他方のヘッダー管の上下方向に相対する位置には、前記支持部が設けられておらず、前記規制部材は、前記支持部とは異なる位置に設けられている、としてもよい。
この構成によると、上下方向に向かい合う上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管において、支持部同士が相対しない。この構成の熱交換パネルは、地震荷重が入力したときに、熱交換パネルに直交する面外方向について、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対的な変位量が大きくなる。特に、ヘッダー管において、支持部が設けられていない箇所の変位量が大きくなる。規制部材を、支持部とは異なる位置に設けることによって、地震荷重が熱交換パネルに入力したときに、ヘッダー管が面外方向へ変形することを、規制部材によって規制することができる。
前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管の両方には、ヘッダー管を支持する支持部が、少なくとも一つ設けられ、いずれか一方のヘッダー管に設けられた支持部と、他方のヘッダー管に設けられた支持部とは、上下方向に相対する位置に設けられ、前記上下方向に相対する位置に設けられた前記支持部は、振動特性が相違し、前記規制部材は、前記支持部とは異なる位置に設けられている、としてもよい。
この構成によると、上下方向に向かい合う上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管において、支持部同士が相対するものの、ヘッダー管及び伝熱管の振動特性は異なる。これらの振動特性は、後述する変形特性パラメータと、支持部の特性、つまり境界条件(支持部の拘束方向・拘束度合・位置)によって定義される。この構成の熱交換パネルもまた、地震荷重が入力したときに、熱交換パネルに直交する面外方向について、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対的な変位量が大きくなる。規制部材を、支持部とは異なる位置に設けることによって、地震荷重が熱交換パネルに入力したときに、ヘッダー管が面外方向へ変形することを、規制部材によって規制することができる。
前記支持部は、前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管のうちの一方のヘッダー管に、前記水平方向における少なくとも二箇所に設けられかつ、前記一方のヘッダー管が前記面外方向へ変位することを拘束する拘束支持部を含み、前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管のうちの他方のヘッダー管において、前記拘束支持部に対し前記上下方向に相対する位置には、前記他方のヘッダー管が前記面外方向へ変位することを拘束する拘束支持部が設けられておらず、前記規制部材は、前記他方のヘッダー管の変形を規制するよう構成されている、としてもよい。
この構成によると、一方のヘッダー管は、拘束支持部によって面外方向への変位が拘束されるのに対し、他方のヘッダー管は、拘束支持部に対し上下方向に相対する位置に、面外方向への変位を拘束する拘束支持部が設けられていない。尚、拘束支持部に対し上下方向に相対する位置に、支持部を設けない場合、及び、拘束支持部とは異なる支持部を設ける場合の両方があり得る。一方のヘッダー管の支持構造と、他方のヘッダー管の支持構造とが相違するため、この熱交換パネルは、地震荷重が入力したときに、面外方向について上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との間に振動上の位相差が生じ、相対的な変位量が大きくなり得る。
従って、前述したように、ヘッダー管が面外方向に変形することを規制する規制部材を設けることが、オープンラック式気化装置の地震対策として有効である。特に規制部材は、拘束支持部が設けられてない他方のヘッダー管の、面外方向への変形を規制するよう構成することが、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対的な変位量を小さくする上で効果的である。その結果、上部ヘッダー管と伝熱管との接続部、及び、下部ヘッダー管と伝熱管との接続部に過大な応力が発生することを回避することができる。
ここで、オープンラック式気化装置において、気化性能を変えずに伝熱管の長さを短くするならば、伝熱管の本数を増やさなければならない。それに伴い、熱交換パネルの形状は、上下方向に短くかつ、水平方向に長い横長の形状になる。逆に気化性能を変えずに伝熱管の長さを長くするならば、伝熱管の本数は減る。それに伴い、熱交換パネルの形状は、上下方向に長くかつ、水平方向に短い縦長の形状になる。
熱交換パネルの変形において、(1)上部ヘッダー管と下部ヘッダー管とが、面外方向について相対的に大きくずれるケースと、(2)伝熱管自体が面外方向に曲げ変形するケースと、のどちらか支配的になるかは、熱交換パネルの、境界条件、スパン、重量、ヤング係数、断面二次モーメントによって定まる。熱交換パネルが横長形状であるか、縦長形状であるかは、熱交換パネルの変形特性に大いに関係する。
本願発明者らは、様々な形状の熱交換パネルについて、変形特性パラメータPaDと、(1)上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対的な変形のしやすさ、及び、(2)伝熱管自体の変形のしやすさと、の関係について検討を行った(図7参照)。図7は、横軸を、変形特性パラメータPaDとし、縦軸を、熱交換パネルが単位入力を受けたときの応答値を示すモーダルパラメータである刺激関数としたグラフである。刺激関数は、熱交換パネルの変形のしやすさの指標として用いており、刺激関数が大きいほど、熱交換パネルは変形しやすいことになる。
ここで、変形特性パラメータPaDは、熱交換パネルにおいて伝熱管の一次モード変形に係るパラメータPaP(=w・L/E・I)と、上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管の相対変位に係るパラメータPaH(=wo・Lo/E・Io)との比(PaD=PaP/PaH)とする。
また、wは、複数の伝熱管によって構成されるパネルの重量、woは、ヘッダー管の重量(上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管の二乗和平方根)、Lは、複数の伝熱管によって構成されるパネルの上下方向の長さ(つまり、パネルのスパン)、Loは、下部ヘッダー管の二つの拘束支持部の間の長さ(つまり、下部ヘッダー管のスパン)、Eは、ヤング係数、Iは、複数の伝熱管によって構成されるパネルの面外方向に関する断面二次モーメント、Ioは、ヘッダー管の面外方向に関する断面二次モーメント(上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管の二乗和平方根)とする。
尚、図7は、複数の上部ヘッダー管、複数の下部ヘッダー管、複数のパネル(このパネルは、複数の伝熱管によって構成されるパネルである)、複数の上部ヘッダー管に接続されるマニホールドとタイバー、及び、複数の下部ヘッダー管に接続されるマニホールドとタイバー、並びに、上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管のマニホールドのそれぞれに接続されるノズルからなる気化装置本体において、上部ヘッダー管の支持点の面外方向の剛性を固定にした解析モデルの解析結果である。
尚、上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管の固有周期が相違することから、上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管の位相差を考慮して、上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管の面外方向についての相対変位量は、絶対値和としている。
また、実際のオープンラック式気化装置においては、上部ヘッダー管の支持点の面外方向の剛性は固定ではなく、ばね支持であると共に、気化装置本体を支持するコンクリート架構が変形することの影響を考慮して、上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管の面外方向についての相対変位量を、算出値の4倍にしている。
図7において、黒四角は、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対変位に係る刺激関数であり、白丸は、伝熱管の上下中央位置における変形に係る刺激関数である。同図によると、変形特性パラメータPaDが小さいと、具体的には10以下であると、伝熱管の上下中央位置における変形よりも、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対変形の方が支配的である。逆に、変形特性パラメータPaDが大きいと、具体的には10を超えると、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対変形よりも、伝熱管の上下中央における変形の方が支配的である。
従って、前記熱交換パネルの変形特性パラメータPaDは、10以下である、としてもよい。
変形特性パラメータPaDが10以下の熱交換パネルは、地震荷重が入力したときに、伝熱管が曲げ変形するよりも、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管とが相対変形しやすい。従って、ヘッダー管が面外方向に変形することを規制する規制部材を設けることが地震対策として有効になる。
ここで、熱交換パネルが横長形状であるときには、変形特性パラメータPaDは小さくなり、熱交換パネルが縦長形状であるときには、変形特性パラメータPaDは大きくなる。よって、ヘッダー管が面外方向に変形することを規制する規制部材を設ける地震対策は、横長形状の熱交換パネルを備えたオープンラック式気化装置に有効である。
前記支持部は、前記上部ヘッダー管の前記水平方向の中央側に設けられかつ、前記熱交換パネルの重量を支持する吊下支持部を含み、前記規制部材は、前記上部ヘッダー管の少なくとも端部に設けられている、としてもよい。
上部ヘッダー管の中央側に吊下支持部が設けられることにより、上部ヘッダー管の端部は、吊下支持部から離れる。上部ヘッダー管の端部は、地震荷重が熱交換パネルに入力したときに、変形しやすくなる。つまり、この構成の熱交換パネルは、地震荷重が入力したときに、面外方向について上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対的な変位量が大きくなり得る。
従って、前述の通り、ヘッダー管が面外方向に変形することを規制する規制部材を設けることが地震対策として有効である。特に規制部材は、変形しやすい上部ヘッダー管の端部に、少なくとも設けることが、当該端部において、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管との相対的な変位量を小さくする上で効果的である。
前記規制部材は、前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管のうちの少なくとも一方のヘッダー管に固定されると共に、前記面外方向に伸びる梁状の部材であり、前記規制部材の両端はそれぞれ、架構の側面に対し前記面外方向に突き合わされていると共に、前記規制部材と前記架構とは非固定に構成されている、としてもよい。
こうすることで、ヘッダー管が面外方向に変形しようとすると、ヘッダー管に固定された梁状の規制部材が面外方向に変位しようとする。規制部材の両端はそれぞれ、架構の側面に対し面外方向に突き合わされているため、規制部材と架構とが干渉し合うことによって、規制部材が面外方向に変位することが防止される。その結果、ヘッダー管が面外方向に変形することが防止される。
また、前記の構成では、規制部材と架構とが非固定である。例えば既存のオープンラック式気化装置に対して、規制部材を後付けしようとしたときには、規制部材をヘッダー管に固定するだけで済む。すなわち、この構成は、既存のオープンラック式気化装置に、新たな地震対策を施すことを容易にする構成である。尚、オープンラック式気化装置を新設するときに、本構成を採用することも可能である。
さらに、規制部材と架構とを非固定とすることにより、オープンラック式気化装置の運転/停止時に、ヘッダー管が水平方向に伸縮したり、伝熱管が上下方向に伸縮したりすることの影響を緩和することができる。
以上説明したように、前記のオープンラック式気化装置によると、地震荷重が熱交換パネルに入力したときに、規制部材によって、上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管のうちの少なくとも一方のヘッダー管が面外方向へ変形することが規制されるため、伝熱管に過大な応力が発生することを防止することができ、オープンラック式気化装置の地震対策を効果的に行うことができる。
図1は、オープンラック式気化装置の構成を示す、一部断面の正面図である。 図2は、図1のII−II断面図である。 図3は、規制部材の変形例を示す図2対応図である。 図4は、規制部材の変形例を示す図2対応図である。 図5は、上部ヘッダー管と下部ヘッダー管とが、面外方向について相対的に大きくずれることにより、熱交換パネルに逆対称曲げモーメントが発生することを説明する図である。 図6は、伝熱管自体が面外方向に曲げ変形することにより、熱交換パネルに曲げモーメントが発生することを説明する図である。 図7は、各種の構成の熱交換パネルに関する、変形特性パラメータと刺激関数との関係を示す図である。
以下、ここに開示するオープンラック式気化装置(Open Rack Vaporizer:以下、ORV)について、図面を参照しながら詳細に説明をする。尚、以下の説明は例示である。以下においては、説明の便宜上、図1の紙面左右方向をX方向、紙面上下方向をZ方向、紙面に直交する方向をY方向とする。また、図2の紙面左右方向はY方向、紙面上下方向はZ方向、紙面に直交する方向はX方向である。
(ORVの全体構成)
図1は、ORV1の全体構成を示している。このORV1は、低温流体である液化天然ガス(LNG)を、熱媒体としての海水によって加熱して気化する装置である。ORV1は、コンクリート架構11と、このORV1の例ではLNGが流れる下部ヘッダー管21と、このORV1の例では気化した天然ガス(NG)が流れる上部ヘッダー管31と、下部ヘッダー管21と上部ヘッダー管31とを互いに連通するように構成された複数の伝熱管41と、伝熱管41の外表面に熱媒体を供給するよう構成された熱媒体供給手段5と、を備えている。下部ヘッダー管21、上部ヘッダー管31及び複数の伝熱管41によって、パネル状の熱交換パネル4が構成される。尚、コンクリート架構11は、鉄架構としても良い。
下部ヘッダー管21は、水平方向であるX方向に延びるように配設されている。下部ヘッダー管21の一端(図1における紙面左端)は、入口マニホールド22に接続されている。入口マニホールド22は、図には示していないが、Y方向に延びている。入口マニホールド22は、ノズル23を通じて供給されたLNGを、Y方向に並んだ複数の下部ヘッダー管21のそれぞれに分配する。下部ヘッダー管21の他端(図1における紙面右端)は、閉塞している。
上部ヘッダー管31は、下部ヘッダー管21の上方位置で、下部ヘッダー管21に対して平行に配設されている。従って、上部ヘッダー管31も、X方向に延びるように配設されている。上部ヘッダー管31の一端(図1における紙面左端)は、出口マニホールド32に接続されている。出口マニホールド32は、図には示していないが、Y方向に延びている。出口マニホールド32は、Y方向に並んだ複数の上部ヘッダー管31のそれぞれから集めたNGを、ノズル33を通じて送り出す。上部ヘッダー管31の他端(図1における紙面右端)は、閉塞している。
複数の伝熱管41は、図1においては一部のみを図示しているが、下部ヘッダー管21及び上部ヘッダー管31に沿って、X方向に並設している。尚、X方向の中央側の二箇所において、伝熱管41が配設されていない隙間が設けられている。熱交換パネル4は、三つに分割されている、ということもできる。
伝熱管41は、公知であるため詳細な図示は省略するが、円管状の本体と、本体の外周面から径方向の外方に向かって、放射状に広がる複数のフィンとを含んで構成されている。各フィンは、Z方向に延びている。尚、フィンの形状は、放射状に広がることに限定されない。また、伝熱管の本体は、円管状であることに限定されない。
熱交換パネル4は、隣り合う伝熱管41のフィン同士が突き合わさった箇所を、スポット溶接によって互いに接合することによって構成されている。熱交換パネル4は、X方向及びZ方向のそれぞれに広がる板状である。
ここで、このORV1の熱交換パネル4は、そのZ方向の長さ(つまり高さH)よりも、X方向の長さ(つまり幅W)が長い。熱交換パネル4は横長の形状を有している。これは、伝熱管41の長さを短くすると共に、ORV1において要求される気化性能を確保しようとすれば、伝熱管41の本数を多くしなければならないためである。
熱交換パネル4は、図2に一部を示すように、Y方向に、所定の間隔を空けて並設されている。このORV1では、一例として、5枚の熱交換パネル4を一組として構成している。つまり、5枚の熱交換パネル4に対応する5本の下部ヘッダー管21は、その一端が、同一の入口マニホールド22に接続されていると共に、5本の上部ヘッダー管31は、その一端が、同一の出口マニホールド32に接続されている。
尚、図示は省略するが、5本の下部ヘッダー管21の他端は、Y方向に延びる下側タイバーによって互いに連結されている。同様に、5本の上部ヘッダー管31の他端は、Y方向に延びる上側タイバーによって互いに連結されている。
入口マニホールド22は、支持部としての拘束支持部25を介してコンクリート架構11に固定されている。また、下側タイバーは、支持部としての拘束支持部26を介してコンクリート架構11に固定されている。拘束支持部25は、入口マニホールド22がY方向(つまり、熱交換パネル4に直交する面外方向)に変位することを拘束するよう構成され、X方向及びZ方向については、熱応力の発生を抑制するため、拘束しないよう構成されている。同様に、拘束支持部26は、下側タイバーが、Y方向に変位することを拘束するよう構成され、X方向及びZ方向については、拘束しないよう構成されている。従って、下部ヘッダー管21は、その一端(図1の右端)及び他端(図1の左端)のそれぞれが、拘束支持部25、26によって、Y方向に変位することを拘束されている。
これに対し、上部ヘッダー管31は、鉄架構12に吊り下げ支持されている。つまり、図1及び図2に示すように、上部ヘッダー管31の中央側における二箇所に、支持部としての吊下支持部35が固定されており、吊下支持部35が、Y方向に伸びる鉄架構12に固定されたUボルト36に係合している。上部ヘッダー管31が吊下支持部35によって吊り下げられることによって、熱交換パネル4の重量が支持されている。吊下支持部35は、その構造に起因して、上部ヘッダー管31がX方向及びY方向に変位することを、拘束していない、又は、ほとんど拘束していない。但し、上部ヘッダー管31がX方向及びY方向に変位することを拘束するように、支持部を構成してもよい。
熱交換パネル4の下部ヘッダー管21と上部ヘッダー管31とは、その支持構造が相違している。つまり、上部ヘッダー管31において、下部ヘッダー管21の二つの拘束支持部25、26に対し上下方向に相対する位置には、Y方向への変位を拘束する拘束支持部が設けられていない。また、下部ヘッダー管21は、その両端部に拘束支持部25、26が設けられているのに対し、上部ヘッダー管31は、吊下支持部35が、両端部から離れて、中央側に設けられている。
熱媒体供給手段5は、トラフ51と、海水供給管52とを有している。トラフ51は、図2に示すように、熱交換パネル4を挟んだY方向の両側それぞれにおいて、熱交換パネル4の上端部付近に、熱交換パネル4に近接して配設されている。トラフ51は、X方向に延びて配設されている。図1に示す構成例では、熱交換パネル4がX方向に三つに分割されることに対応して、トラフ51も三つに分割されている。分割された熱交換パネル4毎に、トラフ51が設けられている。
海水供給管52は、トラフ51よりも下側の位置において、X方向に伸びている。海水供給管52とトラフ51とは、海水供給管52から分岐した複数の分岐管を介して接続されている。海水供給管52及び分岐管を通じて、トラフ51に海水が供給される。トラフ51は上向きに開口しており、トラフ51の上端縁から溢れ出した海水は、トラフ51に近接した熱交換パネル4の表面に沿って流れ落ちる。
以上のように構成されたORV1において、LNGは、入口マニホールド22及び下部ヘッダー管21を経て、各伝熱管41に流入する。LNGは、伝熱管41内を流れる間に、伝熱管41の外表面を流れ落ちる海水と熱交換を行って、気化する。NGは、伝熱管41の上端から、上部ヘッダー管31及び出口マニホールド32を経て、ORV1の外部に送り出される。
(ORVの耐震構成)
このORV1には、地震荷重が入力したときに、熱交換パネル4の損傷を防止するための耐震構造を付加している。以下、ORV1の耐震構造について、詳細に説明をする。
ORV1の耐震構造は、規制部材61によって構成されている。規制部材61は、上部ヘッダー管31に固定されると共に、Y方向に伸びる梁状の部材である。より詳細に、規制部材61は、図2に示すように、上部ヘッダー管31の上側において、Y方向に並設した5本の上部ヘッダー管31の間を掛け渡すようにY方向に伸びている。規制部材61と、各上部ヘッダー管31とは、Uボルト62によって相互に固定されている。この構成により、規制部材61と上部ヘッダー管31とは、Y方向に対して一体化している。
規制部材61の両端はそれぞれ、コンクリート架構11の側面に突き合わされている。規制部材61とコンクリート架構11とは、固定されていない。
規制部材61は、図1に示すように、X方向に伸びる上部ヘッダー管31において、一端部と、他端部と、中間部の二箇所との、合計四箇所に配設されている。一端部は、上部ヘッダー管31の吊下支持部35から離れた位置である。また、他端部も、上部ヘッダー管31の吊下支持部35から離れている。中間部の二箇所はそれぞれ、熱交換パネル4の隙間に相当する位置である。四箇所の規制部材61は、X方向に、ほぼ等間隔に配設されている。
前述したように、このORV1の熱交換パネル4は、横長の形状を有している。熱交換パネル4の変形特性パラメータPaDは10以下である。
変形特性パラメータPaDは、図6に示す、熱交換パネル4において伝熱管41の一次モード変形に係るパラメータPaP(=w・L/E・I)と、図5に示す、上部ヘッダー管31及び下部ヘッダー管21の相対変位に係るパラメータPaH(=wo・Lo/E・Io)との比(=PaP/PaH)としている。
また、wは、複数の伝熱管41によって構成されるパネルの重量、woは、ヘッダー管の重量(上部ヘッダー管31及び下部ヘッダー管21の二乗和平方根)、Lは、複数の伝熱管41によって構成されるパネルの上下方向の長さ、Loは、下部ヘッダー管21の二つの拘束支持部25、26間の長さ、Eは、ヤング係数、Iは、複数の伝熱管41によって構成されるパネルのY方向(つまり、面外方向)に関する断面二次モーメント、Ioは、ヘッダー管のY方向に関する断面二次モーメント(上部ヘッダー管31及び下部ヘッダー管21の二乗和平方根)としている。
図7は、変形特性パラメータPaDと、熱交換パネル4が単位入力を受けたときの応答値を示すモーダルパラメータである刺激関数との関係を示している。図7において、黒四角は、上部ヘッダー管31と下部ヘッダー管21との相対変位に係る刺激関数であり、白丸は、伝熱管41の上下中央位置における変形に係る刺激関数である。同図によると、変形特性パラメータPaDが10以下であると、伝熱管41の上下中央位置における変形(図6参照)よりも、上部ヘッダー管31と下部ヘッダー管21との相対変形(図5参照)の方が支配的になる。つまり、地震荷重が熱交換パネル4に入力したときに、伝熱管41の上下中央位置が変形するよりも、上部ヘッダー管31と下部ヘッダー管21との相対変形の方が変形しやすい。
従って、変形特性パラメータPaDが10以下である熱交換パネル4に対して、上部ヘッダー管31に規制部材61を取り付けることによって、地震荷重が熱交換パネル4に入力したときに、上部ヘッダー管31と下部ヘッダー管21との、Y方向についての相対的な変位量が大きくなることを抑制することができる。つまり、上部ヘッダー管31がY方向に変形しようとしても、規制部材61の端がコンクリート架構11の側面に当たるため、上部ヘッダー管31の変形が抑制される。その結果、上部ヘッダー管31と伝熱管41との接続部、及び、下部ヘッダー管21と伝熱管41との接続部に過大な応力が発生することを回避することができる。
尚、熱交換パネル4が横長であると、変形特性パラメータPaDは小さくなり、熱交換パネル4が縦長であると、変形特性パラメータPaDは大きくなる。
また、前記のORV1は、上部ヘッダー管31の吊下支持部35が、X方向の中央側に設けられている。この支持構成により、上部ヘッダー管31は、吊下支持部35よりも端部側が、Y方向に変形しやすい構造を有している。また、吊下支持部35は、上部ヘッダー管31がY方向へ変位することは、ほとんど拘束しない。この支持構成により、上部ヘッダー管31は、吊下支持部35よりも端部側が、Y方向にさらに変形しやすい構造を有している。
一方、下部ヘッダー管21は、二箇所の拘束支持部25、26によって、Y方向に変位することが拘束されている。
さらに、上部ヘッダー管31において、下部ヘッダー管21の拘束支持部25、26に対し、上下方向に相対する位置には、上部ヘッダー管31がY方向に変位することを拘束する拘束支持部が設けられていない。
このようにORV1は、上部ヘッダー管31と下部ヘッダー管21との支持構造が相違しており、これらの支持構造の相違点の少なくとも一つに起因して、熱交換パネル4は、上部ヘッダー管31と下部ヘッダー管21との間に、振動上の位相差が生じ、上部ヘッダー管31と下部ヘッダー管21との、Y方向についての相対的な変位量が大きくなりやすい、ということができる。従って、規制部材61によって、上部ヘッダー管31がY方向に変形することを規制することは、地震荷重が熱交換パネル4に入力したときに、伝熱管41に過大な応力が発生することを防止する上で、有効である。
こうして、熱交換パネル4の変形特性に応じた構成の規制部材61によって、ORV1に地震対策を施すことにより、地震発生時に、伝熱管41に過大な応力が発生することを防止することができる。その結果、ORV1を、地震後においても継続して使用することが可能になる。
また、前述した構成の規制部材61は、Y方向に並んだ上部ヘッダー管31に対してUボルト62によって固定するだけであり、しかも、規制部材61とコンクリート架構11とは非固定であるため、既設のORV1に対して、容易に後付けをすることができるという利点もある。
さらに、規制部材61とコンクリート架構11とを非固定とすると、ORV1の運転/停止時に、上部ヘッダー管31が水平方向に伸縮したり、伝熱管41が上下方向に伸縮したりすることの影響を緩和することができる。
尚、規制部材61は、ORV1の運転時の、前記伸縮による影響が小さければ、その端をコンクリート架構11の側面に固定するようにしてもよい。また、規制部材61は、前記の構成では、熱交換パネル4に対し、X方向の四箇所に設けているが、規制部材61の配設数は、増減することが可能である。
(変形例)
規制部材は、図2に示す構成に限らない。上部ヘッダー管31のY方向の変形を規制することが可能であれば、規制部材は、どのような構成を採用してもよい。
例えば図3は、規制部材63を、X方向に伸びる梁状の部材によって構成するのではなく、隣り合う上部ヘッダー管31の間と、上部ヘッダー管と31コンクリート架構11との間に介在する、複数の棒状の部材によって構成している。
この構成においても、地震荷重が熱交換パネル4に入力することによって、上部ヘッダー管31がY方向に変位しようとしたときに、規制部材63が上部ヘッダー管31の変位を規制することができる。
図2及び図3に示すように、規制部材は、ヘッダー管同士の間隔、及び、ヘッダー管と架構との間の間隔が変化しないように、ヘッダー管と架構との間をつなぐ、又は、ヘッダー管同士をつなぐ部材とすればよい。
また、図4に示すように、上部ヘッダー管31を挟んだY方向の両側に配置した片状の部材によって、規制部材64を構成してもよい。規制部材64は、鉄架構12に固定されており、上部ヘッダー管31がY方向に変位しようとしても、上部ヘッダー管31の側部が規制部材64と干渉することによって、上部ヘッダー管31の変位が規制される。
尚、前記の構成では、上部ヘッダー管31に対して、規制部材61、63、64を設けているが、下部ヘッダー管21に対して、Y方向の変形を規制する規制部材を設けてもよい。また、上部ヘッダー管31と下部ヘッダー管21との両方に、規制部材を設けてもよい。
また、前記の構成では、ORV1において、隣り合う伝熱管41同士が溶接により接合されているが、伝熱管41は、互いに接合しなくてもよい。
さらに、前記の構成では、熱交換パネル4に関し、X方向の中央側の二箇所において、伝熱管41が配設されていない隙間を設けているが、こうした隙間は省略してもよい。その場合、規制部材は、熱交換パネル4に対し、X方向における適宜の箇所に配設すればよい。
加えて、熱交換パネル4の支持構成は、前述した構成に限定されない。熱交換パネル4は、上部ヘッダー管31若しくは下部ヘッダー管21、又は、上部ヘッダー管31及び下部ヘッダー管21の両方に、ヘッダー管を支持する支持部(尚、支持部の構成は特定の構成に限定されない)を、少なくとも一つ設けると共に、いずれか一方のヘッダー管に設けられた支持部に対して、他方のヘッダー管の上下方向に相対する位置には支持部を設けない構成としてもよい。こうした構成の熱交換パネル4も、地震荷重が熱交換パネル4に入力したときに、上部ヘッダー管31及び下部ヘッダー管21の相対的な変位量が大きくなる。この構成において規制部材は、上部ヘッダー管31及び/又は下部ヘッダー管21において、支持部とは異なる位置に設ければよい。
また、熱交換パネル4は、上部ヘッダー管31及び下部ヘッダー管21の両方に、ヘッダー管を支持する支持部(尚、支持部の構成は特定の構成に限定されない)を、少なくとも一つ設けると共に、いずれか一方のヘッダー管に設けられた支持部と、他方のヘッダー管に設けられた支持部とは、上下方向に相対する位置に設けられ、上下方向に相対する位置に設けられた支持部は、振動特性が相違する構成としてもよい。ヘッダー管及び伝熱管の振動特性は、前述した変形特性パラメータPaDと、支持部の特性、つまり境界条件(支持部の拘束方向・支持度合・位置)とによって定義される。こうした構成の熱交換パネル4も、地震荷重が熱交換パネル4に入力したときに、上部ヘッダー管31及び下部ヘッダー管21の相対的な変位量が大きくなる。この構成においても規制部材は、上部ヘッダー管31及び/又は下部ヘッダー管21において、支持部とは異なる位置に設ければよい。
1 オープンラック式気化装置
11 コンクリート架構
21 下部ヘッダー管
25 拘束支持部(支持部)
26 拘束支持部(支持部)
31 上部ヘッダー管
35 吊下支持部(支持部)
4 熱交換パネル
41 伝熱管
61 規制部材
63 規制部材
64 規制部材

Claims (7)

  1. 水平方向に伸びる下部ヘッダー管と、前記下部ヘッダー管の上方位置で前記下部ヘッダー管に対して平行に配設された上部ヘッダー管と、前記下部ヘッダー管及び前記上部ヘッダー管に沿って前記水平方向に並設されかつ、それぞれ上下方向に伸びて前記下部ヘッダー管と前記上部ヘッダー管とを互いに連通する複数の伝熱管と、によってパネル状に構成された熱交換パネルを備え、
    前記熱交換パネルは、地震荷重が入力したときに、前記熱交換パネルに直交する面外方向について、前記上部ヘッダー管と前記下部ヘッダー管との相対的な変位量が大きい構成であり、
    前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管のうちの少なくとも一方のヘッダー管は、規制部材によって、前記地震荷重が前記熱交換パネルに入力したときの前記面外方向への変形が規制されるよう構成されているオープンラック式気化装置。
  2. 請求項1に記載のオープンラック式気化装置において、
    前記上部ヘッダー管若しくは前記下部ヘッダー管、又は、前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管の両方には、ヘッダー管を支持する支持部が、少なくとも一つ設けられ、
    いずれか一方のヘッダー管に設けられた支持部に対して、他方のヘッダー管の上下方向に相対する位置には、前記支持部が設けられておらず、
    前記規制部材は、前記支持部とは異なる位置に設けられているオープンラック式気化装置。
  3. 請求項1に記載のオープンラック式気化装置において、
    前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管の両方には、ヘッダー管を支持する支持部が、少なくとも一つ設けられ、
    いずれか一方のヘッダー管に設けられた支持部と、他方のヘッダー管に設けられた支持部とは、上下方向に相対する位置に設けられ、前記上下方向に相対する位置に設けられた前記支持部は、振動特性が相違し、
    前記規制部材は、前記支持部とは異なる位置に設けられているオープンラック式気化装置。
  4. 請求項2又は3に記載のオープンラック式気化装置において、
    前記支持部は、前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管のうちの一方のヘッダー管に、前記水平方向における少なくとも二箇所に設けられかつ、前記一方のヘッダー管が前記面外方向へ変位することを拘束する拘束支持部を含み、
    前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管のうちの他方のヘッダー管において、前記拘束支持部に対し前記上下方向に相対する位置には、前記他方のヘッダー管が前記面外方向へ変位することを拘束する拘束支持部が設けられておらず、
    前記規制部材は、前記他方のヘッダー管の変形を規制するよう構成されているオープンラック式気化装置。
  5. 請求項4に記載のオープンラック式気化装置において、
    前記熱交換パネルの変形特性パラメータPaDは、10以下であり、
    前記変形特性パラメータPaDは、前記熱交換パネルにおいて前記伝熱管の一次モード変形に係るパラメータPaP(=w・L/E・I)と、前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管の相対変位に係るパラメータPaH(=wo・Lo/E・Io)との比(=PaP/PaH)としており、
    wは、複数の伝熱管によって構成されるパネルの重量、woは、ヘッダー管の重量(上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管の二乗和平方根)、Lは、複数の伝熱管によって構成されるパネルの前記上下方向の長さ、Loは、前記下部ヘッダー管の二つの拘束支持部の間の長さ、Eは、ヤング係数、Iは、複数の伝熱管によって構成されるパネルの面外方向に関する断面二次モーメント、Ioは、ヘッダー管の面外方向に関する断面二次モーメント(上部ヘッダー管及び下部ヘッダー管の二乗和平方根)としたオープンラック式気化装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載のオープンラック式気化装置において、
    前記支持部は、前記上部ヘッダー管の前記水平方向の中央側に設けられかつ、前記熱交換パネルの重量を支持する吊下支持部を含み、
    前記規制部材は、前記上部ヘッダー管の少なくとも端部に設けられているオープンラック式気化装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のオープンラック式気化装置において、
    前記規制部材は、前記上部ヘッダー管及び前記下部ヘッダー管のうちの少なくとも一方のヘッダー管に固定されると共に、前記面外方向に伸びる梁状の部材であり、
    前記規制部材の両端はそれぞれ、架構の側面に対し前記面外方向に突き合わされていると共に、前記規制部材と前記架構とは非固定に構成されているオープンラック式気化装置。
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